特許 7603373 コンパートメントの自律クラスタを有するパーセルロッカーシステム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-12-12

(45)【発行日】2024-12-20

(54)【発明の名称】コンパートメントの自律クラスタを有するパーセルロッカーシステム

(51)【国際特許分類】

   H04W 4/35 20180101AFI20241213BHJP

   H04W 76/28 20180101ALI20241213BHJP

   H04W 4/00 20180101ALI20241213BHJP

   H04W 84/10 20090101ALI20241213BHJP

【ＦＩ】

H04W4/35

H04W76/28

H04W4/00 110

H04W84/10 110

【請求項の数】 17

【外国語出願】

(21)【出願番号】P 2019227508

(22)【出願日】2019-12-17

(65)【公開番号】P2020115633

(43)【公開日】2020-07-30

【審査請求日】2022-12-05

(31)【優先権主張番号】18306730.5

(32)【優先日】2018-12-18

(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP

(73)【特許権者】

【識別番号】517352371

【氏名又は名称】クアディエント・テクノロジー・フランス

(74)【代理人】

【識別番号】100108453

【弁理士】

【氏名又は名称】村山 靖彦

(74)【代理人】

【識別番号】100110364

【弁理士】

【氏名又は名称】実広 信哉

(74)【代理人】

【識別番号】100133400

【弁理士】

【氏名又は名称】阿部 達彦

(72)【発明者】

【氏名】ガブリエル・サンタンジュリ

(72)【発明者】

【氏名】トマ・エロー

(72)【発明者】

【氏名】アルノー・イヴォ

【審査官】永田 義仁

(56)【参考文献】

【文献】米国特許出願公開第２０１８／０３５０１７７（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許出願公開第２０１６／０２３４７９９（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許出願公開第２０１６／０３７３１６６（ＵＳ，Ａ１）

【文献】国際公開第２０１７／１６３０１８（ＷＯ，Ａ２）

【文献】欧州特許出願公開第０３３０６５７７（ＥＰ，Ａ１）

【文献】米国特許出願公開第２００８／０２４６５８７（ＵＳ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｅ０５Ｂ１／００－８５／２８

Ｇ０７Ｆ１７／００－１７／４２

Ｈ０３Ｊ９／００－９／０６

Ｈ０４Ｂ７／２４－７／２６

Ｈ０４Ｍ１／００

１／２４－３／００

３／１６－３／２０

３／３８－３／５８

７／００－７／１６

１１／００－１１／１０

９９／００

Ｈ０４Ｑ９／００－９／１６

Ｈ０４Ｗ４／００－９９／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

パーセル預け入れおよび取出しのための電子ロッカーシステムであって、
リモート出荷システム(106)と、
長距離通信ネットワーク(104)と、
前記長距離通信ネットワークを介して前記リモート出荷システムと通信する少なくとも1つのモバイルデバイス(102)と、
ドア(116j)を備えた少なくとも1つのコンパートメント(112j)を含むとともにロッキングモジュール(120i)を含む少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタ(110i)からなる少なくとも1つのパーセルロッカー(100)であって、前記ロッキングモジュールは、前記ドアのロッキングおよびロック解除を電子制御し、短距離通信(122i)を介して前記少なくとも1つのモバイルデバイス(102)のローカル通信を確立する、パーセルロッカーとを備える電子ロッカーシステムにおいて、前記ロッキングモジュールは、
エネルギーモードの遷移を管理し、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタをディープスリープモードで、またはスリープモードで稼働することを可能にし、前記ディープスリープモードから前記スリープモードへの起動を定期的に可能にするために構成されたエネルギー管理モジュール(230)と、
アンテナ(218)を備えた無線トランシーバモジュール(216)と、
前記スリープモードにある間、前記無線トランシーバモジュール(216)を用いて、ブロードキャストショートメッセージを前記少なくとも1つのモバイルデバイス(102)へ定期的に発するために構成されたファームウェアを稼働する少なくとも1つのプロセッサ(210; 210A、210B、210C)とを備えることを特徴とし、
前記ディープスリープモードで、前記無線トランシーバモジュール(216)はスリープしており、前記ロッキングモジュール(120i)は前記無線トランシーバモジュール(216)と通信することができず、かつ前記自律コンパートメントクラスタ(110i)に近接したモバイルデバイス(102)によって起動させることができず、
前記スリープモードで、前記ロッキングモジュール(120i)はショートメッセージをブロードキャストするために部分的に起動し、前記無線トランシーバモジュール(216)はアクティブ化され、前記エネルギー管理モジュール(230)によって制御される、
システム。

【請求項2】

前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタのうちのいくつかは、列(114)を形成するように、機械的に互いに固定され、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタの前記列のうちのいくつかは、前記少なくとも1つのパーセルロッカーを形成するように、機械的に互いに固定されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。

【請求項3】

前記ブロードキャストショートメッセージは、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタに関する第1の一意のクラスタ識別(250)およびステータス情報(252、253、254)を含み、前記ステータス情報は、イベント限度(252)およびコンパートメント状態(253)および低電力ステータス(254)を含み、前記少なくとも1つのモバイルデバイスは、前記ロッキングモジュールに記憶されたイベントの限度に達したかどうかを調べるために、および前記少なくとも1つのコンパートメントへの預け入れを始動する前に、前記少なくとも1つのコンパートメントが空であるか、それとも満杯であるかを確立するための前記コンパートメント状態を調べるために、および前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタとの通信を始動する前に、前記低電力ステータスを調べるために構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のシステム。

【請求項4】

前記ロッキングモジュールが、前記ディープスリープモードから前記スリープモードへの遷移をトリガするための低エネルギースリープタイマー(280)と、前記スリープモードの終了および前記ディープスリープモードへの戻りをトリガするためのリスニング時間窓タイマー(282)とを備えること、および前記少なくとも1つのプロセッサが、高エネルギープロセッサモジュール(210A)、低エネルギープロセッサモジュール(210B)および超低エネルギープロセッサモジュール(210C)を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。

【請求項5】

前記短距離通信を介した、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタとのローカル通信を確立するための、前記少なくとも1つのモバイルデバイスからの要求は、第2の一意のクラスタ識別(134i)およびコンパートメントインデックスを含むか、またはそれとともに送られるオーセンティケータを含み、前記ファームウェアは、前記コンパートメントインデックスを前記少なくとも1つのコンパートメントに関連付けるために構成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。

【請求項6】

前記ロッキングモジュールは、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタ向けに利用可能な機能であって、前記少なくとも1つのプロセッサによって稼働され得る機能を含む機能テーブル(260)を記憶する不揮発性メモリ(240)を含むことを特徴とし、前記オーセンティケータは、前記機能テーブル内の機能の中で、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタを操作するために認可される機能を識別する特権マスクを含むことを特徴とし、前記特権マスクは一連のビット中にあり、前記一連のビットのうちのあるビットは、前記機能テーブルの機能に対応し、前記ビットの値は、前記機能が認可されるか、それとも認可されないかを示し、前記リモート出荷システムは、前記少なくとも1つのパーセルロッカーのユーザの証明書を受信し、記憶するために、および前記オーセンティケータを生成するために、および前記ユーザの前記証明書に基づいて前記特権マスクを生成するために構成される、請求項5に記載のシステム。

【請求項7】

前記ファームウェアは、150から350msの反復時間期間で、0から30msのリスニング時間窓で、2のチャネル数、または3のチャネル数で、および0から4dBmの電力放出パラメータで、前記ブロードキャストショートメッセージを発するために構成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。

【請求項8】

前記ロッキングモジュールが、ロックインターフェース(226)と、前記少なくとも1つのコンパートメントに預けられたパーセルに対応する一意のパーセル識別に一意に関連付けられた認可コード(270n)とを備え、そうすることによって、モバイルデバイスをもたないパーセル受領者が、前記ロックインターフェースを介して前記認可コードを入れることによって、パーセルを取り出すことができ、リモート出荷サーバが、前記認可コードを生成し、記憶するために、および前記認可コードを、前記モバイルデバイスを介して前記ロッキングモジュールへ送信するために構成されることを特徴とし、前記少なくとも1つのモバイルデバイスが、前記少なくとも1つのパーセルロッカーの隣に固定して、または前記少なくとも1つのパーセルロッカーの上に直接搭載され、ローカル電気ネットワークに接続されることをさらに特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。

【請求項9】

少なくとも1つのコンパートメント(112j)を含むとともに、少なくとも1つのモバイルデバイス(102)により、長距離通信ネットワーク(104)を介してリモート出荷システム(106)と通信するロッキングモジュール(120i)を含む少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタ(110i)からなる少なくとも1つのパーセルロッカー(100)を操作するための方法であって、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタは、エネルギーモードの遷移を管理し、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタをディープスリープモードで、またはスリープモードで稼働することを可能にし、前記ディープスリープモードから前記スリープモードへの起動を定期的に可能にするために構成されたエネルギー管理モジュール(230)と、アンテナ(218)を備えた無線トランシーバモジュール(216)とを備え、前記ディープスリープモードで、前記無線トランシーバモジュール(216)はスリープしており、前記ロッキングモジュール(120i)は前記無線トランシーバモジュール(216)と通信することができず、かつ前記自律コンパートメントクラスタ(110i)に近接したモバイルデバイス(102)によって起動させることができず、前記スリープモードで、前記ロッキングモジュール(120i)はショートメッセージをブロードキャストするために部分的に起動し、前記無線トランシーバモジュール(216)はアクティブ化され、前記エネルギー管理モジュール(230)によって制御され、
前記方法は、
前記少なくとも1つのモバイルデバイスと前記リモート出荷システムとの間の通信を確立するステップと、
前記スリープモードにある間に、前記無線トランシーバモジュール(216)を用いる、モバイルデバイス(120)に宛てられたブロードキャストショートメッセージを前記ロッキングモジュールによって定期的に発するステップであって、前記ブロードキャストショートメッセージは、前記ロッキングモジュールに記憶されるとともに、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタを識別する第1の一意のクラスタ識別(250)を含む、ステップと、
前記リモート出荷システム(106)から、前記少なくとも1つのモバイルデバイス(102)によって前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタとの短距離通信を確立するために使われるオーセンティケータを、前記少なくとも1つのモバイルデバイス(102)によって受信するステップと、
前記ロッキングモジュールによって、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタの操作に対して起こるイベントをイベントテーブル(255)に記憶するステップと、
前記ロッキングモジュールによって記憶された前記イベントを、前記少なくとも1つのモバイルデバイスによりリモート出荷サーバへ転送するステップとを含む、方法。

【請求項10】

前記第1の一意のクラスタ識別(250)を含む第1の前記ブロードキャストショートメッセージをキャプチャし、前記リモート出荷システムが、前記少なくとも1つのモバイルデバイスから受信された前記第1の一意のクラスタ識別(250)に基づいて前記少なくとも1つのパーセルロッカーを識別した後、前記少なくとも1つのモバイルデバイスによって、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタとの通信を確立するために前記オーセンティケータを前記リモート出荷システムに対して要求するステップであって、前記オーセンティケータは、前記リモート出荷システムによって生成され、第2の一意のクラスタ識別(134i)を含むか、またはそれとともに送られ、コンパートメントインデックスを含み、ファームウェアは、前記コンパートメントインデックスを前記少なくとも1つのコンパートメントに関連付けるために構成される、ステップと、
前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタによって、前記少なくとも1つのモバイルデバイスから受信された前記オーセンティケータを検証するステップと、
通信を確立するために、またはアクセスを認可するために、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタによって、前記第2の一意のコンパートメント識別を、前記ロッキングモジュールに記憶された前記第1の一意のコンパートメント識別(250)と比較するステップとをさらに含む、請求項9に記載の方法。

【請求項11】

前記オーセンティケータは、前記少なくとも1つのパーセルロッカーのユーザの証明書に基づいて前記リモート出荷システムによって生成された特権マスクを含み、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタは、機能へのアクセスを検証するために前記特権マスクを使い、前記機能は、前記ユーザ向けに認可され、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタは、機能テーブル(260)内の、要求によって対象とされる機能を識別し、前記機能が前記特権マスクによって認可されるかどうかをチェックする、請求項9または10に記載の方法。

【請求項12】

前記ブロードキャストショートメッセージは、前記ロッキングモジュールに記憶されたイベントについての限度に達したかどうかを示すイベント限度(252)を含み、前記少なくとも1つのモバイルデバイスは、前記ロッキングモジュールとの接続が、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタによって記憶されたイベントを前記リモート出荷システムへ転送するために必要とされるかどうかを立証するために、前記イベント限度を調べる、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。

【請求項13】

前記ブロードキャストショートメッセージは、前記ロッキングモジュールに記憶されたクラスタブロードキャストテーブル(272)のパラメータに従って発せられ、前記クラスタブロードキャストテーブルは前記リモート出荷サーバからダウンロードされ、前記クラスタブロードキャストテーブルの前記パラメータは、前記少なくとも1つのモバイルデバイス上にインストールされたウィザードサブプログラムを介して調節される、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。

【請求項14】

前記リモート出荷サーバは、前記少なくとも1つのモバイルデバイスが前記少なくとも1つのパーセルロッカーを操作するために、前記少なくとも1つのモバイルデバイスにパーセルロッカー構成を提供し、前記リモート出荷サーバは、前記ブロードキャストショートメッセージに含まれるとともに、前記少なくとも1つのモバイルデバイスによって前記リモート出荷サーバへ転送される前記第1の一意のクラスタ識別(250)に基づいて、前記少なくとも1つのモバイルデバイスへのダウンロード用の前記パーセルロッカー構成を識別する、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。

【請求項15】

パーセルロッカー構成は、ユーザが前記少なくとも1つのパーセルロッカーの近くに到着する前に前記リモート出荷サーバから受信され、そうすることによって、パーセル預け入れは、ブロードキャストショートメッセージが、前記少なくとも1つのモバイルデバイスによって前記少なくとも1つのパーセルロッカーから受信される前に開始することができ、前記少なくとも1つのモバイルデバイスは、前記少なくとも1つのパーセルロッカーに預けられるべきパーセルに添付されたパーセル識別をキャプチャし、前記少なくとも1つのモバイルデバイスは、前記パーセルロッカー構成に基づいて、あらかじめ設定された規則に従って、預け入れ用のコンパートメントを選択し、前記あらかじめ設定された規則は、
選択されたコンパートメントが空であり、前記選択されたコンパートメントのサイズが、預け入れ用のパーセルのサイズと一致すること、または
電力消費を配分するため、もしくは早期消耗を防止するために、コンパートメントの同質使用を保証するための、コンパートメントの間の交替を含む、請求項11を引用する請求項14に記載の方法。

