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特許7603498情報処理装置、プログラム、及びコンテンツ付与方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及びコンテンツ付与方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20241213BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20241213BHJP
   A63F 13/825 20140101ALI20241213BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/533
A63F13/825
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021052031
(22)【出願日】2021-03-25
(65)【公開番号】P2022149746
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】正津 夕紀
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-48603(JP,A)
【文献】特開2020-195498(JP,A)
【文献】特開2021-13675(JP,A)
【文献】限界突破のやり方と限界キャンディの入手方法[アトリエ],AppMedia [online],2018年11月15日,URL: <https://appmedia.jp/atelier-online/2527447>,[令和6年10月18日検索日]
【文献】season.2 更新内容の紹介!,アトリエオンライン season.2 NEWS [online],2019年11月29日,URL: <https://atelier-online.jp/info/564.html>,[令和6年10月18日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム内のコンテンツを抽選対象とし、抽選対象の前記コンテンツから複数のコンテンツの抽選を行う抽選部と、
前記抽選により選択された複数のコンテンツのうち、ユーザの所有コンテンツと重複している重複コンテンツを、ポイントに変換可能に画面表示する抽選結果提示部と、
前記重複コンテンツから変換したポイントを使用して、前記抽選により選択された複数のコンテンツから前記ユーザが選択したコンテンツの強化を行うコンテンツ強化部と、
前記ポイントに変換された重複コンテンツを除いた前記抽選により選択された複数のコンテンツを、前記ユーザの所有コンテンツとして付与するコンテンツ付与部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記抽選結果提示部は、前記抽選により選択された複数のコンテンツのうち、前記重複コンテンツを識別可能に画面表示し、前記ユーザからポイントに変換する前記重複コンテンツの選択を受け付けること
を特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ポイントに変換する重複コンテンツに付随した情報に基づき、前記重複コンテンツをポイントに変換するポイント変換部、
を更に有する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記抽選結果提示部は、前記抽選により選択された複数のコンテンツに、前記ユーザの所有コンテンツと重複していない同一のコンテンツが複数含まれていた場合に、前記同一のコンテンツの一部を、ポイントに変換可能に画面表示すること
を特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記コンテンツ強化部は、前記ポイントを利用して、前記ユーザの所有コンテンツとして付与した後に行えない種類の強化を行うこと
を特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置を、
ゲーム内のコンテンツを抽選対象とし、抽選対象の前記コンテンツから複数のコンテンツの抽選を行う抽選部、
前記抽選により選択された複数のコンテンツのうち、ユーザの所有コンテンツと重複している重複コンテンツを、ポイントに変換可能に画面表示する抽選結果提示部、
前記重複コンテンツから変換したポイントを使用して、前記抽選により選択された複数のコンテンツから前記ユーザが選択したコンテンツの強化を行うコンテンツ強化部、
