(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】二重キャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 41/04 20060101AFI20241213BHJP
B65D 41/62 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
B65D41/04 400
B65D41/62
(21)【出願番号】P 2020122941
(22)【出願日】2020-07-17
【審査請求日】2023-04-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000162113
【氏名又は名称】共同印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100193404
【氏名又は名称】倉田 佳貴
(72)【発明者】
【氏名】土子 敏昭
(72)【発明者】
【氏名】森 啓太郎
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 将
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-160157(JP,A)
【文献】特開2003-054598(JP,A)
【文献】特開平06-023013(JP,A)
【文献】特開2000-159248(JP,A)
【文献】特開2015-115206(JP,A)
【文献】実開昭58-046751(JP,U)
【文献】実開昭60-175051(JP,U)
【文献】特開昭47-011245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/04
B65D 41/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合されている外キャップを具備している、二重キャップであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップを挿入できる内キャップ挿入部、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ挿入部及び前記内キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及
び外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、前記先端部が、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させるきっかけとなる内キャップ変形補助凸部を更に有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ、前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される
前記外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凹形状と前記外キャップ抜け止め部の凸形状とが嵌合されており、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とが嵌合されており、かつ
(d)前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている
前記外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる、
二重キャップ。
【請求項2】
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合されている外キャップを具備している、二重キャップであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップを挿入できる内キャップ挿入部、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ挿入部及び前記内キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及
び外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ、前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される
前記外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、前記外キャップ回り止め部が、前記内キャップ回り止め部の先端側に、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させるきっかけとなる内キャップ変形補助凹部を有する、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凹形状と前記外キャップ抜け止め部の凸形状とが嵌合されており、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とが嵌合されており、
(d)前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている
前記外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる、
二重キャップ。
【請求項3】
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合されている外キャップを具備している、二重キャップであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及
び外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、前記先端部が、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させるきっかけとなる内キャップ変形補助凸部を更に有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ前記内キャップを挿入できる外キャップ挿入部、前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される
