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特許7603885アドバイス送信装置及びアドバイス送信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】アドバイス送信装置及びアドバイス送信方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20241213BHJP
【FI】
G16H20/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024519251
(86)(22)【出願日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 JP2023039536
【審査請求日】2024-03-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】落合 祐美子
(72)【発明者】
【氏名】平井 正人
(72)【発明者】
【氏名】松本 麻衣
(72)【発明者】
【氏名】三浦 美怜
(72)【発明者】
【氏名】武井 尭子
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/144930(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0334967(US,A1)
【文献】特表2017-520297(JP,A)
【文献】特表2007-518471(JP,A)
【文献】特開2021-117845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一人以上の被介護者のうち、或る被介護者に対して介護サービスを提供する介護提供者へのアドバイスの通知要求を取得し、前記或る被介護者に係るセンシングデータの収集指令を出力するテキストデータ取得部と、
前記テキストデータ取得部から出力された収集指令に従って、それぞれの被介護者の状況を監視するセンサのセンシングデータの中から、前記或る被介護者に係るセンシングデータを収集するセンシングデータ収集部と、
前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータに基づいて、前記被介護者に対して介護サービスを提供する介護提供者へのアドバイスを決定するアドバイス決定部と、
前記アドバイス決定部により決定されたアドバイスを送信するアドバイス送信部と
を備え
前記アドバイス決定部は、
前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータに基づいて、前記アドバイスの必要性を判定し、前記アドバイスの必要性があれば、前記センシングデータに基づいて、前記アドバイスを決定し、
前記アドバイス決定部は、
前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータを、ニューラルネットワークによって実現される第1の学習モデルに与え、当該第1の学習モデルから、アドバイスの必要性の判定結果を取得し、
アドバイスの必要性の判定結果が、アドバイスの必要性が有る旨を示していれば、前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータを、ニューラルネットワークによって実現される第2の学習モデルに与え、当該第2の学習モデルから、当該センシングデータに対応する前記アドバイスを取得し、
前記第1の学習モデルは、前記アドバイス決定部からの、前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータの入力に対し、アドバイスの必要性の判定結果を出力するよう学習されたモデルであり、
前記第2の学習モデルは、前記アドバイス決定部からの、前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータの入力に対し、当該センシングデータに対応する、介護提供者へのアドバイスを出力するよう学習されたモデルであることを特徴とするアドバイス送信装置。
【請求項2】
前記アドバイス決定部は、
前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータと前記被介護者の介護記録とに基づいて、前記アドバイスの必要性を判定し、前記アドバイスの必要性があれば、前記センシングデータと前記介護記録とに基づいて、前記アドバイスを決定することを特徴とする請求項1記載のアドバイス送信装置。
【請求項3】
前記アドバイス決定部は、
前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータと前記被介護者の服薬情報とに基づいて、前記アドバイスの必要性を判定し、前記アドバイスの必要性があれば、前記センシングデータと前記服薬情報とに基づいて、前記アドバイスを決定することを特徴とする請求項1記載のアドバイス送信装置。
【請求項4】
前記アドバイス決定部は、
前記センシングデータ収集部により収集された複数のセンシングデータに基づいて、前記介護提供者へのアドバイスを決定することを特徴とする請求項1記載のアドバイス送信装置。
【請求項5】
前記アドバイス送信部は、
前記アドバイス決定部により決定されたアドバイスに基づいて、前記アドバイスを送信するタイミングを決定し、決定したタイミングで前記アドバイスを送信することを特徴とする請求項1記載のアドバイス送信装置。
【請求項6】
テキストデータ取得部と、センシングデータ収集部と、アドバイス決定部と、アドバイス送信部とを備えるアドバイス送信装置のアドバイス送信方法であって、
前記テキストデータ取得部が、一人以上の被介護者のうち、或る被介護者に対して介護サービスを提供する介護提供者へのアドバイスの通知要求を取得し、前記或る被介護者に係るセンシングデータの収集指令を出力し、
前記センシングデータ収集部が、前記テキストデータ取得部から出力された収集指令に従って、それぞれの被介護者の状況を監視するセンサのセンシングデータの中から、前記或る被介護者に係るセンシングデータを収集し、
前記アドバイス決定部が、前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータに基づいて、前記被介護者に対して介護サービスを提供する介護提供者へのアドバイスを決定し、
前記アドバイス送信部が、前記アドバイス決定部により決定されたアドバイスを送信し、
前記アドバイス決定部は、
前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータに基づいて、前記アドバイスの必要性を判定し、前記アドバイスの必要性があれば、前記センシングデータに基づいて、前記アドバイスを決定し、
前記アドバイス決定部は、
前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータを、ニューラルネットワークによって実現される第1の学習モデルに与え、当該第1の学習モデルから、アドバイスの必要性の判定結果を取得し、
アドバイスの必要性の判定結果が、アドバイスの必要性が有る旨を示していれば、前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータを、ニューラルネットワークによって実現される第2の学習モデルに与え、当該第2の学習モデルから、当該センシングデータに対応する前記アドバイスを取得し、
前記第1の学習モデルは、前記アドバイス決定部からの、前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータの入力に対し、アドバイスの必要性の判定結果を出力するよう学習されたモデルであり、
前記第2の学習モデルは、前記アドバイス決定部からの、前記センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータの入力に対し、当該センシングデータに対応する、介護提供者へのアドバイスを出力するよう学習されたモデルであることを特徴とするアドバイス送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アドバイス送信装置及びアドバイス送信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アドバイスをユーザ等に送信するアドバイス送信装置がある。
