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特許7603359情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241213BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024179745
(22)【出願日】2024-10-15
【審査請求日】2024-10-15
(31)【優先権主張番号】P 2024134264
(32)【優先日】2024-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524301506
【氏名又は名称】Aegis株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】南平 剛志
【審査官】日比野 可奈子
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-088843(JP,A)
【文献】特開2002-312661(JP,A)
【文献】特開2023-103464(JP,A)
【文献】特開2020-146117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽選の対象となるトレーディングカードとして予め定められた抽選対象カードの現物の在庫数量を管理する在庫管理手段と、
前記抽選対象カードの抽選を実施させる抽選操作をユーザに行わせるためのユーザインターフェースを、当該ユーザの端末に表示させる表示制御手段と、
前記抽選操作が行われると、当該抽選対象カードの種類ごとに予め定められた当選率に基づいて、前記抽選を実施する抽選手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記在庫数量が所定値以上である場合には、前記ユーザインターフェースにて前記抽選操作を行える状態にし、前記在庫数量が所定値未満である場合には、当該抽選操作を行えない状態に
前記抽選対象カードの前記当選率と、前記抽選対象カードの在庫管理の状況に応じて、前記抽選操作を行えない状態にするかどうかを決定し、
前記在庫管理の状況として、前記抽選対象カードを販売するために保有する実店舗における当該抽選対象カードの在庫数量と、当該抽選対象カードを配送するために保有する倉庫における当該抽選対象カードの在庫数量とに応じて、前記抽選操作を行えない状態にするかどうかを決定する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記ユーザが前記抽選に当選したときに、又は前記抽選対象カードの提供を受けた後に、当該ユーザの端末に、当該抽選対象カードを売却するかどうかの選択を可能にするユーザインターフェースをさらに表示させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記抽選に当選したユーザが、前記抽選対象カードの提供を受ける前に、又は当該抽選対象カードの提供を受けた後に、当該抽選対象カードの売却を選択した場合には、当該ユーザに所定のインセンティブを付与するインセンティブ付与手段をさらに有する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項4】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
抽選の対象となるトレーディングカードとして予め定められた抽選対象カードの現物の在庫数量を管理するステップと、
前記抽選対象カードの抽選を実施させる抽選操作をユーザに行わせるためのユーザインターフェースを、当該ユーザの端末に表示させるステップと、
前記抽選操作が行われると、当該抽選対象カードの種類ごとに予め定められた当選率に基づいて、前記抽選を実施するステップと、
を含み、
前記在庫数量が所定値以上である場合には、前記ユーザインターフェースにて前記抽選操作を行える状態にし、前記在庫数量が所定値未満である場合には、当該抽選操作を行えない状態に
前記抽選対象カードの前記当選率と、前記抽選対象カードの在庫管理の状況に応じて、前記抽選操作を行えない状態にするかどうかを決定し、
前記在庫管理の状況として、前記抽選対象カードを販売するために保有する実店舗における当該抽選対象カードの在庫数量と、当該抽選対象カードを配送するために保有する倉庫における当該抽選対象カードの在庫数量とに応じて、前記抽選操作を行えない状態にするかどうかを決定する、
情報処理方法。
【請求項5】
情報処理システムに、
抽選の対象となるトレーディングカードとして予め定められた抽選対象カードの現物の在庫数量を管理するステップと、
前記抽選対象カードの抽選を実施させる抽選操作をユーザに行わせるためのユーザインターフェースを、当該ユーザの端末に表示させるステップと、
前記抽選操作が行われると、当該抽選対象カードの種類ごとに予め定められた当選率に基づいて、前記抽選を実施するステップと、
を含む情報処理を実行させ、
前記在庫数量が所定値以上である場合には、前記ユーザインターフェースにて前記抽選操作を行える状態にし、前記在庫数量が所定値未満である場合には、当該抽選操作を行えない状態にし、
前記抽選対象カードの前記当選率と、前記抽選対象カードの在庫管理の状況に応じて、前記抽選操作を行えない状態にするかどうかを決定し、
前記在庫管理の状況として、前記抽選対象カードを販売するために保有する実店舗における当該抽選対象カードの在庫数量と、当該抽選対象カードを配送するために保有する倉庫における当該抽選対象カードの在庫数量とに応じて、前記抽選操作を行えない状態にするかどうかを決定する、
情報処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚のトレーディングカードの詰め合わせの中から抽選を行うトレーディングカード販売システムが知られており、関連する技術も存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2024-086855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のトレーディングカード販売システムでは、ユーザにより選択されたトレーディングカードの抽選を行う際、そのトレーディングカードが既に他のユーザに引かれてしまっている場合がある。このような場合、そのトレーディングカードをユーザが入手できる可能性がないまま抽選が行われるため、ユーザは安心して抽選を楽しむことができず、単に金銭的な損失を被るだけになってしまう。
