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特許7603688核燃料集合体を貯蔵および/または輸送するためのコストが削減された設計貯蔵デバイス
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  • 特許-核燃料集合体を貯蔵および/または輸送するためのコストが削減された設計貯蔵デバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】核燃料集合体を貯蔵および/または輸送するためのコストが削減された設計貯蔵デバイス
(51)【国際特許分類】
   G21C 19/32 20060101AFI20241213BHJP
   G21F 5/012 20060101ALI20241213BHJP
   G21F 9/36 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
G21C19/32 040
G21F5/012
G21F9/36 501H
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022533573
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 FR2020052337
(87)【国際公開番号】W WO2021116593
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-11-14
(31)【優先権主張番号】1914132
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】308021394
【氏名又は名称】オラノ・ニュークリア・パッケージズ・アンド・サービシズ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルセル・タルディー
(72)【発明者】
【氏名】ステファヌ・ナレ
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-285496(JP,A)
【文献】特開平02-010200(JP,A)
【文献】特開2015-210224(JP,A)
【文献】特表2019-501378(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0362863(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107731334(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 19/32
G21F 5/012
G21F 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
核燃料集合体(2)を輸送および/または貯蔵するための貯蔵デバイス(1)であって、前記貯蔵デバイスは、核燃料集合体を輸送および/または貯蔵するために容器(200)のキャビティ内に収容されるように意図され、核燃料集合体(2)をそれぞれが受け入れるように意図されたN個の隣接し合うハウジング(4、4’)を含み、N個の隣接し合う前記ハウジングのうちの少なくともいくつか(N)が、前記貯蔵デバイスの中心長手方向軸線(3)に対して平行である積み重ね方向(20)に沿ってインターロックされ積み重ねられた、切欠部を有する平坦バー(14a、14b)から作製される、貯蔵デバイス(1)において、
N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)を貫通する前記貯蔵デバイスの少なくとも1つの横断面内において、隣接し合う前記ハウジングのうちの少なくとも1つが内方ハウジング画成表面(10)を有するか、またはN個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のうちの複数のハウジングのそれぞれが、内方ハウジング画成表面(10)を有し、前記内方ハウジング画成表面(10)は、
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バー(14a)の第1の表面(14a’)であって、前記第1の平坦バー(14a)の前記第1の表面(14a’)の対向側の第2の表面(14a”)が、N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のうちの1つ以上の他のハウジングの前記内方ハウジング画成表面(10)の形成に寄与する、第1の表面(14a’)と、
ホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バー(14b)の第1の表面(14b’)であって、前記第2の平坦バー(14b)の前記第1の表面(14b’)の対向側の第2の表面(14b”)が、N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のうちの1つ以上の他のハウジングの前記内方ハウジング画成表面(10)の形成に寄与する、第1の表面(14b’)と
により部分的に形成されることを特徴とする、貯蔵デバイス(1)。
【請求項2】
N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のそれぞれを貫通する前記貯蔵デバイスの複数の横断面のそれぞれにおいて、隣接し合う前記ハウジングのうちの少なくとも1つが、内方ハウジング画成表面(10)を有するか、またはN個の隣接し合う前記ハウジングのうちの複数のハウジングのそれぞれが、内方ハウジング画成表面(10)を有し、前記内方ハウジング画成表面(10)は、
