(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】高出力統合半導体光増幅器アレイのシリコン支援パッケージング
(51)【国際特許分類】
G02B 6/125 20060101AFI20241213BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20241213BHJP
B60R 21/0134 20060101ALI20241213BHJP
G01S 7/481 20060101ALI20241213BHJP
G01S 17/42 20060101ALI20241213BHJP
G01S 7/282 20060101ALI20241213BHJP
H01S 5/50 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
G02B6/125
G02B6/42
B60R21/0134 313
G01S7/481 A
G01S17/42
G01S7/282
H01S5/50 610
(21)【出願番号】P 2022542348
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(86)【国際出願番号】 US2021012759
(87)【国際公開番号】W WO2021146116
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2023-12-25
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520390450
【氏名又は名称】オーロラ・オペレイションズ・インコーポレイティッド
【氏名又は名称原語表記】AURORA OPERATIONS, INC.
【住所又は居所原語表記】1654 Smallman Street, Pittsburgh, PA 15222, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】マイケルズ・アンドルー・スタイル
(72)【発明者】
【氏名】ワン・レイ
(72)【発明者】
【氏名】リン・セン
【審査官】林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-200273(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0265574(US,A1)
【文献】国際公開第2015/122189(WO,A1)
【文献】特開2008-209899(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0279910(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0391459(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0111468(US,A1)
【文献】国際公開第2018/105733(WO,A1)
【文献】特開2015-138926(JP,A)
【文献】J. K. DOYLEND et al., “Hybrid III V silicon photonic steerable laser”,IEEE Photonics Conference 2012,2012年09月,pp.1-2,DOI: 10.1109/IPCON.2012.6359318
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12-6/14
G02F 1/00-1/125
G02F 1/21-1/39
G02B 6/26-6/27
G02B 6/30-6/34
G02B 6/42-6/43
G01S 7/481
G01S 17/42
G01S 7/282
B60R 21/0134
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の光検出および距離測定(LiDAR)システムであって、
半導体光増幅器(SOA)アレイチップと、集積光学チップと、
第1導波管と、を備え、
前記SOAアレイチップは、入力SOAと、複数のSOAと、を備え、
前記SOAアレイチップが特定のチップファセットを有し、
前記入力SOAへの光入力および前記複数のSOAからの光出力が前記SOAアレイチップの前記特定のチップファセット上に位置され、
前記集積光学チップは、光スプリッタと、導波管アセンブリと、を備え、
前記光スプリッタは、前記入力SOAから第1方向に伝播する増幅された入力光を受信し、前記増幅された入力光をビームに分割するように構成され、
前記導波管アセンブリは、前記ビームを前記複数のSOAの対応するSOAにガイドするように構成され、
前記導波管アセンブリが、ガイドされた前記ビームの伝播方向を
前記第1方向と実質的に反対になる第2方向と実質的に平行になるように調整し、
前記複数のSOAが、それぞれのビームを増幅し、複数の増幅された出力ビームを生成するように構成され、
