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特許7603836チリングユニット及びチリングユニットシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】チリングユニット及びチリングユニットシステム
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/56 20110101AFI20241213BHJP
   F24F 1/68 20110101ALI20241213BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
F24F1/56
F24F1/68
F24F13/20 202
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023550855
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 JP2021035902
(87)【国際公開番号】W WO2023053280
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】門脇 仁隆
(72)【発明者】
【氏名】宮井 純一
(72)【発明者】
【氏名】垂水 祐二
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】木村 友哉
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-076990(JP,A)
【文献】特開2012-013302(JP,A)
【文献】実開昭61-034022(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/56
F24F 1/68
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の箱形に形成されており、圧縮機及び熱交換器を内部に収容する機械室ユニットと、
前記圧縮機及び前記熱交換器と共に冷媒回路を構成し、前記機械室ユニットの上部に載置される複数の空気熱交換器と、を備え、
前記複数の空気熱交換器のうち、前記機械室ユニットの短手方向において対向して配置されている一対の空気熱交換器は、
前記機械室ユニットから遠い側の上端部同士の間隔が、前記機械室ユニットに近い側の下端部同士の間隔よりも大きくなるよう傾斜して配置されており、
前記機械室ユニットの前記短手方向の側面を構成する機械室パネルは、
当該機械室パネルの中央部に位置するパネル本体と、
前記パネル本体の周囲に接続されており、前記機械室ユニットに当接して固定される固定部と、を備え、
前記パネル本体は、
前記固定部に対し前記機械室ユニットの外側に向かって突出して配置され
前記固定部は、
前記機械室パネルの下端部に位置する下端固定部を含み、
前記下端固定部は、
前記パネル本体と下端接続部により接続され、
前記下端接続部は、
前記パネル本体から前記下端固定部に向かって下方に傾斜している、チリングユニット。
【請求項2】
前記下端接続部は、
前記空気熱交換器の傾斜に沿った方向の寸法L、前記空気熱交換器の垂直方向に対する傾斜角度φ、当該チリングユニットが設置された床面から前記機械室ユニットの上端までの高さH、前記床面から前記下端接続部を固定するボルトまでの高さをh1、垂直方向に対する前記下端接続部の傾斜角度θを規定したときに、
θ≦tan-1{(H-h1)/Lsinφ} ・・・(1)
を満たす、請求項1記載のチリングユニット。
【請求項3】
前記床面から前記機械室ユニットの上端までの高さhは、650mm以上であり、
前記下端接続部の傾斜角度θは、39°以下である、請求項に記載のチリングユニット。
【請求項4】
前記パネル本体の前記機械室ユニットの内側を向いた面に固定される断熱部材を更に備える、請求項1~の何れか1項に記載のチリングユニット。
【請求項5】
前記断熱部材は、
均一の厚さの矩形に形成され、外周端面を前記パネル本体の前記機械室ユニットの内側を向いた面の外縁に沿って配置されている、請求項に記載のチリングユニット。
【請求項6】
請求項1~の何れか1項に記載のチリングユニットを複数台設置して構成されるチリングユニットシステムであって、
前記短手方向において、隣接する2基の前記チリングユニットの、前記機械室ユニット同士の間隔が350mm以上に設定されている、チリングユニットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和装置、ヒートポンプ給湯装置、あるいは、冷凍装置等を構成するチリングユニット及び当該チリングユニットを複数有するチリングユニットシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、筺体内に、空気用熱交換器、送風機、圧縮機及び熱交換器等のヒートポンプ構成機器が収容された、ヒートポンプ式の熱源機であるチリングユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のチリングユニットは、上部筐体と下部筐体とからなる筐体を備えており、空気用熱交換器及び送風機は、上部筐体内に収容されており、圧縮機及び熱交換器は、下部筐体内に収容されている。