(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】コンパクト容器
(51)【国際特許分類】
A45D 33/00 20060101AFI20241213BHJP
A45D 33/12 20060101ALI20241213BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
A45D33/00 650E
A45D33/12
A45D34/04 540
A45D34/04 560
(21)【出願番号】P 2021194881
(22)【出願日】2021-11-30
【審査請求日】2024-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】本間 友梨
(72)【発明者】
【氏名】水嶋 博
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-214095(JP,A)
【文献】特開2005-296668(JP,A)
【文献】特開2005-319300(JP,A)
【文献】実開昭58-091312(JP,U)
【文献】実開平03-119315(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0017645(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 33/00 - 34/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を中心とする有底筒状をなし、内容物が収容される容器本体と、
前記容器本体と前記中心軸回りに回転自在とされた中栓と、
前記容器本体内に配置され、前記中栓に回転自在に保持されるボール体と、を備え、
前記中栓は、
前記ボール体の上部を前記中栓の上側に露出させる上孔と、
前記ボール体の下部を前記中栓の下側かつ前記容器本体内に露出させる下孔と、
前記上孔と前記下孔とを連通し前記ボール体を保持する連通孔と、
前記容器本体の内面に摺動自在に接触するワイパー部と、を有する、
コンパクト容器。
【請求項2】
前記ボール体は、前記ボール体の表面に凹状または凸状に形成された内容物保持部を有する、
請求項1に記載のコンパクト容器。
【請求項3】
前記容器本体は、内部が視認可能な透過部を有する、
請求項1または2に記載のコンパクト容器。
【請求項4】
前記ワイパー部は、弾性変形可能であり、前記容器本体の内面のうち周壁及び底壁にわたって接触するように湾曲して延びる、
請求項1から3のいずれか1項に記載のコンパクト容器。
【請求項5】
前記容器本体の上側に配置される蓋体を備え、
前記蓋体は、前記中栓を径方向外側から覆い、前記中心軸回りに回動可能な回動蓋部を有し、
前記回動蓋部を回動させることで、前記蓋体は開閉可能であり、
前記回動蓋部と前記中栓とが、前記中心軸回りに供回りするように構成された、
請求項1から4のいずれか1項に記載のコンパクト容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料等の内容物を収容するコンパクト容器が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の気密容器は、容器本体の収容空間に流動性を有する内容物が収容されており、容器本体の連通空間内には、ボール体が回転可能に収容されている。内容物を取り出す際は、パフ等をボール体に上側から押し付けボール体を回転させることで、ボール体の表面に付着した内容物がパフ等に付着する。これにより、内容物を容器本体の外部に取り出すことができる。
【0003】
特許文献1によれば、ボール体を用いて内容物をパフ等に移すため、内容物の取り出し量を一定に維持しやすく、内容物を使い終えるまで同じ使用感を得やすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ボール体を保持するためのカバー部材(中栓)が収容空間を上側から覆っており、収容空間の外周部(隅部)などに内容物が残留したままであっても、使用者が気付きにくい。このため、内容物が使い残されて無駄になる場合がある。
【0006】
本発明は、容器本体の内容物が使い残されることを抑えて、内容物を無駄なく使用できるコンパクト容器を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコンパクト容器の一つの態様は、中心軸を中心とする有底筒状をなし、内容物が収容される容器本体と、前記容器本体と前記中心軸回りに回転自在とされた中栓と、前記容器本体内に配置され、前記中栓に回転自在に保持されるボール体と、を備え、前記中栓は、前記ボール体の上部を前記中栓の上側に露出させる上孔と、前記ボール体の下部を前記中栓の下側かつ前記容器本体内に露出させる下孔と、前記上孔と前記下孔とを連通し前記ボール体を保持する連通孔と、前記容器本体の内面に摺動自在に接触するワイパー部と、を有する。
【0008】