このため、ユーザに対する抽選をより公平に行えるようにするトレーディングカード販売システムの開発が望まれていた。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザに対する抽選をより公平に行えるようにするトレーディングカード販売システムを提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
抽選の対象となるトレーディングカードとして予め定められた抽選対象カードの現物の在庫数量を管理する在庫管理手段と、
前記抽選対象カードの抽選を実施させる抽選操作をユーザに行わせるためのユーザインターフェースを、当該ユーザの端末に表示させる表示制御手段と、
前記抽選操作が行われると、当該抽選対象カードの種類ごとに予め定められた当選率に基づいて、前記抽選を実施する抽選手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記在庫数量が1以上である場合には、前記ユーザインターフェースにて前記抽選操作を行える状態にし、前記在庫数量が0(ゼロ)である場合には、当該抽選操作を行えない状態にする、
情報処理システムである。
【0007】
本発明の一態様の上記情報処理システムに対応する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理システムに対応する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザに対する抽選をより公平に行えるようにするトレーディングカード販売システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2図1の情報処理システムを構成する管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】管理サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】管理サーバの処理の流れのうち、抽選に当選したユーザに抽選対象カードが提供されるまでの処理の一例を示すフローチャートである。
図5図4に続くフローチャートである。
図6】管理サーバの処理の流れのうち、抽選に当選したユーザに抽選対象カードが提供された後にカード買い取りサービスが利用された場合の処理の一例を示すフローチャートである。
図7】ユーザが本サービスを利用することで購入したオリパ商品含まれるトレーディングカードの具体例を示す図である。
図8図7のオリパ商品に含まれるトレーディングカードの種類ごと、及びトレーディングカードに印刷されたキャラクタごとに設定された当選率又は出現率を示す表である。
図9】在庫情報の管理の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を用いて説明する。
<情報処理システムS>
図1は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムSの全体構成の一例を示す図である。
情報処理システムSは、管理サーバ1と、在庫管理端末2-1乃至2-p(pは1以上の整数値)と、ユーザ端末3-1乃至3-r(rは1以上の整数値)とがネットワークNを介して接続されることを含むように構成された情報処理システムである。ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、VPN(Vertual Private Network)等である。以下、在庫管理端末2-1乃至2-pの各々を個別に説明する必要がない場合には、これらをまとめて「在庫管理端末2」と呼ぶ。また、ユーザ端末3-1乃至3-rの各々を個別に説明する必要がない場合には、これらをまとめて「ユーザ端末3」と呼ぶ。
【0011】
情報処理システムSは、ユーザが所望するトレーディングカードをオンラインで購入できるようにするサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ。)を提供可能にするシステムである。「トレーディングカード」とは、個々に異なるキャラクタなど様々な種類の絵柄、写真、文書が印刷された、紙製、樹脂製、金属製等のカード媒体である。トレーディングカードは、販売店や個人などによる販売や配布の対象になるとともに、ユーザによる収集や交換の対象になる。
【0012】
ユーザは、本サービスを利用することで、販売店や個人などが独自に1又は複数のトレーディングカードを封入して販売するオリジナルのパッケージ商品(以下、「オリパ商品」と呼ぶ。)をオンライン購入できる。ただし、本サービスを利用したトレーディングカードの購入は抽選が前提となる。即ち、ユーザが本サービスを利用することで購入できるトレーディングカードには、個々の種類ごとに当選率が予め設定されている。
【0013】
「当選率」とは、ユーザが所望するトレーディングカードの抽選を実施させるための操作(以下、「抽選操作」と呼ぶ。)を行ったときに、そのユーザがそのトレーディングカードを購入できる確率のことをいう。例えば、ユーザが所望するトレーディングカードの当選率が1%と設定されていたとする。この場合、ユーザが、抽選操作を行うと、1%の確率でそのトレーディングカードを購入できる。以下、ユーザの抽選操作に基づく抽選の対象となるトレーディングカードのことを「抽選対象カード」と呼ぶ。
【0014】
抽選対象カードを購入しようとするユーザは、ユーザ端末3を操作して、本サービスを利用可能にする所定のウェブサイト(以下、「抽選サイト」と呼ぶ。)にアクセスする。抽選サイトには、1又は複数種類のオリパ商品を示す情報(例えば、サムネイル画像)が選択可能な態様で表示されている。ユーザは、抽選サイトに表示された、1又は複数種類のオリパ商品を示す情報のうち、自身が所望する抽選対象カードが含まれている可能性のあるオリパ商品を選択し、抽選操作を行うことでそのオリパ商品を購入する。すると、購入されたオリパ商品に含まれる可能性のある抽選対象カードの抽選が実施される。
