IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ギョーザ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】シャワー・ヘッド・インサート
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/18 20060101AFI20241213BHJP
   A47K 3/28 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
B05B1/18 101
A47K3/28
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022516042
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2020075575
(87)【国際公開番号】W WO2021048425
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】1913116.8
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520001305
【氏名又は名称】ギョーザ・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】GJOSA SA
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガベラ、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ガンショフ ヴァン デル メールシュ、ニコラス
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-517203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/18
A47K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を霧化させて水の液滴を作り出すために衝突する水ジェットを作り出すように構成された少なくとも2つのノズル(30)をそれぞれが有する少なくとも2つの水ノズル・カートリッジ(5)と、
前記少なくとも2つの水ノズル・カートリッジに液体を供給するための射出成形された一体の水分配システム(4)と、
を備えるタイプのシャワー・ヘッド・インサート(1)であって、
前記水分配システムが、
前記水ノズル・カートリッジ(5)を受け入れるための少なくとも2つのソケット(12A、12B、12C)と、
前記少なくとも2つのソケット(12A、12B、12C)の第1のソケット(12A)と液体連通している中央水入口導管(11)と、
前記第1のソケット(12A)前記少なくとも2つのソケット(12A、12B、12C)の第2のソケット(12B)との間の高圧液体連通を提供する狭口径導管(14)と、
を備え、
前記狭口径導管が、射出成形後に前記ソケットの少なくとも1つの開口端部を通じて導管内側鋳型ニードルを前記導管から除去することを可能にするために角度を付けられる、シャワー・ヘッド・インサート(1)。
【請求項2】
前記狭口径導管が、角度を付けられ、且つ、上向きセクション(17)及び下向きセクション(18)を含む、請求項1に記載のシャワー・ヘッド・インサート。
【請求項3】
前記狭口径導管が、近位の上向きセクション(17)と、1つ又は複数の遠位の下向きセクション(18)とを含む、請求項2に記載のシャワー・ヘッド・インサート。
【請求項4】
前記水分配システム()が、水ノズル・カートリッジ(5)の受入れのための少なくとも3つのソケット(12A、12B、12C))を備え、前記狭口径導管(14)が、近位の上向きセクション(17)と、少なくとも2つの遠位の下向きセクション(18A、18B)とを含む、請求項3に記載のシャワー・ヘッド・インサート。
【請求項5】
各水ノズル・カートリッジ(5)が、流体的に密な態様で前記ソケット内に嵌合するように構成され、且つ、前記カートリッジが前記ソケット内に嵌合されたときに前記水ノズル・カートリッジの周りに水のためのチャネルを画定する腰セクション(27)を備える、請求項1から4までのいずれか一項に記載のシャワー・ヘッド・インサート。
【請求項6】
各水ノズル・カートリッジの前記2つのノズル(30)のそれぞれのための入口(31)が、前記水ノズル・カートリッジの前記腰セクション(27)に配置される、請求項5に記載のシャワー・ヘッド・インサート。
【請求項7】
