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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】システム、プログラム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/163 20240101AFI20241213BHJP
【FI】
G06Q50/163
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024166414
(22)【出願日】2024-09-25
【審査請求日】2024-09-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524269516
【氏名又は名称】株式会社Penetrator
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 岳生
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09152863(US,B1)
【文献】特開2021-021993(JP,A)
【文献】国際公開第2019/225597(WO,A1)
【文献】特開2024-050195(JP,A)
【文献】特開2021-007045(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0167786(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムであって、
第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定手段と、
前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像をもとに、ユーザが操作するユーザ端末の操作により、前記第1領域内の第2領域の選択を受け付ける選択受付手段と、
前記第2領域に対応する住所を特定する住所特定手段と
を備え、
前記第1画像、前記第2画像、及び、前記第3画像が、地上を上空から撮影した撮影画像であり、
前記第1画像及び前記第2画像が、前記第3画像よりも、低解像度の撮影画像である、システム。
【請求項2】
第1の時が、第2の時とは異なる日に属し、かつ、第2の時よりも後の時であり、
前記第1画像及び前記第2画像が、所定の時間帯に撮影された撮影画像である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
住所特定手段が、前記第2領域内の少なくとも1の位置に対応する緯度及び経度を特定し、特定した緯度及び経度に対応する住所を特定する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者を特定する所有者特定手段と
を備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
所有者特定手段が、住所と、該住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先を特定する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
住所特定手段により特定される住所が地番であり、
所有者特定手段が、地番と、地番に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した地番に対応する不動産の所有者を特定する、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
コンピュータ装置を、
第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定手段と、
前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像をもとに、ユーザが操作するユーザ端末の操作により、前記第1領域の第2領域の選択を受け付ける選択受付手段と、
前記第2領域に対応する住所を特定する住所特定手段
として機能させ、
前記第1画像、前記第2画像、及び、前記第3画像が、地上を上空から撮影した撮影画像であり、
前記第1画像及び前記第2画像が、前記第3画像よりも、低解像度の撮影画像である、プログラム。
【請求項8】
少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムにおいて実行される方法であって、
第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定ステップと、
前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像をもとに、ユーザが操作するユーザ端末の操作により、前記第1領域の第2領域の選択を受け付ける選択受付ステップと、
前記第2領域に対応する住所を特定する住所特定ステップと
を有し、
前記第1画像、前記第2画像、及び、前記第3画像が、地上を上空から撮影した撮影画像であり、
前記第1画像及び前記第2画像が、前記第3画像よりも、低解像度の撮影画像である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、プログラム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空き家の敷地の画素情報に基づいて生成された画像中の空き家を推定する機械学習データをもとに、航空写真や衛星画像中の家が空き家であるか否かを判定することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2019/225597号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、例えば、以下のいずれかの課題を解決することができる。本発明の第1の課題は、変化が発生した第1領域を特定し、第1領域内の第2領域を特定することのできるシステムを提供することである。本発明の第2の課題は、変化が発生した第1領域を特定し、さらに、第1領域に対応する住所から、該住所に対応する不動産の所有者を特定することのできるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題は、
[1]少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムであって、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定手段と、前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像、前記第1画像、又は、前記第2画像をもとに、前記第1領域内の第2領域の選択を受け付ける選択受付手段と、前記第2領域に対応する住所を特定する住所特定手段とを備え、前記第1画像、前記第2画像、及び/又は、前記第3画像が、地上を上空から撮影した撮影画像である、システム;
[2]少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムであって、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定手段と、前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像に基づいて、所定の条件を満たす前記第1領域内の第2領域を特定する第2領域特定手段とを備え、前記第1画像、前記第2画像、及び前記第3画像が、地上を上空から撮影した撮影画像である、システム;
[3]前記第1画像及び前記第2画像が、前記第3画像よりも、低解像度の撮影画像である、前記[1]又は[2]に記載のシステム;
[4]前記第3画像が、日中に撮影された光学画像であり、前記第1画像及び前記第2画像が、夜間に撮影された光学画像、赤外線画像、若しくは、SAR画像である、前記[1]又は[2]に記載のシステム;
[5]第1の時が、第2の時とは異なる日に属し、かつ、第2の時よりも後の時であり、
前記第1画像及び前記第2画像が、所定の時間帯に撮影された撮影画像である、前記[1~[4]のいずれかに記載のシステム;
[6]第2領域特定手段が、前記第3画像に基づいて、前記第1領域内の所定の変化が発生した第2領域、及び/又は、所定の不動産の属性を有する第2領域を特定する、前記[2]~[5]のいずれかに記載のシステム;
[7]第2領域特定手段が、地上を上空から撮影した撮影画像に関する画像データを入力データとし、該撮影画像内の位置、及び、該位置に対応する領域における変化に関する情報を出力データとして機械学習された予測モデルを用いて、所定の変化が発生した第2領域を特定する、前記[6]に記載のシステム;
[8]第2領域特定手段が、地上を上空から撮影した撮影画像に関する画像データを入力データとし、該撮影画像内の位置、及び、該位置に対応する領域における不動産の属性に関する情報を出力データとして機械学習された予測モデルを用いて、所定の不動産の属性を有する第2領域を特定する、前記[6]に記載のシステム;
[9]第2領域特定手段が、第3の時に撮影された前記第3画像と、第4の時に撮影され、前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第4画像とに基づいて、前記第1領域内の変化が発生した第2領域を特定し、前記第1画像及び前記第2画像が、前記第3画像及び前記第4画像よりも、低解像度の撮影画像である、又は、前記第3画像及び前記第4画像が、日中に撮影された光学画像であり、前記第1画像及び前記第2画像が、夜間に撮影された光学画像、赤外線画像、若しくは、SAR画像である、前記[2]に記載のシステム;
[10]第1の時が、第2の時とは異なる日に属し、かつ、第2の時よりも後の時であり、第3の時が、第1の時以後の時であり、第4の時が、第2の時以前の時である、前記[9]に記載のシステム;
[11]前記第2領域に対応する住所を特定する住所特定手段を備える、前記[2]~[10]のいずれかに記載のシステム;
[12]住所特定手段が、前記第2領域内の少なくとも1の位置に対応する緯度及び経度を特定し、特定した緯度及び経度に対応する住所を特定する、前記[1]又は[11]に記載のシステム;
[13]住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者を特定する所有者特定手段とを備える、前記[1]、[11]又は[12]に記載のシステム;
[14]少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムであって、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定手段と、前記第1領域に対応する住所を特定する住所特定手段と、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者を特定する所有者特定手段とを備え、
前記第1画像及び前記第2画像が、地上を上空から撮影した撮影画像である、システム;
[15]所有者特定手段が、前記第1領域に所定の変化が発生したとき、及び/又は、前記第1領域が所定の不動産の属性を有するときに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者を特定する、前記[14]に記載のシステム;
[16]所有者特定手段が、住所と、該住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先を特定する、前記[13]~[15]のいずれかに記載のシステム;
[17]住所特定手段により特定される住所が地番であり、所有者特定手段が、地番と、地番に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した地番に対応する不動産の所有者を特定する、前記[13]~[16]のいずれかに記載のシステム;
[18]コンピュータ装置を、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定手段と、前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像、前記第1画像、又は、前記第2画像をもとに、前記第1領域の第2領域の選択を受け付ける選択受付手段と、前記第2領域に対応する住所を特定する住所特定手段として機能させ、前記第1画像、前記第2画像、及び/又は、前記第3画像が、地上を上空から撮影した撮影画像である、プログラム;
