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特許7603802リチウム析出検出に基づく電池充電方法、システム、自動車及び媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】リチウム析出検出に基づく電池充電方法、システム、自動車及び媒体
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241213BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20241213BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20241213BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J7/00 Y
H02J7/04 A
H01M10/44 A
H01M10/48 P
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023519225
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 CN2021120362
(87)【国際公開番号】W WO2022063236
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】202011032994.7
(32)【優先日】2020-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼天宇
(72)【発明者】
【氏名】舒▲時▼▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲でん▼林旺
(72)【発明者】
【氏名】李▲暁▼▲倩▼
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-528573(JP,A)
【文献】特表2018-520622(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147572(WO,A1)
【文献】特開2012-049040(JP,A)
【文献】特開2012-016263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池充電命令を受信した後、電池充電ポリシーテーブルを取得するステップと、
前記電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電し、かつ前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を少なくとも1回行って第1リチウム析出検出結果を取得するステップと、
前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していないである場合、前記充電電流に基づいて前記電池を充電し続け、前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を行い続け、前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生してとなったとき、或いは、前記電池に対する充電が完了したとき、前記電池に対する充電リチウム析出検出を停止するステップと、
前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第1電流減少ポリシーに基づいて前記電池充電ポリシーテーブルにおける前記充電電流を更新するとともに、更新後の前記充電電流に基づいて、前記電池に対する充電が完了するまで、前記電池を充電し続けるステップと、を含み、
さらに、前記電池に対する充電が完了した後、
前記電池に対する充電が完了し、前記電池が静置状態になった後、前記電池に対して静置リチウム析出検出を行って、第2リチウム析出検出結果を取得するステップと、
前記第2リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第2電流減少ポリシーに基づいて前記電池充電ポリシーテーブルにおける前記充電電流を更新するステップと、を含む、ことを特徴とするリチウム析出検出に基づく電池充電方法。
【請求項2】
前記電池に対する充電が完了し、前記電池が静置状態になった後、前記電池に対して静置リチウム析出検出を行って、第2リチウム析出検出結果を取得するステップは、
前記電池に対する充電が完了し、前記電池が静置状態になった後、所定の時間間隔に基づいて前記電池の電圧を定時に収集し、収集した前記電圧とこれらの電圧の収集時間とを関連付けて電圧データとして記憶するステップと、
前記電圧データに基づいて、電圧-時間座標系において時間差分電圧曲線を作成するステップと、
前記時間差分電圧曲線及び所定のピーク検出識別アルゴリズムに基づいて、第2リチウム析出検出結果を取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項に記載のリチウム析出検出に基づく電池充電方法。
【請求項3】
所定の第2電流減少ポリシーに基づいて前記電池充電ポリシーテーブルにおける前記充電電流を更新するステップは、
前記所定のピーク検出識別アルゴリズムにより前記時間差分電圧曲線における特性ピーク電圧を識別し、特性ピーク電圧を決定した後に、前記時間差分電圧曲線における、所定の安定基準が満たされる場合に対応する安定電圧を記録するステップと、
前記特性ピーク電圧、安定電圧及び前記時間差分電圧曲線に基づいて、前記電圧-時間座標系において第1領域面積及び第2領域面積を決定するステップと、
前記第1領域面積及び前記第2領域面積に基づいて、前記電池のリチウム析出特徴量を決定するステップと、
前記リチウム析出特徴量及び所定の電池リチウム析出基準に基づいて、前記電池充電ポリシーテーブルにおける前記充電電流を更新するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項に記載のリチウム析出検出に基づく電池充電方法。
【請求項4】
電池充電命令を受信した後、電池充電ポリシーテーブルを取得するステップと、
前記電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電し、かつ前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を少なくとも1回行って第1リチウム析出検出結果を取得するステップと、
前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していないである場合、前記充電電流に基づいて前記電池を充電し続け、前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を行い続け、前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生してとなったとき、或いは、前記電池に対する充電が完了したとき、前記電池に対する充電リチウム析出検出を停止するステップと、
前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第1電流減少ポリシーに基づいて前記電池充電ポリシーテーブルにおける前記充電電流を更新するとともに、更新後の前記充電電流に基づいて、前記電池に対する充電が完了するまで、前記電池を充電し続けるステップと、を含み、