このようなアドバイス送信装置として、例えば、特許文献1には、アドバイスを生成して、アドバイスをユーザの携帯端末に送信するアドバイス送信装置が開示されている。
当該アドバイス送信装置は、ユーザの携帯端末から、携帯端末が存在している位置を示す位置情報を取得する。そして、アドバイス送信装置は、位置情報が示す位置を含む地域の情報が記録されている地域テーブルを参照することによってアドバイスを生成し、アドバイスをユーザの携帯端末に送信する。ユーザは、例えば、老人等の被介護者である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-99442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているアドバイス送信装置は、被介護者の状況として、例えば、被介護者のバイタルが変化したときに、介護提供者に対してアドバイスを提供することができないという課題があった。介護提供者は、被介護者に対して介護サービスを提供する、例えば施設のスタッフである。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、被介護者の状況が変化したときに、介護提供者に対してアドバイスを提供することができるアドバイス送信装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るアドバイス送信装置は、一人以上の被介護者のうち、或る被介護者に対して介護サービスを提供する介護提供者へのアドバイスの通知要求を取得し、或る被介護者に係るセンシングデータの収集指令を出力するテキストデータ取得部と、テキストデータ取得部から出力された収集指令に従って、それぞれの被介護者の状況を監視するセンサのセンシングデータの中から、或る被介護者に係るセンシングデータを収集するセンシングデータ収集部と、センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータに基づいて、被介護者に対して介護サービスを提供する介護提供者へのアドバイスを決定するアドバイス決定部と、アドバイス決定部により決定されたアドバイスを送信するアドバイス送信部とを備えたものである。アドバイス決定部は、センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータに基づいて、アドバイスの必要性を判定し、アドバイスの必要性があれば、センシングデータに基づいて、アドバイスを決定する。
アドバイス決定部は、センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータを、ニューラルネットワークによって実現される第1の学習モデルに与え、当該第1の学習モデルから、アドバイスの必要性の判定結果を取得し、アドバイスの必要性の判定結果が、アドバイスの必要性が有る旨を示していれば、センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータを、ニューラルネットワークによって実現される第2の学習モデルに与え、当該第2の学習モデルから、当該センシングデータに対応するアドバイスを取得する。
第1の学習モデルは、アドバイス決定部からの、センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータの入力に対し、アドバイスの必要性の判定結果を出力するよう学習されたモデルであり、第2の学習モデルは、アドバイス決定部からの、センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータの入力に対し、当該センシングデータに対応する、介護提供者へのアドバイスを出力するよう学習されたモデルである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、被介護者の状況が変化したときに、介護提供者に対してアドバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るアドバイス送信装置2を含むシステムを示す構成図である。
図2】実施の形態1に係るアドバイス送信装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図3】アドバイス送信装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
図4】アドバイス送信装置2の処理手順であるアドバイス送信方法を示すフローチャートである。
図5】介護提供者であるスタッフへのアドバイスの一例を示す説明図である。
図6】実施の形態2に係るアドバイス送信装置2を含むシステムを示す構成図である。
図7】実施の形態2に係るアドバイス送信装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図8】実施の形態3に係るアドバイス送信装置2を含むシステムを示す構成図である。
図9】実施の形態3に係るアドバイス送信装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図10】アドバイス決定部26による再度のアドバイスの決定例を示すフローチャートである。
図11】実施の形態4に係るアドバイス送信装置2を含むシステムを示す構成図である。
図12】実施の形態4に係るアドバイス送信装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るアドバイス送信装置2を含むシステムを示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係るアドバイス送信装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【0011】
チャットボット1は、音声認識部11、音声データベース12、チャットボットエンジン部13、表示部14及び音声出力部15を備えている。
チャットボット1は、ユーザの音声を認識して、ユーザの音声を示すテキストデータをアドバイス送信装置2に出力する。
図1に示すシステムでは、テキストデータがアドバイスの通知要求を示すものであり、テキストデータがアドバイス送信装置2に出力される。
チャットボット1は、アドバイス送信装置2から返信されたアドバイスを表示部14及び音声出力部15のそれぞれに出力する。
【0012】
音声認識部11は、ユーザの音声を認識し、音声データベース12に記録されている音声データに基づいて、ユーザの音声を示すテキストデータを作成する。音声データベース12に記録されている音声データは、例えば、音片を表す音片データである。
音声認識部11は、テキストデータをチャットボットエンジン部13に出力する。
音声データベース12は、例えば、音片データと、音片データに対応するテキストデータとを記憶している。
【0013】
チャットボットエンジン部13は、音声認識部11から、テキストデータを取得すれば、テキストデータをアドバイス送信装置2に出力し、図示せぬキーボード等から、テキストデータが与えられれば、テキストデータをアドバイス送信装置2に出力する。
チャットボットエンジン部13は、アドバイス送信装置2から、アドバイスを取得する。
チャットボットエンジン部13は、アドバイスを表示部14に表示させる。
チャットボットエンジン部13は、音声出力部15から、アドバイスを音声出力させる。
【0014】
表示部14は、チャットボットエンジン部13から出力されたアドバイスを図示せぬディスプレイに表示させる。
音声出力部15は、チャットボットエンジン部13から出力されたアドバイスを図示せぬスピーカから音声出力させる。
【0015】
アドバイス送信装置2は、テキストデータ取得部21、センシングデータ収集部22、アドバイス決定部23及びアドバイス送信部24を備えている。
テキストデータ取得部21は、例えば、図2に示すテキストデータ取得回路31によって実現される。
テキストデータ取得部21は、チャットボット1のチャットボットエンジン部13から、アドバイスの通知要求を示すテキストデータを取得する。
テキストデータ取得部21は、テキストデータをアドバイス決定部23に出力する。
【0016】
センシングデータ収集部22は、例えば、図2に示すセンシングデータ収集回路32によって実現される。