[19]コンピュータ装置を、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定手段と、前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像に基づいて、前記第1領域内の所定の条件を満たす第2領域を特定する第2領域特定手段として機能させ、前記第1画像、前記第2画像、及び前記第3画像が、地上を上空から撮影した撮影画像である、プログラム;
[20]コンピュータ装置を、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定手段と、前記第1領域に対応する住所を特定する住所特定手段と、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者を特定する所有者特定手段として機能させ、前記第1画像及び前記第2画像が、地上を上空から撮影した撮影画像である、プログラム;
[21]少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムにおいて実行される方法であって、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定ステップと、前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像、前記第1画像、又は、前記第2画像をもとに、前記第1領域の第2領域の選択を受け付ける選択受付ステップと、前記第2領域に対応する住所を特定する住所特定ステップとを有し、前記第1画像、前記第2画像、及び/又は、前記第3画像が、地上を上空から撮影した撮影画像である、方法;
[22]少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムにおいて実行される方法であって、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定ステップと、前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像に基づいて、前記第1領域内の所定の条件を満たす第2領域を特定する第2領域特定ステップとを有し、前記第1画像、前記第2画像、及び前記第3画像が、地上を上空から撮影した撮影画像である、方法;
[23]少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムにおいて実行される方法であって、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定ステップと、前記第1領域に対応する住所を特定する住所特定ステップと、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所特定ステップにより特定した住所に対応する不動産の所有者を特定する所有者特定ステップとを有し、前記第1画像及び前記第2画像が、地上を上空から撮影した撮影画像である、方法;
により解決することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、変化が発生した第1領域を特定し、第1領域内の第2領域を特定することのできるシステムを提供することができる。また、本発明によれば、変化が発生した第1領域を特定し、さらに、第1領域に対応する住所から、該住所に対応する不動産の所有者を特定することのできるシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態に係るシステムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係る利用者端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係るサーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態に係る不動産及び所有者特定処理のフローチャートを示す図である。
図5】本発明の実施の形態に係る住所を特定する処理を説明するための図である。
図6】本発明の実施の形態に係る不動産及び所有者特定処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は、以下の実施の形態に限定されない。以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同であり、また、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で、フローチャートを構成する各処理の一部を省略することや、フローチャートを構成する各処理に新たな処理を追加することも可能である。また、フローチャートを構成する各処理を実行する主体となる装置は、本発明の趣旨に反しない限り、他の装置へ変更することが可能である。その際、処理内容に矛盾や不整合が生じないように、処理内容を変更することが可能である。
【0009】
[システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態にかかるシステムの構成を示すブロック図である。システム10は、少なくとも1のコンピュータ装置を含む。システム10は、利用者端末1と、サーバ装置2と、管理者端末3とを備えていてもよい。利用者端末1、サーバ装置2、及び管理者端末3は、通信ネットワーク4を介して、互いに通信可能に接続されている。システム10では、利用者端末1、サーバ装置2、及び管理者端末3のいずれかが情報処理装置として機能し得る。利用者端末1、サーバ装置2、及び管理者端末3のいずれかが情報処理装置として機能する際に、必要に応じて、利用者端末1、サーバ装置2、及び管理者端末3の少なくとも2つ以上の端末間で、情報の送受信を実行する。なお、利用者端末1、サーバ装置2、及び/又は管理者端末3の数は、1以上であれば、特に限定されない。
【0010】
なお、システム10は、例えば、1のコンピュータ装置から構成されていてもよく(スタンドアローン型)、1又は複数のサーバ装置と1又は複数の端末装置から構成されていてもよく(クライアントサーバ型)、ホスト装置と1又は複数のゲスト装置から構成されていてもよい(ピア・ツー・ピア型)。また、サーバ装置2は、複数のコンピュータ装置に分散して機能するものであってもよい。例えば、サーバ装置2に代えて、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術を利用してもよい。
【0011】
[利用者端末]
利用者端末1は、システム10の利用者によって操作される端末である。図2は、本発明の実施の形態に係る利用者端末のハードウェア構成を示すブロック図である。利用者端末1は、制御部11、RAM12、ストレージ部13、入力部14、表示部15及び通信インタフェース16を備え、それぞれバスにより接続されている。
【0012】
制御部11は、CPUやROMから構成される。制御部11は、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、利用者端末1の制御を行なう。RAM12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶媒体である。制御部11は、RAM12から読みだしたプログラム及びデータ、並びに、入力部14にて入力されたデータをもとに、演算処理を行なう。
【0013】
表示部15は表示画面を有している。制御部11は、演算処理の結果に応じて、表示画面に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。ここで、表示部15の表示画面はタッチセンサを備えるタッチパネルであってもよい。この場合、タッチパネルが入力部14として機能する。
【0014】
通信インタフェース16は無線又は有線により通信ネットワーク4に接続が可能であり、通信ネットワーク4を介して、他のコンピュータ装置とデータを送受信することが可能である。通信インタフェース16を介して受信したデータは、RAM12にロードされ、制御部11により演算処理が行われる。
【0015】
[サーバ装置]
図3は、本発明の実施の形態にかかるサーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置2は、制御部21、RAM22、ストレージ部23及び通信インタフェース24を少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0016】
制御部21は、CPUやROMから構成され、ストレージ部23に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置2の制御を行う。また、制御部21は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM22は、制御部21のワークエリアである。ストレージ部23は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。つまり、ストレージ部23は、プログラムを記憶した記録媒体として機能する。制御部21は、プログラム及びデータをRAM22から読み出し、利用者端末1又は管理者端末3のそれぞれから受信した情報等をもとに、プログラム実行処理を行う。
【0017】
[管理者端末]
管理者端末3は、システム10の管理者、運営者、又は提供者によって操作される端末である。管理者端末3としては、利用者端末1と同様の構成を有するものを用いることができる。管理者端末3は、例えば、制御部、RAM、ストレージ部、入力部、表示部、通信インタフェースを備え、それぞれ内部バスにより接続されていてもよい。
【0018】
なお、プログラムは、CD-ROMなどの記録媒体に記憶されていてもよい。この場合、記録媒体に記憶されたプログラムが、利用者端末1、サーバ装置2又は管理者端末3にインストールされて、所定の機能を実行することとしてもよい。或いは、プログラムは、システム外部のコンピュータ装置から配信されてもよい。この場合、システム外部のコンピュータ装置から配信されたプログラムが、利用者端末1、サーバ装置2又は管理者端末3にインストールされて、所定の機能を実行することとしてもよい。
【0019】
[不動産及び所有者特定処理]
次に、本発明の実施の形態に係るシステムにおける不動産及び所有者特定処理の第1の実施の形態について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る不動産及び所有者特定処理のフローチャートを示す図である。なお、不動産は、土地及び建物をいずれも含む概念である。以下では、例えば、システム10が利用者端末1及びサーバ装置2から構成されている場合について、説明をする。
【0020】
利用者は、利用者端末1の入力部14を操作して、撮影画像から、変化が発生した領域を特定し、特定した領域に対応する不動産の所有者を特定するための不動産及び所有者特定処理(以下、不動産及び所有者特定処理を「特定処理」という)を開始する。まず、利用者は、利用者端末1の入力部14を操作して、特定処理を実行するための専用のアプリケーションソフトウェアを起動する。利用者は、利用者端末1に、利用者を識別するユーザID及びパスワードを入力する。サーバ装置2では、利用者端末1にて入力されたユーザID、パスワードを受信し、利用者の認証を行い、利用者のシステム10へのログインを許可する。或いは、利用者は、利用者端末1から、ウェブブラウザを経由してサーバ装置2にアクセスすることで、システム10にログインしてもよい。
【0021】
次に、利用者は、利用者端末1の入力部14を操作して、特定処理の開始要求を入力する。開始要求は、利用者端末1からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2に受信される。開始要求は、特定する所定の変化に関する情報、及び/又は、特定する所定の不動産の属性に関する情報を含んでいてもよい。所定の変化及び所定の不動産の属性の詳細は、後述する。また、開始要求は、特定処理において、発生した所定の変化を探索する範囲及び/又は所定の属性を有する不動産を探索する範囲に関する情報、並びに、探索する期間に関する情報を含んでいてもよい。
