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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】除害装置のための入口組立体
(51)【国際特許分類】
   B01J 4/00 20060101AFI20241213BHJP
   F23G 7/06 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
B01J4/00 102
F23G7/06 D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021572860
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2020065647
(87)【国際公開番号】W WO2020249482
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】1908276.7
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】シーリー アンドリュー ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ストーンズ イアン ディヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】プライス ダンカン マイケル
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-523929(JP,A)
【文献】特表2018-503049(JP,A)
【文献】特表2008-519959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 7/06
F23D 14/00 - 14/84
B01J 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
除害装置のための入口組立体であって、前記入口組立体は、
前記除害装置で処理するための排ガス流を供給する入口導管と結合可能な非円形の入口開口部と、
少なくとも1つの出口開口部と、
前記排ガス流を前記非円形の入口開口部から前記除害装置の処理室に供給するため前記出口開口部まで搬送するために、前記非円形の入口開口部と前記出口開口部との間で長手方向軸に沿って延びるノズルボアと、
を定める、入口ノズルを備え、
前記ノズルボアは、
前記非円形の入口開口部から延びる入口部と、
前記入口部の下流に配置され、前記排ガス流を少なくとも一対の排ガス流に分離するように構成される分流構造と、
前記出口開口部にまで及び、前記一対の排ガス流を前記除害装置の前記処理室に搬送するように構成される出口部と、
を定め、
前記入口ノズルは、前記ノズルボアを、前記非円形の入口開口部から前記出口開口部まで延び、前記分流構造が内部に配置された単一のノズルボアとして定める、
入口組立体。
【請求項2】
前記分流構造は、前記排ガス流を、前記分流構造のどちらか一方側を流れる前記一対の排ガス流に分離するように構成される、請求項1に記載の入口組立体。
【請求項3】
前記分流構造は、前記ノズルボアの中央に配置される、請求項1又は2に記載の入口組立体。
【請求項4】
前記分流構造は、前記排ガス流を前記ノズルボアの表面に接近して流れる前記一対の排ガス流に分離するように構成される、請求項1から3のいずれかに記載の入口組立体。
【請求項5】
前記分流構造は、前記ノズルボアを一対のノズルボアに分割するように構成される、請求項1からのいずれかに記載の入口組立体。
【請求項6】
前記入口ノズルは、前記非円形の入口開口部から前記分流構造まで延びる単一のノズルボアを定め、前記一対のノズルボアは、前記分流構造から一対の前記出口開口部まで延びる、請求項に記載の入口組立体。
【請求項7】
前記入口ノズルは、前記分流構造を介して、前記単一のノズルボアから前記一対のノズルボアへのロフト状の移行を定める、請求項5又は6に記載の入口組立体。
【請求項8】
前記入口ノズルは、前記排ガス流の主要な方向に延びる長手方向の長さを有し、前記分流構造は、前記長手方向軸に沿って前記ノズルボアの断面積を減少させる、請求項1からのいずれかに記載の入口組立体。
【請求項9】
前記分流構造は、前記長手方向の長さの20%よりも前記非円形の入口開口部に近づかないように配置される、請求項に記載の入口組立体。
【請求項10】
前記分流構造は、前記長手方向軸に対して横成分で配向された表面を呈するように形作られている、請求項1からのいずれかに記載の入口組立体。
