(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】パッケージ基板の製作方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20241213BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H01L23/12 F
(21)【出願番号】P 2023024012
(22)【出願日】2023-02-20
【審査請求日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】202210183253.1
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】陳 先明
(72)【発明者】
【氏名】林 文健
(72)【発明者】
【氏名】黄 高
(72)【発明者】
【氏名】馮 磊
(72)【発明者】
【氏名】馮 進東
(72)【発明者】
【氏名】黄 本霞
(72)【発明者】
【氏名】張 治軍
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-171070(JP,A)
【文献】特開2008-124106(JP,A)
【文献】特開2001-217337(JP,A)
【文献】特開2009-231752(JP,A)
【文献】特開2004-296562(JP,A)
【文献】特開2003-318234(JP,A)
【文献】特開2005-101075(JP,A)
【文献】特開2011-249792(JP,A)
【文献】国際公開第2014/115288(WO,A1)
【文献】特開2017-135364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12―23/15
H01L 23/538
H05K 1/18
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側の面を有し、少なくとも1つの接続点が設置される配線層が前記第1側の面に設置される内層基板を提供する工程と、
粘性感光材料を利用して前記内層基板の前記第1側の面において加工して粘性を有する第1の絶縁誘電層を取得する工程と、
部品を前記第1の絶縁誘電層上に実装する工程と、
感光パッケージ材料を利用して前記内層基板の第1側上において加工して前記部品を被覆する第2の絶縁誘電層を取得する工程と、
露光現像によって、前記第2の絶縁誘電層において加工して第1のブラインドビアを取得し、且つ前記第1の絶縁誘電層と前記第2の絶縁誘電層において加工して第2のブラインドビアを取得する工程と、を含
み、
前記第1のブラインドビアの位置は、前記部品の接続端子の位置に対応し、前記第2のブラインドビアは、前記配線層の前記接続点の位置に対応し、前記第1のブラインドビアは、前記第2の絶縁誘電層を貫通し、前記第2のブラインドビアは、前記第1の絶縁誘電層と前記第2の絶縁誘電層を貫通する、
ことを特徴とするパッケージ基板の製作方法。
【請求項2】
前記粘性感光材料は、粘性感光膜を用い、粘性感光材料を利用して前記内層基板の第1側の面において加工して粘性を有する第1の絶縁誘電層を取得する前記工程は、
前記粘性感光膜を前記内層基板の第1側の面上に実装し、前記第1の絶縁誘電層を取得する工程を含むか、
又は、
前記粘性感光材料は、粘性感光液を用い、粘性感光材料を利用して前記内層基板の第1側の面において加工して粘性を有する第1の絶縁誘電層を取得する前記工程は、
前記粘性感光液を前記内層基板の第1側の面上にコーティングし、前記第1の絶縁誘電層を取得する工程を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の製作方法。
【請求項3】
感光パッケージ材料を利用して前記内層基板の第1側上において加工して第2の絶縁誘電層を取得する前記工程は、
前記感光パッケージ材料を前記内層基板の第1側上にコーティングし、前記部品を被覆し、前記第2の絶縁誘電層を取得する工程を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の製作方法。
【請求項4】
前記製作方法は、
パターン転写とパターンメッキによって、前記第2の絶縁誘電層上において加工して、前記配線層、前記部品に接続される外層配線を取得する工程、
又は、
パターン転写とパターンメッキによって、前記第2の絶縁誘電層上と前記内層基板の第2側上において加工して、前記配線層、前記部品に接続される外層配線を取得する工程、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の製作方法。
