(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】作画支援プログラム、作画支援装置、作画支援システム及び作画支援方法
(51)【国際特許分類】
G06T 11/40 20060101AFI20241213BHJP
【FI】
G06T11/40
(21)【出願番号】P 2024554918
(86)(22)【出願日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 JP2024016145
【審査請求日】2024-09-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】林 彩貴
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/166826(WO,A1)
【文献】特開2010-102493(JP,A)
【文献】特開2006-172185(JP,A)
【文献】特開2010-009578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/04 -19/05
G05B 23/00 -23/02
G06F 3/01
G06F 3/048- 3/04895
G06F 8/00 - 8/38
G06F 8/60 - 8/77
G06F 9/44 - 9/445
G06F 9/451
G06T 1/00 - 1/40
G06T 3/00 - 5/50
G06T 11/00 -19/20
G09G 5/00 - 5/36
G09G 5/377- 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
プログラマブル表示器の表示画面を作画するための作画画面を表示装置に表示させる表示制御手段、
前記表示画面を定義する表示画面情報を取得する表示画面情報取得手段、
前記表示画面情報取得手段により取得された表示画面情報から、前記表示画面に画像として含まれる部品の色を示す色情報を取得する色情報取得手段、
前記色情報取得手段により取得された色情報が示す色をクラスタリングすることにより、指定された色数の色を取得し、取得した色から構成されるカラーパレットを生成する生成手段、として機能させ、
前記表示制御手段は、前記作画画面において前記生成手段により生成されたカラーパレットを表示させる、
作画支援プログラム。
【請求項2】
前記生成手段は、前記色情報取得手段により取得された色情報が示す色を、色差が最も小さい2つの色のクラスタにクラスタリングし、前記色差が最も小さい2つの色を統合し、統合後の色の色数が前記指定された色数になるまで、前記クラスタリング及び統合を繰り返すことにより、前記指定された色数の色を取得する、
請求項1に記載の作画支援プログラム。
【請求項3】
前記生成手段は、前記表示画面において、前記色情報取得手段により取得された色情報が示す色のうち、使用回数が最も多い色、又は、指定された色を基準色とし、前記基準色から色相、彩度又は明度を変化させた色から構成されるカラーパレットをさらに生成する、
請求項1又は2に記載の作画支援プログラム。
【請求項4】
前記生成手段は、予め定められた配色規則に基づいて、前記基準色から色相を変化させた色から構成されるカラーパレットを生成する、
請求項3に記載の作画支援プログラム。
【請求項5】
前記予め定められた配色規則とは、HSV空間の色相環を用いた配色理論に基づく配色規則である、
請求項4に記載の作画支援プログラム。
【請求項6】
前記表示画面情報取得手段は、前記コンピュータと通信可能に接続されたプログラマブル表示器から、前記表示画面情報を取得する、
請求項1
又は2に記載の作画支援プログラム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記表示画面情報により定義された表示画面に含まれる部品のうち、前記生成手段により生成されたカラーパレットに含まれる色が設定された部品の一覧を、前記作画画面に表示させる、
請求項1
又は2に記載の作画支援プログラム。
【請求項8】
前記作画画面おける表示画面に含まれる部品の色を、前記生成手段により生成されたカラーパレットに含まれる色のうち、最も近い色に一括変換する変換手段として機能させる、
請求項1
又は2に記載の作画支援プログラム。
【請求項9】
プログラマブル表示器の表示画面を作画するための作画画面を表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記表示画面を定義する表示画面情報を取得する表示画面情報取得手段と、
前記表示画面情報取得手段により取得された表示画面情報から、前記表示画面に画像として含まれる部品の色を示す色情報を取得する色情報取得手段と、
