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特許7603865プログラム、情報処理端末及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理端末及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/30 20130101AFI20241213BHJP
   H04M 1/72463 20210101ALI20241213BHJP
   G06F 21/55 20130101ALI20241213BHJP
【FI】
G06F21/30
H04M1/72463
G06F21/55 340
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024053438
(22)【出願日】2024-03-28
【審査請求日】2024-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592008055
【氏名又は名称】株式会社KDDIテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小岩井 航介
(72)【発明者】
【氏名】田中 翔真
(72)【発明者】
【氏名】玉尾 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】磯村 学
(72)【発明者】
【氏名】亀山 和真
【審査官】▲柳▼谷 侑
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-164867(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0314536(US,A1)
【文献】特開2014-103595(JP,A)
【文献】特開2012-208795(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0085329(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03907588(EP,A1)
【文献】国際公開第2018/235346(WO,A1)
【文献】特開2016-224851(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0110014(US,A1)
【文献】国際公開第2010/013715(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106293484(CN,A)
【文献】越野 亮,知識ゼロからのビジュアルAndroidアプリ開発,日経Linux 第15巻 第6号 NIKKEI Linux,日本,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.,2013年05月08日,第15巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/00
G06F 21/30 - 21/46
G06F 21/55
H04M 1/72463
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度を測定する加速度センサと、入力操作を受け付ける操作受付部とを有する端末を動作させるコンピュータを、
前記操作受付部が入力操作を受け付けた場合であって、前記端末において遠隔操作が許可されているプログラムが存在する場合に、前記操作受付部が入力操作を受け付けた時点を含む所定の期間において前記加速度センサが測定した加速度に基づいて、前記操作受付部が受け付けた入力操作が、前記端末を所持するユーザによる操作であるか否かを判定する判定処理を実行する判定部、及び
前記操作受付部が受け付けた入力操作が前記ユーザによる操作ではないと前記判定部が判定した場合に、前記操作受付部による所定の入力操作の受け付けを不能にする操作制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
加速度を測定する加速度センサと、入力操作を受け付ける操作受付部とを有する端末を動作させるコンピュータを、
定の表示画面において所定の入力操作が行われた場合に、前記端末を所持するユーザによる操作であるか否かを確認するための操作確認画面を前記端末の表示部に表示させる表示処理部、
前記操作受付部が前記操作確認画面において特定の入力操作を受け付けた場合に、前記操作受付部が前記特定の入力操作を受け付けた時点を含む所定の期間において前記加速度センサが測定した加速度に基づいて、前記操作受付部が受け付けた前記特定の入力操作が、前記端末を所持するユーザによる操作であるか否かを判定する判定処理を実行する判定部、
として機能させ、
前記表示処理部は、前記操作受付部が受け付けた前記特定の入力操作が前記ユーザによる操作ではないと前記判定部が判定した場合に、前記操作確認画面において再度の入力操作を促すためのメッセージを前記端末の表示部に表示させ、
前記コンピュータを、前記メッセージを表示させた後に前記操作受付部が受け付けた前記特定の入力操作が前記ユーザによる操作であるか否かの前記判定部による判定結果に基づいて、前記操作受付部による所定の入力操作の受け付けを不能にするか否かを制御する操作制御部としてさらに機能させる、
ログラム。
【請求項3】
前記判定部は、前記特定の入力操作として、前記操作確認画面内の領域を押下する操作が前記ユーザによる操作であるか否かを判定する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
前記端末は、前端末の表示部の表面における物体の接近を検出する近接センサをさらに有し、
前記判定部は、前記近接センサが物体の接近を検出した場合に、前記操作受付部が受け付けた入力操作が前記ユーザによる操作ではないと判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記端末は、前端末の表示部の表面における明るさを測定する照度センサをさらに有し、
前記判定部は、前記照度センサが測定した明るさを示す数値が所定の閾値を下回る場合に、前記操作受付部が受け付けた入力操作が前記ユーザによる操作ではないと判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、所定のセンサが測定した数値に基づいて前記判定処理を実行するための閾値であって機種ごとに定められた複数の閾値の中から、前記端末の機種に対応する閾値を取得する閾値取得部としてさらに機能させ、
前記判定部は、前記所定の期間において前記加速度センサによって測定された加速度が前記閾値取得部によって取得された前記閾値を上回るか否かに基づいて、前記判定処理を実行する、
請求項1からのいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、所定のセンサが測定した数値に基づいて前記判定処理を実行するための閾値を、所定の期間において前記所定のセンサが測定した数値の統計値に基づいて決定する閾値決定部としてさらに機能させ、
前記判定部は、前記所定の期間において前記加速度センサによって測定された加速度が前記閾値決定部によって決定された前記閾値を上回るか否かに基づいて、前記判定処理を実行する、
