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  • 特許-塗装金属板および塗料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】塗装金属板および塗料
(51)【国際特許分類】
   C23C 26/00 20060101AFI20241213BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20241213BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20241213BHJP
【FI】
C23C26/00 A
C09D201/00
C09D7/61
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021092302
(22)【出願日】2021-06-01
(65)【公開番号】P2022184445
(43)【公開日】2022-12-13
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】591167278
【氏名又は名称】中外商工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174816
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 貴久
(72)【発明者】
【氏名】若野 伸彦
(72)【発明者】
【氏名】亀田 仁志
(72)【発明者】
【氏名】稲富 健三
【審査官】黒木 花菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-003515(JP,A)
【文献】特開2001-089871(JP,A)
【文献】特開2007-016558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 26/00
C09D 201/00
C09D 7/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基板に塗装が施された塗装金属板であって、
日射を受ける面とは反対側の裏面には、アルミニウム含有塗膜が形成されており、
前記アルミニウム含有塗膜は、有機樹脂と、粒径10μm~25μmであり、且つ、尖度が0.025~0.175の範囲のアルミニウム粒子を含むアルミニウム顔料と、を含み、
前記アルミニウム含有塗膜は、前記有機樹脂100容量部に対して、前記アルミニウム顔料が14.9容量部~25.3容量部であり、
前記アルミニウム含有塗膜の厚さは、1.8μm~4.1μmであることを特徴とする塗装金属板。
【請求項2】
日射を受ける側の表面には、日射反射塗膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の塗装金属板。
【請求項3】
金属基板に塗装を施こして形成する塗装金属板の製造方法であって、
日射を受ける面とは反対側の裏面に厚さ1.8μm~4.1μmのアルミニウム含有塗膜を形成する工程を含み、
前記アルミニウム含有塗膜は、有機樹脂と、粒径10μm~25μmであり、且つ、尖度が0.025~0.175の範囲のアルミニウム粒子を含むアルミニウム顔料と、を含み、
前記アルミニウム含有塗膜は、前記有機樹脂100容量部に対して、前記アルミニウム顔料が14.9容量部~25.3容量部であることを特徴とする塗装金属板の製造方法。
【請求項4】
日射を受ける側の表面に、日射反射塗膜を形成することを特徴とする請求項3に記載の塗装金属板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装金属板に関し、より特定的には、建築物の外装等に使用するための塗装金属板に関する。
【背景技術】
【0002】
塗装金属板は、金属基板に塗装を施したものであり、主に、建築物の外装等に使用されている。なお、塗装金属板は比較的薄いため、太陽光に照らされると、室内の温度を上昇させやすいという問題を有している。そのため、金属基板に遮熱効果のある塗料を塗布し、遮熱機能を付与することが行われている。遮熱機能を付与することで、室内の温度上昇を抑えることができるため、冷房装置の使用の軽減につながり、ひいては地球温暖化の防止に貢献することできる。
【0003】
金属基板に遮熱機能を付与する方法としては、例えば、金属基板の表面(日射を受ける側)に太陽熱反射塗膜を形成し、金属基板の裏面(日射を受けない側)にアルミニウム顔料を含有する塗膜を形成した塗装金属板が知られている(特許文献1 参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-89871
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の塗装金属板は十分な遮熱効果を有していないという課題が生じていた。これは、塗装金属板の裏面に設けられたアルミニウム顔料を含有する塗膜が十分な遮熱効果を有していないため、室内への熱放射を十分に低減できないためである。
【0006】
