IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アンリツ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図1
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図2
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図3
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図4
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図5
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図6
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図7
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図8
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図9
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図10
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図11
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図12
  • 特許-物品選別装置および物品検査装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】物品選別装置および物品検査装置
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/36 20060101AFI20241213BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
B07C5/36
B65G47/46 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022091620
(22)【出願日】2022-06-06
(65)【公開番号】P2023178751
(43)【公開日】2023-12-18
【審査請求日】2024-01-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年6月11日 製品カタログ(カタログNo.43579-A-1) アンリツ株式会社 令和3年6月15日 ACHEMA Pulse 2021(Web展)https://www.sensum.eu/ja/achema-pulse-2021-ja/ 令和3年6月15日 https://www.anritsu.com/ja-jp/about-anritsu/news/news-releases/2021/2021-06-15-jp01 令和3年6月16日 https://www.anritsu.com/ja-JP/infivis/products/checkweighers/for-pharma/capsule-checkweigher 令和3年7月19日 登録者あてのメールマガジン(タイトル:■新製品のご案内■カプセル用重量選別機 [アンリツ]) 令和3年11月26日 登録者あてのメールマガジン(タイトル:動画で分かりやすく解説!錠剤・カプセル用金属検出機 [アンリツ]) 令和3年12月1日 カプセル用オートチェッカ パンフレット アンリツ株式会社 令和3年12月8日から12月10日 第23回インターフェックスWeek東京(インターフェックスジャパン) 令和3年12月8日 カプセル用オートチェッカ20連・30連モデル アンリツ株式会社 インフィビスカンパニー 令和4年1月4日 製品カタログ(カタログNo.43579-D-1) アンリツ株式会社 令和4年1月19日 https://www.anritsu.com/ja-JP/infivis/products/checkweighers/for-pharma/capsule-checkweigher 令和4年2月2日 登録者あてのメールマガジン(タイトル:新型カプセル用重量選別機に20連、30連タイプが登場! [アンリツ]) 令和4年2月15日から2月18日 JAPAN PACK 2022 令和4年3月17日 YouTubeアドレス:https://www.youtube.com/watch?v=c1N3mmkP-Ys 令和4年3月30日 Pharm Tech Japan(Web展)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年4月4日 YouTubeアドレス:https://www.youtube.com/watch?v=3_N37bHY5L8 令和4年4月7日 https://video-pqa.anritsu.com/ja-jp/detail/videos/latest-videos/video/6302795751001
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 尚平
(72)【発明者】
【氏名】松名瀬 翔多
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-178649(JP,U)
【文献】実用新案登録第2551530(JP,Y2)
【文献】特公昭54-025275(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/36
B65G 47/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方から下方に傾斜する傾斜シュート(22)上を滑落する対象物(50)を選別する物品選別装置(3)であって、
上面に前記傾斜シュートの傾斜面の一部を形成する第1の傾斜面(26e)を有し、前記傾斜シュートの前記傾斜面よりも上方に突出する第1の選別位置と、前記第1の傾斜面が前記傾斜シュートの前記傾斜面に連続する退避位置とに移動自在に設けられた第1の選別部材(26)を有し、
前記第1の選別部材は、内部に第1の搬送路(26A)を有し、
前記第1の搬送路は、上流側で開口する第1の入口(26a)と、下流側で開口する第1の出口(26b)と、前記第1の入口から上下方向に直線状に延びる第1の直線部(26c)と、前記第1の直線部の下流部から前記傾斜シュートの傾斜方向(L)に湾曲する第1の湾曲部(26d)とを有し、
選別対象の対象物(50b、50c)が前記傾斜シュート上を滑落するときに、前記第1の選別部材が第1の選別位置に移動し、上流から流れてきた前記選別対象の対象物を前記第1の入口を通して前記第1の搬送路に導くことにより、前記傾斜シュートとは別方向に選別する物品選別装置。
【請求項2】
上方から下方に傾斜する傾斜シュート(22)上を滑落する対象物(50)を選別する物品選別装置(3)であって、
上面に前記傾斜シュートの傾斜面の一部を形成する第1の傾斜面(26e)を有し、前記傾斜シュートの前記傾斜面よりも上方に突出する第1の選別位置と、前記第1の傾斜面が前記傾斜シュートの前記傾斜面に連続する退避位置とに移動自在に設けられた第1の選別部材(26)を有し、
前記第1の選別部材は、内部に第1の搬送路(26A)を有し、
前記第1の搬送路は、上流側で開口する第1の入口(26a)と、下流側で開口する第1の出口(26b)とを有し、
前記第1の選別部材の下流側に位置し、第2の選別位置と前記第2の選別位置よりも下方に位置する第3の選別位置とに移動自在に設けられた第2の選別部材(27)を有し、
前記第2の選別部材は、上面に第2の傾斜面(27e)を有するとともに、内部に第2の搬送路(27A)を有し、
前記第2の搬送路は、上流側で開口する第2の入口(27a)および下流側で開口する第2の出口(27b)を有し、前記第1の選別部材が前記第1の選別位置にあり、かつ、前記第2の選別部材が前記第2の選別位置に位置したときに、前記第1の出口と前記第2の入口とが連通するようになっており、
選別対象の対象物(50b、50c)が前記傾斜シュート上を滑落するときに、前記第1の選別部材が前記第1の選別位置に移動し、上流から流れてきた前記選別対象の対象物を前記第1の入口を通して前記第1の搬送路に導くことにより、前記傾斜シュートとは別方向に選別し、
前記第2の選別部材は、前記第3の選別位置に位置したときに、前記第1の搬送路を搬送される前記選別対象の対象物を前記第2の傾斜面を通過させて第1の方向に選別し、前記第2の選別位置に位置したときに、前記第1の搬送路を搬送される前記選別対象の対象物を前記第2の搬送路を通過させて第2の方向に選別する物品選別装置。
