(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20241213BHJP
G06Q 40/02 20230101ALI20241213BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2023148130
(22)【出願日】2023-09-13
【審査請求日】2023-09-13
【審判番号】
【審判請求日】2024-04-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】322006076
【氏名又は名称】弥生株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 貴幸
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】古川 哲也
【審判官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/179884(WO,A1)
【文献】特開2002-83128(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0119254(KR,A)
【文献】青木 茂男,要説 経営分析〔四訂版〕,第4版,有限会社森山書店,2012年06月15日,pp.463-475
【文献】株式会社グラックス・アンド・アソシエイツ,ケーススタディ 企業価値評価,2021年07月01日,pp.60-67
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の企業の財務会計データを記憶するデータ記憶部と、
前記複数の企業の少なくとも一部である複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれについて、前記財務会計データに含まれる複数の値を予め定められた計算式に適用することによって、企業の財務状況を示す財務指標を計算する財務指標計算部と、
前記財務指標計算部によって計算された前記複数の比較対象企業のそれぞれの前記財務指標と前記比較元企業の前記財務指標とに基づいて、前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との類似度を計算する類似度計算部と、
前記類似度計算部が計算した前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との前記類似度に基づいて、前記複数の比較対象企業のうち、前記比較元企業と類似する類似企業を複数選択する類似企業選択部と、
前記類似企業選択部によって選択された複数の前記類似企業の情報を用いて、類似業種比較法によって、前記比較元企業の株式価値を計算する株式価値計算部であって、選択された複数の前記類似企業のEV/EBITDAに基づいて参考EV/EBITDAを算出し、比較元企業のEBITDAに、前記類似企業の
前記参考EV/EBITD
Aを乗じることによって、前記比較元企業の株式価値を計算する株式価値計算部と
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
複数の企業の財務会計データを記憶するデータ記憶部と、
前記複数の企業の少なくとも一部である複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれについて、前記財務会計データに含まれる複数の値を予め定められた計算式に適用することによって、企業の財務状況を示す財務指標を計算する財務指標計算部と、
前記財務指標計算部によって計算された前記複数の比較対象企業のそれぞれの前記財務指標と前記比較元企業の前記財務指標とに基づいて、前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との類似度を計算する類似度計算部と、
前記類似度計算部が計算した前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との前記類似度に基づいて、前記複数の比較対象企業のうち、前記比較元企業と類似する類似企業を複数選択する類似企業選択部と、
前記類似企業選択部によって選択された複数の前記類似企業の情報を用いて、DCF(Discounted Cash Flow)法によって、前記比較元企業の株式価値を計算する株式価値計算部であって、選択された複数の前記類似企業のEV/EBITDAに基づいて前記類似企業の事業価値を算出し、算出した前記事業価値に基づいて前記比較元企業の前記株式価値を計算する株式価値計算部と
を備える、情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータを、
複数の企業の財務会計データを記憶する財務会計データ記憶部、
前記複数の企業の少なくとも一部である複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれについて、前記財務会計データに含まれる複数の値を予め定められた計算式に適用することによって、企業の財務状況を示す財務指標を計算する財務指標計算部、
前記財務指標計算部によって計算された前記複数の比較対象企業のそれぞれの前記財務指標と前記比較元企業の前記財務指標とに基づいて、前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との類似度を計算する類似度計算部、
