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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】表示装置、表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20241213BHJP
   G01V 3/02 20060101ALI20241213BHJP
   G01N 27/20 20060101ALI20241213BHJP
   F17D 5/06 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
G09B29/00 F
G01V3/02 B
G01N27/20 Z
F17D5/06
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024082174
(22)【出願日】2024-05-20
【審査請求日】2024-05-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000182937
【氏名又は名称】日鉄パイプライン&エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】赤間 智典
(72)【発明者】
【氏名】田中 進
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-308841(JP,A)
【文献】特開平06-272284(JP,A)
【文献】特開2010-266342(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0213054(US,A1)
【文献】パイプラインオペレーター,パイプライン [online],INPEX,2023年12月04日,URL: <https://web.archive.org/web/20231204123306/https://www.inpex.co.jp/business/japan/pipeline.html>,[令和6年7月5日検索日]
【文献】パイプライン ピグ検査サービス,JFEエンジニアリング株式会社,2013年
【文献】ArcGIS Pipeline Referencing: An Introduction,YouTube [online][video],2023年08月03日,URL: <https://mediaspace.esri.com/playlist/dedicated/249526783/1_wrcbksvz/1_uacykmjs>,[令和6年7月5日検索日] 特に、21:23-24:29, 31:52付近
【文献】ArcGIS Pipeline Referencing: What's New and the Road Ahead,YouTube [online][video],2023年08月03日,URL: <https://mediaspace.esri.com/playlist/dedicated/249526783/1_wrcbksvz/1_5g4zf664>,[令和6年7月5日検索日] 特に、11:17付近
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプラインが敷設された場所を含む地域の地図を、表示部に表示する表示手段を備える表示装置であって
前記表示手段は、前記パイプラインの所定の位置における状態に関する情報を、前記地図上において前記所定の位置に対応する位置に表示
前記表示手段は、
前記地図上において、前記パイプラインの経路を前記パイプライン上の地表面に沿って表示し、
前記経路における任意の箇所に設定された基準位置を、前記経路の上に表示し、
前記情報は、前記基準位置から、前記所定の位置までの距離に関する情報を含み、
前記表示装置は、
前記地図に、前記パイプラインが敷設された場所を登録する登録部と、
前記情報を取得する情報取得部と、を更に備え、
前記登録部は、ユーザから前記基準位置の場所の登録を受け付け、
前記情報取得部は、前記ユーザから、前記パイプラインにおける前記基準位置から前記所定の位置までの距離に関する情報の入力を受け付ける、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記地図の拡大及び縮小の少なくとも一方が可能なように、前記地図を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記地図を取得する地図取得部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記所定の位置をふきだしによって表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記パイプラインが敷設された場所における前記地図の縮尺が、前記パイプラインが敷設された場所から離れた場所における前記地図の縮尺より大きくなるように、前記地図を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記パイプラインにおいて互いに異なる複数の位置のそれぞれにおける状態に関する前記情報を一覧にしたリストを更に表示し、
前記表示手段は、前記リストに表示された複数の前記情報のうち1つが選択された時、前記1つに対応する情報であって、前記状態に対応する位置に対応する情報を強調表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記リストを、オフラインで確認できるデータに変換し、記録媒体に記録するデータ出力部を更に備える、
ことを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記状態は、前記パイプラインの防食被覆の損傷に関する状態を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記状態は、前記パイプラインとは異なる地中埋設物との接触の有無に関する状態を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記情報は、前記所定の位置の地表面において測定された電位差と、前記所定の位置における対地電位と、を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記情報を利用して、前記パイプラインの防食被覆の損傷の面積を算出する面積算出部を更に備える、
ことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記情報は、前記所定の位置における現場写真及び詳細地図、並びに前記パイプラインの防食被覆の損傷の面積の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
パイプラインが敷設された場所を含む地域の地図を、コンピュータが表示部に表示する表示ステップを備える表示方法であって
前記表示ステップでは、前記パイプラインの所定の位置における状態に関する情報を、前記地図上において前記所定の位置に対応する位置に表示
前記表示ステップでは、
前記地図上において、前記パイプラインの経路を前記パイプライン上の地表面に沿って表示し、
前記経路における任意の箇所に設定された基準位置を、前記経路の上に表示し、
前記情報は、前記基準位置から、前記所定の位置までの距離に関する情報を含み、
前記表示方法は、
前記地図に、前記パイプラインが敷設された場所を前記コンピュータに登録する登録ステップと、
前記コンピュータが前記情報を取得する情報取得ステップと、を更に備え、
前記登録ステップでは、ユーザから前記基準位置の場所の登録を前記コンピュータが受け付け、
前記情報取得ステップでは、前記ユーザから、前記パイプラインにおける前記基準位置から前記所定の位置までの距離に関する情報の入力を前記コンピュータが受け付ける、
ことを特徴とする表示方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1から12のいずれか1項に記載の表示装置として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に敷設されたパイプラインの状態を、地上から非開削で診断することが行われている。例えば、特許文献1では、外面に防食被覆を施して地中に埋設した金属管の防食被覆損傷部と、地盤に埋設した対極と、の間に測定信号発信器から信号電流を通じ、前記金属管の直上の地表面を移動する受信装置における2個の車輪電極により地表面の電位差を検出し、信号電流成分と同じ成分の信号を抽出して、その電位差の振幅、および位相の極性の変化を測定して埋設金属の防食被覆損傷部が作りだす特有の波形を検知し損傷を検出する埋設金属管の防食被覆損傷位置検出方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4106202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地中に敷設されたパイプラインの状態の診断結果について、パイプラインの状態及びパイプラインの状態に対応する位置を、容易に参照可能とすることが求められている。