【請求項5】
パターン転写とパターンメッキによって、前記第2の絶縁誘電層上において加工して、前記配線層、前記部品に接続される外層配線を取得する前記工程は、
前記第2の絶縁誘電層上において加工してシード層を取得する工程と、
感光遮蔽材料によって前記シード層上において加工して、前記配線層、前記部品に接続される前記外層配線を取得する工程と、を含むか、
又は、
パターン転写とパターンメッキによって、前記第2の絶縁誘電層上と前記内層基板の第2側上において加工して、前記配線層、前記部品に接続される外層配線を取得する前記工程は、
前記内層基板の第2側と前記第2の絶縁誘電層上において加工して前記シード層を取得する工程と、
感光遮蔽材料によって前記シード層上において加工して、前記配線層、前記部品に接続される前記外層配線を取得する工程と、を含む、
ことを特徴とする請求項
4に記載のパッケージ基板の製作方法。
【請求項6】
補強媒体材料を利用して前記内層基板の第2側と前記第2の絶縁誘電層上において加工して、前記外層配線を被覆する補強誘電層を取得する工程をさらに含む、
ことを特徴とする請求項
4又は
5に記載のパッケージ基板の製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージの技術分野に関し、特にパッケージ基板の製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品をパッケージ基板の内部に埋め込むことにより、現在の電子製品の発展のトレンドである高集積化と小型化を実現する。パッケージ基板は、多層構造を有し、例えば6層のパッケージ基板である。現在では、通常、部品をパッケージ基板コアプレートのキャビティ内に埋め込み、そしてパッケージ基板の複数のビルドアップ層及びパッケージ構造を加工することにより、パッケージ基板を取得するのが一般的である。実際の生産過程では、複数のビルドアップ層が予期せぬ原因やプロセスなどにより廃棄される可能性があり、それにより、コアプレートに埋め込まれる部品が廃棄され、部品の損失によるコストが高くなる。また、コアプレートのキャビティ内に部品を埋め込むプロセスフローが複雑であるため、処理時間が長い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の技術において存在する技術的課題の少なくとも1つを解決することを意図する。このため、本発明は、部品の損失によるコストを削減することができるパッケージ基板の製作方法を提供する。
【0004】
本発明は、上記製作方法で製造されるパッケージ基板をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施例の一態様によるパッケージ基板の製作方法は、内層基板を提供する工程と、粘性感光材料を利用して前記内層基板の第1側の面において加工して粘性を有する第1の絶縁誘電層を取得する工程と、部品を前記第1の絶縁誘電層上に実装する工程と、感光パッケージ材料を利用して前記内層基板の第1側上において加工して前記部品を被覆する第2の絶縁誘電層を取得する工程と、を含む。
【0006】
本発明の実施例によるパッケージ基板の製作方法は、少なくとも下記の有益な効果を有する。内層基板を基礎として部品を実装することにより、内層基板上に部品をパッケージするためのキャビティを加工する必要がなく、加工時間と加工コストを容易に減少させる。また、加工過程における内層基板の破損による部品の廃棄の問題を避けることにより、部品の損失によるコストを削減する。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記粘性感光材料は、粘性感光膜を用い、粘性感光材料を利用して前記内層基板の第1側の面において加工して粘性を有する第1の絶縁誘電層を取得する前記工程は、前記粘性感光膜を前記内層基板の第1側の面上に実装し、前記第1の絶縁誘電層を取得する工程を含むか、又は、前記粘性感光材料は、粘性感光液を用い、粘性感光材料を利用して前記内層基板の第1側の面において加工して粘性を有する第1の絶縁誘電層を取得する前記工程は、前記粘性感光液を前記内層基板の第1側の面上にコーティングし、前記第1の絶縁誘電層を取得する工程を含む。
【0008】