前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を少なくとも1回行って第1リチウム析出検出結果を取得するステップは、
所定のSOC変化量に基づいて、所定の周波数における前記電池の第1電気化学インピーダンス及び第2電気化学インピーダンスを取得するステップであって、前記所定のSOC変化量が第2SOC値と第1SOC値との差に等しく、前記第1SOC値が第1電気化学インピーダンスに対応し、前記第2SOC値が前記第2電気化学インピーダンスに対応し、前記第1SOC値及び前記第2SOC値がいずれも所定のSOC閾値より大きい、ステップと、
前記第1電気化学インピーダンス及び前記第2電気化学インピーダンスに基づいて、前記第1リチウム析出検出結果を取得するステップと、を含む、ことを特徴とすリチウム析出検出に基づく電池充電方法。
【請求項5】
前記第1電気化学インピーダンス及び前記第2電気化学インピーダンスに基づいて、前記電池の第1リチウム析出検出結果を取得するステップは、
前記第1電気化学インピーダンスが前記第2電気化学インピーダンスより大きい場合、前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していると決定するステップと、
前記第1電気化学インピーダンスが前記第2電気化学インピーダンス以下である場合、前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しないと決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項に記載のリチウム析出検出に基づく電池充電方法。
【請求項6】
電池充電命令を受信した後、電池充電ポリシーテーブルを取得する充電ポリシーテーブル取得モジュールと、
前記電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電し、かつ前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を少なくとも1回行って第1リチウム析出検出結果を取得する充電リチウム析出検出モジュールと、
前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していないである場合、前記充電電流に基づいて前記電池を充電し続け、かつ前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を行い続け、前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているとなったとき、或いは、前記電池に対する充電が完了したとき、前記電池に対する充電リチウム析出検出を停止する第1充電モジュールと、
前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第1電流減少ポリシーに基づいて前記電池充電ポリシーテーブルにおける前記充電電流を更新するとともに、更新後の前記充電電流に基づいて、前記電池に対する充電が完了するまで、前記電池を充電し続ける第2充電モジュールと、
前記電池に対する充電が完了し、前記電池が静置状態になった後、前記電池に対してリチウム析出検出を行って、第2リチウム析出検出結果を取得する静置リチウム析出検出モジュールと、
前記第2リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第2電流減少ポリシーに基づいて前記電池充電ポリシーテーブルにおける前記充電電流を更新する充電電流更新モジュールと、を含む、ことを特徴とするリチウム析出検出に基づく電池充電システム。
【請求項7】
請求項に記載のリチウム析出検出に基づく電池充電システムを含む、ことを特徴とする自動車。
【請求項8】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムが、プロセッサによって実行されると、請求項1~のいずれか一項に記載のリチウム析出検出に基づく電池充電方法を実現する、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2020年9月27日に提出された、出願番号が202011032994.7号で、名称が「リチウム析出検出に基づく電池充電方法、システム、自動車及び媒体」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、電池充電の技術分野に関し、特にリチウム析出検出に基づく電池充電方法、システム、自動車及び媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術の発展につれて、新エネルギー自動車の発展もますます迅速になる。電池が新エネルギー自動車の重要な部品であるため、ユーザの自動車の電池充電時間に対する要求がますます高くなる。電池充電時間をさらに短縮させると、ユーザの使用体験を効果的に向上させることができる。
【0004】
関連技術では、主に、充電波形の最適化及びモデルの結合の制御方法により、電池に対する急速充電を実現する。充電波形の最適化の制御方法は、定電流定電圧充電法、段階的充電法、パルス充電法及び交流充電法などの最適化を含むが、該方法は、出荷直後の新しい電池を対象とするオフライン方法であり、電池の実際の使用過程における実際の変化を完全に考慮しないため、電池の安全性が低下することを引き起こす。モデルの結合の制御方法は、等価回路モデルの結合、熱モデルの結合、電気化学モデルの結合及び上記モデルの組み合わせモデルの結合などの方法を含み、上記モデルにより電池の急速充電を実現するが、該方法は、電池の使用過程における老化の差が大きく、統一的なモデルを正確に使用して電池を急速充電しにくく、モデル方法を使用する場合のコストが高いという欠陥を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施例は、電池の急速充電を実現するとともに充電の安全性を向上させる、リチウム析出検出に基づく電池充電方法、システム、自動車及び媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本開示に係るリチウム析出検出に基づく電池充電方法は、
電池充電命令を受信した後、電池充電ポリシーテーブルを取得するステップと、
前記電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電し、かつ前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を少なくとも1回行って第1リチウム析出検出結果を取得するステップと、
前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していないである場合、前記充電電流に基づいて前記電池を充電し続け、かつ前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を行い続け、前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているになるまで、或いは、前記電池に対する充電が完了するまで、前記電池に対する充電リチウム析出検出を停止するステップと、
前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第1電流減少ポリシーに基づいて前記電池充電ポリシーテーブルにおける前記充電電流を更新するとともに、更新後の前記充電電流に基づいて、前記電池に対する充電が完了するまで、前記電池を充電し続けるステップと、を含む。
