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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】電池セル加圧装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/058 20100101AFI20241213BHJP
   H01M 50/618 20210101ALI20241213BHJP
   H01M 10/052 20100101ALN20241213BHJP
【FI】
H01M10/058
H01M50/618
H01M10/052
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023532624
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 KR2022014195
(87)【国際公開番号】W WO2023054982
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2023-05-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0128233
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0118393
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ドン・フン・ベ
(72)【発明者】
【氏名】ドン・ウク・スン
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ウン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヨン・シン
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ホ・シン
(72)【発明者】
【氏名】ヨ・ジュ・ユン
【審査官】小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/085798(WO,A1)
【文献】特開2014-232665(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0205110(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0071971(KR,A)
【文献】特開2008-147079(JP,A)
【文献】特開2015-138646(JP,A)
【文献】特開2009-054403(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2015-0037049(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/052-10/058
H01M 10/04
H01M 50/609-50/618
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の電池セルが並んで配列されるハウジングと、
前記電池セルと交互に配置されて、前記ハウジング内で前記電池セルを加熱および加圧する加圧板と、
前記電池セルを加圧するように前記加圧板を駆動する加圧駆動部と、を含み、
前記加圧板は、前記電池セルと対向する側面に複数個の加圧突出部および前記加圧突出部に設けられる熱線を備え、
前記加圧突出部は、前記加圧板の長手方向に並んで延長形成され、
前記加圧突出部は、前記加圧板の長手方向に連続して形成される、電池セル加圧装置。
【請求項2】
前記加圧突出部は、前記加圧板の一側から上下方向に所定の間隔を離隔して配置される、請求項1に記載の電池セル加圧装置。
【請求項3】
前記加圧突出部は、等間隔で加圧板上に配置される、請求項1に記載の電池セル加圧装置。
【請求項4】
前記加圧突出部は、前記加圧板の両側面にそれぞれ形成される、請求項1に記載の電池セル加圧装置。
【請求項5】
前記加圧突出部は、前記電池セルの上部および下部をそれぞれ加圧するように前記加圧板の上部および下部に備えられる、請求項1に記載の電池セル加圧装置。
【請求項6】
前記加圧突出部の断面は、四角形、五角形、台形およびアーチ形のうち、少なくともいずれか一つを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の電池セル加圧装置。
