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特許7603486同乗支援装置、同乗支援システム、同乗支援方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】同乗支援装置、同乗支援システム、同乗支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20241213BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20241213BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20241213BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G01C21/34
G06Q50/40
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021038325
(22)【出願日】2021-03-10
(65)【公開番号】P2022138441
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小林 健一
(72)【発明者】
【氏名】宋 ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】松島 邦明
(72)【発明者】
【氏名】青木 宏二
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/004475(WO,A1)
【文献】特開2010-091464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G06Q 50/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を運転する第1利用者に関する第1情報、および前記移動体に同乗する第2利用者に関する第2情報を取得する取得部と、
取得された前記第1情報および前記第2情報に基づいて、前記移動体の運行計画を決定する運行計画決定部と、
決定された前記運行計画の情報を、前記第1利用者および前記第2利用者に通知する通知部とを備え、
前記運行計画決定部は、前記移動体に同乗する第3利用者からの乗車要求に応じて、決定された前記運行計画を変更し、
前記通知部は、通知に関する条件が満たされた場合に、変更された前記運行計画を前記第1利用者に通知する、
同乗支援装置。
【請求項2】
前記通知に関する条件は、前記移動体が停車するタイミングであることを含む、
請求項1記載の同乗支援装置。
【請求項3】
前記通知に関する条件は、変更された前記運行計画の通知を行う前記第1利用者の端末装置の操作が許容されるタイミングであることを含む、
請求項1または2に記載の同乗支援装置。
【請求項4】
前記通知に関する条件は、前記第1利用者が前記運行計画の変更に関する通知を許可していることを含む、
請求項1から3の何れか一項に記載の同乗支援装置。
【請求項5】
前記通知部は、変更された前記運行計画に対して、前記通知に関する条件を示す情報を付加して、前記第1利用者の端末装置に送信する、
請求項1から4の何れか一項に記載の同乗支援装置。
【請求項6】
前記通知部は、前記通知に関する条件が満たされるか否かを判定し、前記通知に関する条件が満たされると判定した場合、変更された前記運行計画を前記第1利用者の端末装置に送信する、
請求項1から4の何れか一項に記載の同乗支援装置。
【請求項7】
変更された前記運行計画は、前記第3利用者からの乗車要求に応じた前記第3利用者と合流する合流地点と、前記第3利用者と解散する解散地点とを経由する運行計画である、
請求項1から6の何れか一項に記載の同乗支援装置。
【請求項8】
前記第1利用者は、前記移動体の所有者、前記移動体の所有者ではなく一時的に前記移動体の運転を行う運転者、または、目的地の変更が可能である公共交通機関である前記移動体の運転者である、
請求項1から7の何れか一項に記載の同乗支援装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載の同乗支援装置と、
前記第1利用者の端末装置と、
を備える同乗支援システム。
【請求項10】
コンピュータが、
移動体を運転する第1利用者に関する第1情報、および前記移動体に同乗する第2利用者に関する第2情報を取得し、
取得された前記第1情報および前記第2情報に基づいて、前記移動体の運行計画を決定し、
決定された前記運行計画の情報を、前記第1利用者および前記第2利用者に通知する同乗支援方法であって、
前記移動体に同乗する第3利用者からの乗車要求に応じて、決定された前記運行計画を変更し、
通知に関する条件が満たされた場合に、変更された前記運行計画を前記第1利用者に通知する、
同乗支援方法。
【請求項11】
コンピュータに、
移動体を運転する第1利用者に関する第1情報、および前記移動体に同乗する第2利用者に関する第2情報を取得させ、
取得された前記第1情報および前記第2情報に基づいて、前記移動体の運行計画を決定させ、
決定された前記運行計画の情報を、前記第1利用者および前記第2利用者に通知させるプログラムであって、
前記移動体に同乗する第3利用者からの乗車要求に応じて、決定された前記運行計画を変更させ、