上記ステップによって、第1の絶縁誘電層を容易に取得することは、部品の実装に有利であり、それにより、加工時間と加工コストを減少させ、部品の損失によるコストを削減するのに有利である。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、感光パッケージ材料を利用して前記内層基板の第1側上において加工して第2の絶縁誘電層を取得する前記工程は、前記感光パッケージ材料を前記内層基板の第1側上にコーティングし、前記部品を被覆し、前記第2の絶縁誘電層を取得する工程を含む。上記ステップによって、内層基板上において加工して部品を被覆する第2の絶縁誘電層を取得することを容易にし、部品を第2の絶縁誘電層内に位置させて、部品を容易にパッケージし、小型化に有利である。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記内層基板上に、少なくとも1つの接続点が設置される配線層が設置され、前記内層基板の第1側に貼り付け領域が設置され、前記第1の絶縁誘電層は、前記貼り付け領域内に位置し、前記製作方法は、
露光現像によって、前記第2の絶縁誘電層上において加工して第1のブラインドビアを取得する工程、又は、露光現像によって、前記第2の絶縁誘電層上において加工して前記第1のブラインドビアと第2のブラインドビアを取得する工程、をさらに含み、前記第1のブラインドビアの位置は、前記部品の接続端子の位置に対応し、前記第2のブラインドビアの位置は、前記配線層の接続点の位置に対応し、前記第1のブラインドビアと前記第2のブラインドビアは、いずれも前記第2の絶縁誘電層を貫通する。上記ステップによって、内壁の平坦度がより高く、垂直度がより良く、深さがより深いブラインドビアを容易に取得し、後続の配線外層と配線層、部品との接続を容易にし、導電効果の向上に有利である。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記内層基板上に、少なくとも1つの接続点が設置される配線層が設置され、前記製作方法は、露光現像によって、前記第2の絶縁誘電層上において加工して第1のブラインドビアを取得すること、又は、露光現像によって、前記第2の絶縁誘電層上において加工して前記第1のブラインドビアを取得し且つ前記第1の絶縁誘電層と前記第2の絶縁誘電層上において加工して第2のブラインドビアを取得する工程、をさらに含み、前記第1のブラインドビアの位置は、前記部品の接続端子の位置に対応し、前記第2のブラインドビアは、前記配線層の接続点の位置に対応し、前記第1のブラインドビアは、前記第2の絶縁誘電層を貫通し、前記第2のブラインドビアは、前記第1の絶縁誘電層と前記第2の絶縁誘電層を貫通する。上記ステップによって、内壁の平坦度がより高く、垂直度がより良く、深さがより深いブラインドビアを容易に取得し、後続の配線外層と配線層、部品との接続を容易にし、導電効果の向上に有利である。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記内層基板上に配線層が設置され、前記製作方法は、パターン転写とパターンメッキによって、前記第2の絶縁誘電層上において加工して、前記配線層、前記部品に接続される外層配線を取得する工程、又は、パターン転写とパターンメッキによって、前記第2の絶縁誘電層上と前記内層基板の第2側上において加工して、前記配線層、前記部品に接続される外層配線を取得する工程、をさらに含む。上記ステップによって、内層基板の配線層と、内層基板上に実装される部品とをそれぞれ外層配線に接続するのを容易にする。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、パターン転写とパターンメッキによって、前記第2の絶縁誘電層上において加工して、前記配線層、前記部品に接続される外層配線を取得する前記工程は、前記第2の絶縁誘電層上において加工してシード層を取得する工程と、感光遮蔽材料によって前記シード層上において加工して、前記配線層、前記部品に接続される前記外層配線を取得する工程と、を含むか、又は、パターン転写とパターンメッキによって、前記第2の絶縁誘電層上と前記内層基板の第2側上において加工して、前記配線層、前記部品に接続される外層配線を取得する前記工程は、前記内層基板の第2側と前記第2の絶縁誘電層上において加工して前記シード層を取得する工程と、感光遮蔽材料によって前記シード層上において加工して、前記配線層、前記部品に接続される前記外層配線を取得する工程と、を含む。上記ステップによって、外層配線を容易に加工する。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、補強媒体材料を利用して前記内層基板の第2側と前記第2の絶縁誘電層上において加工して、前記外層配線を被覆する補強誘電層を取得する工程をさらに含む。それにより、パッケージ基板の剛性の向上に有利であり、パッケージ基板の使用を容易にする。
【0015】
本発明の別の態様の実施形態によるパッケージ基板は、上記パッケージ基板の製作方法で製造される。
【0016】
