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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】バッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20241213BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241213BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20241213BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20241213BHJP
   H01M 10/655 20140101ALI20241213BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20241213BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20241213BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M50/249
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/655
H01M10/647
H01M10/625
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022566247
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 KR2021014978
(87)【国際公開番号】W WO2022086302
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0138666
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ボ-ラ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン-スク・イ
(72)【発明者】
【氏名】ドン-ヒュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】スン-チャン・ホン
【審査官】村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-035710(JP,A)
【文献】特開2020-167132(JP,A)
【文献】特表2020-501302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 10/613
H01M 10/6556
H01M 10/655
H01M 10/647
H01M 10/625
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つ以上のバッテリーモジュールと、
内部に冷媒が流れるように構成された冷媒流路が形成された冷却ユニットと、
を備える、バッテリーパックであって、
前記冷却ユニットは、
前記バッテリーモジュールを搭載する部分と、
前記バッテリーモジュールが搭載されていない部分と、
を含み、
前記バッテリーモジュールを搭載する部分は、プレート形状に形成されており、前記バッテリーモジュールを搭載する部分に、前記少なくとも一つ以上のバッテリーモジュールを搭載しており、
前記バッテリーモジュールが搭載されていない部分は、上方へ膨らんだ山部、及び下方へ凹んだ谷部のうちの少なくとも一つ以上を含み、
前記上方へ膨らんだ山部によって、前記上方へ膨らんだ山部に対応する空間が形成されており、かつ前記下方へ凹んだ谷部によって、前記下方へ凹んだ谷部に対応する空間が形成されており、前記谷部の下部は下方へ突出していることを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項2】
前記バッテリーパックは、前記バッテリーモジュールの充放電を制御するように構成された電装モジュールをさらに含み、
前記電装モジュールは、前記冷却ユニットの前記山部及び前記谷部の少なくとも一方と対面する位置に、前記山部及び前記谷部の少なくとも一方と対応する形状に形成された、少なくとも一つ以上の曲面を有することを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
伝熱部材であって、一側が前記電装モジュールと接続するように構成され、他側が前記バッテリーモジュールと接触し、前記冷却ユニットの前記山部及び前記谷部のうちの少なくとも一つ以上と対面するように少なくとも一つ以上の曲面を有する伝熱部材をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記伝熱部材は、前記電装モジュールと前記バッテリーモジュールとを電気的に接続するケーブルを収容するように構成された内部空間を有することを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記バッテリーモジュールは、一側面から外側方向へ延びて第1ボルト締結孔が形成された結合部が備えられ、