前記類似度計算部が計算した前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との前記類似度に基づいて、前記複数の比較対象企業のうち、前記比較元企業と類似する類似企業を複数選択する類似企業選択部、及び
前記類似企業選択部によって選択された複数の前記類似企業の情報を用いて、類似業種比較法によって、前記比較元企業の株式価値を計算する株式価値計算部であって、選択された複数の前記類似企業のEV/EBITDAに基づいて参考EV/EBITDAを算出し、比較元企業のEBITDAに、前記類似企業の
前記参考EV/EBITD
Aを乗じることによって、前記比較元企業の株式価値を計算する株式価値計算部
として機能させるためのプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
複数の企業の財務会計データを記憶する財務会計データ記憶部、
前記複数の企業の少なくとも一部である複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれについて、前記財務会計データに含まれる複数の値を予め定められた計算式に適用することによって、企業の財務状況を示す財務指標を計算する財務指標計算部、
前記財務指標計算部によって計算された前記複数の比較対象企業のそれぞれの前記財務指標と前記比較元企業の前記財務指標とに基づいて、前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との類似度を計算する類似度計算部、
前記類似度計算部が計算した前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との前記類似度に基づいて、前記複数の比較対象企業のうち、前記比較元企業と類似する類似企業を複数選択する類似企業選択部、及び
前記類似企業選択部によって選択された複数の前記類似企業の情報を用いて、DCF(Discounted Cash Flow)法によって、前記比較元企業の株式価値を計算する株式価値計算部であって、選択された複数の前記類似企業のEV/EBITDAに基づいて前記類似企業の事業価値を算出し、算出した前記事業価値に基づいて前記比較元企業の前記株式価値を計算する株式価値計算部
として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
前記コンピュータのデータ取得部が、複数の企業の財務会計データを取得して、前記コンピュータの財務会計データ記憶部に記憶させる記憶段階と、
前記コンピュータの財務指標計算部が、前記複数の企業の少なくとも一部である複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれについて、前記財務会計データに含まれる複数の値を予め定められた計算式に適用することによって、企業の財務状況を示す財務指標を計算する財務指標計算段階と、
前記コンピュータの類似度計算部が、前記財務指標計算段階において計算された前記複数の比較対象企業のそれぞれの前記財務指標と前記比較元企業の前記財務指標とに基づいて、前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との類似度を計算する類似度計算段階と、
前記コンピュータの類似度企業選択部が、前記類似度計算段階において計算された前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との前記類似度に基づいて、前記複数の比較対象企業のうち、前記比較元企業と類似する類似企業を複数選択する類似企業選択段階と、
前記コンピュータの株式価値計算部が、前記類似企業選択段階において選択された複数の前記類似企業の情報を用いて、類似業種比較法によって、前記比較元企業の株式価値を計算する株式価値計算段階であって、選択された複数の前記類似企業のEV/EBITDAに基づいて参考EV/EBITDAを算出し、比較元企業のEBITDAに、前記類似企業の
前記参考EV/EBITD
Aを乗じることによって、前記比較元企業の株式価値を計算する株式価値計算段階と
を備える、情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
前記コンピュータのデータ取得部が、複数の企業の財務会計データを取得して、前記コンピュータの財務会計データ記憶部に記憶させる記憶段階と、
前記コンピュータの財務指標計算部が、前記複数の企業の少なくとも一部である複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれについて、前記財務会計データに含まれる複数の値を予め定められた計算式に適用することによって、企業の財務状況を示す財務指標を計算する財務指標計算段階と、
前記コンピュータの類似度計算部が、前記財務指標計算段階において計算された前記複数の比較対象企業のそれぞれの前記財務指標と前記比較元企業の前記財務指標とに基づいて、前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との類似度を計算する類似度計算段階と、
前記コンピュータの類似度企業選択部が、前記類似度計算段階において計算された前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との前記類似度に基づいて、前記複数の比較対象企業のうち、前記比較元企業と類似する類似企業を複数選択する類似企業選択段階と、
前記コンピュータの株式価値計算部が、前記類似企業選択段階において選択された複数の前記類似企業の情報を用いて、DCF(Discounted Cash Flow)法によって、前記比較元企業の株式価値を計算する株式価値計算段階であって、選択された複数の前記類似企業のEV/EBITDAに基づいて前記類似企業の事業価値を算出し、算出した前記事業価値に基づいて前記比較元企業の前記株式価値を計算する株式価値計算段階と