本発明の実施形態によるパッケージ基板は、少なくとも下記の有益な効果を有する。上記パッケージ基板の製作方法で製造されるパッケージ基板は、加工時間がより短く、部品の損失によるコストがより低いため、該パッケージ基板の生産コストの削減に有利である。
【0017】
本発明の別の態様の実施形態によるパッケージ基板は、内層基板と、部品と、感光材料によって加工される絶縁媒体外層とを含み、前記部品と前記絶縁媒体外層は、いずれも前記内層基板の第1側上に設置され、前記部品は、前記絶縁媒体外層内に位置する。
【0018】
本発明の実施形態によるパッケージ基板は、少なくとも下記の有益な効果を有する。内層基板を基礎として部品をパッケージし、部品を絶縁媒体外層内に位置させるとともに、内層基板の第1側上に位置させることにより、内層基板の破損による部品の廃棄の状況を避け、部品の損失によるコストを削減するのに有利である。また、部品が内層基板内に設置されることを避け、加工難易度を低下させ、加工時間と加工コストを減少させるのに有利である。
【0019】
本発明の追加の態様及び利点は、以下の記述において部分的に示され、部分的には以下の記述から明らかになるか、又は本発明の実践によって理解される。
本発明の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の添付図面を結び付ける実施形態への記述から明らかになり、理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法の中間プロセスに対応するパッケージ基板の断面概略図である。
【
図3】本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法の中間プロセスに対応するパッケージ基板の断面概略図である。
【
図4】本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法の中間プロセスに対応するパッケージ基板の断面概略図である。
【
図5】本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法の中間プロセスに対応するパッケージ基板の断面概略図である。
【
図6】本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法の中間プロセスに対応するパッケージ基板の断面概略図である。
【
図7】本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法の中間プロセスに対応するパッケージ基板の断面概略図である。
【
図8】本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法の中間プロセスに対応するパッケージ基板の断面概略図である。
【
図9】本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法の中間プロセスに対応するパッケージ基板の断面概略図である。
【
図10】本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法の中間プロセスに対応するパッケージ基板の断面概略図である。
【
図11】本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法の中間プロセスに対応するパッケージ基板の断面概略図である。
【
図12】本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法の中間プロセスに対応するパッケージ基板の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の実施形態を詳細に説明し、実施形態の形態を添付図面に示す。ここで、最初から最後まで同じ又は類似している符号は、同じ又は類似している素子、あるいは同じ又は類似している機能を有する素子を示す。以下で添付図面を参照して説明する実施形態は、本発明を解釈するためにのみ使用される例示的なものであり、本発明を限定するものとして理解すべきではない。
【0022】
本発明の記述では、方位記述、例えば上、下、前、後、左、右などに示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本発明を容易に説明及び簡略化するためのものであり、言及された装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作することを示し又は暗示するためのものではない。したがって、本発明を制限するためのものとして理解されるべきではない。
【0023】
