(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】水処理監視装置および撮像装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/00 20230101AFI20241213BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20241213BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20241213BHJP
H04N 23/52 20230101ALI20241213BHJP
【FI】
C02F1/00 A
C02F1/00 V
G03B15/00 U
G03B17/02
H04N23/52
(21)【出願番号】P 2021077449
(22)【出願日】2021-04-30
【審査請求日】2023-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】田村 将
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0223452(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110937649(CN,A)
【文献】特開平09-281100(JP,A)
【文献】特開2017-056392(JP,A)
【文献】特開2021-047039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/00
C02F1/52-1/56
B01D21/00-21/34
G03B17/00-17/58
H04N23/00-23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と、
前記水槽に貯留された水を撮像する撮像部と、
前記撮像部が収納され、開放された底面が前記貯留された水の水面と接触しない位置に配置された
、筒状の収納部材と
、
前記収納部材の側面に取り付けられ、前記貯留された水の水位変動に追従して前記底面が前記貯留された水の水面と接触しないように前記収納部材を動かす上下駆動機構を有し、
前記上下駆動機構は、前記貯留された水から受ける浮力を用いて前記収納部材を動かす水処理監視装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の水処理監視装置において、
前記水槽内の水を整流する整流部材を有し、
前記整流部材は、前記収納部材の下方であって、当該整流部材によって整流された水を前記撮像部が撮像可能な位置に配置される水処理監視装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の水処理監視装置において、
前記整流部材は、上端および下端が開放された筒状である水処理監視装置。
【請求項4】
請求項
3に記載の水処理監視装置において、
前記上下駆動機構は、前記整流部材の側面に取り付けられている水処理監視装置。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか1項に記載の水処理監視装置において、
前記水槽に固定され、前記収納部材の水平方向への動きを抑制する抑制部材を有する水処理監視装置。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか1項に記載の水処理監視装置において、
前記撮像部は、撮像した画像を示す信号を、前記水槽に凝集剤を添加する添加装置を制御する制御装置へ送信する水処理監視装置。
【請求項7】
水槽に貯留された水を撮像する撮像部が収納され、該撮像部が撮像する方向の端面が開放された
、筒状の収納部材と、
前記収納部材の側面に取り付けられ
、前記貯留された水の水位変動に追従して前記端面が前記貯留された水の水面と接触しないように、前記貯留された水から受ける浮力を用いて前記収納部材を動かす上下駆動機構と、
両端部が開放された筒状の整流部材とを有し、
前記上下駆動機構は、前記整流部材の側面に取り付けられ、