【請求項16】

前記少なくとも1つのモバイルデバイスによって、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタへ、パーセル預け入れのための前記少なくとも1つのコンパートメントをロック解除するための要求を送るステップであって、前記要求は前記オーセンティケータを含む、ステップと、
前記要求を認可した後、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタによって前記少なくとも1つのコンパートメントをロック解除し、前記パーセルの預け入れの後、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタによって前記少なくとも1つのコンパートメントをロックするステップと、
前記少なくとも1つのモバイルデバイスを介した、前記リモート出荷サーバへの、前記ロッキングモジュールによって記憶されたイベントの転送の後、前記リモート出荷システムによって、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタに預けられた前記パーセルに関するとともに前記パーセルを取り出すための情報を含む通知を生成するステップとをさらに含む、請求項9から15のいずれか一項に記載の方法。

【請求項17】

前記リモート出荷サーバによって、一意であるとともに、パーセルの一意のパーセル識別(144j)に一意に関連付けられたワンタイム認可コードを生成するステップと、
前記パーセルが、前記少なくとも1つのコンパートメントにおける預け入れの期限であるとき、前記少なくとも1つのモバイルデバイスによって、前記リモート出荷サーバから前記ワンタイム認可コードを受信するステップと、
前記少なくとも1つのモバイルデバイスによって、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタへ前記ワンタイム認可コードを転送するステップであって、そうすることによって、モバイルデバイスをもたないパーセル受領者が、ロックインターフェース(230)を介して前記ワンタイム認可コードを入れることによって、前記パーセルを取り出すことができる、ステップと、
前記少なくとも1つのモバイルデバイスを介した、前記リモート出荷サーバへの、前記ロッキングモジュールによって記憶されたイベントの転送の後、前記リモート出荷システムによって、前記少なくとも1つのコンパートメントに預けられた前記パーセルに関するとともに前記パーセルを取り出すための情報を含む通知を生成するステップと、
前記パーセル識別を含む前記通知を前記少なくとも1つのモバイルデバイスによって受信するステップであって、前記情報は、前記ワンタイム認可コード、および前記少なくとも1つのパーセルロッカーのロケーション、および前記パーセル識別、および前記少なくとも1つのコンパートメントの可視部に添付された物理識別子に対応するコンパートメント識別子(140j)を含む、ステップとをさらに含む、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、ロック可能なコンパートメントからなる電子パーセルロッカーに荷物を配送代行業者によって預けるため、およびこれらの荷物をその後に取り出すためのシステムおよび方法に関する。

【背景技術】

【0002】

電子パーセルロッカーシステムは、パーセルまたはパッケージなど、様々な種類の荷物を配達し、保管し、取り出すために使われる。これらのパーセルロッカーシステムは通常、運送代行業者によって荷物を預けるために使われ、荷物は次いで、受領者によってパーセルロッカーから取り出される。電子パーセルロッカーは、運送代行業者または受領者がパーセルロッカーを操作するためのユーザインターフェースを有し、ロッカーは、運送代行業者の場合は荷物を預けるために、または受領者の場合は荷物を取り出すために使われる。このインターフェースにより、ユーザは、パーセルロッカーを操作するための情報を入れることができ、パーセルロッカーは、ユーザに情報を戻して与えることができる。最近の電子パーセルロッカー用に、この機能性は通常、タッチスクリーンによって満たされる。このユーザインターフェースはまた、荷物に、またはいくつかのユーザ識別手段に添付された情報をキャプチャするのに使われる。この機能性は、印刷されたバーコードを読み取るバーコードリーダ、またはRFIDタグを読み取るための無線周波数通信もしくは近距離通信など、他の技術によって満たされ得る。電子パーセルロッカーシステムは概して、パーセルロッカーのネットワークを管理することを、および最終的には運送業者情報システムとのデータ交換を管理することも担うリモート出荷システムとすべてが直接通信するパーセルロッカーのネットワークを備える。各パーセルロッカーとリモート出荷システムとの間の通信は、3G～4GまたはGSMなどの長距離通信技術によって実施される。

【0003】

図5は、従来技術電子パーセルロッカーシステムを記載し、このシステムは、長距離通信ネットワーク20を介してリモート出荷システム25と通信する電子パーセルロッカー10を備え、システム25は、電子パーセルロッカーにアクセスするための認可コードを生成し、これらのコードを、電子パーセルロッカーに直接通信し、電子パーセルロッカーによって扱われる荷物に関するデータを管理する。電子パーセルロッカーは、異なるサイズであるとともに電子制御されるドアを備えた一連のコンパートメント30iを備える。電子パーセルロッカー操作、特にコンパートメントドアの開放および閉鎖は、中央制御ユニット32によって制御される。この中央制御ユニット32は、リモート出荷システム25およびパーセルロッカーユーザインターフェースとの通信を制御し、ユーザインターフェースは通常、タッチスクリーン34およびバーコードリーダ36を含む。運送代行業者が、電子パーセルロッカー10にパーセルを預けに来ると、各パーセル40の識別38は、電子パーセルロッカーによってキャプチャされなければならず、中央制御ユニットによって、パーセルが預けられるコンパートメントに関連付けられる。追跡目的のために、識別38は、各パーセル40に貼付されたバーコードラベルの形であってよい。概して、コンパートメントは、標準的な幅を有し、列42になるように縦に組み立てられる。

【0004】

そのような従来技術の電子パーセルロッカーシステムは、以下でさらに説明するように問題となり得る、以下の特性を有する。電子パーセルロッカーは、電子パーセルロッカー内で起こるイベント、コンパートメントステータスまたはパーセル識別など、電子パーセルロッカーによってキャプチャされたデータを含むローカルデータを転送するために、リモート出荷システムと直接通信する。さらに、従来技術の電子パーセルロッカーは、製造工場にとってコストがかかり、そのボリュームにより、輸送および設置が複雑である。

【0005】

従来技術の電子パーセルロッカーシステムおよびそれらに関連付けられたアーキテクチャには、いくつかの問題がある。電力接続が必要とされるが、これはしばしば、セットアップするのが難しい場合がある。リモート出荷システムの1つのサーバまたは複数のサーバとの長距離通信の必要性は、電子パーセルロッカーを長距離通信ネットワークに接続する物理通信ケーブルの設置を課すか、またはワイヤレス長距離通信システムの使用を課すかのいずれかである。ワイヤレス長距離通信の場合、追加の問題は、どこでも動作するとは限らないことである。特に、電子パーセルロッカーは、ワイヤレス長距離通信が伝搬しない地下ロケーションでは、正しく設置することができない場合がある。別の問題は、専門能力を必要とする、従来技術の電子パーセルロッカーに伴う複雑さおよびコストである。電子パーセルロッカーは、製造工場において組み立てられ、完成ユニットとして設置ロケーションへ出荷され得る。ただし、完成ユニットはかなりかさばる場合があるので、コンパートメントの垂直列は通常、製造工場において、あらかじめ組み立てられ、部分的にあらかじめ配線され、列は設置ロケーションへ別々に出荷される。機械的および電気的に、の両方で列を接続するために、ならびにシステムを開始するために、専門能力が必要とされる。モジュール方式ではないので、コンパートメントを簡単に交換することも、コンパートメントの構成を現場で簡単にアップグレードすることも、変更することもできない。全体として、従来技術の電子パーセルロッカーは、コストがかかる輸送および設置ならびにサービス提供を伴う高価なシステムである。

【0006】

したがって、コスト削減と、特にコンパートメント交換を含む、さらなる柔軟性とを可能にする新たな世代のパーセルロッカーが必要である。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

本発明の目的は、いくつかの自律コンパートメントクラスタを有するパーセルロッカーシステムを提供すること、およびしたがって、上記欠点を克服することにある。

【課題を解決するための手段】

【0008】

この目的は、パーセル預け入れおよび取出しのための電子ロッカーシステムを提供することによって達成され、電子ロッカーシステムは、リモート出荷システムと、長距離通信ネットワークと、長距離通信ネットワークを介してリモート出荷システムと通信する少なくとも1つのモバイルデバイスと、ドアを備えた少なくとも1つのコンパートメントを含むとともにロッキングモジュールを含む少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタからなる少なくとも1つのパーセルロッカーとを備え、ロッキングモジュールは、ドアのロッキングおよびロック解除を電子制御し、短距離通信を介した、少なくとも1つのモバイルデバイスとのローカル通信を確立し、電子ロッカーシステムは、ロッキングモジュールが、エネルギーモードの遷移を管理し、少なくとも1つのコンパートメントがディープスリープモードで、またはスリープモードで稼働されるようにし、前記ディープスリープモードから前記スリープモードへの起動を定期的に可能にするために構成されたエネルギー管理モジュールと、アンテナを備えた無線トランシーバモジュールと、スリープモードにある間、無線トランシーバモジュールを用いて、ブロードキャストショートメッセージを少なくとも1つのモバイルデバイスの方へ定期的に発するために構成されたファームウェアを稼働するプロセッサとを備えることを特徴とする。そのようなアーキテクチャは、中央コントローラと、ユーザインターフェースと、長距離通信システムとをパーセルロッカー中に実装するコストを回避する。

【0009】

また、ロッキングモジュールは、前記ディープスリープモードから前記スリープモードへの遷移をトリガするための低エネルギースリープタイマーと、前記スリープモードの終了および前記ディープスリープモードへの戻りをトリガするためのリスニング時間窓タイマーとを備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、高エネルギープロセッサモジュール、低エネルギープロセッサモジュールおよび超低エネルギープロセッサモジュールを備える。

【0010】

本発明の特徴によると、少なくとも1つのコンパートメントクラスタのうちのいくつかは、列を形成するように機械的に互いに固定され(fasten together)、好ましくは、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタの列のうちのいくつかは、少なくとも1つのパーセルロッカーを形成するように機械的に互いに固定され、したがって、コンパートメントクラスタ交換を含む、簡単な設置および構成アップグレードとサービス提供とを可能にし、そうすることによって、新たな生成パーセルロッカーを収容する用地所有者は、専門技師の介入なしで、この新たな生成パーセルロッカーを設置し、アップグレードし、サービス提供することができる。

【0011】

本発明の別の特徴によると、ブロードキャストショートメッセージは、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタに関する第1の一意のクラスタ識別(cluster identification)およびステータス情報を含み、少なくとも1つのモバイルデバイスは、不必要な通信を回避するために、ステータス情報を調べ、または少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタとの妥協アクションを始動するために構成される。

【0012】

特定の実施形態では、ステータス情報は、イベント限度またはコンパートメント状態または低電力ステータスを含み、少なくとも1つのモバイルデバイスは、ロッキングモジュールに記憶されたイベントの限度に達したかどうかを調べるために、および少なくとも1つのコンパートメントへの預け入れを始動する前に、少なくとも1つのコンパートメントが空であるか、それとも満杯であるかを確立するためのコンパートメント状態を調べるために、および少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタとの通信を始動する前に、低電力ステータスを調べるために構成される。

【0013】

好ましい実施形態では、短距離通信を介して少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタとのローカル通信を確立するための、少なくとも1つのモバイルデバイスからの要求は、第2の一意のクラスタ識別を含むか、またはそれとともに送られるオーセンティケータを含み、ファームウェアは、ロッキングモジュールに記憶された第1の一意のクラスタ識別と、第2の一意のクラスタ識別との間の一致をチェックするために構成される。好ましくは、オーセンティケータは一意である。有利には、オーセンティケータはコンパートメントインデックスを含み、ファームウェアは、コンパートメントインデックスを少なくとも1つのコンパートメントに関連付けるために構成される。

【0014】

別の実施形態では、ロッキングモジュールは、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタ用に利用可能な機能であって、プロセッサによって稼働され得る機能を含む機能テーブルを記憶する不揮発性メモリを含み、有利には、オーセンティケータは、機能テーブル内の機能のうちの、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタを操作するために認可された機能を識別する特権マスクを含み、好ましくは、特権マスクは一連のビットの中にあり、一連のビットのうちのあるビットは、機能テーブルの機能に対応し、ビットの値は、機能が認可されるか、それとも認可されないかを示す。

【0015】

特定の実施形態では、ファームウェアは、+/-100msの範囲内の250msの反復時間期間で、+20ms/-0msの範囲内の10msのリスニング時間窓で、2のチャネル数、好ましくは3のチャネル数で、および+4dBm/-0dBmの範囲内の0dBmの電力放出パラメータで、ブロードキャストショートメッセージを発するために構成される。

【0016】

本発明の特徴によると、リモート出荷システムは、少なくとも1つのパーセルロッカーのユーザの証明書を受信し、記憶するために、およびオーセンティケータを生成するために、およびユーザの証明書に基づいて特権マスクを生成するために構成される。

【0017】

好ましい実施形態では、リモート出荷システムは、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタに関連付けられた第2の一意のクラスタ識別と、一意のパーセル識別と、クラスタブロードキャストテーブルと、クラスタステータステーブルとを含む、少なくとも1つのパーセルロッカーに関連付けられたパーセルロッカー構成を記憶するために構成されたデータベースを備え、少なくとも1つのモバイルデバイスは、少なくとも1つのパーセルロッカーを操作するために、リモート出荷システムからパーセルロッカー構成を受信するために構成される。

【0018】

有利には、クラスタステータステーブルは、ドアのステータスと、前記少なくとも1つのコンパートメントがロックされているか、それともロック解除されているか、または少なくとも1つのコンパートメントが故障しているか、それとも使用可能であるか、または少なくとも1つのコンパートメントが清潔か、それとも汚れているかを含む、前記少なくとも1つのコンパートメントのステータスとを含む。

【0019】

本発明の別の特徴によると、クラスタブロードキャストテーブルは、反復時間期間パラメータ、リスニング時間窓パラメータ、チャネルの数および電力放出パラメータを含み、少なくとも1つのモバイルデバイスは、クラスタブロードキャストテーブルを受信し、クラスタブロードキャストテーブルを少なくとも1つの自律コンパートメントへ転送するために構成される。

【0020】

別の実施形態では、ロッキングモジュールの不揮発性メモリは、第1の一意のクラスタ識別と、低電力ステータスと、ロッキングモジュールに記憶されたイベントについての限度に達したかどうかを示すイベント限度と、イベントテーブルを含むコンパートメントデータとを記憶し、ファームウェアは、コンパートメントデータを、少なくとも1つのモバイルデバイスを介してリモート出荷サーバへ通信するために構成される。