を備える、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、評価対象企業と類似する企業の資金調達額に基づいて、従来必要とされた評価対象企業の過去の財務情報を用いることなく資金調達可能額評価装置、企業価値評価装置、資金調達可能額評価方法及び資金調達可能額評価プログラムについて記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2019-159591号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、複数の企業の財務会計データを記憶する財務会計データ記憶部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記複数の企業の少なくとも一部である複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれについて、前記財務会計データに含まれる複数の値を予め定められた計算式に適用することによって、企業の財務状況を示す財務指標を計算する財務指標計算部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記財務指標計算部によって計算された前記複数の比較対象企業のそれぞれの前記財務指標と前記比較元企業の前記財務指標とに基づいて、前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との類似度を計算する類似度計算部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記類似度計算部が計算した前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との前記類似度に基づいて、前記複数の比較対象企業のうち、前記比較元企業と類似する類似企業を複数選択する類似企業選択部を備えてよい。
【0004】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2】情報処理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図3】情報処理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図4】情報処理装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0007】
図1は、情報処理装置100の一例を概略的に示す。本実施形態に係る情報処理装置100は、比較元企業と、複数の比較対象企業のそれぞれとの類似度を計算し、計算結果に基づいて、複数の比較対象企業のうち、比較元企業と類似する類似企業を選択する機能を備える。情報処理装置100の当該機能は、様々な分野において利用され得る。
【0008】
例えば、情報処理装置100の当該機能は、企業の株式価値を評価する業務(以下、「バリュエーション」という)に用いられる。M&A(Mergers and Acqusitions)等の業務において、バリュエーションは非常に重要であるが、バリュエーションは、税理士や会計士にとっても一定のスキルが必要であって、敷居が高く、企業価値を適切に評価する技術を提供することが望まれる。ある企業の株式価値を計算する場合に、当該企業と類似する上場企業の株式情報から、当該企業の株式価値を計算し推計する手法が知られているが、当該企業と類似する企業を適切に選択することが、正しい価値を評価する上で不可欠である。
【0009】
本実施形態に係る情報処理装置100は、例えば、複数の比較対象企業から、株式価値を評価する観点で比較元企業と類似する類似企業を、従来よりも正確に選択することを実現し得る。比較元企業と類似する類似企業を正確に選択することによって、結果として、比較元企業の株式価値をより正確に評価することを実現できる。ここでは、情報処理装置100が、株式価値を評価する観点で比較元企業と類似する類似企業を選択する場合について主に説明するが、上述した通り、情報処理装置100の適用分野は、これに限られない。
【0010】
情報処理装置100は、複数の企業の財務会計データを記憶する。情報処理装置100は、例えば、複数の企業の財務会計データを管理する会計データ管理装置200から、複数の企業の財務会計データを取得して、記憶する。
【0011】
情報処理装置100は、ネットワーク50を介して、会計データ管理装置200から複数の企業の財務会計データを取得してよい。ネットワーク50は、クラウドネットワークを含んでよい。ネットワーク50は、インターネットを含んでよい。ネットワーク50は、移動体通信ネットワークを含んでもよい。ネットワーク50は、LAN(Local Area Network)等の専用網を含んでもよい。情報処理装置100と会計データ管理装置200とは、ネットワーク50を介さずに、直接通信してもよい。
【0012】
会計データ管理装置200は、ネットワーク50を介して、通信端末80と通信してよい。通信端末80は、通信可能な端末であれば任意の端末であってよい。例えば、通信端末80は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、及びPC(Personal Computer)等である。
【0013】