上部筺体は、正面視における左右両側面を下方に向けて幅が縮小するように傾斜して形成されており、下部筐体は、上部筐体下面に連続して設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5500725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のチリングユニットは、複数並べて配置される場合がある。チリングユニットは、設置スペースを最小化するために、少なくとも幅の広い上部筐体が隣合うチリングユニットに接触しない程度に近接させて配置される。このとき、隣合うチリングユニット同士の下部筐体同士の間は、空間が生じ、例えば下部筐体内の圧縮機、制御箱及びアキュムレータ等の機器の点検又は修理等を行うサービススペースとして使用される。チリングユニットは、設置スペースを最小化するため、上部筐体の上部の幅を小さくすると共に、サービススペースを確保するため下部筐体の幅も極力小さく構成されている。そのため、下部筐体の内部の空間に余裕が無く、下部筐体の内部の機器が部分的に下部筐体の外郭を構成するパネルに当接又は近接する。
【0005】
パネルのうち機器が部分的に当接又は近接する部分には、断熱材等の追加部材を貼り付けるなどの対応が必要な場合がある。そのため、下部筐体の外郭を構成する複数のパネルは、それぞれのパネル自体が同じ構造で形成されているにも関わらず、チリングユニットに取付られる位置によって、追加部材が固定されている位置が異なる。従って、複数のパネルのそれぞれの間で互換性が無い、という課題があった。
【0006】
本開示は、設置面積を増加させることなく、下部筐体の外郭を構成する複数のパネル同士の互換性を確保できるチリングユニット及びチリングユニットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るチリングユニットは、長尺の箱形に形成されており、圧縮機及び熱交換器を内部に収容する機械室ユニットと、前記圧縮機及び前記熱交換器と共に冷媒回路を構成し、前記機械室ユニットの上部に載置される複数の空気熱交換器と、を備え、前記複数の空気熱交換器のうち、前記機械室ユニットの短手方向において対向して配置されている一対の空気熱交換器は、前記機械室ユニットから遠い側の上端部同士の間隔が、前記機械室ユニットに近い側の下端部同士の間隔よりも大きくなるよう傾斜して配置されており、前記機械室ユニットの前記短手方向の側面を構成する機械室パネルは、当該機械室パネルの中央部に位置するパネル本体と、前記パネル本体の周囲に接続されており、前記機械室ユニットに当接して固定される固定部と、を備え、前記パネル本体は、前記固定部に対し前記機械室ユニットの外側に向かって突出して配置され、前記固定部は、前記機械室パネルの下端部に位置する下端固定部を含み、前記下端固定部は、前記パネル本体と下端接続部により接続され、前記下端接続部は、前記パネル本体から前記下端固定部に向かって下方に傾斜している。
【0008】
本開示に係るチリングユニットシステムは、上述のチリングユニットを複数台設置して構成されるチリングユニットシステムであって、前記短手方向において、隣接する2基の前記チリングユニットの、前記機械室ユニット同士の間隔が350mm以上に設定されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、チリングユニットは、機械室ユニットを覆うパネルの中央部の平板状のパネル本体が、固定部よりも突出して位置しているため、機械室ユニットの内部の機器の配置領域を大きくとれる。そして、パネル本体に断熱部材が固定されている場合であっても、断熱部材を機械室ユニットの内部の機器に合わせて形成する必要がないため、複数のパネル同士は、互換性があり、パネルの取り外し及び取り付け作業時の管理の手間が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係るチリングユニット100の斜視図である。
図2】実施の形態1に係るチリングユニット100の側面図である。
図3】実施の形態1に係るチリングユニット100の正面図である。
図4図1に示す機械室ユニット4の構造を概略的に示す概念図である。
図5図1に示す機械室ユニット4の内部構造を概略的に示す平面図である。
図6】実施の形態1に係るチリングユニット100の、空気熱交換器1と機械室ユニット4との関係を示す概念図である。
図7】実施の形態1に係るチリングユニット100の変形例であるチリングユニット100Lの正面図である。
図8】実施の形態1に係るチリングユニット100の機械室パネル45bの周辺の拡大斜視図である。
図9】実施の形態1に係るチリングユニット100の機械室ユニット4の断面図である。
図10】機械室パネル45b単品の3面図である。
図11】機械室パネル45bの背面図である。
図12】実施の形態1に係るチリングユニットシステム110の斜視図である。
図13】実施の形態1に係るチリングユニットシステム110を構成する、隣接する2基のチリングユニット100の関係を示す概念図である。
図14】実施の形態1において作業者の視線と下部接続部47Aとの関係についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態に係るチリングユニット100及びチリングユニットシステム110について図面等を参照しながら説明する。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置あるいは部品の配置及び向きを限定するものではない。
【0012】
実施の形態1.