請求項1からのいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、前記端末において利用されている通信サービスの契約情報を取得する契約情報取得部としてさらに機能させ、
前記判定部は、前記契約情報取得部が取得した前記契約情報に基づいて、前記判定処理を実行する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記端末は、表示部をさらに有し、
前記判定部は、前記表示部において店舗にて決済を行うためのコード画像を表示する操作が前記ユーザによる操作であるか否かを判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記判定部は、さらに、前記操作受付部が前記コード画像を表示する操作を受け付けた受付時刻と、前記端末の移動履歴によって示される前記受付時刻の直前に前記端末が移動した移動時刻との関係に基づいて、前記判定処理を実行する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記端末は、表示部をさらに有し、
前記判定部は、前記端末が充電中である場合、前記操作受付部が受け付けた入力操作が前記ユーザによる操作ではないと判定し、
前記コンピュータを、充電の中止を促すためのメッセージを前記表示部に表示させる表示処理部としてさらに機能させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
情報処理端末であって、
加速度を測定する加速度センサと、
入力操作を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が入力操作を受け付けた場合であって、前記情報処理端末において遠隔操作が許可されているプログラムが存在する場合に、前記操作受付部が入力操作を受け付けた時点を含む所定の期間において前記加速度センサが測定した加速度に基づいて、前記操作受付部が受け付けた入力操作が、前記情報処理端末を所持するユーザによる操作であるか否かを判定する判定処理を実行する判定部と、
前記操作受付部が受け付けた入力操作が前記ユーザによる操作ではないと前記判定部が判定した場合に、前記操作受付部による所定の入力操作の受け付けを不能にする操作制御部と、
を有する情報処理端末。
【請求項13】
加速度を測定する加速度センサと、入力操作を受け付ける操作受付部とを有する端末を動作させるコンピュータが実行する、
前記操作受付部が入力操作を受け付けた場合であって、前記端末において遠隔操作が許可されているプログラムが存在する場合に、前記操作受付部が入力操作を受け付けた時点を含む所定の期間において前記加速度センサが測定した加速度に基づいて、前記操作受付部が受け付けた入力操作が、前記端末を所持するユーザによる操作であるか否かを判定する判定処理を実行するステップと、
前記操作受付部が受け付けた入力操作が前記ユーザによる操作ではないと判定した場合に、前記操作受付部による所定の入力操作の受け付けを不能にするステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項14】
情報処理端末であって、
加速度を測定する加速度センサと、
入力操作を受け付ける操作受付部と、
所定の表示画面において所定の入力操作が行われた場合に、前記情報処理端末を所持するユーザによる操作であるか否かを確認するための操作確認画面を前記情報処理端末の表示部に表示させる表示処理部と、
前記操作受付部が前記操作確認画面において特定の入力操作を受け付けた場合に、前記操作受付部が前記特定の入力操作を受け付けた時点を含む所定の期間において前記加速度センサが測定した加速度に基づいて、前記操作受付部が受け付けた前記特定の入力操作が、前記情報処理端末を所持するユーザによる操作であるか否かを判定する判定処理を実行する判定部と、
を有し、
前記表示処理部は、前記操作受付部が受け付けた前記特定の入力操作が前記ユーザによる操作ではないと前記判定部が判定した場合に、前記操作確認画面において再度の入力操作を促すためのメッセージを前記情報処理端末の表示部に表示させ、
前記メッセージを表示させた後に前記操作受付部が受け付けた前記特定の入力操作が前記ユーザによる操作であるか否かの前記判定部による判定結果に基づいて、前記操作受付部による所定の入力操作の受け付けを不能にするか否かを制御する操作制御部をさらに有する、
情報処理端末。
【請求項15】
加速度を測定する加速度センサと、入力操作を受け付ける操作受付部とを有する端末を動作させるコンピュータが実行する、
所定の表示画面において所定の入力操作が行われた場合に、前記端末を所持するユーザによる操作であるか否かを確認するための操作確認画面を前記端末の表示部に表示させるステップと、
前記操作受付部が前記操作確認画面において特定の入力操作を受け付けた場合に、前記操作受付部が前記特定の入力操作を受け付けた時点を含む所定の期間において前記加速度センサが測定した加速度に基づいて、前記操作受付部が受け付けた前記特定の入力操作が、前記端末を所持するユーザによる操作であるか否かを判定する判定処理を実行するステップと、
前記操作受付部が受け付けた前記特定の入力操作が前記ユーザによる操作ではないと判定した場合に、前記操作確認画面において再度の入力操作を促すためのメッセージを前記端末の表示部に表示させるステップと、
前記メッセージを前記端末の表示部に表示させた後に前記操作受付部が受け付けた前記特定の入力操作に対して前記判定処理を実行するステップと、
前記判定処理における判定結果に基づいて、前記操作受付部による所定の入力操作の受け付けを不能にするか否かを制御するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理端末及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータに感染したコンピュータウイルスを駆除する方法として、コンピュータウイルスを駆除するための駆除プログラムが用いられている。特許文献1には、最新バージョンの駆除プログラムを早期に適用するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-159975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コンピュータウイルスをはじめとする不正なアプリケーションプログラム(以下、「不正アプリ」という。)を駆除するためには、当該不正アプリに対応する最新バージョンの駆除プログラムを適用しならければならない。そのため、不正アプリが端末に侵入してから、当該不正アプリに対応する最新バージョンの駆除プログラムが端末に適用されるまでの間においては、当該不正アプリによる不正な動作に対処することができない場合がある。そのため、最新バージョンの駆除プログラムを適用すること以外の方法で対策することが求められている。