【請求項3】
前記第1の選別部材を上下方向に駆動する駆動部(28)を有する請求項1に記載の物品選別装置。
【請求項4】
前記第1の搬送路は、前記第1の入口から上下方向に直線状に延びる第1の直線部と、前記第1の直線部の下流部から前記傾斜シュートの傾斜方向に湾曲する第1の湾曲部とを有し、
前記第2の搬送路は、前記第2の入口から上下方向に直線状に延びる第2の直線部(27c)と、前記第2の直線部の下流部から前記傾斜シュートの傾斜方向に湾曲する第2の湾曲部(27d)とを有する請求項2に記載の物品選別装置。
【請求項5】
前記第1の選別部材と前記第2の選別部材を上下方向に駆動する駆動部(28、29)を有する請求項2または請求項4に記載の物品選別装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載される前記物品選別装置と、前記物品選別装置によって選別される前記対象物を検査する検査部(4)とを有する物品検査装置(1)。
【請求項7】
請求項5に記載される前記物品選別装置と、前記物品選別装置によって選別される前記対象物を検査する検査部とを有する物品検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品選別装置および物品検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物、例えば、薬剤が封入されて両端が半球状に形成された円柱状のカプセルなどを、検査しながら搬送し、その結果に応じ対象物を選別する物品検査装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この物品検査装置は、対象物の検査結果に応じて作動して、対象物をNG品と非NG品とに振り分ける主ゲートと、主ゲートの下流に傾斜して設けられた非NG品経路と、主ゲートまで対象物が正常に搬送されたか否かを判定する搬送確認手段と、搬送確認手段の結果に応じ作動して非NG品として通過してきた対象物をOK品と不明な検査終了品とに振り分ける排除ゲートとを有する。
【0004】
排除ゲートは、非NG品経路に不明な検査終了品が搬送されたときに、非NG品経路から上方に突出し、非NG品を捕捉して不明品経路に振り分ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-15514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載される物品選別装置にあっては、非NG品経路に不明な検査終了品が搬送されたときに、排除ゲートが非NG品経路から上方に突出し、非NG品を捕捉して不明品経路に振り分けるように構成されているが、排除ゲート自体に搬送路が形成されていない。
【0007】
これにより、排除ゲートにより振り分けられた不明品に指向性を持たせることができず、不明品の挙動が不安定になるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、傾斜シュート上と別方向に搬送される選別対象の対象物に指向性を持たせて、選別対象の対象物の挙動を安定させることができる物品選別装置および物品検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の物品選別装置は、上方から下方に傾斜する傾斜シュート上を滑落する対象物を選別する物品選別装置であって、上面に前記傾斜シュートの傾斜面の一部を形成する第1の傾斜面を有し、前記傾斜シュートの前記傾斜面よりも上方に突出する第1の選別位置と、前記第1の傾斜面が前記傾斜シュートの前記傾斜面に連続する退避位置とに移動自在に設けられた第1の選別部材を有し、前記第1の選別部材は、内部に第1の搬送路を有し、前記第1の搬送路は、上流側で開口する第1の入口と、下流側で開口する第1の出口と、前記第1の入口から上下方向に直線状に延びる第1の直線部と、前記第1の直線部の下流部から前記傾斜シュートの傾斜方向に湾曲する第1の湾曲部とを有し、選別対象の対象物が前記傾斜シュート上を滑落するときに、前記第1の選別部材が第1の選別位置に移動し、上流から流れてきた前記選別対象の対象物を前記第1の入口を通して前記第1の搬送路に導くことにより、前記傾斜シュートとは別方向に選別するものから構成される。
【0010】
この構成により、第1の選別部材は内部に第1の搬送路を有し、上流から流れてきた選別対象の対象物を第1の搬送路の第1の入口を通して第1の搬送路に導くことにより、傾斜シュートとは別方向に選別するので、選別対象の対象物を第1の搬送路に沿って搬送でき、選別対象の対象物に指向性を持たせて、選別対象の対象物の挙動を安定させることができる。
【0011】
このため、選別対象の対象物の排出方向の自由度を向上できるとともに、第1の搬送路で選別対象の対象物が詰まることを防止できる。
これに加えて、第1の搬送路が傾斜シュートの傾斜方向に直線状に延在した場合に比べて、傾斜シュートの傾斜方向長さを短縮できる。このため、傾斜シュートの全長を短縮して物品選別装置の小型化を図ることができる。
【0012】
また、本発明の物品選別装置は、上方から下方に傾斜する傾斜シュート上を滑落する対象物を選別する物品選別装置であって、上面に前記傾斜シュートの傾斜面の一部を形成する第1の傾斜面を有し、前記傾斜シュートの前記傾斜面よりも上方に突出する第1の選別位置と、前記第1の傾斜面が前記傾斜シュートの前記傾斜面に連続する退避位置とに移動自在に設けられた第1の選別部材を有し、前記第1の選別部材は、内部に第1の搬送路を有し、前記第1の搬送路は、上流側で開口する第1の入口と、下流側で開口する第1の出口とを有し、前記第1の選別部材の下流側に位置し、第2の選別位置と前記第2の選別位置よりも下方に位置する第3の選別位置とに移動自在に設けられた第2の選別部材を有し、前記第2の選別部材は、上面に第2の傾斜面を有するとともに、内部に第2の搬送路を有し、前記第2の搬送路は、上流側で開口する第2の入口および下流側で開口する第2の出口を有し、前記第1の選別部材が前記第1の選別位置にあり、かつ、前記第2の選別部材が前記第2の選別位置に位置したときに、前記第1の出口と前記第2の入口とが連通するようになっており、選別対象の対象物が前記傾斜シュート上を滑落するときに、前記第1の選別部材が前記第1の選別位置に移動し、上流から流れてきた前記選別対象の対象物を前記第1の入口を通して前記第1の搬送路に導くことにより、前記傾斜シュートとは別方向に選別し、前記第2の選別部材は、前記第3の選別位置に位置したときに、前記第1の搬送路を搬送される前記選別対象の対象物を前記第2の傾斜面を通過させて第1の方向に選別し、前記第2の選別位置に位置したときに、前記第1の搬送路を搬送される前記選別対象の対象物を前記第2の搬送路を通過させて第2の方向に選別するものから構成されている。
【0013】
この構成により、第1の選別部材は内部に第1の搬送路を有し、上流から流れてきた選別対象の対象物を第1の搬送路の第1の入口を通して第1の搬送路に導くことにより、傾斜シュートとは別方向に選別するので、選別対象の対象物を第1の搬送路に沿って搬送でき、選別対象の対象物に指向性を持たせて、選別対象の対象物の挙動を安定させることができる。
このため、選別対象の対象物の排出方向の自由度を向上できるとともに、第1の搬送路で選別対象の対象物が詰まることを防止できる。
これに加えて、第1の選別部材が第1の選別位置に位置したときに、第2の選別部材を第2の選別位置と第3の選別位置とに位置させることにより、搬送路を切り替えて対象物を2種類の選別対象に分類できる。
【0014】
このため、一方の選別対象の対象物を第1の搬送路と第2の搬送路に沿って搬送でき、一方の選別対象の対象物に指向性を持たせて一方の選別対象の対象物の挙動を安定させることができるとともに、他方の選別対象の対象物を第1の搬送路に沿って搬送して、他方の選別対象の対象物に指向性を持たせて他方の選別対象の対象物の挙動を安定させることができる。
【0015】
また、本発明の物品選別装置は、前記第1の選別部材を上下方向に駆動する駆動部を有するものから構成されている。
【0016】
この構成により、傾斜シュートの傾斜方向に対する駆動部の設置スペースを低減でき、傾斜シュートの傾斜方向長さを短縮できる。このため、傾斜シュートの全長を短縮して物品選別装置の小型化を図ることができる。
【0017】
また、本発明の物品選別装置は、前記第1の搬送路は、前記第1の入口から上下方向に直線状に延びる第1の直線部と、前記第1の直線部の下流部から前記傾斜シュートの傾斜方向に湾曲する第1の湾曲部とを有し、前記第2の搬送路は、前記第2の入口から上下方向に直線状に延びる第2の直線部と、前記第2の直線部の下流部から前記傾斜シュートの傾斜方向に湾曲する第2の湾曲部とを有するものから構成されている。
