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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】電子部品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   H01G 13/00 20130101AFI20241213BHJP
【FI】
H01G13/00 331C
H01G13/00 331D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023145334
(22)【出願日】2023-09-07
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(73)【特許権者】
【識別番号】599069507
【氏名又は名称】株式会社ダイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】笠松 淳史
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真輝
(72)【発明者】
【氏名】神戸 祐二
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-264430(JP,A)
【文献】特開2023-106216(JP,A)
【文献】特開平7-25444(JP,A)
【文献】特開2019-86397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 13/00
H05K 13/02
B65G 47/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線を有する電子部品をその軸線に沿って搬送する電子部品搬送装置において、
前記電子部品を搬送するとともに、その断面が円形状部分を含む姿勢変換通路と、
前記姿勢変換通路から前記電子部品を受け取り搬送するとともに、その断面がV字形状を有する下流側通路と、
前記姿勢変換通路の外方に設けられ、前記姿勢変換通路内に磁力を生じさせる磁力発生部と、を備え、
前記姿勢変換通路内の前記電子部品は、前記磁力発生部により生じた磁力により、前記円形状部分に沿って軸線回りに回転してその姿勢を変え、
前記下流側通路の前記姿勢変換通路側の端部は、その断面が前記円形状部分の接線により形成されたV字形状をもち、このV字形状は下流側に向かって上昇し、前記V字形状の下端が前記円形状部分の下端の延長線上に至り、
前記下流側通路の前記V字形状の下端に逃がし溝を設けた、電子部品搬送装置。
【請求項2】
前記姿勢変換通路の上流側に、前記電子部品を搬送するとともに、その断面がV字形状を有し、前記電子部品を前記姿勢変換通路へ送る上流側通路が設けられ、
前記上流側通路の前記姿勢変換通路側の端部において、その断面のV字形状の下端が前記円形状部分の下端に一致し、
前記上流側通路の前記V字形状の下端に逃がし溝を設けた、請求項1記載の電子部品搬送装置。
【請求項3】
前記電子部品は、長手方向に延びる軸線を有する正四角柱からなり、前記電子部品はこの長手方向に延びる軸線に沿って搬送される、請求項1または2記載の電子部品搬送装置。
【請求項4】
前記姿勢変換通路の断面において、前記円形状部分は前記電子部品の断面の対角線以上の長さの直径をもつ円形状部分を有する、請求項3記載の電子部品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の一種として、基板に実装される積層セラミックコンデンサが知られている。積層セラミックコンデンサでは、複数の内部電極とセラミック誘電体層とが積層されている。
【0003】
従来より積層セラミックコンデンサを、内部電極の積層方向が所定の向きに整列した状態で基板に実装する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-018698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、簡単な構造で電子部品を整列させることができる電子部品搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、軸線を有する電子部品をその軸線に沿って搬送する電子部品搬送装置において、前記電子部品を搬送するとともに、その断面が円形状部分を含む姿勢変換通路と、前記姿勢変換通路から前記電子部品を受け取り搬送するとともに、その断面がV字形状を有する下流側通路と、前記姿勢変換通路の外方に設けられ、前記姿勢変換通路内に磁力を生じさせる磁力発生部と、を備え、前記姿勢変換通路内の前記電子部品は、前記磁力発生部により生じた磁力により、前記円形状部分に沿って軸線回りに回転してその姿勢を変え、前記下流側通路の前記姿勢変換通路側の端部は、その断面が前記円形状部分の接線により形成されたV字形状をもち、このV字形状は下流側に向かって上昇し、前記V字形状の下端が前記円形状部分の下端の延長線上に至り、前記下流側通路の前記V字形状の下端に逃がし溝を設けた、電子部品搬送装置である。
