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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】微細磁区加工方法及び微細磁区加工装置
(51)【国際特許分類】
   C21D 8/12 20060101AFI20241213BHJP
   B21D 22/10 20060101ALI20241213BHJP
   H01F 1/147 20060101ALI20241213BHJP
   H01F 41/02 20060101ALI20241213BHJP
   H01F 27/245 20060101ALI20241213BHJP
   B22D 11/00 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
C21D8/12 D
B21D22/10 E
H01F1/147 175
H01F41/02 A
H01F27/245
B22D11/00 G
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020149051
(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公開番号】P2022043658
(43)【公開日】2022-03-16
【審査請求日】2023-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】霜村 英二
(72)【発明者】
【氏名】増田 剛
【審査官】鈴木 葉子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-103124(JP,A)
【文献】特開平04-063229(JP,A)
【文献】国際公開第2014/024746(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105244135(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21D 8/12
C22C 38/00-38/60
B21D 22/10
H01F 1/147,27/245,41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施すための方法であって、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に多数個の硬質の粒体を敷き詰めるように配置する粒体配置工程と、
前記電磁鋼板の前記粒体が配置された領域を加圧することにより、該電磁鋼板に多数個の粒体を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧工程とを含み、
前記粒体配置工程は、
テープ状の保持部材に前記多数個の粒体を保持させる工程と、
前記保持部材を、前記電磁鋼板の表面の所定領域に配置する工程とを含む微細磁区加工方法。
【請求項2】
前記保持部材に対し前記粒体を保持させる密度を、位置によって変動させる請求項1記載の微細磁区加工方法。
【請求項3】
電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施すための方法であって、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に多数個の硬質の粒体を敷き詰めるように配置する粒体配置工程と、
前記電磁鋼板の前記粒体が配置された領域を加圧することにより、該電磁鋼板に多数個の粒体を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧工程とを含み、
前記粒体配置工程は、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に対し、保持用材料を塗布する塗布工程と、
前記保持用材料に、前記粒体を保持させる工程とを含む微細磁区加工方法。
【請求項4】
電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施すための方法であって、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に多数個の硬質の粒体を敷き詰めるように配置する粒体配置工程と、
前記電磁鋼板の前記粒体が配置された領域を加圧することにより、該電磁鋼板に多数個の粒体を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧工程とを含み、
前記粒体配置工程は、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に対し、該所定領域部分が開口したマスク部材を配置する工程と、
前記マスク部材の開口を通して前記電磁鋼板の表面に前記多数個の粒体を散布する工程とを含む微細磁区加工方法。
