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特許7603457調理情報提供プログラム、調理情報提供装置、酵素供給装置および調理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】調理情報提供プログラム、調理情報提供装置、酵素供給装置および調理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20241213BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021006789
(22)【出願日】2021-01-20
(65)【公開番号】P2022111398
(43)【公開日】2022-08-01
【審査請求日】2023-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 愛子
(72)【発明者】
【氏名】椛島 山青
(72)【発明者】
【氏名】崔 銀珍
(72)【発明者】
【氏名】落合 祐美子
(72)【発明者】
【氏名】志村 嶺
(72)【発明者】
【氏名】平井 正人
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-338105(JP,A)
【文献】特開2011-160763(JP,A)
【文献】特開2003-130360(JP,A)
【文献】特開2016-214738(JP,A)
【文献】特開2017-127574(JP,A)
【文献】特開2016-036606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
喫食者による咀嚼または嚥下する力に関する能力情報を受け付ける受付部と、
上記受付部により受け付けられた能力情報を用いて、能力情報と酵素含浸時間を含む酵素情報とを関連付けるデータベースを参照して酵素情報を取得し、当該酵素情報を用いて、酵素を用いた調理の内容を示す酵素調理情報を生成する生成部と、
上記生成部により生成された酵素調理情報を出力する出力部と、
して動作させる、調理情報提供プログラム。
【請求項2】
上記酵素情報は、さらに、酵素識別情報と供給量情報とを含み、
上記受付部は、能力情報とともに、料理内容を示す料理情報および食品素材量情報を受け付け、
上記生成部は、上記受付部により受け付けられた能力情報、料理情報および食品素材量情報を用いて、能力情報と料理情報と調理スケジュール情報と酵素情報とを関連付けるデータベースを参照して、調理スケジュール情報および酵素情報を取得し、取得した調理スケジュール情報および酵素情報を用いて、酵素供給スケジュール情報を含む酵素調理情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の調理情報提供プログラム。
【請求項3】
上記受付部は、さらに、時間情報を受け付け、
上記生成部は、時間情報を用いて調理スケジュールを調整し、調整された調理スケジュールに応じた酵素供給スケジュール情報を含む酵素調理情報を生成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の調理情報提供プログラム。
【請求項4】
上記生成部は、さらに、調理スケジュール情報を含む酵素調理情報を生成する、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の調理情報提供プログラム。
【請求項5】
上記受付部が受け付ける能力情報およびデータベースにおける能力情報はそれぞれ、咀嚼する力を示す情報、嚥下する力を示す情報、口腔の状態を示す情報、歯の状態を示す情報、歯の痛みの程度を示す情報、歯茎の痛みの程度を示す情報、喉の痛みの程度を示す情報、および、過去に使用された喫食者ごとの能力情報、のうちの少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の調理情報提供プログラム。
【請求項6】
上記受付部が受け付ける能力情報およびデータベースにおける能力情報はそれぞれ、さらに、体調を示す情報、活動量を示す情報、または、喫食者ごとの過去の食事内容を示す情報を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の調理情報提供プログラム。
【請求項7】
上記生成部は、酵素調理情報を生成すると、能力情報と料理情報と食品素材量情報と酵素調理情報とを関連付けて記憶部に記憶させ、上記受付部が、上記記憶部に記憶された能力情報、料理情報および食品素材量情報を受け付けた場合、上記記憶部に記憶された酵素調理情報を出力する、
ことを特徴とする請求項2から請求項6のうちのいずれか1項に記載の調理情報提供プログラム。
【請求項8】
上記生成部は、酵素調理情報を示す画像信号または音声信号を生成し、
上記出力部は、上記生成部により生成された画像信号または音声信号を出力装置へ出力する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載の調理情報提供プログラム。
【請求項9】
喫食者による咀嚼または嚥下する力に関する能力情報を受け付ける受付部と、
上記受付部により受け付けられた能力情報を用いて、能力情報と酵素含浸時間を含む酵素情報とを関連付けるデータベースを参照して酵素情報を取得し、当該酵素情報を用いて、酵素を用いた調理の内容を示す酵素調理情報を生成する生成部と、
上記生成部により生成された酵素調理情報を出力する出力部と、
を備えた調理情報提供装置。
【請求項10】
喫食者による咀嚼または嚥下する力に関する能力情報を受け付ける受付部と、
上記受付部により受け付けられた能力情報を用いて、能力情報と酵素含浸時間を含む酵素情報とを関連付けるデータベースを参照して酵素情報を取得し、当該酵素情報を用いて、酵素供給スケジュール情報を含む酵素調理情報を生成する生成部と、
上記生成部により生成された酵素調理情報を出力する出力部と、
を備えた調理情報提供装置から、酵素調理情報を受け付ける酵素供給装置であって、
上記酵素供給装置から出力された酵素調理情報を受け付けると、当該酵素調理情報に含まれる酵素供給スケジュール情報に従って酵素を供給する指令信号を生成する供給制御部と、
上記供給制御部により生成された指令信号に従って酵素を供給する供給部と、
を備えた酵素供給装置。
【請求項11】
複数の上記供給部を有し、
上記供給制御部は、上記供給部ごとの酵素調理情報を受け取り、上記供給部ごとの酵素調理情報に含まれる供給スケジュール情報に従って、上記供給部ごとに酵素を供給する指令信号を生成する、
ことを特徴とする請求項10に記載の酵素供給装置。
【請求項12】
喫食者による咀嚼または嚥下する力に関する能力情報、料理内容を示す料理情報および食品素材量情報を受け付ける受付部と、
上記受付部により受け付けられた能力情報および料理情報を用いて、能力情報と料理情報と調理スケジュール情報と酵素含浸時間、酵素識別情報および供給量情報を含む酵素情報とを関連付けるデータベースを参照して調理スケジュール情報および酵素情報を取得し、当該調理スケジュール情報および酵素情報を用いて、酵素供給スケジュール情報および調理スケジュール情報を含む酵素調理情報を生成する生成部と、
