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特許7603870ゴルフカート移動制御システム、ゴルフカート移動制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】ゴルフカート移動制御システム、ゴルフカート移動制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 55/60 20150101AFI20241213BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20241213BHJP
【FI】
A63B55/60 F
A63B102:32
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024070844
(22)【出願日】2024-04-24
【審査請求日】2024-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑原 理宏
(72)【発明者】
【氏名】井本 宗一郎
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-140652(JP,A)
【文献】特開2004-329702(JP,A)
【文献】特開2019-082910(JP,A)
【文献】特開2023-154493(JP,A)
【文献】特開2004-329701(JP,A)
【文献】特表2022-528243(JP,A)
【文献】国際公開第2022/172020(WO,A1)
【文献】特開2016-052374(JP,A)
【文献】特開2014-150945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 55/60
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフをプレイしている複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤがゴルフカートに乗車しているか否かを推定する乗車推定手段と、
前記ゴルフカートに乗車していないと推定される1又は複数の前記プレイヤのうちから、最後尾プレイヤを特定する最後尾プレイヤ特定手段と、
特定される前記最後尾プレイヤの位置に基づいて、前記ゴルフカートの目標停止位置を決定する目標停止位置決定手段と、
決定される前記目標停止位置に前記ゴルフカートを移動させる移動制御手段と、
を含むゴルフカート移動制御システム。
【請求項2】
前記複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤの位置であるプレイヤ位置を特定するプレイヤ位置特定手段と、
前記ゴルフカートの位置であるゴルフカート位置を特定するゴルフカート位置特定手段と、をさらに含み、
前記乗車推定手段は、前記複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤの前記プレイヤ位置と、前記ゴルフカート位置と、に基づいて、当該プレイヤが前記ゴルフカートに乗車しているか否かを推定する、
請求項1に記載のゴルフカート移動制御システム。
【請求項3】
前記乗車推定手段は、前記複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤの前記プレイヤ位置と前記ゴルフカート位置との間の距離に基づいて、当該プレイヤが前記ゴルフカートに乗車しているか否かを推定する、
請求項2に記載のゴルフカート移動制御システム。
【請求項4】
前記最後尾プレイヤ特定手段は、前記ゴルフカートに乗車していないと推定される1又は複数の前記プレイヤのそれぞれの前記プレイヤ位置の、前記複数のプレイヤがプレイをしているホールのピンの位置からの距離に基づいて、前記最後尾プレイヤを特定する、
請求項2に記載のゴルフカート移動制御システム。
【請求項5】
ゴルフカート移動制御システムが、ゴルフをプレイしている複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤがゴルフカートに乗車しているか否かを推定するステップと、
前記ゴルフカート移動制御システムが、前記ゴルフカートに乗車していないと推定される1又は複数の前記プレイヤのうちから、最後尾プレイヤを特定するステップと、
前記ゴルフカート移動制御システムが、特定される前記最後尾プレイヤの位置に基づいて、前記ゴルフカートの目標停止位置を決定するステップと、
前記ゴルフカート移動制御システムが、決定される前記目標停止位置に前記ゴルフカートを移動させるステップと、
を含むゴルフカート移動制御方法。
【請求項6】
ゴルフをプレイしている複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤがゴルフカートに乗車しているか否かを推定するステップと、
前記ゴルフカートに乗車していないと推定される1又は複数の前記プレイヤのうちから、最後尾プレイヤを特定するステップと、
特定される前記最後尾プレイヤの位置に基づいて、前記ゴルフカートの目標停止位置を決定するステップと、
決定される前記目標停止位置に前記ゴルフカートを移動させるステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフカート移動制御システム、ゴルフカート移動制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ボールの弾道の測定結果に基づいてボールの停止位置を推定し、推定した停止位置に基づいて決定される目的地まで現在位置からゴルフカートを走行させるゴルフカートシステムが記載されている。
【0003】
特許文献2には、プレイヤがホールのグリーンの方向に移動したときのみ、コースの走行路上であるプレイヤの横方向の位置にゴルフカートを移動させる技術が記載されている。
【0004】
特許文献3には、プレイヤが放つボールの飛翔領域外にゴルフカートの移動目標位置を設定する技術が記載されている。また、特許文献3には、当該飛翔領域は、ゴルフコースの形状(例えばフェアウェイの形状やバンカーやウォーターハザードや樹木等の障害物の配置)を考慮して取得されてもよいことが記載されている。
【0005】
特許文献4には、ゴルファーがゴルフバック搬送車両を呼び寄せることができる技術が記載されている。また、特許文献4には、ゴルファーとゴルフバック搬送車両の間にバンカーなどの障害物があることを認識すると、障害物を避けるように走行ルートを変更する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2023-140652号公報
【文献】特開2004-329702号公報
【文献】特開2019-82910号公報
【文献】特開2023-154493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ゴルフのプレイにおいて、組(パーティ)に所属する複数のプレイヤのうちの最後尾のプレイヤの近くにゴルフカートを停止させることが一般的に行われている。そのため、特許文献1~4に記載されているようなゴルフカートの移動制御技術を用いて最後尾のプレイヤの近くでゴルフカートが停止するよう制御できれば便利である。
【0008】
しかし、このようにすると、最後尾のプレイヤがゴルフカートに乗車してもゴルフカートが発車しない。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的の1つは、ゴルフカートを適切な位置に移動させることができるゴルフカート移動制御システム、ゴルフカート移動制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明に係るゴルフカート移動制御システムは、ゴルフをプレイしている複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤがゴルフカートに乗車しているか否かを推定する乗車推定手段と、前記ゴルフカートに乗車していないと推定される1又は複数の前記プレイヤのうちから、最後尾プレイヤを特定する最後尾プレイヤ特定手段と、特定される前記最後尾プレイヤの位置に基づいて、前記ゴルフカートの目標停止位置を決定する目標停止位置決定手段と、決定される前記目標停止位置に前記ゴルフカートを移動させる移動制御手段と、を含む。
【0011】
(2)前記複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤの位置であるプレイヤ位置を特定するプレイヤ位置特定手段と、前記ゴルフカートの位置であるゴルフカート位置を特定するゴルフカート位置特定手段と、をさらに含み、前記乗車推定手段は、前記複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤの前記プレイヤ位置と、前記ゴルフカート位置と、に基づいて、当該プレイヤが前記ゴルフカートに乗車しているか否かを推定する、上記(1)に記載のゴルフカート移動制御システムであってもよい。