【請求項7】
前記加圧突出部の間隔は1.0cm以上である、請求項1に記載の電池セル加圧装置。
【請求項8】
前記加圧板の高さ方向を基準として、前記加圧突出部の端部の厚さは0.3cm~1.5cmである、請求項1に記載の電池セル加圧装置。
【請求項9】
前記加圧突出部の端部には突出された先端部をさらに含む、請求項1に記載の電池セル加圧装置。
【請求項10】
前記熱線は、外部に露出されるように前記加圧突出部の端部に備えられる、請求項1に記載の電池セル加圧装置。
【請求項11】
前記熱線の温度は50℃~75℃である、請求項1に記載の電池セル加圧装置。
【請求項12】
前記加圧突出部は、前記電池セルの全体面積の50%以下のみを加圧する、請求項1に記載の電池セル加圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池セル加圧装置に関するものであって、電池セルを加熱する加圧板に所定のパターンの熱線を形成した電池セル加圧装置に関するものである。
【0002】
本出願は、2021年9月28日付の韓国特許出願第10-2021-0128233号および2022年9月20日付の韓国特許出願第10-2022-0118393号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
バッテリーを構成する単位電池としてのパウチ型リチウム二次電池(以下、電池セル)は、柔軟性を有するのでその形状が比較的自由であり、重量が軽くて安全性にも優れているので携帯電話、カムコーダ、ノートパソコンのような携帯用電子機器の電源として需要が増加している。
【0004】
上記電池セルは、複数個の正極電極(アルミニウムホイル)と負極電極(銅ホイル)とを分離膜を間に置いて積層する。それと同時に正極電極には正極タブを、負極電極には負極タブを溶接した後、アルミニウムパウチで包んで密封した構造を有する。
【0005】
このような電池セルの製造工程は、電極、組み立て、活性化などの大きく3つの工程に区分し得る。電極工程は、材料を好適な割合で混合して電極活物質を製造し、金属ホイルである集電体上に上記電極活物質をコーティングし、ロールプレスを介して電極を圧延し、電極のサイズに合わせて切るスリッティング工程などを含む。
【0006】
また、組み立て工程では、電極タブを形成するノッチングを経て正極材、分離膜、負極材を積層して電極組立体を製造し、上記電極組立体を電池ケースに収容した後に、電解液を投入して電池セル(パッケージングセル)を製造する。
【0007】
最後の活性化工程は、組み立てられた電池セルの充/放電を繰り返して所定の電気的特性を付与する工程である。
【0008】
活性化工程前の組み立て工程で電解液を電池ケースに投入する場合、積層接合された電極組立体の電極-分離膜の間の空間に電解液が含浸される。電解液の含浸は電池反応のために必要なものである。しかしながら、電解液が含浸されると、電極組立体が膨潤されて、正極-分離膜-負極の間が広がる可能性がある。このような状態で活性化工程を行うと、活性化がうまく行われないのみならず、活性化工程を終えた電極組立体が屈曲変形されるおそれがある。
【0009】
そのため、活性化工程前に電解液が注入された電池ケースを所定の温度および圧力で加熱加圧する予備加熱加圧工程が行われる。上記予備加熱加圧工程で膨潤された電極組立体は加熱加圧されて、正極-分離膜-負極の間の隙間から電解液がスクイージング(squeezing)されて抜け出る。その後に電極組立体の電極と分離膜は再び密着される。
【0010】
しかしながら、この加熱加圧工程で加圧板が電池セルの全体面を加熱加圧すると、電極-分離膜が緻密に結合されてしまい、抜け出た電解液が再び含浸されるのが困難である。活性化のために電極組立体は再び密着される必要があるが、活性化時の充放電の電池反応のために所定の電解液が再び電極組立体内に含浸されなければならない。
【0011】
