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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】樹脂封止装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/29 20060101AFI20241213BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20241213BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20241213BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20241213BHJP
   B29C 45/42 20060101ALI20241213BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20241213BHJP
   H01L 21/56 20060101ALN20241213BHJP
【FI】
H01L23/30 R
B29C45/14
B29C45/17
B29C45/42
B29C45/26
H01L21/56 R
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023556118
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 JP2022023830
(87)【国際公開番号】W WO2023074036
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2024-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2021179013
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000144821
【氏名又は名称】アピックヤマダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】田上 秀作
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 誠
【審査官】相澤 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-145548(JP,A)
【文献】特開2021-133592(JP,A)
【文献】特開2004-266153(JP,A)
【文献】特開2009-12304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/29
B29C 45/14
B29C 45/17
B29C 45/42
B29C 45/26
H01L 21/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂を溶融させて前記電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、
前記ワークを供給するワーク供給ユニットと、
前記樹脂を供給する樹脂供給ユニットと、
機能部材を供給する機能部材供給ユニットと、
前記ワーク及び前記機能部材に対して前記樹脂を成形する樹脂成形ユニットと、
前記ワーク供給ユニットから供給される前記ワークを搬送する第1ローダと、
前記樹脂及び前記機能部材の少なくとも一方を搬送する第2ローダであって、前記第1ローダとは異なる搬送経路を有する、第2ローダと
を備え、
前記ワーク供給ユニット、前記樹脂成形ユニット及び前記樹脂供給ユニットは、前記樹脂封止装置の平面レイアウトにおいて第1方向に並んで配置され、
前記機能部材供給ユニットは、前記樹脂供給ユニットに対して、前記平面レイアウトにおける前記第1方向に交差する第2方向において隣接している、
樹脂封止装置。
【請求項2】
前記第1ローダは、前記第1方向に沿って延在する第1搬送経路を有し、
前記第2ローダは、前記第2方向に沿って延在する第2搬送経路を有する、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項3】
前記樹脂成形ユニットは、前記電子部品を樹脂封止する金型を有し、
前記第1ローダは、前記金型に前記ワークを搬入する第1ローダハンドを有し、
前記第2ローダは、前記金型に前記樹脂及び前記機能部材の少なくとも一方を搬入する第2ローダハンドを有し、
前記第1ローダハンドは、前記第2方向に沿って前記金型に対して進退可能に構成され、
前記第2ローダハンドは、前記第1方向に沿って前記金型に対して進退可能に構成されている、
請求項2に記載の樹脂封止装置。
【請求項4】
前記樹脂成形ユニットは、第1樹脂成形ユニット及び第2樹脂成形ユニットを有し、
前記第1樹脂成形ユニットと前記第2樹脂成形ユニットは前記第1方向に並んで配置され、
前記樹脂供給ユニットは、前記第1樹脂成形ユニットと前記第2樹脂成形ユニットとの間に設けられている、
請求項2に記載の樹脂封止装置。
【請求項5】
前記樹脂供給ユニットは、前記第2ローダに前記樹脂を供給する樹脂供給部を有し、
前記樹脂封止装置の平面レイアウトにおいて、前記機能部材供給ユニットは、前記第1搬送経路から視て前記樹脂供給部とは反対側に配置されている、
請求項2に記載の樹脂封止装置。
【請求項6】
前記樹脂供給ユニットは、前記第2ローダに前記樹脂を供給する樹脂供給部を有し、
前記樹脂封止装置の平面レイアウトにおいて、前記機能部材供給ユニットは、前記第1搬送経路から視て前記樹脂供給部と同じ側に配置されている、
請求項2に記載の樹脂封止装置。
【請求項7】
前記樹脂封止装置の平面レイアウトにおいて、前記機能部材供給ユニットは前記樹脂封止装置の正面側に配置されている、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項8】
前記機能部材供給ユニットは前記樹脂封止装置の背面側に配置されている、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項9】
前記第2ローダは、前記樹脂供給ユニットにおいて前記樹脂を受け取り、前記機能部材供給ユニットにおいて前記機能部材を前記樹脂の上に受け取る、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項10】
前記第2ローダは、前記機能部材供給ユニットにおいて前記機能部材を受け取り、前記樹脂供給ユニットにおいて前記樹脂を前記機能部材の上に受け取る、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項11】
基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂を溶融させて前記電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、
前記ワークを供給するワーク供給ユニットと、
シート状の第1樹脂を供給する第1樹脂供給ユニットと、
前記ワークに対して前記第1樹脂を成形する樹脂成形ユニットと、
前記ワーク供給ユニットから供給される前記ワークを搬送する第1ローダと、
前記第1樹脂を搬送する第2ローダであって、前記第1ローダとは異なる搬送経路を有する、第2ローダと
を備え、
前記ワーク供給ユニット及び前記樹脂成形ユニットは、前記樹脂封止装置の平面レイアウトにおいて第1方向に並んで配置され、