前記第1導波管は、前記SOAアレイチップに光を供給するように構成され、
前記第1導波管の入口における前記光の伝播方向は、前記第1導波管の出口における前記光の伝播方向と実質的に反対である、LiDARシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のLiDARシステムにおいて、
前方ファセットを含む光集積回路(PIC)チップと、
前記PICチップに結合され、前記複数の増幅された出力ビームを前記前方ファセットに出力するように構成されるSOAチップと、
をさらに備える、LiDARシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のLiDARシステムにおいて、
前記集積光学チップは、前記PICチップの前記前方ファセットよりも前記SOAチップの反対側にある、LiDARシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のLiDARシステムにおいて、
前記SOAチップの第1面とシムの第1面とに結合されるキャリアをさらに備え、
前記SOAチップの第2面が前記PICチップの複数の台座に結合され、
前記シムの第2面が前記集積光学チップに結合され、
前記キャリアが前記SOAチップに熱および構造的支持を提供するように構成される、LiDARシステム。
【請求項5】
請求項2に記載のLiDARシステムにおいて、
前記集積光学チップと前記PICチップとが特定のウェハ上に作製される、LiDARシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のLiDARシステムにおいて、
前記導波管アセンブリの少なくとも1つの導波管が前記PICチップの少なくとも1つの導波管と位置合わせされている、LiDARシステム。
【請求項7】
請求項5に記載のLiDARシステムにおいて、
前記集積光学チップが、前記特定のウェハに作製される1つ以上の屈曲部を介して前記PICチップに結合されると共に前記PICチップから吊られている、LiDARシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のLiDARシステムにおいて、
第2SOAアレイチップをさらに備え、
前記第2SOAアレイチップは、第2入力SOAと、第2複数のSOAと、を備え、
前記第2入力SOAと、前記第2複数のSOAとは、互いに平行に、かつ前記SOAアレイチップのSOAと平行に配置される、LiDARシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のLiDARシステムにおいて、
光を放出するように構成されるレーザーソースと、
前記光を少なくとも第1ビームと第2ビームに分割するように構成される光分岐器と、をさらに備え、
前記第1ビームは前記SOAアレイチップに供給され、前記第2ビームは前記第2SOAアレイチップに供給される、LiDARシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のLiDARシステムにおいて、
前記第2ビームを前記第2SOAアレイチップに供給するように構成される第2導波
管をさらに備え、
前記第2導波管の入口における前記光の伝播方向は
、前記第2導波管
の出力における伝播方向と実質的に反対である、LiDARシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のLiDARシステムにおいて、
SOAアレイは、PICチップに結合されるSOAチップ上にあり、
前記LiDARシステムは、さらに、前記PICチップに結合された外部キャビティレーザー(ECL)ソースであって、前記SOAチップに光を提供するように構成されるECLソースを備え、
前記ECLソースは、
光を放出するように構成される光源と、
利得媒体チップと、
共振器と、を備え、
前記共振器と、前記利得媒体チップとは、放出された前記光の特定の帯域を集合的に選択して増幅する、LiDARシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のLiDARシステムにおいて、
前記複数のSOAは、同じ増幅レベルを提供するように構成される、LiDARシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のLiDARシステムにおいて、
前記複数のSOAは、第1SOAと、第2SOAと、を含み、
前記第1SOAおよび前記第2SOAは、互いに異なる増幅量を提供するように構成される、LiDARシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のLiDARシステムにおいて、
前記LiDARシステムが周波数変調連続波(FMCW)LiDARシステムの一部である、LiDARシステム。
【請求項15】
車両の光検出および距離測定(LiDAR)システム用の半導体光増幅器(SOA)モジュールであって、
特定のチップファセットを有するSOAチップ上のSOAアレイと、前記SOAチップに結合されるUターンチップと、