したがって、電極組立体を密着して活性化に適合した剛性を持たせながら、電解液を電極組立体の隙間を介して再び含浸させ得る技術の開発が必要であると言える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明によると、電池セルの活性化工程に前もって電極組立体を効率的に加熱および加圧して電池セル内の電極組立体の剛性を確保し、電解液の再含浸が可能な電池セルを製造し得る電池セル加圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための本発明の電池セル加圧装置は、複数個の電池セルが並んで配列されるハウジングと、上記電池セルと交互に配置されて、上記ハウジング内で上記電池セルを加熱および加圧する加圧板と、上記電池セルを加圧するように上記加圧板を駆動する加圧駆動部と、を含む。そして、上記加圧板は、上記電池セルと対向する側面に複数個の加圧突出部および上記加圧突出部に設けられる熱線を備えることを特徴とする。
【0014】
上記加圧突出部は、上記加圧板の一側から上下方向に所定の間隔を離隔して配置され得る。
【0015】
上記加圧突出部は、上記加圧板の長手方向に並んで延長形成され得る。
【0016】
上記加圧突出部は、上記加圧板の長手方向に連続してまたは長手方向に沿って間隔をおいて、断続的に形成され得る。
【0017】
上記加圧突出部は、等間隔で加圧板上に配置され得る。
【0018】
上記加圧突出部は、上記加圧板の両側面にそれぞれ形成され得る。
【0019】
上記加圧突出部は、上記電池セルの上部および下部をそれぞれ加圧可能となるように上記加圧板の上部および下部に備えられ得る。
【0020】
上記加圧突出部の断面は、四角形、五角形、台形およびアーチ形のうち、少なくともいずれか一つを含み得る。
【0021】
上記加圧突出部の間隔は少なくとも1.0cm以上であり得る。
【0022】
上記加圧板の高さ方向を基準として、上記加圧突出部の端部の厚さは0.3cm~1.5cmであり得る。
【0023】
上記加圧突出部の端部には、突出された先端部をさらに含み得る。
【0024】
上記熱線は、外部に露出されるように上記加圧突出部の端部に備えられ得る。
【0025】
上記熱線の温度は50℃~75℃であり得る。
【0026】
上記加圧突出部は、上記電池セル全体の面積の50%以下のみを加圧し得る。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、電池セルの活性化工程に前もって電極組立体を効率的に加熱および加圧して電池セル内の電極組立体の剛性を確保しながら、電解液の再含浸が可能な電池セルを製造し得る。
【0028】
また、電池セルを加熱する熱線を所定のパターンで形成して、電極組立体の接着面積を制御することにより、電池セルにおける電解液のウェッティング性を向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の電池セル加圧装置を示したものである。
図2】本発明の第1実施形態に係る電池セル加圧装置に含まれた加圧板および上記加圧板に対向して配置された電池セルを示したものである。
図3】上記図2の加圧板の斜視図および断面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る電池セル加圧装置に含まれた加圧板を示したものである。
図5】本発明の第3実施形態に係る電池セル加圧装置に含まれた加圧板を示したものである。
図6】本発明の第4実施形態に係る電池セル加圧装置に含まれた加圧板を示したものである。
図7】上記図6の加圧板および上記加圧板に対向して配置された電池セルを示したものである。
図8】本発明の第5実施形態に係る電池セル加圧装置に含まれた加圧板を示したものである。
図9】本発明の第6実施形態に係る電池セル加圧装置に含まれた加圧板を示したものである。
図10】本発明の第7実施形態に係る電池セル加圧装置に含まれた加圧板を示したものである。
図11】本発明の第8実施形態に係る電池セル加圧装置に含まれた加圧板を示したものである。
図12】本発明の第9実施形態に係る電池セル加圧装置に含まれた加圧板を示したものである。
図13】本発明の第10実施形態に係る電池セル加圧装置に含まれた加圧板を示したものである。
【発明の実施のための形態】
【0030】
本発明は、上述したように、電池セル10内の電極組立体の剛性を確保し、電解液の再含浸が可能になるように、電池セル10の加熱および加圧時に電極組立体の接着面積および接着経路を調整するために所定のパターンの加圧突出部122および熱線121を有する加圧板120で電池セル10を加圧することを特徴とする。
【0031】