前記第1樹脂供給ユニットは、前記平面レイアウトにおいて、前記ワーク供給ユニット及び前記樹脂成形ユニットを含み前記第1方向に延在する領域に対して、前記第1方向に交差する第2方向に配置されている、
樹脂封止装置。
【請求項12】
第2樹脂を供給する第2樹脂供給ユニットをさらに備え、
前記樹脂成形ユニットは、前記ワークに対して、前記第1樹脂とともに前記第2樹脂を成形し、
前記ワーク供給ユニット、前記樹脂成形ユニット及び前記第2樹脂供給ユニットは、前記平面レイアウトにおいて前記第1方向に並んで配置され、
前記第1樹脂供給ユニットは、前記第2樹脂供給ユニットに対して、前記平面レイアウトにおける前記第2方向に配置されている、
請求項11に記載の樹脂封止装置。
【請求項13】
前記第2樹脂は、顆粒状、粉末状又は液状である、
請求項12に記載の樹脂封止装置。
【請求項14】
前記第2ローダは、予備加熱によって互いに融着した前記第1樹脂及び前記第2樹脂を搬送する、
請求項12に記載の樹脂封止装置。
【請求項15】
機能部材を供給する機能部材供給ユニットをさらに備え、
前記第1樹脂供給ユニット、前記第2樹脂供給ユニット及び前記機能部材供給ユニットは、前記平面レイアウトにおいて前記第2方向に並んで配置されている、
請求項12から14のいずれか1項に記載の樹脂封止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂封止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂を溶融させて電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置の一例として、ワークとともに機能部材に対して樹脂を成形する樹脂封止装置が知られている。
【0003】
特許文献1及び2には、ワーク供給ユニットと、成形品回収ユニットと、これらの間に分離可能に備えられた増設レールユニットとを備え、増設レールユニットとして樹脂成形ユニット及び機能部材供給ユニットが各々挿脱可能に設けられた樹脂封止装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6639931号公報
【文献】特開2004-259816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2のような構成の場合、ワーク、樹脂及び機能部材が共通の搬送経路を用いて搬送することを前提とするため、各ユニットのレイアウトが制約されるという問題が生じる場合があった。また、例えば、機能部材供給ユニットを着脱しようとすると、各ユニットの連結を解除した上で、機能部材供給ユニットを着脱し、各ユニットの位置を調整して再連結する等の手間がかかり、樹脂封止装置の取り扱いが煩雑となる場合があった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、レイアウトの自由度が向上するとともに樹脂封止装置の取り扱いを向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る樹脂封止装置は、基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂を溶融させて電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、ワークを供給するワーク供給ユニットと、樹脂を供給する樹脂供給ユニットと、機能部材を供給する機能部材供給ユニットと、ワーク及び機能部材に対して樹脂を成形する樹脂成形ユニットと、ワーク供給ユニットから供給されるワークを搬送する第1ローダと、樹脂及び機能部材の少なくとも一方を搬送する第2ローダであって、第1ローダとは異なる搬送経路を有する、第2ローダとを備え、ワーク供給ユニット、樹脂成形ユニット及び樹脂供給ユニットは、樹脂封止装置の平面レイアウトにおいて第1方向に並んで配置され、機能部材供給ユニットは、樹脂供給ユニットに対して、平面レイアウトにおける第1方向に交差する第2方向において隣接している。
【0008】
この態様によれば、樹脂及び機能部材の少なくとも一方を搬送する第2ローダが、ワークを搬送する第1ローダとは異なる搬送経路を有しているため、従来のワーク、樹脂及び機能部材が共通の搬送経路を用いて搬送されることを前提とした構成に比して、レイアウトの自由度を向上させることができる。また、機能部材供給ユニットが、樹脂供給ユニットに対して、平面レイアウトにおける第2方向において隣接しているため、例えば、機能部材供給ユニットの着脱が容易となり、樹脂封止装置の取り扱いを向上させることができる。
【0009】
上記態様において、第1ローダは、第1方向に沿って延在する第1搬送経路を有し、第2ローダは、第2方向に沿って延在する第2搬送経路を有してもよい。
【0010】
上記態様において、樹脂成形ユニットは、樹脂を成形する金型を有し、第1ローダは、金型にワークを搬入する第1ローダハンドを有し、第2ローダは、金型に樹脂及び機能部材の少なくとも一方を搬入する第2ローダハンドを有し、第1ローダハンドは、第2方向に沿って金型に対して進退可能に構成され、第2ローダハンドは、第1方向に沿って金型に対して進退可能に構成されてもよい。
【0011】
上記態様において、樹脂成形ユニットは、第1樹脂成形ユニット及び第2樹脂成形ユニットを有し、第1樹脂成形ユニットと第2樹脂成形ユニットは第1方向に並んで配置され、樹脂供給ユニットは、第1樹脂成形ユニットと第2樹脂成形ユニットとの間に設けられてもよい。
【0012】
上記態様において、樹脂供給ユニットは、第2ローダに樹脂を供給する樹脂供給部を有し、樹脂封止装置の平面レイアウトにおいて、機能部材供給ユニットは、第1搬送経路から視て樹脂供給部とは反対側に配置されてもよい。
【0013】
上記態様において、樹脂供給ユニットは、第2ローダに樹脂を供給する樹脂供給部を有し、樹脂封止装置の平面レイアウトにおいて、機能部材供給ユニットは、第1搬送経路から視て供給部と同じ側に配置されてもよい。
【0014】
上記態様において、樹脂封止装置の平面レイアウトにおいて、機能部材供給ユニットは樹脂封止装置の正面側に配置されてもよい。
【0015】
上記態様において、機能部材供給ユニットは樹脂封止装置の背面側に配置されてもよい。
【0016】
上記態様において、第2ローダには、樹脂供給ユニットにおいて樹脂を受け取り、機能部材供給ユニットにおいて機能部材を樹脂の上に受け取ってもよい。
【0017】
上記態様において、第2ローダには、機能部材供給ユニットにおいて機能部材を受け取り、樹脂供給ユニットにおいて樹脂を機能部材の上に受け取ってもよい。
【0018】
本発明の他の一態様に係る樹脂封止装置は、基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂を溶融させて電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、ワークを供給するワーク供給ユニットと、シート状の第1樹脂を供給する第1樹脂供給ユニットと、ワークに対して第1樹脂を成形する樹脂成形ユニットと、ワーク供給ユニットから供給されるワークを搬送する第1ローダと、第1樹脂を搬送する第2ローダであって、第1ローダとは異なる搬送経路を有する、第2ローダとを備え、ワーク供給ユニット及び樹脂成形ユニットは、樹脂封止装置の平面レイアウトにおいて第1方向に並んで配置され、第1樹脂供給ユニットは、平面レイアウトにおいて、ワーク供給ユニット及び樹脂成形ユニットを含み第1方向に延在する領域に対して、第1方向に交差する第2方向に配置されている。