【0005】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、不正アプリによる被害の発生を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかるプログラムは、加速度を測定する加速度センサと、入力操作を受け付ける操作受付部とを有する端末を動作させるコンピュータを、前記操作受付部が入力操作を受け付けた場合に、前記操作受付部が入力操作を受け付けた時点を含む所定の期間において前記加速度センサが測定した加速度に基づいて、前記操作受付部が受け付けた入力操作が、前記端末を所持するユーザによる操作であるか否かを判定する判定処理を実行する判定部、及び前記操作受付部が受け付けた入力操作が前記ユーザによる操作ではないと前記判定部が判定した場合に、前記判定部が前記判定処理を実行した後における前記操作受付部による所定の入力操作の受け付けを不能にする操作制御部、として機能させる。
【0007】
前記判定部は、前記端末において遠隔操作が許可されているプログラムが存在する場合に、前記判定処理を実行してもよい。
【0008】
前記端末は、表示部をさらに有してもよいし、前記コンピュータを、所定の表示画面において所定の入力操作が行われた場合に、前記ユーザによる操作であるか否かを確認するための操作確認画面を前記表示部に表示させる表示処理部としてさらに機能させてもよいし、前記判定部は、前記操作確認画面における特定の入力操作が前記ユーザによる操作であるか否かを判定してもよい。
【0009】
前記判定部は、前記特定の入力操作として、前記操作確認画面内の領域を押下する操作が前記ユーザによる操作であるか否かを判定してもよい。
【0010】
前記表示処理部は、前記特定の入力操作が前記ユーザによる操作ではないと前記判定部が判定した場合、前記操作制御部が前記操作受付部による所定の入力操作の受け付けを不能にする前に、前記操作確認画面において再度の入力操作を促すためのメッセージを前記表示部に表示させてもよい。
【0011】
前記端末は、表示部と、前記表示部の表面における物体の接近を検出する近接センサとをさらに有してもよいし、前記判定部は、前記近接センサが物体の接近を検出した場合に、前記操作受付部が受け付けた入力操作が前記ユーザによる操作ではないと判定してもよい。
【0012】
前記端末は、表示部と、前記表示部の表面における明るさを測定する照度センサとをさらに有してもよいし、前記判定部は、前記照度センサが測定した明るさを示す数値が所定の閾値を下回る場合に、前記操作受付部が受け付けた入力操作が前記ユーザによる操作ではないと判定してもよい。
【0013】
前記コンピュータを、所定のセンサが測定した数値に基づいて前記判定処理を実行するための閾値であって機種ごとに定められた複数の閾値の中から、前記端末の機種に対応する閾値を取得する閾値取得部としてさらに機能させてもよいし、前記判定部は、前記所定の期間において前記加速度センサによって測定された加速度が前記閾値取得部によって取得された前記閾値を上回るか否かに基づいて、前記判定処理を実行してもよい。
【0014】
前記コンピュータを、所定のセンサが測定した数値に基づいて前記判定処理を実行するための閾値を、所定の期間において前記所定のセンサが測定した数値の統計値に基づいて決定する閾値決定部としてさらに機能させてもよいし、前記判定部は、前記所定の期間において前記加速度センサによって測定された加速度が前記閾値決定部によって決定された前記閾値を上回るか否かに基づいて、前記判定処理を実行してもよい。
【0015】
前記コンピュータを、前記端末において利用されている通信サービスの契約情報を取得する契約情報取得部としてさらに機能させてもよいし、前記判定部は、前記契約情報取得部が取得した前記契約情報に基づいて、前記判定処理を実行してもよい。
【0016】
前記端末は、表示部をさらに有してもよいし、前記判定部は、前記表示部において店舗にて決済を行うためのコード画像を表示する操作が前記ユーザによる操作であるか否かを判定してもよい。
【0017】
前記判定部は、さらに、前記操作受付部が前記コード画像を表示する操作を受け付けた受付時刻と、前記端末の移動履歴によって示される前記受付時刻の直前に前記端末が移動した移動時刻との関係に基づいて、前記判定処理を実行してもよい。
【0018】
前記端末は、表示部をさらに有してもよいし、前記判定部は、前記端末が充電中である場合、前記操作受付部が受け付けた入力操作が前記ユーザによる操作ではないと判定してもよいし、前記コンピュータを、充電の中止を促すためのメッセージを前記表示部に表示させる表示処理部としてさらに機能させてもよい。
【0019】
本発明の第2の態様にかかる情報処理端末は、加速度を測定する加速度センサと、入力操作を受け付ける操作受付部と、前記操作受付部が入力操作を受け付けた場合に、前記操作受付部が入力操作を受け付けた時点を含む所定の期間において前記加速度センサが測定した加速度に基づいて、前記操作受付部が受け付けた入力操作が、前記情報処理端末を所持するユーザによる操作であるか否かを判定する判定処理を実行する判定部と、前記操作受付部が受け付けた入力操作が前記ユーザによる操作ではないと前記判定部が判定した場合に、前記判定部が前記判定処理を実行した後における所定の入力操作の受け付けを不能にする操作制御部と、を有する。
【0020】
本発明の第3の態様にかかる情報処理方法は、加速度を測定する加速度センサと、入力操作を受け付ける操作受付部とを有する端末を動作させるコンピュータが実行する、前記操作受付部が入力操作を受け付けた場合に、前記操作受付部が入力操作を受け付けた時点を含む所定の期間において前記加速度センサが測定した加速度に基づいて、前記操作受付部が受け付けた入力操作が、前記端末を所持するユーザによる操作であるか否かを判定する判定処理を実行するステップと、前記操作受付部が受け付けた入力操作が前記ユーザによる操作ではないと判定した場合に、前記判定処理を実行した後における前記操作受付部による所定の入力操作の受け付けを不能にするステップと、を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、不正な動作による被害の発生を低減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】情報処理端末の機能構成を模式的に示す図である。
図2】表示部に表示される表示画面を模式的に表した図である。
図3】操作確認画面の変形例を模式的に表した図である。
図4】情報処理端末の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[情報処理端末の概要]
情報処理端末は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等のように、ユーザが手で持ちながら使用する端末を動作させるコンピュータである。ユーザは、例えば、情報処理端末の所有者である。
【0024】
情報処理端末には、加速度を測定するセンサをはじめとする様々なセンサが備えられている。また、情報処理端末には、不正操作を検出するためのアプリケーションプログラム(以下、「検出アプリ」という。)、ユーザがネットショッピングを利用するためのアプリケーションプログラム(以下、「ショッピングアプリ」という。)及びユーザが店舗において決済するためのアプリケーションプログラム(以下、「決済アプリ」という。)等を含む様々なアプリケーションプログラムがインストールされている。本明細書においては、検出アプリと他のアプリ(例えば、ショッピングアプリ及び決済アプリ等)とが異なるアプリである例を説明するが、これに限らず、他のアプリが、検出アプリの機能(不正操作を検出するための機能)を含んでもよい。