【0005】
本開示は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、パイプラインの状態及びパイプラインの状態に対応する位置を、容易に参照することができる表示装置、表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、パイプラインが敷設された場所を含む地域の地図を、表示部に表示する表示手段を備え、前記表示手段は、前記パイプラインの所定の位置における状態に関する情報を、前記地図上において前記所定の位置に対応する位置に表示する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、パイプラインの状態及びパイプラインの状態に対応する位置を、容易に参照することができる表示装置、表示方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】地中に敷設されたパイプラインの診断の模式図である。
図2】実施形態に係る表示装置のブロック図である。
図3】表示装置が備える制御部のブロック図である。
図4】表示装置によって表示部に表示される画面の第1例である。
図5】表示装置によって表示部に表示される画面の第2例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本開示の一実施形態に係る表示装置、表示方法及びプログラムを説明する。
本実施形態に係る表示装置は、地中に敷設されたパイプラインの所定の位置における状態を、地上から非開削で診断した結果を参照するために用いられる。あるいは、本実施形態に係る表示装置は、前記パイプラインの診断結果を参照するデータを作成するために用いられる。
【0010】
本実施形態において、パイプラインの状態とは、パイプラインの診断によって検出される、パイプラインの異常に関するものをいう。
パイプラインの状態は、例えば、パイプラインの防食被覆の損傷に関する状態を含む。すなわち、上述のパイプラインの診断によっては、パイプラインの防食被覆の損傷が検出される。
パイプラインの状態は、例えば、地中に敷設されたパイプラインとは異なる地中埋設物との接触の有無に関する状態を含む。すなわち、上述のパイプラインの診断によっては、パイプラインが、他の地中埋設物に接触しているか否かが検出される。
本実施形態において、パイプラインの所定の位置とは、パイプラインにおける、上述の各状態を検知した位置、すなわちパイプラインの状態に対応する位置をいう。
【0011】
(パイプラインの診断)
図1は、地中に敷設されたパイプラインPLの診断の模式図である。
パイプラインPLの診断には、図1に示すように、測定信号発信器TLと、受信装置LCと、が用いられる。
測定信号発信器TLは、交流信号電流を生じさせる。測定信号発信器TLは、図1に示すように、対極TLaと、通電ケーブルECと、を備える。対極TLaは、地中(土壌の内部)に配置される。通電ケーブルECは、パイプラインPLの一部に接続される。対極TLa及び通電ケーブルECは、それぞれ測定信号発信器TLに接続される。測定信号発信器TLは、通電ケーブルECを介して接続されたパイプラインPLと、対極TLaと、の間に交流電圧を印加し、交流電流を通電する。本実施形態において、パイプラインPLと対極TLaとの間に交流電圧を印加した時のパイプラインPLの任意の箇所と大地との電位差を、対地電位という。対地電位は、例えば、パイプラインPLに略等間隔に複数の箇所に配置され、且つ、パイプラインPLに接続されている不図示の測定ケーブルを用いて測定する事ができる。測定ケーブルは、例えば、パイプラインPLの全線に亘って間隔をあけて配置されている。測定ケーブルは、例えば、パイプラインPLに間隔をあけて設けられる不図示のマンホールに接続されてもよい。
対地電位は、パイプラインPL及び防食被覆の電気抵抗、リアクタンスなどの電気定数が関係して、通常、測定信号発信器TLから離れるほど減衰する。
【0012】
受信装置LCは、地表面に接する車輪電極LCaを用いて、地表面の電位差を検出する。
ここで、パイプラインPLに、例えば、防食被覆の損傷部Dや、他の地中埋設物UOとの接触部T等があると、防食被覆の損傷部Dや接触部T等を介してパイプラインPLに電流Iが流れ込む。これにより、防食被覆の損傷部Dや接触部T等の周囲において、比較的大きな電位差が生じる。
地中に敷設されたパイプラインPLの防食被覆の診断は、このように発生した地表面での電位差を、受信装置LCによって検出することで行う。
例えば、受信装置LCを用いて、パイプラインPLの任意の箇所の測定ケーブルと不図示の任意の地面に設置して電位の基準とする電極と、における対地電位を測定し、パイプラインPLの任意の箇所における対地電位の分布を計算する。このことで、防食被覆の損傷部Dにおける対地電位Vpを算出可能とする。このように求められた防食被覆の損傷部Dにおける対地電位Vpは、例えば、防食被覆の損傷部Dの面積の計算に用いられる(詳細は後述する)。
【0013】
上述したパイプラインPLの診断結果を参照する際、パイプラインPLの全体的な状況、及び、パイプラインPLの局所的な状況が、それぞれ容易に把握可能であることが好ましい。この時、従来のように、パイプラインの全体的な状況を確認するための地図と、パイプラインの局所的な状況を確認するための地図と、を個別に用意すると、パイプラインの診断結果の登録及び参照の手間が増大する。
本実施形態に係る表示装置は、以下の各構成を備えることで、パイプラインPLの診断結果の登録及び参照にかかるユーザの手間を削減することに寄与する。
【0014】
(表示装置)
本実施形態に係る表示装置1について説明する。
図2は、実施形態に係る表示装置1のブロック図である。
図3は、表示装置1が備える制御部10のブロック図である。
図4は、表示装置1によって表示部2に表示される画面の第1例である。
図5は、表示装置1によって表示部2に表示される画面の第2例である。
表示装置1は、上述したパイプラインPLの診断結果を登録、及び参照するために用いられる。具体的には、表示装置1は、図2又は図3に示す制御部10によってパイプラインPLの診断に関する各種情報の入力を受け付けて、表示部2に表示する。
【0015】
図2に示すように、表示装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ11とメモリ12とを備える制御部10を備え、表示プログラムを実行する。表示プログラムは表示装置1が備える各機能部の動作を制御するプログラムである。すなわち、表示プログラムは、コンピュータを本実施形態に係る表示装置として機能させるプログラムである。表示装置1は、表示プログラムの実行によって制御部10及び記憶部20を備える装置として機能する。
【0016】
より具体的には、表示装置1は、プロセッサ11が記憶部20に記憶されている表示プログラムを読み出し、読み出した表示プログラムをメモリ12に記憶させる。プロセッサ11が、メモリ12に記憶させた表示プログラムを実行することによって、表示装置1は、制御部10及び記憶部20を備える装置として機能する。
記憶部20は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの非一時的コンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置を用いて構成される。記憶部20は表示装置1に関する各種情報を記憶する。記憶部20は、例えば表示プログラムを予め記憶する。また、記憶部20は、地図Mに関する情報や、リストLに表示されるパイプラインPLの状態に関する情報を記憶してもよい。
【0017】
本実施形態において、表示部2は、表示装置1に含まれていてもよいし、表示装置1とは別の構成であってもよい。本実施形態において、表示部2は、表示装置1とは別の構成である。
表示部2は、例えば、公知のディスプレイである。すなわち、表示部2は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等を含んで構成される。表示部2は、例えば、公知のPCのディスプレイや、タッチパネルであってもよい。
【0018】
表示装置1は、パイプラインPLの診断に関する各種情報の入力を受け付けた後、例えば図4又は図5に示すように、表示部2に地図M及びリストLを表示する。