前記外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ挿入部及び前記外キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凸形状と前記外キャップ抜け止め部の凹形状とが嵌合されており、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とが嵌合されており、かつ
(d)前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている
前記外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる、
二重キャップ。
【請求項4】
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合されている外キャップを具備している、二重キャップであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及
び外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ前記内キャップを挿入できる外キャップ挿入部、前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される
前記外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ挿入部及び前記外キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、前記外キャップ回り止め部が、前記内キャップ回り止め部の先端側に、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させるきっかけとなる内キャップ変形補助凹部を更に有し、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凸形状と前記外キャップ抜け止め部の凹形状とが嵌合されており、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とが嵌合されており、かつ
(d)前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている
前記外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる、
二重キャップ。
【請求項5】
前記内キャップが、不透明材料で構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の二重キャップ。
【請求項6】
前記内キャップ嵌合部が、前記内キャップ抜け止め部及び前記内キャップ回り止め部を隠蔽するようにして、内キャップ折り返し部を更に有する、請求項5に記載の二重キャップ。
【請求項7】
前記内キャップ回り止め部の前記先端部が、前記外キャップ側に凸である凸部である、請求項1~6のいずれか一項に記載の二重キャップ。
【請求項8】
前記外キャップが、透明合成樹脂で構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の二重キャップ。
【請求項9】
容器、及び前記容器に装着されている請求項1~8のいずれか一項に記載の二重キャップを具備している、二重キャップ付容器。
【請求項10】
前記容器に封入されている内容物を更に有する、請求項9に記載の二重キャップ付容器。
【請求項11】
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合させることができる外キャップを具備している、二重キャップ用キットであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップを挿入できる内キャップ挿入部、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ挿入部及び前記内キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及
び外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、前記先端部が、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させるきっかけとなる内キャップ変形補助凸部を更に有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される
前記外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凹形状と前記外キャップ抜け止め部の凸形状とを嵌合させ、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とを嵌合させた状態において、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている
前記外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる、
二重キャップ用キット。
【請求項12】
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合させることができる外キャップを具備している、二重キャップ用キットであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップを挿入できる内キャップ挿入部、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ挿入部及び前記内キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及
び外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される
