(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】単位セル、これを含む太陽電池、および太陽電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20241213BHJP
H01L 31/18 20060101ALI20241213BHJP
H01L 31/043 20140101ALI20241213BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01L31/04 460
H01L31/04 510
(21)【出願番号】P 2022520556
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(86)【国際出願番号】 KR2020013035
(87)【国際公開番号】W WO2021075756
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0129880
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504210651
【氏名又は名称】ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ジュン バエ
(72)【発明者】
【氏名】カン ジュン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ムン ヒャン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ミン ソン キ
(72)【発明者】
【氏名】セオ ジオン ホ
(72)【発明者】
【氏名】シン ウォン スク
(72)【発明者】
【氏名】シン ヒュン キョ
(72)【発明者】
【氏名】ユーン ヤン タエ
(72)【発明者】
【氏名】リム キャン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ファン チュル ジュ
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-501540(JP,A)
【文献】特開2019-004135(JP,A)
【文献】特表2015-534288(JP,A)
【文献】特開平06-140651(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106531829(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0301801(US,A1)
【文献】特表2017-517145(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0325282(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108899387(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/078
H01L 31/18-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を複数の片に分離するための複数の分離部が形成された前記基板を準備する基板準備工程、
前記基板の一面に導電性を有する複数の第1母電極を形成する第1電極形成工程、
前記第1母電極を硬化させる第1キュアリング工程、
前記基板の他面に導電性を有する未硬化状態の複数の第2母電極を形成する第2電極形成工程、
前記分離部を介して、前記基板を複数の片に分離することによって
、第1単位セル及び第2単位セルを含む複数の単位セルを形成する分離工程、および
未硬化状態の前記第2母電極を介して、前記単位セルを接合させる接合工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項2】
前記接合工程が行われた後、結合した
前記単位セルを硬化させる第2キュアリング工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項3】
前記第1単位セル
は、第1単位基板上に形成され導電性を有する第1セル電極を含み、
前記第2単位セルは、第2単位基板上に形成され導電性を有する第2セル電極を含み、
前記第2セル電極と前記第1セル電極は、接合物質なしに互いに接合して、前記第2単位セルと前記第1単位セルを結合させることを特徴とする
、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項4】
前記第1セル電極
は、前記第1単位基板の一面と他面それぞれに形成された第1下部セル電極と第1上部セル電極を含み、
前記第2セル電極は、前記第2単位基板の一面と他面それぞれに形成された第2下部セル電極と第2上部セル電極を含み、
前記第2下部セル電極と前記第1上部セル電極が互いに接合することによって、前記第2単位セルと前記第1単位セルを結合させることを特徴とする、請求項3に記載の太陽電池
の製造方法。
【請求項5】
前記第1上部セル電極
は、前記第2下部セル電極が接合することによって厚さが減少するように
、未硬化状態で形成され
ることを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池
の製造方法。
【請求項6】
前記第2下部セル電極と前記第1上部セル電極の少なくともいずれか一つの電極
は、前記第2単位セルと前記第1単位セルを結合させる
ように、未硬化状態で形成されることを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池
の製造方法。
【請求項7】
前記第1上部セル電極
は、第1厚さを有するように形成され、
前記第2下部セル電極は、第2厚さを有するように形成され、
前記第2下部セル電極と前記第1上部セル電極が接合することによって形成される前記第1単位セルと前記第2単位セルの間の第3厚さは、前記第2厚さと前記第1厚さを合計した値と比較して小さい値を有することを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池
の製造方法。
【請求項8】
前記第2下部セル電極と前記第1上部セル電極
は互いに接合
し、前記第2単位セルと前記第1単位セルが離隔した第1軸方向
について、一部が互いに重畳するように配置され
ることを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池
の製造方法。
【請求項9】
前記第2下部セル電極と前記第1上部セル電極が互いに接合
される場合、
前記第2下部セル電極と前記第1上部セル電極は同じ厚さを有するように形成されることを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池
の製造方法。
【請求項10】
前記第1セル電極および前記第2セル電極
は、共に同じ物質で形成されて互いに接合
されることを特徴とする、請求項3に記載の太陽電池
の製造方法。
【請求項11】