前記ポイントに変換された重複コンテンツを除いた前記抽選により選択された複数のコンテンツを、前記ユーザの所有コンテンツとして付与するコンテンツ付与部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
情報処理装置が、
ゲーム内のコンテンツを抽選対象とし、抽選対象の前記コンテンツから複数のコンテンツの抽選を行う抽選ステップと、
前記抽選により選択された複数のコンテンツのうち、ユーザの所有コンテンツと重複している重複コンテンツを、ポイントに変換可能に画面表示する抽選結果提示ステップと、
前記重複コンテンツから変換したポイントを使用して、前記抽選により選択された複数のコンテンツから前記ユーザが選択したコンテンツの強化を行うコンテンツ強化ステップと、
前記ポイントに変換された重複コンテンツを除いた前記抽選により選択された複数のコンテンツを、前記ユーザの所有コンテンツとして付与するコンテンツ付与ステップと、
を実行するコンテンツ付与方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム、及びコンテンツ付与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームで用いるキャラクタやアイテムなどのゲーム媒体をプレイヤに提供する手法の一つとして、端末装置におけるプレイヤの入力に基づいて、サーバ装置において複数のゲーム媒体からプレイヤに提供するゲーム媒体を抽選により決定し、決定したゲーム媒体をプレイヤに提供する手法を採用したゲームシステムが知られている。
【0003】
このようなゲームシステムには、プレイヤに提供されたゲーム媒体が、プレイヤが既に所持しているゲーム媒体と同一のゲーム媒体であった場合には、代替えのゲーム媒体をプレイヤに提供するようにしたものがあった(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-10686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のゲームシステムには、プレイヤが所持するゲーム媒体のうち、抽選により決定したゲーム媒体と同一のゲーム媒体の特定パラメータを増加させるものがあった。しかしながら、プレイヤの所持するゲーム媒体の中には、プレイヤにとって不要なゲーム媒体が含まれている場合があり、特定パラメータを増加させたゲーム媒体が無駄になるという問題があった。
【0006】
このため、従来のゲームシステムは、プレイヤに提供されたゲーム媒体が、プレイヤが既に所持しているゲーム媒体と同一のゲーム媒体であった場合であっても、抽選に対するプレイヤの満足度を高める工夫が必要であった。
【0007】
本開示は、ゲーム内のコンテンツを抽選対象とする抽選の結果に対するユーザの満足度を高める新たな仕組みを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一の態様によれば、ゲーム内のコンテンツを抽選対象とし、抽選対象の前記コンテンツから複数のコンテンツの抽選を行う抽選部と、前記抽選により選択された複数のコンテンツのうち、ユーザの所有コンテンツと重複している重複コンテンツを、ポイントに変換可能に画面表示する抽選結果提示部と、前記重複コンテンツから変換したポイントを使用して、前記抽選により選択された複数のコンテンツから前記ユーザが選択したコンテンツの強化を行うコンテンツ強化部と、前記ポイントに変換された重複コンテンツを除いた前記抽選により選択された複数のコンテンツを、前記ユーザの所有コンテンツとして付与するコンテンツ付与部と、を有する情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
一の側面によれば、ゲーム内のコンテンツを抽選対象とする抽選の結果に対するユーザの満足度を高める新たな仕組みを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るゲームシステムの一例を示す図である。
図2】クライアントのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】クライアントの機能構成の一例を示す図である。
図5】サーバの機能構成の一例を示す図である。
図6】本実施形態で利用するポイント還元率テーブルの一例の構成図である。
図7】本実施形態に係る抽選機能に関する処理の一例のフローチャートである。
図8】抽選結果画面の一例のイメージ図である。
図9】抽選結果画面の一例のイメージ図である。
図10】抽選結果画面の一例のイメージ図である。
図11】抽選結果画面の一例のイメージ図である。
図12】強化画面の一例のイメージ図である。