【請求項5】
電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施すための方法であって、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に多数個の硬質の粒体を敷き詰めるように配置する粒体配置工程と、
前記電磁鋼板の前記粒体が配置された領域を加圧することにより、該電磁鋼板に多数個の粒体を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧工程とを含み、
前記粒体は、硬質材料からエッジを有する非球形形状に構成されている微細磁区加工方法。
【請求項6】
電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施すための方法であって、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に多数個の硬質の粒体を敷き詰めるように配置する粒体配置工程と、
前記電磁鋼板の前記粒体が配置された領域を加圧することにより、該電磁鋼板に多数個の粒体を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧工程と、
前記加圧工程の後、前記粒体を回収する回収工程とを含む微細磁区加工方法。
【請求項7】
前記粒体配置工程は、
前記電磁鋼板の表面に、所要量の前記粒体を供給する工程と、
供給された前記粒体を均等分散させるならし工程とを含む請求項5または6記載の微細磁区加工方法。
【請求項8】
前記加圧工程は、プレス機構あるいはローラ機構により実行される請求項1からのいずれか一項に記載の微細磁区加工方法。
【請求項9】
電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施すための装置であって、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に、多数個の硬質の粒体を敷き詰めるように配置する粒体配置機構と、
前記電磁鋼板の前記粒体が配置された領域を加圧し、該電磁鋼板に多数個の粒体を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧機構とを備え
前記粒体配置機構は、
テープ状の保持部材に前記多数個の粒体を保持させ、
前記保持部材を、前記電磁鋼板の表面の所定領域に配置する微細磁区加工装置。
【請求項10】
電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施すための装置であって、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に、多数個の硬質の粒体を敷き詰めるように配置する粒体配置機構と、
前記電磁鋼板の前記粒体が配置された領域を加圧し、該電磁鋼板に多数個の粒体を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧機構とを備え
前記粒体配置機構は、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に対し、保持用材料を塗布し、
前記保持用材料に、前記粒体を保持させる微細磁区加工装置。
【請求項11】
電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施すための装置であって、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に、多数個の硬質の粒体を敷き詰めるように配置する粒体配置機構と、
前記電磁鋼板の前記粒体が配置された領域を加圧し、該電磁鋼板に多数個の粒体を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧機構とを備え
前記粒体配置機構は、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に対し、該所定領域部分が開口したマスク部材を配置し、
前記マスク部材の開口を通して前記電磁鋼板の表面に前記多数個の粒体を散布する微細磁区加工装置。
【請求項12】
電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施すための装置であって、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に、多数個の硬質の粒体を敷き詰めるように配置する粒体配置機構と、
前記電磁鋼板の前記粒体が配置された領域を加圧し、該電磁鋼板に多数個の粒体を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧機構とを備え、
前記粒体配置機構は、硬質材料からエッジを有する非球形形状に構成されている前記多数個の粒体を配置する微細磁区加工装置。
【請求項13】