通知に関する条件が満たされた場合に、変更された前記運行計画を前記第1利用者に通知させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同乗支援装置、同乗支援システム、同乗支援方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の利用者が車両に相乗りするライドシェアに関する技術が知られている。例えば、乗客の移動要求および貨物の移動要求に基づいて運行経路を計算し、この計算した運行経路に基づく経路案内を行うオンデマンドのシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-220090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術においては、運行途中における経路変更が行われているが、車両の移動中に、新規に予約が入り、移動先が変更される状況は想定されていない。例えば、新規に利用者が予約を行い、移動中の車両とマッチングされると、該車両において当初目的としていた移動先が移動中に変更される場合がある。この場合、運転者は、移動中に、突然の経路変更を余儀なくされ、変更後の移動先を確認するためにわき見運転等を行い、運転の注意力が低下するおそれがある。また、運転者は、移動先の変更に気づかず、移動先を間違えるおそれもある。また、車両が走行する国の法律により、運転中における車載ナビシステムの更新や表示、操作が禁止されている場合もあり、移動先の変更を運転者に伝えることができない場合もある。一方で、移動中の予約を受け付けない場合、利用者のニーズを満たせずサービス品質が低下することが懸念されだけでなく、より多くの利用者を乗車させる目的とするサービスに繋がらない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、移動体の移動中における運行計画の変更情報を運転者に適切なタイミングで通知することが可能な同乗支援装置、同乗支援システム、同乗支援方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る同乗支援装置、同乗支援システム、同乗支援方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1)この発明の一態様の同乗支援装置は、移動体を運転する第1利用者に関する第1情報、および前記移動体に同乗する第2利用者に関する第2情報を取得する取得部と、取得された前記第1情報および前記第2情報に基づいて、前記移動体の運行計画を決定する運行計画決定部と、決定された前記運行計画の情報を、前記第1利用者および前記第2利用者に通知する通知部とを備え、前記運行計画決定部は、前記移動体に同乗する第3利用者からの乗車要求に応じて、決定された前記運行計画を変更し、前記通知部は、所定の条件が満たされた場合に、変更された前記運行計画を前記第1利用者に通知するものである。
【0007】
(2)上記(1)の態様において、前記所定の条件は、前記移動体が停車するタイミングであることを含むものである。
【0008】
(3)上記(1)または(2)の態様において、前記所定の条件は、変更された前記運行計画の通知を行う前記第1利用者の端末装置の操作が許容されるタイミングであることを含むものである。
【0009】
(4)上記(1)から(3)のうち何れかの態様において、前記所定の条件は、前記第1利用者が前記運行計画の変更に関する通知を許可していることを含むものである。
【0010】
(5)上記(1)から(4)のうち何れかの態様において、前記通知部は、変更された前記運行計画に対して、前記所定の条件を示す情報を付加して、前記第1利用者の端末装置に送信するものである。
【0011】
(6)上記(1)から(4)のうち何れかの態様において、前記通知部は、前記所定の条件が満たされるか否かを判定し、前記所定の条件が満たされると判定した場合、変更された前記運行計画を前記第1利用者の端末装置に送信するものである。
【0012】
(7)上記(1)から(6)のうち何れかの態様において、変更された前記運行計画は、前記第3利用者からの乗車要求に応じた前記第3利用者と合流する合流地点と、前記第3利用者と解散する解散地点とを経由する運行計画である。
【0013】
(8)上記(1)から(7)のうち何れかの態様において、前記第1利用者は、前記移動体の所有者、前記移動体の所有者ではなく一時的に前記移動体の運転を行う運転者、または、目的地の変更が可能である公共交通機関である前記移動体の運転者である。
【0014】
(9)この発明の他の態様の同乗支援システムは、上記(1)から(8)うち何れかの態様に係る同乗支援装置と、前記第1利用者の端末装置と、を備えるものである。
【0015】
(10)この発明の他の態様の同乗支援方法は、コンピュータが、移動体を運転する第1利用者に関する第1情報、および前記移動体に同乗する第2利用者に関する第2情報を取得し、取得された前記第1情報および前記第2情報に基づいて、前記移動体の運行計画を決定し、決定された前記運行計画の情報を、前記第1利用者および前記第2利用者に通知する同乗支援方法であって、前記移動体に同乗する第3利用者からの乗車要求に応じて、決定された前記運行計画を変更し、所定の条件が満たされた場合に、変更された前記運行計画を前記第1利用者に通知するものである。
【0016】
(11)この発明の他の態様のプログラムは、コンピュータに、移動体を運転する第1利用者に関する第1情報、および前記移動体に同乗する第2利用者に関する第2情報を取得させ、取得された前記第1情報および前記第2情報に基づいて、前記移動体の運行計画を決定させ、決定された前記運行計画の情報を、前記第1利用者および前記第2利用者に通知させるプログラムであって、前記移動体に同乗する第3利用者からの乗車要求に応じて、決定された前記運行計画を変更させ、所定の条件が満たされた場合に、変更された前記運行計画を前記第1利用者に通知させるものである。
【発明の効果】
【0017】
上記の(1)から(11)の態様によれば、移動体の移動中における運行計画の変更情報を運転者に適切なタイミングで通知することができる。
【0018】
上記の(2)の態様によれば、運転者が安全に運行計画の変更を認識することができる。
【0019】
上記の(3)の態様によれば、移動体が走行する国の法律を遵守しつつ、運転者が安全に運行計画の変更を認識することができる。また、停車前から運行計画の変更を運転者に知らせることで、より安全に運行計画の変更を運転者に認識させることが出来る。
【0020】
