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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】ブラゼインを含有する組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20241213BHJP
   A23L 2/60 20060101ALI20241213BHJP
   A23F 3/16 20060101ALI20241213BHJP
   A23F 5/24 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
A23L27/00 101Z
A23L27/00 101A
A23L2/60
A23L2/00 C
A23F3/16
A23F5/24
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021558651
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 US2020026185
(87)【国際公開番号】W WO2020205978
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】62/827,487
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391026058
【氏名又は名称】ザ コカ・コーラ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Coca‐Cola Company
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】プラカーシュ,インドラ
【審査官】手島 理
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108112954(CN,A)
【文献】Journal of Advanced Laboratory Research in Biology,2014年,Volume 5, Issue 4,p.169-187
【文献】Protein Science,2016年,Vol.25,p.711-719
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ブラゼイン又はその類似体と、(ii)レバウジオシドM(「RebM」)とを含む、甘味料組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の甘味料組成物を含む、飲料又は飲料製品であって、前記飲料が、液体基質と、請求項1に記載の甘味料組成物とを含み、前記飲料製品が、飲料濃縮物、飲料シロップ、又は粉末化された飲料であって、水を添加することによってストレートの飲料が調製される、飲料又は飲料製品
【請求項3】
前記ブラゼインが、10ppm~50ppmの量で存在する、請求項に記載の飲料又は飲料製品。
【請求項4】
前記ブラゼインが、10ppm~40ppmの量で存在する、請求項に記載の飲料又は飲料製品。
【請求項5】
前記ブラゼインが、10ppm~30ppmの量から選択される量で存在する、請求項に記載の飲料又は飲料製品。
【請求項6】
前記飲料又は飲料製品が、前記甘味料組成物又は風味改良組成物を含有しない飲料又は飲料製品と比較して、向上された少なくとも1つの官能特性を有し、前記官能特性が、時間的プロファイル、フレーバープロファイル、食味、苦い後味、甘味持続、食感、又はその組み合わせからなる群から選択される、請求項のいずれか一項に記載の飲料又は飲料製品。
【請求項7】
前記向上された少なくとも1つの官能特性が、苦い後味の低下又は食感の向上である、請求項に記載の飲料又は飲料製品。
【請求項8】
前記向上された少なくとも1つの官能特性が、食感の向上であり、前記ブラゼインの量が、10ppm~40ppmである、請求項に記載の飲料又は飲料製品。
【請求項9】
低カロリー又はノーカロリー飲料又は飲料製品から選択される、請求項のいずれか一項に記載の飲料又は飲料製品。
【請求項10】
前記飲料が、コーラ、ジンジャーエール、炭酸飲料、ルートビア、果汁、果物味のジュース、野菜汁、野菜味のジュース、スポーツドリンク、栄養ドリンク、植物タンパク質飲料、ニアウオータードリンク、茶の類、コーヒー、ココアドリンク、乳成分を含有する飲料からなる群から選択される、請求項のいずれか一項に記載の飲料又は飲料製品。
【請求項11】
飲料又は飲料製品の少なくとも1つの官能特性を向上させる方法であって、請求項1の甘味料組成物を、液体基質に添加し、それによって、少なくとも1つの向上された官能特性を有する飲料又は飲料製品を提供することを含む方法。
【請求項12】
前記向上された官能特性が、時間的プロファイル、フレーバープロファイル、食味、苦い後味、甘味持続、食感、又はその組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記向上された官能特性が、苦い後味の低下又は食感の向上である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記向上された官能特性が、食感の向上であり、前記飲料又は飲料製品中のブラゼインの量が、10ppm~40ppmの量である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
ブラゼインが、10ppm~50ppmの量で、前記飲料又は飲料製品中に存在する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ブラゼインが、10ppm~40ppmから選択される量で、前記飲料又は飲料製品中に存在する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記ブラゼイン類似体が、野生型のブラゼインと少なくとも1つのアミノ酸だけ異なる、請求項1に記載の甘味料組成物。
【請求項18】
前記ブラゼイン類似体が、以下のもの:Asp40Lys、Glu41Ala、Lys42Ala、Asp50Lys、Tyr54Trp、Asp29Ala、Asp29Asn/Glu41Lys、及びAsp29Lys/Glu41Lysのうちの少なくとも1つを有する、請求項17に記載の甘味料組成物。
【請求項19】
前記ブラゼインが、配列番号1のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の甘味料組成物。
【請求項20】
前記ブラゼインが、pGlu-ブラゼイン又はdes-pGlu1-ブラゼインである、請求項1に記載の甘味料組成物。
【請求項21】
前記RebMが、95%を超える純度を有する、請求項に記載の甘味料組成物。
【請求項22】
有機酸のナトリウム、カルシウム、カリウム、又はマグネシウム塩である少なくとも1種の有機酸付加塩をさらに含む、請求項に記載の飲料又は飲料製品。
【請求項23】
前記有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、アルギン酸、アスコルビン酸、安息香酸、及びアジピン酸からなる群から選択される、請求項22に記載の飲料又は飲料製品。
【請求項24】
前記ブラゼイン類似体が、野生型のブラゼインと、少なくとも1つのアミノ酸だけ異なる、請求項11に記載の方法。
【請求項25】
前記ブラゼイン類似体が、以下のもの:Asp40Lys、Glu41Ala、Lys42Ala、Asp50Lys、Tyr54Trp、Asp29Ala、Asp29Asn/Glu41Lys、及びAsp29Lys/Glu41Lysのうちの少なくとも1つを有する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ブラゼインが、配列番号1のアミノ酸配列を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項27】
前記ブラゼインが、pGlu-ブラゼイン又はdes-pGlu1-ブラゼインである、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2019年4月1日に出願された米国仮特許出願第62/827,487号の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本明細書で開示されるのは、甘味料組成物、風味改良組成物、及びこれらを調製及び使用する方法である。開示されるのはまた、こうした甘味料組成物及び/又は風味改良組成物を含有する消費財(例えば、飲料)である。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
飲料、食品、医薬品、及び経口の健康/美容産業には、スクロース、フルクトース、及びグルコースなどの、高カロリーの天然の糖が、その心地よい味わいに起因して、大量に利用されている。特に、スクロースは、消費者に好まれる味を与える。スクロースは、優れた甘味特性を提供するが、高カロリーである。カロリーは、適切な身体機能に不可欠である一方で、ある種の消費者の間では、糖に似た味を有する代替のノンカロリー又は低カロリー甘味料を好むことが存在する。消費者の需要を満たすために、ノンカロリー又は低カロリー甘味料が導入されているが、このグループ内の甘味料は、望ましくない食味特性を伴っている。具体的には、ノンカロリー又は低カロリー甘味料は、糖とは異なる時間的プロファイル、最大反応、フレーバープロファイル、食感、及び/又は適応挙動を呈する。消費者向け製品で使用される場合、甘味発生遅延、持続する甘い後味、苦味、金属味、渋味、清涼味、及び/又はカンゾウに似た味が、しばしば検出される。
【0004】
したがって、スクロースと同様の時間的プロファイル及びフレーバープロファイルも提供する、消費者向け製品に使用するのに適した低カロリー又はノンカロリー甘味料、及び甘味付けした組成物を開発する必要が、依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の概要
本明細書で開示されるのは、ブラゼイン(又はその類似体)を含む組成物、並びにこれらの組成物を作製及び使用する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の実施形態では、(i)ブラゼイン(又はその類似体)と、(ii)少なくとも1種のステビオール配糖体又はモグロシドとを含む、甘味料組成物又は風味改良組成物が開示される。
【0007】
特定の実施形態では、ステビオール配糖体は、レバウジオシドM(「RebM」)、レバウジオシドA(「RebA」)、及びA95から選択される。特定の実施形態では、モグロシドは、シアメノシドIである。
【0008】
第2の実施形態では、(i)ブラゼイン(又はその類似体)と、(ii)高果糖コーンシロップ(HFCS)とを含む、甘味料組成物又は風味改良組成物が開示される。
【0009】
第3の実施形態では、(i)ブラゼイン(又はそのための類似体)と、(ii)少なくとも1種のステビオール配糖体又はHFCSとを含む、消費財(例えば、飲料)が提供される。
【0010】
特定の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、約1ppm~約50ppmの量で存在する。
【0011】
第3の実施形態では、本明細書に開示される甘味料組成物又は風味改良組成物を消費財(例えば、飲料又は他の摂取可能消費財)に添加し、それによってより糖に似た時間的プロファイル、フレーバープロファイル、及び/又は食味プロファイルを有する消費財を提供することによって、消費財に、より糖に似た時間的プロファイル、フレーバープロファイル及び/又は食味プロファイルを与えるための方法が開示される。
【0012】
一実施形態では、より糖に似た時間的プロファイルは、本明細書に開示される甘味料組成物又は風味改良組成物が添加されていない消費財と比較して低下した甘味持続である。
【0013】
別の実施形態では、より糖に似たフレーバープロファイルは、本明細書に開示される甘味料組成物又は風味改良組成物が添加されていない消費財と比較して向上された食感である。特定の実施形態では、向上された食感は、向上されたコク(body)又はふくよかさ(fullness)である。
【0014】
さらなる実施形態では、より糖に似た食味プロファイルは、本明細書に開示される甘味料組成物又は風味改良組成物が添加されていない消費財と比較して低下した苦みである。
【0015】
この方法は、他の甘味料、添加物、機能性成分、及びその組み合わせの添加をさらに含むことができる。
【0016】
本明細書に開示される組成物(例えば、甘味料組成物、風味改良組成物、又はこれらを含む消費財)に使用されるブラゼインは、インビボ又はインビトロでの、抽出、化学合成などのあらゆる好適な手段によって生成することができる。
【0017】
1種又は複数種のステビオール配糖体を、あらゆる形態で使用することができる。一実施形態では、ステビオール配糖体は、ステビア抽出物(Stevia extract)中に存在し、ここでは、ステビオール配糖体は、乾量基準で、重量で、ステビア抽出物の約5%から約100%を占める。さらなる実施形態では、ステビオール配糖体は、ステビオール配糖体の混合物中に存在し、ここでは、ステビオール配糖体は、乾量基準で、重量で、ステビオール配糖体混合物の約5%から約100%を占める。
【0018】
本明細書に開示される組成物はまた、例えば、天然の甘味料、高甘味度甘味料、炭水化物甘味料、合成の甘味料、及びその組み合わせを含めた、1種又は複数種の追加の甘味料を含有することができる。
【0019】
この組成物はまた、例えば、炭水化物、ポリオール、アミノ酸及びその対応する塩、ポリアミノ酸及びその対応する塩、糖酸及びその対応する塩、ヌクレオチド、有機酸、無機酸、有機酸塩及び有機塩基塩を含めた有機塩、無機塩、苦味化合物、香料及び着香成分、渋味化合物、タンパク質又はタンパク質加水分解産物、界面活性剤、乳化剤、フラボノイド、アルコール、ポリマー、及びその組み合わせを含めた、1種又は複数種の添加物を含有することができる。
【0020】
この組成物はまた、例えば、サポニン、抗酸化剤、食物繊維源、脂肪酸、ビタミン、グルコサミン、ミネラル、保存剤、水和剤、プロバイオティクス、プレバイオティクス、体重管理剤、骨粗鬆症管理剤、フィトエストロゲン、長鎖第一級脂肪族飽和アルコール、フィトステロール、及びその組み合わせなどの、1種又は複数種の機能性成分を含有することができる。
【0021】
開示される消費財としては、例えば、医薬組成物、食用ゲル混合物及び組成物、歯科用組成物、食料、飲料、及び飲料製品が含まれる。
【0022】
特定の実施形態では、本明細書に開示される甘味料又は風味改良組成物を含有する飲料が開示される。飲料は、飲料の主成分を形成する液体基質、例えば、脱イオン水、蒸留水、逆浸透水、炭素処理水、精製水、脱塩水、リン酸、リン酸緩衝液、クエン酸、クエン酸緩衝液、及び炭素処理水を含有する。
【0023】
本明細書で開示される甘味料組成物又は風味改良組成物を含有する低カロリー及びゼロカロリー飲料も提供される。
【0024】
本明細書で開示される甘味料組成物又は風味及び/又は食味改良組成物を含む卓上甘味料組成物も提供される。卓上組成物は、少なくとも1種の充填剤、添加物、固化防止剤、機能性成分、及びその組み合わせをさらに含むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
発明の詳細な説明
定義
用語「類似体」は、本明細書で使用する場合、同一ではないが、類似の機能的又は構造的特徴を有する分子を指す。例えば、ポリペプチド類似体は、類似体の機能を天然に存在するポリペプチドと比べて増強するある種の生化学的改変を有しつつ、対応する天然に存在するポリペプチドの生物学的活性を保持する。改変は、例えば、野生型ポリペプチドと比較した1種又は複数種のアミノ酸の置換、欠失、又は挿入であり得る。いくつかの実施形態では、類似体は、野生型ペプチド又はその部分と比較して置換、欠失、又は挿入された、多くとも10、9、8、又は7個のアミノ酸を有する。いくつかの実施形態では、類似体は、野生型ペプチド又はその部分と比較して置換、欠失、又は挿入された、多くとも6個のアミノ酸を有する。いくつかの実施形態では、類似体は、野生型ペプチド又はその部分と比較して置換、欠失、又は挿入された、多くとも5又は4個のアミノ酸を有する。いくつかの実施形態では、類似体は、野生型ペプチド又はその部分と比較して置換、欠失、又は挿入された、多くとも3、2、又は1個のアミノ酸を有する。類似体は、非天然アミノ酸を含むことができる。
【0026】
用語「渋み」は、本明細書で使用する場合、口をすぼめる感覚及び口蓋の乾燥を指し、これは勢いを増し、繰り返し曝露される間、口から取り除くことがますます難しくなることが知られている。渋みは、口内で経験される乾いた感覚であり、一般に、口腔をコーティングし潤滑にする唾液フィルムからのタンパク質の沈着による潤滑性の喪失から生じるものと説明される。渋みは、口の特定の領域に限局化されないが、潤滑の喪失を特徴とする広範な表面現象である。
【0027】
用語は「苦い」又は「苦味」は、本明細書で使用する場合、苦い味物質の検出後にもたらされる知覚又は味覚を指す。以下の特性は、苦味の一因となる可能性がある:渋味、苦味-渋味、金属的、苦味-金属的、並びに異味、後味、及び望ましくない味(限定はされないが、冷凍焼け及び段ボール味が含まれる)、及び/又はこれらのあらゆる組み合わせ。当分野では、用語「異味」は、「苦味」としばしば同義であることに留意されたい。物質の苦みは、1であるキニーネの苦味閾値と比較することができる。(Guyton,Arthur C.(1991)Textbook of Medical Physiology.(8th ed).Philadelphia:W.B.Saunders; McLaughlin S.,Margolskee R.F.(1994).“The Sense of Taste”. American Scientist.82(6):538-545)。苦みは、本明細書に記載される通りに被検者のパネルを使用して、又はインビトロで、例えば味覚受容体細胞株を使用して検査することができる。
【0028】
用語「消費財」は、本明細書で使用する場合、摂取された後に口から排出される物質、及び飲む、食べる、飲み込む、又はそれ以外に摂取され、且つ一般に許容できる範囲で使用される場合にヒト又は動物の摂取について安全である物質を含めて、ヒト又は動物の口と接触する物質を指す。例示的な消費財には、限定はされないが、医薬組成物、食用ゲル混合物及び組成物、歯科用組成物、食料(菓子、調味料、チューインガム、穀類組成物、焼成製品、乳製品、及び卓上甘味料組成物)飲料及び飲料製品が含まれる。消費財は、甘味付けすることもできるし、甘味付けしないこともできる。
【0029】
本明細書で使用する場合、用語「ブリックス度」は、水溶液の糖含有量を指す。1ブリックス度は、100グラムの溶液中の1グラムのスクロースであり、重量パーセント(% w/w)としての溶液の濃度を表す。
【0030】
用語「発現」は、本明細書で使用する場合、細胞内で起こる転写及び/又は翻訳プロセスを指す。ある細胞における対象となる核酸配列の転写のレベルは、その細胞に存在する対応するmRNAの量に基づいて決定することができる。例えば、対象となる配列から転写されたmRNAは、RT-PCR又はノーザンハイブリダイゼーションによって定量化することができる(Sambrook et al.,1999(上記)を参照されたい)。対象となる核酸によってコードされるポリペプチドは、様々な方法によって、例えば、ELISAによって、又はポリペプチドの生物学的活性について定量することによって、又はそのポリペプチドを認識して結合する免疫グロブリンを使用するウエスタンブロッティング若しくはラジオイムノアッセイなどのこうした活性に依存しない定量法を用いることによって、定量化することができる(Sambrook et al.,1999(上記)を参照されたい)。
【0031】
用語「発現ベクター」は、本明細書で使用する場合、宿主細胞における含まれる構造遺伝子の発現に必要とされるすべてのエレメントを提供する核酸を指す。典型的には、発現プラスミドは、複製起点、及び選択可能マーカー、真核生物選択マーカー、及び対象となる構造遺伝子の発現のための1種又は複数種の発現カセット(それぞれが、プロモーター、構造遺伝子、及びポリアデニル化シグナルを含む転写ターミネーターを含む)を含む、原核生物の(例えば大腸菌(E.coli)のための)プラスミド増殖ユニットを含む。遺伝子発現は、通常、プロモーターの制御下に置かれ、こうした構造遺伝子は、プロモーターに「作動可能に連結される」と言われる。同様に、調節エレメントとコアプロモーターは、その調節エレメントがコアプロモーターの活性を調節するならば、作動可能に連結される。
【0032】
用語「フレーバー」又は「フレーバー特性」は、本明細書で使用する場合、食味、匂い(香り)、及び/又はテクスチャーの構成要素の感覚認知を指す。組成物のフレーバープロファイルは、呈示されるすべての食味特性の相対的強度の定量的プロファイルである。こうしたプロファイルは、しばしば、ヒストグラム又はレーダープロットとしてプロットされる。ある種の実施形態では、フレーバープロファイルは、被検者の感覚的経験に寄与する1種又は複数種のフレーバーを含む。ある種の実施形態では、フレーバープロファイルにおける刺激の組み合わせを改変する、変化させる、又は変動させることは、被検者の感覚的経験を変化させることができる。
【0033】
用語「風味改良組成物」は、本明細書で使用する場合、それが投与される被検者における、食味、臭い、天然又は合成の味物質のフレーバー及び/又はテクスチャー、着香料、食味プロファイル、フレーバープロファイル、及び/又はテクスチャープロファイルを調節する(増強すること、倍増させること、強めること、減少させること、抑制すること、又は誘発することが含まれる)組成物を指す。
【0034】
用語「高甘味度甘味料」は、本明細書で使用する場合、スクロースよりも何倍も甘い(例えば、スクロースよりも20倍以上、30倍以上、50倍以上、又は100倍以上甘い)、あらゆる合成若しくは半合成の甘味料又は自然界に見られる甘味料を指す。
【0035】
用語「同等甘味(isosweet)」は、本明細書で使用する場合、等価な甘味を有する組成物を指す。一般に、所与の組成物の甘味は、典型的には、スクロースの溶液を基準にして測定される。“A Systematic Study of Concentration-Response Relationships of Sweeteners,” G.E.DuBois、D.E.Walters、S.S.Schiffman、Z.S.Warwick、B.J.Booth、S.D.Pecore、K.Gibes、B.T.Carr、及びL.M.Brands(Sweeteners:Discovery,Molecular Design and Chemoreception,D.E.Walters、F.T.Orthoefer、及びG.E.DuBois,Eds.,American Chemical Society,Washington,D.C.(1991)内、pp 261-276)を参照されたい。