前記色情報取得手段により取得された色情報が示す色をクラスタリングすることにより、指定された色数の色を取得し、取得した色から構成されるカラーパレットを生成する生成手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記作画画面において前記生成手段により生成されたカラーパレットを表示させる、
作画支援装置。
【請求項10】
プログラマブル表示器と、
前記プログラマブル表示器の表示画面を作画するための作画画面を表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記表示画面を定義する表示画面情報を取得する表示画面情報取得手段と、
前記表示画面情報取得手段により取得された表示画面情報から、前記表示画面に画像として含まれる部品の色を示す色情報を取得する色情報取得手段と、
前記色情報取得手段により取得された色情報が示す色をクラスタリングすることにより、指定された色数の色を取得し、取得した色から構成されるカラーパレットを生成する生成手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記作画画面において前記生成手段により生成されたカラーパレットを表示させる、
作画支援システム。
【請求項11】
作画支援装置が実行する作画支援方法であって、
表示制御手段が、プログラマブル表示器の表示画面を作画するための作画画面を表示装置に表示させ、
表示画面情報取得手段が、前記表示画面を定義する表示画面情報を取得し、
色情報取得手段が、前記表示画面情報取得手段により取得された表示画面情報から、前記表示画面に画像として含まれる部品の色を示す色情報を取得し、
生成手段が、前記色情報取得手段により取得された色情報が示す色をクラスタリングすることにより、指定された色数の色を取得し、取得した色から構成されるカラーパレットを生成し、
前記表示制御手段は、前記作画画面において前記生成手段により生成されたカラーパレットを表示させる、
作画支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作画支援プログラム、作画支援装置、作画支援システム及び作画支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller:PLC)、センサ等の装置の状態を表示し、装置に対する操作を受け付けるプログラマブル表示器が知られている。プログラマブル表示器に表示される表示画面には、スイッチ、メータのような特定の機能を示す部品、テキストのようなデータを表示する部品等、複数の部品が画像として含まれる。このようなプログラマブル表示器に表示される表示画面は、ユーザが、プログラマブル表示器の作画ソフトにより提供される作画画面において、部品を選択、配置したり、部品の色を設定したりすることにより作画される。例えば、特許文献1には、予め用意されたカラーパレットを用いて部品の色を設定して表示画面を作成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような作画ソフトに予め用意されたカラーパレットを用いる場合、多数の色の候補の中から、多数の部品について、色を選択し、設定をしなければならない。そのようなカラーパレットを使用して、多数の部品についての配色を検討しながら表示画面を作成しようとすると、作業時間の増加に繋がるという問題があった。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、配色を容易にするカラーパレットを生成して、プログラマブル表示器の表示画面を効率的に作画することが可能な作画支援プログラム、作画支援装置、作画支援システム及び作画支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示に係る作画支援プログラムは、
コンピュータを、
プログラマブル表示器の表示画面を作画するための作画画面を表示装置に表示させる表示制御手段、
前記表示画面を定義する表示画面情報を取得する表示画面情報取得手段、
前記表示画面情報取得手段により取得された表示画面情報から、前記表示画面に画像として含まれる部品の色を示す色情報を取得する色情報取得手段、
前記色情報取得手段により取得された色情報が示す色をクラスタリングすることにより、指定された色数の色を取得し、取得した色から構成されるカラーパレットを生成する生成手段、として機能させ、
