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特許7603308粉体測定装置、センサプローブの特性の確認又は較正方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】粉体測定装置、センサプローブの特性の確認又は較正方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20241213BHJP
   G01N 21/53 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
G01N21/27 F
G01N21/53 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021020065
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2022122680
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000141543
【氏名又は名称】株式会社菊水製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(74)【代理人】
【識別番号】100148910
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 岳志
(72)【発明者】
【氏名】伏見 伸介
(72)【発明者】
【氏名】藤▲崎▼ 洸
(72)【発明者】
【氏名】河合 祐也
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-168634(JP,A)
【文献】特開平06-222001(JP,A)
【文献】特開2016-205790(JP,A)
【文献】国際公開第2007/148404(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/01
G01N 21/17-G01N 21/61
G01N 21/84-G01N 21/958
B01J 2/00-B01J 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二以上の粉体が混合された混合粉体の性状を測定した後、その混合粉体を用いた後工程の処理を実施する機器に向けて送出するためのものであって、
前記機器に向けて混合粉体を送出する稼働中、それぞれが混合部材を捕捉して移送する複数の移動部を有する回転体と、
前記機器に向けて混合粉体を送出する稼働中、前記回転体の各移動部に捕捉された混合粉体の性状を測定するべく、近傍を通過する混合粉体に当たって反射した反射光又はこれを透過した透過光を受光するセンサプローブと、
前記回転体におけるある移動部とそれに隣接する他の移動部とを仕切る部位に設けられ、前記機器に向けて混合粉体を送出する稼働中、混合粉体が前記センサプローブの近傍に存在していないときに前記センサプローブに臨みこれに当たって反射した反射光又はこれを透過した透過光を当該センサプローブが受光するように配された性状が既知の標準試料と
を具備する粉体測定装置。
【請求項2】
前記回転体におけるある移動部とそれに隣接する他の移動部とを仕切るとともに前記センサプローブに臨む部位に、センサプローブに接触してこれを払拭する清掃材が設けられる請求項1記載の粉体測定装置。
【請求項3】
前記センサプローブに付着した塵若しくは埃を吹き飛ばして除去するための気体を噴出させるノズルが付設されている請求項1又は2記載の粉体測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二種類以上の粉体が混合された混合粉体の性状を測定する粉体測定装置及びそのセンサプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
回転盤のテーブルに臼孔を設けるとともに、各臼孔の上下に上杵及び下杵をそれぞれ摺動可能に保持させておき、臼孔及び杵をともに水平回転させて、上杵及び下杵の対が上ロール及び下ロールの間を通過する際に臼孔内に充填した粉体を圧縮成形(又は、打錠)する回転式の粉体圧縮成形機が周知である。この種の粉体圧縮成形機は、医薬品の錠剤、食品、電子部品等の製造に広く使用されている。
【0003】
医薬品の錠剤等の生産現場においては、従来、その構成材料となる粉体について、造粒工程、乾燥工程、整粒工程、混合工程といった工程毎に中間製品を作り、最後に成形機による圧縮(打錠)工程を経るバッチ式の手順を踏むことが一般的であった。
【0004】
だが、このようなバッチ方式では、研究開発スケールの小型の成形機から、商用スケールの大型の成形機へと移行するために、何回かのスケールアップの過程が生じる。そして、各段階のスケールアップを検証する実験を行う必要があり、原料粉体を使用する機会が多くなり、膨大なコストがかかる。また、バッチ式は、各工程間で待ち時間が発生する。例えば、成形機による圧縮工程を実施するには、それに先んじて粉体を混合する混合工程を実施し、混合工程により完成した粉体を成形機に供給する作業が必須となる。その間、成形機は、稼働を停止したまま待つことになる。換言すれば、タイムリーな中間製品の供給が困難である。加えて、工程毎に設備設計が必要となり、広いスペースを占有するという不利もある。より具体的には、工程毎に一部屋を使用し、作業者が中間製品を次の工程の部屋まで運ぶ必要がある。
【0005】
そこで、粉体の混合工程と圧縮工程とを一貫連続して行う、混合した粉体を成形機に直接供給するシステムが開発されることとなった。このシステムによれば、成形機による粉体の圧縮打錠処理を続行したまま、適時に混合粉体を成形機に補給することができる。
【0006】
粉体の混合行程を実施する粉体混合供給装置は、それぞれが粉体を貯留しかつその貯留している粉体を吐出する複数台のフィーダを備え、各フィーダが吐出した粉体を混合した上で成形機その他の後工程の処理を実施する機器に供給する。フィーダの典型例として、所定時間あたり一定量の粉体を継続的に吐出する定量供給フィーダが挙げられる。定量供給フィーダは、粉体を貯留しているホッパから落下する粉体をスクリューフィーダやテーブルフィーダ、サークルフィーダ(登録商標)、ロータリフィーダ等により送り出すもので、当該定量供給フィーダが吐出する粉体の単位時間あたりの吐出流量を計測器、例えばロードセルを介して計測し、その吐出流量が目標流量に収束するように、スクリューフィーダ等の駆動源であるモータをフィードバック制御する。
【0007】
粉体混合供給装置には、近赤外分光分析(NIR、又は近赤外吸収スペクトル法)等を用いて粉体の性状、特に混合度(偏析の有無)を測定する測定装置が内在する。粉体測定装置は、成形機等に向けて混合粉体を移送する過程でその粉体に近赤外光等の光波(又は、電磁波)を照射し、反射(若しくは、散乱)光又は透過光をセンサプローブで受光し、粉体による光波の反射及び/又は吸収を計測して、そのスペクトルに基づき混合粉体の均一性その他の定性分析や定量分析を行う。均一性等の性状が正常範囲から逸脱している不良の粉体は、粉体混合供給装置内で排除し、成形機に供給しない(以上、例えば下記特許文献を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2020-168634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
粉体混合供給装置を運用するにあたっては、測定装置の要素であるセンサプローブの入出力特性、即ち対象の粉体の性状とこれを計測したセンサプローブが出力する信号との関係を随時確認し又は較正することが求められる。
【0010】
移送される混合粉体に面しているセンサプローブには、粉体由来の、又は粉体由来でない塵若しくは埃が付着する。その塵埃は、センサプローブが本来受光するべき、移送される混合粉体に当たって反射した反射光又はこれを透過した透過光のスペクトルにノイズを混入させ、ひいてはセンサプローブの出力信号のS/N比を低下させる要因となる。
【0011】
そうでなくとも、センサプローブの入出力特性が経時変化することはあり得る。そして、センサプローブの入出力特性が変化したことに気づかずに粉体混合度供給装置の稼働を継続すると、混合粉体の性状を精確に把握できなくなり、高品位の混合粉体を成形機その他の機器に供給することが難しくなる。
【0012】
従前のシステムでは、一旦その稼働を停止した上で測定装置からセンサプローブを取り外し、センサプローブの入出力特性の較正や、必要であれば清掃を行い、センサプローブを再び測定装置に取り付けた後、システムを再起動していた。このようなものであると、較正の都度センサプローブを脱着する手間がかかり、しかもその度にシステムを一時停止させなければならず、混合粉体を用いた製品の生産効率を低下させてしまう。
【0013】
以上の問題に着目してなされた本発明は、センサプローブを測定装置から取り外すことなくその特性を随時確認又は較正できるようにし、あるいは測定装置の稼働中のセンサプローブの特性を高品位に維持し続けることを所期の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明では、二以上の粉体が混合された混合粉体の性状を測定した後、その混合粉体を用いた後工程の処理を実施する機器に向けて送出するためのものであって、前記機器に向けて混合粉体を送出する稼働中、それぞれが混合部材を捕捉して移送する複数の移動部を有する回転体と、前記機器に向けて混合粉体を送出する稼働中、前記回転体の各移動部に捕捉された混合粉体の性状を測定するべく、近傍を通過する混合粉体に当たって反射した反射光又はこれを透過した透過光を受光するセンサプローブと、前記回転体におけるある移動部とそれに隣接する他の移動部とを仕切る部位に設けられ、前記機器に向けて混合粉体を送出する稼働中、混合粉体が前記センサプローブの近傍に存在していないときに前記センサプローブに臨みこれに当たって反射した反射光又はこれを透過した透過光を当該センサプローブが受光するように配された性状が既知の標準試料とを具備する粉体測定装置を構成した。
【0016】
なお、粉体とは、微小個体の集合体であり、いわゆる顆粒などの粒体の集合体と、粒体より小なる形状の粉末の集合体とを包含する概念である。粉体の具体例としては、主薬を含む粉体の他、賦形剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、保存剤等が挙げられる。二種類以上の粉体を混合した粉体も本発明にいう粉体の一種であり、主薬を含む粉体にステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤を混交したものもまた粉体に該当する。
【0017】
本発明によれば、粉体混合供給装置及び後工程の処理を実施する機器の運転を継続したまま、混合粉体がセンサプローブの近傍を通過しないときに、センサプローブにより標準試料を計測し、その結果取得されるセンサプローブの出力信号を参照して、センサプローブの入出力特性を確認し又は較正することが可能となる。
【0018】
粉体測定装置が、センサプローブの近傍を通過するように移動する移動部材、特に前記機器に向けて送出する混合粉体を捕捉して移送する複数の移動部を有した回転体を具備する場合、その前記回転体における前記センサプローブに臨む部位に、前記標準試料を設けることが好ましい。混合粉体を押送する回転体は、必然的にセンサプローブの近傍を通過することから、その際にセンサプローブの特性を確認又は較正できる。
【0019】