【0036】
本明細書で使用する場合、用語「食感」は、組成物が口腔及び口の表面と接触した時に認知される消費財の感覚及び触覚特性を指す。感覚及び触覚特性には、テクスチャー、濃厚さ、粘稠性、及びコクが含まれる。
【0037】
用語「感覚受容性」又は「官能特性」は、本明細書で使用する場合、消費財(例えば、食品又は飲料)を摂取している間に五感によって認知される感覚を指す。したがって、官能特性は、消費財の食味及び香り、並びに色及びテクスチャーを含む。官能特性は、主観的であり、影響は、人によって異なる。これらの感覚特性は、例えば、必要な感覚技能を有する訓練を受けた又は受けていない個人のパネルによって、評価することができる。分析方法には、例えば、判別/差異及び記述分析が含まれ得る。ある種の実施形態では、官能特性、又はその中の向上は、検査される個人の大部分によって感じられる。
【0038】
用語「ppm」は、本明細書で使用する場合、百万分率を意味し、重量の相対的パラメータである。百万分率は、1グラムあたりの1マイクログラムであり、その結果、10ppmで存在する構成成分は、1グラムの混合物総計あたり、10マイクログラムの特定の構成成分で存在する。
【0039】
用語「純度」は、本明細書で使用する場合、その天然状態において見られる、化合物に通常伴う構成成分を実質的に又は本質的に含まない材料を指す。純度及び均質性は、典型的には、分析化学技術を使用して決定される。具体的には、一実施形態では、化合物は、少なくとも85%純粋、より好ましくは少なくとも90%純粋、より好ましくは少なくとも95%純粋、最も好ましくは少なくとも99%純粋である。別の実施形態では、化合物は、少なくとも90%純粋、少なくとも91%純粋、少なくとも92%純粋、少なくとも93%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも96%純粋、少なくとも97%純粋、少なくとも98%純粋、又は少なくとも99%純粋である。
【0040】
本明細書で使用する場合、「感覚的経験」は、食味、食味プロファイル、フレーバー、フレーバープロファイル、又はテクスチャープロファイルの、被検者の感覚認知を指す。
【0041】
用語「酸っぱい」又は「酸味」は、本明細書で使用する場合、酸度を検知する味覚を指す。これは、水素原子又はイオンによって引き起こされる。食品中に存在する原子が多いほど、味わうこととなる酸っぱさが高くなる。物質の酸味は、希塩酸(1という酸味指数を有する)を基準として評価される。比較すると、酒石酸は0.7の酸味指数を有し、クエン酸は0.46の指数を有し、炭酸は0.06の指数を有する。酸味の低下は、酸味阻害のパーセンテージとして表すことができる。一実施形態では、本発明の食味改良組成物は、消費財(例えば、飲料)の酸味を、食味改良組成物を含有しない消費財と比べて少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、又は少なくとも約25%以上低下させる。
【0042】
本明細書で使用する場合、用語「ステビオール配糖体」は、限定はされないが、天然に存在するステビオール配糖体、例えばレバウジオシドA(RebA)、レバウジオシドB(RebB)、レバウジオシドC(RebC)、レバウジオシドD(RebD)、レバウジオシドE(RebE)、レバウジオシドF(RebF)、レバウジオシドG(RebG)、レバウジオシドH(RebH)、レバウジオシドI(RebI)、レバウジオシドJ(RebJ)、レバウジオシドK(RebK)、レバウジオシドL(RebL)、レバウジオシドM(RebM)、レバウジオシドN(RebN)、レバウジオシドO(RebO)、レバウジオシドQ(RebQ)、レバウジオシドR(RebR)、レバウジオシドS(RebS)、レバウジオシドT(RebT)、レバウジオシドU(RebU)、レバウジオシドV(RebV)、レバウジオシドW(RebW)、レバウジオシドY(RebY)、ステビオシド、ステビオールビオシド、ズルコシドA、及びルブソシドなど、又は合成若しくは生合成のステビオール配糖体、例えば酵素によってグリコシル化されたステビオール配糖体、生体触媒によるステビオール配糖体の生物変換によるステビオール配糖体産物、ステビオール配糖体のデノボ合成の能力がある組換え微生物宿主の発酵によるステビオール配糖体、並びにその組み合わせを含めた、ステビオールの配糖体を指す。特定の実施形態では、ステビオール配糖体は、レバウジオシド類似体である。ステビオール配糖体は、甘味が、スクロースよりも40から300倍甘い範囲であり、また、熱安定性、pH安定性、及び非発酵性であると特徴付けられる。
【0043】
用語「スクロース等量(sucrose equivalence)」は、本明細書で使用する場合、スクロース基準に対する非スクロース組成物の甘味を指す。典型的には、食味検査員は、1~15%スクロース(w/v)を含有する基準スクロース溶液の甘味を検出するように訓練される。次いで、他の非スクロース甘味料を、希釈系列でテイスティングして、所与のパーセントのスクロース基準と同じ甘さ(すなわち同等甘味)である非スクロース甘味料の濃度を決定する。
【0044】
用語「糖に似た特性」は、スクロースの特性と類似のいずれかの特性を指し、限定はされないが、最大反応、フレーバープロファイル、食味プロファイル、時間的プロファイル、適応挙動、食感、濃度/応答関数、味物質/及びフレーバー/甘み相互作用、分布様式選択性、及び温度の影響が含まれる。これらの特性は、スクロースの食味が他の化合物の食味と異なる度合いである。用語「甘味料組成物」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1種の他の物質、例えば、別の甘味料又は添加物と組み合わせて、少なくとも1種の甘み成分を含有する組成物を意味する。
【0045】
用語「甘味付け可能組成物」は、本明細書で使用する場合、摂取された後に口から排出される物質、及び飲む、食べる、飲み込む、又はそれ以外に摂取され、且つ一般に許容できる範囲で使用される場合にヒト又は動物の摂取について安全である物質を含めて、ヒト又は動物の口と接触する物質を意味する。例えば、甘味料成分を含まない飲料は、甘味付け可能組成物の一種である。RebX及びエリスリトールを含む甘味料組成物を、甘味付けされていない飲料に添加し、それによって、甘味付けした飲料を提供することができる。別の例では、RebM又はRebAを含有する飲料は、甘味付け可能組成物の一種である。ブラゼインを含む甘味料組成物を、このRebM又はRebA含有飲料に添加し、それによって、甘味付けした飲料を提供することができる。
【0046】
用語「甘味付けした組成物」は、本明細書で使用する場合、甘味付け可能組成物と甘味料又は甘味料組成物との両方を含有する物質を意味する。
【0047】
本明細書で概して使用される用語「甘味認知閾値濃度」は、ヒトの味覚によって認知可能である、甘み化合物の最も低い知られている濃度、典型的には、およそ1.0%スクロース等量(1.0%SE)である。甘味認知閾値濃度は、所与の飲料基質において1.0%を超えるスクロース等量が検出されるまで、漸増濃度の所与のエンハンサーの食味検査を行うことによって容易に決定することができる。約1.0%スクロース等量を提供する濃度が、甘味認知閾値と考えられる。
【0048】
用語「相乗作用」は、本明細書で使用する場合、物質又は化合物の組み合わせが、その個々の活性の合計よりも高い(化学的及び/又は生物学的)活性をもたらす状態を指す。一実施形態では、活性は、甘味である。
【0049】
用語「味覚」は、本明細書で使用する場合、被検者の味蕾における受容体細胞の活性化又は阻害によって引き起こされる感覚又は知覚を指す。味蕾は、異なる分子又はイオンとの相互作用を検出することを介して、異なる味覚を区別することが可能である。味覚には、甘い、酸っぱい、塩味、苦い(いわゆる「基本味(basic taste)」)、並びにコク味及び旨味が含まれると考えられる。
【0050】
本明細書で使用する場合、「テクスチャープロファイル」又は「食感」は、口内での組成物の物理的及び化学的相互作用を指す。組成物のテクスチャープロファイルには、1種又は複数種のテクスチャー、例えば、限定はされないが、よだれが出そうな(mouthwatering)、潤滑な(lubricating)、つるつるした(slippery)、渋み、硬さ、粘着性(cohesiveness)、粘度、弾力性、接着性(adhesiveness)、脆さ、噛み応え、ねばねば(gumminess)、水分含量、ざらざら(grittiness)、滑らかさ(smoothness)、油っこさ(oiliness)、及び脂っこさ(greasiness)が含まれ得る。ある種の実施形態では、テクスチャープロファイルは、同じ又は異なる強度の1種又は複数種のテクスチャー特性を含むことができる。
【0051】
甘味料組成物/風味改良組成物
本明細書で開示されるのは、いずれの場合にもブラゼイン(又はその類似体)を含有する、甘味料組成物及び風味改良組成物である。ある種の実施形態では、甘味料組成物及び風味改良組成物は、これらを摂取する被検者の1種又は複数種の感覚的経験を変化させる(例えば、向上させる)。
【0052】
風味改良組成物は、所与の組成物、例えば消費財の食味、香り、及び/又はテクスチャーを、改変する(例えば、増強する、阻害する、又は変化させる)ことができる。特定の実施形態では、風味改良組成物は、ある特定の食味を改変する(例えば、増強する、阻害する、又は変化させる)。別の実施形態では、風味改良組成物は、所与のテクスチャーを改変する(例えば、増強する、阻害する、又は変化させる)。ある種の実施形態では、風味改良組成物は、所与の食味とテクスチャーとの両方を改変する(例えば、増強する、阻害する、又は変化させる)。
【0053】
風味改良組成物は、甘味付けすることも甘味を加えないこともできる。したがって、いくつかの実施形態では、風味改良組成物の添加は、風味改良剤を添加するために役割を果たすことも、食味調節のために選択された組成物に甘味をさらに提供することもできる。別の甘味料組成物の添加に加えて、又は別の甘味料組成物の添加の代わりに、甘味付けした 風味改良組成物の添加を使用することができる。
【0054】
本明細書に開示される甘味料組成物及び風味改良組成物は、ブラゼイン、そのバリアント又は類似体を含有する。ある種の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、甘味料組成物又は風味改良組成物中の唯一の甘みのある構成成分である。ある種の実施形態では、甘味料組成物又は風味改良組成物は、1種又は複数種の追加の甘みのある構成成分をさらに含む。特定の実施形態では、1種又は複数種の甘みのある構成成分には、ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)及びHFCSが含まれる。
【0055】
ブラゼインは、最初は西アフリカの植物、ニシアフリカイチゴ(Pentadiplandra brazzeana)バイヨン(Baillon)の果実から単離された、低分子の、甘みのあるタンパク質である。(Ming D et al.,FEBS Lett.(1994)355:106-108)。ブラゼインは、6.5kdの分子量を有する単量体タンパク質である。ブラゼインは、Csβα折り畳み(fold)ファミリーのメンバーとして、その構造に高度の熱及びpH安定性を与える4つのジスルフィド結合を含有する。具体的には、ブラゼインの甘みは、2.5~8のpH範囲での、98℃での2時間の及び80℃での4.5時間のインキュベーション後に残存する。ブラゼインはまた、水溶性(>50mg/mL)である。ブラゼインは、を有する、5.4という等電点を有する高溶解性のタンパク質(50g/L超)である。
【0056】
このタンパク質の少なくとも3つの型が公知であるが、熟した果実中には2つの型のみが存在する。メジャー型(major form)(pGlu-ブラゼイン)(約80%)は、そのN末端にピログルタミン酸(pGlu)残基を含有し、マイナー型(minor form)(des-pGlu1-ブラゼイン、一般に「ブラゼイン」と称される)(約20%)にはこの残基がない。
【0057】
野生型のブラゼイン(マイナー型)の53アミノ配列を、配列番号1に示す。本明細書に開示される組成物は、野生型のブラゼイン又は天然に存在するバリアント又はその組換え型類似体を含有することができる。
【0058】
マイナー型は、メジャー型のほぼ2倍の甘味を有する。具体的には、ブラゼインは、スクロースの約500から2000倍の甘味度を有する。ブラゼインの食味は、ソーマチン、すなわち別の甘みのあるタンパク質の食味よりも、よりスクロースに似ている。特定の実施形態では、本明細書に開示される甘味料組成物又は風味改良組成物は、マイナー型の野生型のブラゼインを含む。
【0059】
ブラゼインは、ヒト甘み受容体、すなわち味覚受容体タイプ1(Taste type 1 Receptor)2(T1R2)と味覚受容体タイプ1(Taste type 1 Receptor)3(T1R3)のサブユニットから構成されるヘテロ二量体Gタンパク質共役型受容体との多点結合相互作用に関与すると考えられている。(Assadi-Porter FM,et al.,J Mol.Bio.(2010)14;398(4):584-99)。ブラゼイン結合部位は、スクロース結合部位とは異なる。
【0060】
特定の実施形態では、本明細書に開示される甘味料組成物及び風味改良組成物は、ブラゼイン類似体を含む。一実施形態では、ブラゼイン類似体は、少なくとも1つのアミノ酸位置で、より具体的には、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のアミノ酸位置で、野生型のブラゼインと異なる。特定の実施形態では、ブラゼイン類似体の野生型アミノ酸配列は、第1部位(ループ残基R43)、第2部位(N及びC末端領域/残基E36及びループ33)、又は第3部位(ループ残基)9~19)で保存される。特定の実施形態では、ブラゼイン類似体は、Asp40Ala、Asp40Ly、Glu41Ala、Lys42Ala、Asp50Lys、Tyr54Trp、Asp29Ala/Glu41Lys、Asp29Asn/Glu41Lys、Asp29Lys/Glu41Lysを含めた群から選択される。
【0061】
一実施形態では、本明細書に開示される甘味料組成物及び風味改良組成物は、野生型のブラゼイン以上の甘味を有するブラゼイン類似体を含む。
【0062】
一実施形態では、本明細書に開示される甘味料組成物及び風味改良組成物は、野生型のブラジン(brazzine)以上の安定性を有するブラゼイン類似体を含む。
【0063】
本明細書に開示される組成物(例えば、甘味料組成物、フレーバー、及び/又は食味改良組成物、消費財)に使用するのに適したブラゼイン(又はその類似体)は、あらゆる好適なで産生することができる。産生の代表的な方法には、抽出、化学合成(すなわち、固相合成)又は組換え産生(すなわち、インビボ産生若しくはインビトロ産生)が含まれる。
【0064】
一実施形態では、本明細書に開示される組成物に使用されるブラゼインは、例えば国際公開第97/94/19467号に記載されている通り、ニシアフリカイチゴ(Pentadiplandra brazzeana)バイヨン(Baillon)という果物から単離される。果皮と種子の間のこの果実の果肉内のブラゼインの含有量は、およそ0.2~0.05重量%である。
【0065】
別の実施形態では、本明細書に開示される組成物に使用されるブラゼイン(又はその類似体)は、インビボで産生される。一実施形態では、ニシアフリカイチゴ(Pentadiplandra brazzeana)果実(又はその類似体)から単離されたマイナー型のブラゼインの核酸コード配列が、任意に最適化されて、好適なベクターに導入され、次いで、これが、適切な増殖系/環境中の宿主細胞にクローニングされ、組換え様式でタンパク質の発現がもたらされる。一実施形態では、宿主細胞は、原核細胞又は真核細胞である。
【0066】
ある種の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、無細胞系、すなわち、インビトロ合成で産生される。無細胞系は、無処置の細胞では起こらない、ポリヌクレオチドをペプチド、ポリペプチド、及び/又はタンパク質に翻訳する能力がある系である。本明細書に記載される組成物に使用するためのブラゼインを産生するために使用することができる無細胞系には、限定はされないが、真核生物、原核生物、及び/又はウイルス源由来のタンパク質発現成分が含まれる。例えば、本明細書で使用される無細胞系には、哺乳類及び/又は細菌の溶解物から得られる哺乳類及び/又は細菌タンパク質発現系が含まれ得る。
【0067】
ある種の実施形態では、組換え型ブラゼインは、遺伝子導入哺乳類によって、すなわち、乳中で産生される。
【0068】
ある種の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、融合タンパク質として発現させることができる。特定の実施形態では、この融合タンパク質は、ブラゼインと、融合タグ、例えばアフィニティータグ(例えば、Hisタグ)又は溶解度増強タグ(例えば、GSTタグ)とを含む。
【0069】
ブラゼイン(又はその類似体)の発現は、安定又は一過性であり得る。安定発現系では、外来性DNAが、染色体に、又はエピソーム(核DNAとは別の部分)として組み込まれ、次世代の宿主細胞に伝えられる。
【0070】
細胞を用いる系では、タンパク質精製プロセスにおける最初のステップは、細胞を溶解する又は壊して開けることによって、細胞からタンパク質を抽出することである。あらゆる好適な細胞溶解方法、例えば、機械的破砕、化学的分解、凍結融解サイクル、又は酵素消化を使用することができる。次いで、タンパク質を、あらゆる好適なタンパク質精製方法、例えば、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、濾過、電気泳動、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、コンカナバリンAクロマトグラフィー、等電点電気泳動、及び沈殿又は溶解差によって精製することができる。
【0071】
ブラゼイン(又はその類似体)のインビボ産生の収率は、変動し得る。特定の実施形態では、ブラゼインは、細胞内全タンパク質の少なくとも約1%に相当する。特定の実施形態では、ブラゼインは、細胞内全タンパク質の約1%から約5%に相当する。別の実施形態では、ブラゼインは、細胞内全タンパク質の約5%から約10%に相当する。さらなる実施形態では、ブラゼインは、細胞内全タンパク質の10%から約20%に相当する。ある種の実施形態では、ブラゼインは、細胞内全タンパク質の20%超に相当する。
【0072】
別の特定の実施形態では、ブラゼインは、約1mg/mLから約200mg/mL、より具体的には、約20mg/mLから約180mg/mL、約40mg/mLから約160mg/mL、約60mg/mLから約140mg/mL、又は約80mg/mLから約120mg/mLの収量をもたらすように精製される。一実施形態では、ブラゼインは、約25mg/mL、約50mg/mL、約75mg/mL、約100mg/mL、約125mg/mL、約150mg/mL、約175mg/mL、又は約200mg/L以上の収量をもたらすように精製される。任意に、ブラゼインは、タグをさらに含む融合タンパク質として産生され、上に記載した収量は、精製とタグの除去の両方を反映する。
【0073】
特定の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、実質的に純粋である。一実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、少なくとも約80%純粋、少なくとも約85%純粋、少なくとも約90%純粋、少なくとも約95%純粋、又は少なくとも約99%純粋である。別の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%純粋である。
【0074】
特定の実施形態では、本明細書に開示される組成物に使用されるブラゼイン(又はその類似体)は、酵母発現系において(すなわち、酵母由来のブラゼイン又はその類似体)、例えば、クリベロミセス属(Kluyveromyces)(例えば、K.ラクチス(K.lactis))、ラクトコッカス属(Lactococcus)(例えば、L.ラクチス(L.lactis))、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、サッカロミセス属(Saccharomyces)(例えば、出芽酵母(S.cerevisiae))、ピキア属(Pischia)(例えば、P.パストリス(P.pastoris))、ハンゼヌラ属(Hansenula)(例えば、H.ポリモルファ(H.polymorpha))、又はヤロウイア属(Yarrowia)(例えば、Y.リポリティカ(Y.lipolytica))において産生される。
【0075】
別の特定の実施形態では、本明細書に開示される組成物に使用されるブラゼイン(又はその類似体)は、細菌発現系において(すなわち、細菌由来のブラゼイン又はその類似体)、例えば、大腸菌(Escherichia coli)又は枯草菌(bacillus subtilis)において産生される。一実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、大腸菌(E.coli)において産生されない。
【0076】
さらなる特定の実施形態では、本明細書に開示される組成物に使用されるブラゼイン(又はその類似体)は、昆虫発現系において(すなわち、昆虫由来のブラゼイン又はその類似体)、例えば、バキュロウイルス感染させた又は非溶解性の昆虫細胞(例えば、sf9、Sf21)において産生される。
【0077】
別の実施形態では、本明細書に開示される組成物に使用されるブラゼイン(又はその類似体)は、真菌発現系において(すなわち、真菌由来のブラゼイン又はその類似体)、例えば、クリソスポリウム属(Chrysosporium)、ティエラビア属(Thielavia)、タラロミセス属(Talaromyces)、サーモミセス属(Thermomyces)、又はサーモアスカス属(Thermoascus)において産生される。
【0078】
さらなる実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、藻類発現系(すなわち、藻類由来のブラゼイン又はその類似体)において産生される。