【0019】
上記態様において、樹脂封止装置は、第2樹脂を供給する第2樹脂供給ユニットをさらに備え、樹脂成形ユニットは、ワークに対して、第1樹脂とともに第2樹脂を成形し、ワーク供給ユニット、樹脂成形ユニット及び第2樹脂供給ユニットは、平面レイアウトにおいて第1方向に並んで配置され、第1樹脂供給ユニットは、第2樹脂供給ユニットに対して、平面レイアウトにおける第2方向に配置されてもよい。
【0020】
上記態様において、第2樹脂は、顆粒状、粉末状又は液状であってもよい。
【0021】
上記態様において、第2ローダは、予備加熱によって互いに融着した第1樹脂及び第2樹脂を搬送してもよい。
【0022】
上記態様において、樹脂封止装置は、機能部材を供給する機能部材供給ユニットをさらに備え、第1樹脂供給ユニット、第2樹脂供給ユニット及び機能部材供給ユニットは、平面レイアウトにおいて第2方向に並んで配置されてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、レイアウトの自由度が向上するとともに樹脂封止装置の取り扱いを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施形態に係る樹脂封止装置の構成を概略的に示す平面図である。
図2】第1ローダ及び第2ローダのより詳細な構成を概略的に示す平面図である。
図3】金型及び成形品の構成を概略的に示す断面図である。
図4】樹脂が供給された第2ローダを概略的に示す断面図である。
図5】放熱板が供給された第2ローダを概略的に示す断面図である。
図6】型締め前の金型を概略的に示す断面図である。
図7】第2実施形態に係る樹脂封止装置の構成を概略的に示す平面図である。
図8】第3実施形態に係る金型の構成を概略的に示す断面図である。
図9】第4実施形態に係る樹脂封止装置の構成を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。各実施形態の図面は例示であり、各部の寸法や形状は模式的なものであり、本願発明の技術的範囲を当該実施形態に限定して解するべきではない。
【0026】
<第1実施形態>
図1図3を参照しつつ、本発明の実施形態に係る樹脂封止装置1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る樹脂封止装置の構成を概略的に示す平面図である。図2は、第1ローダ及び第2ローダのより詳細な構成を概略的に示す平面図である。図3は、金型及び成形品の構成を概略的に示す断面図である。
【0027】
図1及び図2は、上方から平面視したときのレイアウトを示している。各々の図面には、各々の図面相互の関係を明確にし、各部材の位置関係を理解する助けとするために、便宜的に前後左右の方向を付している。左右方向は本発明に係る「第1方向」の一例に相当し、前後方向は本発明に係る「第2方向」の一例に相当する。
【0028】
樹脂封止装置1は、基材S及び電子部品Pを含むワークWに対して樹脂Rを溶融させて電子部品Pを樹脂封止し、成形品Mを製造する製造装置である。樹脂封止装置1は、ワークWと一緒に機能部材Hに対しても樹脂Rを成形する。機能部材Hは、例えば、成形品Mの基材Sが露出する側とは反対側に露出するように設けられる。基材Sは、例えば、インタポーザ基板、リードフレーム、粘着シート付きキャリアプレート又は半導体基板等である。電子部品Pは、例えば、ICチップ等の半導体素子であるがこれに限定されるものではなく、各種の能動素子や受動素子又はMEMSデバイス等であってもよい。機能部材Hは、例えば、電子部品Pが発する熱を放出する放熱部材や電磁波を遮蔽する遮蔽部材等の板状部材であるが、上記に限定されるものではない。樹脂Rは、例えば顆粒状の熱硬化性樹脂である。樹脂Rの形状は上記に限定されるものではなく、粉末状、液状、シート状又はタブレット状であってもよい。
【0029】
本実施形態に係る樹脂封止装置1はコンプレッション方式の樹脂封止装置である。但し、本発明の一実施形態に係る樹脂封止装置は上記に限定されるものではなく、トランスファ方式の樹脂封止装置であってもよい。
【0030】
図1に示すように、樹脂封止装置1は、ワーク供給ユニット10と、樹脂供給ユニット40と、機能部材供給ユニット50と、樹脂成形ユニット20,30と、成形品回収ユニット90と、第1ローダ60と、第2ローダ70とを備えている。ワーク供給ユニット10と、樹脂供給ユニット40と、樹脂成形ユニット20,30と、成形品回収ユニット90とは、左右方向に並んで配置されている。樹脂供給ユニット40と、機能部材供給ユニット50とは、前後方向において隣接している。
【0031】
ワーク供給ユニット10は、ワークWを供給する。ワーク供給ユニット10は、ワーク収納部11と、ワーク受渡部13と、ワーク予熱部15と、ワーク供給コントロールパネル19とを備えている。図1に示すように平面視したとき、ワーク供給ユニット10は、例えば樹脂封止装置1の左端に配置されている。
【0032】
ワーク収納部11は、複数のワークWを収納し、ワークWを順次送り出す。例えば、ワーク収納部11には、それぞれに複数のワークWが重なるように収納された複数のワークマガジンと、複数のワークマガジンの位置を調整してワークWを送り出すワークエレベーションとが備えられている。
【0033】
ワーク受渡部13は、ワーク収納部11から受け取ったワークWをワーク予熱部15に引き渡す。例えば、ワーク受渡部13には、ワーク収納部11が送り出したワークWを受け取って整列させるワークインデックスと、ワークインデックスが整列させたワークWをワーク予熱部15に引き渡すワークピックアンドプレイスとが備えられている。
【0034】
ワーク予熱部15は、ワーク受渡部13から受け取ったワークWを予熱し、第1ローダ60に引き渡す。樹脂成形ユニット20,30に搬送される前にワークWを予熱することで、急激な温度変化によるワークWの変形を抑制する。例えば、ワーク予熱部15には、ワーク収納部11から受け取ったワークWを加熱するプレヒートレールが備えられている。
【0035】
ワーク供給コントロールパネル19は、ワーク供給ユニット10の動作を制御するための制御盤である。図1に示すように平面視したとき、ワーク供給コントロールパネル19は、ワーク供給ユニット10の前面に配置されている。例えば、ワーク供給コントロールパネル19には、ワーク供給ユニット10の制御パラメータを表示する表示部と、ワーク供給ユニット10の制御パラメータを入力する入力部とが備えられている。
【0036】
ワーク供給コントロールパネル19の表示部は、ワーク供給ユニット10、樹脂供給ユニット40、機能部材供給ユニット50、成形品回収ユニット90、第1ローダ60、第2ローダ70等の、樹脂封止装置1の各構成要素の制御パラメータを集約して表示可能に構成されてもよい。同様に、ワーク供給コントロールパネル19の入力部は、ワーク供給ユニット10、樹脂供給ユニット40、機能部材供給ユニット50、成形品回収ユニット90、第1ローダ60、第2ローダ70等の、樹脂封止装置1の各構成要素の制御パラメータを集約して入力可能に構成されてもよい。
【0037】
なお、ワーク供給ユニット10は、ワークWの体積を測定する体積測定部、ワークWの重量を測定する重量測定部、ワークWの厚みを測定する厚み測定部、及び、ワークWの外観を検査する外観検査部等をさらに備えてもよい。
【0038】
成形品回収ユニット90は、成形品Mを回収する。成形品回収ユニット90は、成形品受取部91と、成形品受渡部93と、成形品収納部95とを備えている。図1に示すように平面視したとき、成形品回収ユニット90は、例えば樹脂封止装置1の右端に配置されている。
