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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】電子装置および電子装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/52 20060101AFI20241213BHJP
【FI】
H01L21/52 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021572719
(86)(22)【出願日】2021-01-18
(86)【国際出願番号】 JP2021001480
(87)【国際公開番号】W WO2021149637
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】P 2020008918
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】二村 羊水
(72)【発明者】
【氏名】中村 正彦
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-516399(JP,A)
【文献】特開2019-029662(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0040530(US,A1)
【文献】特開2014-130961(JP,A)
【文献】特開2010-245161(JP,A)
【文献】特開平08-330487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向において離間する素子主面および素子裏面を有する電子部品と、
前記素子裏面に対向する搭載面を有し、前記電子部品が搭載された搭載部と、
前記電子部品を前記搭載部に接合する接合材と、
を備えており、
前記接合材は、前記厚さ方向において前記電子部品と前記搭載部とに挟まれた基部と、前記基部に繋がり、かつ、前記厚さ方向に見て前記電子部品の外側に形成されたフィレット部とを含み、
前記電子部品は、各々が前記素子主面および前記素子裏面に繋がる第1素子側面および第2素子側面と、前記第1素子側面と前記第2素子側面との交差部分であって前記厚さ方向に延びる稜と、を含み、
前記フィレット部は、前記稜の少なくとも一部を覆う稜被覆部を含み、
前記フィレット部は、前記第1素子側面の少なくとも一部を覆う第1被覆部、および、前記第2素子側面の少なくとも一部を覆う第2被覆部をさらに含み、
前記第1被覆部と前記第2被覆部はそれぞれ、前記稜被覆部に繋がり、
前記第1素子側面においては、前記素子主面に繋がる端縁が、前記第1素子側面に直交する第1方向に見て、前記第1被覆部から露出し、
前記第2素子側面においては、前記素子主面に繋がる端縁が、前記第2素子側面に直交する第2方向に見て、前記第2被覆部から露出し、
前記電子部品は、前記厚さ方向に見て矩形状であり、
前記厚さ方向、前記第1方向および前記第2方向は、互いに直交し、
前記第1被覆部においては、前記厚さ方向に見て、前記第2方向における中央部が前記第1素子側面側に窪んでいる、
電子装置。
【請求項2】
厚さ方向において離間する素子主面および素子裏面を有する電子部品と、
前記素子裏面に対向する搭載面を有し、前記電子部品が搭載された搭載部と、
前記電子部品を前記搭載部に接合する接合材と、
を備えており、
前記接合材は、前記厚さ方向において前記電子部品と前記搭載部とに挟まれた基部と、前記基部に繋がり、かつ、前記厚さ方向に見て前記電子部品の外側に形成されたフィレット部とを含み、
前記電子部品は、各々が前記素子主面および前記素子裏面に繋がる第1素子側面および第2素子側面と、前記第1素子側面と前記第2素子側面との交差部分であって前記厚さ方向に延びる稜と、を含み、
前記フィレット部は、前記稜の少なくとも一部を覆う稜被覆部を含み、
前記フィレット部は、前記第1素子側面の少なくとも一部を覆う第1被覆部、および、前記第2素子側面の少なくとも一部を覆う第2被覆部をさらに含み、
前記第1被覆部と前記第2被覆部はそれぞれ、前記稜被覆部に繋がり、
前記第1素子側面においては、前記素子主面に繋がる端縁が、前記第1素子側面に直交する第1方向に見て、前記第1被覆部から露出し、
前記第2素子側面においては、前記素子主面に繋がる端縁が、前記第2素子側面に直交する第2方向に見て、前記第2被覆部から露出し、
前記電子部品は、前記厚さ方向に見て矩形状であり、
前記厚さ方向、前記第1方向および前記第2方向は、互いに直交し、
前記第1被覆部においては、前記稜被覆部に繋がる端縁部の前記搭載面に対する傾斜度が、前記第2方向における中央部の前記搭載面に対する傾斜度よりも大きい、
電子装置。
【請求項3】
厚さ方向において離間する素子主面および素子裏面を有する電子部品と、
前記素子裏面に対向する搭載面を有し、前記電子部品が搭載された搭載部と、
前記電子部品を前記搭載部に接合する接合材と、
を備えており、
前記接合材は、前記厚さ方向において前記電子部品と前記搭載部とに挟まれた基部と、前記基部に繋がり、かつ、前記厚さ方向に見て前記電子部品の外側に形成されたフィレット部とを含み、
前記電子部品は、各々が前記素子主面および前記素子裏面に繋がる第1素子側面および第2素子側面と、前記第1素子側面と前記第2素子側面との交差部分であって前記厚さ方向に延びる稜と、を含み、
前記フィレット部は、前記稜の少なくとも一部を覆う稜被覆部を含み、
前記フィレット部は、前記第1素子側面の少なくとも一部を覆う第1被覆部、および、前記第2素子側面の少なくとも一部を覆う第2被覆部をさらに含み、
前記第1被覆部と前記第2被覆部はそれぞれ、前記稜被覆部に繋がり、
前記第1素子側面においては、前記素子主面に繋がる端縁が、前記第1素子側面に直交する第1方向に見て、前記第1被覆部から露出し、
前記第2素子側面においては、前記素子主面に繋がる端縁が、前記第2素子側面に直交する第2方向に見て、前記第2被覆部から露出し、
前記電子部品は、前記厚さ方向に見て矩形状であり、
前記厚さ方向、前記第1方向および前記第2方向は、互いに直交し、
前記第2被覆部においては、前記厚さ方向に見て、前記第1方向における中央部が前記第2素子側面側に窪んでいる、
電子装置。
【請求項4】
厚さ方向において離間する素子主面および素子裏面を有する電子部品と、
前記素子裏面に対向する搭載面を有し、前記電子部品が搭載された搭載部と、
前記電子部品を前記搭載部に接合する接合材と、
を備えており、
前記接合材は、前記厚さ方向において前記電子部品と前記搭載部とに挟まれた基部と、前記基部に繋がり、かつ、前記厚さ方向に見て前記電子部品の外側に形成されたフィレット部とを含み、
前記電子部品は、各々が前記素子主面および前記素子裏面に繋がる第1素子側面および第2素子側面と、前記第1素子側面と前記第2素子側面との交差部分であって前記厚さ方向に延びる稜と、を含み、
前記フィレット部は、前記稜の少なくとも一部を覆う稜被覆部を含み、
前記フィレット部は、前記第1素子側面の少なくとも一部を覆う第1被覆部、および、前記第2素子側面の少なくとも一部を覆う第2被覆部をさらに含み、
前記第1被覆部と前記第2被覆部はそれぞれ、前記稜被覆部に繋がり、
前記第1素子側面においては、前記素子主面に繋がる端縁が、前記第1素子側面に直交する第1方向に見て、前記第1被覆部から露出し、
前記第2素子側面においては、前記素子主面に繋がる端縁が、前記第2素子側面に直交する第2方向に見て、前記第2被覆部から露出し、
前記電子部品は、前記厚さ方向に見て矩形状であり、
前記厚さ方向、前記第1方向および前記第2方向は、互いに直交し、
前記第2被覆部は、前記稜被覆部に繋がる端縁部の前記搭載面に対する傾斜度が、前記第1方向における中央部の前記搭載面に対する傾斜度よりも大きい、
電子装置。
【請求項5】
