(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】放射線撮影制御装置、放射線撮影システム、表示制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20241213BHJP
【FI】
A61B6/00 520Z
A61B6/00 520M
(21)【出願番号】P 2020013406
(22)【出願日】2020-01-30
【審査請求日】2022-12-15
【審判番号】
【審判請求日】2024-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深津 幸助
【合議体】
【審判長】神谷 健一
【審判官】宮澤 浩
【審判官】関根 洋之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-84938(JP,A)
【文献】特開2010-110433(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0261296(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC A61B6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する表示部と、制御部と、を備え、
前記制御部は、
一人の患者に対して設定されている放射線画像の撮影に係る検査の情報を前記表示画面に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア内に表示させ、当該表示エリア内では、設定されている分類基準により分類がなされた前記撮影アイテムを前記分類ごとに区分けして表示を行わせ、前記分類を単位として前記表示エリアにいずれの前記分類の前記撮影アイテムを表示させるかを切り替え
、
表示の前記切り替えを行わせる場合に、表示させていない前記分類の表示への切り替え標識を前記表示エリアに表示させ、前記表示エリアに表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれる前記分類への前記切り替え標識に対応付けて所定の表示を行わせる
ことを特徴とする放射線撮影制御装置。
【請求項2】
表示画面を有する表示部と、制御部と、を備え、
前記制御部は、
一人の患者に対して設定されている放射線画像の撮影に係る検査の情報を前記表示画面に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア内に表示させ、当該表示エリア内では、設定されている分類基準により分類がなされた前記撮影アイテムを前記分類ごとに区分けして、当該区分けされた前記分類の前記撮影アイテムごとに当該撮影アイテムの一覧を展開表示するか展開表示を解除するかを各々切り替えて、表示を行わせ
、
表示の前記切り替えを行わせる場合に、表示させていない前記分類の表示への切り替え標識を前記表示エリアに表示させ、前記表示エリアに表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれる前記分類への前記切り替え標識に対応付けて所定の表示を行わせる
ことを特徴とする放射線撮影制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記区分けされた前記撮影アイテムのうち少なくとも1つの前記一覧を展開表示に切り替えて、前記表示画面に表示させる、
ことを特徴とする請求項2記載の放射線撮影制御装置。
【請求項4】
操作受付部を備え、
前記制御部は、前記操作受付部が受け付けた入力操作に応じて前記分類基準を設定して前記表示を行わせる
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の放射線撮影制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、異なる前記分類に属する前記撮影アイテムを互いに異なるサブエリアに区分けして表示させることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の放射線撮影制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、異なる前記分類に属する前記撮影アイテムを前記一の表示エリア内で所定の区切り標識により区分けして表示させることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の放射線撮影制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、複数の前記分類をそれぞれ示す表示を、前記区分けがなされた複数の表示範囲に各々行わせることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の放射線撮影制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、別個に設定された同一内容の撮影アイテムが複数ある場合に、当該複数の前記同一内容の撮影アイテムが同一の分類に属する場合には、当該分類にいずれか1つを表示させることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の放射線撮影制御装置。
【請求項9】
操作受付部を備え、
前記制御部は、複数の前記同一内容の撮影アイテムのうちいずれかに応じて放射線撮影がなされた場合には、前記複数の同一内容の撮影アイテムを全て撮影済みとする
ことを特徴とする請求項8記載の放射線撮影制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、2つ以上の前記同一内容の撮影アイテムをいずれも表示させる場合に、当該同一内容の撮影アイテムに対し、重複する撮影内容が設定されていることを示す表示を行わせることを特徴とする請求項8又は9記載の放射線撮影制御装置。
【請求項11】
請求項1~
10のいずれか一項に記載の放射線撮影制御装置と、
放射線画像の撮影を行う放射線画像撮影装置と、
を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
【請求項12】
放射線画像の撮影に係る検査の情報の表示部への表示制御方法であって、
一人の患者に対して設定されている前記検査の情報を前記表示部の表示画面に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア内に表示させ、当該表示エリア内では、設定されている分類基準により分類がなされた前記撮影アイテムを前記分類ごとに区分けして表示を行わせ、前記分類を単位として前記表示エリアにいずれの前記分類の前記撮影アイテムを表示させるかを切り替えるアイテム表示ステップ