【0012】
(3)前記乗車推定手段は、前記複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤの前記プレイヤ位置と前記ゴルフカート位置との間の距離に基づいて、当該プレイヤが前記ゴルフカートに乗車しているか否かを推定する、上記(2)に記載のゴルフカート移動制御システムであってもよい。
【0013】
(4)前記最後尾プレイヤ特定手段は、前記ゴルフカートに乗車していないと推定される1又は複数の前記プレイヤのそれぞれの前記プレイヤ位置の、前記複数のプレイヤがプレイをしているホールのピンの位置からの距離に基づいて、前記最後尾プレイヤを特定する、上記(2)又は(3)に記載のゴルフカート移動制御システムであってもよい。
【0014】
(5)本発明に係るゴルフカート移動制御方法は、ゴルフをプレイしている複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤがゴルフカートに乗車しているか否かを推定するステップと、前記ゴルフカートに乗車していないと推定される1又は複数の前記プレイヤのうちから、最後尾プレイヤを特定するステップと、特定される前記最後尾プレイヤの位置に基づいて、前記ゴルフカートの目標停止位置を決定するステップと、決定される前記目標停止位置に前記ゴルフカートを移動させるステップと、を含む。
【0015】
(6)本発明に係るプログラムは、ゴルフをプレイしている複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤがゴルフカートに乗車しているか否かを推定するステップと、前記ゴルフカートに乗車していないと推定される1又は複数の前記プレイヤのうちから、最後尾プレイヤを特定するステップと、特定される前記最後尾プレイヤの位置に基づいて、前記ゴルフカートの目標停止位置を決定するステップと、決定される前記目標停止位置に前記ゴルフカートを移動させるステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係るゴルフカート移動制御システムの全体構成の一例を示す図である。
図2A】本発明の一実施形態に係るサーバの構成の一例を示す図である。
図2B】本発明の一実施形態に係るプレイヤ端末の構成の一例を示す図である。
図2C】本発明の一実施形態に係るゴルフカート端末の構成の一例を示す図である。
図3】地図画像の一例を示す図である。
図4】地図画像の一例を示す図である。
図5】地図画像の一例を示す図である。
図6】地図画像の一例を示す図である。
図7】地図画像の一例を示す図である。
図8】地図画像の一例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係るサーバで実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図10】移動方向ベクトルの分解の一例を示す図である。
図11】移動方向ベクトルの分解の一例を示す図である。
図12】グリーン到着管理データの一例を示す図である。
図13A】本発明の一実施形態に係るサーバで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
図13B】本発明の一実施形態に係るサーバで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係るゴルフカート移動制御システム1の全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るゴルフカート移動制御システム1には、サーバ10と、複数のプレイヤ端末12(図1の例では12a,12b,12c,及び、12d)と、ゴルフカート端末14と、が含まれている。プレイヤ端末12は、ゴルフをプレイするプレイヤが利用する端末である。ゴルフカート端末14は、ゴルフをプレイするプレイヤが利用するゴルフカート16に設けられている端末である。ゴルフカート16には、当該ゴルフカート16の発車及び停止を制御するための制御ボタン18が設けられている。サーバ10、プレイヤ端末12、及び、ゴルフカート端末14は、インターネット等のコンピュータネットワーク20に接続されている。そのため、サーバ10、プレイヤ端末12、及び、ゴルフカート端末14は、コンピュータネットワーク20を介して互いに通信可能となっている。
【0019】
本実施形態に係るサーバ10は、例えば、図2Aに示すように、プロセッサ30、記憶部32、及び、通信部34を含むサーバコンピュータである。
【0020】
プロセッサ30は、例えば、サーバ10にインストールされるプログラムに従って動作するマイクロプロセッサ等のプログラム制御デバイスである。記憶部32は、例えばROMやRAM等の記憶素子や、ソリッドステートドライブ(SSD)などである。記憶部32には、プロセッサ30によって実行されるプログラムなどが記憶される。通信部34は、例えば、有線通信又は無線通信用の通信インタフェースであり、コンピュータネットワーク20を介して、プレイヤ端末12、及び、ゴルフカート端末14との間でデータを授受する。サーバ10は、ゴルフコースのクラブハウスに設置されていてもよいし、ゴルフコースから離れたデータセンタ等のロケーションに設置されていてもよい。
【0021】
本実施形態に係るプレイヤ端末12は、例えば、携帯電話機(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(タブレット型コンピュータを含む)などのコンピュータである。本実施形態に係るプレイヤ端末12には、例えば、図2Bに示すように、プロセッサ40、記憶部42、通信部44、及び、センサ部46が含まれる。なお、プレイヤ端末12にタッチパネルやカメラ等が含まれていてもよい。
【0022】
プロセッサ40は、例えば、プレイヤ端末12にインストールされるプログラムに従って動作するマイクロプロセッサ等のプログラム制御デバイスである。記憶部42は、例えばROMやRAM等の記憶素子や、ソリッドステートドライブ(SSD)などである。記憶部42には、プロセッサ40によって実行されるプログラムなどが記憶される。通信部44は、例えば、有線通信又は無線通信用の通信インタフェースであり、コンピュータネットワーク20を介して、サーバ10等のコンピュータとの間でデータを授受する。センサ部46は、例えば、GPSモジュール、加速度センサ、モーションセンサ、方位センサなどのセンシングデバイスである。なお、本実施形態では、センサ部46がプレイヤ端末12に含まれる場合を説明するが、センサ部46は、プレイヤ端末12の外部にあってもよい。
【0023】
本実施形態に係るゴルフカート端末14は、例えば、携帯電話機(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(タブレット型コンピュータを含む)などのコンピュータである。本実施形態に係るゴルフカート端末14には、例えば、図2Cに示すように、プロセッサ50、記憶部52、通信部54、センサ部56、及び、出力部58が含まれる。なお、ゴルフカート端末14にカメラが含まれていてもよい。
【0024】
プロセッサ50は、例えば、ゴルフカート端末14にインストールされるプログラムに従って動作するマイクロプロセッサ等のプログラム制御デバイスである。記憶部52は、例えばROMやRAM等の記憶素子や、ソリッドステートドライブ(SSD)などである。記憶部52には、プロセッサ50によって実行されるプログラムなどが記憶される。通信部54は、例えば、有線通信又は無線通信用の通信インタフェースであり、コンピュータネットワーク20を介して、サーバ10等のコンピュータとの間でデータを授受する。センサ部56は、例えば、GPSモジュール、加速度センサ、モーションセンサ、方位センサなどのセンシングデバイスである。出力部58は、例えば、プロセッサ50から入力される指示に従って情報を表示出力するディスプレイや音声出力するスピーカ等である。なお、本実施形態では、センサ部56がゴルフカート端末14に含まれる場合を説明するが、センサ部56は、ゴルフカート端末14の外部にあってもよい。また、出力部58に、タッチパネルが含まれていてもよい。
【0025】
本実施形態に係るゴルフカート16は、ゴルフコース内の予め設定された経路上を移動する。そして、ゴルフカート16が停止している状況でプレイヤが制御ボタン18を押下すると、ゴルフカート16は前進する。一方、ゴルフカート16が前進している状況でゴルフをプレイしているプレイヤが制御ボタン18を押下すると、ゴルフカート16は停止する。
【0026】
また、本実施形態に係るゴルフカート16は、プレイヤによる制御ボタン18の操作などのような明示的な操作を行わなくても、ゴルフカート端末14から送信される操作信号を受信して、当該操作信号に応じた自動運転(前進や停止など)を行うことができるようになっている。