【0022】
サーバ装置2は、開始要求を受信すると、第1画像と第2画像を取得する(ステップS1)。第1画像及び第2画像は、地上を上空から撮影した撮影画像である。撮影画像は、サーバ装置2のストレージ部23に予め記憶されていてもよく、撮影画像を記憶した外部記憶装置からサーバ装置2にて読み出してもよい。また、サーバ装置2は、撮影画像を保持する外部システムと連携をして、撮影画像を取得してもよい。外部システムは、例えば、他のコンピュータ装置から構成されるシステムである。外部システムと連携する場合、サーバ装置2は、他のコンピュータ装置に対して、第1画像と第2画像の取得要求を送信する。取得要求には、取得する撮影画像の撮影日時に関する情報及び撮影した領域に関する情報が含まれる。撮影画像は、撮影日時及び撮影した領域に関する情報と関連付けて記憶されている。
【0023】
撮影画像は、地上を上空から撮影した画像であれば、特に限定されないが、例えば、航空写真や衛星画像をあげることができる。航空写真は、航空機に搭載したカメラにより地上を撮影した写真である。衛星画像は、人工衛星に搭載されたセンサで取得された画像データである。衛星画像は、例えば、光学画像(可視画像ともいう)、赤外線画像(熱赤外線画像ともいう)、又は、SAR(synthetic aperture radar)画像(合成開口レーダ画像ともいう)である。撮影画像は、複数の画像を組み合わせて、1の画像としたものであってもよい。また、撮影画像は、画像データそのものとして取得されたものだけでなく、センサにより取得したデータを加工することにより得られる画像データも含む。
【0024】
第1画像は、第1の時に撮影された撮影画像である。第2画像は、第2の時に撮影された撮影画像である。第1の時は、第2の時とは異なる日に属する。また、第1の時は、第2の時よりも後の時である。また、第2の時は、第1の時から、所定の期間以上、前に遡った時であってもよい。所定の期間は、特に限定されず、管理者又は利用者により、適宜設定可能である。所定の期間は、不動産の変化が検出できる程度の期間であることが好ましく、例えば、日単位、週単位、月単位、又は年単位の期間であってもよい。また、第1の時は、利用者端末1にて開始要求を入力した時、又はサーバ装置2が開始要求を受信した時を基準に、最も新しく取得された撮影画像の撮影時としてもよい。例えば、所定の期間が1週間の場合、第1の時から1週間前が、第2の時となる。なお、ステップS1において、所定の期間と一致する時に撮影された第2画像が存在しない場合、所定の期間よりも前に撮影された第2画像が取得されることとしてもよい。開始要求に探索する期間に関する情報が含まれる場合、該期間と一致するように第1の時と第2の時が特定される。
【0025】
また、第1画像及び第2画像は、所定の時間帯に撮影された撮影画像であってもよい。所定の時間帯としては、例えば、午前中(9:00~12:00の間)、午後(12:00~15:00の間)、夕方(16:00~18:00)、夜間(22:00~2:00)等をあげることができる。同じ時間帯に撮影された第1画像及び第2画像を利用することで、後述のステップS2における第1領域の特定が容易となる。
【0026】
第2画像は、第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した撮影画像である。第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した撮影画像とは、第1画像が撮影した領域の一部又は全部を撮影した撮影画像である。例えば、第1画像がA市とB市を撮影した撮影画像の場合、A市を撮影した撮影画像は、第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した撮影画像である。なお、1つの第1画像に対して、複数の第2画像が取得されてもよく、複数の第1画像に対して、1つの第2画像が取得されてもよく、複数の第1画像に対して、複数の第2画像が取得されてもよい。1の第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した撮影画像である第2画像は、該1の第1画像に対応する第2画像ともいう。
【0027】
第1画像及び第1画像に対応する第2画像(第1画像と第2画像のセットともいう)は、所定の領域を、異なる時刻又は日において撮影した撮影画像である。ステップS1において取得される第1画像と第2画像のセットは、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。2つ以上の第1画像と第2画像のセットが取得される場合、それぞれの第1画像で撮影された領域の一部又は全てが異なる。
【0028】
ステップS1により取得される第1画像及び第2画像の撮影範囲は、特に限定されず、管理者又は利用者により、適宜設定可能である。撮影範囲は、開始要求に含まれる探索する範囲に関する情報に対応する範囲でもよく、予め設定された範囲でもよい。例えば、開始要求に探索する範囲に関する情報として、特定処理の対象となる地域が入力された場合は、その地域に対応する第1画像及び第2画像が取得される。例えば、予め東京23区を探索することが設定された場合、ステップS1により、東京23区を撮影した第1画像及び第2画像が取得される。また、第1画像及び第2画像の撮影範囲は、後述の第3画像及び後述の第4画像よりも、広範囲であってもよい。
【0029】
第1画像及び第2画像は、後述の第3画像及び後述の第4画像よりも、同程度の解像度の撮影画像であってもよく、低解像度の撮影画像であってもよい。撮影画像の解像度は、画像を構成する最小単位である画素の一辺が地上でどのくらいの距離に相当するかを表す。例えば、第1画像及び第2画像の解像度が、5kmで、第3画像及び第4画像の解像度が1mとすることができる。また、第1画像及び第2画像、又は、第3画像及び第4画像は、同じ解像度を有することが好ましい。
【0030】
第1画像及び第2画像、又は、後述の第3画像及び後述の第4画像は、同じ縮尺を有することが好ましい。同じ縮尺を有するとは、画像上の単位距離(例えば、1インチ)に対応する現実世界における長さが同じであることを示す。また、第1画像及び第2画像の縮尺は、第3画像及び第4画像の縮尺と同じであってもよく、より小さいものであってもよい。縮尺は、単位距離に対応する現実世界における長さが長いほど、縮尺が小さくなる。例えば、第1画像及び第2画像の縮尺が1/10,000のとき、第3画像および第4画像の縮尺は1/100としてもよい。
【0031】
第1画像、第2画像、後述の第3画像及び後述の第4画像は、日中に撮影された光学画像、夜間に撮影された光学画像(夜間光画像ともいう)、赤外線画像、又は、SAR画像であってもよい。このとき、第1画像及び第2画像は、第3画像及び第4画像よりも、低解像度の撮影画像であることが好ましい。或いは、後述の第3画像及び後述の第4画像が、日中に撮影された光学画像であるとき、第1画像及び第2画像は、日中に撮影された光学画像、夜間光画像、赤外線画像、又は、SAR画像であってもよい。
【0032】
ステップS1により、第1画像及び第2画像が取得されると、サーバ装置2は、第1画像と、第2画像とに基づいて、第1領域を特定する(ステップS2)。
【0033】
第1領域は、領域内の変化が発生した領域である。変化が発生した領域は、現実世界において、所定の変化が発生した領域である。領域は、所定の範囲を有する区域、及び所定の点を示す位置のいずれも含む概念である。領域は、1つの画素に対応する領域であってもよく、複数の画素を含む領域であってもよい。領域は、等間隔にメッシュ状に分割された領域から選択される四角形状のデータとして示されてもよく、線で囲われた多角形状のポリゴンデータとして示されてもよい。
【0034】
サーバ装置2は、同じ領域を同じ解像度で異なる時に撮影した画像(例えば、第1画像及び第2画像)を比較し、所定の条件を満たす領域が存在するとき、変化が発生した領域を特定できる。所定の条件は、特に限定されないが、領域内における画素(RGBやHSV)の値の変化が所定の値よりも大きいことであってもよく、差分抽出により差分が抽出されたことであってもよい。
【0035】
例えば、ステップS2において、まず、サーバ装置2は、第1画像内に示された領域と、第2画像内に示された領域の位置合わせを実行する。位置合わせの処理は、公知の処理を適用できる。次に、サーバ装置2は、第1画像及び第2画像内の所定の領域ごとに、所定の条件を満たすか否かを判定する。所定の領域は、適宜設定可能であるが、解像度に対応する領域であってもよく、例えば、3×3に整列した9つの画素を含む四角形状の領域であってもよい。サーバ装置2は、所定の条件を満たすと判定された領域の一部又は全部を、第1領域として特定できる。
【0036】
より具体的に、例えば、サーバ装置2が、RGB値を利用して、第1領域を特定する場合の一例について説明する。RGB値は、1つの画素の色を、R(赤)、G(緑)、B(青)の値で示す。R、G、Bのそれぞれは、0~255の256段階の値で示される。
【0037】
まず、サーバ装置2は、第1画像と第2画像の対応する位置を特定する。例えば、サーバ装置2は、第1画像及び第2画像のそれぞれで、現実世界において同じ地点(例えば、緯度及び経度)を有する画素群を特定する。画素が有する緯度及び経度は、例えば、該画素の中心位置に対応する現実世界の位置における緯度及び経度であってもよい。次に、サーバ装置2は、ウィンドウ内の画素の変化量を特定する。ウィンドウとは、画像内の所定の範囲を示す部分である。ウィンドウは、複数の画素を含む四角形状の部分である。1のウィンドウが含む画素の数は、画像の解像度に応じて、適宜設計可能である。
【0038】
ウィンドウ内の画素の変化量を特定する際に、例えば、サーバ装置2は、ウィンドウ内の画素のRGB値の変化量を計算する。具体的には、ウィンドウに含まれる画素ごとに、第1画像と第2画像の対応する画素同士で次の計算を行う。まず、サーバ装置2は、第1画像と第2画像の画素同士を比較し、R値の差分の2乗、G値の差分の2乗、及びB値の差分の2乗を加算して、ウィンドウ内の重みづけの値を掛け合わせる。そして、サーバ装置2は、掛け合わせた値の平方根を取ることで、ウィンドウ内の画素の変化量を算出できる。ウィンドウ内の重みづけの方法は、特に限定されず、公知の方法を利用することができる。重みづけの値は、例えば、ガウシアンフィルタや平均化フィルタ等の重みづけを利用できる。重みづけの値は、ウィンドウの中央にかけて重みが大きくなり、中央から離れるほど重みが小さくなるように設定できる。
【0039】
ウィンドウ内の全ての画素について、画素の変化量を算出すると、サーバ装置2は、ウィンドウ内の画素の変化量を全て合算することで、ウィンドウ内の変化量を特定する。このとき、ウィンドウでの重み付き合算が行われるため、単一の画素に依存せず、局所的な領域全体の変化が反映される。次に、サーバ装置2は、予め設定されたオフセット値を用いて、ウィンドウを上下左右に移動させて(スライディングウィンドウともいう)、同様にウィンドウ内の変化量を特定する。ウィンドウの移動は、第1画像及び第2画像の所定の範囲(例えば80%)以上が処理されるまで、繰り返し実行されてもよい。
【0040】
それぞれのウィンドウ内での変化量の特定をすると、サーバ装置2は、ウィンドウ内の変化量の閾値判定を実行する。例えば、サーバ装置2は、ウィンドウ内の変化量が事前に定めた閾値を超えるかどうかを判定する。閾値を超えた場合、サーバ装置2は、閾値を超えたウィンドウに含まれる領域において変化があったと特定できる。また、サーバ装置2は、該領域を変化が検出された第1領域として特定することができる。第1領域は、ウィンドウ全体の領域であってもよく、オフセット値によって特定される、ウィンドウ内の一部の領域であってもよい。例えば、オフセット値が1画素である場合は、特定されたウィンドウ内の中央の1画素が変化のあった領域として特定されてもよい。また、例えば、オフセット値が3画素である場合は、特定されたウィンドウ内の中央の3×3の9画素が変化のあった領域として特定されてもよい。
【0041】