前記第1上部セル電極
は、前記第2下部セル電極
に接合
される第1接合電極を含み、
前記第1接合電極は、前記第2下部セル電極に向いた第1接合面、および前記第1接合面に形成された挿入溝を含むことを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池
の製造方法。
【請求項12】
前記第1接合電極
は、
その内側に前記挿入溝
が配置されるように形成され
る第1接合フィンガーバーをさらに含み、
前記第1接合フィンガーバーは、前記第1単位セルと前記第2単位セルが離隔した方向に対して垂直な方向に沿って形成された第1接合フィンガー部材、および前記第1接合フィンガー部材に結合した第2接合フィンガー部材を含むことを特徴とする、請求項11に記載の太陽電池
の製造方法。
【請求項13】
前記第1上部セル電極
は、前記第1接合電極に結合
された第1未接合電極を含み、前記第1未接合電極は、互いに離隔するように配置された複数の第1未接合フィンガーバーを含むことを特徴とする、請求項11に記載の太陽電池
の製造方法。
【請求項14】
前記第2下部セル電極
は、前記第1接合電極に接合
される第2接合電極を含み、
前記第2接合電極は、前記第1接合電極に向いた第2接合面を含み、
前記第2接合面は、前記第2接合電極と前記第1接合電極が互いに接合
される前に、平坦な平面形態に形成され
ることを特徴とする、請求項11に記載の太陽電池
の製造方法。
【請求項15】
前記第2下部セル電極
は、前記第1接合電極に結合した第2接合電極を含み、
前記第2接合電極は、前記第1接合電極に接合
され前記挿入溝に挿入される挿入部材を含むことを特徴とする、請求項11に記載の太陽電池
の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池(Solar Cell)に関するものであり、基板型太陽電池と薄膜型太陽電池を組み合わせた太陽電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、半導体の性質を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換させる装置である。
【0003】
太陽電池は、P(positive)型半導体とN(negative)型半導体を接合させたPN接合構造をしており、このような構造の太陽電池に太陽光が入射すると、入射した太陽光が有しているエネルギーによって前記半導体内で正孔(hole)および電子(electron)が発生し、このとき、PN接合で発生した電界によって前記正孔(+)は、P型半導体の方に移動し、前記電子(-)は、N型半導体の方に移動するようになって電位が発生するようになることで電力を生産できるようになる。
【0004】
このような太陽電池は、一般的に基板型太陽電池と薄膜型太陽電池に区分することができる。
【0005】
前記基板型太陽電池は、シリコンウエハのような半導体物質自体を基板に用いて太陽電池を製造したものであり、前記薄膜型太陽電池は、ガラスなどの基板上に薄膜の形態で半導体を形成して太陽電池を製造したものである。
【0006】
前記基板型太陽電池は、前記薄膜型太陽電池に比べて効率が優れている利点があり、前記薄膜型太陽電池は、前記基板型太陽電池に比べて製造コストが低減される利点がある。
【0007】
そこで、前記基板型太陽電池と薄膜型太陽電池を組み合わせた太陽電池が提案されたことがある。以下、図を参照して従来の太陽電池について説明する。
【0008】
従来技術による太陽電池の製造方法は、以下のような工程を含む。
【0009】
まず、複数の分離部が形成された基板を準備する工程を行う。前記分離部は、前記基板を複数の片に分離するためのものである。
【0010】
次に、前記基板の一面に一面電極を形成する工程を行い、前記一面電極を硬化させる。
【0011】
次に、前記基板の他面に他面電極を形成する工程を行い、前記他面電極を硬化させる。これにより、基板上に前記一面電極と前記他面電極が形成された母基板(Mother Substrate)が製造される。
【0012】
次に、前記他面電極上に接合物質を噴射する工程を行う。前記接合物質は、分離された片を接合することができるように接合力を有する材料であり得る。
【0013】
次に、分離部を介して、基板を複数の片に分離する工程を行う。これにより、前記基板を複数の単位セルに分離することができる。
【0014】
次に、前記複数の単位セルを接合物質を介して接合する工程を行い、接合した単位セルを硬化させる。これにより、太陽電池が製造される。
【0015】
ここで、従来技術による太陽電池は、前記接合物質を介して、前記単位セルを互いに接合させるように具現される。これにより、製造された電力が前記単位セルを通して流れる過程で、前記接合物質を経なければならないので、従来技術による太陽電池は、前記接合物質自体の抵抗によって、太陽電池の発電効率を低下させるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上述したような問題を解決しようとして案出されたものであり、接合物質自体の抵抗によって、太陽電池の発電効率が低下する程度を低減できる単位セル、これを含む太陽電池、及び太陽電池製造方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、上述したような課題を解決するために、下記のような構成を含むことができる。
【0018】
本発明に係る太陽電池の製造方法は、基板を複数の片に分離するための複数の分離部が形成された前記基板を準備する基板準備工程;前記基板の一面に、導電性を有する複数の第1母電極を形成する第1電極形成工程;前記基板の他面に、導電性を有する未硬化状態の複数の第2母電極を形成する第2電極形成工程;前記分離部を介して、前記基板を複数の片に分離することによって、複数の単位セルを形成する分離工程;および、未硬化状態の前記第2母電極を介して、前記単位セルを接合する接合工程を含むことができる。
【0019】
本発明による太陽電池は、母基板(Mother Substrate)を分離することによって、形成された複数の片の中のいずれか1つを用いて製造された第1単位セル;および、前記第1単位セルに結合した第2単位セルを含むことができる。前記第1単位セルは、第1単位基板上に形成され、導電性を有する第1セル電極を含むことができる。前記第2単位セルは、第2単位基板上に形成され、導電性を有する第2セル電極を含むことができる。前記第2セル電極と前記第1セル電極は、結合物質なしに互いに接合し、前記第2単位セルと前記第1単位セルを結合させることができる。
【0020】
本発明による太陽電池は、母基板(Mother Substrate)を分離することによって、形成された複数の片の中のいずれか1つを用いて製造された第1単位セル;そして、第1単位セルに連結した第2単位セルを含むことができる。前記第1単位セルは、第1単位基板上に形成され、導電性を有する第1セル電極を含むことができる。前記第2単位セルは、第2単位基板上に形成され、導電性を有する第2セル電極を含むことができる。前記第2セル電極と前記第1セル電極は、互いに接合されることにより、前記第2単位セルと前記第1単位セルを結合させることができる。
