IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディーの特許一覧

特許7603757チップが高密度に相互接続しているパッケージ構造及びその製造方法
<>
  • 特許-チップが高密度に相互接続しているパッケージ構造及びその製造方法 図1
  • 特許-チップが高密度に相互接続しているパッケージ構造及びその製造方法 図2
  • 特許-チップが高密度に相互接続しているパッケージ構造及びその製造方法 図2-1
  • 特許-チップが高密度に相互接続しているパッケージ構造及びその製造方法 図2-2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】チップが高密度に相互接続しているパッケージ構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20241213BHJP
   H01L 25/065 20230101ALI20241213BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20241213BHJP
   H01L 25/04 20230101ALI20241213BHJP
【FI】
H01L25/08 H
H01L25/04 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023133385
(22)【出願日】2023-08-18
(65)【公開番号】P2024041718
(43)【公開日】2024-03-27
【審査請求日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】202211125146.X
(32)【優先日】2022-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(74)【代理人】
【識別番号】100231647
【弁理士】
【氏名又は名称】千種 美也子
(72)【発明者】
【氏名】チェン ケンメイ
(72)【発明者】
【氏名】ホン イェジー
(72)【発明者】
【氏名】ファン ガオ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ベンキア
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-517061(JP,A)
【文献】特開2014-179613(JP,A)
【文献】特開2009-105344(JP,A)
【文献】特開2003-229510(JP,A)
【文献】特表2017-505539(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0286814(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹溝を有し及び前記凹溝を囲むガラスフレームのガラスキャリアと、前記ガラスフレームを貫通する第1ビアピラーと、前記凹溝を貫通する第2ビアピラーと、前記ガラスフレームの上下面に形成され且つ前記第1ビアピラーを介して電気的に接続される第1回路層及び第2回路層と、前記凹溝の上下面に形成され且つ前記第2ビアピラーを介して電気的に接続される第3回路層及び第4回路層と、前記凹溝内の前記第3回路層に取付けられるチップ接続ブリッジと、前記第1回路層に形成される第5回路層と、前記第2回路層及び前記第4回路層に取付けられる少なくとも2つのチップと、を含み、ここで、前記チップ接続ブリッジは、第1パッドを有し、且つ前記第1パッドは、前記第3回路層に接続され、前記2つのチップのピンはそれぞれ前記第4回路層及び/又は前記第2回路層に接続され、前記第5回路層は前記第1回路層に接続され、
前記チップ接続ブリッジは前記第1パッドの対向面に位置する第2パッドをさらに有し、ここで、前記第2パッドが前記第5回路層に接続され、
前記チップ接続ブリッジの第1パッドは導電性ペーストを介して前記第3回路層に接続される、ことを特徴とするチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造。
【請求項2】
前記第1回路層及び前記チップ接続ブリッジを覆うパッケージ層をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造。
【請求項3】
前記第5回路層に位置する絶縁層及び前記絶縁層に位置する第6回路層をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造。
【請求項4】
前記第1ビアピラーの間隔は前記第2ビアピラーの間隔より大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造。
【請求項5】
前記第2回路層と前記第4回路層は同一平面に位置し、前記第1回路層と前記第2パッドは同一平面に位置する、ことを特徴とする請求項に記載のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造。