【0007】
本開示は、前記姿勢変換通路の上流側に、前記電子部品を搬送するとともに、その断面がV字形状を有し、前記電子部品を前記姿勢変換通路へ送る上流側通路が設けられ、前記上流側通路の前記姿勢変換通路側の端部において、その断面のV字形状の下端が前記円形状部分の下端に一致し、前記上流側通路の前記V字形状の下端に逃がし溝を設けた、電子部品搬送装置である。
【0008】
本開示は、前記電子部品は、長手方向に延びる軸線を有する正四角柱からなり、前記電子部品はこの長手方向に延びる軸線に沿って搬送される、電子部品搬送装置である。
【0009】
本開示は、前記姿勢変換通路の断面において、前記円形状部分は前記電子部品の断面の対角線以上の長さの直径をもつ円形状部分を有する、電子部品搬送装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電子部品を簡単な構造で整列させることができる電子部品搬送装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本開示による電子部品搬送装置を示す概略図。
図2A図2A図1のA-A線断面図。
図2B図2B図1のB-B線断面図。
図2C図2C図1のC-C線断面図。
図3A図3Aは姿勢変換通路と上流側通路との位置関係を示す図であって便宜上逃がし溝を除いた図。
図3B図3Bは姿勢変換通路と下流側通路との位置関係を示す図であって便宜上逃がし溝を除いた図。
図4図4は電子部品処理装置の全体を示す図。
図5A図5Aは電子部品を示す側面図。
図5B図5Bは電子部品を示す正面図。
図6図6は一対の磁力発生部により生じる磁力線を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示による電子部品搬送装置について説明する。
【0013】
以下、本開示による電子部品搬送装置の実施の形態について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
【0014】
なお、本実施の形態において、「上方」、「下方」とは、電子部品搬送装置10を図1,および図2A乃至図2Cのように配置した場合の「上方」、「下方」をいう。
【0015】
まず本開示による電子部品搬送装置10によって搬送される電子部品(以下、ワークともいう)について図5Aおよび図5Bにより説明する。ここで図5Aは電子部品(ワーク)Wを示す側面図、図5Bは電子部品(ワーク)Wを示す正面図である。
【0016】
図5Aおよび図5Bに示すように、ワークWは、略直方体状、例えば略正四角柱からなるコンデンサである。具体的には、ワークWは、正四角柱の積層セラミックコンデンサである。
【0017】
もっとも、本実施の形態において、ワークWは、コンデンサに限定されない。本実施の形態において、ワークWは、サーミスタ、インダクタ等であってもよい。
【0018】
ワークWは、電子部品本体W1を備え、この電子部品本体W1も、ワークWと同様、略正四角柱からなる。このため図5Bに示すワークWの正面図において、ワークWは略正方形状を有する。
【0019】
電子部品本体W1は、静電容量を得るために、主成分として誘電体セラミックスにより構成されている。誘電体セラミックスの具体例としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3などが挙げられる。電子部品本体W1には、ワークWに要求される特性に応じて、例えばMn化合物、Mg化合物、Si化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物、希土類化合物などの主成分よりも含有量が少ない副成分が適宜添加されていてもよい。
【0020】
図5Aおよび図5Bに示すように、電子部品本体W1の内部には、内部導体として、複数の内部電極W3が設けられている。
【0021】
各内部電極W3は高さ方向Hに沿って交互に積層され、各内部電極W3は高さ方向Hにおいてセラミック部W4を介して互いに対向している。
【0022】
各内部電極W3はそれぞれ、金属、特に強磁性金属を含有する。好ましく用いられる強磁性金属の具体例としては、例えば、Ni、Fe、Ni及びFeのうちの少なくとも一種を含む合金等が挙げられる。
【0023】