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バー(14a)の第1の表面(14a’)であって、前記第1の平坦バー(14a)の前記第1の表面(14a’)の対向側の第2の表面(14a”)が、N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のうちの1つ以上の他のハウジングの前記内方ハウジング画成表面(10)の形成に寄与する、第1の表面(14a’)と、
ホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バー(14b)の第1の表面(14b’)であって、前記第2の平坦バー(14b)の前記第1の表面(14b’)の対向側の第2の表面(14b”)が、N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のうちの1つ以上の他のハウジングの前記内方ハウジング画成表面(10)の形成に寄与する、第1の表面(14b’)と
により部分的に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の貯蔵デバイス。
【請求項3】
N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)は、周縁ハウジング(4’)および内方ハウジング(4)に区分されること、および
N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)を貫通する前記貯蔵デバイスの1つの横断面内において、またはN個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のそれぞれを貫通する前記貯蔵デバイスの複数の横断面のそれぞれの中において、前記周縁ハウジング(4’)の少なくとも50%のそれぞれが、内方ハウジング画成表面(10)を有し、前記内方ハウジング画成表面(10)は、
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バー(14a)の第1の表面(14a’)であって、前記第1の平坦バー(14a)の前記第1の表面(14a’)の対向側の第2の表面(14a”)が、N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のうちの1つ以上の他のハウジングの前記内方ハウジング画成表面(10)の形成に寄与する、第1の表面(14a’)と、
ホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バー(14b)の第1の表面(14b’)であって、前記第2の平坦バー(14b)の前記第1の表面(14b’)の対向側の第2の表面(14b”)が、N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のうちの1つ以上の他のハウジングの前記内方ハウジング画成表面(10)の形成に寄与する、第1の表面(14b’)と
により部分的に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の貯蔵デバイス。
【請求項4】
N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)を貫通する前記貯蔵デバイスの1つの横断面内において、またはN個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のそれぞれを貫通する前記貯蔵デバイスの複数の横断面のそれぞれの中において、N個の隣接し合う前記ハウジングの少なくとも50%のそれぞれが、内方ハウジング画成表面(10)を有し、前記内方ハウジング画成表面(10)は、
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バー(14a)の第1の表面(14a’)であって、前記第1の平坦バー(14a)の前記第1の表面(14a’)の対向側の第2の表面(14a”)が、N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のうちの1つ以上の他のハウジングの前記内方ハウジング画成表面(10)の形成に寄与する、第1の表面(14a’)と、
ホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バー(14b)の第1の表面(14b’)であって、前記第2の平坦バー(14b)の前記第1の表面(14b’)の対向側の第2の表面(14b”)が、N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のうちの1つ以上の他のハウジングの前記内方ハウジング画成表面(10)の形成に寄与する、第1の表面(14b’)と
により部分的に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の貯蔵デバイス。
【請求項5】
N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)を貫通する前記貯蔵デバイスの1つの横断面内において、またはN個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のそれぞれを貫通する前記貯蔵デバイスの複数の横断面のそれぞれの中において、隣接し合う前記ハウジングのうちの少なくとも1つが、概ね正方形または矩形の断面を有する内方ハウジング画成表面(10)を有するか、または、N個の隣接し合う前記ハウジングのうちの複数のハウジングのそれぞれが、概ね正方形または矩形の断面を有する内方ハウジング画成表面(10)を有し、前記内方ハウジング画成表面(10)は、