前記外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、前記外キャップ回り止め部が、前記内キャップ回り止め部の先端側に、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させるきっかけとなる内キャップ変形補助凹部を更に有し、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凹形状と前記外キャップ抜け止め部の凸形状とを嵌合させ、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とを嵌合させた状態において、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている
前記外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる、
二重キャップ用キット。
【請求項13】
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合させることができる外キャップを具備している、二重キャップ用キットであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及
び外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、前記先端部が、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させるきっかけとなる内キャップ変形補助凸部を更に有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ前記内キャップを挿入できる外キャップ挿入部、前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される
前記外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ挿入部及び前記外キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凸形状と前記外キャップ抜け止め部の凹形状とを嵌合させ、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とを嵌合させた状態において、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている
前記外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる、
二重キャップ用キット。
【請求項14】
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合させることができる外キャップを具備している、二重キャップ用キットであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及
び外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ前記内キャップを挿入できる外キャップ挿入部、前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される
前記外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ挿入部及び前記外キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、前記外キャップ回り止め部が、前記内キャップ回り止め部の先端側に、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させるきっかけとなる内キャップ変形補助凹部を更に有し、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凸形状と前記外キャップ抜け止め部の凹形状とを嵌合させ、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とを嵌合させた状態において、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている
前記外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる、
二重キャップ用キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液状化粧品等の容器においては、主として、そのキャップの外観体裁を良くするため、容器の頚部等に装着する内キャップに対し、これに透明の外キャップを被せて嵌着し、これにより外キャップが透明な二重キャップ構造とすることが行われている。この具体的構造としては、例えば不透明な内キャップに透明の外キャップを被せ、両者を、抜け防止用アンダーカットや回動防止用アンダーカット等の係合手段にて係合させて、離脱不能かつ回動不能に組み付けたものとなっている。かかる二重キャップとしては、種々のものが提案されている。
【0003】
特許文献1では、容器の頚部等に装着するネジ付の不透明な内キャップと、これに被せて嵌着する透明の外キャップとを組み合わせた二重キャップにおいて、内キャップの外壁面下部に、折り返しにより、外キャップとほぼ同じ外径を持つ不透明な受容部が形成され、この不透明な受容部に透明な外キャップの下部が挿入され、内キャップと外キャップの抜けを防止するために、上記不透明な受容部で隠された領域内にて、外キャップ下部と内キャップの受容部の間に、両者を係合させて抜け防止用係合手段が設けられ、内キャップと外キャップの間の回動を防止するために、上記不透明な受容部で隠された領域内にて、受容部に、挿入孔または凹所が形成されるとともに、該外キャップの下部に形成した脚部が挿入孔または凹所に挿入されて回動防止用係合手段が設けられたことを特徴とする二重キャップが開示されている。
【0004】
特許文献2では、外筒と、前記外筒の中心軸と同軸に配置され且つ前記外筒の内側に配置される内筒と、を備え、前記外筒の内周面及び前記内筒の外周面には、互いに係合し合う係合部が周方向に間隔をあけてそれぞれ複数形成され、前記外筒及び前記内筒のそれぞれの前記係合部には、前記中心軸方向に延び、且つ互いに係合し合う縦係合部が各別に形成され、前記係合部を径方向から見て、前記縦係合部と前記係合部における周方向の一方側に位置する第1周端部との間の周方向に沿った第1距離、並びに、前記縦係合部と前記係合部における周方向の他方側に位置する第2周端部との間の周方向に沿った第2距離の双方が、前記外筒及び前記内筒のそれぞれの前記係合部ごとで異なっていることを特徴とする二重筒体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許4033664号公報