[チリングユニット100]
図1は、実施の形態1に係るチリングユニット100の斜視図である。図2は、実施の形態1に係るチリングユニット100の側面図である。図3は、実施の形態1に係るチリングユニット100の正面図である。なお、図3は、図1の白抜き矢印の方向にみたチリングユニット100の正面図である。図1図3を用いてチリングユニット100の全体像について説明する。なお、図1を含む以下の図面に示すX軸は、チリングユニット100の長手方向を示し、Y軸はチリングユニット100の幅方向あるいは左右方向を示し、Z軸はチリングユニット100の上下方向を示すものである。また、明細書中における各構成部材同士の位置関係(例えば、上下関係等)は、原則として、チリングユニット100を使用可能な状態に設置したときのものである。
【0013】
チリングユニット100は、例えばチラー装置の熱源装置として利用されるものである。チリングユニット100は、負荷側ユニット(図示は省略)から水若しくは不凍液等の伝熱流体が供給され、その伝熱流体は、チリングユニット100において冷却又は加熱され、負荷側ユニットに送給される。チリングユニット100は、このように伝熱流体を循環させることにより、負荷側ユニットに冷熱又は温熱を供給する。
【0014】
チリングユニット100は、長尺状に形成されており、熱源側の冷凍サイクルを構成する空気熱交換器1と、ファン5と、機械室ユニット4と、を有している。
【0015】
(空気熱交換器1)
空気熱交換器1は、内部を流れる冷媒と外気との熱交換を行うものであって、蒸発器又は凝縮器として機能する。空気熱交換器1は、複数の伝熱管7と、複数のフィン8とを有している。空気熱交換器1は、例えば、パラレルフロー型の熱交換器であり、一対のヘッダ(図示は省略)と、複数の伝熱管7と、複数のフィン8とを有している。伝熱管7は、例えばアルミ扁平管であり、フィン8は、例えばコルゲートフィンである。なお、空気熱交換器1はパラレルフロー型の熱交換器に限るものではない。空気熱交換器1は、例えば、複数の板状のフィン8が並列して配置され、伝熱管7が複数のフィン8を貫通しているフィンアンドチューブ型の熱交換器であってもよい。空気熱交換器1は、空気熱交換器1A、空気熱交換器1B、空気熱交換器1C、及び空気熱交換器1Dの4つの空気熱交換器1を有している。空気熱交換器1Aは第1空気熱交換器であり、空気熱交換器1Bは第2空気熱交換器であり、空気熱交換器1Cは第3空気熱交換器であり、空気熱交換器1Dは第4空気熱交換器である。
【0016】
機械室ユニット4の短手方向(Y軸方向)において、空気熱交換器1Aと空気熱交換器1Bとは、互いに対向して配置されている。空気熱交換器1Aと空気熱交換器1Bとからなる一対の空気熱交換器1は、機械室ユニット4から遠い側の上端部11a同士の上部間隔SP1が機械室ユニット4に近い側の下端部11b同士の下部間隔SP2よりも大きくなるよう傾けられて配置されている。すなわち、空気熱交換器1Aと空気熱交換器1Bとは、図3に示すように、チリングユニット100の正面からみたときV字を形成するよう傾けられて配置されている。機械室ユニット4の短手方向(Y軸方向)において、互いに対向する空気熱交換器1Cと空気熱交換器1Dとも、同様にV字状となるよう傾けられて配置されている。実施の形態1では、空気熱交換器1Aの傾斜角度αは、例えば、65°~80°である。空気熱交換器1B、空気熱交換器1C、及び空気熱交換器1Dは、空気熱交換器1Aと同様に傾斜角度が65°~80°となるように配置されている。
【0017】
空気熱交換器1A、空気熱交換器1B、空気熱交換器1C、及び空気熱交換器1Dの上方には天枠60が設けられている。天枠60は、チリングユニット100の上壁を構成する。天枠60は、支持柱70によって、機械室ユニット4と固定されている。支持柱70は、チリングユニット100の長手方向(X軸方向)の両端部に設けられている。支持柱70は、チリングユニット100の長手方向(X軸方向)のそれぞれの端部において、2本ずつ配置されている。2本の支持柱70は、上下方向に延びるように配置されており、短手方向(Y軸方向)において、互いに間隔を開けて配置されている。支持柱70は、上端部が天枠60と固定され、下端部が機械室ユニット4と固定されている。
【0018】
チリングユニット100の短手方向(Y軸方向)において、チリングユニット100の一方の側面には、空気熱交換器1Aと空気熱交換器1Cとの間の空間を覆うように側面パネル50が配置されている。側面パネル50は、略長方形に形成されている板状のパネルである。側面パネル50は、上下方向(Z軸方向)かつ長手方向(X軸方向)に延びるように設けられている。側面パネル50は、上述した空気熱交換器1の傾斜に沿って配置されている。なお、チリングユニット100の短手方向(Y軸方向)において、チリングユニット100の他方の側面にも、空気熱交換器1Bと空気熱交換器1Dとの間の空間を覆うように側面パネル50が配置されている。
【0019】