また、前記回転体における前記センサプローブに臨む部位に、センサプローブに接触してこれを払拭する清掃材を設けていれば、回転体の運動に伴ってセンサプローブに付着した塵若しくは埃を清掃して除去できる。ひいては、測定装置の稼働中のセンサプローブの特性を高品位に維持し続けることが可能となる。
【0020】
あるいは、前記センサプローブに付着した塵若しくは埃を吹き飛ばして除去するための気体を噴出させるノズルを付設しても構わない。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、混合粉体の性状を測定する測定装置からセンサプローブを取り外すことなく、その特性を随時確認又は較正できる。また、測定装置の稼働中のセンサプローブの特性を高品位に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態の回転式粉体圧縮成形機の側断面図。
図2】同実施形態の回転式粉体圧縮成形機の要部平面図。
図3】同実施形態の回転式粉体圧縮成形機の円筒図。
図4】同実施形態の粉体混合供給装置の要部の側面図。
図5】同実施形態の粉体混合供給装置の要素である垂直混合装置の側断面図。
図6】同実施形態の垂直混合装置の要部を拡大した側断面図。
図7】垂直混合装置の別の例を示す側断面図。
図8】同実施形態の粉体混合供給装置の要素である水平混合装置の攪拌軸及び攪拌羽根(第二混合部材)の斜視図。
図9】同実施形態の粉体測定装置の要部の斜視図。
図10】同実施形態の粉体測定装置の要部の平面図。
図11】同実施形態の粉体測定装置のケースの斜視図。
図12】同実施形態の粉体測定装置の駆動体の斜視図。
図13】同実施形態の粉体圧縮成形システムの制御系のブロック図。
図14】同実施形態の粉体測定装置の一部を拡大して示した側断面図。
図15】同実施形態の粉体測定装置の一部を拡大して示した側断面図。
図16】同実施形態の粉体測定装置の一部を拡大して示した側断面図。
図17】同実施形態の粉体測定装置の一部を拡大して示した側断面図。
図18】同実施形態の粉体測定装置の一部を拡大して示した側断面図。
図19】同実施形態の粉体測定装置のセンサプローブによる測定結果の具体例を示すグラフ。
図20】同実施形態の変形例に係る粉体測定装置の要部の平面図。
図21】同実施形態の変形例に係る粉体測定装置の要部の平面図。
図22】同実施形態の粉体測定装置の供給部の側断面図。
図23】同実施形態の粉体混合供給装置の供給管の側断面図。
図24】同実施形態の粉体圧縮成形システムの制御系が実施する制御の模様を示すタイミング図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。はじめに、本実施形態における回転式粉体圧縮成形機(以下「成形機」という)の全体概要を述べる。図1に示すように、成形機のフレーム1内には、回転軸となる立シャフト2が設立され、その立シャフト2の上部に接続部21を介して回転盤3が取り付けられる。立シャフト2の下端側には、ウォームホイール7が取り付けられる。ウォームホイール7には、ウォームギア10が噛合する。ウォームギア10は、モータ8により駆動されるギア軸9に固定している。モータ8が出力する駆動力は、ベルト11によってギア軸9に伝わり、ウォームギア10、ウォームホイール7を介して立シャフト2を回転させる。そして、立シャフト2が回転することにより、回転盤3及び杵5、6が回転する。
【0024】
回転盤3は、立シャフト2の軸回りに水平回転、即ち自転する。回転盤3は、テーブル(臼ディスク)31と、上杵保持部32と、下杵保持部33とからなる。図2に示すように、テーブル31は略円板状をなしており、その外周部に回転方向に沿って所定間隔で複数の臼孔4を有する。臼孔4は、テーブル31を上下方向に貫通している。なお、テーブル31は、複数のプレートに分割するものでもよい。また、テーブル31自体に直接臼孔4を有するものでなく、臼孔4を備える臼をテーブル31に装着するものであってもよい。
【0025】
各臼孔4の上下には、上杵5及び下杵6を、それぞれが個別に臼孔4に対して上下方向に摺動可能であり、上杵胴部52を上杵保持部32で、下杵胴部62を下杵保持部33で保持する。上杵5の杵先53は、臼孔4に対して出入りする。下杵6の杵先63は、常時臼孔4に挿入してある。上杵5及び下杵6は、回転盤3とともに立シャフト2の軸回りに水平回転、即ち公転する。
【0026】
ギア軸9の端部には、ギア軸9ひいては回転盤3(のテーブル31、臼孔4及び杵5、6)の回転角度及び回転速度を検出するロータリエンコーダ123を、減速装置124を介して接続してある。ロータリエンコーダ123は、ギア軸9が所定角度回転する都度パルス信号を出力する。そのパルス列を受信することで、本システムの制御装置Cが、回転盤3の回転角度及び回転速度を検出できる、つまりはテーブル31上のどの臼孔4が現在どの位置にあるのかを知得できる。減速装置124は、ギア軸9の回転速度をロータリエンコーダ123の入力速度に適するように減速してロータリエンコーダ123に伝達する。
【0027】
回転盤3の臼孔4に対して粉体を充填するためには、充填装置であるフィードシューXを用いる。フィードシューXは、単純に粉体を臼孔4内に落とし入れるオープンフィードシューであってもよく、内蔵した攪拌羽根を回転させて粉体を攪拌しながら臼孔4内に落とし込む攪拌フィードシューであってもよいが、本実施形態では攪拌フィードシューを想定している。フィードシューXは、回転するテーブル31の外周部、特に臼孔4の回転軌道の直上に位置している。フィードシューXへの粉体の供給は、後述する粉体測定装置Mの排出部M6及び粉体供給管191(図4に示す)から行われる。粉体測定装置Mの導入口M5への粉体の供給には、バッファタンク19を用いる。
【0028】
図3に示すように、上杵5、下杵6の立シャフト2の軸回りの公転軌道上には、上杵5、下杵6を挟むようにして上下に対をなす予圧上ロール12及び予圧下ロール13、本圧上ロール14及び本圧下ロール15がある。予圧上ロール12及び本圧上ロール14は、上杵5の頭部51を押圧し、予圧下ロール13及び本圧下ロール15は、下杵6の頭部61を押圧する。そして、予圧上ロール12及び予圧下ロール13並びに本圧上ロール14及び本圧下ロール15は、臼孔4内に充填された粉体を杵先53、63の先端面で上下から圧縮するべく、上杵5及び下杵6を互いに接近させる方向に付勢する。
【0029】
上杵5、下杵6はそれぞれ、ロール12、13、14、15によって押圧される頭部51、61と、この頭部51、61よりも細径な胴部52、62とを有する。回転盤3の上杵保持部32は、上杵5の胴部52を上下に摺動可能に保持し、下杵保持部33は、下杵6の胴部62を上下に摺動可能に保持する。胴部52、62の先端部位53、63は、臼孔4内に挿入可能であるように、それ以外の部位と比べて一層細く、臼孔4の内径に略等しい直径である。杵5、6の公転により、ロール12、13、14、15は杵5、6の頭部51、61に接近し、頭部51、61に乗り上げるようにして接触する。さらに、ロール12、13、14、15は上杵5を下方に押し下げ、下杵6を上方に押し上げる。ロール12、13、14、15が杵5、6上の平坦面に接している期間は、杵5、6が臼孔4内の粉体に対して所要の圧力を加え続ける。
【0030】
成形機の上ロール12、14には、ロードセル120を付設してある。ロードセル120は、ロール12、13、14、15が杵5、6を介して臼孔4内の粉体を圧縮する際の圧力を検出する。本実施形態の制御装置Cは、ロール12、13、14、15に付帯するロードセル120が出力する信号を受信することで、予圧ロール12、13が粉体を圧縮する圧力(予圧圧力)の大きさや、本圧ロール14、15が粉体を圧縮する圧力(本圧圧力)の大きさを知得できる。また、ロードセル120からもたらされる信号は、一組の杵5、6が一つの臼孔4の粉体を圧縮する圧力が最大となる時点でピークを迎えるようなパルス信号列の形をとる。故に、制御装置Cは、そのパルス列の数を計数することを通じて、成形機における単位時間あたりの成形品の製造数量を知得することが可能である。
【0031】
本圧上ロール14及び本圧下ロール15による加圧位置から、回転盤3、上杵5及び下杵6の回転方向に沿って先に進んだ下流位置には、成形品回収部を構成する。この成形品回収部は、臼孔4から押し出された成形品を案内するダンパ17を備える。ダンパ17は、成形品回収位置18を基端とし、その先端が臼4の回転の軌跡よりもテーブル31の中心側にあるように延びている。下杵6により臼孔4から押し出された成形品は、このダンパ17に接触して、成形品回収位置18に向かって移動することとなる。
【0032】
成形品の製造工程を概説すると、まず、図3に示すように、下杵6が降下し、下杵6の杵先63が挿入されている臼孔4内にフィードシューXから粉体(混合粉体)が充填される(充填工程)。次に、臼孔4内に充填された粉体(混合粉体)が必要量となるように下杵6が上昇し、臼孔4から溢れた粉体が擦り切られる。
【0033】
そして、上杵5が下降し、予圧上ロール12及び予圧下ロール13が上杵5の頭部51及び下杵6の頭部61を押圧し、それら杵5、6の杵先53、63で臼孔4内の粉体を圧縮する予圧縮が行われる。続いて、本圧上ロール14及び本圧下ロール15が上杵5の頭部51及び下杵6の頭部61を押圧し、杵5、6の杵先53、63で臼孔4内の粉体を圧縮する本圧縮を行う(圧縮成形工程)。
【0034】
その後、下杵6の杵先63の上端面が臼孔4の上端つまりはテーブル31の上面と略同じ高さとなるまで下杵6が上昇して、臼孔4内にある成形品を臼孔4から盤面上に押し出す。臼孔4を出た成形品は、回転盤3の回転によりダンパ17に接触し、ダンパ17に沿って成形品回収位置18まで移動する。
【0035】
なお、本成形機の成形品回収部には、特定の成形品、例えばサンプリング品や不良品を、成形品回収位置18に回収する成形品群から選り分けるための成形品排除機構Wを設けている。具体的には、ダンパ17の内部に、加圧空気(窒素等の不活性ガスやその他の種類の気体であってもよい)を流通させる空気通路16を形成し、その空気通路16の先端を回転盤3の径方向に沿って外側方に向けて開口させた空気噴射ノズル16aとしている。加圧空気を供給するポンプ等の空気供給源(図示せず)と空気通路16とを接続する流路121上には、当該流路121を開閉する制御バルブ122を設置してある。制御バルブ122は、例えば、制御装置Cから与えられる制御信号により開弁する電磁ソレノイドである。
【0036】
臼孔4から押し出された特定の成形品がダンパ17に接触する前、空気噴射ノズル16aの近傍を通過するときに、制御バルブ122を開弁すると、空気供給源から供給される加圧空気が、流路121及びダンパ17内の空気通路16を経由して空気噴射ノズル16aから噴出する。この噴出した空気は、特定の成形品をテーブル31の外側方に吹き飛ばす。吹き飛ばされた当該成形品は、ダンパ17に沿った先にある成形品回収位置18に到着することはない。このように、本成形機にあっては、空気供給源から供給される空気の流通路16、121、噴射ノズル16a及び制御バルブ122が、成形品排除機構Wを構成する。
【0037】
因みに、成形品排除機構Wは、打錠した成形品のサンプリングにも利用できる。
【0038】
以降、バッファタンク19に混合粉体を供給する装置、換言すれば成形機のフィードシューXに直結する供給管191に向けて混合粉体を送出する装置である粉体混合供給装置Zについて詳述する。図4に示すように、本実施形態では、粉体混合供給装置Zにおける計量フィーダZ1を三台(Z1a、Z1b、Z1c)使用する。計量フィーダZ1の数は、混合する粉体の種類数によって変化するため、二台又は四台以上であってもよく、特に数を限定するものではない。
【0039】