前記電子部品は、第3素子側面、第4素子側面、および、複数の追加の稜をさらに含み、
前記第3素子側面は、前記素子主面および前記素子裏面に繋がり、かつ、前記第1方向において、前記第1素子側面と離間し、
前記第4素子側面は、前記素子主面および前記素子裏面に繋がり、かつ、前記第2方向において、前記第2素子側面と離間し、
前記複数の追加の稜は、前記第1素子側面と前記第4素子側面とが交わったところ、前記第2素子側面と前記第3素子側面とが交わったところ、および、前記第3素子側面と前記第4素子側面とが交わったところにそれぞれ生じ、かつ、各々が前記厚さ方向に延びており、
前記フィレット部は、前記複数の追加の稜を覆う複数の追加の稜被覆部をさらに含む、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項6】
前記第1被覆部においては、前記第2方向における中央部の前記厚さ方向の寸法が、前記稜被覆部に繋がる端縁部の前記厚さ方向の寸法よりも小さい、
請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項7】
前記第1被覆部は、前記第2方向における中央部と、前記稜被覆部に繋がる端縁部との間において、前記素子主面側に隆起した隆起部を有する、
請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項8】
前記第2被覆部においては、前記第1方向における中央部の前記厚さ方向の寸法が、前記稜被覆部に繋がる端縁部の前記厚さ方向の寸法よりも小さい、
請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項9】
前記第2被覆部は、前記第1方向における中央部と、前記稜被覆部に繋がる端縁部との間において、前記素子主面側に隆起した隆起部を有する、
請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項10】
前記フィレット部は、前記厚さ方向に見て、前記電子部品の全周にわたって形成されている、
請求項1ないし請求項9のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項11】
前記電子部品は、半導体材料からなる、
請求項1ないし請求項10のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項12】
前記電子部品は、前記素子主面に主面電極が形成されており、
前記搭載部は、リードフレームの一部であり、
前記リードフレームは、前記主面電極に導通し、かつ、前記搭載部から離間する端子部をさらに含む、
請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項13】
前記リードフレームは、構成材料がCuを含む金属である、
請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記電子部品は、前記素子裏面に裏面電極が形成されており、
前記裏面電極は、前記接合材を介して、前記搭載部に導通する、
請求項1ないし請求項13のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項15】
前記接合材は、焼結銀からなる、
請求項1ないし請求項14のいずれか1つに記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子装置と、電子装置の製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の電子装置の一例が開示されている。特許文献1に記載の電子装置は、電子部品、リードフレーム、および、接合材を備えている。当該電子装置において、電子部品は、半導体素子である。リードフレームは、電子部品を搭載する搭載部を含んでいる。搭載部は、アイランドやダイパッドと呼ばれる部位である。接合材は、電子部品を搭載部に接合する。接合材は、たとえば銀ペーストが採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-277679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記電子装置において、電子部品への通電により、電子部品が発熱する。この発熱によって、電子部品と搭載部(リードフレーム)との線膨張係数の差に起因する熱応力が接合材に加わる。その結果、接合材が搭載部から剥離したり、接合材が損壊(たとえば亀裂の発生など)したりすることがあった。この剥離や損壊は、電子装置における導通性の低下および放熱性の低下を招く。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みて考え出されたものであり、その目的は、接合材の剥離や損壊を抑制することができる電子装置を提供することにある。また、接合材の剥離や損壊を抑制可能な電子装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の側面によって提供される電子装置は、厚さ方向において離間する素子主面および素子裏面を有する電子部品と、前記素子裏面に対向する搭載面を有し、前記電子部品が搭載された搭載部と、前記電子部品を前記搭載部に接合する接合材と、を備えており、前記接合材は、前記厚さ方向において前記電子部品と前記搭載部とに挟まれた基部と、前記基部に繋がり、かつ、前記厚さ方向に見て前記電子部品の外側に形成されたフィレット部とを含み、前記電子部品は、各々が前記素子主面および前記素子裏面に繋がる第1素子側面および第2素子側面と、前記第1素子側面と前記第2素子側面との交差部分であって前記厚さ方向に延びる稜と、を含み、前記フィレット部は、前記稜の少なくとも一部を覆う稜被覆部を含む。
【0007】
本開示の第2の側面によって提供される電子装置の製造方法は、厚さ方向において離間する素子主面および素子裏面を有する電子部品と、前記素子裏面に対向する搭載面を有し、前記電子部品が搭載された搭載部と、前記電子部品を前記搭載部に接合する接合材と、を備えた電子装置の製造方法であって、前記搭載面にペースト状接合材を塗布する塗布工程と、前記ペースト状接合材上に前記電子部品を載置する載置工程と、前記ペースト状接合材を固化し、前記接合材を形成する固化工程と、を含み、前記搭載部は、前記電子部品が接合される接合領域を含み、前記接合領域は、前記厚さ方向に見て、前記電子部品の角に重なるコーナー部を含み、前記ペースト状接合材は、前記厚さ方向に見て、前記電子部品の中央部から前記コーナー部に向かって少なくとも前記コーナー部まで塗布される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の電子装置によれば、たとえば、接合材の剥離や損壊を抑制することができる。また、本開示の電子装置の製造方法によれば、たとえば、接合材の剥離や損壊が抑制された電子装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態にかかる電子装置を示す平面図である。
図2図1において樹脂部材2を想像線で示した図である。
図3】一実施形態にかかる電子装置を示す底面図である。
図4】一実施形態にかかる電子装置を示す正面図である。
図5】一実施形態にかかる電子装置を示す側面図(左側面図)である。
図6図2のVI-VI線に沿う断面図である。
図7図2のVII-VII線に沿う断面図である。
図8図2のVIII-VIII線に沿う断面図である。
図9】接合材による接合構造を示す斜視図である。
図10】接合材による接合構造を示す平面図である。
図11】接合材による接合構造を示す側方図である。
図12】電子装置の製造方法の一工程(塗布工程)を示す平面図である。
図13】電子装置の製造方法の一工程(塗布工程)を示す側方図である。