本発明によれば、容器本体に対して中栓を中心軸回りに回転させることで、中栓のワイパー部が容器本体の内面と摺接し、該内面に付着した内容物を掻き取ることができる。すなわち、中栓を回転させる簡単な操作により、容器本体の内部で内容物の移動を促すことができる。このため、内容物がボール体に付着しやすくなって、容器本体内から取り出されずに隅部などに残留するようなことが抑制される。
したがって、本発明のコンパクト容器によれば、容器本体の内容物が使い残されることを抑えて、内容物を無駄なく使用できる。
【0009】
前記コンパクト容器において、前記ボール体は、前記ボール体の表面に凹状または凸状に形成された内容物保持部を有することが好ましい。
【0010】
この場合、凹状または凸状の内容物保持部によって、ボール体の表面積が大きくなったり、内容物を捉えやすくなったりするため、ボール体の表面に内容物を保持しやすい。このため、ボール体の表面に付着した内容物を効率よく容器外部に取り出すことができる。
【0011】
前記コンパクト容器において、前記容器本体は、内部が視認可能な透過部を有することが好ましい。
【0012】
この場合、使用者が、透過部を通して容器本体の外部から内容物の残量を視認できる。また、容器本体の内面をワイパー部が摺動して内容物を掻き取るため、透過部を通して内容物の残量を確認しやすい。
【0013】
前記コンパクト容器において、前記ワイパー部は、弾性変形可能であり、前記容器本体の内面のうち周壁及び底壁にわたって接触するように湾曲して延びることが好ましい。
【0014】
この場合、ワイパー部が、容器本体の周壁、底壁及びこれらの接続部(隅部に相当)の各内面にわたって密着するように接触させられる。このため、容器本体の内面に付着した内容物を広範囲にかつ安定して掻き取ることができる。
【0015】
前記コンパクト容器は、前記容器本体の上側に配置される蓋体を備え、前記蓋体は、前記中栓を径方向外側から覆い、前記中心軸回りに回動可能な回動蓋部を有し、前記回動蓋部を回動させることで、前記蓋体は開閉可能であり、前記回動蓋部と前記中栓とが、前記中心軸回りに供回りするように構成されたことが好ましい。
【0016】
この場合、蓋体を開閉する際、回動蓋部を中心軸回りに回動操作すると、回動蓋部と一緒に中栓が中心軸回りに回動して、ワイパー部で容器本体の内面に付着した内容物を掻き取ることができる。すなわち、蓋体を開閉させるという通常使用時の操作にともなって、容器本体の内面に付着した内容物の移動を促すことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の前記態様のコンパクト容器によれば、容器本体の内容物が使い残されることを抑えて、内容物を無駄なく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本実施形態のコンパクト容器を示す断面図であり、蓋体の閉状態かつ中蓋の閉状態を表す。
【
図2】
図2は、本実施形態のコンパクト容器を示す断面図であり、蓋体の開状態かつ中蓋の閉状態を表す。なお、蓋体の一部及び内容物取出し具の図示を省略している。
【
図3】
図3は、本実施形態のコンパクト容器を示す上面図であり、蓋体の開状態かつ中蓋の開状態を表す。なお、内容物取出し具の図示を省略している。
【
図6】
図6は、
図1のVI-VI断面図である。なお、外ヒンジ近傍の図示は省略している。
【
図7】
図7は、本実施形態のコンパクト容器を示す側面図であり、蓋体の開状態を表す。なお、蓋体の一部、中蓋及び内容物取出し具の図示は省略している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態のコンパクト容器1について、
図1~
図7を参照して説明する。
本実施形態のコンパクト容器1は、例えば化粧料等の内容物Cを収容する携帯可能な蓋付容器であり、平面視で円形状をなす扁平容器である。内容物Cは、流動性を有しており、例えば液状、ゲル状、ゼリー状等である。なお
図1、
図4及び
図6においては、内容物Cの図示を省略している。
【0020】
図1に示すように、コンパクト容器1は、中心軸Oを中心とする有底筒状をなし、内容物Cが収容される容器本体2と、容器本体2と中心軸O回りに回転自在とされた中栓3と、容器本体2内に配置され、中栓3に回転自在に保持されるボール体4と、中蓋5と、内ヒンジ8と、蓋体6と、外ヒンジ7と、内容物取出し具9と、を備える。容器本体2、中栓3、中蓋5及び蓋体6は、コンパクト容器1の中心軸Oを共通軸として、互いに同軸に配置される。なお中心軸Oは、容器軸Oと言い換えてもよい。
【0021】
本実施形態では、中心軸Oが延びる方向、つまり中心軸Oと平行な方向を上下方向と呼ぶ。
図1において、上下方向のうち、容器本体2から蓋体6へ向かう方向を上側と呼び、蓋体6から容器本体2へ向かう方向を下側と呼ぶ。
上下方向から見た平面視で、中心軸Oと直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向のうち、中心軸Oに近づく方向を径方向内側と呼び、中心軸Oから離れる方向を径方向外側と呼ぶ。
中心軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。
