(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び画像変換方法
(51)【国際特許分類】
G06T 11/40 20060101AFI20241213BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20241213BHJP
【FI】
G06T11/40
A63F13/52
(21)【出願番号】P 2021009984
(22)【出願日】2021-01-26
【審査請求日】2023-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼梨 那之
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-144739(JP,A)
【文献】特開平11-134491(JP,A)
【文献】特開平10-200812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/00
G06T 5/00
A63F 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元の仮想空間内で撮影された原画像を、二次元の処理画像に変換して出力する情報処理装置であって、
前記原画像の領域から線画領域を検出する線画領域検出部と、
前記処理画像の絵柄又は画風に関する設定情報と前記線画領域に基づいた線により前記
原画像に対応するキャンバス画像に線画を描画する線画描画部と、
前記設定情報と前記線画領域以外の領域の色とに基づいて、前記
キャンバス画像に描画した線画に色を塗る塗色描画部と、
複数のパートを含むゲームにおいて前記原画像が撮影されたタイミングが前記複数のパートのうちのどのパートの実行中であったかにより前記原画像のシーンの種別を判定するか、又は前記原画像が撮影されたタイミングにおけるゲームの進行状況に基づいて前記原画像のシーンの種別を判定し、前記シーンの種別に対応するエフェクトを前記キャンバス画像に付加するエフェクト付加部と、
前記線画描画部により線画が描画され、前記塗色描画部より塗色され、かつ前記エフェクト付加部によりエフェクトが付加された前記キャンバス画像を前記処理画像
として出力する処理画像出力部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記線画描画部は、前記設定情報に含まれる線の太さ、線種、及び線色の少なくとも一つの情報に基づいた線により、前記
キャンバス画像に線画を描画すること
を特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記塗色描画部は、前記設定情報に含まれる、使用する色の範囲の情報、トーンの使用有無の情報、及びライティング手法の情報の少なくとも一つに基づき、前記線画に色を塗る処理を行うこと
を特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定情報の入力をユーザから受け付ける設定情報受付部、
を更に有する請求項1乃至
3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理画像出力部は、前記原画像及び前記処理画像の何れを出力するかを選択可能な画面を表示する制御を行い、当該画面を介して前記処理画像を選択する操作を受け付けた場合に、前記キャンバス画像を前記処理画像として出力する処理を行うこと
を特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
三次元の仮想空間内で撮影された原画像を、二次元の処理画像に変換して出力する情報処理装置を、
前記原画像の領域から線画領域を検出する線画領域検出部、
前記処理画像の絵柄又は画風に関する設定情報と前記線画領域に基づいた線により前記
原画像に対応するキャンバス画像に線画を描画する線画描画部、
前記設定情報と前記線画領域以外の領域の色とに基づいて、前記
キャンバス画像に描画した線画に色を塗る塗色描画部、
複数のパートを含むゲームにおいて前記原画像が撮影されたタイミングが前記複数のパートのうちのどのパートの実行中であったかにより前記原画像のシーンの種別を判定するか、又は前記原画像が撮影されたタイミングにおけるゲームの進行状況に基づいて前記原画像のシーンの種別を判定し、前記シーンの種別に対応するエフェクトを前記キャンバス画像に付加するエフェクト付加部、
前記線画描画部により線画が描画され、前記塗色描画部より塗色され、かつ前記エフェクト付加部によりエフェクトが付加された前記キャンバス画像を前記処理画像
として出力する処理画像出力部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