前記水ノズル・カートリッジが、射出成形される、請求項1からまでのいずれか一項に記載のシャワー・ヘッド・インサート。
【請求項8】
シャワー・ヘッド体内に配置された請求項1からまでのいずれか一項に記載のシャワー・ヘッド・インサート(1)を備える、シャワー・ヘッド。
【請求項9】
前記シャワー・ヘッド体が、前記シャワー・ヘッド・インサートを封入するために一緒にクリップ留まりする上側部品(2)及び下側部品(3)を含む、請求項に記載のシャワー・ヘッド。
【請求項10】
液体を霧化させて水の液滴を作り出すために衝突する水ジェットを作り出すように構成された少なくとも2つのノズル(30)をそれぞれが有する少なくとも2つの水ノズル・カートリッジ(5)と、
前記少なくとも2つの水ノズル・カートリッジに液体を供給するためのものであり、且つ、前記水ノズル・カートリッジ(5)を流体的に密な態様で受け入れるための少なくとも2つのソケット(12A、12B、12C)、前記少なくとも2つのソケット(12A、12B、12C)の第1のソケット(12A)と液体連通している中央水入口導管(11)、及び、前記第1のソケット(12A)前記少なくとも2つのソケット(12A、12B、12C)の第2のソケット(12B)との間の高圧液体連通を提供するための狭口径導管(14)を含む、射出成形された水分配システム(4)と、
を備えるタイプのシャワー・ヘッド・インサート(1)であって、
各水ノズル・カートリッジが、開口頂部を含む上側セクション(25)と、開口底部を含む中空下側セクション(26)と、使用時に前記カートリッジが前記シャワー・ヘッド・インサートのソケット内に嵌入されたときに前記水ノズル・カートリッジの周りに水のためのチャネルを画定する、前記上側セクションと前記中空下側セクションとの間に配置された腰セクション(27)と、を有する本体を備え、各ノズルが、前記腰セクションの外側表面上に配置された入口(31)と、前記水ジェットが前記中空下側セクション内で衝突するように前記水ジェットを前記中空下側セクション内へ向かわせるように構成された出口(32)と、を備える、シャワー・ヘッド・インサート(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧水の衝突噴流から水の霧状液滴を作り出すタイプのシャワー・ヘッドのためのシャワー・ヘッド・インサートに関する。
【背景技術】
【0002】
より少量の水をより高い圧力で用いる節水シャワー・ヘッドが、EP2204508で説明されている。このシャワー・ヘッドは、液体を霧化させて水の霧状液滴を作り出すために衝突する水ジェットを作り出すように構成された少なくとも2つのノズルを有する少なくとも1つのノズル体を用いる。このシャワー・ヘッドは、コンベンション・シャワー・ヘッドによる11l/minとは対照的に、2l/minの水を使用することが報告された。ノズル体は、EP2204508の図13及び14、並びにWO2011/054120に示されている。2つ以上のノズル体を含むシャワー・ヘッドが、Gjosa SA社によって製造されている。この設計では、3つのノズル体(カートリッジ)と、約3バールにおいて水をカートリッジに分配するように構成された3つのカートリッジ受入ソケットを含む水分配システムと、を有するシャワー・インサートが提供される。水分配システムは、第1のカートリッジ受入ソケットと流体連通している中央水入口導管と、狭口径導管を介して第1のカートリッジ受入ソケットと流体連通している第2及び第3のカートリッジ受入ソケットとを有する。3つのカートリッジ受入ソケットは、水分配システムの中央部の周りに配置され、狭口径導管は、中央セクションの周りで湾曲する。狭口径導管が湾曲しているという事実は、それにより内側鋳型の除去が妨げられるので、水分配システムを一体に射出成形することができないことを意味する。中央セクションは、システムをシャワー・ヘッド体に固定するための手段を含み、いったんシステムがシャワー・ヘッド体に固定されると、第1のソケットから第2及び第3の導管に高圧水を供給する狭口径導管を流体的に密閉するために、中央セクションの上に密閉クロージャが貼り付けられる。ソケットのそれぞれは、頂部が閉じられ底部が開かれた部品を有し、カートリッジは、底部からソケットに挿入されてソケット内の所定の位置までねじ込まれるように構成される。高圧水は、各ノズル体の頂部における頂部ヘッドスペース及び2つの小さな穴において、各ソケットに侵入する。
【0003】