電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施すための装置であって、
前記電磁鋼板の表面の所定領域に、多数個の硬質の粒体を敷き詰めるように配置する粒体配置機構と、
前記電磁鋼板の前記粒体が配置された領域を加圧し、該電磁鋼板に多数個の粒体を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧機構と
加圧後に前記粒体を回収する回収機構とを備える微細磁区加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電磁鋼板の所定領域に微細磁区加工を施す微細磁区加工方法及び微細磁区加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
静止誘導機器例えば変圧器の鉄心には、一般に、ケイ素鋼板等の方向性の電磁鋼板が用いられる。この場合、帯状の電磁鋼板を、一巻きごとに少なくとも1箇所の突合せ接合部を設けながら環状に複数枚巻き重ねて構成される、いわゆるワンターンカット型の巻鉄心と称されるものがある(例えば特許文献1参照)。また、所定形状に裁断された電磁鋼板を複数枚積層して、脚部及び継鉄部を夫々形成し、それらを組み合わせて構成される積層鉄心と称されるものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-28406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電磁鋼板を積層及び接合して構成される鉄心にあっては、接合部で磁気抵抗が大きくなって損失即ち鉄損が生ずる問題がある。そこで、近年では、損失の低減を図るために、鉄心を構成する電磁鋼板の表面に対し、磁区を微細分化する微細磁区加工を施すことが考えられている。この場合、電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施す簡易な方法として、表面に多数個の針状の微小突起部を有するプレス型によって、表面に多数個のスクラッチ痕を付けることが考えられる。
【0005】
ところが、そのような方法では、微小突起部の磨耗やチッピングの発生に伴い、プレス型の補修のため、比較的頻繁に再研磨などが必要となり、研磨、補修に要する時間、費用が大きくなるといった不具合の発生が予測される。
そこで、電磁鋼板に対し鉄損の低減を図るべく微細磁区加工を施すものにあって、加工工程の簡単化及び低コスト化を図ることができる微細磁区加工方法及び微細磁区加工装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る微細磁区加工方法は、電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施すための方法であって、前記電磁鋼板の表面の所定領域に多数個の硬質の粒体を敷き詰めるように配置する粒体配置工程と、前記電磁鋼板の前記粒体が配置された領域を加圧することにより、該電磁鋼板に多数個の粒体を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧工程とを含んでいる。
【0007】
実施形態に係る微細磁区加工装置は、電磁鋼板の表面に微細磁区加工を施すための装置であって、前記電磁鋼板の表面の所定領域に、多数個の硬質の粒体を敷き詰めるように配置する粒体配置機構と、前記電磁鋼板の前記粒体が配置された領域を加圧し、該電磁鋼板に多数個の粒体を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧機構とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態を示すもので、巻鉄心製造装置の全体構成を概略的に示す図
図2】微細磁区加工装置及び切断機構部分の構成を概略的に示す斜視図
図3】粒体のいくつかの形状例を示す斜視図
図4】第2の実施形態を示すもので、微細磁区加工装置及び切断機構部分の構成を概略的に示す斜視図
図5】第3の実施形態を示すもので、微細磁区加工装置及び切断機構部分の構成を概略的に示す斜視図
図6】積層鉄心の例を示す概略的正面図
図7】第4の実施形態を示すもので、保持部材に粒体を保持させる様様子を示す図
図8】第5の実施形態を示すもので、微細磁区加工装置部分の構成を概略的に示す斜視図
図9】第6の実施形態を示すもので、微細磁区加工装置部分の構成を概略的に示す斜視図
図10】第7の実施形態を示すもので、微細磁区加工装置部分の構成を概略的に示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、静止誘導機器としての変圧器用の巻鉄心及び積積層鉄心の製造に適用したいくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、複数の実施形態間で共通する部分については、同一の符号を付して、新たな図示や繰り返しの説明を省略する。
【0010】