図1は、本発明の電池セル加圧装置100を示したものであって、本発明の電池セル加圧装置100は、複数個の電池セル10が並んで配列されるハウジング110と、上記電池セル10と交互に配置され、上記ハウジング110内で上記電池セル10を加熱および加圧する加圧板120と、上記電池セル10を加圧するように上記加圧板120を駆動する加圧駆動部130と、を含む。そして、上記加圧板120は、上記電池セル10と対向する側面に複数個の加圧突出部122および上記加圧突出部122に設けられる熱線121を備えることを特徴とする。
【0032】
上記図1を参照すると、本発明の電池セル加圧装置100は、複数個の電池セル10が並んで配列されるハウジング110を含む。
【0033】
上記ハウジング110は、電池セル10および加圧板120を保護し、これらを支持する役割を果たすことができ、また上記電池セル10の設置および取り外しが容易な構造であれば十分である。
【0034】
上記ハウジング110は、2側面が開放された開放構造になっているが、それに限定されない。すなわち、上記ハウジング110を密閉型の構造で構成し、出入口などを介して電池セル10を内部に設置し得る構造にしても構わない。
【0035】
上記ハウジング110内に設けられる電池セル10の個数には特に制限がない。
【0036】
上記電池セル10は、例えばパウチ型ケースに電極組立体が収容されたパウチ型セルであり得る。
【0037】
上記電池セル10は、ハウジング110内で一方向に並んで配列されているので、後述する加圧板120で電池セル10を一側または両側から加熱および加圧し得る。
【0038】
本発明の電池セル加圧装置は、電池セル10の加圧のために電池セル10の間に加圧板120を備える。
【0039】
上記加圧板120は、電池セル10の形態に対応して長方形のプレートで構成される。
【0040】
上記加圧板120の材質は特に限定されないが、後述するように熱線121が内蔵されるため、熱伝導が容易な材質を採用する必要がある。
【0041】
上記加圧板120は、上記電池セル10の面積のうち所望の区域が加圧されない現象が発生しないように、好ましくは上記電池セル10の面積より大きい。すなわち、上記加圧板120の長さおよび幅は、上記電池セル10の長さおよび幅よりそれぞれ大きく形成されることが好ましい。したがって、上記加圧板120は、加圧板120の表面に備えられた加圧突出部122および熱線121を介して電池セル10を効果的に加圧および加熱し得る。
【0042】
上記加圧板120は、電池セル10を加圧し得るように電池セル10に対して移動可能にハウジング110内に設けられる。例えば、電池セル10の配列方向に垂直な方向に移動し得る。
【0043】
また、本発明は、上記加圧板120を加圧駆動する駆動部を備える。図1では、加圧駆動部130および上記加圧駆動部130と連結された駆動アーム131が図示されている。ハウジング110の一側に配置された加圧駆動部130から駆動力が伝達されると、上記駆動アーム131が所定のストロークのピストン運動をして上記加圧板120を加圧する。これにより、電池セル10がその間に配置された加圧板120によって加圧される。図1では、加圧板120が移動して電池セル10を加圧した状態を示している。加圧板120が電池セル10の間に配置されているため、一つの電池セル10は、その一つの電池セル10の両側の加圧板120によって両側面が加圧され得る。配列された電池セル10のうち、ハウジング110に隣接して設けられた最後の電池セル10は、一側面が加圧板120によって、他側面がハウジング110の内側面によって、それぞれ加圧される。加圧駆動部130の形態、駆動アーム131の長さ、ハウジング110の形状などは適切に変更し得る。上記駆動部は、例えばサーボモータであり得る。駆動アーム131は、駆動部の回転力の伝達を受けて直線移動するボールねじであってもよい。あるいは、上記駆動アーム131は、空圧または油圧によって昇降可能なピストンシリンダ機構であってもよい。すなわち、上記駆動アーム131および駆動部は、上記加圧板120を電池セル10に対して水平移動させることができれば、特に限定されない。
【0044】
一方、上記加圧板120は、ガイド部材(図示せず)によって移動時に安定的にガイドされ得る。例えば、ハウジング110に両側壁を設け、上記両側壁に加圧板120の両側を規制するガイド部を形成し得る。あるいは、ハウジング110の上部または下部に加圧板120の上下部が結合されるガイドレールを形成し得る。図1は、上部板なしで電池セル10が露出されている形態であるが、加圧板120上に上部板を結合し、上記上部板にガイドレールを設置し得る。上記図1のように駆動アーム131を有する加圧装置においてガイド機構を付加することは公知の技術に属するため、これ以上の具体的な説明は省略する。
