(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】エレベータのドア装置
(51)【国際特許分類】
B66B 13/30 20060101AFI20241213BHJP
【FI】
B66B13/30 K
(21)【出願番号】P 2023529215
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 JP2021023414
(87)【国際公開番号】W WO2022269688
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003568
【氏名又は名称】弁理士法人加藤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】津谷 夏希
(72)【発明者】
【氏名】北澤 昌也
(72)【発明者】
【氏名】赤尾 嘉仁
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特許第6001141(JP,B1)
【文献】中国実用新案第206940198(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ出入口の下部に設けられており、敷居溝が前記エレベータ出入口の間口方向に沿って設けられている敷居と、
前記エレベータ出入口の間口方向に沿って移動することにより前記エレベータ出入口を開閉するドアと、
ドア外れ防止構造部と
を備え、
前記ドアは、ドア本体と、前記ドア本体の下部に設けられた挿入部とを有しており、
前記挿入部は、前記敷居溝に挿入された第1案内部材を有しており、
前記ドア外れ防止構造部は、敷居側外れ防止部材と、ドア側外れ防止部材とを有しており、
前記敷居側外れ防止部材は、前記敷居溝内に固定された敷居側固定部と、前記ドアが前記エレベータ出入口を開くときの前記ドアの移動方向である開方向へ前記敷居側固定部から突出している敷居側突出部とを有しており、
前記ドア側外れ防止部材は、前記ドア本体の下部に固定されたドア側固定部と、前記ドアが前記エレベータ出入口を閉じるときの前記ドアの移動方向である閉方向へ前記ドア側固定部から突出しているドア側突出部とを有しており、
前記ドアが前記エレベータ出入口を全閉している状態では、前記敷居溝内において前記ドア側突出部の少なくとも一部が前記敷居側突出部から下方へ離れた位置に位置しており、
前記敷居側突出部は、前記敷居側固定部から前記開方向へ突出している敷居側アーム部と、前記敷居側アーム部から下方へ突出する敷居側鉤部と、を有しており、
前記ドア側突出部は、前記ドア側固定部から前記閉方向へ突出しているドア側アーム部と、前記ドア側アーム部から上方へ突出するドア側鉤部とを有しており、
前記ドアが前記エレベータ出入口を全閉している状態では、前記ドア側鉤部の位置が前記敷居側鉤部の位置よりも前記敷居側固定部に近い位置となっているエレベータのドア装置。
【請求項2】
エレベータ出入口の下部に設けられており、敷居溝が前記エレベータ出入口の間口方向に沿って設けられている敷居と、
前記エレベータ出入口の間口方向に沿って移動することにより前記エレベータ出入口を開閉するドアと、
ドア外れ防止構造部と
を備え、
前記ドアは、ドア本体と、前記ドア本体の下部に設けられた挿入部とを有しており、
前記挿入部は、前記敷居溝に挿入された第1案内部材を有しており、
前記ドア外れ防止構造部は、敷居側外れ防止部材と、ドア側外れ防止部材とを有しており、
前記敷居側外れ防止部材は、前記敷居溝内に固定された敷居側固定部と、前記ドアが前記エレベータ出入口を開くときの前記ドアの移動方向である開方向へ前記敷居側固定部から突出している敷居側突出部とを有しており、
前記ドア側外れ防止部材は、前記ドア本体の下部に固定されたドア側固定部と、前記ドアが前記エレベータ出入口を閉じるときの前記ドアの移動方向である閉方向へ前記ドア側固定部から突出しているドア側突出部とを有しており、
前記ドアが前記エレベータ出入口を全閉している状態では、前記敷居溝内において前記ドア側突出部の少なくとも一部が前記敷居側突出部から下方へ離れた位置に位置しており、
前記第1案内部材は、前記敷居溝内に位置している第1シューを有しており、前記敷居溝の幅方向における前記第1シューの寸法は、前記敷居溝の幅方向における前記ドア側外れ防止部材の寸法よりも大きくなっており、
前記エレベータ出入口の間口方向に沿って前記ドア側外れ防止部材を見たとき、前記敷居溝の幅方向における前記第1シューの範囲内に前記ドア側外れ防止部材が位置しているエレベータのドア装置。
【請求項3】
エレベータ出入口の下部に設けられており、敷居溝が前記エレベータ出入口の間口方向に沿って設けられている敷居と、
前記エレベータ出入口の間口方向に沿って移動することにより前記エレベータ出入口を開閉するドアと、
ドア外れ防止構造部と
を備え、
前記ドアは、ドア本体と、前記ドア本体の下部に設けられた挿入部とを有しており、
前記挿入部は、前記敷居溝に挿入された第1案内部材を有しており、
前記ドア外れ防止構造部は、敷居側外れ防止部材と、ドア側外れ防止部材とを有しており、
前記敷居側外れ防止部材は、前記敷居溝内に固定された敷居側固定部と、前記ドアが前記エレベータ出入口を開くときの前記ドアの移動方向である開方向へ前記敷居側固定部から突出している敷居側突出部とを有しており、
前記ドア側外れ防止部材は、前記ドア本体の下部に固定されたドア側固定部と、前記ドアが前記エレベータ出入口を閉じるときの前記ドアの移動方向である閉方向へ前記ドア側固定部から突出しているドア側突出部とを有しており、
前記ドアが前記エレベータ出入口を全閉している状態では、前記敷居溝内において前記ドア側突出部の少なくとも一部が前記敷居側突出部から下方へ離れた位置に位置しており、
前記ドア側外れ防止部材の下端部の位置は、前記第1案内部材の下端部の位置よりも低い位置となっており、
前記敷居溝の内面は、前記敷居溝の幅方向において互いに対向する溝第1側面及び溝第2側面を有しており、
前記第1案内部材の外面は、前記溝第1側面に対向する第1案内第1側面と、下方を向いている第1案内下面とを有しており、
前記敷居の上面と前記溝第1側面との間には、前記敷居の上面から前記溝第1側面に向かって下方へ傾斜する溝第1上部傾斜面が形成されており、
前記第1案内第1側面と前記第1案内下面との間には、前記第1案内下面から前記第1案内第1側面に向かって上方へ傾斜する第1案内第1下部傾斜面が形成されており、
前記敷居溝の幅方向における前記溝第1上部傾斜面及び前記第1案内第1下部傾斜面のそれぞれの寸法の合計は、前記敷居溝の幅方向における前記ドア側外れ防止部材と前記第1案内第1側面との間の距離よりも大きくなっているエレベータのドア装置。
【請求項4】
エレベータ出入口の下部に設けられており、敷居溝が前記エレベータ出入口の間口方向に沿って設けられている敷居と、
前記エレベータ出入口の間口方向に沿って移動することにより前記エレベータ出入口を開閉するドアと、
ドア外れ防止構造部と
を備え、
前記ドアは、ドア本体と、前記ドア本体の下部に設けられた挿入部とを有しており、
前記挿入部は、前記敷居溝に挿入された第1案内部材を有しており、
前記ドア外れ防止構造部は、敷居側外れ防止部材と、ドア側外れ防止部材とを有しており、
前記敷居側外れ防止部材は、前記敷居溝内に固定された敷居側固定部と、前記ドアが前記エレベータ出入口を開くときの前記ドアの移動方向である開方向へ前記敷居側固定部から突出している敷居側突出部とを有しており、
前記ドア側外れ防止部材は、前記ドア本体の下部に固定されたドア側固定部と、前記ドアが前記エレベータ出入口を閉じるときの前記ドアの移動方向である閉方向へ前記ドア側固定部から突出しているドア側突出部とを有しており、
前記ドアが前記エレベータ出入口を全閉している状態では、前記敷居溝内において前記ドア側突出部の少なくとも一部が前記敷居側突出部から下方へ離れた位置に位置しており、
前記ドアの下部に固定されている追加外れ防止部材
を備え、
前記挿入部は、前記敷居溝に挿入された第2案内部材を有しており、
前記第2案内部材の位置は、前記第1案内部材の位置から前記開方向へ離れており、
前記追加外れ防止部材の位置は、前記ドア側外れ防止部材の位置から前記開方向へ離れており、