三次元の仮想空間内で撮影された原画像を、二次元の処理画像に変換して出力する情報処理装置の画像変換方法であって、
前記原画像の領域から線画領域を検出する線画領域検出ステップと、
前記処理画像の絵柄又は画風に関する設定情報と前記線画領域に基づいた線により前記
原画像に対応するキャンバス画像に線画を描画する線画描画ステップと、
前記設定情報と前記線画領域以外の領域の色とに基づいて、前記
キャンバス画像に描画した線画に色を塗る塗色描画ステップと、
複数のパートを含むゲームにおいて前記原画像が撮影されたタイミングが前記複数のパートのうちのどのパートの実行中であったかにより前記原画像のシーンの種別を判定するか、又は前記原画像が撮影されたタイミングにおけるゲームの進行状況に基づいて前記原画像のシーンの種別を判定し、前記シーンの種別に対応するエフェクトを前記キャンバス画像に付加するエフェクト付加ステップと、
前記線画描画ステップにより線画が描画され、前記塗色描画ステップより塗色され、かつ前記エフェクト付加ステップによりエフェクトが付加された前記キャンバス画像を前記処理画像
として処理画像出力ステップと、
を有する画像変換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム、及び画像変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばスマートフォン又は携帯ゲーム機等の情報処理装置が実行するゲームにおいて、三次元仮想空間内の仮想カメラを視点とし、当該仮想空間内のオブジェクトを二次元平面に描画した画像をゲーム画面として表示する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、従来、ビデオゲームの画像をスクリーンショットとして保存して利用するためのシステムが種々提案されている。このようなシステムには、例えば、保存したスクリーンショットをサーバに送信して利用する構成としたものが知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-168540号公報
【文献】特開2019-166330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えばCG(Computer Graphics)等で表現された三次元の仮想空間内で撮影された画像は、影等により現実感が表現された絵柄や画風であることが多い。しかし、ユーザが撮影して利用したい画像は、影等により現実感が表現された絵柄や画風の画像とは限らない。
【0006】
本開示は、三次元の仮想空間内で撮影した原画像を所望の絵柄又は画風の処理画像に変換することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、三次元の仮想空間内で撮影された原画像を、二次元の処理画像に変換して出力する情報処理装置であって、前記原画像の領域から線画領域を検出する線画領域検出部と、前記処理画像の絵柄又は画風に関する設定情報と前記線画領域に基づいた線により前記処理画像に線画を描画する線画描画部と、前記設定情報と前記線画領域以外の領域の色とに基づいて、前記処理画像に描画した線画に色を塗る塗色描画部と、前記処理画像を出力する処理画像出力部と、を有する情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、三次元の仮想空間内で撮影した原画像を所望の絵柄又は画風の処理画像に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理装置の処理の一例のフローチャートである。
【
図5】3DCGシーンを任意の方向から撮影した原画像の一例のイメージ図である。
【
図6】線画が描画されたキャンバス画像の一例のイメージ図である。
【
図7】線画及び色が描画されたキャンバス画像の一例のイメージ図である。
【
図8】絵柄又は画風のパラメータの一例の構成図である。
【
図9】ステップS20の線画描画処理の一例のフローチャートである。
【
図10】ステップS22の塗色描画処理の一例のフローチャートである。
【
図11】エフェクト付加処理の一例のフローチャートである。
【
図12】ユーザからの撮影操作を受け付けるゲーム画面の一例のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。以下ではユーザが三次元の仮想空間内で撮影する画像の一例として、CGで表現された三次元のゲーム画像の例を説明するが、ゲーム画像に限定するものではない。例えばCGで表現された三次元(3D)のゲーム画像は、二次元(2D)のイラスト画像を生成する元となる3DCGシーンの一例である。
【0011】
[システム構成]
まず、一実施形態に係るゲームシステムについて、
図1を参照して説明する。一実施形態に係るゲームシステムは、
図1(A)に示す情報処理装置10、又は