【0018】
この構成により、第1の搬送路と第2の搬送路が傾斜シュートの傾斜方向に直線状に延在した場合に比べて、傾斜シュートの傾斜方向長さを短縮できる。このため、傾斜シュートの全長を短縮して物品選別装置の小型化を図ることができる。
【0019】
また、本発明の物品選別装置は、前記第1の選別部材と前記第2の選別部材を上下方向に駆動する駆動部を有するものから構成されている。
【0020】
この構成により、傾斜シュートの傾斜方向に対する駆動部の設置スペースを低減でき、傾斜シュートの傾斜方向長さを短縮できる。このため、傾斜シュートの全長を短縮して物品選別装置の小型化を図ることができる。
【0021】
また、本発明の物品検査装置は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載される前記物品選別装置と、前記物品選別装置によって選別される前記対象物を検査する検査部と有するものから構成されている。
【0022】
この構成により、傾斜シュート上と別方向に搬送される選別対象の対象物に指向性を持たせて、選別対象の対象物の挙動を安定させることができる物品選別装置を備えた物品検査装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、傾斜シュート上と別方向に搬送される選別対象の対象物に指向性を持たせて、選別対象の対象物の挙動を安定させることができる物品選別装置および物品検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る物品選別装置を備えた物品検査装置の断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る物品選別装置の本体部材から傾斜シュートを取り外した状態を示す図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る物品選別装置の傾斜シュートを前方斜め上方から見た図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る物品選別装置の第1の選別部材の側面図である。
図5図5は、図4のV-V方向矢視断面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る物品選別装置によって選別されるカプセルのサイズと長さおよび外径寸法との関係を示す図である。
図7図7(a)は、本発明の一実施形態に係る物品選別装置の搬送路を「5号」のカプセルが搬送される状態を示し、(b)は、「000号」のカプセルが搬送される状態を示す。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る物品選別装置の下流側傾斜シュートの断面図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係る物品選別装置によって正量品が選別される状態を示す。
図10図10は、本発明の一実施形態に係る物品選別装置によって軽量品が選別される状態を示す。
図11図11は、本発明の一実施形態に係る物品選別装置によって過量品が選別される状態を示す。
図12図12は、本発明の一実施形態に係る物品選別装置によって不明品が選別される状態を示す。
図13図13は、本発明の一実施形態に係る物品選別装置の下流側傾斜シュートをカプセルが滑落するときの移動軌跡を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る物品選別装置および物品検査装置の構成について、図1から図13に基づいて説明する。
【0026】
本実施形態に係る物品検査装置は、検査の対象となる対象物(物品)の重量を検査、すなわち、秤量する重量測定装置1として説明する。
【0027】
なお、物品検査装置としては、重量検査以外に、例えば、対象物の形状や外観を検査する外観検査装置、対象物にX線を照射してその透過量から対象物の質量、欠陥、異物の有無などを検査するX線検査装置、磁界の変化や対象物の残留磁気を検出して金属異物を検出する金属検出装置などの検査結果に応じて対象物を選別する物品検査装置としても用いることができる。
【0028】
また、本実施形態において、対象物は、両端が半球状に形成された長尺の円柱状のカプセル50である。
【0029】
カプセル50の原料としては、ゼラチンやヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを用いることができる。
【0030】
この他、物品検査装置の検査対象となる対象物は、錠剤、顆粒薬や砂糖などが封入されるスティック分包(スティック型包装体)などとすることができる。
【0031】
図1において、物品検査装置としての重量測定装置1は、カプセル50の供給部2と、カプセル50を良品(非NG品)と不良品(NG品)とに選別する物品選別装置3と、検査部を構成する秤量部4と、選別確認センサ5と、図示しない制御部とを含んで構成されている。
【0032】
カプセル50は、供給部2から物品選別装置3に搬送される。物品選別装置3は、本体部材21と、本体部材21に取付けられた傾斜シュート22とを備えている。
【0033】
傾斜シュート22は、カプセル50の滑落方向の上流から下流に向かって下方に傾斜しており、カプセル50は、自重によって傾斜シュート22上を滑落する。図1から図5図7から図13において、説明の便宜上、重量測定装置1は、供給部2側(上流側)を後側、供給部2に対して傾斜シュート22側(下流側)を前側として説明する。
【0034】
ここで、上流、下流とはカプセル50の滑落方向に対して上流、下流を示す。すなわち、供給部2に対して傾斜シュート22が下流となり、傾斜シュート22に対して供給部2が上流となる。
【0035】
供給部2は、ホッパ6、マガジン7およびシャッター8を有し、ホッパ6、マガジン7およびシャッター8は、傾斜シュート22よりも上方に設置されている。
【0036】
ホッパ6には複数のカプセル50が投入される。マガジン7は、ホッパ6の底部に連通しており、ホッパ6からマガジン7に自重によってカプセル50が供給される。
【0037】
マガジン7の内部には上下方向に延在する供給路7Aが形成されており、供給路7Aは、重量測定装置1の左右方向に、例えば、10列に並んで形成されている。
【0038】
マガジン7の内部においてカプセル50は、供給路7Aに沿って上下方向に一列に並んで収容されており、左右方向に隣接する供給路7Aは、図示しない仕切りによって区画されている。これにより、左右方向に隣接するカプセル50は、互いに非接触となり、干渉し合うことがない。
【0039】
ホッパ6およびマガジン7は、周期的に上下方向に移動し、ホッパ6から自重で落下するカプセル50は、マガジン7の供給路7Aに沿って下方に案内される。
【0040】
シャッター8は、マガジン7の下端開口7aの近傍に設けられており、マガジン7と一体で上下方向に移動する。
【0041】
シャッター8は、マガジン7の下端開口7aを閉止する閉止位置と、マガジン7の下端開口7aを解放する解放位置とに移動自在となっている。
【0042】
シャッター8は、マガジン7が下端位置に位置したときに、解放位置に位置することにより、供給路7Aで最下端に位置するカプセル50を下端開口7aから落下させ、マガジン7が下端位置から上方に移動するときに、下端開口7aを閉止して下端開口7aからカプセル50の落下を停止する。
【0043】
つまり、シャッター8は、マガジン7が下端位置に位置したときに、下端開口7aから1つのカプセル50が落下可能な時間だけ解放位置に移動する。
【0044】
供給部2は、保持ユニット9を有する。保持ユニット9は、マガジン7の下方に設けられており、マガジン7と同程度の長さで左右方向に延びている。
【0045】
保持ユニット9には10列の湾曲凹部9aが形成されており、湾曲凹部9aは、左右方向に非連続で独立して並んで設けられている。湾曲凹部9aは、10列の供給路7Aのそれぞれとカプセル50の滑落方向で並んでいる。
【0046】
マガジン7から落下したカプセル50は、湾曲凹部9aに着地することにより、その長軸を斜め上に向けた傾斜姿勢で湾曲凹部9aに保持される。つまり、湾曲凹部9aの底面は、後部から前方に向かって斜め上方に傾斜する傾斜面に形成されている。
【0047】
供給部2は、プッシャー10を有する。プッシャー10は、保持ユニット9に対して上流側に設けられており、水平方向に移動自在となっている。プッシャー10は、保持ユニット9の後方から前方に移動し、湾曲凹部9aに位置するカプセル50を前方に押し出す。
【0048】