【0015】
抽選対象カードは、オリパ商品の現物の販売を営む現実世界の実店舗や、オリパ商品を購入したユーザへの配送を前提として複数のトレーディングカードを保管する倉庫などが在庫として保有している。実店舗や倉庫などが保有する抽選対象カードの在庫数量はリアルタイムで管理されている。抽選サイトで抽選操作を行うことでオリパ商品を購入したユーザが、そのオリパ商品に含まれる可能性のある抽選対象カードの抽選に当選すると、その抽選対象カードを含む1又は複数のトレーディングカードからなるオリパ商品がユーザに提供される。具体的には、オリパ商品は、実店舗や倉庫からユーザに提供される。なお、ユーザにオリパ商品を提供する手法は特に限定されない。郵便や宅配便等によりユーザの住所にオリパ商品が配送されるようにしてもよいし、ユーザが実店舗の店頭にてオリパ商品の提供を受けてもよい。
【0016】
本サービスには、抽選対象カードの買い取りを行うサービス(以下、「カード買い取りサービス」と呼ぶ。)が含まれる。即ち、抽選対象カードの抽選に当選したユーザは、抽選対象カードを含むオリパ商品の提供を受けてもよいし、カード買い取りサービスを利用して抽選対象カードを売却してもよい。なお、ユーザがカード買い取りサービスを利用するタイミングは特に限定されない。例えば、ユーザは、抽選対象カードの抽選に当選したときにカード買い取りサービスを利用してもよいし、実際に抽選対象カードの提供を受けた後にカード買い取りサービスを利用してもよい。
【0017】
カード買い取りサービスでは、抽選対象カードを売却したユーザに対して対価となる現金が支払われるようにしてもよいし、所定のインセンティブが付与されるようにしてもよい。ユーザに付与される「所定のインセンティブ」の態様は特に限定されない。例えば、本サービスの利用時に支払い手段として使用可能なポイントであってもよい。
【0018】
〔管理サーバ1〕
管理サーバ1は、情報処理システムSの全体を管理するサーバとしての情報処理装置である。管理サーバ1は、情報処理システムSを利用可能にする所定のアプリケーションプログラムを実行可能とする。管理サーバ1は、在庫管理端末2、ユーザ端末3、及び外部の各々に向けて各種の情報を送信し、各種の処理を実行させることを可能とする。また、管理サーバ1は、在庫管理端末2、ユーザ端末3、及び外部の各々から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を実行することを可能とする。
【0019】
例えば、管理サーバ1は、オリパ商品を構成し得るトレーディングカード(抽選対象カードを含む)に関する情報(以下、「カード情報」と呼ぶ。)を管理する。カード情報には、トレーディングカードの種類を特定可能な情報、抽選対象カードかどうかを示す情報、トレーディングカードの種類が抽選対象カードである場合における当選率、トレーディングカードの種類が抽選対象カードでない場合における出現率などの情報が含まれる。なお、出現率については図8を参照して後述する。
【0020】
また、管理サーバ1は、抽選対象カードの現物の在庫数量を管理する。具体的には、管理サーバ1は、在庫管理端末2-1乃至2-pの各々から送信されてくる、抽選対象カードの現物の在庫数量を含む抽選対象カードの在庫に関する情報(以下、「在庫情報」と呼ぶ。)に基づいて、抽選対象カードの現物の在庫数量を管理する。
【0021】
また、管理サーバ1は、本サービスを利用するユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」と呼ぶ。)を管理する。ユーザ情報には、例えば、ユーザを一意に特定可能な情報、名前、配送先(ユーザの住所等)、インセンティブとして付与されたポイントの数量、本サービスの利用履歴(例えば、オリパ商品の購入履歴、抽選結果の履歴等)などの情報が含まれていてもよい。
【0022】
また、管理サーバ1は、抽選サイトを管理する。管理サーバ1は、抽選サイトにアクセスしてきたユーザ端末3に、抽選サイトのウェブページを表示させる。ユーザ端末3に表示される抽選サイトのウェブページには、本サービスを利用可能にするユーザインターフェースが含まれる。ユーザインターフェースには、1又は複数種類のオリパ商品を示す情報が選択可能に表示される。また、ユーザインターフェースには、抽選操作を受け付ける所定のボタン(以下、「抽選ボタン」と呼ぶ。)が表示される。このとき、管理サーバ10は、在庫数量が1以上である抽選対象カードを含むオリパ商品の抽選ボタンをユーザインターフェースに表示させる。
【0023】
管理サーバ1は、ユーザインターフェースに表示された抽選ボタンが押下されると、抽選対象カードごとに予め設定された当選率に基づく抽選を実施し、その抽選結果をユーザ端末3に表示させる。管理サーバ1は、抽選対象カードの抽選に当選したユーザが、カード買い取りサービスを利用することなくオリパ商品の提供を受ける場合には、当選した数量を在庫数量から減少させる。また、管理サーバ1は、ユーザがカード買い取りサービスを利用して抽選対象カードを売却した場合には、売却された抽選対象カードの数だけ在庫数量を増加させる。
【0024】
管理サーバ1は、ある種類の抽選対象カードの現物の在庫数量が0(ゼロ)になると、ユーザインターフェースにて抽選操作を行えない状態にする。ここで、「抽選操作を行えない状態」とは、例えば以下のような状態をいう。即ち、抽選ボタンが非表示の状態や、抽選ボタンは表示されるが抽選ボタンを押下しても抽選が実施されない状態などである。抽選ボタンが表示される場合には、抽選対象カードの在庫数量が0(ゼロ)であることを示すメッセージがユーザインターフェースに表示されるようにしてもよい。
【0025】
上述したように、本実施形態では、オリパ商品の抽選ボタンをユーザインターフェースに表示させる条件として、当該オリパ商品に含まれる全ての抽選対象カードの在庫数量がそれぞれ1以上であるという条件が含まれている。これにより、上述のオリパ商品を販売したとき、当選したカードの在庫がなくユーザに発送できないリスクを低減することができる。
【0026】