図13】強化画面の一例のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、ゲーム内のキャラクタ、武器、装備、アイテム、カードなどのゲーム内のコンテンツを抽選対象とする抽選機能の例を説明するが、ゲーム内のコンテンツに限定するものではない。本実施形態における抽選機能は、抽選対象であるコンテンツからユーザに付与する複数のコンテンツを抽選により選択する情報処理の一例である。
【0012】
[ゲームシステム]
まず、一実施形態に係るゲームシステム10について、図1を参照して説明する。図1は本実施形態に係るゲームシステム10の一例を示す図である。一実施形態に係るゲームシステム10は、クライアント20とサーバ30とがネットワーク40を介して通信可能に接続された構成である。
【0013】
クライアント20はユーザがゲームをプレイする情報処理端末の一例である。クライアント20は、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯電話機、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置等である。クライアント20はユーザからの操作をタッチパネル、コントローラ、マウス、キーボード等の入力装置で受け付け、操作に応じた画像を表示装置に表示してユーザにゲームをプレイさせる。クライアント20の個数は3つに限定されるものではなく、3つ以外であってもよい。
【0014】
サーバ30はクライアント20との間でデータを送受信することで、ゲームに必要な機能をクライアント20に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、図1に示したサーバ30の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。例えばサーバ30はクライアント20へのゲームプログラム(アプリケーション)などのダウンロード処理やユーザのログイン処理、ゲーム内のコンテンツを抽選対象とする抽選機能に関する処理、各種テーブルの管理などに利用される。
【0015】
図2は、クライアント20のハードウェア構成の一例を示す図である。クライアント20は、CPU(Central Processing Unit)121、記憶装置122、通信装置123、入力装置124、及び表示装置125を有する。CPU121は、クライアント20を制御する。記憶装置122は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。
【0016】
通信装置123は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置124は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。また、表示装置125はディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルはタッチパッドとディスプレイとを組み合わせることで実現される。
【0017】
図3は、サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ30は、CPU131、記憶装置132、及び通信装置133を有する。CPU131は、サーバ30を制御する。記憶装置132は、例えばROMやRAMなどのメモリ、HDDやSSDなどのストレージである。通信装置133は、通信を制御するネットワークカードなどの通信デバイスである。
【0018】
図4はクライアント20の機能構成の一例を示す図である。クライアント20は、記憶部21、クライアント制御部22、操作受付部23、出力制御部24、及びクライアント側通信部25を有する。記憶部21は、ゲームプログラム31などのプログラム、そのプログラムが利用するデータなどを記憶している。記憶部21は、記憶装置122により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0019】
クライアント制御部22はクライアント20の全体の制御を行う。クライアント20の全体の制御には、ユーザがプレイするゲーム全般に関する制御が含まれる。クライアント制御部22は、CPU121がゲームプログラム31に記載された処理を実行することにより実現される。クライアント制御部22は、ゲーム制御部35、画像生成部36、要求送信部37、及び結果受信部38を有する。
【0020】
ゲーム制御部35は、ユーザがプレイするゲームに関する制御を行う。画像生成部36は後述する抽選結果画面の画像など、ゲーム画面の表示に必要な画像を生成する。要求送信部37はユーザの操作に基づき、サーバ30にゲーム内のコンテンツを抽選対象とする抽選処理の要求を行うなど、各種処理の要求をサーバ30に対して行う。結果受信部38はサーバ30に対して行った抽選処理の要求に対する抽選結果など、各種処理の要求に対する結果を受信する。