秤量部4は、秤量台4Aを備えており、秤量台4Aは、前後方向で保持ユニット9を挟んでプッシャー10の反対側に設けられている。秤量台4Aは、10列の湾曲凹部9aのそれぞれとカプセル50の滑落方向に並ぶように10個(10列)設けられている。
【0049】
秤量台4Aは、カプセル50を左右方向から挟み込む左右一対の側壁4a(左側の側壁のみを図示)を有し、プッシャー10によって湾曲凹部9aから前方に押し出されたカプセル50は、秤量台4Aに載置され、左右一対の側壁4aに挟み込まれる。
【0050】
供給部2は、イジェクター11を有する。イジェクター11は、前後方向で保持ユニット9を挟んでプッシャー10の反対側で、かつ、秤量台4Aの上方に設けられている。
【0051】
イジェクター11は、秤量台4Aと対になるように10個設けられており、上下前後方向に移動自在となっている。
【0052】
イジェクター11の後部下端には押し出し部11aが設けられている。イジェクター11は、秤量台4Aに載置されたカプセル50を次工程に搬送する場合に、押し出し部11aがカプセル50の上方で、かつ、カプセル50の後端部よりも後方に位置した状態(図1の状態)から下方に移動し、押し出し部11aとカプセル50の後端部とが同じ高さ位置になったときに前方に移動し、押し出し部11aによってカプセル50を秤量台4Aから前方に押し出す。
【0053】
この後、イジェクター11は、秤量台4Aから離れるように上方に移動した後、押し出し部11aがカプセル50の後端部よりも後方に位置するように後方に移動する(図1の状態)。この動作を繰り返すことにより、秤量台4Aから次工程に一定の周期でカプセル50を押し出す。
【0054】
イジェクター11がカプセル50を秤量台4Aから前方に押し出すタイミングと、プッシャー10が湾曲凹部9aからカプセル50を秤量台4Aに押し出すタイミングは同期しており、秤量台4Aには一定の周期でカプセル50が供給される。
【0055】
秤量部4は、供給部2の次工程に設けられており、供給部2から一定の周期で送り出されたカプセル50が1個ずつ載せられてカプセル50の1個の重量を計測する。
【0056】
秤量部4は、秤量台4Aを支持する計測装置4Bを備えている。秤量台4Aは、ロバーバル機構によって計測装置4Bに支持されている。ロバーバル機構は、それぞれの辺が自由に動ける平行四辺形の枠組みを有する。
【0057】
この枠組みの一方の柱に秤量台4Aを取付け、他方の柱を固定端とした計量センサとされる。これにより、秤量台4Aのどの位置にカプセル50が載せられても正確な重量が計測される。計測装置4Bは、計量センサとして、例えば、図示しないロードセルを有する。
【0058】
秤量部4は、秤量台4Aにカプセル50が載置されることにより、荷重が加わるロードセルの電気信号によってカプセル50の重量を計量する。なお、計量センサは、ロードセルに限定されるものではなく、他の種々の計量センサを用いることが可能である。
【0059】
物品選別装置3は、秤量部4の次工程に設けられている。傾斜シュート22は、上流側傾斜シュート23と、下流側傾斜シュート24とを有する。
【0060】
図2に示すように、上流側傾斜シュート23は、本体部材21と一体に設けられており、秤量台4Aから前方に向かって下方に傾斜する傾斜面23aを有する。
【0061】
下流側傾斜シュート24は、本体部材21に着脱自在に設けられている。下流側傾斜シュート24の下方において本体部材21の上部は開口しており、図1に示すように、下流側傾斜シュート24が本体部材21に取付けられた状態において本体部材21の開口が閉じられている。
【0062】
図1に示すように、下流側傾斜シュート24は、上流側傾斜シュート23から前方に向かって下方に傾斜しており、上流側傾斜シュート23の傾斜面23aと同一の角度で傾斜する傾斜面24aを有する。
【0063】
つまり、上流側傾斜シュート23および下流側傾斜シュート24は、秤量台4Aから前方に向かって下方に傾斜する傾斜面23a、24aを有し、秤量台4Aから押し出されたカプセル50は、自重によって上流側傾斜シュート23および下流側傾斜シュート24に沿って上流から下流に向かって下方に滑落する。本実施形態の傾斜面23a、24aは、傾斜シュートの傾斜面を構成する。
【0064】
なお、重量測定装置1の左右方向は、上流側傾斜シュート23の傾斜面23aと下流側傾斜シュート24の傾斜面24aの傾斜方向と水平方向に直交する方向である。
【0065】
図3に示すように上流側傾斜シュート23には複数の仕切壁23cが設けられており、仕切壁23cは、左右方向に一定の間隔で設置されている。仕切壁23cは、上流側傾斜シュート23から上方に突出しており、カプセル50は、仕切壁23cによって左右方向に仕切られている。
【0066】
すなわち、上流側傾斜シュート23には10列の秤量台4Aとカプセル50の滑落方向で並ぶ10列の搬送レーンが設けられており、上流側傾斜シュート23には10列のカプセル50が左右方向に並んで滑落可能となっている。
【0067】
本実施形態のマガジン7の供給路7A、湾曲凹部9a、秤量台4Aおよび上流側傾斜シュート23は、左右方向に並び、かつ、それぞれカプセル50の滑落方向に並んだ10列の搬送レーンを構成しており、マガジン7の供給路7A、湾曲凹部9a、秤量台4Aおよび上流側傾斜シュート23に沿って滑落されるカプセル50は、干渉し合うことがない。
【0068】
すなわち、本実施形態の重量測定装置1は、マガジン7の供給路7A、湾曲凹部9a、秤量台4Aおよび上流側傾斜シュート23において10個のカプセル50を左右に並べて一定の間隔で同時に滑落させ、秤量部4によって10個のカプセル50の重量を同時に計測可能である。図3に示すように、下流側傾斜シュート24には仕切板が設けられていない。
【0069】
図1に示すように、物品選別装置3は、第1の選別部材26を有し、第1の選別部材26は、上流側傾斜シュート23の10列の搬送レーン毎に1つ設けられている。つまり第1の選別部材26は、物品選別装置3の左右方向に10列に並んで設けられている。
【0070】
第1の選別部材26は、前後方向の幅よりも上下方向に長く延在している。すなわち、第1の選別部材26は、上下方向が長手方向であり、前後方向が短手方向となっている。
【0071】
第1の選別部材26の内部には第1の搬送路26Aが形成されており、第1の搬送路26Aは、上流側で開口する第1の入口26aと、第1の入口26aよりも下方に位置し、下流側で開口する第1の出口26bとを有する(図4参照)。
【0072】
第1の搬送路26Aは、第1の入口26aから上下方向に直線状に延びる第1の直線部26cと、第1の直線部26cの下流部から傾斜シュート22の傾斜方向Lに湾曲する第1の湾曲部26dとを有する。
【0073】
図5に示すように、第1の搬送路26Aは、水平断面がコの字型に形成されており、コの字型の断面の開口が側壁21Aに閉じられることにより、カプセル50を搬送する四角形の閉空間を構成している。
【0074】
具体的には、本体部材21は、複数の側壁21Aによって左右方向が仕切られており、第1の選別部材26と後述する第2の選別部材27は、側壁21Aの間に設けられている。
【0075】
図1に示すように、上流側傾斜シュート23には開口部23bが形成されており、開口部23bには第1の選別部材26が挿通可能となっている。
【0076】
第1の選別部材26の下部には第1のエアシリンダ28が取付けられており、第1の選別部材26は、第1のエアシリンダ28によって上下方向に移動自在となっている。
【0077】
第1のエアシリンダ28は、本体部材21の収容部21Bに収容された本体部28Aと、本体部28Aに出没自在に設けられたロッド部28Bとを有する。
【0078】
本体部28Aには図示しないコイルスプリングが収容されており、ロッド部28Bは、コイルスプリングによって常時上方に付勢されている。
【0079】
本体部28Aにエアが供給されていない状態では、ロッド部28Bは、コイルスプリングによって上方に付勢されており、第1の選別部材26は、第1の入口26aが上流側傾斜シュート23の傾斜面23aと下流側傾斜シュート24の傾斜面24aよりも上方に位置するように傾斜面23a、24aよりも上方に突出している。
【0080】
第1の選別部材26の上面には第1の傾斜面26eが形成されており、第1の傾斜面26eは、上流側傾斜シュート23の傾斜面23aと下流側傾斜シュート24の傾斜面24aと同一の傾斜角度に形成されている。
【0081】
第1のエアシリンダ28の本体部28Aにエアが供給されると、ロッド部28Bは、コイルスプリングの付勢力に抗して下方に移動して本体部28Aに没入する。このとき、第1の選別部材26の第1の傾斜面26eが上流側傾斜シュート23の傾斜面23aと下流側傾斜シュート24の傾斜面24aの一部を形成するように、傾斜面23a、24aに連続する。
【0082】