上記の(4)の態様によれば、運転者の希望に応じて、運転者が安全に運行計画の変更を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係る同乗支援システムの構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る車両所有者情報の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る同乗者情報の一例を示す図である。
図4】実施形態に係るマッチング情報の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る同乗支援システムにおいて実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6A】実施形態に係る同乗支援システムにおいて実行される処理の流れの一例を説明する図である。
図6B】実施形態に係る同乗支援システムにおいて実行される処理の流れの一例を説明する図である。
図6C】実施形態に係る同乗支援システムにおいて実行される処理の流れの一例を説明する図である。
図7】実施形態に係る同乗支援システムにおいて実行される処理の流れの他の例を示すシーケンス図である。
図8A】実施形態に係る同乗支援システムにおいて実行される処理の流れの他の例を説明する図である。
図8B】実施形態に係る同乗支援システムにおいて実行される処理の流れの他の例を説明する図である。
図8C】実施形態に係る同乗支援システムにおいて実行される処理の流れの他の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の同乗支援装置、同乗支援システム、同乗支援方法、およびプログラムの実施形態について説明する。実施形態の同乗支援装置は、移動体を運転する利用者と、移動体への同乗を希望する利用者とをマッチングさせるライドシェアサービス(以下、「サービス」と称する)の支援をする。このサービスにおいて利用される移動体は、例えば、四輪、三輪、二輪等の車両である。さらに、この車両は、車両の運転者による運転の操作によって走行する車両であってもよいし、車両の運転者による運転の操作を必要とせずに走行する、いわゆる、自動運転の車両であってもよい。以下の説明においては、車両が、四輪の車両である場合を例に挙げて説明する。車両は、特許請求の範囲における「移動体」の一例である。
【0023】
[同乗支援装置の使用環境]
図1は、実施形態に係る同乗支援システムの構成の一例を示す図である。同乗支援システムSは、例えば、同乗支援装置100と、車両の運転者が所有する端末装置T1と、車両への同乗を希望する同乗者が所有する端末装置T2とを備える。同乗支援装置100は、ネットワークNWを介して、一以上の端末装置T1および一以上の端末装置T2と通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0024】
同乗支援装置100は、例えば、車両を運転する利用者U1からの同乗承諾と、車両への同乗を希望する他の利用者U2からの同乗要求とのそれぞれを受け付け、利用者U2を車両Mに同乗させるための処理を行う。利用者U1からの同乗承諾や、利用者U2からの同乗要求には、直ちに実行されるものに限らず、先の時間における利用の予約を含んでもよい。利用者U1は、車両の所有者であってもよいし、車両の所有者ではなく一時的に車両の運転を行う運転者であってもよい。また、利用者U1は、固定の目的地を定めずに要求に応じて目的地の変更が可能な公共交通機関(タクシーなど)の移動体の運転者であってもよい。以下においては、利用者U1は、車両の所有者である場合を例に挙げて説明する。
【0025】
利用者U2を車両に同乗させるための処理とは、例えば、車両ごとに同乗させる利用者U2を抽出する処理や、車両Mの運行計画を決定する処理等を含む。同乗支援装置100は、例えば、利用者U1の目的地(例えば、利用者U1の会社、自宅等)と同じ目的地或いは同様の方向にある目的地まで車両に同乗することを希望する利用者U2を抽出し、車両Mの移動経路や移動時間等の運行計画を決定する。
【0026】
端末装置T1は、利用者U1が使用する端末装置である。端末装置T1は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型の端末装置や、車両Mに搭載されるナビゲーション装置である。端末装置T2は、利用者U2が使用する端末装置である。端末装置T2は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型の端末装置である。以下においては、端末装置T1および端末装置T2が、可搬型の端末装置である場合を例に挙げて説明する。以下において、端末装置T1と端末装置T2とを区別しない場合には、単に「端末装置T」と記載する。
【0027】
端末装置Tは、利用者による操作に応じて、サービスを利用するための手続きを行う。端末装置Tでは、サービスを利用するためのアプリケーション等が実行されている。アプリケーションは、例えば、利用者の操作により入力されたサービスへの入会(登録)や利用の申請の情報、端末装置Tの位置情報(以下、「端末位置情報」という)の同乗支援装置100への送信、同乗支援装置100により送信された情報や通知に基づく画像の表示装置への表示、音声データのスピーカーによる発音等を行う。端末位置情報は、例えば、端末装置Tが備えるGPS(Global Positioning System)等の位置センサから取得した現在の端末装置Tの位置を表す情報である。なお、端末装置Tは、搭載されたブラウザを介して同乗支援装置100と通信することで、サービスを利用するものであってもよい。
【0028】
車両Mは、ネットワークNWを介して、同乗支援装置100と通信する通信機能を備えてもよい。この場合、車両Mは、自車両の位置を表す位置情報(以下、「車両位置情報」という)を同乗支援装置100に送信する。車両位置情報は、例えば、車両Mが備えるナビゲーション装置から取得される情報である。車両位置情報は、ナビゲーション装置とは関係なく車両Mが備えるGPSなどの位置センサから取得された位置情報であってもよい。車両Mは、利用者U1によってナビゲーション装置に設定された目的地に関する情報を、同乗支援装置100に送信してもよい。目的地に関する情報は、例えば、設定された目的地の名称や位置を表す情報、ナビゲーション装置が案内する目的地までの経路を表す情報、ナビゲーション装置が案内する経路に基づいて設定された目的地に到着する到着予想時刻を表す情報等を含んでよい。