【0079】
別の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、植物発現系(すなわち、植物由来のブラゼイン又はその類似体)において、例えば、トウモロコシ、タバコ、ジャガイモ、イチゴ、又はサトウキビにおいて産生される。一実施形態では、植物発現系は、植物細胞培養発現系である。
【0080】
特定の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、トウモロコシ、より具体的には、トウモロコシの種子において産生される。この実施形態によれば、ブラゼイン(又はその類似体)は、ブラゼイン含有胚芽粉として利用することができる。
【0081】
さらに別の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、哺乳類発現系において(すなわち、哺乳類由来のブラゼイン又はその類似体)、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胎児腎臓(HEK)、COS、及びベビーハムスター腎臓(BHK)細胞において産生される。
【0082】
或いは、本明細書に開示される組成物に使用されるブラゼイン(又はその類似体)は、大腸菌(E.coli)S30抽出物などの無細胞発現系を使用して、インビトロで産生することができる。
【0083】
本明細書に開示される甘味料組成物及び風味改良組成物中のブラゼイン(又はその類似体)の量は、変動し得る。一実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、その甘味閾値濃度を超えて存在する。
【0084】
一実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、甘味料組成物又は風味改良組成物が、単独で、又は甘味料組成物又は風味改良組成物中に(すなわち、こうした組成物が消費財に添加される前に)存在する1種又は複数種の追加の甘みのある構成成分(例えば、ステビオール配糖体、HFCS)と組み合わせて消費財(例えば、飲料)に添加された場合に所望される甘味を与えるいずれかの量で、甘味料組成物又は風味改良組成物中に存在する。
【0085】
特定の実施形態では、消費財の所望される甘味は、少なくとも約8ブリックス度、例えば、約9ブリックス度、約10ブリックス度、約11ブリックス度、約12ブリックス度、約13ブリックス度、約14ブリックス度、又は約15ブリックス度の甘味を有するスクロースで甘味付けした消費財と同等甘味である。
【0086】
別の実施形態では、消費財の所望される甘味は、約10ブリックス度から約15ブリックス度、例えば、約10ブリックス度から約14ブリックス度、約10ブリックス度から約13ブリックス度、約10ブリックス度から約12ブリックス度、約10ブリックス度から約11ブリックス度、約11ブリックス度から約15ブリックス度、約11ブリックス度から約14ブリックス度、約11ブリックス度から約13ブリックス度、約11ブリックス度から約12ブリックス度、約12ブリックス度から約15ブリックス度、約12ブリックス度から約14ブリックス度、約12ブリックス度から約13ブリックス度、約13ブリックス度から約15ブリックス度、約13ブリックス度から約14ブリックス度、及び約14ブリックス度から約15ブリックス度の甘味を有するスクロースで甘味付けした消費財と同等甘味である。
【0087】
一実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、単独で、又は甘味料組成物又は風味改良組成物中に(すなわち、こうした組成物が消費財に添加される前に)存在する1種又は複数種の追加の甘みのある構成成分(例えば、ステビオール配糖体、HFCS)と組み合わせて、それが添加される消費財の甘味を約1.0%(w/v)スクロース等量(SE)以上増強させる量で、甘味料組成物又は風味改良組成物中に存在する。
【0088】
特定の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、単独で、又は甘味料組成物又は風味改良組成物中に(すなわち、こうした組成物が消費財に添加される前に)存在する1種又は複数種の追加の甘みのある構成成分(例えば、ステビオール配糖体、HFCS)と組み合わせて、それが添加される消費財の甘味を約1.0%から約3.0%(w/v)スクロース等量(SE)、例えば、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2.0%、約2.1%、約2.2%、約2.3%、約2.4%、約2.5%、約2.6%、約2.7%、約2.8%、約2.9%、又は約3.0%スクロース等量増強させる量で、甘味料組成物中に存在する。
【0089】
別の特定の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、単独で、又は甘味料組成物又は風味改良組成物中に(すなわち、こうした組成物が消費財に添加される前に)存在する1種又は複数種の追加の甘みのある構成成分(例えば、ステビオール配糖体、HFCS)と組み合わせて、それが添加される消費財の甘味を約3.0%から約5%(w/v)スクロース等量(SE)、例えば、約3.1%、約3.2%、約3.3%、約3.4%、約3.5%、約3.6%、約3.7%、約3.8%、約3.9%、約4.0%、約4.1%、約4.2%、約4.3%、約4.4%、約4.5%、約4.6%、約4.7%、約4.8%、約4.9%、又は約5.0%増強させる量で、甘味料組成物又は風味改良組成物中に存在する。
【0090】
所与の組成物の甘味は、典型的には、スクロースの溶液を基準にして測定される。一般に、“A Systematic Study of Concentration-Response Relationships of Sweeteners, ”G.E.DuBois、D.E.Walters、S.S.Schiffman、Z.S.Warwick、B.J.Booth、S.D.Pecore、K.Gibes、B.T.Carr、及びL.M.Brands(Sweeteners:Discovery,Molecular Design and Chemoreception,D.E.Walters、F.T.Orthoefer、及びG.E.DuBois, Eds.,American Chemical Society,Washington,DC (1991)内、pp 261-276)を参照されたい。
【0091】
基準溶液中のスクロースの量は、ブリックス度(Bx)で記載することができる。1ブリックス度は、100グラムの溶液中の1グラムのスクロースであり、重量パーセント(% w/w)(厳密に言えば、質量パーセント)としての溶液の濃度を表す。
【0092】
一実施形態では、消費財(例えば、飲料)に添加された場合に糖の約1から約12ブリックス度、例えば、約2から約9ブリックス度、約3から約8ブリックス度、約4から約7ブリックス度、又は約5ブリックス度と等価な甘味を提供するのに有効な量のブラゼイン(又はその類似体)を、単独で、又は甘味料組成物又は風味改良組成物又は消費財中に存在する1種又は複数種の甘みのある構成成分(例えば、ステビオール配糖体、HFCS)と共に含有する、甘味料組成物が提供される。別の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、甘味付け可能組成物に添加された場合に約10ブリックス度と等価な甘味を提供するのに有効な量で、単独で、又は甘味料組成物、風味改良組成物、又はそれが添加される消費財中に存在する1種又は複数種の甘みのある構成成分(例えば、ステビオール配糖体、HFCS)と組み合わせて存在する。
【0093】
非スクロース甘味料の甘味はまた、非スクロース甘味料のスクロース等量を決定することによって、スクロース基準に対して測定することができる。典型的には、食味検査員は、1~15%スクロース(w/v)を含有する基準スクロース溶液の甘味を検出するように訓練される。次いで、他の非スクロース甘味料を、希釈系列でテイスティングして、所与のパーセントのスクロース基準と同じ甘さである非スクロース甘味料の濃度を決定する。例えば、ある甘味料の1%溶液が、10%スクロース溶液と同じ甘さであるならば、その甘味料は、スクロースの10倍強力であると言われる。
【0094】
一実施形態では、本明細書に開示される甘味料組成物又は風味改良組成物中に存在するブラゼイン(又はその類似体)の量は、甘味料組成物又は食味改良組成物が添加される消費財(例えば、飲料)の向上された1つ又は複数の官能特性に寄与するいずれかの量である。特定の実施形態では、向上された官能特性は、食味に関連する。一実施形態では、1種又は複数種の官能特性を向上させることは、食味プロファイルの向上ということになる。組成物の総合的な食味プロファイルは、甘味、酸味などのいくつかの異なる食味の相互作用である。
【0095】
向上された官能特性の例には、例えば、苦みの低下、渋味及びカンゾウ臭の低下、甘味の緩徐な発生、持続する甘味の低下、持続する苦みの低下、苦い後味の低下、金属的な後味の低下、化学的及び合成的な後味の低下、並びにその組み合わせを挙げることができる。特定の実施形態では、用語「向上された官能特性」は、甘味付けした又は食味が改良された組成物(例えば、飲料)が、ユーザーの大部分にとって向上された1つ又は複数の官能特性を有することとなることを意味する。この向上は、質的又は量的に、例えば向上のパーセンテージとして表すことができる。
【0096】
向上された官能特性は、特定の物質を検出することができる味覚検知システム(taste sensing system)(TSS)(分析用の感覚アレイユニット(例えば、電気化学センサー、重量センサー、光学センサー、又はバイオセンサー)を指す用語)などの技術手段によって、又はこれを使用して測定することができる。Sliwi’nska,M et al.J.Agric.Food Chem.(2014),62,1423-1448.
【0097】
特定の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、単独で、又は甘味料組成物又は風味改良組成物中の(すなわち、これが消費財に添加される前の)1種又は複数種の甘み構成成分(例えば、ステビオール配糖体、HFCS)と組み合わせて、甘味料又は風味改良組成物が添加される消費財(例えば、飲料)の苦みを低下させる、抑制する、又はマスクするいずれかの量で、甘味料組成物又は風味改良組成物中に存在する。甘味料又は風味改良組成物を添加していない消費財との比較を行う。
【0098】
特定の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、単独で、又は甘味料組成物若しくは風味改良組成物中の(すなわち、これが消費財に添加される前の)1種若しくは複数の甘み構成成分(例えば、ステビオール配糖体、HFCS)と組み合わせて、それが添加される消費財(例えば、飲料)の苦みを少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、又は少なくとも約25%以上低下させる量で、甘味料組成物又は風味改良組成物中に存在する。一実施形態では、被検者の大部分が、苦みの低下を感じる。甘味料又は風味改良組成物を添加していない消費財との比較を行う。
【0099】
特定の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、単独で、又は甘味料組成物又は風味改良組成物中の(すなわち、これが消費財に添加される前の)1種又は複数の甘み構成成分(例えば、ステビオール配糖体、HFCS)と組み合わせて、甘味料又は風味改良組成物が添加される消費財(例えば、飲料)の苦い後味を低下させる量で、甘味料組成物又は風味改良組成物中に存在する。特定の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、それが添加される消費財(例えば、飲料)の苦い後味を、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、又は少なくとも約25%以上低下させる量で、甘味料組成物又は風味改良組成物中に存在する。一実施形態では、被検者の大部分が、苦い後味の低下を感じる。甘味料又は風味改良組成物を添加していない消費財との比較を行う。
【0100】
別の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、甘味料又は風味改良組成物が添加される消費財(例えば、飲料)の甘味持続を低下させるいずれかの量で、甘味料組成物又は風味改良組成物中に存在する。スクロースは、最大反応が迅速に認知され、且つ認知された甘味が食品又は飲料を飲み込む際に比較的迅速に消失する甘みを呈する。対照的に、本質的にすべての高甘味度甘味料の甘みは、いくらかゆっくりとその最大反応に到達し、その後、スクロースの場合よりもゆっくりと強度を下げる。この甘味の減退はしばしば、「甘味持続」と称され、NHPSを含めた高甘味度甘味料の主な限界である。甘味の遅い発生も、問題であり得る。しかし、一般に、甘味持続は、より重大な問題である。したがって、この発明の好ましい実施形態は、甘味持続の著しい低下を示す。
【0101】
特定の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)は、単独で、又は甘味料組成物又は風味改良組成物中の(すなわち、これが消費財に添加される前の)1種又は複数種の甘みのある構成成分(例えば、ステビオール配糖体、HFCS)と組み合わせて、それが添加される消費財(例えば、飲料)の甘味持続を少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、又は少なくとも約25%以上低下させる量で、甘味料組成物又は風味改良組成物中に存在する。一実施形態では、被検者の大部分が、甘味持続の低下を認識している。特定の実施形態では、甘味料組成物又はフレーバー組成物を添加していない消費財との比較を行う。
【0102】
ある種の実施形態では、甘味料組成物、又は風味及び/又は食味改良組成物は、1種又は複数種の追加の甘味料を含有する。一実施形態では、その甘味閾値濃度を超える追加の甘味料が存在する。ある種の実施形態では、ブラゼインと1種又は複数種の追加の甘味料とを含有する甘味料組成物は、その甘味料組成物が添加される消費財の甘味を相乗的に増強する。一実施形態では、消費財の甘味は、当業者に予想されないであろう様式で増強される。
【0103】
追加の甘味料は、あらゆる種類の甘味料、例えば、天然、非天然、又は合成の甘味料であり得る。
【0104】
本明細書で使用する場合、用語「高甘味度甘味料」は、あらゆる合成若しくは半合成の甘味料又は自然界に見られる甘味料を指す。高甘味度甘味料は、スクロースよりも甘い化合物、又は化合物の混合物である。高甘味度甘味料は、典型的には、何倍も甘い(例えば、スクロースよりも20倍以上、30倍以上、50倍以上、又は100倍以上甘い)。
【0105】
少なくとも一つの実施形態では、少なくとも1種の追加の甘味料は、ステビア甘味料以外の天然の甘味料から選択される。別の実施形態では、少なくとも1種の追加の甘味料は、合成の高甘味度甘味料(SHPS)から選択される。
【0106】
特定の実施形態では、1種又は複数種の追加の甘味料は、天然の高甘味度甘味料(NHPS)であり得る。好適な天然の高甘味度甘味料には、限定はされないが、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、ズルコシドA、ズルコシドB、ルブソシド、ステビア、ステビオシド、モグロシドIV、モグロシドV、Luo Han Guo甘味料、シアメノシド、モナチン及びその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、グリチルリチン酸及びその塩、ソーマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンドゥルシン(hernandulcin)、フィロズルシン(phyllodulcin)、グリシフィリン、フロリジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、ステビオールビオシド、及びシクロカリオシドIが含まれる。天然の高甘味度甘味料は、純粋な化合物として、又は抽出物の一部として提供することができる。例えば、レバウジオシドAは、単独の化合物として又はステビア抽出物の一部として提供することができる。
【0107】
一実施形態では、1種又は複数種の追加の甘味料は、レバウジオシドM、レバウジオシドA、シアメノシドI、及びモグロシドVからなる群から選択される。
【0108】
特定の実施形態では、本発明の甘味料組成物及び/又は風味改良組成物は、ブラゼイン(又はその類似体)及びシアメノシドIを含む。
【0109】
別の特定の実施形態では、本発明の甘味料組成物及び/又は風味改良組成物は、ブラゼイン(又はその類似体)及びモグロシドVを含む。
【0110】
別の実施形態では、1種又は複数種の追加の甘味料は、レバウジオシドD、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドE、ステビオールモノシド、ステビオールビオシド、ルブソシド、ズルコシドB、ズルコシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドG、ステビオシド、レバウジオシドC、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドH、レバウジオシドL、レバウジオシドK、レバウジオシドJ、レバウジオシドM2、レバウジオシドD2、レバウジオシドS、レバウジオシドT、レバウジオシドU、レバウジオシドV、レバウジオシドW、レバウジオシドZ1、レバウジオシドZ2、レバウジオシドIX、酵素によってグルコシル化されたステビオール配糖体、及びその組み合わせからなる群から選択される。
【0111】
さらなる実施形態では、1種又は複数種の追加の甘味料は、モグロシドIA、モグロシドIE、11-オキソモグロシドIA、モグロシドII、モグロシドIIA、モグロシドIIB、モグロシドIIE、7-オキソモグロシドIIE、モグロシドIII、モグロシドIIIe、11-デオキシモグロシドIII、モグロシドIV、11-オキソモグロシドIV、11-オキソモグロシドIVA、11-デオキシモグロシドV、7-オキソモグロシドV、11-オキソモグロシドV、イソモグロシドV、モグロシドVI、モグロール、11-オキソモグロール、シアメノシドIの1,6-α異性体、羅漢果(monk fruit)抽出物、及びその組み合わせからなる群から選択される。
【0112】
特定の実施形態では、1種又は複数種の追加の甘味料は、式:
【化1】
を有するレバウジオシドM(13-[2-O-β-D-グルコピラノシル-3-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシル)オキシ]-Ent-カウラ-16-エン-19-酸-[2-O-β-D-グルコピラノシル-3-O-β-D-グリコピラノシル)エステルである。
【0113】
RebMは、精製された形態又は精製されていない形態で、すなわち、RebMを含有する天然に存在する混合物の一部として提供することができる。一実施形態では、RebMは、任意の好適な精製方法によって、ステビア抽出物から得ることができる。好適な精製方法は、限定はされないが、カラムクロマトグラフィー、再結晶、相分離、抽出、高速液体クロマトグラフィー、及びその組み合わせを含めて、当技術分野で公知である。
【0114】
別の実施形態では、追加の甘味料は、ステビオール配糖体組成物である。例示的なステビオール配糖体組成物は、A95であり、これは、主としてrebD及びRebM、それと共に微量の以下のもの:RebE、RebO、RebN、RebA、ステビオシド、RebC、及びRebBのうちの1種又は複数を含有する。A95を得る方法は、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2017/059414号に提供されている。例示的なA95ブレンドは、本明細書の実施例7に提供される。
【0115】
甘味料(sweeter)組成物又は食味改良組成物中のRebMの量は、変動し得る。一実施形態では、RebMは、甘味料組成物が消費財(例えば、飲料)に添加された場合に所望される甘味を与えるいずれかの量で、甘味料組成物中に存在する。特定の実施形態では、消費財の所望される甘味は、約10ブリックス度を超える。
【0116】
一実施形態では、甘味料組成物は、消費財(例えば、飲料)に添加された場合に約1から12ブリックス度、例えば、約2から約9ブリックス度、約3から約8ブリックス度、約4から約7ブリックス度、又は約5ブリックス度と等価な甘味を提供するのに有効な量のRebMを含有する。
【0117】
特定の実施形態では、RebMは、約8以下、例えば、約7、約6.5、約6、約5.5、又は約5SEというスクロース等量(SE)を提供するのに有効な量で存在する。
【0118】
別の特定の実施形態では、RebMは、約8以上、例えば、約9、約9.5、約10、約10.5、約11、約11.5、約12、約12.5、約13、約13.5、約14、約14.5、又は約15のスクロース等量を提供するのに有効な量で存在する。
【0119】
一実施形態では、RebMは、風味改良組成物がフレーバー改良可能組成物(例えば、飲料)に添加された場合に所望されるフレーバーを与えるいずれかの量で、風味改良組成物中に存在する。特定の実施形態では、所望されるフレーバーは、より糖に似た時間的プロファイル又は食味プロファイルである。
【0120】
一実施形態では、RebMとブラゼインは、相乗効果、例えば相乗的な甘味をもたらす、すなわち、組み合わせの甘味が、個々の甘味料の合計を超える。特定の実施形態では、RebMとブラゼインは、当業者によって予測されないであろう効果をもたらす。
【0121】
RebMは、精製された形態で、又はRebMと1種又は複数種の追加の構成成分とを含有する混合物の構成成分として提供することができる。一実施形態では、RebXは、混合物の構成成分として提供される。特定の実施形態では、この混合物は、ステビア抽出物である。ステビア抽出物は、乾量基準で、重量で約5%から約100%、例えば、約10%から約100%、約20%から約100%、約30%から約100%、約40%から約100%、約50%から約100%、約60%から約100%、約70%から約100%、約80%から約100%、及び約90%から約100%の範囲である量のRebMを含有することができる。いっそうさらなる実施形態では、ステビア抽出物は、乾量基準で、重量で約90%を超える、例えば、約91%を超える、約92%を超える、約93%を超える、約94%を超える、約95%を超える、約96%を超える、約97%を超える、約98%を超える、約99%を超える量のRebMを含有する。
