IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ HY技研株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電話システム及びプログラム 図1
  • 特許-電話システム及びプログラム 図2
  • 特許-電話システム及びプログラム 図3
  • 特許-電話システム及びプログラム 図4
  • 特許-電話システム及びプログラム 図5
  • 特許-電話システム及びプログラム 図6
  • 特許-電話システム及びプログラム 図7
  • 特許-電話システム及びプログラム 図8
  • 特許-電話システム及びプログラム 図9
  • 特許-電話システム及びプログラム 図10
  • 特許-電話システム及びプログラム 図11
  • 特許-電話システム及びプログラム 図12
  • 特許-電話システム及びプログラム 図13
  • 特許-電話システム及びプログラム 図14
  • 特許-電話システム及びプログラム 図15
  • 特許-電話システム及びプログラム 図16
  • 特許-電話システム及びプログラム 図17
  • 特許-電話システム及びプログラム 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】電話システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/42 20060101AFI20241213BHJP
   H04Q 3/58 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
H04M3/42 Z
H04Q3/58 106
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024140808
(22)【出願日】2024-08-22
【審査請求日】2024-08-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522120554
【氏名又は名称】HY技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山宮 耕二
(72)【発明者】
【氏名】矢嶋 直
(72)【発明者】
【氏名】小泉 武彦
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-182710(JP,A)
【文献】特開2023-142766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M3/00
H04M3/16-3/20
H04M3/38-3/58
H04M7/00-7/16
H04M11/00-11/10
H04Q3/58-3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、前記代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末の外線電話番号を検索する番号検索部と、
検索された前記外線電話番号に、予め用意された呼出用の第1外線電話番号を割り当てる第1番号割当部と、
検索された前記外線電話番号に対応する前記携帯電話端末に前記代表着信があった旨を通知するための第1プッシュ通知を配信するように要求する第1プッシュ通知要求を、前記第1外線電話番号と共にプッシュ通知サーバに送信する第1通知要求部と、
前記第1プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を指定した着信があった場合に、前記携帯電話端末と前記代表着信の発信元とを通話可能に接続する第1通話接続部と、
を有する電話システム。
【請求項2】
前記外線電話番号と、前記第1番号割当部により割り当てられた前記第1外線電話番号と、を関連付けて記憶する第1記憶部と、
前記第1プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を指定した着信があった場合に、前記第1記憶部を参照し、発信元である前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第1外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号であるか否かを判定する第1着信判定部と、をさらに有し、
前記第1通話接続部は、
前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第1外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号であると判定された場合は、前記携帯電話端末と前記代表着信の発信元とを通話可能に接続し、前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第1外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号でないと判定された場合は、前記携帯電話端末と前記代表着信の発信元とを接続しない、
請求項1に記載の電話システム。
【請求項3】
前記第1通話接続部により前記携帯電話端末と前記代表着信の発信元とが接続されている状態において、前記携帯電話端末から保留要求があった場合に、要求元の前記携帯電話端末の前記外線電話番号に割り当てられた通話を検索し、当該通話を保留する通話保留部と、
前記番号検索部により検索された前記外線電話番号に、予め用意された呼出用の第2外線電話番号を割り当てる第2番号割当部と、
検索された前記外線電話番号に対応する前記携帯電話端末に前記代表着信の保留があった旨を通知するための第2プッシュ通知を配信するように要求する第2プッシュ通知要求を、前記第2外線電話番号と共に前記プッシュ通知サーバに送信する第2通知要求部と、
前記第2プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第2外線電話番号を指定した着信があった場合に、前記携帯電話端末を前記通話を保留した前記代表着信の発信元に接続する第2通話接続部と、
をさらに有する、請求項1に記載の電話システム。
【請求項4】
前記外線電話番号と、前記第2番号割当部により割り当てられた前記第2外線電話番号と、を関連付けて記憶する第2記憶部と、
前記第2プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第2外線電話番号を指定した着信があった場合に、前記第2記憶部を参照し、発信元である前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第2外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号であるか否かを判定する第2着信判定部と、をさらに有し、
前記第2通話接続部は、
前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第2外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号であると判定された場合は、前記携帯電話端末と前記通話を保留した前記代表着信の発信元とを接続し、前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第2外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号でないと判定された場合は、前記携帯電話端末と前記通話を保留した前記代表着信の発信元とを接続しない、
請求項3に記載の電話システム。
【請求項5】
前記携帯電話端末から前記保留要求があった場合に、前記番号検索部により検索された前記外線電話番号の一覧又は当該外線電話番号に対応するユーザの一覧を表示させ、転送先の指定を受け付ける転送先受付部をさらに有し、
前記第2番号割当部は、
指定された転送先の前記外線電話番号に前記第2外線電話番号を割り当て、
前記第2通知要求部は、
指定された転送先に対応する前記携帯電話端末に前記第2プッシュ通知を配信するように要求する前記第2プッシュ通知要求を、前記第2外線電話番号と共に前記プッシュ通知サーバに送信する、
請求項3又は4に記載の電話システム。
【請求項6】
前記代表着信に対する未応答の時間が所定時間以上継続した場合に、メッセージを録音するメッセージ録音部と、
前記番号検索部により検索された前記外線電話番号に、予め用意された呼出用の第3外線電話番号を割り当てる第3番号割当部と、
前記番号検索部により検索された前記外線電話番号と、前記第3外線電話番号と、前記メッセージの録音データと、を関連付けて記憶する第3記憶部と、
検索された前記外線電話番号に対応する前記携帯電話端末に前記メッセージの録音があった旨を通知するための第3プッシュ通知を配信するように要求する第3プッシュ通知要求を、前記第3外線電話番号と共に前記プッシュ通知サーバに送信する第3通知要求部と、
前記第3プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第3外線電話番号を指定した着信があった場合に、前記第3記憶部を参照し、前記第3外線電話番号に対応する前記録音データを特定するデータ特定部と、
特定された前記録音データを前記携帯電話端末に対して再生するデータ再生部と、
をさらに有する、請求項1に記載の電話システム。
【請求項7】
前記外線電話番号と、前記第3番号割当部により割り当てられた前記第3外線電話番号と、を関連付けて記憶する第4記憶部と、
前記第3プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第3外線電話番号を指定した着信があった場合に、前記第4記憶部を参照し、発信元である前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第3外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号であるか否かを判定する第3着信判定部と、をさらに有し、
