(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】換気空気流入口の電動エアフィルタ
(51)【国際特許分類】
B01D 46/18 20060101AFI20241213BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20241213BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20241213BHJP
F24F 8/108 20210101ALN20241213BHJP
F24F 7/003 20210101ALN20241213BHJP
【FI】
B01D46/18 B
H05K7/20 K
F24F13/28
F24F8/108 220
F24F7/003
(21)【出願番号】P 2022504182
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(86)【国際出願番号】 IT2020050182
(87)【国際公開番号】W WO2021014477
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】102019000012606
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518219516
【氏名又は名称】ニッティ-グリッティ エス アール エル
【氏名又は名称原語表記】NITTY-GRITTY S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179947
【氏名又は名称】坂本 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル ラペロサ
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-298206(JP,A)
【文献】実開昭52-069072(JP,U)
【文献】特開2009-210254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-90
F24F 7/00-10
F24F 8/00-99
F24F 13/00-32
G12B 15/04
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールフィルタ(2)を備えるディスペンサ(1)と、前記ロールフィルタを前記ディスペンサから繰り出すためのフィルタ引出機構と、を備えており、吸引された空気のろ過を必要とする機械または電気装置のケーシング(4)に存在する換気空気流入口(3)における電動エアフィルタであって、前記
フィルタ引出機構(5, 29, 35, 45)は、可動レバー押さえ(14)がその前端部(16)に存在する引出装置(15)によって、前記
ロールフィルタ(2)に押し付けられるとともに、また各引出サイクルにおいて所定の長さだけ前記
ロールフィルタを下向きに引き出す、レバー機構(12)を有し、前記
フィルタ引出機構は、前記ディスペンサ(1)によって繰り出される前記
ロールフィルタ(2)の両サイドに設けられており、各サイドの前記
フィルタ引出機構には前記レバー機構(12)が設けられており、同一の前記
フィルタ引出機構における2つのレバー機構は、同一の引出長さを有しているとともに同期して駆動され、かつ、各引出動作で全サイクルを実施し、前記レバー機構(12)は、上記
フィルタ引出機構の少なくとも一方のサイドで電気モータ(26)に連結されている、ことを特徴とする、電動エアフィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載の電動
エアフィルタにおいて、前記レバー機構(12)は、前記可動レバー押さえ(14)が揺動するクランクボタン(13)と、コントラストカム(18)に対して接触する、前記
可動レバー
押さえの後端部(19)におけるトラッキングホイール(17)とを含んでいる、電動
エアフィルタ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電動
エアフィルタにおいて、前記
ロールフィルタ(2)の引出面の付近であり、また前記引出装置(15)の引出ポイントに先行する位置に、前記
ロールフィルタ(2)を前記引出面に対して密着する状態に維持する押さえ(9)が配置されている、電動
エアフィルタ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電動
エアフィルタにおいて、前記可動レバー押さえ(14)及び前記引出装置(15)は、繰り出された前記
ロールフィルタ(2)に前記引出装置を押し付ける弾性手段(20)に関連付けられ、前記弾性手段が、前記レバー機構の引出サイクルの完了時に出発点に復帰させるよう、前記可動レバー押さえ(14)を後退させる、電動
エアフィルタ。
【請求項5】
請求項
2に記載の電動
エアフィルタにおいて、前記クランクボタン(13)は、円形カム(32)の回転中に、回転サイクルの停止マイクロスイッチ(33)と接触する、該円形カム(32)に関連付けられている、電動
エアフィルタ。
【請求項6】
請求項
3に記載の電動
エアフィルタにおいて、前記引出面は、前記電動
エアフィルタが設けられた吸引空気流入口
(3)が存在する前記ケーシング(4)の同一表面である、電動
エアフィルタ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の電動
エアフィルタにおいて、前記
フィルタ引出機構は、2つのサイドに分割され、モータ駆動サイド(6)及び被伝動サイド(7)を有しており、前記2つのレバー機構
(12)の駆動同期は、それらを連結する横方向軸(8)によって得られる、電動
エアフィルタ。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の電動
エアフィルタにおいて、前記
フィルタ引出機構(35)は、2つのサイドに分割され、両サイドともにモータ駆動サイド(36)であり、前記2つのレバー機構(12)の駆動同期は、各モータ駆動サイドに存在する前記レバー機構を制御およびコマンド指令するための電子回路基板(27,37)の間におけるイーサを介した電子信号の接続によって得られる、電動
エアフィルタ。
【請求項9】
請求項7に記載の電動
エアフィルタにおいて、前記