【0021】

特定の実施形態では、ロッキングモジュールは、ロックインターフェースと、少なくとも1つのコンパートメントに預けられたパーセルに対応する一意のパーセル識別に一意に関連付けられた認可コードとを備え、そうすることによって、モバイルデバイスをもたないパーセル受領者が、ロックインターフェースを介して認可コードを入れることによってパーセルを取り出すことができ、リモート出荷サーバは、認可コードを生成し、記憶するために、およびモバイルデバイスを介して認可コードをロッキングモジュールへ送信するために構成される。

【0022】

別の特定の実施形態では、少なくとも1つのモバイルデバイスは、少なくとも1つのパーセルロッカーの隣に固定して、または少なくとも1つのパーセルロッカーの上に直接搭載され、好ましくは、ローカル電気ネットワークに接続される。

【0023】

本発明は、少なくとも1つのコンパートメントを含むとともにロッキングモジュールを含む少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタからなる少なくとも1つのパーセルロッカーを、長距離通信ネットワークを介してリモート出荷システムと通信する少なくとも1つのモバイルデバイスにより操作するための方法にも関し、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタは、エネルギーモードの遷移を管理し、前記少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタをディープスリープモードで、またはスリープモードで稼働することを可能にし、前記ディープスリープモードから前記スリープモードへの起動を定期的に可能にするために構成されたエネルギー管理モジュールを備え、方法は、少なくとも1つのモバイルデバイスとリモート出荷システムとの間の通信を確立するステップと、ロッキングモジュールによって、スリープモードにある間、モバイルデバイスに宛てられたブロードキャストショートメッセージを、無線トランシーバモジュールを用いて定期的に発するステップであって、ブロードキャストショートメッセージは、ロッキングモジュールに記憶された第1の一意のクラスタ識別を含む、ステップと、少なくとも1つの自律コンパートメントを識別するステップと、少なくとも1つのモバイルデバイスによって、リモート出荷システムから、少なくとも1つのモバイルデバイスによる、少なくとも1つの自律コンパートメントとの短距離通信を確立するために使われるオーセンティケータを受信するステップと、ロッキングモジュールによって、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタの操作に対して起こるイベントをイベントテーブルに記憶するステップと、ロッキングモジュールによって記憶されたイベントを、少なくとも1つのモバイルデバイスを介してリモート出荷サーバへ転送するステップとを含む。

【0024】

好ましくは、オーセンティケータは一意である。

【0025】

好ましい実施形態では、少なくとも1つのモバイルデバイスは、第1の一意のクラスタ識別を含む第1のブロードキャストショートメッセージをキャプチャした後、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタとの通信を確立するために、リモート出荷システムに対してオーセンティケータを要求し、リモート出荷システムは、少なくとも1つのモバイルデバイスから受信された第1の一意のクラスタ識別に基づいて、少なくとも1つのパーセルロッカーを識別する。

【0026】

特定の実施形態では、オーセンティケータは、リモート出荷システムによって生成され、第2の一意のクラスタ識別を含むか、またはそれとともに送られ、コンパートメントインデックスを含み、ファームウェアは、コンパートメントインデックスを少なくとも1つのコンパートメントに関連付けるために、および有利には、通信を確立するために、またはアクセスを認可するために構成され、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタは、少なくとも1つのモバイルデバイスから受信されたオーセンティケータを検証し、第2の一意のクラスタ識別を、ロッキングモジュールに記憶された第1の一意のクラスタ識別と比較する。

【0027】

本発明の特徴によると、オーセンティケータは、少なくとも1つのパーセルロッカーのユーザの証明書に基づいてリモート出荷システムによって生成された特権マスクを含み、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタは、機能へのアクセスを検証するために特権マスクを使い、機能は、ユーザ向けに認可され、好ましくは、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタは、機能テーブル内の、要求によって対象とされる機能を識別し、機能が特権マスクによって認可されるかどうかをチェックする。

【0028】

本発明の別の特徴によると、ロッキングモジュールは、ロッキングモジュールに記憶されたイベントについての限度に達したかどうかを示すイベント限度を記憶し、リモート出荷サーバへの、ロッキングモジュールによって記憶された転送イベントに続いて、イベント限度を更新する。

【0029】

別の実施形態では、ブロードキャストショートメッセージは、ロッキングモジュールに記憶されたイベントについての限度に達したかどうかを示すイベント限度を含み、少なくとも1つのモバイルデバイスは、ロッキングモジュールとの接続が、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタによって記憶されたイベントをリモート出荷システムへ転送するために必要とされるかどうかを立証するために、イベント限度を調べる。

【0030】

本発明の特徴によると、ブロードキャストショートメッセージは、ロッキングモジュールに記憶されたクラスタブロードキャストテーブルのパラメータに従って発せられ、好ましくは、クラスタブロードキャストテーブルはリモート出荷サーバからダウンロードされ、有利には、クラスタブロードキャストテーブルのパラメータは、少なくとも1つのモバイルデバイス上にインストールされたウィザードサブプログラムを介して調節される。

【0031】

本発明の別の特徴によると、少なくとも1つのモバイルデバイスは、リモート出荷システムと、少なくとも1つのパーセルロッカーの少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタとの間の非同期双方向マルチチャネル通信を確立するために、モバイルデバイスのネットワークの一部として使われ、有利には、リモート出荷サーバは、少なくとも1つの自律コンパートメントにメッセージをアドレス指定するために、あらかじめ設定された規則に従って、好適なモバイルデバイスを選択し、好ましくは、あらかじめ設定された規則のうちの1つは、少なくとも1つの自律コンパートメントに関する、リモート出荷システムへの要求を行っている好適なモバイルデバイスにメッセージがアドレス指定されることであり、したがって、パーセルロッカーが、長距離ワイヤレス通信によってカバーされないエリア中で操作されることを可能にする。

【0032】

本発明の特徴によると、少なくとも1つのモバイルデバイスは、少なくとも1つのパーセルロッカーの少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタを操作するためのユーザインターフェースとして使われる。

【0033】

本発明の別の特徴によると、少なくとも1つのモバイルデバイス上にインストールされたプログラムは、ユーザカテゴリに従ってインスタンス化される。

【0034】

好ましい実施形態では、リモート出荷サーバは、少なくとも1つのモバイルデバイスが少なくとも1つのパーセルロッカーを操作するために、少なくとも1つのモバイルデバイスにパーセルロッカー構成を提供し、好ましくは、リモート出荷サーバは、ブロードキャストショートメッセージに含まれるとともに、少なくとも1つのモバイルデバイスによってリモート出荷サーバへ転送される第1の一意のクラスタ識別に基づいて、少なくとも1つのモバイルデバイスへのダウンロードのためのパーセルロッカー構成を識別する。

【0035】

本発明の特徴によると、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタは、パーセルロッカー構成に基づいて、少なくとも1つのパーセルロッカーを構成するコンパートメントの数を確立し、ブロードキャストショートメッセージが、少なくとも1つのパーセルロッカーの少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタのすべてから受信されることをチェックし、有利には、パーセルロッカー構成は、ユーザが少なくとも1つのパーセルロッカーの近くに到着する前にリモート出荷サーバから受信され、そうすることによって、パーセル預け入れは、ブロードキャストショートメッセージが少なくとも1つのパーセルロッカーから少なくとも1つのモバイルデバイスによって受信される前に開始することができ、したがって、パーセルロッカーが、長距離ワイヤレス通信によってカバーされないエリア中で操作されることを可能にする。

【0036】

特定の実施形態では、少なくとも1つのモバイルデバイスは、少なくとも1つのパーセルロッカーに預けられるべきパーセルに添付されたパーセル識別をキャプチャし、少なくとも1つのモバイルデバイスは、パーセルロッカー構成に基づいて、あらかじめ設定された規則に従って、預け入れのためのコンパートメントを選択し、好ましくは、あらかじめ設定された規則は、選択されたコンパートメントが空であること、および選択されたコンパートメントのサイズが、預け入れのためのパーセルのサイズと一致すること、または電力消費を配分するため、もしくは早期消耗を防止するために、自律コンパートメントの同質使用を保証するための、自律コンパートメントの間での交替を含む。

【0037】

本発明の別の特徴によると、預けられるべきパーセルに添付されたパーセル識別をキャプチャした後、少なくとも1つのモバイルデバイスは、パーセル識別と、預け入れのためのパーセルの識別のリストとの間の一致をチェックし、好ましくは、識別のリストは、リモート出荷システムによって少なくとも1つのモバイルデバイスに提供される。

【0038】

特定の実施形態では、方法は、少なくとも1つのモバイルデバイスによって、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタへ、ロック解除のための要求を送るステップであって、要求はオーセンティケータを含む、ステップと、要求を認可した後、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタによってロック解除するステップと、パーセルの預け入れの後、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタによってロックするステップとをさらに含み、有利には、ロッキングモジュールは、パーセル預け入れのためにどのドアが開けられるべきであるかを指示するための視覚インジケータをアクティブ化する。

【0039】

別の実施形態では、少なくとも1つのモバイルデバイスを介した、リモート出荷サーバへの、ロッキングモジュールによって記憶されたイベントの転送の後、リモート出荷システムは、少なくとも1つのコンパートメントに預けられたパーセルに関するとともに、パーセルを取り出すための情報を含む通知を生成する。

【0040】

特定の実施形態では、パーセルが、少なくとも1つのコンパートメントにおける預け入れの期限であるとき、少なくとも1つのモバイルデバイスは、リモート出荷サーバによって生成される認可コードを、リモート出荷サーバから受信し、認可コードを、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタへ転送し、そうすることによって、モバイルデバイスをもたないパーセル受領者は、ロックインターフェースを介して認可コードを入れることによってパーセルを取り出すことができ、好ましくは、認可コードは一意であり、パーセルの一意のパーセル識別に一意に関連付けられ、有利には、認可コードは、パーセル受領者によって一度だけ使うことができるワンタイムコードである。

【0041】

本発明の特徴によると、認可コードは、預け入れ用のパーセルが識別された後、少なくとも1つのモバイルデバイスによって、パーセルの預け入れのときに要求される。

【0042】

本発明の別の特徴によると、認可コードは、リモート出荷サーバによって生成され、運送代行業者が少なくとも1つのパーセルロッカーへの毎日の配送を計画する前または計画したときに、一時保管のために少なくとも1つのモバイルデバイスへ通信され、したがって、パーセルロッカーが、長距離ワイヤレス通信によってカバーされないエリア中で操作されることを可能にする。

【0043】

有利には、パーセルを取り出すための、通知の中の情報は、認可コードと、少なくとも1つのパーセルロッカーのロケーションと、パーセル識別と、少なくとも1つのコンパートメントの可視部に添付された物理識別子に対応するコンパートメント識別子とを含む。

【0044】

別の実施形態では、少なくとも1つのモバイルデバイスによって受信された通知は、パーセル識別を含み、少なくとも1つのモバイルデバイスへオーセンティケータを転送するために設計された機能性を含む。

【0045】

特定の実施形態では、方法は、機能性をアクティブ化し、少なくとも1つのモバイルデバイスへパーセル識別を転送するステップと、リモート出荷システムにおいてホストされるウェブアプリケーションをアクセスするステップと、ウェブアプリケーションを介して、少なくとも1つのモバイルデバイスに、パーセルを取り出すためのオーセンティケータをリモート出荷システムに対して要求させるステップと、少なくとも1つのモバイルデバイスからリモート出荷システムへパーセル識別を転送するステップと、リモート出荷システムによって、パーセル識別に基づいて少なくとも1つのパーセルロッカーおよび少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタを識別するステップと、リモート出荷システムによってオーセンティケータを生成するステップであって、オーセンティケータは、少なくとも1つのコンパートメントに一意に関連付けられるとともに、リモート出荷システムに記憶された、取り出された第2の一意のクラスタ識別を含むか、またはそれとともに送られる、ステップと、少なくとも1つのモバイルデバイスへオーセンティケータを転送するステップとをさらに含む。

【0046】

好ましくは、オーセンティケータを含むデータは、機能性内にカプセル化され、機能性がアクティブ化されると、データは少なくとも1つのモバイルデバイスへ転送される。

【0047】

別の実施形態では、方法は、自動ロック解除のために、少なくとも1つの自律コンパートメントによって発せられたブロードキャストショートメッセージを、少なくとも1つのモバイルデバイスによってキャプチャするステップであって、ブロードキャストショートメッセージは、一意のクラスタ識別を含む、ステップと、どの自律コンパートメントクラスタが受領者のパーセルを含むかを識別するために、リモート出荷システムから受信された第2の一意のクラスタ識別と、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタから受信された第1の一意のクラスタ識別との間の一致を、少なくとも1つのモバイルデバイスによってチェックするステップと、一致の場合、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタの限られたリスニング時間窓内に応答メッセージがキャプチャされ得るように、通信を確立するために、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタへ応答メッセージを少なくとも1つのモバイルデバイスによって送るステップであって、応答メッセージは、リモート出荷サーバによって与えられたオーセンティケータを含む、ステップと、少なくとも1つのモバイルデバイスとの通信を確立するために、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタによってオーセンティケータを検証するステップと、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタが少なくとも1つのコンパートメントをロック解除するための要求を、少なくとも1つのモバイルデバイスによって送るステップと、パーセル取出しのために、少なくとも1つの自律コンパートメントクラスタによってロック解除するステップとをさらに含む。

【0048】

以下の説明を添付の図面とともに検討すると、本発明の教示の他の態様、特徴および利点が、当業者にはより明らかになるであろう。

【図面の簡単な説明】

【0049】

【図1】本発明の実施形態によるパーセルロッカーシステムのアーキテクチャを示す図である。

【図2】本発明の実施形態によるロッキングモジュールのアーキテクチャを示す図である。

【図3】本発明の実施形態による、運送代行業者によってパーセルを預けるための、本発明の実施形態によるプロセスを示す図である。

【図4】コンパートメントを操作するためのモバイルデバイスを使って、受領者によってパーセルを取り出すための、本発明の実施形態によるプロセスを示す図である。

【図5】従来技術の電子パーセルロッカーシステムを示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0050】