通信端末80は、企業において利用される端末であってよい。会計データ管理装置200は、通信端末80から、企業の財務会計データを受信して、管理してよい。会計データ管理装置200は、企業の財務会計データを管理する会計事務所等から、企業の財務会計データを受信して管理してもよい。
【0014】
なお、情報処理装置100と会計データ管理装置200とは一体であってもよい。すなわち、情報処理装置100が、会計データ管理装置200の機能を備える構成としてもよい。
【0015】
企業の財務会計データは、企業のデータ及び企業の財務会計に関するデータを含んでよい。財務会計データは、企業名を含んでよい。財務会計データは、事業内容を含んでよい。財務会計データは、従業員数を含んでよい。財務会計データは、設立日を含んでよい。財務会計データは、設立後経過期間を含んでよい。財務会計データは、所在地域を含んでよい。財務会計データは、企業の業種を示す業種コードを含んでよい。業種コードは、国によって定められたコードであってよい。例えば、業種コードは、日本標準産業分類コードであってよい。業種コードは日本取引所によって定められた証券コードであってもよい。業種コードは、これに限らず、企業の業種を示す他の任意のコードであってもよい。財務会計データは、企業が株式会社であるか、合同会社であるか等を示す会社種別を含んでよい。財務会計データは、企業が上場企業であるか非上場企業であるかを示すデータを含んでよい。
【0016】
財務会計データは、売上高を含んでよい。財務会計データは、売上原価を含んでよい。財務会計データは、売上債権を含んでよい。財務会計データは、営業利益を含んでよい。財務会計データは、総資産額を含んでよい。財務会計データは、現預金を含んでよい。財会計データは、営業債権を含んでよい。財務会計データは、有価証券を含んでよい。財務計データは、棚卸資産を含んでよい。財務会計データは、仕入債務を含んでよい。財務会データは、有形固定資産を含んでよい。財務会計データは、無形固定資産を含んでよい。財務会計データは、有利子負債を含んでよい。財務会計データは、自己資本を含んでよい。財務会計データは、営業債務を含んでよい。財務会計データは、減価償却費を含んでよい。財務会計データは、のれん償却費を含んでよい。財務会計データは、販管費を含んでよい。財務会計データは、実効税率を含んでよい。財務会計データは、運転資本増減額を含んでよい。財務会計データは、設備投資額を含んでよい。財務会計データは、負債調達コストを含んでよい。財務会計データは、株主資本構成比を含んでよい。財務会計データは、売上債平均残高を含んでよい。財務会計データは、棚卸資産平均残高を含んでよい。財務会計データは、支払債務平均残高を含んでよい。財務会計データは、退職者給付金債務を含んでよ。財務会計データは、少数株主持分を含んでよい。財務会計データは、資本金を含んでよい。財務会計データは、配当金額を含んでよい。財務会計データは、年利益金額を含んでよい。財務会計データは、純資産を含んでよい。財務会計データは、当期純利益を含んでよい。財務会計データは、発行済み株式数を含んでよい。財務会計データは、総資産を含んでよ。財務会計データは、売上債権回転日数を含んでよい。財務会計データは、棚卸資産回転日数を含んでよい。財務会計データは、EV(Enterprise Value)/EBITDA(Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization)倍率を含んでよい。財務会計データは、PER(Price Earnings Ratio)を含んでよい。財務会計データは、PBR(Price Book-value Ratio)を含んでよい。財務会計データは、リスクフリーレートを含んでよい。財務会計データは、レバードベータを含んでよい。財務会計データは、エクイティリスクプレミアムを含んでよい。財務会計データは、サイズプレミアムを含んでよい。財務会計データは、これらのうちの一部を含まなくてもよい。
【0017】
情報処理装置100は、記憶している複数の企業の財務会計データと、比較元企業の財務会計データとを用いて、株式価値を評価する観点で比較元企業と類似する類似企業を特定してよい。情報処理装置100は、例えば、通信端末80から、比較元企業の財務会計データを取得する。情報処理装置100が比較元企業の財務会計データをすでに記憶している場合には、情報処理装置100は、通信端末80から、比較元企業の指定を受け付けて、指定された比較元企業の財務会計データを使用してよい。
【0018】
例えば、通信端末80のユーザ82が、ある企業に類似する企業を特定したい場合に、通信端末80を使用して、当該企業の財務会計データを情報処理装置100に送信したり、当該企業を指定する指定データを情報処理装置100に送信したりする。情報処理装置100は、特定した、比較元企業と類似する類似企業の情報を、通信端末80に送信してよい。
【0019】
図2は、情報処理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。情報処理装置100は、データ記憶部102、データ取得部104、財務指標計算部105、類似度計算部106、比較対象企業選択部107、類似企業選択部108、重み値変更部110、及び株式価値計算部112を備えてよい。情報処理装置100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。例えば、情報処理装置100は、株式価値計算部112を備えなくてもよい。例えば、情報処理装置100は、重み値変更部110を備えなくてもよい。例えば、情報処理装置100は、比較対象企業選択部107を備えなくてもよい。
【0020】