センシングデータ収集部22は、センシング装置3に含まれている各種のセンサのセンシングデータを収集する。各種のセンサは、被介護者の状況を監視するセンサである。
被介護者の状況としては、例えば、被介護者のバイタル、被介護者の行動、又は、被介護者の置かれている状況がある。被介護者の置かれている状況としては、例えば、被介護者の居室の温度、湿度、又は、周囲の騒音がある。
センシングデータ収集部22は、センシングデータをアドバイス決定部23に出力する。
【0017】
アドバイス決定部23は、例えば、図2に示すアドバイス決定回路33によって実現される。
アドバイス決定部23は、テキストデータ取得部21から、アドバイスの通知要求を示すテキストデータを取得すれば、センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータに基づいて、被介護者に対して介護サービスを提供する介護提供者へのアドバイスを決定する。
アドバイス決定部23は、決定したアドバイスをアドバイス送信部24に出力する。
【0018】
具体的には、アドバイス決定部23は、センシングデータを学習モデル41に与えて、学習モデル41から、センシングデータに対応するアドバイスを取得する。
学習モデル41は、例えば、ニューラルネットワークによって実現される。
学習モデル41は、学習時において、被介護者に係るセンシングデータと、センシングデータに対応する、介護提供者へのアドバイスとが与えられて、介護提供者へのアドバイスを学習する。介護提供者へのアドバイスは、教師データである。
学習モデル41は、推論時において、アドバイス決定部23からセンシングデータが与えられると、センシングデータに対応するアドバイスを出力する。
図1に示すシステムでは、学習モデル41がアドバイス送信装置2の外部に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、学習モデル41がアドバイス送信装置2の内部に設けられていてもよい。
【0019】
アドバイス送信部24は、例えば、図2に示すアドバイス送信回路34によって実現される。
アドバイス送信部24は、アドバイス決定部23から、介護提供者へのアドバイスを取得する。
アドバイス送信部24は、アドバイスをチャットボット1のチャットボットエンジン部13に送信する。
【0020】
図1では、アドバイス送信装置2の構成要素であるテキストデータ取得部21、センシングデータ収集部22、アドバイス決定部23及びアドバイス送信部24のそれぞれが、図2に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、アドバイス送信装置2が、テキストデータ取得回路31、センシングデータ収集回路32、アドバイス決定回路33及びアドバイス送信回路34によって実現されるものを想定している。
テキストデータ取得回路31、センシングデータ収集回路32、アドバイス決定回路33及びアドバイス送信回路34のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0021】
アドバイス送信装置2の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、アドバイス送信装置2が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
【0022】
図3は、アドバイス送信装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
アドバイス送信装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、テキストデータ取得部21、センシングデータ収集部22、アドバイス決定部23及びアドバイス送信部24におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ51に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行する。
【0023】
また、図2では、アドバイス送信装置2の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、アドバイス送信装置2がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、アドバイス送信装置2における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0024】
センシング装置3は、被介護者の状況を監視するセンサとして、例えば、ベッドセンサ61、居室センサ62、家電センサ63、人感センサ64、バイタルセンサ65及び摂取検知センサ66を備え、また、センシング装置3は、センシングデータ記録部67を備えている。
ベッドセンサ61は、被介護者が使用しているベッドに取り付けられているセンサであり、例えば、被介護者の寝返りの状態を監視する。
居室センサ62は、被介護者の居室に設置されているセンサであり、例えば、被介護者の睡眠、転倒、又は、体動を監視する。
【0025】
家電センサ63は、例えば、被介護者の居室のエアコンに取り付けられているセンサであり、例えば、被介護者の居室の室温を監視する。
人感センサ64は、例えば、被介護者の居室の出入口に取り付けられているセンサであり、例えば、被介護者の外出を検出する。
バイタルセンサ65は、例えば、例えば、被介護者の居室の壁、天井、家具、又は、被介護者に取り付けられているセンサであり、例えば、被介護者のバイタルを監視する。
摂取検知センサ66は、例えば、例えば、被介護者の居室の壁に取り付けられているカメラを含むセンサであり、例えば、被介護者の水分摂取行動、又は、被介護者の食物摂取行動を監視する。
センシングデータ記録部67は、ベッドセンサ61、居室センサ62、家電センサ63、人感センサ64、バイタルセンサ65及び摂取検知センサ66におけるそれぞれのセンシングデータを記録するデータベースである。
【0026】
次に、図1に示すアドバイス送信装置2の動作について説明する。
図4は、アドバイス送信装置2の処理手順であるアドバイス送信方法を示すフローチャートである。
図1に示すシステムでは、被介護者は、例えば、老人ホーム、又は、医療病院に入院している人であり、介護提供者は、例えば、老人ホーム、又は、医療病院のスタッフである。
【0027】
チャットボット1の音声認識部11は、図示せぬマイクから、例えば、スタッフの音声が与えられると、スタッフの音声を例えば複数の音片に分解する。
音声認識部11は、音声データベース12から、それぞれの音片に対応するテキストデータを取得する。
音声認識部11は、それぞれの音片に対応するテキストデータを繋ぎ合わせ、繋ぎ合わせたテキストデータを、チャットボットエンジン部13に出力する。
テキストデータとしては、例えば、「〇〇さんの介護サービスを行う際のアドバイスをください。」というアドバイスの通知要求、又は、「介護サービスのアドバイスをください。」というアドバイスの通知要求がある。
【0028】
ここでは、スタッフの音声が音声認識部11に与えられ、音声認識部11からテキストデータがチャットボットエンジン部13に出力されている。しかし、これは一例に過ぎず、スタッフが図示せぬキーボード等を操作することによって、キーボード等から、テキストデータがチャットボットエンジン部13に与えられるものであってもよい。
【0029】
チャットボットエンジン部13は、音声認識部11から、アドバイスの通知要求を示すテキストデータを取得する。
チャットボットエンジン部13は、テキストデータをアドバイス送信装置2のテキストデータ取得部21に出力する。
【0030】
テキストデータ取得部21は、チャットボット1のチャットボットエンジン部13から、アドバイスの通知要求を示すテキストデータを取得する(図4のステップST1)。
テキストデータ取得部21は、テキストデータをアドバイス決定部23に出力する。
また、テキストデータ取得部21は、被介護者の特定処理を実施することによって、被介護者を特定する。被介護者の特定処理としては、例えば、テキストデータに含まれている被介護者の氏名を探索することによって、被介護者が誰であるかを特定する公知の処理がある。