本発明によると、電力接続の、および長距離通信の必要を回避するため、ならびに簡単な設置および構成アップグレードを可能にするために、短距離ワイヤレス通信を介してモバイルデバイスとローカルに対話するコンパートメントの自律クラスタが開示される。図1は、パーセルロッカー100と、リモート出荷システム106と、3G～4GまたはGSMなどの技術に基づく長距離通信ネットワーク104を介して通信するモバイルデバイス102とを備える、本発明のパーセルロッカーシステムの実施形態を示し、システム106は、パーセルロッカー100への認可アクセスを管理し、パーセルロッカー100によって扱われる荷物に関するデータを管理する。パーセルロッカー100は自律コンパートメントクラスタ110iからなり、クラスタ110iは、いくつかのコンパートメント112jを備え得る。設置現場で、または欠陥構成要素を交換するために、簡単に扱われるように、そのようなコンパートメントクラスタは通常、2つもしくは3つのコンパートメント、または結局はただ1つの大型コンパートメントを備える。コンパートメントクラスタは、列114を形成するように、積み重ねられ、機械的に互いに固定されてよい。自律コンパートメントクラスタは、いかなる電力接続も長距離通信もない設計によって特徴付けられ、簡単な設置および構成アップグレードならびにサービス提供を可能にする。同じ幅を有する、コンパートメント112jおよび自律コンパートメントクラスタ110iは、異なるパーセルサイズとの最良一致に対処するために、異なる高さを有し得る。列114は次いで、より大きいパーセルロッカーユニットを形成するように、機械的に互いに固定されてよい。各コンパートメント112jは、開き戸116jを有して表側に備えつけられ、開き戸116jは、開けられると、パーセル118jをコンパートメントの中に預け入れ、またはコンパートメントから取り出すことを可能にする。各自律コンパートメントクラスタ110iは、通信用ロッキングモジュール120iを含み、モジュール120iは、クラスタのコンパートメントの各ドアのロッキングおよびロック解除を電子制御する。各ロッキングモジュール120iは、WIFI、IRまたはBluetoothなどの短距離通信122iにより、近くのモバイルデバイス102とのローカル通信を確立することができる。

【0051】

リモート出荷システムはデータベースシステム130を備え、システム130は、荷物運送業者によって、またはパーセルロッカーパークを所有もしくは管理するサービス会社によって操作されるいくつかのサーバシステムに最終的にはインストールされる、いくつかのデータベースを含み得る。データベースシステム130は、リモート出荷システムによって制御されるべきパーセルロッカー100すべての構成を記憶する。各パーセルロッカー構成(PL構成)は、一意のパーセルロッカー識別132と、パーセルロッカーの各コンパートメントクラスタ110iについて、一意のクラスタ識別134iとを含む。PL構成はまた、各コンパートメントクラスタについて、コンパートメントクラスタ用の残存エネルギーのレベルを含むクラスタステータステーブル136iと、反復時間期間パラメータ、リスニング時間窓パラメータおよび電力放出パラメータを含むクラスタブロードキャストテーブル138iとを含み、これらのパラメータは、ロッキングモジュールがモバイルデバイスに向けてショートメッセージをブロードキャストするための最適化されたパラメータに対応する。クラスタステータステーブルはまた、コンパートメントクラスタの各コンパートメントについて、コンパートメント識別、ロックのステータス(ロック済み/ロック解除)、ドアのステータス(開/閉)、コンパートメントが故障しているか、それとも使用可能であるか、またはコンパートメントが清潔か、それとも汚れているかを含む。コンパートメントクラスタの各コンパートメントは、コンパートメントクラスタのコンパートメントの中のコンパートメントをインデックス付けするコンパートメントインデックスによって識別され得る。一意のクラスタ識別の、およびコンパートメントインデックスの関連付けにより、コンパートメントの一意の識別(一意のコンパートメント識別)が可能になる。さらに、PL構成は、各コンパートメント112jについて、パーセルがコンパートメント112j中に預けられている場合、ユーザについての視覚識別子として、コンパートメントクラスタ上で複製されるコンパートメント識別子140jと、コンパートメントサイズ142jと、一意のパーセル識別144jとを含む。

【0052】

データベースシステム130はまた、パーセルロッカーユーザの証明書と、電話番号およびeメールアドレスなど、ユーザと通信するための情報とを記憶する。特に、データベースシステム130は、各パーセル受領者について、一意の認可コード150jを記憶し、このコードは、コンパートメントに預けられた各パーセルについて、リモート出荷システムによって生成され、パーセル受領者が自分のパーセルを取り出すために必要とされ得る。この一意の認可コード150jは、受領者証明書に関連付けられ、対応するパーセルのパーセル識別144jに一意に関連付けられる。

【0053】

モバイルデバイス102は、スマートフォンまたは携帯情報端末(PDA)またはロッキングモジュールの短距離通信能力との互換性があるいくつかの短距離通信能力を有するとともに、リモート出荷システム106の長距離通信能力との互換性があるいくつかの長距離通信能力を有する、どのコンピュータ化されたモバイルデバイスであってもよい。本発明によると、モバイルデバイスは、パーセルロッカーのコンパートメントを操作するためのユーザインターフェースとして使われ、従来技術のパーセルロッカーの中央ユーザインターフェースと置き換わり、従来技術のパーセルロッカーのインターフェースはしたがって、本発明のパーセルロッカーでは必要とされない。特に、パーセル受領者によってコンパートメントにアクセスするための認可コードは、受領者のモバイルデバイスを介してロッキングモジュールに通信されてよく、したがって、従来技術のパーセルロッカーでのように、ユーザインターフェースを介して入れられる必要はない。より全般的には、モバイルデバイスは、リモート出荷システムとパーセルロッカーのロッキングモジュールとの間の通信用のチャネルとして使われ、非同期双方向マルチチャネル通信を確立させる。その結果、リモート出荷サーバはたとえば、どのモバイルデバイスを介しても、コンパートメントの操作を阻止するための命令を転送することができ、またはコンパートメントクラスタのロッキングモジュールは、どのモバイルデバイスを介しても、コンパートメントクラスタのコンパートメント内の操作に関するイベントなどの情報をリモート出荷システムへ転送することができる。

【0054】

通常はPDAを使い得るパーセル受領者または用地所有者または運送代行業者を含む、異なるカテゴリのユーザが、自身のモバイルデバイスを介して、パーセルロッカーのコンパートメントと対話することができる。好ましくは、モバイルデバイスは、特にパーセル受領者の場合は、自身の個人向けスマートフォンを使うことができるように、スマートフォンでなければならない。パーセルロッカーコンパートメントをローカルに操作するためのモバイルパーセルロッカーアプリケーション(MPLアプリケーション)が、モバイルデバイス上にインストールされてよく、好ましくは、リモートサーバから、たとえばアプリケーションストアを介してダウンロードされてよい。このMPLアプリケーションは、通常は用地所有者のためにパーセルロッカーを設置もしくはサービス提供するための、または通常は運送代行業者のためにパーセルを配送するための、または通常はパーセル受領者のためにパーセルを取り出すためか、もしくは通知を受信するためのサブプログラムを含む。好ましくは、MPLアプリケーションは、ユーザカテゴリに従ってインスタンス化される。運送代行業者PDAの場合、MPLアプリケーションは、パーセルを配送するための、自分のPDAにインストールされた運送代行業者ソフトウェアモジュールに一体化されてよい。

【0055】

自律コンパートメントクラスタの使用は、特にコンパートメントクラスタ周りのいかなる電気配線の、またはいかなる電力接続の必要性も回避するとき、容易さおよび柔軟性をもたらす。ただし、各コンパートメントクラスタの電力消費を最小限にするという主要な要件があり、したがって、重大なエネルギー消費源である、通信およびデータ交換を最小限にするためのロッキングモジュールの必要性がある。電力消費を最小限にするための1つのやり方は、ロッキングモジュールの操作のための低エネルギーモードまたはスリープモードを実装するものである。並行して、パーセルロッカーにおけるボタンにタッチすることなど、ロッキングモジュールを起動するためのいかなる特定のアクションもユーザが実践しなくてよいことを特に保証すること、またはたとえば長いデータ交換のせいで、パーセルロッカーの前でユーザがあまりにも長い時間待たなくてよいことを保証すること、またはコンパートメントクラスタのロッキングモジュール中に記憶されたデータが簡単に更新され得ることを保証することを含む、パーセルロッカーの使いやすさを最適化する必要がある。すべてのこれらの態様は、本発明によって、以下で説明するように対処される。

【0056】

図2は、コンパートメントクラスタ110iのロッキングモジュール120iを示し、ロッキングモジュールは、プロセッサまたはプロセッサ210のグループと、バス214を介して、または直接制御ラインを介してロッキングモジュールの主要構成要素を制御する、関連付けられた揮発性メモリ212とを備える。短距離ワイヤレス通信が、アンテナ218を備えた無線トランシーバモジュール216によって実践される。無線トランシーバモジュールは、いくつかのレジスタを含むことができ、またはロッキングモジュールメモリ内の専用レジスタへのアクセスを有することができる。無線トランシーバモジュールに専用のこれらのレジスタは、無線トランシーバモジュールおよびアンテナの操作のための設定用データと、初期メッセージに関するか、または1つのモバイルデバイスもしくはいくつかのモバイルデバイスと通信を始動するための、ロッキングモジュールによって送られるショートメッセージをブロードキャストするデータとを含む。コンパートメントクラスタの各コンパートメントのドアは、電気ロック220nを備える。電気ロックのドア固定は、プロセッサ210の制御下で電気ロックに電力を特に提供する電力段221により実施され、プロセッサ210によって直接制御される。センサー222nは、電気ロックのステータス(ロック済み/ロック解除)またはドアのステータス(開/閉)またはコンパートメントが空であるか、それとも満杯であるかを確立するために、各コンパートメントごとに設けられてよい。センサーの電力供給ならびにセンサーによって実施される測定は、ロッキングモジュールのセンサー入力/出力ポート(I/O)223により提供される。発光ダイオード(LED)などの視覚インジケータ224nが、各コンパートメント上に取り付けられ、プロセッサによって、たとえば、どのコンパートメントが、パーセルを預けるために、または取り出すために使われるべきかを指示するために制御され得る。インジケータの電力供給は、ロッキングモジュールのインジケータ入力/出力ポート(I/O)225により提供される。好ましくは、ドアがロック解除されると、ドアは、たとえばばね機構のおかげで自動的に開き、したがって、視覚インジケータをまったく必要とせずに、どのコンパートメントが使われるべきかを指示する。システムは、パーセル受領者によって、スマートフォンなどのモバイルデバイスを用いて操作されるように設計されるが、ピンパッドまたは当該分野において知られている別のインターフェースなどのロックインターフェース226も、モバイルデバイスを所有していないパーセル受領者に提供され、そうすることによって、受領者は、ロックインターフェースを用いて自分の認可コードを入れることによって、コンパートメントにアクセスすることができる。番号などのコンパートメント識別子が、各コンパートメントの可視部に、たとえばドアに添付されてよく、そうすることによって、ユーザは、特定のコンパートメントを識別することができる。したがって、モバイルデバイスを所有していない受領者が、パーセルをそこから取り出す必要があるコンパートメントと、コンパートメントの近くに置かれた、関連付けられたロックインターフェースとを識別することができる。代替として、番号などのクラスタ識別子が、各コンパートメントクラスタの可視部に添付されてよく、そうすることによって、ユーザは、特定のコンパートメントクラスタと、関連付けられたロックインターフェースとを識別することができる。したがって、モバイルデバイスを所有していない受領者は、パーセルをそこから取り出す必要があるコンパートメントクラスタを識別し、コンパートメントを開けるための対応するロックインターフェースを使うことができる。

【0057】

ロッキングモジュールは電力源228によって電力供給され、電力源228は、ソーラーパネルもしくは環境発電機器またはどの他の電気エネルギー供給装置による交換可能バッテリーまたは充電可能バッテリーであってもよい。電力消費を最小限にするために、エネルギー管理モジュール230は、エネルギーモードの遷移を管理し、コンパートメントクラスタ110iが、異なる低エネルギーモードまたは異なるスリープモードで稼働されるようにする。各エネルギーモードは、どの周辺装置または構成要素が利用可能であるかを定義し、周辺装置または構成要素によって消費される電流の量を制限する。たとえば、エネルギー管理モジュールは、揮発性メモリ212の使われていないブロックの電力をオフもしくはオンにしてよく、または無線トランシーバモジュールをオフもしくはオンにしてよい。エネルギー管理モジュールは、電圧調整器と、エネルギーモードを切り替えるためのタイマーとを備え得る。プロセッサによって制御され、直接アクセス可能である不揮発性メモリ240は、プロセッサ210によって稼働されるファームウェアと、操作イベントなど、モバイルデバイスを介してリモート出荷サーバから受信されるか、またはコンパートメントクラスタ110i内で生成されるデータとを記憶する。不揮発性メモリ240に記憶されるデータは、コンパートメントクラスタを一意に識別するクラスタ識別250と、コンパートメントクラスタのコンパートメントの中の各コンパートメントをインデックス付けするために使われるコンパートメントインデックス251nと、ロッキングモジュールに記憶され得るイベントの限度を指示するイベント限度252と、コンパートメントクラスタの各コンパートメントの状態を指示するクラスタ状態253と、電力源のステータスを指示する低電力ステータス254と、コンパートメントクラスタのコンパートメントすべての操作に対して起きたイベントを記憶するイベントテーブル255とを含む。イベントテーブルに記憶され得る典型的なイベントは、ドアのステータスの変化と、新たなステータス(開/閉)またはロックのステータスの変化と、新たなステータス(ロック済み/ロック解除)またはコンパートメントが汚れているか、それとも故障しているか、またはコンパートメントにパーセルが預けられているかどうかとを含む。イベントは、リモート出荷システムが、コンパートメントクラスタの、およびパーセルロッカーのパークを監視および管理するために、モバイルデバイスを介した、リモート出荷システムへの転送の前に、コンパートメントクラスタに一時的に記憶される。ロッキングモジュールの使われるメモリを最小限にするために、リモート出荷システムへのイベントの転送が成功すると、イベントはイベントテーブル255から消去され、イベント限度252は、必要な場合、更新される。不揮発性メモリ240は、機能すべてに対応する機能テーブル260も記憶し、これらの機能は、コンパートメントクラスタ操作に利用可能であり、認可されたモバイルデバイスによる要求に応じて、プロセッサ210によって稼働することができ、コンパートメントクラスタの各コンパートメントについて一意の認可コード270nを記憶することができ、認可コードは、コンパートメント中のパーセルの取出しのために、受領者に対して要求されてよく、クラスタブロードキャストテーブル272を記憶することができる。