【0039】
成形品受取部91は、第1ローダ60から受け取った成形品Mを成形品受渡部93に引き渡す。例えば、成形品受取部91には、成形品Mを冷却する冷却パレットが備えられている。
【0040】
成形品受渡部93は、成形品受取部91から受け取った成形品Mを成形品収納部95に引き渡す。例えば、成形品受渡部93には、成形品受取部91が送り出した成形品Mを受け取って整列させる成形品インデックスと、成形品インデックスが整列させた成形品Mを成形品収納部95に引き渡す成形品ピックアンドプレイスとが備えられている。
【0041】
成形品収納部95は、成形品Mを受け取って収納する。例えば、成形品収納部95には、それぞれに複数の成形品Mが重なるように収納される複数の成形品マガジンと、複数の成形品マガジンの位置を調整して成形品Mを受け取る成形品エレベーションとが備えられている。
【0042】
なお、成形品回収ユニット90は、成形品Mの体積を測定する体積測定部、成形品Mの重量を測定する重量測定部、成形品Mの厚みを測定する厚み測定部、及び、成形品Mの外観を検査する外観検査部等をさらに備えてもよい。本発明の一実施形態に係る樹脂封止装置がトランスファ方式の樹脂封止装置である場合、成形品回収ユニットには、カルやランナと呼ばれる不要樹脂を成形品Mから分離するディゲート部、及び、分離した不要樹脂を回収するためのスクラップボックス等が備えられてもよい。
【0043】
樹脂成形ユニット20は、ワークW及び機能部材Hに対して樹脂Rを成形する。樹脂成形ユニット20は、金型21と、フィルムハンドラ27と、樹脂成形コントロールパネル29とを備えている。図1に示すように平面視したとき、樹脂成形ユニット20は、例えばワーク供給ユニット10の右側に連結されている。
【0044】
金型21は、内部のキャビティ25に樹脂Rを充填して、電子部品Pを樹脂封止する、一対の開閉可能な金型である。金型21は、下型22と上型23とを備えている。金型21は、上型23の下型22側にキャビティ25が形成され且つキャビティ25の容積が型締めに伴い変化する、いわゆる上キャビティ可動構造の圧縮成形金型である。
【0045】
下型22は、下プレート22Aと、キャビティプレート22Bとを備えている。キャビティプレート22Bは、下プレート22Aの上面(上型23側の面)に固定して組み付けられている。下型22には、下プレート22A及びキャビティプレート22Bを貫通する吸引路22Cが設けられている。吸引路22Cは、キャビティプレート22Bの上面に開口している。吸引路22Cは、下型22にセットされたワークWを吸着して保持するための通気孔である。
【0046】
上型23は、上プレート23Aと、キャビティ駒23Bと、クランパ23Cと、付勢部材23Dとを備えている。キャビティ駒23Bは、上プレート23Aの下面(下型22側の面)に固定して組み付けられている。クランパ23Cは、キャビティ駒23Bを囲うように枠状に構成されている。クランパ23Cは、付勢部材23Dを介して、上プレート23Aに対して上下動可能に組み付けられている。キャビティ駒23Bがキャビティ25の底部を構成し、クランパ23Cがキャビティ25の側部を構成している。上型23には、クランパ23Cを貫通する吸引路23E,23Fと、上プレート23A及びキャビティ駒23Bを貫通する吸引路23Gと、が設けられている。吸引路23Eは、クランパ23Cの下面に開口している。吸引路23Fは、クランパ23Cのキャビティ駒23Bに対向する内側面に開口している。吸引路23Gは、キャビティ駒23Bの下面に開口している。吸引路23E,23F,23Gは、上型23にセットされたフィルムFを吸着して保持するための通気孔である。また、吸引路23Gは、フィルムFの下面にセットされた機能部材Hを吸着して保持するための通気孔である。具体的には、吸引路22Gは、フィルムFに設けられた貫通孔Tを通して機能部材Hを吸着する。なお、貫通孔Tは、フィルムFが上型23に吸着される前に設けられていてもよく、フィルムFが上型23に吸着されてから設けられてもよい。例えば、貫通孔Tは、上型23に吸着されたフィルムFに針状部材を突き刺すことで開口される。
【0047】
フィルムハンドラ27は、金型21にフィルムFを供給する。フィルムFは、上型23の隙間への樹脂Rの侵入を阻害するとともに、上型23からの成形品Mの剥離を容易にする離型フィルムである。フィルムハンドラ27には、ロール状に設けられた未使用のフィルムFを供給する巻出部と、使用済みのフィルムFを回収する巻取部とが備えられている。フィルムFの材料として、耐熱性、剥離容易性、柔軟性、伸展性に優れた高分子材料、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)又はPVDC(ポリ塩化ビニリジン)等が好適に用いられる。フィルムFの材料は上記に限定されるものではなく、例えばフッ素含浸ガラスクロス等でもよい。フィルムFの厚さは、材料の物性に応じて好適に選択され、一例として50μm程度である。なお、フィルムFの形状はロール状に限定されるものではなく、短冊状であってもよい。
【0048】
樹脂成形コントロールパネル29は、樹脂成形ユニット20の動作を制御するための制御盤である。図1に示すように平面視したとき、樹脂成形コントロールパネル29は、樹脂成形ユニット20の前面に配置されている。例えば、樹脂成形コントロールパネル29には、樹脂成形ユニット20の制御パラメータを表示する表示部と、樹脂成形ユニット20の制御パラメータを入力する入力部とが備えられている。
【0049】
樹脂成形ユニット30は、金型31と、フィルムハンドラ37と、樹脂成形コントロールパネル39とを備えている。図1に示すように平面視したとき、樹脂成形ユニット30は、例えば成形品回収ユニット90の左側に連結されている。なお、樹脂成形ユニット30の構成は樹脂成形ユニット20の構成と同様のため、金型31、フィルムハンドラ37及び樹脂成形コントロールパネル39についての説明は省略する。
【0050】
なお、樹脂成形コントロールパネル29,39は、その機能の少なくとも一部がワーク供給コントロールパネル19に集約されてもよい。例えば、樹脂成形ユニット20,30の制御パラメータはワーク供給コントロールパネル19の表示部に表示されてもよく、樹脂成形ユニット20,30の制御パラメータはワーク供給コントロールパネル19の入力部に入力されてもよい。各ユニットのコントロールパネルの機能が全てワーク供給コントロールパネル19に集約される場合、樹脂成形コントロールパネル29,39は省略されてもよい。
【0051】
樹脂供給ユニット40は、第2ローダ70に顆粒状の樹脂Rを供給する。図1に示すように平面視したとき、樹脂供給ユニット40は、樹脂成形ユニット20の右側に連結し、樹脂成形ユニット30左側に連結されている。樹脂供給ユニット40は、樹脂供給部41を備えている。
【0052】
樹脂供給部41は、例えば図4で後述するように、ホッパ42と、フィーダ43とを備えている。ホッパ42は、樹脂Rを貯留する貯留部の一例に相当する。フィーダ43は、ホッパ42から受け取った樹脂Rを送り出す供給部の一例に相当する。なお、樹脂が液状の場合、樹脂供給部は、樹脂を貯留するシリンジと、樹脂を押し出すピストンと、シリンジの先端を開閉するピンチバルブとを備えてもよい。樹脂供給部が液状樹脂を供給する場合、樹脂供給部は、ワーク上に液状樹脂を塗布してもよい。
【0053】
なお、樹脂供給ユニット40は、樹脂Rの重量を測定する重量測定部、樹脂Rを予熱する樹脂予熱部、樹脂Rを囲む枠体として用いるレジンガード、樹脂Rを振動によって分散させる加振部、及び、樹脂Rの分散を検査する検査部等をさらに備えてもよい。