導波管と、を備え、
前記SOAアレイは、入力SOAと、複数のSOAと、を備え、
前記入力SOAへの光入力および前記複数のSOAからの光出力が前記SOAチップの前記特定のチップファセット上に位置され、
前記Uターンチップは、光スプリッタと、導波管アセンブリと、を備え、
前記光スプリッタは、前記入力SOAから第1方向に伝播する増幅された入力光を受信し、前記増幅された入力光をビームに分割するように構成され、
前記導波管アセンブリは、前記ビームを前記複数のSOAの対応するSOAにガイドするように構成され、
前記導波管アセンブリが、ガイドされた前記ビームの伝播方向を、前記第1方向とは実質的に反対の第2方向と実質的に平行になるように調整し、
前記複数のSOAが、それぞれのビームを増幅し、複数の増幅された出力ビームを生成するように構成され
、
前記導波管は、前記SOAアレイに光を供給するように構成され、
前記導波管の入口における前記光の伝播方向は、前記導波管の出口における前記光の伝播方向と実質的に反対である、
半導体光増幅器モジュール。
【請求項16】
請求項15に記載の半導体光増幅器モジュールにおいて、
キャリアと、シム(Shim)と、をさらに備え、
前記キャリアが前記シムによって前記Uターンチップから分離される、半導体光増幅器モジュール。
【請求項17】
請求項16に記載の半導体光増幅器モジュールにおいて、
前記シムは、前記SOAアレイの導波管と前記Uターンチップの導波管とが同じ平面に整列するようにサイズが決定される、半導体光増幅器モジュール。
【請求項18】
車両であって、
光検出および距離測定システム(LiDAR)を備え、
前記LiDARシステムは、
半導体光増幅器(SOA)アレイであって、前方チップファセットを有するSOAチップ上のSOAアレイと、前記SOAチップに結合された集積光学チップと、
導波管と、を備え、
前記SOAアレイは、入力SOAと、複数のSOAと、を備え、
前記入力SOAへの光入力および前記複数のSOAからの光出力が前記SOAチップの前記前方チップファセット上に位置され、
前記集積光学チップは、光スプリッタと、導波管アセンブリと、を備え、
前記光スプリッタは、前記入力SOAから第1方向に伝播する増幅された入力光を受信し、前記増幅された入力光をビームに分割するように構成され、
前記導波管アセンブリは、前記ビームを前記複数のSOAの対応するSOAにガイドするように構成され、
前記導波管アセンブリは、ガイドされた前記ビームの伝播方向を、前記第1方向とは実質的に反対の第2方向と実質的に平行になるように調整
し、
前記導波管は、前記SOAアレイに光を供給するように構成され、
前記導波管の入口における前記光の伝播方向は、前記導波管の出口における前記光の伝播方向と実質的に反対である、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についての相互参照
本出願は、2020年1月13日付に出願された米国仮特許出願第62/960、688号についての35U.S.C§119(e)下の優先権を主張し、これらすべてはその全体が参照として含まれる。
【0002】
本開示の内容は、一般的に周波数変調連続波(Frequency Modulated Continuous Wave、FMCW)光検出および距離測定(Light Detection and Ranging、LiDAR)に関するものであって、より具体的には、ソリッドステートFMCW LiDARシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来のLiDARシステムは、レーザービームをステアリングするために機械的移動部品とバルク光学レンズ素子(すなわち、屈折レンズシステム)を使用する。そして、多数の応用(例えば、自動車)の場合、かさばりすぎ、高価で信頼できない。
【発明の概要】
【0004】
光集積回路(Photonic Integrated Circuit、PIC)アセンブリは、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier、SOA)とUターン(U-Turn)チップを含む。入力SOAおよび複数のSOAは、互いに平行に配列される。Uターンチップは、光スプリッタと導波管アセンブリを含む。光スプリッタは、入力SOAから第1方向に伝播する増幅された入力光を受信し、増幅された光を複数のビームに分割するように構成される。導波管アセンブリは、複数のビームのそれぞれを複数のSOAの対応するSOAにガイドするように構成される。導波管アセンブリは、また、ガイドされたビームのそれぞれの伝播方向を第1方向と実質的に反対になる第2方向に実質的に平行になるように調整する。複数のSOAのそれぞれは、複数の増幅された出力ビームを生成するためにそれぞれのビームを増幅するように構成される。PICアセンブリは、例えば、周波数変調連続波(Frequency Modulated Continuous Wave、FMCW)LiDARシステムの一部であり得る。
【0005】