前記伝熱部材は、前記バッテリーモジュールの結合部と結合するように第2ボルト締結孔が形成された支持部を備えることを特徴とする、請求項3または4に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記バッテリーパックは、
前記冷却ユニットの前端と結合する前方プレートと、
前記冷却ユニットの後端と結合する後方プレートと、
前記冷却ユニットの左側端と結合する左側プレートと、
前記冷却ユニットの右側端と結合する右側プレートと、
を含むことを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
柱部材であって、両端部が前記左側プレート及び前記右側プレートを各々支持するように前記電装モジュールの左側から右側へ長く延び、前記冷却ユニットの前記山部及び前記谷部のうちの少なくとも一つ以上と対面するように少なくとも一つ以上の曲面を有する柱部材をさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記柱部材は、
前記冷却ユニットの前記山部の上に位置し、前記山部が挿入されるように上方へ凹んだ収容部と、
前記冷却ユニットの前記谷部の上に位置し、前記谷部の凹んだ空間に挿入されるように下方へ突出した突出部と、
を備えることを特徴とする、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ以上含むことを特徴とする、自動車。
【請求項10】
前記バッテリーパックを搭載するように構成された車体をさらに含み、
前記車体の一部は、前記冷却ユニットの前記山部によって形成された空間に挿入されるように構成されたことを特徴とする、請求項9に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック及びそれを含む自動車に関し、より詳しくは、設置場所の空間効率を高めたバッテリーパック及びそれを含む自動車に関する。
【0002】
本出願は、2020年10月23日出願の韓国特許出願第10-2020-0138666号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能二次電池についての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材を各々正極活物質と負極活物質に用いる。また、リチウム二次電池は、正極活物質と負極活物質が各々塗布された正極板と負極板とがセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、このような電極組立体を電解液と共に封止収納する外装材、即ち、電池ケースを備える。そして、リチウム二次電池は、複数個がバッテリーパックに備えられ得る。
【0006】
最近、電気自動車などに適用される大容量のバッテリーパックの需要が増加しつつある。このようなバッテリーパックは自動車の狭小な内部空間に搭載され、自動車は、バッテリーパックに加え、電動モーター、動力伝達装置などの多くの内部構成が共に搭載されていることから、バッテリーパックを収容できる十分な収納空間を確保する必要がある。
【0007】
なお、バッテリーパックが搭載される設置場所に丸い形状の部品が存在するか、または設置底部が膨らんだ形状を有する場合、従来技術のバッテリーパックと前記収納空間との間にデッドスペース(空き空間)が発生して、自動車の空間効率が低下するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、設置場所の空間効率を高めたバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための本発明によるバッテリーパックは、
少なくとも一つ以上のバッテリーモジュールと、
内部に冷媒が流れるように構成された冷媒流路が形成され、上部に前記少なくとも一つ以上のバッテリーモジュールを搭載するようにプレート形状を有し、前記バッテリーモジュールが搭載されていない一部分が上方へ膨らんだ山部、及び前記バッテリーモジュールが搭載されていない他部分が下方へ凹んだ谷部のうちの少なくとも一つ以上を備える冷却ユニットと、を含む。
【0011】
また、前記バッテリーパックは、前記バッテリーモジュールの充放電を制御するように構成された電装モジュールをさらに含み、
前記電装モジュールは、前記冷却ユニットの前記山部及び前記谷部のうちの少なくとも一つ以上と対面するように位置し、少なくとも一つ以上の曲面を有し得る。
【0012】
そして、伝熱部材であって、一側が前記電装モジュールと接続するように構成され、他側が前記バッテリーモジュールと接触し、前記冷却ユニットの前記山部及び前記谷部のうち少なくとも一つ以上と対面するように少なくとも一つ以上の曲面を有する伝熱部材をさらに含み得る。