【0045】
本発明の電池セル加圧装置100は、上記加圧板120の側面から突出形成された加圧突出部122と、上記加圧突出部122に設けられる熱線121が備えられることが主な特徴である。
【0046】
より具体的な本発明の電池セル加圧装置100については、実施形態および図面を参照して詳述する。
【0047】
(第1実施形態)
図2は、本発明の第1実施形態に係る電池セル加圧装置100に含まれる加圧板120および上記加圧板120の一側に配置された電池セル10を示したものである。
【0048】
上記図2によると、上記加圧板120の側面、すなわち、電池セル10と対向する一側に複数個の加圧突出部122が備えられている。
【0049】
上記加圧板120は、上記電池セル10に向かって移動し、上記加圧突出部122を介して上記電池セル10の一側を加圧する。
【0050】
上記加圧により、上記電池セル10は、上記加圧突出部122の形状に沿って加圧され、上記電池セル10の内部の電極組立体に含まれた電解質膜が電極と密着され得る。
【0051】
上記加圧突出部122は、図2に図示されたように、上記加圧板120の一側から上下方向に所定の間隔を離隔して配置される。すなわち、加圧板120に配置される複数個の加圧突出部122は互いに連結されない。このとき、上記各加圧突出部122は、好ましくは最適な間隔の範囲内に等間隔を有するように配置される。
【0052】
本発明の第1実施形態に係る電池セル加圧装置100の加圧板120に含まれた加圧突出部122は、断面形状が四角形を有しており、上記加圧突出部122の平坦な端部を介して電池セル10を加圧する。
【0053】
上記図2によると、加圧板120によって加圧される電池セル10は、上下方向に所定の間隔で離隔された4つの位置から加圧突出部122によって加圧される。
【0054】
上記加圧突出部122は、また、上記加圧板120の長手方向に並んで延長形成される。特に、本発明の第1実施形態に係る電池セル加圧装置100の加圧板120に含まれた加圧突出部122は、上記加圧板120の長手方向に途切れなく連続して形成される。
【0055】
このとき、上記加圧突出部122は、電池セル10の一端から他端まで途切れなく加圧し得る。したがって、上記のような形状の加圧突出部122により、上記電池セル10に含まれた分離膜および電極などはより安定的に接合され得る。
【0056】
上記加圧板120が電池セル10を加圧するとき、上記加圧突出部122が上記電池セル10の特定面積のみを加圧する。具体的には、上記加圧突出部122は、上記電池セル10の全体面積の50%以下のみを加圧することが好ましい。すなわち、上記加圧板120は、上記電池セル10の全体面積の50%以下のみを加圧するように加圧突出部122が形成されることが好ましい。このとき、上記加圧突出部122が電池セル10の全体面積の50%を超えて加圧することになると、電極組立体の分離膜に再含浸される電解液の含有量が減少するか、または電極組立体の多くの部分が加圧されることになるので、電池性能が低下するおそれがある。
【0057】
上記加圧突出部122は、接着部が特定の厚さの範囲内に形成されるように端部の厚さを調節することが好ましい。具体的には、上記加圧板120の高さ方向を基準として、上記加圧突出部122の端部の厚さは、0.3cm~1.5cmであることが好ましい。このとき、上記加圧突出部122の端部の厚さが0.3cm未満であると、電極組立体を加圧する効果が僅かであり、1.5cmを超えると加圧される当該部分に電解液が再含浸されることが難しくなるので、電池の機能が低下され得る。
【0058】
上記加圧板120の一側に形成された複数の加圧突出部122間の間隔は、最小限の離隔距離を維持することが好ましい。具体的には、上記加圧突出部122の間隔は少なくとも1.0cm以上であることが好ましい。このとき、上記加圧突出部122の間隔が1.0cm未満になると、上記隣接して位置した一対の加圧突出部122により形成された接着部の間への電解液の再含浸が困難になるという問題が生じ得る。
【0059】
図3は、上記図2の加圧板120において、上記加圧板120の高さ方向に沿って切断した断面を示したものであって、上記加圧突出部122の内部に熱線121が設けられている。
【0060】