【0058】

短距離ワイヤレス通信によりロッキングモジュール120iと通信するために、モバイルデバイス102は、関連付けられた短距離ワイヤレス通信ソフトウェアを稼働するプロセッサによって制御されるアンテナを備えた無線トランシーバモジュールも備える。特に、それは、それが通信しなければならない可能性がある異なるコンパートメントクラスタを発見するためのスキャン機能を備える。そのようなハードウェアおよびソフトウェア構成要素は一般に、スマートフォンまたはPDAに利用可能である。

【0059】

コンパートメントクラスタが使用中でないとき、ロッキングモジュールは、コンパートメントクラスタの電力消費を最小限にするように、ディープスリープモード、すなわち超低エネルギーモードにある。そのようなディープスリープモードでは、コンパートメントクラスタのエネルギーレベルは、コンパートメントクラスタが起動し、完全に使用可能であるときの平均エネルギー消費の10%を下回る。非常に限られた機能のみが利用可能であり、特に無線トランシーバモジュールはスリープしており、ロッキングモジュールは、通信することができず、コンパートメントクラスタに近接したモバイルデバイスによって起動させることができない。モバイルデバイスとの通信セッションを始動できるようにするために、ディープスリープモードにあるとき、ロッキングモジュールは一時的に、ショートメッセージをブロードキャストするために部分的に起動する。低エネルギースリープモードに対応する、この部分的起動は、無線トランシーバモジュールをアクティブ化し、エネルギー管理モジュールによって制御することができ、エネルギー管理モジュールは、スリープモードへの遷移をトリガするための低エネルギースリープタイマー280を備えることができる。スリープモードでは、追加機能性は、ディープスリープモードと比較して、ブロードキャストショートメッセージを送ること、および応答を待つことに制限される。ロッキングモジュールの操作は、スリープモードにおいてアクティブ化解除される、通信管理およびアクセス認可管理を含む高レベル機能性を制御する高エネルギープロセッサモジュール210Aと、ディープスリープモードにおいてアクティブ化解除される、ブロードキャストショートメッセージを送り、応答を待つための無線トランシーバモジュールを制御する低エネルギープロセッサモジュール210Bと、最小限の制御のための超低エネルギープロセッサモジュール210Cとを備えるいくつかのプロセッサモジュールからなるプロセッサによって制御されてよい。エネルギー管理モジュールは、これらのモードの間の切替えおよび関連付けられたエネルギー消費を管理する。ロッキングモジュールの操作は、協力するとともに活動およびエネルギー消費がエネルギー管理モジュールによって管理される別個のプロセッサによって制御されてもよい。たとえば、特定のプロセッサが、無線トランシーバモジュールを制御してよく、具体的には、スリープモード中に起動され得る。

【0060】

電力消費を最小限にするために、ロッキングモジュールは概して、ディープスリープモードに保たれる。モバイルデバイスとの通信を可能にするために、低エネルギースリープタイマー280は、反復時間期間に従って、ディープスリープモードからスリープモードへの遷移を定期的にトリガする。スリープモードに入ると、ロッキングモジュールは、ブロードキャストショートメッセージを送り、限られたリスニング時間窓中に、モバイルデバイスからの応答をアクティブにリッスンする。リスニング時間窓の終了は、リスニング時間窓タイマー282によってトリガされ、このタイマーは、エネルギー管理モジュール中に備えられ得る。コンパートメントクラスタに近接するとともに短距離通信がアクティブ化されているモバイルデバイスは、ロッキングモジュールからのブロードキャストショートメッセージをリッスンするためのスキャン機能を有する。モバイルデバイスが、ロッキングモジュールからのブロードキャストショートメッセージをキャプチャすると、およびモバイルデバイスが、このロッキングモジュールとの通信を確立する必要がある場合、モバイルデバイスは、通信を確立するための応答メッセージを、ロッキングモジュールへ直ちに送り、そうすることによって、応答メッセージは、ロッキングモジュールの限られたリスニング時間窓内にキャプチャされ得る。

【0061】

モバイルデバイスからの応答メッセージの、無線トランシーバモジュールによる受信は、ロッキングモジュールの完全起動をトリガする。エネルギー管理230は、高レベル機能性を制御する高エネルギープロセッサモジュールをアクティブ化することによって、または協力している別個のプロセッサを有するアーキテクチャの場合、対応するプロセッサをアクティブ化することによって、プロセッサ高レベル機能性をアクティブ化する。モバイルデバイスとの通信を確立するために、ロッキングモジュールの完全起動が必要とされ、というのは、スリープモードでは、ロッキングモジュールは、モバイルデバイスとの通信セッション用の認可を実施することができず、通信の確立を完了することができないからである。通信が確立されると、モバイルデバイスは次いで、要求およびコマンドを始動するとともに、ロッキングモジュールからの応答を受諾するクライアントとして振る舞う。ロッキングモジュールは、要求およびコマンドを受信し、要求されたアクションを実施し、応答を戻すサーバとして振る舞う。ブロードキャストショートメッセージの効率および応答メッセージのキャプチャレートを改善するために、いくつかの波長チャネルが、モバイルデバイスとロッキングモジュールとの間のやり取りに使われてよい。いくつかのチャネルを使うことは、いくつかのチャネルが偶然、いくつかの他のローカル放出と干渉するか、または環境によって阻止されるときにも特に有用である。

【0062】

モバイルデバイスからの、ブロードキャストショートメッセージへのどの応答も、限られたリスニング時間窓内に無線トランシーバモジュールによってキャプチャされない場合、リスニング時間窓タイマー282は、スリープモードの終了をトリガし、エネルギー管理230は、ディープスリープモードへの戻りを管理し、無線トランシーバモジュールおよび低エネルギープロセッサモジュールをアクティブ化解除する。

【0063】

ロッキングモジュールの電力消費を最小限にするために、リスニング時間窓は最小限にされなければならず、反復時間期間は最大限にされなければならない。ただし、これらの調節は、ユーザエクスペリエンスに影響しないために、通信セッションを十分に素早く確立する必要性によって制限され、したがって、十分に長いリスニング時間窓および十分に短い反復時間期間を必要とする。並行して、電力消費を最小限にするために、ロッキングモジュールの無線トランシーバモジュール216およびアンテナ218の電力放出も、エネルギー消費によりチャネルの数が増すので、波長チャネルの数と同様に最小限にされ得る。ただし、ロッキングモジュールの電力放出および/またはチャネルの数は、環境条件によっては、モバイルデバイスが、ロッキングモジュールからのブロードキャストショートメッセージをキャプチャするために、およびパーセルロッカーから少なくとも10メートル以内で通信セッションを確立するために、十分でなければならない。

【0064】

さらに、パーセルロッカーシステムは、多数のロッキングモジュールから来たブロードキャストショートメッセージが、モバイルデバイスによって並行してキャプチャされ得ること、およびいくつかのモバイルデバイスによって並行して通信セッションが確立され得ることを保証する必要がある。Bluetoothタイプの短距離通信の場合は、ブロードキャスティング構成(反復時間期間、リスニング時間窓、チャネルの数、電力放出)の最適化が実践されている。20個のコンパートメントクラスタを有する標準パーセルロッカー構成のために、最適化されたブロードキャスティング構成は、+/-100msの範囲内で250msの反復時間期間、+20ms/-0msの範囲内で10msのリスニング時間窓、2402～2480MHzの波長範囲内で2または3、好ましくは3というチャネルの数、および+4dBm/-0dBmの範囲内で0dBmの電力放出に対応する。

【0065】

最適化されたブロードキャスティング構成は、パーセルロッカーのコンパートメントクラスタ構成に依存する。したがって、ブロードキャスティング構成が、各パーセルロッカー構成に添付され、リモート出荷サーバのデータベースシステム130に記憶される。パーセルロッカー構成に基づいて、クラスタブロードキャストテーブル138iが定義され、パーセルロッカーの各コンパートメントクラスタについて、データベースシステム130に記憶される。各クラスタブロードキャストテーブルは、変化していく構成および環境に依存して、最適化されたブロードキャスティング設定を確実にするために、対応するコンパートメントクラスタに定期的に通信され、ロッキングモジュールの不揮発性メモリ中のクラスタブロードキャストテーブル272に記憶されてよい。たとえば、運送代行業者モバイルデバイスがコンパートメントクラスタとの接続を確立するたびに、およびクラスタブロードキャストテーブル272が、そのコンパートメントクラスタ向けに更新される必要がある場合、クラスタブロードキャストテーブル138iは、リモート出荷サーバによって、パーセルロッカー構成の一部としてモバイルデバイスに通信され、モバイルデバイスは、クラスタブロードキャストテーブルを、更新のために、コンパートメントクラスタのロッキングモジュールに通信する。複雑なパーセルロッカー構成またはより困難な環境向けには、各クラスタブロードキャストテーブルは、具体的に設定されなければならない場合がある。より簡単な状況向けには、同じパーセルロッカーのすべてのクラスタブロードキャストテーブルが同一であってよい。好ましくは、MPLアプリケーションが、運送代行業者または用地所有者に、ブロードキャスティングパラメータを調節し、パラメータを、やはりリモート出荷サーバに通信され得るように設定するためのウィザードサブプログラムへのアクセスを提供する。

【0066】

コンパートメントクラスタによって発せられ、モバイルデバイスによってキャプチャされた、ブロードキャストショートメッセージは、一意のクラスタ識別250を含み、この識別は、モバイルデバイスによって、コンパートメントを識別するために使われ、次いで、通信セッションを確立するために、コンパートメントのロッキングモジュールへの、モバイルデバイスの応答メッセージに一体化される。ロッキングモジュールの電力消費をさらに最小限にするために、ブロードキャストショートメッセージは、コンパートメントクラスタに関する何らかのステータス情報も含み、そうすることによって、このステータス情報に基づいて、さらなるアクションまたは通信が回避され得るか、または最小限にされ得る。プロセッサ210上で稼働されるロッキングモジュールファームウェアは、ブロードキャストショートメッセージを準備するために構成され、このメッセージは、以下のステータス情報を含む。
・不揮発性メモリ240に記憶されたイベントの限度に達したことを示すイベント限度252であって、限度への到達は、通常、不揮発性メモリ240中の、イベントに割り振られたメモリ空間の限度に達したことを意味し、したがって、パーセル預け入れが、たとえば、イベントのうちのいくつかがクリアされている、すなわち、通常はリモート出荷サーバへの転送に成功し得るまで、特定のロッキングモジュールを用いて始動されるべきである。
・コンパートメントクラスタの各コンパートメントが空であるか、それとも満杯であるかを特に定義する、したがって、パーセルが預け入れ可能か、それともコンパートメント中にないかを示すクラスタ状態253。
・低電力ステータスを取得するために、特定の接続も要求も必要とされないようにする低電力ステータス254。

【0067】

ステータス情報は、モバイルデバイスが、ロッキングモジュールの動作を損ない得るか、または完了されない可能性があるいくつかのアクションを始動するのを防止するために、モバイルデバイスに提供される。たとえば、低電力ステータスに達した場合、電力供給が補給される前にロッキングモジュールと対話すると、電力供給を完全に排出する可能性があり、未完アクションおよび損なわれたロッキングモジュールコンディションが生じる。好ましくは、ステータス情報のサイズを最小限にするために、イベント限度および低電力ステータスは両方とも、単一ビットである。コンパートメント状態はビットの連結であり、各ビットは、空/満杯コンパートメントまたは開/閉ドアまたはロックされた/ロック解除されたコンパートメントなどのブール状態に対応する。

【0068】

ブロードキャストショートメッセージのステータス情報は、ロッキングモジュールが完全に起動している間に準備される。ブロードキャストショートメッセージは次いで、ロッキングモジュールがスリープモードにあるとき、容易なアクセスおよびブロードキャスティングのために、特定のレジスタに記憶されてよい。ブロードキャストショートメッセージは、その扱いを容易にし、ロッキングモジュールがそのメッセージを送るのに必要とされるリソースおよびエネルギーを最小限にするために、サイズが制限される。

【0069】

モバイルデバイスが、ブロードキャストショートメッセージを特定のコンパートメントクラスタから受信すると、モバイルデバイスは、たとえば、コンパートメントクラスタに記憶されたイベントをリモート出荷システムへ転送するために、またはコンパートメントクラスタのコンパートメントにパーセルを預けるために、またはコンパートメントクラスタのコンパートメントからパーセルを取り出すために、その特定のコンパートメントクラスタと通信セッションを確立する必要があり得る。無認可デバイスからの、いかなる通信も、および最終的にはコンパートメントクラスタへのいかなるアクセスも防止するために、好ましくは一意のオーセンティケータが、通信セッションを確立するための、モバイルデバイスからの要求の一部として提供されなければならず、このオーセンティケータは、通信セッションの確立を認可するために、コンパートメントクラスタのロッキングモジュールによって調べられる。

【0070】

オーセンティケータは、要求が適切なコンパートメントクラスタへアドレス指定されることを保証するために、ロッキングモジュールによって調べられる一意のクラスタ識別を含むか、またはそれとともに送られ、(たとえば、その特定のコンパートメントへの預け入れまたはその特定のコンパートメントからの取出しのために)確立される通信セッションに関連付けられたコンパートメントを識別するコンパートメントインデックスを含む。通信セッションを確立するための、モバイルデバイスからの要求は、他のコンパートメントクラスタによって受信され得るが、クラスタ識別における一致がないので、拒否される。モバイルデバイスとの通信セッションがコンパートメントクラスタによって認可されると、どの他のモバイルデバイスからのどの要求も拒否される。通信セッション中、モバイルデバイスからコンパートメントクラスタへのどの要求も、オーセンティケータを含む必要があり得る。オーセンティケータは、リモート出荷システムによって生成され、リモート出荷システムによってモバイルデバイスに提供される。

