(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】バッテリーのSOC推定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/388 20190101AFI20241213BHJP
G01R 31/3828 20190101ALI20241213BHJP
G01R 31/3835 20190101ALI20241213BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241213BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
G01R31/388
G01R31/3828
G01R31/3835
H02J7/00 X
H02J7/10 B
(21)【出願番号】P 2024513103
(86)(22)【出願日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 KR2023001211
(87)【国際公開番号】W WO2023146309
(87)【国際公開日】2023-08-03
【審査請求日】2024-02-26
(31)【優先権主張番号】10-2022-0011728
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン-ヒョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン-チュル・イ
(72)【発明者】
【氏名】ドン-クン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】アン-ス・キム
(72)【発明者】
【氏名】チェ-ビン・シン
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0056079(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0261560(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1717182(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第107091994(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0097531(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第111679212(CN,A)
【文献】特表2021-533363(JP,A)
【文献】特表2022-502815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36-31/396
H02J 7/00
H02J 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cレート情報が含まれる制御信号を受信し、前記制御信号に含まれるCレートでバッテリーを充放電するように構成された充放電部と、
前記バッテリーの充放電過程において前記バッテリーの電圧を測定するように構成された測定部と、
前記充放電部に前記制御信号を送信し、前記測定部により測定された電圧値が予め設定されたしきい値に達する度に、前記制御信号に含まれる前記Cレートを変更し、変更されたCレートと予め設定されたカットオフ値とを比較した結果に基づいて前記バッテリーのSOCを推定するように構成された制御部と、
を含む、バッテリーのSOC推定装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記測定された電圧値が前記予め設定されたしきい値に達する度に、予め設定されたCレートの変更率で前記Cレートを減少させるように構成されている、請求項1に記載のバッテリーのSOC推定装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記変更されたCレートが前記カットオフ値以下である場合、予め設定されたSOCとして前記バッテリーのSOCを推定するように構成されている、請求項1に記載のバッテリーのSOC推定装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記バッテリーが充電される最中に前記変更されたCレートが前記カットオフ値以下となった場合、前記バッテリーのSOCを100%と推定するように構成され、
前記バッテリーが放電される最中に前記変更されたCレートが前記カットオフ値以下となった場合、前記バッテリーのSOCを0%と推定するように構成されている、請求項3に記載のバッテリーのSOC推定装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記変更されたCレートが前記カットオフ値を超えた場合、前記Cレートが最初に変更された最初の変更時点における前記バッテリーに対する基準SOCを設定し、前記基準SOCと、前記最初の変更時点後の前記Cレートの変更回数と、前記充放電過程において前記バッテリーの充放電が終了されるまで予想される前記Cレートの予想変更回数とに基づいて前記バッテリーのSOCを推定するように構成されている、請求項1に記載のバッテリーのSOC推定装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記変更されたCレートが前記カットオフ値を超えた場合、下記の数式1に基づいて前記バッテリーのSOCを推定するように構成され、