【0025】
ユーザは、意図せずに不正なアプリケーションプログラム(以下、「不正アプリ」という。)を情報処理端末にインストールしてしまう場合がある。例えば、情報処理端末を遠隔で操作することが可能な不正アプリがインストールされ、情報処理端末を遠隔で操作するための権限が不正アプリに付与されてしまうと、ユーザ以外の者である他者は、当該他者が使用する不図示の他者端末(例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等)を介して、情報処理端末にアクセスし、アクセスした情報処理端末を操作することが可能になる。
【0026】
一般的に、ネットショッピングでは、購入ボタン又は決済ボタン等の所定のボタンが押下されたことを契機として決済処理が実行される。情報処理端末を手に持ったユーザが情報処理端末に表示された所定のボタンを押下する場合、情報処理端末のディスプレイにおいて所定のボタンが表示された箇所をタップするため、情報処理端末には、ユーザによるタップによって振動が生じる。一方、他者が情報処理端末のディスプレイに表示された所定のボタンを押下する場合、情報処理端末自体ではなく、他者端末を介して所定のボタンを押下するため、情報処理端末には、他者が所定のボタンを押下しても振動が生じない。
【0027】
このように、ユーザによる操作と他者による操作とに応じて情報処理端末に発生する振動が異なるため、情報処理端末が操作されたときの振動に基づいて、当該操作がユーザによる操作であるか否かを判断することができ得る。そこで、情報処理端末は、操作を受け付けたときの振動に基づいて、当該操作がユーザによる操作であるか否かを判定し、判定した結果に応じて操作の受け付けを制御する。
【0028】
まず、情報処理端末は、所定の操作を受け付ける。所定の操作は、例えば、ボタンが押下される操作である。所定の操作は、例えば、ユーザによる操作及び他者のうちのいずれかの者による操作である。
【0029】
情報処理端末は、受け付けた操作がユーザによる操作であるか否かを判定する判定処理を実行する。情報処理端末は、例えば、ボタンが押下されたときに振動が発生したか否かに基づいて、受け付けた操作がユーザによる操作であるか否かを判定する。
【0030】
そして、情報処理端末は、判定処理の判定結果に応じて操作の受け付けを制御する。情報処理端末は、例えば、ボタンが押下されたときに振動が発生した場合、受け付けた操作がユーザによる操作であると判定し、操作の受け付けを制限せずに、その後の操作を受け付ける。一方、情報処理端末は、ボタンが押下されたときに振動が発生しなかった場合、受け付けた操作がユーザによる操作ではないと判定し、その後の操作の受け付けを不能にする。
【0031】
このようにすることで、情報処理端末は、最新バージョンの駆除プログラムを適用しなくても、他者による不正な操作に対応することができる。これにより、情報処理端末は、他者による不正な操作を受け付けてしまう事態の発生を低減することができる。その結果、情報処理端末は、不正アプリによる被害の発生を低減させることができる。
以下、情報処理端末の構成について説明する。
【0032】
[情報処理端末1の構成]
図1は、情報処理端末1の機能構成を模式的に示す図である。情報処理端末1は、表示部11と、操作部12と、通信部13と、加速度センサ14と、近接センサ15と、照度センサ16と、記憶部17と、制御部18とを備える。図1において、矢印は主なデータの流れを示しており、図1に示していないデータの流れがあってもよい。図1において、各機能ブロックはハードウェア(端末)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図1に示す機能ブロックは単一の端末内に実装されてもよく、あるいは複数の端末内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0033】
表示部11は、例えば、情報を表示するディスプレイである。操作部12は、例えば、表示部11に重ねられたタッチパネルである。通信部13は、ネットワークに接続するための通信インターフェースであり、外部の装置からデータを受信するための通信コントローラを有する。
【0034】
加速度センサ14は、加速度を測定するセンサである。近接センサ15は、表示部11の表面における物体の接近を検出するセンサである。照度センサ16は、表示部11の表面における明るさを測定するセンサである。
【0035】
記憶部17は、情報処理端末1を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や情報処理端末1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
【0036】
制御部18は、情報処理端末1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部17に記憶されたプログラムを実行することによって、操作受付部181、判定部182、取得部183、表示処理部184及び操作制御部185として機能する。
【0037】
操作受付部181は、操作者による入力操作を受け付ける。操作者は、ユーザ及び他者のうちのいずれかの者である。例えば、情報処理端末1を所持するユーザが情報処理端末1を操作する場合、操作受付部181は、操作部12を介して、ユーザによる操作を入力操作として受け付ける。また、例えば、情報処理端末1を所持していない他者であって他者端末を所持する他者が情報処理端末1を操作する場合、操作受付部181は、通信部13を介して、他者端末における他者による操作を入力操作として受け付ける。
【0038】
判定部182は、操作受付部181が入力操作を受け付けた場合に、測定期間において加速度センサ14が測定した加速度に基づいて、操作受付部181が受け付けた入力操作が、ユーザによる操作であるか否かを判定する判定処理を実行する。測定期間は、操作受付部181が入力操作を受け付けた時点を含む期間であり、具体的には、入力操作によって生じる情報処理端末1の振動を特定するために定められた期間である。測定期間は、例えば、操作受付部181が入力操作を受け付けた時点を基準とした前後5秒又は10秒等の期間である。
【0039】
判定部182は、例えば、測定期間において加速度センサ14が測定した加速度と、加速度閾値との関係に基づいて、操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作であるか否かを判定する。加速度閾値は、例えば、表示部11がタップされることによって生じる情報処理端末1の振動を特定するために定められた数値である。
【0040】
具体的には、判定部182は、測定期間において加速度センサ14が測定した加速度が加速度閾値を上回る場合に、操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作であると判定する。一方、判定部182は、測定期間において加速度センサ14が測定した加速度が加速度閾値を上回らない場合に、操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作ではないと判定する。
【0041】