また、本実施形態では、第一計量フィーダZ1a、第二計量フィーダZ1b、第三計量フィーダZ1cではそれぞれ別種の粉体を計量供給するが、同種の粉体を計量供給するものであってもよい。本実施形態においては、第一計量フィーダZ1aは主薬、第二計量フィーダZ1bは乳糖等の賦形剤等の粉体、第三計量フィーダZ1cは滑沢剤をそれぞれ計量供給する。
【0040】
図4に示しているように、粉体混合供給装置Zは、第一計量フィーダZ1aと、第二計量フィーダZ1bと、垂直混合装置Z3(第一混合装置)と、計量フィーダZ1(Z1a、Z1b)と垂直混合装置Z3とを接続する第一接続管Z2aと、水平混合装置Z4(第二混合装置)と、垂直混合装置Z3と水平混合装置Z4とを接続する第二接続管Z2bと、第三計量フィーダZ1cと水平混合装置Z4とを接続する第三接続管Z2cと、垂直混合装置Z5(第三混合装置)と、水平混合装置Z4と垂直混合装置Z5とを接続する第四接続管Z2dと、垂直混合装置Z5とバッファタンク19とを接続する第五接続管Z2eとから構成される。なお、計量フィーダ(Z1a、Z1b、Z1c)の配置や形状等は変更でき、図4に示した態様には限定されない。
【0041】
第一計量フィーダZ1a及び第二計量フィーダZ1bの各々では、粉体即ち主薬及び賦形剤等を計量しながら第一接続管Z2aに供給する。第三計量フィーダZ1cでは、粉体即ち滑沢剤を計量しながら第三接続管Z2cに供給する(計量供給工程)。これら計量フィーダZ1は、例えばロスインウェイト方式(減量積算値方式)の既知のもので、フィーダZ1から吐出された粉体の重量が重量センサを介して常時計測され、その重量の推移が設定された目標吐出流量と合致しているかどうかが比較され、両者の偏差が縮小する方向にフィーダZ1の吐出速度が増減されるという、フィードバック制御が行われる装置である。このように、供給するべき各粉体を計量しながら接続管Z2a、Z2cに供給することで、成形品における主薬等の含有量が安定する。
【0042】
既に述べた通り、第一接続管Z2aは、第一計量フィーダZ1a及び第二計量フィーダZ1bと垂直混合装置Z3とを接続する管であり、第一計量フィーダZ1aから排出される主薬及び第二計量フィーダZ1bから排出される賦形剤等を垂直混合装置Z3に供給する。第二接続管Z2bは、垂直混合装置Z3と水平混合装置Z4とを接続する管であり、垂直混合装置Z3から排出される主薬と賦形剤との混合粉体を水平混合装置Z4に供給する。第三接続管Z2cは、第三計量フィーダZ1cと水平混合装置Z4とを接続する管であり、第三計量フィーダZ1cから排出される滑沢剤を水平混合装置Z4に供給する。第四接続管Z2dは、水平混合装置Z4と垂直混合装置Z5とを接続する管であり、水平混合装置Z4から排出される主薬、賦形剤及び滑沢剤の混合粉体を垂直混合装置Z5に供給する。並びに、第五接続管Z2eは、垂直混合装置Z5とバッファタンク19とを接続する管であり、垂直混合装置Z5から排出される主薬、賦形剤及び滑沢剤の混合粉体をバッファタンク19に供給する。
【0043】
より詳しく記すと、第一接続管Z2aは、第一計量フィーダZ1aと接続する第一枝管Z2a1と、第二計量フィーダZ1bと接続する第二枝管Z2a2と、第一枝管Z2a1及び第二枝管Z2a2とそれぞれ接続する主管Z2a3とから構成される。主管Z2a3の下部は、垂直混合装置Z3と接続される。これにより、第一計量フィーダZ1a及び第二計量フィーダZ1bから計量供給された粉体は垂直混合装置Z3で混合される(第一混合工程)。
【0044】
図5図6及び図7に示すように、第一混合装置である垂直混合装置Z3は、粉体が供給される供給口Z361を備える蓋部Z36と、蓋部Z36の下方に位置する漏斗状の第一ケースZ31と、第一ケースZ31の略中央部に配置され自転する攪拌軸Z33と、攪拌軸Z33に取り付けられた攪拌羽根Z34(第一混合部材)と、攪拌軸Z33を回転(自転)させるモータZ37と、第一ケースZ31の下部に配置され、複数の孔Z321を備える粉体通過部材Z32と、粉体が粉体通過部材Z32の孔Z321を通過するように促す補助羽根Z35(第一混合部材)と、粉体通過部材Z32を覆う第二ケースZ38とから構成される。ここで、攪拌羽根Z34及び補助羽根Z35は、いずれも第一混合部材である。本実施形態では、攪拌羽根Z34及び補助羽根Z35の両方を備える構成としているが、何れか一方だけを備えるようにしてもよい。
【0045】
垂直混合装置Z3では、必ずしも攪拌軸Z33が垂直に配置されている必要はなく、斜めに傾いていてもよい。垂直混合装置Z3は、供給口Z361から供給された粉体が下方に流れ、その間に粉体を攪拌混合できるものであればよい。
【0046】
垂直混合装置Z3の供給口Z361に供給された粉体は、攪拌羽根Z34の回転により混合される(第一混合工程)。無論、補助羽根Z35の回転により混合されるものであってもよい。
【0047】
蓋部Z36は、供給口Z361と、攪拌軸Z33を通すための軸口Z362とを備え、第一ケースZ31の上部開口部を覆う形状である。蓋部Z36は、粉体が第一ケースZ31からこぼれたり飛散したりしないように第一ケースZ31に取り付けられている。蓋部Z36の供給口Z361は、第一接続管Z2aと接続されている。供給口Z361から第一ケースZ31内に供給された粉体は、攪拌羽根Z34及び/又は補助羽根Z35の回転によって攪拌混合される。貯留部Z30の粉体通過部材Z32は複数の孔Z321を有し、混合された粉体が粉体通過部材Z32の孔Z321を通過する。
【0048】
なお、供給口Z361からの粉体の供給量を調節したり、補助羽根Z35の回転数を増加したりすることにより、孔Z321を通過する粉体量より供給口Z361から供給される粉体量を多くすることができる。そのため、粉体はある程度貯留部Z30内に留まる。つまり、垂直混合装置Z3内で、第一計量フィーダZ1a及び第二計量フィーダZ1bから計量供給された粉体の少なくとも一部が貯留部Z30に留まり(貯留工程)、補助羽根Z35によって攪拌されることにより粉体の混合度が向上する。供給口Z361は、複数設けられていてもよい。
【0049】
第一ケースZ31は、その上部が開口しており、その下部には粉体通過部材Z32が設けられている。本実施形態における第一ケースZ31の形状は略漏斗状のものであるが、このような形状に限定されず、粉体通過部材Z32に粉体を供給できるような構成であればどのような形状であってもよい。
【0050】
攪拌軸Z33は、第一ケースZ31の平面視中央部に設けられ、モータZ37の駆動によって回転(自転)する。攪拌軸Z33の軸方向の上部及び中央部には攪拌羽根Z34が取り付けられており、下部には補助羽根Z35が取り付けられている。攪拌軸Z33が回転することにより攪拌羽根Z34及び補助羽根Z35が回転する。
【0051】
攪拌羽根Z34(第一混合部材)は、第一ケースZ31内に供給口Z361から供給された粉体を攪拌混合する。攪拌羽根Z34の形状はどのようなものであってもよい。図5では、攪拌羽根Z34はその先端が矩形した形状であり、攪拌軸Z33上の二ヶ所配置されている。一方、図7に示した垂直混合装置Z3は、図5に示している垂直混合装置Z3とは構造が一部異なる。図7に示す垂直混合装置Z3では、攪拌羽根Z34が攪拌軸Z33上に一ヶ所配置され、図5の攪拌羽根Z34とは異なる形状である。なお、図5及び図7は、攪拌羽根Z34の形状や配置位置を限定するものではない。
【0052】
図6に示すように、貯留部Z30における粉体通過部材Z32は、第一ケースZ31の下部に設けられており、複数の孔Z321を備えている。また、粉体通過部材Z32は、第二ケースZ38に覆われている。粉体通過部材Z32の孔Z321を通過した粉体は、第二ケースZ38の下部に設けられている排出口Z381から排出される。孔Z321の数、径の大きさは任意である。このような構成により、粉体通過部材Z32に粉体が留まり、粉体の混合度が向上する。第一垂直混合装置Z3aにおいて、粉体通過部材Z32の孔Z321を通過した粉体は、第二接続管Z2bを経由して水平混合装置Z4に供給される。
【0053】
なお、補助羽根Z35は、貯留部Z30内の粉体を攪拌する。補助羽根Z35は、貯留部Z30の平面視中央部に設けられており、攪拌軸Z33の下部に設けられている。本実施形態においては、補助羽根Z35の形状は、粉体通過部材Z32の内部形状に合わせた構造となっており、粉体が孔Z321を通過するのを促す。なお、補助羽根Z35も攪拌羽根の一種である。
【0054】
また、本実施形態の垂直混合装置Z3は攪拌羽根Z34を備えるものであるが、垂直混合装置Z3が、第二ケースZ38と、粉体通過部材Z32と、補助羽根Z35とから構成されていてもよい。第二ケースZ38は、粉体通過部材Z32を覆い、略漏斗状の形状であり、下部に排出口Z381を備える。第二ケースZ38は、粉体通過部材Z32の孔Z321を通過した粉体を排出口Z381に導く。
【0055】
第二接続管Z2bは、垂直混合装置Z3と水平混合装置Z4とを接続する管である。第二接続管Z2bは、垂直混合装置Z3の下部及び水平混合装置Z4の上部にそれぞれ接続され、垂直混合装置Z3における排出口Z381を通過した粉体を水平混合装置Z4に供給する。
【0056】
第二混合装置である水平混合装置Z4は、図4及び図24に示すように、筒状のケースZ41と、ケースZ41の略中央部に配置された自転する攪拌軸Z42と、攪拌軸Z42を回転(自転)させるモータZ43と、その攪拌軸Z42に取り付けられ、回転により略水平方向に粉体を移動させる攪拌羽根Z44とから構成される。この水平混合装置Z4により、供給された粉体、即ち主薬及び賦形剤等と滑沢剤とを混合する(第二混合工程)。本実施形態では、ケースZ41は回転(自転)しないが、ケースZ41が回転するような構成でもよい。さすれば、粉体の混合度はさらに向上する。
【0057】
ケースZ41は、上部にケースZ41内に粉体を供給するための複数の供給口と、ケースZ41から混合粉体を排出する排出口Z413とを備える。本実施形態では、二ヶ所の供給口(第一供給口Z411、第二供給口Z412)を使用し、第二接続管Z2bは水平混合装置Z4のケースZ41における第一供給口Z411に接続されている。第一供給口Z411は、ケースZ41内に主薬と賦形剤等とを混合した粉体を供給する供給口である。ケースZ41内に供給された混合粉体は、攪拌羽根Z44の回転により、ケースZ41の排出口Z413に向かって移動する。第二供給口Z412は、第三接続管Z2cからもたらされる滑沢剤を供給する供給口である。ケースZ41内に供給された滑沢剤は、攪拌軸Z42及び攪拌羽根Z44の回転により、ケースZ41の排出口Z413に向かって移動する。なお、使用しない供給口は蓋で閉塞する。
【0058】
排出口Z413は、ケースZ41の下部に配置されている。排出口Z413には、第四接続管Z2dが接続されている。そして、ケースZ41内の混合粉体は、攪拌羽根Z44の回転により、排出口Z413から排出され、第四接続管Z2dに移動する。
【0059】
攪拌軸Z42は、ケースZ41の長手方向に延び、断面視略中央部に配置されている。攪拌軸Z42はモータZ43の駆動により回転(自転)する。図8に示すように、攪拌軸Z42には攪拌羽根Z44が取り付けられている。攪拌軸Z42が回転することにより攪拌羽根Z44が回転し、粉体が混合されながら排出口Z413側に移動する。
【0060】
攪拌羽根Z44は、ケースZ41内に供給口(Z411、Z412)から供給された粉体を攪拌混合するためのものである。攪拌羽根Z44の形状はどのようなものであってもよいが、粉体を混合しながら排出口Z413側に流すような構成が好ましい。図8に示すように、本実施形態では攪拌羽根Z34の両端が広がった形状となっており、攪拌軸Z42に対する攪拌羽根Z44の角度は自由に調節できる。
【0061】