(1)第1の実施形態
まず、巻鉄心の製造に適用した第1の実施形態について、図1から図3を参照しながら説明する。まず、巻鉄心1について簡単に述べておく。図1に傾斜状態で一部示すように、この巻鉄心1は、上下方向に延びる2本の脚部2、2と、それら脚部2、2の上端部同士、下端部同士を左右につなぐ継鉄部3、3とを有した、コーナー部が丸みを帯びた矩形環状に構成されている。各脚部2、2には、夫々図示しない巻線が装着されて変圧器とされる。
【0011】
この巻鉄心1は、いわゆるワンターンカット型のものとされている。即ち、巻鉄心1は、例えばケイ素鋼板等の帯状の電磁鋼板5のフープ材料を一巻きごとの所要寸法に切断して1単位の電磁鋼板5とし、それら1枚1枚の電磁鋼板5を、端部同士が突き合わされる接合部6を設けながら、内外周方向に複数枚巻き重ねて構成される。電磁鋼板5には方向性電磁鋼板が用いられ、長手方向つまり巻回方向が圧延方向とされている。前記接合部6は、下部の継鉄部3のほぼ中央部分に来るように構成される。このとき、一巻き毎の接合部6を、電磁鋼板5の巻き重ね方向つまり径方向に階段状に一定のピッチでずらしてラップさせながら積層するように構成される。巻き重ね方向に電磁鋼板5の数枚程度を1ブロックとして繰り返すように、接合部6を、内周側から外周側に向けて図で左側に順にずらして配置していくことが行われる。
【0012】
このとき、本実施形態では、図2に示すように、前記各電磁鋼板5の先端部表面における他の電磁鋼板5の接合部6とラップしている部分に位置して、多数個のスクラッチ痕が形成されることにより微細磁区加工の処理がなされた微細磁区加工処理部7が設けられている。図2に便宜上網目状の線で示すように、微細磁区加工処理部7は、電磁鋼板5のうち、電磁鋼板5の幅方向全体に渡り、一定の範囲例えば接合部6のずれのピッチの2倍程度の長さ寸法の所定領域に設けられている。この所定領域は、電磁鋼板5の端部の表面のうち、重なり合う別の電磁鋼板5に対し磁束が渡る範囲とされている。
【0013】
図1は、上記巻鉄心1を製造するための製造装置11の全体的な構成を概略的に示している。この製造装置11は、大きく分けて、巻回された長尺な電磁鋼板5のフープ材料12を引き出しながら搬送する搬送機構13と、電磁鋼板5の切断端部となる部分に微細磁区加工を施す本実施形態に係る微細磁区加工装置14と、電磁鋼板5を所定寸法に切断してする切断機構15と、切断された電磁鋼板5を巻き重ねて巻鉄心1とする巻回機構16とを備える。尚、この製造装置11の各機構は、コンピュータ等からなる制御装置(図示せず)により制御される。
【0014】
前記搬送機構13は、長尺な電磁鋼板5をロール状に巻いたフープ材料12がセットされた供給源17から、巻回機構16までの搬送路18を、電磁鋼板5を矢印A方向に順送りに搬送するものである。図1に模式的に示すように、搬送機構13は、電磁鋼板5を供給源17から引き出して微細磁区加工装置14側に送る第1の搬送ローラ19、切断機構15を経た電磁鋼板5を巻回機構16側に送る第2の搬送ローラ20、それらを駆動するための図示しないモータを含む駆動機構等を備えている。
【0015】
前記微細磁区加工装置14は、電磁鋼板5の所定位置に微細磁区加工を行って、微細磁区加工処理部7を形成するように構成されている。この微細磁区加工装置14の詳細については後述する。前記切断機構15は、図1及び図2に示すように、ダイス24と、そのダイス24に対して上下動する切断刃25とを備え、搬送路18を搬送される電磁鋼板5の先端部を、所定長さで裁断して、1ターン分の長さ寸法の電磁鋼板5を得るように構成されている。このとき、図2に示すように、微細磁区加工処理部7の先端側端部の位置で電磁鋼板5が切断され、次に切断される電磁鋼板5の先端部に微細磁区加工処理部7が位置されるようになっている。切断機構15において切断された電磁鋼板5は、更に巻回機構16に送られ、巻鉄心1の巻回作業が行われる。
【0016】
さて、前記微細磁区加工装置14について述べる。図1図2に示すように、本実施形態に係る微細磁区加工装置14は、搬送路18の途中部の第1の搬送ローラ19の下流部で、前記切断機構15の上流側に設けられている。この微細磁区加工装置14は、電磁鋼板5の表面に対して微細磁区加工を施すための本実施形態に係る微細磁区加工方法を実行する。本実施形態では、微細磁区加工装置14は、上流側に粒体配置機構26を備えると共に、下流側に加圧機構としてのプレス機構27を備えて構成されている。
【0017】
前記粒体配置機構26は、電磁鋼板5の表面の所定領域に、多数個の硬質の粒体28を敷き詰めるように配置する粒体配置工程を実行するものである。本実施形態では、粒体配置機構26は、上流側から順に、粒体供給器29と、粒体整列器30とを備えて構成されている。ここで、前記粒体28としては、加圧により電磁鋼板5の表面に微細な傷を付けることが可能なものが用いられ、図3にいくつかを例示するように、硬質材料からエッジを有する非球形形状に構成されている。
【0018】