【0013】
また、前記伝熱部材は、前記電装モジュールと前記バッテリーモジュールとを電気的に接続するケーブルを収容するように構成された内部空間を有し得る。
【0014】
さらに、前記バッテリーモジュールは、一側面から外側方向へ延びて第1ボルト締結孔が形成された結合部が備えられ、
前記伝熱部材は、前記バッテリーモジュールの結合部と結合するように第2ボルト締結孔が形成された支持部を備え得る。
【0015】
前記バッテリーパックは、
前記冷却ユニットの前端と結合する前方プレートと、
前記冷却ユニットの後端と結合する後方プレートと、
前記冷却ユニットの左側端と結合する左側プレートと、
前記冷却ユニットの右側端と結合する右側プレートと、を含み得る。
【0016】
さらに、柱部材であって、両端部が前記左側プレート及び前記右側プレートを各々支持するように前記電装モジュールの左側から右側へ長く延び、前記冷却ユニットの前記山部及び前記谷部のうちの少なくとも一つ以上と対面するように少なくとも一つ以上の曲面を有する柱部材をさらに備え得る。
【0017】
また、前記柱部材は、
前記冷却ユニットの前記山部の上に位置し、前記山部が挿入されるように上方へ凹んだ収容部と、
前記冷却ユニットの前記谷部の上に位置し、前記谷部の凹んだ空間に挿入されるように下方へ突出した突出部と、を備え得る。
【0018】
なお、上記の目的を達成するための本発明の自動車は、前記バッテリーパックを少なくとも一つ以上含む。
【0019】
そして、前記バッテリーパックを搭載するように構成された車体をさらに含み、
前記車体の一部は、前記冷却ユニットの前記山部によって形成された空間に挿入されるように構成され得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一面によると、本発明は、少なくとも一つ以上の山部及び谷部を備える冷却ユニットを含むことで、バッテリーパックが搭載される設置場所に丸い形状の部品が存在するか、または設置底部が膨らんでいる形状を有する場合にも、冷却ユニットの山部の凹んだ空間に丸い形状の部品や設置底部が膨らんだ形状を少なくとも一部収容可能であり、設置場所の空間効率を効果的に高めることができる。特に、自動車のようにバッテリーパックの収容空間が狭小な場合、バッテリーパックによって発生するデッドスペース(空き空間)の発生を最小化することができる。
【0021】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例によるバッテリーパックを概略的に示した斜視図である。
図2】本発明の一実施例によるバッテリーパックを概略的に示した分解斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるバッテリーパックの冷却ユニットを概略的に示した斜視図である。
図4】本発明の一実施例によるバッテリーパックの冷却ユニットを概略的に示した底面斜視図である。
図5】本発明の一実施例によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した垂直断面図である。
図6図5のバッテリーパックの一部を概略的に示した部分拡大図である。
図7】本発明の他の一実施例によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した斜視図である。
図8】本発明の他の実施例によるバッテリーパックの柱部材を概略的に示した斜視図である。
図9】本発明の一実施例による自動車の様子を概略的に示した斜視図である。
図10】本発明の一実施例による自動車の内部構成を概略的に示した部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0024】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0025】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーパックを概略的に示した斜視図である。図2は、本発明の一実施例によるバッテリーパックを概略的に示した分解斜視図である。図3は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの冷却ユニットを概略的に示した斜視図である。そして、図4は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの冷却ユニットを概略的に示した底面斜視図である。
【0026】
図1図4を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーパック100は、少なくとも一つ以上のバッテリーモジュール110と、冷却ユニット120と、を含む。
【0027】