したがって、水分配システムは、射出成形される本体、中央セクションの密閉クロージャ、密閉Oリング、及び3つのねじの、6つの部品を有し、カートリッジの挿入の前に組み立てられる必要がある。一体射出成形部品として水分配システムを提供することが、好ましい。さらに、カートリッジは、カートリッジの頂部におけるノズルを通じて加圧水を受け入れるように設計され、これは、カートリッジがソケットから押し出されてユーザに接触するという関連する危険性を伴う、ソケット内のカートリッジ内に及ぼされる下向きの圧力をもたらす。
【0004】
シャワー・ヘッド・インサートは、米国特許第4415123号、英国特許第2033251号、米国特許第2008223957号、及び米国特許第5397064号で説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】EP2204508
【文献】WO2011/054120
【文献】米国特許第4415123号
【文献】英国特許第2033251号
【文献】米国特許第2008223957号
【文献】米国特許第5397064号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記で言及された問題のうちの少なくとも1つを克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、1つの実施例では一体に射出成形され得る水分配システムを有することにより従来技術の問題に対処する、上記で言及されたタイプのシャワー・ヘッドのためのインサートを提供する。これは、射出成形後にソケットの開口端部を通じて内側鋳型インサート(ニードル)を導管から除去することを可能にするように第1のソケットと第2のソケットとの間の狭い導管が構成されるように水分配システムを再設計することによって達成される。示された実施例では、導管は、角度が付けられ、且つ、直線状の上方に依存するセクション(upwardly depending section)と、内側鋳型インサート(ニードル)がソケットの開口部を通じて導管の各端部から除去されることを可能にする下方に依存するセクション(downwardly depending section)とを備える。これは、第1の内側鋳型ニードル(図示せず)が射出成形後に第1のソケットの開口底端部を通じて導管から除去されることを可能にするためにある角度で配置された導管の上方に依存するセクションを示す図6Bに示されている。下向きの第2及び第3の導管を射出成形するために使用される第2及び第3の内側鋳型ニードルに対しても、同じことが行われ得る。
【0008】
第1の態様では、本発明は、
それぞれが液体を霧化させて水の液滴を作り出すために衝突する水ジェットを作り出すように構成された少なくとも2つのノズルを有するタイプのものである、少なくとも2つの水ノズル・カートリッジと、
少なくとも2つの水ノズル・カートリッジに高圧液体を供給するための射出成形された水分配システムと、
を備えるタイプのシャワー・ヘッド・インサートであって、水分配システムが、
水ノズル・カートリッジを受け入れるためのものであり且つ少なくとも1つの開口端部を有する少なくとも2つのソケットと、
第1のソケットと液体連通している中央水入口導管と、
第1のソケットと第2のソケットとの間の高圧液体連通を提供する狭口径導管と、
を備え、
狭口径導管が、射出成型後にソケットの少なくとも1つの開口端部を通じて導管内側鋳型ニードルを導管から除去することを可能にするように構成された、シャワー・ヘッド・インサートを提供する。
【0009】
別の態様では、本発明は、液体を霧化させて水の液滴を作り出すために衝突する水ジェットを作り出すように構成された少なくとも2つのノズルをそれぞれが有する少なくとも2つの水ノズル・カートリッジを備えるタイプのシャワー・ヘッド・インサートのための水分配システムであって、
水ノズル・カートリッジを受け入れるための少なくとも2つのソケットと、
第1のソケットと液体連通している中央水入口導管と、
第1のソケットと第2のソケットとの間の高圧液体連通を提供する狭口径導管と、
を備え、
狭口径導管が、射出成形後にソケットの少なくとも1つの開口端部を通じて導管内側鋳型ニードルを導管から除去することを可能にするように構成された、水分配システムを提供する。
【0010】
1つの実施例では、狭口径導管は、角度を付けられ、且つ、典型的には、第1のソケットと流体連通している第1のセクション(即ち、近位セクション)と、少なくとも第2のソケットと流体連通している少なくとも1つの第2のセクション(即ち、遠位セクション)とを有し、それらのセクションは、同軸ではない。
【0011】
1つの実施例では、第1のセクションは、上方に依存しており、第2の又は各第2のセクションは、下方に依存している。これは、上方に依存するセクション17及び2つの下方に依存するセクション18を示している図8A及び8Bに示される。この実施例では、内側鋳型ニードルは、ソケットの開口底端部を通じて除去される。