【0021】
操作受付部23は入力装置124に対するユーザの各種操作を受け付ける。出力制御部24は表示装置125にゲーム画面及びゲーム音を出力する。なお、操作受付部23はCPU121が入力装置124を制御することで実現される。また、出力制御部24は、CPU121が表示装置125を制御することで実現される。
【0022】
ここで入力装置124に対するユーザの各種操作とは、CPU121に処理を実行させるため、ゲームをプレイするユーザが操作受付部23を操る操作をいう。操作受付部23はゲームをプレイするユーザから各種操作を受け付ける。クライアント制御部22は操作受付部23がユーザから受け付けた各種操作に基づき、ゲームを進行させる。
【0023】
出力制御部24は、クライアント制御部22が生成した画像データ及び音データに基づいて、ゲーム画面及びゲーム音を表示装置125に出力する。クライアント側通信部25はサーバ30と通信する。なお、クライアント側通信部25はCPU121がゲームプログラム31を実行し、ゲームプログラム31に従って通信装置123を制御することで実現される。
【0024】
図5は、サーバ30の機能構成の一例を示す図である。図5のサーバ30は、記憶部51、サーバ制御部52、及びサーバ側通信部53を有する。
【0025】
記憶部51は、サーバプログラム61、ゲームプログラム62、各種プログラムが利用するデータ、ユーザ情報テーブル63、コンテンツ情報テーブル64、ポイント還元率テーブル65、及び抽選確率テーブル66などを記憶している。記憶部51は記憶装置132により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0026】
ユーザ情報テーブル63は、クライアント20でゲームを行うユーザの情報が設定されている。ユーザ情報テーブル63は、クライアント20でゲームを行うユーザと、それぞれのユーザが所有しているゲーム内のコンテンツ(ユーザの所有コンテンツ)と、を対応付けるユーザ情報を管理している。
【0027】
コンテンツ情報テーブル64は、抽選対象であるゲーム内のコンテンツに関する情報を管理している。コンテンツに関する情報は、抽選対象であるゲーム内のコンテンツのレアリティ、レベル、コンテンツ名、能力、属性、画像など、そのコンテンツをゲーム内で利用するために必要な各種情報を含んでいる。
【0028】
コンテンツのレアリティは、コンテンツに付随する情報の一例であって、そのコンテンツのゲーム内における希少度、強さ、優秀さ等を表している。また、コンテンツのレベルはコンテンツに付随する情報の一例であって、そのコンテンツのゲーム内における強さの段階を表す数値等である。本実施形態において、コンテンツに付随する情報は、ゲーム内におけるコンテンツの価値を何らかの指標に基づいて分類する情報であればよい。
【0029】
ポイント還元率テーブル65は、後述のポイントへの変換に利用するポイント還元率を管理している。図6は本実施形態で利用するポイント還元率テーブル65の一例の構成図である。
【0030】
図6(A)及び図6(B)のポイント還元率テーブル65は、後述の連続抽選により選択された複数のゲーム内のコンテンツのうち、ポイントに変換可能なコンテンツをポイントに変換する場合に利用される。ポイントに変換可能なコンテンツは、例えば後述の連続抽選により選択された複数のゲーム内のコンテンツのうち、ユーザの所有コンテンツと重複しているコンテンツ(重複コンテンツ)である。また、ポイントに変換可能なコンテンツは、例えば後述の連続抽選により選択された複数のゲーム内のコンテンツに、ユーザの所有コンテンツと重複していない同一のコンテンツが複数含まれていた場合の、同一のコンテンツの一部である。
【0031】
以下では、ポイントに変換可能なコンテンツの一例として、連続抽選により選択された複数のゲーム内のコンテンツのうち、ユーザの所有コンテンツと重複しているコンテンツ(重複コンテンツ)の例を説明する。
【0032】
図6(A)のポイント還元率テーブル65は、変換対象のレアリティ及び変換ポイントを項目として有しており、重複コンテンツをポイントに変換するときのポイント還元率の情報を管理している。項目「変換対象のレアリティ」は、ポイントに変換する重複コンテンツのレアリティを識別する情報の一例である。項目「変換ポイント」は、項目「変換対象のレアリティ」で識別されるレアリティの重複コンテンツから変換されるポイントを示す情報の一例である。
【0033】
