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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】基板分割治具
(51)【国際特許分類】
   B26F 3/00 20060101AFI20241213BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
B26F3/00 A
H05K3/00 L
H05K3/00 X
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023573955
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 JP2022047700
(87)【国際公開番号】W WO2023136103
(87)【国際公開日】2023-07-20
【審査請求日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2022002423
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊介
(72)【発明者】
【氏名】田邊 剛
(72)【発明者】
【氏名】栗原 匠実
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 若輝
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-221400(JP,A)
【文献】特開平07-040296(JP,A)
【文献】特開平08-043282(JP,A)
【文献】特開昭63-034103(JP,A)
【文献】特開平03-030395(JP,A)
【文献】特開平02-078504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26F 3/00
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1分割線を有する基板を分割するための基板分割治具であって、
第1方向において隣り合って配置されている第1ベースプレート及び第2ベースプレートを有するベースプレートユニットと、
第1基板押えユニット及び第2基板押えユニットとを備え、
前記第1ベースプレートと前記第2ベースプレートとの境界である第1境界は、前記第1方向に直交する第2方向に沿っており、
前記第1ベースプレートは、第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを含み、
前記第2ベースプレートは、第3面と、前記第3面の反対面である第4面とを含み、
前記第1面上及び前記第3面上には、前記第1分割線が前記第1境界と対向するように前記基板が配置され、
前記第1ベースプレートは、前記第2方向に沿う第1回転軸回りに回転可能に前記第2ベースプレートに連結されており、
前記第1基板押えユニット及び前記第2基板押えユニットは、それぞれ、前記第1面及び前記第3面との間に前記基板を挟持し、
前記第1面及び前記第面には、それぞれ、第1凹部及び第2凹部が形成されており、
前記基板は、第5面と、前記第5面の反対面である第6面とを有し、
前記第1凹部の底面及び前記第2凹部の底面上には、前記第1凹部の底面及び前記第2凹部の底面と前記第5面が対向するように前記基板が配置され、
前記第1凹部の底面及び前記第2凹部の底面には、それぞれ、第3凹部及び第4凹部が形成されており、
前記第3凹部内及び前記第4凹部内には、それぞれ、前記第5面上に搭載されている第1部品及び第2部品が配置され、
前記第1基板押えユニットは、第1天板プレートと、前記第1天板プレートに取り付けられており、かつ前記基板に接触する第1ピンとを有し、
前記第2基板押えユニットは、第2天板プレートと、前記第2天板プレートに取り付けられており、かつ前記基板に接触する第2ピントを有し、
前記第1ピン及び前記第2ピンは、それぞれ、前記第1基板押えユニット及び前記第2基板押えユニットが前記基板を挟持している際に前記第3凹部及び前記第4凹部を避けるように前記第6面に接して配置されている、基板分割治具。
【請求項2】
前記基板は、前記第1分割線に直交する第2分割線を有し、
前記第1ベースプレートは、第1部分と、第2部分とを有し、
前記第2ベースプレートは、第3部分と、第4部分とを有し、
前記第1部分及び前記第3部分は、前記第1方向において隣り合って配置されており、
前記第2部分及び前記第4部分は、前記第1方向において隣り合って配置されており、
前記第1部分と前記第2部分との境界である第2境界は、前記第1方向に沿っており、
前記第3部分と前記第4部分との境界である第3境界は、前記第1方向に沿っており、
かつ前記第2境界の延長線上にあり、
前記第1部分は、前記第1方向に沿う第2回転軸回りに回転可能に前記第2部分に連結されており、
前記第3部分は、前記第2回転軸回りに回転可能に前記第4部分に連結されており、
