(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】改善された搬送特性を有する熱昇華印刷のための記録材料 本発明は、熱昇華印刷のための記録材料に関する。
(51)【国際特許分類】
B41M 5/52 20060101AFI20241213BHJP
B32B 29/00 20060101ALI20241213BHJP
B32B 27/10 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
B41M5/52 400
B32B29/00
B32B27/10
(21)【出願番号】P 2023545304
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 EP2022052693
(87)【国際公開番号】W WO2022167572
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-07-25
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591010561
【氏名又は名称】シェラー テクノチェル ゲー エム ベー ハー ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Schoeller Technocell GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【氏名又は名称】山口 健次郎
(72)【発明者】
【氏名】コズウォフスキ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】クラウス,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ディークマン,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ベルナー,ハンス-ウルリヒ
【審査官】福田 由紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-157572(JP,A)
【文献】特開2016-107641(JP,A)
【文献】特開平03-142285(JP,A)
【文献】国際公開第2019/182106(WO,A1)
【文献】特開2010-234762(JP,A)
【文献】特開平11-334225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/52
B32B 29/00
B32B 27/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱昇華印刷のための記録材料であって、
a.おもて面およびうら面を有する原紙(1)と、
b.前記原紙の少なくともうら面にある少なくとも1つの合成樹脂層(4)と、
c.前記原紙のおもて面に配置された染料受容層(2)と、
d.前記原紙と前記染料受容層との間に配置された少なくとも1つのプラスチックフィルム(3)と、
e.任意選択として、前記プラスチックフィルム(3)と前記染料受容層(2)との間に配置されたバリア層と、
を含む、記録材料において、
前記合成樹脂層(4)は、少なくとも0.8GPaの弾性率を有し、
前記合成樹脂層(4)は、
(i)
前記合成樹脂層の乾燥重量に対して、4-メチルペンテン-1ホモポリマーおよびコポリマー(TPX)のポリマーのうちの1つを
5重量%~25重量%、HD-PEを55~85重量%、そしてLD-PEを5~25重量%の割合で含むか、または
(ii)前記合成樹脂層の乾燥重量に対して、5~25重量%の顔料、75~85重量%のHD-PE、および0~15重量%のLD-PEから構成されることを特徴とする、記録材料。
【請求項2】
前記合成樹脂層(4)は少なくとも0.90GPaの弾性率を有することを特徴とする、請求項1に記載の記録材料。
【請求項3】
前記合成樹脂層(4)は少なくとも0.95GPaの弾性率を有することを特徴とする、請求項2に記載の記録材料。
【請求項4】
前記合成樹脂層(4)は、前記合成樹脂層の乾燥重量に対して少なくとも5重量%の割合の顔料を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の記録材料。
【請求項5】
前記合成樹脂層(4)は、前記合成樹脂層の乾燥重量に対して少なくとも10重量%の割合の顔料を有することを特徴とする、請求項4に記載の記録材料。
【請求項6】
前記顔料は炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、またはこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の記録材料。
【請求項7】
前記プラスチックフィルム(3)は二軸延伸プラスチックフィルムであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の記録材料。