また電子部品本体W1の両端部には一対の外部電極W2,W2が設けられている。
【0024】
一対の外部電極W2,W2は、それぞれ、例えば、Pt、Au、Ag、Cu、Ni、Cr等の少なくとも一種を含有する。
【0025】
次に図4により、本開示による電子部品搬送装置10が組み込まれた電子部品処理装置について説明する。
【0026】
電子部品処理装置1は、電子部品(ワーク)Wを搬送する本開示による電子部品搬送装置10と、電子部品搬送装置10にローダユニット42を介して接続されたインデックステーブル40とを備えている。また電子部品搬送装置10の上流には、ワークWを貯えてワークWを電子部品搬送装置10に送る電子部品供給装置49が設けられている。
【0027】
図4において、電子部品搬送装置10からワークWがローダユニット42を介してインデックステーブル40へ供給される。インデックステーブル40に供給されたワークWはインデックステーブル40の外周に設けられた収納溝45内に収納される。インデックステーブル40を回転させながらインデックステーブル40の収納溝45内のワークWに対して、まず電子部品測定装置41によりワークWの電気的特性が測定される。電子部品測定装置41において、後述する測定プローブ(図示せず)を用い、この測定プローブをワークWに接触させることによりワークWの電気的特性が測定される。
【0028】
その後、インデックステーブル40の回転に伴って、収納溝45内のワークWに対してトップカメラ43およびボトムカメラ44を用いてワークWの上面および下面の外面が検査される。
【0029】
さらにインデックステーブル40が回転し、不良品のワークWが排出装置46から外方へ排出され、良品のワークWのみが電子部品挿入装置50に至る。
【0030】
この電子部品挿入装置50において、インデックステーブル40の収納溝45内のワークWは挿入ノズル(図示せず)により吸着された後、挿入ノズルが降下して、挿入ノズルに吸着されたワークWがキャリアテープ5の凹部5a内に投入される。
【0031】
凹部5a内にワークWが投入された後、キャリアテープ5上にトップテープ6が載置される。次にトップテープ6がアイロンユニット53によりキャリアテープ5上に接着され、トップテープ6によりキャリアテープ5の凹部5aが密封される。その後凹部5aがトップテープ6により密封されたキャリアテープ5は、外方へ排出される。
【0032】
次にこのような電子部品処理装置1に組み込まれた本開示による電子部品搬送装置10について、図1乃至図3Bおよび図6により説明する。
【0033】
図1乃至図6に示すように、電子部品搬送装置10は、ワークWを搬送するものであり、この場合、ワークWは上述のように略正四角柱からなるとともに軸線Lを有する。そして電子部品搬送装置10はワークWを軸線Lに沿って搬送するようになっている。
【0034】
このような電子部品搬送装置10は、図1に示すように装置本体11と、この装置本体11に取り付けられた補助部材12とからなる。そして装置本体11と補助部材12とにより、ワークWを搬送する上流側通路(以下、第1通路ともいう)21と、第1通路21に連結されワークWを軸線Lの回りに回転させてワークWの姿勢を変換する姿勢変換通路(以下、第2通路ともいう)22と、第2通路22に連結されワークWを搬送する下流側通路(以下、第3通路ともいう)23とが形成されている。
【0035】
このうち第1通路21は電子部品供給装置49から供給されるワークWを第2通路22側へ搬送し、第3通路23は第2通路22により姿勢変換された後のワークWをインデックステーブル40側へ搬送する。
【0036】
またワークWは搬送方向L1に沿って電子部品搬送装置10において、第1通路21、第2通路22および第3通路23を経て搬送される。
【0037】
本実施の形態において、ワークWの軸線Lは電子部品搬送装置10の搬送方向L1に一致している。
【0038】
また装置本体11および補助部材12の外方、すなわち搬送方向L1に対して直交する方向の外方であって、第2通路22に対応する部分に装置本体11および補助部材12を挟むように、一対の磁力発生部30A,30Bが設けられている。各磁力発生部30AはN極とS極を有する磁石からなる。この一対の磁力発生部30A,30Bについては、後述する。
【0039】
なお、本実施の形態において、一対の磁力発生部30A,30Bを設けた例を示したが、磁力発生部は例えば1つの磁力発生部30Aのみを設けてもよい。
【0040】
次に図2A乃至図2Cにより、電子部品搬送装置10の第1通路21、第2通路22および第3通路23について述べる。
【0041】
まず第1通路21は、図1のA-A線断面図である図2Aに示すように、その断面が装置本体11に形成されたV字形状15を有し、このV字形状15はワークWの外面に当接する一対の当接面15aを含む。そして第1通路21のV字形状15の断面によって、略四角柱状のワークWを正確に位置決めしながら搬送することができる。