前記追加外れ防止部材は、前記敷居溝内に挿入されており、
前記追加外れ防止部材の下端部の位置は、前記第2案内部材の下端部の位置よりも低い位置となっているエレベータのドア装置。
【請求項5】
前記敷居溝の内面は、前記敷居溝の幅方向において互いに対向する溝第1側面及び溝第2側面を有しており、
前記第2案内部材の外面は、前記溝第1側面に対向する第2案内第1側面と、下方を向いている第2案内下面とを有しており、
前記敷居の上面と前記溝第1側面との間には、前記敷居の上面から前記溝第1側面に向かって下方へ傾斜する溝第1上部傾斜面が形成されており、
前記第2案内第1側面と前記第2案内下面との間には、前記第2案内下面から前記第2案内第1側面に向かって上方へ傾斜する第2案内第1下部傾斜面が形成されており、
前記敷居溝の幅方向における前記溝第1上部傾斜面及び前記第2案内第1下部傾斜面のそれぞれの寸法の合計は、前記敷居溝の幅方向における前記追加外れ防止部材と前記第2案内第1側面との間の距離よりも大きくなっている請求項4に記載のエレベータのドア装置。
【請求項6】
前記第2案内部材は、前記敷居溝内に位置している第2シューを有しており、
前記敷居溝の幅方向における前記第2シューの寸法は、前記敷居溝の幅方向における前記追加外れ防止部材の寸法よりも大きくなっており、
前記エレベータ出入口の間口方向に沿って前記追加外れ防止部材を見たとき、前記敷居溝の幅方向における前記第2シューの範囲内に前記追加外れ防止部材が位置している請求項4又は請求項5に記載のエレベータのドア装置。
【請求項7】
前記第2案内部材及び前記追加外れ防止部材は、共通の締結具によって前記ドア本体の下部に固定されている請求項4~請求項6のいずれか一項に記載のエレベータのドア装置。
【請求項8】
前記追加外れ防止部材の形状は、前記ドア側外れ防止部材の形状と同じである請求項4~請求項7のいずれか一項に記載のエレベータのドア装置。
【請求項9】
前記ドア側外れ防止部材の下端部の位置は、前記第1案内部材の下端部の位置よりも低い位置となっている請求項1、請求項2、請求項4~請求項8のいずれか一項に記載のエレベータのドア装置。
【請求項10】
前記第1案内部材及び前記ドア側外れ防止部材は、共通の締結具によって前記ドア本体の下部に固定されている請求項1~請求項9のいずれか一項に記載のエレベータのドア装置。
【請求項11】
前記敷居側固定部は、前記敷居に対して着脱可能になっている請求項1~請求項10のいずれか一項に記載のエレベータのドア装置。
【請求項12】
前記敷居溝の幅方向に直交する平面における前記敷居側外れ防止部材の断面形状は、前記敷居溝の幅方向におけるどの位置においても同じである請求項1~請求項11のいずれか一項に記載のエレベータのドア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベータ出入口を開閉するエレベータのドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータのドア装置では、エレベータ出入口を開閉する引き戸の下端部にガイドシューが取り付けられている。エレベータ出入口の敷居には、案内溝が設けられている。ガイドシューは、案内溝に挿入されている。従来のエレベータのドア装置では、引き戸が外力を受けると、引き戸がたわむことによりガイドシューが案内溝から外れるおそれがある。
【0003】
従来、ガイドシューが案内溝から外れることを防止するために、案内溝の側面に段差を形成したエレベータのドア装置が提案されている。引き戸に外力が作用したときには、ガイドシューの一部が案内溝の段差に引っ掛かることにより、ガイドシューが案内溝から外れることが防止される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に示されている従来のエレベータのドア装置では、案内溝の側面に段差を形成した特殊な敷居を製造する必要がある。従って、敷居の製造に手間がかかってしまい、エレベータのドア装置の製造に手間がかかってしまう。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、製造を容易にすることができるエレベータのドア装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によるエレベータのドア装置は、エレベータ出入口の下部に設けられており、敷居溝がエレベータ出入口の間口方向に沿って設けられている敷居と、エレベータ出入口の間口方向に沿って移動することによりエレベータ出入口を開閉するドアと、ドア外れ防止構造部とを備え、ドアは、ドア本体と、ドア本体の下部に設けられた挿入部とを有しており、挿入部は、敷居溝に挿入された第1案内部材を有しており、ドア外れ防止構造部は、敷居側外れ防止部材と、ドア側外れ防止部材とを有しており、敷居側外れ防止部材は、敷居溝内に固定された敷居側固定部と、ドアがエレベータ出入口を開くときのドアの移動方向である開方向へ敷居側固定部から突出している敷居側突出部とを有しており、ドア側外れ防止部材は、ドア本体の下部に固定されたドア側固定部と、ドアがエレベータ出入口を閉じるときのドアの移動方向である閉方向へドア側固定部から突出しているドア側突出部とを有しており、ドアがエレベータ出入口を全閉している状態では、敷居溝内においてドア側突出部の少なくとも一部が敷居側突出部から下方へ離れた位置に位置しており、敷居側突出部は、敷居側固定部から開方向へ突出している敷居側アーム部と、敷居側アーム部から下方へ突出する敷居側鉤部と、を有しており、ドア側突出部は、ドア側固定部から閉方向へ突出しているドア側アーム部と、ドア側アーム部から上方へ突出するドア側鉤部とを有しており、ドアがエレベータ出入口を全閉している状態では、ドア側鉤部の位置が敷居側鉤部の位置よりも敷居側固定部に近い位置となっている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によるエレベータのドア装置によれば、エレベータのドア装置の製造を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1によるエレベータを示す上部側面図である。
【
図7】
図3のかご敷居がかご本体に対して制限距離Eだけ沈み込んだときのかごドアに対するかご敷居の位置を示す拡大図である。
【
図8】
図3のドア側突出部が敷居側突出部に下方から掛かっている状態を示す拡大図である。
【
図9】
図4の第1案内部材が敷居溝から上方へ外れている状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるエレベータを示す上部側面図である。図において、昇降路1の上部には、機械室2が設けられている。機械室2内には、駆動装置である巻上機3が設置されている。巻上機3は、駆動綱車4を有している。駆動綱車4は、巻上機3の駆動力により回転する。
【0011】
駆動綱車4には、複数の懸架体5が巻き掛けられている。懸架体5としては、ロープ又はベルトが用いられている。昇降路1内には、かご6と、図示しない釣合おもりとが複数の懸架体5によって吊り下げられている。かご6及び釣合おもりは、駆動綱車4の回転により、昇降路1内を上下方向へ移動する。
【0012】
かご6には、エレベータ出入口としてのかご出入口7が設けられている。また、かご6には、エレベータのドア装置としてのかごドア装置20が設けられている。かごドア装置20には、図示しないドア駆動装置が設けられている。かごドア装置20は、ドア駆動装置の駆動力により、かご出入口7を開閉する。
【0013】
各階における乗場8には、エレベータ出入口としての乗場出入口9が設けられている。各階では、昇降路1内の空間が乗場出入口9を通して乗場8に開放されている。各階のいずれかにかご6が停止している状態では、かご6が停止している階に設けられた乗場出入口9にかご出入口7が対向している。
【0014】
各階には、エレベータのドア装置としての乗場ドア装置40が設けられている。乗場ドア装置40は、乗場出入口9を開閉する。かご6が停止している階では、かごドア装置20と乗場ドア装置40とが互いに対向している。これにより、乗場ドア装置40がかごドア装置20と連動する。かご6が停止している階では、かご出入口7が開閉されることにより乗場出入口9が開閉される。
【0015】