操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作ではないと判定部182が判定した場合、表示処理部184は、情報処理端末1を持つように促すメッセージ(例えば、「スマートフォンを手に持ってから操作してください。」等)を表示部11に表示させてもよい。その後、判定部182は、表示処理部184がメッセージを表示させた時点から所定の期間が経過するまでの間において加速度センサ14が測定した加速度に基づいて判定処理を再度実行してもよい。
【0042】
ここで、加速度センサ14が測定する加速度は、情報処理端末1の機種に応じて測定される数値が異なる場合がある。そこで、情報処理端末1は、情報処理端末1の機種に応じた加速度閾値を用いて判定処理を実行してもよい。具体的には、情報処理端末1は、以下の2つのステップを実行することにより、情報処理端末1の機種に応じた加速度閾値を用いて判定処理を実行する。
【0043】
第1のステップとして、取得部183は、加速度閾値を取得する閾値取得部として機能し、加速度センサ14が測定した数値に基づいて判定処理を実行するための加速度閾値であって機種ごとに定められた複数の加速度閾値の中から、情報処理端末1の機種に対応する加速度閾値を外部のサーバから取得する。外部のサーバは、例えば、検出アプリを管理するサーバである。
【0044】
例えば、取得部183は、情報処理端末1の機種を示す情報を含む要求であって、加速度閾値の送信要求を外部のサーバに送信する。外部のサーバは、管理する複数の加速度閾値の中から、送信要求に含まれる情報によって示される情報処理端末1の機種に対応する加速度閾値を選択し、選択した加速度閾値を情報処理端末1に送信する。そして、取得部183は、情報処理端末1から加速度閾値を取得する。
【0045】
なお、上記の例では加速度閾値を外部のサーバから取得することによって、情報処理端末1の機種に応じた加速度閾値を用いた判定処理を実行することとしたが、これに限らない。情報処理端末1は、例えば、加速度センサ14が測定した数値に基づいて加速度閾値を決定してもよい。
【0046】
取得部183は、加速度閾値を決定する閾値決定部としてさらに機能する。この場合において、取得部183は、加速度センサ14が測定した数値に基づいて判定処理を実行するための加速度閾値を、所定の期間において加速度センサ14が測定した数値の統計値に基づいて決定する。
【0047】
例えば、まず、取得部183は、加速度センサ14が測定した数値を記憶部17に記憶させる。取得部183は、記憶部17に記憶されている所定の期間において加速度センサ14が測定した数値の統計値(例えば、平均値、中央値、最頻値等)を算出することにより、加速度センサ14が測定する数値のベースとなるベース値を決定する。所定の期間は、一般的なユーザが繰り返しタップを行った際に、複数回のタップが行われる期間となるように設定された期間であり、例えば、1秒以下から数秒程度の間で設定されることが好ましい。ベース値においては、所定の期間において加速度センサ14が測定した数値を平均して求めればよいが、所定の期間において加速度センサ14が測定した数値から、所定の割合の上位の値についてフィルタにより除外してから統計値を求めると、異常値にとらわれない計測が可能となるので、より好ましい。なお、取得部183は、加速度センサ14が測定した測定値をベクトル値として扱ってベース値を決定しても良いし、各軸のスカラー値として扱ってベース値を決定してもよい。
【0048】
そして、取得部183は、加速度センサ14のゼロ値と、決定したベース値とに基づいて、加速度閾値を決定する。取得部183は、例えば、加速度センサ14のゼロ値と、決定したベース値との乖離値に対して数倍の値(例えば、乖離値に乗算させる所定の係数)を設定しても良いし、乖離値又はベース値に所定値を加えるとしても良いし、両者を併用しても良い。また、取得部183が加速度閾値を決定する方法については、公知の決定法を採用することもできる。なお、取得部183は、加速度センサ14の測定方向のすべてに対応する加速度閾値を算出しても良いし、一部の方向に対応する加速度閾値を算出してもよい。また、取得部183は、所定の期間において加速度センサ14が測定した数値の最大値及び最小値に基づいてノイズレベルを決定してもよい。
【0049】
このようにすることで、機種を示す情報が外部のサーバに含まれない情報処理端末1であっても、加速度閾値を設定することができるとともに、端末それ自体の測定結果を用いるのであるから、端末固有の加速度センサの個体差も吸収できることとなる。なお、このような、加速度センサの平均値に基づく加速度閾値の設定処理は、すべての端末で行うことも可能であるし、外部サーバに機種を示す情報が含まれていなかった場合のみ、当該設定処理を行うとすることもできる。
【0050】
第2のステップとして、判定部182は、測定期間において加速度センサ14によって測定された加速度が取得部183によって取得された加速度閾値又は決定された加速度閾値を上回るか否かに基づいて、判定処理を実行する。このようにすることで、情報処理端末1は、情報処理端末1の機種に応じて生じる判定処理の精度のばらつきを低減させることができる。
【0051】
操作制御部185は、判定部182による判定処理の判定結果に応じて操作受付部181による所定の入力操作の受け付けを制御する。所定の入力操作は、例えば、ボタンを押下する操作である。操作制御部185は、操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作であると判定部182が判定した場合、操作受付部181の機能を制限せずに、操作受付部181に入力操作を受け付けさせる。
【0052】
一方、操作制御部185は、操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作ではないと判定部182が判定した場合に、判定部182が判定処理を実行した後における操作受付部181による所定の入力操作の受け付けを不能にする。操作制御部185は、例えば、操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作ではないと判定部182が判定した場合、判定部182が判定した時点から予め定められた期間(例えば、30分、1時間等)が経過するまで、判定部182が判定処理を実行した後における操作受付部181による所定の入力操作の受け付けを不能にする。この場合、表示処理部184は、例えば、「操作の受け付けをロックしました。ロックが解除されるまでしばらくおまちください。」等のようなメッセージを表示部11に表示させてもよい。
【0053】
上記において、測定期間が、操作受付部181が入力操作を受け付けた時点を基準とした期間である例を説明したが、これに限らない。例えば、測定期間は、ユーザによる操作であるか否かを確認するための操作確認画面が表示される期間であってもよい。この場合、情報処理端末1は、以下の2つのステップを実行することにより、判定処理を実行する。
【0054】
第1のステップとして、表示処理部184は、所定の表示画面において所定の入力操作が行われた場合に、操作確認画面を表示部11に表示させる。所定の表示画面は、例えば、ショッピングアプリにおいて商品を購入するための購入画面である。所定の入力操作は、例えば、購入画面において商品を購入する購入ボタンの押下である。
【0055】