図1(B)に示す情報処理システムにより構成される。
図1(A)の情報処理装置10は、ユーザがゲームをプレイする電子機器であって、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯電話機、携帯ゲーム機、タブレット端末、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置等である。
図1(A)の情報処理装置10は、ユーザからの操作をタッチパネル、コントローラ、マウス、キーボード等で受け付け、ユーザにゲームをプレイさせる。
【0012】
図1(B)の情報処理システムは情報処理装置10とサーバ装置14とがネットワーク18を介して通信可能に接続された構成である。
図1(B)の情報処理装置10はユーザがゲームをプレイする電子機器であって、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯電話機、携帯ゲーム機、タブレット端末、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置等である。また、
図1(B)の情報処理装置10はユーザからの操作をタッチパネル、コントローラ、マウス、キーボード等で受け付け、ユーザにゲームをプレイさせる。
【0013】
サーバ装置14は情報処理装置10との間でデータを送受信することで、ゲームに必要な機能を情報処理装置10に提供する。サーバ装置14はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、
図1(B)に示したサーバ装置14の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。例えばサーバ装置14は情報処理装置10へのゲームプログラム(アプリケーション)などのダウンロード処理やユーザのログイン処理、ゲーム制御に関する処理、各種テーブルの管理などに利用される。
【0014】
サーバ装置14は、情報処理装置10から画像の登録を受け付けるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などのサーバであってもよい。情報処理装置10を操作するユーザは、後述のように生成される2Dイラスト画像を、例えばSNSのサーバ装置14に登録する画像として利用できる。なお、
図1のシステム構成は一例である。
【0015】
[ハードウェア構成]
図2は本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2の情報処理装置10は、例えばCPU(Central Processing Unit)100、記憶装置102、通信装置104、入力装置106、及び出力装置108を有する。CPU100はプログラムに従って情報処理装置10を制御する。記憶装置102は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。記憶装置102はCPU100で実行するプログラム及びデータを記憶する。
【0016】
通信装置104は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置106は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。また、出力装置108はディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルは入力装置106の一例であるタッチパッドと出力装置108の一例であるディスプレイとを組み合わせることで実現される。
図2のハードウェア構成は一例である。
【0017】
[機能ブロック]
図3は本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
図3の情報処理装置10は、制御部200、操作受付部202、出力制御部204、通信部206、及び記憶部210を有する。
【0018】
記憶部210はプログラム212、パラメータデータ214、及び処理画像データ216を記憶している。記憶部210は記憶装置102で実現してもよいし、ネットワーク18等を介して接続された記憶装置により実現してもよい。
【0019】
パラメータデータ214は、後述の処理画像の一例として出力される2Dイラスト画像の絵柄又は画風に関する設定情報(2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータ)などの各種データを含む。なお、絵柄又は画風に関する設定情報とは、後述の処理画像の絵柄又は画風を指定するためのパラメータなどの情報である。ユーザは絵柄又は画風に関する設定情報を指定することで、後述の処理画像の絵柄又は画風を選択できる。
【0020】