【0027】
本実施形態では、ある組(パーティ)に4人のプレイヤが所属しており、これら4人のプレイヤが、ゴルフカート16を利用してゴルフをプレイすることとする。以下、これら4人のプレイヤを、それぞれ、プレイヤA、プレイヤB、プレイヤC、及び、プレイヤDと呼ぶこととする。また、プレイヤA、プレイヤB、プレイヤC、プレイヤDの識別子(以下、プレイヤIDと呼ぶ。)が、それぞれ、「1」、「2」、「3」、「4」であることとする。そして、プレイヤA、プレイヤB、プレイヤC、及び、プレイヤDは、それぞれ、ゴルフのプレイ中に、プレイヤ端末12a、プレイヤ端末12b、プレイヤ端末12c、及び、プレイヤ端末12dを携帯していることとする。
【0028】
本実施形態に係るサーバ10には、上述の4人のプレイヤがゴルフをプレイしているゴルフコースを示す地図データが記憶されている。本実施形態に係る地図データは、例えば、グリッドデータであり、セルの位置情報(例えば、緯度及び経度)と、当該セルの種類(例えば、フェアウェイ、ラフ、ハザード(バンカー、及び、ウォーターハザード)、修理地、グリーン、カート道、林、など)を示す種類情報と、が関連付けられている。
【0029】
図3は、本実施形態に係るプレイヤがゴルフをプレイしているホールの地図データを可視化した地図画像60の一例を示す図である。図3に示す地図画像60には、ゴルフカート16の走行可能範囲62(例えば、カート道)、ハザード又は修理地を示す領域である回避対象領域64(64a、64b、及び、64c)、グリーンを示す領域であるグリーン領域66などが示されている。
【0030】
また、地図データには、ピンの位置(以下、ピン位置68と呼ぶ。)を示すピン位置データ、及び、各ホールの出口に予め設けられた待機位置70を示す待機位置データが含まれている。図3では、ピン位置68、及び、待機位置70が、地図画像60上に示されている。
【0031】
また、地図データには、後述するプレイヤ代替位置72を示すプレイヤ代替位置データも含まれている。図3では、回避対象領域64aに対応付けられる2つのプレイヤ代替位置72(72a、及び、72b)が地図画像60上に示されている。なお、回避対象領域64bに対応付けられるプレイヤ代替位置72、及び、回避対象領域64cに対応付けられるプレイヤ代替位置72については、図示を省略する。
【0032】
そして、本実施形態では例えば、後述のように、ゴルフをプレイする複数のプレイヤのそれぞれの位置であるプレイヤ位置74、及び、ゴルフカート16の位置であるゴルフカート位置76が特定される(図4から図8参照)。
【0033】
図4では、プレイヤAのプレイヤ位置74a、プレイヤBのプレイヤ位置74b、プレイヤCのプレイヤ位置74c、及び、プレイヤDのプレイヤ位置74dが、地図画像60上に示されている。そして、ゴルフカート16の位置であるゴルフカート位置76も、地図画像60上に示されている。
【0034】
そして、本実施形態では例えば、複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤがゴルフカート16に乗車しているか否かが推定される。図4の例では、プレイヤA、プレイヤB、及び、プレイヤCがゴルフカート16に乗車していないと推定され、プレイヤDがゴルフカート16に乗車していると推定されることとする。
【0035】
そして、本実施形態では例えば、ゴルフカート16に乗車していないと推定される1又は複数のプレイヤのうちから、最後尾であるプレイヤ(以下、最後尾プレイヤと呼ぶ。)が特定される。図4の例では、プレイヤA、プレイヤB、及び、プレイヤCのうちから、プレイヤAが最後尾プレイヤとして特定される。
【0036】
そして、図5に示すように、プレイヤ位置74に基づいて、走行可能範囲62内の目標停止位置78が決定される。そして、プレイヤ位置74と目標停止位置78との間に所与の回避対象領域64が存在するか否かが判定される。図5の例では、プレイヤAのプレイヤ位置74aに基づいて、走行可能範囲62内の目標停止位置78が決定され、プレイヤ位置74aと目標停止位置78との間に回避対象領域64aが存在すると判定される。
【0037】
そして、図5に示すようにプレイヤ位置74と目標停止位置78との間に回避対象領域64が存在すると判定される場合には、当該回避対象領域64の位置に基づいて決定される位置である、目標停止位置78とは異なる代替停止位置80にゴルフカート16が移動する。ここで、プレイヤ代替位置72a、及び、プレイヤ代替位置72bのうちの、プレイヤ位置74aに最も近いプレイヤ代替位置72bに基づいて、代替停止位置80が決定されてもよい。そして、このようにして決定される代替停止位置80にゴルフカート16が移動してもよい。
【0038】
一方、プレイヤ位置74と目標停止位置78との間に回避対象領域64が存在しないと判定される場合には、目標停止位置78にゴルフカート16が移動することとなる。
【0039】
図5に示す状況でゴルフカート16が目標停止位置78まで移動してしまうと、プレイヤAは、ゴルフカート16の位置に行くためには回避対象領域64aを迂回する必要があり煩わしい。本実施形態では、以上で説明したように、プレイヤ位置74と目標停止位置78との間に回避対象領域64が存在すると判定される場合には代替停止位置80にゴルフカート16が移動する。そのため、プレイヤAは回避対象領域64aを迂回することなくゴルフカート16の位置に行くことが可能となる。このようにして、図5の例では、ゴルフをプレイしているプレイヤにとって便利な位置にゴルフカート16を移動させることができることとなる。
【0040】
また、図5に示す状況では、ピン位置68から最も遠いプレイヤはプレイヤDである。ここで、プレイヤA、プレイヤB、プレイヤC、及び、プレイヤDのうちからプレイヤDが最後尾プレイヤとして特定され、プレイヤDのプレイヤ位置74に基づいて目標停止位置78が決定されてしまうと、ゴルフカート16はいつまでたっても発車しないこととなってしまう。
【0041】
本実施形態では上述のように、複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤがゴルフカート16に乗車しているか否かが推定される。そして、ゴルフカート16に乗車していないと推定される1又は複数のプレイヤのうちから、最後尾プレイヤが特定される。そのため、ゴルフカート16はいつまでたっても発車しないといった事態が発生することを防ぐことができる。このようにして、図5の例では、ゴルフカート16を適切な位置に移動させることができることとなる。
【0042】
図6には、図4及び図5とは違う状況が示されている。本実施形態では、図6に示すように、複数のプレイヤのすべてについてグリーンに到着したことが検出されたことに応じて、待機位置70にゴルフカート16が移動することとなる。このようにすることで、ゴルフプレイの進行がスムーズになる。
【0043】
図7には、図4から図6とは違う状況が示されている。図7の例では、ある時点t1におけるプレイヤAのプレイヤ位置74aがプレイヤ位置74aaとして、また、時点t1の所定時間後である時点t2におけるプレイヤAのプレイヤ位置74aがプレイヤ位置74abとして、地図画像60上に示されている。また、時点t1におけるプレイヤBのプレイヤ位置74bがプレイヤ位置74baとして、また、時点t2におけるプレイヤBのプレイヤ位置74bがプレイヤ位置74bbとして、地図画像60上に示されている。また、図7には、プレイヤCのプレイヤ位置74c、及び、プレイヤDのプレイヤ位置74dが地図画像60上に示されている。図7の例では、時点t1から時点t2にわたって、プレイヤCのプレイヤ位置74c、及び、プレイヤDのプレイヤ位置74dが変化していないこととする。そして、図7の例では、プレイヤAが最後尾プレイヤとして特定され、プレイヤBが最後尾から2番目のプレイヤとして特定されることとする。
【0044】
この状況において、図7に示すように、プレイヤBが走行可能範囲62に接近しており、プレイヤAがゴルフカート16の走行方向に沿って移動していることが検知されたとする。この場合、プレイヤBのプレイヤ位置74bの履歴に基づいて決定される目標停止位置78にゴルフカート16が移動することとなる。
【0045】
図7に示す状況では、プレイヤBは、走行可能範囲62に向かって移動している。そのため、プレイヤBは、例えばゴルフカート16に積まれたゴルフクラブを取りたい状況などのように、近くまでゴルフカート16に来てほしい状況があることが推察される。
【0046】
また、プレイヤAは、ゴルフカート16の走行方向に沿って移動している。そのため、プレイヤAは、ゴルフカート16を必要としない、すなわち、ゴルフカート16に乗車する意思がないことが推察される。
【0047】
以上のような状況において、図7の例では、上述のようにプレイヤBに接近するようゴルフカート16が移動する。このようにして、図7の例では、ゴルフカート16が近くに来てほしいと思っている可能性が高いプレイヤに接近するようゴルフカート16を移動させることができることとなる。