具体的には、前記バッテリーモジュール110は、複数の電池セル(図示せず)と、前記複数の電池セルを内部に収容するモジュールハウジング111と、を備え得る。前記電池セルは、リチウム二次電池であり得る。前記電池セルは、電極組立体(図示せず)と、電解液(図示せず)と、これらを内部に収容したパウチと、を備えたパウチ型電池セルであり得る。しかし、本発明によるバッテリーパック100には、前述したパウチ型電池セルのみに限定されず、例えば、前記電池セルは、円筒型電池セルであり得る。即ち、前記電池セルは、本願発明の出願時点における公知の多様な電池セルが採用され得る。
【0028】
前記バッテリーモジュール110は、前記複数の電池セルを電気的に相互に接続するように構成された少なくとも一つ以上のバスバー(図示せず)または電源ケーブル(図示せず)を備え得る。具体的には、前記バスバーは、伝導性金属を含むことができ、例えば、銅、アルミニウム、ニッケルなどを含み得る。
【0029】
また、前記モジュールハウジング111は、電気絶縁性の素材を含み得る。例えば、前記モジュールハウジング111は、ポリ塩化ビニル素材から製造され得る。前記モジュールハウジング111は、前記複数の電池セルを内部に収容可能な空間を備え得る。前記モジュールハウジング111は、全体的に直方体の箱状であり得る。
【0030】
さらに、本発明のバッテリーパック100は、前記複数のバッテリーモジュール110と電装モジュール160との間に電気的に接続されたセンシングケーブル162(図6)を備え得る。前記センシングケーブルは、前記バッテリーモジュール110の電流または温度を測定するために電気信号を伝送するように構成され得る。このようなバッテリーモジュール110の細部構成は、通常の公知の構成が適用され得る。これによって、具体的な説明は省略する。さらに、前記バッテリーパック100は、前記複数のバッテリーモジュールを電気的に接続する電源ケーブル(図示せず)をさらに備え得る。
【0031】
また、前記冷却ユニット120は、押出成形によって一体で製造され得る。本発明は、前記冷却ユニット120を押出成形して一体で製造することで、従来技術の冷却ユニットが二つの部材を接合することで製造された場合と比較して、密閉性を高めることができ、冷媒が外部へ漏れることを防止できる。また、冷却ユニット120の形状を扁平なプレート状に限られず、自由に変形が可能である。前記冷却ユニット120は、冷媒が注入される注入ポート122及び冷媒が排出される排出ポート123を備え得る。前記注入ポート122及び前記排出ポート123は、前記冷却ユニット120の内部に形成された冷媒流路121と連通するように構成され得る。
【0032】
前記冷却ユニット120は、内部に冷媒が流れるように構成された冷媒流路121が形成され得る。前記冷媒流路121は、前後方向へ延びた形態を有し得る。前記冷却ユニット120は、前記冷媒流路121を仕切る隔壁Wが備えられ得る。前記冷却ユニット120は、上部に前記少なくとも一つ以上のバッテリーモジュール110を搭載するように構成され得る。
【0033】
さらに、前記冷却ユニット120は、上面及び下面が側面よりも広く形成されたプレート状であり得る。前記冷却ユニット120は、前記バッテリーモジュール110が搭載される一部分が水平方向へ延びた平面であり得る。
【0034】
そして、前記冷却ユニット120は、山部124及び谷部125の少なくとも一つ以上を備え得る。前記山部124は、前記冷却ユニット120のうち前記バッテリーモジュール110が搭載されていない一部分であり得る。前記山部124は、上方へ膨らんだ形状を有し得る。前記谷部125は、前記冷却ユニット120のうち前記バッテリーモジュール110が搭載されていない他の一部分であり得る。前記谷部125は、下方へ凹んだ形状を有し得る。例えば、図3に示したように、前記冷却ユニット120の左右方向(X軸方向)の中心には二つの山部124と、前記二つの山部124の間に位置した谷部125が備えられ得る。
【0035】
図4を参照すると、前記冷却ユニット120の山部124は、上方へ突出した形状であることによって、前記山部124の下方に空間124bが形成され得る。逆に、前記谷部125は、下方へ凹んだ形状であることによって、前記谷部125の下部は下方へ突出し得る。
【0036】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、少なくとも一つ以上の山部124及び谷部125を備える冷却ユニット120を含むことで、バッテリーパック100が搭載される設置場所に丸い形状の部品が存在するか、または設置底部が膨らんでいる形状を有する場合にも、前記冷却ユニット120の山部124の空間124bに丸い形状の部品や設置底部が膨らんでいる形状を少なくとも一部収容可能であるため、設置場所の空間効率を効果的に高めることができる。特に、自動車のようにバッテリーパック100の収容空間が狭小な場合、バッテリーパック100によって発生し得るデッドスペース(空き空間)の発生を最小化することができる。
【0037】
図5は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した垂直断面図である。
【0038】