【0122】
一実施形態では、RebMは、ステビオール配糖体混合物、すなわち、混合物の残りの非RebM部分が完全にステビオール配糖体からなるステビオール配糖体の混合物の構成成分として提供される。ステビオール配糖体のアイデンティティー(identity)は、当分野で公知であり、限定はされないが、ステビオール、ステビオールモノシド、ルボソシド(rubososide)、ステビオールビオシド(steviolbiocide)、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、及びズルコシドAが含まれる。ステビオール配糖体混合物は、乾量基準で、重量で約5%から約100%のRebMを含有することができる。例えば、ステビオール配糖体混合物は、乾量基準で、重量で約10%から約100%、約20%から約100%、約30%から約100%、約40%から約100%、約50%から約100%、約60%から約100%、約70%から約100%、約80%から約100%、及び約90%から約100%のRebMを含有することができる。いっそうさらなる実施形態では、ステビオール配糖体混合物は、乾量基準で、重量で約90%を超える、例えば、約91%を超える、約92%を超える、約93%を超える、約94%を超える、約95%を超える、約96%を超える、約97%を超える、約98%を超える、及び約99%を超えるRebMを含有することができる。
【0123】
RebM80は、重量で約80%のRebMを有するステビア抽出物又はステビオール配糖体 組成物を指す。
【0124】
特定の実施形態では、1種又は複数種の追加の甘味料は、レバウジオシドAである。
【0125】
RebAは、精製された形態又は精製されていない形態で、すなわち、RebAを含有する天然に存在する混合物の一部として提供することができる。一実施形態では、RebAは、任意の好適な精製方法によって、ステビア抽出物から得ることができる。好適な精製方法は、限定はされないが、カラムクロマトグラフィー、再結晶、相分離、抽出、高速液体クロマトグラフィー、及びその組み合わせを含めて、当技術分野で公知である。
【0126】
RebAは、精製された形態で、又はRebAと1種又は複数種の追加の構成成分とを含有する混合物の構成成分として提供することができる。一実施形態では、RebAは、混合物の構成成分として提供される。特定の実施形態では、この混合物は、ステビア抽出物である。ステビア抽出物は、乾量基準で、重量で約5%から約100%、例えば、約10%から約100%、約20%から約100%、約30%から約100%、約40%から約100%、約50%から約100%、約60%から約100%、約70%から約100%、約80%から約100%、及び約90%から約100%の範囲である量のRebAを含有することができる。いっそうさらなる実施形態では、ステビア抽出物は、乾量基準で、重量で約90%を超える、例えば、約91%を超える、約92%を超える、約93%を超える、約94%を超える、約95%を超える、約96%を超える、約97%を超える、約98%を超える、約99%を超える量のRebAを含有する。
【0127】
一実施形態では、RebAは、ステビオール配糖体混合物、すなわち、混合物の残りの非RebA部分が完全にステビオール配糖体からなるステビオール配糖体の混合物の構成成分として提供される。ステビオール配糖体混合物は、乾量基準で、約5%から約100%のRebA重量を含有することができる。例えば、ステビオール配糖体混合物は、乾量基準で、重量で約10%から約100%、約20%から約100%、約30%から約100%、約40%から約100%、約50%から約100%、約60%から約100%、約70%から約100%、約80%から約100%、及び約90%から約100%のRebAを含有することができる。いっそうさらなる実施形態では、ステビオール配糖体混合物は、乾量基準で、重量で約90%を超える、例えば、約91%を超える、約92%を超える、約93%を超える、約94%を超える、約95%を超える、約96%を超える、約97%を超える、約98%を超える、約99%を超えるRebAを含有することができる。
【0128】
甘味料組成物又は食味改良組成物中のRebAの量は、変動し得る。一実施形態では、RebAは、甘味料組成物が甘味付け可能組成物に添加された場合に所望される甘味を与えるいずれかの量で、甘味料組成物中に存在する。特定の実施形態では、甘味付けした組成物の所望される甘味は、約10ブリックス度を超える。
【0129】
一実施形態では、RebAとブラゼインは、相乗効果、例えば相乗的な甘味をもたらす、すなわち、組み合わせの甘味が、個々の甘味料の合計を超える。ある種の実施形態では、RebAとブラゼインは、当業者が予想しないであろう効果をもたらす。
【0130】
特定の実施形態では、RebAは、約8以下、例えば、約7、約6.5、約6、約5.5、又は約5SEというスクロース等量(SE)を提供するのに有効な量で存在する。
【0131】
別の特定の実施形態では、RebAは、約8以上、例えば、約9、約9.5、約10、約10.5、約11、約11.5、約12、約12.5、約13、約13.5、約14、約14.5、又は約15のスクロース等量(SE)を提供するのに有効な量で存在する。
【0132】
別の特定の実施形態では、RebAは、約8SE以上、例えば、約9SE、約9.5SE、約10SEのスクロース等量を提供するのに有効な量で存在する。
【0133】
一実施形態では、RebAは、食味改良組成物が食味改良可能組成物(例えば、飲料)に添加された場合に所望される食味を与えるいずれかの量で、風味改良組成物中に存在する。特定の実施形態では、所望される食味は、糖に似た食味である。
【0134】
特定の実施形態では、ブラゼインRebAとは、相乗効果をもたらす。ある種の実施形態では、ブラゼインとRebAは、当業者に予想されないであろう効果をもたらす。
【0135】
別の実施形態では、1種又は複数種の追加の甘味料は、炭水化物甘味料であり得る。好適な炭水化物甘味料の非限定的な例には、スクロース、フルクトース、グルコース、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、D-タガトース、トレハロース、ガラクトース、ラムノース、シクロデキストリン(例えば、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、及びγ-シクロデキストリン)、リブロース、トレオース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、イドース、ラクトース、マルトース、転化糖、イソトレハロース、ネオトレハロース、パラチノース又はイソマルツロース、エリトロース、デオキシリボース、グロース、イドース、タロース、エリトルロース、キシルロース、プシコース、ツラノース、セロビオース、グルコサミン、マンノサミン、フコース、フクロース、グルクロン酸、グルコン酸、グルコノ-ラクトン、アベクオース(abequose)、ガラクトサミン、キシロ-オリゴ糖(キシロトリオース、キシロビオースなど)、ゲンチオ-オリゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオースなど)、ガラクトオリゴ糖、ソルボース、ケトトリオース(デヒドロキシアセトン(dehydroxyacetone))、アルドトリオース(グリセルアルデヒド)、ニゲロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖(ケストース、ニストースなど)、マルトテトラオース、マルトトリオール(maltotriol)、四糖、マンナンオリゴ糖、マルトオリゴ糖(マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースなど)、デキストリン、ラクツロース、メリビオース、ラフィノース、ラムノース、リボース、異性化液糖、例えば高果糖液糖(high fructose corn/starch syrup)(HFCS/HFSS)(例えば、HFCS55、HFCS42、又はHFCS90)、カップリングシュガー、ダイズオリゴ糖、グルコースシロップ、及びその組み合わせが含まれる)。
【0136】
他の実施形態では、少なくとも1種の追加の甘味料は、合成の甘味料である。本明細書で使用する場合、表現「合成の甘味料」は、自然界で天然には見られない、且つスクロース、フルクトース、又はグルコースを超える甘味度を特徴的に有するが、より少ないカロリーを有する、あらゆる組成物を指す。本開示の実施形態に適した合成の高甘味度甘味料の非限定的な例には、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、アリターム、サッカリン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、チクロ(cyclamate)、ネオテーム、アドバンテーム、グルコシル化されたステビオール配糖体(GSG)、及びその組み合わせが含まれる。
【0137】
甘味料組成物は、所望されるカロリー含有量を得るためにカスタマイズすることができる。例えば、甘味料組成物は、(例えば、飲料としての)甘味付け可能組成物に添加される場合に所望される甘味を与え、且つ8オンスの1杯あたり約120カロリーを有するように、「高カロリー」であり得る。
【0138】
甘味料組成物は、所望されるカロリー含有量を得るためにカスタマイズすることができる。例えば、甘味料組成物は、(例えば、飲料としての)甘味付け可能組成物に添加される場合に所望される甘味を与え、且つ8オンスの1杯あたり約80カロリーを有するように、「中カロリー(mid-calorie)」であり得る。
【0139】
甘味料組成物は、(例えば、飲料としての)甘味付け可能組成物に添加される場合に所望される甘味を与え、且つ8オンスの1杯あたり約40カロリーを有するように、「低カロリー」であり得る。
【0140】
他の実施形態では、甘味料組成物は、(例えば、飲料としての)甘味付け可能組成物に添加される場合に所望される甘味を与え、且つ8オンスの1杯あたり約5カロリーを有するように、「ゼロカロリー」であり得る。
【0141】
添加物
本明細書に開示される甘味料組成物又は風味改良組成物は、ブラゼイン(又はその類似体)、及び任意に1種又は複数種の追加の甘味料(例えば、1種又は複数種のステビオール配糖体)に加えて、本明細書で以下に詳述される追加の添加物を任意に含むことができる。いくつかの実施形態では、甘味料組成物は、限定はされないが、炭水化物、ポリオール、アミノ酸及びその対応する塩、ポリアミノ酸及びその対応する塩、糖酸及びその対応する塩、ヌクレオチド、有機酸、無機酸、有機酸塩及び有機塩基塩を含めた有機塩、無機塩、苦味化合物、香料及び着香成分、渋味化合物、タンパク質又はタンパク質加水分解産物、界面活性剤、乳化剤、フラボノイド、アルコール、ポリマー、及びその組み合わせを含めた、添加物を含有する。いくつかの実施形態では、添加物は、スクロースと同様の食味を有する甘味料組成物を提供するために、甘味料の時間的プロファイル及びフレーバープロファイルを向上させるように作用する。
【0142】
一実施形態では、甘味料組成物又は風味改良組成物は、1種又は複数種のポリオールを含有する。用語「ポリオール」は、本明細書で使用する場合、2個以上のヒドロキシル基を含有する分子を指す。ポリオールは、それぞれ、2、3、及び4個のヒドロキシル基を含有する、ジオール、トリオール、又はテトラオールであり得る。ポリオールはまた、それぞれ、5、6、及び7個のヒドロキシル基を含有する、ペンタオール、ヘキサオール、ヘプタオールなどの、4個よりも多いヒドロキシル基も含有することができる。さらに、ポリオールはまた、炭水化物の還元型である糖アルコール、多価アルコール、又はポリアルコールであり得、ここでは、カルボニル基(アルデヒド又はケトン、還元糖)は、第二又は第二ヒドロキシル基に還元されている。
【0143】
いくつかの実施形態におけるポリオールの非限定的な例には、食味に悪影響を及ぼさない、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、イソマルト、プロピレングリコール、グリセロール(グリセリン)、トレイトール、ガラクチトール、パラチノース、還元イソマルトオリゴ糖、還元キシロ-オリゴ糖、還元ゲンチオ-オリゴ糖、還元マルトースシロップ、還元グルコースシロップ、及び還元することが可能な糖アルコール又は他のあらゆる炭水化物が含まれる。
【0144】
好適な甘み向上アミノ酸添加物には、限定はされないが、アスパラギン酸、アルギニン、グリシン、グルタミン酸、プロリン、トレオニン、テアニン、システイン、シスチン、アラニン、バリン、チロシン、ロイシン、アラビノース、トランス-4-ヒドロキシプロリン、イソロイシン、アスパラギン、セリン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、メチオニン、カルニチン、アミノ酪酸(α?、β?、及び/又はδ-異性体)、グルタミン、ヒドロキシプロリン、タウリン、ノルバリン、サルコシン、及びその塩形態、例えばナトリウム若しくはカリウム塩又は酸塩が含まれる。甘み向上アミノ酸添加物はまた、D-又はL-立体配置、及び同じ又は異なるアミノ酸のモノ-、ジ-、又はトリ-形態であり得る。さらに、これらのアミノ酸は、適切ならば、α-、β-、γ-及び/又はδ-異性体であり得る。前述のアミノ酸及びその対応する塩(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム塩、又は他のそのアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩、又は酸塩)の組み合わせも、いくつかの実施形態において、好適な甘み向上添加物である。これらのアミノ酸は、天然又は合成であり得る。アミノ酸はまた、修飾することができる。修飾されたアミノ酸は、少なくとも1つの原子が付加、除去、置換されているあらゆるアミノ酸、又はその組み合わせ(例えば、N-アルキルアミノ酸、N-アシルアミノ酸、若しくはN-メチルアミノ酸)を指す。修飾されたアミノ酸の非限定的な例には、トリメチルグリシン、N-メチル-グリシン、及びN-メチル-アラニンなどのアミノ酸誘導体が含まれる。本明細書で使用する場合、修飾されたアミノ酸は、修飾されたアミノ酸と修飾されていないアミノ酸との両方を包含する。本明細書で使用する場合、アミノ酸はまた、ペプチドと、ポリペプチド(例えば、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、及びペンタペプチド)、例えばグルタチオン及びL-アラニル-L-グルタミンなどとの両方を包含する。好適な甘み向上ポリアミノ酸添加物には、ポリ-L-アスパラギン酸、ポリ-L-リジン(例えば、ポリ-L-α-リジン又はポリ-L-ε-リジン)、ポリ-L-オルニチン(例えば、ポリ-L-α-オルニチン又はポリ-L-ε-オルニチン)、ポリ-L-アルギニン、他の重合形態のアミノ酸、及びその塩形態(例えば、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム塩、例えばL-グルタミン酸モノナトリウム塩)が含まれる。甘み向上ポリアミノ酸添加物はまた、D-又はL-立体配置であり得る。さらに、これらのポリアミノ酸は、適切ならば、α-、β-、γ-及び/又はδ-、及びε-異性体であり得る。前述のポリアミノ酸及びその対応する塩(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム塩、又は他のそのアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩、又は酸塩)の組み合わせも、いくつかの実施形態において、好適な甘み向上添加物である。本明細書に記載されるポリアミノ酸はまた、異なるアミノ酸のコポリマーを含むことができる。これらのポリアミノ酸は、天然又は合成であり得る。ポリアミノ酸はまた、少なくとも1つの原子が付加、除去、置換されている(又はその組み合わせ(例えば、N-アルキルポリアミノ酸又はN-アシルポリアミノ酸))ように、修飾することができる。本明細書で使用する場合、ポリアミノ酸は、修飾されたポリアミノ酸と修飾されていないポリアミノ酸との両方を包含する。例えば、修飾されたポリアミノ酸には、限定はされないが、1,500のMW、6,000のMW、25,200のMW、63,000のMW、83,000のMW、又は300,000のMWを有するポリ-L-α-リジンなどの様々な分子量(MW)のポリアミノ酸が含まれる。
【0145】
好適な糖酸添加物には、限定はされないが、アルドン酸、ウロン酸、アルダル酸、アルギン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、及びその塩(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム塩、又は他の生理学的に許容できる塩)、及びその組み合わせが含まれる。
【0146】
好適なヌクレオチド添加物には、限定はされないが、イノシン一リン酸(「IMP」)、グアノシン一リン酸(「GMP」)、アデノシン一リン酸(「AMP」)、シトシン一リン酸(CMP)、ウラシル一リン酸(UMP)、イノシン二リン酸、グアノシン二リン酸、アデノシン二リン酸、シトシン二リン酸、ウラシル二リン酸、イノシン三リン酸、グアノシン三リン酸、アデノシン三リン酸、シトシン三リン酸、ウラシル三リン酸、そのアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩、及びその組み合わせが含まれる。本明細書に記載されるヌクレオチドはまた、ヌクレオチド関連の添加物、例えばヌクレオシド又は核酸塩基(例えば、グアニン、シトシン、アデニン、チミン、ウラシル)を含むことができる。特定の実施形態では、ヌクレオチドは、約5ppm~約1,000ppmの量で、甘味料組成物中に存在する。
【0147】
好適な有機酸添加物には、-COOH部分を含むあらゆる化合物、例えば、C2~C30カルボン酸、置換されたヒドロキシルC2~C30カルボン酸、安息香酸、置換された安息香酸(例えば、2,4-ジヒドロキシ安息香酸)、置換されたケイ皮酸、ヒドロキシ酸、置換されたヒドロキシ安息香酸、置換されたシクロヘキシルカルボン酸、タンニン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、アジピン酸、ヒドロキシクエン酸、リンゴ酸、フルーツ酸(fruitaric acid)(リンゴ酸、フマル酸、及び酒石酸のブレンド)、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クロロゲン酸、サリチル酸、クレアチン、コーヒー酸、胆汁酸、酢酸、アスコルビン酸、アルギン酸、エリソルビン酸、ポリグルタミン酸、グルコノデルタラクトン、及びそのアルカリ若しくはアルカリ土類金属誘導体が含まれる。さらに、有機酸添加物はまた、D-又はL-立体配置であり得る。
【0148】
好適な有機酸付加塩には、限定はされないが、すべての有機酸のナトリウム、カルシウム、カリウム、及びマグネシウム塩、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、乳酸(例えば、乳酸ナトリウム)、アルギン酸(例えば、アルギン酸ナトリウム)、アスコルビン酸(例えば、アスコルビン酸ナトリウム)、安息香酸(例えば、安息香酸ナトリウム、又は安息香酸カリウム)、及びアジピン酸の塩が含まれる。記載した甘み向上有機酸添加物の例は、任意に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホ、チオール、イミン、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、スルファミル(sulfamyl)、カルボキサルコキシ(carboxalkoxy)、カルボキサミド、ホスホニル(phosphonyl)、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィノ、チオエステル、チオエーテル、無水物(anhydride)、オキシイミノ、ヒドラジノ、カルバミル、リン光体(phosphor)、又はホスホナート(phosphonato)から選択される少なくとも1つの基で置換することができる。特定の実施形態では、有機酸添加物は、約10ppm~約5,000ppmの量で、甘味料組成物中に存在する。
【0149】
好適な無機酸添加物には、限定はされないが、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、塩酸、硫酸、炭酸、リン酸二水素ナトリウム、及びそのアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩(例えば、イノシトール六リン酸Mg/Ca)が含まれる。
【0150】
好適な苦味化合物の添加物には、限定はされないが、カフェイン、キニーネ、尿素、ビターオレンジ油、ナリンギン、ニガキ、及びその塩が含まれる。
【0151】
好適な香料及び着香成分の添加物には、限定はされないが、バニリン、バニラエキス、マンゴーエキス、シナモン、柑橘、ココナツ、ショウガ、ビリジフロロール、アーモンド、メントール(ミントを伴わないメントールが含まれる)、ブドウ果皮抽出物、及びブドウ種子抽出物が含まれる。「香料」と「着香成分」は、同義であり、天然若しくは合成の物質又はその組み合わせが含まれ得る。香料にはまた、フレーバーを与えるあらゆる他の物質が含まれ、一般に許容される範囲で使用された場合にヒト又は動物にとって安全である天然の又は非天然の(合成の)物質が含まれ得る。自社開発の香料の非限定的な例には、Doehler(商標) Natural Flavoring Sweetness Enhancer K14323(Doehler(商標), Darmstadt,Germany)、Symrise(商標)Natural Flavor Mask for Sweetners 161453及び164126(Symrise(商標),Holzminden,Germany)、Natural Advantage(商標)Bitterness Blockers 1、2、9、及び10(Natural Advantage(商標),Freehold,New Jersey,U.S.A.)、及びSucramask(商標)(Creative Research Management,Stockton,California,U.S.A.)が含まれる。
【0152】