【文献】特許6286334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に記載の二重キャップでは、外キャップと内キャップとは、概して互いに異なる種類の樹脂が用いられており、これらの樹脂は、別々に処分できることが好ましい。しかしながら、上記の二重キャップの構造では、外キャップと内キャップとを分解することが困難であり、その結果、外キャップと内キャップとが分解されずに、一体としてサーマルリサイクル又は埋め立て処分されることがあった。
【0007】
そこで、使用時においては相対的な位置が固定されており、かつ使用後に容易に分解できる、二重キャップを提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
<態様1>
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合されている外キャップを具備している、二重キャップであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップを挿入できる内キャップ挿入部、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ挿入部及び前記内キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及び前記外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ、前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凹形状と前記外キャップ抜け止め部の凸形状とが嵌合されており、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とが嵌合されており、かつ
(d)前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる、
二重キャップ。
<態様2>
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合されている外キャップを具備している、二重キャップであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及び前記外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ前記内キャップを挿入できる外キャップ挿入部、前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ挿入部及び前記外キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凸形状と前記外キャップ抜け止め部の凹形状とが嵌合されており、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とが嵌合されており、かつ
(d)前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる、
二重キャップ。
<態様3>
前記内キャップが、不透明材料で構成されている、態様1または2に記載の二重キャップ。
<態様4>
前記内キャップ嵌合部が、前記内キャップ抜け止め部及び前記内キャップ回り止め部を隠蔽するようにして、内キャップ折り返し部を更に有する、態様3に記載の二重キャップ。
<態様5>
前記内キャップ回り止め部の前記先端部が、前記外キャップ側に凸である凸部である、態様1~4のいずれか一項に記載の二重キャップ。
<態様6>
前記内キャップ回り止め部の前記先端部が、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させるきっかけとなる内キャップ変形補助凸部を更に有する、態様1~5のいずれか一項に記載の二重キャップ。
<態様7>
前記外キャップが、透明合成樹脂で構成されている、態様1~6のいずれか一項に記載の二重キャップ。
<態様8>
前記内キャップ回り止め部の先端側に、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させるきっかけとなる外内キャップ変形補助凹部を更に有する、態様1~7のいずれか一項に記載の二重キャップ。
<態様9>
容器、及び前記容器に装着されている態様1~8のいずれか一項に記載の二重キャップを具備している、二重キャップ付容器。
<態様10>
前記容器に封入されている内容物を更に有する、態様9に記載の二重キャップ付容器。
<態様11>
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合させることができる外キャップを具備している、二重キャップ用キットであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップを挿入できる内キャップ挿入部、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ挿入部及び前記内キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及び前記外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凹形状と前記外キャップ抜け止め部の凸形状とを嵌合させ、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とを嵌合させた状態において、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる、
二重キャップ用キット。
<態様12>