図6(B)のポイント還元率テーブル65も図6(A)のポイント還元率テーブル65と同様、重複コンテンツをポイントに変換する場合に利用される。図6(B)のポイント還元率テーブル65は、変換対象のレベル、及び変換ポイントを項目として有しており、重複コンテンツをポイントに変換するときのポイント還元率の情報を管理している。項目「変換対象のレベル」は、ポイントに変換する重複コンテンツのレベルを識別する情報の一例である。項目「変換ポイント」は、項目「変換対象のレベル」で識別されるレベルの重複コンテンツから変換されるポイントを示す情報の一例である。
【0034】
図6(A)及び図6(B)のポイント還元率テーブル65は、何れか一方を利用してもよいし、両方を利用してもよい。両方を利用する場合は、図6(A)及び図6(B)のポイント還元率テーブル65をそれぞれ利用してポイントに変換し、変換したポイントを合算して利用すればよい。
【0035】
例えばレアリティ「SSR」及びレベル「1」の重複コンテンツをポイントに変換する場合は、図6(A)及び図6(B)のポイント還元率テーブル65であれば、変換対象のレアリティ「SSR」に対応する変換ポイント「9」と、変換対象のレベル「1」に対応する変換ポイント「1」と、を合算して変換後のポイント「10」を算出する。
【0036】
このように、図6のポイント還元率テーブル65は、変換対象である重複コンテンツのレアリティ及びレベルの少なくとも一方から、変換後のポイントを算出するためのポイント還元率の情報を管理している。
【0037】
抽選確率テーブル66は、抽選機能が利用するゲーム内のコンテンツの抽選確率を管理している。抽選確率テーブル66は、例えばレアリティ、レベル、及びコンテンツ名などの情報と、排出確率と、を対応付けて、ゲーム内のコンテンツの抽選確率の情報を管理している。
【0038】
サーバ制御部52は、サーバ30の全体の制御を行う。サーバ制御部52は、CPU131がサーバプログラム61に記載された処理を実行することにより実現される。例えばサーバ制御部52は記憶部51に記憶されているゲームプログラム62、そのゲームプログラム62が利用するデータなどをクライアント20へダウンロードさせるダウンロード処理を行う。
【0039】
サーバ制御部52は、抽選部71、抽選結果提示部72、ポイント変換部73、コンテンツ強化部74、コンテンツ付与部75、要求受信部76、及び結果送信部77を有する構成である。
【0040】
抽選部71は、クライアント20からの抽選要求に従い、抽選対象のゲーム内のコンテンツの抽選処理を行い、抽選の結果として選択されたコンテンツ(当選したコンテンツ)の情報をクライアント20に応答する。なお、クライアント20からの抽選要求には、1回の抽選処理を要求する単発抽選要求と、複数回の抽選処理を要求する連続抽選要求と、が含まれる。本実施形態の当選したコンテンツを強化する処理は、後述するように、複数回の抽選処理を要求する連続抽選要求を、クライアント20から受け付けた場合に実行される。
【0041】
抽選結果提示部72は、抽選の結果として当選したコンテンツをクライアント20に表示して、ユーザに抽選の結果を提示する。抽選結果提示部72が表示する後述の抽選結果画面には、最初に、抽選部71による抽選の結果として当選したコンテンツの一覧が表示され、その表示内容が重複コンテンツのポイントへの変換により更新される。
【0042】
ポイント変換部73は、抽選部71による抽選の結果としてクライアント20に表示された複数のゲーム内のコンテンツ(当選したコンテンツ)の中から、ユーザがポイントへ変換する変換対象のコンテンツを選択した場合に、図6のポイント還元率テーブル65を利用して変換対象のコンテンツをポイントに変換する。
【0043】
コンテンツ強化部74は、当選したコンテンツの中からユーザが選択した強化を行うコンテンツ(強化対象のコンテンツ)の強化を、ポイント変換部73が変換対象のコンテンツから変換したポイントを使用して行う。なお、コンテンツ強化部74が行う強化対象のコンテンツに対する強化は、レベルの上昇、レアリティの上昇、能力の情報等である。
【0044】
また、コンテンツ強化部74が行う強化対象のコンテンツに対する強化には、画像を希少性のある特別な画像(例えば特別な武器を装備したキャラクタの画像、特別な衣装を着たキャラクタの画像、特別な状況のキャラクタの画像など)に変化させるなどの視覚的な強化などの内容も含まれてもよい。
【0045】
このように、本実施形態では、連続抽選において当選したコンテンツがユーザの所有コンテンツと重複してしまった場合であっても、重複コンテンツをポイントに変換し、当選したコンテンツの中からユーザが選択した強化対象のコンテンツの強化に使用することができるので、連続抽選の結果に対するユーザの満足度を高めることができる。
【0046】