【0007】
第2態様では、本開示に係るリチウム析出検出に基づく電池充電システムは、
電池充電命令を受信した後、電池充電ポリシーテーブルを取得する充電ポリシーテーブル取得モジュールと、
前記電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電し、かつ前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を少なくとも1回行って第1リチウム析出検出結果を取得する充電リチウム析出検出モジュールと、
前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していないである場合、前記電池に対する充電が完了するまで、前記充電電流に基づいて前記電池を充電し続け、かつ前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を行い続ける第1充電モジュールと、
前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第1電流減少ポリシーに基づいて前記電池充電ポリシーテーブルにおける前記充電電流を更新するとともに、更新後の前記充電電流に基づいて、前記電池に対する充電が完了するまで、前記電池を充電し続ける第2充電モジュールと、を含む。
【0008】
第3態様では、本開示に係る自動車は、上述したリチウム析出検出に基づく電池充電システムを含む。
【0009】
第4態様では、本開示に係るコンピュータ可読記憶媒体には、プロセッサによって実行されると、上述したリチウム析出検出に基づく電池充電方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0010】
上述したリチウム析出検出に基づく電池充電方法、システム及び自動車において、該方法は、電池充電命令を受信した後、電池充電ポリシーテーブルを取得するステップと、前記電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電し、かつ前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を少なくとも1回行って第1リチウム析出検出結果を取得するステップと、前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していないである場合、前記充電電流に基づいて前記電池を充電し続け、かつ前記電池の充電過程において、前記電池に対して充電リチウム析出検出を行い続け、前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているになるまで、或いは、前記電池に対する充電が完了するまで、前記電池に対する充電リチウム析出検出を停止するステップと、前記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第1電流減少ポリシーに基づいて前記電池充電ポリシーテーブルにおける前記充電電流を更新するとともに、更新後の前記充電電流に基づいて、前記電池に対する充電が完了するまで、前記電池を充電し続けるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示は、電池の充電過程において電池にリチウム析出現象が発生するか否かを検出し、電池にリチウム析出現象が発生したとき、所定の第1電流減少ポリシーに基づいて電池の現在の充電電流を減少させることにより、電池の充電過程における安全性を向上させるとともに、電池の急速充電特性を十分に保証する。本実施例における方法は、異なるタイプの電池に適用することができ、第1リチウム析出検出結果に基づいて、異なるタイプの電池の電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流を調整すればよく、また、本方法に係る計算量が小さく、システムの計算複雑度が低減され、システムの実行速度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、本開示の実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0013】
図1】本開示の一実施例におけるリチウム析出検出に基づく電池充電方法のフローチャートである。
図2】本開示の一実施例におけるリチウム析出検出に基づく電池充電方法の別のフローチャートである。
図3】本開示の一実施例におけるリチウム析出検出に基づく電池充電方法の電圧-時間座標系の概略図である。
図4】本開示の一実施例におけるリチウム析出検出に基づく電池充電方法のステップS20のフローチャートである。
図5】本開示の一実施例におけるリチウム析出検出に基づく電池充電システムの原理ブロック図である。
図6】本開示の一実施例におけるリチウム析出検出に基づく電池充電システムの別の原理ブロック図である。
図7】本開示の一実施例におけるコンピュータ機器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本開示の実施例の一部であり、全てではない。本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる他の全ての実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属するものである。
【0015】
図1に示すように、一実施例に係るリチウム析出検出に基づく電池充電方法は、以下のステップS10~S40を含む。
【0016】
S10では、電池充電命令を受信した後、電池充電ポリシーテーブルを取得する。
【0017】
電池充電命令は、このときに動力電池パックの充電を開始するように指示し、例えば、ユーザは、動力電池パックの現在のSOC(State Of Charge、電池充電状態)値が低すぎることを発見し、このときに充電スタンドにより自動車を充電し、充電を開始する時刻で、電池充電命令が生成される。電池充電ポリシーテーブルには、電池充電に関するデータ、例えば、充電電流、充電電圧などが含まれ、該電池充電ポリシーテーブルは、電池の出荷時に作成された急速充電ポリシーにより得られるものであり、理解できるように、該電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流は、電池の充電過程及び/又は充電完了後に、電池にリチウム析出現象が発生するか否かに基づいて更新及び調整される可能性がある。リチウム析出現象とは、電池の負極に金属リチウムが析出するという現象を指す。
【0018】
S20では、上記電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電し、かつ上記電池の充電過程において、上記電池に対して充電リチウム析出検出を少なくとも1回行って第1リチウム析出検出結果を取得する。
【0019】
充電リチウム析出検出とは、電池の充電過程において電池に対してリチウム析出現象検出を行う過程を指し、該充電リチウム析出検出は、三電極直接測定法、クーロン効率測定法及び電気化学インピーダンス測定法を含むが、これらに限定されない。第1リチウム析出検出結果は、電池の充電過程において、電池に対して充電リチウム析出検出を行った後に取得されたものであり、該第1リチウム析出検出結果は、電池にリチウム析出現象が発生した結果と、電池にリチウム析出現象が発生しない結果とを含む。
【0020】