前記整流部材は、一方の端部が前記収納部材の前記開放された端部と対向し、該端部から離れて設けられている撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理監視装置および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浄水場や下水処理場、その他の排水処理設備においては、被処理水に凝集剤を添加し、被処理水中の懸濁物質(SS)を凝集させてフロックを形成させ、フロックを沈殿分離や浮上分離等で分離する処理が行われている。一般的には、分離した沈殿物や浮遊物の状態を分析し、その分析結果に基づいて、凝集剤の添加を制御する。浮遊物の状態を判定するために、例えば、下端が開放された筒部材に撮影手段を取り付け、その下端を水中に浸漬させて液面を撮影する装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような技術においては、撮影手段が取り付けられた筒部材の下端が水に浸漬されているため、水に含まれる浮遊物等が筒部材に付着する。より鮮明な画像を撮影するには筒部材に付着した浮遊物等を取り除く必要がある。付着した浮遊物等を取り除くためには、筒部材を一度水中から取り出さなければならない。そのため、連続した画像を撮像することができないという問題点がある。連続した画像を撮像することができないと、撮像していない期間の水の状態を取得することができず、より正確な水の状態を得ることができない。
【0005】
本発明の目的は、連続した画像を撮像することができる水処理監視装置および撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の水処理監視装置は、
水槽と、
前記水槽に貯留された水を撮像する撮像部と、
前記撮像部が収納され、開放された底面が前記貯留された水の水面と接触しない位置に配置された収納部材とを有する。
【0007】
また、本発明の撮像装置は、
撮像部が収納され、該撮像部が撮像する方向の端面が開放された収納部材と、
前記収納部材の側面に取り付けられた上下駆動機構と、
両端部が開放された筒状の整流部材とを有し、
前記上下駆動機構は、前記整流部材の側面に取り付けられ、
前記整流部材は、一方の端部が前記収納部材の前記開放された端部と対向し、該端部から離れて設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、連続した画像を撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の水処理監視装置の実施の一形態を示す図である。
【
図2】
図1に示した水槽に対して撮像装置が配置される位置の一例を示す図である。
【
図3】
図1に示した撮像装置の構成の詳細を示す図である。
【
図6】
図4に示したA-A’の断面における固定部材の収納部材および整流部材への取り付けの部分の詳細の一例を示す図である。
【
図7】
図3に示した整流部材の構造の一例を示す図である。
【
図8】本形態における水処理監視装置に設けられた送気機構の一例を示す図である。
【
図9】
図8に示した送気機構が撮像面に空気を当てる様子の一例を示す図である。
【
図10】本形態における収納部材の他の形状の一例を示す図である。
【
図11】
図2に示した抑制部材の機能を説明するための図である。
【
図12】本形態における収納部材の他の形状の一例を示す図である。
【
図13】本発明の水処理監視装置の適用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の水処理監視装置の実施の一形態を示す図である。本形態における水処理監視装置は
図1に示すように、撮像装置100と、水槽200とを有する。水槽200は、原水である被処理水が流入し、流入された被処理水を貯留する貯留槽である。水槽200に貯留された被処理水は、凝集剤が添加されて凝集水として流出される。水槽200に貯留される被処理水は、懸濁物質等の凝集剤によって不溶化したい物質を含むものであれば良い。撮像装置100は、水槽200に貯留された水を撮像する。
【0012】
図2は、
図1に示した水槽200に対して撮像装置100が配置される位置の一例を示す図である。
図3は、
図1に示した撮像装置100の構成の詳細の一例を示す図である。なお、
図3には、
図1に示した撮像装置100が有する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示している。
【0013】
図1に示した水槽200には
図2に示すように、抑制部材300が固定されている。抑制部材300は、撮像装置100の水平方向への動きを抑制する。撮像装置100の水平方向への動きの抑制は、例えば、撮像装置100が水槽200の内壁面に当接しないようにするためでもある。抑制部材300は、撮像装置100の鉛直方向(上下方向)への動きは許容する。また、抑制部材300は1か所だけでなく、複数か所に設けられていても良い。
図1に示した撮像装置100は