かご6は、かご本体61と、かご床62とを有している。かご出入口7は、かご本体61に設けられている。かご本体61には、かご内空間が形成されている。
【0016】
かご6が停止している階では、エレベータの利用者が乗場8から乗場出入口9及びかご出入口7を通ってかご本体61のかご内空間に入ることが可能になる。また、かご6が停止している階では、エレベータの利用者がかご本体61のかご内空間からかご出入口7及び乗場出入口9を通って乗場8に降りることが可能になる。
【0017】
かご6には、図示しない防振装置と、図示しないストッパ部材とが設けられている。かご床62は、防振装置を介してかご本体61の下部に支持されている。かご本体61のかご内空間に入った利用者がかご床62に載ると、かご床62は利用者から下方への荷重を受ける。防振装置は、かご床62が受けた荷重の大きさに応じて変形する。
【0018】
かご本体61に対するかご床62の位置は、かご床62が荷重を受けていないときに床基準位置となっている。かご床62が下方への荷重を受けると、かご床62が受けた荷重の大きさに応じて、かご床62がかご本体61に対して床基準位置から下方へ沈み込む。
【0019】
ストッパ部材は、かご本体61に対するかご床62の沈み込み量を制限する。かご床62がかご本体61に対して床基準位置から制限距離Eだけ下方へ変位すると、かご本体61に対するかご床62の位置が床下限位置となる。このとき、かご本体61に対するかご床62の下方への変位がストッパ部材によって阻止される。即ち、かご6では、かご床62が床下限位置を超えてかご本体61に対して下方へ沈み込むことが防止される。
【0020】
図2は、
図1のかごドア装置20を示す正面図である。
図2には、乗場8側から見たときのかごドア装置20が示されている。かごドア装置20は、かごドア支持部材21と、かご敷居22と、一対のかごドア23と、一対のドア外れ防止構造部24とを有している。
【0021】
かごドア支持部材21は、かご出入口7の上方に配置されている。また、かごドア支持部材21は、かご6に固定されている。かごドア支持部材21は、かごハンガケース211と、かごドアレール212とを有している。
【0022】
かごハンガケース211は、かご本体61に固定されている。かごドアレール212は、かごハンガケース211に固定されている。かごドアレール212は、かご出入口7の間口方向に沿って配置されている。即ち、かごドアレール212は、
図2の左右方向に沿って配置されている。
【0023】
かご敷居22は、かご床62に固定された敷居である。かご敷居22は、かご出入口7の下部に設けられている。また、かご敷居22は、かご出入口7の間口方向に沿って配置されている。かご敷居22には、敷居溝25がかご出入口7の間口方向に沿って設けられている。敷居溝25は、上方へ開放されている。
【0024】
一対のかごドア23は、かごドアレール212に掛けられている。また、一対のかごドア23は、かごドアレール212に案内されることにより、かご出入口7の間口方向に沿って移動可能になっている。
【0025】
かごハンガケース211には、図示しないかごドア連動機構部が設けられている。かごドア連動機構部は、一対のかごドア23を互いに連動させる。これにより、一対のかごドア23は、かご出入口7の間口方向に沿って互いに逆方向へ移動可能になっている。
【0026】
ドア駆動装置も、かごハンガケース211に設けられている。ドア駆動装置は、一対のかごドア23を移動させる駆動力を発生する。ドア駆動装置の駆動力は、かごドア連動機構部を介して一対のかごドア23に伝達される。かご出入口7は、ドア駆動装置の駆動力によって一対のかごドア23が互いに逆方向へ移動することにより開閉される。
【0027】
かご出入口7には、かごドア全閉基準線Pが設定されている。かごドア全閉基準線Pは、かご出入口7の間口方向の中央を通る鉛直線である。一対のかごドア23は、かごドア全閉基準線Pから遠ざかる方向へ移動することによりかご出入口7を開く。また、一対のかごドア23は、かごドア全閉基準線Pに近づく方向へ移動することによりかご出入口7を閉じる。即ち、本実施の形態では、かごドア装置20が中央開き式のドア装置となっている。
【0028】
各かごドア23は、ドアハンガ231と、ドア本体232と、挿入部233とを有している。
【0029】
ドアハンガ231は、かごドアレール212に掛けられている。ドアハンガ231は、ドア本体232の上端部に固定されている。
【0030】
ドア本体232は、ドアハンガ231を介してかごドアレール212に吊り下げられたパネルである。ドアハンガ231がかごドアレール212に沿って移動すると、ドア本体232がかご出入口7を開閉する。
【0031】
挿入部233は、ドア本体232の下部に設けられている。また、挿入部233は、かご敷居22の敷居溝25に挿入されている。
【0032】
挿入部233は、第1案内部材234及び第2案内部材235を有している。第1案内部材234及び第2案内部材235のそれぞれは、ドア本体232の下部に設けられている。
【0033】
ここで、かごドア23がかご出入口7を閉じるときのかごドア23の移動方向を閉方向とする。また、かごドア23がかご出入口7を開くときのかごドア23の移動方向を開方向とする。この場合、第2案内部材235の位置は、第1案内部材234の位置から開方向へ離れている。
【0034】
また、かご出入口7の間口方向におけるドア本体232の両端部のうち、かごドア全閉基準線Pに近い側の端部をドア閉側端部とし、かごドア全閉基準線Pから遠い側の端部をドア開側端部とする。この場合、第1案内部材234は、ドア本体232のドア閉側端部における下部に設けられている。また、第2案内部材235は、ドア本体232のドア開側端部における下部に設けられている。
【0035】
第1案内部材234及び第2案内部材235のそれぞれは、かご敷居22の敷居溝25に挿入されている。各かごドア23は、第1案内部材234及び第2案内部材235のそれぞれが敷居溝25に挿入された状態を維持しながら、かご出入口7の間口方向に沿って移動する。
【0036】
一対のドア外れ防止構造部24のうち、一方のドア外れ防止構造部24は一方のかごドア23に対応しており、他方のドア外れ防止構造部24は他方のかごドア23に対応している。一対のドア外れ防止構造部24のそれぞれは、対応するかごドア23の挿入部233を敷居溝25から外れにくくする。各ドア外れ防止構造部24は、ドア側外れ防止部材26と、敷居側外れ防止部材27と、追加外れ防止部材28とを有している。
【0037】
敷居側外れ防止部材27は、かご敷居22とは別部材となっている。敷居側外れ防止部材27は、敷居溝25内に固定されている。敷居側外れ防止部材27は、かごドア23がかご出入口7を全閉しているときの第1案内部材234の位置よりも閉方向へ離れた位置に配置されている。
【0038】
一対のドア外れ防止構造部24における各敷居側外れ防止部材27は、かごドア全閉基準線Pに関して対称位置に配置されている。本実施の形態では、一対のドア外れ防止構造部24における各敷居側外れ防止部材27が互いに繋がって一体となっている。
【0039】
ドア側外れ防止部材26及び追加外れ防止部材28は、かごドア23の下部に固定されている。また、ドア側外れ防止部材26及び追加外れ防止部材28は、敷居溝25内に挿入されている。追加外れ防止部材28の位置は、ドア側外れ防止部材26の位置から開方向へ離れている。本実施の形態では、ドア側外れ防止部材26がドア本体232のドア閉側端部における下部に固定されている。また、本実施の形態では、追加外れ防止部材28がドア本体232のドア開側端部における下部に固定されている。
【0040】
ドア側外れ防止部材26及び追加外れ防止部材28は、かごドア23の閉方向への移動に伴って、敷居側外れ防止部材27に近づく方向へ移動する。また、ドア側外れ防止部材26及び追加外れ防止部材28は、かごドア23の開方向への移動に伴って、敷居側外れ防止部材27から遠ざかる方向へ移動する。
【0041】
図3は、
図2のIII部を示す拡大図である。また、
図4は、
図3のIV-IV線に沿った断面図である。第1案内部材234は、第1取付板236と、第1シュー237とを有している。
【0042】