なお、絵柄又は画風とは、処理画像がユーザに与える印象や雰囲気などの傾向や特徴である。また、絵柄又は画風のパラメータとは、例えば線画があるイラストの場合、線の多さ、線の太さ、線種、線色、線の強弱の有無、面への塗色に使用する色数、トーンの使用有無、ライティング手法など、である。また、処理画像データ216は後述の処理画像の一例として出力される2Dイラスト画像などを、出力装置108などに表示させるための画像データである。
【0021】
制御部200は情報処理装置10の全体の制御を行う。情報処理装置10の全体の制御には、例えばパラメータデータ214に基づいて、後述のように3DCGシーンから2Dイラスト画像を生成する制御が含まれる。
【0022】
制御部200は、CPU100がプログラム212に記載された処理を実行することにより実現される。制御部200は、ゲーム制御部220を有する構成である。ゲーム制御部220は、ゲーム画像生成部222、撮影処理部224、線画領域検出部226、線画描画部228、塗色描画部230、処理画像出力部232、エフェクト付加部234、及び設定情報受付部236を有する構成である。
【0023】
ゲーム画像生成部222はゲームの進行に従い、ゲーム画像を生成する。撮影処理部224はユーザから受け付けた撮影指示に従い、出力装置108に表示されている3DCGシーンを任意の方向から撮影し、ゲーム画像(3Dの原画像)を取得する。
【0024】
線画領域検出部226は、3Dの原画像から線画領域を検出する。線画領域検出部226は、例えばラプラシアンフィルタ(Laplacian Filter)など、画像から輪郭を検出する画像処理のフィルタリング技術を利用して、3Dの原画像から線画領域を検出する。ラプラシアンフィルタは、二次微分を利用して画像から輪郭を検出する空間フィルタの一例である。なお、線画領域検出部226は、深層学習等で作成した線画領域検出器を利用して3D画像の原画から線画領域を検出してもよい。線画領域は、3Dの原画像上の輪郭部分の領域である。
【0025】
線画描画部228は、例えば3Dの原画像と同じサイズの何も描かれていないキャンバス画像を生成する。線画描画部228は、キャンバス画像に対して3Dの原画像上の線画領域と一致する領域に線を引くことで、キャンバス画像に線画を描画する。なお、線画描画部228によってキャンバス画像に引かれる線は、パラメータデータ214に含まれる2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータに応じた線となる。
【0026】
このように、線画描画部228によってキャンバス画像に引かれる線は、線の太さ、線種、又は線色などが、2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータによって異なる。したがって、ユーザは2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータの設定により、出力する2Dイラスト画像の絵柄又は画風を指定(選択)できる。
【0027】
キャンバス画像には、キャンバス画像を上、3Dの原画像を下に重ねて、3Dの原画像上の線画領域をペンでなぞったような線が引かれる。例えば線画描画部228は検出した線画領域に特徴点を置き、その特徴点をベジエ曲線などで繋いで描画する。ベジエ曲線とはN個の特徴点から得られるN-1次曲線である。また、線画描画部228は深層学習等で作成した線画描画器を利用して、3Dの原画像上の線画領域と一致するキャンバス画像の領域に、線を引いてもよい。
【0028】
塗色描画部230は、キャンバス画像に描画した線画に対して、3Dの原画像上の線画領域以外の領域と一致する領域に色を塗る。なお、塗色描画部230によってキャンバス画像に塗られる色は、パラメータデータ214に含まれる2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータに応じた色となる。
【0029】
このように、塗色描画部230によってキャンバス画像に塗られる色は、面への塗色に使用する色数、トーンの使用有無、ライティング手法などが、2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータによって異なる。したがって、ユーザは2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータの設定により、出力する2Dイラスト画像の絵柄又は画風を指定することができる。
【0030】
例えば塗色描画部230は2Dイラスト画像がグレースケール画像であれば、3Dの原画像から色を参照し、その色の値をグレースケール化して塗色する。また、塗色描画部230はグレースケール値をハーフトーンに変換し、そのハーフトーンパターンフィルタを使用して(そのハーフトーンのトーンを貼り付ける画像処理により)塗色する。
【0031】