好適なポリマー添加物には、限定はされないが、キトサン、ペクチン、ペクチン酸、ペクチニン酸、ポリウロン酸、ポリガラクツロ酸、デンプン、食品親水コロイド又はその粗抽出物(例えば、アカシアセネガルガム(Fibergum(商標))、アカシアセヤルガム、カラギーナン)、ポリ-L-リジン(例えば、ポリ-L-α-リジン又はポリ-L-ε-リジン)、ポリ-L-オルニチン(例えば、ポリ-L-α-オルニチン又はポリ-L-ε-オルニチン)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコールメチルエーテル)、ポリアルギニン、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリエチレンイミン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、及びポリエチレングリコールアルギン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム及びその塩、並びに他のカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーが含まれる。
【0153】
好適なタンパク質又はタンパク質加水分解産物の添加物には、限定はされないが、ウシ血清アルブミン(BSA)、乳清タンパク質(画分、又はその濃縮物、例えば90%インスタント分離乳清タンパク質、34%乳清タンパク質、50%加水分解乳清タンパク質、及び80%乳清タンパク質濃縮物が含まれる)、可溶性の米タンパク質、ダイズタンパク質、タンパク質単離物、タンパク質加水分解産物、タンパク質加水分解産物の反応生成物、糖タンパク質、及び/又はプロテオグリカン含有アミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、ノルバリン、メチオニン、プロリン、チロシン、ヒドロキシプロリンなど)、コラーゲン(例えば、ゼラチン)、部分的に加水分解されたコラーゲン(例えば、加水分解フィッシュコラーゲン)、及びコラーゲン加水分解産物(例えば、ブタコラーゲン加水分解産物)が含まれる。
【0154】
好適な界面活性剤添加物には、限定はされないが、ポリソルベート(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80)、ポリソルベート20、ポリソルベート60)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチル又はスルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、塩化セチルピリジニウム(塩化ヘキサデシルピリジニウム)、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、コール酸ナトリウム、カルバモイル、塩化コリン、グリココール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、ラウリン酸アルギナート(lauric arginate)、ステアロイル乳酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、レシチン、オレイン酸スクロースエステル、ステアリン酸スクロースエステル、パルミチン酸スクロースエステル、ラウリン酸スクロースエステル、及び他の乳化剤などが含まれる。
【0155】
好適なフラボノイド添加物は、フラボノール、フラボン、フラバノン、フラバン-3-オール、イソフラボン、又はアントシアニジンと分類される。フラボノイド添加物の非限定的な例には、限定はされないが、カテキン(例えば、緑茶抽出物、例えば、Polyphenon(商標)60、Polyphenon(商標)30、及びPolyphenon(商標)25(Mitsui Norin Co., Ltd., Japan)、ポリフェノール、ルチン(例えば、酵素改変ルチンSanmelin(商標)AO(San-fi Gen F.F.I., Inc.,Osaka,Japan))、ネオヘスペリジン、ナリンギン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンなどが含まれる。
【0156】
好適なアルコール添加物には、限定はされないが、エタノールが含まれる。
【0157】
好適な渋味化合物の添加物には、限定はされないが、タンニン酸、塩化ユウロピウム(EuCl)、塩化ガドリニウム(GdCl)、塩化テルビウム(TbCl)、ミョウバン、タンニン酸、及びポリフェノール(例えば、茶ポリフェノール)が含まれる。特定の実施形態では、渋味添加物は、約10ppm~約5,000ppmの量で存在する。
【0158】
特定の実施形態では、甘味料組成物又は風味改良組成物は、1種又は複数種のステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、及びその組み合わせから選択されるポリオール;並びに任意に少なくとも1種の追加の甘味料及び/又は機能性成分と任意に組み合わせて、ブラゼイン(又はその類似体)を含む。特定の実施形態では、ポリオールは、エリスリトールである。ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)は、上に記載した通り、純粋な化合物として、又はステビア抽出物若しくはステビオール配糖体混合物の一部として提供することができる。ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)は、ステビオール配糖体混合物又はステビア抽出物中に、乾量基準で、重量で約5%から約100%の量で存在し得る。
【0159】
特定の実施形態では、甘味料組成物又は風味改良組成物は、1種又は複数種のステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA);スクロース、フルクトース、グルコース、マルトース、及びその組み合わせから選択される炭水化物甘味料;並びに任意に少なくとも1種の追加の甘味料及び/又は機能性成分と任意に組み合わせて、ブラゼイン(又はその類似体)を含む。ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)は、上に記載した通り、純粋な化合物として、又はステビア抽出物若しくはステビオール配糖体混合物の一部として提供することができる。ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)は、ステビオール配糖体混合物又はステビア抽出物中に、乾量基準で、重量で約5%から約100%の量で存在し得る。
【0160】
特定の実施形態では、甘味料組成物又は風味改良組成物は、1種又は複数種のステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA);グリシン、アラニン、プロリン、及びその組み合わせから選択されるアミノ酸;並びに任意に少なくとも1種の追加の甘味料及び/又は機能性成分と任意に組み合わせて、ブラゼイン(又はその類似体)を含む。ステビオール配糖体は、上に記載した通り、純粋な化合物として、又はステビア抽出物若しくはステビオール配糖体混合物の一部として提供することができる。ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)は、ステビオール配糖体混合物又はステビア抽出物中に、乾量基準で、重量で約5%から約100%の量で存在し得る。
【0161】
特定の実施形態では、甘味料組成物又は風味改良組成物は、1種又は複数種のステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA);塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、及びその組み合わせから選択される塩;並びに任意に少なくとも1種の追加の甘味料及び/又は機能性成分と任意に組み合わせて、ブラゼイン(又はその類似体)を含む。ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)は、上に記載した通り、純粋な化合物として、又はステビア抽出物若しくはステビオール配糖体混合物の一部として提供することができる。
【0162】
機能性成分
本明細書に開示される甘味料組成物又は風味改良組成物はまた、組成物に真の又は認知される健康上の利益を提供する、1種又は複数種の機能性成分を含有することができる。機能性成分には、限定はされないが、サポニン、抗酸化剤、食物繊維源、脂肪酸、ビタミン、グルコサミン、ミネラル、保存剤、水和剤、プロバイオティクス、プレバイオティクス、体重管理剤、骨粗鬆症管理剤、フィトエストロゲン、長鎖第一級脂肪族飽和アルコール、フィトステロール、及びその組み合わせが含まれる。
【0163】
本発明の実施形態に適した抗酸化剤の例には、限定はされないが、ビタミン、ビタミン補因子、ミネラル、ホルモン、カロテノイド、カロテノイド・テルペノイド、非カロテノイド・テルペノイド、フラボノイド、フラボノイド・ポリフェノール類(例えば、バイオフラボノイド)、フラボノール、フラボン、フェノール、ポリフェノール、フェノールのエステル、ポリフェノールのエステル、非フラボノイドフェノール類、イソチオシアネート及びその組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ユビキノン、ミネラル・セレン、マンガン、メラトニン、α-カロテン、β-カロテン、リコピン、ルテイン、ゼアンチン(zeanthin)、クリポキサンチン(crypoxanthin)、レセルバトール(reservatol)、オイゲノール、ケルセチン、カテキン、ゴシポール、ヘスペレチン、クルクミン、フェルラ酸、チモール、ヒドロキシチロソール、ウコン、タイム、オリーブ油、リポ酸、グルタチノン(glutathinone)、グタミン(gutamine)、シュウ酸、トコフェロール由来の化合物、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、tert-ブチルヒドロキノン、酢酸、ペクチン、トコトリエノール、トコフェロール、コエンザイムQ10、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、カンタキサンチン(canthaxantin)、サポニン、リモノイド、ケンフェドロール(kaempfedrol)、ミリセチン、イソラムネチン、プロアントシアニジン、ケルセチン、ルチン、ルテオリン、アピゲニン、タンゲリチン(tangeritin)、ヘスペレチン、ナリンゲニン、エロジクチオール(erodictyol)、フラバン-3-オール(例えば、アントシアニジン)、ガロカテキン、エピカテキン及びその没食子酸エステル形態、エピガロカテキン及びその没食子酸エステル形態(ECGC)、テアフラビン及びその没食子酸エステル形態、テアルビジン、イソフラボンフィトエストロゲン、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、アニイトシアニン(anythocyanin)、シアニジング(cyaniding)、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、エラグ酸、没食子酸、サリチル酸、ロスマリン酸、ケイ皮酸及びその誘導体(例えば、フェルラ酸)、クロロゲン酸、チコリ酸、ガロタンニン、エラジタンニン、アントキサンチン、ベータシアニン、及び他の植物色素、シリマリン、クエン酸、リグナン、反栄養素(antinutrient)、ビリルビン、尿酸、R-α-リポ酸、N-アセチルシステイン、エンブリカニン(emblicanin)、及びフィチン酸、又はその組み合わせである。代替実施形態では、抗酸化剤は、合成の抗酸化剤、例えば、ブチルヒドロキシトルン(butylated hydroxytolune)又はブチルヒドロキシアニソールなどである。本発明の実施形態に適した抗酸化剤の他の起源には、限定はされないが、果実、野菜、茶、ココア、チョコレート、香辛料、ハーブ、米、家畜の内臓肉、酵母、全粒粉、又は穀物粒が含まれる。
【0164】
特定の抗酸化剤は、1分子あたり2個以上のフェノール基の存在を特徴とする、植物に見られる群の化学物質である、ポリフェノール(「ポリフェノール類(polyphenolics)」としても公知である)と呼ばれる植物栄養素のクラスに属する。本発明の実施形態に適したポリフェノールには、カテキン、プロアントシアニジン、プロシアニジン、アントシアニン、ケルセリン(quercerin)、ルチン、レセルバトロール、イソフラボン、クルクミン、プニカラギン、エラジタンニン、ヘスペリジン、ナリンギン、柑橘フラボノイド、クロロゲン酸、他の類似の材料、及びその組み合わせが含まれる。
【0165】
特定の実施形態では、抗酸化剤は、カテキン、例えば、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)である。本発明の実施形態に適したカテキンの起源には、限定はされないが、緑茶、白茶、紅茶、ウーロン茶、チョコレート、ココア、赤ワイン、ブドウ種子、赤ブドウ果皮、紫ブドウ果皮、赤ブドウ果汁、紫ブドウ果汁、ベリー、ピクノジェノール、及び赤リンゴ果皮が含まれる。
【0166】
いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、プロアントシアニジン、プロシアニジン、又はその組み合わせから選択される。本発明の実施形態のためのプロアントシアニジン及びプロシアニジンの好適な起源には、限定はされないが、赤ブドウ、紫ブドウ、ココア、チョコレート、ブドウ種子、赤ワイン、カカオ豆、クランベリー、リンゴ果皮、プラム、ブルーベリー、クロスグリ、チョークベリー、緑茶、モロコシ、シナモン、オオムギ、赤インゲンマメ、うずら豆(pinto bean)、ホップ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ペカン、ピスタチオ、ピクノジェノール、及び多彩なベリー類が含まれる。
【0167】
特定の実施形態では、抗酸化剤は、アントシアニンである。本発明の実施形態のためのアントシアニンの好適な起源には、限定はされないが、赤色ベリー、ブルーベリー類、ビルベリー、クランベリー、ラズベリー、サクランボ、ザクロ、イチゴ、エルダーベリー、チョークベリー、赤ブドウ果皮、紫ブドウ果皮、ブドウ種子、赤ワイン、クロスグリ、レッドカラント、ココア、プラム、リンゴ果皮、モモ、赤いセイヨウナシ、赤キャベツ、赤タマネギ、レッドオレンジ、及びブラックベリー類が含まれる。
【0168】
いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、ケルセチン、ルチン、又はその組み合わせから選択される。本発明の実施形態のためのケルセチン及びルチンの好適な起源には、限定はされないが、赤リンゴ、タマネギ、ケール、クロマメノキ(bog whortleberry)、コケモモ、チョークベリー、クランベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、イチゴ、ラズベリー、クロスグリ、緑茶、紅茶、プラム、アンズ、パセリ、ニラ、ブロッコリー、トウガラシ、ベリーワイン、及びイチョウが含まれる。
【0169】
いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、レスベラトロールである。本発明の実施形態のためのレスベラトロールの好適な起源には、限定はされないが、赤ブドウ、ピーナッツ、クランベリー、ブルーベリー、ビルベリー、クワ、イタドリ茶、及び赤ワインが含まれる。
【0170】
特定の実施形態では、抗酸化剤は、イソフラボンである。本発明の実施形態のためのイソフラボンの好適な起源には、限定はされないが、ダイズ、ダイズ製品、マメ科植物、アルファルファスプラウト、ヒヨコマメ、ピーナッツ、及びアカツメクサが含まれる。
【0171】
いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、クルクミンである。本発明の実施形態のためのクルクミンの好適な起源には、限定はされないが、ウコン及びカラシナが含まれる。
【0172】
特定の実施形態では、抗酸化剤は、プニカラギン、エラジタンニン、又はその組み合わせから選択される。本発明の実施形態のためのプニカラギン及びエラジタンニンの好適な起源には、限定はされないが、ザクロ、ラズベリー、イチゴ、クルミ、及びオーク樽熟成赤ワインが含まれる。
【0173】
いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、ヘスペリジン又はナリンギンなどの柑橘フラボノイドである。本発明の実施形態のためのヘスペリジン又はナリンギンなどの柑橘フラボノイドの好適な起源には、限定はされないが、オレンジ、グレープフルーツ、及び柑橘類果汁が含まれる。
【0174】
特定の実施形態では、抗酸化剤は、クロロゲン酸である。本発明の実施形態のためのクロロゲン酸の好適な起源には、限定はされないが、グリーンコーヒー、イェルバ・マテ、赤ワイン、ブドウ種子、赤ブドウ果皮、紫ブドウ果皮、赤ブドウ果汁、紫ブドウ果汁、リンゴ果汁、クランベリー、ザクロ、ブルーベリー、イチゴ、ヒマワリ、エキナセア(Echinacea)、ピクノジェノール、及びリンゴ果皮が含まれる。
【0175】
好適な食物繊維には、限定はされないが、非デンプン性多糖、リグニン、セルロース、メチルセルロース、ヘミセルロース、β-グルカン、ペクチン、ガム、粘液、蝋、イヌリン、オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、シクロデキストリン、キチン、及びその組み合わせが含まれる。
【0176】
食物繊維の食品起源には、限定はされないが、穀物、マメ科植物、果実、及び野菜が含まれる。食物繊維を提供する穀物には、限定はされないが、カラスムギ、ライムギ、オオムギ、及びコムギが含まれる。繊維を提供するマメ科植物には、限定はされないが、ダイズなどのエンドウマメ(pea)及びマメ(bean)が含まれる。繊維の起源を提供する果実及び野菜には、限定はされないが、リンゴ、オレンジ、セイヨウナシ、バナナ、ベリー、トマト、サヤインゲン、ブロッコリー、カリフラワー、ニンジン、ジャガイモ、セロリが含まれる。ふすま、堅果、及び種子(アマニなど)などの植物食品も、食物繊維の起源である。食物繊維を提供する植物の部分には、限定はされないが、茎、根、葉、種子、果肉、及び皮が含まれる。
【0177】
脂肪酸は、直鎖モノカルボン酸であり、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸、脂肪酸前駆体(オメガ-9脂肪酸前駆体が含まれる)、及びエステル化された脂肪酸が含まれる。本明細書で使用する場合、「長鎖多価不飽和脂肪酸」は、長い脂肪族テイル(aliphatic tail)を有するあらゆる多価不飽和カルボン酸又は有機酸を指す。好適なオメガ-3脂肪酸には、限定はされないが、リノレン酸、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸、及びその組み合わせが含まれる。
【0178】
好適なオメガ-6脂肪酸には、限定はされないが、リノール酸、γ-リノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、及びその組み合わせが含まれる。本発明の実施形態に適したエステル化された脂肪酸には、限定はされないが、オメガ-3及び/又はオメガ-6脂肪酸を含有するモノアシルグリセロール、オメガ-3及び/又はオメガ-6脂肪酸を含有するジアシルグリセロール、又はオメガ-3及び/又はオメガ-6脂肪酸を含有するトリアシルグリセロール、及びその組み合わせが含まれる。
【0179】
好適なビタミンには、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9、ビタミンB12、及びビタミンCが含まれる。いくつかの機関によって、様々な他の化合物も、ビタミンとして分類されている。これらの化合物は、シュード(pseudo)-ビタミンと呼ぶことができ、限定はされないが、ユビキノン(コエンザイムQ10)、パンガミン酸、ジメチルグリシン、タエストリル(taestrile)、アミグダリン(amygdaline)、フラバノイド(flavanoid)、パラ-アミノ安息香酸、アデニン、アデニル酸、及びs-メチルメチオニンなどの化合物が含まれる。本明細書で使用する場合、ビタミンという用語には、シュード-ビタミンが含まれる。
【0180】
ミネラルは、多量ミネラル、微量ミネラル、又はその組み合わせから選択される。多量ミネラルの非限定的な例には、カルシウム、塩素、マグネシウム、リン、カリウム、ナトリウム、及び硫黄が含まれる。微量ミネラルの非限定的な例には、クロム、コバルト、銅、フッ素、鉄、マンガン、モリブデン、セレン、亜鉛、及びヨウ素が含まれる。ヨウ素は一般に、微量ミネラルとして分類されるが、他の微量ミネラルよりも多い量で必要とされ、しばしば多量ミネラルとして分類される。
【0181】
本発明の他の特定の実施形態では、ミネラルは、ヒトの栄養にとって不可欠であると考えられている微量ミネラルであり、その非限定的な例には、ビスマス、ホウ素、リチウム、ニッケル、ルビジウム、ケイ素、ストロンチウム、テルル、スズ、チタン、タングステン、及びバナジウムが含まれる。
【0182】
保存剤は、抗菌剤、抗酸化剤、抗酵素剤(antienzymatic)、又はその組み合わせから選択される。抗菌剤の非限定的な例には、亜硫酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、ソルビン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、バクテリオシン、塩、糖、酢酸、二炭酸ジメチル(DMDC)、エタノール、及びオゾンが含まれる。亜硫酸塩には、限定はされないが、二酸化硫黄、亜硫酸水素ナトリウム、及び亜硫酸水素カリウムが含まれる。プロピオン酸塩には、限定はされないが、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、及びプロピオン酸ナトリウムが含まれる。安息香酸塩には、限定はされないが、安息香酸ナトリウム及び安息香酸が含まれる。ソルビン酸塩には、限定はされないが、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウム、及びソルビン酸が含まれる。硝酸塩及び亜硝酸塩には、限定はされないが、硝酸ナトリウム及び亜硝酸ナトリウムが含まれる。さらに別の特定の実施形態では、少なくとも1種の保存剤は、バクテリオシン、例えば、ナイシンである。別の特定の実施形態では、保存剤は、エタノールである。さらに別の特定の実施形態では、保存剤は、オゾンである。本発明の特定の実施形態における保存剤としての使用に適した抗酵素剤には、アスコルビン酸、クエン酸、及び金属キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が含まれる。