第1取付板236は、ドア本体232における乗場8側の面に固定されている。また、第1取付板236は、ドア本体232の下部から敷居溝25内へ突出している。ここで、敷居溝25の長手方向に直交し、かつ水平となる方向を敷居溝25の幅方向とする。この場合、第1取付板236は、第1取付板236の厚さ方向を敷居溝25の幅方向と一致させてドア本体232の下部に固定されている。
【0043】
第1シュー237は、第1取付板236の下端部に固定されている。また、第1シュー237は、敷居溝25内に位置している。敷居溝25の幅方向における第1シュー237の寸法は、
図4に示すように、敷居溝25の幅方向における第1取付板236の寸法よりも大きくなっている。また、かご出入口7の間口方向に沿ってドア側外れ防止部材26を見たとき、敷居溝25の幅方向における第1シュー237の範囲内にドア側外れ防止部材26が位置している。
【0044】
敷居溝25の内面は、
図4に示すように、溝第1側面251と、溝第2側面252と、溝底面253とを有している。溝第1側面251及び溝第2側面252は、敷居溝25の幅方向において互いに対向している。溝第2側面252の位置は、溝第1側面251の位置よりもかご床62に近い位置となっている。溝底面253は、敷居溝25の底面である。即ち、溝底面253は、溝第1側面251及び溝第2側面252のそれぞれの下端部を繋ぐ面である。
【0045】
かご敷居22の上面は、溝第1側面251に隣接する敷居第1上面223と、溝第2側面252に隣接する敷居第2上面224とを有している。敷居第2上面224の位置は、敷居第1上面223の位置よりもかご床62に近い位置となっている。
【0046】
敷居第1上面223と溝第1側面251との間には、溝第1上部傾斜面254が形成されている。溝第1上部傾斜面254は、敷居第1上面223から溝第1側面251に向かって下方へ傾斜する傾斜面である。これにより、溝第1上部傾斜面254は、敷居第1上面223から敷居溝25の内側に向かって下方へ傾斜している。
【0047】
敷居第2上面224と溝第2側面252との間には、溝第2上部傾斜面255が形成されている。溝第2上部傾斜面255は、敷居第2上面224から溝第2側面252に向かって下方へ傾斜する傾斜面である。これにより、溝第2上部傾斜面255は、敷居第2上面224から敷居溝25の内側に向かって下方へ傾斜している。
【0048】
第1シュー237の外面は、第1案内第1側面234aと、第1案内第2側面234bと、第1案内下面234cと、第1案内第1下部傾斜面234dと、第1案内第2下部傾斜面234eとを有している。
【0049】
第1案内第1側面234aは、溝第1側面251に対向している。第1案内第2側面234bは、溝第2側面252に対向している。これにより、第1案内第1側面234a及び第1案内第2側面234bは、敷居溝25の幅方向において互いに反対側を向いている。かご出入口7の間口方向に沿ってドア側外れ防止部材26を見たとき、第1案内第1側面234aと第1案内第2側面234bとの間にドア側外れ防止部材26が位置している。
【0050】
第1案内下面234cは、第1シュー237の下面である。第1案内下面234cは、溝底面253に対向している。これにより、第1案内下面234cは、下方を向いている。第1案内下面234cは、上から見たとき、第1案内第1側面234aと第1案内第2側面234bとの間の範囲に位置している。
【0051】
第1案内第1下部傾斜面234dは、第1案内第1側面234aと第1案内下面234cとの間に形成されている。第1案内第1下部傾斜面234dは、第1案内下面234cから第1案内第1側面234aに向かって上方へ傾斜する傾斜面である。これにより、第1案内第1下部傾斜面234dは、第1案内第1側面234aの下端部から、敷居溝25の幅方向における第1シュー237の内側に向かって下方へ傾斜している。
【0052】
第1案内第2下部傾斜面234eは、第1案内第2側面234bと第1案内下面234cとの間に形成されている。第1案内第2下部傾斜面234eは、第1案内下面234cから第1案内第2側面234bに向かって上方へ傾斜する傾斜面である。これにより、第1案内第2下部傾斜面234eは、第1案内第2側面234bの下端部から、敷居溝25の幅方向における第1シュー237の内側に向かって下方へ傾斜している。
【0053】
ここで、敷居溝25の幅方向における溝第1上部傾斜面254の寸法を溝傾斜寸法A1とする。また、敷居溝25の幅方向における第1案内第1下部傾斜面234dの寸法を第1案内傾斜寸法B1とする。さらに、敷居溝25の幅方向における第1案内第1側面234aからドア側外れ防止部材26までの距離を第1オフセット距離C1とする。この場合、溝傾斜寸法A1と第1案内傾斜寸法B1との合計は、第1オフセット距離C1よりも大きくなっている。即ち、A1+B1>C1の関係が成立している。また、本実施の形態では、第1オフセット距離C1が第1案内傾斜寸法B1よりも大きくなっている。即ち、C1>B1の関係が成立している。
【0054】
敷居側外れ防止部材27の上面は、
図3に示すように、かご敷居22の上面と同じ高さに位置している。敷居溝25の幅方向に直交する平面における敷居側外れ防止部材27の断面形状は、敷居溝25の幅方向におけるどの位置においても同じである。敷居側外れ防止部材27は、敷居側固定部271と、敷居側突出部272とを有している。
【0055】
敷居側固定部271は、敷居溝25内に固定されている。一対のドア外れ防止構造部24では、各敷居側外れ防止部材27の敷居側固定部271同士が繋がっている。互いに繋がって一体となった各敷居側固定部271には、溝底面253に重なる固定面271aが形成されている。固定面271aには、ねじ穴が設けられている。
【0056】
かご敷居22には、ボルト通し孔221と、複数の排出孔222とが設けられている。ボルト通し孔221及び各排出孔222は、溝底面253からかご敷居22の下面に達する貫通孔である。
【0057】
ボルト通し孔221には、締結具としての固定ボルト29が通されている。各排出孔222は、敷居溝25内の異物をかご敷居22の下方へ排出するための貫通孔である。排出孔222は、かごドア23がかご出入口7を全閉しているときのドア側外れ防止部材26及び追加外れ防止部材28のそれぞれの下方の位置に少なくとも設けられている。
【0058】
固定面271aに設けられたねじ穴には、ボルト通し孔221に通された固定ボルト29がねじ込まれている。互いに繋がって一体となった各敷居側固定部271は、ボルト通し孔221に通された固定ボルト29によって溝底面253に固定されている。これにより、各敷居側固定部271は、溝底面253に対して着脱可能になっている。従って、各敷居側外れ防止部材27は、かご敷居22に対して着脱可能になっている。
【0059】
敷居側突出部272は、敷居側固定部271から開方向へ突出している。本実施の形態では、敷居側突出部272が敷居側固定部271の上端部から開方向へ突出している。これにより、敷居側突出部272は、溝底面253から上方へ離れた位置に保持されている。
【0060】
敷居側突出部272は、敷居側アーム部272aと、敷居側鉤部272bとを有している。敷居側アーム部272aは、敷居側固定部271から開方向へ突出している。敷居側鉤部272bは、敷居側アーム部272aから下方へ突出している。本実施の形態では、敷居側アーム部272aの両端部のうち、敷居側固定部271から遠い側の端部に敷居側鉤部272bが設けられている。
【0061】
ドア側外れ防止部材26は、敷居溝25の幅方向に直交する板状部材である。敷居溝25の幅方向に直交する平面におけるドア側外れ防止部材26の断面形状は、敷居溝25の幅方向におけるどの位置においても同じである。
【0062】
第1案内部材234及びドア側外れ防止部材26は、複数の固定ボルト30によってドア本体232の下部に固定されている。各固定ボルト30は、第1案内部材234及びドア側外れ防止部材26をドア本体232の下部に固定する共通の締結具である。本実施の形態では、第1案内部材234及びドア側外れ防止部材26が、2つの固定ボルト30によってドア本体232の下部に共締めされている。
【0063】
ドア側外れ防止部材26は、ドア側固定部261と、ドア側突出部262とを有している。
【0064】