【0071】

オーセンティケータは特権マスクも含み、このマスクは、機能テーブル260内のすべての利用可能機能の中で、認可される機能を識別する。リモート出荷システムによる特権マスクの生成は、ユーザに、および特にユーザカテゴリに依存する。リモート出荷システムは次いで、特権マスクを、オーセンティケータ内でモバイルデバイスに提供する。特権マスク、ならびにオーセンティケータは、MPLアプリケーションへのユーザのログインに続いて、リモート出荷システムによって生成され、MPLアプリケーションは、パーセルロッカーコンパートメントと対話するために、ユーザのモバイルデバイスにインストールされ、リモート出荷システムに対してオーセンティケータを自動的に要求する。通信セッションの確立に続いて、コンパートメントクラスタによって受信された特権マスクは、コンパートメントクラスタが、特定のユーザ向けに認可される機能へのアクセスを提供するのに使われる。特権マスクは、揮発性メモリに記憶され、特定のユーザ向けに認可される機能を調べるための、ロッキングモジュールによって稼働されるファームウェアによってアドレス指定されてよい。特権マスクのサイズを最小限にし、したがってロッキングモジュールと交換されるデータボリュームを最小限にするのに関与するために、特権マスクは、一連のビット、好ましくは32または64ビットシリーズの中にあり、各ビットは、機能テーブル260の特定の機能に対応する。ビット値は、機能が認可されるか、それとも認可されないかを示す。たとえば、1に設定されたビットは、機能が認可されていることを示すことができ、0に設定されたビットは、機能が認可されていないことを示すことができる。特権マスク用のそのようなフォーマットは、情報の圧縮を、およびオーセンティケータへの特権マスクの好都合な包含を可能にし、これにより、認可された機能を定義するための、コンパートメントクラスタとモバイルデバイスとの間の追加通信の必要性が防止される。パーセルロッカーの異なる機能へのアクセスを必要とする、異なるカテゴリのユーザによって操作される従来技術のパーセルロッカー用に、役割は通常、あらかじめ定義され、パーセルロッカーに記憶される。特定の役割が各ユーザに付与され、ユーザが、パーセルロッカーとの通信またはアクセスを確立すると、ユーザに取り付けられた役割はパーセルロッカーに提供される。その結果、何らかの機能アクセスが変えられなければならず、したがって対応する役割が変えられなければならないとき、これらの役割は、ユーザとパーセルロッカーとの間にどの新たな通信が確立され得る前にも、更新され、パーセルロッカーすべてに記憶される必要がある。役割更新は、長距離通信による、リモートサーバからのダウンロードによって実施され得る。しかし、本発明によって対処されるように長距離通信が利用可能でないときは、いかなる役割更新も、ロッキングモジュール用に必要とされないので、特権マスクの使用は、主要な利益である。さらに、一連のビットの形での特権マスクの使用により、ロッキングモジュール操作は特に効率的になり、というのは、ロッキングモジュールに対するストリング要求の翻訳が必要とされないからであり、これは通常、たとえば、ユーザがコンパートメントとの通信またはアクセスを始動するとき、ユーザに取り付けられた役割が、コンパートメントクラスタに提供される場合に成り立つ。

【0072】

パーセルロッカーの異なるコンパートメントのステータスを監視し、記憶する中央制御ユニットを含むとともに、異なるコンパートメントを制御する、従来技術のパーセルロッカーとは反対に、自律コンパートメントからなる、本発明のパーセルロッカーは、いかなる中央制御ユニットも含まない。本発明のパーセルロッカーシステムでは、コンパートメントのステータスの監視および記憶は、リモート出荷サーバによって実施され、サーバは、コンパートメントのローカル制御をMPLアプリケーションに委任する。本発明のパーセルロッカーへのパーセル預け入れが運送代行業者によって始動されると、PL構成が、リモート出荷サーバによって運送代行業者MPLアプリケーションに提供される。PL構成は、パーセルロッカーのコンパートメントに預けられたパーセルのすべてのクラスタ識別およびパーセル識別を含む。PL構成は、ユーザが自分のモバイルデバイスによりパーセルロッカーを操作できるために、たとえば、運送代行業者が、どのコンパートメントにパーセルが預けられ得るかを選択できるために、必須である。好ましくは、PL構成は、コンパートメントクラスタからの、第1のブロードキャストショートメッセージの、モバイルデバイスによる受信に続いて、MPLアプリケーションによってリモート出荷サーバに対して要求される。

【0073】

ブロードキャストショートメッセージに含まれるとともに、PL構成要求内でリモート出荷サーバへ転送される、一意のクラスタ識別250に基づいて、リモート出荷サーバは、そのデータベースシステム130内で、対応するパーセルロッカーを識別し、PL構成をモバイルデバイスに提供する。PL構成がモバイルデバイスによって受信されると、預け入れに利用可能なコンパートメントがMPLアプリケーションによって識別されてよく、そのコンパートメントを備えるコンパートメントクラスタとの通信セッションが、パーセルの預け入れのために、モバイルデバイスによって確立されてよい。コンパートメント利用可能性は、パーセル識別がコンパートメントクラスタのコンパートメントに関連付けられているか、すなわち、コンパートメント識別に関連付けられているかどうかのように、リモート出荷サーバによって提供されるPL構成中に含まれるクラスタステータステーブル136iに基づいて確立される。ブロードキャストショートメッセージとともにコンパートメントクラスタから受信されたイベント限度252に基づいて、MPLアプリケーションは、PL構成更新が必要とされ得るということを立証する。代替実施形態では、PL構成は、運送代行業者がパーセルロッカーの近くに到着する前に、リモート出荷サーバから受信され、パーセル預け入れは、ブロードキャストショートメッセージが、パーセルロッカーのコンパートメントクラスタすべてから、モバイルデバイスによって受信される前に開始することができ、したがって、運送代行業者にとって遅れが最小限になる。

【0074】

PL構成に基づいて、MPLアプリケーションは、パーセルロッカーを構成するコンパートメントクラスタの数も確立することができ、ブロードキャストショートメッセージがパーセルロッカーのコンパートメントクラスタすべてから受信されることをチェックすることができる。運送代行業者によるパーセル預け入れの効率は、リモート出荷サーバによって提供されるPL構成の正確さに依存する。したがって、パーセルロッカーのコンパートメントに関するイベントが、できるだけ早くリモート出荷サーバへ転送されることが重要である。好ましくは、イベントは、ユーザのモバイルデバイスを介した、パーセルロッカーに対する任意のユーザ操作の一部として転送される。ただし、何人かのパーセル受領者は、モバイルデバイスを使わずに、自身のパーセルを取り出す場合があり、またはいくつかの操作では、モバイルデバイスへイベントを転送することができない。したがって、コンパートメントクラスタに関するいかなるイベントも、預け入れなどのユーザ操作中であっても、または低電力ステータスなどのコンパートメントクラスタ内部動作中であっても、リモート出荷サーバへのイベントアップロードを実施するどのモバイルデバイスを介してもリモート出荷サーバへ転送され得るように、イベントテーブル255に記憶される。

【0075】

本発明のある態様は、本発明のパーセルロッカーシステムが、リモート出荷サーバと、パーセルロッカーのパークのコンパートメントクラスタとの間の非同期双方向マルチチャネル通信の確立を可能にすることであり、ここで、複数のモバイルデバイスがマルチチャネルネットワークを構成する。上述したように、非同期通信が、たとえば、コンパートメントクラスタからリモート出荷サーバへイベントなどのデータを転送するために、モバイルデバイスとコンパートメントクラスタとの間の通信セッションの確立に続いて、モバイルデバイスを介した、コンパートメントクラスタからリモート出荷サーバへの方向で確立される。モバイルデバイスは、データを、リモート出荷サーバへの転送が完了し得るまで、一時的に記憶する。この転送は、パーセルロッカーを操作するためのインストールおよびアクティブ化されたMPLアプリケーションをもつ、どのモバイルデバイスにより実施されてもよく、そうすることによって、データは、コンパートメントクラスタとの通信を確立する第1のモバイルデバイスを介してアップロードされ得る。反対方向では、リモート出荷サーバは、モバイルデバイスを介して、認可コードなどのデータまたはコンパートメントの操作を阻止するためなどの命令のいずれかをコンパートメントクラスタへ通信する。データまたは要求は、コンパートメントクラスタへの転送が完了し得るまで、モバイルデバイスに一時的に記憶される。この非同期通信は、インストールおよびアクティブ化されたMPLアプリケーションをもつ、どのモバイルデバイスによって実践されてもよい。

【0076】

好ましくは、リモート出荷サーバは、あらかじめ設定された規則に従って、コンパートメントクラスタと通信するための、いくつかの好適なモバイルデバイスを選択する。あらかじめ設定された規則は、リモート出荷サーバから特定のコンパートメントクラスタへの通信が、パーセルの近々起こる預け入れについてなどの、特定のコンパートメントクラスタに関する、リモート出荷システムへの要求を行っているモバイルデバイスへのみアドレス指定されることであってよい。そのような規則は、リモート出荷サーバからの通信が、特定のコンパートメントクラスタとの通信を確立する見込みが最もあるモバイルデバイスを通してのみ、確実にチャネリングされるようにする。双方向通信は、ウェブソケット技術に基づいて確立され得る。本発明によると、パーセルロッカーを操作するための、インストールされたMPLアプリケーションをもつモバイルデバイスは、リモート出荷システムとコンパートメントクラスタとの間で通信するためのマルチチャネル非同期ネットワークを構成し、したがって、通信の効率を最適化し、同時に、本発明は、パーセルロッカーが、長距離ワイヤレス通信によってカバーされないエリアにおいて操作されるようにもする。リモート出荷システムからのデータまたは要求は、長距離ワイヤレス通信によってカバーされないエリアに入る前に、モバイルデバイスに通信され、そこに一時的に記憶されてよく、コンパートメントクラスタからのデータは、リモート出荷システムへの転送を完了するために、モバイルデバイスが、長距離ワイヤレス通信によってカバーされないエリアを出るまで、モバイルデバイスに一時的に記憶されてよい。

【0077】

システムは、スマートフォンなどのモバイルデバイスを用いて、またはモバイルデバイスを用いずに、のいずれかで、パーセル受領者によって操作されるように設計されるが、それは、何人かのパーセル受領者が、モバイルデバイスを所有していない場合があるか、またはコンパートメントを操作するためにモバイルデバイスを使いたくない場合があるからである。パーセル受領者は、短距離ワイヤレス通信能力をもたないモバイルデバイスを所有する場合もあり、またはモバイルデバイスをアクティブ化したくない場合がある。したがって、本発明のパーセルロッカーシステムは、モバイルデバイスを用いてリモートに、と、たとえば、一意の認可コードを入れるためのピンパッドなどのロックインターフェースを用いて手動で、の両方で、パーセル受領者によって操作され得ることが必要である。ただし、モバイルデバイスを用いてパーセルロッカーに自動アクセスすることが、本発明の主目的であり、パーセルロッカーに手動アクセスすることは、一時しのぎの手順である。モバイルデバイスでパーセルロッカーを操作すると、認可コードを入れることが必要とされないので、優れたユーザエクスペリエンスが与えられる。本発明の、この好ましいモードオブジェクトでは、コンパートメントクラスタによるアクセス認可は、受領者モバイルデバイスによって自動的に提供されるとともにリモート出荷システムによって最初に生成されたオーセンティケータをチェックすることによって与えられる。

【0078】

手動アクセスのための一時しのぎの手順をサポートするために、認可コードが、各受領者に体系的に提供される。セキュリティの理由のために、パーセルを取り出すための、受領者に提供される認可コードは好ましくは、取り出されるべき特定のパーセルに一意に関連付けられたワンタイム認可コードであり、したがって、このワンタイム認可コードは、再度使うことはできない。ワンタイム認可コードは、リモート出荷システムによって生成され、管理される。各パーセルがコンパートメントから取り出されるために、ワンタイム認可コードは、受領者が自分のパーセルを取り出しに来る前に、そのコンパートメントを備えるコンパートメントクラスタに提供される必要がある。ある実施形態では、認可コードは、たとえば、パーセルに添付されたパーセル識別をスキャンすることによって、預け入れのためのパーセルが識別された後で、運送代行業者によるパーセル配送時に運送代行業者MPLアプリケーションによって要求される。代替として、別の実施形態では、認可コードは、運送代行業者がパーセルロッカーへの毎日の配送を計画する前または計画するときに、リモート出荷サーバによって事前に生成され、一時保管のためにMPLアプリケーションに通信される。したがって、運送代行業者は、長距離ワイヤレス通信によってカバーされないエリアにいる場合であっても、パーセルロッカーを操作することができる。

【0079】

認可コードについての要求を受信すると、リモート出荷システムは、認可コードを生成するが、このコードは、モバイルデバイス中に一時的に複製される。パーセルが預けられると、認可コードは、モバイルデバイスからコンパートメントクラスタへ転送され、パーセルが預けられている、コンパートメントクラスタのコンパートメント(すなわちコンパートメントインデックス)に関連付けられ、リモート出荷サーバは、コンパートメントクラスタイベントのアップロードにより、預け入れを知らされる。次いで、リモート出荷サーバは、受領者に、パーセルを取り出さなければならないことを、たとえば、SMSまたはeメールを介して通知する。受領者が、MPLアプリケーションをインストールしていない場合、通知は、パーセルロッカーロケーションを、およびコンパートメント識別子140jを、およびコンパートメントを開けるために受領者が入れる必要がある認可コードを、受領者に提供する。受領者がMPLアプリケーションをインストールしてある場合、通知は単に、パーセルロッカーロケーションを受領者に知らせ、コンパートメントを開けるためにMPLアプリケーションを使うべきであることを思い出させる。

【0080】

より全般的には、モバイルデバイスでパーセルロッカーを操作することの利益は、また、用地所有者または運送代行業者を含むどのユーザにも当てはまる。コンパートメントクラスタによるアクセス認可は、ユーザモバイルデバイスによって自動的に与えられるとともにリモート出荷システムによって最初に生成されたオーセンティケータをチェックすることによって与えられ、したがって、たとえば、キーパッドによる、またはバーコードスキャンによる手動認可入力と置き換わる。