フィルタ引出機構(5, 45)のモータ駆動サイド(6)及び被伝動サイド(7)は、連結ブラケット(33)または下部連結ブラケット(43)によって、構造部に連結されている、電動
エアフィルタ。
【請求項10】
請求項
7に記載の電動
エアフィルタを備える一組の引出機構セットであって、前記一組の引出機構セットは、ロールに巻回された
ロールフィルタ(2)を有するディスペンサ(1)と、前記
フィルタ引出機構の各サイド(6, 7または35)のスリーブ(31)に存在する永久固定磁石(30)を有する
当該フィルタ引出機構(29, 35)と、前記
ロールフィルタ(2)の予想される幅に等しい長さを有する、一組の押さえ(9)のセットと、前記モータ駆動サイド(6)及び前記被伝動サイド(7)を、前記
ロールフィルタ(2)の予想される幅に等しい長さで連結するための一組の横方向軸
(8)のセットと、前記ディスペンサ(1)及び前記
フィルタ引出機構(29または35)の双方を位置決めするための調整可能なテンプレート(39)と、を含む、
電動エアフィルタを備える一組の引出機構のセット。
【請求項11】
請求項1~5のいずれか1項に記載の電動
エアフィルタにおいて、2つのサイドに分割された前記
フィルタ引出機構(57, 72)は、モータ駆動サイド(58)及び被伝動サイド(59)を有しており、前記2つのレバー機構
(12)の駆動同期は、それらを連結する横方向軸(8)によって得られ、2つのサイドを接合するために、押さえ(9)とともに、下部剛性化カレント(61)があり、前記
フィルタ引出機構は、ピン(62)と、前記モータ駆動サイド及び前記被伝動サイド双方のスリーブ内にある、前記ピンの回転着座部(65)とによって、固定構造(60)上で傾動するようになっており、前記固定構造には、吸引流入口(3)が存在するケーシング(4)に、磁気グリップ付きの連結ブラケット(23)が設けられており、フックレバー(66)が
、前記
フィルタ引出機構の傾動の開閉
と、前記固定構造の保持ノッチ(67)に対する前記フィルタ引出機構のグリップとを可能にする、電動
エアフィルタ。
【請求項12】
請求項11に記載の電動
エアフィルタにおいて、前記フックレバーに結合されるとともに前記モータ駆動
サイド(58)および前記被伝動
サイド(59)の各傾動サイドのスリーブに結合された状態で、オペレータによる前記フックレバー(66)の手動駆動を容易にするためのグリップ面(70)が存在する、電動
エアフィルタ。
【請求項13】
請求項11または12に記載の電動
エアフィルタにおいて、モジュール式ディスペンサータイプ(74)である幅広ロールの
ロールフィルタ(2)のディスペンサが存在する場合、前記
フィルタ引出機構は、さらなる上部剛性化カレント(78)によって、傾動モータ駆動サイド
変形例(76)及び傾動被伝動サイド
変形例(77)に堅固に連結された、さらなる中央
被伝動引出機構
(75)を有しており、前記中央
被伝動引出機構は、前記2つのサイドに存在する前記
フィルタ引出機構と同様の機構によって形成され、また前記
フィルタ引出機構のように動作する、電動
エアフィルタ。
【請求項14】
請求項13に記載の電動
エアフィルタにおいて、前記
フィルタ引出機構(72)の変形例であって、前記下部
剛性化カレント(61)及び前記上部
剛性化カレント(78)の双方が、前記中央
被伝動引出機構
(75)におけるスリーブ
(80)、並びに前記
傾動モータ駆動サイド
変形例及び前記
傾動被伝動サイド
変形例における前記スリーブ
(80)に設けられた、特別な固定着座部(80)に収容されている、電動
エアフィルタ。
【請求項15】
請求項
13又は14に記載の電動
エアフィルタ
を備える一組の引出機構セットにおいて、前記ロールフィルタ(2)のディスペンサ(1)に加えて、押さえ(9)を備えた傾動引出機構(57)が、前記ディスペンサでの使用に適合した長さの下部
剛性化カレント(61)及び横方向軸(8)とともに存在しており、加えて、モジュール式ディスペンサ(74)の場合、前記上部
剛性化カレント(78)は、さらに、前記
傾動モータ駆動サイド変形例(76)及び前記傾動被伝動サイド変形例
(77)を傾動させる前記
フィルタ引出機構(72)で使用するように適合された長さを有している、電動
エアフィルタ
を備える一組の引出機構セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気空気流入口における電動式エアフィルタに関する、即ち、一般にフィルタリング生地のフィルタがフィルタケーシングおよび支持体として機能し、そのフィルタがロール状に巻かれて、それによって吸引される空気のろ過のためにそこに配置された空気流入口に使用するために繰り出される、エアフィルタの引出装置の構成に関するものである。前記引出装置の構成により、使用されるロールフィルタサイズに必要なサイズ分を容易に入手できる。ロールを繰り出すためのディスペンサケーシングを備えるこのフィルタは、流入する冷却空気から大気中の塵埃を取り除く必要がある、電気パネル、電子機器、および同様の容器の吸引流入口に使用されることが知られている。すなわち、引出装置は、人手を介さずに、新しいフィルタ生地を差し出すように、フィルタ生地の動きをケイデンス運動させて進行させる。
【背景技術】
【0002】
この技術分野には、フィルタ生地のロールが方形ベースの平行六面体でフィルタ生地の巻回ロールを収容できるサイズのケーシングに収容される、換気空気流入口のためのフィルタがある。前記フィルタ生地は、ろ過されるべき装置の吸引された冷却空気をろ過するために、空気流入口の近くに配置されたケーシングから、前記流入口自体を覆うように繰り出される。さらに、これらのロールフィルタは、組み立てられる機器の用途に応じて継続的なケイデンス(continuous cadence)運動で使用されるが、空気流入口を覆う新しい生地を差し出して、使用中に吸引された空気の塵埃で汚れたフィルタの生地を交換する必要がある。
【0003】
したがって、フィルタ生地のロールの使用は、吸引流入口を覆うフィルタ生地の部分における空気のろ過能力の継続的なメンテナンスおよび管理を行いながら行われる。つまり、メンテナンス技術者は、フィルタ生地のろ過能力を定期的にチェックし、空気流入口を覆うように新しいフィルタ生地を配置することを確認する必要がある。このメンテナンスは、多数のろ過装置で遂行される場合、非常に手間がかかる。
【0004】