テキストデータ取得部21は、アドバイスの通知要求が、一人以上の被介護者のうち、〇〇さんに対する介護サービスのアドバイスであれば、〇〇さんに係るセンシングデータの収集指令をセンシングデータ収集部22に出力する。テキストデータ取得部21は、アドバイスの通知要求が、一人以上の被介護者のうち、△△さんに対する介護サービスのアドバイスであれば、△△さんに係るセンシングデータの収集指令をセンシングデータ収集部22に出力する。
テキストデータ取得部21は、被介護者が特定されていなければ、センシングデータを限定せずに、センシングデータの収集指令をセンシングデータ収集部22に出力する。
【0031】
センシングデータ収集部22は、テキストデータ取得部21から、被介護者に係るセンシングデータの収集指令を受けると、センシング装置3のセンシングデータ記録部67に記録されているセンシングデータの中から、被介護者に係るセンシングデータを収集する(図4のステップST2)。
センシングデータ収集部22は、被介護者が〇〇さんであれば、〇〇さんに係るセンシングデータを収集し、被介護者が△△さんであれば、△△さんに係るセンシングデータを収集する。
被介護者が特定されていなければ、センシングデータ収集部22は、センシングデータ記録部67に記録されている全てのセンシングデータを収集する。
センシングデータ収集部22は、センシングデータをアドバイス決定部23に出力する。
【0032】
アドバイス決定部23は、テキストデータ取得部21から、アドバイスの通知要求を示すテキストデータを取得すれば、センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータに基づいて、被介護者に対して介護サービスを提供する介護提供者へのアドバイスを決定する(図4のステップST3)。
アドバイス決定部23は、決定したアドバイスをアドバイス送信部24に出力する。
以下、アドバイス決定部23によるアドバイスの決定成処理を具体的に説明する。
【0033】
アドバイス決定部23は、センシングデータを学習モデル41に与えて、学習モデル41から、センシングデータに対応するアドバイスを取得する。
センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータが、例えば、バイタルセンサ65のセンシングデータであり、当該センシングデータが、例えば、〇〇さんの体温であって、〇〇さんの体温が平熱よりも高い旨を示していれば、学習モデル41から、例えば、以下の(1)~(5)に示すようなアドバイスが出力される。
(1)〇〇さんの水分を確認してください。
(2)部屋の温度を確認してください。
(3)尿路感染の疑いがあります。
(4)〇〇さんの熱が下がるようにクーリングをしてください。
(5)悪寒の有無を確認してください。
【0034】
センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータが、例えば、摂取検知センサ66であり、当該センシングデータが、例えば、〇〇さんの食物摂取行動が低下していることを示していれば、学習モデル41から、例えば、以下の(1)~(4)に示すようなアドバイスが出力される。
(1)〇〇さんの食欲が落ちている可能性があります。
(2)〇〇さんの服薬状況を確認してください。
(3)〇〇さんのバイタルを確認してください。
(4)間食の有無を確認してください。
【0035】
センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータが、例えば、ベッドセンサ61であり、当該センシングデータが、例えば、〇〇さんの睡眠行動が低下していることを示していれば、学習モデル41から、例えば、以下の(1)~(4)に示すようなアドバイスが出力される。
(1)〇〇さんの睡眠が不足している可能性があります。
(2)〇〇さんが服薬している睡眠薬の摂取量を確認してください。
(3)〇〇さんに悩みがあるかを聞いてください。
(4)〇〇さんに痛みのある部位があるかを聞いてください。
【0036】
センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータが、例えば、居室センサ62であり、当該センシングデータが、例えば、〇〇さんの体動行動の異変を示していれば、学習モデル41から、例えば、以下の(1)~(3)に示すようなアドバイスが出力される。
(1)〇〇さんの認知機能を確認してください。
(2)〇〇さんに悩みがあるかを聞いてください。
(3)〇〇さんの服薬状況を確認してください。
【0037】
アドバイス送信部24は、アドバイス決定部23から、介護提供者へのアドバイスを取得する。
アドバイス送信部24は、アドバイスをチャットボット1のチャットボットエンジン部13に送信する(図4のステップST4)。
アドバイス決定部23から、複数のアドバイスが出力されている場合、アドバイス送信部24は、複数のアドバイスの全てをチャットボットエンジン部13に送信してもよいし、いずれか1つ以上のアドバイスをチャットボットエンジン部13に送信するようにしてもよい。
【0038】
チャットボットエンジン部13は、アドバイス送信部24から、アドバイスを取得する。
チャットボットエンジン部13は、図5に示すように、アドバイスを表示部14のディスプレイに表示させる。
また、チャットボットエンジン部13は、音声出力部15のスピーカから、アドバイスを音声出力させる。
図5は、介護提供者であるスタッフへのアドバイスの一例を示す説明図である。
図5において、□□□□は、スタッフの氏名である。
図5の例では、「悪寒の有無を確認してください。」というアドバイスが表示されている。
【0039】
以上の実施の形態1では、被介護者の状況を監視するセンサのセンシングデータを収集するセンシングデータ収集部22と、センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータに基づいて、被介護者に対して介護サービスを提供する介護提供者へのアドバイスを決定するアドバイス決定部23と、アドバイス決定部23により決定されたアドバイスを送信するアドバイス送信部24とを備えるように、アドバイス送信装置2を構成した。したがって、アドバイス送信装置2は、被介護者の状況が変化したときに、介護提供者に対してアドバイスを提供することができる。
【0040】
図1に示すアドバイス送信装置2では、テキストデータ取得部21が、チャットボット1から、アドバイスの通知要求を示すテキストデータを取得したとき、アドバイス決定部23が介護提供者へのアドバイスを決定して、アドバイス送信部24がアドバイスをチャットボット1に送信している。しかし、これは一例に過ぎず、テキストデータ取得部21が、チャットボット1から、アドバイスの通知要求を示すテキストデータを取得したか否かにかかわらず、アドバイス決定部23が介護提供者へのアドバイスを決定して、アドバイス送信部24がアドバイスをチャットボット1に送信するようにしてもよい。
【0041】
図1に示すアドバイス送信装置2では、アドバイス決定部23が、センシングデータを学習モデル41に与えて、学習モデル41から、センシングデータに対応するアドバイスを取得している。しかし、これは一例に過ぎず、アドバイス決定部23は、例えば、ルールベースに基づいて、センシングデータに対応するアドバイスを決定するようにしてもよい。
【0042】
図1に示すアドバイス送信装置2では、アドバイスの通知要求を示すテキストデータの中に、被介護者が、例えば、「〇〇さん」、又は、「△△さん」であることを示す情報が含まれている。しかし、これは一例に過ぎず、テキストデータの中に、被介護者が、例えば、「〇〇さん」、又は、「△△さん」であることを示す情報が含まれていなくてもよい。この場合、例えば、老人ホーム等のスタッフが、チャットボット1の音声認識部11に対して音声を与えるときに、スタッフのID(IDentification)をチャットボットエンジン部13に与えれば、チャットボットエンジン部13が、スタッフが担当している一人以上の被介護者を示す情報を表示部14に表示させる。
そして、チャットボットエンジン部13が、一人以上の被介護者の中から、アドバイスの通知要求に係る被介護者を選択するスタッフの選択操作を受け付けて、アドバイスの通知要求に係る被介護者を示す被介護者情報をアドバイス送信装置2に出力する。テキストデータ取得部21は、被介護者情報が示す被介護者に係るセンシングデータの収集指令をセンシングデータ収集部22に出力する。
【0043】
実施の形態2.