上記生成部により生成された酵素調理情報を出力する出力部と、
を備えた調理情報提供装置から、酵素調理情報を受け付ける調理装置であって、
上記調理情報提供装置から出力された酵素調理情報を受け付けると、当該酵素調理情報を用いて、酵素調理情報に含まれる酵素供給スケジュール情報に従って酵素を供給する指令信号を生成する供給制御部と、
上記供給制御部により生成された指令信号に従って酵素を供給する供給部と、
上記調理情報提供装置から出力された酵素調理情報を受け付けると、当該酵素調理情報を用いて、酵素調理情報に含まれる調理スケジュール情報に従って指令信号を生成する加熱制御部と、
上記加熱制御部により生成された指令信号に従って動作する加熱部と、
を備えた調理装置。
【請求項13】
複数の上記供給部および複数の上記加熱部を有し、
各上記加熱部の領域ごとにそれぞれ異なる上記供給部が酵素を供給するものであって、
上記供給制御部は、上記供給部ごとの酵素調理情報を受け付け、上記供給部ごとの酵素調理情報に含まれる供給スケジュール情報に従って、上記供給部ごとに酵素を供給する指令信号を生成して出力し、
上記加熱制御部は、上記加熱部ごとの酵素調理情報を受け付け、上記加熱部ごとの酵素調理情報に含まれる調理スケジュール情報に従って、上記加熱部ごとの指令信号を生成して出力する、
ことを特徴とする請求項12に記載の調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、酵素を用いた調理に関する情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
酵素を利用する技術の中には、酵素を用いて食品素材を柔らかくする技術がある。
例えば、特許文献1には、凍結または凍結後解凍した食品素材と分解酵素とを、包装材中に入れて真空包装することにより分解酵素を食品素材内部に均一に含有させ、分解酵素の作用により食品素材を柔軟にした後、加熱調理された調理食品の製造方法が記載されている。特許文献1に記載の製造方法においては、食品素材に応じて酵素の量などの調理の条件が使用者により設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-011794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の喫食者がいれば、それぞれの喫食者にとっての適当な柔らかさは、喫食者ごとに異なる場合がある。
特許文献1には、喫食者に応じて適当な柔らかさに調理するための、酵素の情報を求める方法が記載されていない。そのため、特許文献1に記載の製造方法では、酵素を用いて食品素材を柔らかく調理する場合、喫食者に応じて適当な柔らかさにするための、酵素を用いた調理の情報を得ることが難しいという課題がある。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するものであり、喫食者に応じて適当な柔らかさにするための、酵素を用いた調理の情報を提供する手段を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の調理情報提供プログラムは、コンピュータを、喫食者による咀嚼または嚥下する力に関する能力情報を受け付ける受付部と、受付部により受け付けられた能力情報を用いて、能力情報と酵素含浸時間を含む酵素情報とを関連付けるデータベースを参照して酵素情報を取得し、当該酵素情報を用いて、酵素を用いた調理の内容を示す酵素調理情報を生成する生成部と、生成部により生成された酵素調理情報を出力する出力部と、して動作させるものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、前記のとおり、喫食者に応じた適当な柔らかさにするための、酵素を用いた調理の情報を提供する手段が得られる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る調理情報提供装置およびその周辺装置の構成を示す説明図である。
図2】調理情報提供装置が受け付ける情報を示す説明図である。
図3】調理情報提供装置が参照するデータベースに含まれる情報を示す説明図である。
図4】実施の形態1に係る調理情報提供装置の処理の一例を説明するフローチャートである。
図5図5Aおよび図5Bは、調理情報提供装置の要部のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】実施の形態2に係る調理情報提供装置およびその周辺装置の構成例を示す説明図である。
図7】実施の形態2に係る調理情報提供装置による出力を用いる酵素供給装置の処理の一例を説明するフローチャートである。
図8】実施の形態2に係る調理情報提供装置およびその周辺装置の他の構成例を示す説明図である。
図9】実施の形態3に係る調理情報提供装置およびその周辺装置の構成例を示す説明図である。
図10】実施の形態3に係る調理情報提供装置による出力を用いる調理装置の処理の一例を説明するフローチャートである。
図11】実施の形態3に係る調理情報提供装置およびその周辺装置の他の構成例を示す説明図である。
【0009】
実施の形態1.
実施の形態1に係る調理情報提供装置に関し、図1から図5を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係る調理情報提供装置およびその周辺装置の構成を示す説明図である。
図1において、調理情報提供装置1は、入力装置2、データベース3、および、出力装置4にそれぞれ通信可能に接続されている。
入力装置2は、調理情報提供装置1に情報を入力するために用いられる装置であり、キーボード、マウス、タッチパネルなどといった入力インタフェース装置、または、センサなどの外部装置である。入力装置2において入力する際の形態は、テキスト入力、ボタン選択などがあるが、これに限定されない。
データベース3は、能力情報、料理情報、調理スケジュール、および、酵素情報を関連付けて記憶しているデータベースである。能力情報、料理情報、調理スケジュール、および、酵素情報についての詳細は、それぞれ後述する。
出力装置4は、調理情報提供装置1が出力する情報を、調理情報提供装置1のユーザに対して提示する装置である。出力装置4には、例えば、ディスプレイといった画像を出力できる情報表示装置、または、スピーカといった音声出力装置がある。
図1においては、調理情報提供装置1、入力装置2、データベース3、出力装置4をそれぞれ別の構成として示している。しかし、本開示は、これに限定されるものではなく、調理情報提供装置1が、入力装置2、データベース3、出力装置4のうちの一部またはすべてを含む構成としてもよい。
調理情報提供装置1および入力装置2を合わせた構成の一例としては、酵素調理情報を利用する酵素供給装置などの親装置に着脱可能な子装置であってもよい。