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バー(14a)の第1の表面(14a’)であって、前記第1の平坦バー(14a)の前記第1の表面(14a’)の対向側の第2の表面(14a”)が、N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のうちの1つ以上の他のハウジングの前記内方ハウジング画成表面(10)の形成に寄与する、第1の表面(14a’)と、
ホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バー(14b)の第1の表面(14b’)であって、前記第2の平坦バー(14b)の前記第1の表面(14b’)の対向側の第2の表面(14b”)が、N個の隣接し合う前記ハウジング(4、4’)のうちの1つ以上の他のハウジングの前記内方ハウジング画成表面(10)の形成に寄与する、第1の表面(14b’)と、
切欠部を有する2つの他の平坦バー(14a、14b)と
により形成されることと、
前記第1の平坦バー(14a)、前記第2の平坦バー(14b)、および前記2つの他の平坦バー(14a、14b)が、概ね正方形または矩形の断面を有する前記内方ハウジング画成表面(10)の4つの側部(10a~10d)をそれぞれ形成することと
を特徴とする、請求項1に記載の貯蔵デバイス。
【請求項6】
切欠部を有する前記2つの他の平坦バー(14a、14b)は、
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する2つの第1の平坦バー(14a)、または
ホウ素を用いずに作製された切欠部を有する2つの第2の平坦バー(14b)、または
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バー(14a)およびホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バー(14b)
によりそれぞれ形成されることを特徴とする、請求項5に記載の貯蔵デバイス。
【請求項7】
前記貯蔵デバイスの内部で積み重ねられインターロックされた切欠部を有する前記平坦バー(14a、14b)は、好ましくは同一のホウ素含有量においてホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バー(14a)、またはホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バー(14b)のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の貯蔵デバイス。
【請求項8】
切欠部を有する少なくとも1つの第1の平坦バー(14a)が、好ましくはホウ素を含むアルミニウム合金から単一ピースで作製されることを、および/または切欠部を有する少なくとも1つの第1の平坦バー(14a)が、好ましくはアルミニウム合金材料上に施されたホウ素を含むコーティングを備えることを特徴とする、請求項1に記載の貯蔵デバイス。
【請求項9】
切欠部を有する少なくとも1つの第2の平坦バー(14b)が、ホウ素を含まないアルミニウム合金から作製されることを特徴とする、請求項1に記載の貯蔵デバイス。
【請求項10】
前記積み重ねられインターロックされた平坦バー(14a、14b)は、隣接し合う前記ハウジング(4、4’)を分割するためのパーテーション(9、11)を共に形成し、各パーテーションは、前記貯蔵デバイスの全高に沿ってまたは実質的に前記全高に沿って延在し、各パーテーションは、
切欠部を有する第1の平坦バー(14a)の積み重ねにより、または
切欠部を有する第2の平坦バー(14b)の積み重ねにより、または
切欠部を有する第1の平坦バー(14a)および第2の平坦バー(14b)の交互配置により、または
切欠部を有する第1の平坦バー(14a)および第2の平坦バー(14b)の交互配置であって、好ましくは鋼から作製された構造要素(24)が、前記第1の平坦バー(14a)と前記第2の平坦バー(14b)との間にさらに配置される、第1の平坦バー(14a)および第2の平坦バー(14b)により
形成されることを特徴とする、請求項1に記載の貯蔵デバイス。
【請求項11】
核燃料集合体を貯蔵および/または輸送するための容器(200)であって、前記容器は、請求項1に記載の貯蔵デバイス(1)が収容されるキャビティ(210)を備える、容器(200)。
【請求項12】
請求項11に記載の容器(200)と、前記容器(200)の貯蔵デバイス(1)の隣接し合うハウジング(4、4’)内に配置された核燃料集合体(2)とを備える、輸送物(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核燃料集合体の、好ましくは燃料が照射済みである使用済み集合体の、輸送および/または貯蔵の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
貯蔵「バスケット」または貯蔵「ラック」としても知られるかかるデバイスは、核燃料集合体をそれぞれ受け入れることが可能な複数の隣接し合うハウジングを備える。
【0003】
容器のキャビティ内に収容されるように意図されたこの貯蔵デバイスは、3つの基本機能を同時に果たすことが可能となるように設計される。次に、これらの機能を簡単に説明する。
【0004】