【請求項6】
前記少なくとも2つのチップは第1チップ及び第2チップを含み、ここで、前記第1チップ及び前記第2チップのピンはそれぞれ一部の前記第2回路層及び一部の前記第4回路層に接続され、それにより前記第1チップ及び前記第2チップを接続する役割を前記チップ接続ブリッジに果たさせる、ことを特徴とする請求項1に記載のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造。
【請求項7】
ガラスキャリアを部分的にエッチングして凹溝及び前記凹溝を囲むガラスフレームを形成し、前記ガラスフレーム及び前記凹溝に高さ方向に沿って貫通する第1ビア及び第2ビアを形成するステップと、
前記ガラスキャリアに対して金属化を行い、前記ガラスフレームの上下面に第1回路層及び第2回路層を形成し、前記凹溝の上下面に第3回路層及び第4回路層を形成し、且つ前記第1ビアを充填して第1ビアピラーを形成し、前記第2ビアを充填して第2ビアピラーを形成し、第1ビアピラーを前記第1回路層及び前記第2回路層に導通接続させ、前記第2ビアピラーを前記第3回路層及び前記第4回路層に導通接続させるステップと、
前記凹溝内にチップ接続ブリッジをマウントし、前記チップ接続ブリッジの第1パッドを前記第3回路層に接続させるステップと、
パッケージ層を圧着し、前記パッケージ層に前記第1回路層及び前記チップ接続ブリッジを覆わせるステップと、
前記パッケージ層に第5回路層を形成し、前記第1回路層を前記第5回路層に接続させるステップと、
前記第5回路層に絶縁層を形成し、絶縁層に第6回路層を形成し、前記第5回路層を前記第6回路層に接続させるステップと、
前記第2回路層及び前記第4回路層に第1チップ及び第2チップを含む少なくとも2つのチップをフリップチップするステップであって、前記第1チップ及び前記第2チップのピンはそれぞれ一部の前記第2回路層及び一部の前記第4回路層に接続され、前記第1チップ及び前記第2チップを接続する役割を前記チップ接続ブリッジに果たさせるステップと、を含み、
前記チップ接続ブリッジの第1パッドと前記第3回路層は導電性ペーストを介して接続されて固定され、
前記チップ接続ブリッジは前記第1パッドの対向面に位置する第2パッドをさらに有し、ここで、前記第2パッドが前記第5回路層に接続される、ことを特徴とするチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造の製造方法。
【請求項8】
前記第6回路層にボールマウントを行い、前記少なくとも2つのチップを導通する半田ボールを形成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は半導体パッケージ技術の分野に関し、特にチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術がますます発展するのに伴い、電子製品の性能に対する要求がますます高くなることにより、電子素子及び配線基板の回路がますます複雑になり、また、電子製品のサイズがますます小さく、ますます薄くなることが要求され、それにより、チップ等の電子構成要素、パッケージ基板、パッケージ構造の高密度集積化、小型化、多機能化は、不可避なトレンドになっている。チップのライン幅とライン間距離がますます小さくなることにより、チップの小型化を続けようとする場合、ますます難しくなり、また、高密度集積化、小型化、多機能化を実現するために、パッケージ基板の配線はますます複雑化し、より多くの層数、より微細な配線の要求が出てきている。電子製品の高性能化を実現するためには、マルチチップを集積してパッケージすることが行われており、マルチチップ集積パッケージの小型化を実現するためには、マルチチップ間を相互接続することが行われる傾向になっている。
【0003】
関連技術では、マルチチップ相互接続を実現する方法は、多くあり、そのうちの代表的な方法は、例えば、2.5Dパッケージであり、キャリアとチップとの間にTSV介在層を設け、TSV介在層を利用してチップとチップとの相互接続、チップとパッケージキャリアとの相互接続を実現している。
【0004】
しかし、関連技術において、一方、TSV介在層はチップ相互接続のコストを顕著に増加させ、また、TSV介在層の厚さが比較的厚く、パッケージモジュールの体積を増加させ、パッケージモジュールの軽薄短小化を本当に実現できない。