チリングユニット100の長手方向(X軸方向)において、チリングユニット100の一方の側面には、空気熱交換器1Aと空気熱交換器1Bとの間の空間を覆うように側面パネル51が配置されている。側面パネル51は、略台形状に形成されている板状のパネルである。側面パネル51は、上縁部51aが下縁部51bよりも長く形成されている。側面パネル51は、上下方向(Z軸方向)かつ短手方向(Y軸方向)に延びるように設けられている。側面パネル51は、チリングユニット100の長手方向(X軸方向)において、空気熱交換器1A及び空気熱交換器1Bの端部の一部を覆うように配置される。なお、チリングユニット100の長手方向(X軸方向)において、チリングユニット100の他方の側面にも、空気熱交換器1Cと空気熱交換器1Dとの間の空間を覆うように側面パネル51が配置されている。側面パネル51は、チリングユニット100の長手方向(X軸方向)において、空気熱交換器1C及び空気熱交換器1Dの端部の一部を覆うように配置される。
【0020】
(ファン5)
天枠60には、上述のファン5が設けられている。ファン5は、空気熱交換器1を通過し、後述するベルマウス6A等の空気吹出口14から排出される空気の流れを形成する。ファン5は、軸流ファンを備えた送風手段であり、空気熱交換器1における熱交換を効率的に行うための空気の流れを生成する。ファン5は、ファン5A、ファン5B、ファン5C、及びファン5Dの4つのファン5を有している。
【0021】
また、天枠60には、ベルマウス6A、ベルマウス6B、ベルマウス6C、及びベルマウス6Dが設けられている。ベルマウス6A、ベルマウス6B、ベルマウス6C、及びベルマウス6Dの内部には、それぞれファン5A、ファン5B、ファン5C、及びファン5Dが配置されている。
【0022】
ベルマウス6A、ベルマウス6B、ベルマウス6C、及びベルマウス6Dの上端部には空気吹出口14が形成されている。チリングユニット100は、ファン5の吹き出し側が上方を向いている「トップフロー形態」である。ベルマウス6A、ベルマウス6B、ベルマウス6C、及びベルマウス6Dの空気吹出口14には、それぞれファンガード17が設けられており、ファン5A、ファン5B、ファン5C、及びファン5Dは、それぞれファンガード17で覆われている。
【0023】
図4は、図1に示す機械室ユニット4の構造を概略的に示す概念図である。図1及び図4において機械室ユニット4が占める空間は点線で示されている。図1及び図4を用いて機械室ユニット4の構造について説明する。機械室ユニット4は、長尺の箱形に形成されており、直方体状に形成されている。機械室ユニット4は、直方体状に形成されたフレーム40と、フレーム40同士の間の空間を覆う側壁45とを有する。
【0024】
フレーム40は、台枠41と、門柱42と、中間柱43と、上部梁44とを有している。門柱42は、門柱42A、門柱42B、門柱42C、及び門柱42Dの4本の門柱42を有する。中間柱43は、中間柱43A、中間柱43B、中間柱43C、及び中間柱43Dの4本の中間柱43を有する。台枠41は、平面視で長方形状に形成され、フレーム40の底部を構成する。
【0025】
門柱42A、門柱42B、門柱42C、及び門柱42Dは、台枠41の4つの角部において、台枠41と直交する方向に延びるよう設けられている。中間柱43A及び中間柱43Bは、台枠41の長手方向(X軸方向)において、門柱42Aと門柱42Cとの間に、間隔をあけて設けられている。中間柱43C及び中間柱43Dは、台枠41の長手方向(X軸方向)において、門柱42Bと門柱42Dとの間に、間隔をあけて設けられている。中間柱43A、中間柱43B、中間柱43C、及び中間柱43Dは、台枠41と直交する方向に延びるよう設けられている。上部梁44は、門柱42A、門柱42B、門柱42C、及び門柱42D、並びに中間柱43A、中間柱43B、中間柱43C、及び中間柱43Dの上に設けられている。なお、上述したフレーム40の構造は、一例であり、機械室ユニット4が、直方体状に形成されていれば、上記構成に限定されるものではない。
【0026】
機械室ユニット4の上部梁44にはベース10が設けられている。ベース10は、門柱42及び中間柱43により支持されている。上述した空気熱交換器1A、空気熱交換器1B、空気熱交換器1C、及び空気熱交換器1Dは、ベース10上に配置されている。すなわち、複数の空気熱交換器1は、機械室ユニット4の上部に載置されている。また、機械室ユニット4の上部には、ドレンパン55が設けられている。ドレンパン55は、空気熱交換器1から排水された水滴を受ける。ドレンパン55は、空気熱交換器1から落下する水滴を受けるために、空気熱交換器1の下方に配置されている。ドレンパン55は、機械室ユニット4の長手方向(X軸方向)に延びるように設けられている。ドレンパン55は、空気熱交換器1から重力により自然流下した水滴をドレン水として溜めて排出口(図示は省略)へ導く。
【0027】