データ取得部104は、各種データを取得する。例えば、データ取得部104は、企業の財務会計データを取得する。データ取得部104は、会計データ管理装置200から複数の企業の財務会計データを取得してよい。データ取得部104は、複数の通信端末80のそれぞれから、企業の財務会計データを取得してもよい。データ取得部104は、取得したデータをデータ記憶部102に記憶させる。
【0021】
財務指標計算部105は、比較元企業と複数の企業の少なくとも一部である複数の比較対象企業とのそれぞれについて、財務指標を計算する。財務指標は、企業の財務状況を示す指標であってよい。財務指標計算部105は、比較元企業の財務会計データに含まれる複数の値を予め定められた計算式に適用することによって、比較元企業の財務指標を計算してよい。財務指標計算部105は、複数の比較対象企業のそれぞれについて、財務会計データに含まれる複数の値を予め定められた計算式に適用することによって、比較対象企業の財務指標を計算してよい。
【0022】
類似度計算部106は、比較元企業と、複数の比較対象企業のそれぞれとの類似度を計算する。類似度計算部106は、財務指標計算部105によって計算された比較元企業の財務指標と複数の比較対象企業のそれぞれの財務指標とに基づいて、比較元企業と複数の比較対象企業のそれぞれとの類似度を計算する。財務指標計算部105は、例えば、データ記憶部102に財務会計データが記憶されている全ての企業を複数の比較対象企業として、比較元企業及び複数の比較先企業のそれぞれの財務指標を計算してよく、類似度計算部106は、比較元企業と複数の比較対象企業のそれぞれとの類似度を計算してよい。
【0023】
比較対象企業選択部107は、データ記憶部102に財務会計データが記憶されている全ての企業のうち、業種が比較元企業の業種に対応する複数の企業を複数の比較対象企業として選択してよい。これにより、株式価値の計算に適した類似企業を見つけやすくすることができる。また、類似度を計算する比較対象企業の数を適切に低減することができ、情報処理装置100の計算負荷や計算時間を適切に低減することができる。
【0024】
例えば、比較対象企業選択部107は、データ記憶部102に財務会計データが記憶されている全ての企業のうち、業種コードが、比較元企業の業種コードと一致する複数の企業を複数の比較対象企業として選択する。業種コードが、日本標準産業分類コードのように階層構造を有する場合、比較対象企業選択部107は、階層構造を利用して、複数の比較対象企業を選択してもよい。例えば、業種コードが、大分類、中分類、小分類に分類されている場合に、比較対象企業選択部107は、データ記憶部102に財務会計データが記憶されている全ての企業のうち、業種コードが、比較元企業の業種コードと同じ小分類に属する複数の企業を複数の比較対象企業として選択する。比較対象企業選択部107は、データ記憶部102に財務会計データが記憶されている全ての企業のうち、業種コードが、比較元企業の業種コードと同じ中分類に属する複数の企業を複数の比較対象企業として選択してもよい。比較対象企業選択部107は、データ記憶部102に財務会計データが記憶されている全ての企業のうち、業種コードが、比較元企業の業種コードと同じ大分類に属する複数の企業を複数の比較対象企業として選択してもよい。
【0025】
比較対象企業選択部107は、データ記憶部102に財務会計データが記憶されている全ての企業のうちの上場企業を複数の比較対象企業として選択してもよい。これにより、株式価値の計算に適した類似企業を見つけやすくすることができる。また、類似度を計算する比較対象企業の数を適切に低減することができ、情報処理装置100の計算負荷や計算時間を適切に低減することができる。比較対象企業選択部107は、データ記憶部102に財務会計データが記憶されている全ての企業のうち、上場企業であり、かつ、業種が比較元企業の業種に対応する複数の企業を複数の比較対象企業として選択してもよい。
【0026】
財務指標の例として、営業利益率が挙げられる。財務指標計算部105は、財務会計データに含まれる営業利益及び売上高から営業利益率を計算してよい。財務指標計算部105は、営業利益を売上高で除算して100を乗じることによって、営業利益率を計算してよい。財務会計データに営業利益率が含まれている場合、財務指標計算部105は、財務会計データに含まれている営業利益率を用いてもよい。
【0027】
財務指標の例として、CCC(Cash Conversion Cycle)が挙げられる。財務指標計算部105は、例えば、財務会計データに含まれる仕入債務残高、売上原価、売上債権回転日数、及び棚卸資産回転日数からCCCを計算する。財務指標計算部105は、仕入債務残高及び売上原価から、仕入債務回転日数を計算して、売上債権回転日数に棚卸資産回転日数を加算して、売上債務回転日数を減算することによって、CCCを計算してよい。
【0028】
財務指標計算部105は、例えば、売上原価を1年の日数で除算した値で、仕入債務残高を除算することによって、仕入債務回転日数を計算する。なお、これに限らず、類似度計算部106は、仕入高を1年の日数で除算した値で、仕入債務残高を除算する等、他の方法で仕入債務回転日数を計算してもよい。
【0029】
棚卸資産回転日数が財務会計データに含まれていない場合、財務指標計算部105は、例えば、財務会計データに含まれる売上原価及び棚卸資産から、棚卸資産回転日数を計算してよい。例えば、財務指標計算部105は、売上原価を1年の日数で除算した値で、棚卸資産を除算することによって、棚卸資産回転日数を計算する。
【0030】