を含
み、
前記アイテム表示ステップでは、表示の前記切り替えを行わせる場合に、表示させていない前記分類の表示への切り替え標識を前記表示エリアに表示させ、前記表示エリアに表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれる前記分類への前記切り替え標識に対応付けて所定の表示を行わせる
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項13】
放射線画像の撮影に係る検査の情報の表示部への表示制御方法であって、
一人の患者に対して設定されている前記検査の情報を前記表示部の表示画面に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア内に表示させ、当該表示エリア内では、設定されている分類基準により分類がなされた前記撮影アイテムを前記分類ごとに区分けして、当該区分けされた前記分類の前記撮影アイテムごとに当該撮影アイテムの一覧を展開表示するか展開表示を解除するかを各々切り替えて表示させる、アイテム表示ステップ、
を含
み、
前記アイテム表示ステップでは、表示の前記切り替えを行わせる場合に、表示させていない前記分類の表示への切り替え標識を前記表示エリアに表示させ、前記表示エリアに表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれる前記分類への前記切り替え標識に対応付けて所定の表示を行わせる
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項14】
表示画面を有する表示部を備えるコンピューターを、
一人の患者に対して設定されている放射線画像の撮影に係る検査の情報を前記表示画面に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア内に表示させ、当該表示エリア内では、設定されている分類基準により分類がなされた前記撮影アイテムを前記分類ごとに区分けして表示を行わせ、前記分類を単位として前記表示エリアにいずれの前記分類の前記撮影アイテムを表示させるかを切り替えるアイテム表示手段
として機能させ
、
前記アイテム表示手段は、表示の前記切り替えを行わせる場合に、表示させていない前記分類の表示への切り替え標識を前記表示エリアに表示させ、前記表示エリアに表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれる前記分類への前記切り替え標識に対応付けて所定の表示を行わせる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項15】
表示画面を有する表示部を備えるコンピューターを、
一人の患者に対して設定されている放射線画像の撮影に係る検査の情報を前記表示画面に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア内に表示させ、当該表示エリア内では、設定されている分類基準により分類がなされた前記撮影アイテムを前記分類ごとに区分けして、当該区分けされた前記分類の前記撮影アイテムごとに当該撮影アイテムの一覧を展開表示するか展開表示を解除するかを各々切り替えて表示させるアイテム表示手段
として機能させ
、
前記アイテム表示手段は、表示の前記切り替えを行わせる場合に、表示させていない前記分類の表示への切り替え標識を前記表示エリアに表示させ、前記表示エリアに表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれる前記分類への前記切り替え標識に対応付けて所定の表示を行わせる
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放射線撮影制御装置、放射線撮影システム、表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
検査対象に放射線を照射して当該放射線の透過度合を示す放射線画像を撮影することで検査を行う放射線撮影システムがある。この放射線撮影システムにおいて、撮影を行う放射線画像撮影装置を管理する放射線撮影制御装置では、一度の検査予約に応じ、患者などの撮影対象に対して複数の放射線画像撮影装置、部位及び撮影条件などを規定した撮影アイテム(インスタンス)を複数設定して、各々撮影を行う場合がある。また、これらの検査予約は、必ずしも単一の医師や診療科などにより一度でなされるとは限らず、複数回に分かれて依頼されたり、異なる医師や診療科から近いタイミングで依頼がなされたりする場合がある。
【0003】
このような状況に対し、特許文献1では、患者及び撮影技師の手間及び負荷の低減のために、依頼されている検査予約の複数の撮影アイテムを撮影制御装置の表示画面に一覧表示させて、撮影技師が都合のよい検査順を設定し、1グループの検査として管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような一覧表示を行うと、今度は検査技師が何の検査を行っているのかを理解ができなくなり、撮影画像間の関係性を把握するのが難しくなったり、撮影メニューの見落としを生じやすくなったりするという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、検査担当者がより効率的かつ確実に検査情報を視認することのできる放射線撮影制御装置、放射線撮影システム、表示制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
表示画面を有する表示部と、制御部と、を備え、
前記制御部は、一人の患者に対して設定されている放射線画像の撮影に係る検査の情報を前記表示画面に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア内に表示させ、当該表示エリア内では、設定されている分類基準により分類がなされた前記撮影アイテムを前記分類ごとに区分けして表示を行わせ、前記分類を単位として前記表示エリアにいずれの前記分類の前記撮影アイテムを表示させるかを切り替え、表示の前記切り替えを行わせる場合に、表示させていない前記分類の表示への切り替え標識を前記表示エリアに表示させ、前記表示エリアに表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれる前記分類への前記切り替え標識に対応付けて所定の表示を行わせる
ことを特徴とする放射線撮影制御装置である。
また、請求項2記載の発明は、
表示画面を有する表示部と、制御部と、を備え、