第1に、これは、燃料集合体により放出させる熱を熱伝達する機能からなる。一般的に、アルミニウムまたはその合金のうちの1つが、良好な熱伝導性を理由として使用される。
【0005】
第2の機能は、中性子吸収と、貯蔵デバイスが燃料集合体で装填された場合に貯蔵デバイスを臨界未満に維持する問題とに関する。これは、ホウ素などの中性子吸収材を使用して実施される。
【0006】
最後に、第3の基本機能は、デバイスの機械強度に関する。デバイスの全体的な機械強度は、特にいわゆる「自由落下」試験に関して核物質の輸送/貯蔵のための規制上の安全要件に準拠しなければならない点を指摘しておく。
【0007】
先行技術からは、積み重ねられインターロックされた切欠部を有する構造アセンブリを使用して作製されるステージ同士を重畳することによりバスケットを形成することが知られている。これらのアセンブリは、さらに中性子吸収機能を果たすために、および求められる実効増倍率「keff」を達成するために、ある特定のホウ素濃度を有する同一のアルミニウムベース材料を使用して作製される。
【0008】
しかし、ホウ素を含む切欠部を有するかかる構造アセンブリの実施形態は、とりわけ高コストであることが判明しており、貯蔵デバイスの製造コスト全体に大きな影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、先行技術の実施形態に関連する上述の欠点を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これを目的として、本発明は、核燃料集合体を輸送および/または貯蔵するための貯蔵デバイスに関する。この貯蔵デバイスは、核燃料集合体を輸送および/または貯蔵するために容器のキャビティ内に収容されるように意図され、核燃料集合体をそれぞれが受け入れるように意図されたN個の隣接し合うハウジングを含む。N個の隣接し合うハウジングのうちの少なくともいくつかが、貯蔵デバイスの中心長手方向軸線に対して平行である積み重ね方向にインターロックされ積み重ねられた、切欠部を有する平坦バーを用いて作製される。
【0011】
本発明によれば、N個の隣接し合うハウジングを貫通する貯蔵デバイスの少なくとも1つの横断面内において、これらの隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ、好ましくはこれらのN個の隣接し合うハウジングのうちの複数のハウジングのそれぞれが、内方ハウジング画成表面を有し、この内方ハウジング画成表面は、
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バーの第1の表面であって、この第1の平坦バーの第1の表面の対向側の第2の表面が、N個の隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ以上の他のハウジングの内方ハウジング画成表面の形成に寄与する、第1の表面と、
ホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バーの第1の表面であって、この第2の平坦バーの第1の表面の対向側の第2の表面が、N個の隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ以上の他のハウジングの内方ハウジング画成表面の形成に寄与する、第1の表面と
により部分的に形成される。
【0012】
したがって、本発明の独自性は、特にホウ素を用いずに作製された切欠部を有する少なくとも1つの第2の平坦バーを提供することによる、核燃料集合体を受け入れるように意図された単一のハウジングを形成するこれらの平坦バーの不均質性に存する。この原理は、予期せぬ観測から得られたものである。実際に、製造コストは、ハウジングがホウ酸塩処理されていない平坦バーと、ある一定のホウ素含有量を有する他の平坦バーとを用いて作製された場合には、すべての平坦バーが前記一定のホウ素含有量未満の含有量にてホウ素を含む、同一の実効倍増率をもたらす従来の解決策と比較すると大幅に削減されることが判明している。換言すれば、本発明は、ホウ酸塩処理されていない平坦バーと、先行技術の均等な性能を有する解決策において提供される均質な含有量を上回るホウ素含有量を有するホウ酸塩処理された平坦バーとを連携させることを可能にする。
【0013】
有利には、この原理は、臨界に関して高い性能を有する貯蔵デバイスでありながら、貯蔵デバイスの作製コストを削減することを助ける。
【0014】
また、本発明は、以下のオプションの特徴のうちの少なくとも任意の1つを単独においてまたは組合せにおいて提供する。
【0015】
好ましくは、N個の隣接し合うハウジングのそれぞれを貫通する貯蔵デバイスの複数の横断面のそれぞれと、これらの隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ、好ましくはこれらのN個の隣接し合うハウジングのうちの複数のハウジングのそれぞれが、内方ハウジング画成表面を有し、この内方ハウジング画成表面は、
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バーの第1の表面であって、この第1の平坦バーの第1の表面の対向側の第2の表面が、N個の隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ以上の他のハウジングの内方ハウジング画成表面の形成に寄与する、第1の表面と、
ホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バーの第1の表面であって、この第2の平坦バーの第1の表面の対向側の第2の表面が、N個の隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ以上の他のハウジングの内方ハウジング画成表面の形成に寄与する、第1の表面と