第三計量フィーダZ1cは、滑沢剤を水平混合装置Z4に計量供給するためのものである。第三計量フィーダZ1cの下部には、第三接続管Z2cが接続されている。第三計量フィーダZ1c内の滑沢剤は、第三接続管Z2cを通じて水平混合装置Z4に供給される(滑沢剤供給工程)。なお、μRフィーダ(日清エンジニアリング株式会社製)によって滑沢剤を水平混合装置Z4に供給してもよい。また、滑沢剤を水平混合装置Z4に供給するために、噴霧装置(噴射装置)を用いてもよい。
【0062】
第三接続管Z2cは、枝管Z2c1と主管Z2c2とを備える。枝管Z2c1の一端は第三計量フィーダZ1cの下部に接続されており、他端は主管Z2c2に接続されている。主管Z2c2の下部は、水平混合装置Z4の第二供給口Z412に接続されている。
【0063】
第四接続管Z2dは、水平混合装置Z4と垂直混合装置Z5とを接続する管である。第四接続管Z2dは、水平混合装置Z4の下部及び垂直混合装置Z5の上部にそれぞれ接続され、水平混合装置Z4における排出口Z413を通過した粉体を垂直混合装置Z5に供給する。
【0064】
第三混合装置である垂直混合装置Z5は、図5ないし図7に示した垂直混合装置Z3と同様の構成をとることができる。よって、ここでは説明を割愛する。第四接続管Z2dの上端は水平混合装置Z4の排出口Z413と接続され、下端は垂直混合装置Z5の供給口と接続されている。垂直混合装置Z5は、垂直又は垂直から斜めに傾いた攪拌軸に取り付けられた攪拌羽根及び補助羽根を有する。これら攪拌羽根及び補助羽根は、いずれも第三混合部材である。第四接続管Z2dを通じて垂直混合装置Z5の供給口に供給された粉体は、攪拌軸とともに回転する攪拌羽根及び補助羽根により混合される(第三混合工程)。
【0065】
第五接続管Z2eは、その上端が垂直混合装置Z5の排出口と接続され、その下端がバッファタンク19の供給口Z361と接続されている。そして、垂直混合装置Z5により混合された粉体が、当該垂直混合装置Z5の排出口から第五接続管Z2eを通過してバッファタンク19に供給される。
【0066】
バッファタンク19の下部は、粉体圧縮成形機に接続されている。バッファタンク19を通過した混合粉体は、粉体圧縮成形機内のフィードシューXに供給され、最終的に臼孔4内で圧縮成形される。
【0067】
しかして、粉体混合供給装置Zのバッファタンク19から粉体圧縮成形機に向けて送出される混合粉体は、当該粉体混合供給装置Zに内在する粉体測定装置M及びそれ以外の各所で、その性状、特に混合度が測定される。混合度その他の性状が所定範囲外であれば、その不良の混合粉体を排除したり、警告音を鳴動したり、装置を停止したりする等の処置を実行する。つまり、粉体混合供給装置Zにより、混合された粉体の性状をリアルタイムで測定し対応している。
【0068】
混合粉体の混合度その他の性状を測定する方法としては、ラマン分光分析、赤外分光、X線回折、X線透過測定、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等、様々なものが挙げられるが、混合粉体の混合度等をリアルタイムで測定できるものであればどのような方法であっても構わない。本実施形態では、主に近赤外分光分析(NIR、又は近赤外吸収スペクトル法)を用いている。即ち、粉体混合供給装置Zから成形機のフィードシューXに向けて移動する混合粉体における主薬の占める量又は割合(比率)、換言すれば混合粉体の均一性(偏析が生じていないかどうか)を評価するべく、移動する混合粉体に対して近赤外光を照射し、光の吸収及び反射(散乱)を計測し、そのスペクトルを基に主薬の濃度その他の定性・定量分析を行うことを、所定周期で繰り返す。測定波長としては、賦形剤や滑沢剤のピークがなく主薬の特異的な吸収ピークである波長帯を利用する。また、近赤外分光分析によれば、混合粉体の粒径を測定することもできる。
【0069】
本実施形態では、粉体の混合度等を測定するPAT(Process Analytical Technology)センサとして、近赤外線センサを用いる。図4に示すように、本実施形態ではまず、バッファタンク19に混合粉体が貯留される前に、近赤外線センサである第一センサS1を用いて混合粉体の混合度等を測定する。
【0070】
粉体混合供給装置Zによって混合された粉体は、第一センサS1によりその混合度等を測定した後、貯留装置であるバッファタンク19によって一時的に貯留される。バッファタンク19に貯留された粉体は、再度近赤外線センサS2を用いてその混合度等を測定した後に、粉体測定装置Mに供給される。なお、バッファタンク19内で混合粉体をさらに攪拌混合するような構成であってもよい。
【0071】
図9及び図10に示すように、粉体測定装置Mは、ケースM1と、ケースM1内にあって混合粉体を捕捉して移送する移動部材である回転体M2と、回転体M2を駆動する駆動装置であるサーボモータ又はステッピングモータM3と、混合粉体の性状特に混合度を測定するセンサである近赤外線センサS2、S3と、性状が不良である混合粉体を排除するための粉体排除部M4と、バッファタンク19からもたらされる混合粉体をケースM1内に導入するための導入口M5と、成形機の充填装置である攪拌フィードシューXに混合粉体を排出する排出部M6とからなる。
【0072】
図11に示すように、ケースM1の底面には、近赤外線センサS3を設置するための取付孔M11と、不良の混合粉体を落とし入れて排除する排除孔M12と、正常な混合粉体を成形機のフィードシューXに連なる粉体供給管191に排出するための排出孔M13とが設けられている。排除孔M12は粉体排除部M4に位置し、排出孔M13は排出部M6に位置する。ケースM1の上部には、ケースM1内に粉体を供給する導入口M5が設けられている。混合粉体は、バッファタンク19及び導入口M5を経由してケースM1内に至る。導入口M5には、当該導入口M5を通過する混合粉体の混合度等の性状を測定するための近赤外線センサである第二センサS2が設置される。
【0073】
回転体M2は、平面視放射状に伸び出した複数本のブレードM22を備えており、そのブレードM22とブレードM22との間隙がポケット様の移動部M21となっている。移動部M21は、回転体M2の回転方向即ち周方向に沿って間欠的に複数存在し、それぞれが導入口M5から供給される混合粉体を捕捉する。回転体M2は、回転体M2の上方に位置するモータM3により駆動されて水平旋回する。回転体M2の回転に伴い、各移動部M21に捕捉された混合粉体がブレードM22に押されて移送される。
【0074】
近赤外線センサである第三センサS3は、ケースM1の取付孔M11に取り付けられており、移動部M21に供給され当該移動部M21に捕捉された粉体の混合度等の性状を測定するのに用いる。なお、移動部M21に捕捉されている粉体の混合度等を第三センサS3を介して測定する際、モータM3及び回転体M2の回転を一時停止させてもよい。要するに、回転体M2は、間欠的に回転運動することがある。管内を現に流動している粉体の混合度等をセンサS1、S2、S4により測定する場合には、その測定値が不安定となることがある。回転体M2及びその移動部M21に捕捉した粉体の運動を停止した状態でセンサS3により測定すれば、移動部M21内の粉体の密度を一定化することと相まって、その粉体の混合度等の性状を極めて精確に測定できるようになる。
【0075】
粉体排除部M4は、ケースと、シャッタとなる駆動体M41と、駆動体M41を駆動させる駆動装置M42とからなる。粉体排除部M4のケースは、ケースM1と一体となっている。駆動体M41は、本実施形態では円盤状であり、中央に駆動装置M42と係合する突起M411と、一部に切り欠き部M412とを備える。駆動装置M42は、図10に示すY軸方向に対して前後駆動する先端部M421を備え、その先端側には駆動体M41の突起M411と係合する係合孔M422を備える。
【0076】
駆動装置M42の先端部M421が、図10に示すようにY軸の正方向に移動した状態のとき、駆動体M41の切り欠き部M412がケースM1の排除孔M12の中央位置に位置する。逆に、先端部M421がY軸の負の方向に移動した状態のとき、切り欠き部M412はケースM1の排除孔M12から外れる。
【0077】
つまり、駆動装置M42の駆動により、先端部M421がY軸方向に対して負の方向に移動すると、連動して駆動体M41が時計周りに駆動し、切り欠き部M412が排除孔M12に重なり合わない。このため、回転体M2の移動部M21の粉体は排除されない。駆動装置M42の駆動により、先端部M421がY軸方向に対して正方向に移動すると、連動して駆動体M41が反時計周りに駆動し、切り欠き部M412が排除孔M12に重なり合う。さすれば、回転体M2の移動部M21の粉体が排除される。
【0078】
なお、本実施形態では、駆動体M41は時計周り及び反時計周りに駆動して回転体M2の移動部M21の粉体を排除しているが、駆動体M41が一方向にだけ回転して移動部M21の粉体を排除するようにしてもよい。
【0079】
第一センサS1、第二センサS2及び/又は第三センサS3を介して測定した粉体の混合度、即ち混合粉体における主薬の占める量又は割合(比率)が所定範囲外であることが分かると、移動部M21内にあるその混合粉体が粉体排除部M4によって排除される。なお、第一センサS1、第二センサS2、第三センサS3による全ての混合度の測定値が所定範囲外の場合に移動部M21内の混合粉体を排除することとしてもよく、何れかのセンサSによる測定値が所定範囲外の場合に移動部M21内の混合粉体を排除することとしてもよい。
【0080】
因みに、粉体排除部M4は、混合粉体のサンプリングにも利用できる。
【0081】
粉体排除部M4で排除されなかった混合粉体は、排出部M6へと至り、排出孔M13を通過して粉体供給管191に移動する。
【0082】
ここで、粉体測定装置Mの第三センサS3に関して補足する。第三センサS3は、粉体測定装置M内で混合粉体を導入口M5から排出部M6(排出孔M13)まで移送する過程で、その粉体に光波(又は、電磁波)を照射し、粉体に当たって反射した反射光(反射波)又は粉体を透過した透過光(透過波)をセンサプローブで受光してそのスペクトルを計測するものである。本実施形態では、第三センサS3として、反射型の近赤外線センサを想定している。即ち、センサプローブS3は、回転体M2の移動部M21に捕捉されて移送される混合粉体に近赤外光を照射し、その混合粉体に当たって反射した反射光を受光する。
【0083】
センサプローブS3は、混合粉体の移送経路の直下に所在し、上方を向いており、流動する混合粉体に対して下方から面する。換言すれば、測定対象となる混合粉体が、センサプローブS3の直上を通過する。このため、センサプローブS3には、粉体由来の塵埃や、粉体由来でない塵埃が付着することがある。その塵埃は、センサプローブS3が本来受光するべき、測定対象の混合粉体に当たって反射した反射光のスペクトルにノイズを混入させる要因となる。
【0084】
そうでなくとも、センサプローブS3の経時変化に伴い、センサプローブS3の入出力特性、即ち測定対象の粉体の性状とこれを計測したセンサプローブS3が出力する信号との関係が変化することがあり得る。従って、センサプローブS3の入出力特性を随時確認し又は較正することが求められる。
【0085】
本実施形態の粉体測定装置Mでは、センサプローブS3をケースM1の取付孔M11に取り付けたまま、これをケースM1から取り外すことなく、その入出力特性の確認又は較正を行うことができる。そのために、図10及び図14に示すように、予め回転体M2のブレードM22に、センサプローブS3の較正用の標準試料(基準片)M23が取り付けられている。標準試料M23は、混合度その他の性状が既知であり、かつ性状が恒常的に一定である標準的な(基準となる)粉体を封入したものである。図14に示す例では、ブレードM22の下向面に上方に凹む凹部を形成し、そこに標準試料M23を埋設する構造としている。標準試料M23は、回転体M2の少なくとも一本のブレードM22に設ければよいが、複数本のブレードM22にそれぞれ設けても構わない。
【0086】