したがって、従来技術は、ロール状に巻回されたフィルタ生地のディスペンサからフィルタ生地を巻き取る装置を開発し、またこれは特許文献1に開示されている。その装置では、電気制御でフィルタを回収できる巻き戻しと、様々な組み立て可能性を備えたフィルタ付き装置が提供されている。前記装置は、ロールから繰り出されたフィルタを回転可能に受け取るフィルタケーシングを備えている。巻き取り装置は、シャフトを回転させてフィルタを巻き取る。さらに、前記巻き取り装置は、フィルタ巻き取りシャフトに接続されたモータを有し、制御ユニットは、前記モータの動作をチェックし、前記モータおよび前記制御ユニットに電力を供給する電源ユニットを含む。前記制御ユニットは、間欠巻き取りまたは連続巻き取りモードでモータを回転させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この装置では、フィルタが巻き取られるときに電動巻き取りローラの直径が大きくなるため、フィルタ巻き取りを制御するのに限界がある。実際、回転角度を確かめるエンコーダを介して回転制御を行ったとしても、巻き取られたフィルタの厚みは、測定された同じ回転角度での、巻き取られたフィルタの長さが変化することに伴い、ローラ自体の直径が大きくなることとなる。つまり、フィルタ巻き取りローラの回転角度の検証だけでは、吸引空気流入口の前に提供された新しいフィルタを、連続的かつ部分的に正確に進める確実性はない。このタイプの繊維フィルタに使用される材料は、厚さに変動があることが知られている。加えて、フィルタディスペンサまたは巻き取り装置の組み立てが正確に行われていない場合、巻き取りローラの回転がフィルタの全幅にかかるため、アンバランスな引き出しを伴う可能性がある。さらに、組立て後、前記装置は、精密な軸方向寸法を有するローラが存在するため、巻き取られるフィルタの固定幅で動作すること余儀なくされる。実際、フィルタ巻き取り装置は、異なる幅のフィルタを巻き取るために使用することはできない、すなわち、各巻き取り装置は、フィルタ及びそれ対応する精密な幅のケーシングにおいて使用できる。
【0007】
実際、この特許文献1に開示された解決策の主な限界は、ローラへのフィルタの巻取りにあり、またその巻き取り終了時に、前記ローラは、メンテナンス技術者がかなり長時間介入して、電動巻き取り装置のケーシングから取り外さなければならないことにある。空のフィルタディスペンサと交換するよう、新しいフィルタディスペンサを配置することができるが、巻き取られ、埃が付着した前記フィルタで満杯になっているローラを装置から取り外さなければならない。さらに、新しいフィルタディスペンサに組み込まれるフィルタの長さ制限に加えて、前記装置は、巻き取りローラに巻き取られるフィルタの負荷制限もあり、巻き取りローラ容器の寸法を超えることはできず、さらに、フィルタ巻取り装置の使用の汎用性を制限する。すなわち、各巻線装置は、予め設定された厚さのフィルタを、巻取りケーシング内に収容可能な長さの対応ケーシング内で使用することができるものである。
【0008】
この技術分野では、換気空気流入口に電動エアフィルタを作成する可能性に関してかなりの改善の余地があり、これによって、従来技術における上述の限界を克服し、これまで達成できなかった用途の多様性を可能にする。
【0009】
したがって、本発明の根底にある技術的な課題は、従来既知のものと同様であるが、フィルタ幅及びフィルタを構成する材料の厚さのすべて寸法に対して、汎用性がありかつ使用可能である換気空気流入口の電動式エアフィルタを提供することである。
【0010】
上記の技術的課題に内在する目的は、フィルタの幅自体及び当該フィルタに使用される材料の厚さに依存しないフィルタ送り機構を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、上述の機構を得るにあり、これにより上述の機構に対して大掛かりに介入することなく、単にロールフィルタのディスペンサを変更し、フィルタ引出装置を新しい寸法パラメータに調整することによって、使用されるフィルタ生地のフィルタとは異なる、幅および厚さの寸法を必要とする別の換気空気流入口にメンテナンスおよび/または移設を行った後でも、汎用性があって再利用可能な引出装置を提供する。
【0012】
さらに、対処すべき技術的課題の他の態様は、フィルタ引出装置の遠隔制御に関するものであり、メンテナンス技術者が遠隔地でも継続的に確認できるようにし、フィルタ引出装置が内蔵されている機械システムのグローバル制御の中において、当該フィルタ引出装置を自動制御することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、本発明によれば、ロールフィルタを備えるディスペンサと、前記ロールフィルタを前記ディスペンサから繰り出すためのフィルタ引出機構と、を備えており、吸引された空気のろ過を必要とする機械または電気装置のケーシングに存在する換気空気流入口における電動エアフィルタによって解決することができ、この電動エアフィルタにおいて、前記引出機構は、可動レバー押さえがその前端部に存在する引出装置によって、前記フィルタに押し付けられるとともに、また各引出サイクルにおいて所定の長さだけ前記フィルタを下向きに引き出す、レバー機構を有し、前記引出機構は、前記ディスペンサによって繰り出される前記フィルタの両サイドに設けられており、各サイドの前記引出機構には前記レバー機構が設けられており、同一の前記引出機構における2つのレバー機構は、同一の引出長さを有しているとともに同期して駆動され、かつ、各引出動作で全サイクルを実施し、前記レバー機構は、上記引出機構の少なくとも一方のサイドで電気モータに連結されていることを特徴とする。
【0014】
他の構成形態において、前記レバー機構は、前記可動レバー押さえが揺動するクランクボタンと、コントラストカムに対して接触する、前記レバーの後端部におけるトラッキングホイールとを含んでいる。
【0015】
加えて、改良された構成形態では、前記フィルタの引出面の付近であり、また前記引出装置の引出ポイントに先行する位置に、前記フィルタを前記引出面に対して密着する状態に維持する押さえが配置されている。
【0016】
さらに、特定の好ましい実施形態では、前記可動レバー押さえ及び前記引出装置は、繰り出された前記フィルタに前記引出装置を押し付ける弾性手段に関連付けられ、前記弾性手段が、前記レバー機構の引出サイクルの完了時に、出発点に復帰させるよう、前記可動レバー押さえを後退させる。
【0017】
さらに、さらなる構成的な変形例では、前記クランクボタンは、円形カムの回転中に、回転サイクルの停止マイクロスイッチと接触する、該円形カムに関連付けられている。
【0018】
さらに、特定の改良された実施形態では、前記引出面は、前記電動フィルタが設けられた吸引空気流入口が存在する前記ケーシングの同一表面である。