【0048】
図8には、図4から図7とは違う状況が示されている。図8の例でも、時点t1におけるプレイヤAのプレイヤ位置74aがプレイヤ位置74aaとして、また、時点t1の所定時間後である時点t2におけるプレイヤAのプレイヤ位置74aがプレイヤ位置74abとして、地図画像60上に示されている。また、図8には、プレイヤBのプレイヤ位置74b、プレイヤCのプレイヤ位置74c、及び、プレイヤDのプレイヤ位置74dが地図画像60上に示されている。図8の例では、時点t1から時点t2にわたって、プレイヤBのプレイヤ位置74b、プレイヤCのプレイヤ位置74c、及び、プレイヤDのプレイヤ位置74dが変化していないこととする。そして、図8の例でも、プレイヤAが最後尾プレイヤとして特定され、プレイヤBが最後尾から2番目のプレイヤとして特定されることとする。
【0049】
この状況において、図8に示すように、走行可能範囲62からプレイヤBのプレイヤ位置74bまでの距離が所定距離よりも短い状況が所定時間以上継続しており、プレイヤAがゴルフカート16の走行方向に沿って移動していることが検知されたとする。この場合、プレイヤBのプレイヤ位置74bの履歴に基づいて決定される目標停止位置78にゴルフカート16が移動することとなる。
【0050】
図8に示す状況では、プレイヤBは、走行可能範囲62の付近にとどまっている。そのため、プレイヤBは、例えばゴルフカート16に積まれたゴルフクラブを取りたい状況などのように、近くまでゴルフカート16に来てほしい状況があることが推察される。
【0051】
また、プレイヤAは、ゴルフカート16の走行方向に沿って移動している。そのため、プレイヤAは、ゴルフカート16を必要としない、すなわち、ゴルフカート16に乗車する意思がないことが推察される。
【0052】
以上のような状況において、図8の例では、上述のようにプレイヤBに接近するようゴルフカート16が移動する。このようにして、図8の例では、ゴルフカート16が近くに来てほしいと思っている可能性が高いプレイヤに接近するようゴルフカート16を移動させることができることとなる。
【0053】
以下、本実施形態に係るサーバ10の機能、及び、本実施形態に係るサーバ10で実行される処理についてさらに説明する。
【0054】
図9は、本実施形態に係るサーバ10で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係るサーバ10で、図9に示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、図9に示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
【0055】
図9に示すように、本実施形態に係るサーバ10には、機能的には例えば、地図データ記憶部90、プレイヤ代替位置決定部92、位置情報受信部94、プレイヤ位置特定部96、ゴルフカート位置特定部98、乗車推定部100、プレイヤ順序特定部102、接近検知部104、ゴルフカート要否判定部106、目標停止位置決定部108、回避要否判定部110、代替停止位置決定部112、グリーン到着検出部114、移動制御部116、が含まれる。
【0056】
地図データ記憶部90は、記憶部32を主として実装される。位置情報受信部94、移動制御部116は、通信部34を主として実装される。プレイヤ代替位置決定部92、プレイヤ位置特定部96、ゴルフカート位置特定部98、乗車推定部100、プレイヤ順序特定部102、接近検知部104、ゴルフカート要否判定部106、目標停止位置決定部108、回避要否判定部110、代替停止位置決定部112、グリーン到着検出部114は、プロセッサ30を主として実装される。
【0057】
以上の機能は、コンピュータであるサーバ10にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをサーバ10で実行することにより実装されてもよい。また、このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介してサーバ10に供給されてもよい。
【0058】
地図データ記憶部90は、本実施形態では例えば、上述の地図データを記憶する。
【0059】
プレイヤ代替位置決定部92は、本実施形態では例えば、地図データに示されている回避対象領域64の位置に基づいて、当該回避対象領域64に対応付けられるプレイヤ代替位置72を決定する。
【0060】
プレイヤ代替位置決定部92は、回避対象領域64の位置と、ピン位置68と、に基づいて、当該回避対象領域64に対応付けられるプレイヤ代替位置72を決定してもよい。例えば、プレイヤ代替位置決定部92が、ピン位置68から最も近い、回避対象領域64a内の位置を、回避対象領域64aに対応付けられるプレイヤ代替位置72aとして決定してもよい。また、プレイヤ代替位置決定部92が、ピン位置68から最も遠い、回避対象領域64a内の位置を、回避対象領域64aに対応付けられるプレイヤ代替位置72bとして決定してもよい。このように、プレイヤ代替位置決定部92が、回避対象領域64に対応付けられるプレイヤ代替位置72を複数決定してもよい。なお、回避対象領域64に対応付けられるプレイヤ代替位置72が複数である必要はなく、回避対象領域64に対応付けられるプレイヤ代替位置72が1つであってもよい。
【0061】
また、プレイヤ代替位置72は、プレイヤ代替位置決定部92により決定される必要はない。例えば、回避対象領域64に対応付けられるプレイヤ代替位置72は、当該回避対象領域64に対応付けて予め設定されていてもよい。
【0062】
位置情報受信部94は、本実施形態では例えば、プレイヤ端末12の位置を示す位置情報を受信する。例えば、本実施形態において、所定時間間隔(例えば、数秒間隔)で、プレイヤ端末12のセンサ部46に含まれるGPSモジュールが当該GPSモジュールの現在位置(例えば緯度及び経度)を測位してもよい。そして、当該GPSモジュールが、当該測位に応じて、当該プレイヤ端末12の識別子(ID)、及び、当該測位が行われた時刻を示す時刻情報に関連付けられた、測位された現在位置(例えば、緯度及び経度)を示す位置情報をサーバ10に送信してもよい。そして、位置情報受信部94は、このようにしてプレイヤ端末12から送信される位置情報を受信してもよい。以下の説明では、プレイヤ端末12a、プレイヤ端末12b、プレイヤ端末12c、及び、プレイヤ端末12dのIDが、それぞれ、「1」、「2」、「3」、「4」であることとする。
【0063】
また、同様にして、位置情報受信部94は、本実施形態では例えば、ゴルフカート端末14の位置を示す位置情報を受信する。例えば、本実施形態において、所定時間間隔(例えば、数秒間隔)で、ゴルフカート端末14のセンサ部56に含まれるGPSモジュールが当該GPSモジュールの現在位置(例えば緯度及び経度)を測位してもよい。そして、当該GPSモジュールが、当該測位に応じて、当該ゴルフカート端末14の識別子(ID)、及び、当該測位が行われた時刻を示す時刻情報に関連付けられた、測位された現在位置(例えば、緯度及び経度)を示す位置情報をサーバ10に送信してもよい。そして、位置情報受信部94は、このようにしてゴルフカート端末14から送信される位置情報を受信してもよい。以下の説明では、ゴルフカート端末14のIDが「5」であることとする。
【0064】
プレイヤ位置特定部96は、本実施形態では例えば、ゴルフをプレイしているプレイヤの位置であるプレイヤ位置74を特定する。
【0065】
プレイヤ位置特定部96は、複数のプレイヤ(本実施形態では例えば、プレイヤA、プレイヤB、プレイヤC、及び、プレイヤD)のそれぞれのプレイヤ位置74を特定してもよい。例えば、ID「1」が関連付けられている位置情報に基づいて、プレイヤAのプレイヤ位置74aが特定されてもよい。また、ID「2」が関連付けられている位置情報に基づいて、プレイヤBのプレイヤ位置74bが特定されてもよい。また、ID「3」が関連付けられている位置情報に基づいて、プレイヤCのプレイヤ位置74cが特定されてもよい。また、ID「4」が関連付けられている位置情報に基づいて、プレイヤDのプレイヤ位置74dが特定されてもよい。
【0066】
また、プレイヤ位置特定部96は、プレイヤ位置74を繰り返し特定してもよい。例えば、プレイヤ位置特定部96は、プレイヤ端末12から位置情報を受信する度に、当該位置情報が示す位置を、当該プレイヤ端末12を利用するプレイヤの最新のプレイヤ位置74として特定してもよい。
【0067】
ゴルフカート位置特定部98は、本実施形態では例えば、ゴルフカート16の位置であるゴルフカート位置76を特定する。例えば、ID「5」が関連付けられている位置情報に基づいて、ゴルフカート位置76が特定されてもよい。
【0068】