なお、サーバ装置2がポリゴンデータを生成する場合、サーバ装置2は、上記と同様に、変化量が閾値を超えたウィンドウを特定する。サーバ装置2は、変化量が閾値を超えたウィンドウについて、特定したウィンドウ全体、又は、ウィンドウ内の一部の変化のあった領域の輪郭を特定することで、ポリゴンデータを生成することができる。
【0042】
次に、サーバ装置2は、ステップS2にて特定した第1領域の緯度及び経度(以下、緯度経度という)を特定する(ステップS3)。ステップS1にて取得される撮影画像は、撮影画像中の各地点又は各領域の緯度経度を特定することが可能な画像データが用いられる。そのため、ステップS2において第1領域が特定されると、サーバ装置2は、第1領域の第1画像又は第2画像における位置をもとに、該第1領域の少なくとも1の位置に対応する緯度経度を特定することができる。第1領域の少なくとも1の位置は、第1画像又は第2画像における第1領域に含まれる所定の地点であればよい。所定の地点は、特定された第1領域内の中心位置としてもよい。また、所定の地点は、第1領域が四角形状の領域の場合、左上、右上、右下、及び左下の4点に対応する地点であってもよい。
【0043】
ステップS3にて、第1領域の緯度経度が特定されると、サーバ装置2は、第3画像を取得する(ステップS4)。第3画像は、地上を上空から撮影した撮影画像であり、第1領域の少なくとも一部を撮影した撮影画像である。第3画像は、第1領域全体を含むように撮影した撮影画像であってもよい。撮影画像は、上記で説明した撮影画像と同義であるため説明を省略する。
【0044】
ここで、第3画像は、第3の時に撮影された撮影画像である。第3の時は、第1の時以後の時であってもよく、第2の時以前の時であってもよく、第2の時から第1の時までの間の時であってもよい。また、第3画像は、第2の時よりも後であり、かつ、第1の時から所定の期間(例えば、3日間)内に撮影されたものであってもよく、撮影された時刻が最も新しいものであってもよい。いずれの時で撮影された第3画像を取得するかについては、開始要求にて入力された変化に関する情報、及び/又は、不動産の属性に関する情報に応じて、特定されてもよい。
【0045】
ステップS4にて取得される撮影画像は、撮影した日時と、撮影画像中の各地点又は各領域の緯度経度とを特定することが可能な画像データが用いられる。そのため、第1の時、及び/又は、第2の時、並びに、ステップS3にて特定された緯度経度を用いて、サーバ装置2は、第3画像を特定することができる。
【0046】
上述のとおり、第3画像は、解像度の高い撮影画像であってもよい。解像度の高い撮影画像としては、例えば、解像度が1m以下のものとしてもよい。また、第3画像は、日中に撮影された光学画像であってもよい。
【0047】
なお、ステップS4において、サーバ装置2が外部システムと連携する場合、サーバ装置2は、他のコンピュータ装置に対して、第3画像の取得要求を送信する。取得要求には、取得する撮影画像の撮影日時に関する情報及び撮影した領域に関する情報(例えば、ステップS3にて特定した緯度経度)が含まれる。ステップS4にて連携する外部システムと、ステップS1にて連携する外部システムとは、同じシステムであってもよく、異なるシステムであってもよい。
【0048】
なお、ステップS4における第3画像の取得は、利用者が利用者端末1を操作した入力に応じて、実行されてもよい。例えば、利用者端末1への入力に応じて、第3画像の取得要求が送信されることで、ステップS4の処理が実行されてもよい。或いは、利用者が、利用者端末1に第3画像を特定可能な特定情報を入力する。そして、利用者端末1からサーバ装置2に、特定情報が送信され、サーバ装置2は、受信した特定情報をもとに、第3画像を取得することとしてもよい。特定情報は、例えば、取得する撮影画像を撮影した時に関する情報、第1領域を特定可能な情報等を含んでいる。第1領域を特定可能な情報は、例えば、ステップS3にて特定された緯度経度、第1領域に対応する住所、第1領域に対応する地名等である。
【0049】
ステップS4にて第3画像が取得されると、サーバ装置2は、第3画像に基づいて、第1領域内の所定の条件を満たす第2領域を特定する。所定の条件は、例えば、所定の変化が発生したことであってもよく、所定の不動産の属性を有することであってもよい。
【0050】
まず、サーバ装置2は、第3画像に基づいて、第1領域内の所定の変化が発生した第2領域を特定する(ステップS5)。領域内の変化は、不動産がどのような状態からどのような状態になったか、又は、どのような状態からどのような状態になっているか等を特定するものである。
【0051】
所定の変化としては、特に限定されないが、例えば、解体、新築、建替、又は修繕をあげることができる。解体は、建物が分解され、領域から建物が無くなることを意味する。新築は、更地から建物を建造することを意味する。建替は、建物を新たな建物に作り替えることを意味する。修繕は、建物を修理することを意味し、例えば、リフォームや外装工事等が修繕に該当する。
【0052】
第3画像(撮影画像)において、サーバ装置2が所定の変化が発生した第2領域を特定する方法は、特に限定されない。例えば、サーバ装置2は、第1予測モデルを利用して、ステップS4において取得した第3画像をもとに、所定の変化が発生した第2領域を特定できる。第1予測モデルは、基準(サンプル)となる撮影画像のうち、変化(例えば、解体、新築、建替、又は修繕)が明らかとなっている画像データ(画像を構成する各画素のRGB等の情報)を入力データとし、該撮影画像内の位置、及び、該位置に対応する領域における変化に関する情報を出力データとして機械学習された予測モデルである。
【0053】
ここで、ステップS5において特定する変化と同じ変化を示す画像データが、入力データとして用いられる。このようにすることで、サーバ装置2は、撮影画像から、所定の変化が発生した第2領域を特定することができる。例えば、第3画像が撮影された時が第1の時以後である場合、変化が完了した時付近に領域を撮影された撮影画像が入力データとして用いられる。第3画像が撮影された時が第2の時以前である場合、変化が発生する時付近の撮影画像が入力データとして用いられる。第3画像が撮影された時が第2の時から第1の時までの間の時である場合、変化が発生している最中の撮影画像が入力データとして用いられる。
【0054】
サーバ装置2が所定の変化として解体を特定する場合、つまり、解体される前の領域、解体されている最中の領域、又は、解体された領域に対応する撮影画像上の位置を特定する場合、サーバ装置2は、上空から撮影した解体される前の領域、解体されている最中の領域、又は、解体された領域についての複数の画像データを入力データとした第1予測モデルを用いる。
【0055】
サーバ装置2が所定の変化として新築を特定する場合、つまり、建物の着工前、建物の着工後若しくは施工中の領域、又は、建物の竣工後の領域に対応する撮影画像上の位置を特定する場合、サーバ装置2は、上空から撮影した建物の着工前の領域、着工後若しくは施工中の領域、又は、竣工後の領域についての複数の画像データを入力データとした第1予測モデルを用いる。
【0056】
サーバ装置2が所定の変化として建替を特定する場合、つまり、建物の解体される前の領域、建物の解体されている最中の領域、建物の着工後若しくは施工中の領域、又は、建物の竣工後の領域に対応する撮影画像上の位置を特定する場合、サーバ装置2は、上空から撮影した建物の解体される前の領域、解体されている最中の領域、着工後若しくは施工中の領域、又は、竣工後の領域についての複数の画像データを入力データとした第1予測モデルを用いる。
【0057】
サーバ装置2が所定の変化として修繕を特定する場合、つまり、建物の修繕前の領域、建物の修繕中の領域、又は、建物の修繕後の領域に対応する撮影画像上の位置を特定する場合、サーバ装置2は、上空から撮影した建物の修繕前の領域、修繕中の領域、又は、修繕後の領域についての複数の画像データを入力データとした第1予測モデルを用いる。
【0058】
機械学習のアルゴリズムは、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができるが、多層ニューラルネットワークを用いた深層学習を用いることが好ましい。多層ニューラルネットワークは、入力層、出力層、複数の中間層を有している。各層のノードとノードとを結ぶエッジには、重みが設定されている。エッジには、ノードへの各入力に対応する重みが設定されており、ノードへの各入力に対応する重みを乗じて、これらの重みを乗じて得られた値とバイアスを加算する。加算されて得られた値を、活性化関数を用いて非線形変換を行い、活性値を算出する。算出された活性値は、次の層のノードに渡される入力の値となる。中間層の数は、適宜設計することができる。
【0059】
ステップS5において、サーバ装置2が所定の変化が発生した第2領域を特定すると、サーバ装置2は、第3画像に基づいて、第1領域内の所定の不動産の属性を有する第2領域を特定する(ステップS6)。属性は、不動産がどのような状態であるか、どのような用途に用いられているか、又は、どのような建物や設備が存在するか等を特定するものである。ステップS6では、サーバ装置2は、ステップS5で特定された所定の変化が発生した第2領域から、所定の不動産の属性を有する第2領域を特定することとしてもよい。
【0060】
所定の不動産の属性(所定の属性ともいう)としては、特に限定されないが、例えば、空き家、遊休地、駐車場、農業地又は資材置き場をあげることができる。空き家は、人が住んでいない建物を意味し、遊休地は、利用されていない土地を意味する。駐車場は、車両を停めておくための場所として利用されている土地である。農業地は、農業に利用されている土地であり、例えば、田や畑をあげることができる。資材置き場は、建築資材などの資材の置き場として利用されている土地である。
【0061】
また、所定の属性としては、所定の建物が存在することをあげることができる。所定の建物としては、特に限定されないが、例えば、マンション、アパート、一軒家又はオフィスビルをあげることができる。また、所定の建物としては、築年数が所定の年数以上の建物、又は、築年数が所定の年数以下の建物をあげることができる。
【0062】
第3画像(撮影画像)において、サーバ装置2が所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定する方法は、特に限定されない。例えば、サーバ装置2は、撮影画像を構成する画素に関する情報(RGBに関する情報)をもとに、撮影画像の各領域に対応する不動産の属性を特定することで、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定することができる。
【0063】
例えば、サーバ装置2は、第2予測モデルを利用して、ステップS4において取得した第3画像をもとに、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定できる。第2予測モデルは、基準(サンプル)となる撮影画像のうち、不動産の属性(例えば、空き家、遊休地、駐車場、農業地又は資材置き場)が明らかとなっている画像データ(画像を構成する各画素のRGB等の情報)を入力データとし、該撮影画像内の位置、及び、該位置に対応する領域における不動産の属性に関する情報を出力データとして機械学習された予測モデルである。ここで、ステップS6において特定する所定の属性と同じ属性を有する画像データが、入力データとして用いられる。このようにすることで、サーバ装置2は、撮影画像から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定することができる。
【0064】
サーバ装置2が所定の属性を有する不動産として空き家となっている土地を特定する場合、つまり、空き家となっている土地に対応する撮影画像上の位置を特定する場合、サーバ装置2は、上空から撮影した空き家についての複数の画像データを入力データとした第2予測モデルを用いる。なお、雪が積雪するエリアでは、サーバ装置2は、撮影画像上の家や敷地内に積もった雪の状況を、空き家であるか否かの判定の材料とすることもできる。
【0065】
また、サーバ装置2が遊休地、駐車場又は農業地となっている土地に対応する第3画像上の領域を特定する場合、サーバ装置2は、上空から撮影した遊休地、駐車場又は農業地のそれぞれについての複数の画像データを入力データとした第2予測モデルを用いる。
【0066】