前記第1面上及び前記第面上には、前記第2分割線が前記第2境界及び前記第3境界に対向するように前記基板が配置される、請求項1に記載の基板分割治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板分割治具に関する。
【背景技術】
【0002】
特開昭63-191599号公報(特許文献1)には、基板分割用装置が記載されている。特許文献1に記載の基板分割用装置は、基台とスライド板とを有している。基台は、垂直壁部を有している。スライド板は、垂直壁部と対向するように、基台上に配置されている。垂直壁部とスライド板との間には、プリント基板が挟持される。
【0003】
プリント基板には、複数の回路基板が含まれている。隣り合う回路基板の間には、V溝が形成されている。V溝の延在方向は、垂直壁部の上端及びスライド板の上端に沿っている。垂直壁部とスライド板との間に挟持されていないプリント基板の部分を倒すことにより、プリント基板は、V溝に沿って分割される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭63-191599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の基板分割用装置を用いてプリント基板の分割を行う際、プリント基板の支持が不十分であるため、プリント基板に大きなひずみが加わり、プリント基板又はプリント基板に搭載されている部品が損傷してしまうことがある。
【0006】
本開示は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本開示は、分割時における基板又は基板に搭載されている部品の損傷を抑制可能な基板分割治具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の基板分割治具は、第1分割線を有する基板を分割するための治具である。基板分割治具は、第1方向において隣り合って配置されている第1ベースプレート及び第2ベースプレートを有するベースプレートユニットと、第1基板押えユニット及び第2基板押えユニットとを備える。第1ベースプレートと第2ベースプレートとの境界である第1境界は、第1方向に直交する第2方向に沿っている。第1ベースプレートは、第1面と、第1面の反対面である第2面とを含む。第2ベースプレートは、第3面と、第3面の反対面である第4面とを含む。第1面上及び第3面上には、第1分割線が第1境界と対向するように基板が配置されている。第1ベースプレートは、第2方向に沿う第1回転軸回りに回転可能に第2ベースプレートに連結されている。第1基板押えユニット及び第2基板押えユニットは、それぞれ、第1面及び第3面との間に基板を挟持する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の基板分割治具によると、分割時における基板又は基板に搭載されている部品の損傷を抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】基板分割治具100の分解斜視図である。
図2】ベースプレートユニット10の斜視図である。
図3】第1ベースプレート11を第2ベースプレート12に対して回転させた際のベースプレートユニット10の斜視図である。
図4】基板40の平面図である。
図5図4中のV-Vにおける断面図である。
図6】基板40が配置された状態のベースプレートユニット10の斜視図である。
図7】基板40が配置された状態の基板分割治具100の斜視図である。
図8図7中のVIII-VIIIにおける断面図である。
図9】基板40が配置された状態で第1ベースプレート11を第2ベースプレート12に対して回転させた際の基板分割治具100の斜視図である。
図10】基板40が配置された状態で第1ベースプレート11を第2ベースプレート12に対して回転させた際の基板分割治具200の斜視図である。
図11】第1部分11e及び第3部分12eを第2部分11f及び第4部分12fに対してそれぞれ回転させた際の基板分割治具200の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1に係る基板分割治具を説明する。実施の形態1に係る基板分割治具を、基板分割治具100とする。
【0012】
(基板分割治具100の構成)
以下に、基板分割治具の構成を説明する。
【0013】
図1は、基板分割治具100の分解斜視図である。図1に示されるように、基板分割治具100は、ベースプレートユニット10と、第1基板押えユニット20と、第2基板押えユニット30とを有している。
【0014】
図2は、ベースプレートユニット10の斜視図である。図2に示されるように、ベースプレートユニット10は、第1ベースプレート11と、第2ベースプレート12とを有している。第1ベースプレート11及び第2ベースプレート12は、平板状の部材である。第1ベースプレート11及び第2ベースプレート12は、耐熱性材料により形成されている。第1ベースプレート11及び第2ベースプレート12は、例えば、フィラー及びガラス繊維を編み込んだガラス布を含侵した樹脂材料により形成されている。
【0015】