ドア側固定部261は、固定本体部261aと、下方突出部261bとを有している。固定本体部261aには、複数の長穴263が設けられている。複数の長穴263は、かご出入口7の間口方向において互いに離れた位置に設けられている。各長穴263は、鉛直方向に沿った長穴である。本実施の形態では、2つの長穴263が固定本体部261aに設けられている。
【0065】
固定本体部261aの一部は、第1案内部材234の第1取付板236に重なっている。各固定ボルト30は、各長穴263に通されている。長穴263に通された固定ボルト30は、第1取付板236を貫通してドア本体232の下部にねじ込まれている。これにより、第1案内部材234及びドア側外れ防止部材26がドア本体232の下部に固定されている。ドア本体232に対するドア側外れ防止部材26の位置は、各固定ボルト30の締め付けを緩めることにより、鉛直方向に調整可能になっている。
【0066】
下方突出部261bは、固定本体部261aから下方へ突出している。また、下方突出部261bは、第1シュー237よりも閉方向へずれた位置、即ち第1シュー237よりも敷居側外れ防止部材27に近い位置に配置されている。これにより、ドア側外れ防止部材26は、第1シュー237を避けてドア本体232の下部に固定されている。
【0067】
下方突出部261bは、第1シュー237の位置よりも溝底面253に近い位置まで固定本体部261aから突出している。これにより、ドア側外れ防止部材26の下端部の位置は、第1案内部材234の下端部の位置よりも低い位置となっている。
【0068】
ドア側突出部262は、ドア側固定部261の下方突出部261bから閉方向へ突出している。本実施の形態では、ドア側突出部262が下方突出部261bの下端部から閉方向へ突出している。これにより、ドア側突出部262は、敷居側突出部272及び第1シュー237のそれぞれよりも低い位置に保持されている。
【0069】
ドア側突出部262は、ドア側アーム部262aと、ドア側鉤部262bとを有している。ドア側アーム部262aは、下方突出部261bから閉方向へ突出している。ドア側鉤部262bは、ドア側アーム部262aから上方へ突出している。本実施の形態では、ドア側アーム部262aの両端部のうち、ドア側固定部261から遠い側の端部にドア側鉤部262bが設けられている。
【0070】
かごドア23がかご出入口7を全閉している状態では、ドア側固定部261が敷居側外れ防止部材27よりも開方向へ離れた位置に位置している。また、かごドア23がかご出入口7を全閉している状態では、敷居溝25内においてドア側突出部262の一部が敷居側突出部272から下方へ離れた位置に位置している。これにより、かごドア23がかご出入口7を全閉している状態では、ドア側外れ防止部材26及び敷居側外れ防止部材27を上から見ると、敷居側突出部272の領域にドア側突出部262の一部が重なっている。また、かごドア23がかご出入口7を全閉している状態では、ドア側鉤部262bの位置が敷居側鉤部272bの位置よりも敷居側固定部271に近い位置となっている。
【0071】
かごドア23がかご出入口7を全閉している状態で、かつかご床62が下方への荷重を受けていない状態では、敷居側突出部272からドア側突出部262までの鉛直方向の距離が許容距離Dとなっている。許容距離Dは、かご床62が床基準位置から床下限位置へ沈み込むときの制限距離Eよりも大きくなっている。
【0072】
図5は、
図2のV部を示す拡大図である。また、
図6は、
図5のVI-VI線に沿った断面図である。第2案内部材235は、第2取付板238と、第2シュー239とを有している。
【0073】
第2取付板238は、ドア本体232における乗場8側の面に固定されている。また、第2取付板238は、ドア本体232の下部から敷居溝25内へ突出している。第2取付板238は、第2取付板238の厚さ方向を敷居溝25の幅方向と一致させてドア本体232の下部に固定されている。
【0074】
第2シュー239は、第2取付板238の下端部に固定されている。また、第2シュー239は、敷居溝25内に位置している。敷居溝25の幅方向における第2シュー239の寸法は、
図6に示すように、敷居溝25の幅方向における第2取付板238の寸法よりも大きくなっている。また、かご出入口7の間口方向に沿って追加外れ防止部材28を見たとき、敷居溝25の幅方向における第2シュー239の範囲内に追加外れ防止部材28が位置している。
【0075】
第2シュー239の外面は、第2案内第1側面235aと、第2案内第2側面235bと、第2案内下面235cと、第2案内第1下部傾斜面235dと、第2案内第2下部傾斜面235eとを有している。
【0076】
第2案内第1側面235aは、溝第1側面251に対向している。第2案内第2側面235bは、溝第2側面252に対向している。これにより、第2案内第1側面235a及び第2案内第2側面235bは、敷居溝25の幅方向において互いに反対側を向いている。かご出入口7の間口方向に沿って追加外れ防止部材28を見たとき、第2案内第1側面235aと第2案内第2側面235bとの間に追加外れ防止部材28が位置している。
【0077】
第2案内下面235cは、第2シュー239の下面である。第2案内下面235cは、溝底面253に対向している。これにより、第2案内下面235cは、下方を向いている。第2案内下面235cは、上から見たとき、第2案内第1側面235aと第2案内第2側面235bとの間の範囲に位置している。
【0078】
第2案内第1下部傾斜面235dは、第2案内第1側面235aと第2案内下面235cとの間に形成されている。第2案内第1下部傾斜面235dは、第2案内下面235cから第2案内第1側面235aに向かって上方へ傾斜する傾斜面である。これにより、第2案内第1下部傾斜面235dは、第2案内第1側面235aの下端部から、敷居溝25の幅方向における第2シュー239の内側に向かって下方へ傾斜している。
【0079】
第2案内第2下部傾斜面235eは、第2案内第2側面235bと第2案内下面235cとの間に形成されている。第2案内第2下部傾斜面235eは、第2案内下面235cから第2案内第2側面235bに向かって上方へ傾斜する傾斜面である。これにより、第2案内第2下部傾斜面235eは、第2案内第2側面235bの下端部から、敷居溝25の幅方向における第2シュー239の内側に向かって下方へ傾斜している。
【0080】
ここで、敷居溝25の幅方向における第2案内第1下部傾斜面235dの寸法を第2案内傾斜寸法B2とする。また、敷居溝25の幅方向における第2案内第1側面235aから追加外れ防止部材28までの距離を第2オフセット距離C2とする。この場合、溝傾斜寸法A1と第2案内傾斜寸法B2との合計は、第2オフセット距離C2よりも大きくなっている。即ち、A1+B2>C2の関係が成立している。また、本実施の形態では、第2オフセット距離C2が第2案内傾斜寸法B2よりも大きくなっている。即ち、C2>B2の関係が成立している。
【0081】
追加外れ防止部材28は、敷居溝25の幅方向に直交する板状部材である。第2案内部材235及び追加外れ防止部材28は、複数の固定ボルト31によってドア本体232の下部に固定されている。各固定ボルト31は、第2案内部材235及び追加外れ防止部材28をドア本体232の下部に固定する共通の締結具である。本実施の形態では、第2案内部材235及び追加外れ防止部材28が、2つの固定ボルト31によってドア本体232の下部に共締めされている。
【0082】
追加外れ防止部材28は、追加固定部281と、追加突出部282とを有している。
【0083】
追加固定部281は、固定本体部281aと、下方突出部281bとを有している。固定本体部281aには、複数の長穴283が設けられている。複数の長穴283は、かご出入口7の間口方向において互いに離して設けられている。各長穴283の長軸は、鉛直方向に沿った軸である。本実施の形態では、2つの長穴283が固定本体部281aに設けられている。
【0084】
固定本体部281aの一部は、第2案内部材235の第2取付板238に重なっている。各固定ボルト31は、各長穴283に通されている。長穴283に通された固定ボルト31は、第2取付板238を貫通してドア本体232の下部にねじ込まれている。これにより、第2案内部材235及び追加外れ防止部材28がドア本体232の下部に固定されている。従って、ドア本体232に対する追加外れ防止部材28の位置は、各固定ボルト31の締め付けを緩めることにより、鉛直方向に調整可能になっている。