前記データ特定部は、
前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第3外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号であると判定された場合は、前記第3外線電話番号に対応する前記録音データを特定し、前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第3外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号でないと判定された場合は、前記第3外線電話番号に対応する前記録音データを特定しない、
請求項6に記載の電話システム。
【請求項8】
前記第3プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第3外線電話番号を指定した着信があった場合に、前記第3外線電話番号に対応する前記録音データが再生中又は再生済みであるか否かを判定する再生状況判定部と、
前記第3外線電話番号に対応する前記録音データが再生中又は再生済みであると判定された場合に、前記携帯電話端末に前記録音データが再生中又は再生済みである旨を通知する再生状況通知部と、
をさらに有する、請求項6又は7に記載の電話システム。
【請求項9】
代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、前記代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末の外線電話番号を検索するステップと、
検索された前記外線電話番号に、予め用意された呼出用の第1外線電話番号を割り当てるステップと、
検索された前記外線電話番号に対応する前記携帯電話端末に前記代表着信があった旨を通知するための第1プッシュ通知を配信するように要求する第1プッシュ通知要求を、前記第1外線電話番号と共にプッシュ通知サーバに送信するステップと、
前記第1プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を指定した着信があった場合に、前記携帯電話端末と前記代表着信の発信元とを通話可能に接続するステップと、
を電話システムに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末が代表着信に応答可能となる通信システムが知られている。例えば、特許文献1に開示された電話システムは、代表着信があった場合、着信先グループの所属電子端末の携帯電話番号を検索する番号検索部と、当該携帯電話番号を含む代表着信情報を通知要求部に送信する情報送信部と、代表着信情報を受信した場合、プッシュ通知サーバに、代表着信がある旨のプッシュ通知を所属電子端末に配信するように要求する通知要求部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7115797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にかかる技術では、電話制御装置が外線電話および内線電話の発着信の処理である呼制御を行う。一般に、このような電話制御装置としてPBX(Private Branch Exchange)と呼ばれる構内電話交換機が用いられる。そして、電話制御装置は、FMC(Fixed-Mobile Convergence)を介して携帯電話網に接続しており、携帯端末を内線電話機のように使用することを可能とする。
【0005】
上記システムでは、PBXが外線番号、内線番号、特番等の各番号をどの端末装置に割り当てるのかを既定する番号計画を管理しており、PBXの設計や設定に高いスキルが要求されると共に、設計や設定の変更作業にも多大な手間を要する。さらに、携帯端末を内線電話機として使用するために、FMC契約や内線化するための専用アプリの導入等が必要であり、電話回線設計も煩雑となる。
【0006】
本発明の目的は、システムの設計や設定を容易化できるとともに、電話回線設計を簡易化できる電話システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明にかかる電話システムは、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、前記代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末の外線電話番号を検索する番号検索部と、検索された前記外線電話番号に、予め用意された呼出用の第1外線電話番号を割り当てる第1番号割当部と、検索された前記外線電話番号に対応する前記携帯電話端末に前記代表着信があった旨を通知するための第1プッシュ通知を配信するように要求する第1プッシュ通知要求を、前記第1外線電話番号と共にプッシュ通知サーバに送信する第1通知要求部と、前記第1プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を指定した着信があった場合に、前記携帯電話端末と前記代表着信の発信元とを通話可能に接続する第1通話接続部と、を有する。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明にかかるプログラムは、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、前記代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末の外線電話番号を検索するステップと、検索された前記外線電話番号に、予め用意された呼出用の第1外線電話番号を割り当てるステップと、検索された前記外線電話番号に対応する前記携帯電話端末に前記代表着信があった旨を通知するための第1プッシュ通知を配信するように要求する第1プッシュ通知要求を、前記第1外線電話番号と共にプッシュ通知サーバに送信するステップと、前記第1プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を指定した着信があった場合に、前記携帯電話端末と前記代表着信の発信元とを通話可能に接続するステップと、を電話システムに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電話システムの設計や設定を容易化できるとともに、電話回線設計を簡易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1~第3実施形態の各実施形態に共通する通信システムの全体構成の一例を概念的に表す図である。
図2】電話システムの第1実施形態に係る機能の一例を表すブロック図である。
図3】通知メンバ管理テーブルに通知メンバを登録する際の登録画面の一例を表す図である。
図4】通知メンバ管理テーブルに通知メンバを登録する際のメンバ選択画面の一例を表す図である。
図5】第1実施形態において通信システムを構成する電話システム、プッシュ通知サーバ、及び携帯電話端末により実行される制御内容の一例を表すシーケンスチャートである。
図6図5のステップS47及びステップS50において携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図7】電話システムの第2実施形態に係る機能の一例を表すブロック図である。
図8】第2実施形態において通信システムを構成する電話システム、プッシュ通知サーバ、及び携帯電話端末により実行される制御内容の一例を表すシーケンスチャートである。
図9図8のステップS105において携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図10図8のステップS155及びステップS160において携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図11】ユーザがパーク保留を行う際に転送先を指定できる変形例において、携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図12】電話システムの第3実施形態に係る機能の一例を表すブロック図である。
図13】第3実施形態において通信システムを構成する電話システム、プッシュ通知サーバ、及び携帯電話端末により実行される制御内容の一例を表すシーケンスチャートである。
図14】第3実施形態において通信システムを構成する電話システム、プッシュ通知サーバ、及び携帯電話端末により実行される制御内容の一例を表すシーケンスチャートである。
図15図13のステップS267及びステップS270において携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図16】録音データの再生状況をユーザに通知する変形例において行われる携帯電話端末への通知の一例を表す図である。
図17】メッセージが録音中であることをプッシュ通知により通知メンバに通知する変形例において、携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図18】電話システムを例えば物理サーバとして構成する場合のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。複数の実施形態において同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0012】
<通信システムの全体構成>
図1は、後述する第1~第3実施形態の各実施形態に共通する通信システム1の全体構成の一例を概念的に表す図である。図1では、有線接続および無線接続を問わず、各部の接続を実線で示す。
【0013】