第1ベースプレート11及び第2ベースプレート12は、第1方向DR1において隣り合って配置されている。第1ベースプレート11と第2ベースプレート12との境界である第1境界13は、第2方向DR2に沿っている。第2方向DR2は、第1方向DR1に直交する方向である。第1方向DR1及び第2方向DR2に直交する方向を、第3方向DR3とする。
【0016】
第1ベースプレート11は、第1面11aと第2面11bとを有している。第1面11a及び第2面11bは、第3方向DR3における第1ベースプレート11の端面である。第2面11bは、第1面11aの反対面である。第2ベースプレート12は、第3面12aと第4面12bとを有している。第3面12a及び第4面12bは、第3方向DR3における第2ベースプレート12の端面である。第4面12bは、第3面12aの反対面である。
【0017】
第1面11aには、第1凹部11cが形成されている。第1面11aは、第1凹部11cにおいて、第2面11b側に窪んでいる。第1凹部11cは、例えば、第1面11aに対してポケット加工を行うことにより形成されている。第3面12aには、第2凹部12cが形成されている。第3面12aは、第2凹部12cにおいて、第4面12b側に窪んでいる。第2凹部12cは、例えば、第3面12aに対してポケット加工を行うことにより形成されている。平面視において、第1凹部11cの外形及び第2凹部12cの外形を合わせた形状は、矩形状である。
【0018】
第1凹部11cの底面には、複数の第3凹部11dが形成されている。第1凹部11cの底面は、第3凹部11dにおいて、第2面11b側に窪んでいる。第3凹部11dは、例えば、第1凹部11cの底面に対して座ぐり加工を行うことにより形成されている。第2凹部12cの底面には、複数の第4凹部12dが形成されている。第4凹部12dの底面は、第4凹部12dにおいて、第4面12b側に窪んでいる。第4凹部12dは、第2凹部12cの底面に対して座ぐり加工を行うことにより形成されている。
【0019】
図3は、第1ベースプレート11を第2ベースプレート12に対して回転させた際のベースプレートユニット10の斜視図である。図3に示されるように、第1ベースプレート11は、第2方向DR2に沿っている第1回転軸回りに回転可能に第2ベースプレート12に連結されている。第1ベースプレート11と第2ベースプレート12との連結は、例えば、蝶番14(図2参照)により行われている。
【0020】
図2に示されるように、ベースプレートユニット10は、さらに、複数の押え具15を有している。押え具15は、第1凹部11cの周囲にある第1面11aの部分上及び第2凹部12cの周囲にある第3面12aの部分上に取り付けられている。押え具15は、第3方向DR3に沿う回転軸回りに回転可能になっている。押え具15は、押え板15aを有している。押え具15を第3方向DR3に沿う回転軸回りに回転させることにより、押え板15aを第1凹部11cの底面の上方又は第2凹部12cの底面の上方に位置させることができる。
【0021】
図1に示されるように、第1基板押えユニット20は、第1天板プレート21と、複数の第1ピン22とを有している。第1天板プレート21は、平板状の部材である。第1天板プレート21は、主面21aと主面21bとを有している。主面21a及び主面21bは、第1天板プレート21の厚さ方向における端面である。主面21bは、主面21aの反対面である。第1天板プレート21には、複数の貫通穴21cが形成されている。貫通穴21cは、第1天板プレート21を厚さ方向に沿って貫通している。複数の貫通穴21cの数は、複数の第1ピン22の数に等しい。平面視における貫通穴21cの形状は、例えば円形である。
【0022】
第1ピン22の一方端側は、貫通穴21cに挿入されている。これにより、第1ピン22は、第1天板プレート21に取り付けられている。第1ピン22は、例えば、円柱状である。第1ピン22は、主面21bから突出している。第1ピン22の他方端と主面21bとの間の距離は、複数の第1ピン22に関して、一定になっている。隣り合う2つの第1ピン22の間の距離は、30mm以下であることが好ましい。
【0023】
第2基板押えユニット30は、第2天板プレート31と、複数の第2ピン32とを有している。第2天板プレート31は、平板状の部材である。第2天板プレート31は、主面31aと主面31bとを有している。主面31a及び主面31bは、第2天板プレート31の厚さ方向における端面である。主面31bは、主面31aの反対面である。第2天板プレート31には、複数の貫通穴31cが形成されている。貫通穴31cは、第2天板プレート31を厚さ方向に沿って貫通している。複数の貫通穴31cの数は、複数の第2ピン32の数に等しい。平面視における貫通穴31cの形状は、例えば円形である。
【0024】
第2ピン32の一方端側は、貫通穴31cに挿入されている。これにより、第2ピン32は、第2天板プレート31に取り付けられている。第2ピン32は、例えば、円柱状である。第2ピン32は、主面31bから突出している。第2ピン32の他方端と主面31bとの間の距離は、複数の第2ピン32に関して、一定になっている。隣り合う2つの第2ピン32の間の距離は、30mm以下であることが好ましい。
【0025】