【0021】
本発明による単位セルは、母基板(Mother Substrate)を分離することによって、形成された複数の片の中のいずれか1つを用いて製造された単位基板;および、前記単位基板に形成され、導電性を有するセル電極を含むことができる。前記セル電極は、前記単位基板の一面と他面のそれぞれに形成された下部セル電極と上部セル電極を含むことができる。前記上部セル電極と前記下部セル電極の中のいずれか一方の電極は、未硬化状態で形成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0023】
本発明は、接合物質を噴射する一連の工程を省略できるように具現されることにより、太陽電池の製造時間を短縮することができる。
【0024】
本発明は、接合物質自体の抵抗によって太陽電池の発電効率が低下することを根本的に防止するように具現することにより、完成した太陽電池の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明による太陽電池の概略的な正面図である。
【
図2】本発明による単位セルの概略的な正面図である。
【
図3】本発明による太陽電池において、第1単位セルと第2単位セルが結合した様子を示す概略的な正面図である。
【
図4】本発明に係る太陽電池の一例において、第1単位セルと第2単位セルが結合される前の様子を示す概略的な正面図である。
【
図5】本発明に係る太陽電池の一例において、第1単位セルと第2単位セルが結合された後の様子を示す概略的な正面図である。
【
図6】本発明による太陽電池において、第1上部セル電極に形成された第1接合電極と第1未接合電極を示す概略的な斜視図である。
【
図7】本発明による太陽電池において、第2下部セル電極に形成された第2接合電極と第2未接合電極を示す概略的な斜視図である。
【
図8】本発明に係る太陽電池において、第2接合電極が第1接合電極に接合する前の様子を示す概略的な正面図である。
【
図9】本発明に係る太陽電池において、第2接合電極が第1接合電極に接合することによって、挿入部材が挿入溝に挿入される様子を示す概略的な正面図である。
【
図10a】本発明による太陽電池製造方法の基板準備工程を示す概略的な工程正面図である。
【
図10b】本発明による太陽電池の製造方法の第1電極形成工程を示す概略的な工程正面図である。
【
図10c】本発明による太陽電池の製造方法の第1キュアリング工程を示す概略的な工程正面図である。
【
図10d】本発明による太陽電池の製造方法の第2電極形成工程を示す概略的な工程正面図である。
【
図10e】本発明による太陽電池の製造方法の分離工程を示す概略的な工程正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の利点と特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現されるものであり、単に本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によってのみ定義される。
【0027】
本発明の実施例を説明するため、図に示した形状、大きさ、比率、角度、個数などは、例示的なものであって、本発明が図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって、同一参照符号は、同一の構成要素を指す。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。本明細書上で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などが使用されている場合、「~だけ」が使用されていない限り、他の部分を追加することができる。構成要素を単数で表現した場合に、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0028】
構成要素を解釈するにおいて、別途の明示的な記載がなくても、誤差範囲を含むものと解釈する。
【0029】
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」などで2つの部分の位置関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0030】
時間の関係についての説明である場合、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」などで時間的前後関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない以上、連続的でない場合も含むことができる。
【0031】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもあり得る。
【0032】
本発明のいくつかの実施例のそれぞれの特徴が、部分的に又は全体的に互いに結合又は組合せ可能であり、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立的に実施することもでき、関連関係で一緒に実施することもできる。
【0033】
以下では、本発明による太陽電池1の実施例を添付の図を参照して詳細に説明する。本発明による単位セル10は、本発明による太陽電池1に含まれるので、本発明による太陽電池1の実施例を説明しながら一緒に説明する。なお、
図1~
図10eに示すハッチングおよび点(dot)は、断面を示しているのではなく、構成を区別するために示したものである。
【0034】
図1を参照すると、本発明による太陽電池1は、太陽光線の光エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。本発明に係る太陽電池1は、基板型太陽電池と薄膜型太陽電池で具現することができる。以下では、本発明に係る太陽電池1が、基板型太陽電池で具現されたことを基準にして説明するが、このことから本発明に係る太陽電池1が薄膜型太陽電池で具現されたものを導出することは、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【0035】
図1を参照すると、本発明による太陽電池1は、複数の単位セル10が接合したモジュール形態で製造することができる。前記単位セル10のそれぞれは、母基板100(
図10dに示す)を分離することによって、形成された複数の片の中のいずれか一つの片を用いて製造されたものである。前記母基板100は、本発明による太陽電池1において、前記単位セル10に分離される前の状態であり得る。前記母基板100は、基板110(
図10aに示す)、前記基板110の一面110aに形成された第1母電極130(
図10bに示す)、及び前記基板110の他面110bに形成された第2母電極140(
図10dに示す)を含む。
図1には、本発明による太陽電池1が、5個の単位セル10、10’、10’’、10’’’、10’’’’を含むことが示されているが、これは例示的なものであり、本発明による太陽電池1は、2個以上4個以下、または6個以上の単位セル10を含むことができる。前記単位セル10の各々は、配置された位置を除いて、大略的に互いに等しく具現され得る。