通信システム1は、電話システム3と、プッシュ通知を配信するプッシュ通知サーバ5と、プッシュ通知の配信先である通知メンバが備える携帯電話端末7と、代表着信の発信元である電話端末9を備える。携帯電話端末7は、例えばスマートフォン等の電話機能及び通信機能を備えた携帯可能な端末装置であり、各通知メンバが携帯する。携帯電話端末7は、単数でもよいし複数でもよい。電話端末9は、固定電話機でもよいし、携帯電話端末でもよい。
【0014】
電話システム3と携帯電話端末7と電話端末9は、電話網11を介して接続されている。電話網11は、例えば公衆電話網およびIP電話網等である。電話システム3とプッシュ通知サーバ5と携帯電話端末7は、通信網13を介して通信可能に接続されている。通信網13は、例えばインターネット等である。
【0015】
電話システム3は、外線電話の発着信の処理(すなわち、発信元と着信先との間の通信路の確保および切断等の処理)である呼制御を行う。外線電話は、電話網11等を通じて行われる、電話端末9と携帯電話端末7との間の音声通話である。電話システム3は、例えばインターネット上に存在する仮想的なサーバ(クラウド上に存在するサーバをオンデマンドで利用するクラウドサーバ等)として構成されてもよいし、物理サーバとして構成されてもよい。
【0016】
プッシュ通知サーバ5は、通知メンバの各携帯電話端末7にプッシュ通知を配信する。プッシュ通知は、プッシュ技術と呼ばれる通信方法を用いて送信される通知のことであり、通知リクエストが送信側により開始されるものを指す。プッシュ通知を受信した携帯電話端末7は、通知メッセージの画面表示、音または振動等の出力を行う。これにより、携帯電話端末7のユーザは、通知メッセージを確認し、必要に応じて通知メッセージに応答する操作等を行うことができる。
【0017】
<第1実施形態>
第1実施形態は、電話システム3に代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、代表電話番号に関連付けられた通知メンバの携帯電話端末7に代表着信があった旨のプッシュ通知を配信し、通知メンバが代理応答することを可能とした実施形態である。
【0018】
図2は、電話システム3の第1実施形態に係る機能の一例を表すブロック図である。図2に示すように、電話システム3は、回線接続部15と、番号検索部17と、第1番号割当部19と、第1通知要求部21と、第1着信判定部23と、第1通話接続部25と、通知メンバ管理テーブル27と、呼出用外線番号データベース29と、割当番号管理テーブル31と、トークン管理テーブル33を有する。
【0019】
回線接続部15は、電話網11と電話システム3とを中継するゲートウェイとして機能する。回線接続部15は、電話端末9からの代表電話番号を指定した着信である代表着信や、携帯電話端末7からの呼出用外線番号を指定した着信を受け付ける。
【0020】
番号検索部17は、代表着信があった場合に、通知メンバ管理テーブル27を参照して、代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末7の外線電話番号を検索する。通知メンバ管理テーブル27には、代表電話番号ごとに代表着信があったことを通知する通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号が関連付けて登録されている。
【0021】
図3及び図4は、通知メンバ管理テーブル27に通知メンバを登録する際の登録画面及びメンバ選択画面の一例を表す図である。図3に示すように、代表電話番号メンバ登録画面には、複数の代表電話番号が名称(例えば部門名等)と共に表示されている。ユーザは、通知メンバを登録する対象の代表電話番号を選択した上でメンバ選択ボタン35を操作する。図3に示す例では、ユーザはチェックボックス37をチェックすることで代表電話番号を選択することができる。
【0022】
メンバ選択ボタン35が操作されると、図4に示す通知メンバ選択画面が表示される。図4に示すように、通知メンバ選択画面には、複数のメンバの携帯電話番号が例えば氏名・名称等と共に表示されている。ユーザは、メンバを選択した上で登録ボタン39を操作することで、代表電話番号に通知メンバの携帯電話番号を関連付けて記録することができる。図3に示す例では、ユーザはチェックボックス41をチェックすることで1又は複数の携帯電話番号を選択することができる。
【0023】
図2に戻り、第1番号割当部19は、番号検索部17により検索された外線電話番号に、予め用意された呼出用外線番号(第1外線電話番号の一例)を割り当てる。番号検索部17により検索された外線電話番号が複数の場合でも、割り当てられる呼出用外線番号は1つである。すなわち、1つの代表着信に対し1つの呼出用外線番号が割り当てられる。呼出用外線番号は、例えば050等で始まる、電話回線に契約可能な外線電話番号である。呼出用外線番号は、予め事業者規模や代表電話番号数等に応じて複数の番号が用意されており、呼出用外線番号データベース29に登録されている。外線電話番号と、当該外線電話番号に第1番号割当部19により割り当てられた呼出用外線番号は、互いに関連付けられて割当番号管理テーブル31(第1記憶部の一例)に登録される。
【0024】
第1通知要求部21は、番号検索部17により検索された外線電話番号に対応する携帯電話端末7に代表着信があった旨を通知するためのプッシュ通知(第1プッシュ通知の一例)を配信するように要求するプッシュ通知要求(第1プッシュ通知要求)を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する。
【0025】
プッシュ通知サーバ5は、通知先の携帯電話端末7をトークンにより識別する。トークンは、携帯電話端末7ごとに付与された識別IDである。トークン管理テーブル33は、携帯電話端末7ごとに、当該携帯電話端末7の外線電話番号とトークンを互いに関連付けて記憶している。第1通知要求部21は、トークン管理テーブル33を参照して、番号検索部17により検索された外線電話番号に対応する携帯電話端末7のトークンを特定し、当該トークンと、プッシュ通知により送信するメッセージとを指定してプッシュ通知要求を生成する。そして第1通知要求部21は、生成したプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する。
【0026】
トークンは、次のようにして発行される。まず、携帯電話端末7がプッシュ通知サーバ5に当該携帯電話端末7の登録を要求する。次に、プッシュ通知サーバ5が要求元の携帯電話端末7を登録し、トークンを発行する。次に、携帯電話端末7が発行されたトークンを電話システム3に送信する。次に、電話システム3が携帯電話端末7の外線電話番号とトークンを互いに関連付けてトークン管理テーブル33に登録する。
【0027】
第1着信判定部23は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、割当番号管理テーブル31を参照し、発信元である携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定する。
【0028】
第1通話接続部25は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、携帯電話端末7と代表着信の発信元である電話端末9とを通話可能に接続する。具体的には、第1通話接続部25は、第1着信判定部23により携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であると判定された場合は、携帯電話端末7と電話端末9とを通話可能に接続する。一方、第1通話接続部25は、第1着信判定部23により携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号でないと判定された場合は、携帯電話端末7と代表着信の発信元とを接続しない。
【0029】
図5は、第1実施形態において通信システム1を構成する電話システム3、プッシュ通知サーバ5、及び携帯電話端末7により実行される制御内容の一例を表すシーケンスチャートである。
【0030】
図5に示すように、ステップS5では、電話システム3の回線接続部15は、代表電話番号を指定した代表着信があるか否かを判定する。回線接続部15は、代表着信がない場合には(ステップS5:No)、代表着信があるまで本ステップS5を繰り返す。回線接続部15は、代表着信があった場合には(ステップS5:Yes)、次のステップS10に処理を移す。
【0031】
ステップS10では、電話システム3の回線接続部15は、代表着信に係る代表電話番号を番号検索部17に通知する。
【0032】
ステップS15では、電話システム3の番号検索部17は、通知メンバ管理テーブル27を参照して、上記ステップS10で通知された代表電話番号に割り当てられた通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号を検索する。なお、当該ステップS15は、代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末の外線電話番号を検索するステップの一例である。
【0033】
ステップS20では、電話システム3の番号検索部17は、上記ステップS15で検索した通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号を第1番号割当部19に送信する。
【0034】
ステップS25では、電話システム3の第1番号割当部19は、上記ステップS20で送信された通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号を受信し、呼出用外線番号データベース29に登録されている呼出用外線番号の中から使用中でない呼出用外線番号を1つ読み出し、上記外線電話番号に割り当てる。なお、当該ステップS25は、検索された外線電話番号に予め用意された呼出用の第1外線電話番号を割り当てるステップの一例である。
【0035】