【数1】
ここで、B
SOCは、前記バッテリーの推定されたSOCであり、T
SOCは、前記バッテリーの充放電状態に応じて予め決定されるSOC値であり、R
SOCは、前記基準SOCであり、nは、前記Cレートの前記予想変更回数であり、mは、前記Cレートの前記変更回数である、請求項5に記載のバッテリーのSOC推定装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記変更されたCレートと、前記カットオフ値と、予め設定されたCレートの変更率とに基づいて前記Cレートの前記予想変更回数を算出するように構成されている、請求項5に記載のバッテリーのSOC推定装置。
【請求項8】
前記制御部は、
下記の数式2に基づいて前記Cレートの前記予想変更回数を算出するように構成され、
【数2】
ここで、nは、前記Cレートの前記予想変更回数であり、dは、前記Cレートの変更率であり、xは、前記カットオフ値であり、yは、前記制御信号に含まれる初期のCレート値である、請求項7に記載のバッテリーのSOC推定装置。
【請求項9】
前記測定部は、
前記充放電過程において前記バッテリーの電流をさらに測定するように構成され、
前記制御部は、
前記充放電の開始時点から前記最初の変更時点まで前記測定部により測定された前記バッテリーの電流を積算して前記基準SOCを設定するように構成されている、請求項5に記載のバッテリーのSOC推定装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記変更されたCレートが前記カットオフ値以下である場合、前記バッテリーへの充放電を終了させるための充放電終了信号を前記充放電部に送信するように構成され、
前記変更されたCレートが前記カットオフ値を超えた場合、前記変更されたCレートが含まれる前記制御信号を前記充放電部に送信するように構成されている、請求項1に記載のバッテリーのSOC推定装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のバッテリーのSOC推定装置を含む、バッテリーパック。
【請求項12】
Cレート情報が含まれる制御信号を受信し、前記制御信号に含まれるCレートでバッテリーを充放電する充放電ステップと、
前記バッテリーの充放電過程において前記バッテリーの電圧を測定する電圧測定ステップと、
前記電圧測定ステップにおいて測定された電圧値が予め設定されたしきい値に達する度に、前記制御信号に含まれる前記Cレートを変更するCレート変更ステップと、
前記Cレート変更ステップにおいて変更されたCレートと予め設定されたカットオフ値とを比較した結果に基づいて前記バッテリーのSOCを推定するSOC推定ステップと、
を含む、バッテリーのSOC推定方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1から10のうちのいずれか一項に記載のSOC推定装置に含まれる前記充放電部、前記測定部、および前記制御部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年01月26日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0011728号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーのSOC推定装置及び方法に関し、より詳細には、バッテリーのSOCを推定するバッテリーのSOC推定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ノート型パソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯型電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返し充放電可能な高性能バッテリーに対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどが挙げられるが、そのうちリチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果が殆ど起きないため充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いという利点で脚光を浴びている。
【0005】
一般に、バッテリーのSOCは、充放電電流量を積算する電流積算法により、若しくはSOCと開回路電圧(Open circuit voltage(OCV))との対応関係を考慮して測定されたOCVから推定可能である。また、バッテリーの電圧挙動を用いたバッテリーモデルの拡張カルマンフィルター(EKF:Extended Kalman Filter)を用いてSOCを推定する方式も利用される。
【0006】