【0022】
容器本体2は、有底の円筒状である。容器本体2は、周壁21と、底壁22と、接続部23と、摺動溝24と、雄ネジ部25と、段部26と、透過部27と、を有する。
【0023】
周壁21は、中心軸Oを中心とする円筒状である。底壁22は、中心軸Oを中心とする円板状である。本実施形態では、周壁21の径方向に沿う寸法(壁厚)が、底壁22の上下方向に沿う寸法(壁厚)よりも大きい。
【0024】
接続部23は、周壁21の下端部と底壁22の外周端部とを接続する壁部である。接続部23の内面は、容器本体2の内面のうち、周壁21と底壁22との間に位置する隅部に相当する。接続部23の内面は、凹曲面状である。詳しくは、
図1に示すように、中心軸Oに沿う断面視(縦断面視)において、接続部23の内面は、下側へ向かうに従い径方向内側に向けて延びる凹曲線状である。
【0025】
摺動溝24は、周壁21の上端面から下側に窪み、周方向に延びる。摺動溝24は、中心軸Oを中心とする円形リング状の溝である。
雄ネジ部25は、周壁21の外周面に配置される。
【0026】
段部26は、周壁21の内周面の上部に配置される。段部26は、周壁21の内周面のうち上部以外の部分よりも径方向外側に窪む。また段部26は、周壁21の上端面から下側に窪む。段部26は、中心軸Oを中心とする環状である。
【0027】
図6及び
図7に示すように、容器本体2は、内部が視認可能な透過部27を有する。透過部27は、透明または半透明の樹脂やガラス等の材質により構成される。透過部27は、容器本体2の壁部を透過する。透過部27は、容器本体2の外面から内面にわたって延びる。このため使用者は、容器本体2の外部から、透過部27を通して容器本体2の内部を視認可能である。本実施形態では透過部27が、容器本体2の外面と内面との間を径方向に延びる。
【0028】
本実施形態では透過部27が、容器本体2の壁部のうち接続部23に配置される。すなわち、透過部27は、接続部23の外面から内面にわたって延びる。また、透過部27の周方向の寸法は、透過部27の上下方向の寸法よりも大きい。
【0029】
透過部27は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では透過部27が、中心軸Oを中心として180°回転対称となる位置に2つ設けられる。すなわち、複数の透過部27は、周方向に等ピッチで配置される。
【0030】
図1に示すように、中栓3は、容器本体2の上部開口を覆うように配置される上部材31と、上部材31の下側に配置される下部材32と、を有する。上部材31及び下部材32はそれぞれ、中心軸Oを中心とする略円板状である。上部材31と下部材32とは、アンダーカット嵌合等により互いに固定される。
【0031】
上部材31は、天板部33と、摺動リブ34と、シール筒35と、ワイパー部36と、第1係止部37と、下部材保持筒38と、ボール囲繞筒39と、ボール上保持筒40と、上孔41と、を有する。
【0032】
天板部33は、容器本体2の周壁21及び底壁22の上側に配置される。天板部33は、容器本体2に収容される内容物Cを上側から覆う。天板部33は、外周壁部33aと、カバー壁部33bと、を有する。
【0033】
外周壁部33aは、天板部33の外周部に配置される。外周壁部33aは、中心軸Oを中心とする円環板状である。外周壁部33aは、周壁21の上側に配置される。外周壁部33aの下面は、周壁21の上端面と摺動自在に接触する。
【0034】
図3及び
図4に示すように、外周壁部33aは、切欠き部33cを有する。切欠き部33cは、外周壁部33aのうち、中心軸Oを間に挟んで内ヒンジ8とは反対側に位置する部分に配置される。切欠き部33cは、外周壁部33aの上面と外周面とを切り欠くように形成される。切欠き部33cは、径方向外側へ向かうに従い下側に位置する傾斜面状である。
【0035】
図1に示すように、カバー壁部33bは、外周壁部33aの径方向内側に配置される。カバー壁部33bは、中心軸Oを中心とする円板状である。カバー壁部33bは、底壁22から上側に離れて配置される。カバー壁部33bは、周壁21の径方向内側に位置しており、径方向から見て周壁21と重なる。カバー壁部33bは、容器本体2に収容される内容物Cを上側から覆う。
【0036】
カバー壁部33bの外周部は、外周壁部33aの内周面の下端部と接続される。カバー壁部33bの外周部は、外周壁部33aとの接続部分から径方向内側へ向かうに従い、下側に向けて延びる。本実施形態では、
図1に示す縦断面視で、カバー壁部33bの外周部が湾曲状に延びる。詳しくは、この縦断面視において、カバー壁部33bの外周部の上面が、凹曲線状をなす。カバー壁部33bのうち外周部以外の部分は、中心軸Oと垂直な方向に広がる平板状である。
【0037】
摺動リブ34は、外周壁部33aの下面から下側に突出し、周方向に延びる。摺動リブ34は、中心軸Oを中心とする円筒状である。摺動リブ34は、摺動溝24に挿入される。摺動リブ34は、摺動溝24と周方向に摺動自在に嵌合する。摺動リブ34は、アンダーカット嵌合により、摺動溝24から上側への抜け出しが規制されている。