【0042】
さらに第1通路21は、V字形状15の下端に逃がし溝16を有する。
【0043】
上述のようにワークWは正面からみて正方形状をもつ。またこの正方形状のワークWに合わせてV字形状15の一対の当接面15a,15aも互いの間の角度が90°となっている。
【0044】
しかしながら、第1通路21の成形精度によっては、一対の当接面15a,15aの間の角度が正確に90°とならない場合も考えられる。この場合は、ワークWの外面と一対の当接面15a,15aとの間に隙間が生じて、一対の当接面15a,15a間でワークWががたつくことも考えられる。
【0045】
本実施の形態において、V字形状15の断面をもつ第1通路21の下端に逃がし溝16を設けることにより、ワークWの下端をこの逃がし溝16内に挿入させることができ、このことにより、第1通路21内におけるワークWのがたつきを抑えることができる。
【0046】
なお、V字形状15の下端に設けられた逃がし溝16は、V字形状15の下端に下方に延びるように設けてもよい(図2A実線参照)。
【0047】
あるいは逃がし溝16はV字形状15の下端に、一方の当接面15aから延長して平行に延びるように設けてもよい(図2A破線参照)。
【0048】
次に第3通路23は、図1のC-C線断面図である図2Cに示すように、その断面が装置本体11に形成されたV字形状17を有し、このV字形状17はワークWの外面に当接する一対の当接面17aを含む。そして第3通路23のV字形状17の断面によって、略四角柱状のワークWを正確に位置決めしながら搬送することができる。
【0049】
さらに第3通路23は、V字形状17の下端に逃がし溝18を有する。
【0050】
上述のようにワークWは正面からみて正方形状をもつ。またこの正方形状のワークWに合わせてV字形状17の一対の当接面17a,17aも互いの間の角度が90°となっている。
【0051】
しかしながら、第3通路23の成形精度によっては、一対の当接面17a,17aの間の角度が正確に90°とならない場合も考えられる。この場合は、ワークWの外面と一対の当接面17a,17aとの間に隙間が生じて、一対の当接面17a,17a間でワークWががたつくことも考えられる。
【0052】
本実施の形態において、V字形状17の断面をもつ第3通路23の下端に逃がし溝18を設けることにより、ワークWの下端をこの逃がし溝18内に挿入させることができ、このことにより、第1通路21内におけるワークWのがたつきを抑えることができる。
【0053】
なお、V字形状17の下端に設けられた逃がし溝18は、V字形状17の下端に下方に延びるように設けてもよい(図2C実線参照)。
【0054】
あるいは逃がし溝18はV字形状の下端に、一方の当接面17aから平行に延びるように設けてもよい(図2C破線参照)。
【0055】
次に第2通路22について述べる。第2通路22は図1のB-B線断面図である図2Bに示すように、その断面が装置本体11に形成された円形状部分25を有し、この円形状部分25はワークWが軸線Lの回りに回転する際、ワークWの外面を支持して案内する案内面25aを有する。
【0056】
図2Bに、ワークWが軸線Lの回りに回転する際のワークWを囲む仮想円26を示す。この仮想円26はワークWの対角線L2の長さと略同一長さの直径とする円からなる。具体的には仮想円26の直径は、ワークWの対角線L2の長さよりわずかに長く、対角線L2×(1.05~1.08)となっている。本実施の形態においては、第2通路22の円形状部分25はこの仮想円26のうち、180°以上に渡って延びている。
【0057】
次に第1通路21と第2通路22との間の連結構造および、第2通路22と第3通路23との間の連結構造について、図3Aおよび図3Bにより説明する。
【0058】
まず説明の都合上、図3Bにより第2通路22と第3通路23との間の連結構造について述べる。
【0059】
図3Bに示すように、第2通路22内において一対の磁力発生部30A,30Bにより生じた磁力によりワークWが軸線L回りに回転する。
【0060】
この場合、第2通路22内において第3通路23のV字形状17に完全に一致するようワークWの姿勢が変換されていれば、第2通路22内のワークWは第3通路23へスムーズに移載することができる。
【0061】
しかしながら、第2通路22内において第3通路23のV字形状に完全に一致することは事実上困難である。
【0062】
このため本実施の形態においては、第3通路23の第2通路側端部23Aにおいて、第3通路23のV字形状は第2通路22の円形状部分25の接線により形成されたV字形状17Aをもつ(図3B実線参照)。