具体的には、例えば八面体、十六面体などの多角形状、破砕形状、尖り部を有する形状などのエッジを有する凹凸形状とされ、それら形状のものが多数混在して構成されている。粒体28の材質としては、例えばアルミナ粒、炭化タングステンとコバルトを主成分とした超硬合金粒、人工ダイヤモンド粒などの高い硬度のものが採用される。本実施形態ではまた、粒体28の平均粒径は、0.2mm以下とされている。
【0019】
図1図2に示すように、前記粒体供給器29は、前記電磁鋼板5の表面即ち上面に所要量の粒体28を供給するように構成されている。そして、前記粒体整列器30は、搬送路18搬送される電磁鋼板5の上側にガイド部材30aを備えると共に、下側に電磁鋼板5の下面を受ける平面状のベッド30bを備えている。詳しく図示はしないが、ガイド部材30aは、電磁鋼板5よりも大きい幅寸法を有し、その下面が、前方に行くほど電磁鋼板5に近づく傾斜面とされ、先端縁部が電磁鋼板5の上面との間で所定寸法の隙間を形成する。これにて、粒体整列器30は、電磁鋼板5が送られることに伴い、電磁鋼板5の上面に供給されている粒体28を、傾斜面でガイドしながら所定間隔の隙間を通すようにすることにより、粒体28をならすようにしながら、所定領域に均等分散させるように構成されている。
【0020】
前記プレス機構27は、前記電磁鋼板5の前記粒体28が配置された所定領域部分を加圧し、該電磁鋼板5に多数個の粒体28を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧工程を実行するものである。このプレス機構27は、例えば平坦なベッド21、このベッド21に対して上下動するラム22、このラム22の下面に取付けられたプレス型23を備えて構成されている。このプレス型23の下面の型面は平面状をなし、前記所定領域よりもやや広く構成されている。これによって、電磁鋼板5の表面に無数の微細なスクラッチ痕が形成され、細磁区加工処理部7が設けられるようになっている。その微細磁区加工処理部7においては、磁気抵抗が減少することが知られている。
【0021】
次に、上記構成の作用について述べる。巻鉄心1を製造する製造装置11においては、搬送機構13により、フープ材料12がセットされた供給源17から、電磁鋼板5が搬送路18を矢印A方向に順送りに搬送される。このとき、搬送路18の途中部において、微細磁区加工装置14により、電磁鋼板5の切断端部となる部分に微細磁区加工が施されて微細磁区加工処理部7が形成される。この微細磁区加工は、粒体配置機構26により、電磁鋼板5の表面の所定領域に多数個の硬質の粒体28を敷き詰めるように配置する粒体配置工程と、プレス機構27により、電磁鋼板5の粒体28が配置された領域を加圧することにより、該電磁鋼板5に多数個の粒体28を押し付けてスクラッチ痕を形成する加圧工程とを順に実行することによりなされる。
【0022】
更にそのうち前記粒体配置工程は、電磁鋼板5の表面に、粒体供給器29により所要量の粒体28を供給する工程と、供給された粒体28を粒体整列器30により均等分散させるならし工程とを順に実行することによりなされる。これにより、電磁鋼板の表面の所定領域に、粒体28を均等分散状態に配置することができる。そして、電磁鋼板5の表面の所定領域に多数個の硬質の粒体28が配置されている状態で、加圧工程が実行されることにより、多数個の粒体28が、電磁鋼板5の表面に食い込むようにして多数個の微細な小穴であるスクラッチ痕が形成される。これにより、電磁鋼板5の表面に粒体を配置して加圧するといった簡単な方法でスクラッチ痕を形成することができ、電磁鋼板5の表面における磁区の微細分化が図られる。
【0023】
また、図示及び詳しい説明は省略するが、加圧工程の実行後、電磁鋼板5の表面に残存する粒体28を回収する回収工程が実行される。回収された粒体28は、再利用される。この後、搬送路18を送られる電磁鋼板5は、切断機構15により、所定位置で所定寸法に切断される。これにより、先端部の所定範囲に微細磁区加工処理部7が設けられた電磁鋼板5が得られる。しかる後、切断された電磁鋼板5は巻回機構16に送られ、電磁鋼板5が巻き重ねられて巻鉄心1が得られる。
【0024】
このように本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。即ち、本実施形態の微細磁区加工方法及び微細磁区加工装置14によれば、電磁鋼板5の表面に硬質の多数個の粒体28を配置して加圧するといった簡単な方法でスクラッチ痕を形成し、微細磁区加工を施すことができる。この結果、電磁鋼板5に対し鉄損の低減を図るべく微細磁区加工を施すものにあって、加工工程の簡単化及び低コスト化を図ることができるという優れた効果を奏する。
【0025】
この場合、多数個のスクラッチ痕を形成するために、硬質の粒体28を用いるものであるから、例えば微小突起部を有するプレス型を用いる場合とは異なり、型面が平板なプレス型23を利用でき、プレス型23に頻繁な補修を要するものでもない。粒体28に研磨が必要となる場合でも、プレス型の微小突起部を研磨する場合に比べて極めて容易に研磨の作業を行うことができる。