他方、TSV介在層はマルチチップの相互接続を実現する設計自由度が低く、且つ2.5Dパッケージ構造のチップはTSV介在層の表面にマウントされ、介在層とパッケージキャリアは溶接されて相互接続を実現し、集積度が比較的低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑み、本願の目的は、チップが高密度に相互接続しているパッケージ構造及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本願により提供されるチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造は、凹溝を有し及び前記凹溝を囲むガラスフレームのガラスキャリアと、前記ガラスフレームを貫通する第1ビアピラーと、前記凹溝を貫通する第2ビアピラーと、前記ガラスフレームの上下面に形成され且つ前記第1ビアピラーを介して電気的に接続される第1回路層及び第2回路層と、前記凹溝の上下面に形成され且つ前記第2ビアピラーを介して電気的に接続される第3回路層及び第4回路層と、前記凹溝内の前記第3回路層に取付けられるチップ接続ブリッジと、前記第1回路層に形成される第5回路層と、前記第2回路層及び前記第4回路層に取付けられる少なくとも2つのチップと、を含み、ここで、前記チップ接続ブリッジは、第1パッドを有し、且つ前記第1パッドは、前記第3回路層に接続され、前記2つのチップのピンはそれぞれ前記第4回路層及び/又は前記第2回路層に接続され、前記第5回路層は前記第1回路層に接続される。
【0007】
第2態様では、本願により提供されるチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造の製造方法は、
ガラスキャリアを部分的にエッチングして凹溝及び前記凹溝を囲むガラスフレームを形成し、前記ガラスフレーム及び前記凹溝に高さ方向に沿って貫通する第1ビア及び第2ビアを形成するステップと、
前記ガラスキャリアに対して金属化を行い、前記ガラスフレームの上下面に第1回路層及び第2回路層を形成し、前記凹溝の上下面に第3回路層及び第4回路層を形成し、且つ前記第1ビアを充填して第1ビアピラーを形成し、前記第2ビアを充填して第2ビアピラーを形成し、第1ビアピラーを前記第1回路層及び前記第2回路層に導通接続させ、前記第2ビアピラーを前記第3回路層及び前記第4回路層に導通接続させるステップと、
前記凹溝内にチップ接続ブリッジをマウントし、前記チップ接続ブリッジの第1パッドを前記第3回路層に接続させるステップと、
パッケージ層を圧着し、前記パッケージ層に前記第1回路層及び前記チップ接続ブリッジを覆わせるステップと、
前記パッケージ層に第5回路層を形成し、前記第1回路層を前記第5回路層に接続させるステップと、
前記第5回路層に絶縁層を形成し、絶縁層に第6回路層を形成し、前記第5回路層を前記第6回路層に接続させるステップと、
前記第2回路層及び前記第4回路層に第1チップ及び第2チップを含む少なくとも2つのチップをフリップチップするステップであって、前記第1チップ及び前記第2チップのピンはそれぞれ一部の前記第2回路層及び一部の前記第4回路層に接続され、前記第1チップ及び前記第2チップを接続する役割を前記チップ接続ブリッジに果たさせるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本願により提供されるチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造及びその製造方法は、以下の有益な効果を有し、
ガラスキャリアに埋め込まれたチップ接続ブリッジを用いてマルチチップ相互接続を実現し、TSV介在層と比較してパッケージ構造全体の体積を大幅に低減させる。第1及び第2ビアピラーにより、チップをチップ接続ブリッジ及び半田ボールに柔軟に接続させることができ、設計自由度が高い。キャリアとしてのガラス材料の熱膨張係数はシリコンウェハに近く、マルチチップパッケージの信頼性を高くさせると共に、ガラスキャリアは微小、高密度のビアを形成する能力を有し、チップ接続ブリッジの高密度のI/Oの需要を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本願又は関連技術における技術案をより明確に説明するために、以下は実施例又は関連技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかなように、以下の説明における図面は本願の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な仕事なしで、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本願の実施例のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造の概略図である。
図2】a 本願の一実施例のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造の製造方法の各ステップの中間構造を示す概略断面図である。 b 本願の一実施例のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造の製造方法の各ステップの中間構造を示す概略断面図である。 c 本願の一実施例のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造の製造方法の各ステップの中間構造を示す概略断面図である。