また、ゴルフカート位置特定部98は、ゴルフカート位置76を繰り返し特定してもよい。例えば、ゴルフカート位置特定部98は、ゴルフカート端末14から位置情報を受信する度に、当該位置情報が示す位置を、ゴルフカート16の最新のゴルフカート位置76として特定してもよい。
【0069】
乗車推定部100は、本実施形態では例えば、ゴルフをプレイしている複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤがゴルフカート16に乗車しているか否かを推定する。乗車推定部100は、複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤのプレイヤ位置74と、ゴルフカート位置76と、に基づいて、当該プレイヤがゴルフカート16に乗車しているか否かを推定してもよい。
【0070】
ここで、乗車推定部100は、複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤのプレイヤ位置74とゴルフカート位置76との間の距離に基づいて、当該プレイヤがゴルフカート16に乗車しているか否かを推定してもよい。例えば、乗車推定部100は、プレイヤのプレイヤ位置74とゴルフカート位置76との間の距離が所定距離以下である場合に、当該プレイヤがゴルフカート16に乗車していると推定してもよい。そして、乗車推定部100は、プレイヤのプレイヤ位置74とゴルフカート位置76との間の距離が所定距離以下でない場合に、当該プレイヤがゴルフカート16に乗車していないと推定してもよい。
【0071】
なお、乗車推定部100は、プレイヤ位置74とゴルフカート位置76とに基づいて、プレイヤがゴルフカート16に乗車しているか否かを推定する必要はない。
【0072】
例えば、ゴルフカート端末14が所定の周波数の電波を発信してもよい。そして、各プレイヤ端末12が当該周波数の電波強度を測定してもよい。そして、各プレイヤ端末12が、当該電波強度を示すデータをサーバ10に送信してもよい。そして、乗車推定部100が、ゴルフカート端末14から受信する電波の電波強度が所定の大きさよりも大きい状態が所定時間以上継続したプレイヤ端末12を特定し、当該プレイヤ端末12を利用しているプレイヤを、ゴルフカート16に乗車しているプレイヤと推定してもよい。同様に、各プレイヤ端末12が当該プレイヤ端末12に固有の所定周波数の電波を発信してもよい。そして、ゴルフカート端末14が各プレイヤ端末12に固有の周波数の電波強度を測定してもよい。そして、ゴルフカート端末14が、各プレイヤ端末12について、当該プレイヤ端末12から受信した電波強度を示すデータを当該プレイヤ端末12のIDに関連付けてサーバ10に送信してもよい。そして、乗車推定部100が、ゴルフカート端末14が受信する電波の電波強度が所定の大きさよりも大きい状態が所定時間以上継続したプレイヤ端末12を特定し、当該プレイヤ端末12を利用しているプレイヤを、ゴルフカート16に乗車しているプレイヤと推定してもよい。
【0073】
また、各プレイヤ端末12に、当該プレイヤ端末12のIDが記録されたRFIDタグが含まれていてもよい。そして、ゴルフカート端末14がRFIDタグの読み取り機能を備えていてもよい。そして、ゴルフカート端末14が読み取ったIDをサーバ10に送信してもよい。そして、乗車推定部100が、送信されたIDにより識別されるプレイヤ端末12を利用しているプレイヤを、ゴルフカート16に乗車しているプレイヤと推定してもよい。
【0074】
また、乗車推定部100が、複数のプレイヤのそれぞれの顔の画像を記憶していてもよい。そして、ゴルフカート端末14がカメラを備えており、当該カメラにより撮影された画像をゴルフカート端末14がサーバ10に送信してもよい。そして、乗車推定部100が当該画像に対する顔認識処理の実行結果に基づいて、ゴルフカート16に乗車しているプレイヤを推定してもよい。
【0075】
プレイヤ順序特定部102は、本実施形態では例えば、ゴルフカート16に乗車していないと推定される1又は複数のプレイヤの順序を特定する。プレイヤ順序特定部102が、ゴルフカート16に乗車していないと推定される1又は複数のプレイヤのうちから最後尾プレイヤを特定してもよい。また、プレイヤ順序特定部102が、ゴルフカート16に乗車していないと推定される1又は複数のプレイヤのうちから、最後尾から2番目であるプレイヤを特定してもよい。また、当該特定は、繰り返し実行されてもよい。
【0076】
プレイヤ順序特定部102は、ゴルフカート16に乗車していないと推定される1又は複数のプレイヤのそれぞれのプレイヤ位置74の、当該1又は複数のプレイヤがプレイをしているホールのピン位置68からの距離を特定してもよい。そして、プレイヤ順序特定部102は、このようにして特定される距離に基づいて、最後尾プレイヤ、及び、最後尾から2番目であるプレイヤを特定してもよい。例えば、特定される距離が最も長いプレイヤが最後尾プレイヤとして特定されてもよい。また、特定される距離が2番目に長いプレイヤが最後尾から2番目であるプレイヤとして特定されてもよい。
【0077】
なお、プレイヤ順序特定部102は、プレイヤ位置74に基づいてプレイヤの順序を特定する必要はない。例えば、プレイヤ順序特定部102が複数のプレイヤのそれぞれの顔の画像を記憶していてもよい。そして、プレイヤ順序特定部102は、ホール全体を撮影可能な広角の監視カメラにより撮影される画像に対する顔認識結果に基づいて、最後尾プレイヤや最後尾から2番目であるプレイヤを特定してもよい。
【0078】
接近検知部104は、本実施形態では例えば、ゴルフをプレイしているプレイヤの、当該プレイヤが利用するゴルフカート16の走行可能範囲62への接近を検知する。以下、走行可能範囲62への接近の検知対象となるプレイヤを着目プレイヤと呼ぶこととする。ここで、着目プレイヤが、ゴルフカート16に乗車していないと推定される複数のプレイヤのうちの最後尾から2番目であるプレイヤであってもよい。
【0079】
接近検知部104は、着目プレイヤのプレイヤ位置74の履歴に基づいて、当該着目プレイヤが走行可能範囲62に向かって移動している状態であると判定される場合に、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近を検知してもよい。
【0080】
例えば、所定時間(例えば、数十秒間)にわたって、着目プレイヤのプレイヤ位置74が変化し続けていることが検知されてもよい。例えば、連続する2時点のそれぞれに受信した位置情報が示すプレイヤ位置74の間の距離が所定距離以上である状態が数十秒間にわたって継続していることが検知されてもよい。
【0081】
そして、所定時間にわたって着目プレイヤのプレイヤ位置74が変化し続けていることが検知された場合に、当該所定時間の最初の時点(上述の時点t1に相当)におけるプレイヤ位置74から最後の時点(上述の時点t2に相当)におけるプレイヤ位置74に向かうベクトルが特定されてもよい。
【0082】
ここで例えば、図7に示すように、プレイヤBが着目プレイヤであることとする。この場合に、図10に示すように、プレイヤ位置74baからプレイヤ位置74bbに向かう移動方向ベクトルv1が特定されてもよい。そして、移動方向ベクトルv1が、走行可能範囲62に沿った方向(例えば、ゴルフカート16の走行方向に沿った方向)の成分であるベクトルv2と走行可能範囲62に対して垂直な方向の成分であるベクトルv3に分解されてもよい。ここで例えば、地図データが示す位置のそれぞれにおいて、走行可能範囲62に沿った方向(ピン位置68に向かう方向を正とする)、及び、走行可能範囲62に対して垂直な方向(走行可能範囲62に向かう方向を正とする)が予め設定されていてもよい。そして、当該設定に従って、移動方向ベクトルv1が、ベクトルv2とベクトルv3に分解されてもよい。
【0083】
そして、ベクトルv3が走行可能範囲62に向かう方向であり、ベクトルv3の大きさとベクトルv2の大きさとの関係が所与の条件を満たす場合に、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近が検知されてもよい。例えば、ベクトルv3の大きさを示す値が正であり、ベクトルv3の大きさを示す値からベクトルv2の大きさを示す値の絶対値を引いた値が所定値よりも大きい場合に、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近が検知されてもよい。あるいは、例えば、ベクトルv3の大きさを示す値が正であり、ベクトルv3の大きさを示す値をベクトルv2に対する大きさを示す値の絶対値で割った値が所定値よりも大きい場合に、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近が検知されてもよい。
【0084】
また、接近検知部104は、着目プレイヤのプレイヤ位置74の走行可能範囲62からの距離の短さが所与の接近条件を満たした場合に、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近を検知してもよい。