具体的には、電池充電命令を受信した後、電池充電ポリシーテーブルを取得して、該電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電し、かつ電池の充電過程において、電池に対して充電リチウム析出検出を少なくとも1回行って第1リチウム析出検出結果を取得して、充電過程において電池にリチウム析出現象が存在するか否かを決定する。充電過程において電池にリチウム析出現象が発生したとき、電池の現在の充電過程における充電電流を減少させ、リチウム析出を抑制して、後続きの充電過程におけるリチウム析出特徴量を減少させるべきである。充電過程において電池にリチウム析出現象が発生しない場合、現在の充電過程における充電電流で電池を充電し続け、かつ後続きの充電過程において、電池に対する充電が完了するまで、電池に対して充電リチウム析出検出を行い続ける。
【0021】
S30では、上記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していないである場合、上記充電電流に基づいて上記電池を充電し続け、かつ上記電池の充電過程において、上記電池に対して充電リチウム析出検出を行い続け、上記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているとなったとき、或いは、上記電池に対する充電が完了したとき、上記電池に対する充電リチウム析出検出を停止する。
【0022】
具体的には、上記電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電し、かつ上記電池の充電過程において上記電池に対して充電リチウム析出検出を行って、第1リチウム析出検出結果を取得した後、第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していないである場合、電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電し続け、かつ電池の充電過程において電池に対して充電リチウム析出検出を行い続ける。後続きの任意の1つの時刻で取得された第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、電池に対する充電リチウム析出検出を停止し、所定の第1電流減少ポリシーに基づいて上記電池充電ポリシーテーブルにおける上記充電電流を更新するとともに、更新後の上記充電電流に基づいて、上記電池に対する充電が完了するまで、上記電池を充電し続け、後続きに電池に対して充電リチウム析出検出を行って取得された第1リチウム析出検出結果が、いずれもリチウム析出現象が発生していないである場合、上記電池充電ポリシーテーブルにおける上記充電電流を更新する必要がないことを表明し、電池に対する充電が完了した後、電池に対する充電リチウム析出検出を停止する。
【0023】
S40では、上記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第1電流減少ポリシーに基づいて上記電池充電ポリシーテーブルにおける上記充電電流を更新するとともに、更新後の上記充電電流に基づいて、上記電池に対する充電が完了するまで、上記電池を充電し続ける。
【0024】
所定の第1電流減少ポリシーとは、現在の充電電流を所定の比率で減少させるポリシーを指し、例示的に、第1電流減少ポリシーは、現在の充電過程における電池の充電電流を所定の比率で減少させることであってもよく、該所定の比率は、現在の充電電流の0.1%~1%であってもよく、例えば、現在の充電電流の0.5%であり、このようにして、充電電流が1Aである場合、充電電流を0.5%下げ、即ち、充電電流を0.995Aに減少させることができる。理解できるように、電池に対する充電が完了するか否かは、状況に応じて決定することができ、例えば、電池の現在のSOC値が所定のSOC値になると、電池に対する充電が完了すると決定することができ、別の場合、電池に対して電源オフ処理を前倒しで行うことができ、例えば、突然停電により電池を充電し続けることができなくなるか、又は人為的な操作(例えば、充電スタンドから充電プラグの抜き)により充電を前倒しで終了する場合、このときに電池に対する充電が既に完了したと考えることができる。
【0025】
具体的には、上記電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電し、かつ上記電池の充電過程において、上記電池に対して充電リチウム析出検出を行って第1リチウム析出検出結果を取得した後、第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第1電流減少ポリシーに基づいて、現在の充電過程における電池の充電電流を減少させ(電池にリチウム析出現象が発生したとき、電池の負極のリチウム電位が0V以下に低下し、依然として現在の充電電流で電池を充電すると、充電過程における分極現象により電池の負極のリチウム電位がより小さい値により低下しやすいため、電池の現在の充電電流を減少させる必要がある)、そして、減少後の充電電流で電池充電ポリシーテーブルを更新し、更新後の電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流(即ち、減少後の上記充電電流)に基づいて、電池に対する充電が完了するまで、電池を充電し続けて、後続きの充電過程において電池にリチウム析出特徴量が増加する確率を減少させ、さらに電池の充電過程における安全性を保証し、即ち、充電過程において電池にリチウム析出現象が1回発生していることを検出すると、電池に対して充電リチウム析出検出を行い続ける必要がないことを表明する。
【0026】
本実施例では、電池の充電過程において電池にリチウム析出現象が発生するか否かを検出し、電池にリチウム析出現象が発生したとき、所定の第1電流減少ポリシーに基づいて、電池の現在の充電電流を減少させることにより、電池の充電過程における安全性を向上させるとともに、電池が安全である前提で急速充電特性を発揮することを確保する。また、本実施例における方法は、異なるタイプのリチウム電池に適用することができ、第1リチウム析出検出結果に基づいて、異なるタイプの電池の電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流を調整すればよく、また、本方法に係る計算量が小さく、システムの計算複雑度が低減され、さらに、システムの実行速度が向上する。
【0027】
一実施例では、ステップS30又はS40の後、図2に示すように、上記電池に対する充電が完了した後、ステップS50~S60を含む。
【0028】
S50では、上記電池に対する充電が完了し、上記電池が静置状態になった後、上記電池に対して静置リチウム析出検出を行って、第2リチウム析出検出結果を取得する。
【0029】
静置状態とは、電池に対して他の操作(例えば、放電、充電など)を行わない状態を指す。静置リチウム析出検出とは、電池に対する充電が完了した後に電池に対してリチウム析出検出を行う方法を指し、該静置リチウム析出検出は、電圧静置法、非線形周波数応答法及び電圧緩和法などを含むが、これらに限定されない。第2リチウム析出検出結果は、電池に対する充電が完了した後に電池に対して静置リチウム析出検出を行った後に取得されたものであり、該第2リチウム析出検出結果は、電池にリチウム析出現象が発生した結果と、電池にリチウム析出現象が発生しない結果とを含み、また、該第2リチウム析出検出結果は、電池にリチウム析出現象が発生した結果である場合、電池のリチウム析出特徴量を表すことができる。
【0030】