図Mには、パイプラインPLが敷設された場所、及び、パイプラインPLの所定の位置DP等が目視可能に表示される。また、地図Mに表示されたパイプラインPLにおいては、例えば、ユーザによって基準位置RPが設定される。基準位置RPは、ユーザによって、パイプラインPLの経路における任意の箇所に設定される。本実施形態において、基準位置RPは、パイプラインPLにおける所定の位置DPを管理するために用いられる。
基準位置RPの設定方法や、地図Mに表示される情報の詳細等については後述する。
【0019】
リストLは、所定の位置DPにおけるパイプラインPLの状態に関する情報を一覧にしたものである。例えば、リストLには、例えば図4又は図5に示すように、基準位置RPから所定の位置DPまでの距離、所定の位置DPの地表面において測定された電位差、所定の位置DPにおける対地電位Vp、パイプラインPLの防食被覆の損傷の面積が表示される。また、これに加えて、リストLには、パイプラインPLの所定の位置DPにおける土被り、パイプラインPLの防食被覆厚、パイプラインPLの口径、及び、所定の位置DPの現場写真及び詳細地図等を表示させるためのリンク等が表示されてもよい。これらを表示可能とするため、リストLは、例えば、表示部2上において横スクロール可能であってもよい。
所定の位置DPにおける対地電位Vpは、任意の基準位置RPxで測定される対地電位Vpxと、所定の位置DPに最も近い基準位置RPyで測定される対地電位Vpyと、各々の基準位置RPから所定の位置DPまでの距離に基づいて、公知の回帰直線を導出する方法、あるいは回帰直線の式によって算出される。なお、任意の基準位置RPと、所定の位置DPに最も近い基準位置RPとは、別の基準位置でも良い。なお、上述のように、対地電位とは、パイプラインPLと地表面との間の電位差のことである。
リストLには、例えば、複数の所定の位置DPのそれぞれにおける状態が一覧で表示されてもよい。リストLに表示される上述の各情報の詳細については後述する。
【0020】
なお本実施形態では、これらの地図Mに関する情報や、リストLに表示されるパイプラインPLの状態に関する情報は、例えば、表示部2に表示される前に、表示装置1が外部から取得する。あるいは、上述の各情報は、表示装置1に予め記憶されていてもよい。本実施形態では、表示装置1が、各種情報の入力も受け付けるが、表示装置1が、記憶されている情報を単に表示する装置として機能してもよい。
【0021】
(制御部の構成)
本実施形態に係る制御部10の構成の備える各構成について説明する。
図3に示すように、表示装置1の制御部10は、地図取得部10Aと、登録部10Bと、情報取得部10Cと、面積算出部10Dと、表示手段10Eと、データ出力部10Fと、を備える。
【0022】
(地図取得部)
地図取得部10Aは、表示部2に表示するための地図Mを取得する。地図取得部10Aは、例えば、パイプラインPLが敷設された場所の周辺の地図Mを、インターネットからダウンロードすることで取得する。インターネットから地図Mをダウンロードする際には、例えば、公知のGIS(Geographic Information System)が好適に用いられる。地図取得部10Aは、例えば、オフラインで利用可能な地図データ等から、パイプラインPLが敷設された場所の周辺の地図データを取得してもよい。
【0023】
本実施形態において、地図取得部10Aによって取得され、表示部2に表示される地図Mについて、パイプラインPLが敷設された場所の付近の地図Mは、比較的縮尺が大きい。このことで、パイプラインPLが敷設された場所の地理情報を詳細に確認可能とする。パイプラインPLが敷設された場所から比較的離れた場所の地図Mは、比較的縮尺が小さい。このことで、パイプラインPLが敷設された場所から比較的離れた場所の地理情報の量を抑える。
地図取得部10Aによって取得する地図を上述のようにすることで、パイプラインPLが敷設された場所の地理情報を十分に備えつつ、取得する地図Mのデータ量を抑えることができるようにする。なお、地図取得部10Aが取得する地図Mの縮尺は、ユーザによって任意に設定可能であってもよい。
【0024】
なお、本実施形態において、パイプラインPLが敷設された場所の付近とは、例えば、地図Mにおける、少なくともパイプラインPLの全体が収まる正方形の範囲内をいう。パイプラインPLが敷設された場所から比較的離れた場所とは、例えば、前記正方形の範囲外をいう。前記正方形の大きさは、例えば、ユーザによって適宜決定される。あるいは、前記正方形の大きさは、例えば、ユーザが事前にパイプラインPLの始点及び終点の位置情報のみ入力することで、表示装置1が自動で決定してもよい。
さらに、所定の領域の地図Mの縮尺が比較的大きいことは、地図Mの縮尺を大きくしても表示可能な程度、前記所定の領域における地図データが細部まで取得されていることを意味する。一方、所定の領域の地図Mの縮尺が比較的小さいことは、前記所定の領域における地図データが細部まで取得されておらず、地図Mの縮尺を大きくすることができないことを意味する。
【0025】
(登録部)
登録部10Bは、地図取得部10Aによって取得された地図Mに、パイプラインPLが敷設された場所を登録する。登録部10Bは、例えば、パイプラインPLが敷設された場所に関する情報を、ユーザによって入力された情報から取得する。すなわち、登録部10Bは、ユーザによって入力される、パイプラインPLが敷設された場所に関する情報を受け付ける。そして、登録部10Bは、ユーザから入力された、パイプラインPLが敷設された場所に基づき、パイプラインPLの経路を、地図Mに対応付けて登録する。
【0026】
(情報取得部)
情報取得部10Cは、パイプラインPLの状態に関する情報を取得する。情報取得部10Cは、例えば、パイプラインPLの状態に関する情報を、ユーザによって入力された情報から取得する。すなわち、情報取得部10Cは、ユーザによって入力される、パイプラインPLの状態に関する情報を受け付ける。パイプラインPLの状態に関する情報の詳細については後述する。
なお、本実施形態において、ユーザによる表示装置1への各種入力、すなわち、登録部10Bへの地図Mに関する情報の入力や、情報取得部10CへのパイプラインPLの状態に関する情報の入力は、入力部3を介して行われる。入力部3は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力インターフェースである。
【0027】
(情報取得部が取得する情報)
ユーザによって入力され情報取得部10Cが取得する、パイプラインPLの状態に関する情報について説明する。以下、当該情報を、ユーザによって入力される情報という。
ユーザによって入力される情報は、例えば、基準位置RPから、所定の位置DPまでの距離に関する情報を含む。
上述のように、パイプラインPLの状態は、図1に示す受信装置LCが、地表面での電位差を測定することによって検出される。ユーザは、上述のようにして検出したパイプラインPLの状態を、パイプラインPLにおける位置に対応付けて記録する。この時、ユーザは、基準位置RPから所定の位置DPまでの距離を入力する。基準位置RPから所定の位置DPまでの距離は、例えば、パイプラインPLが敷設された現地における実際の測定値である。このことで、制御部10が、パイプラインPLにおける所定の位置DPを、基準位置RPからの距離によって管理できるようにする。
本実施形態において、ユーザは、例えば、基準位置RPから所定の位置DPまでの距離を相対値で入力してもよい。すなわち、ユーザは、例えば、パイプラインPLにおいて、所定の位置DPが基準位置RPよりも始点に近い側に位置する場合、基準位置RPから所定の位置DPまでの距離をマイナス値で入力してもよい。また、ユーザは、パイプラインPLにおいて、所定の位置DPが基準位置RPよりも終点に近い側に位置する場合、基準位置RPから所定の位置DPまでの距離をプラス値で入力してもよい。
【0028】
ユーザによって入力された、基準位置RPから所定の位置DPまでの距離に関する情報は、例えば、表示部2に表示されるリストLにおいて、数値として表示される。このとき、ユーザによって入力された距離に関する情報は、図4又は図5に示すリストLにおいて、ユーザが入力した相対値で表示されてもよい。図4又は図5に示す例では、基準位置RPから所定の位置DPまでの距離が、検出No.1及び2においてマイナス値で表示され、検出No.3及び4においてプラス値で表示されている。あるいは、基準位置RPから所定の位置DPまでの距離に関する情報は、表示部2に表示される地図M上において幾何的に表示されてもよい。すなわち、基準位置RPから所定の位置DPまでの距離に関する情報は、所定の位置DP及び基準位置RPの位置が地図M上に同時に表示されることで、地図Mの縮尺に基づき把握可能な情報とされてもよい。このとき、表示部2に表示される地図M上において、ユーザが入力した距離の情報と、地図Mの縮尺と、に基づき、地図M上における所定の位置DPに相当する場所に適宜表示されてよい(詳細は後述する)。
【0029】
ユーザによって入力される情報は、パイプラインPLの所定の位置DPの地表面において測定された電位差と、所定の位置DPにおける対地電位Vpと、を更に含む。本実施形態において、当該情報は、所定の位置DPに対応付けて記録される。