【請求項8】
前記プラスチックフィルム(3)は二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする、請求項7に記載の記録材料。
【請求項9】
前記バリア層(5)として、水に分散可能なポリマー結合剤とゼラチンとからなる混合物が使用されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の記録材料。
【請求項10】
前記バリア層(5)における水に分散可能な前記ポリマー結合剤はポリエステル-ポリウレタン-コポリマーであることを特徴とする、請求項9に記載の記録材料。
【請求項11】
染料受容層(2)が、カルボニル基またはカルボキシル基で改質されたポリビニルアルコールを含む極性結合剤を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の記録材料。
【請求項12】
前記極性結合剤は前記染料受容層(2)の5~20重量%の割合を占めることを特徴とする、請求項11に記載の記録材料。
【請求項13】
前記原紙(1)のおもて面に、前記原紙(1)と前記プラスチックフィルム(3)との間に配置される接着剤層(6)が追加的に塗布されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の記録材料。
【請求項14】
前記接着剤層(6)はLD-PEからなることを特徴とする、請求項13に記載の記録材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
熱昇華印刷は、デジタル式に作成された画像を印刷画像の形態で再現するための役目を果たすものであり、その画像品質は銀塩写真に匹敵する。デジタル画像がシアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの基本色に関して点状に前処理され、対応する電気信号へと変換され、次いで、これがプリンタのサーマルヘッドによって局所的に熱に変換される。局所的な熱作用により、印刷されるべき記録材料と接触するインクリボンないしインクシートのドナー層から染料が昇華して、記録材料の染料受容層の中へと拡散する。
【0002】
当初、熱昇華印刷については、染料が熱作用によって直接的に固体の状態から気体の状態になること、すなわち昇華することが想定されていた。しかしその後、熱昇華印刷ではある程度の染料の液化が十分に起こり得ることが判明しており、拡散効果に関して進行するプロセスについて、いっそう妥当な説明もなされている(いわゆる染料拡散熱転写;D2T2)。画点に供給される熱エネルギーに応じて、それぞれ異なる量の染料が記録材料に転移される。
【0003】
写真品質の画像を実現するために、熱昇華印刷のための記録材料は、特に、良好な表面、低い熱伝導性、良好な耐熱性、良好な圧縮性、および良好な寸法安定性を有さなくてはならない。これに加えて熱昇華印刷のための記録材料は、時間を通じての担体内での染料のマイグレーション、およびこれに伴う画像品質の劣化を防止するために、印刷後に良好な耐保存性を有さなくてはならない。
【0004】
記録材料の圧縮性は、プリンタのサーマルヘッドと記録材料との間の良好な接触を保証するために重要である。印刷プロセス中には、印刷ヘッドとの関連における記録材料の正確な位置決めが重要である。印刷工程ごとに。4つの基本色(シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラック)のうちの1つしか同時に塗布することができないからである。このような理由から、連続する4回のサイクルでの染料の塗布によって印刷画像が作成されなければならない(いわゆるマルチパス方式)。その場合、所望の色調を生成するために、同じカラーピクセルが同一の印刷位置で最大4回まで生成されなければならないので、印刷ヘッドとの関連における記録材料の位置決めが染料塗布中に変化することは、画像品質の低下につながる。このような位置決めの変化(いわゆる位置ずれ)は、たとえばプリンタでの記録材料の搬送問題によって生じ得る。
【0005】
MitsubishiのWXL-1852017、DNP DS-621、Citizen CXなど、熱昇華印刷用として特別に開発されたプリンタで採用されている搬送ローラは、記録材料との良好な関係性のために作用するべきニードル形の隆起部を有する表面粗さを有している。しかし、現在広く用いられている記録材料では、記録材料とプリンタの搬送ローラとの接触面の特性に基づき、プリンタでの記録材料の搬送中に摩擦ないしフリクションが生じ、そのため、印刷ヘッドに対する記録材料の最善の位置決めを保証することができない。連続する印刷工程のもとでは、すでに塗布ずみの印刷画像と、それ以降の印刷工程で塗布される印刷画像との間で位置ずれが生じ、それに伴って画像品質の低下が生じる。
【0006】