なお、図2及び図3と共に図5をさらに参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーパック100は、電装モジュール160をさらに含み得る。前記電装モジュール160は、前記バッテリーモジュール110の充放電を制御するように制御素子(図示せず)を備え得る。前記電装モジュール160は、制御素子として、BMSボード、リレー、ヒューズ及びセンシングケーブルなどを備え得る。このような電装モジュール160の制御素子は、公知の構成を適用し得る。これによって、制御素子の具体的な説明は省略する。
【0039】
また、前記電装モジュール160は、前記制御素子を内部に収容するように構成された電気絶縁性の電装ハウジング161を備え得る。前記電装ハウジング161は、前記冷却ユニット120の前記山部124及び前記谷部125のうちの少なくとも一つ以上と対面するように位置し得る。前記電装ハウジング161は、前記山部124及び前記谷部125のうちの少なくとも一つ以上と対応する形状を有し得る。即ち、前記電装ハウジング161は、少なくとも一つ以上の第1曲面160aを有し得る。例えば、図5を参照すると、前記電装モジュール160は、二つの山部124と各々対面するように構成され、本体の内側方向へ凹んで形成された第1曲面160aと、前記谷部125と対面するように構成され、本体の外側方向へ膨らんで形成された第1曲面160aと、を有し得る。
【0040】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、前記冷却ユニット120の前記山部124及び前記谷部125のうちの少なくとも一つ以上と対面するように位置し、少なくとも一つ以上の第1曲面160aを有する電装モジュール160をさらに含むことで、バッテリーパック100の内部空間を効率的に使用可能である。さらに、本発明は、電装モジュール160で発生する熱を前記第1曲面160aの広い伝導面積を介して前記冷却ユニット120へ伝達できるので、電装モジュール160の冷却効率を効果的に高めることができる。
【0041】
一方、図2及び図3と共に図5をさらに参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーパック100は、伝熱部材170をさらに含み得る。前記伝熱部材170は、前記バッテリーモジュール110から発生した熱を受けて前記冷却ユニット120へ伝達できるように熱伝導性に優れた素材を含み得る。例えば、前記伝熱部材170は、アルミニウム合金またはステンレス鋼を含み得る。前記絶縁部材170は、外面に電気絶縁性コーティング層が形成され得る。例えば、前記電気絶縁性のコーティング層は、高分子樹脂であり得る。
【0042】
前記伝熱部材170は、一側が前記電装モジュール160と接続するように構成され得る。例えば、前記伝熱部材170の一面は、前記電装モジュール160と接合された形態であり得る。または、前記伝熱部材170は、前記電装モジュール160と接続した形態であり得る。前記伝熱部材170は、前記電装モジュール160と一体で形成され得る。例えば、図5に示したように、前記伝熱部材170の左側面または右側面が前記電装モジュール160の側面と接続するように構成され得る。
【0043】
また、前記伝熱部材170は、他側が前記バッテリーモジュール110と接触するように構成され得る。例えば、図5に示したように、前記伝熱部材170の左側面または右側面が、前記バッテリーモジュール110の側面と接触するように構成され得る。
【0044】
さらに、前記伝熱部材170は、前記冷却ユニット120の前記山部124及び前記谷部125のうち少なくとも一つ以上と対面するように構成され得る。前記冷却ユニット120は、少なくとも一つ以上の第2曲面170aを有し得る。例えば、図5に示したように、前記伝熱部材170は、前記山部124の上面と対面するように構成された第2曲面170aを有し得る。
【0045】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、少なくとも一つ以上の第2曲面170aを有する伝熱部材170をさらに含むことで、前記バッテリーモジュール110から発生した熱を前記冷却ユニット120へ効果的に伝達可能である。これによって、本発明のバッテリーパック100は冷却効率を大幅向上させることができる。
【0046】
図6は、図5のバッテリーパックの一部を概略的に示した部分拡大図である。
【0047】
図2図3及び図5と共に図6をさらに参照すると、前記伝熱部材170は、ケーブル162を収容するように構成された内部空間Sを有し得る。例えば、前記ケーブル162は、電流をセンシングするように構成されたセンシングケーブル162であり得る。前記ケーブル162は、前記電装モジュール160の接続端子と前記バッテリーモジュール110の外部端子とが電気的接続をなすように構成され得る。即ち、前記絶縁部材は、前記ケーブル162が左右方向(X軸方向)へ貫通するように左右方向へ延びた移動通路と、一部が穿孔された入口と出口を有し得る。