前記制御部は、一人の患者に対して設定されている放射線画像の撮影に係る検査の情報を前記表示画面に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア内に表示させ、当該表示エリア内では、設定されている分類基準により分類がなされた前記撮影アイテムを前記分類ごとに区分けして、当該区分けされた前記分類の前記撮影アイテムごとに当該撮影アイテムの一覧を展開表示するか展開表示を解除するかを各々切り替えて、表示を行わせ、表示の前記切り替えを行わせる場合に、表示させていない前記分類の表示への切り替え標識を前記表示エリアに表示させ、前記表示エリアに表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれる前記分類への前記切り替え標識に対応付けて所定の表示を行わせる
ことを特徴とする放射線撮影制御装置である。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の放射線撮影制御装置において、
前記制御部は、前記区分けされた前記撮影アイテムのうち少なくとも1つの前記一覧を展開表示に切り替えて、前記表示画面に表示させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の放射線撮影制御装置において、
操作受付部を備え、
前記制御部は、前記操作受付部が受け付けた入力操作に応じて前記分類基準を設定して前記表示を行わせる
ことを特徴とする。
【0009】
また、請求項5記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の放射線撮影制御装置において、
前記制御部は、異なる前記分類に属する前記撮影アイテムを互いに異なるサブエリアに区分けして表示させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項6記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の放射線撮影制御装置において、
前記制御部は、異なる前記分類に属する前記撮影アイテムを前記一の表示エリア内で所定の区切り標識により区分けして表示させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項7記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の放射線撮影制御装置において、
前記制御部は、複数の前記分類をそれぞれ示す表示を、前記区分けがなされた複数の表示範囲に各々行わせることを特徴とする。
【0012】
また、請求項8記載の発明は、請求項1~7のいずれか一項に記載の放射線撮影制御装置において、
前記制御部は、別個に設定された同一内容の撮影アイテムが複数ある場合に、当該複数の前記同一内容の撮影アイテムが同一の分類に属する場合には、当該分類にいずれか1つを表示させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項9記載の発明は、請求項8記載の放射線撮影制御装置において、
操作受付部を備え、
前記制御部は、複数の前記同一内容の撮影アイテムのうちいずれかに応じて放射線撮影がなされた場合には、前記複数の同一内容の撮影アイテムを全て撮影済みとする
ことを特徴とする。
【0014】
また、請求項10記載の発明は、請求項8又は9記載の放射線撮影制御装置において、
前記制御部は、2つ以上の前記同一内容の撮影アイテムをいずれも表示させる場合に、当該同一内容の撮影アイテムに対し、重複する撮影内容が設定されていることを示す表示を行わせることを特徴とする。
【0017】
また、請求項11記載の発明は、
請求項1~10のいずれか一項に記載の放射線撮影制御装置と、
放射線画像の撮影を行う放射線画像撮影装置と、
を備えることを特徴とする放射線撮影システムである。
【0018】
また、請求項12記載の発明は、
放射線画像の撮影に係る検査の情報の表示部への表示制御方法であって、
一人の患者に対して設定されている前記検査の情報を前記表示部の表示画面に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア内に表示させ、当該表示エリア内では、設定されている分類基準により分類がなされた前記撮影アイテムを前記分類ごとに区分けして表示を行わせ、前記分類を単位として前記表示エリアにいずれの前記分類の前記撮影アイテムを表示させるかを切り替えるアイテム表示ステップ
を含み、
前記アイテム表示ステップでは、表示の前記切り替えを行わせる場合に、表示させていない前記分類の表示への切り替え標識を前記表示エリアに表示させ、前記表示エリアに表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれる前記分類への前記切り替え標識に対応付けて所定の表示を行わせる
ことを特徴とする。
また、請求項13記載の発明は、
放射線画像の撮影に係る検査の情報の表示部への表示制御方法であって、
一人の患者に対して設定されている前記検査の情報を前記表示部の表示画面に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア内に表示させ、当該表示エリア内では、設定されている分類基準により分類がなされた前記撮影アイテムを前記分類ごとに区分けして、当該区分けされた前記分類の前記撮影アイテムごとに当該撮影アイテムの一覧を展開表示するか展開表示を解除するかを各々切り替えて表示させる、アイテム表示ステップ、
を含み、
前記アイテム表示ステップでは、表示の前記切り替えを行わせる場合に、表示させていない前記分類の表示への切り替え標識を前記表示エリアに表示させ、前記表示エリアに表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれる前記分類への前記切り替え標識に対応付けて所定の表示を行わせる
ことを特徴とする。
【0019】
また、請求項14記載の発明は、
表示画面を有する表示部を備えるコンピューターを、
一人の患者に対して設定されている放射線画像の撮影に係る検査の情報を前記表示画面に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア内に表示させ、当該表示エリア内では、設定されている分類基準により分類がなされた前記撮影アイテムを前記分類ごとに区分けして表示を行わせ、前記分類を単位として前記表示エリアにいずれの前記分類の前記撮影アイテムを表示させるかを切り替えるアイテム表示手段
として機能させ、
前記アイテム表示手段は、表示の前記切り替えを行わせる場合に、表示させていない前記分類の表示への切り替え標識を前記表示エリアに表示させ、前記表示エリアに表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれる前記分類への前記切り替え標識に対応付けて所定の表示を行わせる