図3に示すように、撮像部110と、収納部材120と、複数の浮体130と、固定部材140-1,140-2と、整流部材150とを有する。浮体130と固定部材140-1,140-2とから上下駆動機構160を構成する。
【0014】
撮像部110は、水槽200に貯留された水を所定のタイミングで撮像する。撮像部110は、画像センサであっても良い。撮像部110は、水槽200内の水の画像をあらかじめ設定された時間間隔以下の時間間隔で撮像するカメラ(例えば、動画撮像用カメラ)であっても良い。撮像部110は、水槽200に貯留された水のうち、整流部材150によって整流された(流れが堰き止められた)水のフロックの凝集状態を撮像する。撮像部110は、撮像した画像を示す画像信号を外部の装置へ送信する。この外部の装置とは、例えば、水槽200に凝集剤を添加する添加装置を制御する制御装置である。撮像部110は、水槽200に貯留された水のフロックの凝集状態を判別できるものであれば良いが、外部の装置とともにフロックのエッジピクセル数を検出できるものが望ましい。
【0015】
収納部材120は、撮像部110を収納する。撮像部110は、収納部材120内に固定されている。収納部材120は、その下端(底面)が開放されている筒状の形状である。収納部材120は、開放された下端(底面)が水槽200に貯留された水の水面10と接触しない位置に配置されている。上下駆動機構160は、水槽200に貯留された水の水位変動に追従して収納部材120の下端(底面)が水面10と接触しないように収納部材120を上下方向に動かす。このとき、上下駆動機構160は、水槽200に貯留された水から受ける浮力を用いて収納部材120を動かす。整流部材150は、水槽200内の水を整流する。つまり、整流部材150は、水槽200内の水の流れを堰き止める。そのため、整流部材150は水中に位置するように配置される。整流部材150は、収納部材120の下方であって、整流部材150によって整流された水を撮像部110が撮像可能な位置に配置される。水槽200内では、被処理水が外部から流入され、流入された被処理水に対して凝集剤が添加され、攪拌されるため、被処理水には流れが生じる。強い流れが生じている水の凝集状態を撮像部110が撮像すると、その結果が安定しない。そこで、整流部材150がその流れを堰き止める。整流部材150の形状は、例えば、上端および下端が開放された筒状である。上下駆動機構160を構成する浮体130は、固定部材140-1,140-2に固定されている。固定部材140-1は、収納部材120の側面に取り付けられている。固定部材140-2は、整流部材150の側面に取り付けられている。
【0016】
図4は、
図3に示した撮像装置100の上面図である。
図5は、
図3に示した撮像装置100の斜視図である。なお、
図3では撮像装置100の正面から見て浮体130が収納部材120の左右に1つずつ設けられている場合を例に挙げて示しているが、
図4および
図5では、その機構が理解しやすいように収納部材120の周りに浮体130が4つ設けられている場合を例に挙げて示している。浮体130の数は限定しない。また、
図4および
図5では、収納部材120および浮体130それぞれの形状が円柱状である場合を例に挙げて示しているが、円柱状に限らず、例えば角柱状等であっても良い。
図4および
図5に示すように、撮像部110を収納した収納部材120の外側に、収納部材120の断面とほぼ同心円となる円盤状の固定部材140-1が取り付けられている。固定部材140-1には、複数の浮体130が取り付けられている。
図4には、図示していないが、同様に整流部材150の外側に、整流部材150の断面とほぼ同心円となる円盤状の固定部材140-2が取り付けられている。固定部材140-1に取り付けられた複数の浮体130は固定部材140-2にも取り付けられている。浮体130は、上下駆動機構160が水槽200に貯留された水の浮力によって、収納部材120の下端(底面)が水面10に接触しない位置になるように撮像装置100を浮かせる構造を有する。浮体130の材料は、軽く、水に溶解したり、水中で腐食したりしない材質であって、内部に浮力を得るための空洞を形成できるものであれば良い。浮体130は、例えば、配管部材として用いられる塩化ビニルを材料とし、筒状の塩化ビニルの部材の両端を板状の塩化ビニルで塞いで、空洞を形成させたものでも良い。固定部材140-1,140-2の形状は限定しない。また、固定部材140-1と固定部材140-2とが互いに異なる形状であっても良い。
【0017】
図6は、
図4に示したA-A’の断面における固定部材140-1の収納部材120への取り付けおよび固定部材140-2の整流部材150への取り付けの部分の詳細の一例を示す図である。