【0085】
下方突出部281bは、固定本体部281aから下方へ突出している。また、下方突出部281bは、第2シュー239よりも開方向へずれた位置に配置されている。これにより、追加外れ防止部材28は、第2シュー239を避けてドア本体232の下部に固定されている。
【0086】
下方突出部281bは、第2シュー239の位置よりも溝底面253に近い位置まで固定本体部281aから突出している。これにより、追加外れ防止部材28の下端部の位置は、第2案内部材235の下端部の位置よりも低い位置となっている。
【0087】
追加突出部282は、追加固定部281の下方突出部281bから開方向へ突出している。本実施の形態では、追加突出部282が下方突出部281bの下端部から開方向へ突出している。これにより、追加突出部282は、第2シュー239よりも低い位置に保持されている。
【0088】
追加突出部282は、追加アーム部282aと、追加鉤部282bとを有している。追加アーム部282aは、下方突出部281bから開方向へ突出している。追加鉤部282bは、追加アーム部282aから上方へ突出している。
【0089】
追加外れ防止部材28の形状は、ドア側外れ防止部材26の形状と同じである。従って、敷居溝25の幅方向に直交する平面における追加外れ防止部材28の断面形状は、敷居溝25の幅方向におけるどの位置においても同じである。かご出入口7の間口方向における追加外れ防止部材28の向きは、かご出入口7の間口方向におけるドア側外れ防止部材26の向きとは逆向きとなっている。
【0090】
各階の乗場ドア装置40は、
図1に示すように、乗場ドア支持部材41と、乗場敷居42と、一対の乗場ドア43とを有している。
【0091】
乗場ドア支持部材41は、乗場出入口9の上方に配置されている。また、乗場ドア支持部材41は、昇降路1の内壁面に固定されている。乗場ドア支持部材41の構成は、かごドア支持部材21の構成と同様である。
【0092】
乗場敷居42は、乗場8の床に固定された敷居である。乗場敷居42は、乗場出入口9の下部に設けられている。乗場敷居42の構成は、かご敷居22の構成と同様である。
【0093】
一対の乗場ドア43は、乗場ドア支持部材41の乗場ドアレールに掛けられている。一対の乗場ドア43は、乗場ドアレールに案内されることにより、乗場出入口9の間口方向に沿って移動可能になっている。
【0094】
乗場ドア支持部材41には、図示しない乗場ドア連動機構部が設けられている。乗場ドア連動機構部は、一対の乗場ドア43を互いに連動させる。これにより、一対の乗場ドア43は、乗場出入口9の間口方向に沿って互いに逆方向へ移動可能になっている。
【0095】
乗場出入口9には、かご出入口7と同様に、乗場出入口9の間口方向の中央を通る鉛直線が乗場ドア全閉基準線として設定されている。一対の乗場ドア43は、乗場ドア全閉基準線から遠ざかる方向へ移動することにより乗場出入口9を開き、乗場ドア全閉基準線に近づく方向へ移動することにより乗場出入口9を閉じる。即ち、本実施の形態では、乗場ドア装置40が中央開き式のドア装置となっている。
【0096】
かご6が停止している階では、一対の乗場ドア43に一対のかごドア23が対向する。これにより、一対の乗場ドア43が一対のかごドア23と連動可能になる。従って、かご6が停止している階では、一対のかごドア23が互いに逆方向へ移動することにより、一対の乗場ドア43が乗場出入口9の間口方向に沿って互いに逆方向へ移動する。乗場出入口9は、一対の乗場ドア43が乗場出入口9の間口方向に沿って互いに逆方向へ移動することにより開閉される。
【0097】
次に、動作について説明する。かご6が停止している階において、ドア駆動装置の駆動力によって一対のかごドア23がかご出入口7の間口方向に沿って移動すると、一対のかごドア23の移動に連動して一対の乗場ドア43が乗場出入口9の間口方向に沿って移動する。これにより、かご出入口7及び乗場出入口9が開閉される。
【0098】
各かごドア23は、第1案内部材234、第2案内部材235、ドア側外れ防止部材26及び追加外れ防止部材28のそれぞれを敷居溝25内に挿入した状態を維持しながら、かご出入口7の間口方向に沿って移動する。
【0099】
各かごドア23が閉方向へ移動するときには、敷居側外れ防止部材27に近づく方向へドア側外れ防止部材26が敷居溝25内を移動する。各かごドア23がかご出入口7を全閉する位置に達すると、ドア側外れ防止部材26のドア側突出部262の一部が、敷居側外れ防止部材27の敷居側突出部272の下方に存在する空間に挿入される。
【0100】
各かごドア23がかご出入口7を全閉している状態から各かごドア23が開方向へ移動するときには、敷居側外れ防止部材27から遠ざかる方向へドア側外れ防止部材26が敷居溝25内を移動する。これにより、敷居側突出部272の下方に存在する空間からドア側突出部262が外れる。
【0101】
エレベータの利用者がかご本体61のかご内空間に入ると、かご床62が利用者から下方への荷重を受ける。これにより、かご床62が床基準位置から下方へかご本体61に対して沈み込む。このとき、かご敷居22も、かご床62とともにかご本体61に対して沈み込む。
【0102】
かご床62が床基準位置から制限距離Eだけかご本体61に対して下方へ沈み込むと、かご床62が床下限位置に達する。このとき、かご敷居22も、かご本体61に対して制限距離Eだけ沈み込む。かご床62が床下限位置に達すると、かご本体61に対するかご床62及びかご敷居22のそれぞれの下方への変位がストッパ部材によって阻止される。
【0103】
図7は、
図3のかご敷居22がかご本体61に対して制限距離Eだけ沈み込んだときのかごドア23に対するかご敷居22の位置を示す拡大図である。なお、
図7では、かご敷居22がかご本体61に対して制限距離Eだけ沈み込んだときのかご敷居22及び敷居側突出部272のそれぞれの位置が二点鎖線によって示されている。
【0104】
各かごドア23がかご出入口7を全閉している状態では、かご敷居22がかご本体61に対して沈み込むと、敷居側外れ防止部材27がドア側外れ防止部材26に対して下方へ変位される。これにより、敷居側突出部272は、ドア側突出部262に上方から近づく方向へ変位される。この場合、敷居側突出部272がドア側突出部262に上方から掛かってしまうおそれがある。敷居側突出部272がドア側突出部262に掛かっていると、各かごドア23がかご出入口7を開くときに各かごドア23が移動しにくくなる。
【0105】
しかし、敷居側突出部272とドア側突出部262との間の許容距離Dが制限距離Eよりも大きいことから、敷居側突出部272がドア側突出部262に掛かる前に、かご本体61に対するかご敷居22の下方への変位がストッパ部材によって阻止される。これにより、かご敷居22がかご本体61に対して下方へ沈み込んでも、敷居側突出部272がドア側突出部262から離れた状態が維持され、敷居側突出部272がドア側突出部262に掛かることはない。
【0106】
一方、例えばエレベータの利用者がかごドア23にぶつかってかごドア23に外力が作用した場合、かごドア23がたわんでかごドア23の下部がかご敷居22に対して持ち上がってしまうことがある。この場合、第1案内部材234及び第2案内部材235が敷居溝25から上方へ外れるおそれがある。
【0107】
かごドア23の下部がかご敷居22に対して持ち上がるときには、ドア側外れ防止部材26及び追加外れ防止部材28が敷居側外れ防止部材27に対して上方へ変位される。これにより、各かごドア23がかご出入口7を全閉している状態では、ドア側突出部262が敷居側突出部272に下方から掛かる。
【0108】
図8は、
図3のドア側突出部262が敷居側突出部272に下方から掛かっている状態を示す拡大図である。ドア側突出部262が敷居側突出部272に下方から掛かっている状態では、第1案内部材234及び第2案内部材235のそれぞれの下端部が敷居溝25内に残っている。これにより、第1案内部材234及び第2案内部材235が敷居溝25から上方へ外れることが防止される。
【0109】
一方、かご出入口7を全閉する位置からかごドア23が外れているときには、何らかの原因で第1案内部材234及び第2案内部材235の少なくともいずれかが敷居溝25から上方へ外れるおそれがある。