このように第1の選別部材26は、傾斜面23a、24aよりも上方に突出する第1の選別位置と、傾斜面23a、24aに連続する退避位置とに移動自在に設けられている。
【0083】
本実施形態の物品選別装置3は、選別対象のカプセル50が上流側傾斜シュート23上を滑落するときに、第1の選別部材26が第1の選別位置に移動し、上流から流れてきた不良品を第1の入口26aを通して第1の搬送路26Aに導き、傾斜シュート22とは別方向に選別する。
【0084】
また、良品のカプセル50が上流側傾斜シュート23上を滑落するときに、第1の選別部材26が退避位置に移動し、上流から流れてきた良品のカプセル50は、上流側傾斜シュート23から第1の選別部材26の第1の傾斜面26eを通して下流側傾斜シュート24に流れる。
【0085】
下流側傾斜シュート24の下流部には最終傾斜シュート25が設けられており、最終傾斜シュート25は、本体部材21と一体に設けられている。
【0086】
最終傾斜シュート25上には良品のカプセル50が滑落するようになっており、下流側傾斜シュート24に沿って滑落する良品のカプセル50は、下流側傾斜シュート24から最終傾斜シュート25を通して次工程に搬送される。
【0087】
物品選別装置3は、第2の選別部材27を備えている。第2の選別部材27は、下流側傾斜シュート24の下方において第1の選別部材26の下流側に設置されており、下流側傾斜シュート24の傾斜方向Lで第1の選別部材26と対をなすように物品選別装置3の左右方向に10列に並んで設けられている。
【0088】
第2の選別部材27は、前後方向の幅よりも上下方向に長く延在している。すなわち、第2の選別部材27は、上下方向が長手方向であり、前後方向が短手方向となっている。
【0089】
第2の選別部材27の内部には第2の搬送路27Aが形成されており、第2の搬送路27Aは、上流側で開口する第2の入口27aと、第2の入口27aよりも下方に位置し、下流側で開口する第2の出口27bとを有する。
【0090】
第2の搬送路27Aは、第2の入口27aから上下方向に直線状に延びる第2の直線部27cと、第2の直線部27cの下流部から傾斜シュート22の傾斜方向Lに湾曲する第2の湾曲部27dとを有する。
【0091】
本実施形態の第2の選別部材27は、第1の選別部材26と同一形状に形成されており、第2の選別部材27を第1の選別部材26として用いることも可能であり、第1の選別部材26を第2の選別部材27として用いることも可能である。したがって、第2の搬送路27Aも第1の搬送路26Aと同様に水平断面がコの字形状に形成されており、カプセル50を搬送する四角形の空間を構成している。
【0092】
下流側傾斜シュート24の下方には傾斜シュート30が設けられており、傾斜シュート30は、上下方向で下流側傾斜シュート24に対向している。傾斜シュート30は、下流側傾斜シュート24の傾斜面24aと同一の傾斜角度で傾斜する傾斜面30aを有し、下流側傾斜シュート24と平行に延在している。
【0093】
第2の選別部材27は、傾斜シュート30の上流部よりも上流側に位置しており、傾斜シュート30の傾斜方向Lで傾斜シュート30と非接触となっている。
【0094】
第2の選別部材27の下部には第2のエアシリンダ29が取付けられており、第2の選別部材27は、第2のエアシリンダ29によって上下方向に移動自在となっている。
【0095】
第2のエアシリンダ29は、本体部材21の収容部21Bに収容された本体部29Aと、本体部29Aに出没自在に設けられたロッド部29Bとを有する。
【0096】
本体部29Aには図示しないコイルスプリングが収容されており、ロッド部29Bは、コイルスプリングによって常時上方に付勢されている。
【0097】
本体部29Aにエアが供給されていない状態では、ロッド部29Bは、コイルスプリングによって上方に付勢されており、第2の選別部材27は下流側傾斜シュート24に近接するように最上位に位置する。
【0098】
第2の選別部材27が最上位に位置すると、第2の入口27aが第1の選別部材26の第1の出口26bに連通する。本実施形態の第1のエアシリンダ28および第2のエアシリンダ29は、駆動部を構成する。
【0099】
第2の選別部材27の上面には第2の傾斜面27eが形成されており、第2の傾斜面27eは、傾斜シュート30の傾斜面30aと同一の傾斜角度に形成されている。
【0100】
第2のエアシリンダ29の本体部29Aにエアが供給されると、ロッド部29Bは、コイルスプリングの付勢力に抗して下方に移動して本体部29Aに没入する。このとき、第2の選別部材27の第2の傾斜面27eが傾斜シュート30の傾斜面30aの一部を形成するように、傾斜面30aに連続する(図2参照)。
【0101】
このように第2の選別部材27は、第2の選別位置と、第2の選別位置よりも下方に位置し、傾斜面30aの一部を形成する第3の選別位置とに移動自在に設けられている。なお、駆動部として、エアシリンダに代えて油圧シリンダなどを用いてもよい。
【0102】
傾斜シュート30の下方には軽量品50b(図9参照)が排出される軽量品排出部32と、過量品50c(図9参照)が排出される過量品排出部33とが設けられている。軽量品50bとは、適正量の内容物が収容される正量品50a(図9参照)に比べて少ない内容物が収容されたものであり、過量品50cとは、適正量の内容物が収容される正量品50aに比べて多くの内容物が収容されたものであり、いずれも正量品50aに対して選別される。
【0103】
物品選別装置3によって選別されるカプセル50のうち、正量品50aが良品に相当する。また、軽量品50b、過量品50cおよび後述する不明品50d(図9参照)が不良品に相当し、軽量品50b、過量品50cおよび不明品50dが選別対象の対象物に相当する。
【0104】
本実施形態の物品選別装置3において、第1の選別部材26が第1の選別位置にあり、かつ、第2の選別部材27が第2の選別位置に位置したときに、第1の搬送路26Aの第1の出口26bと第2の搬送路27Aの第2の入口27aとが連通する。
【0105】
第2の選別部材27が第3の選別位置に位置したときには、第1の選別部材26の第1の搬送路26Aを搬送される過量品50cを第2の傾斜面27eを通過させて第1の方向に選別して過量品排出部33に排出する。
【0106】
一方、第2の選別部材27が第2の選別位置に位置したときに、第1の選別部材26の第1の搬送路26Aを搬送される軽量品50bを第2の搬送路27Aを通過させて第2の方向に選別して軽量品排出部32に排出する。
【0107】
このように、第1の選別部材26が第1の選別位置に位置したときに、第2の選別部材27を第2の選別位置と第3の選別位置とに位置させることにより、上流側傾斜シュート23を滑落する正量品50aから軽量品50bと過量品50cとを選別し、下流側傾斜シュート24と別方向で搬送する。
【0108】
なお、カプセル50は、第1の搬送路26Aと第2の搬送路27Aに沿って滑落するが、第1の搬送路26Aと第2の搬送路27Aを滑落するカプセル50を、以後も搬送という。
【0109】
ここで、カプセル50の滑落方向に対して前後方向または上下斜め方向に直交する第1の搬送路26Aと第2の搬送路27Aの溝幅W1(図4参照)について説明する。
【0110】
カプセルは、日本薬局方により定められた複数のサイズに分類される(図6参照)。図6において、長さmmはカプセルの長手方向(長軸方向)の長さであり、外径mmはカプセルの長手方向と直交する短手方向(短軸方向)の寸法である。また、寸法公差は、±0.76mmであり、maxはカプセルの長さおよび外径寸法の最大許容寸法、minは、カプセルの長さおよび外径寸法の最小許容寸法を示している。
【0111】
図6に示すように、カプセルは、最大容量の「000号」というサイズから順に容量が少なくなる「00号」、「0号」、「1号」、「2号」、「3号」、「4号」、「5号」に分類され、サイズ毎に長さと外径寸法が規定されている。
【0112】
このように異なるサイズのカプセルを取扱うときには、カプセルのサイズに応じて異なる溝幅W1が設定された搬送路26A、27Aを有する専用の選別部材26、27を用意する必要がないように、共通の溝幅W1の搬送路26A、27Aを有する選別部材26、27を用いることが望ましい。つまり、1種類の搬送路26A、27Aを有する選別部材26、27を用いて「000号」から「5号」まで全てのサイズのカプセルを円滑に搬送できるようにすることが望ましい。
【0113】
具体的には、大きいサイズのカプセルが通過可能なように搬送路26A、27Aの溝幅W1をカプセルの外径寸法を基準に仮定した上で、各サイズのカプセルの長さと一致しない寸法範囲を検討した。
【0114】
これは、搬送路26A、27Aの溝幅W1がカプセルの長さと一致してしまうと、搬送路26A、27Aの内部においてカプセルがブリッジ状態となり、後続するカプセルがそこに詰まってしまうおそれがあるためである。