実施の形態2では、アドバイス決定部25が、センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータに基づいて、アドバイスの必要性を判定するアドバイス送信装置2について説明する。
【0044】
図6は、実施の形態2に係るアドバイス送信装置2を含むシステムを示す構成図である。図6において、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図7は、実施の形態2に係るアドバイス送信装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図7において、図2と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
アドバイス送信装置2は、テキストデータ取得部21、センシングデータ収集部22、アドバイス決定部25及びアドバイス送信部24を備えている。
【0045】
アドバイス決定部25は、例えば、図7に示すアドバイス決定回路35によって実現される。
アドバイス決定部25は、テキストデータ取得部21から、アドバイスの通知要求を示すテキストデータを取得すれば、センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータに基づいて、アドバイスの必要性を判定する。
アドバイス決定部25は、アドバイスの必要性があれば、センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータに基づいて、介護提供者へのアドバイスを決定する。
アドバイス決定部25は、決定したアドバイスをアドバイス送信部24に出力する。
【0046】
具体的には、アドバイス決定部25は、センシングデータを学習モデル42に与えて、学習モデル42から、アドバイスの必要性の判定結果を取得する。
アドバイス決定部25は、必要性の判定結果が、アドバイスの必要性が有る旨を示していれば、センシングデータを学習モデル41に与えて、学習モデル41から、センシングデータに対応するアドバイスを取得する。
学習モデル42は、例えば、ニューラルネットワークによって実現される。
学習モデル42は、学習時において、被介護者に係るセンシングデータと、アドバイスの必要性の有無を示す情報とが与えられて、アドバイスの必要性を学習する。アドバイスの必要性の有無を示す情報は、教師データである。
学習モデル42は、推論時において、アドバイス決定部23からセンシングデータが与えられると、アドバイスの必要性の判定結果を出力する。
図6に示すシステムでは、学習モデル42がアドバイス送信装置2の外部に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、学習モデル42がアドバイス送信装置2の内部に設けられていてもよい。
【0047】
図6では、アドバイス送信装置2の構成要素であるテキストデータ取得部21、センシングデータ収集部22、アドバイス決定部25及びアドバイス送信部24のそれぞれが、図7に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、アドバイス送信装置2が、テキストデータ取得回路31、センシングデータ収集回路32、アドバイス決定回路35及びアドバイス送信回路34によって実現されるものを想定している。
テキストデータ取得回路31、センシングデータ収集回路32、アドバイス決定回路35及びアドバイス送信回路34のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0048】
アドバイス送信装置2の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、アドバイス送信装置2が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
アドバイス送信装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、テキストデータ取得部21、センシングデータ収集部22、アドバイス決定部25及びアドバイス送信部24におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図3に示すメモリ51に格納される。そして、図3に示すプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行する。
【0049】
また、図7では、アドバイス送信装置2の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、アドバイス送信装置2がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、アドバイス送信装置2における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0050】
次に、図6に示すアドバイス送信装置2の動作について説明する。ただし、アドバイス決定部25以外は、図1に示すアドバイス送信装置2と同様である。このため、ここでは、主に、アドバイス決定部25の動作を説明する。
【0051】
アドバイス決定部25は、テキストデータ取得部21から、アドバイスの通知要求を示すテキストデータを取得すれば、センシングデータ収集部22から、被介護者に係るセンシングデータを取得する。
アドバイス決定部25は、被介護者に係るセンシングデータを学習モデル42に与えて、学習モデル42から、アドバイスの必要性の判定結果を取得する。
アドバイス決定部25は、学習モデル42から出力された判定結果が、アドバイスの必要性が有る旨を示していれば、センシングデータを学習モデル41に与えて、学習モデル41から、アドバイスを取得する。
アドバイス決定部25は、取得したアドバイスをアドバイス送信部24に出力する。
アドバイス決定部25は、学習モデル42から出力された判定結果が、アドバイスの必要性が無い旨を示していれば、アドバイスの決定処理を行わない。
【0052】
以上の実施の形態2では、アドバイス決定部25が、センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータに基づいて、アドバイスの必要性を判定し、アドバイスの必要性があれば、センシングデータに基づいて、アドバイスを決定するように、アドバイス送信装置2を構成した。したがって、アドバイス送信装置2は、被介護者の状況が変化しても、アドバイスの必要性が認められるときに限り、介護提供者に対してアドバイスを提供することができる。
【0053】
図6に示すアドバイス送信装置2では、アドバイス決定部25が、被介護者に係るセンシングデータを学習モデル42に与えて、学習モデル42から、アドバイスの必要性の判定結果を取得している。しかし、これは一例に過ぎず、アドバイス決定部25は、例えば、ルールベースに基づいて、アドバイスの必要性を判定するようにしてもよい。
【0054】
実施の形態3.
実施の形態3では、アドバイス決定部26が、センシングデータ収集部により収集されたセンシングデータだけでなく、被介護者の介護記録、又は、被介護者の服薬情報に基づいて、アドバイスの必要性を判定するアドバイス送信装置2について説明する。
【0055】
図8は、実施の形態3に係るアドバイス送信装置2を含むシステムを示す構成図である。図8において、図1及び図6と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図9は、実施の形態3に係るアドバイス送信装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図9において、図2及び図7と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
アドバイス送信装置2は、テキストデータ取得部21、センシングデータ収集部22、アドバイス決定部26及びアドバイス送信部24を備えている。
【0056】
アドバイス決定部26は、例えば、図9に示すアドバイス決定回路36によって実現される。
アドバイス決定部26は、テキストデータ取得部21から、アドバイスの通知要求を示すテキストデータを取得すれば、センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータと介護記録データベース45に格納されている被介護者の介護記録とに基づいて、アドバイスの必要性を判定する。
アドバイス決定部26は、アドバイスの必要性があれば、センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータと被介護者の介護記録とに基づいて、介護提供者へのアドバイスを決定する。