【0029】
[同乗支援装置100の構成]
同乗支援装置100は、例えば、記憶部110と、通信部120と、制御部130とを備える。制御部130は、例えば、取得部131と、マッチング処理部132と、運行計画決定部133と、通知部134とを備える。
【0030】
制御部130の各機能部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサ(コンピュータ)がプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、専用のLSIによって実現されてもよい。プログラムは、予め同乗支援装置100が備えるHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が同乗支援装置100のドライブ装置に装着されることで同乗支援装置100が備えるHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。同乗支援装置100は、クラウドコンピューティングシステムに組み込まれたサーバ装置や記憶装置に実現されてもよい。この場合、クラウドコンピューティングシステムにおける複数のサーバ装置や記憶装置によって、同乗支援装置100の機能が実現されてもよい。
【0031】
記憶部110は、例えば、車両所有者情報112と、同乗者情報114と、マッチング情報116と、地図情報118とを記憶する。車両所有者情報112、同乗者情報114、およびマッチング情報116については後述する。地図情報118は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。
【0032】
通信部120は、ネットワークNWに接続するためのネットワークカード等の通信インターフェースである。通信部120は、ネットワークNWを介して、端末装置T1、端末装置T2、および車用M等と通信する。
【0033】
取得部131は、通信部120を介して、端末装置T1および端末装置T2から、サービスの利用に関する各種情報を取得し、記憶部110に記憶させる。例えば、取得部131は、サービスへの入会処理を行うための情報、車両Mへの同乗を希望する利用者U2からの同乗要求を示す情報、利用者U1からの車両Mへの同乗承諾を示す情報等を取得する。サービスへの入会処理を行うための情報は、例えば、氏名、性別、生年月日、住所、電話番号等の利用者を特定するための情報を含む場合もあるし、個人を特定できる最低限の情報でも構わない。すなわち、取得部131は、移動体を運転する第1利用者に関する第1情報、および移動体に同乗する第2利用者に関する第2情報を取得する。
【0034】
図2は、実施形態に係る車両所有者情報112の一例を示す図である。車両所有者情報112は、車両を所有している利用者U1(車両所有者)に関する情報である。車両所有者情報112は、例えば、利用者U1を識別する車両所有者IDに対して、目的地と、同乗承諾と、現在位置と、車両位置とが対応付けられた情報である。目的地は、利用者U1が目的地として登録した位置を表す情報である。同乗承諾は、利用者U1の車両Mへの同乗を承諾しているか否かを表す情報である。同乗承諾には、現時点で承諾している「Y」、または現時点で承諾していない「N」のいずれかが登録されている。現在位置は、利用者U1の現在の位置を表す情報である。現在位置は、利用者U1の端末装置T1により送信され、通信部120が受信するごとに、取得部131によって逐次更新される。車両位置は、利用者U1の車両Mの現在の位置を表す情報である。車両位置は、利用者U1が車両Mに乗車している間は、現在位置と同じである。車両位置は、端末装置T1により送信され、通信部120が受信するごとに、取得部131によって逐次更新される。或いは、車両位置は、車両Mのナビゲーション装置により送信された車両位置情報であってもよい。
【0035】
車両所有者情報112には、図2に示すものに限らず、例えば、利用者U1が所有する車両の種類を表す情報や、目的地に向かう際に通行する経路情報、経路の途中に存在する合流地点候補の位置を表す情報等、種々の情報が含まれてもよい。
【0036】
図3は、実施形態に係る同乗者情報114の一例を示す図である。同乗者情報114は、車両への同乗を希望する利用者U2(同乗者)に関する情報である。同乗者情報114は、例えば、利用者U2を識別する同乗者IDに対して、目的地と、同乗要求と、現在位置とが対応付けられた情報である。目的地は、同乗者が目的地として登録した位置を表す情報である。同乗要求は、同乗者が車両への同乗を要求しているか否かを表す情報である。同乗要求には、現時点で要求している「Y」、または現時点で要求していない「N」のいずれかが登録されている。現在位置は、利用者U2の現在の位置を表す情報である。現在位置は、利用者U2の端末装置T2により送信され、通信部120が受信するごとに、取得部131によって逐次更新される。
【0037】
図1に戻り、マッチング処理部132は、端末装置T1および端末装置T2から取得された情報と、記憶部110に記憶された車両所有者情報112および同乗者情報114とに基づいて、利用者U1と、利用者U2とをマッチングさせる処理を行う。マッチング処理部132は、取得した同乗承諾および同乗要求に応じて、記憶部110に記憶された車両所有者情報112および同乗者情報114を参照し、同乗承諾をした利用者U1が所有する車両Mに同乗する利用者U2を抽出する。マッチング処理部132は、例えば、利用者U1の現在位置および利用者U2の現在位置の情報に基づいて、利用者U1の現在位置を中心とした所定の範囲内(例えば、利用者U1の現在位置から1km以内)の位置が現在位置となっている利用者U2を抽出する。或いは、マッチング処理部132は、例えば、利用者U1の現在位置と、車両所有者情報112に登録されている目的地とに基づいて、地図情報118を参照し、利用者U1が車両Mに乗車して目的地に向かう際の経路を推定し、推定した経路から所定の範囲内(例えば、経路から1km以内)の位置に現在位置または目的地がある同乗者を抽出してもよい。マッチング処理部132は、抽出され車両所有者および同乗者の組を互いに関連付けし、マッチング情報116として、記憶部110に記憶させる。