OCVは、休止状態で測定可能な値であるため、充放電過程においては電流積算法が主として利用される。但し、電流積算法は、電流積算に際して誤差が累積される場合若しくは初期のSOC値が正確ではない場合に、SOCの推定結果が不正確であるという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、充放電Cレート(C-Rate)を変更し、変更された充放電Cレートとカットオフ値とを比較することで、バッテリーのSOCをより一層正確に推定することのできるバッテリーのSOC推定装置及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的及び利点は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかになる。また、本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によるバッテリーのSOC推定装置は、Cレート情報が含まれる制御信号を受信し、前記制御信号に含まれるCレートでバッテリーを充放電するように構成された充放電部と、前記バッテリーの充放電過程において前記バッテリーの電圧を測定するように構成された測定部と、前記充放電部に前記制御信号を送信し、前記測定部により測定された電圧値が予め設定されたしきい値に達する度に、前記制御信号に含まれる前記Cレートを変更し、変更されたCレートと予め設定されたカットオフ値とを比較した結果に基づいて前記バッテリーのSOCを推定するように構成された制御部と、を含み得る。
【0010】
前記制御部は、前記測定された電圧値が前記予め設定されたしきい値に達する度に、予め設定されたCレートの変更率に前記Cレートを減少させるように構成され得る。
【0011】
前記制御部は、前記変更されたCレートが前記カットオフ値以下である場合、予め設定されたSOCとして前記バッテリーのSOCを推定するように構成され得る。
【0012】
前記制御部は、前記バッテリーが充電される最中に前記変更されたCレートが前記カットオフ値以下となった場合、前記バッテリーのSOCを100%と推定するように構成され得る。
【0013】
前記バッテリーが放電される最中に前記変更されたCレートが前記カットオフ値以下となった場合、前記バッテリーのSOCを0%と推定するように構成され得る。
【0014】
前記制御部は、前記変更されたCレートが前記カットオフ値を超えた場合、前記Cレートが最初に変更された最初の変更時点における前記バッテリーに対する基準SOCを設定し、前記基準SOCと、前記最初の変更時点後の前記Cレートの変更回数と、前記充放電過程において前記バッテリーの充放電が終了されるまで予想される前記Cレートの予想変更回数とに基づいて前記バッテリーのSOCを推定するように構成され得る。
【0015】
前記制御部は、前記変更されたCレートが前記カットオフ値を超えた場合、下記の数式1に基づいて前記バッテリーのSOCを推定するように構成され得る。
【数1】
ここで、B
SOCは、前記バッテリーの推定されたSOCであり、T
SOCは、前記バッテリーの充放電状態に応じて予め決定されるSOC値であり、R
SOCは、前記基準SOCであり、nは、前記Cレートの前記予想変更回数であり、mは、前記Cレートの前記変更回数であり得る。
【0016】
前記制御部は、前記変更されたCレートと、前記カットオフ値と、予め設定されたCレートの変更率とに基づいて前記Cレートの前記予想変更回数を算出するように構成され得る。
【0017】
前記制御部は、下記の数式2に基づいて前記Cレートの前記予想変更回数を算出するように構成され得る。
【数2】
ここで、nは、前記Cレートの前記予想変更回数であり、dは、前記Cレートの変更率であり、xは、前記カットオフ値であり、yは、前記制御信号に含まれる初期のCレート値であり得る。
【0018】
前記測定部は、前記充放電過程において前記バッテリーの電流をさらに測定するように構成され得る。
【0019】
前記制御部は、前記充放電の開始時点から前記最初の変更時点まで前記測定部により測定された前記バッテリーの電流を積算して前記基準SOCを設定するように構成され得る。
【0020】
前記制御部は、前記変更されたCレートが前記カットオフ値以下である場合、前記バッテリーへの充放電を終了させるための充放電終了信号を前記充放電部に送信するように構成され得る。
【0021】
前記制御部は、前記変更されたCレートが前記カットオフ値を超えた場合、前記変更されたCレートが含まれる前記制御信号を前記充放電部に送信するように構成され得る。
【0022】
本発明の他の側面によるバッテリーパックは、本発明の一態様によるバッテリーのSOC推定装置を含み得る。
【0023】
本発明のさらに他の側面によるバッテリーのSOC推定方法は、Cレート情報が含まれる制御信号を受信し、前記制御信号に含まれるCレートでバッテリーを充放電する充放電ステップと、前記バッテリーの充放電過程において前記バッテリーの電圧を測定する電圧測定ステップと、前記電圧測定ステップにおいて測定された電圧値が予め設定されたしきい値に達する度に、前記制御信号に含まれる前記Cレートを変更するCレート変更ステップと、前記Cレート変更ステップにおいて変更されたCレートと予め設定されたカットオフ値とを比較した結果に基づいて前記バッテリーのSOCを推定するSOC推定ステップと、を含み得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、Cレートを変更しながらバッテリーを充放電することで、バッテリーのSOCをより一層正確に推定することが可能になる。特に、本発明は、初期のCレートと温度が特定の値に限られて設定されていなくても、バッテリーのSOCを正確に推定することができるという利点がある。
【0025】
本発明の効果は、上記の効果に限らず、言及されていない他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者にとって明確に理解できるものである。
【0026】