【0054】
機能部材供給ユニット50は、第2ローダ70に機能部材Hを供給する。機能部材供給ユニット50は、機能部材収納部51と、機能部材受渡部53とを備えている。図1に示すように平面視したとき、機能部材供給ユニット50は、樹脂供給ユニット40の前側に連結している。言い換えると、機能部材供給ユニット50は、樹脂封止装置1の正面側に配置されている。ここで、樹脂封止装置1の正面側は、前後方向における、ワーク供給コントロールパネル19及び樹脂成形コントロールパネル29,39が配置された側である。機能部材供給ユニット50は、後述する第1ガイド部60Rから視て、樹脂供給部41とは前後方向において反対側に配置されている。具体的には、機能部材供給ユニット50は第1ガイド部60Rの前方に位置し、樹脂供給部41は第1ガイド部60Rの後方に位置している。言い換えると、機能部材供給ユニット50と樹脂供給部41との間に第1ガイド部60Rが設けられている。
【0055】
機能部材収納部51は、複数の機能部材Hを収納し、機能部材Hを順次送り出す。例えば、機能部材収納部51には、それぞれに複数の機能部材Hが重なるように収納された複数の機能部材マガジンと、複数の機能部材マガジンの位置を調整して機能部材Hを送り出す機能部材エレベーションとが備えられている。機能部材マガジンは、例えば、複数の機能部材Hが互いに間隔を空けてスリットに保持される、いわゆるスリットマガジンであるが、複数の機能部材Hが直接積み重ねて保持される、いわゆるスタックマガジンであってもよい。
【0056】
機能部材受渡部53は、機能部材収納部51から受け取った機能部材Hを第2ローダ70に引き渡す。例えば、機能部材受渡部53には、機能部材収納部51が送り出した機能部材Hを受け取って整列させる機能部材インデックスと、機能部材インデックスが整列させた機能部材Hを引き渡す機能部材ピックアンドプレイスとが備えられている。
【0057】
なお、機能部材供給ユニット50は、機能部材Hの体積を測定する体積測定部、機能部材Hの重量を測定する重量測定部、機能部材Hの厚みを測定する厚み測定部、機能部材Hの外観を検査する外観検査部、及び、機能部材Hを予熱する機能部材予熱部等をさらに備えてもよい。
【0058】
第1ローダ60は、ワークWをワーク供給ユニット10から樹脂成形ユニット20,30に搬送する。第1ローダ60は第1ガイド部60Rに沿って移動可能に構成されている。第1ガイド部60Rは、ワーク供給ユニット10、樹脂成形ユニット20,30、樹脂供給ユニット40及び成形品回収ユニット90に亘って、左右方向に延在している。第1ガイド部60Rは、本発明に係る「第1搬送経路」の一例に相当する。図1に示すように平面視したとき、第1ガイド部60Rは、例えば、金型21,31の後方であって樹脂供給部41の前方に設けられている。図1に示す構成例において、第1ローダ60は、成形品Mを樹脂成形ユニット20,30から成形品回収ユニット90に搬送する。
【0059】
図2に示すように、第1ローダ60は、第1ローダハンド61と、第1ベース62と、第1ガイドロッド63とを備えている。
【0060】
第1ローダハンド61は、ワークW又は成形品Mの保持機構を備えている。また、第1ローダハンド61は、金型21に対して進退可能に構成されている。第1ベース62は、第1ガイド部60Rに対して左右方向に移動可能に接続されており、前後方向への移動は制限されている。
【0061】
第1ベース62は、第1ガイドロッド63を介して第1ローダハンド61を支持している。平面視したとき、第1ガイドロッド63は、第1ベース62に接続された箇所を起点に伸縮する。これにより、第1ガイドロッド63は、第1ローダハンド61を前後方向に移動させる。
【0062】
一例として、第1ローダハンド61は、ワーク受渡部13でワークWを受け取った後、第1ベース62によって右方に搬送され、金型21の後方まで移動する。次に、第1ローダハンド61は、第1ガイドロッド63の伸縮によって後方から金型21に進入し、金型21にワークWを搬入する。ワークWを金型21に引き渡した第1ローダハンド61は、第1ガイドロッド63の伸縮によって金型21の後方へと退出する。ワークWの搬入時と同様の動作によって金型21から成形品Mを搬出した第1ローダハンド61は、第1ベース62によって右方に搬送され、成形品受取部91に移動し、成形品Mを引き渡す。
【0063】
第2ローダ70は、樹脂R及び機能部材Hを搬送する。第2ローダ70は、第2ガイド部70Rに沿って移動可能に構成されている。第2ガイド部70Rは、例えば樹脂供給ユニット40に設けられ、前後方向に延在している。第2ガイド部70Rは、本発明に係る「第2搬送経路」の一例に相当する。図1に示すように平面視したとき、第2ガイド部70Rは、例えば、第1ガイド部60Rと交差している。図1に示す構成例において、第2ローダ70は、樹脂供給部41から受け取った樹脂Rと、機能部材受渡部53から受け取った機能部材Hとを左右方向に移動して金型21及び金型31の両方に搬入する。
【0064】
なお、第2ローダ70は、例えば樹脂R及び機能部材Hの両方を同時に搬送するが、これに限定されるものではない。樹脂R及び機能部材Hの一方を搬送してから他方を搬送してもよい。
【0065】
図2に示すように、第2ローダ70は、第2ローダハンド71と、第2ベース72と、第2ガイドロッド73とを備えている。
【0066】
第2ローダハンド71は、樹脂R及び機能部材Hの保持機構を備えている。具体的には、第2ローダハンド71は、樹脂Rを囲む枠体としてレジンガード77を備えている。また、第2ローダハンド71は、機能部材Hの保持機構として、サイドレール、チャック爪又は吸着機構等を備えてもよい。また、第2ローダハンド71は、金型21に対して進退可能に構成されている。第2ベース72は、第2ガイド部70Rに対して前後方向に移動可能に接続されており左右方向への移動は制限されている。なお、例えば第2ローダハンド71において樹脂Rが互いに充分に融着し脱落する恐れが低い場合、第2ローダハンド71のレジンガード77は省略されてもよい。
【0067】
第2ベース72は、第2ガイドロッド73を介して第2ローダハンド71を支持している。平面視したとき、第2ガイドロッド73は、第2ベース72に接続された箇所を起点に伸縮及び旋回する。これにより、第2ガイドロッド73は、第2ローダハンド71を前後又は左右方向に移動させ、また、第2ベース72を中心に第2ローダハンド71を旋回させる。
【0068】
一例として、第2ローダハンド71は、樹脂供給部41で樹脂Rを受け取った後、第2ベース72によって前方に搬送され、第1ガイド部60Rの前方の位置P1に移動する。次に、第2ローダハンド71は、第2ガイドロッド73の旋回によって、機能部材受渡部53の後方の位置P2に移動する。次に、第2ローダハンド71は、第2ガイドロッド73の伸縮によって、機能部材受渡部53に移動して機能部材Hを受け取った後、位置P2に戻る。次に、第2ローダハンド71は、第2ガイドロッド73の旋回によって、金型21の右方の位置P3に移動する。次に、第2ローダハンド71は、第2ガイドロッド73の伸縮によって右方から金型21に進入し、金型21に樹脂R及び機能部材Hを搬入する。樹脂R及び機能部材Hを金型21に引き渡した第2ローダハンド71は、第2ガイドロッド73の伸縮によって金型21の右方へと退出する。
【0069】
なお、第2ローダハンド71は、例えば樹脂Rを受け取ってから機能部材Hを受け取り、その両方を同時に金型21に搬入しているが、これに限定されるものではない。第2ローダハンド71は、機能部材Hを受け取ってから樹脂Rを受け取ってもよい。また、第2ローダハンド71は、樹脂R及び機能部材Hの一方を金型21に搬入してから他方を金型21に搬入してもよい。