【0038】
運行計画決定部133は、車両所有者情報112および同乗者情報114に基づいて、抽出された利用者U1および利用者U2の合流地点、合流時刻(或いは合流時間帯)、解散地点、および解散時刻等を含む運行計画を決定する。運行計画決定部133は、例えば、利用者U1および利用者U2の現在位置情報に基づいて、利用者U1の現在位置と同乗者の現在位置との間に存在する地点や、所定の範囲内の地点を合流地点として決定する。運行計画決定部133は、例えば、車両所有者情報112に登録されている目的地の情報と、同乗者情報114に登録されている目的地の情報とに基づいて、利用者U1および利用者U2の各々の目的地の間に存在する地点や、所定の範囲内の地点を解散地点として決定する。運行計画決定部133は、決定された合流地点、合流時刻、解散地点、および解散時刻等を、記憶部110に記憶されたマッチング情報116に追記する。すなわち、運行計画決定部133は、取得された第1情報および第2情報に基づいて、移動体の運行計画を決定する。
【0039】
合流地点や解散地点は、例えば、ショッピングモールや、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、飲食店、宿泊施設、各種アクティビティ施設、病院、行政機関等の施設や、これらの施設の駐車場等を含む。
【0040】
図4は、実施形態に係るマッチング情報116の一例を示す図である。マッチング情報116は、例えば、利用者U1の車両所有者IDに対して、車両所有者現在位置と、車両現在位置と、同乗者IDと、同乗者現在位置と、合流地点と、合流時刻と、解散地点と、解散時刻とが対応付けられた情報である。車両所有者現在位置は、車両所有者情報112から抜き出された利用者U1の現在位置の情報である。車両現在位置は、車両所有者情報112から抜き出された車両位置の情報である。同乗者IDは、同乗者として抽出された利用者U2の同乗者IDである。同乗者現在位置は、同乗者情報114から抜き出された利用者U2の現在位置の情報である。合流地点および合流時刻は、運行計画決定部133により決定された合流地点および合流時刻の情報である。解散地点および解散時刻は、運行計画決定部133により決定された解散地点および解散時刻の情報である。
【0041】
マッチング情報116には、図4に示すものに限らず、例えば、利用者U1が合流地点まで向かう合流経路の情報や、利用者U2が合流地点まで向かう合流経路の情報、合流地点で利用者U1と利用者U2とが合流した後に、一緒に解散地点まで向かう同乗経路の情報等、種々の情報が含まれてもよい。
【0042】
図1に戻り、通知部134は、通信部120を介して、端末装置T1および端末装置T2に各種情報を送信する。これにより、端末装置T1および端末装置T2の各々において実行されているアプリケーションは、同乗支援装置100からの情報を利用者U1や利用者U2に通知する。通知部134は、運行計画決定部133により決定された運行計画の情報を、利用者U1および利用者U2に通知する。通知部134は、例えば、地図情報118を用いて、利用者U1および利用者U2、或いは車両Mが、合流地点、解散地点、目的地まで移動する経路を案内する情報を端末装置T1および端末装置T2に送信してもよい。この場合、アプリケーションは、端末装置T1および端末装置T2が備えるナビゲーション機能により、合流地点や解散地点までの経路を端末装置Tに表示させる、または/および音声を発音させる。すなわち、通知部134は、決定された運行計画の情報を、第1利用者および第2利用者に通知する。
【0043】
また、端末装置T1に運行計画が送信された後に、新規の他の利用者(以下、「新規同乗希望者」ともいう)から新規の同乗要求があった場合、マッチング処理部132は、既に運行計画に基づいて移動を開始している利用者U1を候補に含めて、再度、利用者のマッチング処理を行う。そして、この再度のマッチング処理の結果、既に運行計画に基づいて移動を開始している利用者U1がマッチング対象となった場合、運行計画決定部133は、生成済みの運行計画の変更を行う。通知部134は、この変更済み運行計画の情報を、利用者U1の端末装置T1および新規同乗希望者の端末装置に送信する。すなわち、運行計画決定部133は、移動体に同乗する第3利用者からの乗車要求に応じて、決定された運行計画を変更する。通知部134は、所定の条件が満たされた場合に、変更された運行計画を第1利用者に通知する。
【0044】
通知部134は、端末装置T1に対して変更済み運行計画の情報を送信する場合には、この変更済み運行計画の情報に、通知条件に関する情報を付加して送信する。通知条件とは、利用者U1に対する変更済み運行計画の情報の通知が可能となる条件を示す。通知条件は、例えば、車両が停車しているタイミングであることを示す第1通知条件、車両が走行する国の法律において端末装置の操作が許容されているタイミングであることを示す第2通知条件、利用者により変更済み運行計画の通知が許可されていることを示す第3通知条件等を含む。
【0045】
変更済み運行計画に対して第1通知条件が付加されている場合、端末装置T1は、利用者U1が運転する車両Mが停車しているタイミングで、変更済み運行計画の情報を利用者U1に通知する。この車両が停車しているタイミングは、例えば、合流地点、解散地点、目的地等の利用者の乗降地点で車両が停車しているタイミングの他、渋滞による停車、信号待ちによる停車等、所定時間以上車両が移動せずに停止している状態を含む。
【0046】