【請求項11】
前記表面は、前記長手方向軸に対して20°~70°で配向される、及び少なくとも1つの平面及び曲線のうちの少なくとも1つである、のうちの少なくとも1つである、請求項10に記載の入口組立体。
【請求項12】
前記分流構造は、前記長手方向軸と、前記長手方向軸に対して横方向に延びる前記ノズルボアの長軸及び短軸のうちの少なくとも1つに関して鏡像である前記表面の一対を呈するように形作られる、請求項10から11のいずれかに記載の入口組立体。
【請求項13】
前記分流構造の上流に配置されたバッフルを備え、前記バッフルは、バッフル開口部を定め、前記バッフル開口部は、前記バッフルに隣接する前記ノズルボアの断面積と比較して減少した断面積を有する、請求項1から12のいずれかに記載の入口組立体。
【請求項14】
除害装置のための入口組立体で排出流を受け取るステップであって、前記入口組立体は、前記除害装置による処理のために排ガス流を供給する入口導管と結合可能な非円形の入口開口部と、少なくとも1つの出口開口部と、前記非円形の入口開口部と前記出口開口部との間の長手方向軸に沿って延びるノズルボアを定める入口ノズルを備え、前記ノズルボアは、前記非円形の入口開口部から延びる入口部と、前記入口部の下流に配置された分流構造と、前記出口開口部にまで及ぶ出口部と、を定めるステップと、
前記排ガス流を前記非円形の入口開口部から前記分流構造まで搬送するステップと、
前記排ガス流を、前記分流構造を用いて、少なくとも一対の排ガス流に分離するステップと、
前記一対の排ガス流を、前記除害装置の処理室に送達するための前記少なくとも1つの出口開口部に搬送するステップと、
を含み、
前記入口ノズルは、前記ノズルボアを、前記非円形の入口開口部から前記出口開口部まで延び、前記分流構造が内部に配置された単一のノズルボアとして定める、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除害装置のための入口組立体及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、プラズマ除害装置、電気除害装置、及び放射バーナーのような除害装置が知られており、通常、これは、例えば半導体、又はフラットパネルディスプレイ製造業で使用される製造プロセスツールからの排ガス流を処理するために使用される。かかる製造の間に、プロセスツールから送り出される排ガス流内に、残留パーフルオロ化合物(PFC)及び他の化合物が存在する。PFCは、排ガスからの除去が困難であり、さらに、比較的高い温室効果を有することが知られているため、環境の中に放出することは望ましくない。
【0003】
公知の放射バーナーは、燃焼を利用してPFC及び他の化合物を排ガス流から除去する。通常、排ガス流は、PFC及び他の化合物を含有する窒素気流である。燃料ガスが排ガス流と混合され、そのガス流混合物は、有孔ガスバーナーの出口面によって横方向に囲まれた燃焼室に搬送される。燃料ガスと空気は、同時に有孔バーナーに供給され、出口面での無炎燃焼に影響を与え、有孔バーナーを通過する空気の量は、バーナーに供給された燃料ガスだけでなく、燃焼室に注入されたガス流混合物内の全ての可燃物も消費するのに十分なものである。同様の技術は、プラズマ除害装置及び電気除害装置に利用されている。
【0004】
排ガス流内に存在する化合物の範囲及びその排ガス流の流れ特性は、プロセスツールごとに様々となる可能性があるので、放射バーナー内に導入する必要のある燃料ガス及び空気、並びに他のガス又は流体の範囲も様々となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排ガス流を処理するための技術は存在するが、それらにはそれぞれ特有の欠点がある。従って、排ガス流を処理するための改良された技術を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、除害装置のための入口組立体が提供され、この入口組立体は、除害装置で処理するための排ガス流を供給する入口導管と結合可能な非円形の入口開口部と、少なくとも1つの出口開口部と、排ガス流を非円形の入口開口部から除害装置の処理室に供給するため出口開口部まで搬送するために、非円形の入口開口部と出口開口部との間で長手方向軸に沿って延びるノズルボアと、を定める、入口ノズルを備え、ノズルボアは、非円形の入口開口部から延びる入口部と、入口部の下流に配置され、排ガス流を少なくとも一対の排ガス流に分離するように構成される分流構造と、出口開口部にまで及び、一対の排ガス流を除害装置の処理室に搬送するように構成される出口部と、を定める。
【0007】