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合させることができる外キャップを具備している、二重キャップ用キットであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及び前記外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ前記内キャップを挿入できる外キャップ挿入部、前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ挿入部及び前記外キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凸形状と前記外キャップ抜け止め部の凹形状とを嵌合させ、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とを嵌合させた状態において、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる、
二重キャップ用キット。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、使用時においては相対的な位置が固定されており、かつ使用後に容易に分解できる、二重キャップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の第一の態様の二重キャップの概略図である。
図1(a)は、本発明の二重キャップの斜視断面図である。
図1(b)は、本発明の第一の態様の二重キャップの側面断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第一の態様の内キャップの概略図である。
図2(a)は、本発明の第一の態様の内キャップの上面斜視図である。
図2(b)は、本発明の第一の態様の内キャップの斜視断面図である。
図2(c)は、本発明の第一の態様の内キャップの側面透視図である。
図2(d)は、本発明の第一の態様の内キャップの底面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第一の態様の外キャップの概略図である。
図3(a)は、本発明の第一の態様の外キャップの上面斜視図である。
図3(b)は、本発明の第一の態様の外キャップの底面斜視図である。
図3(c)は、本発明の第一の態様の外キャップの側面透視図である。
図3(d)は、本発明の第一の態様の外キャップの底面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第一の態様の外キャップと内キャップとを嵌合させる段階の説明図である。
【
図5】
図5は、内キャップ回り止め部を外キャップ回り止め部から外す前後の状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《二重キャップ》
本発明の第一の態様では、二重キャップ100は、本発明の内キャップ120、及び内キャップ120に被せるようにして嵌合されている外キャップ110を具備している、二重キャップ100であって(
図1)、
(a)内キャップ120が、容器に装着させることができる内キャップ内周形状124、それに沿って外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状126、及び外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部122を有し(
図2)、かつ
(i)内キャップ嵌合部122が、外キャップを挿入できる内キャップ挿入部1226、外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部1224、及び外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部1222を有し、内キャップ挿入部1226及び内キャップ抜け止め部1224が、凹形状を有しており(
図2)、
(ii)内キャップ回り止め部1222が、外力の印加により塑性変形可能な柄部1222a、及び外キャップ回り止め部に嵌合されて外キャップの回動を防止する先端部1222bを有し(
図2及び
図5)、
(b)外キャップが、内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状114、外キャップ外周形状116、及び内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部112を有し(
図3)、かつ
(i)外キャップ嵌合部112が、外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部1124、及び内キャップ回り止め部と嵌合される外キャップ回り止め部1122を有し、外キャップ抜け止め部1124が、凸形状を有しており(
図3)、
(c)内キャップ抜け止め部の凹形状と外キャップ抜け止め部の凸形状とが嵌合されており、かつ内キャップ回り止め部と外キャップ回り止め部とが嵌合されており、かつ
(d)内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている外キャップ回り止め部から外し、かつ外キャップを内キャップに対して相対的に回転させて、外キャップ抜け止め部を内キャップ抜け止め部から外して、外キャップを内キャップから取り外すことができる、
二重キャップである。
【0012】
外キャップと内キャップとを、例えば
図4に示す方法により嵌合させて、二重キャップを得ることができる。
【0013】
より具体的には、
図4(a)に示すように、この二重キャップは、外キャップ110の外キャップ抜け止め部1124を、内キャップ120の内キャップ挿入部1226に挿入できる位置に配置し、次いで
図4(b)に示すように、外キャップ110の外キャップ抜け止め部1124を、内キャップ120の内キャップ挿入部1226に挿入する。このとき、内キャップ回り止め部1222は、図示しないが、外キャップに押されて容器側に弾性変形している。
【0014】
次いで、
図4(c)に示すように、外キャップ110を時計回りに回転させる。外キャップ回り止め部1122が、内キャップ回り止め部1222の位置に達すると、外キャップ回り止め部1122と、内キャップ回り止め部1222とが嵌合される。これによれば、内キャップ120と外キャップ110とを嵌合させて二重キャップを得ることができる。
【0015】
また、使用後においては、以下の手順で二重キャップを分解することができる。まず、
図5(a)に示されているように嵌合されている外キャップ回り止め部1122と、内キャップ回り止め部1222とを、