【0110】
図9は、
図4の第1案内部材234が敷居溝25から上方へ外れている状態を示す断面図である。ドア側外れ防止部材26の下端部の位置は、第1案内部材234の下端部の位置よりも低い位置にある。これにより、第1案内部材234が敷居溝25から上方へ外れたとしても、ドア側外れ防止部材26の側面が溝第1側面251に掛かることにより、第1案内部材234が敷居溝25内に戻りやすくなる。
【0111】
また、溝傾斜寸法A1と第1案内傾斜寸法B1との合計は、第1オフセット距離C1よりも大きくなっている。従って、ドア側外れ防止部材26の側面が溝第1側面251に掛かった状態では、かご敷居22を上から見ると、第1案内第1下部傾斜面234dの少なくとも一部が溝第1上部傾斜面254に重なっている。これにより、ドア側外れ防止部材26の側面が溝第1側面251に掛かった後、第1案内部材234は、第1案内第1下部傾斜面234d及び溝第1上部傾斜面254の少なくともいずれかの位置でかご敷居22に接触する。
【0112】
この後、第1案内部材234は、かごドア23の自重によって、溝第1上部傾斜面254及び第1案内第1下部傾斜面234dのいずれかに案内されながら、敷居溝25内に移動する。従って、第1案内部材234が敷居溝25から上方へ外れても、第1案内部材234が敷居溝25内にさらに戻りやすくなる。
【0113】
また、追加外れ防止部材28の下端部の位置が第2案内部材235の下端部の位置よりも低い位置にある。これにより、第2案内部材235が敷居溝25から上方へ外れたとしても、追加外れ防止部材28が敷居溝25の溝第1側面251に掛かることにより、第2案内部材235が敷居溝25内に戻りやすくなる。
【0114】
また、溝傾斜寸法A1と第2案内傾斜寸法B2との合計は、第2オフセット距離C2よりも大きくなっている。従って、第2案内部材235が敷居溝25から上方へ外れたとしても、第2案内部材235が溝第1上部傾斜面254及び第2案内第1下部傾斜面235dのいずれかに案内されることにより、第2案内部材235が敷居溝25内にさらに戻りやすくなる。
【0115】
このようなかごドア装置20では、敷居側外れ防止部材27が敷居溝25内に固定され、ドア側外れ防止部材26がかごドア23の下部に固定されている。このため、かご敷居22の形状を特殊な形状にすることなく敷居側外れ防止部材27をかご敷居22に固定することができる。これにより、かご敷居22の製造を容易にすることができ、かごドア装置20の製造を容易にすることができる。
【0116】
また、既設のかご敷居22に対して敷居側外れ防止部材27を容易に固定することができる。これにより、既設のかごドア装置20にドア外れ防止構造部24を容易に適用することができる。
【0117】
また、かごドア23がかご出入口7を全閉している状態では、ドア側外れ防止部材26におけるドア側突出部262の一部が、敷居側外れ防止部材27における敷居側突出部272から下方へ離れた位置に位置している。このため、かごドア23がかご敷居22に対して持ち上がったときに、ドア側突出部262が敷居側突出部272に下方から掛かるようにすることができる。これにより、かごドア23がかご敷居22に対してさらに上方へ変位されることを阻止することができ、かごドア23の挿入部233が敷居溝25から上方へ外れにくくすることができる。従って、敷居溝25の深さにかかわらず、かごドア23の挿入部233が敷居溝25から外れることをより確実に防止することができる。
【0118】
また、ドア側突出部262の一部が敷居側突出部272から下方へ離れている。このため、ドア側突出部262と敷居側突出部272との間に鉛直方向の許容距離Dを確保することができる。これにより、かご敷居22がかご本体61に対して沈み込んで、敷居側突出部272がドア側突出部262に近づいても、敷居側突出部272がドア側突出部262に掛からないようにすることができる。従って、かごドア23がかご出入口を開くときに、かごドア23の移動が敷居側突出部272及びドア側突出部262によって妨げられることを防止することができる。
【0119】
また、かごドア23がかご出入口7を全閉している状態では、ドア側鉤部262bの位置が敷居側鉤部272bの位置よりも敷居側固定部271に近い位置となっている。このため、ドア側突出部262が敷居側突出部272に掛かった状態でドア側外れ防止部材26の位置が敷居側外れ防止部材27に対して開方向へずれたとしても、ドア側鉤部262bが敷居側鉤部272bに掛かるようにすることができる。これにより、ドア側突出部262が敷居側突出部272に掛かった状態をより確実に維持することができ、かごドア23の挿入部233が敷居溝25から外れることをさらに確実に防止することができる。
【0120】
また、かご出入口7の間口方向に沿ってドア側外れ防止部材26を見たとき、敷居溝25の幅方向における第1シュー237の範囲内にドア側外れ防止部材26が位置している。このため、ドア側外れ防止部材26の側面と敷居溝25の内面との間に空間を確保することができる。これにより、ドア側外れ防止部材26の側面と敷居溝25の内面との間に異物が噛み込むことを抑制することができる。また、ドア側外れ防止部材26の側面と敷居溝25の内面との間の空間から、第1シュー237の側面と敷居溝25の内面との間の隙間に異物が入ることも抑制することができる。従って、ドア側外れ防止部材26及び第1シュー237のそれぞれと敷居溝25の内面との間に異物が噛み込むことによってかごドア23の移動が妨げられることを抑制することができる。
【0121】
また、第1案内部材234及びドア側外れ防止部材26は、共通の固定ボルト30によってドア本体232の下部に固定されている。このため、第1案内部材234及びドア側外れ防止部材26のそれぞれを別個のボルトによってドア本体232に固定する必要がなくなり、部品点数の増加を抑制することができる。また、第1案内部材234をドア本体232に固定している既設の固定ボルト30を利用することにより、既設のドア本体232にドア側外れ防止部材26を容易に固定することができる。
【0122】
また、敷居側固定部271は、かご敷居22に対して着脱可能になっている。このため、既設のかご敷居22に敷居側外れ防止部材27を容易に固定することができる。また、敷居側外れ防止部材27が破損した場合、敷居側外れ防止部材27の交換を容易に行うことができる。
【0123】
また、敷居溝25の幅方向に直交する平面における敷居側外れ防止部材27の断面形状は、敷居溝25の幅方向におけるどの位置においても同じである。このため、敷居側外れ防止部材27を引抜き加工によって形成することができ、敷居側外れ防止部材27を容易に製造することができる。さらに、かご敷居22には、アルミニウム製の素材を引抜き加工によって形成したアルミ引抜き材が用いられることが多い。従って、アルミ引抜き材が用いられる形状に敷居側外れ防止部材27の形状を合わせることにより、敷居側外れ防止部材27の意匠性をかご敷居22の意匠性に合わせることができる。これにより、敷居側外れ防止部材27が固定されたかご敷居22の意匠性の向上を図ることができる。なお、敷居側外れ防止部材27及び敷居22のそれぞれの素材は、アルミニウムに限定されない。
【0124】
また、ドア側外れ防止部材26の下端部の位置は、第1案内部材234の下端部の位置よりも低い位置となっている。このため、第1案内部材234が敷居溝25から上方へ外れた場合でも、ドア側外れ防止部材26の下端部が敷居溝25の内面に掛かることにより、第1案内部材234が敷居溝25内に戻りやすくすることができる。
【0125】
また、溝傾斜寸法A1と第1案内傾斜寸法B1との合計は、第1オフセット距離C1よりも大きくなっている。このため、ドア側外れ防止部材26の下端部が溝第1側面251に掛かった場合に、第1案内第1下部傾斜面234d及び溝第1上部傾斜面254の少なくともいずれかが形成された位置で第1案内部材234をかご敷居22に接触させることができる。これにより、溝第1上部傾斜面254及び第1案内第1下部傾斜面234dのいずれかによる第1案内部材234の案内によって、第1案内部材234が敷居溝25内にさらに戻りやすくすることができる。
【0126】