【0036】
図1および
図2を参照すると、前記単位セル10のそれぞれは、単位基板11およびセル電極12を含むことができる。
【0037】
前記単位基板11は、前記母基板100(
図10dに示す)を分離することによって、形成され得る。前記単位基板11は、所定の電気伝導極性を有することができる。前記単位基板11は、1つの前記母基板100を分離することによって、形成された片の数と等しく形成され得る。例えば、前記母基板100を5つの片に分けると、前記単位基板11が5つ形成され得る。前記単位基板11は、前記基板110(
図10aに示す)の一部であり得る。
【0038】
前記セル電極12は、前記単位基板11に形成されるものである。セル電極12は、導電性を有することができる。前記セル電極12は、Ag、Al、Ag+Al、Ag+Mg、Ag+Mn、Ag+Sb、Ag+Zn、Ag+Mo、Ag+Ni、Ag+Cu、Ag+Al+Znなどのような導電性に優れた金属物質からなり得る。
【0039】
前記セル電極12は、下部セル電極121と上部セル電極122を含むことができる。
【0040】
前記下部セル電極121は、前記単位基板11の一面11aに形成されたものである。前記単位基板11の一面11aは、本発明による太陽電池1の大略的に高さが低くなる下側方向に向いた前記単位基板11の面であり得る。前記単位基板11の一面11aは、前記下側方向と反対方向である上側方向を向いた前記単位基板11の面であり得る。前記下部セル電極121は、前記第1母電極130(
図10bに示す)の一部の電極であり得る。
【0041】
前記上部セル電極122は、前記単位基板11の他面11bに形成されたものである。前記単位基板11の一面11aが、前記下側方向を向いた前記単位基板11の面である場合、前記単位基板11の他面11bは、前記上側方向に向いた前記単位基板11の面であり得る。以下では、「一面」と「他面」のそれぞれが、前記下側方向と前記上側方向を向いた特定構成の面であることを基準にして説明する。また、本明細書に記載されている「上側」、及び「下側」という用語は、各構成を区別するためのものであり、特定の方向を指すものではないことは、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者にとって明らかであろう。前記上部セル電極122は、前記第2母電極140(
図10dに示す)の一部の電極であり得る。
【0042】
前記上部セル電極122と前記下部セル電極121のうち、少なくともいずれか一つの電極は、未硬化状態(PC)で形成することができる。これにより、本発明に係る太陽電池1は、前記未硬化状態(PC)の電極を介して、前記単位セル10を接合させる接合力を具現することができる。前記未硬化状態(PC)は、電極が接合力を有する状態である。前記電極121、122は、前記未硬化状態(PC)で流動性を有することができる。前記上部セル電極122と前記下部セル電極121の中のいずれか一つの電極が硬化状態(HC)である場合、残りの電極は、前記未硬化状態(PC)に形成され得る。この場合も、本発明に係る太陽電池1は、前記未硬化状態(PC)の電極を介して、前記単位セル10を接合させる接合力を具現することができる。前記硬化状態(HC)は、電極が接合力を有さない状態である。電極121、122は、硬化状態(HC)で流動性を持たず、一定の外形を有することができる。
【0043】
図3~
図9を参照すると、本発明による太陽電池1は、第1単位セル2と第2単位セル3を含むことができる。
【0044】
前記第1単位セル2は、単位セル10の中のいずれか一つの単位セルであり得る。前記第1単位セル2は、前記母基板100を分離することによって、形成された複数の片の中のいずれか一つを用いて製造される。本発明による太陽電池1が生成した電力は、前記第1単位セル2を介して、前記第2単位セル3に移動することができる。
【0045】
図3を参照すると、前記第1単位セル2は、前記第1単位基板21および第1セル電極22とを含むことができる。
【0046】
前記第1単位基板21は、前記基板110(
図10aに示す)の一部であり得る。前記第1単位基板21は、前記母基板100を分離することによって、形成することができる。前記第1単位基板21は、所定の電気伝導極性を有することができる。
【0047】
前記第1セル電極22は、前記第1単位基板21上に形成される。前記第1セル電極22は、前記第1単位基板21の一面21aと他面21bのそれぞれに形成され得る。前記第1セル電極22は、導電性を有することができる。前記第1セル電極22は、Ag、Al、Ag+Al、Ag+Mg、Ag+Mn、Ag+Sb、Ag+Zn、Ag+Mo、Ag+Ni、Ag+Cu、Ag+Al+Znなどと同じ材質で形成され得る。
【0048】
前記第1セル電極22は、第1下部セル電極221および第1上部セル電極222を含むことができる。
【0049】
前記第1下部セル電極221は、前記第1単位基板21の一面21aに形成されたものである。前記第1下部セル電極221は、前記下側方向を向くように配置された前記第1単位基板21の一面21aに形成され得る。前記第1下部セル電極221は、前記第1母電極130(
図10bに示す)の一部の電極であり得る。前記第1下部セル電極221は、前記硬化状態(HC)または前記未硬化状態(PC)の中のいずれか1つの状態で形成され得る。
【0050】
前記第1上部セル電極222は、前記第1単位基板21の他面21bに形成されたものである。前記第1上部セル電極222は、前記上側方向を向くように配置された前記第1単位基板21の他面21bに形成され得る。前記第1上部セル電極222は、前記第2母電極140(
図10dに示す)の一部の電極であり得る。前記第1上部セル電極222は、前記第1下部セル電極とは異なる状態で形成され得る。例えば、前記第1下部セル電極221が前記硬化状態(HC)である場合、前記第1上部セル電極222は、前記未硬化状態(PC)で形成され得る。前記第1下部セル電極221が、未硬化状態(PC)である場合、前記第1上部セル電極222は、前記硬化状態(HC)で形成することもできる。
【0051】
前記第2単位セル3は、前記単位セル10の中で前記第1単位セル2に結合した、いずれか一つの単位セルであり得る。前記第2単位セル3は、前記第1単位セル2の前記上側方向に結合し得る。前記第2単位セル3は、前記母基板100を分離することによって形成された複数の片の中のいずれか一つの片を用いて製造される。
【0052】
前記第2単位セル3は、第2単位基板31、および第2セル電極32とを含むことができる。
【0053】
前記第2単位基板31は、前記基板110(
図1Aに示す)の一部であり得る。前記第2単位基板31は、前記母基板100(
図1Cに示す)を分離することによって形成され得る。前記第2単位基板31は、所定の電気伝導極性を有することができる。
【0054】