本発明は、かかる従来発明における課題に鑑みてされたものであり、本発明の目的の1つは、遮熱効果の高い塗装金属板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも以下のような構成を備え、もしくは手順を実行する。
【0008】
本発明の一局面に係る塗装金属板は、金属基板に塗装が施された塗装金属板であって、日射を受ける面とは反対側の裏面には、アルミニウム含有塗膜が形成されており、前記アルミニウム含有塗膜は、有機樹脂と、粒径10μm~25μmであり、且つ、尖度が0.025~0.175の範囲のアルミニウム粒子を含むアルミニウム顔料と、を含んでいることを特徴とする。
かかる構成により、室内への侵入熱量をより確実に抑えることができる。これは、裏面にアルミニウム含有塗膜を形成しているためである。
【0009】
また、好ましくは、日射を受ける側の表面には、日射反射塗膜が形成されていることを特徴とする。
かかる構成により、室内への侵入熱量をより確実に抑えることができる。
【0010】
また、好ましくは、前記アルミニウム含有塗膜は、前記有機樹脂100容量部に対して、前記アルミニウム顔料が15容量部~25容量部であることを特徴とする。
かかる構成により、より確実に、塗装金属板の裏面からの熱放射率を下げることができる。
【0011】
また、好ましくは、前記アルミニウム含有塗膜の厚さは、1.8μm~4.1μmであることを特徴とする。
かかる構成により、屈曲性に優れた塗装金属板とすることができる。
【0012】
本発明の一局面に係る塗料は、金属基板に塗装を施すための塗料であって、有機樹脂と、粒径10μm~25μmであり、且つ、尖度が0.025~0.175の範囲のアルミニウム粒子を含むアルミニウム顔料と、を含んでいることを特徴とする。
かかる構成により、遮熱効果の高い塗装金属板を形成することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、遮熱効果の高い塗装金属板を提供できるため、本発明の塗装金属板を建築物の外装等、特に屋根に使用することによって、室内の侵入熱量をより確実に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の遮熱効果を評価する実験に用いる装置の断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。
【0016】
本発明に係る塗装金属板は、金属基板の表面及び金属基板の裏面に塗膜を形成したものである。金属基板の表面に形成した塗膜は、太陽光を反射しやすい日射反射塗料により形成されており、金属基板の裏面に形成した塗膜は、裏面からの放熱が軽減されやすいアルミニウム顔料を含む塗料により形成されている。なお、塗装金属板の表面とは、塗装金属板を建築物の外装等に使用した場合において、日射を受ける側であり、塗装金属板の裏面とは、日射を受ける側とは反対側の面のことを指している。また、塗装金属板の表面に形成された塗膜を日射反射塗膜と言い、塗装金属板の裏面に形成された塗膜をアルミニウム含有塗膜と言う。なお、塗装金属板の表面に日射を反射しやすい塗膜を形成し、塗装金属板の裏面に放熱を抑える塗膜を形成することでより高い遮熱性を実現している。なお、本発明において重要な点としては、裏面に形成した塗膜により室内側への放熱を軽減している点にある。つまり、裏面に形成したアルミニウム含有塗膜が本発明の主な特徴である。
【0017】
金属基板は、用途に応じて必要な金属製の基板を使用することができる。具体的には、アルミニウム‐亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))、鉄板、銅板、鋼板、アルミニウム板などが挙げられる。
【0018】
本発明の塗装金属板の表面に形成される日射反射塗膜は、樹脂と顔料とを混合した塗料により形成されている。なお、必要に応じて、添加剤等を混合しても構わない。添加剤等としては、合成微粉シリカ、有機ベントナイト、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の増粘剤、メラミン系、ベンゾグアナミン系、イソシアネート系等の架橋剤、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩等の分散剤等が含有されていてもよい。
【0019】
日射反射塗膜の厚さは、10μm~60μmの範囲である。なお、必要に応じて厚さを変更しても構わない。
【0020】
日射反射塗膜に使用される樹脂は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フタル酸エステル系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が使用できる。なお、特にポリエステル樹脂が好ましい。好ましい理由としては、ポリエステル樹脂は、高硬度、耐候性、柔軟性、耐水性、耐薬品性、接着性等に優れているためである。
【0021】
日射反射塗膜に使用される顔料は、太陽光の反射性に優れる顔料を使用している。具体的には、金属の酸化物、硫化物、クロム酸塩などの金属化合物や、不溶性色素(色素顔料)、レーキ顔料等が挙げられる。また、上述した顔料を単独で使用しても良いし、2種以上を混合したものを使用してもよい。