上記熱線121は、上記加圧突出部122の内部から上記加圧突出部122によって加圧された電池セル10の一部分に、高温の熱を伝達する役割を果たす。すなわち、上記加圧突出部122によって加圧され、上記熱線121によって加熱された電池セル10の内部の電極組立体の一部には、上記加圧突出部122の形成に対応される線状の接着部が形成される。すなわち、熱線121は、上記電極組立体の内部を加熱させて電極の接着剤成分を溶かすことができ、これにより電極と分離膜とを接着させ得る。
【0061】
上記接着部は、上記加圧板120から上記加圧突出部122または熱線121の形態に対応して上下方向に所定の間隔で離隔されて電極組立体上に形成され得る。したがって、上記接着部の間の空間に電池セル10の内部の電解液がスクイジングされ、電極組立体の外側の電池セル10ケースの空間へと移動する。そして、電極と分離膜とが上記接着部を中心に接着され、電解液の注入により膨潤された電極組立体が再び密着して剛性を回復し得る。
【0062】
しかしながら、接着部の間の空間は熱線121で加熱されないため、スクイジングされて移動した電解液が再びこの空間に移動可能である。すなわち、電解液の再含浸がこの空間を通して行われる。このように本発明は、互いに離隔して配置される複数個の熱線121で電極組立体を加熱および加圧することにより、電極組立体の接着を回復しながらも、電解液の再含浸を可能にする。したがって、活性化工程において好適な剛性を有する電極組立体を効率的に活性化させることができ、再含浸された電解液によって活性化のための充放電が適切に行われ得る。
【0063】
上記熱線121は特定の温度の範囲内に維持され、電極組立体が損傷されずに所望の効果を得ることができる。好ましくは、上記熱線121は50℃~75℃であり、さらに好ましくは上記熱線121は60℃~70℃である。このとき、上記熱線121の温度が50℃未満であると接着部の形成が適切にされないことがあり得、75℃を超えると電極および分離膜が高熱に起因して損傷されるおそれがある。
【0064】
(第2実施形態)
本発明の電池セル加圧装置100の加圧板120に含まれた熱線121は、外部に露出された形態であってもよい。具体的には、上記熱線121は、上記加圧突出部122の端部に備えられ得る。
【0065】
図4は、第2実施形態に係る電池セル加圧装置100に含まれた加圧板120の断面を示したものである。
【0066】
上記図4によると、上記熱線121が加圧突出部122の端部から外部に露出されるように備えられている。このように熱線121が外部に露出された形態である場合、熱伝達の効率性が高くなるため、より低い温度でも熱線121による同一の効果を得ることができる。
【0067】
(第3実施形態)
本発明の電池セル加圧装置100の加圧板120に含まれた加圧突出部122が、加圧板120の長手方向に沿って延長形成された形態の他に異なる形態であってもよい。
【0068】
図5は、本発明の第3実施形態に係る電池セル加圧装置100に含まれた加圧板120を示したものである。
【0069】
上記図5によると、上記加圧突出部122が加圧板120の長手方向に沿って間隔をおいて断続的に形成されている。この場合、電極組立体の接着部も電池セル10の長手方向に沿って断続的に形成され得る。したがって、上記接着部が連続しない空間を介して電解液が移動し得る。
【0070】
(第4実施形態)
本発明の電池セル加圧装置100の加圧板120は、両側面を介して電池セル10を加圧することができ、同時に上記各電池セル10の電極組立体に接着部を形成させ得る。
【0071】
図6は、本発明の第4実施形態に係る電池セル加圧装置100に含まれた加圧板120を示したものであって、図6の(A)は加圧板120の斜視図であり、図6の(B)は上記図6の(A)の加圧板120を加圧板120の高さ方向に切り出した断面を示した断面図である。
【0072】
上記図6によると、上記加圧板120の両側にそれぞれ加圧突出部122が形成され、上記各加圧突出部122には熱線121が設けられている。
【0073】
図7は、上記図6の加圧板120と電池セル10とが交互に配置されたことを示したものであって、いずれか一つの電池セル10は、両側に対向して配置された加圧板120によって加圧され得る。この場合、上記加圧板120を用いて電池セル10を加圧するとき、より少ない力で加圧が可能であり、また上記各加圧突出部122の熱線121を用いて上記電池セル10に含まれた電極組立体に接着部を容易に形成させ得る。
【0074】
したがって、第4実施形態に係る電池セル加圧装置100を用いて電池セル10を加圧および加熱すれば、より効率的に工程を行うことができる。
【0075】