また、塗色描画部230は深層学習等で作成した塗色描画器を利用して、キャンバス画像に描画した線画に対して、3Dの原画像上の線画領域以外の領域と一致する領域に色を塗ってもよい。
【0032】
処理画像出力部232は、線画描画部228により線画が描画され、塗色描画部230により塗色されたキャンバス画像を、処理画像の一例である2Dイラスト画像として出力する。エフェクト付加部234は3Dの原画像の情報(シーン種別情報など)から原画像のシーン(例えば戦闘シーン、移動シーンなど)に基づいて、2Dイラスト画像に、集中線などの効果線を付加するエフェクト付加処理を行う。
【0033】
なお、効果線とは漫画等の画面に表現効果などを付与する描線である。また、集中線とは漫画等の画面のある一点を中心として線などを複数本引き、線の集中する位置にユーザの視線を引きつけ、注目させる表現方法である。設定情報受付部236は、ユーザから2Dイラスト画像の絵柄又は画風に関する設定情報(2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータ)の設定を受け付ける。
【0034】
操作受付部202は入力装置106に対するユーザの各種操作を受け付ける。出力制御部204は制御部200の制御に従って各種画面を出力装置108に表示する。操作受付部202はCPU100がプログラム212に従って入力装置106を制御することにより実現される。また、出力制御部204は、CPU100がプログラム212に従って出力装置108を制御することにより実現される。入力装置106に対するユーザの各種操作とは、CPU100に処理を実行させるため、ユーザが操作受付部202を操る操作をいう。出力制御部204は、制御部200の制御に従い、各種画面の表示と音の出力とを行う。
【0035】
通信部206は、ネットワーク18等を介して通信する。通信部206はCPU100がプログラム212を実行し、プログラム212に従って通信装置104を制御することにより実現される。
【0036】
[処理]
以下では、情報処理装置10において、ユーザがゲームを行い、ユーザが所望のタイミングでゲーム画像を撮影し、撮影したゲーム画像の2Dイラスト画像を出力する例を説明する。
【0037】
図4は本実施形態に係る情報処理装置の処理の一例のフローチャートである。ステップS10において、情報処理装置10はゲームの開始操作をユーザから受け付ける。情報処理装置10は開始操作を受け付けたゲームの処理を開始する。
【0038】
ステップS12において、情報処理装置10はゲームの進行に従い、ゲーム画像を生成して、ゲームの進行に従ったゲーム画面の表示制御を行う。情報処理装置10はユーザによる撮影操作を受け付ける撮影ボタンなどをゲーム画面に表示し、ユーザからの撮影指示を受け付け可能とする。
【0039】
ステップS14においてユーザによる撮影操作を受け付けたと判定すると、情報処理装置10はステップS16~S24の処理を行う。なお、ステップS14においてユーザによる撮影操作を受け付けていないと判定すると、情報処理装置10はステップS16~S24の処理をスキップする。
【0040】
ステップS16において、情報処理装置10の撮影処理部224はユーザからの撮影操作に基づく撮影指示に従い、出力装置108に表示されている3DCGシーンを任意の方向から撮影し、例えば
図5に示すような3Dの原画像1000を撮影する。
図5は、3DCGシーンを任意の方向から撮影した原画像の一例のイメージ図である。
図5の原画像1000は人物が写った画像を一例として示しているが、人物以外が写った画像であってもよい。
【0041】
ステップS18において、情報処理装置10の線画領域検出部226はステップS16で撮影した原画像1000から線画領域を検出する線画領域検出処理を行う。線画領域検出処理は、例えばラプラシアンフィルタなどの画像から輪郭を検出する画像処理のフィルタリング技術を利用して、原画像1000の輪郭を原画像1000の線画領域として検出する。
【0042】
ステップS20において、情報処理装置10の線画描画部228はステップS16で撮影した原画像1000と同じサイズ(領域)の何も描かれていないキャンバス画像を生成する。線画描画部228はキャンバス画像に対して原画像1000上の線画領域と一致する領域に線を引くことで、例えば
図6に示すようにキャンバス画像1100に線画を描画する。
【0043】
図6は線画が描画されたキャンバス画像の一例のイメージ図である。なお、キャンバス画像1100に引かれる線は、パラメータデータ214に含まれる2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータに応じた線となる。したがって、例えば2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータの「線の太さ」が「太く」設定されていれば、キャンバス画像1100に引かれる線は太くなる。2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータの「線の太さ」が「細く」設定されていれば、キャンバス画像1100に引かれる線は細くなる。