第1の態様は、除害装置の入口組立体の入口ノズルの形状及び構成が、除害装置の性能に大きな影響を与える可能性があることを認識する。既存のノズルは、特に高流量では、まずまずの性能を有することができるが、特に低流量では、その性能が低下する可能性がある。従って、除害装置の入口組立体が提供される。入口組立体は、入口ノズル又は導管を備えることができる。入口ノズルは、除害装置によって処理されることになる排ガス流を供給する導管又はホースと結合することができる入口開口部以外を有することができる。また、入口は、排出流を除害装置の処理室に供給することができる1又は2以上の出口開口部を有することもできる。入口ノズルは、入口開口部から1又は2以上の出口開口部まで入口ノズルの長さに沿って延びる1又は2以上のノズルボアを備えることができる。ノズルボアは、入口開口部から又は入口開口部に隣接して延びる入口部又は領域を有することができる。ノズルボアは、入口部の下流又はそれに隣接して配置された分流構造、分離流構造、又は堰構造を有することができる。分流構造は、排ガス流を2以上の排ガス流に分離、分配、又は分割することができる。ノズルボアは、分流構造と出口開口部との間に延びる出口部を有することもでき、これによって排ガス流を除害装置の処理室内の排ガス流の処理のために、排出流を出口開口部に搬送する。このように、複数の排ガス流は、特に低流量時に除害装置の性能を向上させるのに役立つ入口組立体によって生成又は発生される。これは、一般に排気処理機構が放射バーナー内の拡散プロセスに依存しているためであり、除害反応を行うためには、燃焼副生成物(bi-product)が排出流の中に拡散する必要がある。換言すると、燃焼副生成物は、排出流の外面から、排出流の中に幅広く拡散する必要があり、その後、排出流が放射バーナーから出る前に、排出流と反応する。排出流の中に完全に拡散しないと、この除害効率が低下する。ノズルに入る排出流から複数の分離した排出流を生成することで、同等の単独の排ガス流に比べて、それに沿って拡散反応生じる必要がある距離が短くなる。同様に、低流量であっても、複数の排出流を入口ノズルで生成することができる。
【0008】
一実施形態では、分流構造は、排ガス流を、分流構造のどちらか一方側を流れる一対の排ガス流に分離するように構成される。従って、分流構造は、分流構造の介在によって、排ガス流を生成することができる。分流構造の存在は、再混合を低減してそれぞれの排ガス流の大きさを最小化するために、排ガス流を分離する。
【0009】
一実施形態では、分流構造は、ノズルボアの中央に配置される。分流構造を中央に配置することで、処理室に非対称で均一な流れを供給し、排ガス流の分離を最大化することに貢献できる。
【0010】
一実施形態では、分流構造は、排ガス流を、ノズルボアの表面に接近して流れる一対の排ガス流に分離するように構成される。ノズルボアの表面の近くに排ガス流を生成することは、排ガス流を分離するのにも役立つ。
【0011】
一実施形態では、入口ノズルは、ノズルボアを非円形の入口開口部から出口開口部まで延び、分流構造が内部に配置された単一のノズルボアを定める。従って、入口ノズルは、分流構造を収納する単一の、唯一の、又は統一されたノズルボアを備えることができる。
【0012】
一実施形態では、分流構造は、ノズルボアを一対のノズルボアに分割するように構成される。従って、分流構造は、ノズルボアを2又は3以上の下流のノズルボアに分離することができる。
【0013】
一実施形態では、入口ノズルは、非円形の入口開口部から分流構造まで延びる単一のノズルボアを定め、一対のノズルボアは分流構造から一対の出口開口部まで延びる。従って、入口ノズルは、その入口に、分流構造まで延びる単一のボアを有することができるが、次に、分流構造から対応する2又は3以上の出口開口部まで延びる一対のノズルボアを有することができる。
【0014】
一実施形態では、入口ノズルは、分流構造を介して、単一のノズルボアから一対のノズルボアへのロフト状の移行を定める。従って、単一のノズルボアと一対のノズルボアとの間にスムーズな移行を生じさせることができる。
【0015】
一実施形態では、入口ノズルは、排出流の流れの主要な方向に延びる長手方向の長さを有し、分流構造は、長手方向軸に沿ってノズルボアの断面積を減少させる。従って、分流構造の存在は、ノズルの断面積の低減、縮小、又は制約をもたらすことができ、それによって、排出流の流れを増大させることができる。
【0016】
一実施形態では、分流構造は、長手方向の長さの約20%よりも非円形の入口開口部に近づかないように配置される。
【0017】
一実施形態では、分流構造は、長手方向軸に対して横成分で配向された表面を呈するように形作られている。従って、分流構造は、ノズルボアの幅の一部を横切って延びる部分を有することができる。