【0081】

前述したような、パーセルロッカーを新たに生成する必要性に応えることに加え、本発明の自律コンパートメントクラスタは、追加利益を提供する。コンパートメントクラスタロッキングモジュールが誤動作し、特にそれ以上通信することができない場合、誤動作している中央制御ユニットがパーセルロッカー全体の操作を阻止することになるとともに、即時介入を必要とすることになる従来技術パーセルロッカーでの場合とは異なり、他のコンパートメントクラスタすべてが操作され続けてよく、通信することができる。本発明のパーセルロッカーの場合、誤動作しているコンパートメントクラスタの簡単な交換が、最も適切なときに実施され得る。本発明の別のユーザ利益は、各ユーザが、本発明のコンパートメントクラスタを、自分自身のモバイルデバイスで操作し、したがって、何人かのユーザは、いくつかのコンパートメントクラスタに並行してアクセスすることができることである。ビジー期間中、何人かの受領者が、自分のパーセルを並行して取り出すことができ、または運送代行業者および受領者が、パーセルロッカーコンパートメントクラスタと並行して対話することさえもできる。そのような並列操作は、ロッキングモジュールを提供する本発明のシステムアーキテクチャによって可能にされ、ロッキングモジュールは、ショートメッセージをブロードキャストし、ショートメッセージは、操作イベントを記憶し、モバイルデバイスの、およびリモート出荷システムのPL構成情報を更新する。

【0082】

図3は、運送代行業者によるパーセル預け入れのための本発明の実施形態を示す。パーセルのグループが、特定のパーセルロッカー100に預けられることを計画されると、預け入れタスクは運送代行業者に割り当てられる。預け入れを実践するために、運送代行業者は、モバイルデバイス102を使い、パーセルロッカーを操作するためのMPLアプリケーションにアクセスしなければならない。好ましくは、運送代行業者は、MPLアプリケーションにアクセスするためのログインを実施しなければならない(ステップ300)。ログインは、(たとえば、モバイルデバイスのキーパッドまたはタッチスクリーン上で識別子をキー入力することによる)モバイルデバイスインターフェースを介した識別子入力、モバイルデバイスによる識別バーコード読取りまたは撮像もしくは生体認証技術もしくは無線周波数技術を介した、モバイルデバイスによる識別キャプチャなど、当該分野において知られているどの手段により実施されてもよい。代替として、シングルサインオン方式の一部として、MPLアプリケーションにアクセスするためのログインは、運送代行業者の全体的活動を管理するための、モバイルデバイス上で稼働する一般的運送業者ソフトウェアのログインと、たとえば、MPLアプリケーションがそのような一般的運送業者ソフトウェアに一体化されているとき、組み合わされてよい。MPLアプリケーションにアクセスするためのログインは、たとえば、モバイルデバイスが運送代行業者活動に専用であるとき、モバイルデバイスのログインと組み合わされてもよい。運送代行業者ログインに続いて、ステップ301において、MPLアプリケーションは、リモート出荷サーバ106との通信を始動し、ユーザ証明書を提供する。MPLアプリケーションは、パーセルロッカーコンパートメントクラスタとの通信を確立することを期待して、短距離通信を自動的にアクティブ化することもできる。運送代行業者証明書に対する肯定的チェックの後、リモート出荷サーバは通信を認可し、モバイルデバイスとリモート出荷サーバとの間にセキュアな通信が確立される。

【0083】

運送代行業者がパーセルロッカー近くに到着すると、モバイルデバイスは、パーセルロッカーのコンパートメントクラスタからのブロードキャストショートメッセージをキャプチャし始める(ステップ302)。一意のクラスタ識別250を含むブロードキャストショートメッセージの第1のキャプチャの後、MPLアプリケーションは、特にコンパートメントクラスタとの通信を確立するためのオーセンティケータを含む、預け入れを実施するためのデータを、リモート出荷システムに対して要求する。一意のクラスタ識別250に基づいて、リモート出荷システムは、適切なデータを戻すための対応するパーセルロッカーを識別することができ、運送代行業者が適切なパーセルロッカーの前にいるかどうかについてのチェックが実施されてよい。リモート出荷システムは、パーセルロッカーの各コンパートメントについて、好ましくは一意のオーセンティケータを生成し、これらのオーセンティケータをMPLアプリケーションに提供し、そうすることによって、モバイルフォンは、各コンパートメントクラスタとの通信を確立することができる。各オーセンティケータは、リモート出荷システムのデータベースシステム130に記憶されたPL構成から取得される一意のクラスタ識別134iを含むか、またはそれとともに送られ、ユーザ証明書に、およびユーザカテゴリに基づいてリモート出荷システムによって生成される特権マスクも含む(ステップ304)。一意のクラスタ識別250に基づいて、リモート出荷システムはまた、各コンパートメントクラスタについて、クラスタ識別およびクラスタステータステーブル136iを、各コンパートメントについて、コンパートメント識別およびコンパートメントサイズ142jを特に含むPL構成を、モバイルデバイスに提供する(ステップ306)。並行して、リモート出荷サーバは、そのパーセルロッカーに預けられるべきであるパーセルに関する告知を、搬送システムに対して要求している場合があるか、または搬送システムから受信している場合がある。この告知に基づいて、リモート出荷システムは、パーセルロッカーに預けられるべきパーセルに対応する識別のリストを提供することもできる(ステップ308)。代替実施形態では、たとえば、コンピュータによる計画配送の場合、運送代行業者がパーセルロッカーの近くに到着する前に、オーセンティケータおよびPL構成が、MPLアプリケーションに提供されてよく、そうすることによって、いかなる送信遅延も、パーセルロッカーの前の配送プロセスに影響し得ない。第1のブロードキャストショートメッセージを受信するとき、MPLアプリケーションは、ブロードキャストショートメッセージに含まれる一意のクラスタ識別250と、データベースシステム130に記憶されている、リモート出荷システムから受信されたPL構成のクラスタ識別134iとの間の一致をチェックすればよい。

【0084】

ステップ310において、運送代行業者は、パーセルロッカー100に預けられるべきパーセルに添付されたパーセル識別を、自分のモバイルデバイス102で、たとえば、パーセルに印刷されたパーセル識別バーコードをスキャンすることによって、またはたとえばRFID技術もしくはNFC技術により、パーセルに貼付されたタグによって発せられた無線周波信号を読み取ることによって、または最終的には、パーセル識別を手動で入れることによってキャプチャする。パーセルのサイズは、パーセル識別と同じときにキャプチャされてよく、または別々に入れられる必要があり得る。パーセル識別の、モバイルデバイス102によるキャプチャ成功に続いて、モバイルデバイス102は、モバイルデバイス102によってキャプチャされたパーセル識別と、預けられるべきパーセルの識別のリストとの間の一致をチェックすればよく、したがって、パーセルが、実際にパーセルロッカーに預けられる必要があることを保証する。ステップ312において、PL構成に基づいて、MPLアプリケーションは、コンパートメントが空であり、コンパートメントサイズがパーセルサイズと一致することを少なくとも含む、あらかじめ設定された規則に従って、どのコンパートメントにパーセルを預けることができるかを選択する。預け入れのためのコンパートメントを選択するための他の規則は、電力消費を配分するため、またはどの特定のコンパートメントの早期消耗も防止するために、コンパートメントの同質使用を保証するための、コンパートメントの間の交替規則を含み得る。交替は、パーセルロッカーの異なるコンパートメントクラスタについての残存エネルギーのレベル、すなわち、各ロッキングモジュールによってモバイルデバイスを介して通信され得る残存エネルギーのレベルに基づいて、リモート出荷サーバによって計画されてよい。コンパートメント選択に続いて、MPLアプリケーションは、パーセルおよびコンパートメントに一意に関連付けられることになる一意の認可コードを、リモート出荷サーバに対して要求する。認可コードは、リモート出荷サーバによって生成され、一時記憶のためにMPLアプリケーションに通信される(ステップ314)。代替として、パーセルロッカーに預けられるべきパーセルすべてについての認可コードが、リモート出荷サーバによって事前に生成され、運送代行業者がパーセルロッカーへの毎日の配送を計画する前または計画するときに、一時記憶のためにMPLアプリケーションに通信される。最終的には、認可コードは、受領者がパーセル荷物を登録し、一意のパーセル識別がそのパーセルに関連付けられた直後に生成されてよい。したがって、運送代行業者は、認可コードが自分のモバイルデバイスにすでに記憶された状態で、パーセルロッカーの近くに到着し、業者は、長距離ワイヤレス通信によってカバーされないエリアにいる場合であっても、パーセルロッカーを操作することができる。

【0085】

モバイルデバイスが、(ブロードキャストショートメッセージに含まれる一意のクラスタ識別250によって識別される)選択されたコンパートメントのコンパートメントクラスタから、ブロードキャストショートメッセージを受信するとすぐに、モバイルデバイスは、通信を確立するための応答メッセージを、コンパートメントクラスタに送り、そうすることによって、応答メッセージは、ロッキングモジュールの限られたリスニング時間窓内にキャプチャされ得る。応答メッセージは、リモート出荷サーバによって与えられるとともに預け入れが起こる必要があるコンパートメントに関連付けられたオーセンティケータを含む。応答メッセージがロッキングモジュールによって受信されると、ロッキングモジュールは完全に起動し、短距離ワイヤレスプロトコルに従って認証が実施される。ロッキングモジュールが、通信を確立するためにモバイルデバイスを認可するための認可プロセスの一部として、ロッキングモジュールは、受信されたオーセンティケータの妥当性を検証し、オーセンティケータに含まれるか、またはそれとともに送られる一意のクラスタ識別を、この一意のクラスタ識別を、不揮発性メモリ240に記憶されたクラスタ識別250と比較することによって調べる(ステップ316)。ロッキングモジュールとモバイルデバイスとの間の通信が確立されると、ロッキングモジュールはショートメッセージをブロードキャストするのをやめるが、モバイルデバイスは、他のコンパートメントクラスタをリッスンし続け、まだキャプチャされていない、何らかのステータス情報を含む、ブロードキャストショートメッセージをキャプチャしてよい。そうすることによって、モバイルデバイスは、最終的には、いくつかのコンパートメントクラスタに記憶されたイベントについてのいくつかの要求を始動することによって、PL構成に関するモバイルデバイスの情報を並行して更新することができる。

【0086】

ステップ318において、モバイルデバイスは、選択されたコンパートメントのドアをロック解除するための要求であって、オーセンティケータを含む要求を送る。オーセンティケータに含まれる特権マスクに基づいて、要求されたロック解除アクションを検証した後、ロッキングモジュールは、コンパートメントドアをロック解除する。ロッキングモジュールは、自動開放のためのドアの機構が備えられていない場合、パーセルを預けるためにどのドアが開けられるべきかを指示するための、LEDなどの視覚インジケータ224nをアクティブ化すればよい。ステップ320において、運送代行業者は、コンパートメントにパーセルを預け、ドアを閉めるが、これは、センサー222nによって検出され、コンパートメントロッキングモジュールのイベントテーブル255に記憶されるイベントである。好ましくは、運送代行業者は、モバイルデバイスがコンパートメントドアのロッキングを要求する前に、預け入れを確認することを求められ、したがって、パーセル預け入れが実際に起きたことを保証する。代替として、モバイルデバイスは、ロッキングモジュールに、ドアをロックするよう自動的に要求するか、またはロッキングモジュールがドアを自動的にロックする。オーセンティケータに含まれる特権マスクに基づいて、要求されたアクションを検証した後、ロッキングモジュールは、コンパートメントドアをロックする。次いで、ステップ322において、モバイルデバイスは、パーセルに一意に関連付けられた一意の認可コードであって、リモート出荷サーバによって生成された一意の認可コードの転送を要求する。オーセンティケータに含まれる特権マスクに基づいて、要求された転送アクションを検証した後、ロッキングモジュールは、一意の認可コード270nを不揮発性メモリ240に記憶し、モバイルとコンパートメントクラスタとの間の通信が切断され、コンパートメントクラスタのロッキングモジュールは、ショートメッセージのブロードキャストを再開する。いくつかのパーセルが預け入れのために残っている限り、運送代行業者は、ステップ310(パーセル識別のキャプチャ)を進め、以下のステップをステップ322まで進める(ステップ324)。パーセルロッカーに預けられるべきパーセルの識別のリストに基づいて、MPLアプリケーションは、ステップ310においてキャプチャされたパーセル識別を、預け入れのためのパーセルの識別のリストと比較することによって、預け入れプロセスが完了したかどうかを定義することができる。

【0087】

好ましい実施形態では、コンパートメント内で起こるイベントに続いて直ちに、コンパートメントクラスタのロッキングモジュールは、イベントをイベントテーブル255に記憶する。預け入れプロセス中、ロッキングモジュールに記憶されたイベントの転送など、他の要求が、モバイルデバイスによってコンパートメントクラスタへ送られ得る。好ましくは、コンパートメントクラスタに記憶されたイベントの転送は、コンパートメントクラスタからモバイルデバイスへイベントを転送するための、預け入れの終了における、運送代行業者向けのいかなる待ち時間も回避するか、または最小限にするとともに、イベントの転送が完了する前の運送代行業者の早期出発を回避するために、預け入れプロセス中に実施される。異なるコンパートメントに記憶されたこれらのイベントは、モバイルデバイスによって、運送代行業者によって実施される預け入れを反映する預け入れイベントリポートに統合される。この預け入れイベントリポートは、モバイルデバイスを用いて運送代行業者によって実施される追加アクションを反映するイベントも統合する。預け入れプロセスが完了するか、または運送代行業者が、モバイルデバイス102のインターフェースを介して、預け入れプロセスを停止したかったことを指示すると、モバイルデバイスと最新コンパートメントクラスタとの間の通信が切断される。モバイルデバイス102とリモート出荷システム106との間の通信が確立されるとすぐに、この通信が切断された場合、モバイルデバイスは、パーセルロッカーのロッキングモジュールから収集されたすべてのイベントと、運送代行業者によってモバイルデバイスを用いて実施された追加アクションを反映するイベントとを統合する預け入れイベントリポートを、リモート出荷システムへ送信する(ステップ326)。リモート出荷システムによってイベントが受信されると、リモート出荷システムは、パーセルロッカーに預けられているパーセルの各受領者向けの、受領者に預け入れを知らせ、パーセルを取り出すための情報を受領者に提供する通知を生成する(ステップ328)。受領者認可コードは、MPLアプリケーションをダウンロードしていない受領者に対してのみ提供されればよく、というのは、MPLアプリケーションをダウンロードした受領者は、自分のパーセルを取り出すために、自分のモバイルデバイスを使うことができるからである。預け入れプロセス全体の間、モバイルデバイススクリーンは、たとえば、すべてのコンパートメントが使用され、それ以上の預け入れが可能でない場合、コンパートメントを操作するために、運送代行業者に知らせ、ガイドするためのマンマシンインターフェースとしてとして働き得る。