前記表示制御手段は、前記作画画面において前記生成手段により生成されたカラーパレットを表示させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、配色を容易にするカラーパレットを生成して、プログラマブル表示器の表示画面を効率的に作画することが可能な作画支援プログラム、作画支援装置、作画支援システム及び作画支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る作画支援システムの機能構成を示す図
【
図2】実施形態に係る作画支援装置のハードウェア構成を示すブロック図
【
図3】実施形態に係る作画画面における表示画面の例を示す図
【
図5】実施形態に係るカラーパレット情報の例を示す図
【
図6】実施形態に係る追加カラーパレット情報の例を示す図
【
図7】実施形態に係る追加カラーパレットの例を示す図
【
図8】実施形態に係る作画画面における表示画面の例を示す図
【
図9】実施形態に係る作画支援処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
実施形態に係る作画支援システム1は、
図1に示すように、作画支援装置100と、プログラマブル表示器200と、を含む。作画支援装置100は、図示しない有線又は無線の通信ネットワークを介して、プログラマブル表示器200と通信可能に接続する。
【0010】
作画支援装置100は、プログラマブル表示器の表示画面を作画するための作画ソフトがインストールされた装置である。作画ソフトは、プログラマブル表示器200の表示画面を定義する表示画面情報、システム設定情報等を含むプロジェクトデータを編集するものである。ユーザが、作画ソフトにより提供される作画画面において、部品の選択、配置、設定等を行うことにより、表示画面を作画すると、作画された表示画面を定義する表示画面情報が含まれたプロジェクトデータが作成される。そして、作画支援装置100が、プロジェクトデータと、プログラマブル表示器200において動作するファームウェアとをプログラマブル表示器200に転送すると、プログラマブル表示器200は、ユーザにより作画された表示画面を表示することが可能となる。
【0011】
また、作画支援装置100は、予め作画ソフトにおいて用意されたカラーパレット(以下、「プリセットカラーパレット」という)の他に、ユーザが選択した任意の表示画面から追加のカラーパレット(以下、「追加カラーパレット」という)を生成する機能を有する。
【0012】
プログラマブル表示器200は、プログラマブル表示器200に接続される外部機器の状態についての情報を表示したり、所定の操作を受け付け、受け付けた操作に従って外部機器を制御する装置である。プログラマブル表示器200は、作画支援装置100により作画された表示画面を表示する。
【0013】
図1の作画支援装置100は、
図2に示すハードウェア構成を有する。
【0014】
作画支援装置100は、種々の処理を実行するプロセッサ11と、プロセッサ11の作業領域として用いられる主記憶部12と、プロセッサ11の処理に用いられる種々のデータを記憶する補助記憶部13と、外部の装置と通信するための通信部14と、外付け装置を接続するための入出力インタフェース15と、を有する。主記憶部12、補助記憶部13、通信部14及び入出力インタフェース15はいずれも、バス16を介してプロセッサ11に接続される。
【0015】
プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)を含む。プロセッサ11は、補助記憶部13に記憶されるプログラムを実行することにより、作画支援装置100の種々の機能を実現する。
【0016】
主記憶部12は、RAM(Random Access Memory)を含む。主記憶部12には、補助記憶部13からプログラムがロードされる。そして、主記憶部12は、プロセッサ11の作業領域として用いられる。
【0017】
補助記憶部13は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)に代表される不揮発性メモリを含む。補助記憶部13は、プログラムの他に、プロセッサ11の処理に用いられる種々のデータを記憶する。補助記憶部13は、プロセッサ11の指示に従って、プロセッサ11によって利用されるデータをプロセッサ11に供給し、プロセッサ11から供給されたデータを記憶する。
【0018】
通信部14は、外部の装置と通信するためのネットワークインタフェース回路を含む。通信部14は、外部の装置から信号を受信して、この信号により示されるデータをプロセッサ11へ出力する。また、通信部14は、プロセッサ11から出力されたデータを示す信号を外部の装置へ送信する。
【0019】