前記第2セル電極32は、前記第2単位基板31上に形成される。前記第2セル電極32は、前記第2単位基板31の一面31aと他面31bのそれぞれに形成され得る。前記第2セル電極32は、導電性を有することができる。前記第2セル電極32は、Ag、Al、Ag+Al、Ag+Mg、Ag+Mn、Ag+Sb、Ag+Zn、Ag+Mo、Ag+Ni、Ag+Cu、Ag+Al+Znなどと同じ材質で形成され得る。
【0055】
前記第2セル電極32と前記第1セル電極22は、接合物質なしに互いに接合して、前記第2単位セル3と前記第1単位セル2を結合させることができる。すなわち、前記第2セル電極32と前記第1セル電極22は、互いに接合することにより、前記第2単位セル3と前記第1単位セル2を結合させることができる。これにより、本発明に係る太陽電池1は、次のような作用効果を図ることができる。
【0056】
第1に、本発明による太陽電池1は、前記セル電極22、32を介して、前記単位セル2、3を接合できるように具現される。これによって、本発明に係る太陽電池1は、接合物質を用いて、前記単位セル10を接合させる従来技術と対比して見ると、太陽電池を製造する過程において、接合物質を噴射する一連の工程を省略することができる。したがって、本発明に係る太陽電池1は、太陽電池の製造に要する時間を短縮することにより、太陽電池の量産性を増大させることができる。
【0057】
第2に、本発明による太陽電池1は、前記接合物質なしに前記単位セル2、3を接合することによって、生産された電力が前記接合物質を移動する必要がないように具現される。これにより、本発明に係る太陽電池1は、上記接合物質自体の抵抗によって、太陽電池の発電効率が低下することを根本的に防止することにより、完成した太陽電池の品質を向上させることができる。
【0058】
前記第2セル電極32と前記第1セル電極22は、ともに同じ材質で形成して互いに接合し得る。例えば、前記第2セル電極32と前記第1セル電極22は、ともにAg物質で形成され得る。したがって、本発明による太陽電池1は、内部抵抗を低減させることができるように具現される。電力が前記第1セル電極22と前記第2セル電極32を移動する過程で、異なる材質を移動することに比べて、同じ材質を移動する方が、抵抗がさらに低減されるからである。したがって、本発明に係る太陽電池1は、太陽電池発電効率をさらに増大させることができる。
【0059】
前記第2セル電極32は、第2下部セル電極321および第2上部セル電極322とを含むことができる。
【0060】
前記第2下部セル電極321は、前記第2単位基板31の一面31aに形成されたものである。前記第2下部セル電極321は、前記下側方向を向くように配置された前記第2単位基板31の一面31aに形成され得る。前記第2下部セル電極321は、前記第1母電極130の一部電極であり得る。前記第2下部セル電極321は、前記硬化状態(HC)または前記未硬化状態(PC)の中のいずれか1つの状態で形成され得る。
【0061】
前記第2上部セル電極322は、前記第2単位基板31の他面31bに形成されたものである。前記第2上部セル電極322は、前記上側方向を向くように前記第2単位基板31の他面31bに形成され得る。前記第2上部セル電極322は、前記第2母電極140の一部の電極であり得る。前記第2下部セル電極321が前記硬化状態(HC)である場合、前記第2上部セル電極322は、前記未硬化状態(PC)で形成され得る。前記第2下部セル電極321が、前記未硬化状態(PC)である場合、前記第2上部セル電極322は、硬化状態(HC)で形成することもできる。
【0062】
本発明に係る太陽電池1は、
図3に示すように、前記第2下部セル電極321と前記第1上部セル電極222が、互いに接合することにより、前記第2単位セル3と前記第1単位セル2を結合させることができるように具現される。以下では、前記第2下部セル電極321と前記第1上部セル電極222が互いに接合することにより、前記第2単位セル3と前記第1単位セル2が結合されることを基準に説明するが、これは例示的なものであり、前記第2上部セル電極322と前記第1下部セル電極221が、互いに接合することにより、前記第2単位セル3と前記第1単位セル2を結合させることもできる。
【0063】
前記第2下部セル電極321と前記第1上部セル電極222の中の少なくともいずれか一つの電極は、前記未硬化状態(PC)で形成され得る。これによって、本発明による太陽電池1は、前記単位セル2、3を接合するための結合力を具現することができる。例えば、前記第2下部セル電極321と前記第1上部セル電極222は、ともに前記未硬化状態(PC)で形成され、前記第2単位セル3と前記第1単位セル2を結合させることができる。前記第2下部セル電極321と前記第1上部セル電極222のうち、少なくともいずれか一つの電極が、前記未硬化状態(PC)で形成された場合、残りの電極は前記硬化状態(HC)で形成し、前記第2単位セル3と前記第1単位セル2を結合させることもできる。
【0064】
図4および
図5を参照すると、前記第1上部セル電極222は、前記未硬化状態(PC)で形成され、前記第2下部セル電極321を接合することにより、厚さを減少させることができる。したがって、本発明による太陽電池1は、全体的な厚さが減少することによって、生産される電力が移動する距離を減少させることができる。したがって、本発明による太陽電池1は、全体的な抵抗が減少するように具現し得る。前記厚さは、前記上側方向と前記下側方向それぞれに対して平行な方向に該当するとともに、前記第2単位セル3と前記第1単位セル2が離隔した方向と同じ方向に該当する第1軸方向(X軸方向)を基準とする長さであり得る。図に示していないが、前記第2下部セル電極321も前記未硬化状態(PC)で形成して、前記第1上部セル電極222を接合することによって、厚さを減少させることができる。前記第2下部セル電極321と前記第1上部セル電極222は、互いに接合することによって、互いに同じ厚さを有するように形成することもできる。
【0065】
例えば、
図4および
図5に示すように、前記第1上部セル電極222が第1厚さ(D1)を有するように形成され、前記第2下部セル電極321が第2厚さ(D2)を有するように形成された場合、前記第2下部セル電極321と前記第1上部セル電極222が、互いに接合することによって形成される第3厚さ(D3)は、前記第1厚さ(D1)と前記第2厚さ(D2)を合計した値よりも小さい値を有することができる。前記第1上部セル電極222と前記第2下部セル電極321のうち、少なくともいずれか一つの電極が、前記未硬化状態(PC)で形成されるためである。これによって、本発明による太陽電池1は、全体的な厚さが減少するように具現することができる。前記第3厚さ(D3)は、前記第1軸方向(X軸方向)を基準とする前記第2単位セル3と前記第1単位セル2の間の離隔距離であり得る。
図4では、前記第1上部セル電極222が、前記未硬化状態(PC)で形成されることが示されているが、これは例示的なものであり、前記第2下部セル電極321が、前記未硬化状態(PC)で形成され、前記第3厚さ(D3)を減少させることもできる。
【0066】
前記第2下部セル電極321と前記第1上部セル電極222のうち、少なくともいずれか一つの電極が、前記未硬化状態(PC)で形成された場合、