また、調理情報提供装置1、入力装置2および出力装置4を合わせた構成の一例としては、タブレット端末などの端末装置において、アプリケーションによって実現されるものでもよい。
【0010】
調理情報提供装置1は、受付部11と、情報生成部12と、出力部17と、を備えている。
受付部11は、調理情報提供装置1が処理を開始すると、入力装置2に入力を要求する情報を送り、入力装置2を介して、情報を受け付ける。
具体的には、受付部11は、能力情報を受け付ける。能力情報は、喫食者による咀嚼または嚥下する力に関する情報である。能力情報の詳細は後述される。
また、受付部11は、能力情報とともに、料理情報および食品素材量情報を受け付ける。料理情報は、食品素材および料理内容を示す情報である。料理情報の詳細は後述される。ただし、料理情報および食品素材量情報がそれぞれ固定である場合、受付部11においては、料理情報および食品素材量情報の受け付けを省略できる。
また、受付部11は、さらに、時間情報を受け付ける。時間情報は、例えば、調理情報提供装置1の使用者が料理の出来上がり時刻を指定したい場合に入力装置2を介して入力される情報である。時間情報が指定されない場合、時間情報の受け付けは省略されてもよい。
なお、図示しない記憶部に、過去に用いられた能力情報と料理情報と酵素調理情報とが関連付けられて記憶されている場合、受付部11は、能力情報および料理情報のうちの全部または一部を記憶部から読み出し、入力装置2を介して受け付けるようにできる。
【0011】
ここで、調理情報提供装置1における受付部11が受け付ける各情報の詳細を説明する。
図2は、調理情報提供装置1が受け付ける情報を示す説明図である。
調理情報提供装置1における受付部11により受け付けられる情報には、図2に示されるように、能力情報1101、料理情報1103、食品素材量情報1104、および、時間情報1105がある。
【0012】
能力情報1101は、喫食者における咀嚼または嚥下する力に関する情報であって、咀嚼する能力を示す情報、嚥下する能力を示す情報、口腔の状態を示す情報、体調を示す情報、喫食者における活動量を示す情報、過去の食事内容を示す情報、および、過去に受け付けた喫食者ごとの能力情報、といった情報がある。
咀嚼する力を示す情報は、例えば、喫食者が物を噛んだ際の圧力を示す値であり、計測器またはセンサを用いた測定結果から得られる情報を想定している。また、咀嚼する力を示す情報は、例えば、喫食者が所定の圧力で噛み続けられる力を示す情報であり、センサなどにより食事中における喫食者の咀嚼速度または咀嚼時間を測定し、当該測定結果および上記圧力を示す値を用いて得られる情報を想定している。
嚥下する力を示す情報は、嚥下食のレベルに基づく情報、食事中にむせたり咳き込んだりしたことを示す情報、調理物を口に入れる速度と飲み込む速度、または、喫食者ごとの食べにくい食品素材および調理形態を示す情報を想定している。
嚥下食のレベルは、例えば、周知の評価手法を使用して得られた嚥下ピラミッド(https://www.engesyoku.com/kiso/kiso06.html)を用いて定めた喫食者の嚥下食レベルを想定している。
食事中にむせたり咳き込んだりしたことを示す情報は、例えば、過去の食事中において喫食者をセンサにより測定し、測定結果を用いて、食事中にむせたり咳き込んだりした回数および程度を示す情報を得たものを想定している。
喫食者ごとの食べにくい食品素材および調理形態を示す情報は、例えば、過去の食事において喫食者が残した食品素材の種類および量から推測されるものを想定している。
口腔の状態を示す情報は、歯の状態を示す値、歯茎の状態を示す値、唾液の分泌量、または、口腔の乾燥度合いを示す値といった、口腔の状態のうち咀嚼する力または嚥下する力との関連が強い状態であると考えられる情報である。
体調を示す情報は、歯の痛みの程度を示す値、歯茎の痛みの程度を示す値、喉の痛みの程度を示す値といった、咀嚼する力または嚥下する力との関連が強いと考えられる情報である。また、体調を示す情報は、これに加え、体温、風邪症候群による症状の有無、腹痛の有無、または、食欲の有無といった情報を用いることで、咀嚼する力または嚥下する力が総合的に示される。
体調を示す情報は、例えば、能力情報1101における他の情報と組合せて用いられるものであり、通常提供される食事の柔らかさに対し、さらに調整した柔らかさにするために用いられるものを想定している。具体的には、例えば、体調を示す情報が風邪などの体調不良を示している場合であって、体調不良により食欲がない状態であっても栄養を摂取する必要がある場合、通常提供される食事の柔らかさに対し、さらに調整した柔らかさにして食べやすく調理することを想定している。また、例えば、体調を示す情報が腹痛および下痢などの症状を示している場合、通常提供される食事の柔らかさに対し、さらに調整した柔らかさにして食べやすく調理することを想定している。
喫食者における活動量を示す情報は、例えば、食事と食事の間の時間における活動量の多さおよび少なさを示す情報である。
喫食者における活動量を示す情報は、例えば、能力情報1101における他の情報と組合せて用いられるものであり、通常提供される食事の柔らかさに対し、さらに調整した柔らかさにするために用いられるものを想定している。具体的には、活動量が多いときは空腹になり食欲があると推定され、通常提供される食事の柔らかさより硬めの調理を行うことで、喫食者の咀嚼力および嚥下力を低下させないようにして、喫食者がおいしさや満足感を得やすくするために用いることを想定している。
過去の食事内容を示す情報は、喫食者が、過去の食事において、どの程度の柔らかさの食材を、どのくらいの時間をかけ、どのくらいの量を食べられたかといった情報を示している。また、過去の食事内容を示す情報は、過去の食事内容の変化の傾向、前日の食事内容、または、前回の食事内容といった情報である。
過去の食事内容を示す情報は、例えば、過去に同じ食品素材を用いた調理物を、喫食者が食べた際の柔らかさおよび食べた量に応じて、食品素材を前回より柔らかくするといった調理を行うことを想定した情報である。
また、過去の食事内容を示す情報は、例えば、前々日および前日の食事において、食事量が減っているため、食品素材を前回より柔らかくするといった調理を行うことを想定した情報である。
過去に受け付けた喫食者ごとの能力情報は、ユーザにより調理情報提供装置1が使用される度に、図示しない記憶部において、受け付けた能力情報と喫食者の識別情報とを関連付けて記憶された情報である。この情報を、受付部11が図示しない記憶部された上記情報を用いてユーザに選択可能に提示し、喫食者の識別情報が入力部を介して指定されると、受付部11は、図示しない記憶部から該当する能力情報を読み出して受け付ける。
なお、上記情報は、本開示を阻害しない範囲で、適宜用いることができる。
また、上記情報は、センサなどの外部装置で作成できるものであれば、外部装置で作成されたものであって、外部装置と調理情報提供装置1とが通信接続されることで、受け付けられる情報であってもよい。
【0013】
料理情報1103は、食品素材を識別する情報(食品素材識別情報)、および、料理内容情報を含む情報である。食品素材量情報1104は、食品素材の分量を示す。