また、追加外れ防止部材28の下端部の位置は、第2案内部材235の下端部の位置よりも低い位置となっている。このため、第2案内部材235が敷居溝25から上方へ外れた場合でも、追加外れ防止部材28の下端部が敷居溝25の内面に掛かることにより、第2案内部材235が敷居溝25内に戻りやすくすることができる。
【0127】
また、溝傾斜寸法A1と第2案内傾斜寸法B2との合計は、第2オフセット距離C2よりも大きくなっている。このため、追加外れ防止部材28の下端部が溝第1側面251に掛かった場合に、第2案内第1下部傾斜面235d及び溝第1上部傾斜面254の少なくともいずれかが形成された位置で第2案内部材235をかご敷居22に接触させることができる。これにより、溝第1上部傾斜面254及び第2案内第1下部傾斜面235dのいずれかによる第2案内部材235の案内によって、第2案内部材235が敷居溝25内にさらに戻りやすくすることができる。
【0128】
また、かご出入口7の間口方向に沿って追加外れ防止部材28を見たとき、敷居溝25の幅方向における第2シュー239の範囲内に追加外れ防止部材28が位置している。このため、追加外れ防止部材28の側面と敷居溝25の内面との間に空間を確保することができる。これにより、追加外れ防止部材28の側面と敷居溝25の内面との間に異物が噛み込むことを抑制することができる。また、追加外れ防止部材28の側面と敷居溝25の内面との間の空間から、第2シュー239の側面と敷居溝25の内面との間の隙間に異物が入ることも抑制することができる。従って、追加外れ防止部材28及び第2シュー239のそれぞれと敷居溝25の内面との間に異物が噛み込むことによってかごドア23の移動が妨げられることを抑制することができる。
【0129】
また、第2案内部材235及び追加外れ防止部材28は、共通の固定ボルト31によってドア本体232の下部に固定されている。このため、第2案内部材235及び追加外れ防止部材28のそれぞれを別個のボルトによってドア本体232に固定する必要がなくなり、部品点数の増加を抑制することができる。また、第2案内部材235をドア本体232に固定している既設の固定ボルト31を利用することにより、既設のドア本体232に追加外れ防止部材28を容易に固定することができる。
【0130】
また、追加外れ防止部材28の形状は、ドア側外れ防止部材26の形状と同じである。このため、追加外れ防止部材28及びドア側外れ防止部材26のそれぞれを同じ製造装置によって製造することができ、ドア外れ防止構造部24の製造を容易にすることができる。
【0131】
なお、上記実施の形態では、敷居側突出部272が敷居側鉤部272bを有しており、ドア側突出部262がドア側鉤部262bを有している。しかし、敷居側鉤部272bはなくてもよい。また、ドア側鉤部262bはなくてもよい。
【0132】
また、上記実施の形態では、敷居側突出部272が敷居側固定部271の上端部から開方向へ突出している。しかし、敷居側突出部272から下方へ離れた位置にドア側突出部262が挿入可能であれば、敷居側突出部272が敷居側固定部271の上端部から突出していなくてもよい。
【0133】
また、上記実施の形態では、ドア側突出部262が下方突出部261bの下端部から閉方向へ突出している。しかし、敷居側突出部272から下方へ離れた位置にドア側突出部262が挿入可能であれば、ドア側突出部262が下方突出部261bの下端部から突出していなくてもよい。
【0134】
また、上記実施の形態では、かごドア23がかご出入口7を全閉している状態においてドア側突出部262の一部が敷居側突出部272から下方へ離れた位置に位置している。しかし、かごドア23がかご出入口7を全閉している状態においてドア側突出部262の全部が敷居側突出部272から下方へ離れた位置に位置するようにしてもよい。
【0135】
また、上記実施の形態では、第1案内部材234及びドア側外れ防止部材26が共通の固定ボルト30によってドア本体232の下部に固定されている。しかし、第1案内部材234をドア本体232の下部に固定する締結具と、ドア側外れ防止部材26をドア本体232の下部に固定する締結具とを別個の締結具としてもよい。
【0136】
また、上記実施の形態では、ドア側外れ防止部材26の一部が第1案内部材234に重なっている。しかし、第1案内部材234からかご出入口7の間口方向に離れた位置にドア側外れ防止部材26を配置してもよい。
【0137】
また、上記実施の形態では、溝底面253からかご敷居22の下面に達するボルト通し孔221に通された固定ボルト29によって敷居側外れ防止部材27が敷居溝25内に固定されている。しかし、例えば、溝第1側面251からかご敷居22の側面に達するボルト通し孔に通された締結具によって敷居側外れ防止部材27を敷居溝25内に固定してもよい。
【0138】
また、上記実施の形態では、ドア側外れ防止部材26の下端部の位置が第1案内部材234の下端部の位置よりも低い位置となっている。しかし、これに限定されない。例えば、ドア側外れ防止部材26の下端部の位置が第1案内部材234の下端部の位置よりも高い位置となっていてもよい。また、ドア側外れ防止部材26の下端部の位置が第1案内部材234の下端部の位置と同じ高さの位置となっていてもよい。
【0139】
また、上記実施の形態では、追加外れ防止部材28の形状がドア側外れ防止部材26の形状と同じである。しかし、追加外れ防止部材28の形状をドア側外れ防止部材26の形状とは異なる形状としてもよい。従って、追加突出部282はなくてもよい。
【0140】
また、上記実施の形態では、第2案内部材235及び追加外れ防止部材28が共通の固定ボルト31によってドア本体232の下部に固定されている。しかし、第2案内部材235をドア本体232の下部に固定する締結具と、追加外れ防止部材28をドア本体232の下部に固定する締結具とを別個の締結具としてもよい。
【0141】
また、上記実施の形態では、追加外れ防止部材28の一部が第2案内部材235に重なっている。しかし、第2案内部材235からかご出入口7の間口方向に離れた位置に追加外れ防止部材28を配置してもよい。
【0142】
また、上記実施の形態では、追加外れ防止部材28がドア本体232の下部に固定されている。しかし、追加外れ防止部材28はなくてもよい。
【0143】
また、上記実施の形態では、中央開き式のかごドア装置20にドア外れ防止構造部24が適用されている。しかし、複数のかごドア23が同じ方向へ移動することによりかご出入口7を開閉する片開き式のかごドア装置にドア外れ防止構造部24を適用してもよい。
【0144】
また、上記実施の形態では、かごドア装置20にドア外れ防止構造部24が適用されている。しかし、乗場ドア装置40にドア外れ防止構造部24を適用してもよい。この場合、乗場ドア43にドア側外れ防止部材26及び追加外れ防止部材28が固定され、乗場敷居42の敷居溝内に敷居側外れ防止部材27が固定される。この場合、乗場ドア43に対する乗場敷居42の沈み込みがないため、敷居側突出部272とドア側突出部262との間の許容距離Dは、かごドア装置20にドア外れ防止構造部24を適用した場合に比べて小さくすることができる。また、この場合、乗場ドア装置40は、片開き式の乗場ドア装置にドア外れ防止構造部24を適用してもよい。
【符号の説明】
【0145】
7 かご出入口(エレベータ出入口)、9 乗場出入口(エレベータ出入口)、20 かごドア装置(エレベータのドア装置)、22 かご敷居(敷居)、23 かごドア(ドア)、24 ドア外れ防止構造部、25 敷居溝、26 ドア側外れ防止部材、27 敷居側外れ防止部材、28 追加外れ防止部材、30 固定ボルト(締結具)、31 固定ボルト(締結具)、40 乗場ドア装置(エレベータのドア装置)、42 乗場敷居(敷居)、43 乗場ドア(ドア)、223 敷居第1上面(敷居の上面)、232 ドア本体、233 挿入部、234 第1案内部材、234a 第1案内第1側面、234c 第1案内下面、234d 第1案内第1下部傾斜面、235 第2案内部材、235a 第2案内第1側面、235c 第2案内下面、235d 第2案内第1下部傾斜面、237 第1シュー、239 第2シュー、251 溝第1側面、252 溝第2側面、254 溝第1上部傾斜面、261 ドア側固定部、262 ドア側突出部、262a ドア側アーム部、262b ドア側鉤部、271 敷居側固定部、272 敷居側突出部、272a 敷居側アーム部、272b 敷居側鉤部。