【0038】
シール筒35は、外周壁部33aの下面の内周部から下側に突出する。シール筒35は、中心軸Oを中心とする円筒状である。シール筒35は、摺動リブ34よりも径方向内側に配置される。シール筒35は、段部26の内周面に嵌合する。
【0039】
図5に示すように、ワイパー部36は、カバー壁部33bの下面の外周部から下側に突出する。すなわち、ワイパー部36は、天板部33から下側に延びる。ワイパー部36は、上下方向に延びる板状であり、弾性変形可能である。ワイパー部36は、周方向に並んで複数設けられる。
図6に示すように、本実施形態ではワイパー部36が、周方向に互いに間隔をあけて、等ピッチで6つ配置される。
【0040】
図1に示すように、中栓3が容器本体2に取り付けられた状態で、ワイパー部36は、容器本体2の内面と接触することで弾性変形させられ、容器本体2の内面形状に沿うようにJ字状に延びる。詳しくは、ワイパー部36は弾性変形により、容器本体2の内面のうち、周壁21の段部26より下側に位置する部分、接続部23、及び底壁22の外周部にわたって、密着させられるように接触する。つまりワイパー部36は、容器本体2の内面のうち周壁21及び底壁22にわたって接触するように湾曲して延びる。ワイパー部36は、容器本体2の内面に摺動自在に接触する。
【0041】
またワイパー部36は、容器本体2の内面のうち、透過部27が配置される部分(本実施形態では接続部23)に摺動自在に接触する。このため、透過部27は、容器本体2の内面のうちワイパー部36が摺動する部分と、容器本体2の外面とにわたって延びる。
【0042】
図1及び
図6に示すように、ワイパー部36は、ワイパー本体36aと、掻取りリブ36bと、を有する。
ワイパー本体36aは、カバー壁部33bの下面から下側に延びる板状である。ワイパー本体36aの板面のうち、上端部は径方向を向き、下端部は上下方向を向く。
図6に示すように、中心軸Oと垂直な断面視(横断面視)において、ワイパー本体36aは周方向に延びる。
【0043】
図1及び
図6に示すように、掻取りリブ36bは、ワイパー本体36aの一対の板面のうち、径方向外側及び下側を向く板面(外側面)に配置される。掻取りリブ36bは、ワイパー本体36aの外側面から突出し、ワイパー本体36aが延びる方向に沿って延びる。掻取りリブ36bは、容器本体2の内面と摺動自在に接触する。
【0044】
図1、
図3及び
図7に示すように、第1係止部37は、外周壁部33a(天板部33)の外周面に配置される。本実施形態では第1係止部37が、リブ状である。第1係止部37は、外周壁部33aの外周面から径方向外側に突出し、上下方向に延びる。第1係止部37は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。複数の第1係止部37は、周方向に等ピッチで並ぶ。
【0045】
図1に示すように、下部材保持筒38は、カバー壁部33bの下面から下側に突出する。下部材保持筒38は、中心軸Oを中心とする環状であり、上下方向に延びる。下部材保持筒38は、ワイパー部36よりも径方向内側に配置される。
【0046】
ボール囲繞筒39は、カバー壁部33bの下面から下側に突出する。ボール囲繞筒39は、上下方向に延びる円筒状である。ボール囲繞筒39は、下部材保持筒38よりも径方向内側に配置される。
【0047】
ボール囲繞筒39は、複数設けられる。複数のボール囲繞筒39のうち1つは、中心軸Oと同軸に配置される。上記1つ以外の他のボール囲繞筒39は、上記1つのボール囲繞筒39の径方向外側に配置される。本実施形態では上記他のボール囲繞筒39が、周方向に並んで複数設けられる。複数の上記他のボール囲繞筒39は、上記1つのボール囲繞筒39を径方向外側から囲うように、周方向に配列する。具体的に、上記他のボール囲繞筒39は、周方向に互いに間隔をあけて等ピッチで6つ配置される(
図3及び
図6を参照)。つまりボール囲繞筒39は、計7つ設けられる。
【0048】
図1に示すように、ボール上保持筒40は、カバー壁部33bの上面から上側に突出する。ボール上保持筒40は、上側へ向かうに従い縮径するテーパ筒状である。
図3に示すように、ボール上保持筒40は、複数設けられる。
【0049】
複数のボール上保持筒40のうち1つは、中心軸Oと同軸に配置される。上記1つ以外の他のボール上保持筒40は、上記1つのボール上保持筒40の径方向外側に配置される。本実施形態では上記他のボール上保持筒40が、周方向に並んで複数設けられる。複数の上記他のボール上保持筒40は、上記1つのボール上保持筒40を径方向外側から囲うように、周方向に配列する。具体的に、上記他のボール上保持筒40は、周方向に互いに間隔をあけて等ピッチで6つ配置される。つまりボール上保持筒40は、計7つ設けられる。
【0050】
ボール上保持筒40の数は、ボール囲繞筒39の数と同じである。本実施形態では、上下方向から見て、各ボール上保持筒40が、各ボール囲繞筒39内に配置される。なお、上下方向から見て、各ボール上保持筒40の下端部が、各ボール囲繞筒39と重なって配置されてもよい。
【0051】
図1及び