具体的には、更新後の上記充電電流に基づいて、上記電池に対する充電が完了するまで、上記電池を充電し続け、かつ上記電池の充電過程において、上記電池に対して充電リチウム析出検出を行い続け、その後に、充電完了した電池を静置状態にさせて、電池に対して静置リチウム析出検出を行って、第2リチウム析出検出結果を取得する。
【0031】
1つの具体的な実施例では、ステップS50、即ち、上記電池に対する充電が完了し、上記電池が静置状態になった後、上記電池に対して静置リチウム析出検出を行って、第2リチウム析出検出結果を取得するステップは、以下のステップを含む。
【0032】
上記電池に対する充電が完了し、上記電池静置状態になった後、所定の時間間隔に基づいて上記電池の電圧を定時に収集し、収集した上記電圧とこれらの電圧の収集時間とを関連付けて電圧データとして記憶する。
【0033】
該ステップにおける電池とは、充電完了した後に静置リチウム析出検出を待つ電池を指す。充電過程において電池にリチウム析出が発生したことは、電池の充電過程において電池の負極にリチウム金属が一部析出していることを指す。所定の時間間隔は、実際の検出要件(例えば、検出される電池のタイプなど)に基づいて決定されてもよく、例示的に、5s又は10sなどであってもよい。収集時間とは、所定の時間間隔に基づいて収集された電池の電圧に対応する時点を指す。電圧データには、各組の、電圧及びその対応する収集時間を含む。
【0034】
上記電圧データに基づいて、電圧-時間座標系において時間差分電圧曲線を作成する。
【0035】
時間差分電圧曲線は、電池の一次微分関係が電圧に従って変化する曲線を表し、該一次微分関係は、収集時間及び電圧に基づいて計算されたものである。電圧-時間座標系は、図3に示す座標系であり、該座標系は、横軸が収集対象電池の電圧を表し、縦軸が収集対象電池の電圧に対応する時間を表す。L1は、時間差分電圧曲線を表し、L2は、収集対象電池の電圧が収集時間に従って変化する曲線を表す。具体的には、所定の時間間隔に基づいて上記電池の電圧を定時に収集し、収集した上記電圧とこれらの電圧の収集時間とを関連付けて電圧データとして記憶した後、電圧データに基づいて、時間差分電圧により電圧データに対応する一次微分関係を取得した後、時間差分電圧曲線を決定する。
【0036】
好ましくは、該ステップでは、上記電圧データに基づいて、時間差分電圧曲線を決定することは、上記電圧データ及び所定の一次微分関係に基づいて、上記時間差分電圧曲線を生成するステップを含む。所定の一次微分関係は、各組の、収集対象電池の電圧及び収集時間に基づいて計算されたものであり、該所定の一次微分関係はdt/dUである。
【0037】
具体的には、所定の時間間隔に基づいて上記電池の電圧を定時に収集し、収集した上記電圧とこれらの電圧の収集時間とを関連付けて電圧データとして記憶した後、電圧データにおける各組の電圧及び対応する収集時間に基づいて、所定の一次微分関係を取得し、収集された各電圧が対応する一次微分関係値を有するため、時間差分電圧曲線が決定される。
【0038】
上記時間差分電圧曲線及び所定のピーク検出識別アルゴリズムに基づいて、第2リチウム析出検出結果を取得する。
【0039】
所定のピーク検出識別アルゴリズムにより、時間差分電圧曲線に特性ピークが現れたときに該特性ピークに対応する特性ピーク電圧を見つけ、該特性ピーク電圧は、充電過程において電池にリチウム析出が発生したことを表す。本実施例では、該ピーク検出識別アルゴリズムは、上記電圧-時間座標系において(例えば、時間によって区切られる)検索領域を設定することができ、該領域において最大値を検索した(即ち、図3に示すように、時間差分電圧曲線L1において、曲線がまず上がり、次に下がる点が現れると、特性ピーク現象が発生した)場合、該最大値に対応する点を特性ピーク点として決定する。
【0040】
具体的には、上記電圧データに基づいて、電圧-時間座標系において時間差分電圧曲線を作成した後、所定のピーク検出識別アルゴリズムにより、時間差分電圧曲線において特性ピーク電圧が存在するか否かを検索し、該時間差分電圧曲線において特性ピーク電圧が検索された場合、第2リチウム析出検出結果が、電池に対する充電が完了した後にリチウム析出現象が発生したことを表し、該時間差分電圧曲線において特性ピーク電圧が検索されないと、第2リチウム析出検出結果が、電池に対する充電が完了した後にリチウム析出現象が発生していないことを表す。
【0041】
S60では、上記第2リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第2電流減少ポリシーに基づいて上記電池充電ポリシーテーブルにおける上記充電電流を更新する。
【0042】
第2電流減少ポリシーとは、電池に対する充電が完了した後のリチウム析出特徴量及び該電池に対応するリチウム析出基準に基づいて、充電電流を減少させるべきの減少比率を決定し、さらに該減少比率に基づいて、上記電池充電ポリシーテーブルにおける上記充電電流を更新し減少させることを指す。例えば、該減少比率は、現在の充電電流の1%であり、このようにして、上記電池充電ポリシーテーブルにおける上記充電電流が1Aである場合、充電電流を1%下げ、即ち、充電電流を0.99Aに減少させることができる。理解できるように、本開示において、第1電流減少ポリシーにおける所定の比率と第2電流減少ポリシーにおける減少比率とは、同じである可能性があり、異なる可能性もある。
【0043】
具体的には、上記電池に対して静置リチウム析出検出を行って、第2リチウム析出検出結果を取得した後、第2リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、電池のリチウム析出特徴量をさらに確認して、電池に対する充電が完了した後にリチウム析出現象が発生した場合に対応するリチウム析出特徴量を取得し、さらに、該リチウム析出特徴量及び所定の第2電流減少ポリシーに基づいて、電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流を更新する。
【0044】
好ましくは、ステップS60、即ち、上記第2リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第2電流減少ポリシーに基づいて上記電池充電ポリシーテーブルにおける上記充電電流を更新するステップは、以下のステップを含む。
【0045】
上記所定のピーク検出識別アルゴリズムにより上記時間差分電圧曲線における特性ピーク電圧を識別し、かつ特性ピーク電圧を決定した後に、上記時間差分電圧曲線における、所定の安定基準が満たされる場合に対応する安定電圧を記録する。
【0046】
所定の安定基準とは、時間差分電圧曲線の曲線値が-100~-∞の範囲において、安定し変化しない状態に近づくという要件を満たすことを指す。本実施例では、長期間にわたって時間差分電圧曲線の電圧に従う変化が非常に小さい(曲線が直線に近づき、このとき、時間差分電圧曲線の曲線値が安定し変化しない状態に近づく)場合、該状態の開始時の時間差分電圧曲線に対応する電圧値を安定電圧として記録する。
【0047】
具体的には、上記電圧データに基づいて時間差分電圧曲線を決定した後、ピーク検出識別アルゴリズムにより時間差分電圧曲線における特性ピーク電圧を識別し、充電過程において電池にリチウム析出が発生したことを表し、即ち、充電過程において電池にリチウム析出状態が存在することを決定し、このとき、特性ピーク電圧を決定した後に、上記時間差分電圧曲線における、所定の安定基準が満たされる場合に対応する安定電圧を記録する必要がある。
【0048】
上記特性ピーク電圧、安定電圧及び上記時間差分電圧曲線に基づいて、上記電圧-時間座標系において第1領域面積及び第2領域面積を決定する。