熱昇華印刷のための記録材料については、従来技術ですでに十分に記載がなされている。このような記録材料は、実質的に、支持材料と、染料受容層と、場合によりその他の機能層とで構成される。
【0007】
支持材料としてはたとえば非塗工紙または塗工紙が利用され、合成樹脂で塗工された紙、特にポリオレフィンで塗工された紙や、多層のプラスチックフィルムを付与された紙が特別に好適とされている。このような支持材料は、たとえば欧州特許出願公開第3028866A1号明細書に記載されている。
【0008】
染料受容層は、主として、インクリボンないしインクシートのドナー層に由来する染料との親和性を有する樹脂を含む。そのために、たとえばポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンアクリレート樹脂などのエステル結合を有するプラスチックや、ポリアミド樹脂などのアミド結合を有するプラスチック、あるいはポリ塩化ビニル、ならびに前掲のプラスチックの混合物が利用される。上に挙げたプラスチックのうちの少なくとも1つを主成分として含むコポリマー、たとえば塩化ビニル/酢酸ビニル-コポリマーなどの利用も、従来技術で知られている。
【0009】
さらに別の機能層として、たとえばサーマルプリンタを通過した後の記録材料の湾曲に対処するために、いわゆるアンチカール層が利用される。これに良く適しているのは、たとえば記録材料のうら面に貼付または積層されるプラスチックフィルムである。しかしながら、記録材料のうら面へのプラスチックフィルムの貼付または積層は追加の方法ステップを必要とし、そのために記録材料の複雑性が高くなり、それによって得られる記録材料の表面性質は、プリンタでのスリップのない、およびこれに伴って位置ずれのない、搬送を可能にしないという欠点がある。さらに、プラスチックフィルムが貼付された記録材料では層間剥離の危険がある。
【0010】
サーマルプリンタを通過した後の記録材料の湾曲に対処するために従来技術に記載されているさらに別の選択肢は、カールないし湾曲に対処する、いっそう高い塗布重量およびこれと結びついたいっそう大きい厚みを有する機能層を塗布することにある。このような方法態様で欠点となるのは、それが大きい材料使用量を必要とし、それに伴って経済的でないことにある。
【0011】
特開2015-193251号公報は、支持材料の両面にポリオレフィン層が塗布された記録材料を記載しており、支持材料の両面に塗布されるこれらのポリオレフィン層の密度と塗布重量が互いに相違している。しかしポリオレフィンの塗布は、従来技術で知られているプリンタでの搬送問題に依然としてつながる。したがってこの場合、プリンタでの記録材料の位置ずれのない搬送は保証されない。
【0012】
そのため、上述した従来技術の背景のもとで、上述したプリンタでの搬送問題を有さない、もしくは僅少な程度にしか有さない、熱昇華印刷のための記録材料に対するニーズが存在している。
【0013】
したがって本発明の課題は、サーマル印刷方式で記録材料に課される通常の要件を維持したうえで、プリンタでの搬送特性に関して改善された挙動を有する、特に、従来技術の記録材料と比較して少ない位置ずれ、およびこれに伴って改善された印刷品質を有する、熱昇華印刷用のための記録材料を提供することにある。
【0014】
この課題は、
a.おもて面およびうら面を有する原紙と、
b.原紙の少なくともうら面にある少なくとも1つの合成樹脂層と、
c.原紙のおもて面に配置された染料受容層と、
d.原紙と染料受容層との間に配置された少なくとも1つのプラスチックフィルムと、
e.任意選択として、プラスチックフィルムと染料受容層との間に配置されたバリア層と、
を含み、
合成樹脂層は少なくとも0.8GPaの弾性率を有する、
熱昇華印刷のための記録材料によって解決される。
【0015】
驚くべきことに、このような記録材料は従来技術に記載されているプリンタでの搬送問題を有さず、もしくは明らかに低い程度にしか有さないことが見出されている。したがって本発明による記録材料を使えば、従来技術の記録材料と比較して明らかに改善された印刷品質を実現することができる。
本発明の目的にとって原紙という概念は、非塗工紙または表面サイズ紙であると理解される。
【0016】
原紙は、パルプ繊維と、アルキルケテンダイマー、脂肪酸および/または脂肪酸塩、エポキシ化脂肪酸アミド、アルケニル無水コハク酸またはアルキル無水コハク酸などのサイズ剤と、ポリアミン-ポリアミド-エピクロルヒドリンなどの湿潤紙力剤と、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、もしくは両性ポリマー、またはカチオンデンプンなどの乾燥紙力剤とに加えて、蛍光増白剤、充填材、顔料、染料、消泡剤、および製紙産業で知られているその他の助剤を含むことができる。原紙は、長網抄紙機またはヤンキー抄紙機(円筒抄紙機)で製造することができる。原紙の坪量は50から250g/m2、特に80から180g/m2であってよい。原紙は、圧縮されていない形態または圧縮された形態(平滑化)で使用することができる。0.8から1.2g/cm3の密度、特に0.9から1.1g/cm3の密度を有する原紙が特別に良く適している。