機械学習のアルゴリズムは、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。機械学習のアルゴリズムは上記と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
なお、ステップS5において、サーバ装置2が所定の変化が発生した第2領域を特定しない場合、或いは、ステップS6において、サーバ装置2が所定の不動産の属性を有する第2領域を特定しない場合、特定処理は終了する。
【0068】
一方、ステップS6において、サーバ装置2が所定の不動産の属性を有する第2領域を特定すると、サーバ装置2は、所定の変化が発生し、所定の不動産の属性を有するとして特定された第2領域の第3画像における位置をもとに、特定した第2領域の少なくとも1の位置に対応する緯度経度を特定する(ステップS7)。次に、サーバ装置2は、所定の変化が発生し、所定の不動産の属性を有するとして特定された第2領域の第3画像における位置をもとに、特定した第2領域に対応する不動産の住所を特定する(ステップS8)。ステップS8では、サーバ装置2は、ステップS7にて特定した緯度経度に対応する不動産の住所を特定してもよい。ここで、「住所」は、住居表示、地番のいずれも含む概念である。住居表示は、「住居表示に関する法律(昭和三十七年法律第百十九号)」に基づいて市町村が定めた住所であり、地番は、法務局により不動産ごとに付された番号である。
【0069】
ステップS7及びS8の処理について、説明する。サーバ装置2のストレージ部23には、第3画像(撮影画像)が撮影された地域と同じ地域の地図データが予め登録されている。また、ステップS4にて取得される撮影画像は、撮影画像中の各地点又は各領域の、緯度経度を特定することが可能な画像データが用いられる。画像データとしては、各画像データ中における位置と、緯度経度とが、関連付けられて記憶されたものを利用する。地図データでは、地図上の各領域又は各地点の緯度経度と関連付けて、各領域又は各地点の住所(地番又は住居表示)が記憶されている。
【0070】
そのため、ステップS7及びS8において、第2領域が特定されると、サーバ装置2は、ステップS3と同様に、第2領域の撮像画像における位置をもとに、該第2領域の少なくとも1の位置に対応する緯度経度を特定することができる。ステップS3と重複する説明を省略する。サーバ装置2は、地図上の各領域又は各地点の緯度経度と関連付けて、各領域又は各地点の住所が記憶された地図データを参照し、特定された第2領域の少なくとも1の位置に対応する緯度経度に対応する住所(地番又は住居表示)を特定することができる。
【0071】
ステップS8では、利用者端末1は、緯度経度を利用して、特定した第2領域に対応する不動産の住所を特定する方法以外に、平面上の直交座標系を利用して、特定した第2領域に対応する不動産の住所を特定することもできる。この場合、ステップS7は、省略されてもよい。図6は、本発明の実施の形態に係る住所を特定する処理を説明するための図である。サーバ装置2のストレージ部23には、撮影画像32(第3画像)が撮影された地域と同じ地域の地図データ31が予め登録されている。
【0072】
地図データ31では、平面上の直交座標系(XY座標系)のXY座標と関連付けて、この地域における各不動産の住所が登録されている。この地域のある特定の地点が、原点Oとして設定されている。南北方向をY軸として、北側を第1象限・第2象限、南側を第3象限・第4象限とすることができ、東西方向をX軸として、東側を第1象限・第4象限、西側を第2象限・第3象限とすることができる。原点Oの座標(X、Y)は(0、0)で表すことができ、図6では、原点Oの住所は、住所Eであると登録されている。
【0073】
ステップS2において、撮影画像32のうちの一部の領域が、所定の属性を有する不動産に対応する領域33a、領域33bとして特定されている。地図データ31の縮尺を撮影画像32の縮尺と同じ縮尺とし、撮影画像32中の地図データ31の特定の地点に対応する地点を、地図データ31の原点Oと同一の点となるように、且つ、撮影画像32の方角と地図データ31の方角が同一となるように重ね合わせることで、撮影画像32の各領域の住所を特定することができる。つまり、地図データ31には、XY座標と関連付けて住所が登録されており、この対応関係にしたがって、撮影画像32中の領域のXY座標をもとに、該領域の住所を特定することができる。ここでは、領域33aの住所は、住所Dであり、領域33bの住所は、住所Iである。
【0074】
ステップS8で特定される住所が住居表示である場合に、サーバ装置2は、住居表示と地番の対応関係をもとに、ステップS7にて特定された住居表示に対応する地番を特定する(ステップS9)。サーバ装置2のストレージ部23には、住居表示と関連付けて地番が記憶された住所マスターテーブルが登録されており、住所マスターテーブルを参照することで、ステップS8にて特定した住居表示に対応する地番を特定することができる。
【0075】
なお、地番と住居表示が同じであるような地域の撮影画像をもとにステップS8の処理を実行する場合は、ステップS9の処理を省略することができる。ステップS8又はS9にて特定された地番は、後述するステップS11において、所定の属性を有する不動産の所有者を特定するのに用いられる。ステップS8で特定される住所が地番である場合は、ステップS9は省略され、ステップS8からステップS10へ移行する。
【0076】
次に、サーバ装置2は、住所と、該住所に対応する関連情報との対応関係をもとに、ステップS8にて特定した住所に対応する関連情報を特定する(ステップS10)。関連情報は、例えば、不動産の用途地域、建ぺい率、容積率、通学区域の小中学校、気候、将来推定人口、ハザード情報、不動産評価額等である。ステップS10では、緯度経度と、該緯度経度に対応する関連情報との対応関係をもとに、特定した緯度経度に対応する関連情報を特定してもよい。
【0077】
不動産の用途地域は、都市計画で定められた土地利用の種類の区分である。建ぺい率は、敷地の中で建物を建てられる割合である。容積率は、建物の床面積の敷地面積に対する割合である。建ぺい率と容積率は、不動産の用途地域に応じて上限が定められている。通学区域の小中学校は、所定の領域の就学予定者が就学すべき小中学校である。気候は、所定の領域の平均気温、平均降水量、平均降雪量、平均日照量等である。将来推定人口は、所定の領域の将来(例えば、5年ごと)の人口を推定したものである。ハザード情報は、所定の領域ごとに災害のリスクに関する情報である。不動産評価額は、不動産の価格に関する情報である。例えば、不動産評価額は、公示価格、路線価、固定資産税評価額、周辺売買事例価格等から算出される不動産の価格が含まれる。
【0078】
住所又は緯度経度に対応する関連情報を特定する方法は、特に限定されない。サーバ装置2は、住所又は緯度経度と、該住所又は該緯度経度に対応する関連情報が関連付けて記憶されたデータを用いて、ステップS7にて特定した緯度経度、又は、ステップS8にて特定した住所に対応する各種関連情報を特定してもよい。その他、サーバ装置2が、他のコンピュータ装置から構成されるシステムと連携して、ステップS7にて特定した緯度経度、又は、ステップS8にて特定した住所に対応する関連情報を特定してもよい。制御部11が、オープンデータを利用して、ステップS7にて特定した緯度経度、又は、ステップS8にて特定した住所に対応する関連情報を特定してもよい。例えば、サーバ装置2は、国土地理院や地方自治体が提供する関連情報に関する情報のデータベースを記憶するコンピュータ装置にアクセスし、緯度経度、又は、住所に対応する関連情報を受信してもよい。
【0079】
次に、サーバ装置2は、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、ステップS8により特定した住所に対応する不動産の所有者を特定する(ステップS11)。特定された不動産の所有者に関する情報は、特定された第2領域に関する情報と関連付けて、サーバ装置2のストレージ部23に記憶される(ステップS12)。所有者に関する情報は、例えば、不動産の所有者の氏名、連絡先等である。第2領域に関する情報は、例えば、第2領域の住所(住居表示及び/又は地番)、緯度及び経度、特定された変化、不動産の属性等である。
【0080】
ステップS11では、住所と、該住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先との対応関係をもとに、ステップS8により特定した住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先を特定してもよい。ステップS8又はS9において、サーバ装置2が地番を特定した場合は、サーバ装置2は、地番と、地番に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した地番に対応する不動産の所有者及びその連絡先を特定する。
【0081】
住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先を特定する方法は、特に限定されないが、サーバ装置2は、住所と、該住所に対応する不動産の所有者が関連付けて記憶されたデータを用いて、不動産の所有者及びその連絡先を特定することが好ましい。例えば、サーバ装置2のストレージ部23には、住所(地番)と関連付けて、住所(地番)に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先が記憶された所有者マスターテーブルが登録されており、サーバ装置2は、所有者マスターテーブルを参照することで、ステップS8にて特定した住所又はステップS8又はS9にて特定した地番に対応する所有者及びその連絡先を特定することができる。
【0082】
その他、サーバ装置2が、他のコンピュータ装置から構成されるシステムと連携して、ステップS8又はS9にて特定した地番に対応する所有者及びその連絡先を特定してもよい。この場合、サーバ装置2は、例えば、法務省が提供する登記・供託オンライン申請システムと連携して、ステップS8にて特定した住所又はステップS8又はS9にて特定した地番に対応する所有者及びその連絡先を特定することができる。サーバ装置2は、登記・供託オンライン申請システムから地番に対応する所有者及びその連絡先が記録された登記簿データを受信することができる。
【0083】
ステップS11にて特定される「所有者」とは、所有者の氏名である。また、ステップS11にて特定される所有者の連絡先としては、特に限定されないが、固定の電話番号、携帯電話の電話番号、メールアドレス、ファクシミリ番号、住所(住居表示)、郵便番号等をあげることができる。特定された所有者の氏名及び連絡先をサーバ装置2から利用者端末1に送信し、利用者端末1の表示部15に表示する等の出力をすることで、利用者は、所定の変化が発生し、所定の属性を有する不動産の所有者に対して、電話、eメール、ファクシミリ、郵便物等により連絡をとることが可能となる。これらのいずれの連絡方法を採用するかについては、その目的によって、適宜変更することができる。
【0084】
次に、サーバ装置2は、利用者端末1への入力に応じて、ステップS11にて特定した所有者の連絡先を利用して、特定した所有者、つまり所定の属性を有する不動産の所有者へ所定の情報を送信する(ステップS13)。ステップS1~S13を実行することにより、特定処理は終了する。
【0085】
ステップS13にて送信される所定の情報は、特に限定されない。所定の情報は、利用者が利用者端末1の入力部14を操作して、ストレージ部23に記憶しておくことができる。ストレージ部23に記憶された所定の情報は、ステップS13を実行するにあたり読み出される。
【0086】
ステップS13にて不動産の所有者へ送信される所定の情報は、所定の変化、所定の属性の種類、利用者の目的等に応じて適宜変更することができる。例えば、所定の変化が、解体である場合は、サーバ装置2は、不動産の売却、貸地の提案、建て替えの提案等をするためのメッセージや提案文を、不動産の所有者へ送信できる。また、例えば、所定の変化が、新築又は建替である場合は、サーバ装置2は、賃貸の提案、賃貸物件の仲介者の紹介、新規設備の提案等をするためのメッセージや提案分を、不動産の所有者へ送信できる。また、例えば、所定の属性が、遊休地や空き家である場合は、サーバ装置2は、不動産の売却や貸地の提案をするためのメッセージや提案文を、不動産の所有者へ送信できる。また、所定の情報には、宛名として所有者の氏名や、どの不動産に関する提案であるかを特定するための不動産の住所(地番、住居表示)に関する情報が含まれていてもよい。