【0049】
具体的には、ピーク検出識別アルゴリズムにより上記時間差分電圧曲線における特性ピーク電圧を識別し、かつ特性ピーク電圧が現れた後に上記時間差分電圧曲線における、所定の安定基準が満たされる場合に対応する安定電圧を記録した後、上記電池充電の終了時の充電電圧を取得し、上記時間差分電圧曲線の開始点が上記充電電圧に対応し、基準横軸及び第1基準縦軸を決定し、上記基準横軸とは、上記電圧-時間座標系における、上記開始点に対応する横軸を指し、上記第1基準縦軸とは、上記電圧-時間座標系における、上記特性ピーク電圧に対応する縦軸を指し、上記基準横軸、第1基準縦軸及び上記時間差分電圧曲線で囲まれた領域に対応する第1領域面積を計算する。図3に示す電圧-時間座標系において、U1は、時間差分電圧曲線における充電電圧に対応する開始点であり、U2は、時間差分電圧曲線における特性ピーク電圧に対応する点であり、U3は、時間差分電圧曲線における安定電圧に対応する点であり、L3は、基準横軸であり、L4は、第1基準縦軸であり、L5は、第2基準縦軸である。
【0050】
上記電圧-時間座標系における、上記安定電圧に対応する縦軸である第2基準縦軸を決定し、上記基準横軸、第1基準縦軸、第2基準縦軸及び上記時間差分電圧曲線で囲まれた領域に対応する第2領域面積を計算する。
【0051】
上記第1領域面積及び上記第2領域面積に基づいて、上記電池のリチウム析出特徴量を決定し、上記リチウム析出特徴量及び所定の電池リチウム析出基準に基づいて、上記電池充電ポリシーテーブルにおける上記充電電流を更新する。
【0052】
リチウム析出特徴量は、電池の充電過程におけるリチウム析出程度を表す。所定の電池リチウム析出基準とは、電池の出荷の前に電池を検出して得られたリチウム析出基準を指し、即ち、各電池は、いずれも対応する所定の電池リチウム析出基準を有する。
【0053】
具体的には、上記特性ピーク電圧及び上記時間差分電圧曲線に基づいて、第1領域面積を取得し、上記特性ピーク電圧、安定電圧及び上記時間差分電圧曲線に基づいて、第2領域面積を取得した後、第1領域面積及び第2領域面積に基づいて、電池のリチウム析出特徴量を決定し、さらに該電池の出荷仕様書におけるリチウム析出基準(即ち、所定の電池リチウム析出基準)により、今回の充電過程において電池に発生したリチウム析出の程度を決定し、該リチウム析出特徴量が該電池の対応するリチウム析出基準を超えると、第2電流減少ポリシーで、電池充電ポリシーテーブルにおける現在の充電電流を減少させる必要があり、即ち、電池に対する充電が完了した後のリチウム析出特徴量とリチウム析出基準との差値に基づいて、充電電流を減少させるべきの減少比率を決定し、さらに該減少比率に基づいて、上記電池充電ポリシーテーブルにおける上記充電電流を更新し減少させる。例えば、電池に対する充電が完了した後のリチウム析出特徴量がリチウム析出基準を超え、減少比率が現在の充電電流の1%であると予め設定されており、電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流が1Aである場合、充電電流を1%下げ、即ち、充電電流を0.99Aに減少させることができ、このようにして、次回に電池を充電するとき、下げた充電電流で電池を充電することにより、電池のリチウム析出特徴量を低下させ、さらに電池を保護する効果を達成することができる。理解できるように、該リチウム析出特徴量が該電池の対応するリチウム析出基準を大幅に超えると(例えば、超過量が該リチウム析出基準の所定の百分率以上であり、例示的に、該所定の百分率は、40%であってもよいが、必要に応じて、40%を除く他の百分率に設定されてもよく、理解できるように、超過量が該所定の百分率より小さい場合、上記第2電流減少ポリシーに基づいて電池充電ポリシーテーブルにおける現在の充電電流を減少させればよい)、電池のリチウム析出特徴量が大きすぎて安全上の事故が発生することを回避するように、該電池を返品し点検すべきであることを表す。
【0054】
なお、時間差分電圧曲線に特性ピーク電圧が現れる時点は、活性化リチウムが黒鉛に完全に挿入される時点であり、即ち、第1領域面積の物理的意味とは、充電過程において電池から析出した「活性化リチウム」が黒鉛の外部から内部に挿入されることに必要な時間を指す。特性ピーク電圧から安定電圧までの領域に対応する第2領域面積は、リチウムイオン濃度がセパレータから銅箔まで基本的に平衡に達することを表す。したがって、リチウムイオンが黒鉛粒子の外部から粒子の内部に拡散する傾向があるため、黒鉛粒子の全体においてリチウムイオンの分布が均一である。
【0055】
具体的には、第1領域面積の物理的意味とは、充電過程において電池から析出した「活性化リチウム」が黒鉛の外部から内部に挿入されることに必要な時間を指す。第1領域面積のみで電池のリチウム析出総特徴量を正確に表すことができず、原因は、経過した時間がリチウム析出特徴量及び黒鉛へのリチウム挿入速度に関連し、また、黒鉛へのリチウム挿入速度が温度に関連するため、同じ温度での時間であってこそリチウム析出特徴量を表すことができる。
【0056】
したがって、本開示は、第2領域面積の逆数で電池のリチウム析出速度を表す。しかしながら、第1領域面積の収集時間内に、負極に入った一部の「活性化リチウム」は、他の「活性化リチウム」が負極に挿入する過程において平衡状態になっているため、一部の「活性化リチウム」が負極において平衡状態になる時間は、第1領域面積の収集時間と重なる。しかしながら、特性ピーク電圧になる前に、主に「活性化リチウム」が負極に入り、特性ピーク電圧になった後、負極の黒鉛粒子におけるリチウムイオンの濃度差は、最大であり、全ての「活性化リチウム」が負極に完全に挿入されてから負極の黒鉛粒子が最終的な平衡状態になる時間(即ち、第2領域面積)の逆数を計算することにより黒鉛のリチウム挿入速度(即ち、リチウム析出速度)を表す。
【0057】
上記説明により指摘されるように、第1領域面積を電池のリチウム析出時間として記録し、第2領域面積の逆数を電池のリチウム析出速度として記録し、第2領域面積の逆数と第1領域面積との積を電池のリチウム析出特徴量として記録し、即ち、上記リチウム析出時間と上記リチウム析出速度との積を上記電池のリチウム析出特徴量として記録することができる。
【0058】
別の具体的な実施例では、上記電池に対して静置リチウム析出検出を行って、第2リチウム析出検出結果を取得した後、
第2リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していないであり、即ち、電池に対する充電が完了した後にリチウム析出現象が発生しない場合、次回の電池の充電過程において、電池充電ポリシーテーブルにおける現在の充電電流で電池を充電し、電池のリチウム析出特徴量を増加させないことを表すため、電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流を更新しないステップをさらに含む。好ましくは、上記所定のピーク検出識別アルゴリズムによって上記時間差分電圧曲線における特性ピーク電圧が識別されていない場合、充電過程において上記電池にリチウム析出が発生していないことを提示する。具体的には、本開示における特性ピーク電圧が物理的意味で充電過程において電池にリチウム析出が発生したことを表すため、電圧データに基づいて時間差分電圧曲線を決定した後、ピーク検出識別アルゴリズムによって時間差分電圧曲線における特性ピーク電圧が識別されていない場合、充電過程において電池にリチウム析出が発生していないことを表す。
【0059】