一部の実施形態において、PICアセンブリは、半導体光増幅器(SOA)モジュールを含む。SOAモジュールは、SOAアレイを含み、さらにUターンチップを含み得る(代替的な実施形態において、Uターンチップは、SOAモジュールが結合するPICチップの一部であり得る)。SOAアレイは、SOAチップ上にある。SOAアレイは、入力SOAと複数のSOAを含み、入力SOAと複数のSOAは、互いに平行に配列される。Uターンチップは、SOAチップに結合され、光スプリッタと導波管アセンブリを含む。光スプリッタは、入力SOAから第1方向に伝播する増幅された入力光を受信し、増幅された光を複数のビームに分割するように構成される。導波管アセンブリは、複数のビームのそれぞれを複数のSOAの対応するSOAにガイドするように構成され、導波管アセンブリは、ガイドされたビームのそれぞれの伝播方向を第1方向と実質的に反対になる第2方向に実質的に平行になるように調整し、複数のSOAのそれぞれは、複数の増幅された出力ビームを生成するためにそれぞれのビームを増幅するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の実施形態の他の利点および特徴は、添付の図面の例に関連する以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲からより確実に明らかになるであろう。
【0007】
【
図1】1つ以上の実施形態によるPICチップに結合される2つのSOAアレイチップと2つの対応するUターンチップを含む光集積回路アセンブリのトップ-ダウンビューを示す。
【0008】
【
図2】1つ以上の実施形態によるSOAアレイモジュールの一実施形態の断面を示す。
【0009】
【
図3】PICチップに結合されたSOAアレイモジュールの断面の他の実施形態を示す。
【0010】
【
図4a】1つ以上の実施形態による例示的な製作工程を説明する。
【
図4b】1つ以上の実施形態による例示的な製作工程を説明する。
【0011】
【
図5a】1つ以上の実施形態による
吊られている(Suspended)Uターンチップを含むPICアセンブリを説明する。
【
図5b】1つ以上の実施形態による
吊られている(Suspended)Uターンチップを含むPICアセンブリを説明する。
【0012】
【
図6】1つ以上の実施形態による
吊られているUターンチップおよび複数のコームドライブ(Comb Drives)を含むPICアセンブリを説明する。
【0013】
【
図7】1つ以上の実施形態による外部キャビティレーザーを含むPICアセンブリのトップ-ダウンビューを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
SOAモジュールは、(SOAアレイチップ上に)SOAアレイを含み、Uターン(U-Turn)チップを含み得(他の実施形態において、Uターンチップは、SOAモジュールが結合(Couple)するPIC回路の一部である)、SOAモジュールは、光集積回路(Photonic Integrated Circuit、PIC)チップに結合され得る。SOAアレイは、入力SOAおよび複数のSOAを含む。一部の実施形態において、入力SOAは、複数のSOAのうち、1つ以上と同じである。代替実施形態において、入力SOAと複数のSOAとは異なる場合がある(例えば、異なる増幅レベルを有する)。一部の実施形態において、複数のSOAのそれぞれは、同じ増幅レベルを提供するように構成される。他の実施形態において、複数のSOAのうち、少なくとも1つは、入力SOAおよび/または複数のSOAのうち、他のSOAとは異なる増幅レベルを提供する。入力SOAと複数のSOAは、互いに平行に配列され得る。PICチップ、Uターンチップ、またはこれらの一部の組み合わせは、シリコン、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、またはこれらの一部の組み合わせからなることができる反面、SOAアレイチップは、Al、Ga、In、N、P、Asおよび他の元素からなるIII-V化合物半導体物質から製造できる。
【0015】
Uターンチップは、光スプリッタおよび導波管アセンブリを含む。光スプリッタは、入力SOAから第1方向に伝播する増幅された入力光を受信し、増幅された光を複数のビームに分割するように構成される。導波管アセンブリは、複数のビームのそれぞれを複数のSOAの対応するSOAにガイドする。導波管アセンブリは、また、ガイドされたビームのそれぞれの伝播方向を第1方向と実質的に反対になる第2方向に実質的に平行になるように調整する。このような方式で、導波管アセンブリによってガイドされた光は、SOAアレイに向かって再び「Uターン」を実行する。
【0016】