本明細書に添付される下記の図面は、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割のためのものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーのSOC推定装置を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーのSOC推定装置がバッテリーのSOCを推定する一実施形態を示す図である。
【
図3】本発明の他の実施形態によるバッテリーパックの例示的な構成を概略的に示す図である。
【
図4】本発明のさらなる他の実施形態によるバッテリーのSOC推定方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は一般的および辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されるものである。
【0029】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0030】
また、本発明を説明するに当たって、関連する公知の構成もしくは機能についての具体的な説明が本発明の要旨をかえって不明確にする可能性があると認められる場合にはその詳細な説明は省略する。
【0031】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素のうちのいずれか一つをその他の要素と区別するために使われたものであり、これら用語によって構成要素を限定するために使われたものではない。
【0032】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは、特に言及しない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0033】
さらに、明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されているというとき、これは「直接的に連結(接続)」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「間接的に連結(接続)」されている場合も含む。
【0034】
以下では、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーのSOC推定装置100を概略的に示す図である。
【0036】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーのSOC推定装置100は、充放電部110と、測定部120及び制御部130を含み得る。
【0037】
充放電部110は、Cレート情報(充放電レート(Current rate)情報)が含まれる制御信号を受信するように構成され得る。
【0038】
例えば、充放電部110は、制御部130と有線及び/又は無線を介して通信可能に接続され得る。そして、充放電部110は、制御部130からCレート情報が含まれる制御信号を受信し得る。
【0039】
具体的には、制御信号に含まれるCレート情報の初期値は、バッテリーの仕様に応じて、制御部130により直接的に設定されてもよいし、ユーザーの入力により設定されてもよい。
【0040】
充放電部110は、制御信号に含まれるCレートでバッテリーを充放電するように構成され得る。
【0041】
ここで、バッテリーは、負極端子と正極端子を備え、物理的に分離可能な1つの独立したセルを意味する。一例として、リチウムイオン電池又はリチウムポリマー電池がバッテリーとしてみなされ得る。また、バッテリーは、複数のセルが直列及び/又は並列に接続されているバッテリーモジュールを意味することがある。以下では、説明のしやすさのために、バッテリーが1つの独立したセルを意味するものであると説明する。
【0042】
具体的には、充放電部110は、制御信号に含まれるCレート情報を読み込み、これに対応するCレートでバッテリーを充電又は放電し得る。
【0043】
例えば、Cレートが1Cに予め設定された場合、充放電部110は、バッテリーを1CのCレートで充電し得るか、あるいは、バッテリーを1CのCレートで放電し得る。
【0044】
但し、制御信号に含まれ得るCレート情報の値は、特に制限されないということに留意されたい。Cレート情報の値は、0.05C以上に設定されてよい。好ましくは、Cレート情報の値は、0.05C以上3C以下に設定されてよい。
【0045】
測定部120は、バッテリーの充放電過程においてバッテリーの電圧を測定するように構成され得る。
【0046】
具体的には、測定部120は、バッテリーの正極端子及び負極端子に接続され得る。そして、測定部120は、バッテリーの正極電圧と負極電圧をそれぞれ測定し、正極電圧と負極電圧との差を算出することによりバッテリーの電圧を測定し得る。すなわち、測定部120は、バッテリーの充放電過程においてバッテリーの端子電圧を測定し得る。
【0047】
制御部130は、充放電部110に制御信号を送信するように構成され得る。上述したように、制御部130は、Cレート情報が含まれる制御信号を生成し、生成された制御信号を充放電部110に送信し得る。
【0048】
制御部130は、測定部120により測定された電圧値が予め設定されたしきい値に達する度に、制御信号に含まれるCレートを変更するように構成され得る。
【0049】
ここで、予め設定されたしきい値は、充電過程と放電過程のそれぞれにおいて設定され得る。好ましくは、予め設定されるしきい値は、定電圧充電又は定電圧放電が開始される電圧値であり得る。
【0050】