図6に示すように、収納部材120の側面には耳部材121が設けられており、また、整流部材150には耳部材151が設けられており、耳部材121,151と固定部材140-1,140-2とがボルト170を用いて固定されている。
図6に示した耳部材121,151は、他の図では省略している。なお、固定部材140-1の収納部材120への取り付け構造および固定部材140-2の整流部材150への取り付け構造については、
図6に示したものに限らない。
【0018】
図7は、
図3に示した整流部材150の構造の一例を示す図である。
図3に示した整流部材150には
図7に示すように、筒状であって、側面に複数の孔部152が設けられている。この孔部152は、整流部材150内の水の入れ替わりを促すためのものである。孔部152が設けられている位置が、水中の位置であることは言うまでもない。整流部材150の上下方向の好ましい長さは、水槽200の高さや水の水深に応じて設定される。また、孔部152の総面積は、整流部材150の外側の表面積(側面積)のうち、3~6%の面積が好ましい。また、孔部152の数は2~16個程度が好ましく、整流部材150の1か所に偏らないように設けられる。
図7では、整流部材150の形状が円柱状である例を挙げて示したが、水流を抑制できるものであれば、角柱等の異なる形状の筒であっても良い。
【0019】
また、本形態における水処理監視装置は送気機構を有する。
図8は、本形態における水処理監視装置に設けられた送気機構の一例を示す図である。
図8に示すように、送気機構400は、収納部材120の外部から空気を撮像部110の撮像面111へ送り込む。撮像面111とは、撮像部110が被写体を撮像するレンズの表面である。また、送気機構400が撮像部110の撮像面111へ空気を当てる際、撮像面111に対して所定の角度から当てることが好ましい。
【0020】
図9は、
図8に示した送気機構400が撮像面111に空気を当てる様子の一例を示す図である。
図9に示すように、送気機構400は外部から取り込んだ空気を撮像面111へ送り込む。このとき、送気機構400が撮像面111に空気を当てる角度Θは撮像範囲に対して、送気機構400が映り込まないような角度が好ましい。このように、撮像面111に空気を送り込んで当てることで、撮像面111の表面に付着した汚れを排除することができ、撮像部110が鮮明な画像を撮像することができる。また、送気機構400が送風する気体の種類は特に限定しない。送気機構400が送風する気体は、例えば、費用対効果の観点から、空気が望ましく、結露防止の観点から乾燥空気を用いることがより望ましい。
【0021】
図10は、本形態における収納部材の他の形状の一例を示す図である。
図10に示した収納部材122は、
図3に示した収納部材120とは異なり、上端に近い部分は筒状になっているが、下端(底面)に近付くにつれてその断面が広くなる(裾が広がっていく)構造となっている。このような構造であっても、撮像部110を収納できる構造であれば適用可能である。収納部材122を
図10に示した構造とすることで、水面上部の撮像部110以外の構造物の水面への映り込みを防ぐことができ、かつ、収納部材122の軽量化を図ることができる。これにより、浮体130の容量を小さくすることができる。
【0022】
図11は、
図2に示した抑制部材300の機能を説明するための図である。
図2に示した抑制部材300は
図11に示すように、水槽の壁部210に固定されている。その固定方法は特に限定しない。上述したように、抑制部材300は、収納部材120の鉛直方向(上下方向)への動きを許容し、水平方向への動きを抑制する。抑制部材300がこの機能を果たすものであれば、その形状は特に限定しない。例えば、抑制部材300は、収納部材120が貫通するリング状の部材と、そのリング状の部材と水槽の壁部210とを固定する柱状または板状の部材とから構成されても良い。リング状の部材の内径は、収納部材120の外径よりも大きい。ただし、その差があまりにも大きいと収納部材120が水槽200に対して水平方向に動いてしまうおそれがある。そのため、収納部材120の水平方向の動きを抑制し、かつ上下方向に動くことができるリング状の部材の内径をあらかじめ算出して、算出した内径のものを使用する。なお。抑制部材300の収納部材120側の形状は、収納部材120の形状に応じたものであれば良く、リング状に限定しない。なお、抑制部材300を固定する部分は壁部210に限定しない。例えば、水槽内に柱などの躯体が固定されている場合、抑制部材300はその固定された柱などの躯体に固定されていても良い。