【0048】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、ケーブル162を収容する内部空間Sを備えることで、前記バッテリーモジュール110と前記電装モジュール160との電気的接続を容易にする。これによって、本発明のバッテリーパック100の内部空間の活用度を高め、製造効率を高めることができる。
【0049】
一方、図6をさらに参照すると、前記バッテリーモジュール110は、一側面から外側方向へ延び、第1ボルト締結孔H1が形成された結合部112が備えられ得る。前記伝熱部材170は、前記バッテリーモジュール110の結合部112と結合するようにねじ山が形成され、第2ボルト締結孔H2が形成された支持部172を備え得る。前記結合部112に形成された第1ボルト締結孔H1及び前記支持部172に形成された第2ボルト締結孔H2は、互いに連通するように構成され得る。即ち、前記第1ボルト締結孔H1及び前記第2ボルト締結孔H2は、一つの締結ボルトBが貫通し、前記結合部112と前記支持部172が互いに締結されるように構成され得る。
【0050】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、バッテリーモジュール110に備えられた結合部112と前記伝熱部材170に備えられた支持部172を互いにボルト締めによって結合するように構成されることで、前記バッテリーモジュール110を前記冷却ユニット120の上に安定的に固定することができるだけでなく、前記伝熱部材170が前記バッテリーモジュール110と密着した状態を安定的に維持でき、前記バッテリーモジュール110の冷却性を効果的に増大させることができる。
【0051】
一方、図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーパック100は、上部カバー130と、前方プレート141と、後方プレート142と、左側プレート151と、右側プレート152と、を備え得る。
【0052】
前記上部カバー130は、前記複数のバッテリーモジュール110の上部に位置し得る。また、前記上部カバー130は、前記複数のバッテリーモジュール110の上部をカバーするように水平方向へ延びたプレート状であり得る。前記上部カバー130は、前記前方プレート141、前記後方プレート142、前記左側プレート151及び前記右側プレート152の各々の上端と結合するように構成され得る。
【0053】
前記前方プレート141は、前記冷却ユニット120の前端と結合するように構成され得る。前記前方プレート141は、一部分が前記冷却ユニット120の前端部の前記山部124及び前記谷部125と対応する形状を有し得る。即ち、前記前方プレート141の下面には、前記山部124と対応するように上方へ凹んで形成された曲面141aを有し得る。前記前方プレート141の下面には、前記谷部125と対応するように下方へ突出した曲面141aを有し得る。
【0054】
また、前記後方プレート142は、前記冷却ユニット120の後端部の前記山部124及び前記谷部125と対応する形状を有し得る。即ち、前記後方プレート142の下面には、前記山部124と対応するように上方へ凹んで形成された曲面142aを有し得る。前記後方プレート142の下面には、前記谷部125と対応するように下方へ突出した曲面142aを有し得る。
【0055】
さらに、前記左側プレート151は、前記冷却ユニット120の左側端と結合するように構成され得る。前記左側プレート151には、前記バッテリーモジュール110の結合部112とボルト結合するように構成された第3ボルト締結孔H3が形成され得る。前記第3ボルト締結孔H3には、ねじ山が形成され得る。前記第3ボルト締結孔H3は、前記バッテリーモジュール110の結合部112に形成された第1ボルト締結孔H1と連通するように構成され得る。
【0056】
そして、前記右側プレート152は、前記冷却ユニット120の右側端と結合するように構成され得る。前記右側プレート152には、前記バッテリーモジュール110の結合部112とボルト結合するように構成された第3ボルト締結孔H3が形成され得る。前記第3ボルト締結孔H3には、ねじ山が形成され得る。前記第3ボルト締結孔H3は、前記バッテリーモジュール110の結合部112に形成された第1ボルト締結孔H1と連通するように構成され得る。
【0057】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、前記バッテリーモジュール110の結合部112を前記第3ボルト締結孔H3が形成された左側プレート151または右側プレート152に固定できるため、前記バッテリーモジュール110を前記冷却ユニット120の上に安定的に搭載することが可能である。これによって、本発明のバッテリーパック100は、耐久性を高めることができる。
【0058】
図7は、本発明の他の一実施例によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した斜視図である。そして、図8は、本発明の他の一実施例によるバッテリーパックの柱部材を概略的に示した斜視図である。参考までに、図7では、図面の説明の便宜のために、バッテリーモジュール110、電装モジュール160、及び伝熱部材170を省略して示したが、本発明の他の一実施例によるバッテリーパックは、図2のバッテリーパックのように、バッテリーモジュール110、電装モジュール160、及び伝熱部材170を備え得る。