【0087】
ステップS13において、所定の情報を送信する方法も特に限定されない。例えば、eメールやファクシミリにて、サーバ装置2から所定の情報が、特定された所有者へ送信される。所定の情報を送信する方法は、利用者が利用者端末1の入力部14を操作して、選択できるようにしてもよい。
【0088】
また、ステップS13の不動産の所有者へ所定の情報を送信する処理に代えて、或いは、不動産の所有者へ所定の情報を送信する処理に加えて、ステップS11にて特定した所有者へ、所定の情報を送信するための送信情報又は送付物を送付するための送付情報を他のコンピュータ装置へ送信する処理、前記送付情報を媒体に印刷するよう制御する処理、及び/又は、前記送付情報を記憶媒体に記憶する処理等が実行されてもよい。サーバ装置2がステップS11を実行した後に、これらのいずれの処理を実行するかについては、適宜設計することが可能である。利用者が利用者端末1の入力部14を操作することで、これらのいずれの処理を実行するかを選択できるようにすることも可能である。
【0089】
サーバ装置2は、ステップS11にて特定した所有者へ、所定の情報を送信するための送信情報を、他のコンピュータ装置へ送信する処理を実行することで、他のコンピュータ装置は、他のコンピュータ装置から、所有者へ、eメールやファクシミリで所定の情報を送信することが可能となる。送信情報には、所有者の氏名、メールアドレス又はファクシミリ番号等の連絡先、特定された不動産の住所(地番、住居表示)が含まれる。ここで、他のコンピュータ装置は、利用者とは異なる他の事業者等が運営するものであってもよい。
【0090】
また、サーバ装置2は、ステップS11にて特定した所有者へ、送付物を送付するための送付情報を、他の事業者等が運営する他のコンピュータ装置へ送信する処理を実行することで、他の事業者等から、所有者へ送付物を宅配や郵便により送付することができる。送付情報には、所有者の氏名、住所(住居表示)及び電話番号等の連絡先、特定された不動産の住所(地番、住居表示)が含まれる。送付物の内容は、所定の変化、不動産の所定の属性、その目的等に応じて適宜変更することができる。例えば、所定の属性が、遊休地や空き家である場合は、不動産の売却や賃貸や活用の提案をするためのメッセージや提案文を、不動産の所有者へ送信することができる。
【0091】
サーバ装置2は、ステップS11にて特定した所有者へ、送付物を送付するための送付情報(所有者の氏名と住所)を媒体に印刷するよう制御する処理を実行することで、例えば、所有者の氏名と住所が表示された紙等の媒体を印刷することができる。所有者の氏名と住所を紙等の媒体に印刷し、これを送付物に貼付することで、所有者へ送付物を送付することが可能となる。ここで、使用する媒体は、印刷面の裏面に粘着剤が塗工され、剥離紙をはがすことで利用可能なシール状のものを用いることができる。送付物の内容は、所定の変化、不動産の所定の属性、その目的等に応じて適宜変更することができる。
【0092】
サーバ装置2は、ステップS11にて特定した所有者へ、送付物を送付するための送付情報(所有者の氏名とその連絡先、特定された不動産の住所(地番))を外部記憶媒体(例えば、光ディスク、フラッシュメモリー、ハードディスク)に記憶する処理等を実行することもできる。送付情報を記憶した外部記憶媒体を、利用者とは異なる他の事業者等に引き渡すことで、他の事業者から所有者へ送付物を宅配や郵便により送付することが可能となる。送付物の内容は、所定の変化、不動産の所定の属性、その目的等に応じて適宜変更することができる。
【0093】
次に、本発明の実施の形態に係るシステムにおける特定処理の第2の実施の形態について説明をする。第2の実施の形態の特定処理は、第1の実施の形態の特定処理のステップS4~S6に代えて、以下のステップS21~S24を実行する点で相違する。ステップS1~S3及びS7~S13の処理については、同様の処理であるため必要に応じて説明を省略する。また、第1の実施の形態において説明した用語は、第1の実施の形態で記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0094】
第2の実施の形態において、上記ステップS1~S3の処理が実行される。ステップS3にて、第1領域の緯度経度が特定されると、サーバ装置2は、第3画像及び第4画像を取得する(ステップS21)。第4画像は、地上を上空から撮影した撮影画像であり、第1領域の少なくとも一部を撮影した撮影画像である。第4画像は、第1領域全体を含むように撮影した撮影画像であってもよい。撮影画像は、上記で説明した撮影画像と同義であるため説明を省略する。
【0095】
第4画像は、第4の時に撮影された撮影画像である。第1画像が撮影された第1の時が、第2画像が撮影された第2の時よりも後の場合、第3画像が撮影された第3の時が、第1の時以後の時であり、第4の時が、第2の時以前の時であってもよい。或いは、第3の時が、第1の時から所定の範囲(例えば、3日間)内の時であり、第4の時が、第2の時から所定の範囲内の時であってもよい。所定の範囲は、特に限定されず、管理者又は利用者により、適宜設定可能である。
【0096】
ステップS21にて取得される撮影画像は、撮影した日時と、撮影画像中の各地点又は各領域の緯度経度とを特定することが可能な画像データが用いられる。そのため、第1の時、第2の時、及び、ステップS3にて特定された緯度経度を用いて、サーバ装置2は、第3画像及び第4画像を特定することができる。
【0097】
上述のとおり、第3画像及び第4画像は、解像度の高い撮影画像であってもよい。解像度の高い撮影画像としては、例えば、解像度が1m以下のものとしてもよい。また、第3画像及び第4画像は、日中に撮影された光学画像であってもよい。第3画像及び第4画像は、同じ解像度を有していてもよい。
【0098】
なお、ステップS21において、サーバ装置2が外部システムと連携する場合、サーバ装置2は、他のコンピュータ装置に対して、第3画像及び第4画像の取得要求を送信する。取得要求には、取得する撮影画像の撮影日時に関する情報及び撮影画像を撮影した領域に関する情報(例えば、ステップS3にて特定した緯度経度)が含まれる。ステップS4にて連携する外部システムと、ステップS1にて連携する外部システムとは、同じシステムであってもよく、異なるシステムであってもよい。
【0099】
なお、ステップS21における第3画像及び第4画像の取得は、ステップS4と同様に、利用者が利用者端末1を操作した入力に応じて、実行されてもよい。
【0100】
ステップS21にて、第3画像及び第4画像が取得されると、サーバ装置2は、第3画像と、第4画像とに基づいて、第1領域内の変化が発生した第2領域を特定する(ステップS22)。ステップS22における第2領域の特定処理は、ステップS2において第1領域を特定した処理と同様に実行されるため、説明を省略する。
【0101】
ステップS22にて第2領域が特定されると、サーバ装置2は、特定した第2領域において所定の変化が発生したか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23で判定される所定の変化は、ステップS1にて入力され得る。
【0102】
ステップS23では、サーバ装置2は、ステップS5の処理と同様に、第1予測モデルに第3画像又は第4画像を入力することで、第2領域において所定の変化が発生したか否かを判定してもよい。例えば、第1予測モデルに第3画像又は第4画像に対応する画像データを入力し、所定の変化が発生した領域が、ステップS22で特定した第2領域と一致する場合、サーバ装置2は、該第2領域において所定の変化が発生したと判定できる。
【0103】
或いは、ステップS23では、サーバ装置2は、第3画像及び第4画像をもとに、特定した第2領域において所定の変化が発生したか否かを判定してもよい。第3画像及び第4画像をもとに、サーバ装置2が所定の変化が発生した第2領域を特定する方法は、特に限定されない。例えば、サーバ装置2は、第4予測モデルを利用して、ステップS22において特定した第2領域が、所定の変化が発生した第2領域であるか否かを判定できる。第4予測モデルは、基準(サンプル)となる撮影画像であって、同じ領域を異なる時に撮影した2以上の撮影画像について、変化(例えば、解体、新築、建替、又は修繕)が明らかとなっている画像データ(画像を構成する各画素のRGB等の情報)を入力データとし、該撮影画像内の位置、及び、該位置に対応する領域における変化に関する情報を出力データとして機械学習された予測モデルである。
【0104】
サーバ装置2が第2領域の変化が解体であるか否かを判定する場合、サーバ装置2は、上空から撮影した解体される前の領域、及び、解体された後の領域についての複数の画像データを入力データとした第4予測モデルを用いる。
【0105】
サーバ装置2が第2領域の変化が新築であるか否かを判定する場合、サーバ装置2は、上空から撮影した着工前の領域、及び、竣工後の領域についての複数の画像データを入力データとした第4予測モデルを用いる。
【0106】
サーバ装置2が第2領域の変化が建替であるか否かを判定する場合、サーバ装置2は、上空から撮影した建て替え前の領域、及び、建て替え後の領域についての複数の画像データを入力データとした第4予測モデルを用いる。
【0107】
サーバ装置2が第2領域の変化が修繕であるか否かを判定する場合、サーバ装置2は、上空から撮影した修繕前の領域、及び、修繕後の領域についての複数の画像データを入力データとした第4予測モデルを用いる。
【0108】
機械学習のアルゴリズムは、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。機械学習のアルゴリズムは上記と同様であるため、説明を省略する。
【0109】
特定した第2領域において所定の変化が発生していた場合(ステップS23にてYES)、サーバ装置2は、特定した第2領域が所定の不動産の属性を有するか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24で判定される不動産の属性は、ステップS1にて入力され得る。
【0110】
ステップS24では、サーバ装置2は、ステップS6の処理と同様に、第2予測モデルに第3画像又は第4画像を入力することで、第2領域が所定の不動産の属性を有するか否かを判定してもよい。例えば、第2予測モデルに第3画像又は第4画像に対応する画像データを入力し、所定の不動産の属性を有する領域が、ステップS23で所定の変化が発生したと判定された第2領域と一致する場合、サーバ装置2は、該第2領域は所定の不動産の属性を有するものと判定できる。
【0111】
特定した第2領域が所定の不動産の属性を有する場合(ステップS24にてYES)、特定した第2領域に対して、ステップS7~S13の処理が実行される。これにより、第2の実施の形態に係る特定処理は終了する。一方、ステップS23において、第2領域において所定の変化が発生していないと判定された場合(ステップS23にてNO)、或いは、ステップS24において、第2領域が所定の不動産の属性を有しないと判定された場合(ステップS23にてNO)、第2の実施の形態に係る特定処理は終了する。
【0112】
次に、本発明の実施の形態に係るシステムにおける特定処理の第3の実施の形態について説明をする。図6は、本発明の第3の実施の形態に係る不動産及び所有者特定処理のフローチャートを示す図である。第3の実施の形態の特定処理は、以下のステップS31~S43により実行される。第3の実施の形態の特定処理は、第1の実施の形態の特定処理のステップS4~S6に代えて、以下のステップS34~S36を実行する点で相違する。ステップS31~S33及びS37~S43の処理については、ステップS1~S3及びS7~S13と同様の処理であるため必要に応じて説明を省略する。また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において説明した用語は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0113】
第3の実施の形態において、ステップS31~S33では、ステップS1~S3の処理と同様の処理が実行される。ステップS33にて、第1領域の緯度経度が特定されると、サーバ装置2は、第3画像を取得する(ステップS34)。第3画像の取得は、ステップS4の処理と同様に実行されてもよい。