図3に示すように、上孔41は、ボール上保持筒40の上端開口部に配置される。上孔41は、円孔状である。上孔41は、天板部33の上側に開口しており、つまり中栓3の上側に開口する。上孔41は、複数設けられる。各上孔41は、各ボール上保持筒40の上端開口部に配置されており、本実施形態では上孔41が7つ設けられる。
【0052】
図1に示すように、下部材32は、支持壁部42と、ボール下保持筒43と、下孔44と、シール突起45と、を有する。
【0053】
支持壁部42は、アンダーカット嵌合等により、上部材31に支持されている。支持壁部42は、下部材保持筒38内に嵌合する筒状の大径部42aと、隣り合うボール囲繞筒39間に挟持される筒状の小径部42bと、を有する。
【0054】
ボール下保持筒43は、支持壁部42の下端部に接続され、支持壁部42から下側に突出する。ボール下保持筒43は、下側へ向かうに従い縮径するテーパ筒状である。
図6に示すように、ボール下保持筒43は、複数設けられる。
【0055】
複数のボール下保持筒43のうち1つは、中心軸Oと同軸に配置される。上記1つ以外の他のボール下保持筒43は、上記1つのボール下保持筒43の径方向外側に配置される。本実施形態では上記他のボール下保持筒43が、周方向に並んで複数設けられる。複数の上記他のボール下保持筒43は、上記1つのボール下保持筒43を径方向外側から囲うように、周方向に配列する。具体的に、上記他のボール下保持筒43は、周方向に互いに間隔をあけて等ピッチで6つ配置される。つまりボール下保持筒43は、計7つ設けられる。
【0056】
ボール下保持筒43の数は、ボール囲繞筒39の数と同じである。またボール下保持筒43の数は、ボール上保持筒40の数と同じである。
図1に示すように、各ボール上保持筒40、各ボール囲繞筒39及び各ボール下保持筒43は、それぞれ、上下方向に並び、互いの中心軸を一致させるように同軸に配置される。
【0057】
本実施形態では、上下方向から見て、各ボール下保持筒43の上端部が、各ボール囲繞筒39と重なって配置される。また、上下方向から見て、各ボール下保持筒43の上端部以外の部分が、各ボール囲繞筒39内に配置される。また、上下方向から見て、各ボール下保持筒43は、各ボール上保持筒40と重なって配置される。
【0058】
下孔44は、ボール下保持筒43の下端開口部に配置される。下孔44は、円孔状である。下孔44は、下部材32の下側に開口しており、つまり中栓3の下側に開口する。また下孔44は、容器本体2内に開口する。下孔44の開口面積は、上孔41の開口面積よりも小さい。言い換えると、上孔41の開口面積は、下孔44の開口面積よりも大きい。下孔44は、複数設けられる。各下孔44は、各ボール下保持筒43の下端開口部に配置されており、本実施形態では下孔44が7つ設けられる。
【0059】
シール突起45は、ボール下保持筒43の下端開口部(内周縁部)から上側に突出する。シール突起45は、ボール下保持筒43の中心軸を中心とする円形リング状である。シール突起45は、複数設けられる。各シール突起45は、各ボール下保持筒43の下端開口部に配置されており、本実施形態ではシール突起45が7つ設けられる。
【0060】
また中栓3は、連通孔46を有する。連通孔46は、中栓3を上下方向に貫通する貫通孔であり、ボール上保持筒40、ボール囲繞筒39及びボール下保持筒43の各内周面により画成される。連通孔46は、上孔41と下孔44とを連通する。連通孔46は、複数設けられる。連通孔46の数は、上下方向に並ぶボール上保持筒40、ボール囲繞筒39及びボール下保持筒43の組の数と同じであり、本実施形態では7つである。
【0061】
ボール体4は、球状である。ボール体4は、ボール上保持筒40、ボール囲繞筒39及びボール下保持筒43の各内周面(つまり連通孔46)により囲われる。ボール体4の外径寸法は、上孔41の内径寸法よりも大きく、下孔44の内径寸法よりも大きい。連通孔46は、ボール体4を回転自在に保持する。
【0062】
ボール体4の上部は、上孔41を通して上側に露出される。言い換えると、上孔41は、ボール体4の上部を中栓3の上側に露出させる。具体的に、ボール体4の上部は、上孔41から上側に出っ張る。ボール体4の下部は、下孔44を通して下側かつ容器本体2内に露出される。言い換えると、下孔44は、ボール体4の下部を中栓3の下側かつ容器本体2内に露出させる。
【0063】
図3に示すように、ボール体4は、ボール体4の表面に凹状または凸状に形成された内容物保持部4aを有する。内容物保持部4aは、ボール体4の表面に複数設けられる。複数の内容物保持部4aは、ボール体4の表面に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では内容物保持部4aが、ディンプル状である。内容物保持部4aが設けられることにより、ボール体4はその表面に内容物Cを保持しやすくされている。なお
図3以外の各図においては、内容物保持部4aの図示を省略している。
【0064】