【0023】
図12は、本形態における収納部材の他の形状の一例を示す図である。
図12に示した収納部材123は、
図3に示した収納部材120や
図10に示した収納部材122とは異なり、筒状ではなく、半球形である。
図12に示した収納部材123も、その底面が開放されており、収納された撮像部110が水面を撮像できる構造である。収納部材123は、
図3に示した収納部材120や
図10に示した収納部材122と同様に、その底面が水槽200に貯留された水の水面10と接触しない位置に配置されている。
【0024】
収納部材は、
図3に示した収納部材120、
図10に示した収納部材122および
図12に示した収納部材123それぞれの形状に限らず、その下端(底面)が開放されており、底面が水面10と接触しない位置に配置されるものであれば良い。また、収納部材は、撮像部110の下方向以外から光が入らない構造である。
【0025】
図13は、本発明の水処理監視装置の適用例を示す図である。これまでに説明した撮像装置100と水槽200とを有する本発明の水処理監視装置は
図13に示すように、制御装置500と、添加装置600と、凝集剤700と、攪拌器800とを有する水処理システムにて使用される。
【0026】
撮像装置100は、水槽200に貯留された水に添加装置600から凝集剤700が添加された水の凝集状態を撮像する。添加装置600は、水槽200に貯留された水に凝集剤700を添加する。添加装置600は、制御装置500からの指示に基づいた量の凝集剤700を水に添加する。攪拌器800は、水槽200内の水を攪拌する。凝集剤700は、アルミニウム系(PAC、硫酸バンド等)、鉄系(ポリ鉄、塩化第二鉄)、高分子凝集剤(ポリマー)等が多く使われるが、特に限定しない。
【0027】
制御装置500は、撮像装置100から送信されてきた画像信号が示す画像から凝集状態を判定し、判定した凝集状態に基づいて、添加装置600が添加する凝集剤700の添加量を制御する。制御装置500は、撮像装置100から送信されてきた画像信号に基づいて、フロックのエッジピクセル数を検出し、得られたエッジピクセル数に基づいて、凝集剤注入ポンプである添加装置600に対して凝集剤700の添加量を指示する出力信号を制御する。より具体的には、制御装置500は、撮像装置100から送信されてきた画像信号が示すデジタル画像を画像処理し、エッジ画像とする。制御装置500は、エッジ画像中の互いに隣接する画素の色差が閾値以上である画素をエッジとして検出し、エッジとして検出された画素数をエッジ数として算出する。このとき、制御装置500は、最適なフロックの状態をマスター画像(例えば、エッジ数100%とした画像)として、あらかじめ記録しておき、撮像装置100から送信されてきた画像信号が示すデジタル画像とマスター画像との相対値を各機器への出力信号とするのが望ましい。制御装置500は、エッジ数を電気信号に変換し、添加装置600等の各薬品注入ポンプへ出力する。
【0028】
図13に示した適用例は、反応槽での設置例であるが、ポリマーを添加する凝集槽等、どこに設置しても構わない。槽内のタイムラグを考慮すると、反応槽に設置することが望ましい。また、本発明の水処理監視装置を設置する水処理装置は、凝集沈殿や凝集加圧浮上等、凝集を含む装置であれば良く、特に限定しない。
【0029】
このように、本発明においては、撮像部110を収納する収納部材120は、水槽200に貯留された水の水面よりも上方にあり、フロートである上下駆動機構160により水位変動に追従する。そのため、収納部材120の下端である底面に汚れが堆積しにくい。これにより、水処理監視装置の洗浄頻度を低減することができ、長時間の安定した撮影が可能となる。また、上下駆動機構160が水位変動に追従することで、撮像部110と水面との間の距離が一定に保たれる。そのため、撮像部110のピントがずれることなく、常に安定した撮影が可能となる。また、撮像部110の撮影部分に空気を送ることで撮影部分の曇りや汚れを防ぎ、撮像部110の洗浄頻度を低減することができる。そのため、長時間の安定した撮影が可能となる。このように、本発明においては、連続した画像を撮像することができる。
【符号の説明】
【0030】
10 水面
100 撮像装置
110 撮像部
111 撮像面
120,122,123 収納部材
121,151 耳部材
130 浮体
140-1,140-2 固定部材
150 整流部材
152 孔部
160 上下駆動機構
170 ボルト
200 水槽
210 水槽の壁部
300 抑制部材
400 送気機構
500 制御装置
600 添加装置
700 凝集剤
800 攪拌器