【0018】
一実施形態では、表面は、長手方向軸に対して約20°~70°で配向される。従って、表面は、排出流の必要な流れ特性を達成するために配向することができる。
【0019】
一実施形態では、表面は、平面及び曲線状のうちの少なくとも1つである。従って、表面は、排出流の必要な流れ特性を達成するように形作ることができる。
【0020】
一実施形態では、分流構造は、長手方向軸と、長手方向の軸に対して横方向に延びるノズルボアの長軸及び短軸のうちの少なくとも1つに関して鏡像である表面の一対を呈するように形作られる。従って、分流構造は、入口ノズルの中心軸の周りで対称とすることができる。
【0021】
一実施形態では、非円形の入口開口部は、細長い及び/又は略四辺形のスロット及び/又は楕円である。
【0022】
一実施形態では、入口組立体は、分流構造の上流に配置されたバッフルを備え、バッフルは、バッフル開口部を定め、バッフル開口部は、バッフルに隣接するノズルボアの断面積と比較して減少した断面積を有する。
【0023】
第2の態様によれば、除害装置のための入口組立体で排出流を受け取るステップであって、入口組立体は、除害装置による処理のために排ガス流を供給する入口導管と結合可能な非円形の入口開口部と、少なくとも1つの出口開口部と、非円形の入口開口部と出口開口部との間の長手方向軸に沿って延びるノズルボアを定める入口ノズルを備え、ノズルボアは、非円形の入口開口部から延びる入口部と、入口部の下流に配置された分流構造と、出口開口部にまで及ぶ出口部と、を定めるステップと;排ガス流を非円形の入口開口部から分流構造まで搬送するステップと;排ガス流を、分流構造を用いて、少なくとも一対の排ガス流に分離するステップと;一対の排ガス流を、除害装置の処理室に送達するための少なくとも1つの出口開口部に搬送するステップと、を含む方法が提供される。
【0024】
第2の態様の実施形態では、第1の態様の実施形態に対応する特徴が提供される。
【0025】
さらなる特定の好ましい態様は、独立請求項及び従属請求項内に提示されている。従属請求項の特徴は、必要に応じて、独立請求項の特徴と組み合わせることができ、さらに請求項に明確に提示されているもの以外と組み合わせることができる。
【0026】
装置の特徴が、ある機能を提供するために動作可能であると説明される場合、これは、その機能を提供する装置の特徴、又はその機能を提供するために適合又は構成された装置の特徴を含むことを理解されたい。
本発明の実施形態は、添付の図面を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】放射バーナー組立体と結合された一実施形態によるヘッド組立体を示す。
図2】放射バーナー組立体と結合された一実施形態によるヘッド組立体を示す。
図3】一実施形態による入口ノズルを通る断面図である。
図4】一実施形態による入口ノズルを通る断面図である。
図5A】一実施形態による入口ノズルを示す。
図5B】一実施形態による入口ノズルを示す。
図6】入口ノズルの上流に位置決めされたバッフルプレートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施形態をさらに詳細に説明する前に、まず概要が提示することになる。実施形態は、バーナー入口組立体を提供する。バーナー入口組立体は、受け取った排ガス流を、除害装置の処理室に送達するために、複数の別個の排ガス流に分離する分流構造又は堰を備える。分流器の存在は、たとえ低流量であっても、分離した排出流を維持するのに役立つ。これは、同等の単一排ガス流の距離と比較して、それに沿って拡散反応を生じる必要がある距離が短くなり、これは、特に低流量での除害性能を向上させる。
【0029】
以下の実施形態は、放射バーナーの使用を説明するが、入口組立体は、例えば、乱流火炎バーナー又は電気加熱オキシダイザーのような様々なバーナーのいずれかに使用することができることを理解されたい。放射バーナーは、欧州特許第0694735号に記載されているものなど、技術的に広く知られている。
【0030】
ヘッド組立体
図1及び図2は、放射バーナー組立体100と結合された一実施形態によるヘッド組立体を示す(概して10で示す)。この例では、放射バーナー組立体100は、内側バーナー130及び外側バーナー110を有する同心バーナーである(しかし、他の配置も可能である)。燃料と酸化剤の混合物は、プレナムハウジング120内のプレナム(図示せず)を介して外側バーナー110に供給され、導管(図示せず)を介して内側バーナー130に供給される。
【0031】