本実施例では、電池に対する充電が完了した後、電池に対して静置リチウム析出検出を行って、充電完了した後に電池にリチウム析出現象が発生するか否かを決定し、かつ電池にリチウム析出現象が発生したとき、所定の第2電流減少ポリシーに基づいて電池の現在の充電電流を減少させることにより、電池の充電過程における安全性を向上させるとともに、次回に充電命令を受信すると、電池充電ポリシーテーブルにおける更新済みの充電電流で電池を充電することを確保し、リチウム析出現象の発生を回避し、電池の安全性をさらに向上させる。
【0060】
一実施例では、ステップS20、即ち、上記電池の充電過程において、上記電池に対して充電リチウム析出検出を少なくとも1回行って第1リチウム析出検出結果を取得するステップは、図3に示すように、ステップS201~S202を含む。
【0061】
S201では、所定のSOC変化量に基づいて、所定の周波数における上記電池の第1電気化学インピーダンス及び第2電気化学インピーダンスを取得し、上記所定のSOC変化量が第2SOC値と第1SOC値との差に等しく、上記第1SOC値が第1電気化学インピーダンスに対応し、上記第2SOC値が上記第2電気化学インピーダンスに対応し、上記第1SOC値及び上記第2SOC値がいずれも所定のSOC閾値より大きい。
【0062】
1回の充電リチウム析出検出において、第1SOC値とは、充電リチウム析出検出の前の電池の現在の残存容量と電池の完全充電状態の容量との比値を指し、第2SOC値とは、充電リチウム析出検出後の電池の現在の残存容量と電池の完全充電状態の容量との比値を指す。好ましくは、所定のSOC閾値は、電池のタイプ及び充電需要に基づいて決定されてもよく、例示的に、該所定のSOC閾値は、70%、75%などであってもよい。電気化学インピーダンスとは、充電過程における電池の交流電圧と電流信号との比値を指し、該電気化学インピーダンスは、電池のSOC値及び所定の周波数に対応する(例えば、第1電気化学インピーダンスは、第1SOC値及び所定の周波数に対応し、第2電気化学インピーダンスは、第2SOC値及び所定の周波数に対応する)。例示的に、所定の周波数は、0.01Hz~10Hzの周波数範囲から選択される任意の数値であってもよく、該所定の周波数は、電池のタイプに基づいて決定されてもよく、即ち、異なるタイプの電池(例えば、動力電池、3C電池)に対応する所定の周波数も異なる。
【0063】
好ましくは、所定のSOC変化量は、必要に応じて設定されてもよく、例えば、5%、10%などに設定されてもよく、上記所定のSOC変化量が5%であり、所定のSOC閾値が70%であると仮定すると、第1SOC値は、75%であり、第2SOC値は、80%である。
【0064】
具体的には、本実施例では、電気化学インピーダンス測定法を用いて電池に対して充電リチウム析出検出を行う。上記電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電した後、所定のSOC変化量に基づいて、所定の周波数における上記電池の第1電気化学インピーダンス及び第2電気化学インピーダンスを取得する。
【0065】
1つの具体的な実施形態では、充電過程において電池に対して充電リチウム析出検出を1回のみ行い、該第1リチウム析出検出結果が、充電過程において電池にリチウム析出現象が発生しているであると仮定すると、今回の充電リチウム析出検出において1組のみの対応する第1電気化学インピーダンス及び第2電気化学インピーダンスが存在し、即ち、この組の第1電気化学インピーダンス及び第2電気化学インピーダンスに基づいて決定された第1リチウム析出検出結果は、充電過程において電池にリチウム析出現象が発生したことである。
【0066】
別の具体的な実施形態では、充電過程において電池に対して充電リチウム析出検出を複数回行い、最後回のリチウム析出検出結果が、充電過程において電池にリチウム析出現象が発生したことであると仮定すると、このとき、充電リチウム析出検出において複数組の対応する第1電気化学インピーダンス及び第2電気化学インピーダンスが存在し、第1リチウム析出検出結果が、充電過程において電池にリチウム析出現象が発生していないである場合、このときの第2電気化学インピーダンスを次回の充電リチウム析出検出における新しい第1電気化学インピーダンスとすることができ、所定のSOC変化量に基づいてその対応する新しい第2電気化学インピーダンスを取得し、新しい第1電気化学インピーダンス及び新しい第2電気化学インピーダンスに基づいて、新しい第1リチウム析出検出結果を決定する。各組の対応する第2SOC値と第1SOC値との差が所定のSOC変化量に等しい。
【0067】
S202では、上記第1電気化学インピーダンス及び上記第2電気化学インピーダンスに基づいて、上記電池の上記第2検出時間での第1リチウム析出検出結果を決定する。
【0068】
具体的には、上記第2検出時間での、所定の周波数における上記電池の第2電気化学インピーダンスを取得した後、第1電気化学インピーダンスと第2電気化学インピーダンスとを比較することにより、比較して取得された結果に基づいて電池の第2検出時間での第1リチウム析出検出結果を決定する。
【0069】
第1電気化学インピーダンスと第2電気化学インピーダンスとを比較した後、上記第1電気化学インピーダンスが上記第2電気化学インピーダンスより大きい場合、上記第2検出時間での上記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているであると決定する。
【0070】
第1電気化学インピーダンスと第2電気化学インピーダンスとを比較した後、上記第1電気化学インピーダンスが上記第2電気化学インピーダンス以下である場合、上記第2検出時間での上記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していないと決定する。
【0071】
上記実施例における各ステップの番号の大きさは、実行順序の前後を意味するものではなく、各プロセスの実行順序は、プロセスの機能及び内部ロジックに従って決定されるべきであり、本開示の実施例の実施プロセスに対する何らかの限定として解されるべきではないことを理解されたい。
【0072】
図5に示すように、一実施例に係るリチウム析出検出に基づく電池充電システムは、
電池充電命令を受信した後、電池充電ポリシーテーブルを取得する充電ポリシーテーブル取得モジュール10と、
上記電池充電ポリシーテーブルにおける充電電流に基づいて電池を充電し、かつ上記電池の充電過程において、上記電池に対して充電リチウム析出検出を少なくとも1回行って第1リチウム析出検出結果を取得する充電リチウム析出検出モジュール20と、
上記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していないである場合、上記充電電流に基づいて上記電池を充電し続け、かつ上記電池の充電過程において、上記電池に対して充電リチウム析出検出を行い続け、上記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているとなったとき、或いは、上記電池に対する充電が完了したとき、上記電池に対する充電リチウム析出検出を停止する第1充電モジュール30と、
上記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第1電流減少ポリシーに基づいて上記電池充電ポリシーテーブルにおける上記充電電流を更新するとともに、更新後の上記充電電流に基づいて、上記電池に対する充電が完了するまで、上記電池を充電し続ける第2充電モジュール40と、を含む。
【0073】