図14】電子装置の製造方法の一工程(載置工程)を示す平面図である。
図15】電子装置の製造方法の一工程(載置工程)を示す側方図である。
図16】変形例にかかる塗布工程を示す平面図である。
図17】変形例にかかる側方被覆部(フィレット部)を示す斜視図である。
図18図17の側方被覆部(フィレット部)を示す側方図である。
図19】変形例にかかる側方被覆部(フィレット部)を示す斜視図である。
図20図19の側方被覆部(フィレット部)を示す側方図である。
図21】変形例にかかる側方被覆部(フィレット部)を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の電子装置および電子装置の製造方法の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。
【0011】
図1図11は、一実施形態にかかる電子装置A1を示している。電子装置A1は、たとえばQFN(Quad Flat Non-leaded package)と呼ばれるパッケージ構造である。電子装置A1は、電子機器などの回路基板に実装される。電子装置A1は、たとえば平面視矩形状である。電子装置A1は、電子部品1、樹脂部材2、リードフレーム3、接合材4、および、複数の接続部材5を備えている。
【0012】
図1は、電子装置A1を示す平面図である。図2は、図1において樹脂部材2を想像線で示した図である。図3は、電子装置A1を示す底面図である。図4は、電子装置A1を示す正面図である。図5は、電子装置A1を示す側面図(左側面図)である。図6は、図2のVI-VI線に沿う断面図である。図7は、図2のVII-VII線に沿う断面図である。図8は、図2のVIII-VIII線に沿う断面図である。図9は、接合材4による接合構造を示す要部拡大斜視図である。図10は、接合材4による接合構造を示す要部拡大平面図である。図11は、接合材4による接合構造を示す要部拡大側方図である。理解の便宜上、図9図11においては、電子部品1、リードフレーム3の一部(後述の第1リード31)および、接合材4を図示している。
【0013】
説明の便宜上、互いに直交する3つの方向を、x方向、y方向、z方向と定義する。z 方向は、電子装置A1の厚さ方向である。x方向は、電子装置A1の平面図(図1参照)における左右方向である。y方向は、電子装置A1の平面図(図1参照)における上下方向である。x方向の一方をx1方向、x方向の他方をx2方向とする。同様に、y方向の一方をy1方向、y方向の他方をy2方向とし、z方向の一方をz1方向、z方向の他方をz2方向とする。以下の説明において、「平面視」とは、z方向に見たときをいう。z方向は、「厚さ方向」とも称する。また、x方向は、「第1方向」の一例であり、y方向は、「第2方向」の一例である。
【0014】
電子部品1は、電子装置A1の電気的機能を発揮する要素である。電子部品1は、たとえば、集積回路素子、能動機能素子、あるいは、受動機能素子などである。電子部品1は、たとえば半導体材料からなる半導体素子である。半導体材料としては、Si(シリコン)、SiC(炭化ケイ素)、Ge(ゲルマニウム)、GaAs(ヒ化ガリウム)およびGaN(窒化ガリウム)などがある。本実施形態では、電子部品1は、シリコンからなる。電子部品1は、平面視において、たとえば矩形状である。
【0015】
電子部品1は、図2および図6図11に示すように、素子主面11、素子裏面12および複数の素子側面131~134を有する。素子主面11および素子裏面12は、z方向において離間している。素子主面11はz2方向を向き、素子裏面12はz1方向を向く。素子裏面12は、リードフレーム3に対向する。素子主面11には複数の主面電極111が形成されている。複数の主面電極111はそれぞれ、素子主面11において露出している。素子裏面12には裏面電極121が形成されている。裏面電極121は素子裏面12において露出している。裏面電極121は、素子裏面12の略全面にわたって形成されている。主面電極111および裏面電極121のそれぞれの数、配置、形状および平面視寸法は、図2および図6図8に示す例に限定されず、用いられる電子部品1に応じて、適宜変更される。複数の素子側面131~134はそれぞれ、z方向において素子主面11と素子裏面12とに挟まれており、かつ、素子主面11および素子裏面12の双方に繋がる。各素子側面131~134は、素子裏面12から起立しており、本実施形態では、直立している。図6図7および図9などに示すように、素子側面131,133は、x方向において、離間する。素子側面131はx1方向を向き、素子側面133はx2方向を向く。素子側面132,134は、y方向において離間する。素子側面132はy1方向を向き、素子側面134はy2方向を向く。複数の素子側面131~134がそれぞれ、「第1素子側面」、「第2素子側面」、「第3素子側面」、および「第4素子側面」の一例である。
【0016】
電子部品1は、図2および図8図11に示すように、複数の稜141~144を有する。稜141は、素子側面131と素子側面132との交差部分である。稜142は、素子側面132と素子側面133との交差部分である。稜143は、素子側面133と素子側面134との交差部分である。稜144は、素子側面134と素子側面131との交差部分である。各稜141~144は、z方向に延びている。複数の稜141~144は、平面視における電子部品1の四隅に対応する。稜141が、「稜」の一例であり、各稜142~144が、「追加の稜」の一例である。
【0017】
樹脂部材2は、電子部品1を保護する封止材である。樹脂部材2は、絶縁性の樹脂材料からなる。当該樹脂材料としては、たとえば黒色のエポキシ樹脂が採用される。樹脂部材2は、電子部品1、リードフレーム3の一部および複数の接続部材5を覆っている。樹脂部材2は、平面視において矩形状である。
【0018】
樹脂部材2は、樹脂主面21、樹脂裏面22および複数の樹脂側面231~234を有する。樹脂主面21および樹脂裏面22は、図4図8に示すように、z方向に離間する 。樹脂主面21はz2方向を向き、樹脂裏面22はz1方向を向く。複数の樹脂側面231~234はそれぞれ、z方向において樹脂主面21および樹脂裏面22に挟まれており、かつ、樹脂主面21および樹脂裏面22の双方に繋がっている。各樹脂側面231~234は、樹脂裏面22から起立しており、本実施形態では、直立している。図1図4に示すように、樹脂側面231,233は、x方向に離間している。樹脂側面231はx1方向を向き、樹脂側面233はx2方向を向く。図1図3および図5に示すように、樹脂側面232,234は、y方向に離間している。樹脂側面232はy1方向を向き、樹脂側面234はy2方向を向く。
【0019】
リードフレーム3は、電子部品1を支持するとともに、電子部品1に導通する。リードフレーム3は、一部が樹脂部材2から露出しており、この露出した部分が電子装置A1における外部端子である。リードフレーム3は、たとえば金属からなる。この金属としては、たとえば、Cu(銅)、Cu合金、ニッケル、ニッケル合金、あるいは、42アロイなどが採用される。本実施形態では、リードフレーム3は、Cuからなる。リードフレーム3は、たとえば金属板にエッチング加工を施すことで形成される。リードフレーム3は、エッチング加工ではなく、金属板に打ち抜き加工や折り曲げ加工などの機械加工を施すことにより形成されてもよい。リードフレーム3は、第1リード31および複数の第2リード32を含んでいる。
【0020】
第1リード31は、図1図3に示すように、平面視において、電子装置A1の中央に配置され、電子装置A1のx方向およびy方向の両端部まで広がっている。第1リード31は、図1図3および図6図8に示すように、搭載部311、複数の端子部312および連結部313を含んでいる。
【0021】
搭載部311は、図2図6図8および図9に示すように、電子部品1が搭載される。搭載部311は、図2および図10に示すように平面視において、たとえば矩形状である。平面視における搭載部311の各辺は、x方向あるいはy方向に略平行である。