図2-1】d 本願の一実施例のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造の製造方法の各ステップの中間構造を示す概略断面図である。 e 本願の一実施例のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造の製造方法の各ステップの中間構造を示す概略断面図である。 f 本願の一実施例のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造の製造方法の各ステップの中間構造を示す概略断面図である。 g 本願の一実施例のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造の製造方法の各ステップの中間構造を示す概略断面図である。
図2-2】h 本願の一実施例のチップが高密度に相互接続しているパッケージ構造の製造方法の各ステップの中間構造を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下は具体的な実施例と併せて図面を参照し、本願をさらに詳細に説明する。
【0011】
なお、特に定義しない限り、本願の実施例に使用される技術用語又は科学用語は、本願が属する分野の一般的なスキルを有する者が理解する一般的な意味であるべきである。本願の実施例に使用される「第1」、「第2」及び類似の単語はいかなる順序、数量又は重要性を表すものではなく、異なる構成部分を区別するために用いられる。「含む」又は「備える」等の類似する単語は、当該単語の前に出現する構成要素又は物品が当該単語の後に列挙される構成要素又は物品及びその同等なものをカバーし、他の構成要素又は物品を排除しないことを意味する。「接続」又は「連結」等の類似する単語は物理的又は機械的な接続に限定されず、直接的であるか、間接的であるかに関わらず、電気的な接続を含むことができる。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対的な位置関係を示すものであり、説明対象の絶対的な位置が変化すると、それに応じて相対的な位置関係も変化する可能性がある。
【0012】
図1を参照すると、チップが高密度に相互接続しているパッケージ構造を示し、ガラスキャリアを含み、その熱膨張係数はシリコンウェハに近く、チップパッケージを行うことでより高い信頼性を実現できると共に、ガラスキャリアは高密度、微小のビアを形成する能力を有し、高密度のI/Oの需要を十分に満たすことができる。
【0013】
一実施例では、パッケージ構造はガラスキャリアを含み、ガラスキャリアは凹溝103と、凹溝を囲むガラスフレーム100と、ガラスフレーム100を貫通する第1ビアピラー201と、凹溝103を貫通する第2ビアピラー202と、を含む。
【0014】
パッケージ構造はさらに、ガラスフレーム100の上下面に形成され且つ第1ビアピラー201を介して電気的に接続される第1回路層3011及び第2回路層3021と、凹溝103の上下面に形成され且つ第2ビアピラー202を介して電気的に接続される第3回路層3012及び第4回路層3022と、第1回路層3011に形成される第5回路層702と、を含む。第5回路層702に第6回路層803を形成し、さらに、第6回路層803にソルダーレジスト層を形成し、ボールをボールマウントして半田ボールを形成してもよい。あるいは、第6回路層803に新たな回路層を続いて形成し、さらに新たな回路層に半田ボールを形成してもよい。半田ボールはパッケージ構造全体をはんだ接続することを可能にする。第5回路層702に複数の回路層を積層して形成することができるため、パッケージ構造の設計自由度を大幅に向上させることができる。
【0015】
チップ接続ブリッジ500は凹溝103内の第3回路層3012に嵌め込まれ、チップ接続ブリッジ500は第1パッド501を有してもよく、且つ第1パッド501は第3回路層3012に接続される。少なくとも2つのチップ901は第2回路層3021及び第4回路層3022に取付けられてもよく、少なくとも2つのチップ901のピンはそれぞれ第2回路層3021及び/又は第4回路層3022に接続されてもよく、例えば、少なくとも2つのチップ901のピンはそれぞれ一部の第4回路層3022及び一部の第2回路層3021に接続されてもよく、少なくとも2つのチップ901を相互に接続させる役割をチップ接続ブリッジに果たさせる。ここで、なお、本願の実施例は2つのチップ901が相互に接続される場合を提供し、実際には、必要に応じてチップの数を設定し、2つを超えるマルチチップ相互接続を実現することができる。
【0016】
パッケージ構造はさらに第1回路層3011及びチップ接続ブリッジ500を覆うパッケージ層601を含み、それにより、チップ接続ブリッジ500をガラスキャリアの凹溝103内にパッケージして固定する。パッケージ層601の材料としては、熱硬化性樹脂材料又は感光性樹脂材料を選択してもよい。パッケージ層601に第5回路層702が設けられ、第5回路層702はパッケージ層601に窓を開けて形成された第1止まり穴602を介して第1回路層3011に接続されてもよい。チップ接続ブリッジ500は両面パッドを有する場合、例えば、第1パッド501の対向面に第2パッド502を有する場合、第5回路層702は第1止まり穴602を介して第2パッド502に接続されてもよい。