【0085】
例えば、接近検知部104は、着目プレイヤのプレイヤ位置74の走行可能範囲62からの距離の短さが接近条件を所定回以上連続で満たした場合に、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近を検知してもよい。例えば、「走行可能範囲62の縁から着目プレイヤのプレイヤ位置74までの距離が所定距離(例えば、1メートル)よりも短い」との条件を2以上の所定回以上連続で満たした場合に、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近を検知してもよい。
【0086】
あるいは、接近検知部104は、着目プレイヤのプレイヤ位置74の走行可能範囲62からの距離の短さが接近条件を満たしている状態が所定時間以上継続した場合に、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近を検知してもよい。例えば、「走行可能範囲62の縁から着目プレイヤのプレイヤ位置74までの距離が所定距離(例えば、1メートル)よりも短い」との条件を満たしている状態が所定時間(例えば、数十秒間)以上継続した場合に、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近を検知してもよい。
【0087】
ゴルフカート要否判定部106は、本実施形態では例えば、最後尾プレイヤが所与のカート不要条件を満たすか否かを判定する。例えば、ゴルフカート要否判定部106は、最後尾プレイヤのプレイヤ位置74の履歴に基づいて最後尾プレイヤがゴルフカート16の走行方向に沿って移動している状態であるか否かを判定してもよい。
【0088】
例えば、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近を検知された際に、検知された時点までの所定時間(例えば、数十秒間)にわたって、最後尾プレイヤのプレイヤ位置74が変化し続けていることが検知されてもよい。例えば、連続する2時点のそれぞれに受信した位置情報が示すプレイヤ位置74の間の距離が所定距離以上である状態が走行可能範囲62への着目プレイヤの接近を検知された時点までの数十秒間にわたって継続していることが検知されてもよい。
【0089】
そして、所定時間にわたって最後尾プレイヤのプレイヤ位置74が変化し続けていることが検知された場合に、当該所定時間の最初の時点(上述の時点t1に相当)におけるプレイヤ位置74から最後の時点(上述の時点t2に相当)におけるプレイヤ位置74に向かうベクトルが特定されてもよい。
【0090】
ここで例えば、図7、及び、図8に示すように、プレイヤAが着目プレイヤであることとする。この場合に、図11に示すように、プレイヤ位置74aaからプレイヤ位置74abに向かう移動方向ベクトルv4が特定されてもよい。そして、移動方向ベクトルv4が、走行可能範囲62に沿った方向の成分であるベクトルv5と走行可能範囲62に対して垂直な方向の成分であるベクトルv6に分解されてもよい。ここで上述のように、地図データが示す位置のそれぞれにおいて、走行可能範囲62に沿った方向(ピン位置68に向かう方向を正とする)、及び、走行可能範囲62に対して垂直な方向(走行可能範囲62に向かう方向を正とする)が予め設定されていてもよい。そして、当該設定に従って、移動方向ベクトルv4が、ベクトルv5とベクトルv6に分解されてもよい。
【0091】
そして、ベクトルv5の大きさとベクトルv6の大きさとの関係が所与の条件を満たす場合に、最後尾プレイヤがゴルフカート16の走行方向に沿って移動している状態であると判定されてもよい。例えば、ベクトルv5の大きさを示す値の絶対値からベクトルv6の大きさを示す値の絶対値を引いた値が所定値よりも大きい場合に、最後尾プレイヤがゴルフカート16の走行方向に沿って移動している状態であると判定されてもよい。あるいは、例えば、ベクトルv5の大きさを示す値の絶対値をベクトルv6の大きさを示す値の絶対値で割った値が所定値よりも大きい場合に、最後尾プレイヤがゴルフカート16の走行方向に沿って移動している状態であると判定されてもよい。
【0092】
目標停止位置決定部108は、本実施形態では例えば、ゴルフカート16の走行可能範囲62内の目標停止位置78を決定する。
【0093】
目標停止位置決定部108は、例えば、図5に示すように、最後尾プレイヤのプレイヤ位置74に基づいて、目標停止位置78を決定してもよい。ここで、地図データに、帯状の走行可能範囲62に沿った複数の通過点の位置を示す通過点位置データが含まれていてもよい。そして、目標停止位置決定部108は、通過点位置データに基づいて、最後尾プレイヤのプレイヤ位置74に最も近い通過点の位置を目標停止位置78に決定してもよい。あるいは、最後尾プレイヤにゴルフカート16が接近しすぎることを防ぐために、最後尾プレイヤのプレイヤ位置74に最も近い通過点の位置から所定距離だけピン位置68から遠い通過点の位置が目標停止位置78に決定されてもよい。
【0094】
また、目標停止位置決定部108は、図7、及び、図8に示すように、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近が検知されたことに応じて、着目プレイヤのプレイヤ位置74の履歴に基づいて、目標停止位置78を決定してもよい。例えば、図7に示すように、移動方向ベクトルv1を延伸した直線に最も近い通過点の位置が目標停止位置78に決定されてもよい。あるいは、着目プレイヤにゴルフカート16が接近しすぎることを防ぐために、移動方向ベクトルv1を延伸した直線に最も近い通過点の位置から所定距離だけピン位置68から遠い通過点の位置が目標停止位置78に決定されてもよい。また、図8に示すように、着目プレイヤのプレイヤ位置74bに最も近い通過点の位置が目標停止位置78に決定されてもよい。あるいは、着目プレイヤにゴルフカート16が接近しすぎることを防ぐために、着目プレイヤのプレイヤ位置74bに最も近い通過点の位置から所定距離だけピン位置68から遠い通過点の位置が目標停止位置78に決定されてもよい。
【0095】
回避要否判定部110は、本実施形態では例えば、プレイヤ位置74と目標停止位置78との間に所与の回避対象領域64が存在するか否かを判定する。回避要否判定部110は、例えば図5に示すように、プレイヤ位置74aと目標停止位置78とを結ぶ線分の一部が回避対象領域64aに含まれる場合に、プレイヤ位置74aと目標停止位置78との間に回避対象領域64aが存在すると判定してもよい。
【0096】
代替停止位置決定部112は、本実施形態では例えば、プレイヤ代替位置72に基づいて、代替停止位置80を決定する。例えば、代替停止位置決定部112は、通過点位置データに基づいて、プレイヤ代替位置72に最も近い通過点の位置を代替停止位置80に決定してもよい。あるいは、最後尾プレイヤにゴルフカート16が接近しすぎることを防ぐために、プレイヤ代替位置72に最も近い通過点の位置から所定距離だけピン位置68から遠い通過点の位置が代替停止位置80に決定されてもよい。
【0097】
また、代替停止位置決定部112は、図5に示すように、複数のプレイヤ代替位置72(図5の例では、72a、及び、72b)のうちのプレイヤ位置74(図5の例ではプレイヤ位置74a)に最も近い位置(図5の例ではプレイヤ代替位置72b)に基づいて、代替停止位置80を決定してもよい。
【0098】
グリーン到着検出部114は、本実施形態では例えば、プレイヤがプレイをしているホールに含まれるグリーンに当該プレイヤが到着したことを検出する。ここで、グリーン到着検出部114が、プレイヤのプレイヤ位置74と、当該プレイヤがプレイをしているホールに含まれるグリーンの位置と、に基づいて、当該プレイヤが当該グリーンに到着したことを検出してもよい。また、グリーン到着検出部114は、複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤのプレイヤ位置74と、複数のプレイヤがプレイをしているホールに含まれるグリーンの位置と、に基づいて、当該プレイヤが当該グリーンに到着したことを検出してもよい。グリーン到着検出部114は、例えば、プレイヤのプレイヤ位置74がグリーン領域66内であることが確認された場合に、当該プレイヤが当該グリーンに到着したことを検出する。
【0099】
グリーン到着検出部114は、図12に示す、ホールに対応付けられるグリーン到着管理データを記憶していてもよい。図12に示すように、グリーン到着管理データには、ホール番号データと、複数のプレイヤIDと、プレイヤIDにそれぞれ対応付けられる複数のグリーン到着フラグと、が含まれている。グリーン到着管理データに含まれるホール番号データは、当該グリーン到着管理データによりグリーンへのプレイヤの到着が管理されるホールの番号である。プレイヤIDは、プレイヤの識別子であり、上述のように、プレイヤA、プレイヤB、プレイヤC、及び、プレイヤDのプレイヤIDが、それぞれ、「1」、「2」、「3」、「4」であることとする。グリーン到着フラグは、当該グリーン到着フラグに対応付けられるプレイヤIDにより識別されるプレイヤが当該ホールのグリーンに到着したか否かを示すフラグである。