ステップS30では、電話システム3の第1番号割当部19は、通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号と、上記ステップS25で割り当てた呼出用外線番号とを関連付けて、割当番号管理テーブル31に書き込む。
【0036】
ステップS35では、電話システム3の第1通知要求部21は、トークン管理テーブル33を参照して、通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号に対応するトークンを特定し、当該トークンと、代表電話番号に着信があった旨の通知メッセージを指定してプッシュ通知要求を生成する。
【0037】
ステップS40では、電話システム3の第1通知要求部21は、上記ステップS35で生成したプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する。当該ステップS40は、第1プッシュ通知要求を第1外線電話番号と共にプッシュ通知サーバに送信するステップの一例である。
【0038】
ステップS45では、プッシュ通知サーバ5は、電話システム3から受信したプッシュ通知要求に応じて、通知メンバの全員の携帯電話端末7に対し、プッシュ通知を呼出用外線番号と共にそれぞれ配信する。
【0039】
ステップS47では、各携帯電話端末7は、受信したプッシュ通知に基づき、代表電話番号に着信があった旨の通知メッセージを表示部に表示させる。
【0040】
ステップS50では、各携帯電話端末7は、代表着信通知に関わる専用アプリケーションを起動させ、ユーザにより応答操作がなされたか否かを判定する。携帯電話端末7は、応答操作がなされない場合には(ステップS50:No)、その他の処理を実行する(図示省略)。携帯電話端末7は、応答操作がなされた場合には(ステップS50:Yes)、次のステップS55に処理を移す。
【0041】
ステップS55では、応答操作がなされた携帯電話端末7は、呼出用外線番号を用いて電話システム3に発信する。
【0042】
ステップS60では、電話システム3の回線接続部15は、携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があるか否かを判定する。回線接続部15は、呼出用外線番号を指定した着信がない場合には(ステップS60:No)、処理を終了する。一方、回線接続部15は、呼出用外線番号を指定した着信があった場合には(ステップS60:Yes)、次のステップS65に処理を移す。
【0043】
ステップS65では、電話システム3の第1着信判定部23は、着信があった携帯電話端末7の外線電話番号が通知メンバからの着信か否かを判定する。すなわち、第1着信判定部23は、割当番号管理テーブル31を参照し、着信があった携帯電話端末7の外線電話番号が、着信があった呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定する。第1着信判定部23は、携帯電話端末7の外線電話番号が通知メンバからの着信でないと判定した場合には(ステップS65:No)、次のステップS70に処理を移す。
【0044】
ステップS70では、電話システム3の第1着信判定部23は、携帯電話端末7の着信を拒否する。すなわち、第1通話接続部25は、携帯電話端末7と代表着信の発信元の電話端末9とを接続しない。その後、電話システム3は処理を終了する。
【0045】
一方、上記ステップS65において、第1着信判定部23は、携帯電話端末7の外線電話番号が通知メンバからの着信であると判定した場合には(ステップS65:Yes)、次のステップS75に処理を移す。
【0046】
ステップS75では、電話システム3の第1通話接続部25は、携帯電話端末7と代表着信の発信元である電話端末9とを通話可能に接続する。当該ステップS75は、携帯電話端末と代表着信の発信元とを通話可能に接続するステップの一例である。その後、電話システム3は処理を終了する。
【0047】
図6は、図5のステップS47及びステップS50において携帯電話端末7の表示部7aに表示される画面の一例を表す図である。図6の上部に示すように、携帯電話端末7はプッシュ通知を受信すると、表示部7aに通知メッセージ43を表示させる。図6に示す例では、通知メッセージ43として、例えば発信元の電話番号(090YYYYYY01)から代表電話番号(03XXXXXX01)に着信があった旨を表すメッセージが表示されている。なお、発信元の電話番号や代表電話番号の代わりに、それぞれの名称等を表示してもよい。
【0048】
上記表示状態からユーザが通知メッセージ43を操作すると、代表着信通知に関わる専用アプリケーションが起動され、図6の下部に示す応答画面が表示される。応答画面には応答ボタン45が表示されており、ユーザが応答ボタン45を操作すると、図5のステップS50において応答操作があったと判定される(ステップS50:Yes)。
【0049】
以上説明した第1実施形態によれば、電話システム3の番号検索部17は、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末7の外線電話番号を検索し、第1番号割当部19は、番号検索部17により検索された外線電話番号に、予め用意された呼出用外線番号を割り当て、第1通知要求部21は、番号検索部17により検索された外線電話番号に対応する携帯電話端末7に代表着信があった旨を通知するためのプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信し、第1通話接続部25は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、携帯電話端末7と代表着信の発信元である電話端末9とを通話可能に接続する。
【0050】
このようにすることで、代表着信がある旨のプッシュ通知を受信した携帯電話端末7から内線番号や特番を使用せずに代表着信に応答(ピックアップ)することが可能な電話システム3を構築できる。したがって、PBXレスの電話システム3を実現できる。その結果、システムの設計や設定を容易化できると共に、設計や設定の変更作業も容易となる。また、携帯電話端末7を内線電話機として使用しないため、FMC契約や内線化のための専用アプリの導入等が不要となり、電話回線設計を簡易化できる。
【0051】
また、第1実施形態によれば、割当番号管理テーブル31は、携帯電話端末7の外線電話番号と、第1番号割当部19により割り当てられた呼出用外線番号を関連付けて記憶し、第1着信判定部23は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、割当番号管理テーブル31を参照し、発信元である携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定し、第1通話接続部25は、第1着信判定部23により携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であると判定された場合は、携帯電話端末7と代表着信の発信元である電話端末9とを通話可能に接続し、第1着信判定部23により携帯電話端末の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号でないと判定された場合は、携帯電話端末7と代表着信の発信元である電話端末9とを接続しない。
【0052】
このようにすることで、割当番号管理テーブル31に記憶されていないメンバからの着信を拒否することができる。したがって、代表着信に異なるメンバが応答することを防止できる。
【0053】
<第2実施形態>
第2実施形態は、通知メンバの一人が代表着信の発信元である電話端末9との通話中に、パーク保留を行って他の通知メンバに通話を取り次ぐことを可能とした実施形態である。
【0054】
図7は、電話システム3の第2実施形態に係る機能の一例を表すブロック図である。なお、電話システム3は前述の第1実施形態と同様の機能を有するが、図7では第2実施形態に関わる機能を図示し、その他の機能については適宜図示を省略している。図7において前述の図2と同様の機能には同符号を付し、適宜説明を省略する。
【0055】
図7に示すように、電話システム3は、前述の回線接続部15、通知メンバ管理テーブル27、呼出用外線番号データベース29、割当番号管理テーブル31、及びトークン管理テーブル33等に加えて、通話保留部47と、第2番号割当部49と、第2通知要求部51と、第2着信判定部53と、第2通話接続部55と、通話管理テーブル57を有する。なお、転送先受付部65については後述する。
【0056】
通話保留部47は、前述の第1通話接続部25により携帯電話端末7と代表着信の発信元である電話端末9とが接続されている状態において、携帯電話端末7から保留要求があった場合に、通話管理テーブル57を参照して、要求元の携帯電話端末7の外線電話番号に割り当てられた通話を検索し、当該通話を保留する。通話管理テーブル57には、通話中の電話回線がある場合に、当該通話ごとに、通話を識別するための通話IDと、通話中のメンバの携帯電話端末7の外線電話番号が関連付けて登録されている。
【0057】
第2番号割当部49は、前述の番号検索部17により検索された外線電話番号、すなわち、保留中の代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末7の外線電話番号に、予め用意された呼出用外線番号(第2外線電話番号の一例)を割り当てる。第2番号割当部49により割り当てられる呼出用外線番号も、第1実施形態において第1番号割当部19により割り当てられる呼出用外線番号と同様に、例えば050等で始まる、電話回線に契約可能な外線電話番号であり、呼出用外線番号データベース29に登録されている。第2実施形態において、第1実施形態と同じ呼出用外線番号が割り当てられてもよいし、異なる呼出用外線番号が割り当てられてもよい。すなわち、携帯電話端末7から保留要求があったタイミングで使用中でない呼出用外線番号が呼出用外線番号データベース29から1つ読み出されて割り当てられる。なお、第1実施形態と同様に、番号検索部17により検索された外線電話番号が複数の場合でも、第2番号割当部49により割り当てられる呼出用外線番号は1つである。すなわち、1つの保留要求に対し1つの呼出用外線番号が割り当てられる。外線電話番号と、当該外線電話番号に第2番号割当部49により割り当てられた呼出用外線番号は、互いに関連付けられて割当番号管理テーブル31(第2記憶部の一例)に登録される。