ボール体4は、複数設けられる。ボール体4の数は、連通孔46の数と同じである。具体的に、複数のボール体4のうち1つは、中心軸Oと同軸に配置される。上記1つ以外の他のボール体4は、上記1つのボール体4の径方向外側に配置される。本実施形態では上記他のボール体4が、周方向に並んで複数設けられる。複数の上記他のボール体4は、上記1つのボール体4を径方向外側から囲うように、周方向に配列する。具体的に、上記他のボール体4は、周方向に互いに間隔をあけて等ピッチで6つ配置される。つまりボール体4は、計7つ設けられる。
【0065】
図6に示すように、本実施形態では、周方向に並ぶ上記他のボール体4の数(6つ)が、ワイパー部36の数(6つ)と同じである。各上記他のボール体4と、各ワイパー部36とは、それぞれ、径方向に隣り合って配置される。
【0066】
図1及び
図3に示すように、中蓋5は、中栓3の上側に配置される。中蓋5は、中心軸Oを中心とする略円板状である。
図1に示すように、中蓋5は、中栓3のカバー壁部33b、ボール上保持筒40、上孔41、及びボール体4の上部を、開閉可能に上側から覆う。
【0067】
中蓋5は、中蓋本体51と、嵌合筒52と、押え筒53と、操作片57と、を有する。
中蓋本体51は、中心軸Oを中心とする円板状である。中蓋本体51の下面の外周部は、外周壁部33aの上面に上側から接触する。中蓋本体51の外周部以外の部分、つまり外周部よりも径方向内側に位置する部分は、カバー壁部33bの上側に配置される。
【0068】
中蓋本体51は、湾曲壁部54と、第1押圧部55と、第2押圧部56と、を有する。
湾曲壁部54は、下側に開口し上側に膨出するドーム状の壁部である。湾曲壁部54は、上下方向から見て、円形状である。湾曲壁部54は、ボール上保持筒40、上孔41、及びボール体4の上部を、上側から覆う。湾曲壁部54の内面(下側を向く面)は、凹曲面状であり、具体的には、凹半球面状である。
【0069】
湾曲壁部54は、複数設けられる。湾曲壁部54の数は、ボール上保持筒40の数と同じであり、上孔41の数と同じであり、ボール体4の数と同じである。すなわち、本実施形態では湾曲壁部54が、計7つ設けられる。各湾曲壁部54は、各ボール体4の直上にそれぞれ配置される。
【0070】
第1押圧部55は、湾曲壁部54の下端開口部に配置される。第1押圧部55は、湾曲壁部54の下端開口部から、下側に突出する。第1押圧部55は、下側から見て、円形リング状である(
図3参照)。
図1に示すように、第1押圧部55は、ボール上保持筒40に上側かつ外側から接触する。第1押圧部55は、ボール上保持筒40の外周面を押圧して、ボール上保持筒40の内周面をボール体4の表面に密着させる。
【0071】
第2押圧部56は、湾曲壁部54の内面に配置される。第2押圧部56は、湾曲壁部54の内面から、下側に突出する。第2押圧部56は、下側から見て、円形リング状である(
図3参照)。
図1に示すように、第2押圧部56は、ボール体4の上部に上側から接触する。第2押圧部56は、ボール体4の上部を上側から押圧して、ボール体4の下部をシール突起45に密着させる。
【0072】
第1押圧部55がボール上保持筒40を押圧し、第2押圧部56がボール体4を押圧することで、ボール上保持筒40とボール体4との間、及び、シール突起45とボール体4との間がそれぞれシールされる。すなわち、中蓋5が閉じて中栓3を上側から覆う状態、つまり中蓋5が閉状態とされたときに、上孔41と下孔44との間の連通孔46を通した連通が遮断される。
【0073】
また
図4に示すように、中蓋5が開いて中栓3を上側に開放した状態、つまり中蓋5が開状態とされたときには、ボール上保持筒40とボール体4との間、及び、シール突起45とボール体4との間にそれぞれ僅かな隙間が設けられ、上記シールの状態が解除される。そして、連通孔46内でボール体4が回転させられることにより、ボール体4に付着した内容物Cは、下孔44から連通孔46を通して上孔41へ移動し、ボール体4の上部から容器本体2の外部に取り出し可能とされる。
【0074】
図1に示すように、嵌合筒52は、中蓋本体51の下面から下側に突出する。嵌合筒52は、中心軸Oを中心とする円筒状である。嵌合筒52は、外周壁部33aの内周面に嵌合する。嵌合筒52は、複数の湾曲壁部54の径方向外側に配置される。嵌合筒52は、下側から見て、複数の湾曲壁部54を径方向外側から囲う(
図3参照)。
【0075】
図1に示すように、押え筒53は、中蓋本体51の上面から上側に突出する。押え筒53は、中心軸Oを中心とする円筒状である。押え筒53は、径方向において、複数の湾曲壁部54よりも外側に位置し、嵌合筒52よりも内側に位置する。
【0076】
図3及び
図4に示すように、操作片57は、板状である。操作片57は、押え筒53の周方向の一部から径方向外側に突出する。具体的に、操作片57は、押え筒53の上端部のうち中心軸Oを間に挟んで内ヒンジ8とは反対側に位置する部分から、径方向外側に突出し、周方向に延びる。操作片57の径方向の外端部は、中蓋本体51の外周部よりも径方向外側に位置する。中蓋5が閉状態とされたときに、特に図示しないが、操作片57は、切欠き部33cの直上に配置される。使用者は、操作片57を操作することにより、中蓋5を開閉可能である。