一般に、充電過程は、定電流(Constant current(CC))充電と定電圧(Constant voltage(CV))充電の過程を含み得る。例えば、バッテリーの電圧が3.8Vに達するまで定電流充電が行われ、3.8Vの後からは定電圧充電が行われ得る。この場合、しきい値は、定電圧充電が開始される電圧値である3.8Vに予め設定され得る。放電過程の場合も同様に、定電圧放電が開始される電圧値がしきい値に設定され得る。
【0051】
より具体的には、制御部130は、測定された電圧値が予め設定されたしきい値に達する度に、予め設定されたCレートの変更率でCレートを減少させるように構成され得る。
【0052】
例えば、バッテリーの充電過程において、しきい値は3.8Vに設定され、Cレートの変更率は0.5であり、初期のCレートは1Cに予め設定されたと仮定する。
【0053】
充放電部110は、制御部130からCレート1Cに関する情報が含まれる制御信号を受信し、バッテリーを1Cで充電し得る。測定部120により測定された電圧値が3.8Vに達すると、制御部130は、制御情報に含まれるCレート情報の値を1Cから0.5Cへと減少させ得る。
【0054】
そして、充放電部110は、制御部130からCレート0.5Cに関する情報が含まれる制御信号を受信し、バッテリーに対するCレートを0.5Cに減少させ得る。この場合、Cレートが1Cから0.5Cへと減少したため、測定部120により測定される電圧値は減少し得る。
【0055】
具体的には、バッテリーの電圧は、オームの方式に基づいて算出されるものであって、「V=IR」の公式において「I」に対応するCレートが減少したため、測定されるバッテリーの電圧が減少し得る。
【0056】
より具体的には、通常の定電圧充電の過程においては、バッテリーの電圧が一定のレベルを保持するように充電電流が徐々に減少するが、本発明においては、Cレートの変更率に応じてCレートを急激に変更するため、測定されるバッテリーの電圧が減少し得る。
【0057】
この後、バッテリーは、0.5CのCレートで充電され、バッテリーの電圧が再び3.8Vに達すると、制御部130は、制御信号に含まれるCレート情報を0.25Cに減少させ得る。
【0058】
図2は、本発明の一実施形態によるバッテリーのSOC推定装置100がバッテリーのSOCを推定する一実施形態を示す図である。
【0059】
図2の実施形態において、t0時点においてバッテリーの充電が開始され得る。具体的には、t0時点において、制御部130は充放電部110に制御信号を送信し得る。充放電部110は、制御信号に含まれるCレート情報を読み込み、これに対応するCレートでバッテリーの充電を開始し得る。
【0060】
t0時点からt1時点までバッテリーは1Cで充電され得る。
【0061】
t1時点において、バッテリーの電圧は、しきい値VTHに達し得る。この場合、制御部130は、制御信号に含まれるCレート情報の値をCレートの変更率に応じて減少させ得る。例えば、制御部130は、制御信号に含まれるCレート情報の値を1Cから0.5Cへと減少させ得る。
【0062】
t1時点からt2時点までバッテリーは0.5Cで充電され得る。
【0063】
t2時点において、バッテリーの電圧はしきい値VTHに再び達し得る。例えば、制御部130は、制御信号に含まれるCレート情報の値を0.5Cから0.25Cへと減少させ得る。
【0064】
t2時点からt3時点までバッテリーは0.25Cで充電され得る。
【0065】
t3時点において、バッテリーの電圧はしきい値VTHに再び達し得る。例えば、制御部130は、制御信号に含まれるCレート情報の値を0.25Cから0.125Cへと減少させ得る。
【0066】
t3時点からt4時点までバッテリーは0.125Cで充電され得る。
【0067】
t4時点において、バッテリーの電圧はしきい値VTHに再び達し得る。例えば、制御部130は、制御信号に含まれるCレート情報の値を0.125Cから0.0625Cへと減少させ得る。
【0068】
t4時点からt5時点までバッテリーは0.0625Cで充電され得る。
【0069】
t5時点において、バッテリーの電圧はしきい値VTHに再び達し得る。例えば、制御部130は、制御信号に含まれるCレート情報の値を0.0625Cから0.03125Cへと減少させ得る。
【0070】
そして、t5時点においてバッテリーの充電は終了され得る。
【0071】
制御部130は、変更されたCレートと予め設定されたカットオフ値とを比較した結果に基づいてバッテリーのSOCを推定するように構成され得る。
【0072】
ここで、カットオフ値は、予め決定されたCレート値であって、バッテリーの充放電を終了させ得る基準値であり得る。例えば、カットオフ値は、0.05Cに予め設定され得る。
【0073】
すなわち、制御部130は、バッテリーの電圧値がしきい値VTHに達する度に制御信号に含まれるCレート値を変更し、変更されたCレート値をカットオフ値と比較し得る。そして、制御部130は、比較結果に基づいて、バッテリーのSOCを推定し得る。
【0074】
具体的には、制御部130は、変更されたCレートがカットオフ値以下である場合、予め設定されたSOCとしてバッテリーのSOCを推定し得る。ここで、変更されたCレートがカットオフ値以下である場合とは、バッテリーの充電又は放電が終了される条件に相当し得る。
【0075】
例えば、バッテリーが充電される最中に変更されたCレートがカットオフ値以下となった場合、制御部130は、バッテリーのSOCを100%と推定するように構成され得る。逆に、バッテリーが放電される最中に変更されたCレートがカットオフ値以下となった場合、制御部130は、バッテリーのSOCを0%と推定するように構成され得る。