【0114】
ステップS34にて第3画像が取得されると、サーバ装置2は、第3画像を利用者端末1に送信し、利用者端末1は、第3画像を表示部15に表示する。利用者は、表示された第3画像を目視で確認する。そして、利用者は、利用者端末1を操作して、表示された第3画像上における領域を選択することで、第1領域内の第2領域を選択する。これにより、利用者端末1は、第2領域の選択を受け付ける(ステップS35)。
【0115】
ステップS35にて選択を受け付ける第2領域は、利用者により任意に選択可能であり、所定の変化が発生した領域であってもよく、所定の不動産の属性を有する領域であってもよく、その両方であってもよい。第3画像が、利用者端末1に表示される際に、第3画像に地図データが重畳されて表示されてもよい。地図データは、第3画像で示された領域の住所を示すものであってもよく、地番を示すものであってもよく、用途地域を示すものであってもよい。
【0116】
ステップS35にて表示される第3画像では、ステップS32にて特定した第1領域の輪郭が表示されてもよく、ステップS33にて特定した第1領域の緯度経度の位置が理解できる態様(例えば、標識)で表示されてもよい。例えば、第3画像において、第1領域の中心位置を示す標識が表示されてもよい。また、ステップS35では、サーバ装置2は、第3画像において、第1領域の変化が発生した度合いに応じて、それぞれの第1領域の表示態様を変化させてもよい。第1領域の変化が発生した度合いは、例えば、上述の画素の変化量又はウィンドウ内の変化量に対応する。例えば、表示態様を変化させるとは、ウィンドウ内の変化量に応じて、第1領域に重畳して表示する色の色味、濃さ、又は透明度を異ならせてもよく、第1領域の輪郭の表示を点滅させてもよい。
【0117】
利用者端末1は、ステップS35にて選択を受け付けた第2領域に関する情報をサーバ装置2に送信する。サーバ装置2は、第2領域に関する情報を受信することで、第2領域を特定する(ステップS36)。
【0118】
ステップS36にて第2領域が特定されると、ステップS37~S43の処理が実行され、第3の実施の形態の特定処理が終了する。ステップS37~S43では、上記ステップS7~S13の処理が実行される。
【0119】
なお、ステップS34の処理は、省略されてもよい。この場合、ステップS35における第2領域の選択の受付の際に、利用者端末1にて表示される撮影画像は、ステップS31において利用された第1画像及び/又は第2画像であってもよい。ステップS35にて表示される第1画像及び/又は第2画像は、ステップS32にて特定した第1領域を撮影した撮影画像である。或いは、利用者が、第1領域に対応する現実世界の地域に実際に赴き、第2領域を確認してもよい。利用者は、利用者端末1を操作し、ステップS35にて、第2領域を特定可能な情報(例えば、住所)を入力することとしてもよい。
【0120】
なお、ステップS34~S36の処理は、利用者端末1への操作に応じて実行されてもよい。また、ステップS35の処理は、管理者端末3にて実行されてもよい。例えば、ステップS1~S3の処理にて第1領域が特定されると、利用者端末1において、1又は複数の第1領域が表示される。利用者端末1は、第2領域を特定するための第1領域の選択を受け付け、ステップS35の実行要求を送信する。実行要求がサーバ装置2で受信されると、ステップS34が実行され、第3画像が特定されてもよい。特定した第3画像に関する情報、第1画像に関する情報、若しくは、第2画像に関する情報、及び、第2領域の特定に関する情報が管理者端末3に受信される。管理者端末3では、第1画像、第2画像、又は、第3画像と、第2領域の特定に関する情報とが表示される。第2領域の特定に関する情報は、例えば、利用者がステップS1にて入力した、第2領域を特定するための所定の変化、及び/又は、所定の不動産の属性に関する情報である。そして、管理者は、管理者端末3を操作して、表示された画像上における領域を選択することで、第1領域内の第2領域を選択する。これにより、管理者端末3は、第2領域の選択を受け付ける。
【0121】
なお、上記では、利用者端末1又は管理者端末3への操作により、第2領域の選択を受け付ける態様について説明したが、第2領域の選択の受け付けは、これに限られない。例えば、ステップS35では、サーバ装置2により、第2領域の選択の受け付けが実行されてもよい。この場合、ステップS5、S6又はS22の処理により、サーバ装置2は、第2領域の選択を受け付けることができる。
【0122】
[その他の実施の形態]
本発明に係るシステム10は、上記の第1の実施の形態、第2の実施の形態、及び、第3の実施の形態に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。また、上記のシステム10の構成、及び、以下の構成を任意に組み合わせてもよい。
【0123】
なお、第1の時と第2の時の前後関係は、逆であってもよい。例えば、第1の時は、第2の時より前の時であってもよい。このとき、第1の実施の形態においては、第3の時は、第2の時以後の時であってもよく、第1の時以前の時であってもよく、第1の時から第2の時までの間の時であってもよい。第2の実施の形態においては、第3の時が、第2の時以後の時であり、第4の時が、第1の時以前の時であってもよい。
【0124】
なお、ステップS2又はS32にて特定される第1領域は、1つであってもよく、複数であってもよい。複数の第1領域が特定されると、ステップS4、S21、又はS34にて、それぞれの第1領域を撮影した複数の第3画像、又は、複数の第3画像及び複数の第4画像が特定される。また、ステップS5、S6、若しくはS22にて特定される第2領域、又は、ステップS35にて選択を受け付け、ステップS36にて特定される第2領域は、1つであってもよく、複数であってもよい。複数の第2領域が特定されると、それぞれの第2領域に対して、ステップS7又はS37以降の処理が、実行される。そのため、特定処理において、特定される不動産の所有者及びその連絡先は、複数であってもよい。
【0125】
なお、ステップS23における所定の変化が発生した第2領域であるか否かの判定、及び/又は、ステップS24における所定の不動産の属性を有する第2領域であるか否かの判定は、利用者が利用者端末1を操作した入力に応じて、実行されてもよい。例えば、利用者端末1にステップS22にて特定された第2領域が表示される。利用者は、目視で、該第2領域において所定の変化が発生したか否か、又は、該第2領域が所定の不動産の属性を有するか否かを判別する。そして、利用者端末1への入力に応じて、判別結果を入力することで、ステップS23又は24の処理が実行されてもよい。なお、この処理は、管理者端末3にて実行されてもよい。
【0126】
なお、ステップS5は、第3画像から、所定の変化が発生した第2領域を特定するものであり、ステップS23は、第2領域において所定の変化が発生したか否かを判定するものであるが、ステップS1において、利用者は利用者端末1の入力部14を操作して、例えば、解体、新築、建替、修繕等の選択肢から、上記所定の変化を選択してもよい。利用者は、どのような変化を有する不動産の所有者とその連絡先を特定したいのかに応じて、これらの選択肢のうち1の変化を選択する。
【0127】
なお、ステップS6は、第3画像から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定するものであり、ステップS24は、第2領域が所定の不動産の属性を有するか否かを判定するものであるが、ステップS1において、利用者は利用者端末1の入力部14を操作して、例えば、空き家、遊休地、駐車場、農業地等の選択肢から、上記所定の属性を選択してもよい。利用者は、どのような属性の不動産の所有者とその連絡先を特定したいのかに応じて、これらの選択肢のうち1の属性を選択する。さらに、所定の属性の選択に加え、ステップS1において、利用者は利用者端末1の入力部14を操作して、例えば、変化発生前、又は、変化発生後の選択肢から、探索する領域について、所定の不動産の属性を有する時を選択してもよい。サーバ装置2は、選択された時に応じて、ステップS4にて取得する第3画像が撮影された時を特定できる。また、サーバ装置2は、選択された時に応じて、ステップS24を実行する画像を第3画像又は第4画像から選択できる。
【0128】
所定の不動産の属性を有する時が選択されない場合、S24では第3画像が利用されることが好ましい。また、このとき、ステップS6又はS24にて利用される第3画像は、第1の時以後又は第1の時から所定の範囲内の時に撮影された撮影画像であることが好ましい。また、ステップS6又はS24にて利用される第3画像は、撮影された日時が最も新しいものであってもよい。
【0129】
なお、ステップS3又はS33の処理は省略してもよい。この場合、緯度経度に代えて、第1領域を特定可能な情報として、住所、地名、地域等が特定されてもよい。ステップS4、S21、又はS34では、第1領域を特定可能な情報をもとに、第3画像、又は、第3画像及び第4画像が特定される。
【0130】
なお、ステップS4の処理は、省略されてもよい。この場合、ステップS5及びS6では、第3画像に代えて、ステップS1において利用された第1画像及び/又は第2画像を利用できる。ステップS5及びS6にて利用される第1画像及び/又は第2画像は、ステップS2にて特定した第1領域を撮影した撮影画像である。つまり、システム10は、第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像、第1画像、又は第2画像に基づいて、所定の条件を満たす第1領域内の第2領域を特定することができる。
【0131】
なお、ステップS21の処理は、省略されてもよい。この場合、ステップS22、S34、及びS24では、第3画像及び第4画像に代えて、ステップS1において利用された第1画像及び第2画像を利用できる。ステップS22、S34、及びS24にて利用される第1画像及び第2画像は、ステップS2にて特定した第1領域を撮影した撮影画像である。
【0132】
なお、ステップS4~S7、ステップS21~S24及びS7、又は、ステップS34~S37の処理は省略してもよい。このとき、ステップS8又はS38では、ステップS3又はS33にて特定した緯度経度を利用して、第1領域に対応する不動産の住所を特定する。第1領域に対応する住所は、第1領域内の少なくとも一部の領域に対応する住所であればよい。また、第1領域に対応する住所は、1又は複数の住所であってもよい。そして、サーバ装置2は、上記と同様に、ステップS9~11又はS39~S41の処理を実行することで、第1領域に対応する住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所に対応する不動産の所有者を特定することができる。
【0133】
また、サーバ装置2は、第1領域に所定の変化が発生したとき、及び/又は、第1領域が所定の不動産の属性を有するときに、第1領域に対応する不動産の住所を特定することとしてもよく、特定した住所に対応する不動産の所有者を特定することとしてもよい。この態様において、システム10は、ステップS1~S3により特定した第1領域について、ステップS21及びS22を省略し、ステップS23及び/又はS24を実行する。そして、ステップS7以降の処理が実行される。
【0134】
なお、上記では、システム10が、第3画像、又は、第3画像及び第4画像に基づいて、第1領域内の所定の変化が発生した第2領域、及び、第1領域内の所定の不動産の属性を有する第2領域を特定する態様について説明したが、これに限られない。例えば、ステップS5又はステップS23の処理が省略されてもよい。また、例えば、ステップS6又はステップS24の処理が省略されてもよい。つまり、システム10が、第3画像、又は、第3画像及び第4画像に基づいて、第1領域内の所定の変化が発生した第2領域、又は、第1領域内の所定の不動産の属性を有する第2領域を特定することとしてもよい。
【0135】
なお、第2の実施の形態において、ステップS23及びS24の処理が省略されてもよい。また、ステップS22にて実行された第2領域が撮影された第1画像、第2画像、第3画像、又は第4画像を利用して、第3の実施の形態のステップS35以降の処理が実行されてもよい。