【0017】
一実施形態では、第2ビアピラー202の間隔は第1ビアピラー201の間隔より小さくように配置されてもよく、第2ビアピラー202の直径は第1ビアピラー201の直径より小さくように配置されてもよく、それにより、より高密度で微細なパッドを有するチップ接続ブリッジ500に対応し、チップ接続ブリッジ500の高密度I/Oによるパッケージ構造の高密度配線の要求を満たすことができる。
【0018】
一実施形態では、チップ接続ブリッジ500は、第1パッド501及び対向する第2パッド502を含む。第1パッド501は導電性ペースト401を介して第3回路層3012に接続されてもよく、第2パッド502は第5回路層702に接続される。両面パッドのチップ接続ブリッジ500はより複雑なチップ相互接続機能を実現することができる。チップ接続ブリッジ500をマウントする場合、導電性ペースト401はチップ接続ブリッジ500を固定すると共に第1パッド501と第3回路層3012との電気的接続を実現することができる。
【0019】
なお、実際には、チップ接続ブリッジ500は、第2パッド502を設けずに、片面の第1パッド501のみを有してもよい。
【0020】
一実施形態では、第2回路層3021と第4回路層3022は同一平面に位置し、第1回路層3011と第2パッド502は同一平面に位置する。後期でチップ901をフリップしやすいために第2回路層3021及び第4回路層3022は同一平面に位置し、チップ接続ブリッジ500及び第1回路層3011をパッケージしやすいために第1回路層3011と第2パッド502は同一平面に位置する。
【0021】
他方では、図2a~2hを参照するとチップ901が高密度に相互接続しているパッケージ構造の製造方法の各ステップの中間構造を示す概略断面図である。
【0022】
製造方法は、以下のステップを含み、図2aに示すように、ガラスキャリアを提供し、ガラスキャリアにエッチングして凹溝103及び凹溝103を囲むガラスフレーム100を形成し、それぞれガラスフレーム100及び凹溝103に高さ方向に沿って貫通する第1ビア101及び第2ビア102を形成する。そして、予め設定された第1ビア101及び第2ビア102の位置をレーザ改質し、それぞれエッチングして第1ビア101及び第2ビア102を形成する。なお、後続でチップ接続ブリッジ500における高密度のI/Oによるパッケージ構造の高密度配線の要求を満たすために、第2ビア102の間隔及び直径を第1ビア101の間隔及び直径より小さくようにすることができる。
【0023】
続いて、図2bに示すように、第1回路層3011、第2回路層3021、第3回路層3012及び第4回路層3022を製造する。一般的に、まず第1ビア及び第2ビア内に第1ビアピラー201及び第2ビアピラー202をめっき形成し、続いて、ガラスキャリアの上面及び下面に金属シード層を製造し、第3金属シード層を覆ってフォトレジストを施し、フォトレジストをフォトリソグラフィし、フォトリソグラフィ領域に対応する位置にそれぞれ第1回路層3011、第2回路層3021、第3回路層3012及び第4回路層3022をめっきし、その後フォトレジストを除去し、且つ露出した金属シード層をエッチングすることにより、第1回路層3011及び第2回路層3021は第1ビアピラー201を介して接続され、第3回路層3012及び第4回路層3022は第2ビアピラー202を介して接続される。
【0024】
続いて、凹溝103内に導電性ペースト401を施し、図2cに示すように、導電性ペースト401に導電性粒子402が含まれ、導電性ペースト401に第3回路層3012を覆う必要がある。
【0025】
そして、凹溝103内で導電性ペースト401によりチップ接続ブリッジ500をマウントし、図2dに示すように、第1パッド501と第3回路層3012を導電性ペースト401によって相互に固定することで、チップ接続ブリッジ500と第3回路層3012の接続を実現する。実際の要求に応じて、チップ接続ブリッジ500は薄膜回路層、シリコン介在層、ガラス介在層であってもよいし、チップであってもよく、マルチチップの相互接続機能を有するものであればよい。チップ接続ブリッジ500は第1パッド501等の片面パッドのみを有してもよく、本実施例における第1パッド501及び対向する第2パッド502等の両面パッドを有してもよい。
【0026】
続いて、図2dに示すように、パッケージ層601を圧着する。パッケージ層601を圧着した後、第1回路層3011及びチップ接続ブリッジ500に対するパッケージを完了し、また、パッケージ層601を圧着するプロセスでは、導電性ペースト401における導電性粒子402はチップ接続ブリッジ500の第1パッド501及び第3回路層3012に押し付けられ、チップ接続ブリッジ500と第3回路層3012との電気的接続を実現する。
【0027】