【0058】
第2通知要求部51は、前述の番号検索部17により検索された外線電話番号に対応する携帯電話端末7、すなわち、保留中の代表電話番号に対応する通知メンバの携帯電話端末7に代表着信の保留があった旨を通知するためのプッシュ通知(第2プッシュ通知の一例)を配信するように要求するプッシュ通知要求(第2プッシュ通知要求の一例)を、第2番号割当部49により割り当てられた呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する。
【0059】
第2着信判定部53は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、割当番号管理テーブル31を参照し、発信元である携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定する。
【0060】
第2通話接続部55は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、携帯電話端末7を通話を保留した代表着信の発信元である電話端末9に接続する。具体的には、第2通話接続部55は、第2着信判定部53により携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であると判定された場合は、携帯電話端末7と通話を保留した代表着信の発信元である電話端末9とを接続する。一方、第2通話接続部55は、第2着信判定部53により携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号でないと判定された場合は、携帯電話端末7と通話を保留した代表着信の発信元である電話端末9とを接続しない。
【0061】
図8は、第2実施形態において通信システム1を構成する電話システム3、プッシュ通知サーバ5、及び携帯電話端末7により実行される制御内容の一例を表すシーケンスチャートである。
【0062】
図8において、携帯電話端末7は、第1実施形態と同様の制御により、代表着信の発信元である電話端末9と通話中であるものとする。図8に示すように、ステップS105では、携帯電話端末7は、ユーザによりパーク保留操作がなされたか否かを判定する。携帯電話端末7は、パーク保留操作がなされない場合には(ステップS105:No)、通話を継続する。携帯電話端末7は、パーク保留操作がなされた場合には(ステップS105:Yes)、次のステップS110に処理を移す。
【0063】
ステップS110では、携帯電話端末7は、パーク保留要求を電話システム3に発信する。パーク保留要求は、例えば代表着信通知に関わる専用アプリケーションの初期設定時に登録されている企業コードとパーク保留操作がなされた携帯電話端末7の外線電話番号を用いて発信される。なお、パーク保留要求は呼出用外線番号を用いて発信されてもよい。
【0064】
ステップS115では、電話システム3の通話保留部47は、通話管理テーブル57を参照して、パーク保留の要求元の携帯電話端末7の外線電話番号に割り当てられた保留対象の通話を検索する。
【0065】
ステップS120では、電話システム3の通話保留部47は、上記ステップS115で検索した通話を保留し、パーク保留の要求元の携帯電話端末7を切断する。
【0066】
ステップS125では、電話システム3の通話保留部47は、代表着信の発信元である電話端末9に保留音を再生する。
【0067】
ステップS130では、電話システム3の第2番号割当部49は、呼出用外線番号データベース29に登録されている呼出用外線番号の中から使用中でない呼出用外線番号を1つ読み出し、保留中の代表着信に係る通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号に割り当てる。
【0068】
ステップS135では、電話システム3の第2番号割当部49は、通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号と、上記ステップS130で割り当てた呼出用外線番号とを関連付けて、割当番号管理テーブル31に書き込む。
【0069】
ステップS140では、電話システム3の第2通知要求部51は、トークン管理テーブル33を参照して、通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号に対応するトークンを特定し、当該トークンと、代表着信が保留された旨の通知メッセージを指定してプッシュ通知要求を生成する。
【0070】
ステップS145では、電話システム3の第2通知要求部51は、上記ステップS140で生成したプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する。
【0071】
ステップS150では、プッシュ通知サーバ5は、電話システム3から受信したプッシュ通知要求に応じて、通知メンバの全員の携帯電話端末7に対し、プッシュ通知を呼出用外線番号と共にそれぞれ配信する。
【0072】
ステップS155では、各携帯電話端末7は、受信したプッシュ通知に基づき、代表着信が保留された旨の通知メッセージを表示部に表示させる。
【0073】
ステップS160では、各携帯電話端末7は、代表着信通知に関わる専用アプリケーションを起動させ、ユーザにより応答操作がなされたか否かを判定する。携帯電話端末7は、応答操作がなされない場合には(ステップS160:No)、他の処理を実行する(図示省略)。携帯電話端末7は、応答操作がなされた場合には(ステップS160:Yes)、次のステップS165に処理を移す。
【0074】
ステップS165では、応答操作がなされた携帯電話端末7は、呼出用外線番号を用いて電話システム3に発信する。
【0075】
ステップS170では、電話システム3の回線接続部15は、携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があるか否かを判定する。回線接続部15は、呼出用外線番号を指定した着信がない場合には(ステップS170:No)、処理を終了する。一方、回線接続部15は、呼出用外線番号を指定した着信があった場合には(ステップS170:Yes)、次のステップS175に処理を移す。
【0076】
ステップS175では、電話システム3の第2着信判定部53は、着信があった携帯電話端末7の外線電話番号が通知メンバからの着信か否かを判定する。すなわち、第2着信判定部53は、割当番号管理テーブル31を参照し、着信があった携帯電話端末7の外線電話番号が、着信があった呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定する。第2着信判定部53は、携帯電話端末7の外線電話番号が通知メンバからの着信でないと判定した場合には(ステップS175:No)、次のステップS180に処理を移す。
【0077】
ステップS180では、電話システム3の第2着信判定部53は、携帯電話端末7の着信を拒否する。すなわち、第2通話接続部55は、携帯電話端末7と通話を保留した代表着信の発信元の電話端末9とを接続しない。その後、電話システム3は処理を終了する。
【0078】
一方、上記ステップS175において、第2着信判定部53は、携帯電話端末7の外線電話番号が通知メンバからの着信であると判定した場合には(ステップS175:Yes)、次のステップS185に処理を移す。
【0079】
ステップS185では、電話システム3の第2通話接続部55は、携帯電話端末7と通話を保留した代表着信の発信元である電話端末9とを通話可能に接続する。その後、電話システム3は処理を終了する。
【0080】
図9は、図8のステップS105において携帯電話端末7の表示部7aに表示される画面の一例を表す図である。図9に示すように、代表着信の発信元である電話端末9と通話中の携帯電話端末7の表示部7aには、発信元の電話番号や通話時間等の情報と、パーク保留ボタン59が表示されている。ユーザがパーク保留ボタン59を操作すると、図8のステップS105においてパーク保留操作があったと判定される(ステップS105:Yes)。
【0081】
図10は、図8のステップS155及びステップS160において携帯電話端末7の表示部7aに表示される画面の一例を表す図である。図10の上部に示すように、携帯電話端末7はプッシュ通知を受信すると、表示部7aに通知メッセージ61を表示させる。図10に示す例では、通知メッセージ61として、例えば発信元の電話番号(090YYYYYY01)から代表電話番号(03XXXXXX01)への着信が保留されている旨を表すメッセージが表示されている。なお、発信元の電話番号や代表電話番号の代わりに、それぞれの名称等を表示してもよい。
【0082】
上記表示状態からユーザが通知メッセージ61を操作すると、代表着信通知に関わる専用アプリケーションが起動され、図10の下部に示すパーク保留応答画面が表示される。パーク保留応答画面にはパーク保留応答ボタン63が表示されており、ユーザがパーク保留応答ボタン63を操作すると、図8のステップS160において応答操作があったと判定される(ステップS160:Yes)。
【0083】
以上説明した第2実施形態によれば、電話システム3の通話保留部47は、第1通話接続部25により携帯電話端末7と代表着信の発信元である電話端末9とが接続されている状態において、携帯電話端末7から保留要求があった場合に、要求元の携帯電話端末7の外線電話番号に割り当てられた通話を検索し、当該通話を保留し、第2番号割当部49は、番号検索部17により検索された外線電話番号に、予め用意された呼出用外線番号を割り当て、第2通知要求部51は、検索された外線電話番号に対応する携帯電話端末7に代表着信の保留があった旨を通知するためのプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信し、第2通話接続部55は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、携帯電話端末7を通話を保留した代表着信の発信元である電話端末9に接続する。