なお、コンテンツ強化部74が行う強化対象のコンテンツに対する強化は、ユーザの所有コンテンツとして付与した後で行えない種類の強化であってもよい。このように、本実施形態に係る強化対象のコンテンツに対する強化が、ユーザの所有コンテンツとして付与した後で行えない種類の強化であれば、連続抽選の価値を高めることができる。
【0047】
コンテンツ付与部75は、当選したコンテンツの強化を終了して抽選の結果を確定する要求を受け付けると、確定した抽選の結果をユーザ情報テーブル63に反映させてユーザの所有コンテンツとして付与する。
【0048】
要求受信部76は、ユーザの操作に基づきクライアント20から送信された各種処理の要求を受信する。結果送信部77は、クライアント20から受信した要求に対して各種処理を行い、その処理の結果をクライアント20に送信する。
【0049】
また、サーバ側通信部53はクライアント20と通信する。サーバ側通信部53は、CPU131がサーバプログラム61を実行し、サーバプログラム61に従って通信装置133を制御することで実現される。
【0050】
なお、図4に示したクライアント20の機能構成、及び図5に示したサーバ30の機能構成は一例であって、例えば図5に示したサーバ30の機能構成の少なくとも一つが図4に示したクライアント20の機能構成に含まれていてもよい。つまり、図4及び図5に示した機能構成は、クライアント20又はサーバ30の何れか一方が有していればよい。
【0051】
[ゲーム動作]
以下では、抽選画面の連続抽選ボタンに対する押下操作など、ユーザから連続抽選の操作を受け付けた後の処理について説明する。
【0052】
図7は本実施形態に係る抽選機能に関する処理の一例のフローチャートである。サーバ30の抽選部71はステップS10において、ユーザの操作するクライアント20から連続抽選の要求を受け付ける。ステップS12において、抽選部71は抽選対象のゲーム内のコンテンツの抽選処理を、例えば10回などの所定回数、連続して実行する。
【0053】
ステップS12の連続抽選では、抽選確率テーブル66の排出確率に基づいて、抽選対象のゲーム内のコンテンツの中から、複数のコンテンツを抽選により選択する抽選処理を行う。抽選部71は連続抽選の結果として選択されたコンテンツの情報をクライアント20に応答する。
【0054】
ステップS14において、サーバ30の抽選結果提示部72はクライアント20に後述の抽選結果画面を表示させる。ステップS16において、抽選結果提示部72は連続抽選の結果として選択されたゲーム内のコンテンツ(当選したコンテンツ)の中に、ユーザの所有コンテンツと重複しているコンテンツ(重複コンテンツ)などのポイントに変換可能なコンテンツが含まれているか判定する。
【0055】
ステップS16において、当選したコンテンツの中にポイントに変換可能なコンテンツが含まれていると判定すると、抽選結果提示部72はステップS18の処理に進み、クライアント20に図8のような抽選結果画面1000を表示させる。
【0056】
図8は抽選結果画面1000の一例のイメージ図である。図8の抽選結果画面1000は当選したコンテンツの表示欄1002と、確定ボタン1008と、を含む。ユーザは確定ボタン1008を押下する操作を行うことで、表示欄1002に表示されている抽選の結果を確定する要求を行うことができる。ユーザは抽選の結果を確定する要求を行うことにより、表示欄1002に表示されている当選したコンテンツが付与される。
【0057】
また、図8の抽選結果画面1000は、表示欄1002に表示されている当選したコンテンツの中に、ユーザの所有コンテンツと重複しているコンテンツ(重複コンテンツ)が含まれていれば、重複コンテンツが視覚的に識別可能となるように表示される。図8の抽選結果画面1000では、上下2列となるように当選したコンテンツ一覧が表示欄1002に表示されており、そのコンテンツ一覧の上段の真ん中に位置するコンテンツが視覚的に識別可能となるように太線で表示されている。視覚的に識別可能となる表示は、太線以外にも、色、ハッチング、エフェクト、拡大など、様々、考えられる。
【0058】
また、図8の抽選結果画面1000は、表示欄1002に表示されている当選したコンテンツの中に、ユーザの所有コンテンツと重複しているコンテンツ(重複コンテンツ)が含まれていれば、重複コンテンツのポイントへの変換を提案する情報1004と、ユーザから重複コンテンツのポイントへの変換の有無の指示を受け付けるボタン1006とが表示される。
【0059】
ボタン1006のうち「はい」のボタンを押下する操作を行うことで、ユーザは表示欄1002に識別可能に表示されている重複コンテンツを、ポイントに変換する変換対象のコンテンツとして選択できる。ボタン1006のうち「いいえ」のボタンを押下する操作を行うことで、ユーザは表示欄1002に識別可能に表示されている重複コンテンツを、ポイント変換する変換対象のコンテンツとして選択しないこともできる。