食品素材識別情報は、肉、魚、葉物野菜、根菜、きのこ、といった食品素材を識別する情報である。
料理に複数の食品素材が含まれる場合、受付部11においては複数の食品素材識別情報が受け付けられる。
また、食品素材識別情報は、料理名といった料理内容を識別する情報(料理識別情報)であってもよい。
また、料理情報1103における食品素材識別情報が料理名である場合、食品素材量情報1104は、料理に使用される食品素材ごとの分量、または、料理に使用される食品素材の総量を示す。
料理に使用される食品素材が複数あり、かつ、食品素材量情報1104が複数の食品素材の総量である場合、受付部11においては、さらに、料理に使用される食品素材の比率を示す情報(食品素材比率情報)が受け付けられる。この場合、食品素材量情報1104は、例えば受付部11により、複数の食品素材の総量と食品素材比率情報とを用いて算出されて受け付けられる。または、受付部11により、例えば、料理識別情報と、料理に使用されている食品素材それぞれを識別する食品素材識別情報と、料理ごとの食品素材比率情報と、が関連付けられた図示しないデータベースを参照して、食品素材識別情報および食品素材量情報1104が得られる。
なお、上記各情報は、本開示を阻害しない範囲で、適宜組み合わせて用いることができる。
受付部11において、料理情報1103は、予め決められた献立情報を用いて献立情報から得られるようにしたものであってもよい。この場合、調理情報提供装置1においては、例えば、献立情報が「肉じゃが」である場合、受付部11が上記と同様の方法により変換して受け付けるようにすればよい。
また、料理情報1103は、流通している商品に付された2次元コードなどから得られるようにしたものであってもよい。この場合、調理情報提供装置1においては、例えば、「肉じゃが」を示す2次元コードが入力されると、受付部11が2次元コードから上記と同様の方法により変換して受け付けるようにすればよい。
また、料理情報1103は、カメラで撮影された画像から画像認識技術を用いて得られるようにしたものであってもよい。
【0014】
時間情報1105は、例えば、調理情報提供装置1の使用者が希望する、料理が出来上がる時刻、または、料理が出来上がるまでの時間を示す情報である。料理が出来上がる時刻は、例えば「18時05分」を示す情報であり、料理が出来上がるまでの時間は、例えば「1時間後」を示す情報である。
【0015】
次に、調理情報提供装置1における情報生成部12が参照するデータベース3に含まれる情報の詳細を説明する。
図3は、調理情報提供装置1が参照するデータベース3に含まれる情報を示す説明図である。
データベース3は、予め、能力情報1301、料理情報1303、調理スケジュール情報1304、酵素情報1305、を関連付けて記憶している。
能力情報1301および料理情報1303はそれぞれ、図2に説明した能力情報1101および料理情報1103と同様の情報である。
調理スケジュール情報1304は、料理情報1303に含まれる料理内容に応じた調理に関するスケジュールの情報であり、少なくとも調理時間と調理時間における時系列の加熱度合いとを示す情報である。調理スケジュール情報1304は、例えば、調理開始時刻から「0分」「弱火」「20℃」、同「1分」「弱火」「40℃」、同「2分」「弱火」「60℃」、・・・、同「5分」「強火」「100℃」、・・・、同「10分」「中火」「100℃」、・・・、同「15分」「加熱終了」「100℃」といった内容を示す情報である。
酵素情報1305は、酵素を識別する情報(酵素識別情報)、単位量あたりの食品素材に対する酵素の供給量を示す情報(酵素供給量情報)、および、単位量あたりの食品素材に対して酵素を浸透させる含浸時間を示す情報(酵素含浸時間情報)からなる情報である。酵素情報1305は、具体的には、例えば、酵素識別情報が酵素Aを示し、酵素供給量情報が100g当たり3gを示し、酵素含浸時間情報が15分を示す情報である。
なお、調理情報提供装置1において用いられる酵素が1種類である場合、酵素情報1305は、酵素識別情報を含まなくてもよい。
なお、酵素情報1305における酵素供給量情報は、供給する酵素の形態によって、適宜単位を変えてもよい。例えば、粉状の酵素を用いる場合は「グラム」とし、液状の酵素を用いる場合は「ミリリットル」とし、固体状の酵素を用いる場合は「個」とする。
【0016】
図1の説明に戻る。
情報生成部12は、受付部11により受け付けられた情報を用いて、データベース3を参照して酵素情報1305を取得し、当該酵素情報1305を用いて、酵素を用いた調理の内容を示す酵素調理情報を生成する。
具体的には、情報生成部12は、検索部13と、情報加工部15と、を備えている。
受付部11において能力情報1101、料理情報1103、食品素材量情報1104および時間情報1105を受け付けた場合、情報生成部12における検索部13は、受付部11により受け付けられた能力情報1101および料理情報1103を用いて、能力情報1301と料理情報1303と調理スケジュール情報1304と酵素情報1305とを関連付けるデータベース3を参照して、調理スケジュール情報1304および酵素情報1305を取得する。酵素が複数種類ある場合、検索部13は、酵素の種類ごとに酵素情報1305を取得する。
検索部13は、取得した調理スケジュール情報1304および酵素情報1305を情報加工部15へ出力するとともに、食品素材量情報1104および時間情報1105を情報加工部15へ出力する。
【0017】
情報生成部12における情報加工部15は、検索部13から得た調理スケジュール情報1304および酵素情報1305を用いて、酵素の供給スケジュール情報(酵素供給スケジュール情報)を算出し、酵素供給スケジュール情報を含む酵素調理情報を生成する。
酵素供給スケジュール情報は、酵素識別情報、酵素供給量情報、および、酵素供給時刻情報を含む。
情報加工部15は、時間情報1105を受け付けた場合、時間情報1105を用いて調理スケジュール情報を調整する。具体的には、情報加工部15は、時間情報1105を用いて、図示しない計時装置の計時情報を参照して、調理完了時刻を決定する。情報加工部15は、調理完了時刻と調理スケジュール情報1304とを用いて、調理スケジュール情報1304を調整する。
情報加工部15は、酵素調理情報を生成する際に、酵素供給スケジュール情報と調理スケジュール情報1304とを含む酵素調理情報を生成してもよい。
情報加工部15は、酵素調理情報を生成すると、能力情報1101と料理情報1103と調理スケジュール情報1304と酵素調理情報とを関連付けて図示しない記憶部に記憶させる。
情報加工部15は、図示しない記憶部に記憶された能力情報および料理情報を受付部11が受け付けた場合、図示しない記憶部に記憶された酵素調理情報を取得してもよい。
【0018】
なお、受付部11において料理情報1103の受け付けが省略される場合、情報生成部12における検索部13は、受付部11により受け付けられた能力情報1101を用いて、能力情報1301と酵素含浸時間を含む酵素情報1305とを関連付けるデータベース3を参照して酵素情報1305を取得する。情報生成部12における情報加工部15は、検索部13により取得された酵素情報1305を用いて、酵素を用いた調理の内容を示す酵素調理情報を生成する。