売上債権回転日数が財務会計データに含まれていない場合、財務指標計算部105は、例えば、財務会計データに含まれる売上高及び売上債権から、売上債権回転日数を計算してよい。例えば、財務指標計算部105は、売上高を1年の日数で除算した値で、売上債権を除算することによって、売上債権回転日数を計算する。
【0031】
財務指標の例として、デットエクイティレシオが挙げられる。財務指標計算部105は、例えば、財務会計データに含まれる有利子負債及び自己資本からデットエクイティレシオを計算する。財務指標計算部105は、有利子負債を自己資本で除算することによって、デットエクイティレシオを計算してよい。
【0032】
財務指標の例として、売上高設備投資比率が挙げられる。財務指標計算部105は、例えば、財務会計データに含まれる売上高及び設備投資額から売上高設備投資比率を計算する。財務指標計算部105は、設備投資額を売上高で除算することによって、売上高設備投資比率を計算してよい。
【0033】
財務指標の例として、販管費率が挙げられる。財務指標計算部105は、例えば、財務会計データに含まれる売上高及び販管費から販管費率を計算する。財務指標計算部105は、販管費を売上高で除算して100を乗じることによって販管費率を計算してよい。
【0034】
財務指標の例として、売上高成長率が挙げられる。財務指標計算部105は、例えば、財務会計データに含まれる各期の売上高から売上高成長率を計算する。財務指標計算部105は、例えば、当期の売上高から前期の売上高を減算した値を、前期の売上高で除算することによって、売上高成長率を計算する。
【0035】
類似度計算部106は、例えば、複数の比較対象企業のそれぞれについて、比較対象企業の複数種類の特徴量と比較元企業の複数種類の特徴量との距離を、比較対象企業と比較元企業との類似度として計算する。距離が短いほど類似度が高いことを示す。
【0036】
複数種類の特徴量は、財務会計データに含まれるデータを含んでよい。複数種類の特徴量は、財務会計データに含まれるデータから計算した財務指標を含んでよい。
【0037】
一具体例として、財務指標計算部105が、複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれについて、財務会計データに含まれるデータから、営業利益率、CCC、及びデットエクイティレシオの少なくともいずれかを計算し、類似度計算部106が、計算結果に基づいて、複数の比較対象企業のそれぞれと比較元企業との類似度を計算する。例えば、財務指標計算部105は、複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれの営業利益率、CCC、及びデットエクイティレシオを計算し、類似度計算部106は、複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれの営業利益率、CCC、及びデットエクイティレシオと、複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれの売上高とに基づいて、複数の比較対象企業のそれぞれと比較元企業との類似度を計算する。
【0038】
類似度計算部106は、任意の数の特徴量を用いてよい。一具体例として、4種類の特徴量を用いる場合、類似度計算部106は、まず、4種類の特徴量のそれぞれについて、比較元企業及び複数の比較対象企業を母集団として、特徴量の標準偏差を計算する。類似度計算部106は、計算した標準偏差を用いて、下記数式1によって、比較元企業及び複数の比較対象企業の特徴量を標準化してよい。下記数式1のσは標準偏差を示し、μは母集団の特徴量の平均値を示す。
【0039】
【0040】
類似度計算部106は、複数の比較対象企業のそれぞれについて、標準化した4つの特徴量を用いて、下記数式2によって、比較元企業との距離dを計算してよい。下記数式2において、xは比較元企業の特徴量、yは比較対象企業の特徴量を示す。x1及びy1は、1種類目の比較元企業及び比較対象企業の特徴量を示し、x2及びy2は、2種類目の比較元企業及び比較対象企業の特徴量を示し、x3及びy3は、3種類目の比較元企業及び比較対象企業の特徴量を示し、x4及びy4は、4種類目の比較元企業及び比較対象企業の特徴量を示す。
【0041】
【0042】
類似度計算部106は、例えば、4種類の特徴量として、CCC、デットエクイティレシオ、営業利益率、及び売上高を用いる。これらは、株式価値を評価する観点での企業の類似性に対する依存度が高い特徴量であることから、類似度計算部106がこれらを用いて類似度を計算することによって、比較元企業の株式価値を評価する観点で、比較元企業に類似した類似企業を適切に特定可能にできる。類似度計算部106が用いる特徴量の数は4種類に限らず、他の数であってもよい。類似度計算部106は、CCC、デットエクイティレシオ、営業利益率、及び売上高に加えて、他の特徴量を更に用いてもよい。また、類似度計算部106は、CCC、デットエクイティレシオ、営業利益率、及び売上高のうちの一部と、他の特徴量とを用いてもよい。
【0043】
類似企業選択部108は、類似度計算部106が計算した複数の比較対象企業のそれぞれと比較元企業との類似度に基づいて、複数の比較対象企業のうち、比較元企業と類似する類似企業を複数選択する。類似企業選択部108は、例えば、複数の比較対象企業のうち、比較元企業との類似度が高い順にn個の企業を、類似企業として選択する。すなわち、類似企業選択部108は、複数の比較対象企業のうち、比較元企業との距離が短い順にn個の企業を、類似企業として選択する。nは、任意に設定可能であってよく、変更可能であってもよい。
【0044】