すなわち、ユーザは、所定の位置DPにおいてパイプラインPLの状態を検出した際の、測定信号発信器TLによる印加電圧と、受信装置LCによる電位差の測定データに関する情報を入力する。このことで、例えば、後述する面積算出部10Dによる、パイプラインPLの防食被覆の損傷の面積の算出が行えるようにする。
【0030】
ユーザによって入力される情報は、所定の位置DPにおける現場写真及び詳細地図、並びにパイプラインPLの防食被覆の損傷の面積の少なくとも1つを含む。本実施形態において、当該情報は、所定の位置DPに対応付けて記録される。
現場写真は、例えば、パイプラインPLの実際の設置場所において、ユーザが撮影した写真である。
詳細地図は、例えば、パイプラインPLの施工時等に用いられた、パイプラインPLの敷設に関する図面や住宅地図等である。
パイプラインPLの防食被覆の損傷の面積は、例えば、次に述べる面積算出部10Dによって算出される。
なお、情報取得部10Cは、パイプラインPLの状態に関する情報に加えて、例えば、パイプラインPLにおける基準位置RPを含む情報を取得してもよい。
【0031】
(表示装置の動作モード)
なお、登録部10BがパイプラインPLの経路の入力を受け付けるとき、表示装置1の動作モードは、経路受付モードであってもよい。情報取得部10CがパイプラインPLの状態に関する情報の入力を受け付けるとき、表示装置1の動作モードは、情報受付モードであってもよい。経路受付モードと、情報受付モードと、の切り替えは、例えば、表示装置1がユーザからモードを切り替える旨の指示入力を受け付けることで実施されてもよい。
表示装置1の動作モードの切り替えの詳細については後述する。
【0032】
(面積算出部)
面積算出部10Dは、パイプラインPLの状態に関する情報を利用して、パイプラインPLの防食被覆の損傷の面積を算出する。本実施形態において、面積算出部10Dは、パイプラインPLの防食被覆の損傷の面積を、例えば、上述のようにユーザによって入力された、所定の位置DPの地表面において測定された電位差、所定の位置DPにおける対地電位Vp、パイプラインPLの所定の位置DPにおける土被り、パイプラインPLの防食被覆厚、パイプラインPLの口径、等を用いて、公知の式によって算出する。
【0033】
(表示手段)
表示手段10Eは、パイプラインPLの診断に関する各種情報を、表示部2に表示する。このことで、ユーザが表示部2を目視することによって、各種情報を参照可能とする。以下、表示手段10Eによって表示部2に表示される情報について例示する。
【0034】
表示手段10Eは、例えば、図4に示すように、パイプラインPLが敷設された場所を含む地域の地図Mを、表示部2に表示する。表示手段10Eは、例えば、パイプラインPLを示す線を太線にし、地図M上の他の線を細線にすることで、パイプラインPLを強調表示している。
本実施形態において、表示手段10Eは、地図Mの拡大及び縮小の少なくとも一方が可能なように、地図Mを表示部2に表示させる。本実施形態において、表示手段10Eは、地図Mの拡大及び縮小の少なくとも一方が可能である。本実施形態において、地図Mの拡大及び縮小は、例えば、ユーザが入力部3を介して指示を入力することで行われる。表示手段10Eは、地図Mの拡大及び縮小の指示を受け付けるため、図4に示すように、縮尺操作部M1を表示してもよい。
【0035】
なお、本実施形態において、地図Mを拡大するとは、表示部2に表示される地図Mを、より狭い範囲を示すものにすることをいう。すなわち、地図Mを拡大するとは、表示部2に表示される地図Mの縮尺を大きくすることをいう。地図Mを縮小するとは、表示部2に表示される地図Mを、より広い範囲を示すものにすることをいう。すなわち、地図Mを縮小するとは、表示部2に表示される地図Mの縮尺を小さくすることをいう。
例えば、表示手段10Eは、図4から図5にかけて示すように、表示部2において、例えば縮尺操作部M1を操作することで、地図Mを拡大させることが可能である。また、表示手段10Eは、図5から図4にかけて示すように、表示部2において、例えば縮尺操作部M1を操作することで、地図Mを縮小させることが可能である。
上述のように、地図取得部10Aによって取得される地図について、パイプラインPLが敷設された場所の付近の地図の縮尺は比較的大きい。そして、パイプラインPLが敷設された場所から比較的離れた場所の地図の縮尺は比較的小さい。したがって、本実施形態において、表示手段10Eは、パイプラインPLが敷設された場所における地図Mの縮尺が、パイプラインPLが敷設された場所から離れた場所における地図Mの縮尺より大きくなるように、地図Mを表示することとなる。これにより、パイプラインPLが敷設された場所の地理情報を詳細に把握することができる。
【0036】
本実施形態において、表示手段10Eは、地図Mの向きを変更可能であってもよい。すなわち、表示手段10Eは、地図Mにおける一の方向が示す方角を変更可能であってもよい。本実施形態において、地図Mの向きの変更は、例えば、ユーザが入力部3を介して指示を入力することで行われる。表示手段10Eは、地図Mの向きの変更の指示を受け付けるため、図4に示すように、向き操作部M2を表示してもよい。表示手段10Eは、例えば、向き操作部M2からの操作を受け付けると、その操作に応じて、表示部2上で表示される地図Mの表示を、画面の中心を回転中心として、画面上で回転させる。
【0037】
表示手段10Eは、例えば、図4及び図5に示すように、地図M上において、パイプラインPLの経路をパイプラインPL上の地表面に沿って表示する。このことで、ユーザにとってパイプラインPLの経路を直感的に把握しやすくする。
表示手段10Eは、例えば、パイプラインPLの経路における任意の箇所に設定された基準位置RPを、経路の上に表示する。基準位置RPは、例えば、図4又は図5に示すように、パイプラインPLの経路上に黒丸等によって表示される。基準位置RPは、上述のように、ユーザによって決定される。
【0038】
表示手段10Eは、例えば、図4及び図5に示すように、パイプラインPLの所定の位置DPにおける状態に関する情報を、地図M上において所定の位置DPに対応する位置に表示する。あるいは、表示手段10Eは、パイプラインPLの所定の位置DPにおける状態に関する情報を、表示部2に表示するリストL上において、所定の位置DPに対応する位置に表示してもよい。
【0039】
本実施形態において、表示手段10Eは、地図M上において、所定の位置DPをふきだしBによって表示する。すなわち、図4及び図5に示すように、所定の位置DPは、例えば、地図M上に表示されたパイプラインPLの経路上に、白丸によって表示される。そして、前記白丸から引き出し線Baが伸び、引き出し線Baは、ふきだしBのうち、所定の位置DPの番号を示す数字に対応するものに繋がる。所定の位置DPの番号は、例えば、パイプラインPLの経路に沿って順番に決定される。このことで、パイプラインPLに複数存在する所定の位置DPを管理できるようにする。
ふきだしBは、例えば、表示手段10Eによって、表示部2に表示された地図M上の任意の位置に自動で表示される。この時、画面に複数のふきだしBが表示される場合、ふきだしBのそれぞれは、互いに重ならないように表示される。その後、地図M上に表示されたふきだしBの位置は、ユーザによって適宜移動可能であってもよい。
【0040】
表示手段10Eは、例えば、パイプラインPLにおいて互いに異なる複数の所定の位置DPのそれぞれにおける状態に関する情報を一覧にしたリストLを表示する。リストLには、例えば、図4に示すように、ユーザによって入力され、情報取得部10Cによって受け付けられた上述の各種情報、すなわち、基準位置RPから所定の位置DPまでの距離、所定の位置DPの地表面において測定された電位差、所定の位置DPにおける対地電位Vp、が表示される。また、リストLには、例えば、面積算出部10Dによって算出された、パイプラインPLの防食被覆の損傷の面積が表示される。
【0041】
本実施形態において、パイプラインPLに所定の位置DPが複数ある場合、複数の所定の位置DPのそれぞれに番号が割り振られる。すなわち、図4又は図5に示すように、複数の所定の位置DPのそれぞれに検出No.が割り振られる。割り振られた検出No.は、地図M上に表示されるふきだしBの番号に対応する。
本実施形態において、表示部2に表示されるリストLは、検出No.ごとに行分けされる。そして、パイプラインPLの所定の位置DPにおける状態に関する各情報は、リストL上における、所定の位置DPに対応する位置に表示される。
【0042】
本実施形態において、表示手段10Eは、リストLに表示された複数の情報のうち1つが選択された時、1つに対応する情報であって、状態に対応する位置に対応する情報を強調表示する。ユーザは、例えば、入力部3を用いてリストLに表示された所定の位置DPや検出No.を選択することで、複数の情報のうち1つを選択する。