【0183】
水和生成物は、電解質であり得、その非限定的な例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩化物、リン酸塩、炭酸水素塩、及びその組み合わせが含まれる。本発明の特定の実施形態に使用するのに適した電解質はまた、その開示が参照によって本明細書に明示的に組み込まれる米国特許第5,681,569号に記載されている。特定の実施形態に使用するための塩の非限定的な例には、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸水素塩、クエン酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酒石酸塩、ソルビン酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、又はその組み合わせが含まれる。
【0184】
本発明の特定の実施形態では、水和生成物は、筋肉によって燃焼されるエネルギー貯蔵を補うための炭水化物である。本発明の特定の実施形態に使用するのに適した炭水化物は、その開示が参照によって本明細書に明示的に組み込まれる米国特許第4,312,856号、第4,853,237号、第5,681,569号、及び第6,989,171号に記載されている。好適な炭水化物の非限定的な例には、単糖、二糖、オリゴ糖、複合多糖、又はその組み合わせが含まれる。特定の実施形態に使用するのに適した種類の単糖の非限定的な例には、三炭糖、四炭糖、五炭糖、六炭糖、七炭糖、八炭糖、及び九炭糖が含まれる。好適な単糖の具体的な種類の非限定的な例には、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、エリトロース、トレオース、エリトルロース、アラビノース、リキソース、リボース、キシロース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、タロース、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、マンノヘプツロース、セドヘプツロース、オクトロース(octolose)、及びシアロースが含まれる。好適な二糖の非限定的な例には、スクロース、ラクトース、及びマルトースが含まれる。好適なオリゴ糖の非限定的な例には、サッカロース、マルトトリオース、及びマルトデキストリンが含まれる。他の特定の実施形態では、炭水化物は、コーンシロップ、テンサイ糖、甘蔗糖、果汁、又は茶によって提供される。別の特定の実施形態では、水和は、細胞の再水和を提供するフラバノールである。本発明の特定の実施形態に使用するのに適したフラバノールの非限定的な例には、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、3-没食子酸エピガロカテキン、テアフラビン、3-没食子酸テアフラビン、3’-没食子酸テアフラビン、3,3’没食子酸テアフラビン、テアルビジン、又はその組み合わせが含まれる。特定の実施形態では、水和生成物は、運動に対する耐久力を増強するためのグリセロール溶液である。
【0185】
プロバイオティクスは、有効量で摂取された場合に、健康に利益をもたらす微生物を含む。プロバイオティクスには、限定はされないが、細菌、酵母、及び真菌が含まれ得る。プロバイオティクスの例には、限定はされないが、ラクトバチルス属(Lactobacilli)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacteria)、連鎖球菌属(Streptococci)の細菌、又はその組み合わせが含まれる。本発明の特定の実施形態では、少なくとも1種のプロバイオティクスは、ラクトバチルス属(Lactobacilli)から選択される。ラクトバチルス(Lactobacilli)(すなわち、ラクトバチルス属(Lactobacillus)の細菌、以下では「L.」)。ヒト腸管に見られるラクトバチルス(Lactobacilli)の種の非限定的な例には、L.アシドフィルス(L.acidophilus)、L.カゼイ(L.casei)、L.ファーメンタム(L.fermentum)、L.サリバルーズ(L.saliva roes)、L.ブレビス(L.brevis)、L.ライヒマニ(L.leichmannii)、L.プランタルム(L.plantarum)、L.セロビオサス(L.cellobiosus)、L.ロイテリ(L.reuteri)、L.ラムノサス(L.rhamnosus)、L.GG、L.ブルガリカス(L.bulgaricus)、及びL.サーモフィラス(L.thermophilus)が含まれる。本発明の他の特定の実施形態によれば、プロバイオティクスは、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacteria)から選択される。ヒト胃腸管に見られるのビフィドバクテリウム(Bifidobacteria)の非限定的な種には、B.アンギュラツム(B.angulatum)、B.アニマリス(B.animalis)、B.アステロイデス(B.asteroides)、B.ビフィドゥム(B.bifidum)、B.ボウム(B.boum)、B.ブレベ(B.breve)、B.カテニュレイタム(B.catenulatum)、B.コエリナム(B.choerinum)、B.コリネフォルメ(B.coryneforme)、B.クニクリ(B.cuniculi)、B.デンティウム(B.dentium)、B.ガリクム(B.gallicum)、B.ガリナルム(B.gallinarum)、B.インディカム(B.indicum)、B.ロングム(B.longum)、B.マグヌム(B.magnum)、B.メリシカム(B.merycicum)、B.ミニマム(B.minimum)、B.シュードカテニュレイタム(B.pseudocatenulatum)、B.シュードロングム(B.pseudolongum)、B.サイクラエロフィルム(B.psychraerophilum)、B.プロラム(B.pullorum)、B.ルミナンティウム(B.ruminantium)、B.サエクラレ(B.saeculare)、B.スカルドビイ(B.scardovii)、B.シミアエ(B.simiae)、B.サブチレ(B.subtile)、B.サーマシドフィルム(B.thermacidophilum)、B.テルモフィルム(B.thermophilum)、B.ウリナリス(B.urinalis)、及びB.spが含まれる。本発明の他の特定の実施形態によれば、プロバイオティクスは、レンサ球菌属(Streptococcus)から選択される。ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)は、グラム陽性通性嫌気性菌である。この細菌の他の非限定的なプロバイオティクス種には、ストレプトコッカス・サリバルス(Streptococcus salivarus)及びストレプトコッカス・クレモリス(Streptococcus cremoris)が含まれる。
【0186】
プレバイオティクスは、腸内の有益な細菌の増殖を促進する組成物である。プレバイオティクスには、限定はされないが、ムコ多糖、オリゴ糖、多糖、アミノ酸、ビタミン、栄養素前駆体、タンパク質、及びその組み合わせが含まれる。特定の実施形態によれば、プレバイオティクスは、限定はされないが、多糖及びオリゴ糖を含めた、食物繊維から選択される。本発明の特定の実施形態に従ってプレバイオティクスと分類されるオリゴ糖の非限定的な例には、フラクトオリゴ糖、イヌリン、イソマルトオリゴ糖、ラクチトール(lactilol)、ラクトスクロース、ラクツロース、ピロデキストリン、大豆オリゴ糖、トランスガラクトオリゴ糖、及びキシロ-オリゴ糖が含まれる。他の特定の実施形態によれば、プレバイオティクスは、アミノ酸である。
【0187】
本明細書で使用する場合、「体重管理剤」には、食欲抑制薬及び/又は体熱産生剤(thermogenesis agent)が含まれる。本明細書で使用する場合、表現「食欲抑制薬」、「飽満(appetite satiation)組成物」、「満腹剤」、及び「満腹成分」は、同義である。表現「食欲抑制薬」は、有効量で送達された場合に人の食欲を抑制する、阻害する、低下させる、又はそれ以外に減らす、主要栄養素、ハーブ抽出物、外因性ホルモン、食欲低下薬(anorectic)、食欲減退薬(anorexigenic)、医薬品、及びその組み合わせを示す。表現「体熱産生剤」は、有効量で送達された場合に人の体熱産生又は代謝を活性化する又はそれ以外に増強する、主要栄養素、ハーブ抽出物、外因性ホルモン、食欲低下薬、食欲減退薬、医薬品、及びその組み合わせを示す。
【0188】
好適な体重管理剤には、タンパク質、炭水化物、食事性脂肪、及びその組み合わせからなる群から選択される主要栄養素が含まれる。炭水化物は、一般に、体がエネルギーのためにグルコースに転換する、糖、デンプン、セルロース、及びガムを含む。炭水化物の非限定的な例には、ポリデキストロース;イヌリン;単糖由来のポリオール、例えばエリスリトール、マンニトール、キシリトール、及びソルビトール;二糖由来のアルコール、例えばイソマルト、ラクチトール、及びマルチトール;並びに加水分解水添デンプンが含まれる。炭水化物は、本明細書で以下に、より詳細に記載する。食事性脂肪は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸との組み合わせを含む脂質である。多価不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸よりも大きい満腹作用を有することが示されている。したがって、本明細書に例示される食事性脂肪は、多価不飽和脂肪酸を含むことが望ましく、その非限定的な例には、トリアシルグリセロールが含まれる。
【0189】
特定の実施形態では、体重管理剤は、ハーブ抽出物である。その抽出物が食欲抑制特性を有する植物の非限定的な例には、フーディア属(Hoodia)、トリコカウロン属(Trichocaulon)、カラルマ属(Caralluma)、スタペリア属(Stapelia)、オルベア属(Orbea)、トウワタ属(Asclepias)、及びツバキ属(Camelia)の植物が含まれる。他の実施形態には、ギムネマ(Gymnema Sylvestre)、コーラ・ナッツ、ダイダイ(Citrus Aurantium)、イェルバ・マテ(Yerba Mate)、グリフォニア・シンプリシフォリア(Griffonia Simplicifolia)、ガラナ、ミルラ、グッグル脂質、及びカシス種子油由来の抽出物が含まれる。特定の実施形態では、ハーブ抽出物は、フーディア属(Hoodia)(その種には、H.アルストニー(H.alstonii)、H.クローリー(H.currorii)、H.ドレゲイ(H.dregei)、H.フラバ(H.flava)、H.ゴルドニー(H.gordonii)、ユッタタエ(H.jutatae)、H.モサメデンシス(H.mossamedensis)、H.オフィシナリス(H.officinalis)、H.パルヴィフローライ(H.parviflorai)、H.ペディセラタ(H.pedicellata)、H.ピリフェラ(H.pilifera)、H.ルスチー(H.ruschii)、及びH.トリエブネリ(H.triebneri)が含まれる)の植物由来である。フーディア属(Hoodia)植物は、南部アフリカ原産の多肉茎植物である。
【0190】
別の特定の実施形態では、ハーブ抽出物は、カラルマ属(Caralluma)(その種には、C.インディカ(C.indica)、C.フィンブリアータ(C.fimbriata)、C.アテヌアテ(C.attenuate)、C.ツベルクラータ(C.tuberculata)、C.エジュリス(C.edulis)、C.アドセンデンス(C.adscendens)、C.スタラグミフェラ(C.stalagmifera)、C.ウンベラーテ(C.umbellate)、C.ペニシラータ(C.penicillata)、C.ルセリアナ(C.russeliana)、C.レトロスピセンス(C.retrospicens)、C.アラビカ(C.Arabica)、及びC.ラシアンサ(C.lasiantha)が含まれる)の植物由来である。カラルマ属(Caralluma)植物は、フーディア属(Hoodia)、ガガイモ科(Asclepiadaceae)と同じ亜科に属する。
【0191】
別の特定の実施形態では、少なくとも1種のハーブ抽出物は、トリコカウロン属(Trichocaulon)の植物由来である。トリコカウロン属(Trichocaulon)植物は、フーディア属(Hoodia)と同様、一般に南部アフリカ原産である多肉植物であり、マヤフジン(T.piliferum)及び王福玉(T.officinale)種が含まれる。別の特定の実施形態では、ハーブ抽出物は、スタペリア属(Stapelia)又はオルベア属(Orbea)(その種には、それぞれ、王犀角(S.gigantean)及びO.バリエガーテ(O.variegate)が含まれる)の植物由来である。スタペリア属(Stapelia)植物とオルベア属(Orbea)植物は両方とも、フーディア属(Hoodia)、ガガイモ科(Asclepiadaceae)と同じ亜科に属する。
【0192】
別の特定の実施形態では、ハーブ抽出物は、トウワタ属(Asclepias)の植物由来である。トウワタ属(Asclepias)植物も、ガガイモ科(Asclepiadaceae)の植物に属する。トウワタ属(Asclepias)植物の非限定的な例には、A.インカルナーテ(A.incarnate)、トウワタ(A.curassayica)、オオトウワタ(A.syriaca)、及びヤナギトウワタ(A.tuberose)が含まれる。いかなる理論にも拘泥されることを望まないが、これらの抽出物は、食欲抑制効果を有する、プレグナン配糖体及びプレグナンアグリコンなどのステロイド化合物を含むと考えられている。特定の実施形態では、体重管理剤は、体重管理効果を有する外因性ホルモンである。こうしたホルモンの非限定的な例には、CCK、ペプチドYY、グレリン、ボンベシン、及びガストリン放出ペプチド(GRP)、エンテロスタチン、アポリポタンパク質A-IV、GLP-1、アミリン、ソマスタチン(somastatin)、及びレプチンが含まれる。
【0193】
ある種の実施形態では、骨粗鬆症管理剤は、塩錯体、可溶化された種、及び他の形態のカルシウムを含めて、少なくとも1種のカルシウム源、すなわちカルシウムを含有するあらゆる化合物である。カルシウム源の非限定的な例には、アミノ酸キレート化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、その可溶化された種、及びその組み合わせが含まれる。特定の実施形態によれば、骨粗鬆症管理剤は、塩錯体、可溶化された種、及び他の形態のマグネシウムを含めて、マグネシウム源、すなわちマグネシウムを含有するあらゆる化合物である。マグネシウム源の非限定的な例には、塩化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グルセプト酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ピコリン酸マグネシウム(magnesium picolate)、硫酸マグネシウム、その可溶化された種、及びそれらの混合物が含まれる。別の特定の実施形態では、マグネシウム源は、アミノ酸キレート化又はクレアチンキレート化マグネシウムを含む。他の実施形態では、骨粗鬆症薬剤は、ビタミンD、C、K、その前駆体、及び/又はβ-カロテン、並びにその組み合わせから選択される。多数の植物及び植物抽出物も、骨粗鬆症の予防及び治療に有効であると明らかにされている。いかなる理論にも拘泥されることを望まないが、植物及び植物抽出物が、骨形成タンパク質を刺激する及び/又は骨吸収を阻害し、それによって骨再生及び強度を刺激すると考えられている。骨粗鬆症管理剤としての好適な植物及び植物抽出物の非限定的な例には、米国特許出願公開第2005/0106215号に開示されている通りのタンポポ属(Taraxacum)及びザイフリボク属(Amelanchier)の種、並びに米国特許出願公開第2005/0079232号に開示されている通りのクロモジ属(Lindera)、ヨモギ属(Artemisia)、ショウブ属(Acorus)、ベニバナ属(Carthamus)、カルム属(Carum)、ハマゼリ属(Cnidium)、ウコン属(Curcuma)、カヤツリグサ属(Cyperus)、ビャクシン属(Juniperus)、サクラ属(Prunus)、アヤメ属(Iris)、キクニガナ属(Cichorium)、ハウチワノキ属(Dodonaea)、イカリソウ属(Epimedium)、エリオゴヌム属(Erigonoum)、ダイズ(Soya)、ハッカ属(Mentha)、メボウキ属(Ocimum)、イブキジャコウソウ属(thymus)、ヨモギギク属(Tanacetum)、オオバコ属(Plantago)、スペアミント(Spearmint)、ベニノキ属(Bixa)、ブドウ属(Vitis)、ローズマリー属(Rosemarinus)、ヌルデ属(Rhus)、及びイノンド属(Anethum)の種が含まれる。
【0194】
本発明の実施形態に適したフィトエストロゲンの例には、限定はされないが、イソフラボン、スチルベン、リグナン、レゾルシル酸ラクトン、クメスタン、クメストロール、エクオール、及びその組み合わせが含まれる。イソフラボンは、ポリフェノールと呼ばれる植物栄養素の群に属する。一般に、ポリフェノール(polyphenol)(「ポリフェノール類(polyphenolics)」としても公知である)は、1分子あたり2個以上のフェノール基の存在を特徴とする、植物に見られる化学物質の群に属する。本発明の実施形態による好適なフィトエストロゲン・イソフラボンには、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、ビオカニンA、ホルモノネチン、そのそれぞれの天然に存在する配糖体及び配糖体複合体、マタイレシノール、セコイソラリシレシノール、エンテロラクトン、エンテロジオール、テクスチャード(textured)植物性タンパク質、及びその組み合わせが含まれる。
【0195】
長鎖第一級脂肪族飽和アルコールは、多様な有機化合物群である。長鎖という用語は、これらの化合物中の炭素原子の数が少なくとも8炭素であるという事実を指す。本発明の特定の実施形態に使用するための特定の長鎖第一級脂肪族飽和アルコールの非限定的な例には、8個の炭素原子の1-オクタノール、9個の炭素の1-ノナノール、10個の炭素原子の1-デカノール、12個の炭素原子の1-ドデカノール、14個の炭素原子の1-テトラデカノール、16個の炭素原子の1-ヘキサデカノール、18個の炭素原子の1-オクタデカノール、20個の炭素原子のl-エイコサノール、22個の炭素の1-ドコサノール、24個の炭素の1-テトラコサノール、26個の炭素の1-ヘキサコサノール、27個の炭素の1-ヘプタコサノール、28個の炭素の1-オクタノソール(octanosol)、29個の炭素の1-ノナコサノール、30個の炭素の1-トリアコンタノール、32個の炭素の1-ドトリアコンタノール、及び34個の炭素の1-テトラコンタノールが含まれる。本発明の特に望ましい実施形態では、長鎖第一級脂肪族飽和アルコールは、ポリコサノールである。ポリコサノールは、主として28個の炭素の1-オクタノソール(octanosol)及び30個の炭素の1-トリアコンタノール、並びに低濃度の22個の炭素の1-ドコサノール、24個の炭素の1-テトラコサノール、26個の炭素の1-ヘキサコサノール、27個の炭素の1-ヘプタコサノール、29個の炭素の1-ノナコサノール、32個の炭素の1-ドトリアコンタノール、及び34個の炭素の1-テトラコンタノールなどの他のアルコールからなる、長鎖第一級脂肪族飽和アルコールの混合物を表す用語である。
【0196】
少なくとも44種の天然に存在するフィトステロールが発見されており、一般に、トウモロコシ、ダイズ、コムギ、及び木材油などの植物から得られる;しかし、これらは、合成によって生成して、自然界のものと同一の又は天然に存在するフィトステロールの特性と同様の特性を有する組成物を形成することもできる。本発明の特定の実施形態によれば、当業者に周知のフィトステロールの非限定的な例には、4-デスメチルステロール(例えば、β-シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、22-デヒドロブラシカステロール、及びΔ5-アベナステロール)、4-モノメチルステロール、及び4,4-ジメチルステロール(トリテルペンアルコール)(例えば、シクロアルテノール、24-メチレンシクロアルテノール、及びシクロブラノール)が含まれる。
【0197】
本発明の特定の実施形態によれば、フィトスタノールの非限定的な例には、β-シトスタノール、カンペスタノール、シクロアルタノール、及び飽和形態の他のトリテルペンアルコールが含まれる。
【0198】
フィトステロールとフィトスタノールには両方とも、本明細書で使用する場合、α及びβ異性体(例えば、α-シトステロール及びβ-シトスタノール、これらは、哺乳類における血清コレステロールを低下させるための、最も有効なフィトステロール及びフィトスタノールの一つをそれぞれ含む)などの種々の異性体が含まれる。本発明のフィトステロール及びフィトスタノールはまた、そのエステル形態であり得る。好適なフィトステロール及びフィトスタノールエステルの非限定的な例には、酢酸シトステロール、オレイン酸シトステロール、オレイン酸スチグマステロール、及びその対応するフィトスタノールエステルが含まれる。本発明のフィトステロール及びフィトスタノールには、その誘導体も含まれ得る。
【0199】
一般に、組成物中の機能性成分の量は、個別の組成物及び所望される機能性成分に応じて広く変動する。当業者は、各組成物についての機能性成分の適切な量を、容易に突き止めることとなる。
【0200】
消費財
本明細書で開示されるのは、本明細書に開示される甘味料組成物又はフレーバー組成物を含む消費財(例えば、飲料)である。
【0201】
本明細書に開示されるブラゼイン(若しくはその類似体)又はブラゼイン含有甘味料組成物若しくは風味改良組成物は、あらゆる公知の食材(本明細書では、「消費財、「甘味付け可能組成物」、又は「風味及び/又は食味が改良された組成物」と称される)、例えば、食用ゲル混合物及び組成物、歯科用組成物、食料(菓子、調味料、チューインガム、穀類組成物、焼成製品、乳製品、及び卓上甘味料組成物)飲料及び飲料製品に組み込むことができる。
【0202】