第1天板プレート21及び第2天板プレート31は、例えば、金属材料により形成されている。金属材料の具体例としては、例えば、ステンレス鋼等の鉄合金、銅合金、アルミニウム合金である。但し、第1天板プレート21及び第2天板プレート31は、金属材料以外により形成されていてもよい。第1天板プレート21及び第2天板プレート31は、例えば、強化ガラス又は金属フィラーを含侵した樹脂材料により形成されていてもよい。すなわち、第1天板プレート21及び第2天板プレート31は、剛性のある材料により形成されていればよい。第1ピン22及び第2ピン32は、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂材料により形成されている。
【0026】
図4は、基板40の平面図である。図5は、図4中のV-Vにおける断面図である。図4及び図5に示されるように、基板40には、複数の基板41が含まれている。図4及び図5に示される例では、基板40には、2つの基板41が含まれている。これら2つの基板41を、それぞれ、基板41a及び基板41bとすることがある。基板40は、主面40aと主面40bとを有している。主面40a及び主面40bは、基板40の厚さ方向における端面である。主面40bは、主面40aの反対面である。
【0027】
基板40には、第1分割線42が形成されている。第1分割線42は、溝42aと溝42bとにより構成されている。溝42a及び溝42bは、それぞれ、主面40a及び主面40bに形成されている。溝42a及び溝42bは、断面視においてV字状であり、基板40の厚さ方向において対向している。溝42a及び溝42bは、例えば、互いに対向する一対の刃部を有する分割機スライサにより形成される。但し、第1分割線42は、これに限られない。第1分割線42は、例えば、ルータにより形成されたミシン目であってもよい。
【0028】
基板40は、基材43と、導体パターン44及び導体パターン45と、ソルダレジスト46及びソルダレジスト47とを有している。
【0029】
基材43は、例えば、難燃性エポキシ樹脂を含侵させたガラス布の芯材と当該芯材の両主面上に配置されており、かつエポキシ樹脂を含侵させたガラス布により形成されている補強層とを有する積層板であるCEM-3基材である。但し、基材43は、これに限られるものではない。基材43は、例えば、エポキシ樹脂を含侵させたガラス布であるFR-4基材、絶縁紙にフェノール樹脂を浸透させた紙フェノール基材であってもよい。基材43は、主面43aと主面43bとを有している。主面43a及び主面43bは、基材43の厚さ方向における端面である。主面43a及び主面43bは、それぞれ、主面40a側及び主面40b側にある。主面43bは、主面43aの反対面である。
【0030】
導体パターン44及び導体パターン45は、それぞれ、主面43a上及び主面43b上に配置されている。導体パターン44及び導体パターン45は、例えば、銅箔をエッチングでパターンニングすることにより形成されている。ソルダレジスト46は、導体パターン44を覆うように、主面43a上に配置されている。但し、ソルダレジスト46には、導体パターン44の電極パッドを露出させる開口が形成されている。ソルダレジスト47は、導体パターン45を覆うように、主面43b上に配置されている。但し、ソルダレジスト47には、導体パターン45の電極パッドを露出させる開口が形成されている。
【0031】
基板40には、複数の部品50が搭載されている。部品50は、例えば、セラミックコンデンサ51、半導体パッケージ52である。但し、部品50は、これらに限られるものではない。複数の部品50のうちの一部は、接合部53により、導体パターン44の電極パッドに接合されている。複数の部品50の残部は、接合部53により、導体パターン45の電極パッドに接合されている。接合部53は、例えば、はんだ合金により形成されている。はんだ合金は、例えば、Sn(スズ)-3.0Ag(銀)-0.5Cu(銅)はんだ合金、Sn-Ag系はんだ合金、Sn-Cu系はんだ合金、Sn-Zn(亜鉛)系はんだ合金、Sn-Sb(アンチモン)系合金である。接合部53は、例えば、フロー法又はリフロー法により形成されている。
【0032】
なお、基板41aにある導体パターン44の電極パッドに接合されている部品50及び基板41bにある導体パターン44の電極パッドに接合されている部品50を、それぞれ部品50a及び部品50bとすることがある。
【0033】
図6は、基板40が配置された状態のベースプレートユニット10の斜視図である。図7は、基板40が配置された状態の基板分割治具100の斜視図である。図8は、図7中のVIII-VIIIにおける断面図である。図6図7及び図8に示されるように、基板40は、第1面11a上及び第3面12a上に配置される。より具体的には、基板40は、第1凹部11c及び第2凹部12c内に配置される。主面40aは、第1凹部11cの底面及び第2凹部12cの底面に対向している。
【0034】
部品50a及び部品50bは、それぞれ、第3凹部11d内及び第4凹部12d内に配置されている。基板40が第1面11a上及び第3面12a上に配置された状態で、第1境界13は、第1分割線42と対向している。
【0035】