変更済み運行計画に対して第2通知条件が付加されている場合、端末装置T1は、車両が走行する国の法律において端末装置の操作が許容されているタイミングで、変更済み運行計画の情報を利用者U1に通知する。例えば、車両Mが走行する国の法律において、自動運転中の車両の走行中に端末装置T1の操作が許可されている場合には、端末装置T1は、車両の走行中であっても、変更済み運行計画の情報を利用者U1に通知する。或いは、車両Mが走行する国の法律において、車両の速度が所定の閾値以下である走行状態や、特定の道路(例えば、自動車専用道路等)を走行している走行状態において端末装置T1の操作が許可されている場合には、端末装置T1は、車両の走行中であっても、変更済み運行計画の情報を利用者U1に通知する。
【0047】
変更済み運行計画に対して第3通知条件が付加されている場合、端末装置T1は、利用者による変更済み運行計画の情報の通知の許可設定がなされている際に、変更済み運行計画の情報を利用者U1に通知する。例えば、利用者U1が、予め端末装置T1において実行されているアプリケーションを操作して、変更済み運行計画の通知を許可する設定を行っている場合、端末装置T1は、車両の動作状態に関係なく、変更済み運行計画の情報を利用者U1に通知する。
【0048】
[運行計画の変更時の処理(1):第1通知条件(車両停車)]
次に、実施形態に係る同乗支援システムSの処理について説明する。図5は、実施形態に係る同乗支援システムSにおいて運行計画の変更が発生した際の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図6A図6B、および図6Cは、実施形態に係る同乗支援システムSにおいて運行計画の変更が発生した際の処理の様子を説明する図である。以下の説明においては、図6Aに示すように、車両Mの所有者である利用者U1と、同乗者である利用者U2-1および利用者U2-2とのマッチング処理および運行計画の生成が済んでおり、利用者U1が運転する車両Mがスタート地点SP1を出発し、利用者U2-1との合流地点である第1合流地点PP1において利用者U2-1と合流し(ピックアップし)、その後、利用者U2-2との合流地点である第2合流地点PP2に向かって移動しているものとする。
【0049】
新規にシステムの利用を希望する利用者U2-3は、利用者U2-3の端末装置T2-3を操作して、車両への同乗要求の手続きを行う。端末装置T2-3において実行されているアプリケーションは、利用者U2-3による車両への同乗要求を同乗支援装置100に送信する(ステップS100)。同乗支援装置100の取得部131は、端末装置T2-3により送信された同乗要求を受け付ける(ステップS102)。
【0050】
次に、同乗支援装置100のマッチング処理部132は、取得部131により取得された同乗要求並びに記憶部110に記憶された車両所有者情報112およびマッチング情報116に基づいて、同乗要求を行った利用者U2-3と、利用者U2-3を同乗させることが可能な車両所有者とをマッチングする(ステップS104)。ここで、マッチング処理部132は、既に運行計画に基づいて移動を開始している利用者U1を候補に含めて、利用者のマッチング処理を行う。
【0051】
マッチング処理部132によるマッチング処理の結果、既に運行計画に基づいて移動を開始している利用者U1がマッチング対象となった場合、運行計画決定部133は、生成済みの運行計画の変更を行う(ステップS106)。なお、マッチング処理部132によるマッチング処理の結果、未だマッチング対象となっていない利用者がマッチング対象となった場合には、運行計画決定部133は、通常どおり、新たな運行計画の生成を行う。
【0052】
次に、同乗支援装置100の通知部134は、運行計画決定部133により変更された運行計画に第1通知条件を付加し、利用者U1の端末装置T1に送信する(ステップS108)。この第1通知条件は、上記のとおり、車両が停車しているタイミングで変更済み運行計画を通知するという条件である。なお、通知部134は、変更済み運行計画を、利用者U2-1の端末装置T2-1および利用者U2-2の端末装置T2-2に送信してもよい。
【0053】
次に、端末装置T1において実行されているアプリケーション(以下、「第1アプリケーション」ともいう)は、変更された運行計画に付与された第1通知条件に応じて、車両Mの停車判定を行う(ステップS110)。すなわち、第1アプリケーションは、同乗支援装置100から変更済み運行計画を受信した場合であっても、直ちには利用者U1に通知せず、車両Mが停車しているか否かの判定を行う。換言すると、第1アプリケーションは、車両Mが走行中である間は、変更済み運行計画を利用者U1に通知しない。第1アプリケーションは、例えば、端末装置T1が備えるGPS等の位置センサから取得した端末位置情報、車両Mが備えるナビゲーション装置から取得される車両位置情報等に基づいて、車両Mの停車判定を行う。
【0054】
次に、第1アプリケーションは、車両Mの停車が停車していると判定した場合、変更済み運行計画を利用者U1に通知する(ステップS112)。図6Bに示す例では、利用者U1および利用者U2-1が同乗する車両Mが第2合流地点PP2に到着したタイミングで、第1アプリケーションは、車両Mが停車していると判定する。そして、第1アプリケーションは、例えば、端末装置T1の表示装置に変更済み運行計画を表示させることで、変更済み運行計画を利用者U1に通知する。この変更済み運行計画は、例えば、新規に同乗要求を行った利用者U2-3を同乗させるように変更された合流地点、解散地点、および合流時間等の情報を含む。すなわち、変更済み運行計画は、第3利用者からの乗車要求に応じた第3利用者と合流する合流地点と、第3利用者と解散する解散地点とを経由する運行計画である。
【0055】
次に、第1アプリケーションは、利用者U1に対して、変更済み運行計画を承諾するか否かの確認を行う(ステップS114)。例えば、図6Bに示す例のように、第1アプリケーションは、端末装置T1の表示装置に「承諾」ボタンB1を表示させ、利用者U1の操作により「承諾」ボタンB1が押下されたか否かの確認を行う。
【0056】