複数のSOAのそれぞれは、複数の増幅された出力ビームを生成するためにそれぞれのビームを増幅するように構成される。SOAモジュールは、光集積回路(PIC)アセンブリの一部であり得るため、増幅された出力ビームは、例えば、周波数変調連続波(FMCW)LiDARシステムで使用するためにPICアセンブリに提供され得る。FMCW LiDARは、周波数変調されたコリメート光ビームをオブジェクトに向けることによって、オブジェクトの距離と速度を直接測定する。オブジェクトから反射した光は、ビームのタップバージョン(Tapped Version)とコンバイン(Combine)される。その結果として生成されるビートトーン(Beat Tone)の周波数は、2番目の測定が要求されるドップラーシフトによって補正されると、LiDARシステムからオブジェクトまでの距離に比例する。同時に行われることも、そうでないこともあり得る2つの測定は、距離と速度情報の両方を提供する。
【0017】
PICアセンブリは、光源からの光を複数のSOAモジュールに提供するために複数のSOAモジュール、光源、および複数の導波管を含み得ることに留意されたい。複数の導波管は、また同様のUターン機能を提供するように配列されることができる。これは、SOAおよびUターンチップの平行配列(Parallel Arrangement)と組み合わせて(Combination)SOAモジュールとPICチップの簡単な統合およびパッケージングを容易にする。一方、一般的な高電力SOAアレイは、III-Vチップの反対側に光入力および出力を有する。これにより、他の光チップ(Photonics Chips)を使用したSOAのパッケージングが高価で困難になる可能性がある。
【0018】
図1は、1つ以上の実施形態によってPICチップ102に結合される2つのSOAアレイチップ110(SOAチップとも呼ばれる)と2つの対応するUターンチップ113を含む光集積回路(PIC)アセンブリ100のトップ-ダウンビュー(Top-Down View)を示す。PICチップ102、SOAアレイチップ110、Uターンチップ113、またはこれらの一部の組み合わせは、シリコン、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、またはこれらの一部の組み合わせからなり得る。
【0019】
統合されたレーザーソース101の出力光電力は、PICチップ102の上部に位置する。このソースからの光は、PICチップ102上にパターニングされる導波管103に結合される。
【0020】
導波管内の光電力は、光分岐器104によって2つの出力導波管105および106に均一に分割される。光分岐器104は、例えば、ビームスプリッタであり得る。この例においては、2つのSOAモジュール(すなわち、107、108)が説明されているが、他の実施形態においては、異なる数のSOAモジュールを使用できる。SOAモジュール107、108のそれぞれは、PIC102の上部面にエッチングされた凹状のキャビティ(Recessed Cavity)内に配置されるSOAアレイチップ110(SOAチップとも呼ばれる)とUターンチップ113を含む。
【0021】
図示のように、出力導波管105は、第1ビームをSOAモジュール107(および具体的に対応するSOAアレイ)に提供するように構成され、出力導波管106は、第2ビームをSOAモジュール108(および具体的に対応するSOAアレイ)に提供するように構成される。図示のように、出力導波管105と出力導波管106の入口における光の伝播方向は、出力導波管105と出力導波管106の出力における伝播方向と実質的に反対であることに留意されたい。
【0022】
各SOAアレイチップは、SOAアレイを含む。SOAアレイは、入力SOA(例えば、入力SOA111)と複数のSOA(例えば、SOA116)を含む。図示のように、入力SOAと複数のSOAは、互いに平行に配列される。他の実施形態において、入力SOAと複数のSOAは、異なる方式で互いに対して位置し得る。
【0023】
SOAモジュール107の文脈において、出力導波管105は、前方チップファセット(Front Chip Facet)109を介してSOAアレイチップ110にエッジ結合(Edge-Couple)される。
【0024】
この光は、チップ対チップの結合(Chip-to-Chip Coupling)に関連する損失を相殺するための前置増幅器として機能する入力SOA111を通過する。増幅される光は、第1方向に伝播する。
【0025】
前置増幅された光は、SOAチップ110の後方ファセット(Back Facet)112を介してUターンチップ113にエッジ結合されたSOAを出る。
【0026】
入力導波管内の光は、導波管アセンブリのM個の導波管(例えば、導波管115)の間に前置増幅された光電力を等しく分配する1×Mスプリッタ114(ここで、Mは、1からSOAアレイ110で入力SOAを含むSOAの総数を引いたものと同じである)を通過する。導波管アセンブリの各導波管は、前置増幅された光電力の一部に該当するガイドされたビームを含む。
【0027】