アドバイス決定部26は、決定したアドバイスをアドバイス送信部24に出力する。
【0057】
具体的には、アドバイス決定部26は、センシングデータと被介護者の介護記録とを学習モデル44に与えて、学習モデル44から、アドバイスの必要性の判定結果を取得する。
アドバイス決定部26は、必要性の判定結果が、アドバイスの必要性が有る旨を示していれば、センシングデータと被介護者の介護記録とを学習モデル43に与えて、学習モデル43から、センシングデータ及び介護記録の双方に対応するアドバイスを取得する。
【0058】
学習モデル43は、例えば、ニューラルネットワークによって実現される。
学習モデル43は、学習時において、被介護者に係るセンシングデータと、被介護者の介護記録と、センシングデータ及び介護記録の双方に対応する、介護提供者へのアドバイスとが与えられて、介護提供者へのアドバイスを学習する。介護提供者へのアドバイスは、教師データである。
学習モデル43は、推論時において、アドバイス決定部26から、センシングデータと被介護者の介護記録とが与えられると、センシングデータ及び介護記録の双方に対応するアドバイスを出力する。
【0059】
学習モデル44は、例えば、ニューラルネットワークによって実現される。
学習モデル44は、学習時において、被介護者に係るセンシングデータと、被介護者の介護記録と、アドバイスの必要性の有無を示す情報とが与えられて、アドバイスの必要性を学習する。アドバイスの必要性の有無を示す情報は、教師データである。
学習モデル44は、推論時において、アドバイス決定部26から、センシングデータと被介護者の介護記録とが与えられると、アドバイスの必要性の判定結果を出力する。
図8に示すシステムでは、学習モデル43,44がアドバイス送信装置2の外部に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、学習モデル43,44がアドバイス送信装置2の内部に設けられていてもよい。
【0060】
ここでは、アドバイス決定部26が、センシングデータと被介護者の介護記録とに基づいて、アドバイスの必要性を判定している。しかし、これは一例に過ぎず、アドバイス決定部26が、センシングデータと介護記録データベース45に格納されている被介護者の服薬情報とに基づいて、アドバイスの必要性を判定するようにしてもよい。この場合、アドバイス決定部26は、センシングデータと被介護者の服薬情報とに基づいて、介護提供者へのアドバイスを決定する。
また、アドバイス決定部26は、センシングデータと被介護者の介護記録と被介護者の服薬情報とに基づいて、アドバイスの必要性を判定するようにしてもよい。この場合、アドバイス決定部26は、センシングデータと被介護者の介護記録と被介護者の服薬情報とに基づいて、介護提供者へのアドバイスを決定する。
また、アドバイス決定部26は、センシングデータと被介護者の介護記録と被介護者の服薬情報と後述する医薬情報と後述する介護情報とに基づいて、アドバイスの必要性を判定するようにしてもよい。
【0061】
介護記録データベース45は、被介護者の介護記録を格納している。
また、介護記録データベース45は、被介護者の介護記録として、被介護者の既往歴を示す情報、フェースシートに記録されている被介護者の情報、又は、被介護者のスケジュールを格納している。フェースシートに記録されている被介護者の情報としては、例えば、被介護者の氏名、年齢、住所、家族構成、趣味、嗜好物、又は、職歴がある。被介護者のスケジュールとしては、例えば、病院に来院するスケジュール、趣味の教室に行くスケジュール、又は、銀行に行くスケジュールがある。また、介護記録データベース45は、被介護者の往診履歴のほか、被介護者の服薬情報を格納している。服薬情報は、どの被介護者が、どの薬を何時に飲んだかを示す情報である。
医薬介護情報データベース46は、医薬情報と介護情報とを格納している。医薬情報は、医療に関する一般的な教科書に含まれているような情報であって、例えば、症状、薬、又は、医療的な処置を示している。介護情報は、介護職の教科書に含まれているような情報であって、例えば、介護に関するケア、又は、介護的な処置を示している。
図1に示すシステムでは、学習モデル43,44、介護記録データベース45及び医薬介護情報データベース46のそれぞれがアドバイス送信装置2の外部に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、学習モデル43,44、介護記録データベース45及び医薬介護情報データベース46のそれぞれがアドバイス送信装置2の内部に設けられていてもよい。
【0062】
図8では、アドバイス送信装置2の構成要素であるテキストデータ取得部21、センシングデータ収集部22、アドバイス決定部26及びアドバイス送信部24のそれぞれが、図9に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、アドバイス送信装置2が、テキストデータ取得回路31、センシングデータ収集回路32、アドバイス決定回路36及びアドバイス送信回路34によって実現されるものを想定している。
テキストデータ取得回路31、センシングデータ収集回路32、アドバイス決定回路36及びアドバイス送信回路34のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0063】
アドバイス送信装置2の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、アドバイス送信装置2が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
アドバイス送信装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、テキストデータ取得部21、センシングデータ収集部22、アドバイス決定部26及びアドバイス送信部24におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図3に示すメモリ51に格納される。そして、図3に示すプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行する。
【0064】
また、図9では、アドバイス送信装置2の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、アドバイス送信装置2がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、アドバイス送信装置2における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0065】
次に、図8に示すアドバイス送信装置2の動作について説明する。ただし、アドバイス決定部26以外は、図1に示すアドバイス送信装置2と同様である。このため、ここでは、主に、アドバイス決定部26の動作を説明する。
【0066】
アドバイス決定部26は、テキストデータ取得部21から、アドバイスの通知要求を示すテキストデータを取得すれば、センシングデータ収集部22から、被介護者に係るセンシングデータを取得する。
また、アドバイス決定部26は、介護記録データベース45から、被介護者の介護記録と、被介護者の服薬情報とを取得する。
ここでは、アドバイス決定部26が、被介護者の介護記録と被介護者の服薬情報とを取得している。しかし、これは一例に過ぎず、アドバイス決定部26が、被介護者の介護記録、又は、被介護者の服薬情報のいずれか一方を取得するようにしてもよい。
【0067】
アドバイス決定部26は、被介護者に係るセンシングデータと被介護者の介護記録と被介護者の服薬情報とを学習モデル44に与えて、学習モデル44から、アドバイスの必要性の判定結果を取得する。
被介護者に係るセンシングデータが、例えば、ベッドセンサ61のセンシングデータであって、当該センシングデータが、例えば、〇〇さんが眠れていない旨を示しているものとする。このとき、〇〇さんの介護記録に精神的な症状が記録されている場合、又は、〇〇さんの服薬情報にうつ病に関する薬が記録されている場合、学習モデル44から、アドバイスが必要である旨の判定結果が出力される。
一方、〇〇さんの介護記録に精神的な症状が記録されておらず、かつ、〇〇さんの服薬情報にうつ病に関する薬が記録されていない場合、学習モデル44から、アドバイスが必要でない旨の判定結果が出力される。
【0068】