一実施形態では、消費財は、飲料又は飲料製品である。言い換えれば、本明細書に開示されるのは、本明細書に開示されるブラゼイン(若しくはその類似体)又はブラゼイン含有甘味料組成物若しくは風味改良組成物を含む飲料又は飲料製品である。
【0203】
本明細書で使用する場合、「飲料製品」は、そのまま飲める飲料、飲料濃縮物、飲料シロップ、又は粉末化された飲料である。好適なそのまま飲める飲料には、炭酸及び非炭酸飲料が含まれる。炭酸飲料には、限定はされないが、コーラ、ジンジャーエール、炭酸飲料(soft drink)、及びルートビアが含まれる。非炭酸飲料には、限定はされないが、果汁、果物味のジュース、野菜汁、野菜味のジュース、スポーツドリンク、栄養ドリンク、植物タンパク質飲料、ニアウオータードリンク(例えば、天然又は合成の香料を含む水)、茶の類(例えば、紅茶、緑茶、ルイボスティー(red tea)、ウーロン茶)、コーヒー、ココアドリンク、乳成分を含有する飲料(例えば、乳飲料、乳成分を含有するコーヒー、カフェオレ、ミルクティー、フルーツ牛乳飲料)が含まれる。
【0204】
特定の実施形態では、飲料は、フレーバー紅茶飲料、ゼロカロリーエンハンストウォーター(enhance water)飲料、又はオレンジ風味の発泡性飲料である。
【0205】
飲料濃縮物及び飲料シロップは、最初の体積の液体基質(例えば水)と、所望される飲料成分を用いて調製される。次いで、さらなる体積の水を添加することによって、ストレートの(full strength)飲料が調製される。粉末化された飲料は、飲料成分のすべてを、液体基質の非存在下で乾燥混合することによって調製される。ストレートの飲料は、十分な体積の水を添加することによって調製される。
【0206】
飲料は、液体基質、すなわち、成分-甘味料又は甘味料組成物を含めて-がそれに溶解される基本成分として、水を含有する。飲料水水質の水、例えば、脱イオン水、蒸留水、逆浸透水、炭素処理水、精製水、脱塩水、及びその組み合わせを使用することができる。追加の好適な液体基質には、限定はされないが、リン酸、リン酸緩衝液、クエン酸、クエン酸緩衝液、及び炭素処理水が含まれる。
【0207】
一実施形態では、ブラゼイン又はその類似体を含有する飲料又は飲料製品が開示される。特定の実施形態では、飲料は、同じ量の野生型のブラゼインを含有する飲料と比べて同じ又は増大した甘味を有するブラゼイン類似体を含有する。
【0208】
一実施形態では、飲料中のブラゼイン(又はその類似体)の濃度は、その甘味認知閾値濃度又はフレーバー認知閾値濃度以上である。特定の実施形態では、ブラゼインの濃度は、その甘味又はフレーバー認知閾値濃度よりも少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%以上高い。
【0209】
一実施形態では、飲料又は飲料製品は、約1ppm~約50ppm、例えば、約5ppm~約50ppm、約5ppm~約40ppm、約5ppm~約30ppm、約5ppm~約20ppm、約5ppm~約10ppm、約10ppm~約50ppm、約10ppm~約40ppm、約10ppm~約30ppm、約10ppm~約20ppm、約20ppm~約50ppm、約20ppm~約40ppm、約20ppm~約30ppm、約30ppm~約50ppm、約30ppm~約40ppm、又は約40ppm~約50ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)を含有する。
【0210】
より具体的な実施形態では、飲料又は飲料製品は、約10ppm~約25ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)を含有する。
【0211】
別の実施形態では、飲料は、約1ppm~約15ppm未満の量のブラゼイン(又はその類似体)を含有する。一実施形態では、飲料は、約1ppm~約5ppm、約5ppm~約10ppm、又は約10ppm~約15ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)を含有する。
【0212】
別の実施形態では、飲料は、約15ppmを超える量のブラゼイン(又はその類似体)を含有する。一実施形態では、飲料は、約15ppm~約20ppm、約20ppm~約25ppm、約25ppm~約30ppm、約30ppm~約35ppm、約35ppm~約40ppm、約40ppm~約50ppm、又は約50ppm以上の量のブラゼイン(又はその類似体)を含有する。
【0213】
一実施形態では、飲料は、約1ppm、約3ppm、約5ppm、約10ppm、約12ppm、約15ppm、約18ppm、約20ppm、約22ppm、約25ppm、約28ppm、約30ppm、約35ppm、約40ppm、約45ppm、約50ppm、約55ppm、約60ppm、約65ppm、約70ppm、又は約75ppm以上の量のブラゼイン(又はその類似体)を含有する。
【0214】
飲料は、少なくとも1種の追加の甘味料をさらに含むことができる。天然、非天然、又は合成の甘味料を含めて、本明細書に詳述される甘味料のいずれかを使用することができる。
【0215】
特定の実施形態では、少なくとも1種の追加甘味料は、1種又は複数種のステビオール配糖体である。特定の実施形態では、ステビオール配糖体は、RebMである。別の特定の実施形態では、ステビオール配糖体は、RebAである。一実施形態では、飲料は、ブラゼイン(又はその類似体)に加えて、ステビオール配糖体ブレンド、例えば、RebMとRebAを含有する。
【0216】
ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)の量は、変動し得る。一実施形態では、ステビオール配糖体の量は、約8スクロース等量(SE)未満、例えば、約7.5SE、約7.0SE、約6.5SE、又は約6.0SE以下を提供する。別の実施形態では、ステビオール配糖体の量は、約8スクロース等量(SE)超、例えば、約8.5SE、約9.0SE、約9.5SE、約10SE、約10.5SE、約11SE、又は約12SE以上を提供する。
【0217】
別の実施形態では、ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)の量は、約450ppm未満である。特定の実施形態では、ステビオール配糖体の量は、約400ppm未満、約350ppm未満、約300ppm未満、約300ppm未満、約250ppm未満、約200ppm未満、約150ppm未満、又は約100ppm以下である。
【0218】
別の実施形態では、ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)の量は、約100ppm~約450ppm、より具体的には、約100ppm~約400ppm、約100ppm~約350ppm、約100ppm~約300ppm、約100ppm~約250ppm、約100ppm~約200ppm、又は約100ppm~250ppmである。
【0219】
さらなる実施形態では、ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)の量は、約100ppm~約200ppm、より具体的には、約110ppm、約120ppm、約130ppm、約140ppm、約150ppm、約160ppm、約170ppm、約180ppm、約190ppm、又は約200ppmである。
【0220】
さらなる実施形態では、ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)の量は、約200ppm~約300ppm、より具体的には、約210ppm、約220ppm、約230ppm、約240ppm、約250ppm、約260ppm、約270ppm、約280ppm、約290ppm、又は約300ppmである。
【0221】
別の実施形態では、ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)の量は、約300ppm~約400ppm、より具体的には、約310ppm、約320ppm、約330ppm、約340ppm、約350ppm、約360ppm、約370ppm、約380ppm、約390ppm、又は約400ppmである。
【0222】
別の実施形態では、ステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)の量は、約400ppm~約500ppm、より具体的には、約410ppm、約420ppm、約430ppm、約440ppm、約450ppm、約460ppm、約470ppm、約480である。
【0223】
特定の実施形態では、飲料は、約1ppm~約100ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、少なくとも1種のステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)とを含み、ここでは、少なくとも1種のステビオール配糖体の量は、約8SE未満、例えば、約7.5SE、約7.0SE、約6.5SE、約6SE、約5.5SE、約5.0SE、約4.5SE、約4.0SE、約3.5SE、約3.0SE、約2.5SE、約2.0SE、約1.5SE、又は約1.0SEを提供するのに十分である。
【0224】
別の特定の実施形態では、飲料は、約1ppm~約100ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、少なくとも1種のステビオール配糖体(例えば、RebM、RebA)とを含み、ここでは、少なくとも1種のステビオール配糖体の量は、約450ppm以下、例えば、約425ppm、約400ppm、約375ppm、約350ppm、約325ppm、約300ppm、約275ppm、約250ppm、約225ppm、約200ppm、約175ppm、約150ppm、約125ppm、又は約100ppm以下である。
【0225】
特定の実施形態では、飲料は、約1ppm~約30ppm、より具体的には、約1ppm~約15ppm又は約15ppm~約30ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約8SE未満、例えば、例えば、約7.5SE、約7.0SE、約6.5SE、約6SE、約5.5SE、約5.0SE、約4.5SE、約4.0SE、約3.5SE、約3.0SE、約2.5SE、約2.0SE、約1.5SE、又は約1.0SEを提供するのに十分な量のRebMとを含む。
【0226】
別の特定の実施形態では、飲料は、約1ppm~約30ppm、より具体的には、約1ppm~約15ppm又は約15ppm~約30ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約450ppm以下、例えば、約425ppm、約400ppm、約375ppm、約350ppm、約325ppm、約300ppm、約275ppm、約250ppm、約225ppm、約200ppm、約175ppm、約150ppm、約125ppm、又は約100ppm以下の量のRebMとを含む。
【0227】
別の特定の実施形態では、飲料は、約1ppm~約30ppm、より具体的には、約1ppm~約15ppm又は約15ppm~約30ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約450ppm以下、例えば、約425ppm、約400ppm、約375ppm、約350ppm、約325ppm、約300ppm、約275ppm、約250ppm、約225ppm、約200ppm、約175ppm、約150ppm、約125ppm、又は約100ppm以下の量のRebMとを含む。
【0228】
例えば、飲料は、約1ppm~約30ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約200ppm~約400ppmの量のRebM80とを含む。より具体的な実施形態では、飲料は、約20ppm~約30ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約300から約400ppmの量のRebM80とを含む。さらに具体的な実施形態では、飲料は、約25ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約315ppmの量のRebM80とを含む。
【0229】
本発明の飲料は、約1ppm~約50ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約200ppm~約400ppmの量のRebM80とを含む。好ましい実施形態では、本発明の飲料は、RebM又はRebM80のみで甘味付けした飲料と同様の味がする(ここでは本発明の飲料とRebM又はRebM80で甘味付けした飲料は、同様のスクロース等量を有する)。より具体的な実施形態では、クエン酸基質を有する飲料は、約20ppm~約30ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約300ppm~約400ppmの量のRebM80とを含む。さらに具体的な実施形態では、クエン酸基質を有する飲料は、約25ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約315ppmの量のRebM80とを含む。別のより具体的な実施形態では。レモン-ライムダイエット炭酸飲料は、約30ppm~約50ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約150ppm~約350ppmの量のRebM80とを含む。さらに具体的な実施形態では、レモン-ライムダイエット炭酸飲料は、約40ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約210ppmの量のRebM80とを含む。
【0230】
特定の実施形態では、飲料は、約10ppm~約25ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約8SE未満、例えば、約7.5SE、約7.0SE、約6.5SE、約6SE、約5.5SE、約5.0SE、約4.5SE、約4.0SE、約3.5SE、約3.0SE、約2.5SE、約2.0SE、約1.5SE、又は約1.0SEを提供するのに十分な量のRebMとを含む。
【0231】
別の特定の実施形態では、飲料は、約10ppm~約25ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約450ppm以下、例えば、約425ppm、約400ppm、約375ppm、約350ppm、約325ppm、約300ppm、約275ppm、約250ppm、約225ppm、約200ppm、約175ppm、約150ppm、約125ppm、又は約100ppm以下の量のRebMとを含む。
【0232】
別の特定の実施形態では、飲料は、約1ppm~約50ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、少なくとも1種の追加の甘味料(例えば、RebM、RebA、シアメノシドI、モグロシドIV)とを含み、ここでは、少なくとも1種の追加の甘味料の量は、約450ppm未満、例えば、約425ppm、約400ppm、約375ppm、約350ppm、約325ppm、約300ppm、約275ppm、約250ppm、約225ppm、約200ppm、約175ppm、約150ppm、約125ppm、又は約100ppm以下である。
【0233】
特定の実施形態では、飲料は、約1ppm~約100ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約8SE未満、例えば、約7.5SE、約7.0SE、約6.5SE、約6SE、約5.5SE、約5.0SE、約4.5SE、約4.0SE、約3.5SE、約3.0SE、約2.5SE、約2.0SE、約1.5SE、又は約1.0SEを提供するのに十分な量のReb Aとを含む。
【0234】
別の特定の実施形態では、飲料は、約1ppm~約30ppm、より具体的には、約1ppm~約15ppm又は約15ppm~約30ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約450ppm未満、例えば、約425ppm、約400ppm、約375ppm、約350ppm、約325ppm、約300ppm、約275ppm、約250ppm、約225ppm、約200ppm、約175ppm、約150ppm、約125ppm、又は約100ppm以下の量のRebAとを含む。
【0235】
特定の実施形態では、飲料は、約10ppm~約25ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約8SE未満、例えば、約7.5SE、約7.0SE、約6.5SE、約6SE、約5.5SE、約5.0SE、約4.5SE、約4.0SE、約3.5SE、約3.0SE、約2.5SE、約2.0SE、約1.5SE、又は約1.0SEを提供するのに十分な量のRebAとを含む。
【0236】
特定の実施形態では、飲料は、約10ppm~約25ppmの量のブラゼイン(又はその類似体)と、約450ppm未満、例えば、約425ppm、約400ppm、約375ppm、約350ppm、約325ppm、約300ppm、約275ppm、約250ppm、約225ppm、約200ppm、約175ppm、約150ppm、約125ppm、又は約100ppm以下の量のRebAとを含む。
【0237】
飲料中のブラゼイン(又はその類似体)と1種又は複数種のステビオール配糖体とのppm比は、変動し得る。一実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)と1種又は複数種のステビオール配糖体とのppm比は、約1:2から約1:40、より具体的には、約1:5から約1:35、さらにいっそう具体的には、約1:10から約1:25である。
【0238】
特定の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)と1種又は複数種のステビオール配糖体とのppm比は、約1:30以下、より具体的には、約1:25である。
【0239】
一実施形態では、ステビオール配糖体は、RebMであり、ブラゼイン(又はその類似体)とRebMとのppm比は、約1:10から約1:20、より具体的には、約1:10、約1:12、約1:14、約1:16、約1:18、又は約1:20である。
【0240】
別の実施形態では、ステビオール配糖体は、RebAであり、ブラゼイン(又はその類似体)とRebAとのppm比は、約1:40以下、より具体的には、約1:20から約1:30、さらにいっそう具体的には、約1:20、約1:22、約1:24、約1:26、約1:28、又は約1:30である。
【0241】
別の実施形態では、ステビオール配糖体は、RebAであり、ブラゼイン(又はその類似体)とRebAとのppm比は、約1:70以下、より具体的には、約1:60未満、約1:50未満、又は約1:40未満である。特定の実施形態では、ブラゼイン(又はその類似体)とRebAとのppm比は、約1:35である。
【0242】
別の実施形態では、ステビオール配糖体は、RebAであり、ブラゼイン(又はその類似体)とRebAとのppm比は、約1:15以上、より具体的には、約1:17、約1:18、約1:19、又は約1:20超である。
【0243】
別の実施形態では、ステビオール配糖体は、RebAであり、ブラゼイン(又はその類似体)とRebAとのppm比は、約1:10以上、より具体的には、約1:12、約1:14、又は約1:16超である。
【0244】
一実施形態では、飲料は、ブラゼイン(又はその類似体)とRebMとを含み、ここでは、ブラゼインは、約15ppm~約30ppm、より具体的には、約20ppm~約25ppmの量で存在し、RebM(例えば、RebM80)は、約300ppm~約350ppm、より具体的には、約315ppm~約325ppmの量で存在する(すなわち、RebMは、約8SEを提供する)。この実施形態によれば、ブラゼインとRebMとの比は、約1:10から約1:20、より具体的には約1:0、1:12、約1:14、約1:16、約1:18、又は約1:20である。一実施形態では、RebMの量は、約8スクロース等量(SE)を提供する。
【0245】
一実施形態では、飲料は、ブラゼイン(又はその類似体)とRebMとを含み、ここでは、ブラゼインは、約1ppm~約20ppm、より具体的には、約1ppm~約15ppmの量で存在し、RebMは、約110ppm~約140ppm、より具体的には約115ppm、さらにいっそう具体的には約120ppmの量で存在する。特定の実施形態では、ブラゼインとRebMとのppm比は、約1:5から約1:10、より具体的には約1:7である。
【0246】
一実施形態では、飲料は、ブラゼイン(又はその類似体)とRebMとを含み、ここでは、ブラゼインは、約1ppm~約15ppm、より具体的には、約1ppm~約5ppm、さらにいっそう具体的には、約3ppmの量で存在し、RebMは、約450ppm~約500ppm、さらにいっそう具体的には、約470ppm~約475ppm、さらにいっそう具体的には、約472ppmの量で存在する。特定の実施形態では、RebMは、約9スクロース等量(SE)超を提供する量で存在する。
【0247】
一実施形態では、飲料は、ブラゼイン(又はその類似体)とRebAとを含み、ここでは、ブラゼインは、約10ppm~約20ppm、より具体的には、約15ppm~約20ppmの量で存在し、RebAは、約375ppm~約425ppm、より具体的には、約400ppmの量で存在する。一実施形態では、RebAの量は、約7SEを提供する。この実施形態によれば、約1:20ppm~約1:30のブラゼインとRebAとのppm比は、ブラゼインとRebAとのppm比、より具体的には約1:20ppm、約1:22ppm、約1:24ppm、約1:26ppm、約1:28ppm、又は約1:30ppmと比較して、少なくとも1つの向上された官能特性(例えば、食味)を有する。
【0248】
一実施形態では、飲料は、ブラゼイン(又はその類似体)とRebAとを含み、ここでは、ブラゼインは、約5ppm~約15ppm、より具体的には、約10ppmの量で存在し、RebAは、約325ppm~約375ppm、より具体的には、約350ppmの量で存在する。一実施形態では、RebAの量は、約6から約7スクロース等量(SE)を提供する。この実施形態によれば、約1:30というブラゼインとRebAとのppm比は、約1:70又は約1:17というブラゼインとRebAとのppm比と比較して、少なくとも1つの向上された官能特性を有する。
【0249】