回転体M2のブレードM22は、移動部M21に捕捉した粉体とともにセンサプローブS3の直上を通過する。ブレードM22は、隣り合う移動部M21と移動部M21との間にあって、それら移動部M21間を隔てている。つまり、回転体M2が回転することにより、センサプローブS3の近傍を混合粉体が断続的に通過し、同プローブS3の近傍に混合粉体が存在しないとき、即ちブレードM22が通過するときに、当該ブレードM22におけるプローブS3に臨む下向面に設けた標準試料M23がプローブS3の近傍を通過する。この標準試料M23に対して、センサプローブS3から近赤外光を照射し、標準試料M23に当たった反射光をプローブS3により受光する。なお、ブレードM22に設けた標準試料M23を第三センサS3を介して測定する際、モータM3及び回転体M2の回転を一時停止させてもよい。
【0087】
標準試料M23の性状は既知かつ一定であり、標準試料M23に当たって反射した反射光が本来持つスペクトル、並びにこれを受けたセンサプローブM3が出力する本来の信号も当然に予測が可能である。故に、制御装置Cにおいて、その本来のスペクトルに対応するセンサプローブS3の標準的な出力信号と、標準試料M23に当たった反射光を受光したセンサプローブS3の実際の出力信号とを比較することにより、現在のセンサプローブS3の入出力特性を確認できる。
【0088】
図19に、センサプローブS3による測定結果の具体的な一例を示している。図19の横軸は時刻(時間)、縦軸は反射光を受光したセンサプローブM3の出力信号を基に求められる測定対象の吸光度である。図19中の時点t1、t2、t3、t4及びt5の各々のタイミングで、標準試料M23がプローブS3の近傍即ち直上を通過し、標準試料M23に当たって反射した反射光がプローブS3に入射する。図19中、標準試料M23の吸光度を一点鎖線で表し、それを測定した結果の適正範囲の上限及び下限をそれぞれ二点鎖線で表している。
【0089】
標準試料M23を測定したセンサプローブS3の出力信号が所望の範囲内にある、又はセンサプローブS3の本来あるべき出力と実際の出力との差違がある値以下に小さいならば、現在のセンサプローブS3の入特性は適正である。図19中、時点t1、t2、t3及びt4にて標準試料M23の吸光度を測定した結果は適正範囲内にあり、よってこのときのセンサプローブS3の入出力特性は適正である。
【0090】
翻って、標準試料M23を測定したセンサプローブS3の出力信号が所望の範囲内にない、又はセンサプローブS3の本来あるべき出力と実際の出力との差違がある値を超えて大きくなっているならば、現在のセンサプローブS3の特性は不適正である。図19中、時点t5にて標準試料M23の吸光度を測定した結果は適正範囲内になく、よってこのときのセンサプローブS3の入出力特性は不適正である。
【0091】
現在のセンサプローブS3の特性が不適正であると判断した制御装置Cは、例えば、その旨を通知する警告音を発したり、ランプを点灯又は点滅させたり、粉体混合供給装置Z及び/又は成形機の運転を停止させたりして、センサプローブS3の清掃や交換等を促す。あるいは、制御装置Cにおいて、混合粉体の混合度等の性状を測定する際に用いる検量線を変更し、現在のセンサプローブS3の特性に合わせるようにすることも考えられる。
【0092】
現在のセンサプローブS3の特性が不適正であると判断した場合に、自動でプローブS3を清掃できるようにしてもよい。例えば、図15に示すように、粉体測定装置MのケースM1の内部に、センサプローブS3を指向して加圧空気(窒素等の不活性ガスやその他の種類の気体であってもよい)を噴出させるノズルM24を付設しておく。ノズルM24は、加圧空気を流通させる流路(図示せず)を介してポンプ等の空気供給源(図示せず)に接続しており、当該流路上にはこれを開閉する制御バルブM25が設置される。制御バルブM25は、例えば、制御装置Cから与えられる制御信号により開弁する電磁ソレノイドである。加えて、粉体測定装置Mの上流、バッファタンク19と導入口M5との間又は導入口M5内に、バッファタンク19と粉体測定装置Mとの連通を遮断できるシャッタ又はバルブ等M51が設置される。
【0093】
その上で、現在のセンサプローブS3の特性が不適正であると判断した制御装置Cは、まずシャッタ又はバルブ等M51を閉じてバッファタンク19と粉体測定装置Mとの連通を一時遮断し、粉体測定装置Mに混合粉体が流入しないようにせき止める。その状態で、回転体M2の回転駆動を継続し、粉体測定装置M内の混合粉体の大半ないし全てを排除孔M12(粉体排除部M4)及び/又は排出口M13(排出部M6)から排出して、測定装置M内に粉体が殆ど又は全く残留していないようにする。次いで、制御バルブM24を開弁し、空気供給源から供給される加圧空気をノズルM24から噴出させ、加圧空気によりセンサプローブM3に付着していた塵若しくは埃を吹き飛ばして除去する。しかる後、制御バルブM24を閉弁してノズルM24からの空気の噴出を停止し、かつ閉じていたシャッタ又はバルブ等M51を開いてバッファタンク19と粉体測定装置M5とを再び連通させて、粉体測定装置Mに混合粉体が流入するようにする。
【0094】
また、図10及び図16に示すように、予め回転体M2のブレードM22の下向面に、センサプローブS3に接触してこれを払拭する清掃材M26が取り付けられることがある。清掃材M26は、センサプローブS3の表面部を擦過してもこれを傷つけないような素材、例えばシリコンゴムやナイロン(ポリアミド)といった樹脂等を用いて作製したブラシやワイパゴム等である。清掃材M26は、回転体M2及びブレードM22の回転に伴いセンサプローブS3の表面部に接触して摺動し、センサプローブS3に付着した塵若しくは埃を拭い去る。
【0095】
なお、上記のセンサS3は、測定対象の混合粉体に当たって反射した反射光を受光して当該粉体の性状を測定する反射型のものであった。これに対し、粉体測定装置Mにおいて、測定対象の混合粉体を透過した透過光を受光して当該粉体の性状を測定する透過型のセンサS3を採用することもあり得る。この場合、図17に示すように、混合粉体の移送経路を挟んでセンサプローブS3に対向する位置に、光波(電磁波、特に近赤外光)を放つ光源S31が配置される。そして、回転体M2のブレードM22には、光波が通過するように貫通した窓M27が開設され、その窓M27の内に標準試料M23が埋設される。このような構造により、光源S31から放射され標準試料M23を透過した透過光をセンサプローブS3に入射させることができ、センサプローブS3の特性の確認又は較正が可能となる。
【0096】
標準試料M23は、回転体M2のブレードM22に設けられるとは限らない。図18に示すように、センサプローブS3の表面部を上方より遮蔽する開閉可能なシャッタM14を付設し、このシャッタM14の下向面に標準試料M23が取り付けられても構わない。混合粉体の性状を測定する平時は、シャッタM14を開く、即ちシャッタM14をセンサプローブS3の上方から退避させてセンサプローブS3の表面部を露出させ、センサプローブS3を測定対象の粉体に対面させる。そして、センサプローブS3の特性を確認し又は較正するときに、図18に示しているようにシャッタM14を閉じてセンサプローブS3の表面部を被覆し、センサプローブS3をシャッタM14に設けた標準試料M23に対面させる。
【0097】
清掃材M73もまた、回転体M2のブレードに設けられるとは限らない。図20及び図21に示す変形例では、粉体測定装置Mの稼働中に随時又は定期的にセンサプローブS3を清掃することのできる清掃機構M7を追加している。清掃機構M7は、センサプローブM3の近傍を通過するように移動する移動部材M72と、移動部材M72を駆動する駆動装置であるサーボモータ又はステッピングモータM71と、移動部材M72に設けた清掃材M73を要素とする。
【0098】
移動部材M72は、回転体M2の直下かつセンサプローブM3の直上の高さ位置、ブレードM22とプローブM3との間に配置される、上下に薄い円盤体である。移動部材M72の外周部、センサプローブM3に臨む部位には、当該移動部材M72の回転中心軸回りの周方向に沿って間欠的に窓M721が開設されている。窓M721は、混合粉体に向けて照射される光波(電磁波、特に近赤外光)や混合粉体に当たって反射した反射光(反射波)、あるいは混合粉体を透過した透過光(透過波)を通過させる。
【0099】
さらに、移動部材M72の外周部の下向面における、隣り合う窓M721と窓M721との間に、センサプローブS3に接触してこれを払拭する清掃材M73が取り付けられている。清掃材M73は、図16に示した清掃材M26と同様、センサプローブS3の表面部を擦過してもこれを傷つけないような素材を用いて作製したブラシやワイパゴム等である。清掃材M73は、移動部材M72の回転に伴いセンサプローブS3の表面部に接触して摺動し、センサプローブS3に付着した塵若しくは埃を拭い去る。
【0100】
また、移動部材M72の外周部の隣り合う窓M721と窓M721との間に、標準試料M74が設けられてもよい。標準試料M74は、図14図17に示した標準試料M23と同様、混合度その他の性状が既知であり、かつ性状が恒常的に一定である標準的な粉体を封入したものである。
【0101】
図20に示しているように、回転体M2における混合粉体を捕捉した移動部M21がセンサプローブM3の近傍即ち直上にあり、その混合粉体の性状をプローブS3により測定するときには、移動部材M72の窓M721がプローブM3の直上にあるように位置付ける。そして、混合粉体の性状を測定しないときを見計らって、図21に示しているように移動部材M72を回転させて、清掃材M73によりプローブS3の表面部を払拭する清掃を行う。センサプローブM3の特性を確認し又は較正するときには、ブレードM2に設けられた標準試料M23及び移動部材M72の窓M721をプローブS3の直上に重ねて位置付けるか、移動部材M72に設けられた標準試料M74をプローブS3の直上に位置付ければよい。
【0102】
粉体測定装置MのセンサS3により性状が測定され、排出部M6を通じて粉体供給管191に移動した混合粉体は、成形機の充填装置である攪拌フィードシューX内に導かれる前に、近赤外線センサである第四センサS4によりその混合度等を測定する。さらに、本実施形態では、成形機の攪拌フィードシューX内でも、近赤外線センサである第五センサS5を用いて混合粉体の混合度等を測定する。
【0103】
第四センサS4及び/又は第五センサS5を介して測定した粉体の混合度等が所定範囲外である場合には、その混合粉体を一旦フィードシューXから成形機のテーブル31の臼孔4に充填し、これを上杵5及び下杵6により圧縮成形して成形品の形にする。その上で、当該成形品を、成形品回収位置18に到達する前に、成形品排除機構Wにより排除する。即ち、成形機において、不良の混合粉体が充填され成形品が打錠された臼孔4が空気噴射ノズル16aの近傍を通過するときに制御バルブ122を開弁し、空気噴射ノズル16aから空気を噴射して当該成形品をテーブル31外に吹き飛ばす。
【0104】
総じて言えば、第一センサS1、第二センサS2及び/又は第三センサS3により混合粉体の性状が所定範囲外であることが判明したならば、その混合粉体は粉体排除部M4で排除され、第四センサS4及び/又は第五センサS5により混合粉体の性状が所定範囲外であることが判明したならば、当該混合粉体が圧縮成形された後に成形品排除機構Wにより排除される。
【0105】
なお、ロードセル120により、臼孔4内で粉体を圧縮する際の圧縮圧力が所定範囲外であることが判明した場合にも、当該臼孔4内で圧縮成形された成形品が成形品排除機構Wにより排除される。
【0106】