導波管アセンブリは、ガイドされたビームのそれぞれの伝播方向を第1方向と実質的に反対になる第2方向に実質的に平行になるように調整する。例えば、導波管は、曲がり、光は、後方ファセット112を介してSOAアレイチップ110に再び結合される。各光チャンネルは、SOAアレイチップ上の個々のSOA116を通過し、光を所望の出力レベルに増幅させる(すなわち、複数のSOAのそれぞれは、複数の増幅された出力ビームを生成するためにそれぞれのビームを増幅するように構成される)。一部の実施形態において、SOAアレイチップ内の各SOA116は、同じ増幅レベルを提供するように構成される。他の実施形態において、SOA116のうち、少なくとも2つは異なる増幅レベルを有する。同様に、一部の実施形態において、PICチップ102上の複数のSOAモジュールは、同じである。そして、他の実施形態において、PICチップ102上の少なくとも1つのSOAモジュールは、PICチップ102上の他のSOAモジュールと異なる。例えば、1つのSOAモジュールは、他のSOAモジュールとは異なる数のSOAを有し得る。
【0028】
増幅された光は、前方チップファセット109を介してPICチップ102に、そして導波管117に再びエッジ結合される。出力導波管106からSOAモジュール108までの光は、SOAモジュール107について前述したものとように実質的に同様の方法でSOAモジュール108内で増幅され、導波管118に出力される。PICチップ102内の導波管117、118は、パッケージ化されたSOAアレイからPICチップ102に含まれる光回路に光を運ぶ。
【0029】
図2は、1つ以上の実施形態によってPICチップ205に結合されたSOAアレイモジュール200(SOAモジュールとも呼ばれる)の一実施形態の断面を示す。SOAアレイチップ201は、構造的支持(Structural Support)および熱管理を提供するキャリア203に接合される。キャリア203は、シリコン、AlNまたはAl2O3などの他の熱伝導性セラミックス、またはこれらの一部の組み合わせから製造できる。SOAアレイチップ201は、SOAアレイチップ110の一実施形態であり得る。
【0030】
Uターンチップ202は、キャリア203に対して必要な機械的オフセット(Mechanical Offset)を提供するシム(Shim)204の助けでSOAアレイチップ201に能動的に結合される。シム(Shim)204は、SOA201と同様の熱膨張係数を有する材料を使用することが有利であるが、SOA201とUターン202との間の整列が温度変化(Temperature Swings)に対してよりよく保存できる(Preserved)ため、任意の材料で製造できる。Uターンチップ202は、Uターンチップ113の一実施形態である。Uターンチップ202は、コンバインされた(Combined)モジュールがPICチップ205にエッチングされたくぼみ(Recess)に嵌まるように薄くなる。接合されたSOAアレイチップ201、キャリア203、シム204、およびUターンチップ202のこのような配列は、SOAアレイモジュール200を形成する。
【0031】
SOAアレイモジュール200は、SOAアレイチップ201によって提供される光電力を用いるPICチップ205上に配置される。PICチップ205は、機械的支持(Mechanical Support)、精密な平面外整列(Out-of Plane Alignment)、およびSOAアレイチップ201をPICチップ205に固定させる手段を提供するパターン化された台座206を含む。SOAアレイモジュールは、これらの台座206の上部に配置され、その前方ファセットは、チップファセット207に近接して取付けられ、SOAアレイチップ201とPICチップ205との間の効率的な光結合(Optical Coupling)を提供するように能動的に(Actively)整列する。例示された実施形態において、Uターンチップ202は、チップファセット207よりもSOAアレイチップ201の反対側にあることに留意されたい。他の実施形態において、Uターンチップ202に対するチップファセット207の位置は変化し得る。
【0032】
追加の支持のために必要な場合、Uターンチップ202は、低収縮接着剤(Low-Shrinkage Adhesive)208を有するシリコン光チップに結合され得る。
【0033】
図3は、PICチップ304に結合されたSOAアレイモジュール300の断面の他の実施形態を示す。SOAアレイモジュール300は、チップの組み立て工程を単純化し、大量生産のためのコストを削減する。
【0034】
この実施形態において、PICチップ304およびUターンチップ302は、同じウェハ上に製作され、PIC304内の導波管310とUターンチップ302内の導波管311が垂直方向に自己整列される。すなわち、これらは、チップ表面の下の同じ深さにある(例えば、同じ平面に整列される)。また、PICチップ304内のパターン化された台座(例えば、台座305)とUターンチップ302内のパターン化された台座(例えば、台座303)は、SOAチップ301がこれらの台座に位置すると、SOAチップ301内の導波管309が垂直方向に導波管310、311と整列するように形成される。チップ組み立て工程における正確な垂直整列は、性能に影響を与えるため、自己整列している導波管309、310、311と適切に形成された台座によって提供される機械的制約は、最終チップアセンブリの歩留まりと品質を大きく向上させ、より高い処理量(Throughput)とより低い製造コストにつながる可能性がある。