例えば、まず、ユーザが、ショッピングアプリの購入画面において購入ボタンを押下する操作を行うと、ショッピングアプリは、入力操作が不正な操作であるかを検出するために検出アプリを起動させる。そして、表示処理部184は、検出アプリが起動されたことを契機として、操作確認画面を表示部11に表示させる。
【0056】
第2のステップとして、判定部182は、操作確認画面が表示されている期間に加速度センサ14が測定した加速度に基づいて、操作確認画面において特定の入力操作がユーザによる操作であるか否かを判定する。具体的には、判定部182は、特定の入力操作として、操作確認画面内の領域を押下する操作がユーザによる操作であるか否かを判定する。
【0057】
判定部182は、例えば、操作確認画面が表示されている期間として、操作確認画面内の領域が押下された押下時点を基準とした所定の期間(例えば、押下時点の前後5秒の期間等)に加速度センサ14が測定した加速度に基づいて、操作確認画面内の領域を押下する操作がユーザによる操作であるか否かを判定してもよい。また、例えば、操作確認画面内の領域を複数回にわたって押下する操作が行われた場合、判定部182は、操作確認画面が表示されている期間として、操作確認画面内の領域が押下されるごとに当該押下に対応する押下時点を基準とした所定の期間に加速度センサ14が測定した加速度に基づいて、操作確認画面内の領域を複数回にわたって押下する操作がユーザによる操作であるか否かを判定してもよい。なお、判定部182は、他の表示画面から操作確認画面に切り替わった時点から、操作確認画面において所定の操作が行われることによって他の表示画面に切り替わる時点までの期間において加速度センサ14が測定した加速度に基づいて、操作確認画面内の領域を押下する操作がユーザによる操作であるか否かを判定してもよい。
【0058】
図2は、表示部11に表示される表示画面を模式的に表した図である。図2(a)に示す表示画面は、ショッピングアプリの購入画面である。図2(a)に示す例において、操作者がショッピングアプリの購入画面において「購入する」ボタンを押下する操作を行うと、表示処理部184は、図2(b)に示す表示画面に切り替えて表示させる。
【0059】
図2(b)に示す表示画面は、検出アプリの操作確認画面である。図2(b)に示す例において、操作者が操作確認画面において「次へ」ボタンを押下する操作を行うと、判定部182は、操作確認画面が表示されている期間において加速度センサ14が測定した加速度に基づいて、「次へ」ボタンの押下がユーザによる操作であるか否かを判定する。このようにすることで、情報処理端末1は、表示部11がタップされることによって生じる情報処理端末1の振動を特定しやすくすることができる。
【0060】
判定部182は、操作確認画面において指定された領域を押下する操作がユーザによる操作であるか否かを判定してもよい。図3は、操作確認画面の変形例を模式的に表した図である。
【0061】
図3(a)に示す操作確認画面には、それぞれ異なる番号が表示された複数のボタンが設けられている。この場合において、操作者が、複数のボタンの中から、所定のアプリケーションプログラム(例えば、SMS(Short Message Service)、ショッピングアプリ又は検出アプリ等)から通知された番号に対応するボタンを押下する操作を行うと、判定部182は、押下されたボタンが通知された番号に対応するボタンであるか否かと、ボタンの押下がユーザによる操作であるか否かと、を判定する。
【0062】
続いて、図3(b)に示す操作確認画面には、それぞれ異なる文字が表示された複数のボタンと、複数のボタンを押下する順序を指定するためのメッセージとが表示されている。この場合において、操作者が、指定された順序で複数のボタンを押下する操作を行うと、判定部182は、指定された順序で複数のボタンが押下されたか否かと、ボタンの押下がユーザによる操作であるか否かと、を判定する。
【0063】
判定部182は、操作確認画面で押下されたボタンごとに、当該ボタンの押下がユーザによる操作であるか否かを判定してもよい。図3(b)に示す例では、操作確認画面に4つのボタンが設けられているため、判定部182は、操作確認画面が表示されている期間において加速度閾値を上回る加速度を加速度センサ14が4回測定したか否かに基づいて、当該ボタンの押下がユーザによる操作であるか否かを判定する。
【0064】
判定部182は、操作確認画面が表示されている期間において加速度閾値を上回る加速度を加速度センサ14が4回測定した場合、ボタンの押下がユーザによる操作であると判定する。一方、判定部182は、操作確認画面が表示されている期間において加速度閾値を上回る加速度を加速度センサ14が測定した回数が4回未満である場合、ボタンの押下がユーザによる操作ではないと判定する。このようにすることで、情報処理端末1は、判定処理の精度を向上させることができる。なお、判定部182は、操作確認画面が表示されている期間において加速度閾値を上回る加速度を加速度センサ14が1回以上測定した場合、ボタンの押下がユーザによる操作であると判定してもよい。
【0065】
押下されたボタンが通知された番号に対応するボタンではないと判定部182が判定した場合、又は指定された順序で複数のボタンが押下されていないと判定部182が判定した場合、表示処理部184は、操作確認画面を再度表示させてもよい。具体的には、表示処理部184は、特定の入力操作がユーザによる操作ではないと判定部182が判定した場合、操作制御部185が操作受付部181による所定の入力操作の受け付けを不能にする前に、操作確認画面において再度の入力操作を促すためのメッセージを表示する。
【0066】
判定部182は、表示処理部184がメッセージを表示させた後に、操作確認画面において特定の入力操作がユーザによる操作であるか否かを判定する。このように、情報処理端末1は、複数回にわたって判定処理を実行することにより、特定の入力操作がユーザによる操作であるか否かを判定する精度を向上させることができる。なお、判定部182は、押下されたボタンが通知された番号に対応するボタンではないと判定部182が判定した場合、又は指定された順序で複数のボタンが押下されていないと判定部182が判定した場合、ボタンの押下がユーザによる操作ではないと判定してもよい。例えば、操作制御部185は、ボタンの押下がユーザによる操作ではないと判定部182が判定した回数が所定の閾値を上回るまでは操作受付部181による所定の入力操作の受け付けを不能にし、ボタンの押下がユーザによる操作ではないと判定部182が判定した回数が所定の閾値を上回った場合、操作受付部181による操作の受け付けをロックしてもよい。
【0067】
操作制御部185は、判定部182による判定処理の判定結果に応じて操作受付部181による所定の入力操作の受け付けを制御するとともに、判定部182による判定処理の判定結果を、検出アプリを起動させた他のアプリケーションプログラム(例えば、ショッピングアプリ)に通知してもよい。例えば、操作確認画面におけるボタンの押下がユーザによる操作であることを判定結果が示す場合、ショッピングアプリは、決済を実行する。一方、操作確認画面におけるボタンの押下がユーザによる操作ではないことを判定結果が示す場合、ショッピングアプリは、決済を中断する。
【0068】