ヘッド組立体10は、3つの構成要素の主要セットを備える。第1は、金属(通常はステンレス鋼)ハウジング20であり、これは、放射バーナー組立体100と結合するために必要な機械的強度及び構成を提供する。第2は、ハウジング20内に設けられた断熱材30であり、これは、放射バーナー組立体100の内側バーナー130と外側バーナー110との間に定められた燃焼室内からの熱損失を低減し、さらに燃焼室内で発生した熱かハウジング20及びこれの結合された要素を保護するのに役立つ。第3は、空間50内にノズルを受け入れ、ハウジング20に設けられた一連の同一の標準化された開口部40(図2を参照)によって受け入れられた入口組立体60である。この配置により、個々の入口組立体60は、メンテナンスのために取り外すことができ、放射バーナー組立体100の残りの部分からヘッド組立体10を完全に取り外す又は分解する必要はない。
【0032】
図1に示す実施形態は、それぞれが対応する開口部40内に装着された5個の同一の入口組立体60を利用しており、6番目の開口部は、使われていないことが示されている。全ての開口部40は、そのノズルを介して排出物又はプロセス流体、又は他の流体を受け入れる入口組立体60で塞ぐことができるわけではなく、代わりに、開口部40を完全に塞ぐための空の(blanking)入口組立体を受け入れることができ、又は代わりに、放射バーナー内の状態を監視するために、計測用の入口組立体収納センサーを受入れることができることを理解されたい。また、6個より多い又はそれよりも少ない開口部40を設けることができ、これらはハウジングの周囲の円周方向に配置する必要がなく、又はこれらは対称的に配置する必要がないことを理解されたい。
【0033】
図1及び2から分かるように、追加の開口部は、例えば、点検窓70及びパイロット75Aなどの他の要素を提供するために、ハウジング20内に設けられる。
【0034】
入口組立体60は、燃焼室から入口組立体60の構造体を保護するために絶縁材を備えている。入口組立体60は、例えば、ボルト(図示せず)などの適切な固定具を使用して保持され、固定具の取り外しを容易にするために取り外され、同様に絶縁材(図示せず)で保護される。以下でより詳細に説明するように、ノズルは、1又は2以上の出口開口部及びバッフル部を有する。
【0035】
入口ノズル-第1の実施形態
図3は、一実施形態による入口ノズル200Aを通る断面図である。入口ノズル200Aは、図3に示す断面図を面対称に移したものである。入口ノズル200Aは、通常、その外面に適合するように成形された空間50に適合する。入口ノズル200Aは、入口開口部210A、出口開口部220A、及び入口開口部210Aと出口開口部220Aとの間の長手方向軸Aに沿って延びるノズルボア230Aとを備える。この例では、ノズルボア230Aは、楕円の断面を有する。楕円は、平行線で接続された2つの半円を備え、平行線は半円の端点の接線方向である。従って、入口ノズルは、平行な主要面と半円筒形の接合面を有する平坦なチューブを形成する。ノズルボア230Aを定める外壁は、長手方向軸Aに沿って均一な断面を有する。
【0036】
ノズルボア230Aの内部には、分流器240Aが設けられている。分流器240Aは、ノズルボア230Aの2つの主要面から及びその間に延びる。具体的には、分流器240Aは、ノズルボア230Aの主要面から立ち上がる湾曲面を呈し、概して長手方向軸Aに沿って進む排出流の流れを分配し、ノズルボア230Aの丸くなった部分の付近を流れる2つの流れを作り出すように形作られている。分流器240Aの湾曲面は、中心位置からノズルボア230Aの湾曲部分に向かって延び、図3での横断面に示されるアーチ形状の構造を形成し、その主要な表面は、ほぼ円筒形の凹所として形成されている。
【0037】
動作中、排出流は、入口開口部210Aを通って導入され、概して長手方向軸Aの方向に進む。排出流は、2つの排出流に分配され、一方は、分流器240Aのどちらか一方側を通過し、概して一対の排出流として出口開口部220Aから出る。
【0038】
入口ノズル-第2の実施形態
図4は、一実施形態による入口ノズル200Bを通る断面図である。入口ノズル200Bは、上述の入口ノズルと同一であるが、異なる形状の分流器240Bを有する。分流器240Bは、ノズルボア230Bの2つの内側主要面から、それらの間に延びる。具体的には、分流器240Bは、ノズルボア230Bの内側主要面から立ち上がる一対の平面から形成され、概して長手方向軸Aに沿って進む排出流の流れを分配し、ノズルボア230Bの丸くなった部分の付近に流入する2つの流れを作り出すように形作られる。分流器240Bの平面は、中心位置からノズルボア230Bの湾曲部分に向かって延び、図4の横断面で示される逆V字型の構造を形成し、その主要な表面は、一対のほぼ平面として形成される。