本実施形態の粉体圧縮成形システムにより実施される、連続式の圧縮成形品の製造の流れをおさらいする。まず、第一計量フィーダZ1aにより主薬を計量しながら供給し、第二計量フィーダZ1bにより賦形剤等を計量しながら供給する(計量供給工程)。次に、第一混合装置である垂直混合装置Z3にそれら主薬及び賦形剤等の粉体が供給されて混合される(第一混合工程)。垂直混合装置Z3は、略上下方向の軸である攪拌軸Z33を中心として攪拌羽根Z34が回転し、主薬及び賦形剤等の粉体を混合する。
【0107】
第一混合工程を経た主薬及び賦形剤等の混合粉体は、第二混合装置である水平混合装置Z4に供給されて再度混合される(第二混合工程)。水平混合装置Z4は、略水平方向の軸である攪拌軸Z42を中心として攪拌羽根Z44が回転し、主薬及び賦形剤等の粉体を混合する。このような工程を経ることにより、少なくとも二種類の粉体(主薬及び賦形剤等)の混合度が向上し、主薬の偏析も生じにくくなる。
【0108】
前記第一混合工程においては、前記粉体の少なくとも一部を貯留する貯留工程を備えるものが好ましい。つまり、複数の孔Z321を備える粉体通過部材Z32において、粉体は孔Z321を通過するが、孔Z321を通過する粉体の量より第一垂直混合装置Z3aに供給される粉体の量のほうが多くしたり、補助羽根Z35の回転数を増加したりすることにより、粉体は貯留部Z30に貯留する。そして補助羽根Z35による攪拌により粉体は混合されつつ孔Z321を通過する。
【0109】
以上に加えて、第三計量フィーダZ1cにより滑沢剤を計量しながら供給する(滑沢剤供給工程)。本実施形態では、滑沢剤を水平混合装置Z4に供給しているが、滑沢剤の供給場所は水平混合装置Z4に限定されず、例えば第二垂直混合装置Z3b又はフィードシューXに滑沢剤を供給してもよい。また、滑沢剤は、μRフィーダ(日清エンジニアリング株式会社製)を用いて供給してもよく、噴霧装置(噴射装置)を用いて供給してもよい。
【0110】
さらに、水平混合装置Z4による第二混合工程の後、垂直混合装置Z5に粉体が供給されてこれが混合され(第三混合工程)、より一層粉体の混合度が向上する。
【0111】
主薬、賦形剤等及び滑沢剤を混合して製造した混合粉体は、成形機に連なるバッファタンク19に供給される。バッファタンク19に供給された混合粉体は、その後に粉体測定装置Mにおいて混合度をセンサS2、S3により測定する(測定工程)。無論、混合粉体がバッファタンク19に供給される前に、センサS1により混合粉体の混合度を測定してもよい。
【0112】
測定した混合粉体の混合度が所定範囲外の場合には、粉体測定装置Mにおいてその混合粉体を排除する(排除工程)。続いて、混合粉体は、充填装置であるフィードシューXに供給される。なお、フィードシューX内でセンサS5により混合粉体の混合度を測定してもよいし、混合粉体がフィードシューXに供給される直前にセンサS4により混合粉体の混合度を測定してもよい。
【0113】
フィードシューXに供給された混合粉体は、成形機の回転盤3のテーブル31に設けている臼孔4内に充填される(充填工程)。臼孔4内に充填された混合粉体は、上杵5及び下杵6により圧縮成形される(圧縮成形工程)。圧縮成形された混合粉体は、成形品としてダンパ17によって成形品回収位置18に回収される。但し、本システムの制御装置Cは、粉体混合供給装置ZによりフィードシューXに供給され臼孔4に充填される混合粉体の混合度を、第四センサS4及び/又は第五センサS5を介して反復的に測定しており、その測定した混合粉体の混合度が所定範囲外である場合には、当該混合粉体が充填された臼孔4において圧縮成形された不良の成形品を、成形機が備える成形品排除機構Wによって排除する(成形品排除工程)。
【0114】
さらに、制御装置Cは、各臼孔4内で杵5、6により粉体を圧縮して成形品を成形する際の圧縮圧力をロードセル120を介して測定し、圧縮圧力が所定範囲外の大きさとなった場合には、圧縮圧力が所定範囲外であった臼孔4において圧縮成形された不良の成形品を成形品排除機構Wによって排除する(成形品排除工程)。臼孔4に適正量よりも多量の粉体が充填されると、ロードセル120により計測される圧縮圧力が所定範囲を超えて大きくなり、臼孔4に適正量よりも少量の粉体が充填されると、ロードセル120により計測される圧縮圧力が所定範囲よりも小さくなる。何れにせよ、当該臼孔4内で圧縮成形される成形品の重量、密度及び硬度が所望の値から逸脱することとなり、不良の成形品となる。
【0115】
混合度が所定範囲外の不良の混合粉体が充填されたと推測される臼孔4や圧縮圧力が所定範囲外であった臼孔4、換言すれば不良の可能性がある成形品が、空気噴射ノズル16aの近傍を通過するタイミングは、ロータリエンコーダ123の出力信号を参照して知得できる。
【0116】
なお、成形機におけるテーブル31の臼孔4に粉体を充填する充填工程に先んじて、上杵5の下端面、下杵6の上端面及び臼孔4の内周面に滑沢剤(外部滑沢剤)を噴射してもよい(滑沢剤供給工程)。
【0117】
元来、主薬の単位時間あたりの供給重量(流量)は第一計量フィーダZ1aによりフィードバック制御され、賦形剤等の単位時間あたりの供給重量は第二計量フィーダZ1bによりフィードバック制御され、かつ滑沢剤の単位時間あたりの供給重量は第三計量フィーダZ1cによりフィードバック制御されており、それらの混合比率は所望の比率となっているはずである。にもかかわらず、何らかの理由により、計量フィーダZ1から吐出され混合装置Z3、Z4に供給される粉体の量が、その本来の目標量から乖離することがあり得る。現に、計量フィーダZ1から混合装置Z3、Z4に供給される粉体の量が目標量よりも少ないことは間々あり、その結果として、混合粉体における主薬の占める量が所望の比率に満たず、あるいは逆に過剰となる場合がある。そのような混合粉体を圧縮成形して得た成形品は、期待される薬効を発揮できない不良品となる。
【0118】
そうでなくとも、混合装置Z3、Z4における粉体の混合が不十分で、成形機のフィードシューXに供給される混合粉体に含まれる主薬又は賦形剤等に偏析が生じると、個々の成形品毎に含有成分の量がばらつき、やはり不良品が発生してしまう。
【0119】
そこで、本実施形態のシステムの制御装置Cは、第一センサS1、第二センサS2、第三センサS3、第四センサS4及び/又は第五センサS5による混合粉体の混合度の測定値に基づいて、各計量フィーダZ1a、Z1b、Z1cによるそれぞれの粉体の供給量、垂直混合装置Z3の攪拌軸Z33、攪拌羽根Z34及び補助羽根Z35の回転速度、水平混合装置Z4の攪拌軸Z42及び攪拌羽根Z44の回転速度、垂直混合装置Z5の攪拌軸及び攪拌羽根の回転速度を調節する。制御装置Cは、プロセッサ、メモリ、補助記憶デバイスや入出力インタフェースを備えたマイクロコンピュータシステムであったり、プログラマブルコントローラであったり、汎用のパーソナルコンピュータ又はワークステーションであったりする。
【0120】
第一センサS1、第二センサS2、第三センサS3、第四センサS4及び/又は第五センサS5により反復的に測定している、混合粉体中に含まれる主薬の量又は割合と、その目標値との偏差の絶対値が所定の閾値を上回っている(つまり、主薬の占める割合が不当に小さいか不当に大きい)状態が一定時間以上続いている場合には、第一計量フィーダZ1a、第二計量フィーダZ1b及び第三計量フィーダZ1cのうちの何れか少なくとも一つによる粉体の供給量が適正でないと考えられる。この場合、制御装置Cは、計量フィーダZ1自身による重量フィードバック制御を一時中断させる割り込みを行い、第一センサS1、第二センサS2、第三センサS3、第四センサS4及び/又は第五センサS5で測定される混合粉体中の主薬の量又は割合が目標値近傍に収束するよう、各計量フィーダZ1の駆動モータの回転速度を調節する。例えば、測定された混合粉体中の主薬の量又は割合が目標値を下回っているのであれば、第一計量フィーダZ1aによる主薬の吐出量を増加させ、及び/又は、第二計量フィーダZ1bによる賦形剤等の吐出量や第三計量フィーダZ1cによる滑沢剤の吐出量を減少させる。逆に、測定された混合粉体中の主薬の量又は割合が目標値を上回っているのであれば、第一計量フィーダZ1aによる主薬の吐出量を減少させ、及び/又は、第二計量フィーダZ1bによる賦形剤等の吐出量や第三計量フィーダZ1cによる滑沢剤の吐出量を増加させる。
【0121】
あるいは、混合粉体中に含まれる主薬の量又は割合とその目標値との偏差の絶対値が閾値を上回っている状態が一定時間以上続いている場合において、その供給量を適正化するべく、制御装置Cから各Z1a、Z1b、Z1cに指令している粉体の吐出量の目標値を変更するようにしても構わない。例えば、測定された混合粉体中の主薬の量又は割合が目標値を下回っているのであれば、第一計量フィーダZ1aに与える主薬の吐出量の目標値をそれ以前の値よりも引き上げ、及び/又は、第二計量フィーダZ1bに与える賦形剤等の吐出量の目標値や第三計量フィーダZ1cに与える滑沢剤の吐出量の目標値をそれ以前の値よりも引き下げる。逆に、測定された混合粉体中の主薬の量又は割合が目標値を上回っているのであれば、第一計量フィーダZ1aに与える主薬の吐出量の目標値をそれ以前の値よりも引き下げ、及び/又は、第二計量フィーダZ1bに与える滑沢剤等の吐出量の目標値や第三計量フィーダZ1cに与える滑沢剤の吐出量の目標値をそれ以前の値よりも引き上げる。
【0122】
第一センサS1、第二センサS2、第三センサS3、第四センサS4及び/又は第五センサS5により反復的に測定している、混合粉体中に含まれる主薬の量又は割合と、その目標値との偏差の絶対値が閾値を上回っている状態が一定時間以上続いているわけではないものの、瞬時的に又は短時間だけ偏差の絶対値が閾値を上回る場合には、成形機のフィードシューXに向けて移動する混合粉体(の主薬、賦形剤等又は滑沢剤)に偏析が生じている、即ち局所的に主薬の濃度の高い部分と低い部分とができていると考えられる。この場合、制御装置Cは、垂直混合装置Z3の攪拌軸Z33ひいては攪拌羽根Z34、Z35の回転速度をそれまでの速度から変化させ(加減し)、水平混合装置Z4の攪拌軸Z42ひいては攪拌羽根Z44の回転速度をそれまでの速度から変化させ(加減し)、及び/又は、垂直混合装置Z5の攪拌軸ひいては攪拌羽根の回転速度をそれまでの速度から変化させる(加減する)ことで、粉体の混合度をより一層高める。
【0123】
なお、混合粉体中に含まれる主薬の量又は割合とその目標値との偏差の絶対値が閾値を上回っている状態が一定時間以上続いている場合においても、垂直混合装置Z3の攪拌羽根Z34、Z35の回転速度をそれまでの速度から変化させ、水平混合装置Z4の攪拌羽根Z44の回転速度をそれまでの速度から変化させ、及び/又は、垂直混合装置Z5の攪拌羽根の回転速度をそれまでの速度から変化させる制御を実施して構わない。
【0124】
上述したように、各計量フィーダZ1a、Z1b、Z1cによる粉体の吐出量を増減させたり、各混合装置Z3、Z4、Z5の攪拌軸Z33、Z42の回転速度を変化させたりすると、粉体測定装置Mに対して混合粉体を供給する供給部であるバッファタンク19又は導入口M5を流通する粉体の単位時間あたりの流量が変動する可能性がある。
【0125】
バッファタンク19ないし導入口M5における混合粉体の流量が変化したにもかかわらず、粉体測定装置Mの回転体M2を恒常的に一定の回転速度で回転させ続けていると、回転体M2の移動部M21に捕捉され移送されることで粉体測定装置M内を通過する混合粉体の単位時間あたりの量が変化しないことから、バッファタンク19ないし導入口M5の内部において蓄積されている混合粉体の上面L1の高さが変動する。即ち、回転体M2の各移動部M21への粉体の単位時間あたりの供給流量が、粉体測定装置Mによる粉体の単位時間あたりの移送流量よりも増大すると、バッファタンク19ないし導入口M5の内部での粉体の上面L1の高さが上昇する。逆に、回転体M2の各移動部M21への粉体の単位時間あたりの供給流量が、粉体測定装置Mによる粉体の単位時間あたりの移送流量よりも減少すると、バッファタンク19ないし導入口M5の内部での粉体の上面L1の高さが低下する。