第1基板押えユニット20は、第1面11aとの間で基板40を挟持するように配置される。より具体的には、複数の第1ピン22は、第1凹部11cの底面との間で基板40を挟持している。但し、複数の第1ピン22は、好ましくは、第3凹部11dが形成されていない第1凹部11cの底面との間で基板40を挟持している。第2基板押えユニット30は、第3面12aとの間で基板40を挟持するように配置される。より具体的には、複数の第2ピン32は、第2凹部12cの底面との間で基板40を挟持している。但し、複数の第2ピン32は、好ましくは、第4凹部12dが形成されていない第2凹部12cの底面との間で基板40を挟持している。
【0036】
(基板分割治具100を用いた基板40の分割方法)
以下に、基板分割治具100を用いた基板40の分割方法を説明する。
【0037】
基板分割治具100を用いた基板40の分割方法では、第1に、基板分割治具100及び基板40が準備される。第2に、押え板15aが第1凹部11cの底面の上方及び第2凹部12cの底面の上方に位置しないように押え具15を回転させた状態で、基板40が第1凹部11cの底面及び第2凹部12c上に配置される。第3に、押え板15aが第1凹部11cの底面の上方及び第2凹部12cの底面の上方に位置するように押え具15を回転させることにより、基板40がベースプレートユニット10に固定される。
【0038】
基板分割治具100を用いた基板40の分割方法では、第4に、第1凹部11cの底面との間で基板40を挟持するように第1基板押えユニット20が配置されるとともに、第2凹部12cの底面との間で基板40を挟持するように第2基板押えユニット30が配置される。
【0039】
図9は、基板40が配置された状態で第1ベースプレート11を第2ベースプレート12に対して回転させた際の基板分割治具100の斜視図である。図9に示されるように、基板分割治具100を用いた基板40の分割方法では、第5に、ベースプレートユニット10、第1基板押えユニット20及び第2基板押えユニット30を把持した状態で、第2面11bが第4面12bに近づくように(すなわち、ベースプレートユニット10が山折りになるように)、第1ベースプレート11が第1回転軸回りに第2ベースプレート12に対して回転される。これにより、基板40が第1分割線42に沿って分割され、複数の基板41が得られることになる。
【0040】
(基板分割治具100の効果)
以下に、基板分割治具100の効果を説明する。
【0041】
基板40の分割を行う際に基板41aとなる基板40の部分及び基板41bとなる基板40の部分に局所的なひずみが加わると、基板41a、基板41b及びこれらに搭載されている部品50に損傷が生じることがある。このような損傷は、部品50が脆いセラミックを積層して形成されるセラミックコンデンサ51である場合に、特に生じやすい。
【0042】
基板分割治具100を用いて基板40の分割を行う際、基板41aとなる基板40の部分が第1面11aと第1基板押えユニット20とにより挟持されるとともに、基板41bとなる基板40の部分が第2面11bと第2基板押えユニット30とにより挟持されるため、基板分割治具100を用いて基板40の分割を行うに際して基板40の全体が十分に支持されることにより、基板41aとなる基板40の部分及び基板41bとなる基板40の部分に局所的なひずみが加わりにくい。そのため、基板分割治具100によると、基板41a、基板41b及びこれらに搭載されている部品50に損傷が生じることを抑制可能である。
【0043】
第1面11a及び第3面12aに第1凹部11c及び第2凹部12cがそれぞれ形成されている場合、第1凹部11cの底面及び第2凹部12cの底面上に基板40を配置することにより、基板40の位置決めを容易に行うことが可能である。第1凹部11cの底面及び第2凹部12cの底面にそれぞれ第3凹部11d及び第4凹部12dが形成されている場合、部品50aと第1ベースプレート11との干渉及び部品50bと第2ベースプレート12との干渉を回避することが可能である。
【0044】
複数の第1ピン22が第3凹部11dの形成されていない第1凹部11cの底面との間で基板40を挟持するように配置されているとともに、複数の第2ピン32が第4凹部12dの形成されていない第2凹部12cの底面との間で基板40を挟持するように配置されている場合には、主面40aが第1ベースプレート11により支持されていない基板40の部分を第1ピン22で押えてしまうことが回避されるとともに、主面40aが第2ベースプレート12により支持されていない部分を第2ピン32で押えてしまうことが回避される。そのため、この場合には、基板41aとなる基板40の部分及び基板41bとなる基板40の部分に局所的なひずみがさらに加わりにくくなり、基板41a、基板41b及びこれらに搭載されている部品50に損傷が生じることをさらに抑制可能である。
【0045】
(変形例)
第1基板押えユニット20は第1ピン22を有していなくてもよく、第2基板押えユニット30は第2ピン32を有していなくてもよい。この場合、基板40のサイズ及び第1分割線42の位置が共通していれば、基板40のその他の点が異なっていても、基板分割治具100を変更することなく用いることができる。また、この場合、基板40上における部品50の位置の自由度が向上するため、基板40の設計上の制約が少なくなる。
【0046】
実施の形態2.