【0044】
ステップS22において、情報処理装置10の塗色描画部230は、ステップS20でキャンバス画像1100に描画した線画に対して、原画像1000上の線画領域以外の領域と一致する領域に色を塗ることで、例えば
図7に示すようにキャンバス画像1100に色を塗る。
図7は線画及び色が描画されたキャンバス画像の一例のイメージ図である。なお、キャンバス画像1100に塗られる色は、パラメータデータ214に含まれる2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータに応じた色となる。
【0045】
したがって、例えば2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータの「トーンの使用有無」を「有」に設定しておけば、例えばハーフトーンを使用してキャンバス画像1100に色を塗ることができる。また、2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータの「使用する色の範囲」を多く設定しておけば、例えば多くの色を利用してキャンバス画像1100に色を塗ることができる。
【0046】
ステップS24において、情報処理装置10の処理画像出力部232は、ステップS20で線画が描画され、ステップS22で色が描画された
図7のようなキャンバス画像1100を、2Dイラスト画像として出力する。
【0047】
ステップS26において、情報処理装置10のゲーム制御部220はゲームの終了操作をユーザから受け付けたか否かを判定する。ユーザからゲームの終了操作を受け付けていなければ、情報処理装置10はステップS12に戻り、
図4のフローチャートに示す処理を続ける。なお、ユーザからゲームの終了操作を受け付けていれば、情報処理装置10は
図4のフローチャートに示す処理を終了する。
【0048】
ステップS20の線画描画処理及びステップS22の塗色描画処理で参照される2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータは、例えば
図8に示すような項目を有する。
図8は絵柄又は画風のパラメータの一例の構成図である。
【0049】
図8の絵柄又は画風のパラメータは、線の太さ、線種、線色、筆圧の緩急の強さ、使用する色の範囲、トーンの使用有無、及びライティング手法を項目として有している。線の太さ、線種、線色、及び筆圧の緩急の強さは、ステップS20の線画描画処理で参照されるパラメータの項目の一例である。また、使用する色の範囲、トーンの使用有無、及びライティング手法は、ステップS22の塗色描画処理で参照されるパラメータの項目の一例である。なお、
図8の絵柄又は画風のパラメータは一例であって、2Dイラスト画像の絵柄又は画風に影響を与える項目であれば、他の項目が含まれていてもよい。
【0050】
図9はステップS20の線画描画処理の一例のフローチャートである。ステップS40において、線画描画部228はステップS16で撮影した原画像のサイズと同一のサイズであり、何も描かれていないキャンバス画像を生成する処理を行う。
【0051】
ステップS42において、線画描画部228は記憶部210のパラメータデータ214に含まれている2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータのうち、線画描画処理で必要なパラメータを読み出す。
【0052】
ステップS44において、線画描画部228はステップS40で生成したキャンバス画像に対して原画像1000上の線画領域と一致する領域に線を引くことで、例えば
図6に示したようにキャンバス画像1100に線画を描画する。なお、ステップS44で引かれる線はステップS42で読み出したパラメータ(線の太さ、線種、線色など)に従った線となる。
【0053】
図10はステップS22の塗色描画処理の一例のフローチャートである。ステップS50において、塗色描画部230は記憶部210のパラメータデータ214に含まれている2Dイラスト画像の絵柄又は画風のパラメータのうち、塗色描画処理で必要なパラメータを読み出す。ステップS52において、塗色描画部230はステップS44の処理で線画が描画されたキャンバス画像1100に対して、原画像1000上の線画領域以外の領域と一致する領域に色を塗ることで、例えば
図7に示すようにキャンバス画像1100に色を塗る。ステップS52で塗られる色はステップS50で読み出したパラメータ(使用する色の範囲、トーンの使用有無、ライティング手法など)に従った色となる。
【0054】