により部分的に形成される。
【0016】
さらに好ましくは、この特徴は、貯蔵デバイスのすべての横断面においてまたは実質的にすべてのこれらの平面において観察される。
【0017】
好ましくは、N個の隣接し合うハウジングは、周縁ハウジングおよび内方ハウジングに区分される。N個の隣接し合うハウジングを貫通する貯蔵デバイスの1つの横断面内において、またはN個の隣接し合うハウジングのそれぞれを貫通する貯蔵デバイスの複数の横断面のそれぞれにおいて、周縁ハウジングの少なくとも50%のそれぞれが、内方ハウジング画成表面を有し、この内方ハウジング画成表面は、
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バーの第1の表面であって、この第1の平坦バーの第1の表面の対向側の第2の表面が、N個の隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ以上の他のハウジングの内方ハウジング画成表面の形成に寄与する、第1の表面と、
ホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バーの第1の表面であって、この第2の平坦バーの第1の表面の対向側の第2の表面が、N個の隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ以上の他のハウジングの内方ハウジング画成表面の形成に寄与する、第1の表面と
により部分的に形成される。
【0018】
好ましくは、N個の隣接し合うハウジングを貫通する貯蔵デバイスの1つの横断面内において、またはN個の隣接し合うハウジングのそれぞれを貫通する貯蔵デバイスの複数の横断面のそれぞれの中において、N個の隣接し合うハウジングの少なくとも50%のそれぞれが、内方ハウジング画成表面を有し、内方ハウジング画成表面は、
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バーの第1の表面であって、この第1の平坦バーの第1の表面の対向側の第2の表面が、N個の隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ以上の他のハウジングの内方ハウジング画成表面の形成に寄与する、第1の表面と、
ホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バーの第1の表面であって、この第2の平坦バーの第1の表面の対向側の第2の表面が、N個の隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ以上の他のハウジングの内方ハウジング画成表面の形成に寄与する、第1の表面と
により部分的に形成される。
【0019】
好ましくは、N個の隣接し合うハウジングを貫通する貯蔵デバイスの1つの横断面内において、またはN個の隣接し合うハウジングのそれぞれを貫通する貯蔵デバイスの複数の横断面のそれぞれの中において、これらの隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ、好ましくはこれらのN個の隣接し合うハウジングのうちの複数のハウジングのそれぞれが、概ね正方形または矩形の断面を有する内方ハウジング画成表面を有し、この内方ハウジング画成表面は、
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バーの第1の表面であって、この第1の平坦バーの第1の表面の対向側の第2の表面が、N個の隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ以上の他のハウジングの内方ハウジング画成表面の形成に寄与する、第1の表面と、
ホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バーの第1の表面であって、この第2の平坦バーの第1の表面の対向側の第2の表面が、N個の隣接し合うハウジングのうちの少なくとも1つ以上の他のハウジングの内方ハウジング画成表面の形成に寄与する、第1の表面と、
切欠部を有する2つの他の平坦バーと
により形成される。
【0020】
さらに、第1の平坦バー、第2の平坦バー、および2つの他の平坦バーが、概ね正方形または矩形の断面を有する内方ハウジング画成表面の4つの側部をそれぞれ形成する。
【0021】
好ましくは、切欠部を有する前記2つの他の平坦バーは、
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する2つの第1の平坦バー、
ホウ素を用いずに作製された切欠部を有する2つの第2の平坦バー、または
ホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バーおよびホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バー
によりそれぞれ形成される。
【0022】
好ましくは、貯蔵デバイスの内部で積み重ねられインターロックされた切欠部を有する平坦バーは、好ましくは同一のホウ素含有量においてホウ素を用いて作製された切欠部を有する第1の平坦バー、またはホウ素を用いずに作製された切欠部を有する第2の平坦バーのいずれかである。
【0023】
好ましくは、切欠部を有する少なくとも1つの第1の平坦バーが、好ましくはホウ素を含むアルミニウム合金から単一ピースで作製されることを、および/または切欠部を有する少なくとも1つの第1の平坦バーが、好ましくはアルミニウム合金材料上に施されたホウ素を含むコーティングを備える。