類似度計算部106は、複数種類の特徴量に対して重み値を適用してもよい。例えば、類似度計算部106は、財務指標計算部105によって計算された複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれの複数の財務指標に、予め設定された重み値を適用して、複数の比較対象企業のそれぞれと、比較元企業との類似度を計算する。類似度計算部106は、複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれの財務会計データに含まれるデータと、複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれの財務会計データから計算された複数の財務指標とに、予め設定された重み値を適用して、複数の比較対象企業のそれぞれと、比較元企業との類似度を計算してもよい。
【0045】
複数種類の特徴量のそれぞれに適用する重み値は、予め登録されて、データ記憶部102に記憶されていてよい。複数種類の特徴量のそれぞれに適用する重み値は、初期値としては、すべて同じ値が登録されてもよい。重み値変更部110は、情報処理装置100を利用するユーザによる指示に従って、データ記憶部102に記憶されている重み値を変更する。情報処理装置100を利用するユーザは、情報処理装置100の管理者であってよく、ユーザ82であってもよい。
【0046】
重み値変更部110によって、例えば、CCC、デットエクイティレシオ、営業利益率、及び売上高を用いる場合において、いずれかの重みを重くして類似度を算出したり、いずれか重みを軽くして類似度を算出したりすることができる。一具体例として、世の中の景気が落ち込んだような場合に、全体的に営業利益率が低下する場合があり、そのような場合に、営業利益率への依存度が高い状態で類似度を算出すると、株式価値を評価する観点で、適切に類似度を算出できない場合がある。そのような場合に、営業利益率に適用する重み値を低く変更できるようにすることで、類似度を適切に算出できるようにすることができ得る。
【0047】
株式価値計算部112は、類似企業選択部108によって選択された複数の類似企業に基づいて、比較元企業の株式価値を計算する。
【0048】
株式価値計算部112は、マーケットアプローチによって、比較元企業の株式価値を計算してよい。例えば、株式価値計算部112は、類似企業選択部108によって選択された複数の類似企業の情報を用いて、類似業種比較法によって、比較元企業の株式価値を計算する。
【0049】
例えば、株式価値計算部112は、類似企業選択部108によって選択された複数の類似企業のEV/EBITDAを特定する。株式価値計算部112は、複数の類似企業のうち、EV/EBITDA又はベータ値が百分位のうち上側5%、下側95%に当たる場合、その類似企業を除外してよい。EV/EBITDAについてマイナスがあった場合、その値は除外してよい。すべての類似企業がマイナスであった場合、株式価値の算出を不可としてよい。株式価値計算部112は、複数の類似企業のうち、残った類似企業のEV/EBITDAを平均して、参考EV/EBITDAとしてよい。株式価値計算部112は、比較元企業のEBITDAを計算し、比較元企業のEBITDAに、類似企業の参考EV/EVITDA倍率を乗じることによって、比較元企業の株式価値を計算してよい。当該計算方法は一例であって、株式価値計算部112は、類似企業選択部108によって選択された複数の類似企業の情報を用いれば、他のどのような計算方法を用いてもよい。
【0050】
株式価値計算部112は、インカムアプローチによって、比較元企業の株式価値を計算してよい。例えば、株式価値計算部112は、類似企業選択部108によって選択された複数の類似企業の情報を用いて、DCF(Discounted Cash Flow)法によって、比較元企業の株式価値を計算する。
【0051】
例えば、株式価値計算部112は、類似企業選択部108によって選択された複数の類似企業のEV/EBITDAを特定する。株式価値計算部112は、複数の類似企業のうち、EV/EBITDA又はベータ値が百分位のうち上側5%、下側95%に当たる場合、その類似企業を除外してよい。株式価値計算部112は、複数の類似企業のうち、残った類似企業のベータを平均して参考ベータとしてよい。株式価値計算部112は、リスクフリーレート、レバードベータ、エクイティリスクプレミアム、及びサイズプレミアムを用いて、株主資本コストを計算する。株式価値計算部112は、レバードベータとして、参考ベータを用いてよい。株式価値計算部112は、負債調達コスト及び実効税率を用いて、負債コストを計算する。株式価値計算部112は、株主資本コスト、負債コスト、及び株主資本構成比を用いて、WACC(Weighted Average Cost of Capital)を計算する。株式価値計算部112は、例えば1年目から5年後までのFCF(Free Cash Flow)の現在価値を計算する。株式価値計算部112は、ターミナルバリューの現在価値を計算する。株式価値計算部112は、FCFの現在価値及びターミナルバリューの現在価値を用いて、事業価値を計算する。株式価値計算部112は、事業価値を用いて、株式価値を計算する。当該計算方法は一例であって、株式価値計算部112は、類似企業選択部108によって選択された複数の類似企業の情報を用いれば、他のどのような計算方法を用いてもよい。
【0052】
図3は、情報処理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、情報処理装置100が、比較元企業の指定を受け付けてから、比較元企業に類似する類似企業を選択するまでの処理の流れについて説明する。