なお、情報処理装置10のエフェクト付加部234は、例えば
図11の手順で2Dイラスト画像に効果線を付加できる。
図11はエフェクト付加処理の一例のフローチャートである。
【0055】
ステップS60において、エフェクト付加部234は原画像1000の情報から原画像1000のシーン種別情報を読み出す。シーン種別情報は、戦闘シーンや移動シーンなどの原画像1000のシーンの種別を表している。例えば移動パート、戦闘パート、イベントパート等、複数のパートを含むゲームの場合、シーン種別情報は原画像を撮影したタイミングが、どのパートの実行中であったかにより、原画像1000のシーンの種別を判定する。また、例えばプレイヤキャラクタがレベルアップしたとき、ボスキャラクタに勝利したときなど、撮影したタイミングにおけるゲームの進行状況に基づいて、原画像1000のシーンの種別を判定してもよい。ステップS62において、エフェクト付加部234はシーン種別情報と対応付けられたエフェクトを選択する。
図11のエフェクト付加処理を実行する場合は、シーン種別情報と、付加するエフェクトと、を対応付けて例えば記憶部210などに記憶しておく。ステップS64において、エフェクト付加部234はステップS62で選択した原画像1000のシーンに基づいたエフェクトを、例えば
図7のキャンバス画像1100に付加できる。したがって、情報処理装置10の処理画像出力部232は原画像1000のシーンに基づいたエフェクトが付加された2Dイラスト画像を出力できる。
【0056】
ステップS12において、ユーザは例えば
図12に示すようなゲーム画面1500から撮影操作を行う。また、ユーザは例えば
図12に示すゲーム画面1500から絵柄又は画風のパラメータの設定を行う画面に遷移して、絵柄又は画風のパラメータの入力を行うことができる。
【0057】
図12はユーザからの撮影操作を受け付けるゲーム画面の一例のイメージ図である。
図12のゲーム画面1500には、3DCGシーン1510、撮影ボタン1520、絵柄又は画風のパラメータ設定ボタン1530、及び出力画像選択チェックボックス1540が表示されている。
【0058】
ゲーム画面1500には、ゲームの進行等に従って画像が変化する3DCGシーン1510が表示されている。撮影ボタン1520は、ゲーム画面1500においてユーザから撮影操作を受け付ける仕組みの一例である。ユーザは3DCGシーン1510に所望の画像が表示されたタイミングなど、所望のタイミングで撮影ボタン1520を押下する操作を行うことで、その時に表示されていた3DCGシーン1510を撮影し、
図5に示すような原画像1000を撮影できる。
【0059】
また、ユーザは絵柄又は画風のパラメータ設定ボタン1530を押下する操作を行うことで、絵柄又は画風のパラメータの設定を行う画面に遷移し、その画面から絵柄又は画風のパラメータの設定を行うこともできる。
【0060】
なお、絵柄又は画風のパラメータの設定は画面にユーザが入力する例の他、機械学習等で作成した画像から絵柄又は画風を認識するモデルを用いて、ユーザ好みの2Dイラスト画像から、ユーザ好みの絵柄又は画風を判断し、その絵柄又は画風に対応付けられたパラメータを設定するようにしてもよい。
【0061】
また、ユーザは出力画像選択チェックボックス1540の「3DCG画像」又は「2Dイラスト画像」に対応したチェックボックスにチェックを入れることで、撮影により出力する画像を選択できる。ユーザは出力画像選択チェックボックス1540の「3DCG画像」に対応したチェックボックスにチェックを入れることで、原画像1000を出力する画像として選択できる。また、ユーザは出力画像選択チェックボックス1540の「2Dイラスト画像」に対応したチェックボックスにチェックを入れることで、原画像1000から変換した2Dイラスト画像を出力する画像として選択できる。
【0062】
本実施形態によれば、3DCGシーン1510から撮影した原画像1000を所望の絵柄又は画風の2Dイラスト画像に変換できる。
【0063】
開示した一実施形態の情報処理装置は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0064】
10 情報処理装置
14 サーバ装置
18 ネットワーク
200 制御部
202 操作受付部
204 出力制御部
206 通信部
210 記憶部
212 プログラム
214 パラメータデータ
216 処理画像データ
220 ゲーム制御部
222 ゲーム画像生成部
224 撮影処理部
226 線画領域検出部
228 線画描画部
230 塗色描画部
232 処理画像出力部
234 エフェクト付加部
236 設定情報受付部
1000 原画像
1100 キャンバス画像
1500 ゲーム画面
1510 3DCGシーン
1520 撮影ボタン
1530 絵柄又は画風のパラメータ設定ボタン
1540 出力画像選択チェックボックス