側壁45は、機械室ユニット4の長手方向(X軸方向)の両端部に配置される第1側壁45aと、機械室ユニット4の短手方向(Y軸方向)の両端部に配置される機械室パネル45bとを有する。第1側壁45aは、上下方向(Z軸方向)かつ短手方向(Y軸方向)に延びるように設けられた板状の側壁である。第1側壁45aは、門柱42Aと門柱42Bとの間に形成された空間を覆うように配置されている。また、第1側壁45aは、門柱42Cと門柱42Dとの間に形成された空間を覆うように配置されている。機械室パネル45bは、上下方向(Z軸方向)かつ長手方向(X軸方向)に延びるように設けられた側壁である。機械室パネル45bは、門柱42Aと中間柱43Aとの間に形成された空間、中間柱43Aと中間柱43Bとの間に形成された空間、中間柱43Bと門柱42Cとの間に形成された空間をそれぞれ覆うように配置されている。また、機械室パネル45bは、門柱42Bと中間柱43Cとの間に形成された空間、中間柱43Cと中間柱43Dとの間に形成された空間、中間柱43Dと門柱42Dとの間に形成された空間をそれぞれ覆うように配置されている。
【0028】
図5は、図1に示す機械室ユニット4の内部構造を概略的に示す平面図である。機械室ユニット4の内部には圧縮機31、流路切替装置33、熱交換器3及び減圧装置(図示は省略)が収容されている。そして、圧縮機31、流路切替装置33、熱交換器3、減圧装置及び空気熱交換器1が冷媒配管にて直列に接続されて冷媒回路が構成されている。また、複数のチリングユニット100のそれぞれの熱交換器3は、水配管にて並列に接続されており、水配管内の伝熱流体がポンプユニット(図示は省略)によって、熱交換器3を通過して負荷側ユニット(図示せず)に循環するように構成される。また、機械室ユニット4に設置されている複数の機器には、制御箱32が含まれている。
【0029】
圧縮機31は、低温低圧の状態の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮して高温高圧の状態の冷媒にして吐出させる。流路切替装置33は、例えば四方弁であり、制御装置(図示は省略)の制御により、冷媒の流路を切り替える。熱交換器3は、冷媒と、水若しくは不凍液等の伝熱流体とを熱交換させる。減圧装置は、例えば膨張弁であり、冷媒を減圧させる。制御箱32は、内部に、例えば、流路切替装置33を制御する制御基板、減圧装置の開度等を制御する制御基板、あるいは、圧縮機31の回転数等を制御するインバータ基板等を収容している。
【0030】
機械室ユニット4は、ヒーター57を有してもよい。チリングユニット100を寒冷地で運転する場合、ドレンパン55の残氷の処理が問題となる場合がある。チリングユニット100は、ヒーター57を有するため、寒冷地での運転に際してヒーター57を使用することでドレンパン55の氷を融かすことができ、あるいは、ドレン水の氷結を防ぐことができる。機械室ユニット4がヒーター57を有する場合には、ヒーター57は、空気熱交換器1の近くに配置される。例えば、ヒーター57は、空気熱交換器1の下端部11bに沿って、機械室ユニット4の長手方向(X軸方向)に延びるように、ドレンパン55の上方に配置される。
【0031】
[チリングユニット100の動作]
チリングユニット100は、ファン5により外部の空気を空気熱交換器1に通過させることで、空気と空気熱交換器1内の冷媒とを熱交換させ、熱交換後の空気を上方から排出する。チリングユニット100は、流路切替装置33の切り替えにより、空気熱交換器1が凝縮器、熱交換器3が蒸発器として機能する冷房運転と、空気熱交換器1が蒸発器、熱交換器3が凝縮器として機能する暖房運転との切り替えが可能である。冷房運転では、熱交換器3で冷やされた伝熱流体を生成し、例えばこの冷やされた伝熱流体を負荷側ユニット(図示せず)に供給して負荷側(室内側)の空気を冷却し、室内の冷房を行う。また、暖房運転では、熱交換器3で温められた伝熱流体を生成し、例えばこの温められた伝熱流体を負荷側ユニット(図示せず)に供給して負荷側(室内側)空気を加熱し、室内の暖房を行う。
【0032】
[機械室ユニット4]
図6は、実施の形態1に係るチリングユニット100の、空気熱交換器1と機械室ユニット4との関係を示す概念図である。図6では、空気熱交換器1と、機械室ユニット4との関係を説明するために、支持柱70等、一部の構成の図示を省略している。ここで、チリングユニット100の短手方向(Y軸方向)において、機械室ユニット4の上面部24aにおける側壁間の幅を上部幅WA1と定義する。そして、空気熱交換器1Aと空気熱交換器1Bとからなる一対の空気熱交換器1における下端部11bの外側面間の幅を熱交換器下部幅WBと定義する。上述したように、機械室ユニット4の短手方向(Y軸方向)において、空気熱交換器1Aと空気熱交換器1Bとは、互いに対向して配置されている。チリングユニット100は、図6に示すように、上部幅WA1が熱交換器下部幅WBよりも大きく形成されている。すなわち、チリングユニット100は、上部幅WA1>熱交換器下部幅WBとなるように形成されている。
【0033】
また、チリングユニット100は、上部幅WA1と熱交換器下部幅WBとの差が50mm以内となるように形成されている。すなわち、チリングユニット100は、0mm<上部幅WA1-熱交換器下部幅WB≦50mmとなるように形成されている。