本発明の説明では、いくつかの意味は、1つ又は複数であり、複数の意味は、2つ及び2つ以上であり、よりも大きいこと、よりも小さいこと、超えることなどは、本数を含まないものとして理解され、以上、以下、以内などは、本数を含むものとして理解される。第1、第2が説明されている場合、それらは、単に技術的特徴を区別することを目的としたものであり、相対的重要性を指示又は暗示し、又は指示された技術的特徴の数を暗示し、又は指示された技術的特徴の前後関係を暗示していると理解されるべきではない。
【0024】
本発明の説明において、別途明確な限定がない限り、設置、取り付け、接続等の用語は、広義に理解すべきであり、当業者は、技術的解決手段の具体的な内容を結び付けて、上記用語の本発明における具体的な意味を合理的に確定することができる。
【0025】
パッケージ基板は、部品300に電気的接続、保護、支持、放熱、組み立て等の機能を提供することができ、多ピン化、パッケージ製品の体積を縮小し、電気特性及び放熱性を改善し、マルチチップモジュール化の目的を実現する。
【0026】
関連技術において、パッケージ基板の加工フローは、通常、内層加工と外層加工を含む。ここで、内層加工のステップは、コアプレート内に部品300を埋め込むことを実現するように、パッケージ基板のコアプレートを加工することを含む。一部の応用において、内層加工のステップは、1つ又は複数のビルドアップ層をコアプレート上に加工することをさらに含み、外層加工のステップは、内層において加工して得られた半製品を基礎として外層配線の加工を行うことを含む。上記加工フローにおいて、部品300を埋め込んだ後にビルドアップ層を加工するが、部品300の埋め込みプロセスフローが複雑であるため、且つビルドアップ層の加工失敗又は偶発的な破損の状況が発生する可能性があるため、部品300が廃棄されることになり、部品300の損失によるコストが比較的に高くなる。
【0027】
図1を参照すると、本発明によるパッケージ基板の製作方法は、ステップS1000、ステップS2000、ステップS3000とステップS4000を含む。
【0028】
ステップS1000:内層基板100を提供する。
【0029】
ここで、生産資料によって、内層基板100は、単層基板、両面基板又は多層基板等であってもよい。すなわち、内層基板100が単層基板又は両面基板である場合、コアプレート加工が完了した半製品を内層基板100として、内層基板100が多層基板である場合、コアプレート、ビルドアップ層加工が完了した半製品を内層基板100とする。例えば、6層構造を有するパッケージ基板に対して、既に加工が完了した5層構造の半製品を本実施形態の内層基板100として、本実施形態による製作方法を利用して加工して、6層構造を有するパッケージ基板を取得することができ、又は、2層構造を有するパッケージ基板に対して、既に加工が完了した1層構造の半製品を本実施形態の内層基板100として、本実施形態による製作方法を利用して加工して、2層構造を有するパッケージ基板を取得することができる。
【0030】
なお、上述したように、部品300の埋め込みパッケージは、関連技術においては内層加工の工程で行われるが、ステップS1000においては、内層加工が終了した後、且つ外層加工が開始される前に行われる。これにより、部品300の実装後の加工工程をできるだけ減少させ、加工失敗による部品300の廃棄の確率を低下させることができる。
【0031】
ステップS2000:粘性感光材料を利用して内層基板100の第1側の面において加工して、粘性を有する第1の絶縁誘電層200を取得する。
【0032】
ステップS3000:部品300を第1の絶縁誘電層200上に実装する。
【0033】
ここで、粘性感光材料によって、部品300を内層基板100の第1側上に設置することは、コアプレートのキャビティ内に部品300を設置する方式と比べて、加工プロセスの複雑性を低減し、加工時間と加工コストを減少させることができる。なお、粘性感光材料は、後続に性能がより高いブラインドビアを容易に加工する感光性特性を有する材料であり、例えば、粘性感光材料は、高分子ポリマーであるエポキシ樹脂を用いてもよい。エポキシ基の化学的活性のため、複数種の活性水素を含む化合物を用いてそれを開環させ、硬化架橋して網状構造を生成することができるので、エポキシ樹脂は、熱硬化性樹脂であり、且つ耐熱性と電気絶縁性に優れ、金属への付着力が高い。
【0034】
また、ステップS2000とステップS3000は、ステップS1000の後、ステップS4000の前である。すなわち、内層基板100の加工が完了しており、第2の絶縁誘電層400が加工されていない。例えば、内層基板100が単層基板又は両面基板である場合、ステップS2000とステップS3000を実行する前に、まずコアプレートへの加工を完了する必要があり、第2の絶縁誘電層400が加工されていない。内層基板100が多層基板である場合、ステップS2000とステップS3000を実行する前に、まずコアプレートとビルドアップ層への加工を完了する必要があり、第2の絶縁誘電層400が加工されていない。