好ましくは、図6に示すように、該リチウム析出検出に基づく電池充電システムは、
上記電池に対する充電が完了し、上記電池が静置状態になった後、上記電池に対して静置リチウム析出検出を行って、第2リチウム析出検出結果を取得する静置リチウム析出検出モジュール50と、
上記第2リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているである場合、所定の第2電流減少ポリシーに基づいて上記電池充電ポリシーテーブルにおける上記充電電流を更新する充電電流更新モジュール60と、をさらに含む。
【0074】
好ましくは、静置リチウム析出検出モジュール50は、
上記電池に対する充電が完了し、上記電池が静置状態になった後、所定の時間間隔に基づいて上記電池の電圧を定時に収集し、収集した上記電圧とこれらの電圧の収集時間とを関連付けて電圧データとして記憶する電圧収集ユニットと、
上記電圧データに基づいて、電圧-時間座標系において時間差分電圧曲線を作成する曲線作成ユニットと、
上記時間差分電圧曲線及び所定のピーク検出識別アルゴリズムに基づいて、第2リチウム析出検出結果を取得するピーク検出識別ユニットと、を含む。
【0075】
好ましくは、充電電流更新モジュール60は、
上記所定のピーク検出識別アルゴリズムにより上記時間差分電圧曲線における特性ピーク電圧を識別し、かつ特性ピーク電圧を決定した後に、上記時間差分電圧曲線における、所定の安定基準が満たされる場合に対応する安定電圧を記録する電圧記録ユニットと、
上記特性ピーク電圧、安定電圧及び上記時間差分電圧曲線に基づいて、上記電圧-時間座標系において第1領域面積及び第2領域面積を決定する面積決定ユニットと、
上記第1領域面積及び上記第2領域面積に基づいて、上記電池のリチウム析出特徴量を決定するリチウム析出特徴量決定ユニットと、
上記リチウム析出特徴量及び所定の電池リチウム析出基準に基づいて、上記電池充電ポリシーテーブルにおける上記充電電流を更新する電流更新ユニットと、を含む。
【0076】
好ましくは、充電リチウム析出検出モジュール20は、
所定のSOC変化量に基づいて、所定の周波数における上記電池の第1電気化学インピーダンス及び第2電気化学インピーダンスを取得する電気化学インピーダンス取得ユニットであって、第1電気化学インピーダンスに対応する上記第1SOC値と、上記第2電気化学インピーダンスに対応する第2SOC値とが、いずれも所定のSOC閾値より大きく、上記第2SOC値と上記第1SOC値との差が所定のSOC変化量に等しい、電気化学インピーダンス取得ユニットと、
上記第1電気化学インピーダンス及び上記第2電気化学インピーダンスに基づいて、上記第1リチウム析出検出結果を取得するリチウム析出検出結果取得ユニットと、を含む。
【0077】
好ましくは、リチウム析出検出結果取得ユニットは、
上記第1電気化学インピーダンスが上記第2電気化学インピーダンスより大きい場合、上記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生しているであると決定する第1インピーダンス比較ユニットと、
上記第1電気化学インピーダンスが上記第2電気化学インピーダンス以下である場合、上記第1リチウム析出検出結果が、リチウム析出現象が発生していないと決定する第2インピーダンス比較ユニットと、を含む。
【0078】
一実施例に係る自動車は、上述したリチウム析出検出に基づく電池充電システムを含む。
【0079】
一実施例に係るコンピュータ機器は、サーバであってもよく、その内部構成図を図7に示す。該コンピュータ機器は、システムバスを介して接続されたプロセッサ、メモリ、ネットワークインタフェース及びデータベースを含む。該コンピュータ機器のプロセッサは、計算及び制御能力を提供する。該コンピュータ機器のメモリは、不揮発性記憶媒体及び内部メモリを含む。該不揮発性記憶媒体は、オペレーティングシステムと、コンピュータプログラムと、データベースとを記憶している。該内部メモリは、不揮発性記憶媒体におけるオペレーティングシステム及びコンピュータプログラムの実行に環境を提供する。該コンピュータ機器のネットワークインタフェースは、ネットワークを介して外部の端末と接続して通信する。該コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、リチウム析出検出に基づく電池充電方法を実現する。
【0080】
一実施例に係るコンピュータ機器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されプロセッサ上で実行可能で、プロセッサによって実行されると、上記実施例におけるリチウム析出検出に基づく電池充電方法を実現するコンピュータプログラムとを含む。
【0081】
一実施例に係るコンピュータ可読記憶媒体には、プロセッサによって実行されると、実施例におけるリチウム析出検出に基づく電池充電方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0082】
当業者であれば理解できるように、上記実施例の方法におけるフローの全部又は一部の実現は、コンピュータプログラムによって、関連するハードウェアを命令することにより完了することができ、上記コンピュータプログラムは、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、該コンピュータプログラムが実行されると、上記各方法の実施例のフローを含んでもよい。本願に係る各実施例において使用されるメモリ、記憶、データベース又は他の媒体に対するいかなる引用は、いずれも不揮発性及び/又は揮発性メモリを含んでもよい。不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)又はフラッシュメモリを含んでもよい。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は外部キャッシュメモリを含んでもよい。限定ではなく例示として、RAMは、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDRSDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクロナスリンク(Synchlink)DRAM(SLDRAM)、ラムバス(Rambus)ダイレクトRAM(RDRAM)、ダイレクトラムバスダイナミックRAM(DRDRAM)及びラムバスダイナミックRAM(RDRAM)などの様々な形態で入手可能である。
【0083】
当業者であれば明確に分かるように、容易かつ簡潔的に説明するために、上記各機能ユニット、モジュールの区分で例を挙げて説明したが、実際の適用では、必要に応じて上記機能を割り当てて異なる機能ユニット、モジュールにより完成させ、すなわち上記装置の内部構造を異なる機能ユニット又はモジュールに区分して、以上で説明した全部又は一部の機能を完成させることができる。
【0084】
以上の実施例は、本開示の技術手段を説明するためのものに過ぎず、限定するものではなく、前述の実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者であれば理解すべきこととして、依然として、前述の各実施例に記載の技術手段を修正するか、又はその技術的特徴の一部を同等置換することができ、これらの修正又は置換は、対応する技術手段の本質を本開示の各実施例の技術手段の精神及び範囲から逸脱させることはなく、いずれも本開示の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7