【0012】
別の実施例では、第1のセクションは、下方に依存しており、第2のセクションは、上方に依存している。この実施例では、内側鋳型ニードルは、ソケットの開口頂部を通じて除去され得る。
【0013】
1つの実施例では、ソケットは、両端が開口している。
【0014】
1つの実施例では、水分配システムは、水ノズル・カートリッジの受取りのための少なくとも3つのソケットを備え、狭口径導管は、上方に依存するセクションと、少なくとも2つの下方に依存するセクションとを備える。導管は、図6Aに示されるように、全体的に三脚形状とされ得る。
【0015】
シャワー・ヘッド・インサートは、3つ、4つ、又はそれより多くのカートリッジと、3つ、4つ、又はそれより多くの導管の受入れのためのソケットを含む水分配システムと、を備え得る。ほとんどの実施例では、狭口径導管は、加圧液体を第1のソケットから他のソケットに提供するために、分岐している。しかし、より多くの狭口径導管を含む水分配システムを有するインサートが、本発明の範囲に含まれる。
【0016】
1つの実施例では、水分配システムは、水ノズル・カートリッジの受取りのための少なくとも3つのソケットを備え、狭口径導管は、近位の上方に依存するセクションと、少なくとも2つの遠位の下方に依存するセクションとを含む。
【0017】
1つの実施例では、各水ノズル・カートリッジは、流体的に密な態様でソケット内に嵌合するように構成され、且つ、カートリッジがソケット内に嵌合されたときに水ノズル・カートリッジの周りに水のためのチャネルを画定する腰セクションを備え、それにより、中央水入口導管及び狭口径導管の近位セクションは、チャネルと流体連通する。これは、ソケットの中間セクションでのソケット内への加圧水の供給を可能にして、同等な上向きの力と下向きの力とをソケット内のカートリッジに及ぼし、この力は実際には相殺し、それによりソケット内のカートリッジを安定させる。これは、加圧水の受入れのためにカートリッジの上方にヘッドスペースを設けるようにカートリッジとソケットとが設計されている従来技術に勝る利点であり、ヘッドスペースは、実際には、ユーザの負傷につながるシャワー・ヘッドからのカートリッジの放出という、結果として生じる危険性を伴って、カートリッジに下向きの力を及ぼす。
【0018】
1つの実施例では、カートリッジの上側セクション及び下側(スカート)セクションは、カートリッジの周りのチャネルを流体的に密閉するための密閉手段を備える。1つの実施例では、密閉手段は、1つの又は弾性的に変形可能な密閉リングを含む。1つの実施例では、上側セクション及び下側セクションは、密閉リングと、場合により環状密閉リングを設置するための環状ソケットとを含む。1つの実施例では、上側セクションは、1つの環状密閉リングを含み、下側セクションは、2つ以上の環状密閉リングを含む。1つの実施例では、カートリッジの下側セクションにおける環状密閉リングは、異径のものであり、その密閉リングの直径は、下側セクションの底部に向かって大きくなる。
【0019】
1つの実施例では、各水ノズル・カートリッジの2つのノズルのそれぞれのための入口は、典型的には腰セクションの両側で、水ノズル・カートリッジの腰セクション内に配置される。1つの実施例では、カートリッジの下側セクションは、中空であり、ノズル出口は、中空の下側セクション内で衝突する水ジェットを作り出すように構成される。
【0020】
1つの実施例では、水ノズル・カートリッジは、ソケット内にスナップ嵌合するように構成される。
【0021】
1つの実施例では、水ノズル・カートリッジは、ソケットの頂部に係合するように構成された上方に依存するアームを備える。
【0022】
1つの実施例では、インサートは、シャワー・ヘッド体に付着し且つ水分配システムにクリップ留まりするように構成されたベース取付け具を備える。
【0023】
1つの実施例では、水ノズル・カートリッジは、射出成形される。
【0024】
別の態様では、本発明は、シャワー・ヘッド体内に配置された本発明によるシャワー・ヘッド・インサートを備えるシャワー・ヘッドを提供し、ここで、シャワー・ヘッド体は、典型的には、シャワー・ヘッド・インサートを封入するために一緒にクリップ留まりする上側部品及び下側部品を含む。典型的には、上側部品又は下側部品のうちの一方(一般に、下側部品)は、典型的にはスナップ嵌合構造により、ベース取付け具に結合するように構成される。1つの実施例では、シャワー・ヘッド体は、シャワー・ヘッド・インサートの周りにオーバモールドされる。
【0025】