また、図示しない記憶部に、過去に用いられた能力情報1101と料理情報1103と調理スケジュール情報1304と酵素調理情報とが関連付けられて記憶されている場合、検索部13は、能力情報1101および料理情報1103が図示しない記憶部に記憶されていることを確認し、データベース3を参照せずに、図示しない記憶部から酵素調理情報を情報加工部15へ出力するようにしてもよい。この場合、情報加工部15は、取得した酵素調理情報を用いる。
また、情報加工部15は、酵素調理情報を用いて画像調理情報を示す画像信号または音声信号を生成して出力するようにしてもよい。この場合、出力装置4は、酵素調理情報を用いて酵素調理情報を示す画像信号または音声信号を生成できるものである。
【0019】
出力部17は、情報生成部12により生成された酵素調理情報を出力する。出力部17は、例えば、出力装置4に酵素調理情報を出力する。
なお、出力部17は、酵素調理情報を利用できる酵素供給装置または酵素供給装置を有する調理装置へ出力してもよい。
【0020】
実施の形態1に係る調理情報提供装置1の処理を説明する。
図4は、実施の形態1に係る調理情報提供装置1の処理の一例を説明するフローチャートである。
説明において、調理情報提供装置1は、能力情報1101、料理情報1103、食品素材量情報1104および時間情報1105を受け付けるものとする。なお、調理情報提供装置1が料理情報1103、食品素材量情報1104および時間情報1105を受け付けない場合、調理情報提供装置1は、料理情報1103、食品素材量情報1104および時間情報1105を用いずに処理する。
調理情報提供装置1は、例えば、外部から処理の開始が指示されると処理を開始する。
調理情報提供装置1の受付部11は、入力装置2に入力を要求する情報を送り、能力情報1101、料理情報1103、食品素材量情報1104および時間情報1105を受け付けたか否かを確認する(ステップST101)。
受付部11は、能力情報1101、料理情報1103、食品素材量情報1104および時間情報1105の全部または一部を受け付けていない場合(ステップST101“NO”)、全部を受け付けるまで待機または入力装置2に対して入力を要求した上で待機する。
受付部11は、能力情報1101、料理情報1103、食品素材量情報1104および時間情報1105を受け付けた場合(ステップST101“YES”)、能力情報1101、料理情報1103、食品素材量情報1104および時間情報1105を情報生成部12に出力する。
【0021】
情報生成部12は、受付部11により受け付けられた能力情報1101および料理情報1103を用いて、データベース3を参照して、調理スケジュール情報1304および酵素情報1305を取得し(ステップST102)、調理スケジュール情報1304および酵素情報1305を用いて、酵素を用いた調理の内容を示す酵素調理情報を生成する(ステップST103)。
具体的には、ステップST102において、情報生成部12における検索部13は、能力情報1101および料理情報1103を用いて、能力情報1301と料理情報1303と調理スケジュール情報1304と酵素情報1305とを関連付けるデータベース3を参照して、調理スケジュール情報1304および酵素情報1305を取得する。
ステップST103において、情報生成部12における情報加工部15は、食品素材量情報1104、調理スケジュール情報1304および酵素情報1305を用いて、食品素材および食品素材の量に応じた酵素供給スケジュール情報を算出し、酵素供給スケジュールを含む酵素調理情報を生成する。
【0022】
このとき、情報加工部15は、時間情報1105を用いて、図示しない計時装置の計時情報を参照して、調理終了予定時刻を決定し、決定した調理終了予定時刻に調理が終了するように調理スケジュール情報を調整する。これにより、情報加工部15は、調整された調理スケジュール情報を用いて酵素供給スケジュール情報を算出し、算出した酵素供給スケジュール情報を含む酵素調理情報を生成する。
例えば、情報加工部15は、時間情報1105を用いて調理終了予定時刻を決定し、調理終了予定時刻に調理が終了するように調理スケジュール情報を調整する。調整後の調理スケジュール情報には、例えば、「弱火」開始時刻「17時25分」、「強火」開始時刻「17時40分」、「中火」開始時刻「17時55分」、「調理終了時刻18時05分」といった、時刻ごとの火力(加熱レベル)および調理終了時刻を示す情報が含まれる。調整後の酵素供給スケジュール情報には、例えば、「酵素A」「〇グラム」「供給時刻17時15分」、「酵素B」「△グラム」「供給時刻17時20分」、「酵素C」「□グラム」「供給時刻17時18分」といった酵素の種類を示す酵素識別情報、酵素供給量情報および酵素供給時刻情報が含まれる。
【0023】
出力部17は、情報生成部12により生成された酵素調理情報を出力する(ステップST104)。例えば、情報生成部12により生成された酵素調理情報が画像信号または音声信号である場合、出力部17は、画像信号または音声信号を出力する。
【0024】
実施の形態1に係る調理情報提供装置1のハードウェア構成について、図5を用いて説明する。
図5における図5Aおよび図5Bは、調理情報提供装置1の要部のハードウェア構成の一例を示す図である。
調理情報提供装置1における各構成部による機能は、処理回路により実現される。すなわち、調理情報提供装置1は、当該機能を実現するための処理回路を備える。処理回路は、専用のハードウェアとしての処理回路501であってもよいし、メモリ505に格納されるプログラムを実行するプロセッサ503であってもよい。この場合、メモリ505は、調理情報提供装置1の図示しない記憶部を構成するものであってもよい。
【0025】
処理回路501は、1個以上のデジタル回路により構成されている。または、処理回路501は、1個以上のデジタル回路及び1個以上のアナログ回路により構成されている。すなわち、処理回路501は、1個以上の処理回路により構成されている。個々の処理回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)又はシステムLSI(Large Scale Integration)を用いたものである。
【0026】
プロセッサ503は、1個以上のプロセッサにより構成されている。個々のプロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)を用いたものである。
【0027】
メモリ505は、1個以上の不揮発性メモリにより構成されている。または、メモリ505は、1個以上の不揮発性メモリ及び1個以上の揮発性メモリにより構成されている。すなわち、メモリ505は、1個以上のメモリにより構成されている。個々のメモリは、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクを用いたものである。より具体的には、個々の揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を用いたものである。また、個々の不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ソリッドステートドライブ又はハードディスクドライブを用いたものである。