【0115】
例えば、最も大きいサイズを「000号」とすると、図6に示すように、カプセルの外径寸法はおよそ9.9mmであり、寸法公差が0.76mmであれば10.7mm以下、寸法公差が0.4mmであれば10.3mm以下の溝幅とすることはできない。
【0116】
ここで、「5号」のカプセルの長さ範囲と、「000号」のカプセルの外径範囲が近似しているので、「000号」の外径範囲をわずかに上回る寸法に搬送路26A、27Aの溝幅W1を設定すると、「5号」のカプセルが搬送路26A、27Aに詰まるおそれがあることが判明した。
【0117】
そこで、「5号」のカプセルの長さ範囲と「4号」のカプセルの長さ範囲の間の11.9~13.5mmの範囲に搬送路26A、27Aの溝幅W1を設定すれば、多用される「000号」から「5号」のカプセルについて、搬送路26A、27Aを共通的に用いることができ、かつ搬送路26A、27Aの溝幅W1を最も小さくして、選別部材26、27を小型化できることが判明した。
【0118】
つまり、搬送路26A、27Aの溝幅W1を11.9~13.5mmの範囲に設定すれば、「5号」のカプセル50は、真横に倒れ込んだ状態で搬送されても搬送路26A、27Aでブリッジ状態とならず(図7(a)参照)、それ以外のサイズのカプセル50は、搬送路26A、27Aで最初から真横にならずに搬送される。図7(b)は、「000号」のカプセル50が搬送される状態を示している。
【0119】
さらに、カプセルへの薬剤などの充填工程において封止不良が発生した場合、カプセルの長さが規格範囲を超える場合があることが判明した。このような封止不良は、薬剤などがカプセルに過剰に充填されたときに発生し易く、詰まりなく、正しく選別されるように考慮する必要がある。
【0120】
例えば、「5号」のカプセルにおける封止不良時の長さは規格上の寸法よりも長く、12.3~13.3mm程度であるので、搬送路26A、27Aの溝幅W1は11.9mm~12.2mmの範囲で設定すると、詰まりの懸念なくかつ、選別部材26、27を小型化できることが判明した。
【0121】
要するに、搬送路26A、27Aの溝幅W1は、最小限の溝幅W1で最大サイズ(000号)のカプセルから最小サイズ(5号)のカプセルが詰まることなく、搬送可能な溝幅W1に設定できればよい。
【0122】
なお、カプセル50の滑落方向に対して左右方向に直交する搬送路26A、27Aの溝幅は、カプセル50が左右方向に傾かないように、溝幅W1よりも僅かに大きい溝幅に設定される。
【0123】
このように、搬送路26A、27Aの溝幅W1を必要最小限に設定して、選別部材26、27の小型化を図ることにより、物品選別装置3の小型化を図ることができ、結果的に重量測定装置1の小型化を図ることができる。
【0124】
図2に示すように、下流側傾斜シュート24の下流部には排出口24bが開口しており、排出口24bの下方には不明品50dが排出される不明品排出部34が設けられている。
【0125】
図1図2に示すように、本体部材21には排除ゲート35が設けられており、排除ゲート35は、上下方向に移動自在となっている。具体的には、排除ゲート35は、図示しないコイルスプリングによって上方に付勢されており、アクチュエータによって駆動されると、コイルスプリングの付勢力に抗して下方に移動する。
【0126】
排除ゲート35は、上下方向に延在する縦板部35Aと、縦板部35Aから第1の選別部材26に向かって折り曲げられた傾斜板部35Bとを有する。傾斜板部35Bは、下流側傾斜シュート24の傾斜面24aと同一の傾斜角度で傾斜している。
【0127】
排除ゲート35は、縦板部35Aが最下位に位置したときに、傾斜板部35Bが下流側傾斜シュート24の傾斜面24aの一部を形成するように、傾斜面24aに連続して排出口24bを閉じ、縦板部35Aが最上位に位置したときに、傾斜板部35Bが排出口24bを解放する。
【0128】
縦板部35Aが最上位に位置すると、縦板部35Aが下流側傾斜シュート24から上方に突出し、下流側傾斜シュート24を滑落する不明品50dを縦板部35Aに接触させ、下流側傾斜シュート24から不明品50dを選別して不明品排出部34に排出する。
【0129】
不明品50dとは、電源遮断が発生したときに選別不能な対象物や、形状不良などにより正量品50aと形状が異なる対象物である。この不明品50dが正量品50aと混ざると、次工程で正量品50aと不明品50dとの選別作業を行う必要があるので、下流側傾斜シュート24を滑落する不明品50dは正量品50aと共に不明品排出部34に排出される。
【0130】
つまり、下流側傾斜シュート24に滑落する正量品50aに不明品50dが混入される場合には正量品50aも不明品50dとして扱われる。本実施形態の排除ゲート35は、開閉部材を構成する。
【0131】
選別確認センサ5は、上流側傾斜シュート23の上流部を通過するカプセル50を検出可能とし、形状不良などによって正量品50aと異なるタイミングで下流側傾斜シュート24を滑落するカプセルを検出し、検出結果を制御部に送信する。
【0132】
制御部は、いずれも図示しないCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、ハードディスク装置と、入出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0133】
制御部は、例えば、RAMに記憶されたカプセルの重量情報と、秤量部4から送信されたカプセル50の重量情報とを比較し、カプセル50が正量品50aであるか、過量品50cであるか、軽量品50bであるかを判断し、判断結果に基づいて第1のエアシリンダ28および第2のエアシリンダ29により第1の選別部材26と第2の選別部材27とを駆動してカプセル50を選別する。
【0134】
制御部は、選別確認センサ5から送信された情報に基づき、下流側傾斜シュート24に不明品50dが滑落したものと判断した場合に、排除ゲート35を解放し、排出口24bを開く。
【0135】
すなわち、制御部は、選別確認センサ5の検出情報に基づいて、正量品50aのタイミングと異なるタイミングで上流側傾斜シュート23を滑落するカプセル50または異物を選別確認センサ5が検出したときに、排除ゲート35を解放し、排出口24bを開く。
【0136】
下流側傾斜シュート24には突出シュート部36、37が設けられており、突出シュート部36、37は、排出口24bよりも上流側で、かつ、上流側傾斜シュート23よりも下流側に位置している。
【0137】
図2図8に示すように、突出シュート部36、37は、上流側突出シュート部36A、37Aと下流側突出シュート部36B、37Bとを備えている。上流側突出シュート部36A、37Aと下流側突出シュート部36B、37Bは、下流側傾斜シュート24と一体成形されている。
【0138】
上流側突出シュート部36A、37Aは、下流側傾斜シュート24から上方に突出するように下流側傾斜シュート24から折り曲げられており、上面にカプセル50を滑落させるための滑落面36a、37aを有する。
【0139】
下流側突出シュート部36B、37Bは、下流側傾斜シュート24から上方に突出するように下流側傾斜シュート24から折り曲げられており、上流側突出シュート部36A、37Aの下流部に連絡されている。上流側突出シュート部36A、37Aは、本実施形態の突出シュート部を構成している。
【0140】
突出シュート部36、37は、下流側傾斜シュート24の一端部(左端部)から他端部(右端部)まで延在しており、10列のカプセル50は、滑落面36a、37a上において左右に並んで滑落する。
【0141】
図8に示すように、水平面Hに対する滑落面36a、37aの傾斜角度θ1(突出シュート部36側の符号省略)は、水平面Hに対する下流側傾斜シュート24の傾斜面24aの傾斜角度θ2(突出シュート部36側の符号省略)よりも小さく形成されている。
【0142】
図8において、下流側傾斜シュート24の延在する範囲S1と突出シュート部36、37の延在する範囲S2を示す。
【0143】
図1図3に示すように、下流側傾斜シュート24の幅方向の両端部(左右両端部)には側板38、39が設けられており、側板38、39は、下流側傾斜シュート24から上方に突出している。図1では一方の側板38のみを図示している。
【0144】
図3図8に示すように、側板38、39には規制壁40、41の左端部と右端部が取付けられており、規制壁40、41は、下流側傾斜シュート24の幅方向に延在している。
【0145】
規制壁40、41は、それぞれ突出シュート部36、37に対して排除ゲート35側に位置している。
【0146】
図8に示すように、規制壁40、41は、滑落面36a、37aよりも低い位置から滑落面36a、37aよりも高い位置に延在しており、滑落面36a、37aの傾斜方向Lに対して滑落面36a、37bに対向している。