【0019】
加えて、さらに有利な構成形態では、前記引出機構は、2つのサイドに分割され、モータ駆動サイドと被伝動サイドとを有しており、前記2つのレバー機構の駆動同期は、それらを連結する横方向軸によって得られる。
【0020】
さらに、構成上の変形例では、前記引出機構は、2つのサイドに分割され、両サイドともにモータ駆動サイドであり、前記2つのレバー機構の駆動同期は、各モータ駆動サイドの前記レバー機構における電子制御及びコマンド回路基板間の、イーサを介した電子信号の接続によって得られる。
【0021】
加えて、実用的かつ経済的な構成形態では、前記引出機構のモータ駆動サイド及び被伝動サイドは、連結ブラケットまたは下部連結ブラケットによって、構造部に連結されている。
【0022】
さらに、先の構成上の変形例に代えて、電動フィルタは、前記電動フィルタを備える一組の引出機構セットを有し、該一組の引出機構セットは、ロール状に巻回されたフィルタを有するディスペンサと、前記機構の各サイドのスリーブに永久固定磁石を有する引出機構と、予想されるフィルタ幅に等しい長さを有する、一組の押さえのセットと、前記モータ駆動サイド及び前記被伝動サイドを、前記予想されるフィルタ幅に等しい長さで連結するための一組の横方向軸のセットと、前記ディスペンサ及び前記引出機構の双方を位置決めするための調整可能なテンプレートと、を含む。
【0023】
さらに、2つのサイドに分割された前記引出機構は、モータ駆動サイド及び被伝動サイドを有しており、前記2つのレバー機構の前記駆動同期は、それらを連結する横方向軸によって得られ、2つのサイドを接合するために、押さえとともに、下部剛性化カレントがあり、この機構は、ピンと、前記モータ駆動サイド及び前記被伝動サイド双方のスリーブ内にある、前記ピンの回転着座部とによって、固定構造上で傾動するようになっており、前記固定構造には、吸引流入口が存在するケーシングに、磁気グリップ付きの連結ブラケットが設けられており、フックレバーが、前記固定構造の保持ノッチに対して前記グリップ引出機構の傾動の開閉をさせることを可能にする。
【0024】
加えて、前記フックレバーに結合されるとともに前記モータ駆動機構および前記被伝動機構の各傾動サイドのスリーブに結合された状態で、オペレータによる前記フックレバーの手動駆動を容易にするためのグリップ面が存在する。
【0025】
さらに、モジュール式ディスペンサータイプである幅広ロールフィルタディスペンサが存在する場合、前記引出機構は、さらなる上部剛性化カレントによって、傾動モータ駆動サイドと傾動被伝動サイドとに堅固に連結された、さらなる中央引出機構を有し、前記中央引出機構は、前記2つのサイドに存在する前記機構と同様の機構によって形成され、前記機構のように動作する。
【0026】
加えて、前記引出機構の変形例では、前記下部カレント及び前記上部カレントの双方が、前記中央機構におけるスリーブ、並びに前記モータ駆動サイドおよび前記被伝動サイドにおける前記スリーブに設けられた、特別な固定着座部に収容されている。
【0027】
最後に、前記ロールフィルタディスペンサに加えて、押さえを備えた傾動引出機構が、前記ディスペンサでの使用に適合した長さの下部カレント及び横方向軸とともに存在し、加えて、モジュール式ディスペンサの場合、前記上部カレントは、さらに、前記変形例の前記傾動引出機構で使用するように適合された長さを有している。
【0028】
換気空気流入口に電動エアフィルタを提供する際の、本発明のさらなる特徴および利点は、以下に行われる、14枚の添付図面を参照する、例示的かつ非限定的な例として与えられる、構成的な形態および実施形態の説明から明らかにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明による換気空気流入口の電動エアフィルタの斜視概略図であり、ここでは、外部から吸引する空気流入口を覆うようにケーシング壁に適用され、ロール状の繊維フィルタのディスペンサ、フィルタ引出装置及び塵埃汚れフィルタ収集トレイが示されている。
【
図2】
図1の電動フィルタの概略正面図であり、破線は、空気を吸引する際にフィルタによって保護される空気流入口を示す。
【
図3】様々な位置でのフィルタ引出機構の概略断面図のうち、可動押さえを備えたフィルタのグリップの開始時を示す。
【
図4】様々な位置でのフィルタ引出機構の概略断面図のうち、押さえがフィルタを引き出すフィルタの引出時を示す。
【
図5】様々な位置でのフィルタ引出機構の概略断面図のうち、可動押さえの離脱の瞬間の引出終了工程を示す。
【
図6】様々な位置でのフィルタ引出機構の概略断面図のうち、可動押さえが出発位置に戻る動作時を示す。
【
図8】被伝動サイドの引出機構の概略斜視図である。
【
図9】モータ駆動サイドの引出機構の概略斜視図である。
【
図10】外側スリーブのない状態におけるモータ駆動サイド並びに電動フィルタの制御及びコマンドパネルを正面から見た引出機構の概略正面図である。
【
図11】外側スリーブのない状態におけるモータ駆動サイドを、引出機構の被伝動サイドとの機械的回転連結の側から見た引出機構の概略側面図である。
【
図12】外側スリーブのない状態におけるモータ駆動サイドを、引出機構の側面から見た引出機構の概略側面図である。
【
図13】外側スリーブのない状態におけるモータ駆動サイドを、引出機構の側面から見た引出機構の概略斜視図である。
【
図14】引出機構を駆動する電気モータおよび電動フィルタを駆動するためのバッテリーを示すために、外側スリーブのないモータ駆動サイドを、引出機構の下側から見た概略平面図である。
【
図15】電動フィルタの第1実施形態における、引出機構のモータ駆動サイドと被伝動サイドとの間の連結ブラケットの背面斜視図であり、ろ過すべき吸引空気のための流入口が存在するケーシングにおける磁性材料の金属部分にグリップするための、磁石を示す。
【
図17】磁石を適用して作成した
図15のブラケットの断面図である。
【
図18】引出機構のモータ駆動サイドと被伝動サイドとの間に連結ブラケットがない状態における、第2構成形態の電動フィルタの、モータ駆動サイドからの引出機構の概略斜視図であり、ケーシングへの固定磁石がモータ駆動機構および被伝動機構のスリーブに直接収容されており、吸引空気流入口を保護した状態で電動フィルタをケーシングに位置決めするとき、モータ駆動サイドと被伝動サイドとの間に水平制御テンプレートを使用する必要がある。
【
図19】