【0035】
図4aおよび
図4bは、1つ以上の実施形態による例示的な製作工程を説明する。
図4aおよび
図4bに示す工程は、回路製造システムのコンポーネントによって行われ得る。他のエンティティは、
図4aおよび
図4bの他の実施形態のステップのうち、一部または全部を行われ得る。実施形態は、異なるおよび/または追加のステップを含むか、または異なる順序でステップを行われ得る。
【0036】
図4aに示すように、PIC404およびUターン402は、同じウェハ上に生成される。ウェハは、シリコン、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、いくつかの他の適切な材料、またはこれらの一部の組み合わせで製造できる。導波管410、411は、ウェハ表面の下の同じ深さにある。同様に、台座405と台座403は、台座405の上部と台座403の上部がウェハ表面の下の同じ深さにあるように形成される。図示の実施形態においては、4つの台座405と2つの台座403があることに留意されたい。他の実施形態において、より多かったり、より少ない台座405および/またはより多かったり、より少ない台座403が存在し得る。
【0037】
図4bは、SOAアレイチップ401とUターンチップ402を含むSOAモジュール400がどのように組み立てられるかを示す。Uターンチップ402は、
図4aに示すウェハから切断され、薄くなることができる。
【0038】
SOAアレイチップ401は、キャリア406に接合される。キャリア406は、キャリア203の一実施形態であり得る。その後、Uターンチップ402は、逆さまに反転され、整列され、SOAアレイチップ401の上部表面に触れる台座403とともにSOAアレイチップ401に接合され、垂直方向に機械的制約を提供する。一次接着は、台座403の周りの接着剤408(例えば、はんだ(Solder)またはグルー(Glue))によって供給され、二次接着は、より良い機械的安定性のためにUターンチップ402とキャリア406との間に、必要に応じてシム407とともに低収縮グルー(Low Shrinkage Glue)408'を使用して追加され得る。台座403の高さが精密に制御されるため、この方法は、SOAアレイチップ401とUターンチップ402との間の手動整列を許容する。
【0039】
次に、SOAモジュール400は、逆さまに反転され、PICチップ404と接合される。例えば、
図3に示すように、SOAモジュール400は、逆さまに反転し、PIC304の導波管310に整列され、アセンブリの垂直整列を保証する機械的停止(Mechanical Stop)としてPICチップ304の台座(例えば、台座305)を収容する凹状キャビティで接着剤308によって接合される。
【0040】
図5aおよび
図5bは、1つ以上の実施形態による
吊られている(Suspended)Uターンチップ502を含むPICアセンブリ500を説明する。PICアセンブリ500は、
吊られているUターンチップ500に接続されるPICチップ505と、SOAモジュールと、を含む。SOAモジュールは、SOAアレイチップ501とキャリア503を含む。
図5aは、PICアセンブリ500の断面図であり、
図5bは、PICアセンブリ500のトップダウンビューである。PICチップ505とUターンチップ502は、同じウェハ上に製作される(例えば、
図4aに関連して前述した実施形態と同様である)。Uターンチップ502の下部がキャビティ(Cavity)または貫通ビア(Through Via)510として中が空いている場合、ウェハを切断する代わりに、Uターンチップ502は、屈曲部(Flexure)509によって付着し、
吊られている。
一例では、Uターンチップは、上記同じウェハに製作される1つ以上の屈曲部を介してPICチップに結合すると共にPICから吊られている。Uターンチップ502は、平面外動き(Out-of-Plane Motion)が制限されるが、平面内(In-Plane)で動けるわずかな自由を有する。これは、PIC505、SOAアレイチップ501、およびUターンチップ502の間の垂直方向の整列を保証するが、SOAアレイチップ501の長さの変化に対応するためにUターンチップ502を左右に移動させることができる。組み立て中、キャリア503上の予め組み立てられたSOA501は、反転され、整列され、PICチップ505の台座(例えば、台座506)に接合される。次に、Uターンチップ502は、SOAアレイチップ501に向かって押され(Pushed)、接着剤508で所定の位置に永久的に固定されてPICアセンブリ500を形成する。
【0041】
図6は、1つ以上の実施形態によるPICチップ605が