【0028】
ここで、処理回路501が複数個の処理回路により構成されているとき、調理情報提供装置1における複数個の機能のそれぞれと複数個の処理回路との対応関係は任意である。すなわち、複数個の処理回路の各々は、複数個の機能のうちの対応する1個以上の機能に対応する処理を実行するものであっても良い。処理回路501は、個々の機能に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
【0029】
また、プロセッサ503が複数個のプロセッサにより構成されているとき、複数個の機能と複数個のプロセッサとの対応関係は任意である。すなわち、複数個のプロセッサの各々は、複数個の機能のうちの対応する1個以上の機能に対応するプログラムを読み出して実行するものであっても良い。プロセッサ503は、個々の機能に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。
【0030】
また、メモリ505が複数個のメモリにより構成されているとき、複数個の機能と複数個のメモリとの対応関係は任意である。すなわち、複数個のメモリの各々は、複数個の機能のうちの対応する1個以上の機能に対応するプログラムを記憶するものであっても良い。メモリ505は、個々の機能に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。
【0031】
以上のとおり、本開示の調理情報提供プログラムは、コンピュータを、喫食者による咀嚼または嚥下する力に関する能力情報を受け付ける受付部と、受付部により受け付けられた能力情報を用いて、能力情報と酵素含浸時間を含む酵素情報とを関連付けるデータベースを参照して酵素情報を取得し、当該酵素情報を用いて、酵素を用いた調理の内容を示す酵素調理情報を生成する生成部と、生成部により生成された酵素調理情報を出力する出力部と、して動作させる。
これにより、コンピュータが、喫食者による咀嚼または嚥下する力に関する能力情報を受け付けると、酵素調理情報が提供されるようになる。
その結果、喫食者に応じた適当な柔らかさにするための、酵素を用いた調理の情報を提供する手段が得られる効果を奏する。
【0032】
本開示の調理情報提供プログラムにおいて、酵素情報が、さらに、酵素識別情報と供給量情報とを含み、受付部が、能力情報とともに、料理内容を示す料理情報および食品素材量情報を受け付け、生成部が、受付部により受け付けられた能力情報、料理情報および食品素材量情報を用いて、能力情報と料理情報と調理スケジュール情報と酵素情報とを関連付けるデータベースを参照して、料理情報、調理スケジュール情報および酵素情報を取得し、取得した料理情報、調理スケジュール情報および酵素情報を用いて、酵素供給スケジュール情報を含む酵素調理情報を生成する、ようにコンピュータを動作させる。
これにより、食品素材、食品素材の量および料理内容に応じたより多様な酵素調理情報が提供される効果を奏する。
【0033】
本開示の調理情報提供プログラムは、受付部が、さらに、時間情報を受け付け、 生成部が、時間情報を用いて調理スケジュールを調整し、調整された調理スケジュールに応じた酵素供給スケジュール情報を含む酵素調理情報を生成する、ようにコンピュータを動作させる。
これにより、受け付けた時間情報に応じて調理スケジュールが調整されるので、ユーザが所望する調理スケジュールに基づく酵素の供給スケジュールを提供できる効果を奏する。
【0034】
本開示の調理情報提供プログラムは、生成部が、さらに、調理スケジュールを含む酵素調理情報を生成する、ようにコンピュータを動作させる。
これにより、受け付けた時間情報に応じて調理スケジュールが調整されるので、ユーザが所望する時刻に応じた調理スケジュールを提供できる効果を奏する。
【0035】
本開示の調理情報提供プログラムにおいて、受付部が受け付ける能力情報およびデータベースにおける能力情報はそれぞれ、咀嚼する力を示す情報、嚥下する力を示す情報、口腔の状態を示す情報、歯の状態を示す情報、歯の痛みの程度を示す情報、歯茎の痛みの程度を示す情報、喉の痛みの程度を示す情報、および、過去に使用された喫食者ごとの能力情報、のうちの少なくとも一つを含む。
これにより、喫食者の咀嚼または嚥下する力に応じたより適当な柔らかさにするための、酵素を用いた調理の情報を提供する手段が得られる効果を奏する。
【0036】
本開示の調理情報提供プログラムにおいて、受付部が受け付ける能力情報およびデータベースにおける能力情報はそれぞれ、さらに、体調を示す情報、活動量を示す情報、または、喫食者ごとの過去の食事量を示す情報を含む。
これにより、さらに、喫食者の咀嚼または嚥下する力に応じたより適当な柔らかさにするための、酵素を用いた調理の情報を提供する手段が得られる効果を奏する。
【0037】
本開示の調理情報提供プログラムにおいて、生成部が、酵素調理情報を生成するとともに、能力情報と、料理情報と、酵素調理情報とを関連付けて記憶部に記憶させ、受付部が記憶部に記憶された能力情報および料理情報を受け付けると、記憶部に記憶された酵素調理情報を用いる、ようにコンピュータを動作させる。
これにより、過去に作成した酵素調理情報を利用することができ、新たに酵素調理情報を作成しなくてもよい場合があるので、コンピュータの処理負荷が低減する効果を奏する。
【0038】
本開示の調理情報提供プログラムは、生成部が、酵素調理情報を示す画像信号または音声信号を生成し、出力部が、生成部により生成された画像信号または音声信号を出力装置へ出力する、ようにコンピュータを動作させる。
これにより、ユーザに対して酵素調理情報を提供しやすくなる効果を奏する。
【0039】
本開示の調理情報提供装置は、喫食者による咀嚼または嚥下する力に関する能力情報を受け付ける受付部と、受付部により受け付けられた能力情報を用いて、能力情報と酵素含浸時間を含む酵素情報とを関連付けるデータベースを参照して酵素情報を取得し、当該酵素情報を用いて、酵素を用いた調理の内容を示す酵素調理情報を生成する生成部と、生成部により生成された酵素調理情報を出力する出力部と、を備えた。
これにより、喫食者に応じた適当な柔らかさにするための、酵素を用いた調理の情報を提供する手段が得られる効果を奏する。
【0040】
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1における酵素調理情報を用いて動作する酵素供給装置を示す。
実施の形態2に係る調理情報提供装置および酵素供給装置を、図6および図7を用いて説明する。
図6は、実施の形態2に係る調理情報提供装置およびその周辺装置の構成例を示す説明図である。
図6において、調理情報提供装置1は、入力装置2、データベース3、および、酵素供給装置5にそれぞれ通信可能に接続されている。