【0026】
特に本実施形態では、粒体配置工程を、電磁鋼板5の表面に所要量の粒体28を供給する工程と、供給された粒体28を均等分散させるならし工程とを含むものとした。これにより、電磁鋼板5の表面の所定領域内における均等なスクラッチ痕の形成、ひいては均質な磁区の微細分化が可能となり、また、比較的簡単な工程で済ませることができる。加圧工程の後、粒体28を回収する回収工程を実行するようにしたので、粒体28の容易に回収することができ、粒体28を繰り返し再使用することが可能となり、加工コストを十分に安価に済ませることが可能となる。
【0027】
ところで、本実施形態では、前記粒体28を、硬質材料からエッジを有する非球形形状に構成した。粒体28がエッジを有することにより、電磁鋼板28の表面に食い込みやすくなり、目的とする機能、つまりスクラッチ痕を形成する機能を効果的に実現することができる。このとき、回収工程を実行しても、一部の粒体28は、電磁鋼板5の表面にめり込んだ形態で残存することになる。その電磁鋼板5がそのまま巻鉄心1とされることより、電磁鋼板5に常に残留応力を加え続けることになり、磁区の微細分化の効果が維持されるやすくなる。粒体28は、電磁鋼板5の素地よりも熱膨張率は小さいので、焼鈍がなされても、残留歪みが消失することはない。焼鈍温度が低いアモルファス磁性薄帯に対しても、粒体28が残存することで残留歪みを生じさせ、磁区の微細分化の効果を出現させることができる。
【0028】
(2)第2の実施形態
図4は、第2の実施形態を示している。この第2の実施形態が、上記第1の実施形態と異なるところは、加圧工程を実行する加圧機構として、プレス機構27に代えてローラ機構31を採用した構成にある。このローラ機構31は、電磁鋼板5の下面側に設けられた下ローラ32と、上面側に設けられた上ローラ33とを備え、加圧工程において、表面に粒体28が配置された電磁鋼板5は、それらローラ32、33間に挟まれた状態で送られる。
【0029】
これにより、上ローラ33の相対的な転動により電磁鋼板5の粒体28が配置された領域が加圧され、該電磁鋼板5に多数個の粒体28が押し付けられてスクラッチ痕が形成される。これによれば、やはり、電磁鋼板5に対し鉄損の低減を図るべく微細磁区加工を施すものにあって、加工工程の簡単化及び低コスト化を図ることができるという優れた効果を奏する。この場合、ローラ32、33の表面にスクラッチ用の突起などを設ける必要がなく、表面が平滑なローラ32、33を用いることができ、安価な汎用品を採用することができる。また、ローラ機構31のメンテナンス等も容易となる。
【0030】
(3)第3の実施形態
図5及び図6は、第3の実施形態を示すものである。この第3の実施形態では、例えば変圧器用の積層鉄心41を構成する電磁鋼板の加工に適用している。ここで、図6は、積層鉄心41の外観構成を概略的に示している。積層鉄心41は、図で左右方向に延びる上部継鉄部42、下部継鉄部43、上下方向に延びそれら継鉄部42、43間を上下に繋ぐ第1、第2、第3の3個の脚部44、45、46を備えている。各脚部44、45、46には、図示しない巻線が装着される。積層鉄心41を構成する継鉄部42、43及び各脚部44、45、46は、夫々電磁鋼板47を、厚み方向即ち図で前後方向に複数枚積層して構成される。
【0031】
このとき、積層鉄心41においては、突合せ部分のうち、継鉄部42、43の左右の両端部と第1、第3の脚部44、46の上下端部とが接合される上下左右の4つの角部が、斜めほぼ45度に切込まれたいわゆる額縁状の突合せ形態とされる。また、継鉄部42、43の中央部と第2の脚部45の上下両端部との接合は、第2の脚部45の上下部をV字状の凸部とした、凹凸の突合せ形態、いわゆるラップジョイント方式の接合方式とされている。そして、各電磁鋼板47の突合せ端部には、多数個のスクラッチ痕が形成されることにより微細磁区加工の処理がなされた微細磁区加工処理部48が設けられている。
【0032】
さて、本実施形態では、上記積層鉄心41のうち、第1、第3の脚部44、46を製造する場合を例としている。図5に示すように、前記第1、第3の脚部44、46を製造するための装置においては、電磁鋼板47を矢印A方向に搬送する搬送路18の途中部の上流側に、微細磁区加工装置49が設けられ、その下流側に切断機構15が設けられる。微細磁区加工装置49は、粒体配置工程及び加圧工程を順に実行することにより、電磁鋼板47の所定位置に微細磁区加工を行って、微細磁区加工処理部48を形成するように構成されている。本実施形態では、粒体配置工程は、テープ状の保持部材50に多数個の粒体28を保持させる工程と、その保持部材50を、電磁鋼板47の表面の所定領域に配置する工程とを含んでいる。
【0033】