なお、本サービスを提供する者は、「オリパ商品に含まれる全ての抽選対象カードの在庫数量が所定値以上」という条件における、「所定値」を上述のリスクに基づいて設定することができる。また、「所定値」は、抽選対象カード毎に設定してもよい。所定値は、1以上が設定されることが好ましい。
即ち例えば、本サービスを提供する者は、抽選対象カードの人気度合いによって、「所定値」を設定することができる。例えば、人気が高い抽選対象カードについては、所定値を高く設定するとリスクを低減することができる。また例えば、抽選対象カードが複数のオリパ商品に含まれる場合、所定値を高く設定するとリスクを低減することができる。また例えば、抽選対象カードの仕入れ難度が低い場合(例えば、実店舗への買取持ち込みが多い場合)リスクは低減するため所定値を低く設定してもよい。
【0027】
具体的には例えば、抽選対象カード(例えば図7を用いて後述するトレーディングカード2005)について、当該抽選対象カードの人気が高く、同タイミングで販売中の5つのオリパ商品に含まれるよう設定している場合は、当該抽選対象カードが満たすべき所定値(閾値)を5とすることができるる。また、当該抽選対象カードの仕入れ難度が低い場合は閾値を4にしてもよい。
【0028】
また、管理サーバ1は、ある種類の抽選対象カードの現物の在庫数量が1以上である場合であっても、抽選対象カードの当選率と、同時期に抽選操作を行い得るユーザの人数とによっては、抽選操作を行えない状態にすることがある。具体的には、例えば、抽選対象カードの当選率が1%であり、同時期に抽選操作を行い得るユーザの人数が1000人であったとする。この場合、1000人のユーザが一斉に抽選操作を行うと、計算上10人のユーザが当選することになる。このため、管理サーバ1は、抽選対象カードの現物の在庫数量の合計が10以下になると、抽選操作を行えない状態にする。
【0029】
また、管理サーバ1は、ある種類の抽選対象カードの現物の在庫数量が1以上である場合であっても、抽選対象カードの当選率と、抽選対象カードの在庫管理の状況とによっては、抽選操作を行えない状態にすることがある。具体的には、例えば、抽選対象カードの当選率が1%であり、実店舗が在庫として保有する抽選対象カードの在庫数量が10、倉庫が在庫として保有する抽選対象カードの在庫数量が0(ゼロ)であったとする。この場合、1000人のユーザが一斉に抽選操作を行うと、計算上10人のユーザが当選することになるのに加えて、実店舗にユーザが来店してオリパ商品を直接購入する可能性がある。このため、管理サーバ1は、抽選対象カードの現物の在庫数量が10以下であり、かつその全てが実店舗の在庫である場合には、抽選操作を行えない状態にする。なお、管理サーバ1の構成及び処理の詳細については後述する。
【0030】
〔在庫管理端末2〕
在庫管理端末2は、抽選対象カードを在庫として管理する実店舗や倉庫に配備され、実店舗や倉庫に勤務する従業者等が操作する情報処理装置である。在庫管理端末2は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等で構成される。在庫管理端末2は、情報処理システムSを利用可能にする所定のアプリケーションプログラムを実行可能とする。在庫管理端末2は、管理サーバ1と外部との各々から送信されてくる各種の情報や、従業者等により入力された各種の情報等に基づいて、各種の処理を行うことを可能とする。また、在庫管理端末2は、管理サーバ1と外部との各々に向けて各種の情報を送信することを可能とする。例えば、在庫管理端末2は、在庫情報の入力を受け付けて、その入力情報を管理サーバ1に向けて送信する。
【0031】
〔ユーザ端末3〕
ユーザ端末3は、本サービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。ユーザ端末3は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等で構成される。ユーザ端末3は、情報処理システムSを利用可能にする所定のアプリケーションプログラムを実行可能とする。ユーザ端末3は、管理サーバ1と外部との各々から送信されてくる各種の情報や、ユーザにより入力された各種の情報等に基づいて、各種の処理を行うことを可能とする。また、ユーザ端末3は、管理サーバ1と外部との各々に向けて各種の情報を送信することを可能とする。
【0032】
例えば、ユーザ端末3は、ユーザの操作に基づいて、抽選サイトにアクセスし、抽選サイトのウェブページを表示する。ユーザ端末3に表示される抽選サイトのウェブページには、本サービスを利用可能にするユーザインターフェースが含まれる。ユーザインターフェースには、1又は複数種類のオリパ商品を示す情報が選択可能に表示される。また、ユーザインターフェースには、抽選ボタンが表示される。
【0033】
ユーザ端末3は、ユーザの抽選操作を受け付けて、その入力情報を管理サーバ1に向けて送信する。その後、管理サーバ1にて抽選が実施されると、管理サーバ1から抽選結果が送信されてくるので、ユーザ端末3は抽選結果を表示する。このとき、ユーザ端末3は、抽選結果が落選である場合には、その旨を示すメッセージを表示する。これに対して、抽選結果が当選である場合、ユーザ端末3は、その旨を示すメッセージを表示するとともに、売却希望ボタンを表示する。
【0034】
情報処理システムSを構成する管理サーバ1、在庫管理端末2、及びユーザ端末3の各々による上述の処理は一例に過ぎない。即ち、情報処理システムS全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよいので、上述の処理を実現させる機能のうち一部又は全部を情報処理システムS内で分担してもよいし協働してもよい。
【0035】
例えば、管理サーバ1の機能の一部又は全部を情報処理システムS内の他の情報処理装置の機能としてもよい。また、情報処理システムS内の他の情報処理装置の機能の一部又は全部を管理サーバ1の機能としてもよい。さらに、管理サーバ1の機能の一部又は全部を図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。具体的には、例えば、管理サーバ1の機能のうち、抽選対象カードの現物の在庫数量を管理する機能を、図示せぬ他のサーバ(例えば、カード在庫管理サーバ)に移譲してもよい。これにより、情報処理システムS全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことが可能となる。