【0084】
このようにすることで、内線番号や特番を使用せずに、通知メンバの一人が代表着信の発信元との通話中にパーク保留を行った場合に、保留中である旨のプッシュ通知を携帯電話端末7に配信して、他のメンバに取次ぐことが可能な電話システム3を構築できる。
【0085】
また、第2実施形態によれば、割当番号管理テーブル31は、外線電話番号と、第2番号割当部49により割り当てられた呼出用外線番号を関連付けて記憶し、第2着信判定部53は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、割当番号管理テーブル31を参照し、発信元である携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定し、第2通話接続部55は、第2着信判定部53により携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であると判定された場合は、携帯電話端末7と通話を保留した代表着信の発信元である電話端末9とを接続し、第2着信判定部53により携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号でないと判定された場合は、携帯電話端末7と通話を保留した代表着信の発信元である電話端末9とを接続しない。
【0086】
このようにすることで、割当番号管理テーブル31に記憶されていないメンバからの着信を拒否することができる。したがって、保留した代表着信が異なるメンバに取り次がれることを防止できる。
【0087】
なお、上記第2実施形態において、ユーザがパーク保留を行う際に、転送先を指定できるようにしてもよい。本変形例では、図7に示すように、電話システム3は、転送先受付部65を有する。転送先受付部65は、携帯電話端末7から保留要求があった場合に、番号検索部17により検索された外線電話番号の一覧又は当該外線電話番号に対応するユーザの一覧を表示させ、転送先の指定を受け付ける。この場合、第2番号割当部49は、転送先受付部65により指定された転送先の外線電話番号に呼出用外線番号を割り当て、第2通知要求部51は、転送先受付部65により指定された転送先に対応する携帯電話端末7にプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する。
【0088】
図11は、本変形例において携帯電話端末7の表示部7aに表示される画面の一例を表す図である。図11の上部に示すように、代表着信の発信元である電話端末9と通話中の携帯電話端末7の表示部7aには、発信元の電話番号や通話時間等の情報と、パーク保留ボタン59が表示されている。ユーザがパーク保留ボタン59を操作すると、図11の下部に示す通知メンバの外線電話番号の一覧画面が表示される。ユーザは、一覧画面において転送先の外線電話番号を選択した上で決定ボタン67を操作することで、転送先を指定することができる。図11に示す例では、ユーザはチェックボックス69をチェックすることで転送先の外線電話番号を選択することができる。なお、通知メンバの外線電話番号の一覧の代わりに、通知メンバの氏名等の一覧を表示させてもよい。
【0089】
本変形例によれば、転送先受付部65は、携帯電話端末7から保留要求があった場合に、番号検索部17により検索された外線電話番号の一覧又は当該外線電話番号に対応するユーザの一覧を表示させ、転送先の指定を受け付け、第2番号割当部49は、指定された転送先の外線電話番号に呼出用外線番号を割り当て、第2通知要求部51は、指定された転送先に対応する携帯電話端末7にプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する。
【0090】
このようにすることで、パーク保留した代表着信に係る通話を、特定のメンバを指定して取次ぐことができる。これにより、パーク保留を行ったメンバは、取次ぎ先のメンバに声掛けしたり電話をかける手間を省くことができるので、利便性を向上できる。
【0091】
<第3実施形態>
第3実施形態は、代表着信に対する未応答の時間が所定時間以上継続して不在メッセージが録音された場合に、通知メンバの携帯電話端末7にメッセージが録音された旨のプッシュ通知を配信し、通知メンバが録音メッセージを聴取可能とした実施形態である。
【0092】
図12は、電話システム3の第3実施形態に係る機能の一例を表すブロック図である。なお、電話システム3は前述の第1実施形態と同様の機能、または、第1実施形態及び第2実施形態と同様の機能を有するが、図12では第3実施形態に関わる機能を図示し、その他の機能については適宜図示を省略している。図12において前述の図2等と同様の機能には同符号を付し、適宜説明を省略する。
【0093】
図12に示すように、電話システム3は、前述の回線接続部15、通知メンバ管理テーブル27、呼出用外線番号データベース29、割当番号管理テーブル31、及びトークン管理テーブル33等に加えて、メッセージ録音部71と、第3番号割当部73と、第3通知要求部75と、第3着信判定部77と、データ特定部79と、データ再生部81と、録音メッセージ管理テーブル83を有する。なお、再生状況判定部89と、再生状況通知部91については後述する。
【0094】
メッセージ録音部71は、代表着信に対する未応答の時間が所定時間以上継続した場合に、代表着信の発信元の電話端末9から入力されたメッセージを録音する。
【0095】
第3番号割当部73は、前述の番号検索部17により検索された外線電話番号、すなわち、メッセージが録音された代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末7の外線電話番号に、予め用意された呼出用外線番号(第3外線電話番号の一例)を割り当てる。第3番号割当部73により割り当てられる呼出用外線番号も、第1実施形態において第1番号割当部19により割り当てられる呼出用外線番号及び第2実施形態において第2番号割当部49により割り当てられる呼出用外線番号と同様に、例えば050等で始まる、電話回線に契約可能な外線電話番号であり、呼出用外線番号データベース29に登録されている。第3実施形態において、第1実施形態又は第2実施形態と同じ呼出用外線番号が割り当てられてもよいし、異なる呼出用外線番号が割り当てられてもよい。すなわち、メッセージが録音されたタイミングで使用中でない呼出用外線番号が呼出用外線番号データベース29から1つ読み出されて割り当てられる。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、番号検索部17により検索された外線電話番号が複数の場合でも、第3番号割当部73により割り当てられる呼出用外線番号は1つである。すなわち、1つの録音メッセージに対し1つの呼出用外線番号が割り当てられる。外線電話番号と、当該外線電話番号に第3番号割当部73により割り当てられた呼出用外線番号は、互いに関連付けられて割当番号管理テーブル31(第4記憶部の一例)に登録される。また、外線電話番号と、当該外線電話番号に第3番号割当部73により割り当てられた呼出用外線番号と、メッセージの録音データを識別するための録音IDは、互いに関連付けられて録音メッセージ管理テーブル83(第3記憶部の一例)に登録される。
【0096】
第3通知要求部75は、前述の番号検索部17により検索された外線電話番号に対応する携帯電話端末7、すなわち、メッセージが録音された代表電話番号に対応する通知メンバの携帯電話端末7にメッセージの録音があった旨を通知するためのプッシュ通知(第3プッシュ通知の一例)を配信するように要求するプッシュ通知要求(第3プッシュ通知要求の一例)を、第3番号割当部73により割り当てられた呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する。
【0097】
第3着信判定部77は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、割当番号管理テーブル31を参照し、発信元である携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定する。
【0098】
データ特定部79は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、録音メッセージ管理テーブル83を参照し、呼出用外線番号に対応する録音データを特定する。具体的には、データ特定部79は、第3着信判定部77により携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であると判定された場合は、呼出用外線番号に対応する録音データを特定する。一方、データ特定部79は、第3着信判定部77により携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号でないと判定された場合は、呼出用外線番号に対応する録音データを特定しない。
【0099】
データ再生部81は、データ特定部79により特定された録音データを携帯電話端末7に対して再生する。この際、データ再生部81は、ユーザによる特定の操作に応じた処理を案内するガイダンスを再生してもよい。例えば、ユーザによる第1の操作(例えば#1)により、代表着信の発信元の電話端末9に折り返し発信できるようにしてもよい。また、ユーザによる第2の操作(例えば#2)により、録音データをもう一度再生してもよい。また、ユーザによる第3の操作(例えば#3)により、録音データの再生状況を未聴に戻してもよい。また、ユーザによる第4の操作(例えば#4)により、録音データを消去してもよい。なお、上記第1の操作がなされた場合には、各実施形態と同様の制御により、折り返し発信用のプッシュ通知を通知メンバの各携帯電話端末7に配信してもよい。この場合、ユーザはプッシュ通知に応じて表示された折り返し発信ボタン(図示省略)を操作することで、折り返し発信を可能としてもよい。