図5(b)に示されているように、内キャップ回り止め部1222を、例えば容器側方向に塑性変形させて、嵌合されている外キャップ回り止め部1122から外す。
【0016】
次いで、
図4で示した手順を逆順で行って、すなわち外キャップを内キャップに対して相対的に回転させて、外キャップ抜け止め部を内キャップ抜け止め部から外して、外キャップを前記内キャップから取り外すことができる。
【0017】
したがって、上記の構成によれば、使用時においては相対的な位置が固定されており、かつ使用後に容易に分解できる。
【0018】
図示しないが、本発明の第二の態様では、二重キャップは、内キャップ、及び内キャップに被せるようにして嵌合されている外キャップを具備している、二重キャップであって、
(a)内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)内キャップ嵌合部が、外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、内キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(ii)内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及び外キャップ回り止め部に嵌合されて外キャップの回動を防止する先端部を有し、
(b)外キャップが、外キャップ外周形状、内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)外キャップ嵌合部が、外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ内キャップを挿入できる外キャップ挿入部、内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び内キャップ回り止め部と嵌合される外キャップ回り止め部を有し、外キャップ挿入部及び外キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(c)内キャップ抜け止め部の凸形状と外キャップ抜け止め部の凹形状とが嵌合されており、かつ内キャップ回り止め部と外キャップ回り止め部とが嵌合されており、かつ
(d)内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている外キャップ回り止め部から外し、かつ外キャップを内キャップに対して相対的に回転させて、外キャップ抜け止め部を内キャップ抜け止め部から外して、外キャップを内キャップから取り外すことができる、
二重キャップである。
【0019】
すなわち、本発明の第一の態様と、第二の態様とは、以下の点を除き、同じである:
(i)本発明の第一の態様では、
図2に示すように、凹形状の内キャップ挿入部1226及び内キャップ抜け止め部1224が存在しているのに対し、本発明の第二の態様では、これらに対応する部分として、凹形状の外キャップ挿入部及び外キャップ抜け止め部がそれぞれ存在していること、
(ii)本発明の第一の態様では、
図3に示すように、凸形状の外キャップ抜け止め部1124が存在しているのに対し、本発明の第二の態様では、これに対応する部分として、凸形状の内キャップ抜け止め部が存在していること。
【0020】
以下では、本発明の二重キャップの各構成要素について説明する。
【0021】
〈内キャップ〉
図2に示すように、内キャップ120は、容器に装着させることができる内キャップ内周形状124、それに沿って外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状126、及び外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部122を有する。
【0022】
内キャップを構成する材料としては、透明材料を用いてもよく、又は不透明材料を用いてもよく、不透明材料を用いることが、外及び内キャップ嵌合部を隠蔽して外観を良好にするする観点から好ましい。
【0023】
不透明材料としては、例えば銅、銀、パラジウム、イリジウム、白金、金等の単体金属、ステンレス等の合金金属、透明樹脂に酸化チタンなどの着色顔料を混ぜた混合樹脂、及びポリプロピレン等の不透明合成樹脂等を用いることができる。
【0024】
透明材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の透明合成樹脂、及びガラス等の透明無機材料を用いることができる。
【0025】
(内キャップ内周形状)
内キャップ内周形状は、組み合わせるべき容器に装着させることができる形状である。装着は、容器の態様に応じた手段で行うことができ、例えば嵌着、螺合等により行うことができる。
【0026】
(内キャップ外周形状)
内キャップ外周形状は、それに沿って外キャップを回動させることができる形状である、内キャップ外周形状は、略円柱状であることが、この目的を達する観点から好ましい。ここで、本明細書において、「略円柱状」とは、厳密な円柱状のみならず、円柱状に類似する形状、例えば円柱状の角部(稜)を曲面とした形状も含んでいる。他の「略~」と言及されている形状についても、同様に解釈する。
【0027】
(内キャップ嵌合部)
本発明の第一の態様では、
図2に示すように、内キャップ嵌合部122は、外キャップを挿入できる内キャップ挿入部1226、内キャップ抜け止め部1224及び内キャップ回り止め部1222を有する。この態様では、内キャップ挿入部1226及び内キャップ抜け止め部1224は、凹形状を有する。
【0028】
また、図示しないが、本発明の第二の態様では、内キャップ嵌合部が、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有する。この態様では、内キャップ抜け止め部が、凸形状を有する。
【0029】
内キャップ120が不透明材料で構成されている場合には、内キャップ嵌合部122は、内キャップ抜け止め部1224及び内キャップ回り止め部1222を隠蔽するようにして、内キャップ折り返し部1228を有することが、外観上の観点から好ましい。
【0030】
(内キャップ嵌合部:内キャップ回り止め部)
内キャップ回り止め部は、外キャップの回動を防止することができる部分である。