【0076】
上述した実施形態のように、
図2の実施形態において、t0時点において、バッテリーが1Cで充電され始めると仮定すれば、カットオフ値は0.05Cに予め設定され得る。t1、t2、t3、t4及びt5時点において、それぞれバッテリーの電圧値はしきい値V
THに達し、t5時点において、制御部130はCレートを0.3125Cに変更し得る。変更されたCレート(0.3125C)がカットオフ値(0.05C)以下であるため、制御部130は、t5時点において、バッテリーのSOCを100%と推定し得る。
【0077】
一般に、SOCの推定に利用される電流積算法は、電流の積算に際して誤差が累積される場合若しくは初期のSOC値が正確ではない場合、SOCの推定結果が不正確であるという欠点がある。
【0078】
したがって、本発明においては、同一のカットオフ条件下で終局的な充電量若しくは放電量が同一であるというバッテリーの特性を考慮して、バッテリーのSOCを推定することができる。これにより、電流積算法によるSOCの推定誤差が補正されてバッテリーのSOCが正確に推定するが可能になる。
【0079】
ここで、本発明において考慮したバッテリー特性とは、充放電Cレートとバッテリーの温度が異なっていても、同一のカットオフ条件下では均一な量で充放電が行われ得るということである。例えば、本発明のように、所定のカットオフ値(例えば、0.05C)を適用する場合、初期のCレートとバッテリーの温度が異なっていても、終局的な充電量若しくは放電量は同量であり得る。
【0080】
したがって、本発明は、変更されるCレートとカットオフ値とを比較した結果に基づいて、バッテリーのSOCを正確に推定することができるという利点がある。
【0081】
一方、バッテリーのSOC推定装置100に配備された制御部130は、本発明において行われる多種多様な制御ロジックを起動するために本分野において知られているプロセッサー、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuits)、他のチップセット、論理回路、レジスター、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含み得る。また、前記制御ロジックがソフトウェアにより実現されるとき、制御部130は、プログラムモジュールの集合により実現され得る。このとき、プログラムモジュールはメモリーに記憶され、制御部130により起動され得る。メモリーは、制御部130の内部または外部に存在し得、周知の多種多様な手段により制御部130と接続され得る。
【0082】
また、バッテリーのSOC推定装置100は、記憶部140をさらに含み得る。記憶部140は、バッテリーのSOC推定装置100の各構成要素が動作及び機能を行う上で必要となるデータやプログラム又は動作及び機能が行われる過程において生成されるデータなどを記憶し得る。記憶部140は、データの記録、消去、更新及び読出を行い得ると知られている公知の情報記憶手段であれば、その種類に特に制限がない。一例として、情報記憶手段には、ランダムアクセスメモリー(RAM:random access memory)、フラッシュメモリー、読み込み専用メモリー(ROM:read-only memory)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリー(EEPROM:electrically erasable programmable read-only memory)、レジスターなどが含まれ得る。また、記憶部140は、制御部130により起動可能なプロセスが定義されたプログラムコードを記憶し得る。
【0083】
制御部130は、変更されたCレートがカットオフ値を超えた場合、変更されたCレートが含まれる制御信号を充放電部110に送信するように構成され得る。これとは逆に、制御部130は、変更されたCレートがカットオフ値以下である場合、バッテリーへの充放電を終了させるための充放電終了信号を充放電部110に送信するように構成され得る。
【0084】
具体的には、変更されたCレートがカットオフ値を超えた場合、制御部130は、Cレートが最初に変更された最初の変更時点におけるバッテリーに対する基準SOCを設定するように構成され得る。
【0085】
ここで、最初の変更時点は、充放電過程においてバッテリーの電圧値がしきい値VTHに最初に達した時点であり得る。
【0086】
例えば、
図2の実施形態において、t1時点において、バッテリーの電圧値がしきい値V
THに達するため、制御部130は、Cレートを変更し得る。したがって、
図2の実施形態においては、t1時点が最初の変更時点であり得る。
【0087】
より具体的には、最初の変更時点における基準SOCは、電流積算法により設定され得る。このために、測定部120は、充放電過程においてバッテリーの電流をさらに測定するように構成され得る。そして、制御部130は、充放電の開始時点から最初の変更時点まで測定部120により測定されたバッテリーの電流を積算して基準SOCを設定するように構成され得る。
【0088】
例えば、
図2の実施形態において、測定部120は、バッテリーの充電が開始されるt0時点からt1時点までバッテリーの充電電流を測定し得る。そして、バッテリーは、t0時点からt1時点までの充電電流を積算してt1時点における基準SOCを95%に設定し得る。
【0089】
そして、制御部130は、基準SOC、最初の変更時点の後のCレートの変更回数及び充放電過程において前記バッテリーの充放電が終了されるまで予想される前記Cレートの予想変更回数に基づいて前記バッテリーのSOCを推定するように構成され得る。