ことを特徴とするプログラムである。
また、請求項15記載の発明は、
表示画面を有する表示部を備えるコンピューターを、
一人の患者に対して設定されている放射線画像の撮影に係る検査の情報を前記表示画面
に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア内に表示させ、当該表示エリア内では、設定されている分類基準により分類がなされた前記撮影アイテムを前記分類ごとに区分けして、当該区分けされた前記分類の前記撮影アイテムごとに当該撮影アイテムの一覧を展開表示するか展開表示を解除するかを各々切り替えて表示させるアイテム表示手段
として機能させ、
前記アイテム表示手段は、表示の前記切り替えを行わせる場合に、表示させていない前記分類の表示への切り替え標識を前記表示エリアに表示させ、前記表示エリアに表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれる前記分類への前記切り替え標識に対応付けて所定の表示を行わせる
ことを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明に従うと、放射線撮影制御装置において、検査担当者がより効率的かつ確実に検査情報を視認することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】放射線撮影システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】一覧表示におけるカテゴリー区分の他の例を示す図である。
【
図4】一覧表示におけるカテゴリー区分の他の例を示す図である。
【
図5】一覧表示における他の表示例を示す図である。
【
図7】撮影アイテムに重複がある場合における一覧表示の表示例を示す図である。
【
図8】放射線撮影制御装置で実行される撮影制御画面の表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の放射線撮影システム100の機能構成を示すブロック図である。
放射線撮影システム100は、放射線画像撮影装置150と、放射線撮影制御装置110などを含む。
【0023】
放射線撮影制御装置110は、制御部111と、記憶部112と、操作受付部113と、表示部114と、通信部115などを備える。放射線撮影制御装置110は、例えば、通常のPC(Personal Computer)などのコンピューターであってよい。
【0024】
制御部111は、放射線撮影制御装置110の各部の動作を統括制御する。制御部111は、CPU1111(Central Processing Unit)と、RAM1112(Random Access Memory)などを有するハードウェアプロセッサーである。CPU1111は、演算処理を行い、各種制御動作を行う。RAM1112は、CPU1111に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。
【0025】
記憶部112は、不揮発性のメモリーであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はフラッシュメモリーなどを有する。記憶部112には、プログラム1121と、撮影データ1122と、検査要求データ1123などが記憶されている。
【0026】
プログラム1121は、本実施形態の表示制御方法に係る後述の表示制御処理などを含む各種制御プログラムを含む。これらの制御プログラムは、CPU1111によって読み出されて実行される。
【0027】
撮影データ1122は、放射線画像撮影装置150により撮影された撮影画像データと、当該撮影画像データに対応付けられた付加情報データ、例えば、検査ID、患者ID、患者氏名、年齢、性別、撮影日時及び撮影条件などを含む。
【0028】
検査要求データ1123は、HIS(Hospital Information System)/RIS(Radiology Information System)などから取得された放射線撮影の検査要求に係るデータである。検査要求データ1123には、例えば、検査ID、患者ID、患者氏名、年齢、性別、撮影予約日時、依頼科及び撮影部位などの情報が含まれる。
【0029】
操作受付部113は、放射線撮影制御装置110のユーザーである検査者などによる外部からの入力操作を受け付けて入力信号として制御部111に出力する。操作受付部113は、例えば、表示部114に重なって位置するタッチパネル、キー操作を受け付けるキーボード、マウスなどのポインティングデバイス、各種スイッチボタンなどのうち一部又は全部を有する。なお、操作受付デバイスの一部は、後述のI/Oインターフェイス1153を介してUSB(Universal Serial Bus)接続などがされていてもよい。また、操作受付部113は、マイクなどを有し、ユーザーの声などを検出してもよい。制御部111が声の内容を識別して操作内容を特定してもよい。
【0030】
表示部114は、表示画面1141を有し、制御部111の制御に基づいて表示画面1141に各種表示を行う。表示画面1141は、例えばカラー液晶表示画面であるが、これに限られるものではない。表示され得る内容には、撮影データの内容、すなわち、撮影画像データ及び付加情報データが含まれる。また、表示部114は、LED(Light Emitting Diode)などによる報知ランプ及び/又はインディケーターなどを有していてもよい。
【0031】
通信部115は、外部機器や周辺機器との間で行われる通信やデータの送受信を制御する。通信部115は、例えば、有線又は無線通信によりLAN(Local Area Network)に接続して通信を行う。通信接続される装置には、放射線画像撮影装置150が含まれる。また、通信部115は、I/Oインターフェイスなどを有し、USB接続などによる周辺機器とのデータ送受信を行う。I/Oインターフェイス1153に接続される周辺機器には、上述のポインティングデバイスなどの操作に係るもののほか、外付けのHDDやフラッシュメモリーなど記憶装置、及び/又はDVDやBlu-ray(登録商標)などの記憶媒体を読み書きする(特に、撮影データを書き込み出力する)ためのディスクドライブなどが含まれていてもよい。
【0032】
次に、放射線撮影制御装置110に表示される撮影制御画面について説明する。
図2は、撮影制御画面の表示例を示す図である。
【0033】