別の態様では、本発明は、流体的に密な態様でシャワー・ヘッドのソケット内に嵌合するように構成された本体を有し、且つ、液体を霧化させて水の液滴を作り出すために衝突する水ジェットを作り出すように構成された少なくとも2つのノズルを含む、水ノズル・カートリッジを提供し、本体は、上側セクション、下側セクション、及び、カートリッジがソケット内に嵌合されたときに水ノズル・カートリッジの周りに液体のためのチャネルを画定する腰セクションを有する。ノズルのための入口が、腰セクションの外側表面上に配置される。下側セクションは、スカート・セクションを提供するために中空であってよく、ノズル出口は、水ジェットをスカート・セクションに向かわせてスカート・セクション内で衝突させるように構成されてよい。これは、均質な液滴直径を有する均質な液体のジェットを作り出す。一般に、スカートは、液体のジェットが衝突する場所より下に延在する。1つの実施例では、カートリッジの上側セクション及び下側セクションは、カートリッジの周りのチャネルを流体的に密閉するための密閉手段を備える。1つの実施例では、密閉手段は、1つの又は弾性的に変形可能な密閉リングを含む。1つの実施例では、上側セクション及び下側セクションは、環状密閉リングを設置するための環状ソケットを含む。1つの実施例では、上側セクションは、1つの環状密閉リングを含み、下側セクションは、2つ以上の環状密閉リングを含む。1つの実施例では、カートリッジの下側セクションにおける環状密閉リングは、異径のものであり、その密閉リングの直径は、下側セクションの底部に向かって大きくなる。
【0026】
1つの実施例では、水ノズル・カートリッジは、ソケット内にスナップ嵌合するように構成される。
【0027】
1つの実施例では、水ノズル・カートリッジは、ソケットの頂部に係合するように構成された上方に依存するアームを備える。
【0028】
別の態様では、本発明は、
それぞれが、液体を霧化させて水の液滴を作り出すために衝突する水ジェットを作り出すように構成された少なくとも2つのノズルを有するタイプのものである、少なくとも2つの水ノズル・カートリッジと、
水ノズル・カートリッジを受け入れるための少なくとも2つのソケットを備える少なくとも2つの水ノズル・カートリッジに加圧液体を供給するための射出成形された水分配システムと、
第1のソケットと液体連通している中央水入口導管と、
第1のソケットと第2のソケットとの間の高圧液体連通を提供する狭口径導管と、
を備えるタイプのシャワー・ヘッド・インサートであって、
各水ノズル・カートリッジが、流体的に密な態様でソケット内に嵌合するように構成され、且つ、上側セクションと、中空の下側セクションと、カートリッジがソケット内に嵌合されたときに水ノズル・カートリッジの周りに液体のためのチャネルを画定する腰セクションとを有する本体を備え、各ノズルが、腰セクションの外側表面上に配置されたノズル入口(31)と、水ジェットを中空の下側セクション内へ向かわせるように構成されたノズル出口(32)とを備える、シャワー・ヘッド・インサートを提供する。
【0029】
1つの実施例では、カートリッジの上側セクション及び下側セクションは、カートリッジの周りのチャネルを流体的に密閉するための密閉手段を備える。1つの実施例では、密閉手段は、1つ又は複数の弾性的に変形可能な密閉リングを備える。1つの実施例では、上側セクション及び下側セクションは、環状密閉リングを設置するための環状ソケットを含む。1つの実施例では、上側セクションは、1つの環状密閉リングを含み、下側セクションは、2つ以上の環状密閉リングを含む。1つの実施例では、カートリッジの下側セクションにおける環状密閉リングは、異径のものであり、その密閉リングの直径は、下側セクションの底部に向かって大きくなる。
【0030】
1つの実施例では、カートリッジの下側セクションは、中空であり、ノズルのための出口が、液滴を霧化させるために中空の下側セクション内で衝突する水のジェットを作り出すように構成される。
【0031】
別の態様では、本発明は、水分配システムを射出成形するステップと、ソケットの開口端部を通じて狭口径導管のための内側鋳型ニードルを射出成形された水分配システムから除去するステップと、シャワー・ヘッドを形成するために構成要素を組み立てるステップと、を含む、本発明のシャワー・ヘッドを形成する方法を提供する。
【0032】
本発明の他の態様及び好ましい実施例は、以下に提示される他の請求項において定められ且つ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】上方から示された、本発明によるシャワー・ヘッドの斜視図である。