【0059】
図7及び図8を参照すると、本発明の他の一実施例によるバッテリーパック100は、図2の一実施例によるバッテリーパック100と比較して、柱部材180をさらに備え得る。前記柱部材180は、前後方向(Y軸方向)へ配列された二つのバッテリーモジュール110の間に位置し得る。例えば、図7に示したように、二つの柱部材180は、前後方向に配列された前記バッテリーモジュール110の間に位置し得る。
【0060】
また、前記柱部材180は、長手方向(X軸方向)の両端部が前記左側プレート151及び前記右側プレート152を各々支持するように構成され得る。前記柱部材180は、前記電装モジュール160の左側から右側へ長く延びた形態を有し得る。
【0061】
さらに、前記柱部材180の下部は、前記冷却ユニット120の前記山部124及び前記谷部125のうちの少なくとも一つ以上と対面するように構成され得る。即ち、前記柱部材180によると、前記冷却ユニット120の前記山部124及び前記谷部125のうちの少なくとも一つ以上と対応する形状の少なくとも一つ以上の第3曲面180aであり得る。前記柱部材180は、機械的剛性が優秀な鋼鉄、またはステンレス鉄であることができる。
そして、前記柱部材180は、収容部181及び突出部182を備え得る。前記収容部181は、前記冷却ユニット120の前記山部124の上に位置するように構成され得る。前記収容部181は、前記山部124が挿入されるように上方へ凹んだ形状であり得る。前記突出部182は、前記冷却ユニット120の前記谷部125の上に位置し得る。前記突出部182は、前記谷部125の下方へ凹んだ空間に挿入されるように、下方へ突出した形状を有し得る。
【0062】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、前記冷却ユニット120の前記山部124及び前記谷部125のうちの少なくとも一つ以上と対面するように構成された柱部材180をさらに備えることで、前記バッテリーパック100が外部衝撃を受ける場合、前記柱部材180の高い機械的剛性によって内部に搭載されたバッテリーモジュール110を保護することができる。これによって、本発明のバッテリーパック100は、安全性を向上させることができる。
【0063】
図9は、本発明の一実施例による自動車を概略的に示す斜視図である。
【0064】
図9を参照すると、本発明の一実施例による自動車200は、少なくとも一つ以上の前記バッテリーパック100及び前記バッテリーパック100を収容する収容空間を有する車体を含み得る。例えば、前記自動車200は、電気自動車200、電気スクーター、電気車いす、または電気バイクなどであり得る。
【0065】
図10は、本発明の一実施例による自動車の内部構成を概略的に示した部分正面図である。
【0066】
図9及び図10を参照すると、本発明の一実施例による自動車200は、前記バッテリーパック100を搭載するように構成された車体210をさらに含み得る。また、前記車体210の一部は、前記冷却ユニット120の前記山部124に挿入されるように構成され得る。前記車体210の一部は、上方へ膨らんでいる形状を有し得る。例えば、図10に示したように、前記車体210は、前記冷却ユニット120に備えられた山部124と対応して上方へ膨らんでいる部分210aが形成され得る。前記車体210の膨らんでいる部分210aは、前記冷却ユニット120の前記山部124の下部に形成された空間に挿入され得る。また、前記車体210は、前記冷却ユニット120の前記谷部125と対応するように下方へ凹んだ部分210bが形成され得る。前記冷却ユニット120の前記谷部125は、前記車体210の凹んだ部分210bに搭載され得る。
【0067】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明の自動車200、車体210の一部が前記冷却ユニット120の前記山部124によって形成された空間に挿入されるように構成されることで、バッテリーパック100の設置場所の空間効率を効果的に向上させることができる。特に、自動車200のようにバッテリーパック100の収容空間が狭小な場合、バッテリーパック100によるデッドスペースの発生を最小化することができる。
【0068】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0069】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0070】
100 バッテリーパック
110 バッテリーモジュール
120 冷却ユニット
121 冷媒流路
124 山部
125 谷部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10