【0036】
<ハードウェア構成>
〔管理サーバ1のハードウェア構成〕
図2は、図1の情報処理システムSを構成する管理サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
管理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0037】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12、及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0038】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイ、スピーカ等で構成され、各種の情報を画像、音声等として出力する。入力部17は、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成され、各種情報の入力を受け付ける。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネット等で構成された上述のネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0039】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等からなるリムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によりリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0040】
〔在庫管理端末2及びユーザ端末3のハードウェア構成〕
在庫管理端末2及びユーザ端末3は、図2に示す管理サーバ1のハードウェア構成と同様の構成を有する。即ち、在庫管理端末2及びユーザ端末3は、図2のCPU11、ROM12、RAM13、バス14、入出力インターフェース15、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20、及びリムーバブルメディア21の各々に対応する、CPU、ROM、RAM、バス、入出力インターフェース、出力部、入力部、記憶部、通信部、ドライブ、及びリムーバブルメディアの各々をそれぞれ有する。
【0041】
<管理サーバ1の機能構成>
図3は、管理サーバ1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
管理サーバ1のCPU11においては、動作する際に、取得部31と、在庫管理手段としての情報管理部32と、サイト管理部33と、表示制御手段としての表示制御部34と、抽選手段としての抽選部35と、送信制御部36とが機能する。また、管理サーバ1の記憶部18においては、各種のデータベースが設けられている。例えば、カード情報を格納するカードDB41、在庫情報を格納する在庫DB42、ユーザ情報を格納するユーザDB43などが設けられている。
【0042】
取得部31は、各種の情報を取得する。例えば、取得部31は、在庫管理端末2から送信されてきた在庫情報を取得する。また、取得部31は、ユーザ端末3から送信されてきたユーザ情報を取得する。
【0043】
情報管理部32は、記憶部18のデータベースに各種の情報を格納して管理する。例えば、情報管理部32は、カード情報をカードDB41に格納して管理する。また、情報管理部32は、取得部31により取得された在庫情報を在庫DB42に格納して管理する。また、情報管理部32は、取得部31により取得されたユーザ情報をユーザDB43に格納して管理する。
【0044】
サイト管理部33は、抽選サイトを管理する。抽選サイトは、1又は複数のウェブページで構成されている。抽選サイトのウェブページには、本サービスを利用可能にするユーザインターフェースが含まれる。ユーザインターフェースには、選択可能に表示された、1又は複数種類のオリパ商品を示す情報が含まれる。また、ユーザインターフェースには、抽選操作を受け付ける抽選ボタンが含まれる。また、ユーザインターフェースには、抽選に当選したユーザが買い取りサービスを利用する際に押下する売却希望ボタンが含まれる。
【0045】
表示制御部34は、ユーザ端末3の出力部のディスプレイに各種の情報を表示させる制御を行う。具体的には、表示制御部34は、ユーザ端末3の出力部のディスプレイに各種の情報を表示させるための表示制御情報を生成し、ユーザ端末3に向けて送信させる。例えば、表示制御部34は、ユーザ端末3がアクセス可能な抽選サイトのウェブページに上述のユーザインターフェースを表示させるための表示制御情報を生成し、ユーザ端末3に向けて送信させる。
【0046】
抽選部35は、ユーザインターフェースに表示された抽選ボタンを押下する操作が受け付けられると、抽選対象カードごとに予め設定された当選率に基づく抽選を実施する。
【0047】
送信制御部36は、通信部19に、在庫管理端末2、ユーザ端末3、及び外部の各々に向けて各種の情報を送信させる制御を行う。例えば、送信制御部36は、表示制御部34により生成された各種の表示制御情報をユーザ端末3に向けて送信させる制御を行う。
【0048】
<管理サーバ1の処理の流れ>
図4は、管理サーバ1の処理の流れのうち、抽選に当選したユーザに抽選対象カードが提供されるまでの処理の一例を示すフローチャートである。
図5は、図4に続くフローチャートである。
管理サーバ1は、オリパ商品を構成し得るトレーディングカード(抽選対象カードを含む)のカード情報を管理する(ステップS1)。
【0049】
管理サーバ1は、在庫管理端末2から在庫情報が送信されてくると(ステップS2でYES)、送信されてきた在庫情報を取得して、データベース(図3の在庫DB42)に格納して管理する(ステップS3)。これに対して、在庫情報が送信されてきていない場合(ステップS2でNO)、管理サーバ1は、ステップS2の判断処理を繰り返す。
【0050】