【0024】
好ましくは、切欠部を有する少なくとも1つの第2の平坦バーが、ホウ素を含まないアルミニウム合金から作製される。
【0025】
好ましくは、積み重ねられインターロックされた平坦バーは、隣接し合うハウジングを画定するパーテーションを共に形成し、各パーテーションは、貯蔵デバイスの全高に沿ってまたは実質的にこの全高に沿って延在し、各パーテーションは、
切欠部を有する第1の平坦バーの積み重ねにより、
切欠部を有する第2の平坦バーの積み重ねにより、
切欠部を有する第1の平坦バーおよび第2の平坦バーの交互配置により、または
切欠部を有する第1の平坦バーおよび第2の平坦バーの交互配置であって、好ましくは鋼から作製された構造要素が、これらの第1の平坦バーと第2の平坦バーとの間にさらに配置される、第1の平坦バーおよび第2の平坦バーにより
形成される。
【0026】
これに関して、第1の平坦バー同士のホウ素総含有量が同一のパーテーション内において一定に留まることが好ましい場合であっても、それぞれが異なるホウ素含有量を有する切欠部を有する第1の平坦バー同士を、この同一のパーテーション内に設けることが可能となる。さらにより好ましくは、これらの第1の平坦バーのホウ素総含有量は、貯蔵デバイス全体の中で一定に留まる。
【0027】
また、本発明は、核燃料集合体を貯蔵および/または輸送するための容器に関する。この容器は、上述の貯蔵デバイスが中に収容されるキャビティを備える。
【0028】
また、本発明は、かかる容器と、この容器の貯蔵デバイスの隣接し合うハウジング内に配置された核燃料集合体とを備える、輸送物に関する。
【0029】
本発明のさらなる利点および特徴が、以下の非限定的な詳細な説明において明らかにされる。
【0030】
この説明は、添付の図面を参照とする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】特に核燃料集合体を貯蔵および/または輸送するための貯蔵デバイスを備える、本発明による輸送物の概略断面図である。
図2】本発明の好ましい第1の実施形態による貯蔵デバイスの部分斜視図である。
図3図2の横断面Pに沿った部分断面図である。
図4図2および図3に示す貯蔵デバイスの一部の斜視図である。
図5図3に示す部分断面図の部分拡大図である。
図6】本発明の好ましい第2の実施形態の形態における貯蔵デバイスが提示された、図2の部分斜視図と同様の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1を参照すると、照射済み核燃料集合体2を貯蔵および/または輸送するための容器200を備える輸送物100が示される。この容器200は本体202を有し、本体202は、側部本体204、底部206、および取外し可能な蓋208により形成される。底部206および蓋208は、容器の中心長手方向軸線3に沿って相互に離間され、側部本体204は、この中心長手方向軸線3を中心として延在する。
【0033】
容器200は、その本体内部にキャビティ210を画成し、本説明において以降で「バスケット」と呼ばれることになる貯蔵デバイス1は、このキャビティ210内に収容される。以降において詳述するように、バスケット1は、核燃料集合体2のうちの1つを受け入れるようにそれぞれが意図された複数の隣接し合うハウジングを備える。バスケット1が容器200のキャビティ210内に収容され、核燃料集合体2がバスケット1の隣接し合うハウジング内に配置された場合に、この輸送物100は「装填された」と呼ばれる。
【0034】
参考までに、この容器は、容器の軸方向端部に衝撃吸収カバー212を有することが可能であり、これらのカバー212はそれぞれ、この容器の本体202の蓋208および底部206を覆う点を指摘しておく。
【0035】
本発明の特殊性は、照射済み核燃料集合体を輸送および/または貯蔵するためのバスケット1の設計にあり、次にまず図2および図3を参照としてこれを説明する。
【0036】
図2および図3に示すように、バスケット1は、軸線3に対して平行に配設された複数の隣接し合うハウジング4、4’を備える。さらにこの軸線3は、バスケットの中心長手方向軸線に対応する。
【0037】
この場合においては、隣接し合うハウジングの個数Nは、69個であるが、この個数は、例えば10~100の間のいずれかであるなどにより、異なる個数であることが可能であることが明らかである。
【0038】
ハウジング4、4’はそれぞれ、正方形断面を有する少なくとも1つの燃料集合体2を、および好ましくは1つのみの燃料集合体2を受け入れることが可能である。したがって、ハウジング4、4’は、概ね正方形または矩形の形状の横断面を有する内方ハウジング画成表面10を有する。「内方ハウジング画成表面10」という用語は、燃料集合体2(図3では2つの燃料集合体2が示される)の外方表面に直接的に対面して配置されるバスケット要素の表面を示す。
【0039】
したがって、ハウジング4、4’は、相互に並置されるように設けられる。ハウジング4、4’は、複数の相互に平行な第1の分割パーテーション9と、第1のパーテーション9に対して垂直である複数の相互に平行な第2の分割パーテーション11とにより作製される。
【0040】