例えば、図5に示すように、検出No.2の所定の位置DPが選択された時、リストLにおける検出No.2に対応する行の色を反転して表示する。また、例えば、地図M上に表示された検出No.2に対応するふきだしBの番号を拡大して表示する。あるいは、ふきだしBの色を反転する、ふきだしBの番号を太字に変更して表示するなどしてもよい。
なお本実施形態では、表示手段10Eは、パイプラインPLの診断に関する各種情報を表示する前に、パイプラインPLの入力のために用いられる画面を、表示部2に表示する。この時、表示手段10Eは、地図Mのみを表示し、パイプラインPLの経路の入力を受け付けてもよい。さらにこの時、表示手段10Eは、地図MにパイプラインPLの経路を表示した上で、パイプラインPLの状態に関する情報の入力を受け付けてもよい。
【0043】
データ出力部10Fは、表示手段10Eによって上述のように表示部2に表示されたリストL、あるいは、上述のように表示部2に表示された地図データを、オフラインで確認できるデータに変換し、記録媒体に記録する。
記録媒体は、例えば、公知のUSB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリやDVD(Digital Versatile Disc)等、任意のものが好適に用いられる。
データ出力部10Fによって上述のリストL乃至地図Mに係る各情報が記録媒体に記録されることで、上述の各データをオフライン環境で参照可能とする、あるいは、上述の各データを持ち運び可能とする。
【0044】
以上の各構成により、本実施形態に係る表示装置1が構成される。
本実施形態に係る表示装置1の各機能の全て又は一部は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0045】
(表示方法)
次に、本実施形態に係る表示方法を説明する。すなわち、上述した表示装置1を用いて、パイプラインPLの診断に関する各種情報を表示する方法について説明する。
本実施形態に係る表示方法は、地図取得ステップと、登録ステップと、情報取得ステップと、面積算出ステップと、表示ステップと、データ出力ステップと、を備える。
【0046】
(地図取得ステップ)
地図取得ステップは、地図取得部10Aによって、表示部2に表示するための地図Mを取得するステップである。地図取得ステップにおいて、地図取得部10Aは、パイプラインPLが敷設された場所の付近の地図Mについては、比較的縮尺が大きいものを取得する。そして、パイプラインPLが敷設された場所から比較的離れた場所の地図Mについては、比較的縮尺が小さいものを取得する。このことで、パイプラインPLが敷設された場所の地理情報を十分に備えつつ、取得する地図Mのデータ量を抑えることができるようにする。
なお、本実施形態において、地図取得ステップを行う際、パイプラインPLが敷設された場所の付近に係る範囲は、予め決定されていることが好ましい。このことで、地図取得部10Aが必要十分な地図データを取得できるようにすることが好ましい。この範囲は、例えば、検査対象とする地域に関する情報を、表示装置1がユーザから受け付けていることが好ましい。この情報は、例えば、記憶部20が記憶していてもよい。
【0047】
(登録ステップ)
登録ステップは、地図取得ステップにおいて地図取得部10Aが取得した地図Mに、パイプラインPLが敷設された場所を登録するステップである。登録ステップにおいて、登録部10Bは、ユーザが入力部3を介して入力したパイプラインPLが敷設された場所についての情報を受け付ける。そして、登録部10Bは、ユーザによって入力されたパイプラインPLが敷設された場所についての情報に基づき、地図Mに、パイプラインPLが敷設された場所を登録する。このことで、地図M上にパイプラインPLの経路が表示されるようにする。登録ステップにおいて、ユーザは、例えば、パイプラインPLの経路に加えて、地図Mによって示される場所における現地の情報を入力してもよい。すなわち、例えば、ユーザは、マンホール等の設備が設けられた場所等を登録してもよい。ユーザは、登録ステップにおいて、基準位置RPの場所を登録してもよい。この時、ユーザは、マンホール等の設備が設けられた場所を基準位置RPとして登録してもよい。
【0048】
なお登録ステップでは、表示装置1は、例えば、経路受付モードとして機能する。表示装置1は、動作モードの経路受付モードへの切り替えを、例えば、ユーザからのパイプラインPLの経路の登録を開始する旨の入力を受け付けることで実施してもよい。表示装置1は、動作モードの切り替えを受け付ける画面を表示してもよい。
表示手段10Eは、登録ステップにおいて経路受付モードであるとき、表示部2に、図4とは異なり、パイプラインPLの経路が表示されていない地図M、縮尺操作部M1、向き操作部M2を表示し、リストLを表示しないようにしてもよい。表示装置1は、地図M上に入力された経路を、パイプラインPLの経路として受け付けてもよい。
【0049】
登録部10Bによって登録されるパイプラインPLの経路は、表示手段10Eによって、例えば図4及び図5に示すように、複数の直線をつなぎ合わせたように示される。ユーザは、例えば、入力部3を介して、この複数の直線の両端のそれぞれを地図M上で指定する。このことで、登録部10Bによって地図M上にパイプラインPLの経路が形成される。
登録ステップにおいて、ユーザが複数の直線のそれぞれの両端の位置の情報を入力した時、表示手段10Eは、複数の直線のそれぞれの長さを計算してもよい。また、表示手段10Eは、計算した直線の長さを、リストLに表示してもよい。
また、登録ステップにおいて、ユーザは、パイプラインPLが敷設された場所に関する情報に加えて、例えば、マンホールが設けられた場所や、パイプラインPL以外の地中埋設物UOが位置する場所に関する情報を入力してもよい。登録部10Bは、このように登録された当該情報を、パイプラインPLとともに地図M上に表示してもよい。
【0050】
情報取得ステップは、情報取得部10Cが、パイプラインPLの状態に関する情報を取得するステップである。情報取得ステップにおいて、情報取得部10Cは、ユーザが入力部3を介して入力した、パイプラインPLの状態に関する情報を受け付ける。情報取得ステップにおいて、ユーザは、例えば、パイプラインPLにおける基準位置RPから所定の位置DPまでの距離、所定の位置DPの地表面において測定された電位差、所定の位置DPにおける対地電位Vp、所定の位置DPにおける現場写真及び詳細地図等を入力する。情報取得ステップによって入力された情報は、面積算出ステップにおけるパイプラインPLの防食被覆の損傷の面積の算出や、表示ステップにおける地図M及びリストLの表示に用いられる。
【0051】
なお情報取得ステップでは、表示装置1は、例えば、情報受付モードとして機能する。表示装置1は、動作モードの情報受付モードへの切り替えを、例えば、ユーザからのパイプラインPLの経路の登録を終了する旨の入力を受け付けることで実施してもよい。
表示手段10Eは、情報取得ステップにおいて情報受付モードであるとき、表示部2に、図4とは異なり、パイプラインPLの経路のみが表示されている地図M、縮尺操作部M1、向き操作部M2を表示し、リストLを表示しないようにしてもよい。表示装置1は、パイプラインPLの経路上において選択された位置を、パイプラインPLの所定の位置DPとして入力を受け付けてもよい。そして、この位置と、別途入力される情報と、をパイプラインPLの状態に関する情報として記憶部20等に記憶してもよい。
【0052】
面積算出ステップは、面積算出部10Dが、パイプラインPLの防食被覆の損傷の面積を算出するステップである。面積算出ステップにおいて、面積算出部10Dは、ユーザによって入力された、パイプラインPLの所定の位置DPの地表面において測定された電位差と、所定の位置DPにおける対地電位Vp等を用いて、パイプラインPLの防食被覆の損傷の面積を算出する。このことで、表示ステップにおけるパイプラインPLの防食被覆の損傷の面積の表示を可能とする。
【0053】
面積算出ステップは、例えば、情報取得ステップにおいてユーザが適宜情報を入力した後、ユーザが面積算出ステップを開始する旨の指示を入力することで開始される。面積算出ステップを開始する旨の指示は、例えば、画面上に表示されたアイコンを選択すること等によって入力される。
【0054】
表示ステップは、表示手段10Eが、図4及び図5に示すように、表示部2に各種情報を表示するステップである。表示ステップにおいて、表示手段10Eは、例えば、パイプラインPLが敷設された場所を含む地域の地図Mを表示する。また、表示ステップにおいて、表示手段10Eは、パイプラインPLの所定の位置DPにおける状態に関する情報を、地図M上において所定の位置DPに対応する位置に表示する。
【0055】