一実施形態では、ブラゼインとRebAとを含む飲料が提供され、ここでは、ブラゼインの量は、約25ppm~約35ppm、より具体的には、約30ppmであり、RebAの量は、約220ppm~約240pm、より具体的には、約230ppmである。この実施形態によれば、約1:10を超えるブラゼインとRebAとのppm比は、約1:10ppm未満のブラゼインとRebAとのppm比よりも向上した少なくとも1つの官能特性を有する。特定の実施形態では、約1:12、約1:14、約1:16、又は約1:18というブラゼインとRebAとのppm比は、約1:8、約1:6、約1:4、約1:2、又は約1:1ppmというブラゼインのppm比よりも向上した少なくとも1つの官能特性を有する。
【0250】
一実施形態では、ブラゼインとRebAとを含む飲料が提供され、ここでは、ブラゼインの量は、約50ppm~約70ppm、より具体的には、約60ppmであり、RebAの量は、約100ppm~約130ppm、より具体的には、約120ppmである。この実施形態によれば、ブラゼインとRebAとのppm比は、約1:2である。
【0251】
一実施形態では、飲料は、約300ppm~約350ppmのRebAと、約10ppm~約50ppmのブラゼインとを含む。好ましい実施形態では、RebAとブラゼインとを含む飲料は、RebAで甘味付けした飲料と比較して、味が良い及び/又は正の相乗効果を有する(ここでは、RebAとブラゼインとを含む飲料と、RebAで甘味付けされた飲料は、同じスクロース等量を有する)。
【0252】
一実施形態では、飲料は、約30ppm~約50ppmのブラゼイン、約300ppm~約450ppmのシアメノシドI、及び任意に約50ppm~約100ppmのRebM80を含む。好ましい実施形態では、飲料は、シアメノシドIで甘味付けした対照又はRebM80で甘味付けした対照と同様の又はこれらの対照よりも良い味がする(ここでは、本発明の飲料と、シアメノシドIで及び/又はRebM80で甘味付けした対照飲料は、同じスクロース等量を有する)。特定の実施形態では、飲料は、約40ppm~約50ppmのブラゼインと約350ppm~約450ppmのシアメノシドIを含み、RebM80を含まない。より具体的な実施形態では、飲料は、約40ppm~約45ppmのブラゼインと約350ppm~約450ppmのシアメノシドIを含み、RebM80を含まない。さらに具体的な実施形態では、飲料は、約45ppmのブラゼインと約410ppmのシアメノシドIを含み、RebM80を含まない。別の実施形態では、飲料は、約25から約30ppmのブラゼインと、約300ppm~約400ppmのシアメノシドIと、約50ppm~約100ppmのRebM80を含む。より具体的な実施形態では、飲料は、約30ppmのブラゼインと、約350ppmのシアメノシドIと、約70ppmのRebM80を含む。
【0253】
一実施形態では、飲料は、約30から約50ppmのブラゼインと約7Brixから約10Brixの高果糖コーンシロップ(HFCS)を含む。好ましい実施形態では、本発明の飲料は、HFCSで甘味付けした対照(10Brix)と同様の又はこの対照よりも良い味がする。より具体的な実施形態では、飲料は、約35ppm~約45ppmのブラゼインと約7Brixから約9BrixのHFCSを含む。さらに具体的な実施形態では、飲料は、約40ppmのブラゼインと約8BrixのHFCSを含む。
【0254】
一実施形態では、低カロリー飲料は、約5ppm~約20ppmのブラゼインと約100ppm~約200ppmのRebMを含む。好ましい実施形態では、本発明の飲料は、スクロースで甘味付けした対照(10Brix)と同様の食味プロファイルを有する。特定の実施形態では、低カロリー非発泡性(非炭酸)飲料は、約10ppm~約15ppmのブラゼインと約100ppm~約150ppmのRebMを含む。さらに具体的な実施形態では、低カロリー非発泡性飲料は、約10ppm~約15ppmのブラゼインと約115ppmのRebMを含む。別の特定の実施形態では、低カロリー炭酸飲料は、約20ppmのブラゼインと約100から約150ppmのRebMを含む。
【0255】
一実施形態では、飲料は、約5ppm~約20ppmのブラゼインと約300ppm~約500ppmのA95を含む。特定の実施形態では、飲料は、約15ppm~約20ppmのブラゼインと約300ppm~約500ppmのA95を含む。さらなる実施形態では、飲料は、約15ppm又は約20ppmのブラゼインと約400ppmのA95を含む。
【0256】
一実施形態では、飲料の時間的プロファイル、フレーバープロファイル、及び/又は食味プロファイルは、ブラゼインを含有しない又は約20ppm未満、さらにいっそう具体的には約15ppm未満の量のブラゼインを含有する飲料と比べて向上されている。特定の実施形態では、この飲料の時間的プロファイル、フレーバープロファイル、及び/又は食味プロファイルは、より糖に似ている。一実施形態では、この飲料は、低下した甘味持続、低下した苦み、低下した苦い後味、低下した渋み、向上された食感(例えば、より大きいふくよかさ又はコク)などを有する。
【0257】
これらの飲料は、限定はされないが、炭水化物、ポリオール、アミノ酸及びその対応する塩、ポリアミノ酸及びその対応する塩、糖酸及びその対応する塩、ヌクレオチド、有機酸、無機酸、有機酸塩及び有機塩基塩を含めた有機塩、無機塩、苦味化合物、香料及び着香成分、渋味化合物、タンパク質又はタンパク質加水分解産物、界面活性剤、乳化剤、フラボノイド、アルコール、ポリマー、及びその組み合わせを含めた、添加物をさらに含むことができる。本明細書に記載されるあらゆる好適な添加物を使用することができる。
【0258】
飲料は、上に詳述した1種又は複数種の機能性成分をさらに含有することができる。機能性成分には、限定はされないが、ビタミン、ミネラル、抗酸化剤、保存剤、グルコサミン、ポリフェノール、及びその組み合わせが含まれる。本明細書に記載されるあらゆる好適な機能性成分を使用することができる。
【0259】
甘味付けした組成物、例えば飲料のpHが、甘味料の食味に物質的にも逆作用的にも影響を与えないことが企図される。甘味付け可能組成物のpH範囲の非限定的な例は、約1.8から約8であり得る。さらなる例には、約2から約5までのpH範囲が含まれる。特定の実施形態では、飲料のpHは、約3から約3.25である。
【0260】
ブラゼイン(又はその類似体)を含む飲料の温度は、例えば、約4℃から約100℃、例えば、約4℃から約25℃の範囲であり得る。
【0261】
飲料は、8オンスの1杯あたり約120カロリーを有する高カロリー飲料であり得る。
【0262】
飲料は、8オンスの1杯あたり約80カロリーを有する中カロリー飲料であり得る。
【0263】
飲料は、8オンスの1杯あたり約40カロリーを有する低カロリー飲料であり得る。
【0264】
飲料は、8オンスの1杯あたり5カロリー未満を有するゼロカロリー飲料であり得る。
【0265】
一実施形態では、飲料又は飲料製品は、低グリセミック指数を有する。グリセミック指数は、どのぐらい遅く又はどのぐらい早く食品が血糖値の増大を引き起こすかということに基づいて食品に割り当てられた値である。低グリセミック指数ダイエット食品(限定はされないが、飲料が含まれる)は、真性糖尿病を有する人における血糖コントロールに対するより有益な効果を達成することを目的とし、また、一般集団に代謝的利益を提供することもできる。
【0266】
特定の実施形態では、飲料又は飲料製品は、従来の甘味料(例えば、スクロースベースの甘味料を使用して作られる実質的に類似の製品のグリセミック指数よりも少なくとも10%低いグリセミック指数を有する。飲料のグリセミック指数を検査するための方法は、例えば、Wolever,et al.Nutrition Research 23:621-629,2003に提供されている通りに記載されている。特定の実施形態では、飲料又は飲料製品は、約55以下のグリセミック指数(GI)を有する。特定の実施形態では、飲料又は飲料製品は、低グリセミック指数を有する栄養飲料である。
【0267】
一実施形態では、約1から約30ppm及び約500ppm未満の1種又は複数種のステビオール配糖体を含む飲料が開示され、ここでは、この飲料の液体基質は、水、リン酸、リン酸緩衝液、クエン酸、クエン酸緩衝液、炭素処理水、及びその組み合わせからなる群から選択される。この飲料のpHは、約3から約3.5であり得る。この飲料は、添加物、例えば、エリスリトールをさらに含むことができる。この飲料は、機能性成分、例えばビタミンをさらに含むことができる。
【0268】
時間的プロファイル又はフレーバープロファイルを向上させるための方法
より糖に似た時間的プロファイル、フレーバープロファイル、及び/又は食味プロファイルを、消費財(例えば、飲料)に与えるための方法であって、本明細書に開示されるブラゼイン(若しくはその類似体)又はブラゼイン含有甘味料組成物若しくは風味改良組成物を、消費財に添加することを含む方法が開示される。消費財は、甘味付け可能組成物又はフレーバー改良可能組成物と称することができる。
【0269】
いかなる特定の理論にも拘泥されないが、ブラゼインは、口腔内のムチンに結合できると考えられている。ムチンは、粘液の有機の主成分、すなわちすべての粘膜表面を覆うぬるぬるした粘弾性材料である。構造的には、ムチンは、トレオニン、セリン、及びプロリンに豊富なタンデムリピートペプチドにO-グリコシド結合した高含有量のクラスター化されたオリゴ糖を有する、高分子量の上皮性糖タンパク質である。
【0270】
口内では、ムチンが、硬組織及び軟組織を覆っている。MUC5B、MUC7(以前はMG2として公知であった)、MUC19、MUC1、及びMUC4を含めて、いくつかの唾液ムチンが公知である。これらは、巨大分子の特徴に基づいて、高(>1000kDa)及び低(200~300kDa)分子量形態に分類することができる。唾液のムチンは、口蓋及び頬側粘膜全体を通して分布している一対の顎下腺(SMG)及び舌下(SLG)腺、並びに少数の唾液腺の粘液腺房細胞によって合成される。
【0271】
この方法は、他の甘味料、添加物、機能性成分、及びその組み合わせの添加をさらに含むことができる。本明細書に詳述したあらゆる甘味料、添加物、又は機能性成分を使用することができる。
【0272】
一実施形態では、より糖に似た時間的プロファイル、フレーバープロファイルを消費財(例えば、飲料)に与える方法は、ブラゼイン(若しくはその類似体)又はブラゼイン含有甘味料組成物又は風味改良組成物を、消費財に添加し、それによって、より糖に似た時間的プロファイル又はフレーバープロファイルを与えることを含む。
【0273】
本明細書で使用する場合、「糖に似た」特性には、スクロースの特性と類似のあらゆる特性が含まれ、限定はされないが、最大反応、フレーバープロファイル、時間的プロファイル、食味プロファイル、適応挙動、食感、濃度/応答関数、味物質/及びフレーバー/甘み相互作用、分布様式選択性、及び温度の影響が含まれる。
【0274】
これらの特性は、スクロースの食味がブラゼイン(又はその類似体)の食味と異なる度合いである。しかし、これらのうち、フレーバープロファイル及び時間的プロファイルが特に重要である。甘い食品又は飲料の単回テイスティングでは、スクロースについて観察されるものと、ブラゼイン(又はその類似体)について観察されるものとの間の、(1)甘味料のフレーバープロファイルを構成する特質、並びに(2)甘味料の時間的プロファイルを構成する甘味発生及び消失の速度の違いを記録することができる。
【0275】
一実施形態では、本明細書に開示される方法は、消費財の1つ又は複数の官能特性を、本明細書に開示される甘味料組成物又は風味改良組成物を含有しない消費財と比較して向上させる。ある種の実施形態では、この向上は、官能検査によって測定される。官能検査は、食味検査、盲検検査、又はその組み合わせであり得る。官能検査は、1つ又は複数の様々なプロトコルを使用することができる。例えば、官能検査は、「三点試験法(triangle method)」(ISO要件に従う)、又はその組み合わせであり得る。食味検査は、複数の試験の平均であり得る。
【0276】
食味検査は、スクリーニング検査、専門的食味検査、又は市場調査試験であり得る。スクリーニング検査は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9人の食味検査者によって実施することができる。専門的食味検査は、少なくとも10、15、20、25、又は30人の食味検査者によって実施することができる。市場調査試験は、少なくとも31、40、50、60、70、80、90、100、150、200、300、400、又は500人の食味検査者によって実施することができる。場合によっては、食味検査者は、平均的な味覚認識を有する人物、専門的な食味検査者、食品又は食品構成成分を正確に識別することによって味覚試験に合格した人物、又は味又はフレーバーの相対量を識別する(例えば、様々な量の糖(水溶液)を正確に並べる)ことができる人物であり得る。
【0277】
一実施形態では、特性がより糖に似ているかどうかは、糖を含む組成物と、少なくとも1種のステビオール(例えば、RebM、RebA)又はHFCSと任意に組み合わせてブラゼイン(又はその類似体)を含む組成物と(添加物を含むものと含まないものの両方)をテイスティングし、且つ糖を含むものとの甘味料組成物(添加物を含むものと含まないものの両方)の特性の類似性に関するその感想を提供する、専門の官能パネルによって決定される。組成物がより糖に似た味を有するかどうかを決定するための好適な手順は、以下の本明細書に記載される実施形態に記載される。
【0278】
特定の実施形態では、甘味持続の低下を測定するために、評価者のパネルが使用される。簡単に記載すると、評価者のパネル(一般に8から12人の個人)は、甘味認知を評価するために訓練され、サンプルを最初に口に入れた時から、吐き出してから3分後までの、いくつかの時点で甘味を測定する。統計解析を使用して、結果を、添加物を含有するサンプルと添加物を含有しないサンプルとの間で比較する。サンプルが口から取り除かれた後に測定される時点についてのスコアの減少が、甘味認知の低下が存在していたことを示す。
【0279】
評価者のパネルは、当業者に周知の手順を使用して訓練することができる。特定の実施形態では、評価者のパネルは、Spectrum(商標)記述分析法(Descriptive Analysis Method)(Melgaard et al,Sensory Evaluation Techniques,3rd edition,Chapter 11)を使用して訓練することができる。望ましくは、訓練の焦点は、基本的味覚;特に、甘みの認知及び測定であるべきである。結果の精度及び再現性を確実にするために、各評価者は、それぞれの繰り返し及び/又はサンプルの間に少なくとも5分の休憩を取り、また、水で十分にすすいで口をきれいにして、甘味持続の低下の測定をサンプルあたり約3から約5回繰り返すべきである。
【0280】
一般に、甘味を測定する方法は、10mLサンプルを口に入れること、サンプルを5秒間口に入れておくこと及びサンプルを口の中で穏やかに混ぜること、5秒で認知された甘味度を等級付けすること、サンプルを吐き出す(サンプルを吐き出した後に嚥下しない)こと、口一杯分の水ですすぐこと(例えば、洗口液を用いるかのように水を口の中で勢いよく動かすこと)及びすすぎ水を吐き出すこと、すすぎ水を吐き出した後すぐに認知された甘味度を等級付けすること、45秒待機すること、及びその45秒の待機の間に、認知された甘味度の最大値の時点を特定し、その時点での甘味度を等級付けする(随時、普通に口を動かす及び嚥下する)こと、さらに10秒後に甘味度を等級付けすること、さらに60秒後(すすぎから累積120秒後)に甘味度を等級付けすること、並びにさらに60秒後(すすぎから累積180秒後)に甘味度を等級付けすることを含む。サンプルとサンプルとの間には、5分の休憩を取り、水で十分にすすいで口をきれいにする。
【0281】
いくつかの実施形態では、時間的プロファイル、フレーバープロファイル、及び/又は食味プロファイルは、インビトロで、例えば、甘み及び/又は苦み受容体を過剰発現している細胞モデルに基づくインビトロ系などの好適な定量法で評価される。特定の実施形態では、インビトロ系は、TAS1R2/TAS1R3受容体を含む。
【0282】
一実施形態では、本明細書に開示される甘味料組成物、又は風味及び/又は食味改良組成物は、限定はされないが、食感、苦み、苦い後味、又は甘味持続を含めた、消費財の1種又は複数種の特性を改変する能力がある。
【0283】
食感は、舌、歯肉、及び歯を含めて口の内側で認知される特徴的な触覚をもたらす原因である、食品又は飲料の表面素材的様相を指す。これらには、限定はされないが、渋み、粘度、つるつる感(slipperiness)、及び口を覆う感覚(mouth-coating)が含まれ得る。食感は、味及び臭いと共に消費財の総合的フレーバーを決定する、基本的な感覚特性である。
【0284】
一実施形態では、本明細書に開示されるブラゼイン(又はその類似体)又はブラゼイン含有甘味料組成物及び/又は風味改良組成物は、それが添加される消費財(例えば、飲料)に、従来の甘味料組成物又は風味及び/又は食味改良組成物と比べて、向上した食感を与える。一実施形態では、「向上した食感」は、食味改良組成物又はその活性な構成成分を含まない同じ飲料と比較して、前記飲料を摂取する食味検査パネルによって決定することができる。特定の実施形態では、食感は、約5%、約10%、約15%、約20%、又は約25%以上向上する。特定の実施形態では、食感の向上は、向上したふくよかさ、コク、又は濃厚さ(richness)と特徴付けられる。特定の実施形態では、向上した食感は、より糖蜜様の食感と特徴付けられる。
【0285】
別の実施形態では、本明細書に開示される甘味料組成物又は風味改良組成物は、それが添加される消費財(例えば、飲料)における苦みを、従来の甘味料組成物又は風味及び/又は食味改良組成物と比べて、向上(低下)させる。この「向上した苦み」又は「低下した苦み」は、食味改良組成物又はその活性な構成成分を含まない同じ飲料と比較して、前記飲料を摂取する食味検査パネルによって決定することができる。特定の実施形態では、苦みは、約5%、約10%、約15%、約20%、又は約25%以上低下する。
【0286】
別の実施形態では、本明細書に開示される甘味料組成物又は風味改良組成物は、それが添加される消費財(例えば、飲料)における苦い後味を、従来の甘味料組成物又は風味及び/又は食味改良組成物と比べて低下させる。この「低下した苦い後味」は、食味改良組成物又はその活性な構成成分を含まない同じ飲料と比較して、前記飲料を摂取する食味検査パネルによって決定することができる。特定の実施形態では、苦い後味は、約5%、約10%、約15%、約20%、又は約25%以上低下する。
【0287】
特定の実施形態では、本明細書に開示される甘味料組成物又は風味改良組成物は、それが添加される消費財(例えば、飲料)の苦味を低下させ、ここでは、低下は、苦みについて、経時VASスコアプロファイル(Metachronic VAS Score Profile)によって測定され、より具体的には、低下は、少なくとも約0.5ポイント、約1ポイント、約1.5ポイント、約2.0ポイント、約2.5ポイント、約3.0ポイント、約3.5ポイント、又は約4.0ポイント以上である。ある種の実施形態では、低下は、約0.5から約4.0ポイント、約1.0から約3.5ポイント、又は約1.5から約3.0ポイントである。
【0288】
さらなる実施形態では、本明細書に開示される甘味料組成物及び/又は風味改良組成物は、向上された(低下した)甘味持続を有する。一実施形態では、この「向上された甘味持続」は、食味改良組成物又はその活性な構成成分を含まない同じ飲料と比較して、前記飲料を摂取する食味検査パネルによって検査することができる。特定の実施形態では、甘味持続は、約5%、約10%、約15%、約20%、又は約25%以上低下する。
【0289】
さらなる実施形態では、本明細書に開示される風味改良組成物は、酸味の低下を提供する。一実施形態では、この「低下した酸味」は、食味改良組成物又はその活性な構成成分を含まない同じ飲料と比較して、前記飲料を摂取する食味検査パネルによって検査することができる。特定の実施形態では、酸味は、約5%、約10%、約15%、約20%、又は約25%以上低下する。
【実施例
【0290】
実施例
実施例1:ブラゼイン+RebM(甘味料組成物)
ブラゼインとRebM80を、クエン酸溶液及びレモン/ライムダイエットソーダに、それぞれ添加した。結果を、下の表I及び表IIにそれぞれ示す。
【0291】
【表1】
【0292】
【表2】
【0293】
実施例2:RebAをRebA+ブラゼイン(甘味料組成物)と比較した
RebAを、記載した通りにRebA+ブラゼイン(クエン酸溶液中)と比較した。結果を、下の表III及びIVに示す。
【0294】
【表3】
【0295】
【表4】
【0296】
これらの結果は、RebA+ブラゼインブレンドが、RebA単独と比較して相乗効果を有することを示唆する。
【0297】
実施例3:シアメノシドI+ブラゼイン(甘味料組成物)
ブラゼイン、シアメノシドI、及び/又はRebM80を、クエン酸模擬飲料に添加した。結果を下の表Vに示す。
【0298】
【表5】
【0299】
これらの結果は、ブラゼイン及び/又はRebMとのシアメノシドIブレンドが、RebM80単独と比較して相乗効果を有することを示唆する(甘味の質)。
【0300】
実施例4:ブラゼイン+HFCS(甘味料組成物)
ブラゼイン及び高果糖コーンシロップ(HFCS)を、クエン酸模擬飲料に添加した。結果を下の表Vに示す:
【0301】
【表6】
【0302】
ブラゼインとのHFCSブレンドは、HFCS単独と同様の食味を提供した(甘味の質)。
【0303】
実施例5:ブラゼイン+RebM(食味改良組成物)
RebM及びブラゼインを、下に記載した通り、種々の飲料に添加した。完全な糖のサンプルを、対照(10Brix)として提供した。
【0304】
【表7】
【0305】
【表8】
【0306】
実施例6:ブラゼイン+RebM(食味改良組成物)
【0307】
【表9】
【0308】
ブラゼイン(1~15ppm)は、472ppmのRebM80で、酸っぱい、甘みが少ないなどの食味特性を向上させ、苦みをカバーし、食感、濃厚さ、及びフルボディをいっそう持続させる。
【0309】
実施例7:ブラゼイン+RebA95(食味改良組成物)
「A95」は、主としてRebD及びRebMを含むステビオール配糖体ブレンドを指す。A95を得る方法は、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2017/059414号に提供されている。例示的なA95ブレンドは、以下に提供される:
【0310】
【表10】
【0311】
【表11】
【0312】
ブラゼイン(5ppm~20ppm)は、400ppmのA95で、食感を向上させ、苦み及び持続をブロックすることができる。
【配列表】
0007603606000001.app