入出力インタフェース15は、外付け装置を接続するためのインタフェースであり、シリアルポート、USB(Universal Serial Bus)ポートを備えるインタフェースを含む。外付け装置とは、例えば、入力キーのような入力装置、ディスプレイのような表示装置及びスピーカを含む出力装置である。入出力インタフェース15は、外付け装置から信号を受信して、この信号により示されるデータをプロセッサ11へ出力する。また、入出力インタフェース15は、プロセッサ11から出力されたデータを示す信号を外付け装置へ送信する。
【0020】
次に、
図1の作画支援装置100の機能について説明する。作画支援装置100は、機能的には、表示画面を作画するための作画画面を表示装置に表示させる表示制御部101と、プリセットカラーパレット及び追加カラーパレットの情報を格納する記憶部102と、表示画面情報を取得する表示画面情報取得部103と、色情報を取得する色情報取得部104と、追加カラーパレットを生成する生成部105と、部品の色を変換する変換部106と、を備える。
【0021】
表示制御部101は、プログラマブル表示器200の表示画面を作画するための作画画面を表示装置に表示させる。ここで、表示制御部101は、記憶部102に格納された表示画面情報1021に基づき、作画画面を表示装置に表示させる。表示制御部101は、プロセッサ11及び入出力インタフェース15により実現される。なお、表示制御部101は、表示制御手段の一例である。
【0022】
図3に作画画面の例を示す。作画画面300には、作画中の表示画面400と、作画に用いるプリセットカラーパレット311が含まれるウィンドウ310と、が含まれる。
【0023】
例えば、表示制御部101は、表示画面の作成開始操作がされたことを示す情報を受け付けると、記憶部102に格納された表示画面情報1021を参照し、
図3の作画画面300を作画支援装置100に外付けされたディスプレイに表示させる。
【0024】
記憶部102には、表示画面を定義する表示画面情報1021と、表示画面に画像として含まれる部品の色を示す色情報1022と、作画に用いられるカラーパレットを示すカラーパレット情報1023と、が格納される。記憶部102は、補助記憶部13により実現される。
【0025】
表示画面情報1021は、プログラマブル表示器200に表示される表示画面を定義する情報である。表示画面情報1021には、作画された表示画面を識別するための識別情報(以下、「表示画面ID」という)、表示画面の属性を示す属性情報、表示画面に含まれる部品を識別するための識別情報(以下、「部品ID」という)、部品の属性を示す属性情報等が含まれる。表示画面の属性情報及び部品の属性情報には、作画ソフトにおいて表示画面及び部品に設定することができる様々な情報を含む。例えば、表示画面の属性情報は、背景画像の種類、背景画像の色を示す情報である。また、例えば、部品の属性情報は、部品の種類、部品自体の色及び部品に表示する文字列の色を示す情報である。部品には、例えば、スイッチ、メータのような特定の機能を示すもの、テキスト、グラフのようなデータを示すものが含まれる。表示画面情報1021は、表示画面情報取得部103により取得されたり、作画画面におけるユーザの操作に応じて更新されたりする。
【0026】
色情報1022は、表示画面に画像として含まれる部品の色を示す情報である。色情報1022は、色情報取得部104により、表示画面情報1021から取得され、表示画面IDと対応付けられる。また、色情報1022は、生成部105による追加カラーパレットの生成に用いられる。
【0027】
図4に色情報1022の例を示す。色情報1022には、表示画面における部品の使用回数の情報と、RGB値により表される部品の色の情報と、部品の特定する情報と、色が付された部品の対象を示す情報と、部品の状態の情報と、が対応付けて含まれる。色が付された部品の対象を示す情報とは、部品自体、部品に表示される文字、部品の背景等、部品において色が付される対象を示す情報である。
図4の色情報1022は、
図3の表示画面400(表示画面ID“1”)に対応付けられるものとする。
図4の色情報1022の1行目のレコードは、使用回数“3回”の色のRGB値は“255,255,0”であり、その色は部品“スイッチ3”で用いられ、その色が用いられている対象は“図形色”であり、その色は部品の状態が“OFF”の時に表示される色であることを示す。なお、部品の特定する情報は、部品IDでもよい。
【0028】
カラーパレット情報1023は、プリセットカラーパレットの情報と、生成部105により生成される追加カラーパレットの情報とを含む。
【0029】
図5にカラーパレット情報1023の例を示す。カラーパレット情報1023には、プリセットカラーパレットの情報1023-1と、追加カラーパレットの情報1023-2と、を含む。プリセットカラーパレットの情報1023-1には、プリセットカラーパレットに含まれるN個の色の情報が含まれる。