図2】下方から示され、また、3つの水ノズル・カートリッジを示す、本発明によるシャワー・ヘッドの斜視図である。
図3】水ノズル・カートリッジのうちの1つを示す、図2の一部分の詳細図である。
図4A】従来技術の水ノズル・カートリッジの(比較の)図である。
図4B】従来技術の水ノズル・カートリッジの(比較の)図である。
図5A】本発明の水ノズル・カートリッジ及び本発明のインサートの形成部分の図である。
図5B】本発明の水ノズル・カートリッジ及び本発明のインサートの形成部分の図である。
図6】2部品シャワー・ヘッド体、水分配システム、3つの水ノズル・カートリッジ、及びベース取付け具を示す、図1のシャワー・ヘッドの分解組立図である。
図7A】シャワー・ヘッド体の底部内の所定の位置にクリップ留めされた本発明のシャワー・ヘッド・インサートの上方からの斜視図である。
図7B】ソケットのうちの2つのソケット及び狭口径導管の一部の内側を示す破断部を含む、水分配システムの破断部を含む斜視図である。
図8A】本発明の水分配システムの上方からの斜視図である。
図8B図8Aの線I-Iに沿った断面図である。
図8C】システムの中央高さにおける、水分配システムの断面の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書において挙げられる全ての刊行物、特許、特許出願、及び他の参考文献は、あたかもそれぞれの個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照により組み込まれることが明確に且つ個別に示されているかのように、また、その内容が完全に記載されているかのように、あらゆる目的のために全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
本明細書において使用される場合、また、そうでないことが明確に示されていない限り、以下の用語は、その用語が当技術分野において持つ任意のより広い(又はより狭い)意味に加えて、以下の意味を有するように意図されている。
【0036】
そうでないことが文脈によって求められていない限り、本明細書における単数形の使用は、複数形を含むと読まれるべきであり、その逆も同様である。ある主体に関連して使用される「a」又は「an」という用語は、その主体のうちの1つ又は複数を指すと読まれるべきである。したがって、「a」(又は「an」)、「1つ又は複数の」、及び「少なくとも1つの」という用語は、本明細書において互換的に使用される。
【0037】
本明細書において、「comprise(備える、含む)」という用語、又は「comprises」若しくは「comprising」などのその変形は、任意の記載された完全体(例えば、特徴、要素、特性、性質、方法/プロセス・ステップ、若しくは制限)又は完全体の群(例えば、特徴、要素、特性、性質、方法/プロセス・ステップ、若しくは制限)の包含を示すが任意の他の完全体又は完全体の群の除外を示さないと読まれるべきである。したがって、本明細書において、「comprising」という用語は、包括的又は無制限なものであり、且つ、記載されていない追加の完全体又は方法/プロセス・ステップを除外するものではない。
【0038】
本発明の水ノズル・カートリッジ及び水分配システムは、水以外の液体、例えば洗剤、化粧品組成物、及び皮膚科学組成物などの水溶性及び非水溶性の溶液とともに使用され得ることが、理解されるであろう。
【0039】
次に、本発明は、特定の実例を参照して説明される。これらは、例示的なものにすぎず、且つ、単に例証目的のものである。それらは、特許請求される専売権の範囲又は説明される本発明を多少なりとも限定するようには意図されていない。これらの実例は、本発明を実施するために現在意図されている最良の形態を構成する。
【0040】
図6を参照すると、全体的に参照番号1によって示され、且つ、上側部品2及び下側部品3を含むシャワー体と、射出成形された水分配システム4と、3つの水ノズル・カートリッジ5と、ベース取付け具6と、クランプ・リング7とを備える、本発明によるシャワー・ヘッドが示されている。
【0041】