【0017】
パルプ繊維としては、たとえば漂白硬木クラフトパルプ(LBKP)、漂白針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、漂白広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)、または漂白針葉樹サルファイトパルプ(NBSP)を使用することができる。紙屑から得られるパルプ繊維を利用することもできる。前掲のパルプ繊維を混合して使用することもでき、たとえば、合成樹脂繊維などの別の繊維の割合を混入することもできる。しかしながら、100%広葉樹パルプからなるパルプ繊維が使用されるのが好ましい。未粉砕パルプの平均の繊維長さは、0.5から0.85mm(カヤーニ測定)であるのが好ましい。
【0018】
充填材としては、たとえばカオリン、天然の形態の炭酸カルシウム、たとえば石灰石、大理石、または白雲石、沈降炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、シリカ、酸化アルミニウム、およびこれらの混合物を原紙で使用することができる。
【0019】
原紙は表面サイズされていてよい。そのために適するサイズ剤は、たとえばポリビニルアルコールや酸化デンプンである。本発明の1つの特別な実施形態では、サイズ剤は少なくとも1つの顔料を追加的に含むことができる。顔料は、金属酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩、硫化物、硫酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択されるのが好ましい。実用面では、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、および/または硫酸バリウムなどの顔料が特別に実証されている。サイズ剤に顔料を添加することで、原紙の表面性質を、特にその平滑性を、改善することができる。
【0020】
本発明による記録材料は、少なくとも1つの合成樹脂層を少なくとも原紙のうら面に有し、合成樹脂層は少なくとも0.8GPaの弾性率を有する。弾性率の決定は、当業者に周知の手法によって実行することができる。弾性率は、実験の部に記載している引張強度試験に基づき、Lorentzen&Wettre Tensile Testerを用いて決定されるのが好ましい。
【0021】
本発明において原紙のうら面とは、プリンタの搬送ローラのほうを向く原紙の面であると理解される。
【0022】
本発明の1つの好ましい実施形態では、合成樹脂層は少なくとも0.90GPa、特別に好ましくは少なくとも0.95GPa、きわめて特別に好ましくは少なくとも1.0GPaの弾性率を有する。
【0023】
合成樹脂層は、熱可塑性ポリマーを含むことができるのが好ましい。本発明の1つの実施形態では、バイオテクノロジーで製造されたポリマーが熱可塑性ポリマーとして利用される。本発明の代替的な実施形態では、再生可能原料から製造されたポリマーが熱可塑性ポリマーとして利用される。本発明の別の代替的な実施形態では、ポリ乳酸(PLA)および天然デンプンまたは変性デンプン、およびこれらの混合物が熱可塑性ポリマーとして利用される。好ましい熱可塑性ポリマーは、たとえば低密度ポリエチレン(LD-PE)、高密度ポリエチレン(HD-PE)、ポリプロピレン(PP)、4-メチルペンテン-1ホモポリマーおよびコポリマー(TPX)、およびこれらの混合物、ならびにたとえばポリカーボネートなどのポリエステルである。
【0024】
本発明の1つの好ましい実施形態では、合成樹脂層は、HD-PE、LD-PE、4-メチルペンテン-1ホモポリマーおよびコポリマー(TPX)、ならびにこれらの混合物を含む。合成樹脂層が少なくとも40重量%のHD-PE、特に60から80重量%のHD-PEを含んでいると、特別に実用に向いていることが判明している。合成樹脂層で使用されるHD-PEは0.95g/cm3を超える密度を有するのが好ましい。さらに、合成樹脂層が25重量%までのLD-PEを含んでいると、特別に実用に向いていることが判明している。合成樹脂層で使用されるLD-PEは0.935g/cm3よりも低い密度を有するのが好ましい。
【0025】
本発明の別の好ましい実施形態では、合成樹脂層は合成樹脂層の乾燥重量に対して、少なくとも5重量%の、特に少なくとも10重量%のTPX、好ましくは5から20重量%のTPX、特別に好ましくは5から15重量%のTPXを含む。TPXの添加は、合成樹脂層の表面特性のいっそうの改善につながる。
【0026】
本発明の特別に好ましい実施形態では、うら面の合成樹脂層は合成樹脂層の乾燥重量に対して0から25重量%のTPXと、55から85重量%のHD-PEと、5から25重量%のLD-PEとで構成される。このように構成された合成樹脂層を有する本発明の記録材料は、プリンタでの特別に良好な搬送特性を有しており、それにより印刷時の印刷画像の位置ずれをほぼ防止することができる。