管理サーバ1は、ユーザ端末3からユーザ情報が送信されてくると(ステップS4でYES)、送信されてきたユーザ情報を取得して、データベース(図3のユーザDB43)に格納して管理する(ステップS5)。これに対して、ユーザ情報が送信されてきていない場合(ステップS4でNO)、管理サーバ1は、ステップS4の判断処理を繰り返す。
【0051】
管理サーバ1は、抽選対象カードの現物の在庫数量が1以上である場合には(ステップS6でYES)、ユーザインターフェースにて抽選操作を行える状態にして(ステップS7)、ステップS9の判断処理に進む。これに対して、抽選対象カードの現物の在庫数量が0(ゼロ)である場合には(ステップS6でNO)、ユーザインターフェースにて抽選操作を行えない状態にする(ステップS8)。
【0052】
管理サーバ1は、ユーザインターフェースに含まれる抽選ボタンが押下されると、(ステップS9でYES)、抽選対象カードごとに予め設定された当選率に基づく抽選を実施し(ステップS10)、その抽選結果をユーザインターフェースに表示させる(ステップS11)。これに対して、抽選ボタンが押下されていない場合(ステップS9でNO)、管理サーバ1は、ステップS9の判断処理を繰り返す。
【0053】
管理サーバ1は、抽選の結果が当選である場合には(ステップS12でYES)、売却希望ボタンをユーザインターフェースに表示させる(ステップS13)。これに対して、ステップS6の抽選の結果が落選であった場合(ステップS12でNO)、管理サーバ1は、処理を終了させる(END)。
【0054】
管理サーバ1は、ユーザ端末3に表示させた売却希望ボタンが押下されると(ステップS14でYES)、抽選対象カードの在庫数量を減少させない(ステップS15)。これにより、管理サーバ1の処理は終了する(END)。これに対して、売却希望ボタンが押下されなかった場合(ステップS14でNO)、管理サーバ1は、当選した数だけ抽選対象カードの在庫数量を減少させる(ステップS16)。また、抽選に当選したユーザに対して抽選対象カードの現物が提供される。
【0055】
図5は、管理サーバ1の処理の流れのうち、抽選に当選したユーザに抽選対象カードが提供された後にカード買い取りサービスが利用された場合の処理の一例を示すフローチャートである。
抽選に当選したユーザが、抽選対象カードを含むオリパ商品の提供を受けた後、カード買い取りサービスを利用して抽選対象カードを売却する場合には、管理サーバ1にて以下の処理が行われる。
【0056】
即ち、管理サーバ1は、売却希望ボタンが押下され(ステップS21でYES)、抽選対象カードの買い取りが完了(ユーザ側では売却が完了)すると(ステップS22でYES)、買い取った抽選対象カードの数だけ在庫数量を増加させる(ステップS23)。これに対して、売却希望ボタンが押下されない場合(ステップS21でNO)、管理サーバ1は、ステップS21の判断処理を繰り返す。また、抽選対象カードの買い取りが完了していない場合(ステップS22でNO)、管理サーバ1は、ステップS22の判断処理を繰り返す。
【0057】
次に、管理サーバ1は、カード買い取りサービスを利用して抽選対象カードを売却したユーザに対して所定のインセンティブを付与する(ステップS24)。これにより、管理サーバ1の処理は終了する(END)。
【0058】
<具体例>
〔オリパ商品の具体例〕
図7は、ユーザが本サービスを利用することで購入したオリパ商品含まれるトレーディングカードの具体例を示す図である。
図8は、図7のオリパ商品に含まれるトレーディングカードの種類ごと、及びトレーディングカードに印刷されたキャラクタごとに設定された当選率又は出現率を示す表である。
図7には、ユーザが本サービスを利用することで購入したオリパ商品2000が示されている。オリパ商品2000には、100枚のトレーディングカード2001乃至2100が含まれる。100枚のトレーディングカード2001乃至2100のうち5枚のトレーディングカード2001乃至2005は、抽選に当選することで取得可能な抽選対象カードである。
【0059】
図8に示すように、抽選対象カードとしての5枚のトレーディングカード2001乃至2005には当選率がそれぞれ設定されている。具体的には、トレーディングカード2001の当選率は1%であり、当選率が極めて低い。このためトレーディングカード2001の希少価値は極めて高い。図7に示すように、トレーディングカード2001には、希少価値が極めて高い種類の抽選対象カードであることを示す「UR」(ウルトラレア)の文字が印刷されている。なお、「UR」の文字が印刷された抽選対象カードのキャラクタの種類は1種類である。このため、図8に示すように、「UR」の文字が印刷された抽選対象カードの当選率も1%である。
【0060】
また、図8に示すように、トレーディングカード2002乃至2005の当選率はいずれも2%であり、当選率が低い。このためトレーディングカード2002乃至2005の希少価値は高い。図7に示すように、トレーディングカード2002乃至2005には、希少価値が高い抽選対象カードであることを示す「SSR」(スーパースペシャルレア)の文字がそれぞれ印刷されている。なお、「SSR」の文字が印刷された抽選対象カードのキャラクタの種類は2種類である。このため、図8に示すように、「SSR」の文字が印刷された抽選対象カードの当選率は4%である。
【0061】
また、100枚のトレーディングカード2001乃至2100のうち95枚のトレーディングカード2006乃至2100は、ユーザが所望するトレーディングカードではないため、抽選対象カードではないが、予め設定された出現率に応じてオリパ商品に含まれる。具体的には、図8に示すように、95枚のトレーディングカード2006乃至2100のうち10枚のトレーディングカード2006乃至2015の出現率はいずれも5%であり、出現率が比較的低い。このためトレーディングカード2006乃至2015の希少価値は比較的高い。図7に示すように、トレーディングカード2006乃至2015には、希少価値が比較的高いトレーディングカードであることを示す「SR」(スーパーレア)の文字がそれぞれ印刷されている。なお、「SR」の文字が印刷された抽選対象カードのキャラクタの種類は2種類である。このため、図8に示すように、「SR」の文字が印刷されたトレーディングカードの出現率は10%である。