【0022】
日射反射塗膜としては、日射反射率が40%以上のものを使用するのが好ましい。なお、日射反射率については適時必要な反射率のものを使用すれば良い。
【0023】
本発明の塗装金属板の裏面に形成されるアルミニウム含有塗膜は、樹脂とアルミニウム顔料とを混合した塗料により形成されている。なお、必要に応じて添加剤等を混合してもよい。添加剤等としては、合成微粉シリカ、有機ベントナイト、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の増粘剤、メラミン系、ベンゾグアナミン系、イソシアネート系等の架橋剤、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩等の分散剤等が含有されていてもよい。
【0024】
アルミニウム含有塗膜の厚さは、1.2μm~5.9μmであり、好ましくは、1.8μm~4.1μmの範囲が好ましい。厚さが1.8μm以下であると、熱放射率が高くなり、十分な遮熱効果を得られない。また、厚さが4.1μm以上となると屈曲性に問題が生じ、塗装金属板を折り曲げ加工等を行った際、アルミニウム含有塗膜に損傷等が起きる可能性が高くなる。
【0025】
アルミニウム含有塗膜に使用する樹脂は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フタル酸エステル系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が使用できる。なお、特にポリエステル樹脂が好適である。好ましい理由としては、ポリエステル樹脂は、高硬度、柔軟性、耐水性、耐薬品性、接着性等に優れているためである。なお、樹脂として、耐熱性に優れたアルコキシシロキサンを使用してもよい。
【0026】
アルミニウム含有塗膜に使用されるアルミニウム顔料は、アルミニウムを粉砕等して製造されるアルミニウム粒子を使用する。なお、当該アルミニウム粒子の形状は鱗片状のものを使用している。鱗片状の形状とは、平板状や湾曲板状等のように、一定の方向から観察した場合の面積(平面視の面積)が、観察した方向と直交する角度から観察した場合の面積よりも大きい形状のことをいう。そのため、粒径に比べて厚さは極めて小さく(薄く)なっている。
【0027】
アルミニウム粒子は、粒径が10μm~25μmであり、且つ、尖度が0.03~0.175の範囲のものを使用する。つまり、比較的粒子径が大きく、粒子径が揃っているアルミニウム粒子を使用している。当該範囲のアルミニウム粒子が使用されたアルミニウム顔料を使用することによって、塗装金属板の裏面側からの熱放射をより確実に軽減することが可能となる。これは、比較的粒子径が大きく、粒子径が揃っているアルミニウム粒子を使用することで、金属基板上で均一に薄く分散された状態で塗膜となるためと考えられる。さらに、金属基板上で均一に薄く分散された状態で塗膜となるため、屈曲性も向上する。なお、一般的にはアルミニウム顔料は、隠ぺい力を向上させため、平均粒径の分布が広いもの、つまり、尖度の値が低いもの、又は、マイナスの値のものが使用されている。なお、尖度とは、粒径の分布の鋭さを表すものである。
【0028】
アルミニウム含有塗膜に使用される顔料の混合量は、樹脂100容量部に対して、アルミニウム顔料が5容量部~40容量部の範囲であり、特に15容量部~25容量部が好ましい。アルミニウム顔料が15容量部~25容量部の範囲であると、より遮熱効果に優れた塗料となる。なお、15容量部以下であると、熱放射率が高くなり、十分な遮熱効果を得られない。また、25容量部以上であると屈曲性に問題が生じ、塗装金属板を折り曲げ加工等を行った際、アルミニウム含有塗膜に損傷等が起きる可能性が生じる。
【0029】
アルミニウム含有塗膜を形成するためには、金属基板に塗料を塗布する。具体的には、ロールコーターを使用して塗布するが、これに限らず、刷毛やローラー等で塗布しても構わない。また、スプレー方式で塗布しても構わない。換言すれば、塗布する方法は、必要に応じて自由な方法を使用できる。
【実施例
【0030】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0031】
図1に示すような一辺40cmの木製合板2と塗装金属板3で作成した試作加熱箱1を用いて実験した。なお、側面及び底面においては、外面側にアルミラミネートシートを被覆し、底面部分には厚さ30mmの発泡ポリスチレンを配置している。加熱ランプ4によって塗装金属板3の上側に配置した加熱ランプ4により熱を放射し実験をおこなった。
加熱ランプ4は、270Wの仕様のものを2個使用し、ランプ照射距離は7cmとした。これは、真夏日(気温30℃)の日射量を想定したものである。なお、放射熱量の評価については、試作加熱箱1の中心で下方から20cmの位置Aの温度(A温度)を測定し評価した。
【0032】