調理情報提供装置1は、実施の形態1に係る調理情報提供装置1と同様の構成であるため、実施の形態2での詳細な説明が省略される。
入力装置2は、実施の形態1に係る入力装置2と同様の構成であるため、実施の形態2での詳細な説明が省略される。
データベース3は、実施の形態1に係るデータベース3と同様の構成であるため、実施の形態2での詳細な説明が省略される。
酵素供給装置5は、図示しない容器から酵素を供給する装置である。
図6においては、調理情報提供装置1、入力装置2、データベース3、酵素供給装置5をそれぞれ別の構成として示している。しかし、本開示は、これに限定されるものではなく、調理情報提供装置1、入力装置2、データベース3、酵素供給装置5のうちの一部またはすべてを組み合わせた構成にしてもよい。
例えば、酵素供給装置5は、調理情報提供装置1を含むようにしてもよい。また、酵素供給装置5を親装置にし、調理情報提供装置1を酵素供給装置5に着脱可能な子装置にしてもよい。
【0041】
酵素供給装置5は、図示しない酵素用の容器と、供給制御部51と、供給部53と、を備えている。
供給制御部51は、調理情報提供装置1から出力された酵素調理情報を受けると、当該酵素調理情報に含まれる酵素供給スケジュール情報に従って酵素を供給する指令信号(酵素供給指令信号)を生成する。
具体的には、供給制御部51は、酵素調理情報に含まれる酵素供給スケジュール情報を用いて、図示しない計時装置における計時情報を参照して、酵素供給スケジュール情報に従った時刻で指令信号を生成し、指令信号を供給部53へ出力する。
供給部53は、供給制御部51により生成された指令信号に従って酵素を供給する。
具体的には、供給部53は、供給制御部51から指令信号を受けると、図示しない容器から、指令信号に従った量の酵素を計量して容器の外へ出すことで、酵素を供給する。
【0042】
図示しない酵素用の容器は、酵素の種類ごとに複数個を備えたものでもよい。この場合、酵素供給装置5には、容器ごとに酵素識別情報が設定され、酵素供給装置5における図示しない記憶部に記憶される。
供給制御部51は、酵素供給スケジュール情報に含まれる酵素識別情報、酵素供給量情報および酵素供給時刻情報に基づいて、容器ごとの指令信号を生成し、生成した指令信号を供給部へ出力する。
供給部は、指令信号に従って、各容器から、指令信号に従った量の酵素を計量して各容器の外へ出すことで、酵素を供給する。
【0043】
なお、供給部53は、図示しない供給用の容器に酵素を供給するようにしてもよい。
図示しない供給用の容器は、取り外し可能な容器であってもよく、調理装置に設けられた調理用の容器であってもよい。
【0044】
図7は、実施の形態2に係る調理情報提供装置1による出力を用いる酵素供給装置5の処理の一例を説明するフローチャートである。
【0045】
酵素供給装置5は、例えば、酵素調理情報を受け付けると処理を開始する。
酵素供給装置5における供給制御部51は、酵素調理情報に含まれる酵素供給スケジュール情報を用いて酵素供給スケジュールを決定する。(ステップST201)
【0046】
供給制御部51は、酵素供給スケジュールを決定すると、図示しない計時装置における計時情報を参照し、酵素供給スケジュールに従った時刻に、酵素の供給量を示す情報を含む指令信号を生成する。(ステップST202)
供給制御部51は、生成した指令信号を供給部53へ出力する。
【0047】
供給部53は、供給制御部51から指令信号を受けると、図示しない容器から、指令信号に含まれる酵素の供給量を示す情報に従った量の酵素を計量して容器の外へ出すことで、酵素を供給する。(ステップST203)
【0048】
供給制御部51は、決定した酵素供給スケジュールが完了したかを確認する。(ステップST204)
供給制御部51は、決定した酵素供給スケジュールが完了していない場合(ステップST204“NO”)、ステップST202からの処理に戻る。
供給制御部51は、決定した酵素供給スケジュールが完了した場合(ステップST204“YES”)、処理を終了する。
【0049】
実施の形態2の酵素供給装置の他の例を説明する。
図8は、実施の形態2に係る調理情報提供装置1およびその周辺装置の他の構成例を示す説明図である。
図8は、図6の酵素供給装置5に替えて、酵素供給装置5´にしたものである。
酵素供給装置5´は、図示しない酵素用の容器と、供給制御部51´と、複数の供給部53-1,53-2,53-2,・・・,53-n(n=2以上の整数)と、を備えている。
供給制御部51´は、複数の供給部53-1,53-2,53-2,・・・,53-nに対し、供給部53-1,53-2,53-2,・・・,53-nごとの酵素調理情報を受け取り、供給部53-1,53-2,53-2,・・・,53-nごとの酵素調理情報に含まれる供給スケジュール情報に従って、供給部53-1,53-2,53-2,・・・,53-nごとに酵素を供給する指令信号を生成する。
これにより、酵素を用いた異なる方法の調理を同時に実現することができる。
【0050】
以上のとおり、本開示の酵素供給装置は、実施の形態1に係る調理情報提供装置から、酵素調理情報を受け付ける酵素供給装置であって、酵素供給装置から出力された酵素調理情報を受け付けると、当該酵素調理情報に含まれる酵素供給スケジュール情報に従って酵素を供給する指令信号を生成する供給制御部と、供給制御部により生成された指令信号に従って酵素を供給する供給部と、を備えた。
これにより、喫食者に応じた適当な柔らかさにするための、酵素を用いた調理の情報を用いて、酵素を用いた調理が容易になるという効果を奏する。
【0051】
本開示の酵素供給装置は、複数の供給部を有し、供給制御部は、供給部ごとの酵素調理情報を受け取り、供給部ごとの酵素調理情報に含まれる供給スケジュール情報に従って、供給部ごとに酵素を供給する指令信号を生成する、ものである。
これにより、酵素を用いた異なる方法の調理を同時に実現することができるという効果を奏する。
【0052】
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1における酵素調理情報を用いて動作する調理装置を示す。
実施の形態3に係る調理情報提供装置、酵素調理装置および調理装置を、図9および図10を用いて説明する。
図9は、実施の形態3に係る調理情報提供装置およびその周辺装置の構成例を示す説明図である。
【0053】
図9において、調理情報提供装置1は、入力装置2、データベース3、酵素供給装置5、調理装置6にそれぞれ通信可能に接続されている。
調理情報提供装置1は、実施の形態1に係る調理情報提供装置1と同様の構成であるため、実施の形態3での詳細な説明が省略される。
入力装置2は、実施の形態1に係る入力装置2と同様の構成であるため、実施の形態3での詳細な説明が省略される。
データベース3は、実施の形態1に係るデータベース3と同様の構成であるため、実施の形態3での詳細な説明が省略される。
酵素供給装置5は、実施の形態2に係る酵素供給装置5と同様の構成であるため、実施の形態3での詳細な説明が省略される。