【0022】
搭載部311は、図6図8などに示すように、搭載面311aおよび裏面311bを有する。搭載面311aおよび裏面311bは、z方向において離間している。搭載面311aはz2方向を向き、裏面311bはz1方向を向く。搭載面311aは、電子部品1(素子裏面12)に対向する。電子部品1は、搭載面311a上に搭載されている。搭載面311aにはめっきが施されていてもよい。このめっきの材料は、接合材4の材料に応じて適宜選定される。たとえば、リードフレーム3がCuであり、接合材4がはんだである場合、AgめっきあるいはNiめっきを搭載面311aに施すことで、はんだ(接合材4)の濡れ性を向上できる。図2および図6図8に示すように、裏面311bは、樹脂裏面22から露出しており、電子装置A1における外部端子になる。図6図8に示すように裏面311bは、樹脂裏面22と面一である。
【0023】
複数の端子部312は、図1および図2に示すように、平面視において、電子装置A1の4つの角にそれぞれ1つずつ配置されている。各端子部312は、平面視において、たとえば矩形状である。
【0024】
各端子部312は、図3図5および図8に示すように、主面312a、裏面312bおよび2つの端面312cを有している。各端子部312において、主面312aおよび裏面312bは、z方向に離間している。主面312aは、z2方向を向き、裏面312bは、z1方向を向く。主面312aは、図8に示すように、搭載面311aと面一である。裏面312bは、図3および図8に示すように、樹脂裏面22から露出する。2つの端面312cはそれぞれ、主面312aおよび裏面312bに繋がり、主面312aおよび裏面312bに直交する。2つの端面312cはそれぞれ、複数の樹脂側面231~2 34のいずれかから露出する。2つの端面312cの一方は、x方向外側を向いており、2つの端面312cの他方は、y方向外側を向いている。裏面312bおよび2つの端面312cは、電子装置A1における外部端子である。
【0025】
複数の連結部313はそれぞれ、図1図2および図8に示すように、搭載部311と各端子部312とに繋がっている。各連結部313は、図1および図2に示すように、平面視において、搭載部311の4つの角からそれぞれ放射状に延びており、各端子部312に繋がっている。連結部313の厚さ(z方向の寸法)は、たとえば搭載部311の厚さの半分程度である。連結部313は、たとえばハーフエッチング処理により形成される。
【0026】
各連結部313は、図8に示すように、主面313aおよび裏面313bを有する。各連結部313において、主面313aおよび裏面313bは、z方向に離間している。主面313aは、z2方向を向き、裏面313bは、z1方向を向く。主面313aは、図8に示すように、搭載面311aおよび主面312aと面一である。主面313aおよび裏面313bは、樹脂部材2に覆われている。
【0027】
第1リード31において、樹脂部材2から露出した部分には、図示しないめっき層が形成されている。電子装置A1においては、当該めっき層は、裏面311b、裏面312bおよび各端面312cに形成されている。当該めっき層は、第1リード31の母材よりもはんだ濡れ性が高い材料からなり、たとえばAuからなる。当該めっき層は、たとえば置換型の無電解めっきによって形成される。なお、当該めっき層は、形成されていなくてもよい。
【0028】
複数の第2リード32はそれぞれ、図2に示すように、各接続部材5を介して、電子部品1の主面電極111に導通する。複数の第2リード32は、図1図3に示すように、平面視において、電子装置A1のx方向の両端部およびy方向の両端部にそれぞれ配置され、互いに離間している。複数の第2リード32は、第1リード31から離間している。電子装置A1は、平面視において、樹脂側面231に沿って配置された複数の第2リード32と、樹脂側面232に沿って配置された複数の第2リード32と、樹脂側面233に沿って配置された複数の第2リード32と樹脂側面234に沿って配置された複数の第2リード32とを備えている。樹脂側面231に沿って配置された複数の第2リード32と、樹脂側面233に沿って配置された複数の第2リード32とはそれぞれ、y方向に隣り合う2つの端子部312の間に配置されている。樹脂側面232に沿って配置された複数の第2リード32と、樹脂側面234に沿って配置された複数の第2リード32とはそれぞれ、x方向に隣り合う2つの端子部312の間に配置されている。各第2リード32は、端子部321および接続部322を含む。
【0029】
複数の端子部321はそれぞれ、図2に示すように、平面視において、たとえば矩形状である。各端子部321の一部は、樹脂部材2から露出している。
【0030】
各端子部321は、図2図6に示すように、主面321a、裏面321bおよび端面321cを有する。各端子部321において、主面321aおよび裏面321bは、z方向において離間している。主面321aは、z2方向を向き、裏面321bは、z1方向を向く。裏面321bは、樹脂裏面22から露出する。端面321cは、主面321aおよび裏面321bに繋がる。端面321cは、複数の樹脂側面231~234のいずれかから露出する。裏面321bと端面321cとは、電子装置A1における外部端子である。
【0031】
複数の接続部322はそれぞれ、図2に示すように、端子部321から搭載部311に 向かって延びている。各接続部322には、各接続部材5がそれぞれ接合されている。搭載部311のy方向の両側の端縁に平行に並ぶ複数の第2リード32は、x方向の両端側に配置されたものほど、接続部322がy方向に対してより傾斜している。また、搭載部311のx方向の両側の端縁に平行に並ぶ複数の第2リード32は、y方向の両端側に配置されたものほど、接続部322がx方向に対してより傾斜している。これは、電子部品1の各主面電極111と、各第2リード32の端子部321とを接続部材5で接続し易くするためである。x方向およびy方向のそれぞれにおいて、最も両端側に配置された(連結部313に隣接した)第2リード32の接続部322は、隣接する連結部313の延びる方向に略平行に延びている。なお、各接続部322は、x方向またはy方向に対して傾斜していなくてもよい。
【0032】
各第2リード32において、図6に示すように、接続部322の厚さ(z方向の寸法)は、たとえば端子部321の厚さの半分程度である。接続部322は、たとえばハーフエッチング処理により形成される。各接続部322は、主面322aおよび裏面322bを有する。主面322aおよび裏面322bは、z方向において離間している。主面322aは、z2方向を向き、裏面322bは、z1方向を向く。主面322aは、接続部材5が接合される面である。主面321aと主面322aとは、互いに面一となっている。裏面322bは、樹脂部材2に覆われている。なお、接続部322の厚さが、端子部321の厚さと同じであってもよい。この場合、裏面321bと裏面322bとが互いに面一となり、裏面322bは、樹脂部材2(樹脂裏面22)から露出する。
【0033】
各第2リード32において、樹脂部材2から露出した部分には、図示しないめっき層が形成されている。電子装置A1においては、当該めっき層は、裏面321bおよび端面321cに形成される。当該めっき層は、第1リード31のめっき層と同様であって、たとえばAuからなり、置換型の無電解めっきによって形成される。なお、当該めっき層は、形成されていなくてもよい。
【0034】