【0136】
なお、ステップS10又はS40の処理は、ステップS7又はS37の後に実行されてもよい。また、ステップS7又はS37までの処理と、ステップS10又はS40の処理とを実行後、利用者端末1への操作入力に応じて、又は、利用者端末1にて選択を受け付けた第2領域について、ステップS8、S9、S11、及びS13、又は、ステップS38、S39、S41、及びS43の処理が実行されてもよい。或いは、ステップS8又はS38までの処理と、ステップS10又はS40の処理とを実行後、利用者端末1の操作入力に応じて、又は、利用者端末1にて選択を受け付けた第2領域について、ステップS9、S11、及びS13、又は、ステップS39、S41、及びS43の処理が実行されてもよい。
【0137】
なお、サーバ装置2は、ステップS4にて取得した第3画像をもとに、公知の方法で輪郭を抽出する処理を実行し、第3画像を輪郭で区切られた複数の領域に分けることができる。そして、サーバ装置2は、これらの複数の領域ごとに、第1予測モデル及び/又は第2予測モデルを用いて、所定の変化が発生した不動産、及び/又は、所定の属性を有する不動産に対応する領域であるか否かを判定することができる。
【0138】
なお、ステップS4、S21、又はS34の処理は、第1領域を特定するための撮影画像(第1画像及び第2画像)と性質が異なる撮影画像を取得する処理であってもよい。第1画像及び第2画像と性質が異なる撮影画像は、例えば、第1画像及び第2画像と、異なる解像度を有するもの、異なる波長を用いて撮影するもの、異なる時間帯で撮影されたもの等である。異なる波長を用いて撮影するものは、例えば、第1画像及び第2画像が可視光画像の場合、性質が異なる撮影画像は、熱赤外線画像やSAR画像である。システム10は、ステップS1~S4、ステップS1~S3及びS21、又は、ステップS1~S3及びS34の処理により、変化が発生した第1領域を特定し、さらに、その第1領域を撮影した性質の異なる撮影画像を特定できる。
【0139】
上述した実施の形態では、利用者端末1及び/又は管理者端末3とサーバ装置2が通信接続し、特定処理が実行される態様について述べたが、例えば、利用者端末1において、特定処理が実行されてもよい。この場合、上述した実施の形態におけるサーバ装置2で実行した処理が、利用者端末1の制御部11において実行される。利用者端末1における処理にて必要な情報は、ストレージ部13に予め記憶されていてもよく、外部記憶装置から読みだしてもよい。
【0140】
利用者は、利用者端末1を操作して、ステップS8、S11、S13、S38、S41、又はS43の処理を実行するための要求をすることができる。また、システム10は、ステッS8、S11、S13、S38、S41、又はS43の処理を実行する場合に、利用者に対して課金をするようにすることもできる。例えば、ステップS8又はS38を実行後、システム10は、特定した第2領域に対応する不動産の住所、並びに、特定した変化、特定した不動産の属性、及び/又は、第2領域を示した地図情報を利用者端末1において表示するように制御してもよい。利用者が、利用者端末1の表示画面に表示された、ステップS11又はS41の処理を実行するための要求ボタンを選択すると、ステップS9~S11又はS39~S41の処理が実行され、利用者に対して課金することとしてもよい。
【0141】
このように、少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムが、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定手段と、前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像、前記第1画像、又は、前記第2画像をもとに、前記第1領域内の第2領域の選択を受け付ける選択受付手段と、前記第2領域に対応する住所を特定する住所特定手段とを備え、前記第1画像、前記第2画像、及び/又は前記第3画像が、地上を上空から撮影した撮影画像であることで、変化が発生した第1領域内の第2領域に対応する住所を特定できる。また、いち早く変化が発生した領域に対応する住所を発見できる。
【0142】
このように、少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムが、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定手段と、前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像に基づいて、所定の条件を満たす前記第1領域内の第2領域を特定する第2領域特定手段とを備え、前記第1画像、前記第2画像、及び前記第3画像が、地上を上空から撮影した撮影画像であることで、所定の条件を満たす第1領域内の第2領域を特定できる。また、いち早く変化が発生した領域を発見できる。
【0143】
また、このように、前記第1画像及び前記第2画像が、前記第3画像よりも、低解像度の撮影画像であることで、第1領域内の所定の条件を満たす第2領域を特定する負担を軽減する。例えば、処理速度の向上や処理費用の削減をすることができる。また、このように、前記第3画像が、日中に撮影された光学画像であり、前記第1画像及び前記第2画像が、夜間に撮影された光学画像、赤外線画像、若しくは、SAR画像であることで、第1領域から所定の条件を満たす第2領域を特定するときに、異なる性質の画像を用いるため、異なる観点から第2領域を特定できる。例えば、夜間光画像や赤外線画像の変化により、人口が増えた領域や、成長又は発展している領域等を特定したうえで、日中に撮影された光学画像により、具体的な変化を特定できる。また、例えば、SAR画像の変化により、地形に変化が発生した領域を特定したうえで、日中に撮影された光学画像により、具体的な変化を特定できる。さらに、異なる性質の画像を用いることで、変化のあった第2領域を漏れなく検出できる。
【0144】
また、このように、第1の時が、第2の時とは異なる日に属し、かつ、第2の時よりも後の時であり、前記第1画像及び前記第2画像が、所定の時間帯に撮影された撮影画像であることで、第1画像と第2画像とに基づいて、時間帯に依存した変化を除いて、第1領域を特定することができる。
【0145】
また、このように、第2領域特定手段が、前記第3画像に基づいて、前記第1領域内の所定の変化が発生した第2領域、及び/又は、所定の不動産の属性を有する第2領域を特定することで、第1領域内の所定の変化が発生した第2領域、及び/又は、所定の不動産の属性を有する第2領域を特定できる。また、このように、第2領域特定手段が、地上を上空から撮影した撮影画像に関する画像データを入力データとし、該撮影画像内の位置、及び、該位置に対応する領域における変化又は不動産の属性に関する情報を出力データとして機械学習された予測モデルを用いて、所定の変化が発生した第2領域を特定することで、機械学習された予測モデルを用いて、第1領域内の所定の変化が発生した第2領域を特定できる。また、このように、第2領域特定手段が、第2領域特定手段が、地上を上空から撮影した撮影画像に関する画像データを入力データとし、該撮影画像内の位置、及び、該位置に対応する領域における変化又は不動産の属性に関する情報を出力データとして機械学習された予測モデルを用いて、所定の不動産の属性を有する第2領域を特定することで、機械学習された予測モデルを用いて、第1領域内の所定の不動産の属性を有する第2領域を特定できる。
【0146】
また、このように、第2領域特定手段が、第3の時に撮影された前記第3画像と、第4の時に撮影され、前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第4画像とに基づいて、前記第1領域内の変化が発生した第2領域を特定することで、第1領域内の変化が発生した第2領域を精度よく特定できる。また、第2領域を精度よく特定することを目的として、前記第1画像及び前記第2画像が、前記第3画像及び前記第4画像よりも、低解像度の撮影画像である、又は、前記第3画像及び前記第4画像が、日中に撮影された光学画像であり、前記第1画像及び前記第2画像が、夜間に撮影された光学画像、赤外線画像、若しくは、SAR画像であることが好ましい。同様に、第2領域を精度よく特定することを目的として、第1の時が、第2の時とは異なる日に属し、かつ、第2の時よりも後の時であり、第3の時が、第1の時以後の時であり、第4の時が、第2の時以前の時であることが好ましい。
【0147】
また、このように、システムが、前記第2領域に対応する住所を特定する住所特定手段を備えることで、第2領域に対応する住所を特定できる。また、このように、住所特定手段が、前記第2領域内の少なくとも1の位置に対応する緯度及び経度を特定し、特定した緯度及び経度に対応する住所を特定することで、第2領域の少なくとも1の位置に対応する緯度及び経度に対応する不動産の住所を特定することができる。また、このように、システムが、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者を特定する所有者特定手段とを備えることで、所定の条件を満たす第2領域の住所に対応する不動産の所有者を特定できる。
【0148】
このように、少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムが、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定手段と、前記第1領域に対応する住所を特定する住所特定手段と、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者を特定する所有者特定手段とを備え、前記第1画像及び前記第2画像が、地上を上空から撮影した撮影画像であることで、変化が発生した第1領域に対応する住所における不動産の所有者を特定できる。また、このように、所有者特定手段が、前記第1領域に所定の変化が発生したとき、及び/又は、前記第1領域が所定の不動産の属性を有するときに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者を特定することで、所定の変化が発生した第1領域、及び/又は、所定の不動産の属性を有する第1領域に対応する住所における不動産の所有者を特定できる。
【0149】
また、このように、所有者特定手段が、住所と、該住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先を特定することで、住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先を特定できる。また、このように、住所特定手段により特定される住所が地番であり、所有者特定手段が、地番と、地番に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した地番に対応する不動産の所有者を特定することで、地番に対応する不動産の所有者を特定できる。
【符号の説明】
【0150】
1 利用者端末 2 サーバ装置 3 管理者端末
4 通信ネットワーク 10 システム
11 制御部 12 RAM 13 ストレージ部
14 入力部 15 表示部 16 通信インタフェース
21 制御部 22 RAM 23 ストレージ部
24 通信インタフェース
31 地図データ 32 撮影画像 33 領域
【要約】
【課題】
変化が発生した第1領域を特定し、第1領域内の第2領域を特定することのできるシステムを提供する。
【解決手段】
少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムである。システムは、第1の時に撮影された第1画像と、第2の時に撮影され、前記第1画像内の少なくとも一部の領域を撮影した第2画像とに基づいて、前記領域内の変化が発生した第1領域を特定する第1領域特定手段と、前記第1領域の少なくとも一部を撮影した第3画像、前記第1画像、又は、前記第2画像をもとに、前記第1領域内の第2領域の選択を受け付ける選択受付手段と、前記第2領域に対応する住所を特定する住所特定手段とを備える。また、前記第1画像、前記第2画像、及び/又は、前記第3画像が、地上を上空から撮影した撮影画像である。
【選択図】 図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6