撮影制御画面Dでは、上部にタイトル画面WTが位置している。タイトル画面WTには、患者氏名などの撮影対象の患者を特定する個人情報が表示されている。また、撮影制御画面Dの中央には、撮影画像データのプレビュー画面W1が位置し、その右側に撮影画像の読取り、撮影画像の画像調整、及び出力条件の設定に係る設定画面W3があり、左側には、特定されている一人の患者に対して設定されている放射線画像の撮影に係る検査の情報の一覧表示W2が示される。検査の情報には、一又は複数の撮影アイテムが含まれる。撮影アイテムは、検査内で指定されている1又は複数の撮影部位及びその撮影条件などの組のそれぞれを示す。
【0034】
ここでは、一覧表示W2には、2つの撮影アイテムI1、I2が設定されて、並んで示されている。これらは、いずれも検査1で設定されたものであり、当該検査1をカテゴリーとして示す標識C1とともに表示されている。
【0035】
ここでは、全撮影アイテムは、設定されている分類基準で複数のカテゴリー(分類)に区分けされる。そして、一覧表示W2では、カテゴリーを単位として撮影アイテムが当該カテゴリーごとに区分けされて表示が行われる。
【0036】
撮影アイテムI1、I2には、それぞれ、サムネイル表示欄IS1と、撮影部位及び条件の概略などの撮影情報を示す情報表示欄IS2とが含まれる。サムネイル表示欄IS1には、撮影アイテムが未撮影の場合には、所定の表示、ここでは撮影サイズを示す表示がなされて、撮影有無が識別可能となっている。ここでは、撮影アイテムI1が選択された状態でハイライト(太線枠)表示がなされており、プレビュー画面W1と対応付けられる。選択された撮影アイテムI1について、ここでは、設定画面W3により、標準解像度の撮影画像から検査対象範囲の位置及びサイズを自動読取する旨の設定がなされている。自動読取ではない場合には、読取のサイズ、方向及び位置が手動で設定可能である。
【0037】
一覧表示W2は、ページ表示P1を含む。ここでは、ページ表示P1では、全2ページのうち1ページ目であることが示されている。前ページに切り替える標識P2は、ここでは選択不可とされている。次ページに切り替える標識P3には、警告標識N1として「!」が示されている。この警告標識N1(所定の表示)は、現在一覧表示W2に表示されていないページに未撮影の撮影アイテム(未撮影アイテム)があることを示している。これにより、撮影者による撮影漏れを抑制する。なお、標識P3の1回の選択操作により表示される2ページ目の撮影アイテム内に未撮影アイテムがある場合だけではなく、標識P3の選択操作が複数回行われることで表示される3ページ目以降の撮影アイテムに未撮影アイテムがある場合にも、標識P3に警告標識N1が付加されてよい。
【0038】
放射線撮影制御装置110では、一覧表示W2において、撮影アイテムは、設定されたカテゴリーにより区分されて表示される。ここでは、カテゴリーとして検査要求が定められており、取得されている2つの検査のうち1つ目であることを示す標識C1とともに、2つの撮影アイテムI1、I2が表示されている。標識P3の選択操作により、2つの検査のうち2つ目の検査に係る撮影アイテムの表示に切り替えられる。これにより、一人の患者に対する複数の検査要求に含まれる全ての撮影アイテムは、まとめて一覧表示させることができ、このとき、カテゴリーごとに表示が区分されるので、ユーザーが撮影アイテムを整理して確認することができる。ページごとに表示される撮影アイテムは、任意の位置で切り替えられてもよいが、例えば、カテゴリーを単位として、カテゴリー内の撮影アイテムが複数のページにまたがらないように区切られて、切り替え表示されてもよい。
【0039】
図3及び
図4は、一覧表示W2におけるカテゴリー区分の他の例を示す図である。
図3(a)に示す一覧表示W2の例2では、2つの検査要求が同時に一覧表示W2内に表示されており、これらは、各々別カテゴリーとして水平な区切り線L1(所定の区切り標識)により区分けされている。また、各カテゴリーの撮影アイテムの表示では、それぞれ、カテゴリーの表示範囲ごとに当該カテゴリーを示す標識C1、C2が先頭に位置している。検査1については、当該検査1の撮影アイテムの表示範囲で標識C1に続いて撮影アイテムI1、I2の表示がなされ、検査2については、当該検査2の撮影アイテムの表示範囲で標識C2に続いて撮影アイテムI3、I4の表示が続けてなされている。
【0040】
図3(b)に示す一覧表示W2の例3では、区切り線L1の代わりに、各カテゴリーについてそれぞれツリー表示T1、T2で撮影アイテムが属するカテゴリーの標識C1、C2と接続されている。すなわち、カテゴリーの標識C1には、ツリー表示T1で撮影アイテムI1、I2が接続され、カテゴリーの標識C2には、ツリー表示T2で撮影アイテムI3、I4が接続されている。なお、ツリーは、他の形状、例えば、直線や曲線であってもよい。
【0041】
図4(a)に示す一覧表示W2の例4では、同一カテゴリーに属する撮影アイテムは、境界線B1、B2などで囲まれた領域(サブエリア)にまとめられ、他のカテゴリーの撮影アイテムとは区分け表示されている。境界線B1は、検査1のカテゴリーに属する標識C1及び撮影アイテムI1、I2を囲んでいる。境界線B2は、検査2のカテゴリーに属する標識C2及び撮影アイテムI3、I4を囲んでいる。
【0042】
図4(b)に示す一覧表示W2の例5では、同一カテゴリーに属する撮影アイテムは、同一背景色の領域(サブエリア)内に位置している。検査1のカテゴリーに属する標識C1及び撮影アイテムI1、I2は、所定の背景色の領域R1内に位置しており、検査2のカテゴリーに属する標識C2及び撮影アイテムI3、I4は、領域R1とは異なる背景色の領域R2内に位置している。背景色だけではなく、カテゴリーの標識の色も変更されてもよい。背景色やカテゴリーの標識の色は、予め特定のカテゴリーとそれぞれ対応づけて定められ、固定色(ユーザーが設定可能であってもよい)で色分け表示させることで、撮影技師などが体感的に速やかに分類基準を特定可能としてもよい。
【0043】
これらのようにカテゴリーごとに区分する表示を加えることで、異なるカテゴリーの表示が同一表示エリア内に表示可能である。これにより、少ない切替操作でより多くの撮影アイテムを一覧表示させることができる。なお、全ての撮影アイテムが1ページの一覧表示W2に入りきらない場合には、ここでは、カテゴリーの切れ目で次のページに分割されてよいが、全て1ページの表示内で連続的にスクロール表示させることが可能とされてもよい。この場合、表示されていない範囲に未撮影アイテムがある場合には、スクロールバー上に警告表示がなされてもよい。
【0044】
図5は、一覧表示W2における他の表示例を示す図である。