【0053】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、データ取得部104が、比較元企業の財務会計データを取得する。S104では、比較対象企業選択部107が、データ取得部104に財務会計データが記憶されている複数の企業から、比較対象企業を選択する。比較対象企業選択部107は、比較元企業の財務会計データに含まれる業種データを用いて、業種が比較元企業の業種に対応し、かつ、上場企業である企業を、比較対象企業として選択してよい。
【0054】
S106では、財務指標計算部105が、比較元企業及び複数の比較対象企業のそれぞれの財務指標を計算する。S108では、類似度計算部106が、複数の比較対象企業のうちの1つ目の比較対象企業と比較元企業との類似度を、当該1つ目の比較対象企業の複数の特徴量と、比較元企業の複数の特徴量とを用いて計算する。S110では、類似度計算部106が、S104において選択された比較対象企業の全てと比較元企業との類似度の計算が終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合、類似度計算部106は、次の比較対象企業と比較元企業との類似度を計算する。終了したと判定した場合、S112に進む。
【0055】
S112では、類似企業選択部108が、複数の比較対象企業のそれぞれと比較元企業との類似度に基づいて、比較元企業に類似する類似企業を選択する。そして、処理を終了する。
【0056】
図4は、情報処理装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0057】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0058】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0059】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0060】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0061】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0062】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0063】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0064】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0065】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0066】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0067】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0068】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0069】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0070】
なお、
図4に示すコンピュータ1200のハードウェア構成は、上述した通り単なる一例であり、これに限られない。情報処理装置100として機能するコンピュータ1200は、他の任意の構成を備えてよい。例えば、情報処理装置100は、クラウド上に実現されてもよい。例えば、情報処理装置100として機能するコンピュータ1200は、クラウド上のコンピュータであってもよい。情報処理装置100は、クラウド上の1つのコンピュータによって実現されてよい。情報処理装置100は、クラウド上の複数のコンピュータによって実現されてもよい。
【0071】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0072】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0073】
50 ネットワーク、80 通信端末、82 ユーザ、100 情報処理装置、102 データ記憶部、104 データ取得部、105 財務指標計算部、106 類似度計算部、107 比較対象企業選択部、108 類似企業選択部、110 重み値変更部、112 株式価値計算部、200 会計データ管理装置、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ
【要約】 (修正有)
【課題】情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、複数の企業の財務会計データを記憶する財務会計データ記憶部と、前記複数の企業の少なくとも一部である複数の比較対象企業及び比較元企業のそれぞれについて、前記財務会計データに含まれる複数の値を予め定められた計算式に適用することによって、企業の財務状況を示す財務指標を計算する財務指標計算部と、前記財務指標計算部によって計算された前記複数の比較対象企業のそれぞれの前記財務指標と前記比較元企業の前記財務指標とに基づいて、前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との類似度を計算する類似度計算部と、前記類似度計算部が計算した前記複数の比較対象企業のそれぞれと前記比較元企業との前記類似度に基づいて、前記複数の比較対象企業のうち、前記比較元企業と類似する類似企業を複数選択する類似企業選択部と、を備える。
【選択図】
図1