上記において、特定の入力操作が、操作確認画面内の領域を押下する操作である例を説明したが、これに限らない。例えば、特定の入力操作は、店舗において決済を行うためのコード画像を表示する操作であってもよい。具体的には、判定部182は、表示部11においてコード画像を表示する操作がユーザによる操作であるか否かを判定する。例えば、まず、コード画像を表示する操作として、情報処理端末1にインストールされている決済アプリの表示画面においてコード画像を表示するためのボタンを押下する操作を操作者が行うと、決済アプリは、検出アプリを起動させる。そして、判定部182は、検出アプリが起動された時点を含む測定期間において加速度センサ14が測定した加速度に基づいて、表示部11においてコード画像を表示する操作がユーザによる操作であるか否かを判定する。この場合における測定期間は、例えば、検出アプリが起動された時点から5秒又は10秒等の所定の期間前までの期間である。
【0069】
その後、操作制御部185は、判定部182による判定処理の判定結果に応じて操作受付部181による所定の入力操作の受け付けを制御するとともに、判定部182による判定処理の判定結果を、検出アプリを起動させた決済アプリに通知する。例えば、コード画像を表示する操作がユーザによる操作であることを判定結果が示す場合、決済アプリは、コード画像を表示部に表示させる。一方、コード画像を表示する操作がユーザによる操作ではないことを判定結果が示す場合、決済アプリは、コード画像を表示せずに処理を中断する。このようにすることで、情報処理端末1は、判定処理の判定結果に応じてコード画像の表示を制御することができる。
【0070】
ここで、情報処理端末1が充電中である場合、ユーザが情報処理端末1を店舗での決済に用いていない蓋然性が高いことが考えられる。そこで、判定部182は、情報処理端末1が充電中であるか否かに応じて、判定処理を実行してもよい。
【0071】
具体的には、判定部182は、情報処理端末1が充電中であるか否かを検出する充電検出部としてさらに機能し、情報処理端末1が充電中であることを検出した場合、操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作ではないと判定する。情報処理端末1が充電中であることを検出したことにより、入力操作がユーザによる操作ではないと判定部182が判定した場合、表示処理部184は、充電の中止を促すためのメッセージを表示部11に表示させてもよい。また、情報処理端末1が充電中であることを検出したことにより、入力操作がユーザによる操作ではないと判定部182が判定した場合、操作制御部185は、判定部182による判定処理の判定結果に応じて操作受付部181による所定の入力操作の受け付けを制御するとともに、判定部182による判定処理の判定結果を、検出アプリを起動させた決済アプリに通知してもよい。決済アプリは、入力操作がユーザによる操作ではないことを示す判定結果を取得すると、決済処理を中断する。このようにすることで、情報処理端末1は、判定処理の精度が低下し得る状態で入力操作がユーザによる操作であると判定してしまうことを防ぐことができる。
【0072】
表示処理部184がメッセージを表示させた場合、判定部182は、表示処理部184がメッセージを表示させた時点から情報処理端末1の充電が中止されたことを検出した時点までの期間において加速度センサ14が測定した加速度が他の加速度閾値を上回るか否かに基づいて、情報処理端末1の取り扱いがユーザによるものであるか否かを判定してもよい。他の加速度閾値は、入力操作の判定用に用いられる加速度閾値とは異なる閾値であるが、これに限らず、入力操作の判定用に用いられる加速度閾値と同じ閾値であってもよい。
【0073】
判定部182は、表示処理部184がメッセージを表示させた時点から情報処理端末1の充電が中止されたことを検出した時点までの期間が、期間閾値(例えば、30秒、1分等)を下回る場合に、判定処理を実行してもよい。このようにすることで、情報処理端末1は、表示部11のタップ以外の取り扱いによって発生する振動に基づいて、当該情報処理端末1の取り扱いがユーザによるものであるか否かを判定することができる。なお、情報処理端末1は、充電が中止されたことを検出した場合、決済処理の実行を許可してもよい。例えば、決済アプリは、充電の中止が検出された場合、決済処理を実行(例えば、コード画像の表示部への表示等)してもよい。
【0074】
ここで、店舗において決済が行われる場合、情報処理端末1を所持するユーザが決済の前に店舗に移動したことが考えられる。そこで、判定部182は、コード画像が表示される前における情報処理端末1の移動に基づいて、判定処理を実行してもよい。例えば、情報処理端末1には、移動履歴が記憶されている。移動履歴は、情報処理端末1が移動した履歴であり、例えば、所定の間隔で情報処理端末1の位置が測定された時刻が含まれる。
【0075】
具体的には、判定部182は、さらに、操作受付部181がコード画像を表示する操作を受け付けた受付時刻と、情報処理端末1の移動履歴によって示される受付時刻の直前に情報処理端末1が移動した移動時刻との関係に基づいて、判定処理を実行する。受付時刻の直前に情報処理端末1が移動した移動時刻は、例えば、受付時刻に最も近い時刻であって、情報処理端末1が所定の距離閾値(例えば、10メートル、100メートル等)以上の距離を移動した直後の情報処理端末1の位置が測定された時刻である。
【0076】
判定部182は、例えば、加速度センサ14が測定した加速度が加速度閾値を上回り、かつ、受付時刻と移動時刻との差が所定の時刻閾値(例えば、5分、30分等)を下回る場合に、コード画像を表示する操作がユーザによる操作であると判定する。一方、判定部182は、加速度センサ14が測定した加速度が加速度閾値を下回る場合、又は、受付時刻と移動時刻との差が所定の時刻閾値(例えば、5分、30分等)を上回る場合に、コード画像を表示する操作がユーザによる操作ではないと判定する。このようにすることで、情報処理端末1は、判定処理の精度を向上させることができる。
【0077】
入力操作がユーザによる操作であるか否かについては、加速度センサ14が測定した加速度以外のセンサが測定した情報に基づいて判断できる場合がある。例えば、情報処理端末1がバッグ又はユーザの被服のポケット等にしまわれている場合、その間における入力操作がユーザによる操作ではない蓋然性が高いことが考えられる。そこで、判定部182は、近接センサ15の検出結果を用いて、判定処理を実行してもよい。
【0078】
具体的には、判定部182は、操作受付部181が入力操作を受け付けたときに近接センサ15が物体の接近を検出した場合に、操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作ではないと判定する。判定部182は、例えば、近接センサ15が物体の接近を検出した場合、加速度センサ14の測定結果にかかわらず、操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作ではないと判定する。このようにすることで、情報処理端末1は、情報処理端末1の周囲の状態に応じて判定処理を実行することができる。
【0079】