図1と同様の換気空気流入口の電動エアフィルタの斜視概略図であり、ここでは、第3構成形態の電動フィルタ引出装置は、両側サイドがともにモータ駆動され、また上述した機構のモータ駆動サイドを制御する電動フィルタ駆動ソフトウェアによって管理される電子コマンドを使用して、イーサ(Ether)を介して同期される2つのサイドを有している。
【
図20】
図19の電動フィルタの概略正面図であり、破線は、フィルタからの空気の吸引において保護される空気流入口を示し、さらに、吸引空気流入口が保護された状態で電動フィルタをケーシングに配置するときに使用されるテンプレートが示され、該テンプレートは
図18の実施形態でも使用することが可能である。
【
図21】
図1と同様の換気空気流入口の電動エアフィルタの斜視概略図であり、ここでは、第4構成形態のフィルタ引出装置は、剛性の下部ブラケットによって互いに連結された2つのモータ駆動サイドおよび被伝動サイドを有し、すなわち、上記の
図1とは異なる状態で位置決めされており、引出機構の固定は、
図18に示すように行われる、すなわち、モータ駆動サイドと被伝動サイドの双方で、各機構のスリーブに磁石が収容されている。
【
図22】
図21の電動フィルタの概略正面図であり、破線はフィルタからの空気の吸引において保護される空気流入口を示す。
【
図23】換気空気流入口の電動エアフィルタの斜視概略図であり、第5構成形態のフィルタ引出装置は、
図1のようなモータ駆動側および被伝動側の2つのサイドを有し、これらサイドは、それらの間における横方向押さえ及び下部カレントによって互いに連結される、すなわち、
図1で述べたのとは異なる状態で位置決めされており、引出機構の固定は、
図1に示されるように行われるが、この実施形態では、モータ駆動側および被伝動側の引出装置は、引出機構へのメンテナンス中のフィルタロールの導入を容易にするため、
図1のように、前記壁に磁気的に連結された支持構造に対して傾動するようになっている。
【
図24】換気空気流入口の電動エアフィルタの斜視概略図であり、第5構成形態のフィルタ引出装置は、
図1のようなモータ駆動側および被伝動側の2つのサイドを有し、これらサイドは、それらの間における横方向押さえ及び下部カレントによって互いに連結される、すなわち、
図1で述べたのとは異なる状態で位置決めされており、引出機構の固定は、
図1に示されるように行われるが、この実施形態では、モータ駆動側および被伝動側の引出装置は、引出機構へのメンテナンス中のフィルタロールの導入を容易にするため、
図1のように、前記壁に磁気的に連結された支持構造に対して傾動するようになっている。
【
図25】支持構造が閉鎖位置にある傾動引出機構の概略斜視図を示す。
【
図26】支持構造が開放位置にある傾動引出機構の概略斜視図を示す。
【
図27】引出機構がない状態における、傾動を可能にする支持構造の前面の限定的な概略斜視図を示す。
【
図28】引出機構がない状態における、傾動を可能にする支持構造の背面の限定的な概略斜視図を示す。
【
図29】傾動による開閉のための構成要素を分離した状態で、傾動引出機構の概略正面斜視図を示す。
【
図30】傾動による開閉のための構成要素を分離した状態で、傾動引出機構の概略背面斜視図を示す。
【
図31】
図23~
図24の第5構成形態の変更例の概略斜視図を示し、ここでは、フィルタの前面に相当な幅の存在の下で、上部補強カレント及び被伝動引出機構が中央位置に追加されており、この図では、構造的な傾動のバリエーションとして閉鎖位置で示されている。
【
図32】
図23~
図24の第5構成形態の変更例の概略斜視図を示し、ここでは、フィルタの前面に相当な幅の存在の下に、上部補強カレント及び被伝動引出機構が中央位置に追加されており、この図では、構造的な傾動のバリエーションとして開放位置で示されている。
【
図33】中央引出機構の変更を伴う傾動機構の概略正面図を示し、ここでは、既知タイプのモジュール式ディスペンサから引き出された適切な幅のフィルタが広げられている大きな吸引流入口に適用されている。
【
図34】上記の
図33の傾動バージョンおよび閉鎖位置にある電動フィルタの概略側面図を示す。
【
図35】
図33のC-C方向に見た、中央引出機構の、限定された概略断面図を示す。
【
図36】
図33のC-C方向に見た、中央引出機構の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1~6および15~17は、本発明による、電動フィルタの第1実施形態を示し、この電動フィルタには、フィルタ引出機構が設けられており、このフィルタ引出機構は、既知タイプのロール状フィルタ生地としてのフィルタ2のディスペンサ1を有し、フィルタは、機械ケーシング4の一部における吸引空気流入口3をカバーするように配置されており、前記機械ケーシングは、前記吸引流入口を通して吸引された空気の流れによって冷却しなければならない。引出機構5は、モータ駆動サイド6、すなわちフィルタ2を下向きに引き出す電動機構と、被伝動サイド7、すなわちモータ駆動サイドの機構と同期して機械的に伝動及び駆動され、そのセッティングで登録され、構成上はモータ駆動サイドと同一である距離分だけフィルタ2を引き出す機構と、を含んでいる。横方向軸8は、両側サイド、すなわちモータ駆動サイド6および被伝動サイド7に対して回転可能にキー連結されており、2つの引出機構の間における機械的同期を得る。横方向押さえ9は、引出機構5のフィルタ2の流入口地点に配置され、フィルタ2の引出し中、当該フィルタ2をケーシング4の壁に接触させた状態に維持することによって、そのエア吸引口3をカバーして、空気が吸引口3から正にケーシング4の壁とフィルタ2自体との間に再進入することを防止する。引出機構5の下方には、フィルタ2の収集トレイ10が配置され、当該トレイが存在しない場合の、ケーシング4の下側の床または平面に落下しないように使用される。引出機構5のモータ駆動サイド6は、コマンドに応じた適切な切替え、後述する様々な機能の制御、並びに、フィルタ2の引出距離のモード及び値のための制御パネル11を有している。
【0031】
図3~6の断面図には、レバー機構12の形状も見て取れ、これは、引出機構5のモータ駆動サイド6及び被伝動サイド7の双方で同一に作成される。
【0032】
レバー機構12は、可動レバー押さえ14が揺動するクランクボタン13であって、レバーの前端16にフィルタ2が引き出される面に向かって引出装置15を備える、該クランクボタン13と、コントラストガイドカム18と対照的に、前記レバーの後端19に設けられ、戻り段階での可動押さえ14の引離し位置決めのためのホイール17とからなり、