【0027】
合成樹脂層は、二酸化チタンなどの白色顔料、およびその他の顔料、ならびに蛍光増白剤、染料、分散助剤などの助剤を含むことができる。
【0028】
合成樹脂層が、合成樹脂層の乾燥重量に対して少なくとも5重量%、特に少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20重量%の割合の顔料を有していると、実用面で特別に好ましいことが明らかとなっている。顔料は、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、またはこれらの混合物から選択されるのが好ましい。顔料を添加することで、合成樹脂層の表面特性をいっそう最適化することができる。
【0029】
本発明の特別に好ましい代替の実施形態では、うら面の合成樹脂層は、合成樹脂層の乾燥重量に対して5から25重量%の顔料、特に炭酸カルシウムと、75から85重量%のHD-PEと、0から15重量%のLD-PEとで構成される。本発明による記録材料のうら面でこのように構成された合成樹脂層は、プリンタの搬送ローラの表面との明らかに低い摩擦につながり、それにより、印刷時の印刷画像の位置ずれを明らかに低減することができ、もしくはほぼ防止することができる。
【0030】
合成樹脂層の塗布重量は5から50g/m2、特に5から30g/m2、好ましくは10から20g/m2であってよい。
【0031】
1つの好ましい実施形態では、合成樹脂層は押出加工され、またはフィルムとして塗布される。
【0032】
合成樹脂層は原紙に単層で押出加工され、または多層で同時押出される。押出塗工は600m/minまでの機械速度で行うことができる。
【0033】
本発明による記録材料は、原紙のおもて面に配置される染料受容層をさらに含む。
【0034】
本発明では原紙のおもて面とは、プリンタの印刷ヘッドのほうを向く原紙の面であると理解される。
【0035】
染料受容層としては、基本的に、熱昇華印刷についての従来技術から知られるどのような染料受容層でも適している。染料受容層は、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、ポリカーボネート、スチレンアクリレート、ビニルホモポリマーおよび/またはビニルコポリマーから選択されるポリマーまたはこれらの混合物を含むのが好ましい。ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/アクリレート-コポリマー、塩化ビニル/酢酸ビニル-コポリマー、および/または塩化ビニル/酢酸ビニル/塩化ビニリデン、ならびにこれらの混合物などのビニルポリマーを染料受容層で使用するのが、特別に実用に向いていることが判明している。
【0036】
染料受容層は、たとえばポリビニルアルコールなどの極性結合剤と、蛍光増白剤とを含むことができる。極性結合剤として、デンプン、ポリエチレングリコール(PEG)、およびポリビニルアルコールが使用されるのが特別に好ましい。カルボニル基またはカルボキシル基で改質されたポリビニルアルコールならびにこれらの混合物が、特別に好ましい。これらの改質されたポリビニルアルコールの使用は、染料受容層で使用される通常の蛍光増白剤とこれらが非常に適合的であり、したがって、これらの利用によって印刷品質の低下が起こらないという利点がある。
【0037】
染料受容層における極性結合剤の量は、染料受容層の乾燥重量に対して1から25重量%、特に5から20重量%であってよい。
【0038】
蛍光増白剤として、スチルベン、エチレン誘導体、フェニルエチレン誘導体、またはチオフェン誘導体が使用されるのが特別に好ましい。蛍光増白剤の量は、染料受容層の乾燥重量に対して0.01から10重量%、特に0.05から5重量%であってよい。
【0039】
染料受容層は、無機顔料および/または有機顔料をさらに含むことができる。二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、またはこれらの酸化物の混合酸化物、ならびにこれらの混合物などの微粒子無機顔料が特別に良く適している。染料受容層における顔料の量は、染料受容層の乾燥重量に対して10から90重量%、特に30から70重量%であってよい。本発明の1つの好ましい実施形態では、染料受容層は微粒子無機顔料として酸化ケイ素、特に微粒子ケイ酸を含む。
【0040】
染料受容層は、場合によりその他の助剤も含むことができ、たとえば無機または非イオン性の表面活性剤、艶消し剤、染料、架橋剤、滑剤、粘着防止剤、およびその他の通常の添加剤を含むことができる。助剤の量は、染料受容層の乾燥重量に対して0.01から10重量%、特に0.05から5重量%であってよい。
【0041】