【0100】
図13及び図14は、第3実施形態において通信システム1を構成する電話システム3、プッシュ通知サーバ5、及び携帯電話端末7により実行される制御内容の一例を表すシーケンスチャートである。
【0101】
図13に示すように、ステップS205では、電話システム3の回線接続部15は、代表電話番号を指定した代表着信があるか否かを判定する。回線接続部15は、代表着信がない場合には(ステップS205:No)、代表着信があるまで本ステップS205を繰り返す。回線接続部15は、代表着信があった場合には(ステップS205:Yes)、次のステップS210に処理を移す。
【0102】
ステップS210では、電話システム3の回線接続部15は、代表着信に係る代表電話番号を番号検索部17に通知する。
【0103】
ステップS215では、電話システム3の番号検索部17は、通知メンバ管理テーブル27を参照して、上記ステップS210で通知された代表電話番号に割り当てられた通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号を検索する。
【0104】
ステップS220では、電話システム3の番号検索部17は、上記ステップS215で検索した通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号を第3番号割当部73に送信する。
【0105】
ステップS225では、電話システム3は、代表着信に対する未応答の時間が所定時間以上継続したか否かを判定する。電話システム3は、所定時間の間に代表着信に対し前述の第1実施形態と同様の制御により応答がなされた場合には(ステップS225:No)、通話を接続する(図示省略)。一方、電話システム3は、未応答の時間が所定時間以上継続した場合には(ステップS225:Yes)、次のステップS230に処理を移す。
【0106】
ステップS230では、電話システム3は、代表着信の発信元の電話端末9に対してメッセージの録音を要求するガイダンスを再生する。ガイダンスは、例えば「只今、電話が混みあっています。メッセージをお願いします。」等である。
【0107】
ステップS235では、電話システム3のメッセージ録音部71は、代表着信の発信元の電話端末9から入力されたメッセージを録音する。
【0108】
ステップS240では、電話システム3の第3番号割当部73は、上記ステップS220で送信された通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号を受信し、呼出用外線番号データベース29に登録されている呼出用外線番号の中から使用中でない呼出用外線番号を1つ読み出し、上記外線電話番号に割り当てる。
【0109】
ステップS245では、電話システム3の第3番号割当部73は、通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号と、上記ステップS240で割り当てた呼出用外線番号とを関連付けて、割当番号管理テーブル31に書き込む。
【0110】
ステップS250では、電話システム3の第3番号割当部73は、通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号と、上記ステップS240で割り当てた呼出用外線番号と、上記ステップS235で録音したメッセージの録音IDとを関連付けて、録音メッセージ管理テーブル83に書き込む。
【0111】
ステップS255では、電話システム3の第3通知要求部75は、トークン管理テーブル33を参照して、通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号に対応するトークンを特定し、当該トークンと、代表着信の不在メッセージが録音された旨の通知メッセージを指定してプッシュ通知要求を生成する。
【0112】
ステップS260では、電話システム3の第3通知要求部75は、上記ステップS255で生成したプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する。
【0113】
ステップS265では、プッシュ通知サーバ5は、電話システム3から受信したプッシュ通知要求に応じて、通知メンバの全員の携帯電話端末7に対し、プッシュ通知を呼出用外線番号と共にそれぞれ配信する。
【0114】
ステップS267では、各携帯電話端末7は、受信したプッシュ通知に基づき、代表着信の不在メッセージが録音された旨の通知メッセージを表示部に表示させる。
【0115】
ステップS270では、各携帯電話端末7は、代表着信通知に関わる専用アプリケーションを起動させ、ユーザにより聴取操作がなされたか否かを判定する。携帯電話端末7は、聴取操作がなされない場合には(ステップS270:No)、他の処理を実行する(図示省略)。携帯電話端末7は、聴取操作がなされた場合には(ステップS270:Yes)、次のステップS275に処理を移す。
【0116】
ステップS275では、聴取操作がなされた携帯電話端末7は、呼出用外線番号を用いて電話システム3に発信する。
【0117】
図14に示すように、ステップS280では、電話システム3の回線接続部15は、携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があるか否かを判定する。回線接続部15は、呼出用外線番号を指定した着信がない場合には(ステップS280:No)、処理を終了する。一方、回線接続部15は、呼出用外線番号を指定した着信があった場合には(ステップS280:Yes)、次のステップS285に処理を移す。
【0118】
ステップS285では、電話システム3の第3着信判定部77は、着信があった携帯電話端末7の外線電話番号が通知メンバからの着信か否かを判定する。すなわち、第3着信判定部77は、割当番号管理テーブル31を参照し、着信があった携帯電話端末7の外線電話番号が、着信があった呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定する。第3着信判定部77は、携帯電話端末7の外線電話番号が通知メンバからの着信でないと判定した場合には(ステップS285:No)、次のステップS290に処理を移す。
【0119】
ステップS290では、電話システム3の第3着信判定部77は、携帯電話端末7の着信を拒否する。すなわち、データ特定部79は、呼出用外線番号に対応する録音データを特定しない。その後、電話システム3は処理を終了する。
【0120】
一方、上記ステップS285において、第3着信判定部77は、携帯電話端末7の外線電話番号が通知メンバからの着信であると判定した場合には(ステップS285:Yes)、次のステップS295に処理を移す。
【0121】
ステップS295では、電話システム3のデータ特定部79は、録音メッセージ管理テーブル83を参照して、呼出用外線番号に対応する録音データを特定する。
【0122】
ステップS297では、電話システム3のデータ再生部81は、上記ステップS295で特定した録音データを携帯電話端末7に対して再生する。その後、電話システム3は処理を終了する。
【0123】
図15は、図13のステップS267及びステップS270において携帯電話端末7の表示部7aに表示される画面の一例を表す図である。図15の上部に示すように、携帯電話端末7はプッシュ通知を受信すると、表示部7aに通知メッセージ85を表示させる。図15に示す例では、通知メッセージ85として、例えば発信元の名称(XXXX)から代表電話番号の名称(〇〇営業部)へのメッセージが録音されている旨を表すメッセージが表示されている。なお、発信元の名称や代表電話番号の名称の代わりに発信元の電話番号や代表電話番号を表示してもよい。
【0124】
上記表示状態からユーザが通知メッセージ85を操作すると、代表着信通知に関わる専用アプリケーションが起動され、図15の下部に示すメッセージ聴取画面が表示される。メッセージ聴取画面にはメッセージ聴取ボタン87が表示されており、ユーザがメッセージ聴取ボタン87を操作すると、図13のステップS270において聴取操作があったと判定される(ステップS270:Yes)。
【0125】
以上説明した第3実施形態によれば、電話システム3のメッセージ録音部71は、代表着信に対する未応答の時間が所定時間以上継続した場合にメッセージを録音し、第3番号割当部73は、番号検索部17により検索された外線電話番号に、予め用意された呼出用外線番号を割り当て、録音メッセージ管理テーブル83は、番号検索部17により検索された外線電話番号と、呼出用外線番号と、メッセージの録音データと、を関連付けて記憶し、第3通知要求部75は、検索された外線電話番号に対応する携帯電話端末7にメッセージの録音があった旨を通知するためのプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信し、データ特定部79は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、録音メッセージ管理テーブル83を参照し、呼出用外線番号に対応する録音データを特定し、データ再生部81は、特定された録音データを携帯電話端末7に対して再生する。
【0126】
このようにすることで、内線番号や特番を使用せずに、代表着信に係る不在メッセージが録音された旨のプッシュ通知を携帯電話端末7に配信し、携帯電話端末7からメッセージを聴くことが可能な電話システム3を構築できる。
【0127】