接合材4は、電子部品1をリードフレーム3に接合する。接合材4は、たとえば焼結銀である。接合材4は、焼結銀に限らず、焼結銅などの他の焼結金属であってもよいし、はんだあるいは銀ペーストなど他の導電性接合材であってもよい。また、接合材4は、導電性接合材に限らず、絶縁性接合材であってもよい。ただし、接合材4が絶縁性接合材である場合は、電子部品1に裏面電極121が設けられていない場合か、あるいは、電子部品1の裏面電極121と搭載部311との接合材4を介した導通が不要な場合に限られる。接合材4は、電子部品1と搭載部311(第1リード31)との間に介在する。接合材4は、素子裏面12および搭載面311aに接している。接合材4を介して、裏面電極121と搭載部311とが導通する。接合材4は、基部41およびフィレット部42を含んでいる。
【0035】
基部41は、図9に示すように、z方向において、電子部品1と搭載部311とに挟まれている。基部41は、平面視において、電子部品1と完全に重なる。基部41は、素子裏面12の全面に接している。基部41は、平面視において、たとえば矩形状である。基部41は、略均等な厚さ(z方向の寸法)となっている。
【0036】
フィレット部42は、図9および図11に示すように、基部41に繋がり、かつ、平面視において電子部品1の外側に形成されている。フィレット部42は、図10に示すように、平面視において、電子部品1の全周にわたって形成されている。フィレット部42は、図9および図11に示すように、基部41から各素子側面131~134に沿ってz方向上方に突き出ている。フィレット部42は、複数の側方被覆部431~434および複数の稜被覆部441~444を含んでいる。本実施形態では、稜被覆部441が、「稜被覆部」の一例であり、各稜被覆部442~444が、「追加の稜被覆部」の一例である。また、側方被覆部431が、「第1被覆部」の一例であり、側方被覆部432が、「第2被覆部」の一例である。
【0037】
稜被覆部441は、図8図11に示すように、稜141の少なくとも一部を覆う。本実施形態では、稜被覆部441は、稜141のz方向下方側の端部を覆い、稜141のz方向上方側の端部を覆っていない。稜被覆部441は、図10に示すように、側方被覆部431と側方被覆部432とを繋ぐ。
【0038】
稜被覆部442は、図9および図10に示すように、稜142の少なくとも一部を覆う。本実施形態では、稜被覆部442は、稜142のz方向下方側の端部を覆い、稜142のz方向上方側の端部を覆っていない。稜被覆部442は、図10に示すように、側方被覆部432と側方被覆部433とを繋ぐ。
【0039】
稜被覆部443は、図10に示すように、稜143の少なくとも一部を覆う。本実施形態では、稜被覆部443は、稜143のz方向下方側の端部を覆い、稜143のz方向上方側の端部を覆っていない。稜被覆部443は、図10に示すように、側方被覆部433と側方被覆部434とを繋ぐ。
【0040】
稜被覆部444は、図9および図10に示すように、稜144の少なくとも一部を覆う。本実施形態では、稜被覆部444は、稜144のz方向下方側の端部を覆い、稜144のz方向上方側の端部を覆っていない。稜被覆部444は、図10に示すように、側方被覆部434と側方被覆部431とを繋ぐ。
【0041】
側方被覆部431は、図9図11に示すように、素子側面131の少なくとも一部を覆う。素子側面131において、z2方向側の端縁、つまり、素子主面11側の端縁は、x方向に見て、側方被覆部431から露出しており、z1方向側の端縁、つまり、素子裏面12側の端縁は、x方向に見て、側方被覆部431に覆われている。側方被覆部431は、図10に示すように、稜被覆部444および稜被覆部441に挟まれ、これらに繋がっている。側方被覆部431は、図10に示すように、稜被覆部444および稜被覆部441とy方向に並んでいる。
【0042】
側方被覆部432は、図9および図10に示すように、素子側面132の少なくとも一部を覆う。素子側面132において、z2方向側の端縁、つまり、素子主面11側の端縁は、y方向に見て、側方被覆部432から露出しており、z1方向側の端縁、つまり、素子裏面12側の端縁は、y方向に見て、側方被覆部432に覆われている。側方被覆部432は、図10に示すように、稜被覆部441および稜被覆部442に挟まれ、これらに繋がっている。側方被覆部432は、図10に示すように、稜被覆部441および稜被覆部442とx方向に並んでいる。
【0043】
側方被覆部433は、図10に示すように、素子側面133の少なくとも一部を覆う。素子側面133において、z2方向側の端縁、つまり、素子主面11側の端縁は、x方向に見て、側方被覆部433から露出しており、z1方向側の端縁、つまり、素子裏面12側の端縁は、x方向に見て、側方被覆部433に覆われている。側方被覆部433は、図10に示すように、稜被覆部442および稜被覆部443に挟まれ、これらに繋がっている。側方被覆部433は、図10に示すように、稜被覆部442および稜被覆部443とy方向に並んでいる。
【0044】
側方被覆部434は、図10に示すように、素子側面134の少なくとも一部を覆う。素子側面134において、z2方向側の端縁、つまり、素子主面11側の端縁は、y方向 に見て、側方被覆部434から露出しており、z1方向側の端縁、つまり、素子裏面12側の端縁は、y方向に見て、側方被覆部434に覆われている。側方被覆部434は、図10に示すように、稜被覆部443および稜被覆部444に挟まれ、これらに繋がっている。側方被覆部434は、図10に示すように、稜被覆部443および稜被覆部444とx方向に並んでいる。
【0045】
図9および図11に示すように、各側方被覆部431~434は、各長手方向における中央部が、各長手方向における両端縁部よりも、z1方向に窪んでいる。このため、各側方被覆部431~434において、各長手方向における中央部のz方向の寸法d11は、各長手方向における各端縁部のz方向の寸法d12よりも小さい。図11には、側方被覆部431における各寸法d11,d12が示されている。また、各側方被覆部431~434は、各長手方向における中央部と、各長手方向における各端縁部との間にそれぞれ隆起部439が形成されている。隆起部439は、z2方向に、つまり、素子主面11側に隆起している。隆起部439は、各側方被覆部431~434において、各側方被覆部431~434のうち最もz方向の寸法が大きい。図11には、側方被覆部431における隆起部439が示されている。各側方被覆部431,433における長手方向は、y方向であり、各側方被覆部432,434における長手方向は、x方向である。なお、各側方被覆部431~434における各寸法d11,d12は、複数の側方被覆部431~434でそれぞれ同じであってもよいし、差があってもよい。
【0046】
図10に示すように、各側方被覆部431~434は、平面視において、各長手方向における中央部が、各長手方向における両端縁部よりも、各素子側面131~134側に窪んでいる。
【0047】
図6および図7に示すように、各側方被覆部431~434においては、傾斜度α11(図7参照)は、傾斜度α12(図6参照)よりも大きい。傾斜度α11は、図7に示すように、搭載面311aと、各側方被覆部431~434の各長手方向における各端縁部とがなす角度であり、搭載面311aに対する当該端縁部の表面の傾斜度合いである。傾斜度α12は、図6に示すように、搭載面311aと、各側方被覆部431~434の各長手方向における中央部とがなす角度であり、搭載面311aに対する当該中央部の表面の傾斜度合いである。各側方被覆部431~434は、各長手方向において、中央部から各端縁部に向かうほど、傾斜度α12から傾斜度α11に徐々に変化する。なお、傾斜度α11は、傾斜度α12と同じであってもよいし、傾斜度α12よりも小さくてもよい。
【0048】
各側方被覆部431,433は、図6および図7に示す例では、y方向に見て、その表面が凸状に湾曲しているが、これに限定されず、平坦な面であってもよいし、凹状に湾曲していてもよい。あるいは、凸状に湾曲する部分、凹状に湾曲する部分および平坦な部分の2つ以上が混在していてもよい。同様に、各側方被覆部432,434は、x方向に見て、その表面が凸状に湾曲しているが、これに限定されず、平坦な面であってもよいし、凹状に湾曲していてもよい。あるいは、凸状に湾曲する部分、凹状に湾曲する部分および平坦な部分の2つ以上が混在していてもよい。