染料受容層を形成するための塗工材は、製紙において通常であるあらゆる塗布装置を用いて、インラインまたはオフラインで塗布することができる。染料受容層の塗布重量は、乾燥後に多くとも5g/m2、特に0.1から3g/m2であってよい。特別に好ましい実施形態では、染料受容層の乾燥後の塗布重量は0.3から1.0g/m2である。このような塗布重量により、印刷のインク密度が改善されることが見出されている。
合成樹脂層および/または染料受容層が帯電防止作用のある物質を含んでいると、特別に実用に適することが判明している。
【0042】
本発明の1つの好ましい実施形態では、合成樹脂層および/または染料受容層は帯電防止作用のある物質、特に導電性無機顔料を含む。このような帯電防止作用のある物質は、合成樹脂層および/または染料受容層に任意選択で含まれる、上に挙げた顔料に追加して添加することができる。帯電防止作用のある物質は、半導体、ベタイン、または両性電解質から選択されるのが好ましい。合成樹脂層および/または染料受容層にこのような帯電防止作用のある物質を添加することは、保管のときや搬送のとき、およびプリンタでの記録材料の帯電に対処し、それに伴い、すでに帯電している記録材料による印刷品質の低下を防ぐために好ましいことが判明している。
【0043】
本発明による記録材料は、原紙と染料受容層との間に配置された少なくとも1つのプラスチックフィルムを含む。プラスチックフィルムは二軸延伸プラスチックフィルムであるのが好ましい。プラスチックフィルムは単層であってもよいが、多孔性のコア層と、少なくとも1つの無孔の表面層とを含む多層構造を有するのが好ましい。多孔性のコア層は断熱のための役目を果たすのに対して、無孔の表面層はできる限り平滑な表面のために作用する。特別に好ましい実施形態では、プラスチックフィルムは二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。
【0044】
30から60μm、特に35から50μmの厚みを有するプラスチックフィルムが使用されると、特別に好ましいことが判明している。
【0045】
記録材料の良好な被覆と統一的な色とを保証するために、本発明によると、70から90%の不透明度(JIS-P-8148に基づいて測定)を有するプラスチックフィルムの使用が特別に実用に適することが判明している。
【0046】
本発明のさらに別の実施形態では、プラスチックフィルムは有機および/または無機の充填材を含む。その場合、炭酸カルシウムなどの炭酸塩やカルボン酸、ならびに層の発泡を惹起するガス発生をさせる潜在能力を有するその他の充填材が優先される。
【0047】
本発明による記録材料は、任意選択として、プラスチックフィルムと染料受容層との間に配置されるバリア層を含む。
【0048】
このようなバリア層は、インクの裏抜けを防ぐための役目を果たすバリア特性のほか、通常、プラスチックフィルムの上での染料受容層の良好な付着を保証するための付着機能も有する。このようなバリア層は、たとえば欧州特許出願公開第3028866A1号明細書に記載されている。
【0049】
本発明の1つの実施形態ではバリア層として、ゼラチンと、水中に分散可能なポリマー結合剤との混合物が使用される。
【0050】
バリア層における水中に分散可能なポリマー結合剤は、水分散可能なポリエステル-ポリウレタン-コポリマーであるのが好ましい。
【0051】
別の実施形態では、内部的および中間的な付着性を改善する架橋剤がバリア層で適用される。これはポリアジリジンであるのが好ましい。
【0052】
バリア層と染料受容層を形成するための塗工素材は、グラビアロール、ブレード塗装、カーテンコーター、あるいは常用されているどのような塗布方式でも、互いに別々にプラスチックフィルムに塗布することができ、すなわち、まず最初にバリア層の形成のために作成された塗工素材がプラスチックフィルムに塗布される。その次のステップで、染料受容層を形成するための塗工材が、乾燥したバリア層に塗布されて乾燥される。
【0053】
あるいは上に説明した塗工材を「ウェットインウェット」で、たとえば多層カーテン塗工装置によって塗布することもできる。
【0054】
バリア層とプラスチックフィルムに別々の塗布をする欠点は、個々の層の間で層間剥離が起こり得ることにある。
【0055】
この理由により、本発明の1つの特別な実施形態では、バリア層をすでに含んでいるプラスチックフィルムが利用される。このようなプラスチックフィルムを使用することで、個々の層の間での層間剥離の発生を防止することができる。さらに、記録材料の製造にあたって、原材料ならびにプロセスステップを節減できるという利点がある。
【0056】
本発明の別の実施形態では、原紙と染料受容層との間に接着剤層がある。本発明の1つの好ましい実施形態では、接着剤層は低密度ポリエチレン(LD-PE)からなる。
【0057】
本発明の代替的な実施形態では、接着剤層が合成樹脂層と同じように構成されていてよい。それが意味するのは、接着剤層がその構成に関して合成樹脂層と同一であるということであり、または、上記で合成樹脂層について説明した材料から記載されている量で構成されていてよいということである。