【0077】
内ヒンジ8は、中栓3の外周部における周方向の一部と、中蓋5の外周部における周方向の一部とを、内ヒンジ8のヒンジ軸回りに回動自在に連結する。具体的に、内ヒンジ8は、外周壁部33aの周方向の一部と、中蓋本体51の外周部における周方向の一部とを回動自在に連結する。
【0078】
図1に示すように、蓋体6は、容器本体2の上側に配置される。蓋体6は、中心軸Oを中心とする有頂筒状である。蓋体6は、容器本体2の上部開口、中栓3及び中蓋5を、開閉可能に上側から覆う。
【0079】
蓋体6は、上蓋61と、回動蓋部62と、ミラー63と、を有する。
上蓋61は、中心軸Oを中心とする円板状である。上蓋61は、中蓋5の上側に配置される。上蓋61は、環状突起64と、ヒンジ連結部65と、を有する。
【0080】
環状突起64は、上蓋61の下面から下側に突出する。環状突起64は、中心軸Oを中心とする環状であり、具体的には円筒状である(
図3参照)。
図1に示すように、環状突起64の下端面は、押え筒53の上端面に上側から接触する。すなわち、蓋体6が閉じて中蓋5を上側から覆う状態、つまり蓋体6が閉状態とされたときに、環状突起64は、押え筒53を上側から押さえる。このため、蓋体6の閉状態において、蓋体6は、中蓋5を下側へ押圧する。
【0081】
環状突起64は、第1係止突起64aを有する。第1係止突起64aは、環状突起64の下端部から径方向外側に突出し、周方向に延びる。
【0082】
ヒンジ連結部65は、上蓋61の外周部における周方向の一部から径方向外側に突出する部分65aと、この部分65aから下側に延び、外ヒンジ7に連結される部分65bと、を有する。
【0083】
回動蓋部62は、中心軸Oを中心とする略有頂筒状である。回動蓋部62は、中栓3及び中蓋5を径方向外側から覆う。回動蓋部62は、上蓋61に対して中心軸O回りに回動可能である。回動蓋部62は、頂壁部62aと、周壁部62bと、第2係止突起62cと、第2係止部62dと、雌ネジ部62eと、を有する。
【0084】
頂壁部62aは、中心軸Oを中心とする円環板状である。頂壁部62aは、上蓋61の下側に配置される。頂壁部62aの上面は、上蓋61の下面と摺動自在に接触する。
【0085】
周壁部62bは、中心軸Oを中心とする円筒状であり、上下方向に延びる。周壁部62bの上端部は、頂壁部62aの外周部と接続される。周壁部62bは、外周壁部33a及び周壁21を径方向外側から囲う。
【0086】
第2係止突起62cは、頂壁部62aの内周部から径方向内側に突出し、周方向に延びる。第2係止突起62cは、第1係止突起64aに上側から接触する。第1係止突起64aと第2係止突起62cとが係止されることにより、上蓋61に対する回動蓋部62の下方移動(離脱)が規制されている。
【0087】
第2係止部62dは、周壁部62bの内周面に配置される。
図3に示すように、本実施形態では第2係止部62dが、リブ状である。第2係止部62dは、周壁部62bの内周面から径方向内側に突出し、上下方向に延びる。第2係止部62dは、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。複数の第2係止部62dは、周方向に等ピッチで並ぶ。
【0088】
図1に示す蓋体6の閉状態において、回動蓋部62が中心軸O回りに回動させられると、第2係止部62dは、第1係止部37に対して周方向から接触する。このため、回動蓋部62と中栓3とは、中心軸O回りに供回りするように構成されている。
【0089】
雌ネジ部62eは、周壁部62bの内周面に配置される。雌ネジ部62eは、第2係止部62dよりも下側に配置される。雌ネジ部62eは、周壁部62bの下端部に配置される。雌ネジ部62eは、容器本体2の雄ネジ部25と螺着される。
【0090】
回動蓋部62を中心軸O回りの一方側(周方向の一方側)に回動させることで、雌ネジ部62eと雄ネジ部25とを螺着して、蓋体6を閉じることができる。また、回動蓋部62を中心軸O回りの他方側(周方向の他方側)に回動させることで、雌ネジ部62eと雄ネジ部25との螺着を解除して、蓋体6を開くことができる。すなわち、回動蓋部62を回動させることで、蓋体6は開閉可能である。
【0091】
図1及び
図3に示すように、ミラー63は、上蓋61の下面に接着等により固定される。本実施形態ではミラー63が、円板状である。ミラー63は、環状突起64の径方向内側に嵌め込まれる。
【0092】
外ヒンジ7は、容器本体2の外周部における周方向の一部と、蓋体6のヒンジ連結部65とを、外ヒンジ7のヒンジ軸回りに回動自在に連結する。
【0093】
図1に示すように、内容物取出し具9は、例えばパフ等である。内容物取出し具9は、ボール体4に付着した内容物Cを付着させて(移し取って)、容器本体2の外部に取り出す際などに使用される。内容物取出し具9は、中蓋5とミラー63との間に収容可能である。
【0094】
次に、コンパクト容器1から内容物Cを取り出す手順(方法)について説明する。
まず、
図1に示すように、蓋体6の閉状態かつ中蓋5の閉状態において、使用者が、回動蓋部62を中心軸O回りに回動させて、雄ネジ部25と雌ネジ部62eとの螺着を解除させる。なおこのとき、回動蓋部62とともに中栓3が回動して、