【0034】
更に、機械室ユニット4の短手方向(Y軸方向)において、機械室ユニット4の底面部24bにおける側壁間の幅を下部幅WA2と定義する。また、機械室ユニット4の長手方向(X軸方向)と短手方向(Y軸方向)とに垂直な上下方向(Z軸方向)において、機械室ユニット4の上面部24aと底面部24bとの間の寸法を高さ寸法HCと定義する。この場合、機械室ユニット4は、上部幅WA1と、下部幅WA2と、高さ寸法HCとが等しい大きさに形成されていても良い。換言すると、チリングユニット100は、機械室ユニット4は、上部幅WA1と下部幅WA2とが等しく、かつ、上部幅WA1及び下部幅WA2と高さ寸法HCとが等しく設定されていても良い。すなわち、チリングユニット100は、(上部幅WA1=下部幅WA2)=高さ寸法HCとなるように形成されている場合がある。
【0035】
チリングユニット100は、機械室ユニット4の上部幅WA1が、一対の空気熱交換器1の熱交換器下部幅WBよりも大きくなるように形成されている。ただし、上部幅WA1が熱交換器下部幅WBと同じであっても良い。チリングユニット100の機械室ユニット4は、Y方向が機械室パネル45bで覆われている。機械室パネル45bは、図4に示されている台枠41と、門柱42と、中間柱43と、上部梁44とにより囲まれる開口を閉塞し、機械室ユニット4の内部の機器を保護するものである。機械室パネル45bは、図4に示されている複数の開口の各々を塞ぐ様に配置される。したがって、実施の形態1においては、図4に示す機械室ユニット4のY方向の両端面に機械室パネル45bがそれぞれ3枚ずつ取り付けられる。
【0036】
図7は、実施の形態1に係るチリングユニット100の変形例であるチリングユニット100Lの正面図である。チリングユニット100Lの短手方向(Y軸方向)において、機械室ユニット4の上面部24aにおける側壁間の幅を上部幅LWA1と定義する。そして、空気熱交換器1Aと空気熱交換器1Bとからなる一対の空気熱交換器1における下端部11bの外側面間の幅を熱交換器下部幅LWBと定義する。また、機械室ユニット4の短手方向(Y軸方向)において、機械室ユニット4の底面部24bにおける側壁間の幅を下部幅LWA2と定義する。更に、機械室ユニット4の上下方向(Z軸方向)において、機械室ユニット4の上面部24aと底面部24bとの間の寸法を高さ寸法LHCと定義する。チリングユニット100Lは、機械室ユニット4の上部幅LWA1と1対の空気熱交換器1の熱交換器下部幅LWBとが等しい大きさに形成されている。チリングユニット100Lは、機械室ユニット4の上部幅LWA1と1対の空気熱交換器1の熱交換器下部幅LWBとが等しい大きさに形成されていることで、チリングユニット100と比較して機械室ユニット4内の空間に余裕がない。そのため、チリングユニット100Lは、圧縮機31等の冷媒回路を構成する装置の配置、あるいは、配管の取り回し等の自由度が制約されてしまう。
【0037】
図8は、実施の形態1に係るチリングユニット100の機械室パネル45bの周辺の拡大斜視図である。図9は、実施の形態1に係るチリングユニット100の機械室ユニット4の断面図である。図10は、機械室パネル45b単品の3面図である。図11は、機械室パネル45bの背面図である。実施の形態1に係るチリングユニット100の機械室パネル45bは、機械室ユニット4のY方向の端面を形成するパネルである。
【0038】
図9に示す様に、機械室パネル45bは、機械室ユニット4の開口を覆う平板状のパネル本体46を有する。パネル本体46は、機械室ユニット4の内側を向いた面に断熱部材49が固定されている。断熱部材49は、外周の端面49aが矩形に形成され、全体が均一な厚さに形成されている。断熱部材49の外周の端面49aは、パネル本体46の外縁に沿って配置されている。したがって、パネル本体46は実質的に全域に亘って均一な厚さの断熱部材49に覆われている。
【0039】
機械室パネル45bは、図10に示す様に、台枠41、門柱42、中間柱43及び上部梁44に固定される固定部48A、48B及び48Cを備え、固定部48A、48B及び48CからY方向に離れた位置にパネル本体46が配置されている。また、機械室パネル45bは、パネル本体46の外縁と固定部48A、48B及び48Cとの間を接続する接続部47A、47B及び47Cを備える。接続部47Aは、チリングユニット100の下側に位置する固定部48Aとパネル本体46とを接続するものであり、特に下部接続部47Aと称する。
【0040】
機械室パネル45bの上側及び水平方向の両端部に位置する接続部47B及び47Cは、固定部48B、48C及びパネル本体46に対し垂直に近い角度で立ち上げられている。一方、下部接続部47Aは、固定部48A、48B、48C及びパネル本体46に対する傾斜角度θが大きく形成されている。傾斜角度θは、固定部48A、48B、48C及びパネル本体46の平面に対する傾斜角度であり、換言すると垂直面に対する傾斜角度でもある。
【0041】