また、表示ステップにおいて、表示手段10Eは、例えば、パイプラインPLにおいて互いに異なる複数の位置のそれぞれにおける状態に関する情報を一覧にしたリストLを表示する。リストLには、例えば、図4に示すように、ユーザによって入力され、情報取得部10Cによって受け付けられた上述の各種情報、すなわち、例えば、基準位置RPから所定の位置DPまでの距離、所定の位置DPの地表面において測定された電位差、所定の位置DPにおける対地電位Vp、所定の位置DPにおける現場写真及び詳細地図が表示される。また、リストLには、例えば、面積算出部10Dによって算出された、パイプラインPLの防食被覆の損傷の面積が表示される。
表示ステップにおいて、表示手段10Eは、リストLに表示された複数の情報のうち1つが選択された時、図5に示すように、1つに対応する情報であって、状態に対応する位置に対応する情報を強調表示する。
表示ステップにおいて、ユーザは、縮尺操作部M1を用いて表示部2に表示される地図Mを拡大又は縮小してもよい。ユーザは、向き操作部M2を用いて表示部2に表示される地図Mの向きを操作してもよい。
【0056】
データ出力ステップは、データ出力部10Fが、表示手段10Eによって上述のように表示部2に表示されたリストL、あるいは、上述のように表示部2に表示された地図データを、オフラインで確認できるデータに変換し、記録媒体に記録する。
データ出力ステップが行われることで、ユーザは、表示ステップにおいて表示された各種情報をオフラインで参照することや、あるいは持ち運ぶことが可能となる。
以上の各ステップにより、本実施形態に係る表示方法が実施される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置1によれば、表示手段10Eが、パイプラインPLが敷設された場所を含む地域の地図Mを、表示部2に表示する。また、表示手段10Eは、パイプラインPLの所定の位置DPにおける状態に関する情報を、表示部2に表示された地図M上において、前記所定の位置DPに対応する位置に表示する。これにより、パイプラインPLの状態及びパイプラインPLの状態に対応する位置を、容易に参照することができる。よって、例えば、パイプラインPLの防食被覆が損傷している場合に、パイプラインPLにおける防食被覆の損傷の位置を容易に把握しやすくすることができる。
ここで、従来は、パイプラインPLの状態の診断結果を、解析したり、整理したり、報告書として作成したりする作業を人手で行う必要があった。具体的には、まず、診断結果を参照して、地図Mと照合し、地図M上におけるパイプラインPLの防食被覆の損傷の位置を特定する。そして、損傷位置を、紙の地図の場合は手書きで記入し、パソコン上の地図の場合は画像データに文字や記号を入力したりしていた。前述の作業を、本実施形態に係る表示装置1によって行えるようにすることで、パイプラインPLの診断結果の登録及び参照作業に要する手間や時間を大幅に短縮することができる。
【0058】
また、表示手段10Eは、地図Mの拡大及び縮小の少なくとも一方が可能なように、地図Mを表示部2に表示させる。これにより、表示部2に表示される地図Mの大きさを、ユーザにとって好適なものとしやすくすることができる。例えば、パイプラインPLの全体の経路を確認する時には、地図Mを縮小することでより広い範囲を目視可能とすることができる。また、パイプラインPLの状態に対応した位置を詳細に確認する時には、地図Mを拡大することでより詳細な地図Mを目視可能とすることができる。このように、1つの地図Mを拡大又は縮小して参照できるようにすることで、例えば、パイプラインPLの全体的な状況及び局所的な状況を、1つの地図Mで参照可能とすることができる。よって、ユーザが、パイプラインPLの全体的な状況を確認可能な地図Mと、パイプラインPLの局所的な状況を確認可能な地図Mと、を個別に用意することを不要にすることができる。よって、ユーザの手間を削減することができる。
【0059】
また、表示手段10Eは、表示部2に表示される地図M上において、パイプラインPLの経路をパイプラインPL上の地表面に沿って表示する。これにより、ユーザにとってパイプラインPLの経路を直感的に把握しやすくすることができる。また、表示手段10Eは、パイプラインPLの経路における任意の箇所に設定された基準位置RPを、経路の上に表示する。これにより、例えば、パイプラインPLにおける状態及びパイプラインPLの状態に対応する位置に関する情報を、基準位置RPからの距離に基づき把握しやすくすることができる。
【0060】
また、パイプラインPLの状態に関する情報は、パイプラインPLの経路における任意の箇所に設定された基準位置RPから、パイプラインPLの所定の位置DPまでの距離に関する情報を含む。これにより、例えば、パイプラインPLの状態に対応する位置を、基準位置RPからの距離によって管理することができる。よって、例えば、パイプラインPLの状態及びパイプラインPLの状態に対応する位置に関する情報が複数ある場合であっても、前記複数の情報を容易に管理することができる。したがって、パイプラインPLの状態及びパイプラインPLの状態に対応する位置に関する情報を効率的に管理することができる。
【0061】
また、地図取得部10Aが地図Mを取得する。これにより、表示部2に地図Mを表示させることができる。登録部10Bが、地図取得部10Aによって取得された地図Mに、パイプラインPLが敷設された場所を登録する。これにより、パイプラインPLの経路を地図Mの上に表示させることができる。そして、情報取得部10Cが、パイプラインPLの状態に関する情報を取得する。これにより、パイプラインPLの状態及びパイプラインPLの状態に対応する位置を、パイプラインPLの経路に対応付けて表示させることができる。よって、ユーザが、パイプラインPLの状態及びパイプラインPLの状態に対応する位置を、互いに対応付けて把握しやすくすることができる。
【0062】
また、表示手段10Eは、パイプラインPLの所定の位置DPをふきだしBによって表示する。これにより、地図M上におけるパイプラインPLの状態に対応する位置を、目視によってより容易に把握しやすくすることができる。よって、例えば、パイプラインPLの状態に対応する位置が複数ある場合であっても、前記複数の状態に対応する位置を同時に把握しやすくすることができる。
【0063】
また、表示手段10Eは、パイプラインPLが敷設された場所における地図Mの縮尺が、パイプラインPLが敷設された場所から離れた場所における地図Mの縮尺より大きくなるように、地図Mを表示する。すなわち、表示部2に表示される地図Mについて、パイプラインPLが敷設された場所の付近の地図Mは、比較的縮尺が大きい。
このことで、パイプラインPLが敷設された場所の付近の地理情報を詳細に確認することができる。そして、パイプラインPLが敷設された場所から比較的離れた場所の地図Mは、比較的縮尺が小さい。これにより、地図Mのデータ量を抑えることができる。
【0064】
また、表示手段10Eは、パイプラインPLにおいて互いに異なる複数の位置のそれぞれにおける状態に関する情報を一覧にしたリストLを更に表示する。これにより、複数の位置のそれぞれに対応したパイプラインPLの状態に関する情報を、より詳細に把握することができる。
また、表示手段10Eは、リストLに表示された複数の情報のうち1つが選択された時、選択された1つに対応する情報であって、選択された1つに係る状態に対応する位置に対応する情報を強調表示する。これにより、リストLに表示される、パイプラインPLの状態に関するより詳細な情報を、パイプラインの所定の位置DPに対応付けて把握しやすくすることができる。
【0065】
また、データ出力部10Fは、パイプラインPLの状態に関する情報を一覧にしたリストLを、オフラインで確認できるデータに変換し、記録媒体に記録する。これにより、例えば、パイプラインPLの状態に関する各種情報を、オフライン環境で参照することができる。よって、例えば、リストLに含まれる情報を、通信環境に影響を受けることなく確認することができる。また、例えば、パイプラインPLの状態に関する各種情報を持ち運び可能とすることができる。
【0066】
また、パイプラインPLの所定の位置DPにおける状態は、パイプラインPLの防食被覆の損傷に関する状態を含む。これにより、パイプラインPLにおける防食被覆の損傷が発生した部位を、容易に把握しやすくすることができる。
【0067】
また、パイプラインPLの所定の位置DPにおける状態は、パイプラインPLとは異なる地中埋設物UOとの接触の有無に関する状態を含む。これにより、パイプラインPLにおける、他の地中埋設物UOと接触している部位を、容易に把握しやすくすることができる。
【0068】
また、パイプラインPLの所定の位置DPにおける状態に関する情報は、パイプラインPLの所定の位置DPの地表面において測定された電位差と、所定の位置DPにおける対地電位Vpと、を更に含む。これにより、パイプラインPLの状態を電位差によって測定した結果を、パイプラインPLの状態に関する情報として、パイプラインPLの状態に対応する位置に表示させることができる。よって、パイプラインPLの状態及びパイプラインPLの状態に対応する位置に関するより詳細な情報を、効率的に管理することができる。