吊られているUターンチップ602および複数のコームドライブ(Comb Drives)611を含むPICアセンブリ600を説明する。コームドライブ611は、Uターンチップ602を平面内で移動させるための静電気力を使用するために追加される。図示のように、コームドライブ611は、2つの直交方向にSOAアレイチップ601に対してUターンチップ602のトランスレーション(Translation)を制御するように構成される。コームドライブ611は、Uターンチップ602およびPICチップ605の部分から形成され、SOAアレイチップ601に対してUターンチップ602を位置させるように構成される。SOAアレイチップ601の導波管がUターンチップ602の導波管と整列すると、接着剤608がUターンチップ602を所定の位置に永久的に固定するために塗布される。3つのコームドライブ611が示されているが、他の実施形態において、PICチップ605は、1つ以上のコームドライブ611を含み得る。
【0042】
図7は、1つ以上の実施形態による外部キャビティレーザーを含むPICアセンブリ700のトップ-ダウンビューを示す。PICアセンブリ700は、Uターンチップ113の助けを借りて、共振器718を含むPICチップ702にパッケージ化された1つのSOAアレイチップ110および1つの利得媒体チップ(Gain Medium Chip)701を含む。利得媒体チップ701と共振器718は、本実施形態におけるレーザーソースである外部キャビティレーザー(External Cavity Laser、ECL)を形成する。共振器718と利得媒体チップ701は、放出された光の特定のバンドを集合的に選択して増幅する。
【0043】
ECLソースからの光は、導波管705を介してSOAアレイチップ110に結合される。SOAアレイチップ110は、
図1に関連して前述したような方式でインカップリングされた光(In-Coupled Light)で動作する。
【0044】
追加構成情報
図面および前述の説明は、単に例示として好ましい実施形態に関する。前述のように、本明細書に開示された構造および方法の代替的な実施形態は、請求項の原理から逸脱することなく採用できる実行可能な代替案として容易に認識されることに留意するべきである。
【0045】
詳細な説明は、多数の詳細を含むが、これらは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、単に異なる例を例示するものと解釈されるべきである。本開示内容の範囲は、前記で詳細に説明していない他の実施形態を含むことを理解するべきである。本明細書に開示された方法および装置の配列、動作および詳細について、添付の特許請求の範囲で定義された思想および範囲から逸脱することなく、通常の技術を有する者に自明である様々な他の変形、変化および変更が行われ得る。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によって決定されるべきである。
【0046】
代替実施形態は、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアおよび/またはこれらの組み合わせで実装される。実装例は、プログラマブルプロセッサによる実行のために機械読み取り可能な格納装置に実質的に具体化されたコンピュータプログラム製品として実装でき、方法ステップは、入力データについて動作して出力を生成することにより機能を行うために命令語プログラムを実行するプログラマブルプロセッサによって行われ得る。実施形態は、有利には、データ格納システム、少なくとも1つの入力装置および少なくとも1つの出力装置からデータおよび命令語を受信し、これからデータおよび命令語を送信するように結合された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムで実行可能な1つ以上のコンピュータプログラムで実装できる。それぞれのコンピュータプログラムは、高度な手続き的またはオブジェクト指向のプログラミング言語または必要に応じてアセンブリまたは機械語で実装でき、任意の場合、言語は、コンパイルまたはインタープリトされた言語であり得る。適切なプロセッサは、例として、汎用および特殊目的のマイクロプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、リードオンリーメモリ(ROM)および/またはランダムアクセスメモリ(RAM)から命令語およびデータを受信する。一般的に、コンピュータは、データファイルを格納するための1つ以上の大容量の格納装置を含み、このような装置は、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、および光ディスクを含む。コンピュータプログラム命令語およびデータを実質的に実装するのに適切な格納装置は、例として、EPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリ装置などの半導体メモリ装置、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、およびCD-ROMディスクを含むあらゆる形態の不揮発性メモリを含む。前述のすべては、特定用途向け集積回路(ASIC、Application-Specific Integrated Circuit)および他の形態のハードウェアによって補完されるか、またはこれに統合され得る。