図6に示すように牽引の弾性手段20、即ち、通常の螺旋ばねが、レバー機構12の戻り段階において、ホイール17とコントラストカム18とを接触させた状態に維持するために設けられており、これによって、引出装置15はフィルタ2から引き離される。回転シャフト21は、クランクボタン13にキー連結されており、被伝動サイド6およびモータ駆動サイド7の双方で、端部が引出機構5のスリーブ22の外側に突出する。シャフト21の対向端部には、機械的同期のための横方向軸8がキー連結されている。回転シャフト21には、モータ駆動引出機構5のサイド6にのみ、円形カム32が、前記クランクボタンとともにクランクボタン13自体と同期して回転するように関連付けられており、この円形カムは、単一かつ非繰り返しサイクルの場合に回転を中断するよう、シャフト21の完回転を検出するマイクロスイッチ33と関連付けられている。
【0033】
引出機構5の2つのサイド間の連結は、被伝動サイド6およびモータ駆動サイド7の両サイドに固定された連結ブラケット23によって達成され、この連結ブラケット上で、フィルタ2は、引出機構5の両サイドにおけるレバー機構12の動作を伴って引出装置15によってなされる接触により引き出される。連結ブラケットもまた、フィルタ2の引出面として機能する。連結ブラケットは、モータ駆動サイド6と被伝動サイド7との間の相対位置を固定し、加えて、このブラケットは、
図15~17に示すように、ケーシング4の表面との接触を意図した表面において、フィルタ2のロールを有するディスペンサ1で使用されるように、ケーシング4の強磁性材料に対する固定用永久磁石25のためのハウジング24を有している。
【0034】
図9~14には、引出機構5のモータ駆動サイド6の内部構成も示されている。参照符号26は、回転シャフト21を駆動させる電気モータを示している。参照符号27は、電動フィルタの引出機構5の電子制御及び駆動回路基板を示しており、また、参照符号28は、電気モータ26および電子回路基板27の電源バッテリーを示している。電源は二重にすることができるが、バッテリーの代替として、通常の外部電源を用いることによって、電子基板27および電気モータ26にその動作のために給電することができる。
【0035】
図18は、引出機構29の第2構成形態が示されており、この第2構成形態において、引出機構5の2つのサイド、すなわちモータ駆動サイド6および被伝動サイド7での磁気固定機能は、上述した引出機構の両サイドにおける磁石ハウジングを有するスリーブ31の異なる構成上の変形例に収容された永久磁石30によって 直接もたらされ、引出装置15は、ケーシング4の表面上でフィルタ2に直接的に作用し。これによって、フィルタ2の引出面は、引出機構29が配置されたケーシング4の外面に対応する。
【0036】
図19~20に示した第3構成形態は、引出機構35を得るために提供されるものであり、この引出機構35には、2つのモータ駆動サイド36が得られ、これら2つのモータ駆動サイド36は、機械的に独立しているが、イーサを介して動きが同期している。両方のサイドには、上述のレバー機構12と、及びその単一のレバー機構を駆動させるための電気モータ26と、電源バッテリー28と、並びに、各モータ駆動サイド36における単一のモータ駆動機構をそれぞれ独立して駆動、制御、及び管理するための電子同期回路基板37とが設けられている。引出装置15は、ケーシング4の表面でフィルタ2に直接的に作用し、これによって、フィルタ2の引出面は、引出機構35が配置されるケーシング4の外面に対応する。電子同期回路基板37は、ソフトウェアを介して自動的に自己調整され、一方、前記電動フィルタの管理パラメータは、引出機構35の2つのモータ駆動サイド36のうち一方に存在する制御及びコマンドパネル38によって制御される。2つのモータ駆動サイド36の間の同期は、レバー機構12の回転サイクルの開始時の作動によって生じ、始動後、各レバー機構は、次のサイクルの再作動のときだけ、他方のモータ駆動サイド36におけるレバー機構との同期連携を維持するように、単一サイクルを完遂するように進行する。
【0037】
図20は、吸引流入口3によって吸引された空気のろ過によって影響を受ける機械のケーシング4の所定の位置に2つのサイドを案内するための調整可能なテンプレート39を示す。テンプレート39は、引出機構35の前記サイドの水平位置決め方向を確認するための気泡40を有している。同様のテンプレートは、
図18の第2構成形態におけるモータ駆動サイド6および被伝動サイド7の位置決めに使用しなければならない。この調整可能なテンプレートは、引出機構35だけでなく引出機構29の両サイドのスリーブを固定するための距離を規定する2つの凹部41と、及びディスペンサ1の端部46に結合し、またその幅を検出するとともにディスペンサ1を正しく水平に固定するように組立作業者を案内するための2つの丸い凹部44とを含んでいる。テンプレートの本体47は、ケース48を含んでおり、このケース48は、テンプレートの固定ロッド49に連結されており、調整可能なテンプレート39の可動ロッド50がスライドし、前記可動ロッド50の端部51は、ケース48の内側に見ることができ、組み立てられるべき前記ディスペンサの寸法に対応する端部51の位置の目盛52と比較される。ロックねじ53は、締め付けた場合、調整可能なテンプレート39の幅調整を固定状態に維持する。
【0038】
本発明による、電動フィルタの、引出機構45の第4構成形態は、
図21および22に示されており、前記引出機構のモータ駆動サイド6および被伝動サイド7は、図示の引出機構45の2つの前記サイドに接続された下部ブラケット43によって、スリーブ42に連結されている。下部連結ブラケット43は、吸引空気流入口3を有する前記機械のケーシング4に固定される際、前記機構の2つの前記サイド適正に整列させる。連結ブラケットは、ケーシング4の表面から離間しており、引き出しを邪魔することがないため、フィルタ2の引出面は、引出機構45が配置されたケーシング4の外面に対応する。
【0039】
図2、20および22には、調整可能なサポート54がさらに示されており、この調整可能なサポート54は、吸引空気流入口3の中心に向かって突出しているが、そこから離れており、また、フィルタ2と前記吸引流入口との間に挿入されているとともに引出機構のモータ駆動サイド6または36に配置されており、そこの端部に、前記フィルタ自体によって収集された塵埃によって汚れたとき、フィルタ2の表面から反射する光を検出する光学センサ55を配置している。フィルタ表面の反射輝度は、吸引された空気からろ過された塵埃による汚れのレベルに応じて変化する。即ち、新しいフィルタは最大の輝度を有しており、また汚れたフィルタは低い輝度を有している。電子信号で回路基板27に伝達されるこの判別によって、引出機構5、29、35または45のサイクルを自動的に制御することができ、最小輝度閾値に達したとき、その制御が開始される。