調理装置6は、酵素供給装置5における供給部53が酵素を供給する領域を加熱することで当該領域において調理を行う装置である。
図9においては、調理情報提供装置1、入力装置2、データベース3、酵素供給装置5および調理装置6をそれぞれ別の構成として示している。しかし、本開示は、これに限定されるものではなく、調理情報提供装置1、入力装置2、データベース3、酵素供給装置5および調理装置6のうちの一部またはすべてを組み合わせた構成にしてもよい。
例えば、調理装置6は、調理情報提供装置1および酵素供給装置5のいずれかまたは両方を含むようにしてもよい。また、調理装置6を親装置にし、調理情報提供装置1を調理装置6に着脱可能な子装置にしてもよい。
【0054】
調理装置6は、加熱制御部61と、加熱部63と、を備えている。
加熱制御部61は、調理情報提供装置1から出力された酵素調理情報を受け付けると、当該酵素調理情報を用いて、酵素調理情報に含まれる調理スケジュール情報に従って指令信号を生成する。
具体的には、加熱制御部61は、酵素調理情報に含まれる調理スケジュール情報を用いて、図示しない計時装置における計時情報を参照して、調理スケジュール情報に含まれる時刻ごとの火力(加熱レベル)および調理終了時刻を示す情報従った時刻で指令信号を生成し、指令信号を加熱部63へ出力する。
加熱部63は、加熱制御部61により生成された指令信号に従って動作する。
具体的には、加熱部63は、供給制御部51から指令信号を受けると、指令信号に従った加熱レベルで加熱を行う。
なお、加熱部63は、調理用の図示しない容器を介して、容器内に入れられた食品素材を加熱するものを想定している。容器は、一つであっても、複数であってもよい。また、一つの容器の場合、容器は、容器内を複数に区分する仕切りを有するものであってもよい。
【0055】
図10は、実施の形態3に係る調理情報提供装置1による出力を用いる調理装置6の処理の一例を説明するフローチャートである。
調理装置6は、例えば、酵素調理情報を受け付けると処理を開始する。
調理装置6における加熱制御部61は、酵素調理情報に含まれる調理スケジュール情報を用いて調理スケジュールを決定する。(ステップST301)
【0056】
加熱制御部61は、調理スケジュールを決定すると、図示しない計時装置における計時情報を参照し、調理スケジュールに従って加熱レベルを示す指令信号を生成する。(ステップST302)
加熱制御部61は、生成した指令信号を加熱部63へ出力する。
【0057】
加熱部63は、加熱制御部61から指令信号を受けると、指令信号に含まれる加熱レベルに従った加熱を行う。(ステップST303)
【0058】
加熱制御部61は、決定した調理スケジュールが完了したかを確認する。(ステップST304)
加熱制御部61は、決定した調理スケジュールが完了していない場合(ステップST304“NO”)、ステップST302からの処理に戻る。
加熱制御部61は、決定した調理スケジュールが完了した場合(ステップST304“YES”)、処理を終了する。
なお、調理スケジュールに沿って加熱される際に、食品素材は酵素が失活する温度に達することになる。
【0059】
図11は、実施の形態3に係る調理情報提供装置1およびその周辺装置の他の構成例を示す説明図である。
図11は、図9の調理装置に替えて、調理装置6´にしたものである。
調理装置6´は、加熱制御部61´と、複数の加熱部63-1,63-2,63-3,・・・,63-n(n=2以上の整数)と、を備えている。
加熱制御部61´は、複数の加熱部63-1,63-2,63-3,・・・,63-nに対し、加熱部63-1,63-2,63-3,・・・,63-nごとの酵素調理情報を受け取り、加熱部63-1,63-2,63-3,・・・,63-nごとの酵素調理情報に含まれる調理スケジュール情報に従って、加熱部63-1,63-2,63-3,・・・,63-nごとに加熱を制御する指令信号を生成する。
なお、加熱部63-1,63-2,63-3,・・・,63-nは、調理用の図示しない容器を介して、容器内に入れられた食品素材を加熱するものを想定している。容器は、一つであっても、複数であってもよい。また、一つの容器の場合、容器は、容器内を複数に区分する仕切りを有するものであってもよい。この場合、容器における区分された各領域と加熱部63-1,63-2,63-3,・・・,63-nとが、1対1、または、複数対1で対応するものを想定している。
これにより、酵素を用いた異なる方法の調理を同時に実現することができる。
【0060】
以上のとおり、本開示の調理装置は、実施の形態1に係る調理情報提供装置から、酵素調理情報を受け付ける調理装置であって、酵素供給装置から出力された酵素調理情報を受け付けると、当該酵素調理情報を用いて、酵素調理情報に含まれる酵素供給スケジュール情報に従って酵素を供給する指令信号を生成する供給制御部と、供給制御部により生成された指令信号に従って酵素を供給する供給部と、酵素供給装置から出力された酵素調理情報を受け付けると、当該酵素調理情報を用いて、酵素調理情報に含まれる調理スケジュール情報に従って指令信号を生成する加熱制御部と、加熱制御部により生成された指令信号に従って動作する加熱部と、を備えたものである。
これにより、喫食者に応じた適当な柔らかさにするための、酵素を用いた調理の情報を用いて、酵素を用いた調理が容易になるという効果を奏する。
【0061】
本開示の調理装置は、複数の供給部および複数の加熱部を有し、各加熱部の領域ごとにそれぞれ異なる供給部が酵素を供給するものであって、供給制御部は、供給部ごとの酵素調理情報を受け付け、供給部ごとの酵素調理情報に含まれる供給スケジュール情報に従って、供給部ごとに酵素を供給する指令信号を生成して出力し、加熱制御部は、加熱部ごとの酵素調理情報を受け付け、加熱部ごとの酵素調理情報に含まれる調理スケジュール情報に従って、加熱部ごとの指令信号を生成して出力する、ものである。
これにより、酵素を用いた異なる方法の調理を同時に実現することができるという効果を奏する。
【0062】
本開示は、その開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、或いは、各実施の形態における任意の構成要素の変形、若しくは、各実施の形態における任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 調理情報提供装置、2 入力装置、3 データベース、4 出力装置、5,5´ 酵素供給装置、6,6´ 調理装置、11 受付部、12 情報生成部、13 検索部、15 情報加工部、17 出力部、51,51´ 供給制御部、53,53-1,53-2,53-3,・・・,53-n 供給部、61、61´ 加熱制御部、63,63-1,63-2,63-3,・・・,63-n 加熱部、501 処理回路、503 プロセッサ、505 メモリ、1101,1301 能力情報、1103,1303 料理情報、1104 食品素材量情報、1105 時間情報、1304 調理スケジュール情報、1305 酵素情報。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11