【0049】
複数の接続部材5は、互いに離間した2つの部位間を導通させる。各接続部材5は、たとえばボンディングワイヤである。各接続部材5は、ボンディングワイヤではなく、ボンディングリボンや板状のリード部材などであってもよい。複数の接続部材5の各構成材料は、たとえばAuを含み金属、Alを含む金属あるいはCuを含む金属などのいずれであってもよい。各接続部材5は、たとえば周知のワイヤボンダによって形成される。各接続部材5は、図2に示すように、電子部品1の主面電極111と各第2リード32の接続部322(主面322a)とにそれぞれ接合され、主面電極111と第2リード32とを導通させる。
【0050】
次に、電子装置A1の製造方法について、図12図15を参照して説明する。図12および図14は、電子装置A1の製造方法の一工程を示す要部拡大平面図である。図13および図15は、電子装置A1の製造方法の一工程を示す要部拡大側方図である。
【0051】
まず、リードフレーム3を準備する。具体的には、Cuを含む金属板にエッチング加工を施し、複数のリードフレーム3を形成する。各リードフレーム3は、第1リード31および複数の第2リード32を備えている。第1リード31は、搭載部311、複数の端子部312および複数の連結部313を含んでいる。搭載部311は、z2方向を向く搭載面311aを有する。各第2リード32は、端子部321および接続部322を含んでいる。リードフレーム3を準備する工程(準備工程)においては、形成された複数のリードフレーム3は、互いに連続している。
【0052】
次に、図12および図13に示すように、搭載部311の搭載面311aに、ペースト状接合材49を塗布する。ペースト状接合材49は、たとえば焼結型の金属ペースト(銀ペーストあるいは銅ペーストなど)である。ペースト状接合材49を塗布する工程(塗布工程)では、たとえばディスペンサーを用いる。搭載面311aは、図12および図13に示すように、電子部品1が接合される接合領域391を含む。接合領域391は、搭載面311aのうち、電子部品1が接合された状態において、平面視で電子部品1のすべてに重なる領域である。よって、平面視において、接合領域391は、電子部品1と略同形(本実施形態では矩形状)であり、かつ、電子部品1と同じ大きさである。接合領域391は、4つのコーナー部392を含んでいる。4つのコーナー部392は、電子部品1が接合された状態において、平面視で電子部品1の四隅に重なる部分である。塗布工程では、たとえば、図12に示す軌道L1,L2に沿って、直線状にペースト状接合材49を塗布する。軌道L1,L2はそれぞれ、ディスペンサーによるペースト状接合材49の塗布軌道である。軌道L1,L2はそれぞれ、接合領域391の対角線上に位置する一対のコーナー部392の一方から他方まで中心393を通る直線状である。図12に示す例では、各軌道L1,L2の起点および終点は、各コーナー部392に重なるが、各コーナー部392よりも接合領域391の平面視外側に設定してもよい。ペースト状接合材49の塗布軌道は、これに限定されない。たとえば、平面視において、接合領域391の中心393から4つのコーナー部392のそれぞれまで放射状にペースト状接合材49を塗布してもよい。
【0053】
塗布されたペースト状接合材49は、図12および図13に示すように、4つのコーナー部392のすべてを完全に覆っており、かつ、平面視において、X字状に形成されている。本実施形態では、ペースト状接合材49を塗布する軌道L1,L2は、コーナー部392を起点および終点としていため、塗布されたペースト状接合材49は、このコーナー部392よりも接合領域391の外側まで形成されている。また、ペースト状接合材49には、図13に示すように、側方(x方向あるいはy方向)から見て、突出部491が形成されている。突出部491は、ペースト状接合材49のうち、z2方向に盛り上がった部分であり、接合領域391の中心393上に形成されている。突出部491は、ペースト状接合材49を軌道L1,L2に沿って塗布した際、2つの軌道L1,L2が交差していることから、形成される。塗布されたペースト状接合材49は、線幅W1(図12参照)がたとえば200μm以上300μm以下であり、厚さ(z方向の寸法)がたとえば100μm以上150μm以下(突出部491を除く)である。なお、ペースト状接合材49は、各軌道L1,L2の進行方向に見て、半円状に湾曲しており、上記厚さは最大部分(突出部491を除く)の大きさである。
【0054】
次に、図14および図15に示すように、ペースト状接合材49上に電子部品1を載置する。電子部品1を載置する工程(載置工程)では、たとえば周知のダイボンダが用いら れる。載置工程により、電子部品1がペースト状接合材49上に載置されると、電子部品1の重さによって、ペースト状接合材49が押し広げられる。なお、ペースト状接合材49は、電子部品1の重さだけでなく、ダイボンダによって電子部品1を押し付けた際の押圧力によって押し広げられてもよい。押し広げられたペースト状接合材49は、図14および図15に示すように、接合領域391の全領域を覆い、かつ、接合領域391の全周にわたって外方に突き出た形状になる。このとき、ペースト状接合材49は、上記接合材4と略同じ形状になる。
【0055】
次に、ペースト状接合材49を固化し、接合材4を形成する。本実施形態では、ペースト状接合材49として焼結型の金属ペーストを用いていることから、ペースト状接合材49を固化する工程(固化工程)では、ペースト状接合材49を焼結により固化する。この焼結により、ペースト状接合材49中の溶媒が揮発・消失しつつ、ペースト状接合材49中の金属粒子(銀粒子あるいは銅粒子など)同士が結合することで、ペースト状接合材49が固化し、接合材4が形成される。固化工程は、ペースト状接合材49の素材に応じて、適宜変更される。たとえばペースト状接合材49が熱硬化型の金属ペーストの場合、固化工程では、ペースト状接合材49を加熱する。この加熱により、金属ペースト中の樹脂材料が硬化することで、ペースト状接合材49が固化し、接合材4が形成される。本開示において、「金属ペースト」とは、たとえば、金属の微粒子とエポキシ樹脂などの微粒子(バインダー)と溶剤とから構成される導電材料をいう。
【0056】
次に、複数の接続部材5を形成する。複数の接続部材5はそれぞれ、たとえば周知のワイヤボンダによって、形成される。各接続部材5は、一端が電子部品1の主面電極111に接合され、他端が各第2リード32の接続部322(主面322a)に接合される。
【0057】
次に、樹脂部材2を形成する。樹脂部材2を形成する工程(樹脂形成工程)では、たとえば周知のトランスファー成形機または圧縮成形機を用いる。樹脂部材2としては、たとえば絶縁性のエポキシ樹脂を用いる。形成された樹脂部材2から、リードフレーム3が部分的に露出している。
【0058】
その後、電子部品1毎に樹脂部材2およびリードフレーム3を切断し、個片化する。以上の工程を経ることで、電子装置A1が形成される。なお、上述の製造方法は、一例であって、これに限定されない。
【0059】
電子装置A1および電子装置A1の製造方法の作用および効果は、次の通りである。
【0060】