【0070】
このように、第2ガイドロッド73の伸縮によって第2ローダハンド71が機能部材受渡部53に移動する構成であれば、第2ガイド部70Rを機能部材供給ユニット50まで延長しなくても、機能部材供給ユニット50を挿脱することができる。
【0071】
なお、第2ローダ70において、第2ガイドロッド73を旋回させる機構は省略されてもよい。この場合の一例として、第2ガイド部70Rは樹脂供給ユニット40から機能部材供給ユニット50に亘って前後方向に延在し、第2ローダハンド71は、第2ベース72によって樹脂供給部41及び機能部材受渡部53に移動すればよい。
【0072】
樹脂成形ユニット30の金型31に対して、第1ローダ60及び第2ローダ70は、樹脂成形ユニット20の金型21に対するのと同様に動作する。したがって、第1ローダ60及び第2ローダ70の金型31に対する動作の説明は省略する。但し、第2ローダ70の金型31に対する動作は、第2ローダ70の金型21に対する動作とは左右反転した動作となる。
【0073】
次に、図4図6を参照しつつ、第2ローダハンド71による樹脂R及び機能部材Hの搬送及び搬入について説明する。図4は、樹脂が供給された第2ローダを概略的に示す断面図である。図5は、放熱板が供給された第2ローダを概略的に示す断面図である。図6は、型締め前の金型を概略的に示す断面図である。
【0074】
図4に示すように、樹脂供給部41において、樹脂Rは、ホッパ42に貯留されており、フィーダ43によってホッパ42から第2ローダハンド71に送り出される。第2ローダハンド71は、板状の押圧部材75の上に樹脂Rを受け取る。樹脂Rは、レジンガード77に囲まれた領域において、図示を省略した加振部等によって、略均一な高さとなるように均される。
【0075】
次に、図5に示すように、樹脂Rの上に機能部材Hが載せられる。樹脂Rの顆粒は、図示を省略した予熱部によって予熱され、互いに固着している。樹脂Rの顆粒は、例えば予熱によって融着しているが、加圧によって圧着されてもよい。機能部材Hは、樹脂Rに固着されていてもよく、着脱可能に載置されていてもよい。
【0076】
次に、図6に示すように、樹脂R及び機能部材Hが金型21に搬入される。金型21に進入した第2ローダハンド71は、伸縮機構76によって押圧部材75を上昇させる。これにより、フィルムFを介してキャビティ駒23Bに機能部材Hが押圧される。機能部材Hは、フィルムFの貫通孔Tを通して、吸引路23Gによって吸着される。第2ローダハンド71の金型21への進入時に樹脂Rが機能部材Hに固着されていない場合、押圧部材75による押圧時に、上型23のヒータによって機能部材H及び樹脂Rを加熱し、上型23に吸着された機能部材Hに樹脂Rを融着させてもよい。このとき、上型23は、例えば100℃以上200℃以下の温度範囲において適切な設定温度に加熱されるため、容易に樹脂Rを機能部材Hに融着させることができる。
【0077】
第1ローダハンド61によるワークWの金型21への搬入は、樹脂R及び機能部材Hの搬入の後に実施されるのが望ましい。また、第1ローダハンド61は、ワークWの搬入時に、下型22の金型面を清掃しながら金型21へ進入するのがさらに望ましい。これによれば、樹脂R及び機能部材Hの搬入時に脱落した粉塵等に起因する不良品の発生を抑制することができる。
【0078】
以上のように、本発明の一態様に係る樹脂封止装置1において、ワーク供給ユニット10、樹脂成形ユニット20,30及び樹脂供給ユニット40は、樹脂封止装置1の平面レイアウトにおいて左右方向に並んで配置され、機能部材供給ユニット50は、樹脂供給ユニット40に対して、樹脂封止装置1の平面レイアウトにおける前方に隣接している。また、第1ローダ60の搬送経路に相当する第1ガイド部60Rと、第2ローダ70の搬送経路に相当する第2ガイド部70Rとは異なっている。
【0079】
これによれば、樹脂R及び機能部材Hの少なくとも一方を搬送する第2ローダ70が、ワークWを搬送する第1ローダ60とは異なる搬送経路を有しているため、従来のワーク、樹脂及び機能部材が共通の搬送経路を用いて搬送されることを前提とした構成に比して、レイアウトの自由度を向上させることができる。また、機能部材供給ユニット50が、樹脂供給ユニット40に対して、平面レイアウトにおける前後方向に隣接しているため、例えば、機能部材供給ユニット50の着脱が容易となり、樹脂封止装置1の取り扱いを向上させることができる。
【0080】
上記態様において、樹脂封止装置1の平面レイアウトにおける第1ガイド部60Rと第2ガイド部70Rとは交差している。
【0081】
これによれば、平面レイアウトにおいて樹脂Rの搬送経路とワークWの搬送経路との大部分が大きく離間しているため、樹脂Rの搬送時に発生した粉塵によるワークWの搬送経路の汚染を防止することができる。したがって、ワークWへの粉塵の付着に起因した不良品の発生を抑制することができる。
【0082】
上記態様において、樹脂成形ユニット20と樹脂成形ユニット30との間に樹脂供給ユニット40が設けられている。
【0083】
これによれば、2つの樹脂成形ユニット20,30への樹脂Rの供給を、1つの樹脂供給ユニット40で実施することができるため、樹脂封止装置1を小型化することができる。
【0084】
なお、樹脂成形ユニット20及び樹脂成形ユニット30のいずれか一方は省略されてもよい。すなわち、樹脂成形ユニットは1つだけ設けられ、1つの樹脂供給ユニットが1つの樹脂成形ユニットに樹脂を供給する構成であってもよい。また、樹脂成形ユニットは3つ以上設けられてもよい。この場合、樹脂供給ユニットは2つ以上設けられてもよい。例えば、2つの樹脂成形ユニットと、当該2つの樹脂成形ユニットの間に設けられて当該2つの樹脂成形ユニットに樹脂を供給する樹脂供給ユニットとを1つのユニット群として、複数のユニット群が左右方向に並んで配置されてもよい。
【0085】
本実施形態に係る第1ローダ60は、ワークWを金型21,31に搬入するワークローダとして機能するとともに、成形品Mを金型21,31から搬出する成形品アンローダとしても機能するが、第1ローダ60の機能はワークローダに限定されてもよい。すなわち、樹脂封止装置は、成形品アンローダとして第3ローダをさらに備えてもよい。このような第3ローダは、例えば第1ローダと搬送経路を共有し、第1ガイド部に沿って移動可能に構成されてもよい。また、樹脂封止装置は、第3ローダを搬送するための第3ガイド部をさらに備えてもよい。
【0086】
本実施形態において、ワークW及び成形品Mのユニット間での搬送は第1ローダ60によって実施されてるが、これに限定されるものではない。例えば、ワーク予熱部及び成形品受取部が第1ガイド部に沿って左右に移動可能に構成されてもよい。具体的には、ワーク予熱部がワーク供給ユニットから樹脂成形ユニットへとワークを搬送し、樹脂成形ユニットに設けられたローダにワークを引き渡してもよい。また、成形品受取部が樹脂供給ユニットにおいてローダから成形品を受け取り、樹脂成形ユニットから成形品回収ユニットへと成形品を搬送してもよい。このようなローダは、樹脂封止装置が複数の樹脂成形ユニットを備える場合には複数の樹脂成形ユニットのそれぞれに設けられてもよい。
【0087】
本実施形態において、第2ローダハンド71は旋回によって位置P1~P3のそれぞれの間を移動するが、第2ローダハンド71は旋回しない構成であってもよい。例えば、前後方向及び左右方向の2方向に移動可能であれば、第2ローダハンドは旋回によって位置P1~P3の間を移動しなくてもよい。また、例えば、第2ガイド部に沿った第2ベースの前後方向への移動のみによって、第2ローダハンドが樹脂供給部及び機能部材供給部へ移動可能である場合、第2ガイドロッドは左右方向へと伸縮可能であれば、旋回可能に構成されなくてもよい。