【0147】
規制壁40、41は、上下方向に延在する縦壁部40a、41aおよび折り曲げ部40b、41bを有する。折り曲げ部40b、41bは、縦壁部40a、41aの下端から排出口24bに向かい下流側傾斜シュート24に沿って折り曲げられている。
【0148】
下流側傾斜シュート24を滑落するカプセル50は、下流側傾斜シュート24から突出シュート部36、37の滑落面36a、37aに沿って滑落することにより、下流側傾斜シュート24の傾斜方向Lと異なる方向に滑落する。このとき、カプセル50の滑落速度は、下流側傾斜シュート24を滑落するときの滑落速度に対して減速される。
【0149】
滑落面36a、37aに沿って滑落するカプセル50は、規制壁40、41の縦壁部40a、41aに接触することにより、さらに減速された後、縦壁部40a、41aと下流側突出シュート部36B、37Bの間を通過した後、折り曲げ部40b、41bと下流側傾斜シュート24の間を滑落する。
【0150】
なお、縦壁部40a、41aと下流側突出シュート部36B、37Bの隙間W2と、折り曲げ部40b、41bと下流側傾斜シュート24の隙間W3と、第1の搬送路26Aと第2の搬送路27Aの溝幅W1とは、同じ寸法である。
【0151】
これにより、縦壁部40a、41aと下流側突出シュート部36B、37Bの間、および折り曲げ部40b、41bと下流側傾斜シュート24の間を通過する全てのサイズのカプセル50の詰まりが発生することを防止できる。
【0152】
滑落面36a、37aに対する規制壁40、41の傾斜角度θ3は、滑落面36a、37aを通過したカプセル50が規制壁40、41に衝突したときの衝撃が少なく、かつ、カプセル50の滑落速度を確実に低減可能な傾斜角度に設定されている。
【0153】
本実施形態の下流側傾斜シュート24は、突出シュート部36、37、側板38、39および規制壁40、41が一体に設けられて構成されており、突出シュート部36、37、側板38、39および規制壁40、41は、一体で本体部材21に着脱される。本実施形態の突出シュート部36、37および規制壁40、41は、滑落方向変更部を構成する。
【0154】
次に、本実施形態の物品選別装置3の作用を説明する。
秤量台4Aに載置されて重量が測定されたカプセル50は、左右方向に10列に並んだ状態でイジェクター11によって秤量台4Aから押し出される。
【0155】
秤量台4Aから押し出されたカプセル50は、自重によって上流側傾斜シュート23を滑落する。
【0156】
まず、図9に基づいて正量品50aの選別時の物品選別装置3の動作を示す。
制御部が、下流側傾斜シュート24の搬送レーンに沿って滑落するカプセル50が全て正量品50aであったものと判断すると、第1のエアシリンダ28の本体部28Aにエアを供給する。
【0157】
この状態では、ロッド部28Bがコイルスプリングの付勢力に抗して下方に移動して本体部28Aに没入し、第1の選別部材26が退避位置に位置し、第1の選別部材26の第1の傾斜面26eが上流側傾斜シュート23の傾斜面23aと下流側傾斜シュート24の傾斜面24aの一部を構成するように傾斜面23a、24aに連続する。
【0158】
また、制御部は、第2のエアシリンダ29の本体部29Aにエアを供給しないので、ロッド部29Bがコイルスプリングに付勢されて本体部29Aから上方に突出する。このため、第2の選別部材27が第2の選別位置に位置する。
【0159】
また、下流側傾斜シュート24を正量品50aが滑落する状態において、排除ゲート35は、アクチュエータによって駆動されることにより、最下位に位置する。このため、傾斜板部35Bは、下流側傾斜シュート24の傾斜面24aの一部を形成するように下流側傾斜シュート24に連続している。
【0160】
このように、制御部が第1の選別部材26と第2の選別部材27を制御することにより、正量品50aが上流側傾斜シュート23から第1の選別部材26の第1の傾斜面26eを通過して下流側傾斜シュート24に流れ、排除ゲート35の傾斜板部35Bを通して最終傾斜シュート25まで滑落した後、最終傾斜シュート25から次工程に搬送される。図9において、正量品50aの移動軌跡Aを示す。
【0161】
図10に基づいて軽量品50bの選別時の物品選別装置3の動作を示す。
制御部が、下流側傾斜シュート24の搬送レーンに沿って滑落するカプセル50に軽量品50bが含まれているものと判断した場合には、軽量品50bが流れている搬送レーンの第1のエアシリンダ28の本体部28Aからエアを排出する。
【0162】
このとき、ロッド部28Bがコイルスプリングに付勢されて上方に移動して本体部28Aから突出する。このため、第1の選別部材26が第1の選別位置に位置し、第1の選別部材26の第1の入口26aが上流側傾斜シュート23の傾斜面23aから上方に位置する。また、制御部は、第2のエアシリンダ29を制御して第2の選別部材27を第2の選別位置に位置させる。
【0163】
このように、制御部が第1の選別部材26と第2の選別部材27を制御することにより、第1の選別部材26の第1の出口26bと第2の選別部材27の第2の入口27aとが連通する。
【0164】
これにより、下流側傾斜シュート24の搬送レーンを流れる軽量品50bが第1の入口26aを通して第1の搬送路26Aに投入され、第1の搬送路26Aから第2の選別部材27の第2の搬送路27Aを通過した後、第2の出口27bから軽量品排出部32に排出される。図10において、軽量品50bの移動軌跡Bを示す。
【0165】
図11に基づいて、過量品50cの選別時の物品選別装置3の動作を示す。
制御部が、下流側傾斜シュート24の搬送レーンに沿って滑落するカプセル50に過量品50cが含まれているものと判断した場合には、過量品50cが流れている搬送レーンの第1のエアシリンダ28の本体部28Aからエアを排出する。
【0166】
このとき、ロッド部28Bがコイルスプリングに付勢されて上方に移動して本体部28Aから突出する。このため、第1の選別部材26が第1の選別位置に位置する。
【0167】
また、制御部は、第2のエアシリンダ29の本体部29Aにエアを供給する。このとき、ロッド部29Bがコイルスプリングの付勢力に抗して下方に移動して本体部29Aに没入する。このため、第2の選別部材27が第3の退避位置に位置し、第2の選別部材27の第2の傾斜面27eが傾斜シュート30の一部を構成するように傾斜シュート30に連続する。
【0168】
このように、制御部によって第1の選別部材26と第2の選別部材27を制御することにより、第1の選別部材26の第1の出口26bと第2の選別部材27の第2の入口27aとが非連通状態となる。
【0169】
これにより、搬送レーンを流れる過量品50cが第1の入口26aを通して第1の搬送路26Aに投入された後、第1の出口26bから排出される過量品50cが第2の選別部材27の第2の傾斜面27eを通過した後、傾斜シュート30に沿って過量品排出部33に排出される。図11において、過量品50cの移動軌跡Cを示す。
【0170】
ここで、カプセル50の投入間隔とカプセル50の選別時間の関係について説明する。
【0171】
イジェクター11によって秤量台4Aからカプセル50を押し出すタイミングは、1つ前のカプセル50が第1の搬送路26Aと第2の搬送路27Aを通過して、軽量品排出部32に到達するタイミングに設定されている。
【0172】
すなわち、カプセル50を選別するために要する第1の搬送路26Aと第2の搬送路27Aの通過時間よりも、秤量台4Aから物品選別装置3に順次投入されるカプセル50の投入周期が長くなるように、カプセル50の投入周期が設定されている。
【0173】
この投入周期は、重量測定装置1の重量測定能力を表すため、短い周期であることが望ましいが、カプセル50が最も長い搬送経路(搬送路26A、27A)を通過するのに要する時間よりも短い周期とすることは好ましくない。
【0174】
これにより、秤量台4Aから物品選別装置3に順次投入されるカプセル50に対応付けられる重量測定結果がどのようなパターン(軽量品50bの選別または過量品50cの選別)であっても、重量測定結果に応じた選別方向に搬送路を構成するように第1の選別部材26と第2の選別部材27が制御される。
【0175】
図10に示す第1の入口26aよりも上流に位置する軽量品50bと、第2の出口27bよりも下流側に位置する軽量品50bとの間隔が最も短いカプセル50の投入周期である。
【0176】
図12に基づいて、不明品50dの選別時の物品選別装置3の動作を示す。
制御部が、下流側傾斜シュート24に不明品50dが滑落したものと判断した場合に、下流側傾斜シュート24に流れる正量品50aに不明品50dが混入している可能性があるので、アクチュエータを制御して排除ゲート35を上方に移動させる。
【0177】