【0060】
なお、図8の抽選結果画面1000は、当選したコンテンツの中に、重複コンテンツが1つ含まれている例である。当選したコンテンツの中に、ポイントに変換可能なコンテンツが複数含まれていれば、抽選結果提示部72はステップS18の処理に進み、クライアント20に図9のような抽選結果画面1000を表示させる。
【0061】
図9は抽選結果画面1000の一例のイメージ図である。図9の抽選結果画面1000は図8の抽選結果画面1000と同様に、当選したコンテンツの表示欄1002と、確定ボタン1008と、を含む。また、図9の抽選結果画面1000は、表示欄1002に表示されている当選したコンテンツの中に、3つの重複コンテンツが視覚的に識別可能となるように表示された例である。
【0062】
また、図9の抽選結果画面1000は重複コンテンツのポイントへの変換を提案する情報1004と、ユーザから重複コンテンツのポイントへの変換の有無の指示を受け付けるボタン1006と、に加えて、変換対象のコンテンツを選択するボタン1010が表示される。
【0063】
ユーザはボタン1010を押下する操作を行うことで、図9の表示欄1002に識別可能に表示されている3つの重複コンテンツから、ポイントに変換する一部の変換対象のコンテンツを選択できる例えば図10のような抽選結果画面1000を表示させる。
【0064】
図10は抽選結果画面1000の一例のイメージ図である。図10の抽選結果画面1000では、表示欄1002に表示された重複コンテンツの中から、変換対象のコンテンツとする重複コンテンツをタップするなど、変換対象のコンテンツを選択する操作を行うことができる。
【0065】
図10の抽選結果画面1000は、ユーザに変換対象として選択された重複コンテンツの上にチェックマーク1014が表示され、変換対象として選択中の重複コンテンツが分かりやすく表示されている。また、図10の抽選結果画面1000には、ユーザから変換対象の選択終了を受け付けるための選択終了ボタン1012が表示されている。ユーザは選択終了ボタン1012を押下する操作を行うことにより、表示欄1002で選択中のコンテンツを変換対象として選択できる。
【0066】
抽選結果画面1000から変換対象のコンテンツを選択したユーザの操作はサーバ30のポイント変換部73に通知される。ステップS20において変換対象のコンテンツの選択をユーザから受け付けたと判定すると、ポイント変換部73はステップS22の処理に進む。
【0067】
ステップS22において、ポイント変換部73は変換対象のコンテンツのレアリティやレベルなどの変換対象のコンテンツに付随する情報に基づき、例えば図6のポイント還元率テーブル65からポイントへの変換に利用するポイント還元率を読み出す。ポイント変換部73は読み出したポイント還元率を利用して、変換対象のコンテンツをポイントに変換する。ポイント変換部73は変換対象のコンテンツから変換したポイントの情報をクライアント20に応答する。
【0068】
ステップS24において、サーバ30の抽選結果提示部72はクライアント20に例えば図11の抽選結果画面1000を表示させる。図11は抽選結果画面1000の一例のイメージ図である。図11の抽選結果画面1000では、表示欄1002から変換対象として選択されていた重複コンテンツがポイントへの変換により消去されている。
【0069】
また、図11の抽選結果画面1000は表示欄1002に表示された当選したコンテンツの中から、ポイントにより強化する強化対象のコンテンツの選択をユーザから受け付けることができる。
【0070】
図11の抽選結果画面1000は、ユーザに強化対象として選択されたコンテンツの上にチェックマーク1014が表示され、強化対象として選択中のコンテンツが分かりやすく表示されている。また、図11の抽選結果画面1000には、ユーザから強化対象の選択終了を受け付けるための選択終了ボタン1016が表示されている。ユーザは選択終了ボタン1016を押下する操作を行うことにより、表示欄1002で選択中のコンテンツを強化対象として選択できる。
【0071】
抽選結果画面1000から強化対象のコンテンツを選択したユーザの操作はサーバ30の抽選結果提示部72に通知される。抽選結果提示部72はクライアント20に例えば図12の強化画面1100を表示させる。図12は強化画面1100の一例のイメージ図である。
【0072】
図12の強化画面1100では、強化対象のコンテンツの詳細情報と共に、ポイントにより強化される内容がユーザに分かりやすくなるように、ポイントによる強化前の情報と強化後の情報とが表示される。例えば図12の強化画面1100はポイントにより強化される内容の一例としてコンテンツのレベルが記載されている。