図5(a)に示す一覧表示W2では、3つのカテゴリー全てを同一の画面で表示しており、そのうち1つのカテゴリー、ここでは検査2のカテゴリーの表示についてのみ、撮影アイテムI3、I4が展開表示されている。このように、1ページに全ての撮影アイテムの表示ができない場合でも多くのカテゴリーの表示が可能なように表示設定がなされてもよい。ここでは、展開標識E1、E3が選択操作されることで、全ての撮影アイテムが表示されるカテゴリーが切り替えられる。なお、全ての撮影アイテムが表示されるカテゴリーが択一的に選択されるのではなく、全てのカテゴリーについて各々展開するか否かが定められてもよい。この場合には、展開表示されているカテゴリーについては、展開表示を解除する標識が表示されていてもよい。
【0045】
なお、選択する撮影アイテムを直接選択する操作の代わりに、例えば、撮影アイテムI3から表示上の配列順又は予め設定されている撮影順で、一つ前の撮影アイテムI2や配列順で先頭の撮影アイテムI1に変更する操作(選択切替標識X1の選択操作や、キーボードの矢印キーからの入力など)が行われた場合に、選択されている撮影アイテムが含まれるカテゴリーの撮影アイテムを展開表示するように自動で表示の更新がなされてもよい。
【0046】
図5(b)に示す一覧表示W2では、ページの切り替えを矢印の標識P2、P3の選択により一つずつ行わせる代わりに、選択されるページ番号を示す標識P4~P6を全て表示させることで、直接選択ページに移行させることができる。ここでは、ページ1とページ3をそれぞれ示す標識P4、P6に各々併せて未撮影アイテムのある警告標識N4、N6が示されており、選択されているページ1の撮影アイテム表示から直接ページ3の撮影アイテム表示に切り替えることができる。なお、ページ番号を示す全ての標識を一覧表示W2に設ける代わりに、プルダウンメニューやポップアップウィンドウを用いてページの選択切替時にのみ全てのページ番号の表示がなされ、操作受付部113が受け付けた操作により選択可能とされていてもよい。
【0047】
区分けに用いられるカテゴリーの分類基準の設定は、切替設定が可能である。
図6は、他のカテゴリー分類の例を示す図である。
図6(a)に示す一覧表示W2では、カテゴリー分類として撮影部位が設定されている。これに応じて、ここでは、カテゴリーとして「頭部」及び「頸部」が定められ、それぞれカテゴリーを示す標識C11、C12に示されている。カテゴリー「頭部」に対応する撮影アイテムI11、I12が標識C11と並んで示され、カテゴリー「頸部」に対応する撮影アイテムI13、I14が標識C12と並んで示されている。これらのカテゴリー間は、区切り線L11により区分されている。
【0048】
カテゴリーの分類基準は、予め複数種類が定められていてよく、ここでは一覧表示W2の最上部に選択領域G10が示されている。ここでは、例えば、操作受付部113により受け付けられた矢印標識G11、G13の選択操作(入力操作)により設定順で切り替えて設定されてもよいし、あるいは、選択されている分類基準を示す表示標識G12が選択操作された場合に選択可能な分類基準の一覧表示をプルダウンメニュー又はポップアップウィンドウなどで表示させて、直接いずれかが選択可能とされてもよい。
【0049】
図6(b)に示す一覧表示W2では、分類基準として検査依頼のあった診療科(依頼科)が設定されている。ここでは、1ページ目の一覧表示で整形外科から依頼があった撮影アイテムI11~I12が、整形外科を示すカテゴリーの標識C21とともに並んで表示されている。
【0050】
その他の分類基準としては、例えば、撮影装置又は特に放射線の検出器、患者の姿勢(立位又は臥位など及びその向き)、検査依頼のタイミング及び検査の予約日時などが定められてもよい。これらのように複数の分類基準が定められている場合、分類基準ごとに色(背景色又は前景色)、フォントなどが定められていてもよい。
【0051】
ここで、同一患者の複数の検査依頼において、部位や条件などの撮影内容が同一の撮影アイテムが複数設定される場合がある。この場合、異なるタイミングでの撮影が指定されているなど(例えば、時系列変化を観察するために複数の異なるタイミングでの撮影に係る検査予約をまとめて行った場合など)でなければ、各々の撮影アイテムについて別個に同一の撮影を行う必要はないので、一回撮影が行われた場合には、他の撮影も全て行われたもの(撮影済み)として撮影画像データを共通に設定することができる。なお、同一の撮影画像に対して他の読み取り動作や画像処理などが行われる場合には、診療科ごとなどで別個に選択されて各々読取設定などが行われてよい。一方で、撮影部位や撮影条件などについては、各々対応される必要がないので、撮影部位のカテゴリーにより区分されて表示される場合などには、同一の内容の撮影アイテムを当該カテゴリーにいずれか1つ表示させればよく、複数表示させる必要がない。
【0052】
図7は、撮影アイテムに重複がある場合における一覧表示W2の表示例を示す図である。
図7(a)に示すように、カテゴリーの分類基準として診療科が設定されていて、各々のカテゴリーに同一部位及び条件の撮影アイテムが含まれる場合には、これらの撮影アイテムが、区切り線L12で区切られた両カテゴリーで表示される。ここでは、整形外科における撮影アイテムI11と脳神経外科における撮影アイテムI21とが同一の部位及び同一条件の撮影であり、また、撮影アイテムI12と撮影アイテムI22とが同一の部位の撮影である。
【0053】
この場合に、重複が生じている撮影アイテムの表示には、重複する撮影内容が設定されていることを示す表示として、標識M21、M22が付されていてもよい。ここでは、例えば、撮影アイテムの表示順で最初のものについては、他のものの標識M22(ここでは破線枠)と区別された標識M21(ここでは実線枠)であってもよいし、全て同一であってもよい。いずれかが選択された撮影が実行された場合には、いずれも撮影済みに変更設定されてよい。
【0054】
一方、
図7(b)に示すように、分類基準として撮影部位が設定されている場合(
図6(a)と同様)、同一条件の撮影アイテムについては、1つにまとめて表示させてもよい。この場合、まとめられて表示されている各撮影アイテムI11、I12の表示には、まとめられていることを示す標識M30が付加されていてもよい。ここでは、標識M30は、例えば、重複数である「2」を示しているが、これには限られない。また、操作受付部113が受け付けた所定の入力操作などにより、まとめて表示されていた撮影アイテムを分離表示させるように切り替えることが可能であってもよい。
【0055】
図8は、本実施形態の放射線撮影制御装置110で実行される撮影制御画面の表示制御処理の制御部111による制御手順を示すフローチャートである。
この表示制御処理は、放射線撮影制御装置110で撮影制御に係る処理が開始された場合に起動される。なお、実際の撮影制御、撮影画像の処理及び表示などに係る処理は、撮影制御動作に係る入力操作が受け付けられた場合に別途起動されることとされてもよく、また、従来周知のとおりに制御されてよいので、ここでは説明を省略する。