図6に、追加カラーパレットの情報1023-2の例を示す。追加カラーパレットの情報1023-2は、追加カラーパレットの生成に用いられた表示画面の表示画面ID1023-21と、作画ソフトのユーザにより指定された色数の情報1023-22と、後述する4種類の追加カラーパレットの情報、すなわち、表示画面の使用色から取得した色のカラーパレットの情報1023-23、色相変化のカラーパレットの情報1023-24、彩度変化のカラーパレットの情報1023-25及び明度変化のカラーパレットの情報1023-26と、が含まれる。
【0030】
表示画面情報取得部103は、表示画面を定義する表示画面情報を取得する。表示画面情報取得部103は、プロセッサ11、通信部14及び入出力インタフェース15により実現される。なお、表示画面情報取得部103は、表示画面情報取得手段の一例である。
【0031】
例えば、表示画面情報取得部103は、作画画面300において、追加のカラーパレットを生成する際に参照される表示画面を選択するためのダイアログを表示する。ユーザが、ダイアログにおいて作画中の
図3の表示画面400(表示画面ID“1”)を選択したとする。表示画面情報取得部103は、表示画面ID“1”の表示画面400を定義する表示画面情報1021を、記憶部102から取得する。
【0032】
ここで、表示画面情報取得部103は、作画支援装置100と通信可能に接続されたプログラマブル表示器200から、表示画面情報を取得してもよい。
【0033】
例えば、表示画面情報取得部103は、ユーザの操作に基づき、プログラマブル表示器200と通信を行い、ユーザがプログラマブル表示器200で使用されている表示画面ID“2”の表示画面を選択すると、表示画面ID“2”の表示画面を定義する表示画面情報を取得し、取得した表示画面情報を記憶部102に格納する。
【0034】
色情報取得部104は、表示画面情報取得部103により取得された表示画面情報から、表示画面に画像として含まれる部品の色を示す色情報を取得する。色情報取得部104は、プロセッサ11により実現される。なお、色情報取得部104は、色情報取得手段の一例である。
【0035】
例えば、色情報取得部104は、表示画面ID“1”の表示画面情報1021から、色情報1022を取得する。具体的には、色情報取得部104は、表示画面ID“1”の表示画面情報1021の部品の属性情報を参照して、表示画面ID“1”の表示画面400に含まれる全ての部品に対応付けられた、部品自体の色、部品に表示される文字の色、部品の背景の色等の情報を取得する。したがって、色情報取得部104は、1つの部品について複数の対象に色が設定されている場合は、それらの色の情報を全て取得する。そして、色情報取得部104は、部品の特定する情報、色が付された部品の対象を示す情報及び部品の状態の情報の組合せについて使用された色をカウントして使用回数を求め、表示画面ID“1”の表示画面400について,
図4の色情報1022を取得する。なお、色情報取得部104は、使用された色が、彩度が“0”の色、すなわち、白又は黒の場合は、色情報に含めない。
【0036】
生成部105は、色情報取得部104により取得された色情報に基づいて、4種類の追加カラーパレットを生成する。生成部105は、プロセッサ11及び入出力インタフェース15により実現される。なお、生成部105は、生成手段の一例である。
【0037】
4種類の追加カラーパレットとは、表示画面の使用色から取得した色から構成されるカラーパレット、及び、後述する基準色から色相、彩度及び明度のそれぞれを変化させて生成したカラーパレットである。以下、4種類の追加カラーパレットを、表示画面の使用色から取得した色のカラーパレット、色相変化のカラーパレット、彩度変化のカラーパレット及び明度変化のカラーパレット、という。
【0038】
まず、表示画面の使用色から取得した色のカラーパレットの生成について説明する。
【0039】
生成部105は、ユーザから追加カラーパレットに含まれる色数の指定を受け付ける。
【0040】
例えば、生成部105は、表示画面ID“1”の表示画面400から生成する追加カラーパレットに含まれる色数を指定するためダイアログを作画画面に表示させる。ユーザがダイアログにおいて色数を指定すると、生成部105は、指定された色数の情報1023-22を追加カラーパレット情報1023-2に含めて、記憶部102に格納する。なお、プログラマブル表示器200においては、制御装置の操作又は状態の確認を目的とすることが多いため、色の数は多くなくてよく、4~7色程度に抑えるのが好ましい。
【0041】