図6に矢印で示すように、ワイパー部36が容器本体2の内面上を周方向に摺動させられる。雄ネジ部25と雌ネジ部62eとの螺着が解除されたら、蓋体6を外ヒンジ7回りに回動させて、
図2に示すように蓋体6を開状態とする。
【0095】
次に、使用者は操作片57を操作し、中蓋5を内ヒンジ8回りに回動させて、
図3に示すように、中蓋5についても開状態とする。
中蓋5が開状態とされたら、
図4に示すように、使用者は、内容物取出し具9をボール体4の上部に接触させて、ボール体4を回転させる。ボール体4が回転させられることで、容器本体2内に収容された内容物Cが、下孔44から連通孔46及び上孔41を通して、ボール体4の上部すなわち天板部33の上側に移動する。使用者は、ボール体4の上部に付着した内容物Cを、内容物取出し具9に付着させて(移し取って)容器から取り出すことができる。
【0096】
次に、使用者は、内容物取出し具9に付着した内容物Cを、図示しない人体の肌等の対象物に塗布する。
所望の塗布が終了したら、上述とは逆の手順により、中蓋5を閉状態とし、蓋体6を閉状態とする。
【0097】
以上説明した本実施形態のコンパクト容器1によれば、容器本体2に対して中栓3を中心軸O回りに回転させることで、
図2に示すように、中栓3のワイパー部36が容器本体2の内面と摺接し、該内面に付着した内容物Cを掻き取ることができる。すなわち、中栓3を回転させる簡単な操作により、容器本体2の内部で内容物Cの移動を促すことができる。このため、内容物Cがボール体4に付着しやすくなって、容器本体2内から取り出されずに隅部などに残留するようなことが抑制される。
したがって、本実施形態のコンパクト容器1によれば、容器本体2の内容物Cが使い残されることを抑えて、内容物Cを無駄なく使用できる。
【0098】
また本実施形態では、ボール体4が、ボール体4の表面に内容物保持部4aを有する。
この場合、凹状または凸状の内容物保持部4aによって、ボール体4の表面積が大きくなったり、内容物Cを捉えやすくなったりするため、ボール体4の表面に内容物Cを保持しやすい。このため、ボール体4の表面に付着した内容物Cを効率よく容器外部に取り出すことができる。
【0099】
また本実施形態では、容器本体2が、内部を視認可能な透過部27を有する。
この場合、使用者が、
図7に示すように、透過部27を通して容器本体2の外部から内容物Cの残量を視認できる。また、容器本体2の内面をワイパー部36が摺動して内容物Cを掻き取るため、透過部27を通して内容物Cの残量を確認しやすい。
【0100】
また本実施形態では、ワイパー部36が、弾性変形可能であり、容器本体2の内面のうち周壁21及び底壁22にわたって接触するように湾曲して延びる。
この場合、ワイパー部36が、容器本体2の周壁21、底壁22及びこれらの接続部23(隅部に相当)の各内面にわたって密着するように接触させられる。このため、容器本体2の内面に付着した内容物Cを広範囲にかつ安定して掻き取ることができる。
【0101】
また本実施形態では、ワイパー部36が掻取りリブ36bを有するため、容器本体2の内面に付着した内容物Cをより安定して掻き取ることができる。
【0102】
また本実施形態では、回動蓋部62を回動させることで、蓋体6が開閉可能であり、回動蓋部62と中栓3とが、中心軸O回りに供回りするように構成されている。
この場合、蓋体6を開閉する際、回動蓋部62を中心軸O回りに回動操作すると、回動蓋部62と一緒に中栓3が中心軸O回りに回動して、ワイパー部36で容器本体2の内面に付着した内容物Cを掻き取ることができる。すなわち、蓋体6を開閉させるという通常使用時の操作にともなって、容器本体2の内面に付着した内容物Cの移動を促すことができる。
【0103】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
【0104】
前述の実施形態では、透過部27が、容器本体2の壁部のうち接続部23に配置される例を挙げたが、これに限らない。透過部27は、容器本体2の周壁21や底壁22に配置されてもよい。また、容器本体2に設けられる透過部27の数は、複数に限らず、1つのみでもよい。
なお、透過部27は、容器本体2の内面のうちワイパー部36が摺動する部分に位置することがより好ましい。
【0105】
前述の実施形態では、第1係止部37及び第2係止部62dが、それぞれリブ状である例を挙げたが、これに限らない。例えば、第1係止部37及び第2係止部62dのうち、一方がリブであり、他方が該リブに係合する溝であってもよい。
【0106】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態及び変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1…コンパクト容器、2…容器本体、3…中栓、4…ボール体、4a…内容物保持部、6…蓋体、21…周壁、22…底壁、27…透過部、36…ワイパー部、41…上孔、44…下孔、46…連通孔、62…回動蓋部、C…内容物、O…中心軸