(第5実施形態)
本発明の電池セル加圧装置100の加圧板120は、電池セル10の上部および下部の2つの区域のみをそれぞれ加圧してもよい。
【0076】
図8は、本発明の第5実施形態に係る電池セル加圧装置100に含まれた加圧板120を示したものであって、図8の(A)は上記加圧板120の斜視図であり、図8の(B)は上記図8の(A)の加圧板120を加圧板120の高さ方向に切り出した断面を示した断面図である。
【0077】
上記図8によると、上記加圧突出部122は、対向される電池セル10の上部および下部をそれぞれ加圧可能にするように、上記加圧板120の上部および下部に備えられる。このときも、上記各加圧突出部122には熱線121が設けられ得る。
【0078】
上記加圧板120を介して電池セル10を加圧および加熱する場合、接着部は電極組立体の上部および下部にそれぞれ形成される。
【0079】
第5実施形態に係る電池セル加圧装置100は、電池セル10の全体面積のうち比較的少ない面積を加圧することによって、電解液の再含浸程度を向上させた効果を有する。
【0080】
(第6実施形態)
本発明の電池セル加圧装置100の加圧板120に含まれた加圧突出部122の形状を必要に応じて多様に変形させ得る。
【0081】
図9は、本発明の第6実施形態に係る電池セル加圧装置100の加圧板120を示したものであって、上記加圧板120に含まれた加圧突出部122の断面形状が五角形を有する。
【0082】
上記加圧突出部122は、図9に図示されたように、上記五角形の角点が端部に位置するように加圧板120に備えられる。したがって、上記加圧板120で電池セル10を加圧すると、比較的狭い地点に強い力と熱を伝達することができるため、加圧および加熱の効率性が高くなり得る。
【0083】
(第7実施形態)
図10は、本発明の第7実施形態に係る電池セル加圧装置100の加圧板120を示したものであって、上記加圧板120に含まれた加圧突出部122の断面形状がアーチ形を有する。
【0084】
上記加圧突出部122は、図10に図示されたように、曲線部分が端部に位置するように加圧板120に備えられる。したがって、上記加圧板120で電池セル10を加圧すると、電極組立体が加圧力によって損傷される危険を減らし得るという効果がある。
【0085】
(第8実施形態)
図11は、本発明の第8実施形態に係る電池セル加圧装置100の加圧板120を示したものであって、上記加圧板120に含まれた加圧突出部122は、前方に向かって突出された先端部122aをさらに含む。
【0086】
本発明の第8実施形態に係る電池セル加圧装置100の加圧板120に含まれた先端部122aは、図11に図示されたように断面が四角形を有する。
【0087】
上記先端部122aは、上記加圧突出部122の端部から突出形成され、電池セル10の内部の電極組立体のより狭い範囲に圧力と熱を伝達し得る。
【0088】
(第9実施形態)
図12は、本発明の第9実施形態に係る電池セル加圧装置100の加圧板120を示したものであって、上記加圧板120に含まれた加圧突出部122は、前方に向かって突出された先端部122aをさらに含む。
【0089】
本発明の第9実施形態に係る電池セル加圧装置100の加圧板120に含まれた先端部122aは、図12に図示されたように断面がアーチ形を有する。このとき、上記先端部122aは、曲線部分が電池セル10に対向されるように備えられ、上記加圧板120が電池セル10を加圧するとき、電極組立体が損傷されることを最大限に抑制し得る。
【0090】
上記先端部122aは、上記加圧突出部122の端部から突出形成され、電池セル10の内部の電極組立体のより狭い範囲に圧力と熱を伝達し得る。
【0091】
(第10実施形態)
図13は、本発明の第10実施形態に係る電池セル加圧装置100の加圧板120を示したものであって、上記加圧板120に含まれた加圧突出部122は、前方に向かって突出された先端部122aをさらに含む。
【0092】
本発明の第10実施形態に係る電池セル加圧装置100の加圧板120に含まれた先端部122aは、図13に図示されたように断面が台形を有する。このとき、上記先端部122aは、より広い面積の部分が電池セル10に対向されるように備えられ、上記加圧板120が電池セル10を加圧するとき、電極組立体の広い面積を加圧し、熱を伝達し得る。
図1
図2
図3(A)】
図3(B)】
図4
図5
図6(A)】
図6(B)】
図7
図8(A)】
図8(B)】
図9
図10
図11
図12
図13