【0035】
なお、部品300は、アクティブデバイス、例えば集積チップであってもよく、パッシブデバイス、例えばパッチ抵抗、パッチコンデンサ等であってもよい。
【0036】
ステップS4000:感光パッケージ材料を利用して内層基板100の第1側上において加工して部品300を被覆する第2の絶縁誘電層400を取得する。
【0037】
ここで、第2の絶縁誘電層400は、部品300のパッケージに用いられ、それにより、パッケージ基板の配線面積を十分に利用し、小型化を容易にする。なお、感光パッケージ材料は、エポキシ樹脂を用いてもよい。
【0038】
上記ステップS1000~ステップS4000によって、内層基板100に部品300が実装された上で加工して第2の絶縁誘電層400を取得し、パッケージ基板への加工を完了する。上記プロセスにおいて、部品300への加工のフローを後付けし、部品300を第2の絶縁誘電層400内に位置させることで、内層基板100におけるコアプレート又はビルドアップ層を加工する場合、コアプレート又はビルドアップ層の破損による部品300の廃棄の状況を避け、それにより、部品300の損失によるコストを削減する。また、部品300をコアプレートのキャビティ内に埋め込むことを避けることにより、さらにプロセスの複雑性を低下させるのに有利であり、加工時間と加工コストを減少させるのに有利である。
【0039】
図2~
図11を参照すると、本発明の実施形態は、パッケージ基板の断面概略図を提供する。
図2~
図11に示されるパッケージ基板の断面概略図は、本発明の実施形態によるパッケージ基板の製作方法の中間プロセスに対応する。
【0040】
図2を参照すると、本実施形態による内層基板100上に配線層110が設置され、後続に設置される外層配線700及び部品300が内層基板100との電気的接続関係を確立することを容易にする。
【0041】
図3と
図4を参照すると、粘性感光材料として粘性感光膜を用いる場合、上記ステップS2000は、ステップS2100を含み、粘性感光材料として粘性感光液を用いる場合、上記ステップS2000は、ステップS2200を含む。
【0042】
ステップS2100:粘性感光膜を内層基板100の第1側の面上に実装し、第1の絶縁誘電層200を取得する。
【0043】
ステップS2200:粘性感光液を内層基板100の第1側の面上にコーティングし、第1の絶縁誘電層200を取得する。
【0044】
ここで、粘性感光材料は、感光性特性を備えるとともに粘性を備える。粘性感光材料が液状である場合、コーティングによって、内層基板100の第1側上において加工して第1の絶縁誘電層200を取得することができる。粘性感光材料が固体状である場合、実装によって、内層基板100の第1側上において加工して第1の絶縁誘電層200を取得することができる。第1の絶縁誘電層200は、感光性特性と粘性とを同時に備えているため、部品300の実装を容易にし、後続に性能がより高いブラインドビアを容易に加工する。第1の絶縁誘電層200は、内層基板100の第1側を完全に被覆してもよく、部品300の実装する必要な位置のみを被覆してもよい。
【0045】
図5を参照すると、上記ステップS4000は、ステップS4100を含んでもよい。
【0046】
ステップS4100:感光パッケージ材料を内層基板100の第1側上にコーティングし、部品300を被覆し、第2の絶縁誘電層400を取得する。
【0047】
ここで、内層基板100の第1側の面に部品300が実装されるため、内層基板100の第1側の表面が平坦でない。このように、液状の感光パッケージ材料を内層基板100の第1側上にコーティングし、部品300を被覆することにより、第2の絶縁誘電層400を取得することができる。なお、感光パッケージ材料は、後続に第2の絶縁誘電層400を基礎として性能がより高いブラインドビアを容易に加工する感光性特性を有する。
【0048】
いくつかの実施形態では、内層基板100上に、少なくとも1つの接続点が設置される配線層110が設置され、内層基板100の第1側に貼り付け領域が設置され、第1の絶縁誘電層200は、貼り付け領域内に位置し、上記パッケージ基板の製作方法は、ステップS5100又はステップS5200をさらに含む。
【0049】
ステップS5100:露光現像によって、第2の絶縁誘電層400上において加工して第1のブラインドビア410を取得する。
【0050】
ステップS5200:露光現像によって、第2の絶縁誘電層400上において加工して第1のブラインドビア410と第2のブラインドビア420を取得する。