【0073】
また、図12の強化画面1100は、ポイントによる強化対象のコンテンツの強化実行の指示をユーザから受け付ける強化実行ボタン1102と、強化に使用するポイントを変更する指示をユーザから受け付ける使用ポイント変更ボタン1104と、が表示欄1106に表示される。
【0074】
強化実行ボタン1102を押下する操作を行うことで、ユーザはポイントによる強化対象のコンテンツの強化実行を指示できる。また、使用ポイント変更ボタン1104を押下する操作を行うことで、ユーザは強化に使用するポイントの変更を指示できる。
【0075】
強化画面1100からユーザが行った強化に使用するポイントの変更の指示は、サーバ30の抽選結果提示部72に通知される。抽選結果提示部72はクライアント20に例えば図13の強化画面1100を表示させる。図13は強化画面1100の一例のイメージ図である。図13の強化画面1100は表示欄1106に、その強化画面1100に詳細情報が表示されている強化対象のコンテンツに使用するポイントを選択する使用ポイント選択欄1108と、強化実行ボタン1110と、が表示されている。
【0076】
ユーザは使用ポイント選択欄1108にポイントを入力して強化実行ボタン1110を押下する操作を行うことで、使用ポイント選択欄1108に表示されているポイントによる強化対象のコンテンツの強化実行を指示できる。例えば図13の強化画面1100の例では変換対象のコンテンツから変換されたポイント「5」のうちのポイント「3」を使用して強化対象のコンテンツの強化実行を指示できる。
【0077】
また、ユーザは図12の強化実行ボタン1102を押下する操作を行うことで、変換対象のコンテンツから変換されたポイント全てによる強化対象のコンテンツの強化実行を指示できる。
【0078】
図12又は図13の強化画面1100からユーザが行った、ポイントによる強化対象のコンテンツの強化実行の指示は、サーバ30のコンテンツ強化部74に通知される。コンテンツ強化部74は、変換対象のコンテンツから変換されたポイントを使用して強化対象のコンテンツを強化する処理を行う。
【0079】
ステップS24~S28の処理は、変換対象のコンテンツから変換されたポイント全てが使用されるまで繰り返される。変換対象のコンテンツから変換されたポイント全てが使用されると、サーバ30はクライアント20から強化終了の指示を受け付け、ステップS30の処理に進む。
【0080】
クライアント20から強化終了の指示を受け付けたサーバ30のコンテンツ付与部75はステップS30に進み、抽選の結果を確定し、確定した抽選の結果をユーザ情報テーブル63に反映させてユーザの所有コンテンツとして付与する。
【0081】
なお、ステップS16において、当選したコンテンツの中にポイントに変換可能なコンテンツが含まれていないと判定した場合、抽選結果提示部72はステップS30の処理に進む。ステップS30において、コンテンツ付与部75は、当選したコンテンツをユーザ情報テーブル63に反映させてユーザの所有コンテンツとして付与する。
【0082】
ステップS20において、変換対象のコンテンツの選択をユーザから受け付けなかったと判定した場合も、抽選結果提示部72はステップS30の処理に進む。ステップS30において、コンテンツ付与部75は、当選したコンテンツをユーザ情報テーブル63に反映させてユーザの所有コンテンツとして付与する。
【0083】
以上、本実施形態によれば、ゲーム内のコンテンツを抽選対象とする抽選の結果に対するユーザの満足度を高める新たな仕組みを提供できる。
【0084】
開示した一実施形態のゲームシステム10、クライアント20及びサーバ30は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0085】
10 ゲームシステム
20 クライアント
21 記憶部
22 クライアント制御部
23 操作受付部
24 出力制御部
25 クライアント側通信部
30 サーバ
31 ゲームプログラム
35 ゲーム制御部
36 画像生成部
37 要求送信部
38 結果受信部
40 ネットワーク
51 記憶部
52 サーバ制御部
53 サーバ側通信部
61 サーバプログラム
62 ゲームプログラム
63 ユーザ情報テーブル
64 コンテンツ情報テーブル
65 ポイント還元率テーブル
66 抽選確率テーブル
71 抽選部
72 抽選結果提示部
73 ポイント変換部
74 コンテンツ強化部
75 コンテンツ付与部
76 要求受信部
77 結果送信部
1000 抽選結果画面
1100 強化画面
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