【0058】
接着剤層は、たとえば押出加工によって原紙に塗布することができ、その上に塗布されるプラスチックフィルムに対する接着剤層としての役目を果たす。接着剤層の厚みは好ましくは10から30μmであり、特に15から25μmである。
【0059】
次に、例示として実施例を参照しながら本発明について詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】
図1は、本発明による記録材料の実施形態の模式的な構造である。
【
図2】
図2は、位置ずれのある搬送ローラニードルの切込みを有する、従来技術の記録材料のうら面にある合成樹脂層のSEM写真である。
【
図3】
図3は、位置ずれのない搬送ローラニードルの切込みを有する、本発明による記録材料のうら面にある合成樹脂層のSEM写真である。
【
図4】
図4は、位置ずれを決定するための十字線である。
【0061】
図1は、本発明による記録材料の好ましい実施形態の模式的な構造を示している。この好ましい実施形態では、記録材料は原紙1を含んでいて、そのおもて面に染料受容層2が配置されている。原紙1と染料受容層2との間に、プラスチックフィルム3が配置されている。この記録材料は、原紙1のうら面に合成樹脂層4を有している。原紙1のおもて面には、プラスチックフィルム3と染料受容層2との間にバリア層5が配置されている。さらに原紙1のおもて面には、プラスチックフィルム3と原紙1との間に接着剤層6が配置されている。
【0062】
図2は、連続する印刷工程の後における、従来技術の記録材料のうら面にある合成樹脂層の表面のSEM写真を示している。このうら面は、位置ずれを示す搬送ローラニードルの切込みを有している。記録材料と搬送ローラとの間の摩擦に基づき、印刷ヘッドに対する記録材料の最善の位置決めが保証されなくなっており、そのため、連続する印刷工程のときに、すでに塗布されている印刷画像と、これに後続する印刷工程で塗布される印刷画像との間で位置ずれが生じ、それに伴って印刷画像品質の低下が生じている。このような位置ずれは、記録材料のうら面の合成樹脂層の表面でSEM撮影を用いて、ずれている搬送ニードル切込みを参照して認識することができる。
【0063】
図3は、連続する印刷工程の後における、本発明による記録材料のうら面にある合成樹脂層4の表面のSEM写真を示している。連続する印刷工程の後における従来技術の記録材料のうら面の
図2に示すSEM写真とは異なり、
図3からは、本発明による記録材料のうら面にある合成樹脂層4の表面が、搬送ローラニードルの切込みの位置ずれを有していないことを見て取ることができる。したがって本発明による記録材料は、プリンタでの搬送中に印刷ヘッドに対する記録材料の最善の位置決めを保証し、それにより、連続する印刷工程のもとで卓越した印刷画像品質が実現される。
【0064】
図4は、位置ずれを決定するための十字線の印刷画像を示している。位置ずれは、十字線でのシアン、イエロー、マゼンタの色ずれを参照して(右側の十字線を参照)、顕微鏡を用いて決定することができる。すべての色ずれの合計から位置ずれが求められる。位置ずれは、プリンタの搬送特性を表す目安となる。このとき僅少な位置ずれ、ないしは位置ずれがないこと(左側の十字線)が非常に望ましい。
【0065】
実施例
原紙の製造
原紙Aはユーカリパルプから製造した。粉砕をするため、パルプを約5%の水性懸濁液(高密度材料)として、リファイナーを用いて36°SRの粉砕度まで粉砕した。低密度材料中のパルプ繊維の濃度は、パルプ懸濁液の質量に対して1重量%であった。低密度材料に、0.4重量%の量のカチオンデンプンなどの添加物質、0.48重量%の量の中性サイズ剤としてのアルキルケテンダイマー(AKD)、0.36重量%の量の湿潤紙力剤ポリアミン-ポリアミド-エピクロルヒドリン樹脂(Kymene(登録商標))、および10重量%の量の天然CaCO3を添加した。量の表記は、絶対乾燥パルプ素材に対してのものである。pH値をおよそ7.5に調整した低密度材料をヘッドボックスから製紙機械のワイヤーへと移し、次いで、ウェブを脱水しながら製紙機械のワイヤーパートでシート形成を行った。製紙機械のプレスパートで、ウェブ重量に対して60重量%の水分含有率になるまで紙ウェブのさらなる脱水を行った。製紙機械のドライヤーパートで、加熱式の乾燥シリンダによりさらなる乾燥を行った。132g/m2の坪量と約7%の水分とを有する原紙が得られた。
【0066】
本発明による記録材料の製造、ならびに対照例
原紙の印刷されるべき面と向かい合う面(うら面)を、表1に掲げるポリマー混合物からなる合成樹脂層により押出機で塗工した。冷却シリンダは、結果として生じるうら面の表面が、DIN4768に定めるRZ値として測定した0.9μmの粗さを有するように選択した。
【0067】