【0051】
ここで、第1のブラインドビア410の位置は、部品300の接続端子の位置に対応し、第2のブラインドビア420の位置は、配線層110の接続点の位置に対応し、第1のブラインドビア410と第2のブラインドビア420は、いずれも第2の絶縁誘電層400を貫通する。
【0052】
本実施形態では、
図6を参照すると、内層基板100上に、少なくとも1つの接続点が設置される配線層110が設置され、上記のパッケージ基板の製作方法は、ステップS5300又はステップS5400をさらに含む。
【0053】
ステップS5300:露光現像によって、第2の絶縁誘電層400上において加工して第1のブラインドビア410を取得する。
【0054】
ステップS5400:露光現像によって、第2の絶縁誘電層400上において加工して第1のブラインドビア410を取得し且つ第1の絶縁誘電層200と第2の絶縁誘電層400上において加工して第2のブラインドビア420を取得する。
【0055】
ここで、第1のブラインドビア410の位置は、部品300の接続端子の位置に対応し、第2のブラインドビア420の位置は、配線層110の接続点の位置に対応し、第1のブラインドビア410は、第2の絶縁誘電層400を貫通し、第2のブラインドビア420は、第1の絶縁誘電層200と第2の絶縁誘電層400を貫通する。
【0056】
ここで、第1のブラインドビア410は、部品300の接続端子を外部に電気的に接続することを可能にするために用いられ、第2のブラインドビア420は、配線層110の接続点を外部に電気的に接続することを可能にするために用いられる。例えば、後続に設置される外層配線700は、第1のブラインドビア410によって部品300に接続されることができ、第2のブラインドビア420によって内層基板100の配線層110に接続されることができる。なお、第2の絶縁誘電層400上に、又は第2の絶縁誘電層400と第1の絶縁誘電層200上に、露光現像によって加工して、内壁の平坦度がより高く、垂直度がより良く、深さがより深い第1のブラインドビア410と第2のブラインドビア420を取得することができる。
【0057】
また、粘性感光材料と感光パッケージ材料は、いずれも感光性特性を備えるため、ステップS5400において、第2のブラインドビア420は、第2の絶縁誘電層400と第1の絶縁誘電層200をさらに貫通しやすく、それにより、加工プロセスの複雑性を低下させ、加工時間を減少させるのに有利であり、第2のブラインドビア420が第2の絶縁誘電層400と第1の絶縁誘電層200を貫通することができない状況を避けやすく、良品率の向上に有利である。
【0058】
第1のブラインドビア410の位置は、部品300の接続端子に対応し、すなわち、部品300の接続端子が第1のブラインドビア410によって後続に加工される外層配線700に接続されることを可能にする。第2のブラインドビア420の位置は、配線層110の接続点に対応し、すなわち配線層110が第2のブラインドビア420によって後続に加工される外層配線700に接続されることを可能にする。
【0059】
図7~
図10を参照すると、内層基板100上に配線層110が設置され、上記パッケージ基板の製作方法は、ステップS6100又はステップS6200をさらに含む。
【0060】
ステップS6100:パターン転写とパターンメッキによって、第2の絶縁誘電層400上において加工して、配線層110、部品300に接続される外層配線700を取得する。
【0061】
ステップS6200:パターン転写とパターンメッキによって、第2の絶縁誘電層400上と内層基板100の第2側上において加工して、配線層110、部品300に接続される外層配線700を取得する。
【0062】
ここで、外層配線700は、内層基板100の配線層110と部品300との電気的接続関係を確立するために用いられ、それにより、配線層110と部品300は、外部と信号伝送を容易に行うことができる。
【0063】
具体的には、上記ステップS6100は、ステップS6110とステップS6120を含んでもよい。
【0064】
ステップS6110:第2の絶縁誘電層400上において加工してシード層500を取得する。
【0065】
ステップS6120:感光遮蔽材料によってシード層500上において加工して、配線層110、部品300に接続される外層配線700を取得する。
【0066】
上記ステップS6200は、ステップS6210とステップS6220を含んでもよい。
【0067】
ステップS6210:内層基板100の第2側と第2の絶縁誘電層400上において加工してシード層500を取得する。
【0068】
ステップS6220:感光遮蔽材料によってシード層500上において加工して、配線層110、部品300に接続される外層配線700を取得する。