【0069】
また、パイプラインPLの状態に関する情報を利用して、パイプラインPLの防食被覆の損傷の面積を算出する面積算出部10Dを更に備える。すなわち、例えば、パイプラインPLの所定の位置DPの地表面において測定された電位差と、所定の位置DPにおける対地電位Vpと、を用いて、パイプラインPLの防食被覆の損傷の面積を算出する。これにより、パイプラインPLの防食被覆の損傷の面積を、防食被覆の損傷に対応した位置に対応付けて把握しやすくすることができる。
【0070】
また、パイプラインPLの状態に関する情報は、所定の位置DPにおける現場写真及び詳細地図、並びにパイプラインPLの防食被覆の損傷の面積の少なくとも1つを含む。これにより、パイプラインPLの状態を更に詳細に把握することができる。
【0071】
また、上記の表示方法によれば、表示ステップにおいて、パイプラインPLが敷設された場所を含む地域の地図Mを、表示部2に表示する。また、表示ステップでは、パイプラインPLの所定の位置DPにおける状態に関する情報を、表示部2に表示された地図M上において、前記所定の位置DPに対応する位置に表示する。これにより、パイプラインPLの状態及びパイプラインPLの状態に対応する位置を、容易に把握しやすくすることができる。すなわち、例えば、パイプラインPLの防食被覆が損傷している場合に、パイプラインPLにおける防食被覆の損傷の位置を容易に把握しやすくすることができる。
【0072】
なお、本開示の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態において地中に敷設されると説明したパイプラインPLは、一部が地上に露出していてもよい。
また、表示部2に表示されるリストLには、上述の各情報に加えて、パイプラインPLを診断した日付や、パイプラインPLごとに付された路線名等、パイプラインPLの状態に関連する任意の情報が適宜表示されてもよい。
また、表示装置1は、ユーザが、表示部2に表示されたパイプラインPLの経路上の任意の場所を選択した時、選択された場所から基準位置RPまでの距離を算出する機能を備えてもよい。
また、リストLに表示される各情報は、上述したものの全てが表示されてもよいし、上述したもののいずれかのみが適宜選択の上表示されてもよい。
また、地図M上において、所定の位置DPは、ふきだしB以外の任意のものによって表示されてもよい。
また、リストLは、例えば、インターネット上のクラウドに自動でアップロードされてもよい。
また、表示部2に表示された地図M上において、複数のパイプラインPLが重なって表示されてもよい。この場合、複数のパイプラインPLは、路線ごとに色分けして表示されてもよい。
【0073】
その他、本開示の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0074】
(付記)
前記実施形態に係る表示装置、表示方法及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0075】
<1>本開示の一態様に係る表示装置は、パイプラインが敷設された場所を含む地域の地図を、表示部に表示する表示手段を備え、前記表示手段は、前記パイプラインの所定の位置における状態に関する情報を、前記地図上において前記所定の位置に対応する位置に表示する、ことを特徴とする。
【0076】
上記の表示装置によれば、表示手段が、パイプラインが敷設された場所を含む地域の地図を、表示部に表示する。また、表示手段は、パイプラインの所定の位置における状態に関する情報を、表示部に表示された地図上において、前記所定の位置に対応する位置に表示する。これにより、パイプラインの状態及びパイプラインの状態に対応する位置を、容易に参照することができる。よって、例えば、パイプラインの防食被覆が損傷している場合に、パイプラインにおける防食被覆の損傷の位置を容易に把握しやすくすることができる。
ここで、従来は、パイプラインの状態の診断結果を、解析したり、整理したり、報告書として作成したりする作業を人手で行う必要があった。具体的には、まず、診断結果を参照して、地図と照合し、地図上におけるパイプラインの防食被覆の損傷の位置を特定する。そして、損傷位置を、紙の地図の場合は手書きで記入し、パソコン上の地図の場合は画像データに文字や記号を入力したりしていた。前述の作業を、本実施形態に係る表示装置1によって行えるようにすることで、パイプラインの診断結果の登録及び参照作業に要する手間や時間を大幅に短縮することができる。
【0077】
<2>上記<1>に係る表示装置では、前記表示手段は、前記地図の拡大及び縮小の少なくとも一方が可能なように、前記地図を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0078】
また、表示手段は、地図の拡大及び縮小の少なくとも一方が可能なように、地図を表示部に表示させる。これにより、表示部に表示される地図の大きさを、ユーザにとって好適なものとしやすくすることができる。例えば、パイプラインの全体の経路を確認する時には、地図を縮小することでより広い範囲を目視可能とすることができる。また、パイプラインの状態に対応した位置を詳細に確認する時には、地図を拡大することでより詳細な地図を目視可能とすることができる。このように、1つの地図を拡大又は縮小して参照できるようにすることで、例えば、パイプラインの全体的な状況及び局所的な状況を、1つの地図で参照可能とすることができる。よって、ユーザが、パイプラインの全体的な状況を確認可能な地図と、パイプラインの局所的な状況を確認可能な地図と、を個別に用意することを不要にすることができる。よって、ユーザの手間を削減することができる。
【0079】
<3>上記<1>または<2>に係る表示装置では、前記表示手段は、前記地図上において、前記パイプラインの経路を前記パイプライン上の地表面に沿って表示し、前記経路における任意の箇所に設定された基準位置を、前記経路の上に表示する、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0080】
また、表示手段は、表示部に表示される地図上において、パイプラインの経路をパイプライン上の地表面に沿って表示する。これにより、ユーザにとってパイプラインの経路を直感的に把握しやすくすることができる。また、表示手段は、パイプラインの経路における任意の箇所に設定された基準位置を、経路の上に表示する。これにより、例えば、パイプラインにおける状態及びパイプラインの状態に対応する位置に関する情報を、基準位置からの距離に基づき把握しやすくすることができる。
【0081】
<4>上記<3>に係る表示装置では、前記情報は、前記基準位置から、前記所定の位置までの距離に関する情報を含む、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0082】
また、パイプラインの状態に関する情報は、パイプラインの経路における任意の箇所に設定された基準位置から、パイプラインの所定の位置までの距離に関する情報を含む。これにより、例えば、パイプラインの状態に対応する位置を、基準位置からの距離によって管理することができる。よって、例えば、パイプラインの状態及びパイプラインの状態に対応する位置に関する情報が複数ある場合であっても、前記複数の情報を容易に管理することができる。したがって、パイプラインの状態及びパイプラインの状態に対応する位置に関する情報を効率的に管理することができる。
【0083】
<5>上記<1>から<4>のいずれか一態様に係る表示装置では、前記地図を取得する地図取得部と、前記地図に、前記パイプラインが敷設された場所を登録する登録部と、前記情報を取得する情報取得部と、を更に備える、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0084】
また、地図取得部が地図を取得する。これにより、表示部に地図を表示させることができる。登録部が、地図取得部によって取得された地図に、パイプラインが敷設された場所を登録する。これにより、パイプラインの経路を地図の上に表示させることができる。そして、情報取得部が、パイプラインの状態に関する情報を取得する。これにより、パイプラインの状態及びパイプラインの状態に対応する位置を、パイプラインの経路に対応付けて表示させることができる。よって、ユーザが、パイプラインの状態及びパイプラインの状態に対応する位置を、互いに対応付けて把握しやすくすることができる。
【0085】
<6>上記<1>から<5>のいずれか一態様に係る表示装置では、前記表示手段は、前記所定の位置をふきだしによって表示する、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0086】