【0088】

図4は、コンパートメントを操作するために自分のモバイルデバイスを使う、受領者によるパーセル取出しのための、本発明の実施形態を示す。受領者が荷物についての要求を、通常はコンピュータシステムを介して行うと、この要求は、リモート出荷システム106中にログをとられる(ステップ402)。受領者が、荷物がパーセルロッカー100の中で配送されることを選ぶと、リモート出荷システムは、MPLアプリケーションが受領者のモバイルデバイスにまだダウンロードされていない場合、受領者モバイルデバイス102上にそのようなMPLアプリケーションがダウンロードされるべきであることを、受領者に知らせればよい。受領者によって同意された場合、リモート出荷システムは、MPLアプリケーションを受領者モバイルデバイス上にダウンロードしてよく、またはモバイルデバイス用の多くの標準オペレーティングシステムの場合、受領者は、関連付けられたアプリケーションストア、たとえばapps store(商標)もしくはGoogle play(商標)を、自分のモバイルデバイス上にMPLアプリケーションをダウンロードするために使うように要求され、ガイドされ得る(ステップ404)。

【0089】

荷物、すなわちパーセルが、パーセルロッカーのコンパートメント112jに預けられた後、リモート出荷システムは、パーセル預け入れを、およびパーセルロッカーのロケーションを受領者に知らせ、パーセル識別を含めるためのeメールまたはSMSの形で、少なくとも1つの通知を受領者に送る(ステップ406)。受領者がMPLアプリケーションをダウンロードしていない場合、通知は、コンパートメントを開けるために受領者が入れる必要がある認可コードと、コンパートメントの可視部に添付された物理識別子に対応するコンパートメント識別子とを含み、そうすることによって、受領者は、自分のパーセルが預けられているコンパートメントを識別することができる。通知は、たとえばユニフォームリソースロケータ(URL)を介して、MPLアプリケーションのダウンロードも提案し得る。受領者がMPLアプリケーションをインストールしてある場合、通知は単に、コンパートメントを開けるためにMPLアプリケーションを使うべきであることを思い出させる。ステップ408において、好ましい実施形態では、MPLアプリケーションによる、パーセル取出しのためのオーセンティケータの受信は、通知プロセス中に始動される。モバイルデバイス上で受信された通知は、機能、たとえば、オーセンティケータをMPLアプリケーションへ転送するために設計された、最終的にはボタンの形でのURLを含み得る。受領者が、たとえば、機能を表す、モバイルフォンディスプレイのエリアをタッチすることによって機能をアクティブ化すると、モバイルフォン上にインストールされたナビゲータが、リモート出荷サーバ上にホストされるウェブアプリケーションにアクセスするために開始され、通知に関連付けられたパーセル識別がウェブアプリケーションへ送られる。ウェブアプリケーションは、MPLアプリケーションをリモートに開始し、MPLアプリケーションは、リモート出荷システムに対して、パーセルの取出しのためのオーセンティケータを要求する。パーセル識別に基づいて、リモート出荷システムは、好ましくは一意のオーセンティケータを生成するために、対応するパーセルロッカーとパーセルコンパートメントとを識別することができ、このオーセンティケータは、パーセルが預けられているコンパートメントクラスタに一意に関連付けられ、モバイルフォンによって、コンパートメントクラスタとの通信を確立するために使うことができる。機能を用いる、ウェブアプリケーションを参照する、この特定の通知手順は、たとえば運送業者組織によって扱われる、受領者の管理と、たとえば、受領者について具体的には知らない可能性があるサービス会社によって扱われる、パーセルロッカーの管理との分離を可能にする。生成されたオーセンティケータは、リモート出荷システムのデータベースシステム130に記憶されたPL構成から取得される一意のクラスタ識別134iを含むか、またはそれとともに送られ、ユーザ証明書に、および受領者として識別されるユーザのカテゴリに基づいてリモート出荷システムによって生成される特権マスクも含む。リモート出荷システムは、オーセンティケータをMPLアプリケーションに戻し、オーセンティケータは、パーセルの将来の取出しのために、MPLアプリケーションに記憶される。いくつかのパーセルが、受領者によって取り出される期限である場合、リモート出荷システムは、各パーセルについて、一意のクラスタ識別を含むか、またはそれとともに送られる、好ましくは一意のオーセンティケータを生成し、戻す。代替として、一体化型システム向けに、オーセンティケータを含むデータが、機能内に、好ましくは暗号化された形でカプセル化され、受領者が機能をアクティブ化すると、データはMPLアプリケーションへ転送される。この場合、オーセンティケータおよび特権マスクは、リモート出荷システムによって事前に生成され、受領者データおよびパーセルロッカーデータは、一体化されたやり方で、共同で管理される。

【0090】

受領者は、パーセルロッカーの近くに到着すると、自分のモバイルデバイス102上でMPLアプリケーションを開始し、短距離通信がまだアクティブ化されていない場合、短距離通信は自動的にオンにされる(ステップ410)。オーセンティケータが、パーセルの取出しのためにモバイルフォンによって受信されていない場合、MPLアプリケーションは、受領者の証明書、好ましくは受領者のモバイルデバイス電話番号を、リモート出荷システムに提供すればよく、受領者のパーセルが預けられているコンパートメントクラスタのロッキングモジュール120iとの通信を確立するためのオーセンティケータを要求すればよい。受領者の証明書に基づいて、リモート出荷システムは、オーセンティケータを生成し、戻すために、対応するパーセルおよびコンパートメントクラスタを識別することができ、オーセンティケータは、コンパートメントクラスタに一意に関連付けられるとともに、モバイルフォンによって、コンパートメントクラスタとの通信を確立するために使うことができる。オーセンティケータは、リモート出荷システムのデータベースシステム130に記憶されたPL構成から取得される一意のクラスタ識別134iを含むか、またはそれとともに送られ、ユーザ証明書に、およびユーザカテゴリに基づいてリモート出荷システムによって生成される特権マスクも含む。

【0091】

ステップ412において、モバイルデバイスは、ブロードキャストショートメッセージを、パーセルロッカーのコンパートメントクラスタからキャプチャし始める。各ブロードキャストショートメッセージは、対応するコンパートメントクラスタを識別する一意のクラスタ識別250を含む。各受信されたブロードキャストショートメッセージについて、MPLアプリケーションは、どのコンパートメントクラスタが受領者のパーセルを含むかを識別するために、リモート出荷システムから受信された一意のクラスタ識別134i(または、いくつかのパーセルが、受領者によって取り出される期限である場合、一意のクラスタ識別のうちの少なくとも1つ)と、コンパートメントクラスタから受信された一意のクラスタ識別250との間の一致をチェックする。モバイルデバイスが、特定のコンパートメントクラスタについての一致を取得するとすぐに、モバイルデバイスは、通信を確立するための応答メッセージを、コンパートメントクラスタに送り、そうすることによって、応答メッセージは、ロッキングモジュールの限られたリスニング時間窓内にキャプチャされ得る。応答は、リモート出荷サーバによって与えられた、コンパートメントクラスタに対応するオーセンティケータを含む。応答メッセージがロッキングモジュールによって受信されると、ロッキングモジュールは完全に起動し、短距離ワイヤレスプロトコルに従って認証が実施される。ロッキングモジュールが、通信を確立するためにモバイルデバイスを認可するための認可プロセスの一部として、ロッキングモジュールは、受信されたオーセンティケータの妥当性を検証し、オーセンティケータに含まれるか、またはそれとともに送られる一意のクラスタ識別を調べる(ステップ414)。ロッキングモジュールとモバイルデバイスとの間の通信が確立されると、ロッキングモジュールは、ショートメッセージをブロードキャストするのをやめる。

【0092】

ステップ416において、モバイルデバイスは、コンパートメントドアをロック解除するための要求、すなわちオーセンティケータを含む要求を送る。オーセンティケータに含まれる特権マスクに基づいて、要求されたアクションを検証した後、ロッキングモジュールは、オーセンティケータに含まれるコンパートメントインデックスに基づいて、コンパートメントドアをロック解除する。ロッキングモジュールは、自動開放のためのドアの機構が備えられていない場合、パーセルを預けるためにどのドアが開けられるべきかを指示するための、LEDなどの視覚インジケータをアクティブ化すればよい。ステップ418において、受領者は、自分のパーセルをコンパートメントから取り出し、ドアを閉めるが、これは、センサー222nによって検出され、コンパートメントクラスタロッキングモジュールのイベントテーブル255に記憶されるイベントであり、ロッキングモジュールは、コンパートメントのドアをロックする。取出しプロセス中、コンパートメントクラスタのロッキングモジュールは、好ましくはコンパートメント内でのイベントの発現に続いて直ちに、イベントをイベントテーブル255に記憶する。ドアロッキングの、ロッキングモジュールによるモバイルデバイスへの確認に続いて、モバイルデバイスは、ロッキングモジュールの不揮発性メモリ240に記憶されたイベントを、リモート出荷サーバへ転送するために要求する。信用できないモバイルデバイスを介した、情報の転送をセキュアにするために、ロッキングモジュールは、イベントを、モバイルデバイスへ転送する前に暗号化すればよい。イベントの転送の後、モバイルとコンパートメントクラスタとの間の通信は切断され、コンパートメントクラスタのロッキングモジュールは、ショートメッセージのブロードキャストを再開する(ステップ420)。

【0093】

ロッキングモジュールから転送されたイベントは、モバイルデバイスによって、受領者によってモバイルデバイスを用いて実施された追加アクションを反映するイベントと、受領者によって実施された取出しを反映する取出しイベントリポートへ統合される。モバイルデバイス102とリモート出荷システム106との間の通信が、この通信が切断された場合に確立されるとすぐに、モバイルデバイスは、リモート出荷システムへ取出しイベントリポートを送信する(ステップ424)。受領者が、MPLアプリケーションによって一時的に記憶された他のオーセンティケータに対応する他のパーセルを取り出さなければならない場合、モバイルアプリケーションは、ステップ412に戻り、ブロードキャストショートメッセージをリッスンするのを再開する。この特定のパーセルロッカーに、受領者向けの追加パーセルが預けられた場合、以下のステップが起こる。取出しプロセス中、モバイルデバイススクリーンは、コンパートメントを操作するために、受領者に知らせ、ガイドするためのマンマシンインターフェースとして働き得る。特に、MPLアプリケーションは、ロケーションおよびコンパートメント識別子を含む、受領者によって取り出される期限であるパーセルを指示するために構成されてよい。

【0094】

本発明の特定の実施形態では、モバイルデバイスが、パーセルロッカーの隣にローカルに設けられ得る。このローカルモバイルデバイスは、すべてのユーザによって、パーセルロッカーを操作するために使うことができる。ローカルモバイルデバイスは、特に、いかなるスマートフォンも用いないパーセル受領者または機能不全モバイルデバイスを有するどの運送代行業者によっても使うことができる。ローカルモバイルデバイスは、MPLアプリケーションを、一時的または永久にのいずれかで、パーセルを配送するために使うモバイルデバイスに一体化したくない場合がある運送業者組織によって使うこともできる。MPLアプリケーションは、最終的には、パーセルロッカーの現場設置のときに、リモートサーバからのダウンロードにより、ローカルモバイルデバイスにインストールされ、ユーザがローカルモバイルデバイスにログオンすると、ユーザカテゴリに従ってインスタンス化される。ローカルモバイルデバイスは、上述したように、モバイルデバイスのネットワークと並行して操作されてよく、いくつかのアプリケーションのために、またはモバイルデバイスのネットワークと単に置き換わり得る。一実施形態では、ローカルモバイルデバイスは、パーセルロッカーの隣の台の上に、またはパーセルロッカーの隣の側面に取り付けられるか、もしくはパーセルロッカーのコンパートメントクラスタに直接取り付けられたブラケットの上に固定して搭載される。ローカルモバイルデバイスは、ロッキングモジュールと同様の自律手段で電力供給され得る。いくつかのアプリケーション向けに、ローカルモバイルデバイスは、利用可能にされているときはローカル電気ネットワークに接続されてよい。ただし、コンパートメントクラスタは、パーセルロッカーを簡単に設置し、コンパートメントを簡単に交換するために、またはパーセルロッカー構成を現場で簡単にアップグレードもしくは変更するために、自律したままである。最終的には、ローカルモバイルデバイスは、同じエリアに置かれたいくつかのパーセルロッカーを操作することができる。好ましい実施形態では、ローカルモバイルデバイスは、短距離通信能力をサポートする既存のパーセルロッカーに組み込まれてよい。

【0095】

上述した本発明のパーセルロッカーシステムおよび方法は、組み立てられた自律コンパートメントクラスタからなるパーセルロッカーを備える。ただし、本発明の別の実施形態では、単一コンパートメントクラスタが、スタンドアロン構成において、パーセルロッカーの一部として、組み立てられずに単独で使われてよく、または単一コンパートメント、すなわち、単一コンパートメントを備える単一コンパートメントクラスタがスタンドアロン構成において単独で使われてよいことが、当業者には容易に理解される。そのような単一スタンドアロンコンパートメントクラスタまたは単一スタンドアロンコンパートメントは、家庭配送のために、または一地点配送システムのために使うことができる。本発明の別の実施形態では、コンパートメントクラスタは、それら自体のロッキングモジュールを有して単一コンパートメントに削減され、パーセルロッカーの一部として組み立てられてよいことも、当業者によって容易に理解されよう。そのようなアーキテクチャは、クラスタに組み立てられたいくつかのコンパートメント用の単一ロッキングモジュールを使うことの、コスト削減の利益を受けないが、よりモジュール式の、より柔軟なソリューションを提供する。

【符号の説明】

【0096】

100 パーセルロッカー
102 モバイルデバイス
104 長距離通信ネットワーク
106 リモート出荷システム
110i 自律コンパートメントクラスタ、コンパートメントクラスタ
112j コンパートメント
120i ロッキングモジュール
122i 短距離通信
130 データベースシステム
210 プロセッサ
210A 高エネルギープロセッサモジュール
210B 低エネルギープロセッサモジュール
210C 超低エネルギープロセッサモジュール
212 揮発性メモリ
214 バス
216 無線トランシーバモジュール
218 アンテナ
220n 電気ロック
221 電力段
222n センサー
223 センサー入力/出力ポート(I/O)
224n 視覚インジケータ
225 インジケータ入力/出力ポート(I/O)
226 ロックインターフェース
228 電力源
230 エネルギー管理モジュール、エネルギー管理
240 不揮発性メモリ
280 低エネルギースリープタイマー
282 リスニング時間窓タイマー

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】