第1のパーテーション9および第2のパーテーション11は、軸線3に対していずれも平行である。図2および図3に示す実施形態では、8個の第1のパーテーション9および8個の第2のパーテーション11が設けられる。これらのパーテーション9、11は、4個の周縁パーテーション13と周縁ハウジング4’をそれぞれが形成する4個のチューブ15とによって完全なものとなる。これに関して、N個の隣接し合うハウジングは、N1個の周縁ハウジング4’と、N2個の内方ハウジング4とに区分される点を指摘しておく。ここでは、N個の隣接し合うハウジングは、24個の周縁ハウジング4’と45個の内方ハウジング4とからなる。「周縁ハウジング」という用語は、バスケット1の仮想周縁ラインにより横切られる、および内方ハウジング4を囲む閉鎖周縁列のハウジング4’を画成するハウジングを示す。したがって、N1個の周縁ハウジング4’は、ここでは5個のハウジング4’の4個の周縁セグメントと、前記周縁セグメントの端部同士の間に配置されたチューブ15のうちの1つによりそれぞれが画成される4個のハウジング4’とに区分される。
【0041】
第1の分割パーテーション9および第2の分割パーテーション11は、軸線3に沿って積み重ねられインターロックされた平坦バー14a、14bを使用して作製される。より具体的には、切欠部を有するこれらの平坦バーをこのように積み重ねることにより、N2個の内方ハウジング4のすべてを画成することが可能となり、さらにチューブ15により画成される周縁ハウジング4’を除き、周縁ハウジング4’の画成にも部分的に寄与する。
【0042】
バスケット1の平坦バー14a、14bのうちのいくつかのみを示す図4において示されるように、これらの平坦バー14a、14bのそれぞれが、その底部エッジおよび頂部エッジに切欠部16を有する。この場合に、平坦バー14a、14bのこれらの切欠部16は、対として協働することによりいわゆる「マトリクス」構造部を形成し、平坦バー14a、14bは、直交方向において積み重ねられインターロックされる。
【0043】
好ましいこの第1の実施形態では、平坦バー14a、14bを積み重ねインターロックすることにより得られる各パーテーション9、11は、好ましくは一連の複数の第1の平坦バー14aにより、または一連の複数の第2の平坦バー14bにより形成される。この場合に、かように形成された各パーテーションは、バスケット1の全高に沿って延在し、バスケット1の全高方向は、実質的にこの全高に沿って軸線3に対して平行である。横断方向においては、各分割パーテーション9、11は、やはりバスケット1の全幅に沿って局所的に延在し、これは、これらのパーテーションを形成する各平坦バー14a、14bに関しても当てはまる。したがって、第1の平坦バー14aおよび第2の平坦バー14bは、軸線3に対して平行な、バスケット1の高さ方向に対応する積み重ね方向20に沿って積み重ねられる。好ましくは、すべての第1の平坦バー14aは、すべての第2の平坦バー14bが第1の平坦バーとは異なる単一材料から作製されるのと同様に、単一の材料から作製される。
【0044】
第1の平坦バー14aの場合に、これらのバー14aはホウ素を含む。好ましくは、第1の平坦バー14aは、ホウ素を含むアルミニウム合金からなる単一ピースから作製される。この場合に、ホウ素は、平坦バー14a内に均質的に分散され得るか、または不均質に分散され得る。この合金中のホウ素含有量は、例えば求められる実効増倍率「Keff」、第1の平坦バー14aの個数と第2の平坦バー14bの個数との間の比率、バスケット内部における第1の平坦バー14aの位置等の複数の基準に従って適合化される。示唆的な例としては、ホウ素質量含有量は、合金中において16%以上を達成することが可能であるが、この数値は数パーセントだけ低下させることもまた可能である。
【0045】
代替的には、単一ピースであるのではなく、各第1の平坦バー14aが、ホウ素を含む表面コーティングを備える単一ピース平坦バーであることが可能である。このシナリオでは、単一ピース平坦バーは、アルミニウム合金から作製されることが可能であり、このコーティングは、例えば炭化ホウ素粒子の高温スパッタリングまたは低温スパッタリングなどの任意の既知の技術により堆積することが可能である。
【0046】
好ましくは、ホウ素含有量は、バスケット1の第1の平坦バー14aのすべてについて同一または実質的に同一である。
【0047】
第2の平坦バー14bの場合に、これらのバー14bはホウ素を含まない。さらに、第2の平坦バー14bは、いかなる他の中性子吸収元素をも含まず、すなわち中性子吸収元素から免れている。「中性子吸収元素」という用語は、熱中性子に関して100バーン超の有効断面積を有する元素を示す。示唆的な例としては、第2の平坦バー14bは、ホウ素、ガドリニウム、ハフニウム、カドミウム、インジウム等を含まないアルミニウム合金からなる。
【0048】
第2の平坦バー14bに関して、これらのバー14bは、好ましくはアルミニウム合金から作製されるが、したがってホウ素を含まない。
【0049】
これに関して、「平坦バー」は、平坦状の全体形状の要素を示し、その要素の両表面間における厚さは、厚さ方向に対して直交方向かつ相互に直交方向である2つの他の方向における各寸法よりも小さい寸法である点を指摘しておく。さらに、各平坦バーごとに、平坦バーは、単一の平坦要素からまたは厚さ方向における複数の平坦要素のオーバーレイからなるものであってもよい。別の代替例によれば、平坦バーは、相補的断面の平坦バーを収容するチューブ状要素からなるものが可能である。好ましくは、各平坦バーが、切欠部を形成する中空ゾーン以外において中実または実質的に中実である。
【0050】
本発明の特殊性のうちの1つは、バスケット1のパーテーション9、11のそれぞれを作製するために、第1の平坦バー14aと第2の平坦バー14bとの間で賢明な選択を行う点にある。通則的に、ホウ素を含む第1の平坦バー14aから作製されるパーテーションの密度は、バスケットの周縁部よりも中心部において、より高い。また、いくつかの内方ハウジング4および周縁ハウジング4’は、ホウ素を含む第1の平坦バー14aとホウ素を含まない第2の平坦バー14bとを組み合わせることにより作製される。