【0088】
本実施形態において、第2ローダハンド71に樹脂Rと機能部材Hとの両方が保持され、樹脂Rと機能部材Hとは同時に金型21へ搬入されて、同時に上型23へと引き渡されるが、これに限定されるものではない。例えば、樹脂と機能部材とを同じローダハンドに別個独立に保持させて金型に搬入し、機能部材を上型に吸着させた後、樹脂を機能部材に融着させてもよい。すなわち、1つのローダハンドの1回の金型への進退時に、機能部材と樹脂とをこの順で金型へと引き渡してもよい。また、機能部材をローダハンドに保持させて金型に搬入し、機能部材を上型に吸着させた後、一度当該ローダハンドを金型から退出させ、樹脂を当該ローダハンドに保持させて金型に搬入し、樹脂を機能部材に融着させてもよい。すなわち、1つのローダハンドの1回目の金型への進退時に機能部材を金型へと引き渡し、2回目の金型への進退時に樹脂を金型へと引き渡してもよい。また、機能部材を1つ目のローダハンドに保持させて金型に搬入し、機能部材を上型に吸着させた後、樹脂を2つ目のローダハンドに保持させて金型に搬入し、樹脂を機能部材に融着させてもよい。
【0089】
本実施形態に係る樹脂成形ユニット20,30は、キャビティ可動構造の圧縮成形金型を有する圧縮成形ユニットであるが、樹脂成形ユニットはこれに限定されるものではない。本発明に係る樹脂成形ユニットは、トランスファ成形金型を有するトランスファ成形ユニットであってもよい。
【0090】
以下に、本発明の他の実施形態に係る樹脂封止装置の構成について説明する。なお、下記の実施形態では、上記の第1実施形態と共通の事柄については記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については逐次言及しない。
【0091】
<第2実施形態>
図7を参照しつつ、第2実施形態に係る樹脂封止装置2の構成について説明する。図7は、第2実施形態に係る樹脂封止装置の構成を概略的に示す平面図である。
【0092】
図7に示すように平面視したとき、機能部材供給ユニット50は、樹脂供給ユニット40の後側に連結している。言い換えると、機能部材供給ユニット50は、樹脂封止装置1の背面側に配置されている。ここで、樹脂封止装置1の背面側は、前後方向における、ワーク供給コントロールパネル19及び樹脂成形コントロールパネル29,39が配置された側とは反対側である。機能部材供給ユニット50は、第1ガイド部60Rから視て、樹脂供給部41と前後方向において同じ側に配置されている。具体的には、機能部材供給ユニット50及び樹脂供給部41は、両方とも第1ガイド部60Rの後方に位置している。機能部材供給ユニット50と第1ガイド部60Rとの間に樹脂供給部41が設けられている。なお、機能部材供給ユニット及び樹脂供給部は、両方とも第1ガイド部60Rの前方に位置してもよい。
【0093】
<第3実施形態>
図8を参照しつつ、第3実施形態に係る金型221の構成について説明する。図8は、第3実施形態に係る金型の構成を概略的に示す断面図である。
【0094】
金型221は、上型223の下型222側にキャビティ25が形成された、いわゆる下キャビティ可動構造の圧縮成形金型である。金型221が下キャビティ可動構造である場合、ワークWは上型223にセットされ、樹脂R及び機能部材Hは下型222にセットされる。金型221に搬入される機能部材Hは、樹脂Rの下に設けられる。したがって、第2ローダ70は、例えば、機能部材供給ユニット50において機能部材Hを受け取り、樹脂供給ユニット40において樹脂Rを機能部材Hの上に受け取る。但し、第2ローダ70は、樹脂供給ユニット40において樹脂Rを受け取り、機能部材供給ユニット50において機能部材Hを樹脂Rの上に受け取ってもよい。この場合、第2ローダ70は、例えば、樹脂R及び機能部材Hを上下反転させる機構を備えてもよい。
【0095】
<第4実施形態>
図9を参照しつつ、第4実施形態に係る樹脂封止装置4の構成について説明する。図9は、第4実施形態に係る樹脂封止装置の構成を概略的に示す平面図である。
【0096】
樹脂封止装置4は、シート樹脂供給ユニット80をさらに備えている。シート樹脂供給ユニット80は、樹脂成形ユニット20,30において成形されるシート状の樹脂(以下、「シート樹脂SR」とする。)を供給する。シート樹脂供給ユニット80は、シート樹脂収納部81と、シート樹脂受渡部83とを備えている。シート樹脂SRは、第1樹脂の一例に相当し、シート樹脂供給ユニット80は、第1樹脂供給ユニットの一例に相当する。樹脂供給ユニット40から供給される樹脂Rは、第2樹脂の一例に相当し、樹脂供給ユニット40は、第2樹脂供給ユニットの一例に相当する。
【0097】
シート樹脂収納部81は、複数のシート樹脂SRを収納し、シート樹脂SRを順次送り出す。例えば、シート樹脂収納部81には、それぞれに複数のシート樹脂SRが重なるように収納された複数のシート樹脂マガジンと、複数のシート樹脂マガジンの位置を調整してシート樹脂SRを送り出すシート樹脂エレベーションとが備えられている。シート樹脂マガジンにおいて、複数のシート樹脂SRは、互いに間隔を空けて収納されてもよく、互いに直接積み重ねて保持されてもよい。
【0098】
シート樹脂受渡部83は、シート樹脂収納部81から受け取ったシート樹脂SRを第2ローダ70に引き渡す。例えば、シート樹脂受渡部83には、シート樹脂収納部81が送り出したシート樹脂SRを受け取って整列させるシート樹脂インデックスと、シート樹脂インデックスが整列させたシート樹脂SRを引き渡すシート樹脂ピックアンドプレイスとが備えられている。
【0099】
なお、シート樹脂収納部81は、巻回された長尺シート樹脂のロール樹脂を収納するロールストッカを有してもよい。シート樹脂受渡部83は、ロール樹脂から長尺シート樹脂を送り出すシート送出部、長尺シート樹脂からシート樹脂SRを切り出すシートカッタ、及び、シート樹脂SRを切り出したときに生じる端材を回収する端材回収部等を有してもよい。
【0100】
なお、シート樹脂供給ユニット80は、シート樹脂SRから保護フィルムを剥離するフィルム剥離部、シート樹脂SRの体積を測定する体積測定部、シート樹脂SRの重量を測定する重量測定部、シート樹脂SRの厚みを測定する厚み測定部、シート樹脂SRの外観を検査する外観検査部、及び、シート樹脂SRを予熱する樹脂予熱部等をさらに備えてもよい。
【0101】
図9に示すように平面視したとき、樹脂供給ユニット40、機能部材供給ユニット50及びシート樹脂供給ユニット80は、前後方向に並んで配置されている。例えば、シート樹脂供給ユニット80は、樹脂供給ユニット40と機能部材供給ユニット50との間に位置し、樹脂供給ユニット40及び機能部材供給ユニット50の両方に対して前後方向において隣接している。
【0102】
これによれば、シート樹脂供給ユニット80の位置はワーク供給ユニット10及び樹脂成形ユニット20,30と左右方向において並ぶ位置に限定されないため、レイアウトの自由度が向上する。
【0103】
例えば、シート樹脂SR及び樹脂Rは両方とも、第2ローダ70によって樹脂成形ユニット20,30に搬送され、樹脂成形ユニット20,30によって成形される。
【0104】
これによれば、シート樹脂SR、樹脂R及び機能部材Hを全て第2ローダ70によって搬送することができるため、ローダの増設による樹脂封止装置の複雑化を抑制することができる。
【0105】
例えば、シート樹脂SRと樹脂Rとは、形状の異なる同じ組成の樹脂である。