【0056】
表示制御処理が開始されると、制御部111(CPU1111)は、受信済みの検査要求データの内容を取得する(ステップS11)。制御部111は、予め最初の区分けに用いられるカテゴリーの分類基準として設定されている分類基準に含まれる初期カテゴリーのリストを取得する(ステップS12)。制御部111は、取得された検査要求データ内の全ての撮影アイテムについて、初期カテゴリーで分類を行う(ステップS13)。制御部111は、各カテゴリーの表示順を決定して表示内容を定める。各カテゴリーの表示順及び/又はカテゴリー内での各撮影アイテムの表示順は、例えば、撮影の手間が最小になるように予め定められた順番でソートされてもよい。制御部111は、定められた表示内容に基づいて、表示部114により初期表示を一覧表示W2に行わせる(ステップS14;アイテム表示ステップ、アイテム表示手段)。
【0057】
制御部111は、操作受付部113が表示するページの切替に係る入力操作を受け付けたか否かを判別する(ステップS15)。ページ切替に係る入力操作を受け付けたと判別された場合には(ステップS15で“YES”)、制御部111は、生成済みの切替先のページ表示データに基づいて、表示部114による一覧表示W2の内容を更新させる(ステップS21)。それから、制御部111の処理は、ステップS18へ移行する。
【0058】
ページ切替に係る入力操作を受け付けていないと判別された場合には(ステップS15で“NO”)、制御部111は、操作受付部113によりカテゴリーの分類基準の変更に係る入力操作を受け付けたか否かを判別する(ステップS16)。カテゴリーの分類基準の変更に係る入力操作を受け付けたと判別された場合には(ステップS16で“YES”)、制御部111は、取得済みの全ての撮影アイテムを変更後の分類基準のカテゴリーで分類する(ステップS31)。制御部111は、各カテゴリーの表示順を決定して表示内容を定める。制御部111は、定められた表示内容に基づいて、表示部114により変更後の表示内容で一覧表示W2の表示を更新させる(ステップS32)。それから、制御部111の処理は、ステップS18に移行する。
【0059】
カテゴリーの分類基準の変更に係る入力操作を受け付けていないと判別された場合には(ステップS16で“NO”)、制御部111は、いずれかの撮影アイテムを選択する入力操作が受け付けられたか否かを判別する(ステップS17)。受け付けられたと判別された場合には(ステップS17で“YES”)、制御部111は、選択された撮影アイテムをハイライト表示する。また、制御部111は、選択された撮影アイテムに応じて他のプレビュー画面W1及び設定画面W3の表示内容を更新する(ステップS41)。上述のように、選択された撮影アイテムが一覧表示W2に表示されていない場合には、制御部111は、当該撮影アイテムが含まれるカテゴリーの表示が行われるように一覧表示W2を更新してよい。それから、制御部111の処理は、ステップS18へ移行する。
【0060】
ステップS17で、いずれの撮影アイテムの選択に係る入力操作も受け付けていないと判別された場合には(ステップS17で“NO”)、制御部111の処理は、ステップS18へ移行する。ステップS18、S21、S32、S41の各処理からステップS18の処理へ移行すると、制御部111は、撮影制御処理の終了命令に係る入力操作が操作受付部113により受け付けられたか否かを判別する。受け付けられていないと判別された場合には(ステップS18で“NO”)、制御部111の処理は、ステップS15に戻る。受け付けられたと判別された場合には(ステップS18で“YES”)、制御部111は、表示画面1141への撮影制御に係る表示を終了させる処理を行い(ステップS19)、撮影制御処理を終了する。
【0061】
以上のように、本実施形態の放射線撮影制御装置110は、表示画面1141を有する表示部114と、制御部111と、を備える。制御部111は、一人の患者に対して設定されている放射線画像の撮影に係る検査の情報を表示画面1141に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリア(一覧表示W2)内に表示させ、当該一覧表示W2では、設定されている分類基準によりカテゴリー分けがなされた撮影アイテムをカテゴリーごとに区分けして表示を行わせる。
このように、一の患者については複数の検査をまとめて表示させることで、同時に実施可能な撮影を別個に行ったり、撮影装置や撮影部位の順番が行ったり来たりしたりするなどで、検査技師や患者の負担や手間が増えるのを効果的に抑制する。一方で、複数の撮影アイテムをカテゴリーごとに表示されることとして、検査技師などのユーザーがより効率的かつ確実に各検査内容などの検査情報を視認することができる。
【0062】
また、放射線撮影制御装置110は、操作受付部113を備える。制御部111は、操作受付部113が受け付けた入力操作に応じてカテゴリーの分類基準を設定して一覧表示W2における撮影アイテムの表示を行わせる。分類基準が入力操作に応じて変更可能とされることで、検査技師などのユーザーが確認したい内容に応じて見やすいように区分け、並び順を調整し、当該ユーザーの作業効率を向上させることができる。
【0063】
また、制御部111は、異なるカテゴリーに属する撮影アイテムを互いに異なるサブエリアに区分けして表示させる。一覧表示W2内で更にサブエリアを設定して撮影アイテムの一覧表示を行わせるので、撮影技師などのユーザーによる視認が容易である。
【0064】
あるいは、制御部111は、異なるカテゴリーに属する撮影アイテムを一覧表示W2内で所定の区切り線などの区切り標識により区分けして表示させる。このようなシンプルな区切りであっても、ユーザーは容易にカテゴリーを識別することができる。
【0065】
また、制御部111は、複数のカテゴリーをそれぞれ示す標識C1、C2などを、区分けがなされた複数の表示範囲に各々行わせる。これにより、ユーザーは、現在どのような分類基準で分類されてどのカテゴリーに属する撮影アイテムであるのかが容易に識別可能である。
【0066】
また、制御部111は、別個に設定された同一内容の撮影アイテムが複数ある場合に、当該複数の同一内容の撮影アイテムが同一のカテゴリーに属する場合には、当該カテゴリーにいずれか1つを表示させる。一度の撮影で済む同一部位及び条件の撮影に関しては、まとめて表示させることで、表示が煩雑にならず、また、ユーザーが残り撮影回数などを容易に判断することができる。
【0067】
また、制御部111は、複数の同一内容の撮影アイテムのうちいずれかに応じて放射線撮影がなされた場合には、これら複数の同一内容の撮影アイテムを全て撮影済みとする。すなわち、同一の撮影部位及び条件については、一回の撮影でまとめて撮影済みに表示が切り替えられることで、ユーザーの手間が低減される。