図5に示すように前記第2下部セル電極321と前記第1上部セル電極222は、前記第1軸方向(X軸方向)を基準にして、一部が互いに重畳するように配置され得る。したがって、本発明による太陽電池1の全体的な厚さを減少させることができる。
【0067】
以下では、前記第1上部セル電極222と前記第2下部セル電極321が有するパターンに関する実施例を、添付の図を参照して説明する。前記第2上部セル電極322と前記第1下部セル電極221が、互いに接合することによって、前記第2単位セル3と前記第1単位セル2が結合する場合、前記第1下部セル電極221は、以下に説明する前記第2下部セル電極321とほぼ同じに具現され、前記第2上部セル電極322は、前記第1上部セル電極222とほぼ同じに具現され得る。
【0068】
図6を参照すると、前記第1上部セル電極222は、第1接合電極2221を含むことができる。
【0069】
前記第1接合電極2221には、前記第2下部セル電極321が接合する。前記第1接合電極2221は、前記第2下部セル電極321が接合する前記第1上部セル電極222の一部電極であり得る。前記第1接合電極2221は、前記第1単位基板21に結合することもできる。前記第1接合電極2221は、前記硬化状態(HC)で形成され得る。
【0070】
前記第1接合電極2221は、第1接合面1Aおよび挿入溝(ホーム)(G)を含むことができる。
【0071】
前記第1接合面1A(
図8に示す)は、前記第2下部セル電極321に向いた前記第1接合電極2221の一面であり得る。この場合、前記第1接合電極2221の他面は、前記第1単位基板21に向くことができる。前記第1接合面1Aには、前記第2下部セル電極321が接合することができる。
【0072】
前記挿入溝(G)は、前記第1接合面1Aに形成されたものである。前記挿入溝(G)は、前記第1接合面1Aから所定の深さのホーム(溝)を加工する作業で形成することができる。前記挿入溝(G)は、前記第1軸方向(X軸方向)を基準として、前記第1上部セル電極222と同じ大きさを有するように形成することができる。
図6には、前記第1接合面1Aに14個の挿入溝(G)が形成されたことが示しているが、これは例示的なものであり、前記第1接合面1Aには、1個以上13個以下、又は15個以上の挿入溝(G)を形成することもできる。
【0073】
図6を参照すると、前記第1接合電極2221は、第1接合フィンガーバー1Fを含むことができる。
【0074】
前記第1接合フィンガーバー1Fは、前記第1単位基板21で生成された電力を前記第2下部セル電極321に移動させる機能を担うことができる。前記第1接合フィンガーバー1Fは、前記挿入溝(G)を内側にして形成される。前記第1接合フィンガーバー1Fは、第2軸方向(Y軸方向)に沿って形成された第1接合フィンガー部材、及び前記第2軸方向(Y軸方向)に対して垂直な第3軸方向(Z軸方向)に沿って形成された第2接合フィンガー部材を含むことができる。前記第2接合フィンガー部材と前記第1接合フィンガー部材は、互いに結合することができる。前記第2接合フィンガー部材および前記第1接合フィンガー部材は、前記挿入溝(G)を囲むように配置され得る。例えば、前記挿入溝(G)の外側には、2つの第2接合フィンガー部材および2つの第1接合フィンガー部材が配置され得る。前記挿入溝(G)の外側には、1つの第2接合フィンガー部材および2つの第1接合フィンガー部材を配置することもできる。
図6は、3つの第1接合フィンガー部材および12個の第2接合フィンガー部材を示したものである。前記第2軸方向(Y軸方向)は、前記第1軸方向(X軸方向)に対して垂直な方向であり得る。前記第3軸方向(Z軸方向)は、前記第2軸方向(Y軸方向)と前記第1軸方向(X軸方向)のそれぞれに対して垂直な方向であり得る。
【0075】
図6を参照すると、前記第1上部セル電極222は、第1未接合電極2222を含むことができる。
【0076】
前記第1未接合電極2222は、前記第1接合電極2221に結合される。前記第1未接合電極2222は、前記第1接合電極2221に結合して、前記第1単位基板21で生産された電力を、前記第1接合電極2221に移動させる機能を担うことができる。前記第1未接合電極2222は、前記第2下部セル電極321が結合しない前記第1上部セル電極222の一部の電極であり得る。前記第1未接合電極2222は、前記第1単位基板21に結合することもできる。前記第1未接合電極2222は、前記第1接合電極2221と同じ状態の前記硬化状態(HC)で形成され得る。
【0077】
前記第1未接合電極2222は、離隔するように配置された複数の第1未接合フィンガーバー10Fを含むことができる。前記第1未接合フィンガーバー10Fは、前記第2軸方向(Y軸方向)を基準にして、互いに離隔するように配置され得る。前記第1未接合フィンガーバー10Fは、前記第3軸方向(Z軸方向)に沿って延長して形成され得る。前記第1未接合フィンガーバー10Fは、前記第3軸方向(Z軸方向)に直線形態を有するように形成され得る。前記第1未接合フィンガーバー10Fは、前記第1接合電極2221に接合することができる。前記第1未接合フィンガーバー10Fは、生産された電力を前記第1接合電極2221に移動させる機能を担うことができる。
図6は、3つの第1未接合フィンガーバー10Fを示したものである。
【0078】
図7~
図9を参照すると、前記第2下部セル電極321は、第2接合電極3211を含むことができる。
【0079】
前記第2接合電極3211は、前記第1接合電極2221に接合する。前記第2接合電極3211は、前記第1接合電極2221に接合する第2下部セル電極321の一部電極であり得る。前記第2接合電極3211は、前記第2単位基板31に結合することもできる。前記第2接合電極3211は、前記未硬化状態(PC)で形成され得る。
【0080】
図7及び
図8を参照すると、前記第2接合電極3211は、第2接合面2Aを含むことができる。
【0081】
前記第2接合面2Aは、前記第1上部セル電極222に向いた前記第2接合電極3211の一面であり得る。前記第2接合電極3211の他面は、前記第2単位基板31に向くことができる。前記第2接合面2Aは、前記第1接合電極2221に接合し得る。前記第2接合面2Aは、前記第2接合電極3211と前記第1接合電極2221が互いに接合する前に、平坦な平面形状を有するように形成され得る。すなわち、前記第2接合面2Aは、前記第2接合電極3211と前記第1接合電極2221が互いに接合する前に、屈曲することなく平坦な形態で形成され得る。
【0082】
図9を参照すると、前記第2接合電極3211は、挿入部材(I)を含むことができる。
【0083】
前記挿入部材(I)は、前記第2接合電極3211が前記第1接合電極2221に接合することによって、挿入溝(G)に挿入されるものである。これによって、本発明による太陽電池1は、前記第2接合電極3211を前記第1接合電極2221に支持することができるように具現することができる。したがって、本発明に係る太陽電池1は、前記第2接合電極3211と前記第1接合電極2221の接合力を向上させることにより、前記第1単位セル2と前記第2単位セル3の結合力を増大させることができる。前記挿入部材(I)は、前記未硬化状態(PC)で形成して前記挿入部材(I)に挿入することができる。前記挿入部材(I)は、前記挿入溝(G)に対応する形態で形成され得る。前記第2接合電極3211は、前記挿入溝(G)と同じ数の前記挿入部材(I)を含むことができる。