【0051】
さらに具体的には、図5の切断面Pなどのバスケット1の少なくとも1つの横断面において、および好ましくはバスケット1のこれらのすべての横断面または実質的にこれらのすべての横断面において、N2個の内方ハウジング4のうちの少なくとも1つの内方ハウジング画成表面10は、第1の平坦バー14aおよび第2の平坦バー14bにより部分的に形成される。
【0052】
この設計をより具体的に説明するために、図5のハウジング4を参照とする。ここでは、燃料集合体2が示されている。このハウジング4に関して、バスケットの横断面内において、内方ハウジング画成表面10は、第2の平坦バー14bおよび3個の平坦バー14aによりそれぞれ形成された4個の側部10a、10b、10c、10dによって形成される。
【0053】
さらに具体的には、やはり横断面において、内方ハウジング画成表面10の第1の側部10aは、第2の平坦バー14bの第1の表面14b’により作製される。第1の表面14b’の対向側の前記第2の平坦バー14bの第2の表面14b”は、バスケットの1つ以上の他の隣接し合うハウジング4、4’の内方ハウジング画成表面10の形成にも寄与する点に留意されたい。同様に、内方ハウジング画成表面10の第2の側部10b、第3の側部10c、および第4の側部10dは、3個の第1の平坦バー14aの第1の表面14a’によりそれぞれ作製される。また、第1の表面14a’の対向側のこれらの第1の平坦バー14aのそれぞれの第2の表面14a”は、バスケットの1つ以上の他の隣接し合うハウジング4、4’の内方ハウジング画成表面10の形成にも寄与する。
【0054】
したがって、バスケット1の中心付近または中心上に配置されたいくつかのハウジング4が、第1の平坦バー14aのみから作製されることが可能であるとしても、より周縁部の付近に位置するハウジング4は、第1の平坦バー14aから作製された1つ以上のパーテーションと、第2の平坦バー14bから作製された1つ以上のパーテーションとの組合せの結果として得ることが可能である。
【0055】
したがって、図5の装填されたハウジング4の例においては、ハウジング4は、ホウ素を含まない第2の平坦バー14bから作製された単一の分割パーテーション9と、ホウ素を含む第1の平坦バー14aから作製された3個の分割パーテーション9、11とからなる。代替的には、種々のタイプのパーテーションの組合せから結果的に得られるこれらの内方ハウジング4に関して、内方ハウジング4は、ホウ素を含まない第2の平坦バー14bから作製された2つの分割パーテーション9、11と、ホウ素を含む第1の平坦バー14aから作製された2つの分割パーテーション9、11とからなることが可能である。この後者の場合に、同一タイプのパーテーションが、対として直に連続し直交することが、または対として平行であることが可能である。
【0056】
上記から分かるように、図3および図5の横断面などの横断面内において、複数のハウジング4、4’の内方画成表面10は、平坦バー14a、14bの関連する表面14a’、14a”、14b’、14b”にそれぞれ対応する4個のラインセグメント10a~10dの形態をとる。
【0057】
好ましくは、異なるタイプの分割パーテーション9、11を組み合わせることは、バスケットのN個のハウジング4、4’の少なくとも50%と、周縁ハウジング4’の少なくとも50%とに関する。さらに、これらのハウジング4’のうちのいくつかが、例えばアルミニウム合金から作製された周縁パーテーション13によっても閉じられる点を指摘しておく。
【0058】
一部がホウ素を含み他のものがホウ素を含まない分割パーテーション9、11のこのような組合せにより、製造コストが削減されるとともに、臨界未満の維持に関して高い性能が実現される。
【0059】
本発明の一般原理に依然として準拠する、図6に示す第2の実施形態によれば、分割パーテーションは、かならずしもすべてが同一タイプの平坦バー14a、14bを用いて作製される必要がない。実際に、これらの分割パーテーション9、11のうちの少なくともいくつかが、積み重ね方向20に沿って第1の平坦バー14aおよび第2の平坦バー14bを交互配置することによって作製される。この場合では、構造要素24が、図6に示すように2つの直に連続する平坦バー14a、14b間の積み重ねに導入され得る。好ましくは鋼から作製されるこれらの構造要素24は、平坦バー14a、14bの切欠部16に挿入されるバーの形態をとることが可能である。
【0060】
当然ながら、当業者は、もっぱら非限定的な例として上述した貯蔵デバイス1に対して様々な修正を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 貯蔵デバイス、バスケット
2 核燃料集合体
3 中心長手方向軸線
4 内方ハウジング
4’ 周縁ハウジング
9 第1の分割パーテーション
10 内方ハウジング画成表面
10a 第1の側部、ラインセグメント
10b 第2の側部、ラインセグメント
10c 第3の側部、ラインセグメント
10d 第4の側部、ラインセグメント
11 第2の分割パーテーション
13 周縁パーテーション
14a 第1の平坦バー
14a’ 第1の表面
14a” 第2の表面
14b 第2の平坦バー
14b’ 第1の表面
14b” 第2の表面
15 チューブ
16 切欠部
20 積み重ね方向
24 構造要素
100 輸送物
200 容器
202 本体
204 側部本体
206 底部
208 蓋
210 キャビティ
212 衝撃吸収カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6