【0090】
具体的には、制御部130は、予想変更回数に対するCレートの変更回数の比率と基準SOCを考慮して、充放電が行われる最中(変更されたCレートがカットオフ値を初期化させるとき)のSOCを推定し得る。
【0091】
より具体的には、制御部130は、下記の数式1に基づいてバッテリーのSOCを推定するように構成され得る。
【数3】
ここで、B
SOCは、バッテリーの推定されたSOCであり、T
SOCは、バッテリーの充放電状態に応じて予め決定されるSOC値であり、R
SOCは、基準SOCであり、nは、Cレートの予想変更回数であり、mは、Cレートの変更回数であり得る。
【0092】
例えば、
図2の実施形態において、制御部130がt3時点においてバッテリーのSOCを推定する実施形態について説明する。制御部130は、t3時点において、Cレートを0.25Cから0.125Cへと変更する。t3時点において、制御部130によるCレートの変更回数(m)は、最初の変更時点t1を除いて2回である。
【0093】
そして、初期のCレート(1C)を予め設定されたCレートの変更率(0.5)で変更したとき、変更されたCレートがカットオフ値以下となる時点はt5時点であるため、Cレートの予想変更回数(n)は、最初の変更時点t1を除いて4回である。ここで、予想変更回数は、バッテリーの充放電が終了されなくても、初期のCレートと変更率を用いて制御部130により算出され得る。
【0094】
図2の実施形態において、バッテリーは充電中であるため、予め決定されるSOC値(T
SOC)は100%であり、最初の変更時点t1において設定される基準SOC(R
SOC)は95%である。したがって、制御部130は、数式1に基づいて「95+{(100-95)÷4×2}」を計算して、t3時点におけるSOC(B
SOC)を97.5%と推定し得る。
【0095】
したがって、本発明の一実施形態によるバッテリーのSOC推定装置100は、バッテリーの充放電が終了される場合のみならず、充放電が行われる場合であっても、バッテリーのSOCを推定することができるという利点がある。
【0096】
一方、数式1を参照すると、変更されたCレートがカットオフ値以下となる時点において、予想変更回数(n)とCレート変更回数(m)とが同一であり得る。すると、推定されるSOC(BSOC)は、予め決定されるSOC値(TSOC)と同一になるはずである。したがって、数式1に基づく場合であっても、充放電が終了される場合(変更されたCレートがカットオフ値以下となる場合)、制御部130は、予め決定されるSOC値とバッテリーのSOCを推定することができる。
【0097】
また、制御部130は、変更されたCレート、カットオフ値及び予め設定されたCレートの変更率に基づいてCレートの予想変更回数を算出するように構成され得る。
【0098】
具体的には、制御部130は、下記の数式2に基づいてCレートの予想変更回数を算出するように構成され得る。
【0099】
【数4】
ここで、nは、Cレートの予想変更回数であり、dは、Cレートの変更率であり、xは、カットオフ値であり、yは、制御信号に含まれる初期のCレート値であり得る。そして、数式2において、床関数(floor function,
【数5】
)は、最初の変更時点におけるCレート変更回数を除くためのものである。
【0100】
例えば、
図2の実施形態において、Cレートの変更率(d)は0.5であり、制御信号に含まれる初期のCレート値(y)は1Cであり、カットオフ値は0.05Cであり得る。したがって、制御部130は、「
【数6】
」の数式を計算して、Cレートの予想変更回数(n)を4回として算出し得る。このような方式により算出されたCレートの予想変更回数(n)は、数式1に適用されてバッテリーのSOCを推定するのに用いられ得る。
【0101】
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリーのSOC推定装置100は、所定のカットオフ値(例えば、0.05C)を適用する場合、初期のCレートとバッテリーの温度が異なっていても、終局的な充電量若しくは放電量が同一であるというバッテリーの特性を考慮して、バッテリーのSOCを正確に推定することができるという利点がある。
【0102】
また、本発明の一実施形態によれば、電流積算法により算出されたSOC値が変更されたCレートとカットオフ値との比較により補正可能であることから、SOC-OCVプロファイルにおいて平坦区間(Plateau)が現れるLFPバッテリーに対してもSOCを正確に推定することができるという利点がある。
【0103】
本発明によるバッテリーのSOC推定装置100は、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)に適用され得る。すなわち、本発明によるBMSは、上述したバッテリーのSOC推定装置100を含み得る。このような構成において、バッテリーのSOC推定装置100の各構成要素のうちの少なくとも一部は、従来のBMSに含まれる構成要素の機能を補完したり追加したりすることにより実現され得る。例えば、バッテリーのSOC推定装置100の充放電部110、測定部120、制御部130及び記憶部140は、BMSの構成要素として実現され得る。
【0104】
また、本発明によるバッテリーのSOC推定装置100は、バッテリーパック1に配備され得る。すなわち、本発明によるバッテリーパック1は、上述したバッテリーのSOC推定装置100及び1つ以上のバッテリーセルを含み得る。また、バッテリーパック1は、電装品(リレー、ヒューズなど)及びケースなどをさらに含み得る。