判定部182は、照度センサ16の測定結果を用いて、判定処理を実行してもよい。具体的には、判定部182は、照度センサ16が測定した明るさを示す数値が照度閾値を下回る場合に、操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作ではないと判定する。照度閾値は、情報処理端末1の周囲の明るさが、ユーザが表示部11を見ながら操作し得る明るさであるか否かを判定するために定められた閾値である。判定部182は、例えば、照度センサ16が測定した明るさを示す数値が照度閾値を下回る場合、加速度センサ14の測定結果にかかわらず、操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作ではないと判定する。このようにすることで、情報処理端末1は、情報処理端末1の周囲の状態に応じて判定処理を実行することができる。
【0080】
ここで、スマートフォンにおいて、遠隔操作の権限がプログラムに付与されていなければ、当該プログラムが遠隔操作にかかる処理を実行することができない。例えば、端末においては、当該端末の操作が苦手な者に対して、サポートを行う者が直接的に当該端末を操作するためのアプリケーションプログラムに対して遠隔操作の権限が付与されている場合がある。不正アプリは、このようなサポート用のアプリケーションプログラムに偽装して、情報処理端末1の乗っ取りを行おうとする恐れがある。そこで、判定部182は、情報処理端末1において遠隔操作が許可されているプログラムが存在する場合に、判定処理を実行してもよい。
【0081】
例えば、記憶部17には、遠隔操作が許可されているプログラムの許可リストが記憶されている。この場合において、判定部182は、記憶部17に許可リストが記憶されている場合、又は記憶部17に記憶されている許可リストにおいて遠隔操作が許可されている1つ以上のプログラムが含まれている場合に、判定処理を実行する。このようにすることで、情報処理端末1は、遠隔操作がされ得ない状態で判定処理を実行してしまうことを防ぐことができる。なお、記憶部17に許可リストが記憶されている場合、又は記憶部17に記憶されている許可リストにおいて遠隔操作が許可されている1つ以上のプログラムが含まれている場合に、表示処理部184は、操作確認画面を表示部11に表示させてもよい。
【0082】
ユーザが障害者である場合、情報処理端末1を机などの置いた状態でなければ情報処理端末1を操作することができない場合がある。この場合、ユーザが情報処理端末1をタップする操作を行っても、加速度センサ14が当該タップによって発生する振動を測定することができない場合がある。そこで、判定部182は、情報処理端末1に対応する契約情報に基づいて、判定処理を実行してもよい。契約情報は、例えば、情報処理端末1において利用されている通信サービスの契約内容を示す情報であり、ユーザが障害者であるか否かを示す情報を含む。
【0083】
具体的には、まず、取得部183は、契約情報を取得する契約情報取得部としてさらに機能し、情報処理端末1に対応する契約情報を、通信サービスを管理する不図示のサーバから取得する。そして、判定部182は、取得部183が取得した契約情報に基づいて、判定処理を実行する。
【0084】
判定部182は、例えば、ユーザが障害者ではないことを契約情報が示す場合、判定処理を実行する。一方、判定部182は、ユーザが障害者であることを契約情報が示す場合、判定処理の実行を禁止する。このようにすることで、情報処理端末1は、判定処理の精度が低くなり得る場合に判定処理を実行してしまう事態の発生を防ぐことができる。
【0085】
[情報処理端末1の処理]
続いて、情報処理端末1の処理の流れについて説明する。図4は、情報処理端末1の処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す例においては、ショッピングアプリが検出アプリを起動させたこと契機として開始する。
【0086】
表示処理部184は、記憶部17に遠隔操作が許可されているプログラムの許可リストが記憶されているか否かを判定する(S1)。表示処理部184は、記憶部17に許可リストが記憶されていないと判定した場合(S1においてNOの場合)、遠隔操作による不正は起らないため、検出アプリの処理を終了させる。一方、表示処理部184は、記憶部17に許可リストが記憶されていると判定した場合(S1においてYESの場合)、操作確認画面を表示部11に表示させる(S2)。
【0087】
操作受付部181は、操作確認画面において操作者による特定の入力操作を受け付ける(S3)。判定部182は、測定期間において加速度センサ14が測定した加速度が加速度閾値を上回るか否かを判定する(S4)。
【0088】
判定部182は、測定期間において加速度センサ14が測定した加速度が加速度閾値を上回ると判定した場合(S4においてYESの場合)、操作受付部181が受け付けた操作がユーザによる操作であると判定し、処理を終了させる。一方、判定部182が、測定期間において加速度センサ14が測定した加速度が加速度閾値を上回らないと判定した場合(S4においてNOの場合)、操作受付部181が受け付けた操作がユーザによる操作であると判定し、操作制御部185は、判定部182が判定処理を実行した後における操作受付部181による所定の入力操作の受け付けを不能にする(S5)。
【0089】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理端末1は、測定期間において測定した加速度に基づいて、受け付けた入力操作がユーザによる操作であるか否かを判定し、受け付けた入力操作がユーザによる操作ではないと判定した場合に、判定処理を実行した後における所定の入力操作の受け付けを不能にする。このようにすることで、情報処理端末1は、最新バージョンの駆除プログラムを適用しなくても、他者による操作に対応することができる。これにより、情報処理端末1は、他者による操作を受け付けてしまう事態の発生を低減することができる。その結果、情報処理端末1は、不正アプリによる被害の発生を低減させることができる。
【0090】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0091】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、端末の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0092】
1 情報処理端末
11 表示部
12 操作部
13 通信部
14 加速度センサ
15 近接センサ
16 照度センサ
17 記憶部
18 制御部
181 操作受付部
182 判定部
183 取得部
184 表示処理部
185 操作制御部
【要約】
【課題】不正アプリによる被害の発生を低減させる。
【解決手段】プログラムは、加速度を測定する加速度センサ14と、入力操作を受け付ける操作受付部181とを有する情報処理端末1を動作させるコンピュータを、操作受付部181が入力操作を受け付けた場合に、操作受付部181が入力操作を受け付けた時点を含む所定の期間において加速度センサ14が測定した加速度に基づいて、操作受付部181が受け付けた入力操作が、情報処理端末1を所持するユーザによる操作であるか否かを判定する判定処理を実行する判定部182、及び操作受付部181が受け付けた入力操作がユーザによる操作ではないと判定部182が判定した場合に、判定部182が判定処理を実行した後における操作受付部181による所定の入力操作の受け付けを不能にする操作制御部185、として機能させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4