【0040】
図23~30には、電動フィルタ引出機構の第5形態57が示されており、この場合、構成部品、モータ駆動サイド58および被伝動サイド59は、傾動(tilting)引出機構57の固定支持構造上で傾動される。同一部品、同一機能を持つ構成要素は、同一参照符号で言及する。前記傾動引出機構57の2つのサイド58および59は、横方向押さえ9及び下部カレント61によって結合され、その傾動運動を固定構造60に対して堅固なものとする。前記傾動運動はピン62によって生じ、このピン62は、固定構造60の下部右側63の部分および下部左側64の部分に存在しており、固定構造60は、対応する回転着座部65に結合されており、前記回転着座部65は、前記傾動引出機構の傾動モータ駆動サイド58および傾動被伝動サイド59のスリーブに存在している。開放、即ち
図23および25の閉鎖位置からのロック解除は、固定構造60の上部右側68の部分および上部左側69の部分に存在する保持ノッチ67からのフックレバー66によって生ずる。この開放は、フックレバーに関連付けられているとともに第5形態の引出機構の各サイドのスリーブに固定されたグリップ面70の存在によって促進される。
【0041】
図31~37には、電動フィルタ引出機構2の第5構成形態に対する変形例72が示されており、この変形例72では、大きな吸引流入口73に対する適用例として、吸引流入口73は、広いフィルタ幅に形成されていることで知られている、国際公開第2020/089955号公報に開示されているタイプの、モジュールディスペンサ74からの、フィルタによって保護される。この明細書において、同一構成部品または同一機能を有する部品は、同一参照符号で言及される。フィルタ2の広い前面が
図33に示されており、フィルタ2の広い前面では、引出前面の幅が
図1,2、19~24のフィルタの幅よりもはるかに大きいことを考慮すると、屈曲することを避けるために、フィルタ2自体の中央部での正しい引出が必要である。引出機構72の変形例の中央部分には、中央引出機構75が配置されており、当該中央引出機構75は、モータ駆動サイド変形例76および被伝動サイド変形例77の引出機構との同期回転のために、横方向軸8によって伝動される。変形例72の引出機構の剛性化は、モータ駆動サイド76および被伝動サイド77の2つのサイドに結合された上部カレント78、ならびに、中央被伝動引出機構75を得ることによって達成される。機構の傾動(tilting)は、固定構造60の第5構成形態と同様に得られる。中央引出機構のスリーブ79は、モータ駆動サイド81および被伝動サイド82におけるスリーブにも存在する、カレントのハウジング着座部(seats)80における下部カレント61および上部カレント78の通過を可能にするため、結果として生ずる傾動構造は剛性がある。
【0042】
本発明による、換気空気流入口への電動エアフィルタの使用は、以下に開示するように行われ、ケーシング4の壁への電動フィルタの位置決めにおいて、ロール状に巻回されたフィルタ2のディスペンサ1は、吸引空気流入口3の上側に配置される。手動による使用では、前記位置決めが不正確である可能性があるが、ここに開示した電動フィルタでは、前記位置決めは、既知の形式の布材のフィルタ2の正しい引出を可能にするため、ほぼ水平方向になるように行わなければならない。
【0043】
ディスペンサ1、及びひいては、引出機構5、29、35または45の、正しい位置決めには、図示しないが、取り付けられるべき特定フィルタ2のための予定幅で得られる本体と凹部とを有する、調整可能なテンプレート39と同様の、位置決めテンプレートが使用される。この位置決めテンプレートは、ディスペンサ1の端部を受け入れるために、丸溝44に形成された凹部、ならびに、ディスペンサ1の予定幅に配置された凹部41自体を有していてもよい。
【0044】
仮に、電動フィルタ2が、代わりに、ディスペンサ1の異なる幅での引出機構29または35の使用において、その後にバリエーションを作成する可能性を有する組立セットに含まれる場合、機構自体は、フィルタ2の予め設定された幅に位置決めすることを含む、すなわち、それは、異なる吸引空気流入口3の寸法を変更しても使用することができる。この場合、前記組立セットは、既に開示された調整可能なテンプレート39に加えて、引出機構35のために、予定目盛幅52の幅での使用のための一連の押え9で構成され、また、引出機構29に必要な、一連の横方向軸8を含んでいる。この組立セットの組み合わせは、塵埃から保護する必要がある機械の異なるポイントに、即ち、ここに開示された前記電動フィルタの購入時には、その幅は知られていないが、機械を変更するときに、ユーザーが新しい機械に本発明の電動フィルタを配置したい吸引空気流入口に、電動フィルタを徐々に位置決めする必要があるユーザーにとって有用である。
【0045】
さらに、引出機構の構成によれば、構成において、部品点数を削減することができ、即ち、在庫として確保する必要がある材料を簡素化しながら、購入者に希望する幅の電動フィルタ2を、異なる幅の部品および異なる幅の押え9を組み立てることによって、或いは、連結ブラケット23または下部連結ブラケット43および横方向軸8の固定幅を有した構成形態で、迅速、容易かつ簡単に得ることができる。これら押え部品9および/または横方向軸8は、それから、開示のように、最大限の汎用性を備えた電動フィルタ組立セットに結合することができる。
【0046】
電動フィルタを組み立てた後、ユーザーは、引出操作モードを選択する。異なる引出モードにおいて、引出機構の動きは常に同じである。実際には、スイッチを入れたとき、レバー機構12は、円形カム32を動かしてマイクロスイッチ33を押すことによって、常に同じ方向に回転を開始し、これによって、クランクボタン13が回転して、レバー機構12に、
図3、4、5および6に示すすべての段階を実施させる。引出装置15をフィルタ2に押し付ける段階では、フィルタ自体は、各サイクルで、即ち、クランクボタンを回転させることによって、予め設定された長さだけ引き出される。引出装置15をフィルタに押し付ける間、ホイール17は、コントラストカム18から離れ、弾性手段20は、フィルタ2に対する引出装置15の圧力を一定に保ち続け、その圧力を確保するとともに引出しを得ることができる。回転を続けることによって、クランクボタン13は、フィルタ2から離れるように可動レバー押え14を動かして、ホイール17とコントラストカム18との間の接触によって、前記可動レバー押さえを出発位置に戻す。その位置には、円形カム32がマイクロスイッチ33に前記回転を阻止させるときに到達し、同じことが回転角度で完了する。