前記保持部材50は、例えば帯状の基材の一面に粘着剤或いは接着剤を塗布して粘着面としたテープ状に構成されている。このとき、保持部材50の幅寸法は、微細磁区加工処理部48の形成領域の長さ方向寸法の2倍とされている。この保持部材50の粘着面には、多数個の粒体28が均等に保持され、その状態で、粘着面を下にして、電磁鋼板47の表面に載置状に配置される。この場合、保持部材50は、電磁鋼板47上に、搬送方向に対し斜め45度の方向に延びて配置される。
【0034】
そして、加圧工程は、加圧機構としてのローラ機構31により実行される。これにて、粒体28を保持した保持部材50が配置された電磁鋼板47は、下面側の下ローラ32と、上面側の上ローラ33との間に挟まれた状態で送られて加圧される。これにより、電磁鋼板45上の保持部材50が配置された領域が加圧され、電磁鋼板47に多数個の粒体28が押し付けられてスクラッチ痕が形成される。この場合、スクラッチ痕は電磁鋼板47に斜め方向に、微細磁区加工処理部28の2倍の幅の帯状に形成される。
【0035】
この後、切断機構15により電磁鋼板47が切断される。この場合、切断機構15は、ダイス24及び切断刃25を搬送方向に対し斜め45度方向に延びて備えている。この切断機構15は、スクラッチ痕の加工範囲の中間部分で、斜め45度の方向に切断するように構成されている。従って、フープ材料12から切離される電磁鋼板47の終端部と、次にフープ材料12から切離されるべき電磁鋼板47の先端部との双方に、一回の加工動作によって、微細磁区加工処理部28が形成されることになる。
【0036】
この第3の実施形態によれば、テープ状の保持部材50に多数個の粒体28を保持させた状態で、電磁鋼板47の表面の所定領域に配置し、加圧工程を実行することにより、保持部材50の配置領域にスクラッチ痕を形成することができる。この場合、保持部材50に粘着剤を予め塗布しておくことにより、粒体28を容易に保持させることが可能となる。しかも、先端部が斜めにカットされた形状の積層鉄心41用の電磁鋼板47の、斜め方向に延びる領域に微細磁区加工処理部28を容易に形成することができる等、任意の位置にテープ状の保持部材50を配置して均質な微細磁区加工を施すことができる。また、加工中の粒体28の飛散を防止することができるといった利点も得ることができる。
【0037】
(4)第4の実施形態
図7は、第4の実施形態を示すものであり、上記第3の実施形態とは次の点が異なる。即ち、この第4の実施形態でも、テープ状の保持部材51に対し粒体28を保持させ、その保持部材51を、電磁鋼板47の表面の所定領域に配置した上で加圧工程を実行するのであるが、保持部材51に、粒体28を、均一ではなく位置によって密度を変動させるように保持させている。具体的には、粒体28を、図で右側ほど密であり、左側ほど疎となるように保持させている。
【0038】
このような第4の実施形態によれば、電磁鋼板47の表面に対する、スクラッチ痕の形成される密度ひいては磁区の細分化の度合いを、場所によって調整することが容易となる。粒体28の密度が高い部分では、磁区がより一層微細化され、密度が比較的低い部分では、磁区のそれほどの微細化が図られなくなる。従って、上記第3の実施形態と同様の効果が得られることに加え、電磁鋼板47に対し、磁束の流れをコントロールできるような微細磁区加工を施すことが可能となる。
【0039】
尚、上記第3、第4の実施形態では、保持部材50、51を、テープ状の基材に保持用の粘着剤を塗布する構成としたが、保持部材を例えば粒体を捕捉可能な繊維材料からシート状に構成し、粒体を保持させるようにしても良い。また、上記第3、第4の実施形態では、保持部材50、51の全面に粒体28を保持させるようにしたが、保持部材の表面のうち部分的に粒体28を保持させた状態で加圧することにより、電磁鋼板に対し例えばバーコードのように交互に縞状に磁区の微細分化加工を施すなど、任意の位置、領域に微細磁区加工を施すことも可能となる。
【0040】
(5)第5の実施形態
図8は、第5の実施形態を示すものであり、電磁鋼板47を矢印A方向に搬送する搬送路18の途中部に設けられた微細磁区加工装置61の要部構成を示している。この微細磁区加工装置61は、粒体配置工程及び加圧工程を順に実行することにより、電磁鋼板47の所定位置に微細磁区加工を行って、微細磁区加工処理部48を形成するように構成されている。ここでは、上記積層鉄心41の第2の脚部45となる電磁鋼板47の、上下部におけるV字状の凸部を構成する部分に、微細磁区加工処理部48を形成する場合を例としている。
【0041】
本実施形態では、微細磁区加工装置61は、粒体配置工程を実行するための、接着剤塗布部62、粒体供給部63、余剰粒体除去部64を搬送方向上流側から順に備えると共に、その下流側に、加圧工程を行う図示しない加圧機構を備えている。前記接着剤塗布部62は、電磁鋼板47の表面の所定領域この場合V字型の領域に対し、保持用材料としての例えば接着剤65を塗布する塗布工程を実行するもので、スクリーンマスク66や塗布ローラ67を備えている。前記スクリーンマスク66は、前記V字型の領域に対応した透孔部66aを有しており、塗布ローラ67により、その透孔部66aを通して電磁鋼板47の表面にV字型に接着剤65が塗布される。