実施の形態2に係る基板分割治具を説明する。実施の形態1に係る基板分割治具を、基板分割治具200とする。ここでは、基板分割治具100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0047】
(基板分割治具200の構成)
以下に、基板分割治具200の構成を説明する。
【0048】
図10は、基板40が配置された状態で第1ベースプレート11を第2ベースプレート12に対して回転させた際の基板分割治具200の斜視図である。図11は、第1部分11e及び第3部分12eを第2部分11f及び第4部分12fに対してそれぞれ回転させた際の基板分割治具200の斜視図である。図10及び図11に示されるように、基板分割治具200は、ベースプレートユニット10と、第1基板押えユニット20と、第2基板押えユニット30とを有している。この点に関して、基板分割治具200の構成は、基板分割治具100の構成と共通している。
【0049】
基板分割治具200では、第1ベースプレート11が第1部分11e及び第2部分11fを有しており、第2ベースプレート12が第3部分12e及び第4部分12fを有している。第1部分11e及び第3部分12eは、第1方向DR1において隣り合って配置されている。第2部分11f及び第4部分12fは、第1方向DR1において隣り合って配置されている。
【0050】
第1部分11eと第2部分11fとの境界である第2境界16は、第1方向DR1に沿っている。第3部分12eと第4部分12fとの境界である第3境界17は、第1方向DR1に沿っており、かつ第2境界16の延長線上にある。第1部分11eは、例えば蝶番(図示せず)により、第1方向DR1に沿う第2回転軸回りに回転可能に第2部分11fに連結されている。第3部分12eは、例えば蝶番(図示せず)により、第2回転軸回りに回転可能に第4部分12fに連結されている。
【0051】
基板40には、第1分割線42に直交する第2分割線48が形成されている。第2分割線48は、例えば、主面40aに形成されている溝及び主面40bに形成されている溝により構成されている。これらの溝は、断面視においてV字状であり、基板40の厚さ方向において対向している。基板40は、第2分割線48が第2境界16及び第3境界17に対向するように配置されている。図10及び図11に示される例では、基板40に4つの基板41が含まれている。これら4つの基板を、基板41c、基板41d、基板41e及び基板41fとすることがある。
【0052】
基板分割治具200は、第3基板押えユニット60をさらに有していてもよい。第3基板押えユニット60は、第3天板プレート61と、複数の第3ピン32とを有している。第3天板プレート61は、平板状の部材である。第3天板プレート61は、主面61aと主面61bとを有している。主面61a及び主面61bは、第3天板プレート61の厚さ方向における端面である。主面61bは、主面61aの反対面である。第3天板プレート61には、複数の貫通穴61cが形成されている。貫通穴61cは、第3天板プレート61を厚さ方向に沿って貫通している。複数の貫通穴61cの数は、複数の第3ピン62の数に等しい。平面視における貫通穴61cの形状は、例えば円形である。
【0053】
第3ピン62の一方端側は、貫通穴61cに挿入されている。これにより、第3ピン62は、第3天板プレート61に取り付けられている。第3ピン62は、例えば、円柱状である。第3ピン62は、主面61bから突出している。第3ピン62の他方端と主面61bとの間の距離は、複数の第3ピン62に関して、一定になっている。
【0054】
第3天板プレート61は、例えば、金属材料により形成されている。金属材料の具体例としては、例えばステンレス鋼等の鉄合金、銅合金、アルミニウム合金である。但し、第3天板プレート61は、金属材料以外により形成されていてもよい。第3天板プレート61は、例えば強化ガラス又は金属フィラーを含侵した樹脂材料により形成されていてもよい。すなわち、第3天板プレート61は、剛性のある材料により形成されていればよい。第3ピン62は、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂材料により形成されている。これらの点に関して、基板分割治具200の構成は、基板分割治具100の構成と異なっている。
【0055】
(基板分割治具200を用いた基板40の分割方法)
以下に、基板分割治具200を用いた基板40の分割方法を説明する。
【0056】