電子装置A1では、電子部品1をリードフレーム3に接合する接合材4は、フィレット部42を含んでいる。フィレット部42は、稜141の少なくとも一部を覆う稜被覆部441を含んでいる。稜141は、素子側面131と素子側面132との交差部分であり、平面視における電子部品1の四隅の一つに相当する。この構成によると、電子部品1の稜141(電子部品1の下方角部)が接合材4(フィレット部42の稜被覆部441)で保護される。電子部品1への通電時に発生する熱により、電子部品1とリードフレーム3との線膨張係数の差に起因する熱応力が接合材4に加わる。この接合材4にかかる熱応力は、電子部品1の下方側四隅付近が最も大きいので、接合材4の剥離や損壊などは、電子部品1の稜141付近から進行し易い。特に、従来の電子装置においては、稜141が接合材4から露出しており、電子部品1の下方側四隅付近での接合材4の剥離や損壊などが顕著であった。そこで、電子装置A1では、稜被覆部441によって稜141を保護することで、稜141付近における接合材4の剥離や損壊などに対する耐性を向上させることができる。したがって、電子装置A1によれば、接合材4の剥離や損壊などを抑制することができる。よって、電子装置A1の信頼性を向上させることができる。
【0061】
電子装置A1では、接合材4のフィレット部42は、複数の稜被覆部441~444を含んでいる。複数の稜被覆部441~444はそれぞれ、電子部品1の複数の稜141~144の下方側の各端縁部分をそれぞれ覆っている。つまり、電子部品1の下方側四隅がフィレット部42で覆われている。この構成によると、電子部品1の下方側四隅の付近における接合材4の剥離や損壊などに対する耐性を向上させることができる。したがって、電子装置A1によれば、接合材4の剥離や損壊などを抑制することができる。
【0062】
電子装置A1では、接合材4は、基部41を含んでいる。基部41は、電子部品1と搭載部311とに挟まれており、電子部品1と完全に重なっている。基部41は、素子裏面12の全面に接している。従来の電子装置では、電子部品1と搭載部311との間において、接合材4が充填されない部分があった。つまり、電子部品1の素子裏面12には、接合材4に接していない領域があった。この領域において、電子部品1に微小な傷(例えば、素子裏面12の端縁に存在するチッピングなど)がついている場合、この傷を起点に、電子部品1の破壊(亀裂など)が電子部品1の内部に進行することがあった。一方、電子装置A1では、素子裏面12の全面が接合材4(基部41)に接しているため、素子裏面12は接合材4(基部41)によって保護される。したがって、電子装置A1によれば、電子部品1の素子裏面12に微小な傷がついていても、この傷を起点とする電子部品1の破壊の進行を抑制することができる。
【0063】
電子装置A1では、接合材4は、たとえば焼結銀からなる。焼結銀は、はんだと比べて延性が低い。そのため、接合材4が焼結銀からなる場合、接合材4がはんだからなる場合よりも、接合材4に加わる熱応力が大きくなる。これは、はんだが、その延性により、焼結銀よりも熱応力を緩和させることができるからである。つまり、接合材4が焼結銀からなる場合、接合材4がはんだからなる場合よりも、熱応力による、接合材4の剥離や破壊が生じ易い。したがって、接合材4が焼結銀からなる場合、上記のようにフィレット部42(稜被覆部441)で稜141を保護することは、接合材4がはんだからなる場合よりも、接合材4の剥離や破壊を抑制する上で、有効である。
【0064】
電子装置A1では、電子部品1はたとえばシリコンからなる半導体素子であり、リードフレーム3はたとえばCuからなる。この場合、シリコンとCuとの線膨張係数の差が大きいため、接合材4に加わる熱応力が大きくなる。つまり、熱応力による、接合材4の剥離や損壊が生じ易くなる。したがって、接合材4を用いてシリコンからなる電子部品1をCuからなる搭載部311(リードフレーム3)に接合する場合、上記のようにフィレット部42(稜被覆部441)で稜141を保護することは、接合材4の剥離や破壊を抑制する上で、有効である。
【0065】
電子装置A1の製造方法では、塗布工程において、ペースト状接合材49を、接合領域391の各コーナー部392まで塗布することで、接合領域391の四隅をペースト状接合材49で覆わせている。これにより、載置工程によって電子部品1をペースト状接合材49に載置した際、ペースト状接合材49は、電子部品1の各稜141~144のそれぞれ少なくとも一部ずつを覆うように広がる。つまり、接合材4には、稜被覆部441を含むフィレット部42が形成される。したがって、本開示の製造方法によれば、接合材4の剥離や破壊が抑制された電子装置A1を製造できる。
【0066】
電子装置A1の製造方法では、塗布工程において、ペースト状接合材49が平面視においてX字状に塗布されている。本実施形態と異なる塗布工程において、接合領域391の全面あるいは全面よりも広範囲に、ペースト状接合材49を塗布することで、各稜被覆部441~444を含むフィレット部42を形成することが考えられる。しかしながら、この場合、ペースト状接合材49は、載置工程によって電子部品1が載置されると、平面視において、電子部品1の外側に大きく広がる可能性がある。この場合、ペースト状接合材 49が意図せぬ場所に流出してしまい、たとえば意図せぬ短絡の発生が懸念される。意図せぬ短絡には、電子部品1の主面電極111同士の短絡が含まれる。また、無駄に広がった部分の材料費によってコスト増大が懸念される。そこで、本開示の製造方法では、ペースト状接合材49をX字状に塗布することで、各稜被覆部441~444を含むフィレット部42を形成しつつ、上記した意図せぬ短絡の発生やコスト増大を抑制することができる。
【0067】
上記実施形態の塗布工程では、ペースト状接合材49を、軌道L1,L2に沿って直線状に塗布した場合を示したがこれに限定されない。たとえば図16に示すように、ドット状の複数のペースト状接合材49を、X字状に塗布してもよい。理解の便宜上、図16において、上記実施形態におけるペースト状接合材49(図12参照)を想像線で示しておく。各ペースト状接合材49は、たとえば半球体状である。この場合においても、図9図11と同様の接合材4が形成される。ペースト状接合材49の他の塗布の態様としては、第1に、大型の矩形の平面形状(典型的には大型の正方形)を有する電子部品1において使用される、「*(アスタリスク)」字状、「※(米印)」状の態様がある。「※」状とは、「X」字状に配置された4本の線分と、この4本の線分においてx方向またはy方向にそれぞれ隣り合う2つの線分の間にそれぞれ配置された4つの「・(ドット)」と、によって形成された形状である。第2に、横長の矩形の電子部品1において使用される、長手方向に沿って「>」「-」「<」の順に接してまたは近接して並ぶ形状の態様がある。
【0068】
電子装置A1において、各側方被覆部431~434の形状は、上記したものに限定されない。たとえば図17および図18に示すように、各側方被覆部431~434に隆起部439(図11参照)が形成されていなくてもよい。また、たとえば図19および図20に示すように、各側方被覆部431~434は、各長手方向における中央部が、各長手方向における両端縁部よりも、z1方向に窪んでおらず、寸法d11と寸法d12とが略同じであってもよい。さらに、たとえば図21に示すように、各側方被覆部431~434は、平面視において、各長手方向における中央部が、各長手方向における両端縁部よりも、各素子側面131~134側に窪んでいなくてもよい。あるいは、平面視において、各長手方向における中央部が、各長手方向における両端縁部よりも、各素子側面131~134と反対側に突き出ていてもよい。これらの変形例にかかる各側方被覆部431~434は、塗布工程におけるペースト状接合材49の塗布量、塗布軌道、および、線幅W1や、載置工程におけるペースト状接合材49の広がり方、ペースト状接合材49の搭載部311(リードフレーム3)に対する濡れ性などを適宜調整することで、形成される。
【0069】
上記実施形態では、電子装置A1が、QFN型のパッケージ構造である場合を示したが、これに限定されない。たとえば、TO(Transistor Outline)パッケージ型、SOP(Small Outline Package)型、QFP(Quad Flat Package)型、BGA(Ball Grid Array)型などその他のパッケージ構造であってもよい。この際、これらのパッケージ構造に応じて、リードフレーム3の形状は適宜変更される。