【0084】
上記では、前記第1接合電極2221が前記挿入溝(G)を含むとともに、前記第2接合電極3211が前記挿入部材(I)を含むことを基準にして説明したが、これは一例であると理解されなければならない。このことから、前記第1接合電極2221が前記挿入部材(I)を含むこととともに、前記第2接合電極3211が前記挿入溝(G)を含むことを導くことは、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【0085】
図7~
図9を参照すると、前記第2下部セル電極321は、第2未接合電極3212を含むことができる。
【0086】
前記第2未接合電極3212は、前記第2接合電極3211に結合される。前記第2未接合電極3212は、前記第2接合電極3211に結合して前記第2単位基板31で生産された電力を移動させる機能を担うことができる。前記第2未接合電極3212は、前記第1上部セル電極222に結合しない前記第2下部セル電極321の一部の電極であり得る。前記第2未接合電極3212は、前記第2単位基板31に結合することもできる。前記第2未接合電極3212は、前記第2接合電極3211と同じ形態の前記未硬化状態(PC)で形成され得る。
【0087】
前記第2未接合電極3212は、離隔するように配置された複数の第2未接合フィンガーバー20Fを含むことができる。前記第2未接合フィンガーバー20Fは、前記第2軸方向(Y軸方向)を基準に、互いに離隔するように配置され得る。前記第2未接合フィンガーバー20Fは、前記第3軸方向(Z軸方向)に沿って延長して形成され得る。前記第2未接合フィンガーバー20Fは、前記第2接合電極3211に接合することができる。前記第2未接合フィンガーバー20Fは、前記第2単位基板31で生産された電力を移動させる機能を担うことができる。
図7は、3つの第2未接合フィンガーバー20Fを示したものである。
【0088】
以下では、本発明に係る太陽電池の製造方法に関する実施例を添付の図を参照して具体的に説明する。本発明による太陽電池の製造方法は、本発明による太陽電池1を製造するためのものである。
【0089】
図10aを参照すると、本発明による太陽電池の製造方法は、基板準備工程を含むことができる。
【0090】
基板準備工程は、前記基板110を複数の片(部分)に分離するための複数の分離部120が形成された前記基板110を準備する工程である。前記基板準備工程は、太陽電池を製造するための処理空間(未図示)に前記基板110をロードする基板ローディング装置(未図示)で行うことができる。前記処理空間は、内部に太陽電池を製造するのに必要な製造装置を収容し、全体としてチャンバー(Chamber)で具現することができる。
【0091】
前記基板110は、所定の電気伝導極性を有することができる。例えば、前記基板110は、N型シリコンウエハまたはP型シリコンウエハからなり得る。図に示していないが、前記基板110の一面110aは、凸凹構造からなり得る。前記基板110は、前記下側方向を向くように配置された基板の下面、前記上側方向を向くように配置された基板の上面、及び前記基板110の下面と上面それぞれに連結した基板の側面110cを含むことができる。この場合、前記基板110の一面110aは、前記基板110の下面、前記基板110の上面、又は前記基板110の側面110cのいずれか一つの面に該当することができる。例えば、前記基板110の一面110aが、前記基板110の下面に該当する場合、前記基板110の他面110bは、前記基板110の上面に対応することができる。この場合、前記基板110の一面110aと前記基板110の他面110bに形成されるそれぞれの薄膜層も凸凹構造で形成され得る。
【0092】
前記分離部120は、前記基板110を複数の片に分離するためのものである。前記分離部120は、前記基板110の一面110aに形成され得る。前記分離部120は、前記基板110の一面110aから所定の深さで溝を加工するスクライビング工程を通じて形成することができる。前記スクライビング工程は、前記基板110に向かってレーザを照射して前記基板110の所定の領域を除去するスクライビング装置(未図示)によって行うことができる。
図10aには、前記スクライビング工程が、前記基板110の一面110aに行われたことを示しているが、これは例示的なものであり、前記スクライビング工程は、前記基板110の他面110bに行うこともできる。また、本明細書では、前記分離部120を、前記スクライビング工程を介して形成したことを基準として説明しているが、これは例示的なものであり、エッチング槽(未図示)に前記基板110を浸漬する方式、又は乾式エッチング、マスクなどを用いた工程で、前記分離部120を形成することもできる。前記基板110を5つの片に分離したい場合、
図10aに示すように、前記基板110の一面110aには4つの分離部120を形成することができる。
【0093】
図に示していないが、前記基板110上に1つ以上の薄膜層を形成することができる。以下では、前記基板110上に形成された薄膜層の一例について説明する。
【0094】
まず、前記基板110上に第1薄膜層を形成することができる。前記第1薄膜層を形成する工程は、前記スクライビング工程以後に行うことができる。前記第1薄膜層は、前記基板110に薄膜の形態で形成された半導体層であり得る。前記第1薄膜層は、前記基板110と共にPN接合を形成することができる。したがって、前記基板110がN型シリコンウエハからなる場合、前記第1薄膜層は、P型半導体層からなり得る。前記第1薄膜層は、CVD(Chemical Vapor Deposition)工程などを用いて形成することができる。前記第1薄膜層は、P型半導体物質、I型半導体物質およびN型半導体物質が順に積層されたPIN構造で形成することができる。このように前記第1薄膜層をPIN構造で形成すると、I型半導体物質が、P型半導体物質とN型半導体物質によって空乏(Depletion)となり内部に電界が発生し、太陽光によって生成される正孔および電子が電界によってドリフトされ、それぞれP型半導体物質およびN型半導体物質から収集されるようになる。一方、前記第1薄膜層をPIN構造で形成する場合には、前記第1薄膜層上部にP型半導体物質を形成し、続いてI型半導体物質及びN型半導体物質を形成することが好ましい。その理由は一般に、正孔のドリフト移動度(Drift Mobility)が、電子のドリフト移動度に比べて低いため、入射光による収集効率を極大化するために、P型半導体物質を受光面に近くに形成するためである。一方、本発明による太陽電池の製造方法は、前記第1薄膜層を積層型構造を有するように形成することもできる。例えば、本発明による太陽電池の製造方法は、前記第1薄膜層が、テンデム[Tandem(PIN/PIN)]型またはトリプル[Triple(PIN/PIN/PIN)]形態の積層型構造を有するように形成することができる。前記第1薄膜層は、前記基板110の一面110a、他面110b、及び側面の中の少なくともいずれか一つに形成するか、または前記基板110の一面110a、他面110b、及び側面それぞれに形成することもできる。