【0063】
そしてこの第3通路23のV字形状は図1に示すように、第3通路23の移行領域23B内で移行領域23Bの始端23B1、すなわち第2通路側端部23Aから徐々に下流側に向かって上昇し、移行領域23Bの終端23B2において、V字形状の下端が第2通路22の円形状部分25の下端の延長線上に至るV字形状17Bをもつ(図3B破線参照)。
【0064】
このように第3通路23内において、V字形状が移行領域23Bの始端、すなわち第2通路側端部23AのV字形状17Aから、上流側へ向かって徐々に上昇して、移行領域23Bの終端23B2において、V字形状の下端が第2通路22の円形状部分25の下端の延長線上に至るV字形状17Bまで変化する。このことにより、第2通路22内で軸線Lの回りに回転して姿勢が変換したワークWを第3通路23のV字形状を形成する壁面27に当接することなく、スムーズに第3通路23内へ送ることができる。そして第3通路23内で徐々にワークWを上昇させることにより既設設備の高さまでワークWを戻すことができる。
【0065】
本実施の形態において、第3通路23の移行領域23B内において、V字形状17AをV字形状17Bまで徐々に上昇させて高さ調整を行う。
【0066】
次に、図3Aにより第1通路21と第2通路22との間の連結構造について述べる。
【0067】
図3Aに示すように、第2通路22内において一対の磁力発生部30A,30Bにより生じた磁力によりワークWが軸線Lの回りに回転する。
【0068】
本実施の形態においては、第1通路21のV字形状は、移行領域21Bの始端21B1において、第2通路22の円形状部分25の接線により形成されたV字形状15Aをもつ(図3A破線参照)。
【0069】
そしてこの第1通路21のV字形状は図1に示すように、第1通路21の移行領域21B内で移行領域21Bの始端23B1から徐々に下流側に向かって上昇し、第1通路21の移行領域21Bの終端21B2,すなわち第2通路側端部21AにおいてV字形状の下端が第2通路22の円形状部分25の下端に一致するV字形状15Bをもつ(図3A実線参照)。
【0070】
このように第1通路21内において、V字形状が第1通路21の移行領域21Bの始端21B1のV字形状15Aから、上流側へ向かって徐々に上昇して移行領域21Bの終端21B2、すなわち第2通路側端部21Aにおいて、V字形状の下端が第2通路22の円形状部分25の下端に一致するV字形状15Bまで変化する。このことにより、第1通路21のV字形状により回転方向に位置決められたワークWを正確に第2通路22内へ送ることができる。そして第1通路21内で徐々にワークWを上昇させることにより既設設備の高さを利用してワークWを第2通路22内へ送ることができる。
【0071】
本実施の形態において、第1通路21の移行領域21B内において、V字形状15AをV字形状15Bまで徐々に上昇させて高さ調整を行う。
【0072】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0073】
まず電子部品供給装置49からワークWが供給され、電子部品供給装置49から供給されたワークWは電子部品搬送装置10により振動を受けながら搬送される。その後、電子部品搬送装置10により搬送されたワークWはインデックステーブル40へ送られる。
【0074】
この間、電子部品搬送装置10内に送られてワークWは第1通路21のV字形状15により回転方向に正確に位置決めされながら搬送され、第1通路21の移行領域21Bを経て第2通路22内に入る。
【0075】
この時、第1通路21の第2通路側端部21Aにおいて、V字形状15の下端は第2通路22の円形状部分25の下端に一致するため、第1通路21のV字形状15により回転方向に位置決めされたワークWをスムーズに第2通路22内へ導くことができる(図3A参照)。
【0076】
ワークWは内部電極W3を有し、この内部電極W3は強磁性を有する。このため、第2通路22内のワークWは内部電極W3の面方向が一対の磁力発生部30A,30Bにより生じた磁力線35の方向に一致するようその姿勢が変換される。
【0077】
例えば、図6において、第2通路22内のワークWの内部電極W3の面が水平方向を向く場合、ワークWは一対の磁力発生部30A,30Bにより生じる磁力により軸線Lの回りに回転する。この時、ワークWは第2通路22の円形状部分25の案内面25aに案内されて90°回転し、内部電極W3の面が磁力線35の方向に一致するよう、すなわち水平方向を向く内部電極W3の面が図6に示すように垂直方向を向くようその姿勢が変換される。
【0078】
他方、図6において、予めワークWの内部電極W3の面が磁力線35の方向に一致している場合、すなわち内部電極W3の面が図6に示すように垂直方向を向いている場合、第2通路内のワークWは軸線Lの回りに回転することなく、そのまま第3通路23へ送られる。