【0106】
これによれば、樹脂Rの供給量を調整することで、シート樹脂SRの形状や大きさを調整することなく、樹脂成形ユニット20,30に供給される樹脂の総供給量を調整することができる。したがって、電子部品Pの欠損等によってワークWの状態が変化したとしても、ワークWの状態を測定し、その測定結果に基づいて樹脂供給ユニット40から供給される樹脂Rの供給量又は供給位置を調整することで、成形品Mの厚さの変動を抑制することができる。但し、樹脂Rは、顆粒状、粉末状又は液状であることが望ましい。これによれば、樹脂Rがシート樹脂等の一片当たりの寸法が大きい樹脂である場合に比べて、樹脂Rの供給量又は供給位置の調整精度を向上させることができる。また、樹脂Rのみを供給して成形する場合に比べて、樹脂Rの1回当たりの供給量がシート樹脂SRの供給量の分だけ減少する。このため、樹脂供給部41への樹脂Rの補充頻度を低減することにより、生産性を向上させることができる。
【0107】
なお、本実施形態において、シート樹脂供給ユニット80は、樹脂供給ユニット40の後方かつ機能部材供給ユニット50の前方に位置しているが、シート樹脂供給ユニット80の位置はこれに限定されるものではない。シート樹脂供給ユニット80は、ワーク供給ユニット10及び樹脂成形ユニット20,30を含み左右方向に延在する領域に対して、前方又は後方に配置される。
【0108】
例えば、シート樹脂SRを第2ローダ70によって搬送する場合、シート樹脂供給ユニット80は、樹脂供給ユニット40及び機能部材供給ユニット50の少なくとも一方に対して、前後方向において隣接することが望ましい。平面レイアウトにおいて、シート樹脂供給ユニット80は、機能部材供給ユニット50の後方に配置されてもよく、樹脂供給ユニット40の前方に配置されてもよい。また、機能部材供給ユニット50が樹脂供給ユニット40の前方に配置されている場合、シート樹脂供給ユニット80は、樹脂供給ユニット40と機能部材供給ユニット50との間に配置されてもよく、機能部材供給ユニット50の前方に配置されてもよく、樹脂供給ユニット40の後方に配置されてもよい。
【0109】
また、シート樹脂SRは、第1ローダ60によって搬送されてもよく、樹脂封止装置は、シート樹脂SRを搬送するためのローダをさらに備えてもよい。これらの場合、平面レイアウトにおいて、シート樹脂供給ユニット80は、ワーク供給ユニット10及び樹脂成形ユニット20,30を含み左右方向に延在する領域に対して、前後方向に配置される。例えば、シート樹脂供給ユニット80は、前後方向において、樹脂成形ユニット20,30、ワーク供給ユニット10又は成形品回収ユニット90と隣接してもよい。ワークW及びシート樹脂SRを第1ローダ60によって搬送する場合、第1ローダ60は、ワークW及びシート樹脂SRを、順不同に樹脂成形ユニット20,30に搬送してもよく、同時に樹脂成形ユニット20,30に搬送してもよい。第1ローダ60がワークW及びシート樹脂SRを同時に搬送する場合、第1ローダ60は、ワークW及びシート樹脂SRを互いに間隔を空けて保持してもよく、ワークW及びシート樹脂SRを直接積層させて保持してもよい。
【0110】
本実施形態において、シート樹脂SRと樹脂Rとは、形状の異なる同じ組成の樹脂によって設けられているが、これに限定されるものではない。シート樹脂SRと樹脂Rとは、組成の異なる同じ形状の樹脂であってもよく、組成も形状も異なる樹脂であってもよい。例えば、ボイドによる欠陥の発生を抑制する観点から、ワークWの細部に侵入し易い低粘度の樹脂がワークWに近い側に供給されてもよい。また、本実施形態に係る樹脂封止装置において、成形品Mの気密性や機械的強度等を向上させる観点、又は樹脂封止工程における熱や圧力によるワークWの損傷を抑制する観点から、一緒に硬化させると硬化条件や硬化物の物性が変化する異種の樹脂が、シート樹脂供給ユニット80及び樹脂供給ユニット40から供給されてもよい。
【0111】
本実施形態において、第2ローダ70は、シート樹脂SRと、樹脂Rと、機能部材Hとを、順不同に樹脂成形ユニット20,30に搬送してもよく、同時に樹脂成形ユニット20,30に搬送してもよい。例えば、第2ローダ70は、シート樹脂SRの上に、樹脂Rを載せて搬送する。第2ローダ70がシート樹脂SRと樹脂Rとを同時に搬送する樹脂封止装置においては、これらを別々に搬送する樹脂封止装置に比べて、成形品Mの生産速度が向上する。なお、搬送時の樹脂Rの飛散による樹脂封止装置の内部汚染や実際に成形に使用される樹脂量の低下を抑制する観点から、樹脂Rは、予備加熱によってシート樹脂SRに融着した状態で搬送されてもよい。樹脂Rがシート樹脂SRに融着した場合、樹脂Rのシート樹脂SRに対する位置が搬送時に変化することを抑制できるため、樹脂Rの位置精度を向上させることができる。
【0112】
樹脂封止装置がシート樹脂供給ユニット80を備える場合、樹脂供給ユニット40は省略されてもよい。つまり、本発明の一実施形態に係る樹脂封止装置は、シート樹脂供給ユニット80から供給されるシート樹脂SRのみを成形して、ワークWの電子部品Pを樹脂封止してもよい。このとき、樹脂供給ユニット40とともに機能部材供給ユニット50も、省略されてもよい。
【0113】
なお、樹脂封止装置は、機能部材供給ユニット50及びシート樹脂供給ユニット80の代わりに、機能部材Hにシート樹脂SRを融着させた複合部材を供給する複合部材供給ユニットを備えてもよい。複合部材供給ユニットは、例えば、樹脂供給ユニット40の前方又は後方に配置され、複合部材は第2ローダ70によって搬送される。但し、複合部材供給ユニットの配置はこれに限定されるものではない。複合部材供給ユニットは、ワーク供給ユニット10、樹脂成形ユニット20,30又は成形品回収ユニット90等の前方又は後方に配置されてもよい。複合部材は第1ローダ60によって搬送されてもよく、樹脂封止装置が複合部材を搬送するローダをさらに備えてもよい。
【0114】
樹脂封止装置が複合部材供給ユニットを備える実施形態においては、樹脂封止装置が機能部材供給ユニット50及びシート樹脂供給ユニット80を備える実施形態に比べて、樹脂封止装置を小型化及び簡略化することができる。
【0115】
以上説明したように、本発明の一態様によれば、レイアウトの自由度が向上するとともに樹脂封止装置の取り扱いを向上させることができる。
【0116】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0117】
1…樹脂封止装置
10…ワーク供給ユニット
11…ワーク収納部
13…ワーク受渡部
15…ワーク予熱部
19…ワーク供給コントロールパネル
20,30…樹脂成形ユニット
21,31…金型
25,35…キャビティ
27,37…フィルムハンドラ
29,39…樹脂成形コントロールパネル
40…樹脂供給ユニット
41…樹脂供給部
50…機能部材供給ユニット
51…機能部材収納部
53…機能部材受渡部
60…第1ローダ
60R…第1ガイド部
61…第1ローダハンド
62…第1ベース
63…第1ガイドロッド
70…第2ローダ
70R…第2ガイド部
71…第2ローダハンド
72…第2ベース
73…第2ガイドロッド
77…レジンガード
80…シート樹脂供給ユニット
81…シート樹脂収納部
83…シート樹脂受渡部
90…成形品回収ユニット
91…成形品受取部
93…成形品受渡部
95…成形品収納部
W…ワーク
P…電子部品
S…基材
R…樹脂
H…機能部材
F…フィルム
SR…シート樹脂
図1
図2
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図9