パッケージ層601は熱硬化性樹脂材料又は感光性樹脂材料であってもよく、第1回路層3011及びチップ接続ブリッジ500をパッケージすると共に、チップ接続ブリッジ500と凹溝103との間の隙間を充填してパッケージする。
【0028】
続いて、パッケージ層601に対して窓開けを行い、第1止まり穴602を形成し、図2eに示すように、レーザ又は露光現像の方式によりパッケージ層601に対して窓開けを行ってもよい。第1止まり穴602は、第1回路層3011及びチップ接続ブリッジ500の第2パッド502を露出させる。
【0029】
続いて、図2fに示すように、パッケージ層601に第5回路層702を形成する。まずパッケージ層601の上面及び第1止まり穴602において第1金属シード層701を製造し、さらに第1金属シード層701に第5回路層702の回路パターンを作成し、その後、回路パターンに第5回路層702をめっき形成し、露出した第1金属シード層701をエッチング除去し、第5回路層702と第1回路層3011及びチップチップ接続ブリッジ500の第2パッド502との接続を完了する。
【0030】
続いて、図2gに示すように、第5回路層702に絶縁層801を積層し、絶縁層801に第6回路層803を形成する。具体的には、第5回路層702を覆って絶縁層801を積層し、絶縁層801に対して窓開けを行い、第2止まり穴802を形成し、その後、絶縁層801の上面及び第2止まり穴802内に第2金属シード層804を製造し、さらに第2金属シード層804に第6回路層803の回路パターンを作成し、その後、当該回路パターンに第6回路層803をめっき形成し、露出した第2金属シード層804をエッチング除去し、第6回路層803と第5回路層702とを接続させる。
【0031】
なお、実際の必要に応じて、前述した方法に従い、引き続き積層して追加の絶縁層及び回路層を製造し、所望の多層パッケージ構造を形成してもよい。
【0032】
そして、図2hに示すように、チップ901の取り付けを行う。上記パッケージ構造の両面にソルダーレジスト層の加工及び金属表面処理を行ってソルダーレジスト開口窓を形成した後、第2回路層3021及び第4回路層3022にボールマウントの方法によって半田ボール902を製造し、その後、チップ901をフリップチップし、そのうちの1つのチップ901のピンは半田ボール902を介して一部の第2回路層3021及び一部の第4回路層3022にそれぞれ接続されてもよく、他方のチップ901のピンは半田ボール902を介して一部の第2回路層3021及び一部の第4回路層3022にそれぞれ接続され、それにより2つのチップ901の相互接続を実現する。また、必要に応じて、マルチチップ901を取り付け、半田ボール902を介してそれぞれのピンを一部の第2回路層3021及び一部の第4回路層3022にそれぞれ接続させ、それによりマルチチップ901の相互接続を実現することができる。
【0033】
最後に、第6回路層803のソルダーレジスト開口窓にボールマウントを行い、外部と電気的に接続されたパッケージ構造の半田ボールを形成する。これにより、ガラスキャリア内に埋め込まれたチップ接続ブリッジを介してマルチチップが相互接続された全体パッケージ部材を形成し、全体パッケージ構造の体積を著しく低減できるだけでなく、マルチチップパッケージ構造の設計自由度を向上させることができ、またマルチチップパッケージの信頼性を向上させ、チップ接続ブリッジの高密度I/Oの需要を満たすことができる。
【0034】
当業者であれば、上記実施例の説明は、例示に過ぎず、本願の範囲(特許請求の範囲を含む)がこれらの例に限定されることを示唆するものではなく、また、本願の思想の下で上記実施例又は異なる実施例の技術的特徴の間で組み合わせることも可能であり、ステップは、任意の順序で実施されてもよく、本願の実施例の上記異なる態様に多くの他の変更があり、それらは、簡潔性のために詳細に提供されていないことを理解されたい。
【0035】
本願の具体的な実施例と併せて本願について説明したが、上記説明に基づいて行われたこれらの実施例の多くの置換、修正、及び変形は、当業者にとって明らかであろう。
【0036】
本願の実施例は、添付の特許請求の範囲の広い範囲内に入る、そのような全ての置換、修正、及び変形を包含することが意図される。そのため、本願の実施例の精神と原則内で行われる任意の省略、修正、同等の置換、及び改善等は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0037】
100 ガラスフレーム
101 第1ビア
102 第2ビア
103 凹溝
201 第1ビアピラー
202 第2ビアピラー
3011 第1回路層
3012 第3回路層
3021 第2回路層
3022 第4回路層
401 導電性ペースト
402 導電性粒子
500 チップ接続ブリッジ
501 第1パッド
502 第2パッド
601 パッケージ層
602 第1止まり穴
701 第1金属シード層
702 第5回路層
801 絶縁層
802 第2止まり穴
803 第6回路層
804 第2金属シード層
901 チップ
902 半田ボール
図1
図2
図2-1】
図2-2】