次に、第1アプリケーションは、利用者U1により変更済み運行計画が承諾されたことを確認した場合、同乗承諾を同乗支援装置100に送信する(ステップS116)。図6Cに示すように、その後、利用者U1、利用者U2-1、および利用者U2-2が同乗する車両Mは、変更済み運行計画に従って行き先を変え、利用者U2-3との合流地点である第3合流地点PP3に向かって走行する。
【0057】
次に、同乗支援装置100の取得部131により端末装置T1により送信された同乗承諾が受け付けられた場合、通知部134は、変更済み運行計画を端末装置T2-3に送信する(ステップS118)。
【0058】
次に、端末装置T2-3において実行されているアプリケーションは、変更済み運行計画を利用者U2-3に通知する(ステップS120)。端末装置T2-3において実行されているアプリケーションは、例えば、端末装置T2-3の表示装置に変更済み運行計画を表示させることで、変更済み運行計画を利用者U2-3に通知する。利用者U2-3は、この表示された運行計画を確認することで、第3合流地点PP3および合流時間を把握することができる。
【0059】
その後、同乗支援装置100は、車両Mの運行状況の確認を行う(ステップS122)。例えば、同乗支援装置100は、利用者U2-3との合流地点である第3合流地点PP3への到着の有無および到着時刻、利用者U2-1との解散地点である第1解散地点DP1への到着の有無および到着時刻、利用者U2-3との解散地点である第3解散地点DP3への到着の有無および到着時刻、利用者U2-2との解散地点である第2解散地点DP2への到着の有無および到着時刻、利用者U1の目的地である目的地TP1への到着の有無および到着時刻等を確認する。各地点への到着の確認は、端末装置Tにおいて実行されているアプリケーションから送信される利用者の操作に応じた報告に基づいて行われてよい。或いは、各地点への到着の確認は、端末装置Tにおいて実行されているアプリケーション、或いは、車両Mのナビゲーション装置から送信される位置情報に基づいて行われてよい。以上により、本シーケンス図の処理が完了する。
【0060】
なお、上記の例では、端末装置T1が第1通知条件の成否を判定する例を説明したが、これに限られない。例えば、同乗支援装置100側で、車両Mの車両位置情報(或いは端末位置情報)を継続的に受信して、第1通知条件の成否を判定するようにしてもよい。この場合、同乗支援装置100は、第1通知条件が満たされることが確認できたタイミングで、変更済み運行計画の情報を端末装置T1に送信し、変更済み運行計画の情報を受信した端末装置T1は、第1通知条件の成否を判定することなく、変更済み運行計画を利用者U1に通知するようにしてよい。すなわち、通知部134は、所定の条件が満たされるか否かを判定し、所定の条件が満たされると判定した場合、変更された運行計画を第1利用者の端末装置に送信する。
【0061】
[運行計画の変更時の処理(2):第2通知条件(端末装置の操作許容)]
次に、実施形態に係る同乗支援システムSの処理の他の例について説明する。図7は、実施形態に係る同乗支援システムSにおいて運行計画の変更が発生した際の処理の流れの他の例を示すシーケンス図である。図8A図8B、および図8Cは、実施形態に係る同乗支援システムSにおいて運行計画の変更が発生した際の他の処理の様子を説明する図である。以下に説明する処理は、上記の「運行計画の変更時の処理(1)」と比較して、端末装置T1において変更済み運行計画を通知させる際の条件が異なる。以下においては、この相違点を中心に説明する。
【0062】
以下の説明においては、図8Aに示すように、車両Mの所有者である利用者U1と、同乗者である利用者U2-1および利用者U2-2とのマッチング処理および運行計画の生成が済んでおり、利用者U1が運転する車両Mがスタート地点SP1を出発し、第1合流地点PP1において利用者U2-1と合流し、その後、第2合流地点PP2に向かって移動しているものとする。
【0063】
新規にシステムの利用を希望する利用者U2-3は、利用者U2-3の端末装置T2-3を操作して、車両への同乗要求の手続きを行う。端末装置T2-3において実行されているアプリケーションは、利用者U2-3による車両への同乗要求を同乗支援装置100に送信する(ステップS100)。同乗支援装置100の取得部131は、端末装置T2-3により送信された同乗要求を受け付ける(ステップS102)。
【0064】
次に、同乗支援装置100のマッチング処理部132は、取得部131により取得された同乗要求並びに記憶部110に記憶された車両所有者情報112およびマッチング情報116に基づいて、同乗要求を行った利用者U2-3と、利用者U2-3を同乗させることが可能な車両所有者とをマッチングする(ステップS104)。マッチング処理の結果、既に運行計画に基づいて移動を開始している利用者U1がマッチング対象となった場合、運行計画決定部133は、生成済みの運行計画の変更を行う(ステップS106)。
【0065】
次に、同乗支援装置100の通知部134は、運行計画決定部133により変更された運行計画に第2通知条件を付加し、利用者U1の端末装置T1に送信する(ステップS208)。この第2通知条件は、上記のとおり、車両Mが走行する国の法律において端末装置の操作が許容されてタイミングで変更済み運行計画を通知するという条件である。なお、通知部134は、運行計画決定部133により変更済み運行計画を、利用者U2-1の端末装置T2-1および利用者U2-2の端末装置T2-2に送信してもよい。
【0066】
次に、端末装置T1において実行されている第1アプリケーションは、変更された運行計画に付与された第2通知条件に応じて、端末装置T1の操作条件の判定を行う(ステップS210)。すなわち、第1アプリケーションは、同乗支援装置100から変更済み運行計画を受信した場合であっても、直ちには利用者U1の通知は行わず、端末装置T1の操作条件が満たされているか否かの判定を行う。換言すると、第1アプリケーションは、端末装置T1の操作条件が満たされていない間は、変更済み運行計画を利用者U1に通知しない。
【0067】