【0095】
次に、前記第1薄膜層上に第2薄膜層を形成する。前記第2薄膜層を形成する工程は、前記第1薄膜層を形成する工程の後に行うことができる。前記第2薄膜層は、透明導電層であり得る。例えば、前記第2薄膜層は、TCO(Transparent Conductive Oxide)層であり得る。前記第2薄膜層は、前記第1薄膜層を保護するとともに、前記基板110で生成されたキャリア、例えば正孔(+)を収集し、前記収集したキャリアを前記上方向に移動させることができる。前記第2薄膜層は、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnOH、ZnO:B、ZnO:Al、SnO2、SnO2:Fなどの透明導電物質からなり得る。前記第2薄膜層は、ZnO、ZnO:B、ZnO:Al、Agなどの透明導電物質をスパッタリング(Sputtering)法またはMOCVD法などを用いて形成することができる。前記第2薄膜層は、太陽光を散乱させて様々な角度に進行させることにより、前記第1薄膜層に再入射する光の割合を増加させる機能を有する。
【0096】
次に、前記第2薄膜層上に第3薄膜層を形成する。前記第3薄膜層を形成する工程は、前記第2薄膜層を形成する工程の後に行うことができる。前記第2薄膜層上に第3薄膜層を形成した場合、前記第1薄膜層は真性半導体層、前記第2薄膜層は半導体層、前記第3薄膜層は透明導電層として具現され得る。この場合、複数の薄膜層は、プラズマ強化化学気相蒸着法(PECVD、Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)、及びスパッタリング法(Sputtering)を用いて形成することができる。
【0097】
本発明に係る太陽電池の製造方法は、前記第1薄膜層、前記第2薄膜層、及び前記第3薄膜層を選択的に形成することができる。すなわち、本発明による太陽電池の製造方法は、前記第1薄膜層、前記第2薄膜層、および前記第3薄膜層のうち少なくとも1つ以上の層を形成することができ、前記第1薄膜層、前記第2薄膜層、および前記第3薄膜層を全て形成しなくてもよい。
【0098】
図10bを参照すると、本発明による太陽電池の製造方法は、第1電極形成工程を含むことができる。
【0099】
前記第1電極形成工程は、前記基板110の一面110aに導電性を有する複数の第1母電極130を形成する工程である。前記第1電極形成工程は、前記基板準備工程後に行うことができる。前記第1電極形成工程が行われることにより形成された第1母電極130は、Ag、Al、Ag+Al、Ag+Mg、Ag+Mn、Ag+Sb、Ag+Zn、Ag+Mo、Ag+Ni、Ag+Cu、Ag+Al+Znなどの材質で形成することができる。
図10bでは、前記第1電極形成工程が、前記基板110の一面110aに形成されたことが示されているが、これは例示的なものであり、前記第1電極形成工程は、前記基板110の他面110bに行なうこともできる。
【0100】
図10cを参照すると、本発明による太陽電池の製造方法は、第1キュアリング工程を含むことができる。
【0101】
前記第1キュアリング工程は、前記第1母電極130を硬化させる工程である。前記第1キュアリング工程は、前記第1電極形成工程後に行うことができる。前記第1キュアリング工程は、前記第1母電極130を加熱する加熱装置(未図示)によって行うことができる。前記第1キュアリング工程を行うことで、前記第1母電極130は、前記硬化状態(HC)で形成され得る。
【0102】
図10dを参照すると、本発明による太陽電池の製造方法は、第2電極形成工程を含むことができる。
【0103】
前記第2電極形成工程は、前記基板110の他面110bに導電性を有する前記未硬化状態(PC)の複数の第2母電極140を形成する工程である。前記第2電極形成工程は、前記第1電極形成工程後に行うことができる。前記第2電極形成工程を行うことにより形成された前記第2母電極140は、Ag、Al、Ag+Al、Ag+Mg、Ag+Mn、Ag+Sb、Ag+Zn、Ag+Mo、Ag+Ni、Ag+Cu、Ag+Al+Znなどの材質で形成することができる。前記第2電極形成工程が完了することにより、前記母基板100を製造することができる。
【0104】
本発明による太陽電池の製造方法は、前記第2電極形成工程が行われた後に、前記第2母電極140を硬化させる工程を含まないように具現される。したがって、本発明による太陽電池の製造方法は、前記未硬化状態(PC)の第2母電極140を介して、前記単位セル10を接合させる接合力を具現することができる。
【0105】
図10eを参照すると、本発明による太陽電池の製造方法は、分離工程を含むことができる。
【0106】
前記分離工程は、前記分離部120を介して前記基板110を複数の片に分離することによって、前記単位セル10を形成する工程である。すなわち、前記分離工程は、前記母基板100を前記分離部120を介して分離することによって、複数の前記単位セル10を形成する工程である。前記分離工程は、前記母基板100に曲げ力(Bending Force)などの外力を加える分離装置(未図示)によって行うことができる。前記分離工程は、前記第2電極形成工程後に行うことができる。前記母基板100をN(Nは2以上の整数)個の単位セル10に分離しようとする場合、前記分離工程は、N-1回行うことができる。例えば、
図10eに示すように、前記母基板100を5個の単位セル10に分離したい場合、前記分離工程を4回行うことができる。
【0107】
再び
図1を参照すると、本発明による太陽電池の製造方法は、接合工程を含むことができる。
【0108】
前記接合工程は、前記未硬化状態(PC)の前記第2母電極140を介して、前記単位セル10を接合する工程である。前記接合工程は、分離された単位セル10を移動して接合する接合装置(未図示)によって行うことができる。前記接合工程は、前記分離工程後に行うことができる。前記母基板100をN個の前記単位セル10に分離した場合、前記接合工程は、N-1回行うことができる。例えば、
図10eに示すように、前記母基板100を5個の単位セル10に分離した場合、前記接合工程は4回行うことができる。
【0109】
図に示していないが、本発明による太陽電池の製造方法は、第2キュアリング工程をさらに含むことができる。
【0110】
前記第2キュアリング工程は、前記接合した前記単位セル10を硬化させる工程である。前記第2キュアリング工程は、前記加熱装置によって行うことができる。前記第2キュアリング工程は、前記接合工程後に行うことができる。前記第2キュアリング工程を行うことによって、前記単位セル10が結合したモジュール形態である本発明による太陽電池1を製造することができる。
【0111】
以上で説明した本発明は、前述した実施例及び添付した図に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、複数の置換、変形及び変更が可能であることが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。