【0062】
また、図8に示すように、95枚のトレーディングカード2006乃至2100のうち16枚のトレーディングカード2016乃至2031の出現率はいずれも8%であり、出現率が比較的高い。このためトレーディングカード2016乃至2031の希少価値は比較的低い。図7に示すように、トレーディングカード2016乃至2031には、希少価値が比較的低いトレーディングカードであることを示す「R」(スーパーレア)の文字がそれぞれ印刷されている。なお、「R」の文字が印刷された抽選対象カードのキャラクタの種類は2種類である。このため、図8に示すように、「R」の文字が印刷されたトレーディングカードの出現率は16%である。
【0063】
また、図8に示すように、95枚のトレーディングカード2006乃至2100のうち69枚のトレーディングカード2032乃至2100の出現率はいずれも23%であり、出現率が極めて高い。このためトレーディングカード2032乃至2100の希少価値は低い。図7に示すように、トレーディングカード2032乃至2100には、希少価値が低いトレーディングカードであることを示す「N」(ノーマル)の文字がそれぞれ印刷されている。なお、「N」の文字が印刷された抽選対象カードのキャラクタの種類は3種類である。このため、図8に示すように、「N」の文字が印刷されたトレーディングカードの出現率は69%である。
【0064】
〔在庫情報の管理の具体例〕
図9(A)乃至(C)は、在庫情報の管理の具体例を示す図である。なお、図9(A)乃至(C)では、同時期に抽選操作を行う他のユーザが存在しないもとする。
図9(A)には、抽選操作が行われる前の抽選対象カードの在庫数量が示されている。図9(B)には、抽選に当選したユーザに対して抽選対象カードが提供されたときの抽選対象カードの在庫数量が示されている。図9(C)には、抽選に当選したユーザに対して抽選対象カードが提供された後に売却されたときの抽選対象カードの在庫数量が示されている。
【0065】
図9(A)に示すように、抽選操作が行われる前の抽選対象カード(トレーディングカード2001)の在庫数量は「1」である。このため、管理サーバ1(図1参照)は、抽選操作を行える状態にする。そして、ユーザが抽選操作を行い、抽選に当選すると、そのユーザに対して抽選対象カード(トレーディングカード2001)が提供される。これにより、管理サーバ1は、図9(B)に示すように、抽選対象カード(トレーディングカード2001)の在庫数量を「1」から「0」に減少させ、抽選操作を行えない状態にする。
【0066】
その後、抽選対象カード(トレーディングカード2001)の提供を受けたユーザが、買い取りサービスを利用して抽選対象カード(トレーディングカード2001)を売却すると、管理サーバ1は、図9(C)に示すように、抽選対象カード(トレーディングカード2001)の在庫数量を「0」から「1」に増加させ、抽選操作を行える状態にする。
【0067】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、抽選対象カードを入手できる可能性がないにもかかわらずユーザが抽選操作を行うようなことがなくなる。その結果、抽選対象カードの抽選をより公平に行うことが可能となるので、ユーザは安心して抽選を楽しむことができる。
【0068】
<その他>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、図3乃至図6の各々に示す具体例は、いずれも本発明の目的を達成させるための一例に過ぎず、特に限定されない。
【0069】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。
【0070】
また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、管理サーバ1の機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよいし、他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0071】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0072】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0073】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0074】
換言すると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
(1)即ち、本発明が適用される情報処理システムSは、抽選の対象となるトレーディングカードとして予め定められた抽選対象カードの現物の在庫数量を管理する在庫管理手段(例えば、図3の情報管理部32)と、前記抽選対象カードの抽選を実施させる抽選操作をユーザに行わせるためのユーザインターフェースを、当該ユーザの端末に表示させる表示制御手段(例えば、図3の表示制御部34)と、前記抽選操作が行われると、当該抽選対象カードの種類(例えば、図8の抽選対象カードの種類)ごとに予め定められた当選率(例えば、図8の抽選対象カードの当選率)に基づいて、前記抽選を実施する抽選手段(例えば、図3の抽選部35)と、を有し、前記表示制御手段は、前記在庫数量が所定値以上である場合には、前記ユーザインターフェースにて前記抽選操作を行える状態にし、前記在庫数量が所定値未満である場合には、当該抽選操作を行えない状態にする情報処理システムである。
【0075】
これにより、抽選対象カードを入手できる可能性がないにもかかわらずユーザが抽選操作を行うようなことがなくなる。その結果、抽選対象カードの抽選をより公平に行うことが可能となるので、ユーザは安心して抽選を楽しむことができる。また、抽選対象カードの在庫数量が1である場合であっても、その抽選対象カードが含まれている可能性のあるオリパ商品を複数販売し、1つのオリパ商品について当選が出た時点で、他のオリパ商品の販売を直ちに終了させることもできる。
【0076】
(2)また、前記表示制御手段は、前記抽選対象カードの前記当選率と、同時期に前記抽選操作を行い得る前記ユーザの人数とに応じて、前記抽選操作を行えない状態にするかどうかを決定することができる。