次に、第1アプリケーションは、端末装置T1の操作条件が満たされていると判定した場合、変更済み運行計画を利用者U1に通知する(ステップS212)。第1アプリケーションは、例えば、端末装置T1の表示装置に変更済み運行計画を表示させることで、変更済み運行計画を利用者U1に通知する。図8Bに示す例では、車両Mが走行する国の法律において、自動運転制御により走行している間は端末装置T1を操作することが許容されている場合を想定している。この例では、第1アプリケーションは、車両Mが第2合流地点PP2に向かって移動している間であっても、自動運転制御により走行している場合には、端末装置T1の操作条件が満たされていると判定し、変更済み運行計画を利用者U1に通知する。
【0068】
次に、第1アプリケーションは、利用者U1に対して、変更済み運行計画を承諾するか否かの確認を行う(ステップS114)。例えば、図8Bに示す例のように、第1アプリケーションは、端末装置T1の表示装置に「承諾」ボタンB1を表示させ、利用者U1の操作により「承諾」ボタンB1が押下されたか否かの確認を行う。
【0069】
次に、第1アプリケーションは、利用者U1により変更済み運行計画が承諾されたことを確認した場合、同乗承諾を同乗支援装置100に送信する(ステップS116)。図8Cに示す例では、車両Mの移動中に運行計画が変更され、利用者U1および利用者U2-1が同乗する車両Mは、変更済み運行計画に従って行き先を変え、例えば、利用者U2-3との合流地点である第3合流地点PP3に向かって走行する。
【0070】
次に、同乗支援装置100の取得部131により端末装置T1により送信された同乗承諾が受付けられた場合、通知部134は、変更済み運行計画を端末装置T2-3に送信する(ステップS118)。次に、端末装置T2-3において実行されているアプリケーションは、変更済み運行計画を利用者U2-3に通知する(ステップS120)。その後、同乗支援装置100は、車両Mの運行状況の確認を行う(ステップS122)。以上により、本シーケンス図の処理が完了する。
【0071】
なお、上記の例では、端末装置T1が第2通知条件の成否を判定する例を説明したが、これに限られない。例えば、同乗支援装置100側で、車両Mの車両位置情報(或いは端末位置情報)や車両Mの運転制御情報を継続的に受信して、第2通知条件の成否を判定するようにしてもよい。この場合、同乗支援装置100は、第2通知条件が満たされることが確認できたタイミングで、変更済み運行計画の情報を端末装置T1に送信し、変更済み運行計画の情報を受信した端末装置T1は、第2通知条件の成否を判定することなく、変更済み運行計画を利用者U1に通知するようにしてよい。
【0072】
なお、第1アプリケーションは、車両Mの移動中には、次の停車地点において運行計画に変更が発生することの事前通知のみを端末装置T1の表示装置に表示させるようにしてもよい。利用者U1は、車両Mの移動中にこのような事前通知を予め確認することで、運行計画の変更に伴う経路変更を確実かつ安全に行うことができる。また、移動中の逆走不可設定は走行経路と車両Mに乗車する利用者U1の属性によって可不可をシステムが自動で判定して設定するようにしてもよい。
【0073】
[運行計画の変更時の処理(3):第3通知条件(利用者の操作許容)]
次に、実施形態に係る同乗支援システムSの処理の他の例について説明する。以下に説明する処理は、上記の「運行計画の変更時の処理(2)」における「第2通知条件」を「第3通知条件」に置き換えたものである。以下においては、この相違点を中心に説明する。
【0074】
すなわち、端末装置T1において実行されている第1アプリケーションは、同乗支援装置100から第3通知条件が付与された変更済み運行計画を受信し、第3通知条件に応じて利用者U1により運行計画の変更に関する通知が許可されているか否かの判定を行う。次に、第1アプリケーションは、利用者U1により運行計画の変更に関する通知が許可されていると判定した場合、変更済み運行計画を利用者U1に通知する。
【0075】
なお、上記の例では、端末装置T1が第3通知条件の成否を判定する例を説明したが、これに限られない。例えば、予め、同乗支援装置100に利用者U1の運行計画の変更に関する通知の可否を登録しておき、同乗支援装置100側で、第3通知条件の成否を判定するようにしてもよい。この場合、同乗支援装置100は、第3通知条件が満たされると判定した場合、変更済み運行計画の情報を端末装置T1に送信し、変更済み運行計画の情報を受信した端末装置T1は、第3通知条件の成否を判定することなく、変更済み運行計画を利用者U1に通知するようにしてよい。
【0076】
以上説明した実施形態の同乗支援装置によれば、移動体(車両M)を運転する第1利用者(利用者U1)に関する第1情報、および前記移動体に同乗する第2利用者(利用者U2)に関する第2情報を取得する取得部(取得部131)と、取得された前記第1情報および前記第2情報に基づいて、前記移動体の運行計画を決定する決定部(運行計画決定部133)と、決定された前記運行計画の情報を、前記第1利用者および前記第2利用者に通知する通知部(通知部134)とを備え、前記決定部は、前記移動体に同乗する第3利用者からの乗車要求に応じて、決定された前記運行計画を変更し、前記通知部は、所定の条件が満たされた場合に、変更された前記運行計画を前記第1利用者に通知することで、移動体の移動中における運行計画の変更情報を運転者に適切なタイミングで通知することができる。
【0077】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0078】
100・・・同乗支援装置
110・・・記憶部
112・・・車両所有者情報
114・・・同乗者情報
116・・・マッチング情報
118・・・地図情報
120・・・通信部
130・・・制御部
131・・・取得部
132・・・マッチング処理部
133・・・運行計画決定部
134・・・通知部
T1・・・端末装置
T2・・・端末装置
NW・・・ネットワーク
M・・・車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C