【0042】
前記粒体供給部63は、前記電磁鋼板47の表面のうち前記接着剤65が塗布された領域及びその周辺部に対し、多数個の粒体28を供給するように構成されている。これにて、多数個の粒体28が、電磁鋼板47上の接着剤65が塗布されている部分を含む領域に散布され、そのうち接着剤65に接触している部分が、その位置に保持される。前記余剰粒体除去部64は、例えば前記電磁鋼板47上の粒体28が供給された部分に、エアーを高圧で吹き付けるように構成されており、粒体28のうち、接着剤65により保持されていないものを吹き飛ばして除去するようになっている。これにて、電磁鋼板47上では、接着剤65によって、粒体28がV字型の領域に保持される。
【0043】
これにより、粒体配置工程が行われ、接着剤65によって電磁鋼板47の塗布領域に粒体を保持しておくことができ、その状態で、次の加圧工程を実行することができる。従って、電磁鋼板47の任意の位置に微細磁区加工を施すことが可能となる。本実施形態によれば、上記第3の実施形態などと同様に、加工工程の簡単化及び低コスト化を図ることができると共に、電磁鋼板47の表面の不要な領域にスクラッチ痕を形成することなく、必要位置に確実にスクラッチ痕を形成することができる。尚、保持用材料としては、接着剤65に限らず、油などの粘着性を有するものでも良く、粒体28を保持することが可能であれば様々なものを用いることができる。
【0044】
(6)第6、第7の実施形態、その他の実施形態
図9は、第6の実施形態を示すものであり、上記第5の実施形態と異なるところは、微細磁区加工装置71の構成にある。即ち、この微細磁区加工装置71は、粒体配置工程及び加圧工程を順に実行することにより、電磁鋼板47の所定位置に微細磁区加工を行って、V字型の微細磁区加工処理部48を形成するように構成されている。本実施形態では、微細磁区加工装置71は、電磁鋼板47の表面に配置されるマスク部材72を備えると共に、マスク部材72の上方から多数個の粒体28を電磁鋼板47上に均等に散布する粒体供給部73を備えている。
【0045】
この場合、前記マスク部材72は、所定領域部分即ちV字型の領域が開口72aとされている。電磁鋼板47の表面の所定位置にそのマスク部材72を配置する工程が行われた後、前記粒体供給部73により、前記マスク部材72の開口72aを通して電磁鋼板47の表面に多数個の粒体28を均一に散布する工程が実行される。これにて、マスク部材72の開口72aの形状に対応した電磁鋼板47の所定領域に、多数個の粒体28を配置することができ、その状態で加圧工程が実行される。これにより、電磁鋼板47の表面のV字型の領域にスクラッチ痕を形成することができる。
【0046】
このような第6の実施形態によっても、上記第5の実施形態などと同様に、加工工程の簡単化及び低コスト化を図ることができる、これと共に、マスク部材72に形成された開口72aに応じた任意の位置に微細磁区加工を施すことが可能となり、必要位置に確実にスクラッチ痕を形成することができる。
【0047】
ここで、上記第6の実施形態では、電磁鋼板47上に配置された粒体28は、固定されていないので、次の加圧工程に至るまでに型崩れを起こしてしまう心配がある。そこで、図10に示す第7の実施形態のように、微細磁区加工装置71によって電磁鋼板47の所定領域に粒体28を配置した後、粒体28の配置領域の上面を覆うように、押えカバー74を配置することができる。押えカバー74は、加圧工程までの間、電磁鋼板47の上面に配置されている。この第7の実施形態によれば、電磁鋼板47上に配置された粒体28を、型崩れさせることなく加圧工程まで送ることができる。
【0048】
尚、上記各実施形態では、粒体28を、アルミナ粒等の硬質材料からエッジを有する非球形形状に構成したが、粒体28の材質、形状、粒径などについては、セラミック粒、金属粒など、電磁鋼板の表面にスクラッチ痕を形成できるものであれば、様々な変更が可能である。また、上記各実施形態では、電磁鋼板に微細磁区加工を施した後に切断を行う構成としたが、所定形状に裁断された後の電磁鋼板に対して、微細磁区加工を行う場合にも適用することができる。
【0049】
以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
図面中、1は巻鉄心、5、47は電磁鋼板、7、48は微細軸加工処理部、12はフープ材料、13は搬送機構、14、49、61、71は微細磁区加工装置、15は切断機構、26は配置機構、27はプレス機構(加圧機構)、28は粒体、29、63、73は粒体供給部、30は粒体整列器、31はローラ機構(加圧機構)、41は積層鉄心、50、51は保持部材、62は接着剤塗布部、64は余剰粒体除去部、65は接着剤(保持用材料)、66はスクリーンマスク、67は塗布ローラ、72はマスク部材、74は押えカバーを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10