被介護者に係るセンシングデータが、例えば、居室センサ62センサであって、当該センシングデータが、例えば、〇〇さんが動き回っている旨を示しているものとする。このとき、〇〇さんの介護記録に認知症に関する記述が記録されている場合、又は、〇〇さんの服薬情報に認知症に関する薬が記録されている場合、学習モデル44から、アドバイスが必要である旨の判定結果が出力される。
一方、〇〇さんの介護記録に認知症に関する記述が記録されておらず、かつ、〇〇さんの服薬情報に認知症に関する薬が記録されていない場合、学習モデル44から、アドバイスが必要でない旨の判定結果が出力される。
【0069】
アドバイス決定部26は、学習モデル44から出力された判定結果が、アドバイスの必要性が有る旨を示していれば、センシングデータと被介護者の介護記録と被介護者の服薬情報とを学習モデル43に与えて、学習モデル43から、アドバイスを取得する。
センシングデータが、例えば、〇〇さんが眠れていない旨を示しているとき、〇〇さんの介護記録に精神的な症状が記録されている場合、又は、〇〇さんの服薬情報にうつ病に関する薬が記録されている場合、学習モデル43から、例えば、以下の(1)~(3)に示すようなアドバイスが出力される。
(1)〇〇さんに悩みがあるかを聞いてください。
(2)〇〇さんに水分をとれているかを聞いてください。
(3)〇〇さんに薬を飲んでいるかを聞いてください。
【0070】
センシングデータが、例えば、〇〇さんが動き回っている旨を示しているとき、〇〇さんの介護記録に認知症に関する記述が記録されている場合、又は、〇〇さんの服薬情報に認知症に関する薬が記録されている場合、学習モデル43から、例えば、以下の(1)~(3)に示すようなアドバイスが出力される。
(1)〇〇さんの認知機能を確認してください。
(2)〇〇さんに悩みがあるかを聞いてください。
(3)〇〇さんの服薬状況を確認してください。
【0071】
アドバイス決定部26は、取得したアドバイスをアドバイス送信部24に出力する。
アドバイス決定部26は、学習モデル43から出力された判定結果が、アドバイスの必要性が無い旨を示していれば、アドバイスの決定処理を行わない。
【0072】
以上の実施の形態3では、アドバイス決定部26が、センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータと被介護者の介護記録とに基づいて、アドバイスの必要性を判定し、アドバイスの必要性があれば、センシングデータと介護記録とに基づいて、アドバイスを決定するように、図8に示すアドバイス送信装置2を構成した。したがって、図8に示すアドバイス送信装置2は、図1に示すアドバイス送信装置2よりも、適正なアドバイスを提供することができる。
【0073】
また、実施の形態3では、アドバイス決定部26が、センシングデータ収集部22により収集されたセンシングデータと被介護者の服薬情報とに基づいて、アドバイスの必要性を判定し、アドバイスの必要性があれば、センシングデータと服薬情報とに基づいて、アドバイスを決定するように、図8に示すアドバイス送信装置2を構成した。したがって、図8に示すアドバイス送信装置2は、図1に示すアドバイス送信装置2よりも、適正なアドバイスを提供することができる。
【0074】
実施の形態1~3に係るアドバイス送信装置2では、アドバイス決定部23,25,26が、一種類のセンシングデータを学習モデル41,43に与えて、学習モデル41,43から、センシングデータに対応するアドバイスを取得している。しかし、これは一例に過ぎず、アドバイス決定部23等は、複数のセンシングデータを学習モデル41等に与えて、学習モデル41等から、複数のセンシングデータに対応するアドバイスを取得するようにしてもよい。
以下、センシングデータに基づく異変と、介護記録と、服薬情報と、アドバイスとの関係を示す具体例を列挙する。
【0075】
(1)具体例(1)
・センシングデータに基づく異変
→異変(1)+異変(2)
異変(1)=ずっと眠れていない:ベッドセンサ61のセンシングデータ等から検出される異変
異変(2)=血圧に変動がある:バイタルセンサ65のセンシングデータから検出される異変
・介護記録
→精神的な症状に関する記述がある。
・服薬情報
→精神安定剤の服用情報がある。
・アドバイス
→生活に不安になっていることがあるかを聞いてください。
熱があるかを確認してください。
水分をとれているかを確認してください。
薬は飲めているかを確認してください。
【0076】
(2)具体例(2)
・センシングデータに基づく異変
→異変(1)+異変(2)
異変(1)=体温が高い:バイタルセンサ65のセンシングデータから検出される異変
異変(2)=水分摂取量が少ない:摂取検知センサ66のセンシングデータから検出される異変
・介護記録
→風邪症状に関する記述、尿路感染に関する記述、肺炎に関する記述、水分を取りたがらないという記述、又は、厚着で寝ているという記述がある。
・服薬情報
→特になし
・アドバイス
→摂取水分量を確認してください。
部屋の温度を確認してください。
尿路感染の疑いがあります。
熱が下がるようにクーリングをしてください。
【0077】
(3)具体例(3)
・センシングデータに基づく異変
→異変(1)+異変(2)+異変(3)
異変(1)=落ち着きがない:居室センサ62のセンシングデータから検出される異変
異変(2)=食事量が少ない:摂取検知センサ66のセンシングデータから検出される異変
異変(3)=居室から何度も出ている:人感センサ64のセンシングデータから検出される異変
・介護記録
→認知症に関する記述、又は、風邪症状に関する記述がある。
・服薬情報
→特になし
・アドバイス
→認知機能の低下を確認してください。
上司に相談してください。
声かけをしてください。
服薬履歴を確認してください。
【0078】
(4)具体例(4)
・センシングデータに基づく異変
→異変(1)+異変(2)+異変(3)
異変(1)=食事量が低下している:摂取検知センサ66のセンシングデータから検出される異変
異変(2)=飲水量が低下している:摂取検知センサ66のセンシングデータから検出される異変
異変(3)=皮膚にはりがなくなっている:バイタルセンサ65のセンシングデータから検出される異変
・介護記録
→高齢である記述、又は、低栄養状態に関する記述がある。
・服薬情報
→特になし
・アドバイス
→水分チェックをしてください。
主治医に相談してください。
【0079】
上記のように、アドバイス決定部23等が、センシングデータ収集部22により収集された複数のセンシングデータに基づいて、介護提供者へのアドバイスを決定するように、アドバイス送信装置2を構成したことによって、複数の異変が生じているときのアドバイスの適正化を図ることができる。
【0080】
実施の形態3では、アドバイス決定部26が、アドバイスの必要性があれば、センシングデータ等に基づいて、アドバイスを決定するように、図8に示すアドバイス送信装置2を構成した。アドバイス決定部26は、アドバイスを確認した介護提供者が、アドバイスに従って行動したのち、行動の結果を示すテキストデータがテキストデータ取得部21に与えられた場合(図10のステップST11:YESの場合)、さらに、行動の結果に対するアドバイスを決定するようにしてもよい(図10のステップST12~ST14)。
以下、アドバイス決定部26により決定されたアドバイスが、例えば、「熱があるかを確認してください。」であるときに、さらに決定されるアドバイスの一例を具体的に説明する。
図10は、アドバイス決定部26による再度のアドバイスの決定例を示すフローチャートである。
ここでは、アドバイス決定部26によって、「熱があるかを確認してください。」というアドバイスが決定されたのち、介護提供者が、アドバイスに従って、被介護者の熱を測り、被介護者の体温を示すテキストデータがテキストデータ取得部21に与えられた場合を想定する。
このような場合、アドバイス決定部26は、被介護者の体温が閾値以上であれば(図10のステップST12:YESの場合)、被介護者の体温が高い場合のアドバイスを決定する(図10のステップST13)。このようなアドバイスとしては、例えば、「特定の病気の疑いがあるため、受診させてください」というアドバイス、又は、「脱水の可能性があるため、水分を補給させてください」というアドバイスがある。当該閾値は、アドバイス決定部26の内部メモリに格納されていてもよいし、アドバイス送信装置2の外部から与えられるものであってもよい。
アドバイス決定部26は、被介護者の体温が閾値未満であれば(図10のステップST12:NOの場合)、被介護者の体温が高くない場合のアドバイスを決定する(図10のステップST14)。このようなアドバイスとしては、例えば、「様子を観察して、1時間後に、再度、熱を確認してください。」というアドバイスがある。
アドバイス決定部26は、決定したアドバイスをアドバイス送信部24に出力する。
【0081】
実施の形態4.