このとき、傾斜板部35Bが排出口24bを解放するので、下流側傾斜シュート24を流れる全てのカプセル50が縦板部35Aに衝突して排出口24bに導かれ、排出口24bを通して不明品排出部34に排出される。図12において、不明品50dの移動軌跡Dを示す。
【0178】
また、電源遮断が発生した場合には、排除ゲート35がコイルスプリングによって上方に付勢されるので、下流側傾斜シュート24を流れる全てのカプセル50が排出口24bから不明品排出部34に排出される。
【0179】
一方、図13に示すように、下流側傾斜シュート24を流れるカプセル50は、突出シュート部36、37の滑落面36a、37a上を滑落することにより、下流側傾斜シュート24の傾斜方向Lと異なる方向に滑落する。
【0180】
水平面Hに対する滑落面36a、37aの傾斜角度θ1は、水平面Hに対する下流側傾斜シュート24の傾斜面24aの傾斜角度θ2よりも小さく形成されているので、突出シュート部36、37の滑落面36a、37aを滑落するカプセル50は、下流側傾斜シュート24よりも水平方向に近い方向に滑落し、カプセル50の滑落速度は、下流側傾斜シュート24を滑落するカプセル50の滑落速度よりも遅くなり、カプセル50は滑落面36a、37aによって減速される。
【0181】
また、それぞれの突出シュート部36、37の下流側には規制壁40、41が設けられているので、突出シュート部36、37の滑落面36a、37aを通過したカプセル50は、規制壁40、41に接触することにより、さらに減速される。図13において、カプセル50の移動軌跡Eを示す。
【0182】
なお、突出シュート部36と規制壁40を1組とし、突出シュート部37と規制壁41を1組とした場合に、本実施形態の突出シュート部と規制壁は2組設けられているが、突出シュート部と規制壁は、1組あるいは3組以上であってもよい。
【0183】
また、カプセル50のサイズや粘性などに応じて突出シュート部36、37の傾斜角度θ3を調整してカプセル50の減速時間を調整してもよい。
【0184】
また、突出シュート部36、37は、下流側傾斜シュート24と一体成形されているが、下流側傾斜シュート24と別部材の突出シュート部を下流側傾斜シュート24と一体に設けてもよい。この場合には、下流側傾斜シュート24と異なる材質の突出シュート部を設け、カプセル50の減速時間を調整してもよい。
【0185】
このように本実施形態の物品選別装置3は、カプセル50の計量結果に応じて第1の選別部材26と第2の選別部材27を駆動することにより、傾斜シュート22を滑落する正量品50aから軽量品50bと過量品50cとを選別し、傾斜シュート22と別方向で搬送することができる。
【0186】
次に、本実施形態の物品選別装置3の効果を説明する。
本実施形態の物品選別装置3は、上面に上流側傾斜シュート23の傾斜面23aの一部を形成する第1の傾斜面26eを有し、上流側傾斜シュート23の傾斜面23aと下流側傾斜シュート24の傾斜面24aよりも上方に突出する第1の選別位置と、第1の傾斜面26eが傾斜面23a、24aに連続する退避位置とに移動自在に設けられた第1の選別部材26を有する。
【0187】
第1の選別部材26は、内部に第1の搬送路26Aを有し、第1の搬送路26Aは、上流側で開口する第1の入口26aと、下流側で開口する第1の出口26bとを有し、選別対象である軽量品50bまたは過量品50cが上流側傾斜シュート23上に搬送されたときに、第1の選別部材26が第1の選別位置に移動し、上流から流れてきた選別対象のカプセル50を第1の入口26aを通して第1の搬送路26Aに導くことにより、上流側傾斜シュート23および下流側傾斜シュート24とは別方向に選別する。
【0188】
これにより、軽量品50bおよび過量品50cを第1の搬送路26Aに沿って搬送でき、軽量品50bおよび過量品50cに指向性を持たせて、軽量品50bおよび過量品50cの挙動を安定させることができる。
【0189】
このため、軽量品50bまたは過量品50cの排出方向の自由度を向上できるとともに、第1の搬送路26Aで軽量品50bまたは過量品50cが詰まることを防止できる。
【0190】
また、本実施形態の物品選別装置3は、第1の選別部材26の下流側に設けられ、第2の選別位置と第2の選別位置よりも下方に位置する第3の選別位置とに移動自在に設けられた第2の選別部材27を有し、第2の選別部材27は、上面に第2の傾斜面27eを有するとともに、内部に第2の搬送路27Aを有する。
【0191】
第2の搬送路27Aは、上流側で開口する第2の入口27aおよび下流側で開口する第2の出口27bを有し、第1の選別部材26が第1の選別位置にあり、かつ、第2の選別部材27が第2の選別位置に位置したときに、第1の出口26bと第2の入口27aが連通するようになっている。
【0192】
第2の選別部材27は、第2の選別位置に位置したときに、第1の搬送路26Aを搬送される過量品50cを第2の傾斜面27eを通過させて第1の方向に選別し、第3の選別位置に位置したときに、第1の搬送路26Aを搬送される軽量品50bを第2の搬送路27Aを通過させて第2の方向に選別する。
【0193】
これにより、第1の選別部材26が第1の選別位置に位置したときに、第2の選別部材27を第2の選別位置と第3の選別位置とに位置させることにより、搬送路を切り替えて選別対象を軽量品50bと過量品50cとに分類できる。
【0194】
このため、軽量品50bを第1の搬送路26Aと第2の搬送路27Aに沿って搬送でき、軽量品50bに指向性を持たせて、軽量品50bの挙動を安定させることができる。これに加えて、過量品50cを第1の搬送路26Aに沿って搬送でき、過量品50cに指向性を持たせて、過量品50cの挙動を安定させることができる。
【0195】
また、本実施形態の物品選別装置3によれば、第1の搬送路26Aは、第1の入口26aから上下方向に直線状に延びる第1の直線部26cと、第1の直線部26cの下流部から上流側傾斜シュート23および下流側傾斜シュート24の傾斜方向Lに湾曲する第1の湾曲部26dを有する。
【0196】
これにより、第1の搬送路26Aが上流側傾斜シュート23および下流側傾斜シュート24の傾斜方向Lに直線状に延在した場合に比べて、上流側傾斜シュート23および下流側傾斜シュート24の傾斜方向Lの長さを短縮でき、物品選別装置3の小型化を図ることができる。
【0197】
また、本実施形態の物品選別装置3によれば、第2の搬送路27Aは、第2の入口27aから上下方向に直線状に延びる第2の直線部27cと、第2の直線部27cの下流部から上流側傾斜シュート23および下流側傾斜シュート24の傾斜方向Lに湾曲する第2の湾曲部27dを有する。
【0198】
これにより、第2の搬送路27Aが上流側傾斜シュート23および下流側傾斜シュート24の傾斜方向Lに直線状に延在した場合に比べて、上流側傾斜シュート23および下流側傾斜シュート24の傾斜方向Lの長さを短縮でき、物品選別装置3の小型化を図ることができる。
【0199】
また、本実施形態の物品選別装置によれば、第1の選別部材26と第2の選別部材27を上下方向に駆動する第1のエアシリンダ28および第2のエアシリンダ29を有するので、上流側傾斜シュート23および下流側傾斜シュート24の傾斜方向Lに対する第1のエアシリンダ28および第2のエアシリンダ29の設置スペースを低減でき、上流側傾斜シュート23および下流側傾斜シュート24の傾斜方向Lの長さを短縮できる。この結果、物品選別装置3の小型化を図ることができる。
【0200】
また、本実施形態の重量測定装置1は、物品選別装置3と、物品選別装置3によって選別されるカプセル50を検査する秤量部4と有するので、上流側傾斜シュート23および下流側傾斜シュート24と別方向に搬送される軽量品50bおよび過量品50cに指向性を持たせて、選別対象の対象物の挙動を安定させることができる。
【0201】
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0202】
1 重量測定装置(物品検査装置)
3 物品選別装置
4 秤量部(検査部)
22 傾斜シュート
23a、24a 傾斜面(傾斜シュートの傾斜面)
26 第1の選別部材
26A 第1の搬送路
26a 第1の入口
26b 第1の出口
26c 第1の直線部
26d 第1の湾曲部
26e 第1の傾斜面
27 第2の選別部材
27A 第2の搬送路
27a 第2の入口
27b 第2の出口
27c 第2の直線部
27d 第2の湾曲部
27e 第2の傾斜面
28 第1のエアシリンダ(駆動部)
29 第2のエアシリンダ(駆動部)
50 カプセル(対象物)
50b 軽量品(選別対象の対象物)
50c 過量品(選別対象の対象物)
50d 不明品(選別対象の対象物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13