【0068】
また、制御部111は、2つ以上の同一内容の撮影アイテムをいずれも表示させる場合に、当該同一内容の撮影アイテムに対し、重複する撮影内容が設定されていることを示す表示を行わせる。カテゴリーの分類基準によっては、同一の撮影内容が複数のカテゴリーにそれぞれ表示される場合があるが、この場合でも、互いに重複していることが分かるように表示を行うことで、撮影技師などが必要な残りの撮影条件を容易に識別し、効率的に撮影を行うことができる。
【0069】
また、制御部111は、カテゴリーを単位として一覧表示W2にページごとに切り替え表示を行わせる。これにより、一覧表示W2に表示させる撮影アイテム数がエリアの大きさに比して多い場合でも、適切に区切りながら表示を行わせることができる。
【0070】
また、制御部111は、切り替え表示を行わせる場合に、表示させていないカテゴリーの表示への切り替えに係る標識P2、P3などを一覧表示W2内に表示させ、一覧表示W2に現在表示されていない撮影アイテムに未撮影のものがある場合には、当該未撮影のものが含まれるカテゴリーへの切り替え(順番に切り替える場合には、1回の切替操作に限られない)に係る標識P2、P3に対応付けて警告標識N1、N4、N6などを行わせる。これにより、複数ページにわたる一覧表示における未撮影の撮影アイテムを見落として撮影漏れなどが生じるのを抑制することができる。
【0071】
また、本実施形態の放射線撮影システム100は、放射線撮影制御装置110と、放射線画像の撮影を行う放射線画像撮影装置150と、を備える。本実施形態の放射線撮影制御装置110により放射線画像撮影装置150による撮影動作を制御することで、より効率よく適切に放射線画像の撮影を行うことができる。
【0072】
また、本実施形態の放射線画像の撮影に係る検査の情報の表示部114への表示制御方法は、一人の患者に対して設定されている検査の情報を表示部114の表示画面1141に一覧表示させる場合に、当該一人の患者に対する検査に含まれる撮影アイテムを一の表示エリアである一覧表示W2に表示させ、当該一覧表示W2では、設定されている分類基準によりカテゴリーに分類がなされた撮影アイテムをカテゴリーごとに区分けして表示を行わせるアイテム表示ステップを含む。
このように、一の患者については複数の検査の内容をまとめて表示させつつ、複数の撮影アイテムがカテゴリーごとに区分けして表示されることとして、検査技師などのユーザーがより効率的かつ確実に各検査内容などの検査情報を視認することができる。
【0073】
また、本実施形態のプログラム1121を、放射線撮影制御装置110として利用されるコンピューターにインストールして制御部111(CPU1111)に実行させることで、特別なハードウェア構成などを必要とせずに容易かつ効率よく放射線画像撮影装置150による放射線撮影を制御することができる。
【0074】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、区切り線や境界線などでカテゴリーを区別する場合を例に挙げて説明したが、エリアに余裕がある場合などに、単純にカテゴリー間にスペースを設けるなどで区別してもよい。また、カテゴリー先頭の標識だけで区別されてもよい。また、区切りを図示するのに加えて/代わりに、数字などで、例えば、各カテゴリーに数字や記号を付して、各撮影アイテムを「1-1」、「1-2」、「2-1」などのように明示してもよい。
【0075】
また、上記実施の形態では、水平の区切り線でカテゴリーを分ける場合について説明したが、実線の直線に限られない。視認及び判別の可能な任意の区切り線の形状であってよい。
また、上記実施の形態では、サブエリアを背景色の違い又は境界線により示す例を挙げて説明したが、これらの組合せであってもよい。また、境界線の形状は特には限られない。
【0076】
また、カテゴリーの分類基準の変更は、ユーザー操作に応じてなされる場合に限られない。撮影開始後には撮影順などに即した分類基準となるように自動的に変更されるなどであってもよい。
【0077】
また、記憶部112、操作受付部113や表示部114は、コンピューターに対して適宜外付けされたものであってもよい。
【0078】
また、上記実施の形態では、表示されていない未撮影アイテムの表示を切り替え表示に係る標識内に行うこととしたが、この位置に限られない。標識と別個に示されてもよい。また、どのページに未撮影アイテムがあるかを明示する標識であってもよい。単に未撮影アイテムの有無だけでなく、未撮影アイテムの数などが明示されてもよい。
【0079】
また、撮影アイテムの一覧表示W2の位置、形状、及び一覧表示W2内の撮影アイテムの表示内容、形状、並べ方などは、上記実施の形態に限られない。
【0080】
また、カテゴリーや撮影アイテムの表示順は、予め設定に基づいてソートされて表示されるものとして説明したが、ソートされなくてもよい。また、ユーザーがドラッグ操作などによりカテゴリー及び/又は撮影アイテムの表示順を入れ替え可能であってもよい。表示順が撮影順と異なる場合には、次の撮影順の撮影アイテムが識別可能にハイライト表示や色付け表示などがなされてもよい。
【0081】
また、以上の説明では、本発明に係る制御部111の処理動作に係るプログラム1121のコンピューター読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリー及び/又はHDDなどの補助記憶装置を有する記憶部112を例に挙げて説明したが、これに限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROMやDVDディスクなどの可搬型記憶媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0082】
11 制御部
15 制御部
100 放射線撮影システム
110 放射線撮影制御装置
111 制御部
1111 CPU
1112 RAM
112 記憶部
1121 プログラム
1122 撮影データ
1123 検査要求データ
113 操作受付部
114 表示部
1141 表示画面
115 通信部
150 放射線画像撮影装置
B1、B2 境界線
C1、C2、C11、C12、C21 標識
D 撮影制御画面
E1、E3 展開標識
G10 選択領域
G11、G13 矢印標識
G12 表示標識
I1、I2、I11~I14、I21、I22、I3、I4 撮影アイテム
IS1 サムネイル表示欄
IS2 情報表示欄
L1、L11、L12 区切り線
M21、M22、M30 標識
N1、N4、N6 警告標識
P1 ページ表示
P2~P4、P6 標識
R1、R2 領域
T1、T2 ツリー表示
W1 プレビュー画面
W2 一覧表示
W3 設定画面
WT タイトル画面
X1 選択切替標識