図5(a)に示すように、内キャップ回り止め部1222は、外力の印加により塑性変形可能な柄部1222a、及び外キャップ回り止め部1122に嵌合されて外キャップの回動を防止する先端部1222bを有する。塑性変形は、例えば容器側方向にさせることができる。
【0031】
一態様においては、内キャップ回り止め部1222の先端部1222bは、外キャップ側に凸である凸部、例えば柱状、フック状(
図5に示している)、ドーム状等の形状であることが、内キャップの容器側の面を平坦にして、二重キャップの外観及び使いやすさを良好にする観点から好ましい。
【0032】
内キャップ回り止め部1222は、内キャップ回り止め部1222を塑性変形させるきっかけとなる内キャップ変形補助凸部1222cを有していることが、この塑性変形を容易にする観点から好ましい。例えば、内キャップ回り止め1222部の先端部1222bがフック状である場合には、この内キャップ変形補助凸部1222cは、例えば先端部の周縁の一部に設けられている突起であってよい。
【0033】
内キャップ回り止め部は、1個存在していてもよく、又は複数個存在していてもよい。内キャップ回り止め部が複数個存在している場合には、これらの内キャップ回り止め部は、等間隔で存在していることが、回り止め性能の観点から好ましい。
【0034】
また、内キャップ回り止め部1222の先端部1222bが凸部である態様においては、内キャップ回り止め部1222の先端側に、内キャップ回り止め部1222を塑性変形させるきっかけとなる内キャップ変形補助凹部1222dを有していることが、この塑性変形を容易にする観点から好ましい。
【0035】
内キャップ変形補助凹部1222dは、例えば
図5(a)に示すように、外キャップ回り止め部1122と、内キャップ回り止め部1222とが嵌合している状態において、内キャップ変形補助凸部1222cの先端側に生じている間隙であってよい。
【0036】
キャップを分解する際に、この間隙に外部から部材を差し込み、内キャップ変形補助凸部1222cに当てて引き起こすことで、内キャップ回り止め部1222を容易に塑性変形させることができる。
【0037】
(内キャップ嵌合部:内キャップ抜け止め部)
内キャップ抜け止め部は、外キャップの垂直移動を防止することができる部分である。内キャップ抜け止め部は、アンダーカット形状であってよい。
【0038】
内キャップ抜け止め部は、凹部であってもよく、又は凸部であってもよいが、外キャップ抜け止め部と嵌合できるように形成されている。例えば、内キャップ抜け止め部が、凹部である場合は、対応する外キャップ抜け止め部が凸部となる。また、内キャップ抜け止め部が、凸部である場合は、対応する外キャップ抜け止め部が凹部となる。
【0039】
内キャップ抜け止め部は、1個存在していてもよく、又は複数個存在していてもよい。内キャップ抜け止め部が複数個存在している場合には、これらの内キャップ抜け止め部は、等間隔で存在していることが、抜け止め性能の観点から好ましい。
【0040】
(内キャップ嵌合部:内キャップ挿入部)
内キャップ抜け止め部が凹形状である第一の態様においては、内キャップ挿入部は、内キャップ抜け止め部に接続された凹形状の部分であり、凸形状の外キャップ抜け止め部を内キャップ抜け止め部に向かって挿入するための部分である。
【0041】
なお、内キャップ抜け止め部が凸形状である第二の態様においては、内キャップ嵌合部は、内キャップ挿入部を有しない。
【0042】
〈外キャップ〉
図3に示すように、外キャップ110は、内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状114、外キャップ外周形状116、及び内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部112を有する。
【0043】
外キャップを構成する材料は、内キャップに関して挙げた材料であってよく、中でも透明合成樹脂を用いることが、外観の観点から好ましい。
【0044】
(外キャップ外周形状)
外キャップ外周形状は、組み合わせるべき容器の外形に応じた随意の形状であってよい。この外周形状は、外キャップ内周形状に依存するものではなく、例えば略円柱状、略円錐状、略楕円柱状、略角柱状等の形状であってもよく、又は星形等の審美的形状であってもよい。ここで、本明細書において、「略~」とは、その形状のみならず、その形状に類似する形状、例えばその形状の角部(稜)を曲面とした形状も含んでいる。
【0045】
外キャップ外周形状が、円柱状である場合には、外キャップ外周形状の直径は、内キャップの最大径と近似していることが、外観の観点から好ましい。ここで、この記載において、「近似している」とは、同一に対して、誤差が5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、又は1%以内であることを意味する。特に、内キャップが内キャップ折り返し部を有する場合、外キャップ外周形状の直径は、内キャップ折り返し部の外形と近似していることが、外観の観点から好ましい。
【0046】
(外キャップ内周形状)
外キャップ内周形状は、内キャップの外周形状に沿って回動できる形状である。この目的を達する観点から、外キャップ内周形状は、略円柱状であることが好ましい。
【0047】
(外キャップ嵌合部)
外キャップ嵌合部は、外キャップ抜け止め部が凸形状である第一の態様においては、外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ外キャップ抜け止め部及び外キャップ回り止め部を有する。
【0048】
ここで、外キャップの「容器側の端部」は、外キャップ内周形状及び外周形状のうちの容器側の部分、並びに外キャップの容器側の底面で構成されていてよい。
【0049】
また、外キャップ抜け止め部が凹部である第二の態様においては、外キャップ嵌合部は、外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ内キャップを挿入できる外キャップ挿入部、内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び内キャップ回り止め部と嵌合される外キャップ回り止め部を有する。
【0050】
(外キャップ嵌合部:外キャップ回り止め部)
図5に示すように、外キャップ回り止め部1122は、内キャップ回り止め部1222が嵌合される部分である。
【0051】