【0047】
モータ駆動サイド6からの回転運動は、被伝動サイド7に存在するレバー機構12に同期して機械的に伝達される。前記被伝動サイドのレバー機構12には、円形カム32およびマイクロスイッチ33のいずれも存在しない。
図19および20の第3の構成形態では、各サイドは、モータ駆動サイド36であり、相対するレバー機構12を動かすための、同じ電動および機械的手段を備えている。さらに、モータ駆動サイド36には電子同期回路基板37があり、この電子同期基盤37は、2つのレバー機構における同時進行サイクルのスイッチオンを可能にする。この場合での、モータ駆動サイドの電子制御及びコマンド回路基板27は、モータ駆動サイドの一方または双方に存在させることができる。2つの電子回路基板27の場合には、そのうちの一方だけが作動し、前記電動フィルタの動作モードを制御し、またそれが動作するモータ駆動サイドの電子同期回路基板に対してインターフェースをとる。同一モータ駆動サイドの電子制御及びコマンド回路基板並びに電子同期回路基板は、この第3構成形態では、引出機構36の単一インターフェース回路基板で一緒に得ることできる。
【0048】
さらに、その様々な形態で開示された電動フィルタは、電動フィルタの制御及びコマンド全体を統括する電子回路基板27のイーサ(Ether)接続を有している。スマートフォンでの、既知タイプのアクティブ化されたデータ接続、例えば、Wi-Fiを介しての接続は、それが制御する電動フィルタの状態に関するデータを取り交わし、電動フィルタの適正動作をチェックするメンテナンス技術者に、動作状態、フィルタ2の予想寿命、即ち、将来的にディスペンサ1を交換する必要性、並びに、電動フィルタに起こっていたかもしれない閉塞または誤作動に関する更新情報を提供する。
【0049】
第5構成形態では、フィルタ布地のロールを交換するときに新しいフィルタ2の導入を容易にするために、傾動が得られる。上述した先の構成形態は、厚いフィルタ布地を有するフィルタ2の導入おいて、不快感を与えることがあり、実際に、フィルタを交換するときに、押え9が
図1~22の位置に維持される場合、厚い布では、導入が面倒であることが判明した。したがって、
図23~37の、この第5構成形態は、中央引出装置75を有する変形例も含めて、極めて実用的であり、かつ、メンテナンス技術者が新しいロールのフィルタ2の先導端縁を、開放された引出機構57または72内に容易に導入することを可能にする。開放は、メンテナンス技術者がフックレバー66を自身の指で押すことによって動作し、対照的に、当該メンテナンス技術者は、各フックレバーの下にあるグリップ面70も押すことになる。回転することによって、傾動引出機構57または72は、押え9を連結ブラケット23から離れるように動かして、フィルタの先導端縁の導入を容易にすることを可能にする。その閉鎖は、固定構造60の、それぞれの保持ノッチ67の内側に、引出機構およびレバーフック66を再び位置決めすることによって、簡単に行われる。
【0050】
電動エアフィルタを換気空気流入口に使用することの利点は、以下のように要約することができる。
【0051】
本明細書に開示した本発明の電動フィルタは、機械的同期を有する電動フィルタ、及び電子的同期を有する電動フィルタの双方で、組み立てるのが容易である。正確なプリセット時刻若しくは長さで調時されているか否か、連続的若しくは連続的に実施される段階としてか否か、又はフィルタ有効性(光学センサ)若しくは機械に必要な機能のパラメータにおける検証による引出モードの選択において、これら選択肢は、開示した全ての構成形態の、各引出機構が存在する制御パネル11からプログラム可能であるので、容易である。つまり、イーサ(ether)を介したメンテナンス技術者に対するデータ接続の存在によって、介入タイミング、即ち開始-停止のタイミング、又はユーザーによって決定される、若しくは光学センサ55によって検出され、また電子回路基板27に伝達され、外部で、実行される電動フィルタの特定の取り付けのための設定コマンドによって制御されるフィルタ自体の目詰まりの関数としてスイッチオンすることさえある異なる駆動モードに関して設定される、特定パラメータを検証することは容易である。
【0052】
さらに、レバー機構12によって引出しを行うことは、使用済みの汚れたフィルタが巻き取られないので、実用的であり、かつ均一引出しが得られる、即ち、送出パラメータの変動に左右されることがない。外部主電源からの電力供給がない場合でさえも、動作は常に、バッテリー28によって保証される。
【0053】
さらなる利点は、本発明による電動フィルタの製造において得られる。実際に、このタイプのフィルタ製造は、フィルタ2の幅が、数十センチメートルから相当な長さに至る、1メートル若しくはそれ以上の長さことさえある寸法を得る必要がある。即ち、その全てにおける構成形態の引出機構は、倉庫を縮小する、つまり、上述のパーツを形成する部品の数を少なく維持することができるが、特定幅のディスペンサに引出機構を適合させることができるので、標準をも超える幅を有する電動フィルタを迅速に得ることができる。即ち、電動フィルタのサイズ変更は、実用的かつ経済的である。
【0054】
さらに、第5構成形態によって可能となる、フィルタ2における新しい交換ロールのフィルタ布地導入の実用性は、前記フィルタのロールの交換が高い頻度で必要な全ての装置において、特に有利である。
【0055】
最後に、この汎用性は、電動フィルタを使用するメンテナンス技術者にも提供され、当該メンテナンス技術者は、製造業者によって提供されたものではない場合に特に使用しなければならないフィルタ2の幅に、電動フィルタを位置決めすることができる。この場合、
図19および20で分かるように、想定外の幅に適合させるべき唯一の部品は押さえ9であり、その一方で、調整可能なテンプレート39は、使用可能な幅目盛52の中間値に調整することもできる。
【0056】
明らかに、当業者は、特定の偶発的な要件を満たすために、上述のように、換気空気流入口の電動エアフィルタに多数の変更を加えることができるが、それらのすべては、特許請求の範囲によって定義された本発明の技術的範囲内に含まれる。さらに、フィルタ収集トレイ10は、その使用はメンテナンスユーザーの選択であるので、随意的である。