図11に示す様に、機械室パネル45bは、下部接続部47Aの上方に断熱部材49が配置されている。機械室パネル45bは、パネル本体46が固定部48A、48B及び48Cに対し機械室ユニット4の外側に向かって突出した位置に配置されているため、従来のように単純な平板により構成されたパネルに対し表面積が大きく結露量も増加する傾向がある。実施の形態1に係る機械室パネル45bは、機械室ユニット4の内部で結露した水がパネル本体46に沿って流下した場合であっても、下部接続部47Aが下方に向かって傾斜しているため、結露水の滞留が抑制される。これにより、機械室パネル45bの下部に水が滞留して腐食するのを抑制する。また、錆びの発生により外観を損なわれるのを抑制する。
【0042】
また、機械室パネル45bは、機械室ユニット4の台枠41、門柱42、中間柱43及び上部梁44に対し固定部48A、48B及び48Cを当接させた状態で、ボルト挿通孔98及びボルト挿通切り欠き97にボルト91、92、93及び94を挿通させた状態で締結固定される。このとき、機械室パネル45bの下部に位置する固定部48Aを固定するボルト92は、下部接続部47Aが傾斜していることにより、斜め上方から視認できるように構成されている。実施の形態1においては、例えば、パネル本体46の固定部48A、48B及び48Cからの突出量Pが30mmに設定され、下部接続部47Aの垂直方向に対する傾斜角度θは、50°以下に設定されている。
【0043】
図12は、実施の形態1に係るチリングユニットシステム110の斜視図である。図13は、実施の形態1に係るチリングユニットシステム110を構成する、隣接する2基のチリングユニット100の関係を示す概念図である。図12に示すように、チリングユニットシステム110は、複数のチリングユニット100を有している。チリングユニットシステム110は、チリングユニット100を短手方向(Y軸方向)に並列させて複数台設置して構成される。チリングユニットシステム110は、複数台のチリングユニット100の長手方向(X軸方向)が平行となるように設置される。チリングユニットシステム110は、図13に示すように、チリングユニット100の短手方向(Y軸方向)において、隣接する2基のチリングユニット100の、機械室ユニット4同士の間隔Wが350mm以上に設定されている。間隔Wは、機械室パネル45bのパネル本体46の外側の面同士の間隔である。この間隔Wは、複数のチリングユニット100のメンテナンス性を考慮して設定される。
【0044】
2つのチリングユニット100の間は、チリングユニット100のメンテナンスを行う際に作業者が入り作業するスペースとしても利用される。そのスペースの床面96には機械基礎95が形成されており、チリングユニット100は機械基礎95の上に設置されている。機械基礎95の高さh1は、200mm程度に設定されている。機械室ユニット4の高さHは、床面96から650mm以上となるように設定される。機械室ユニット4の高さは、機械室ユニット4の内部に配置される機器が収容できるように設定され、かつ図12及び図13のようにチリングユニット100を並べた際に、チリングユニット100の間にスペースを確保し、作業者が入ってメンテナンス作業を行える様に設定される。一般的に作業者がかがんで作業するのに必要な高さが650mm以上であり、機械室ユニット4の床面96からの高さHは、650mm以上が確保される。高さHを確保するに当たっては、機械基礎95の高さを変動させても良い。また、2つのチリングユニット100の間のスペースに作業者が入るには、幅Wを350mm以上確保するのが望ましい。
【0045】
作業者が2つのチリングユニット100の間のスペースに入って機械室パネル45bを取り外す作業をした場合について説明する。図9に示す様に、実施の形態1に係るチリングユニットシステム110において、チリングユニット100の機械室パネル45bの下端に位置する固定部48Aのボルト94の高さhは、例えば床面65から277mmの位置にある。下部接続部47Aの固定部48A側の起点Bがボルト94に可能な限り近いと仮定したときに、下部接続部47Aの傾斜角度θは、少なくとも50°以下に設定することにより、作業者は通常の作業状態(自然にかがんだ状態)でボルト94を視認しながらボルトの取り外しが可能となる。
【0046】
図14は、実施の形態1において作業者の視線と下部接続部47Aとの関係についての説明図である。作業者の視点Eから見たときに、ボルト94を視認できる様にするには、視点Eの高さH及び機械室パネル45bからの距離wに応じて下部接続部47Aの傾斜角度θを適正な範囲に設定する必要がある。ここで、通常のメンテナンス作業における作業者の視点Eの位置は、機械室ユニット4の上端の床面96からの高さHの位置にある。これは、チリングユニット100の上部において空気熱交換器1が傾斜角度φで機械室ユニット4よりせり出して配置されているため、作業者はそれに合わせてかがんで作業する必要があるためである。例えば、作業者の視点Eの位置は、H-h1=650mm-277mm=373mm、w=300mmである。そして、下部接続部47Aの起点Bがボルト94に可能な限り近いとすると、下部接続部47Aの傾斜角度θは、