【0039】
動作中、排出流は、入口開口部210Bを通って導入され、概して長手方向軸Aの方向に進む。排出流は、2つの排出流に分配され、一方は、分流器240Bのどちらか一方側を通過し、概して一対の排出流として出口開口部220Bから出る。
【0040】
入口ノズル-第3の実施形態
図5A及び図5Bは、一実施形態による入口ノズル200Cを示す。この実施形態は、分流器240Cが長手方向軸Aの方向に出口開口部220C、220Dの位置まで延び、ノズルボア230Cの主要面の余分な部分が取り除かれていることを除いて、図3の実施形態と同一である。従って、この実施形態では、入口ノズル200Cは、1つの入口開口部210Cと2つの出口開口部220C、220Dとを有する。
【0041】
動作中、排出流は、入口開口部210Cを通って導入され、概して長手方向軸Aの方向に進む。排出流は、2つの排出流に分配され、一方は、分流器240Cのそちらか一方側を通過し、一対の排出流として2つの出口開口部220C、220Dから出る。
【0042】
分流器240A、240B、240Cの位置は、流動条件に適合するように変えることができることを理解されたい。入口開口部210、210A、210Bに入る排出流の流れが均一又は非対称でない場合は、分流器240A、240B、240Cの位置は、対称的な一対の排ガス流を生成するために、長手方向軸Aを横切る軸で調整することができる。また、分流器240A、240B、240Cの位置は、強い乱流の何らかの領域を回避するために、入口開口部210A、210B、210Cからの距離が変わるように変えることができる。また、分流器240A、240B、240Cの一対の表面の形状及び迎角は、流動条件に適合するように変えることができることを理解されたい。
【0043】
バッフルプレート
実施形態では、図6に示すように、バッフルプレート250は、分流構造240、240A、240Bの上流に配置される。バッフルプレート250は、ノズルボア230A、230B、230の中、入口開口部210A、210B、210Cの上、又は(図に示すように)入口ノズル200A、200B、200Cと結合するカップリング260内に設けることができる。
【0044】
従って、実施形態は、細分化されたスロットノズルを提供することが分かる。この配置は、低流量時に公知のノズルを上回って性能を向上させる。具体的には、いくつの公知のノズルは、特に高流量時に良好な除害性能をもたらし得るが、この実施形態は、その性能を低流量まで広げる。
【0045】
典型的に、実施形態では、ノズルは、耐熱性及び耐薬品性の金属合金、例えば、ANC16から構成される。好都合には、ノズルは、例えば、ロストワックス鋳造などの鋳造プロセスによって形成される。ノズルへの入口は、50mm中心で16mmの内のり幅である楕円形の開口の形である。典型的に、この形は、全長の約25%にわたって平行に続く。その後、堰又は分流器が中央部分に形成され、流れが2つの分離した流れを取るように促す。一実施形態では、堰は、ノズルが2つの別個の出口を有するようなものである。これらの出口は、円形とすることができる。これらは、楕円形の入口と同じ中心上とすることができる。他の実施形態では、堰は、入口と同じ楕円形を維持するノズルの吐出端に向かって、より長い又はより短い距離だけ延びる。堰は、シェブロンの形とすること、平坦面とすること、丸みを与えることができる。
【0046】
本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して、本明細書に詳細に開示されているが、本発明は、詳細な実施形態に限定されず、当業者によって、特許請求の範囲及びそれらの均等物が定める本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行い得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0047】
10 ヘッド組立体
20 ハウジング
30 インシュレーター
40 開口部
50 空間
60 入口組立体
70 点検窓
75A パイロット
100 放射バーナー組立体
110 外側バーナー
120 プレナムハウジング
130 内側バーナー
200A、B、C 入口ノズル
210A、B、C 入口開口部
220A、B、C、D 外側開口部
230A、B、C ノズルボア
240A、B、C フローデバイダー
250 バッフルプレート
260 カップリング
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6