【0070】
上記実施形態では、電子装置A1が、リードフレーム型である場合を示したが、これに限定されない。たとえば、インタポーザ型であってもよい。つまり、電子部品1が、リードフレーム3の代わりに、たとえばシリコン基板、セラミック基板、あるいは、ガラス基板などに接合される構造のものであってもよい。その他、ある支持部材(搭載部)に、接合材4を介して、電子部品1を接合する構造において、本開示の構成が適用されうる。
【0071】
本開示にかかる電子装置および電子装置の製造方法は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示の電子装置の各部の具体的な構成、および、本開示の電子装置の製造方法の各工程の具体的な処理は、種々に設計変更自在である。たとえば、本開示にかかる電子装置および電子装置の製造方法は、以下の付記に関する実施形態を含む。
[付記1]
厚さ方向において離間する素子主面および素子裏面を有する電子部品と、
前記素子裏面に対向する搭載面を有し、前記電子部品が搭載された搭載部と、
前記電子部品を前記搭載部に接合する接合材と、
を備えており、
前記接合材は、前記厚さ方向において前記電子部品と前記搭載部とに挟まれた基部と、前記基部に繋がり、かつ、前記厚さ方向に見て前記電子部品の外側に形成されたフィレット部とを含み、
前記電子部品は、各々が前記素子主面および前記素子裏面に繋がる第1素子側面および第2素子側面と、前記第1素子側面と前記第2素子側面との交差部分であって前記厚さ方向に延びる稜と、を含み、
前記フィレット部は、前記稜の少なくとも一部を覆う稜被覆部を含む、電子装置。
[付記2]
前記フィレット部は、前記第1素子側面の少なくとも一部を覆う第1被覆部、および、前記第2素子側面の少なくとも一部を覆う第2被覆部をさらに含み、
前記第1被覆部と前記第2被覆部はそれぞれ、前記稜被覆部に繋がる、付記1に記載の電子装置。
[付記3]
前記第1素子側面においては、前記素子主面に繋がる端縁が、前記第1素子側面に直交する第1方向に見て、前記第1被覆部から露出し、
前記第2素子側面においては、前記素子主面に繋がる端縁が、前記第2素子側面に直交する第2方向に見て、前記第2被覆部から露出する、付記2に記載の電子装置。
[付記4]
前記電子部品は、前記厚さ方向に見て矩形状であり、
前記厚さ方向、前記第1方向および前記第2方向は、互いに直交する、付記3に記載の電子装置。
[付記5]
前記電子部品は、第3素子側面、第4素子側面、および、複数の追加の稜をさらに含み、
前記第3素子側面は、前記素子主面および前記素子裏面に繋がり、かつ、前記第1方向において、前記第1素子側面と離間し、
前記第4素子側面は、前記素子主面および前記素子裏面に繋がり、かつ、前記第2方向において、前記第2素子側面と離間し、
前記複数の追加の稜は、前記第1素子側面と前記第4素子側面とが交わったところ、前記第2素子側面と前記第3素子側面とが交わったところ、および、前記第3素子側面と前記第4素子側面とが交わったところにそれぞれ生じ、かつ、各々が前記厚さ方向に延びており、
前記フィレット部は、前記複数の追加の稜を覆う複数の追加の稜被覆部をさらに含む、付記4に記載の電子装置。
[付記6]
前記第1被覆部においては、前記第2方向における中央部の前記厚さ方向の寸法が、前記稜被覆部に繋がる端縁部の前記厚さ方向の寸法よりも小さい、付記4または付記5に記載の電子装置。
[付記7]
前記第1被覆部は、前記第2方向における中央部と、前記稜被覆部に繋がる端縁部との間において、前記素子主面側に隆起した隆起部を有する、付記4ないし付記6のいずれか1つに記載の電子装置。
[付記8]
前記第1被覆部においては、前記厚さ方向に見て、前記第2方向における中央部が前記第1素子側面側に窪んでいる、付記4ないし付記7のいずれか1つに記載の電子装置。
[付記9]
前記第1被覆部においては、前記稜被覆部に繋がる端縁部の前記搭載面に対する傾斜度が、前記第2方向における中央部の前記搭載面に対する傾斜度よりも大きい、付記4ないし付記8のいずれか1つに記載の電子装置。
[付記10]
前記第2被覆部においては、前記第1方向における中央部の前記厚さ方向の寸法が、前記稜被覆部に繋がる端縁部の前記厚さ方向の寸法よりも小さい、付記4ないし付記9のいずれか1つに記載の電子装置。
[付記11]
前記第2被覆部は、前記第1方向における中央部と、前記稜被覆部に繋がる端縁部との間において、前記素子主面側に隆起した隆起部を有する、付記4ないし付記10のいずれか1つに記載の電子装置。
[付記12]
前記第2被覆部においては、前記厚さ方向に見て、前記第1方向における中央部が前記第2素子側面側に窪んでいる、付記4ないし付記11のいずれかに記載の電子装置。
[付記13]
前記第2被覆部は、前記稜被覆部に繋がる端縁部の前記搭載面に対する傾斜度が、前記第1方向における中央部の前記搭載面に対する傾斜度よりも大きい、付記4ないし付記12のいずれかに記載の電子装置。
[付記14]
前記フィレット部は、前記厚さ方向に見て、前記電子部品の全周にわたって形成されている、付記1ないし付記13のいずれかに記載の電子装置。
[付記15]
前記電子部品は、半導体材料からなる、付記1ないし付記14のいずれかに記載の電子装置。
[付記16]
前記電子部品は、前記素子主面に主面電極が形成されており、
前記搭載部は、リードフレームの一部であり、
前記リードフレームは、前記主面電極に導通し、かつ、前記搭載部から離間する端子部をさらに含む、付記1ないし付記15のいずれかに記載の電子装置。
[付記17]
前記リードフレームは、構成材料がCuを含む金属である、付記16に記載の電子装置。
[付記18]
前記電子部品は、前記素子裏面に裏面電極が形成されており、
前記裏面電極は、前記接合材を介して、前記搭載部に導通する、付記1ないし付記17のいずれかに記載の電子装置。
[付記19]
前記接合材は、焼結銀からなる、付記1ないし付記18のいずれかに記載の電子装置。
[付記20]
厚さ方向において離間する素子主面および素子裏面を有する電子部品と、
前記素子裏面に対向する搭載面を有し、前記電子部品が搭載された搭載部と、
前記電子部品を前記搭載部に接合する接合材と、
を備えた電子装置の製造方法であって、
前記搭載面にペースト状接合材を塗布する塗布工程と、
前記ペースト状接合材上に前記電子部品を載置する載置工程と、
前記ペースト状接合材を固化し、前記接合材を形成する固化工程と、
を含み、
前記搭載部は、前記電子部品が接合される接合領域を含み、
前記接合領域は、前記厚さ方向に見て、前記電子部品の角に重なるコーナー部を含み、
前記ペースト状接合材は、前記厚さ方向に見て、前記電子部品の中央部から前記コーナー部に向かって少なくとも前記コーナー部まで塗布される、電子装置の製造方法。
【符号の説明】
【0072】
A1 :電子装置
1 :電子部品
11 :素子主面
111 :主面電極
12 :素子裏面
121 :裏面電極
131~134:素子側面
141~144:稜
2 :樹脂部材
21 :樹脂主面
22 :樹脂裏面
231~234:樹脂側面
3 :リードフレーム
31 :第1リード
311 :搭載部
311a :搭載面
391 :接合領域
392 :コーナー部
393 :中心
311b :裏面
312 :端子部
312a :主面
312b :裏面
312c :端面
313 :連結部
313a :主面
313b :裏面
32 :第2リード
321 :端子部
321a :主面
321b :裏面
321c :端面
322 :接続部
322a :主面
322b :裏面
4 :接合材
41 :基部
42 :フィレット部
431~434:側方被覆部
439 :隆起部
441~444:稜被覆部
49 :ペースト状接合材
491 :突出部
5 :接続部材
図1
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