【0126】
そして、粉体測定装置Mの上方にあって粉体測定装置Mに直結しているバッファタンク19ないし導入口M5の内部で、粉体の上面L1の高さが大きく上下すると、回転体M2の各移動部M21に供給される粉体の量が適正量よりも増加又は減少し、各移動部M21内に捕捉している粉体の密度、換言すればセンサS3による測定の対象となる粉体の密度が変動する。さすれば、センサS3による粉体の性状の測定の精度の低下を招くおそれが生じる。
【0127】
このような粉体の供給量又は密度の増減変動を抑制するべく、本実施形態の制御装置Cは、バッファタンク19又は導入口M5の内部における混合粉体の上面L1の高さをセンサS6を介して知得するとともに、その上面高さの高低に応じて、粉体測定装置MのモータM3のひいては回転体M2の回転速度を調節する。
【0128】
図22に示すように、バッファタンク19又は導入口M5には、センサS6として、二個の静電容量式のレベルスイッチS61、S62を付設している。各レベルスイッチS61、S62はそれぞれ、バッファタンク19又は導入口M5の内部に蓄積されている粉体の上面L1の高さが当該レベルスイッチS61、S62よりも高いか低いかを検出するものである。制御装置Cは、それらレベルスイッチS61、S62を介して、バッファタンク19又は導入口M5の内部における粉体の上面L1の高さが、上方のレベルスイッチS61よりも高いか、上方のレベルスイッチS61よりも低く下方のレベルスイッチS62よりも高いか、下方のレベルスイッチS62よりも低いかを判定することが可能である。バッファタンク19又は導入口M5の内部の粉体の上面L1の高さが上方のレベルスイッチS61よりも低く下方のレベルスイッチS62よりも高いとき、その粉体の上面高さが所望の目標範囲内に収まっていると言うことができる。
【0129】
本実施形態の制御装置Cは、バッファタンク19又は導入口M5の内部における粉体の上面高さが目標範囲の上限以上となった場合、即ち上面高さが上方のレベルスイッチS61以上に高くなった場合に、上面高さが目標範囲内に収まっている場合と比較して粉体測定装置Mの回転体M2の回転速度を増速する。これにより、粉体測定装置Mによる粉体の単位時間あたりの移送流量が増加し、バッファタンク19又は導入口M5の内部における粉体の上面高さを目標範囲内に引き下げることができる。
【0130】
翻って、バッファタンク19又は導入口M5の内部における粉体の上面高さが目標範囲の下限以下となった場合、即ち上面高さが下方のレベルスイッチS62以下に低くなった場合に、上面高さが目標範囲内に収まっている場合と比較して回転体M2の回転速度を減速する。これにより、粉体測定装置Mによる粉体の単位時間あたりの移送流量が減少して、バッファタンク19又は導入口M5の内部における粉体の上面高さを目標範囲内に引き上げることができる。
【0131】
回転体M2の回転速度の制御においては、回転速度を増速する期間、即ちバッファタンク19又は導入口M5における粉体の上面高さが目標範囲の上限から下限に向かって低下する期間と、回転速度を減速する期間、即ちバッファタンク19又は導入口M5の内部における粉体の上面高さが目標範囲の下限から上限に向かって上昇する期間とが交互に繰り返されることがある。
【0132】
そのような状況下において、本実施形態の制御装置Cは、図24に示すように、ある増速期間とその次に迎える増速期間とについて、後者が前者よりも長くなるように回転体M2の回転速度を制御することがある。例えば、ある増速期間における回転体M2の回転速度と比較して、その次の増速期間の回転体M2の回転速度をより遅くする。
【0133】
並びに、制御装置Cは、ある減速期間とその次に迎える減速期間とについて、後者が前者よりも長くなるように回転体M2の回転速度を制御する。例えば、ある増速期間における回転体M2の回転速度と比較して、その次の増速期間の回転体M2の回転速度をより速くする。このような制御の結果、究極的に、バッファタンク19又は導入口M5における粉体の上面高さが安定して目標範囲の上限にも下限にも到達しない状態に収束させることができる。
【0134】
加えて、上述したように、各計量フィーダZ1a、Z1b、Z1cによる粉体の吐出量を増減させたり、各混合装置Z3、Z4、Z5の攪拌軸Z33、Z42の回転速度を変化させたり、粉体測定装置Mの回転体M2の回転速度を変化させたりすると、成形機のフィードシューXに対して混合粉体を供給する粉体供給管191を流通する粉体の単位時間あたりの流量が変動する可能性がある。
【0135】
粉体供給管191に向かう混合粉体の流量が変化したにもかかわらず、成形機の回転盤3及び杵5、6を恒常的に一定の回転速度で回転させ続けていると、成形機における混合粉体の単位時間あたりの消費量が変化しないことから、粉体供給管191の内部において蓄積されている混合粉体の上面L2の高さが変動する。即ち、粉体供給管191への粉体の単位時間あたりの供給流量が、成形機による粉体の単位時間あたりの消費量よりも増大すると、粉体供給管191の内部での粉体の上面L2の高さが上昇する。逆に、粉体供給管191への粉体の単位時間あたりの供給流量が、成形機による粉体の単位時間あたりの消費量よりも減少すると、粉体供給管191の内部での粉体の上面L2の高さが低下する。
【0136】
そして、フィードシューXの上方にあってフィードシューXに直結している粉体供給管191の内部で、粉体の上面L2の高さが大きく上下すると、フィードシューXから臼孔4に充填される粉体の量が適正量よりも増加又は減少して、臼孔4内で成形される成形品が不良品化してしまうおそれが生じる。
【0137】
このような粉体の充填量の増減変動を抑制するべく、本実施形態の制御装置Cは、粉体供給管191の内部における混合粉体の上面L2の高さをセンサS7を介して知得するとともに、その上面高さの高低に応じて、成形機のモータ8ひいては回転盤3及び杵5、6の回転速度を調節する。
【0138】
図23に示すように、粉体供給管191には、センサS7として、二個の静電容量式のレベルスイッチS71、S72を付設している。各レベルスイッチS71、S72はそれぞれ、粉体供給管191の内部に蓄積されている粉体の上面L2の高さが当該レベルスイッチS71、S72よりも高いか低いかを検出するものである。制御装置Cは、それらレベルスイッチS71、S72を介して、供給管191の内部における粉体の上面L2の高さが、上方のレベルスイッチS71よりも高いか、上方のレベルスイッチS71よりも低く下方のレベルスイッチS72よりも高いか、下方のレベルスイッチS72よりも低いかを判定することが可能である。供給管191の内部の粉体の上面L2の高さが上方のレベルスイッチS71よりも低く下方のレベルスイッチS72よりも高いとき、その粉体の上面高さが所望の目標範囲内に収まっていると言うことができる。
【0139】
本実施形態の制御装置Cは、粉体供給管191の内部における粉体の上面高さが目標範囲の上限以上となった場合、即ち上面高さが上方のレベルスイッチS71以上に高くなった場合に、上面高さが目標範囲内に収まっている場合と比較して成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度を増速する。これにより、成形機による粉体の単位時間あたりの消費量が増加し、粉体供給管191の内部における粉体の上面高さを目標範囲内に引き下げることができる。
【0140】
翻って、粉体供給管191の内部における粉体の上面高さが目標範囲の下限以下となった場合、即ち上面高さが下方のレベルスイッチS71以下に低くなった場合に、上面高さが目標範囲内に収まっている場合と比較して成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度を減速する。これにより、成形機による粉体の単位時間あたりの消費量が減少して、粉体供給管191の内部における粉体の上面高さを目標範囲内に引き上げることができる。
【0141】
成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度の制御においては、回転速度を増速する期間、即ち粉体供給管191における粉体の上面高さが目標範囲の上限から下限に向かって低下する期間と、回転速度を減速する期間、即ち供給管191の内部における粉体の上面高さが目標範囲の下限から上限に向かって上昇する期間とが交互に繰り返されることがある。
【0142】
そのような状況下において、本実施形態の制御装置Cは、図24に示すように、ある増速期間とその次に迎える増速期間とについて、後者が前者よりも長くなるように回転盤3及び杵5、6の回転速度を制御する。例えば、ある増速期間における回転盤3及び杵5、6の回転速度と比較して、その次の増速期間の回転盤3及び杵5、6の回転速度をより遅くする。
【0143】
並びに、制御装置Cは、ある減速期間とその次に迎える減速期間とについて、後者が前者よりも長くなるように回転盤3及び杵5、6の回転速度を制御する。例えば、ある増速期間における回転盤3及び杵5、6の回転速度と比較して、その次の増速期間の回転盤3及び杵5、6の回転速度をより速くする。このようなの制御の結果、究極的に、粉体供給管191における粉体の上面高さが安定して目標範囲の上限にも下限にも到達しない状態に収束させることができる。
【0144】
また、既に述べた通り、粉体供給管191に向けて粉体を送出する粉体混合供給装置Zの粉体排除部M4は、不良の粉体を粉体供給管191に供給せずに排除することがある。粉体排除部M4において粉体を排除すると、粉体供給管191に向けて送出する単位時間あたりの粉体の量が減少することから、粉体供給管191の内部における粉体の上面高さが低下する懸念が生じる。
【0145】
そこで、本実施形態の制御装置Cは、粉体の上面高さが上方のレベルスイッチS71よりも低く、かつ下方のレベルスイッチS72よりも高かったとしても、粉体排除部M4が粉体の排除を実行する場合には、そうでない場合と比較して成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度を減速するフィードフォワード制御を実施する。具体的には、粉体排除部M4において駆動装置M42が作動して回転体M2の移動部M21に捕捉していた粉体が排除孔M12に落とされた旨を示す信号を制御装置Cが受信したときに、それ以前と比較して回転盤3及び杵5、6の回転速度をより遅くする。このときの回転盤3及び杵5、6の回転速度は、減速直前の回転速度に(0よりも大きく)1よりも小さい係数を乗算した値とする。
【0146】
なお、粉体排除部M4による粉体の排除に呼応して成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度を減速する制御を実行する際には、その減速の直前の回転速度に応じて減速の割合を変えることが好ましい。
【0147】
減速直前の回転盤3及び杵5、6の回転速度が比較的速い状況では、粉体混合供給装置Zから粉体供給管191ひいてはフィードシューXに供給されている単位時間あたりの粉体の流量が元々多い。一方で、粉体排除部M4が一度の機会で排除する粉体の量は、回転体M2の一つの移動部M21に捕捉される粉体の量に等しく、これは基本的に一定量である。従って、回転盤3及び杵5、6の回転速度が比較的速い状況下で粉体の排除が起こった場合、粉体混合供給装置Zから粉体供給管191に供給される単位時間あたりの粉体の量の減少の割合は小さく、その影響は比較的軽微となる。故に、粉体の排除が起こったときの成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度の減速の割合は小さくてよく、減速直前の回転速度に乗算する係数をより大きく設定する。