抽選対象カードの在庫数量が所定値以上である場合であっても、抽選対象カードの当選率や、同時期に抽選操作を行い得るユーザの人数によっては、抽選対象カードが在庫不足に陥ることがある。これに対して、抽選操作を行えない状態にするかどうかが、抽選対象カードの当選率と、同時期に抽選操作を行い得るユーザの人数とに応じて決定されるので、ユーザが抽選操作を行ったときに既に在庫不足に陥っているような事態が抑制される。
【0077】
(3)また、前記表示制御手段は、前記抽選対象カードの前記当選率と、前記抽選対象カードの在庫管理の状況(例えば、実店舗と倉庫のそれぞれの在庫数量の状況)に応じて、前記抽選操作を行えない状態にするかどうかを決定することができる。
抽選対象カードの在庫数量が所定値以上ある場合であっても、抽選対象カードの管理の状況によっては在庫不足に陥ることがある。これに対して、抽選操作を行えない状態にするかどうかが、抽選対象カードの当選率と、抽選対象カードの管理の状況とに応じて決定される。これにより、抽選対象カードの在庫管理の実態に即した抽選の抑制が可能となる。
【0078】
(4)また、前記表示制御手段は、前記在庫管理の状況として、前記抽選対象カードを販売するために保有する実店舗における当該抽選対象カードの在庫数量と、当該抽選対象カードを配送するために保有する倉庫における当該抽選対象カードの在庫数量とに応じて、前記抽選操作を行えない状態にするかどうかを決定することができる。
これにより、抽選対象カードを在庫として保有する実店舗や倉庫等における在庫管理の実態に即した抽選の抑制が可能となる。
【0079】
(5)また、前記表示制御手段は、前記ユーザが前記抽選に当選したときに、又は前記抽選対象カードの提供を受けた後に、当該ユーザの端末に、当該抽選対象カードを売却するかどうかの選択を可能にするユーザインターフェース(例えば、売却希望ボタン)をさらに表示させることができる。
ユーザは、抽選対象カードの抽選に当選したときに、又は抽選対象カードがユーザに提供された後に、抽選対象カードを売却するかどうかを選択できるので、ユーザが所望しない抽選対象カードの在庫数量が不必要に目減りすることが抑制される。その結果、本サービスを提供する者は、抽選対象カードの製造や調達に要するコストを削減できる。
【0080】
(6)また、前記抽選に当選したユーザが、前記抽選対象カードの提供を受ける前に、又は当該抽選対象カードの提供を受けた後に、当該抽選対象カードの売却を選択した場合(例えば、売却希望ボタンの押下)には、当該ユーザに所定のインセンティブ(例えば、本サービスの利用時に支払い手段として使用可能なポイント)を付与するインセンティブ付与手段をさらに有することができる。
抽選対象カードを売却したユーザに所定のインセンティブが付与されるので、ユーザが所望しない抽選対象カードの在庫数量が不必要に目減りすることが抑制される。その結果、本サービスを提供する者は、抽選対象カードの製造や調達に要するコストを削減できる。ユーザに付与されるインセンティブが、例えば、本サービスの利用時に支払い手段として使用可能な所定のポイントである場合には、現金による都度決済が不要となる。
【0081】
(7)また、本発明が適用される情報処理方法は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理方法は、抽選の対象となるトレーディングカードとして予め定められた抽選対象カードの現物の在庫数量を管理するステップと、前記抽選対象カードの抽選を実施させる抽選操作をユーザに行わせるためのユーザインターフェースを、当該ユーザの端末に表示させるステップと、前記抽選操作が行われると、当該抽選対象カードの種類ごとに予め定められた当選率に基づいて、前記抽選を実施するステップと、を含み、前記在庫数量が所定値以上である場合には、前記ユーザインターフェースにて前記抽選操作を行える状態にし、前記在庫数量が所定値未満である場合には、当該抽選操作を行えない状態にする、情報処理方法である。
【0082】
(8)また、本発明が適用されるプログラムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用されるプログラムは、情報処理システムに、抽選の対象となるトレーディングカードとして予め定められた抽選対象カードの現物の在庫数量を管理するステップと、前記抽選対象カードの抽選を実施させる抽選操作をユーザに行わせるためのユーザインターフェースを、当該ユーザの端末に表示させるステップと、前記抽選操作が行われると、当該抽選対象カードの種類ごとに予め定められた当選率に基づいて、前記抽選を実施するステップと、を含む情報処理を実行させ、前記在庫数量が所定値以上である場合には、前記ユーザインターフェースにて前記抽選操作を行える状態にし、前記在庫数量が所定値未満である場合には、当該抽選操作を行えない状態にする情報処理を実行させるプログラムである。
【符号の説明】
【0083】
1:管理サーバ、2:在庫管理端末、3:ユーザ端末、11:CPU、16:出力部、17:入力部、18:記憶部、19:通信部、31:取得部、32:情報管理部、33:サイト管理部、34:表示制御部、35:抽選部、36:送信制御部、S:情報処理システム、N:ネットワーク
【要約】
【課題】ユーザに対する抽選をより公平に行えるようにするトレーディングカード販売システムを提供できるようにする。
【解決手段】情報処理システムを構成する管理サーバ1のCPU11では、情報管理部32が、抽選の対象となるトレーディングカードとして予め定められた抽選対象カードの現物の在庫数量を管理し、表示制御部34が、抽選対象カードの抽選を実施させる抽選操作をユーザに行わせるためのユーザインターフェースをユーザの端末に表示させ、抽選操作が行われると、抽選部35が、抽選対象カードの種類ごとに予め定められた当選率に基づいて、抽選を実施する。このとき、表示制御部34は、在庫数量が所定値以上である場合には、ユーザインターフェースにて抽選操作を行える状態にし、在庫数量が所定値未満である場合には、抽選操作を行えない状態にする。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9