実施の形態4では、アドバイス送信部27が、アドバイス決定部26により決定されたアドバイスに基づいて、アドバイスを送信するタイミングを決定するアドバイス送信装置2について説明する。
【0082】
図11は、実施の形態4に係るアドバイス送信装置2を含むシステムを示す構成図である。図11において、図1図6及び図8と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図12は、実施の形態4に係るアドバイス送信装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図12において、図2図7及び図9と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
アドバイス送信装置2は、テキストデータ取得部21、センシングデータ収集部22、アドバイス決定部23及びアドバイス送信部27を備えている。
【0083】
アドバイス送信部27は、例えば、図12に示すアドバイス送信回路37によって実現される。
アドバイス送信部27は、アドバイス決定部23から、介護提供者へのアドバイスを取得する。
アドバイス送信部27は、アドバイス決定部26により決定されたアドバイスに基づいて、アドバイスを送信するタイミングを決定する。
具体的には、アドバイス送信部27は、アドバイス決定部26により決定されたアドバイスを学習モデル47に与えて、学習モデル47から、アドバイスの送信タイミングを示す情報を取得する。
アドバイス送信部27は、決定したタイミングでアドバイスをチャットボット1のチャットボットエンジン部13に送信する。
【0084】
学習モデル47は、例えば、ニューラルネットワークによって実現される。
学習モデル47は、学習時において、アドバイスと、アドバイスの送信タイミングを示す情報とが与えられて、アドバイスの送信タイミングを学習する。アドバイスの送信タイミングを示す情報は、教師データである。
学習モデル47は、推論時において、アドバイス送信部27からアドバイスが与えられると、アドバイスの送信タイミングを示す情報を出力する。
図11に示すシステムでは、学習モデル47がアドバイス送信装置2の外部に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、学習モデル47がアドバイス送信装置2の内部に設けられていてもよい。
【0085】
図11に示すシステムは、アドバイス送信部27及び学習モデル47のそれぞれが図1に示すシステムに適用されたものである。しかし、これは一例に過ぎず、アドバイス送信部27及び学習モデル47のそれぞれが、図6に示すシステム、又は、図8に示すシステムに適用されたものであってもよい。
【0086】
次に、図11に示すアドバイス送信装置2の動作について説明する。ただし、アドバイス送信部27以外は、図1に示すアドバイス送信装置2と同様である。このため、ここでは、アドバイス送信部27の動作のみを説明する。
【0087】
アドバイス送信部27は、アドバイス決定部23から、介護提供者へのアドバイスを取得する。
アドバイス送信部27は、アドバイスを学習モデル47に与えて、学習モデル47から、アドバイスの送信タイミングを示す情報を取得する。
アドバイスが、例えば、「〇〇さんの熱が下がるようにクーリングをしてください。」、又は、「悪寒の有無を確認してください。」のように、急を要するアドバイスの場合、学習モデル47から、送信タイミングを示す情報として、例えば、アドバイスを直ちに送信する旨を示す情報を取得する。
アドバイスが、例えば、「〇〇さんの睡眠が不足している可能性があります。」、又は、「〇〇さんに悩みがあるかを聞いてください。」のように、急を要しないアドバイスの場合、学習モデル47から、送信タイミングを示す情報として、例えば、アドバイスを1時間以内に送信する旨を示す情報を取得する。
アドバイス送信部27は、決定したタイミングでアドバイスをチャットボット1のチャットボットエンジン部13に送信する。
【0088】
以上の実施の形態4では、アドバイス送信部27が、アドバイス決定部23により決定されたアドバイスに基づいて、アドバイスを送信するタイミングを決定し、決定したタイミングでアドバイスを送信するように、アドバイス送信装置2を構成した。したがって、アドバイス送信装置2は、被介護者の状況が変化したときに、介護提供者に対してアドバイスを適正なタイミングで提供することができる。
【0089】
図1に示すアドバイス送信装置2では、アドバイス送信部27が、アドバイスを学習モデル47に与えて、学習モデル47から、アドバイスの送信タイミングを示す情報を取得している。しかし、これは一例に過ぎず、アドバイス送信部27は、例えば、ルールベースに基づいて、アドバイスの送信タイミングを決定するようにしてもよい。
【0090】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本開示は、アドバイス送信装置及びアドバイス送信方法に適している。
【符号の説明】
【0092】
1 チャットボット、2 アドバイス送信装置、3 センシング装置、11 音声認識部、12 音声データベース、13 チャットボットエンジン部、14 表示部、15 音声出力部、21 テキストデータ取得部、22 センシングデータ収集部、23 アドバイス決定部、24 アドバイス送信部、25,26 アドバイス決定部、27 アドバイス送信部、31 テキストデータ取得回路、32 センシングデータ収集回路、33 アドバイス決定回路、34 アドバイス送信回路、35,36 アドバイス決定回路、37 アドバイス送信回路、41,42,43,44 学習モデル、45 介護記録データベース、46 医薬介護情報データベース、47 学習モデル、51 メモリ、52 プロセッサ、61 ベッドセンサ、62 居室センサ、63 家電センサ、64 人感センサ、65 バイタルセンサ、66 摂取検知センサ、67 センシングデータ記録部。
【要約】
被介護者の状況を監視するセンサのセンシングデータを収集するセンシングデータ収集部(22)と、センシングデータ収集部(22)により収集されたセンシングデータに基づいて、被介護者に対して介護サービスを提供する介護提供者へのアドバイスを決定するアドバイス決定部(23)と、アドバイス決定部(23)により決定されたアドバイスを送信するアドバイス送信部(24)とを備えるように、アドバイス送信装置(2)を構成した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12