また、第3実施形態によれば、割当番号管理テーブル31は、外線電話番号と、第3番号割当部73により割り当てられた呼出用外線番号を関連付けて記憶し、第3着信判定部77は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、割当番号管理テーブル31を参照し、発信元である携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定し、データ特定部79は、携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であると判定された場合は、呼出用外線番号に対応する録音データを特定し、携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号でないと判定された場合は、呼出用外線番号に対応する録音データを特定しない。
【0128】
このようにすることで、割当番号管理テーブル31に記憶されていないメンバによる録音メッセージの再生を拒否することができる。したがって、代表着信に係る録音メッセージを異なるメンバが再生することを防止できる。
【0129】
なお、上記第3実施形態において、録音データの再生状況をユーザに通知してもよい。本変形例では、図12に示すように、電話システム3は、再生状況判定部89と、再生状況通知部91を有する。再生状況判定部89は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、呼出用外線番号に対応する録音データが再生中又は再生済みであるか否かを判定する。再生状況通知部91は、再生状況判定部89により録音データが再生中又は再生済みであると判定された場合に、携帯電話端末7に録音データが再生中又は再生済みである旨を通知する。
【0130】
図16は、本変形例において行われる携帯電話端末7への通知の一例を表す図である。図16に示す例では、上部に示すメッセージ聴取画面においてユーザがメッセージ聴取ボタン87を操作した際に、録音データが再生済みである場合、図16の下部に示すように、他のメンバが聴取済である旨のガイダンスが再生される。なお、ガイダンスの再生の代わりに、他のメンバが聴取済である旨のメッセージが表示部7aに表示されてもよい。
【0131】
本変形例によれば、再生状況判定部89は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、呼出用外線番号に対応する録音データが再生中又は再生済みであるか否かを判定し、再生状況通知部91は、呼出用外線番号に対応する録音データが再生中又は再生済みであると判定された場合に、携帯電話端末7に録音データが再生中又は再生済みである旨を通知する。
【0132】
このようにすることで、代表着信の発信元の電話端末9に対して複数のメンバが重複して折り返しの連絡をすることを防止できる。
【0133】
また、上記第3実施形態において、メッセージの録音が完了した後に限らず、メッセージが録音中であることをプッシュ通知により通知メンバに通知してもよい。図17は、本変形例において携帯電話端末7の表示部7aに表示される画面の一例を表す図である。図17の上部に示すように、携帯電話端末7はプッシュ通知を受信すると、表示部7aに通知メッセージ93を表示させる。図17に示す例では、通知メッセージ93として、例えば発信元の名称(XXXX)から代表電話番号の名称(〇〇営業部)へのメッセージが録音中である旨を表すメッセージが表示されている。なお、発信元の名称や代表電話番号の名称の代わりに発信元の電話番号や代表電話番号を表示してもよい。上記表示状態からユーザが通知メッセージ93を操作すると、代表着信通知に関わる専用アプリケーションが起動され、図17の下部に示す通知画面が表示される。
【0134】
なお、図2図7図12で説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に細分化された処理部により処理されてもよいし、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、例えばCPU等のプロセッサ(後述の図18参照)が実行するプログラムにより実装されてもよいし、その一部が専用集積回路や電気回路等のハードウェアにより実装されてもよい。
【0135】
<電話システムのハードウェア構成例>
図18は、電話システム3を例えば物理サーバとして構成する場合のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。図18に示すように、電話システム3は、例えば、CPU301と、ROM303と、RAM305と、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の特定の用途向けに構築された専用集積回路307と、入力装置313と、出力装置315と、記録装置317と、ドライブ319と、接続ポート321と、通信装置323を有する。これらの構成は、バス309や入出力インターフェース311等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0136】
プログラムは、例えば、ROM303やRAM305、ハードディスク等の記録装置317等に記録しておくことができる。
【0137】
また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体325に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体325は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体325に記録されたプログラムは、ドライブ319により読み出されて、入出力インターフェース311やバス309等を介し上記記録装置317に記録されてもよい。
【0138】
また、プログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、インターネット等の通信網13を介し転送され、通信装置323がこのプログラムを受信する。そして、通信装置323が受信したプログラムは、入出力インターフェース311やバス309等を介し上記記録装置317に記録されてもよい。
【0139】
また、プログラムは、例えば、適宜の外部接続機器327に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、適宜の接続ポート321を介し転送され、入出力インターフェース311やバス309等を介し上記記録装置317に記録されてもよい。
【0140】
そして、CPU301が、上記記録装置317に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述の図2図7図12で説明した各処理部等による処理が実現される。この際、CPU301は、例えば、上記記録装置317からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM305に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU301は、例えば、プログラムを通信装置323やドライブ319、接続ポート321を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置317に記録せずに直接実行してもよい。
【0141】
また、CPU301は、必要に応じて、例えばマイク、マウス、キーボード等(図示せず)の入力装置313から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0142】
そして、CPU301は、上記の処理を実行した結果を、出力装置315から出力する。さらにCPU301は、必要に応じてこの処理結果を通信装置323や接続ポート321を介し送信してもよく、上記記録装置317や記録媒体325に記録させてもよい。
【0143】
以上既に述べた以外にも、上記各実施形態による手法及び各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0144】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0145】
1 通信システム
3 電話システム
5 プッシュ通知サーバ
7 携帯電話端末
9 電話端末
11 電話網
13 通信網
15 回線接続部
17 番号検索部
19 第1番号割当部
21 第1通知要求部
23 第1着信判定部
25 第1通話接続部
27 通知メンバ管理テーブル
29 呼出用外線番号データベース
31 割当番号管理テーブル(第1記憶部、第2記憶部、第4記憶部の一例)
33 トークン管理テーブル
47 通話保留部
49 第2番号割当部
51 第2通知要求部
53 第2着信判定部
55 第2通話接続部
57 通話管理テーブル
65 転送先受付部
71 メッセージ録音部
73 第3番号割当部
75 第3通知要求部
77 第3着信判定部
79 データ特定部
81 データ再生部
83 録音メッセージ管理テーブル(第3記憶部の一例)
89 再生状況判定部
91 再生状況通知部
【要約】
【課題】システムの設計や設定を容易化できるとともに、電話回線設計を簡易化できる電話システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】電話システム3は、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末7の外線電話番号を検索する番号検索部17と、検索された外線電話番号に、予め用意された呼出用外線番号を割り当てる第1番号割当部19と、検索された外線電話番号に対応する携帯電話端末7に代表着信があった旨を通知するためのプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する第1通知要求部21と、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、携帯電話端末7と代表着信の発信元である電話端末9とを通話可能に接続する第1通話接続部25と、を有する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18