内キャップ回り止め部1222の先端部1222bが凸部である態様においては、外キャップ回り止め部1122は、内キャップ回り止め部1222を収納できる凹部であることが、内キャップの容器側の面を平坦にして、二重キャップの外観及び使いやすさを良好にする観点から好ましい。
【0052】
外キャップ回り止め部は、内キャップ回り止め部の個数に応じた個数存在していてよく、例えば1個存在していてもよく、又は複数個存在していてもよい。外キャップ回り止め部が複数個存在している場合には、これらの外キャップ回り止め部は、等間隔で存在していることが、回り止め性能の観点から好ましい。
【0053】
(外キャップ嵌合部:外キャップ抜け止め部)
外キャップ抜け止め部は、内キャップ抜け止め部が嵌合される部分である。外キャップ抜け止め部は、アンダーカット形状であってよい。
【0054】
内キャップ抜け止め部が凹部である場合には、外キャップ抜け止め部は、凸部となる。この場合、挿入部は内キャップ側に凹部形状となる。
【0055】
また、内キャップ抜け止め部が凸部である場合には、外キャップ抜け止め部は、凹部となる。この場合、挿入部は外キャップ側に凹部形状となる。
【0056】
内キャップが不透明材料で構成されている場合には、外キャップ抜け止め部は、内キャップの嵌合部外周により隠蔽されていることが、外観上の観点から好ましい。
【0057】
(外キャップ嵌合部:外キャップ挿入部)
内キャップ抜け止め部が凸形状である第二の態様においては、外キャップ挿入部は、外キャップ抜け止め部に接続された凹形状の部分であり、凸形状の内キャップ抜け止め部を外キャップ抜け止め部に向かって挿入するための部分である。
【0058】
なお、外キャップ抜け止め部が凸形状である第一の態様においては、外キャップ嵌合部は、外キャップ挿入部を有しない。
【0059】
《二重キャップ付容器》
本発明の二重キャップ付容器は、容器、及び容器に装着されている上記の二重キャップを具備している。
【0060】
二重キャップ付容器は、容器に封入されている内容物を更に有していてよい。
【0061】
〈容器〉
容器としては、二重キャップの形状、特に内キャップの内周形状に応じて、随意に選択することができる。
【0062】
〈内容物〉
内容物は、容器に封入されている内容物である。
【0063】
内容物としては、例えば化粧品、特に液状化粧品等を用いることができる。中でも、化粧品、特に液状化粧品等の内容物を用いた場合には、本発明の二重キャップにより購買意欲が惹起されることがあるため、本発明が有用となる。
【0064】
《二重キャップ用キット》
本発明の第一の態様においては、本発明の二重キャップ用キットは、
内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合させることができる外キャップを具備している、二重キャップ用キットであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップを挿入できる内キャップ挿入部、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ挿入部及び前記内キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及び前記外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凹形状と前記外キャップ抜け止め部の凸形状とを嵌合させ、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とを嵌合させた状態において、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる。
【0065】
また、本発明の第二の態様においては、本発明の二重キャップ用キットは、内キャップ、及び前記内キャップに被せるようにして嵌合させることができる外キャップを具備している、二重キャップ用キットであって、
(a)前記内キャップが、容器に装着させることができる内キャップ内周形状、それに沿って前記外キャップを回動させることができる内キャップ外周形状、及び前記外キャップの容器側の端部に嵌合する内キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記内キャップ嵌合部が、前記外キャップの垂直移動を防止することができる内キャップ抜け止め部、及び前記外キャップの回動を防止することができる内キャップ回り止め部を有し、前記内キャップ抜け止め部が、凸形状を有しており、
(ii)前記内キャップ回り止め部が、外力の印加により塑性変形可能な柄部、及び前記外キャップ回り止め部に嵌合されて前記外キャップの回動を防止する先端部を有し、
(b)前記外キャップが、外キャップ外周形状、前記内キャップの外周形状に沿って回動できる外キャップ内周形状、及び前記内キャップ嵌合部に嵌合する外キャップ嵌合部を有し、かつ
(i)前記外キャップ嵌合部が、前記外キャップの容器側の端部に配置されており、かつ前記内キャップを挿入できる外キャップ挿入部、前記内キャップ抜け止め部と嵌合される外キャップ抜け止め部、及び前記内キャップ回り止め部と嵌合される外キャップ回り止め部を有し、前記外キャップ挿入部及び前記外キャップ抜け止め部が、凹形状を有しており、
(c)前記内キャップ抜け止め部の凸形状と前記外キャップ抜け止め部の凹形状とを嵌合させ、かつ前記内キャップ回り止め部と前記外キャップ回り止め部とを嵌合させた状態において、前記内キャップ回り止め部を塑性変形させて、嵌合されている外キャップ回り止め部から外し、かつ前記外キャップを前記内キャップに対して相対的に回転させて、前記外キャップ抜け止め部を前記内キャップ抜け止め部から外して、前記外キャップを前記内キャップから取り外すことができる。
【0066】
二重キャップ用キットの各構成については、二重キャップに関する記載を参照できる。
【符号の説明】
【0067】
100 二重キャップ
110 外キャップ
112 外キャップ嵌合部
1122 外キャップ回り止め部
1124 外キャップ抜け止め部
114 外キャップ内周形状
116 外キャップ外周形状
120 内キャップ
122 内キャップ嵌合部
1222 内キャップ回り止め部
1222a 柄部
1222b 先端部
1222c 内キャップ変形補助凸部
1222d 内キャップ変形補助凹部
1224 内キャップ抜け止め部
1226 内キャップ挿入部
1228 内キャップ折り返し部
124 内キャップ内周形状
126 内キャップ外周形状