【0148】
翻って、減速直前の回転盤3及び杵5、6の回転速度が比較的遅い状況では、粉体混合供給装置Zから粉体供給管191に供給されている単位時間あたりの粉体の流量が元々少ない。一方で、粉体排除部M4が一度の機会で排除する粉体の量は基本的に一定量であり、回転盤3及び杵5、6の回転速度が比較的遅い状況下で粉体の排除が起こった場合には、粉体混合供給装置Zから粉体供給管191に供給される単位時間あたりの粉体の量の減少の割合が大きく、その影響が比較的重大となる。故に、粉体の排除が起こったときの成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度の減速の割合を大きくとる必要があり、減速直前の回転速度に乗算する係数をより小さく設定する。
【0149】
本実施形態の粉体測定装置Mは、粉体圧縮成形機と組み合わせることで粉体圧縮成形システムを構成する。粉体圧縮成形機は、例えば、臼孔4を設けたテーブル31、及び臼孔4の上下に配置される杵5、6を上下摺動可能に保持する杵保持部32、33を備えた回転盤3を杵5、6とともに回転させ、かつテーブル31の直上に配置した充填装置Xから臼孔4に粉体を充填することで、臼孔4内に充填された粉体を杵5、6により圧縮し成形品を成形する回転式のものであり、かつ、前記充填装置Xに直結し粉体測定装置Mの排出部M6から排出された粉体が供給される供給管191の内部における粉体の上面高さが一定の目標範囲内に収まるように、回転盤3及び杵5、6の回転速度を調節する制御装置Cを具備する。
【0150】
具体的には、前記供給管191の内部における粉体の上面高さが前記目標範囲の上限以上である場合に、そうでない場合と比較して前記回転盤3及び前記杵5、6の回転速度を増速し、前記供給管191の内部における粉体の上面高さが目標範囲の下限以下である場合に、そうでない場合と比較して前記回転盤3及び前記杵5、6の回転速度を減速する。
【0151】
回転式粉体圧縮成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度を速めると、当該成形機において消費される粉体の単位時間あたりの消費量が増加する。逆に、回転盤3及び杵5、6の回転速度を遅くすると、粉体の単位時間あたりの消費量が減少する。粉体の単位時間あたりの消費量を増加させれば、充填装置Xに直結した供給管191の内部における粉体の上面高さが低下し、粉体の単位時間あたりの消費量を減少させれば、供給管191の内部における粉体の上面高さが上昇する。
【0152】
本実施形態では、回転式粉体圧縮成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度の操作を通じて、供給管191の内部における粉体の上面高さを恒常的に一定の目標範囲内に収束させる。即ち、充填装置X内で粉体が欠乏する前に回転盤3の回転速度を低下させて粉体の消費量を低減し、また粉体のオーバーフローが起こる前に回転盤3の回転速度を上昇させて粉体の消費量を増加させる。これにより、成形機の稼働を停止せざるを得なくなる事態を未然に防ぐことができる。
【0153】
供給管191の内部(又は、充填装置Xの内部)における粉体の上面高さを一定に保つ、つまりは充填装置X内にある粉体の圧力を一定に保つことは、恒常的に一定の量の粉体を充填装置Xから臼孔4へと充填するためにも有効である。臼孔4に充填される粉体の量が適正量よりも多かったり少なかったりすると、出来上がる製品の硬度、密度及び重量が所望の値から逸脱することとなる。故に、臼孔4に充填する粉体の量のばらつきをできる限り小さくする必要がある。臼孔4に充填する粉体の量を精密に制御できれば、得られる成形品の品質を高く保つことができる。
【0154】
成形機の充填装置Xに直結する供給管191の内部(又は、充填装置Xの内部)における粉体の上面高さが大きく低下する要因として、供給管191に向けて粉体を送出する粉体測定装置Mが具備する排除部M4が不良の粉体を供給管191に供給せずに排除するケースが挙げられる。そのような場合に、そうでない場合と比較して前記回転盤3及び前記杵5、6の回転速度を減速することも好ましい。
【0155】
本実施形態では、供給部19、M5の内部における粉体の上面L1の高さを二個のレベルスイッチS61、S62を用いて検出し、また供給管191の内部における粉体の上面L2の高さを二個のレベルスイッチS71、S72を用いて検出しているが、粉体の上面L1、L2の高さを検出するためのセンサS6、S7はそのようなレベルスイッチS61、S62、S71、S72には限定されない。例えば、供給部19、M5や供給管191の内部に蓄積された粉体に直接接触してその上面L1、L2の高さを計測する接触式のレベル計や、粉体の上面L1、L2に向けて超音波や電磁波を放射しその反射波を受信することを通じて粉体の上面L1、L2の高さを計測する非接触式のレベル計を、センサS6、S7として採用することができる。あるいは、供給部19、M5や供給管191の内部をカメラセンサにより撮影し、得られた画像を制御装置Cにおいて解析して、粉体の上面L1、L2の高さを知得することも考えられる。
【0156】
本実施形態では、充填装置Xに直結する供給管191の内部における粉体の上面L2の高さが一定の目標範囲内に収まるように、成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度を調節している。これとは異なり、(特に、充填装置Xがオープンフィードシューであるような場合に)充填装置Xの内部における粉体の上面の高さを知得するためのレベルスイッチ又はレベル計を充填装置Xに付設し、当該充填装置Xの内部における粉体の上面高さが一定の目標範囲内に収まるように、成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度を調節することもできる。
【0157】
その際には、充填装置Xの内部における粉体の上面高さが目標範囲の上限以上である場合に、そうでない場合と比較して回転盤3及び杵5、6の回転速度を増速する一方、充填装置Xの内部における粉体の上面高さが目標範囲の下限以下である場合に、そうでない場合と比較して回転盤3及び杵5、6の回転速度を減速する。
【0158】
制御装置Cが、充填装置Xの内部における粉体の上面高さが前記目標範囲の上限以上である状態から目標範囲の下限に向かうように回転盤3及び杵5、6の回転速度を増速する期間と、充填装置Xの内部における粉体の上面高さが目標範囲の下限以下である状態から目標範囲の上限に向かうように回転盤3及び杵5、6の回転速度を減速する期間とを設けるにあたっては、ある増速期間とその次に迎える増速期間とについて、後者が前者よりも長くなるように回転盤3及び杵5、6の回転速度を制御し、また、ある減速期間とその次に迎える減速期間とについて、後者が前者よりも長くなるように回転盤3及び杵5、6の回転速度を制御することが好ましい。
【0159】
制御装置Cが、供給部19、M5の内部における、又は供給管191若しくは充填装置Xの内部における蓄積された粉体の上面L1、L2の高さを目標範囲内に収めるべく、センサS6、S7を介して検出される粉体の上面L1、L2の高さとその目標値(目標範囲の中央値又は目標範囲の上限若しくは下限であることがある)との偏差の多寡に応じて、粉体測定装置Mの回転体M2又は成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度を細かく調節するフィードバック制御を実施しても構わない。粉体の上面高さが目標値よりも高い場合には、その上面高さと目標値との偏差の絶対値が大きいほど回転速度を減速する。翻って、粉体の上面高さが目標値よりも低い場合には、その上面高さと目標値との偏差の絶対値が大きいほど回転速度を増速する。その際に、制御装置Cが具現する制御系のコントローラをどのように設計するかは、任意である。制御コントローラの設計手法としては、PID制御、モデル予測制御、学習制御その他種々の手法を採用することができる。
【0160】
供給部19、M5の内部における、又は供給管191若しくは充填装置Xの内部における蓄積された粉体の上面L1、L2の高さを目標範囲内に収める目的で、制御装置Cが、供給部19、M5又は供給管191に供給される粉体の流量を流量計を介して計測し、その流量が多い場合に、流量が少ない場合と比較して回転体M2又は回転盤3及び杵5、6の回転速度を増速する制御を実施することも考えられる。
【0161】
さらには、供給部19、M5の内部における、又は供給管191若しくは充填装置Xの内部における蓄積された粉体の上面L1、L2の高さを目標範囲内に収める目的で、制御装置Cが、供給部19、M5の内部又は供給管191若しくは充填装置Xの内部の(蓄積された粉体から受ける)圧力を圧力計を介して計測し、その内部圧力が大きい場合に、内部圧力が少ない場合と比較して回転体M2又は回転盤3及び杵5、6の回転速度を増速する制御を実施することも考えられる。
【0162】
本実施形態では、二以上の粉体が混合された混合粉体の性状を測定した後、その混合粉体を用いた後工程の処理を実施する機器(回転式粉体圧縮成形機)に向けて送出するためのものであって、前記機器に向けて混合粉体を送出する稼働中、その混合粉体の性状を測定するべく、近傍を通過する混合粉体に当たって反射した反射光又はこれを透過した透過光を受光するセンサプローブS3と、前記機器に向けて混合粉体を送出する稼働中、混合粉体が前記センサプローブS3の近傍に存在していないときに前記センサプローブS3に臨みこれに当たって反射した反射光又はこれを透過した透過光を当該センサプローブS3が受光するように配された性状が既知の標準試料M23、M74とを具備する粉体測定装置Mを構成した。
【0163】
本実施形態によれば、センサプローブS3を測定装置Mから取り外すことなく、粉体測定装置Mを含む粉体混合供給装置Z及び成形機の稼働を継続したままで、その特性を随時確認又は較正することが可能となる。測定装置Mによる(センサS3を介した)混合粉体の性状の分析の精度を高く保つことができるため、粉体混合供給装置Zが供給する混合粉体の品質の劣化、さらには成形機が生産する成形品の品質の劣化を防止できる。
【0164】
本実施形態では、センサプローブS3の近傍を通過するように移動する移動部材M2、M72(特に、前記機器に向けて送出する混合粉体を捕捉して移送する回転体M2)における、前記センサプローブS3に臨む部位(特に、ブレードM22)に前記標準試料M23、M74を設けるようにしており、粉体測定装置Mの構成が肥大化せずコンパクトになる。しかも、混合粉体の移送を続行したまま(特に、ブレードM22がセンサプローブS3の近傍を通過し又は近傍に滞在するときに)較正処理ができる。
【0165】
加えて、前記移動部材M2、M72における前記センサプローブS3に臨む部位(特に、ブレードM22)に、センサプローブS3に接触してこれを払拭する清掃材M26、M73を設けていれば、混合粉体の移送を続行したままセンサプローブS3を清掃できる。ひいては、センサプローブS3の入出力特性を長期に亘り適正に維持できる。
【0166】
前記センサプローブS3に付着した塵若しくは埃を吹き飛ばして除去するための気体を噴出させるノズルM24を付設することも好ましい。
【0167】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変形が可能である。
【符号の説明】
【0168】
M…粉体測定装置
M2…移動部材(回転体)
M22…センサプローブに臨む部位(ブレード)
M23…標準試料
M24…ノズル
M26…清掃材
S3…センサプローブ
M7…清掃機構
M72…移動部材
M73…清掃材
M74…標準試料
Z…粉体混合供給装置
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