【0079】
この場合、第3通路23の第2通路側端部23Aにおいて、第3通路23のV字形状は第2通路22の円形状部分25の接線により形成されたV字形状17Aをもつ(図3B実線参照)。そしてこの第3通路23のV字形状は第3通路23の移行領域23B内で徐々に下流側に向かって上昇し、移行領域23Bの終端23B2において、V字形状の下端が第2通路22の円形状部分25の下端の延長線上に至るV字形状17Bをもつ(図3B破線参照)。
【0080】
このため第2通路22内のワークWを第3通路23のV字形状を形成する壁面27に当接させることなく、スムーズに第3通路23内へ送ることができる。その後第3通路23内で徐々にワークWを上昇させることにより既設設備の高さまでワークWを戻すことができる。
【0081】
また第2通路22内でワークWを軸線Lの回りに回転させてその姿勢を変換させた後、このワークWを第3通路23へ送り、第3通路23の断面をなすV字形状17によりワークWの回転方向の位置決めを確実に行うことができる。
【0082】
以上のように本実施の形態によれば、電子部品搬送装置10の第1通路21において、その断面のV字形状15により軸線Lの回りの回転方向についてワークWを正確に位置決めすることができ、第1通路21のV字形状15により正確に位置決めされたワークWを第2通路22内へ確実に送ることができる。
【0083】
また第2通路22内において、ワークWはその内部電極W3の面方向が一対の磁力発生部30A,30Bにより生じた磁力線35の方向に一致するよう軸線Lの回りに回転して姿勢が変換されるため、第2通路22内においてすべてのワークWが一定の方向を向くようその姿勢を揃えることができる。
【0084】
このように第2通路22内において、軸線Lの回りに回転して姿勢が変換され姿勢が揃ったワークWは、第3通路23内に送られる。そして第3通路23のV字形状17により軸線Lの回りの回転方向についてワークWを正確に位置決めすることができる。
【0085】
このため円形状部分25を含む第2通路22によりワークWを回転させ、この回転させたワークWを引き続いて円形状部分25を含む第2通路22により搬送する場合に比べて、第2通路22により姿勢を回転方向に変換させたワークWを第3通路のV字形状17により回転方向に正確に位置決めすることができる。このため、第2通路22により回転した回転後のワークWをその姿勢を維持しながら第3通路23により搬送することができる。
【0086】
また第3通路23の第2通路側端部23Aにおいて、第3通路23のV字形状は第2通路22の円形状部分25の接線により形成されたV字形状17Aをもつ。このため第2通路22内のワークWを第3通路23のV字形状17を形成する壁面27に当接させることなく、スムーズに第3通路23内に送ることができる。
【0087】
また第1通路21のV字形状15の下端に逃がし溝16を設けることにより、ワークWの下端を逃がし溝16内に挿入させることができる。このことにより第1通路21内におけるワークWのがたつきを抑えることができる。
【0088】
また第3通路23のV字形状17の下端に逃がし溝18を設けることにより、ワークWの下端を逃がし溝18内に挿入させることができる。このことにより、第3通路23内におけるワークWのがたつきを抑えることができる。
【符号の説明】
【0089】
1 電子部品処理装置
5 キャリアテープ
5a 凹部
6 トップテープ
10 電子部品搬送装置
11 装置本体
12 補助部材
15 V字形状
15a 当接面
16 逃がし溝
17 V字形状
17a 当接面
18 逃がし溝
21 第1通路
21A 第1通路の第2通路側端部
21B 移行領域
21B1 始端
21B2 終端
22 第2通路
23 第3通路
23A 第3通路の第2通路側端部
23B 移行領域
23B1 始端
23B2 終端
25 円形状部分
25a 案内面
26 仮想円
27 壁面
30A 磁力発生部
30B 磁力発生部
35 磁力線
W 電子部品
W1 電子部品本体
W2 外部電極
W3 内部電極
W4 セラミック部
【要約】
【課題】電子部品を簡単な構造で整列させる。
【解決手段】電子部品搬送装置10の姿勢変換通路22は円形状部分25を有し、下流側通路23はV字形状を有する。下流側通路23の姿勢変換通路側端部は、円形状部分25の接線により形成されたV字形状17Aを有し、このV字形状17Aは下流側に向かって上昇してV字形状17Bとなる。V字形状17A,17Bの下端に逃がし溝18が設けられている。
【選択図】図2C
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6