【0100】
グリーン到着フラグの初期値は0であり、あるプレイヤが当該グリーンに到着したことが検出されたことに応じて、当該プレイヤのプレイヤIDに対応付けられるグリーン到着フラグの値は0から1に変更される。なお本実施形態では、プレイヤのプレイヤ位置74がグリーン領域66外であることがその後に確認されても、当該プレイヤのプレイヤIDに対応付けられるグリーン到着フラグの値は1のままであることとする。
【0101】
図12に示すグリーン到着管理データでは、プレイヤA、及び、プレイヤBについては、9番ホールのグリーンに到着したことが既に検出されており、プレイヤC、及び、プレイヤDについては、9番ホールのグリーンに到着したことがまだ検出されていないことが示されている。
【0102】
なお、グリーン到着検出部114は、プレイヤのプレイヤ位置74に基づいて当該プレイヤが当該グリーンに到着したことを検出する必要はない。例えば、グリーン到着検出部114が複数のプレイヤのそれぞれの顔の画像を記憶していてもよい。そして、グリーン到着検出部114は、グリーンを撮影する監視カメラにより撮影される画像に対する顔認識結果に基づいて、プレイヤがグリーンに到着したことを検出してもよい。
【0103】
移動制御部116は、本実施形態では例えば、ゴルフカート16を移動させる。ここで例えば、「前進」や「停止」などを示す操作信号をゴルフカート端末14に送信してもよい。そして、当該操作信号を受信したゴルフカート端末14がゴルフカート16に操作信号を送信してもよい。そして、当該操作信号を受信したゴルフカート16が当該操作信号に応じた動作をしてもよい。また、本実施形態に係る移動制御部116は、ゴルフカート位置76を監視しており、走行可能範囲62内の任意の位置までゴルフカート16を移動させることができるようになっている。
【0104】
例えば、移動制御部116は、目標停止位置78にゴルフカート16を移動させてもよい。
【0105】
例えば、移動制御部116は、回避要否判定部110によりプレイヤ位置74と目標停止位置78との間に所与の回避対象領域64が存在しないと判定される場合に、目標停止位置78にゴルフカート16を移動させてもよい。
【0106】
一方、移動制御部116は、回避要否判定部110によりプレイヤ位置74と目標停止位置78との間に所与の回避対象領域64が存在すると判定される場合に、当該回避対象領域64に基づいて決定される位置である、目標停止位置78とは異なる代替停止位置80にゴルフカート16を移動させてもよい。図5の例では、代替停止位置80までにゴルフカート16が移動することとなる。
【0107】
また、移動制御部116は、プレイヤがグリーンに到着したことが検出されたことに応じて、待機位置70にゴルフカート16を移動させてもよい。移動制御部116は、図6に示すように、複数のプレイヤのすべてについてグリーンに到着したことが検出されたことに応じて、待機位置70にゴルフカート16を移動させてもよい。例えば、当該複数のプレイヤがゴルフをプレイしているホールのグリーン到着管理データに含まれるすべてのグリーン到着フラグの値が1になったことに応じて、移動制御部116は、待機位置70にゴルフカート16を移動させてもよい。図6の例では、待機位置70までゴルフカート16が移動することとなる。
【0108】
また、移動制御部116は、接近検知部104により走行可能範囲62への着目プレイヤの接近が検知されたことに応じて、停止しているゴルフカート16を着目プレイヤに接近するよう移動させてもよい。
【0109】
ここで、移動制御部116は、最後尾プレイヤが上述のカート不要条件を満たす場合に、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近が検知されたことに応じて、停止しているゴルフカート16を着目プレイヤに接近するよう移動させてもよい。例えば、移動制御部116は、最後尾プレイヤ位置の履歴に基づいて最後尾プレイヤがゴルフカート16の走行方向に沿って移動している状態であると判定される場合に、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近が検知されたことに応じて、停止しているゴルフカート16を着目プレイヤに接近するよう移動させてもよい。ここで、図7、及び、図8に示すように、目標停止位置78までゴルフカート16が移動してもよい。
【0110】
また、移動制御部116は、着目プレイヤのプレイヤ位置74とゴルフカート位置76との間の距離が所与の距離(例えば、100ヤード)よりも短い場合に、走行可能範囲62への着目プレイヤの接近が検知されたことに応じて、停止しているゴルフカート16を着目プレイヤに接近するよう移動させてもよい。
【0111】
また、着目プレイヤが、ゴルフカート16に乗車していないと推定される複数のプレイヤのうちの最後尾から2番目であるプレイヤでなくてもよい。例えば、プレイヤ順序特定部102が、ゴルフカート位置76との間の距離が所与の距離(例えば、100ヤード)よりも短いプレイヤを着目プレイヤとして特定してもよい。ここで、複数の着目プレイヤが特定されてもよい。そして、移動制御部116は、いずれかの着目プレイヤについて走行可能範囲62への接近が検知されたことに応じて、停止しているゴルフカート16を当該着目プレイヤに接近するよう移動させてもよい。
【0112】
ここで、本実施形態に係るサーバ10で行われる処理の流れの一例を、図13A、及び、図13Bに例示するフロー図を参照しながら説明する。
【0113】
本処理例では、位置情報受信部94が、所定時間間隔で、プレイヤ端末12a、プレイヤ端末12b、プレイヤ端末12c、プレイヤ端末12d、及び、ゴルフカート端末14の位置を示す位置情報を繰り返し受信していることとする。そして、位置情報受信部94がこれらの位置情報を受信する度に、図13A及び図13Bに示されている処理が実行される。また、プレイヤA、プレイヤB、プレイヤC、及び、プレイヤDが、ある特定のホール(例えば、9番ホール)でゴルフのプレイをしていることとする。また、ゴルフカート16は停止していることとする。
【0114】
まず、位置情報受信部94による位置情報の受信に応じて、プレイヤ位置特定部96が、プレイヤAのプレイヤ位置74a、プレイヤBのプレイヤ位置74b、プレイヤCのプレイヤ位置74c、及び、プレイヤDのプレイヤ位置74dを特定し(S101)、ゴルフカート位置特定部98が、ゴルフカート位置76を特定する(S102)。
【0115】
そして、グリーン到着検出部114が、S101に示す処理で特定されたプレイヤ位置74と、グリーン領域66の位置とに基づいて、グリーンに新たに到着したプレイヤがいるか否かを確認する(S103)。
【0116】
グリーンに新たに到着したプレイヤがいることが確認された場合は(S103:Y)、グリーン到着検出部114が、当該ホール(例えば、9番ホール)のグリーン到着管理データにおける、グリーンに新たに到着したプレイヤのプレイヤIDに対応付けられるグリーン到着フラグの値を1に更新する(S104)。
【0117】
そして、グリーン到着検出部114が、すべてのプレイヤが当該グリーンに到着したか否かを確認する(S105)。ここでは例えば、当該ホールのグリーン到着管理データに含まれるすべてのグリーン到着フラグの値が1になったか否かを確認する。
【0118】
すべてのプレイヤが当該グリーンに到着したことが確認された場合は(S105:Y)、移動制御部116が、当該ホールの待機位置70にゴルフカート16を移動させて(S106)、本処理例に示す処理は終了される。
【0119】
S103に示す処理でグリーンに新たに到着したプレイヤがいないことが確認された場合(S103)、又は、S105に示す処理ですべてのプレイヤが当該グリーンに到着したことが確認されなかった場合は(S105:N)、乗車推定部100が、4人のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤがゴルフカート16に乗車しているか否かを推定する(S107)。
【0120】
そして、プレイヤ順序特定部102が、ゴルフカート16に乗車していないと推定される1又は複数のプレイヤのうちから、最後尾プレイヤ、及び、着目プレイヤ(ここでは例えば、最後尾から2番目のプレイヤ)を特定する(S108)。
【0121】
そして、接近検知部104が、S108に示す処理で特定された着目プレイヤの走行可能範囲62への接近を検知したか否かを確認する(S109)。
【0122】
接近が検知された場合は(S109:Y)、ゴルフカート要否判定部106が、最後尾プレイヤがカート不要条件を満たすか否かを確認する(S110)。
【0123】
最後尾プレイヤがカート不要条件を満たすことが確認された場合は(S110:Y)、目標停止位置決定部108が、着目プレイヤのプレイヤ位置74の履歴に基づいて、目標停止位置78を決定する(S111)。