基板分割治具200を用いた基板40の分割方法では、第1に、基板分割治具200及び基板40が準備される。第2に、押え板15aが第1凹部11cの底面の上方及び第2凹部12cの底面の上方に位置しないように押え具15を回転させた状態で、基板40が第1凹部11cの底面及び第2凹部12c上に配置される。第3に、押え板15aが第1凹部11cの底面の上方及び第2凹部12cの底面の上方に位置するように押え具15を回転させることにより、基板40がベースプレートユニット10に固定される。
【0057】
基板分割治具200を用いた基板40の分割方法では、第4に、第1凹部11cの底面との間で基板40を挟持するように第1基板押えユニット20が配置されるとともに、第2凹部12cの底面との間で基板40を挟持するように第2基板押えユニット30が配置される。基板分割治具200を用いた基板40の分割方法では、第5に、ベースプレートユニット10、第1基板押えユニット20及び第2基板押えユニット30を把持した状態で、第2面11bが第4面12bに近づく(すなわち、ベースプレートユニット10が山折りになる)ように、第1ベースプレート11が第1回転軸回りに第2ベースプレート12に対して回転される。これにより、基板40が第1分割線42に沿って分割され、基板41a及び基板41bが得られる。
【0058】
基板分割治具200を用いた基板40の分割方法では、第6に、第1凹部11cの底面との間で基板41aを挟持するとともに、第2凹部12cの底面との間で基板41bを挟持するように第3基板押えユニット60が配置される。
【0059】
基板分割治具200を用いた基板40の分割方法では、第7に、ベースプレートユニット10及び第3基板押えユニット60を把持した状態で、第1部分11eにある第2面11bが第2部分11fにある第2面11bに近づく(すなわち、第1ベースプレート11が山折りになる)ように第1部分11eが第2回転軸回りに第2部分11fに対して回転される。この際、第3部分12eは、第3部分12eにある第4面12bが第4部分12fにある第4面12bに近づく(すなわち、第2ベースプレート12が山折りになる)ように、第2回転軸回りに第4部分12fに対して回転される。これにより、基板41a及び基板41bが第2分割線48に沿って分割され、基板41c、基板41d、基板41e及び基板41fが得られることになる。
【0060】
(基板分割治具200の効果)
以下に、基板分割治具200の効果を説明する。
【0061】
基板分割治具200を用いると、基板40を基板分割治具200に一度セットすることにより基板40に対する複数回の分割工程を行うことができるため、効率的に基板40の分割を行うことができる。
【0062】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であり、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の基本的な範囲は、上記の実施の形態ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0063】
10 ベースプレートユニット、11 第1ベースプレート、12 第2ベースプレート、11a 第1面、11b 第2面、11c 第1凹部、11d 第3凹部、11e 第1部分、11f 第2部分、12a 第3面、12b 第4面、12c 第2凹部、12d 第4凹部、12e 第3部分、12f 第4部分、13 第1境界、14 蝶番、15 押え具、15a 押え板、16 第2境界、17 第3境界、20 第1基板押えユニット、21 第1天板プレート、21a 主面、21b 主面、21c 貫通穴、30 第2基板押えユニット、31 第2天板プレート、31a,31b 主面、31c 貫通穴、40 基板、40a,40b 主面、41,41a,41b,41c,41d,41e,41f 基板、42 第1分割線、42a,42b 溝、43 基材、43a,43b 主面、44,45 導体パターン、46,47 ソルダレジスト、48 第2分割線、50,50a,50b 部品、51 セラミックコンデンサ、52 半導体パッケージ、53 接合部、60 第3基板押えユニット、61 第3天板プレート、61a,61b 主面、61c 貫通穴、100,200 基板分割治具、DR1 第1方向、DR2 第2方向、DR3 第3方向。
図1
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