また、表示手段は、パイプラインの所定の位置をふきだしによって表示する。これにより、地図上におけるパイプラインの状態に対応する位置を、目視によってより容易に把握しやすくすることができる。よって、例えば、パイプラインの状態に対応する位置が複数ある場合であっても、前記複数の状態に対応する位置を同時に把握しやすくすることができる。
【0087】
<7>上記<1>から<6>のいずれか一態様に係る表示装置では、前記表示手段は、前記パイプラインが敷設された場所における前記地図の縮尺が、前記パイプラインが敷設された場所から離れた場所における前記地図の縮尺より大きくなるように、前記地図を表示する、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0088】
また、表示手段は、パイプラインが敷設された場所における地図の縮尺が、パイプラインが敷設された場所から離れた場所における地図の縮尺より大きくなるように、地図を表示する。すなわち、表示部に表示される地図について、パイプラインが敷設された場所の付近の地図は、比較的縮尺が大きい。このことで、パイプラインが敷設された場所の付近の地理情報を詳細に確認することができる。そして、パイプラインが敷設された場所から比較的離れた場所の地図は、比較的縮尺が小さい。これにより、地図のデータ量を抑えることができる。
【0089】
<8>上記<1>から<7>のいずれか一態様に係る表示装置では、前記表示手段は、前記パイプラインにおいて互いに異なる複数の位置のそれぞれにおける状態に関する前記情報を一覧にしたリストを更に表示し、前記表示手段は、前記リストに表示された複数の前記情報のうち1つが選択された時、前記1つに対応する情報であって、前記状態に対応する位置に対応する情報を強調表示する、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0090】
また、表示手段は、パイプラインにおいて互いに異なる複数の位置のそれぞれにおける状態に関する情報を一覧にしたリストを更に表示する。これにより、複数の位置のそれぞれに対応したパイプラインの状態に関する情報を、より詳細に把握することができる。
また、表示手段は、リストに表示された複数の情報のうち1つが選択された時、選択された1つに対応する情報であって、選択された1つに係る状態に対応する位置に対応する情報を強調表示する。これにより、リストに表示される、パイプラインの状態に関するより詳細な情報を、パイプラインの所定の位置DPに対応付けて把握しやすくすることができる。
【0091】
<9>上記<8>に係る表示装置では、前記リストを、オフラインで確認できるデータに変換し、記録媒体に記録するデータ出力部を更に備える、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0092】
また、データ出力部は、パイプラインの状態に関する情報を一覧にしたリストを、オフラインで確認できるデータに変換し、記録媒体に記録する。これにより、例えば、パイプラインの状態に関する各種情報を、オフライン環境で参照することができる。よって、例えば、リストに含まれる情報を、通信環境に影響を受けることなく確認することができる。また、例えば、パイプラインの状態に関する各種情報を持ち運び可能とすることができる。
【0093】
<10>上記<1>から<9>のいずれか一態様に係る表示装置では、前記状態は、前記パイプラインの防食被覆の損傷に関する状態を含む、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0094】
また、パイプラインの所定の位置における状態は、パイプラインの防食被覆の損傷に関する状態を含む。これにより、パイプラインにおける防食被覆の損傷が発生した部位を、容易に把握しやすくすることができる。
【0095】
<11>上記<1>から<10>のいずれか一態様に係る表示装置では、前記状態は、前記パイプラインとは異なる地中埋設物との接触の有無に関する状態を含む、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0096】
また、パイプラインの所定の位置における状態は、パイプラインとは異なる地中埋設物との接触の有無に関する状態を含む。これにより、パイプラインにおける、他の地中埋設物と接触している部位を、容易に把握しやすくすることができる。
【0097】
<12>上記<1>から<11>のいずれか一態様に係る表示装置では、前記情報は、前記パイプラインの所定の位置の地表面において測定された電位差と、前記所定の位置における対地電位と、を更に含む、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0098】
また、パイプラインの所定の位置における状態に関する情報は、パイプラインの所定の位置の地表面において測定された電位差と、所定の位置における対地電位と、を更に含む。これにより、パイプラインの状態を電位差によって測定した結果を、パイプラインの状態に関する情報として、パイプラインの状態に対応する位置に表示させることができる。よって、パイプラインの状態及びパイプラインの状態に対応する位置に関するより詳細な情報を、効率的に管理することができる。
【0099】
<13>上記<1>から<12>のいずれか一態様に係る表示装置では、前記情報を利用して、前記パイプラインの防食被覆の損傷の面積を算出する面積算出部を更に備える、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0100】
また、パイプラインの状態に関する情報を利用して、パイプラインの防食被覆の損傷の面積を算出する面積算出部を更に備える。すなわち、例えば、パイプラインの所定の位置の地表面において測定された電位差と、所定の位置における対地電位と、を用いて、パイプラインの防食被覆の損傷の面積を算出する。これにより、パイプラインの防食被覆の損傷の面積を、防食被覆の損傷に対応した位置に対応付けて把握しやすくすることができる。
【0101】
<14>上記<1>から<13>のいずれか一態様に係る表示装置では、前記情報は、前記所定の位置における現場写真及び詳細地図、並びに前記パイプラインの防食被覆の損傷の面積の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0102】
また、パイプラインの状態に関する情報は、所定の位置における現場写真及び詳細地図、並びにパイプラインの防食被覆の損傷の面積の少なくとも1つを含む。これにより、パイプラインの状態を更に詳細に把握することができる。
【0103】
<15>本開示の一態様に係る表示方法は、パイプラインが敷設された場所を含む地域の地図を、表示部に表示する表示ステップを備え、前記表示ステップでは、前記パイプラインの所定の位置における状態に関する情報を、前記地図上において前記所定の位置に対応する位置に表示する、ことを特徴とする。
【0104】
上記の表示方法によれば、表示ステップにおいて、パイプラインが敷設された場所を含む地域の地図を、表示部に表示する。また、表示ステップでは、パイプラインの所定の位置における状態に関する情報を、表示部に表示された地図上において、前記所定の位置に対応する位置に表示する。これにより、パイプラインの状態及びパイプラインの状態に対応する位置を、容易に把握しやすくすることができる。すなわち、例えば、パイプラインの防食被覆が損傷している場合に、パイプラインにおける防食被覆の損傷の位置を容易に把握しやすくすることができる。
【0105】
<16>本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、上記<1>から<14>のいずれか一態様に係る表示装置として機能させる、ことを特徴とする。
【符号の説明】
【0106】
1 表示装置
2 表示部
3 入力部
10 制御部
10A 地図取得部
10B 登録部
10C 情報取得部
10D 面積算出部
10E 表示手段
10F データ出力部
11 プロセッサ
12 メモリ
20 記憶部
B ふきだし
Ba 引き出し線
D 損傷部
DP 所定の位置
I 電流
L リスト
LC 受信装置
LCa 車輪電極
M 地図
M1 縮尺操作部
M2 向き操作部
PL パイプライン
RP 基準位置
T 接触部
TL 測定信号発信器
TLa 対極
UO 地中埋設物
【要約】
【課題】パイプラインの状態及びパイプラインの状態に対応する位置を、容易に参照することができる表示装置、表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】パイプラインが敷設された場所を含む地域の地図を、表示部2に表示する表示手段10Eを備え、表示手段10Eは、パイプラインの所定の位置における状態に関する情報を、地図上において所定の位置に対応する位置に表示する、ことを特徴とする。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5