【0124】
S109に示す処理で着目プレイヤの走行可能範囲62への接近が検知されなかった場合(S109:N)、又は、S110に示す処理で最後尾プレイヤがカート不要条件を満たさないことが確認された場合は(S110:N)、目標停止位置決定部108が、最後尾プレイヤのプレイヤ位置74とゴルフカート位置76との間の距離が所定距離(例えば、10メートル)以上であるか否かを確認する(S112)。
【0125】
最後尾プレイヤのプレイヤ位置74とゴルフカート位置76との間の距離が所定距離以上でないことが確認された場合は(S112:N)、本処理例に示す処理は終了される。
【0126】
最後尾プレイヤのプレイヤ位置74とゴルフカート位置76との間の距離が所定距離以上であることが確認された場合は(S112:Y)、目標停止位置決定部108が、最後尾プレイヤのプレイヤ位置74に基づいて、目標停止位置78を決定する(S113)。
【0127】
S111又はS113に示す処理が実行されると、回避要否判定部110が、プレイヤ位置74と目標停止位置78との間に所与の回避対象領域64が存在するか否かを判定する(S114)。S111に示す処理が実行された場合には、S114に示す処理では、着目プレイヤのプレイヤ位置74とS111に示す処理で決定された目標停止位置78との間に回避対象領域64が存在するか否かが判定される。一方、S113に示す処理が実行された場合には、S114に示す処理では、最後尾プレイヤのプレイヤ位置74とS113に示す処理で決定された目標停止位置78との間に回避対象領域64が存在するか否かが判定される。
【0128】
プレイヤ位置74と目標停止位置78との間に所与の回避対象領域64が存在することが確認された場合は(S114:Y)、代替停止位置決定部112が、当該回避対象領域64に対応付けられるプレイヤ代替位置72に基づいて、代替停止位置80を決定する(S115)。
【0129】
そして、移動制御部116が、S115に示す処理で決定された代替停止位置80にゴルフカート16を移動させて(S116)、本処理例に示す処理は終了される。
【0130】
S114に示す処理でプレイヤ位置74と目標停止位置78との間に回避対象領域64が存在しないことが確認された場合は(S114:N)、移動制御部116が、S111又はS113に示す処理で決定された目標停止位置78にゴルフカート16を移動させて(S117)、本処理例に示す処理は終了される。
【0131】
なお、S107に示す処理で、すべてのプレイヤがゴルフカート16に乗車していると推定された場合は、S108以降に示す処理が実行されることなく、本処理例に示す処理は終了されてよい。
【0132】
また、S107に示す処理で、3人のプレイヤがゴルフカート16に乗車していると推定された場合は、S108に示す処理で、ゴルフカート16に乗車していないと推定される1人のプレイヤが最後尾プレイヤとして特定されてもよい。そして、その後、S112に示す処理に進んでもよい。
【0133】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0134】
例えば、地図データに、帯状の走行可能範囲62に沿った複数の通過点のそれぞれにピン位置68からの距離の範囲(あるいは、ホールの長さに対するピン位置68からの距離の割合の範囲)が関連付けられた通過点データが含まれていてもよい。そして、目標停止位置決定部108は、ピン位置68からプレイヤ位置74までの距離を含む距離の範囲に関連付けられた通過点を目標停止位置78に決定してもよい。また、代替停止位置決定部112は、ピン位置68からプレイヤ代替位置72までの距離を含む距離の範囲に関連付けられた通過点を代替停止位置80に決定してもよい。
【0135】
あるいは、地図データに、帯状の走行可能範囲62に沿った複数の線分を示す線分データが含まれていてもよい。そして、目標停止位置決定部108は、プレイヤ位置74から最も近い線分に対する垂線の足を目標停止位置78に決定してもよい。また、代替停止位置決定部112は、プレイヤ代替位置72から最も近い線分に対する垂線の足を目標停止位置78に決定してもよい。また、この場合、プレイヤ位置74から最も近い線分の方向を走行可能範囲62に沿った方向とし、当該方向に垂直な方向を走行可能範囲62に対して垂直な方向としてもよい。
【0136】
また、ゴルフカート16は、カート道のようなゴルフコース内の予め設定された経路上を移動するものでなくてもよい。例えば、ゴルフカート16がフェアウェイに乗り入れ可能なものであってもよい。この場合、走行可能範囲62は、線状(帯状)の領域ではなく、面状の領域となる。
【0137】
また、GPSモジュール以外のセンサによってプレイヤ位置74やゴルフカート位置76が特定されてもよい。
【0138】
また、1人でゴルフをプレイしている場合に、当該プレイヤがグリーンに到着したことが検出されたことに応じて、待機位置70までゴルフカート16が移動するようにしてもよい。
【0139】
また、制御ボタン18の操作によりゴルフカート16が停止して所定時間(例えば、10秒)経過したことに応じて、以上で説明したような自動運転が実行可能な自動運転モードに切り替わってもよい。そして、自動運転モードに切り替わる際に、例えば、「自動運転モードに切り替わりました。」との文字列がゴルフカート端末14のディスプレイに表示出力されたり当該文字列の読み上げ音声がゴルフカート端末14のスピーカから音声出力されたりしてもよい。また、自動運転モードにおいてゴルフカート16が発車する際に、例えば、「自動運転を開始します。」との文字列がゴルフカート端末14のディスプレイに表示出力されたり当該文字列の読み上げ音声がゴルフカート端末14のスピーカから音声出力されたりしてもよい。ここで例えば、当該文字列がゴルフカート端末14のディスプレイに表示出力されたり当該文字列の読み上げ音声がゴルフカート端末14のスピーカから音声出力されたりした数秒後にゴルフカート16が発車してもよい。
【0140】
また、ゴルフカート16が最後尾プレイヤではなく着目プレイヤに接近するよう移動する際には、例えば、「最後尾のプレイヤであるプレイヤAをとばしてその前のプレイヤであるプレイヤBの付近まで移動します。」などのような文字列がゴルフカート端末14のディスプレイに表示出力されたり当該文字列の読み上げ音声がゴルフカート端末14のスピーカから音声出力されたりしてもよい。
【0141】
また、図9に示す機能の一部又は全部が、サーバ10ではなく、プレイヤ端末12やゴルフカート端末14で実装されてもよい。この場合、プレイヤ端末12とゴルフカート端末14との間で通信が行われるようにしてもよい。
【0142】
また、上記の具体的な文字列や数値及び図面中の具体的な文字列や数値は例示であり、これらの文字列や数値には限定されない。
【符号の説明】
【0143】
1 ゴルフカート移動制御システム、10 サーバ、12,12a,12b,12c,12d プレイヤ端末、14 ゴルフカート端末、16 ゴルフカート、18 制御ボタン、20 コンピュータネットワーク、30 プロセッサ、32 記憶部、34 通信部、40 プロセッサ、42 記憶部、44 通信部、46 センサ部、50 プロセッサ、52 記憶部、54 通信部、56 センサ部、58 出力部、60 地図画像、62 走行可能範囲、64,64a,64b,64c 回避対象領域、66 グリーン領域、68 ピン位置、70 待機位置、72,72a,72b プレイヤ代替位置、74,74a,74aa,74ab,74b,74ba,74bb,74c,74d プレイヤ位置、76 ゴルフカート位置、78 目標停止位置、80 代替停止位置、90 地図データ記憶部、92 プレイヤ代替位置決定部、94 位置情報受信部、96 プレイヤ位置特定部、98 ゴルフカート位置特定部、100 乗車推定部、102 プレイヤ順序特定部、104 接近検知部、106 ゴルフカート要否判定部、108 目標停止位置決定部、110 回避要否判定部、112 代替停止位置決定部、114 グリーン到着検出部、116 移動制御部。
【要約】
【課題】ゴルフカートを適切な位置に移動させることができるゴルフカート移動制御システム、ゴルフカート移動制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】乗車推定部100は、ゴルフをプレイしている複数のプレイヤのそれぞれについて、当該プレイヤがゴルフカートに乗車しているか否かを推定する。プレイヤ順序特定部102は、ゴルフカートに乗車していないと推定される1又は複数のプレイヤのうちから、最後尾プレイヤを特定する。目標停止位置決定部108は、特定される最後尾プレイヤの位置に基づいて、ゴルフカートの目標停止位置を決定する。移動制御部116は、決定される目標停止位置にゴルフカートを移動させる。
【選択図】図9
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B