印刷のために意図される原紙の表面(おもて面)を、コロナ放電の照射後に3層の二軸延伸ポリプロピレンフィルム(プラスチックフィルム、HIPHANE BOPP、Hwaseung Industries Co.Ltd)により押出機で積層し、その際に、低密度ポリエチレン(LD-PE)からなるフィルムを原紙のおもて面と二軸延伸ポリプロピレンフィルムとの間に押出加工した。付着媒介をするポリエチレンフィルム(接着剤層)の厚みは20μmであった。
【0068】
引き続き、得られた支持材料を、プラスチックフィルムで塗工された面でバリア層により塗工し(25番のワイヤーバー)、3分間のあいだ78℃で乾燥させた。それぞれのバリア層の組成を表2に掲げる。このときバリア層の塗布量は、それぞれ1.6g/m2の乾燥塗布が生じるように選択した。
【0069】
次のステップで、バリア層に染料受容層を塗布して(15番のワイヤーバー)、乾燥させた(2分間、78℃)。このとき染料受容層の塗料の塗布量は、0.5g/m2の乾燥塗布が生じるように選択した。染料受容層の塗料の組成を表3に掲げる。
染料受容層の塗料の製造
【0070】
56重量%の固体含有率を有する塩化ビニル/アクリレート-コポリマー分散液(PrintRite(登録商標)DP281.E、製造者Lubrizol)31.70gと、56重量%の固体含有率を有する塩化ビニル/酢酸ビニル/塩化ビニリデン-分散液(Vycar(登録商標)577E、製造者Lubrizol)13.58gとを、コロイドケイ酸の30%水性懸濁液(Ludox(登録商標)AM X4931、製造者Grace)3.15g、ポリジメチルシロキサン(TegoGlide(登録商標)482、製造者Evonik Industries)0.95g、消泡剤(Tego Foamex(登録商標)825、製造者Evonik Industries)0.25g、湿潤剤(Capstone(登録商標)FS30、25%、製造者DuPont)0.08g、および水50.29gと混合した。
【0071】
実施例と対照例に基づいて得られる記録材料の構成は、表4に見て取ることができる。こうして得られた記録材料でプリンタでの位置ずれを決定し、ならびに、染料マイグレーションとムラ(モットリング)を下記に説明する手法によって評価した。
【0072】
表4の結果から明らかに認めることができるとおり、記録材料のうら面の合成樹脂層の性質は、印刷プロセスでクリティカルとなる位置ずれに関して主要な役割を果たす。マルチパス印刷プロセスで容認できる挙動、すなわち僅少な位置ずれ、ないしは位置ずれがないことは、合成樹脂層が少なくとも0.8GPaの弾性率を有する、本発明による記録材料によってのみ実現される。
【0073】
測定方法
染料マイグレーション試験
MitsubishiのプリンタCP-D70DWで標準ドナーリボンによりイエロー、シアン、マゼンタ、およびブラックの最大の色濃度でサンプルを印刷する。印刷フォーマットは10×15cm、着色面は1×1cmの広さである。このサンプルを5日間、80℃の炉温度のもとで吊り下げておく。5日後に、印刷されたサンプルのうら面で染料裏抜けの評価を行い、これは学校評点によって行う。
【0074】
評価は次のようにして行う:うら面にインク裏抜けがなければ評点1、いっそう広面積でいっそう強いインク裏抜けを評点5として評価する。そのために、評点1から評点5の相対的な段階づけを行う。
【0075】
モットリング評価(ムラ)
サンプルとMitsubishiのプリンタCP-D70DWを12時間のあいだ、40℃と相対湿度80%のもとで事前コンディショニングする。引き続き、そのままの気候のもとで10×15cmの全面の黒色印刷を行う。サンプルのモットリング評価を1から5の学校評点で行う。学校評点1はモットリングなし(ムラなし)を意味し、学校表現5は強いモットリング(強いムラ)を意味する。1から5までの評点段階づけは、評点1と評点5に対して相対的に行う。
【0076】
弾性率
弾性率は引張強度試験に準じて、Lorentzen&Wettre Tensile Testerを用いて決定する。そのために合成樹脂層のサンプルを幅50mm、長さ120mmに裁断する。測定長さは100mmに設定する。測定速度は100mm/minとする。試料の厚みと単位面積あたり重量を決定し、Lorentzen&Wettre Tensile Testerの試験プログラム「弾性率」に記録する。次いで、引張強度試験を試料で行う。応力・伸長グラフの直線領域における機械的な応力と伸長との間の比率から、弾性率を判定する。
【0077】
印刷画像で位置ずれ測定をする方法
位置ずれの決定は十字線を参照して決定する。まず最初に、さまざまな十字線を有する印刷画像を印刷する。すると、この印刷画像にはプリントアウトされた十字線がある。十字線におけるシアン、イエロー、マゼンタ(
図4、右側の十字線を参照)の色ずれを参照して、顕微鏡を用いて位置ずれを決定する。すべての色ずれの合計から位置ずれが求められる。位置ずれは、プリンタの搬送特性を表す目安となる。その際には僅少な位置ずれ、ないし位置ずれがないこと(
図4、左側の十字線を参照)が非常に望ましい。
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】