図7及び8も参照すると、水分配システムは、第1の入口13Aを通じて第1のソケット12A内に供給する中央水入口11を備える。狭口径導管14が、第1のソケット12Aから出口15を介して第2のソケット12B及び第3のソケット12Cまで流体連通を提供する。狭口径導管14は、2つの遠位の下方に依存するセクション18A及び18Bに分岐する近位の上方に依存するセクション17を備え、下方に依存するセクション18Aは、第2のソケット12B内に供給し、下方に依存するセクション18Bは、第3のソケット12C内に供給する。図8Bに示されるように、近位の上方に依存するセクション17は、射出成形後に内側鋳型ニードル(図示せず)が第1のソケット12Aの開口基部20を通じて導管セクション17から後退されることを可能にするために、角度を付けられる。同様に、遠位の下方に依存するセクション18A及び18Bは、射出成形後に内側鋳型ニードル(図示せず)が第2及び第3のソケット12B、12Cの開口基部21を通じて導管セクション17から後退されることを可能にするために、角度を付けられる。示されていないが、内側鋳型ニードルがソケットの開口頂部を通じて除去され得るようにシステムを設計することが可能であり、これは、反転した形態で狭口径導管を設けることを伴うはずである。
【0042】
図5A及び5Bを参照すると、本発明の水ノズル・カートリッジ5が、より詳細に示されている。カートリッジ5は、中空上側セクション25、中空下側セクション26、及び上側セクションと下側セクションとの間に配置された腰セクション27を含む本体を備える。腰セクションの目的は、カートリッジがソケット内に嵌合されたときにカートリッジの周りに環状水チャネルを提供するためのものである。環状座40(図5B)が、ゴム密閉リング41(図5A)の受入れのためにカートリッジの上側セクション及び下側セクション上に設けられ、ゴム密閉リング41は、使用に際して、ソケット内のカートリッジを流体的に密閉し、且つ、腰セクション27とともに流体的に密閉して、腰セクションの上方又は下方でソケットから水が漏れないことを確実にし、それにより、動作上の水圧を維持する。腰セクション27は、腰セクションの外側面上に配置された入口31と下側セクション26内に水ジェットを発射するように配置された出口32とを有する、角度を付けられた2つのノズル30(破線で示される)を含み、下側セクション26では、水ジェットが中空下側セクションの内側で衝突し、霧化して、液滴を作り出す。ロッキング・クリップ35が、カートリッジの頂部に設けられて、使用時にはソケットの頂部リップ36にクリップ留まりで係合する。比較すると、また、比較用の図4A及び4Bを参照すると、カートリッジは、ずんぐりしており、且つ、加圧水が供給される水入口を頂部Aに有し、それにより、カートリッジに対して下向きの圧力がもたらされるので、カートリッジがソケットとねじ式係合する(threadingly engage)ことを可能にするためにカートリッジがねじ山Bを有することが必要になる。
【0043】
図1~3に示されるように、シャワー・ヘッド体の下側部品3は、ベース取付け具6(水分配システムに付着される)が嵌入する三角形の切欠き40を備える。図2及び3は、シャワー・ヘッドの下面を示し、ここでは、カートリッジ5の下端部及び水出口32が見られる。
【0044】
部品は全て、射出成形によって作られる。示された実施例では、また、図6を参照すると、シャワー・ヘッドは、8つの部品を含み、そのうちの1つは、一体に射出成形され得る水分配システムである。シャワー・ヘッドは、最初に導管から内側鋳型ニードル(この実施例では3つのニードル)を除去し、次いでソケットの開口下端部を介して3つのカートリッジをそれらのそれぞれのソケットに挿入することによって組み立てられる。次いで、ベース取付け具が水分配システムに付着され、そして、その両方がシャワー・ヘッド体の下側部品に付着される。最後に、シャワー・ヘッド・フィッティングの下部が下側部品にクリップ留めされ、密閉リングが嵌合される。
【0045】
使用に際して、中央水入口導管は、上水道に取り付けられ、水が出される。高圧水は、入口導管を通り、カートリッジの腰セクションとソケットとによって画定された環状導管内へ移動し、環状導管において、高圧水は、カートリッジの下側セクションの中空セクションの内側に2つの高圧水の衝突噴流を作り出す2つのノズルに入る。環状導管内の高圧水はまた、狭口径導管に入って第2及び第3のソケットへ移動し、第2及び第3のソケットにおいて、高圧水は、対応する環状導管に入り、且つ、第2及び第3の導管のノズルに入って、カートリッジごとに2つの高圧水の衝突噴流を作り出す。したがって、シャワー・ヘッドは、霧状水滴のシャワーを作り出すために霧化する3対の衝突水ジェットを作り出す。
【0046】
均等物
上述の説明は、本発明の目下好ましい実施例を詳述する。これらの説明を考慮すれば、それらの実際上の多くの修正及び変形が当業者に思い浮かぶことが予期されている。それらの修正及び変形は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
図1
図2-3】
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C