【0069】
ここで、シード層500は、メッキの基礎として、第2の絶縁誘電層400と外層配線700との間の結合力を向上させることができ、内層基板100と外層配線700との間の結合力を向上させることができるため、後続にシード層500上において加工して、部品300、配線層110との接続がより緊密になる外層配線700を容易に取得する。
図7を参照すると、内層基板100の第2側と第2の絶縁誘電層400上においてシード層500を取得する。
図8を参照すると、画像移行によって、シード層500上に第1のパターン610を有するパターン層600を形成する。
図9を参照すると、メッキによって、第1のパターン610上において加工して外層配線700を取得する。
図10を参照すると、膜除去、エッチング等のプロセスを利用して、パターン層600と一部のシード層500を除去する。
【0070】
図11を参照すると、上記パッケージ基板の製作方法は、ステップS7000をさらに含んでもよい。
【0071】
ステップS7000:補強媒体材料を利用して内層基板100の第2側と第2の絶縁誘電層400上において加工して外層配線700を被覆する補強誘電層800を取得する。
【0072】
ここで、補強誘電層800は、補強媒体材料によって加工されたものである。補強媒体材料は、軽量、高強度、耐高温性、耐腐食性、断熱性、吸音性、電気絶縁性等の利点を有する無機非金属材料であるガラス繊維媒体材料を用いることができる。補強媒体材料によって加工される補強誘電層800は、パッケージ基板の剛性を高めることができ、パッケージ基板の保護を容易にすることができる。
【0073】
また、
図12を参照すると、ステップS7000の後、外層配線700が補強誘電層800の下に被覆される。パッケージ基板に相応な機能を備えさせるために、補強誘電層800上において加工して導通孔900を取得することができ、補強誘電層800の表面上において加工して表面配線層1000を取得することができ、表面配線層1000が導通孔900によって外層配線700との電気的接続を確立するようにすることにより、外部電気回路が表面配線層1000によってパッケージ基板内の部品300との電気的接続を確立するようにする。表面配線層1000の加工を完了した後、補強誘電層800の表面に対して表面処理を行い、さらにパッケージ基板への加工を完了することができる。例えば、液状のフォトソルダレジスタを補強誘電層800の表面にコーティングし、表面配線層1000を被覆し、保護層1100を取得する。
【0074】
図5又は
図11を参照すると、本実施形態は、上記パッケージ基板の製作方法で製造されるパッケージ基板をさらに提供する。ここで、上記パッケージ基板の製作方法で製造されるパッケージ基板は、加工時間がより短く、部品300の損失によるコストがより低いため、該パッケージ基板の生産コストの削減に有利である。
【0075】
図5を参照すると、本実施形態の別の態様によるパッケージ基板は、内層基板100と、部品300と、感光材料によって加工される絶縁媒体外層とを含み、部品300と絶縁媒体外層は、いずれも内層基板100の第1側上に設置され、部品300は、絶縁媒体外層内に位置する。
【0076】
ここで、絶縁媒体外層は、同じ感光材料、例えばエポキシ樹脂を用いて加工することができる第1の絶縁誘電層200と第2の絶縁誘電層400を含む。内層基板100を基礎として部品300をパッケージし、部品300を絶縁媒体外層内に位置させるとともに、内層基板100の第1側上に位置させることにより、内層基板100の破損による部品300の廃棄の状況を避け、部品300の損失によるコストを削減するのに有利である。また、部品300が内層基板100内に設置されることを避け、加工難易度を低下させ、加工時間と加工コストを減少させるのに有利である。なお、本実施形態のパッケージ基板は、上記パッケージ基板の製作方法で加工されてもよく、ここで、言及しない内容は、上記を参照してもよく、重複を避けるため、ここでは言及しない。
【0077】
以上、添付図面に関連して本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識の範囲内で、本発明の目的を逸脱することなく種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0078】
100 内層基板
110 配線層
200 第1の絶縁誘電層
300 部品
400 第2の絶縁誘電層
410 第1のブラインドビア
420 第2のブラインドビア
500 シード層
600 パターン層
610 第1のパターン
700 外層配線
800 補強誘電層
900 導通孔
1000 表面配線層
1100 保護層