【0105】
図3は、本発明の他の実施形態によるバッテリーパック1の例示的な構成を概略的に示す図である。
【0106】
図3を参照すると、バッテリーBの正極は、バッテリーパック1の正極端子P+に接続され、バッテリーBの負極は、バッテリーパック1の負極端子P-に接続され得る。
【0107】
測定部120は、第1のセンシングラインSL1を介してバッテリーBの正極とバッテリーパック1の正極端子P+との間に接続され、第2のセンシングラインSL2を介してバッテリーBの負極とバッテリーパック1の負極端子P-との間に接続され得る。したがって、測定部120は、第1のセンシングラインSL1と第2のセンシングラインSL2を介してバッテリーBの電圧を測定することができる。
【0108】
また、測定部120は、第3のセンシングラインSL3を介してバッテリーBの充放電経路(大電流経路)に配備された電流測定素子Aに接続されて、バッテリーBの充放電電流を測定し得る。ここで、電流測定素子Aは、電流計及び/又はシャント抵抗(shunt resistor)であり得る。
【0109】
充放電部110の一方の端はバッテリーBの正極とバッテリーパック1の正極端子P+との間に接続され、他方の端はバッテリーBの負極とバッテリーパック1の負極端子P-との間に接続され得る。そして、充放電部110は、制御部130から受信した制御信号に含まれるCレート情報に基づいてバッテリーBを充放電し得る。
【0110】
図4は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーのSOC推定方法を概略的に示す図である。
【0111】
好ましくは、バッテリーのSOC推定方法の各ステップは、バッテリーのSOC推定装置100により行われ得る。以下では、説明のしやすさのために、上述の内容と重複する内容については簡略に説明したり省略したりするということに留意されたい。
【0112】
図4を参照すると、バッテリーのSOC推定方法は、充放電ステップ(S100)と、電圧測定ステップ(S200)と、Cレート変更ステップ(S300)、及びSOC推定ステップ(S400)を含み得る。
【0113】
充放電ステップ(S100)は、Cレート情報が含まれる制御信号を受信し、制御信号に含まれるCレートでバッテリーBを充放電するステップであって、充放電部110により行われ得る。
【0114】
例えば、充放電部110は、制御部130からCレート情報が含まれる制御信号を受信し得る。そして、充放電部110は、制御信号に含まれるCレート情報を読み込み、これに対応するCレートでバッテリーBを充電又は放電し得る。
【0115】
電圧測定ステップ(S200)は、バッテリーBの充放電過程においてバッテリーBの電圧を測定するステップであって、測定部120により行われ得る。
【0116】
Cレート変更ステップ(S300)は、電圧測定ステップ(S200)において測定された電圧値が予め設定されたしきい値VTHに達する度に、Cレートを変更するステップであって、制御部130により行われ得る。
【0117】
具体的には、制御部130は、測定された電圧値が予め設定されたしきい値VTHに達する度に、予め設定されたCレートの変更率でCレートを変更するように構成され得る。
【0118】
例えば、制御部130は、測定された電圧値が予め設定されたしきい値VTHに達する度に、0.5の比率でCレートを減少させ得る。
【0119】
SOC推定ステップ(S400)は、Cレート変更ステップ(S300)において変更されたCレートと予め設定されたカットオフ値とを比較した結果に基づいてバッテリーBのSOCを推定するステップであって、制御部130により行われ得る。
【0120】
具体的には、変更されたCレートがカットオフ値以下である場合、制御部130は、予め設定されたSOCとしてバッテリーBのSOCを推定し得る。そして、制御部130は、バッテリーBへの充放電を終了させるための充放電終了信号を充放電部110に送信するように構成され得る。
【0121】
逆に、変更されたCレートがカットオフ値を超えた場合、制御部130は、上述した数式1及び数式2に基づいてバッテリーBのSOCを推定するように構成され得る。そして、制御部130は、変更されたCレートが含まれる制御信号を充放電部110に送信するように構成され得る。
【0122】
以上説明した本発明の実施形態は、装置および方法によってのみ実現されるものではなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するプログラム又はそのプログラムが記録された記録媒体を介して実現されてもよい。このような実現は、上述した実施形態の記載から本発明が属する技術分野の専門家であれば容易に実現できるものである。
【0123】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0124】
また、以上で説明した本発明は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の置換、変形及び変更が可能であるため、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるのではなく、様々な変形のため各実施形態の全部又は一部が選択的に組み合わせられて構成され得る。
【符号の説明】
【0125】
1 バッテリーパック
100 バッテリーのSOC推定装置
110 充放電部
120 測定部
130 制御部
140 記憶部