本発明に係る塗装金属板としては、金属基板の表面と裏面に塗装を施したものを使用した。金属基板は、板厚0.27mmのアルミニウム‐亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))を用いた。当該金属基板の表面には、日射反射塗料としてポリエステル樹脂を主成分とする塗料を塗布して厚さ50μmの塗膜(日射反射率86%)を形成した。金属基板の裏面に形成されるアルミニウム含有塗膜は、以下に示す実施例および比較例の材料を撹拌混合して調製した塗料を塗布してアルミニウム含有塗膜を形成した。なお、塗布量としては、特に指定しない限り10g/m塗布しており、約2.5μmの厚さのアルミニウム含有塗膜を形成した。
【0033】
<実施例1~5>
ポリエステル樹脂及びメラミン系架橋剤 100容量部
アルミニウム顔料 22.5容量部
なお、アルミニウム顔料は、平均粒径9.8μm~25.8μm、尖度0.025~0.175のものを使用した。
【0034】
<実施例6>
ポリエステル樹脂及びメラミン系架橋剤 100容量部
アルミニウム顔料 22.5容量部
アルミニウム顔料は、平均粒径18.7μm、尖度0.087のものを使用した。なお、実施例6は、裏面のみアルミニウム含有塗膜を形成したものであり、表面は未塗装のものである。
【0035】
<比較例1~6>
ポリエステル樹脂及びメラミン系架橋剤 100容量部
アルミニウム顔料 22.5容量部
なお、アルミニウム顔料は、平均粒径6.8~37.5μm、尖度-0.078~0.201のものを使用した。
【0036】
<比較例7、8>
比較例7は、表面のみ日射反射塗料を塗布したものであり、裏面は未塗装のものである。また、比較例8は、金属基板、つまり両面とも未塗装のものである。
【0037】
表1に実施例1~6を使用した塗装金属板の結果を示し、表2に比較例1~8を使用した塗装金属板の結果を示す。表1、表2から使用するアルミニウム顔料の平均粒径および尖度によって、塗装金属板の裏面からの熱放射率に影響が生じていることがわかる。また、これによりA温度に影響を与えていることも判明した。具体的には、アルミニウム顔料の平均粒径が9.8μm~25.8μmで、且つ、尖度0.025~0.175のものを使用すると遮熱効果の高い塗装金属板となることが判明した。また、実施例6と比較例8とを比較するとわかるように、裏面にアルミニウム含有塗膜を形成することで熱放射率を大幅に下げていることがわかる。
【0038】
<表1>
【0039】
<表2>
【0040】
次に、有機樹脂とアルミニウム顔料の配合比率により熱放射率および屈曲性にどのような影響がでるか実験を行った。なお、屈曲性の評価は、〇と×で評価を行った。〇の場合は、折り曲げた際に問題が生じないものであり、×は、折り曲げた際に塗膜部分が割れたりするなどの問題が生じたものである。
【0041】
<実施例7~11>
ポリエステル樹脂及びメラミン系架橋剤 100容量部
アルミニウム顔料 14.9容量部~25.3容量部
なお、アルミニウム顔料は、平均粒径18.7μm、尖度0.083のものを使用した。
【0042】
<比較例9、10>
ポリエステル樹脂及びメラミン系架橋剤 100容量部
アルミニウム顔料 13.4容量部、30.3容量部
なお、アルミニウム顔料は、平均粒径18.7μm、尖度0.083のものを使用した。
【0043】
表3に実施例7~11および比較例9、10を使用した塗装金属板の結果を示す。表3により、有機樹脂とアルミニウム顔料の配合比率に塗装金属板の裏面からの熱放射率および屈曲性に影響が生じていることがわかる。具体的には、アルミ顔料の比率が多くなってしまうと屈曲性に難が生じ、アルミ顔料の比率が少なくなってしまうと熱放射率に難が生じてしまう。そのため、アルミニウム顔料は、有機樹脂100容量部に対して、14.9容量部~25.3容量部の範囲が好ましい。
【0044】
<表3>
【0045】
次に、金属基板の裏面に形成されるアルミニウム含有塗膜の膜厚による影響について実験を行った。なお、金属基板の裏面に形成されるアルミニウム含有塗膜は、有機樹脂100容量部に対してアルミニウム顔料22.5容量部を配合した。また、アルミニウム顔料の尖度は、0.083のものを使用した。
【0046】
<実施例12~16>
ポリエステル樹脂及びメラミン系架橋剤 100容量部
アルミニウム顔料 22.5容量部
アルミニウム顔料は、平均粒径18.7μm、尖度0.083のものを使用し、膜厚が1.8μm~4.1μmになるように塗布した。
【0047】
<比較例11、12>
ポリエステル樹脂及びメラミン系架橋剤 100容量部
アルミニウム顔料 22.5容量部
アルミニウム顔料は、平均粒径18.7μm、尖度0.083のものを使用した。
【0048】
表4に実施例12~16および比較例11、12を使用した塗装金属板の結果を示す。表4により、膜厚によって塗装金属板の裏面における熱放射率および屈曲性に影響が生じていることがわかる。具体的には、膜厚が1.8μm未満であると熱放射率に難が生じ、膜厚が4.1μmを超えると屈曲性に難が生じることが分かる。
【0049】
<表4>
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係る塗装金属板は、建築物の外装等、特に屋根に使用することによって、室内への侵入熱量をより確実に抑えることができるため有用である。
【符号の説明】
【0051】
1 試作加熱箱
2 木製合板
3 塗装金属板
4 加熱ランプ

図1