θ≦tan-1{w/(H-h1)}・・・(1)
を満たせば、視点Eからボルト94を視認できる。つまり、機械室パネル45bは、θ≦39°にすることにより、作業者の通常の作業においてボルト94の視認を妨げることがない。
【0047】
なお、図13に示す様に、隣合うチリングユニット100の間隔Wは、空気熱交換器1の傾斜角度φに依存し、W=2Lsinφで表される。ここで、Lは、空気熱交換器1の傾斜に沿った方向の寸法であり、φは、垂直方向に対する空気熱交換器1の傾斜角度である。または、隣合うチリングユニット100の間隔Wは、チリングユニット100の上部の隙間を考慮すると、W≧2Lsinθに設定される。よって、チリングユニット100の間のスペースに作業者が入り、作業する際の視点Eの位置を間隔Wの半分程度の位置とすれば、作業者は余裕を持って作業できる。そこで、図14の視点Eの位置wをW/2に置き換え、下部接続部47Aの傾斜角度θは、θ≦tan-1{Lsinφ/(H-h1)}に設定すると、作業者がボルト94を視認し易く、作業性が向上する。なお、図3に示す空気熱交換器1の傾斜角度αが65°~80°であるため、傾斜角度φは、10°~25°である。また、空気熱交換器1の傾斜方向に沿った寸法は、例えば1400mmである。
【0048】
また、機械室パネル45bは、パネル本体46の突出量Pが例えば30mm程度に設定されている。これにより、機械室パネル45bは、パネル本体46の内側面に均一な厚さの断熱部材49を固定することができる。従来の単純な平板状の側壁により機械室ユニット4を覆った場合、機械室ユニット4の内部の機器との接触を避けるため、断熱部材49を部分的に切り欠いたり、孔を設けたりしていたが、実施の形態1に係る機械室パネル45bは、固定部48A、48B及び48Cに対しパネル本体46をY方向に突出させた位置に配置しているため、断熱部材49を機械室ユニット4の内部構造に合わせる必要が無い。したがって、図2に示す3枚の機械室パネル45bは、全て同じ構造になっており、メンテナンス作業において取り外し及び取り付けをする際にそれぞれの取り付け位置を管理する必要がない。
【0049】
機械室パネル45bは、パネル本体46の突出量Pを適正に設定することにより、機械室ユニット4のY方向の大きさ、つまりY方向の台枠41の間隔を拡大することなく筐体内部の機器の設置領域を大きくできる。なお、メンテナンス作業中には、機械室パネル45bは取り外されるため、突出量Pが作業空間を狭くすることはなく、機械室パネル45bの取り外しの際のボルト94の視認性さえ確保できれば、メンテナンス作業は問題無く行える。例えば、パネル本体46の突出量Pは、内部に均一な厚さの断熱部材49を実質的にパネル本体46の全域に亘って設置し、機械室ユニット4の内部に機器を設置することを考慮して、P≧30mmに設定しても良い。
【0050】
また、実施の形態1に係るチリングユニット100は、図12に示す様に複数並べて用いられるのが通常である。しかし、単独でチリングユニット100が設置される場合であっても、機械室パネル45bの下部接続部47Aが傾斜していることにより、腐食を抑制し、機械室パネル45bの取り外し及び取り付け作業の作業性を向上させることができる。
【0051】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 空気熱交換器、1A 空気熱交換器、1B 空気熱交換器、1C 空気熱交換器、1D 空気熱交換器、3 熱交換器、4 機械室ユニット、5 ファン、5A ファン、5B ファン、5C ファン、5D ファン、6A ベルマウス、6B ベルマウス、6C ベルマウス、6D ベルマウス、7 伝熱管、8 フィン、10 ベース、11a 上端部、11b 下端部、14 空気吹出口、17 ファンガード、24a 上面部、24b 底面部、31 圧縮機、32 制御箱、33 流路切替装置、40 フレーム、41 台枠、42 門柱、42A 門柱、42B 門柱、42C 門柱、42D 門柱、43 中間柱、43A 中間柱、43B 中間柱、43C 中間柱、43D 中間柱、44 上部梁、45 側壁、45a 第1側壁、45b 機械室パネル、46 パネル本体、47A (下部)接続部、47B 接続部、47C 接続部、48A 固定部、48B 固定部、48C 固定部、49 断熱部材、49a 端面、50 側面パネル、51 側面パネル、51a 上縁部、51b 下縁部、52 機械室パネル、55 ドレンパン、57 ヒーター、60 天枠、65 床面、70 支持柱、91 ボルト、92 ボルト、93 ボルト、94 ボルト、95 機械基礎、96 床面、97 ボルト挿通切り欠き、98 ボルト挿通孔、100 チリングユニット、100C チリングユニット、100L チリングユニット、110 チリングユニットシステム。
図1
図2
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