生成部105は、色情報取得部104により取得された色情報が示す色をクラスタリングすることにより、指定された色数の色を取得し、取得した色が示す色から構成されるカラーパレットを生成する。
【0042】
具体的には、生成部105は、色情報取得部104により取得された色情報が示す色を、色差が最も小さい2つの色のクラスタにクラスタリングし、色差が最も小さい2つの色を統合し、統合後の色の色数が指定された色数になるまで、クラスタリング及び統合を繰り返すことにより、指定された色数の色を取得する。
【0043】
例えば、生成部105は、表示画面ID“1”の色情報1022に示される色の色数Lが、指定された色数Xより多い場合、指定された色数Xになるまで減色する。まず、表示画面ID“1”の色情報1022に示される色について、例えば、数1に示す式に従い、色差Dを求める。数1のRi、Gi、Biは、色i(iは、1以上L以下)のR値、G値、B値である。
【0044】
(数1)
D = ((Ri-Ri+1)2+(Gi-Gi+1)2+(Bi-Bi+1)2)1/2
【0045】
次に、生成部105は、表示画面ID“1”の色情報1022に示されるL個の色を、色差Dの最も小さい2つの色にクラスタリングし、色差Dの最も小さい2つの色を統合する。例えば、生成部105は、数2の式を用いて、新しいRGB値を持つ色を生成することにより、色差Dの最も小さい2つの色を統合する。数2のCiは、表示画面情報取得部103により取得された表示画面情報の表示画面における色iの使用回数である。
【0046】
(数2)
Ri = (Ri×Ci+Ri-1×C i+1) / (Ci+C i+1)
Gi = (Gi×Ci+Gi-1×C i+1) / (Ci+C i+1)
Bi = (Bi×Ci+Bi-1×C i+1) / (Ci+C i+1)
【0047】
生成部105は、統合後の色の色数が指定された色数Xになるまで、色差Dが最も小さい2つの色のクラスタにクラスタリングし、色差Dの最も小さい色を統合することを繰り返す。そして、生成部105は、色数Xの統合された色から構成される追加カラーパレットを生成し、生成した追加カラーパレットの情報を、表示画面の使用色から取得した色のカラーパレットの情報1023-23の情報として、記憶部102に格納する。
【0048】
一方、生成部105は、表示画面ID“1”の色情報1022に示される色の色数Lが、指定された色数X以下の場合、表示画面ID“1”の色情報1022に示される色から構成される追加カラーパレットを生成し、生成した追加カラーパレットの情報を、表示画面の使用色から取得した色のカラーパレットの情報1023-23として、記憶部102に格納する。
【0049】
次に、色相変化のカラーパレット、彩度変化のカラーパレット及び明度変化のカラーパレットの生成について説明する。
【0050】
生成部105は、表示画面において、色情報取得部104により取得された色情報が示す色のうち、使用回数が最も多い色、又は、指定された色を基準色とし、基準色から色相、彩度又は明度を変化させた色から構成されるカラーパレットをさらに生成する。
【0051】
例えば、生成部105は、記憶部102に格納された表示画面ID“1”の色情報1022を参照して、使用回数“3”の色(RGB値:255,255,0)が、使用回数が最も多い色と特定し、特定した色を基準色とする。生成部105は、基準色である色(RGB値:255,255,0)をHSV値に変換する。そして、生成部105は、変換されたHSV値を、色相変化のカラーパレットの基準色の情報として登録する。また、生成部105は、変換されたHSV値を、彩度変化のカラーパレット及び明度変化のカラーパレットの基準色の情報として登録しておく。なお、使用回数が最も多い色の彩度が、選択可能な値の最小値から5%以内の範囲だった場合、基準色として適当でないので、使用回数が2番目に多い色を選択する。
【0052】
生成部105は、予め定められた配色規則に基づいて、基準色から色相を変化させた色から構成されるカラーパレットを生成する。ここで、予め定められた配色規則とは、HSV空間の色相環を用いた配色理論に基づく配色規則である。配色理論に基づく配色規則とは、トライアド配色及びテトラード配色であり、この2つの配色規則を用いて配色すると、はっきりとした印象を与える配色ができる。生成部105は、HSV空間の色相環を用いた配色規則に基づいて、色相変化のカラーパレットを生成する。
【0053】
トライアド配色では、色相環において、基準色、基準色から+120°の色及び-120°の色がはっきりとした印象を与える3色として選択される。したがって、生成部105は、色相環において、基準色から+120°の色及び-120°の色を、
図6の色相変化のカラーパレットの情報1023-24の色HTr1及び色HTr2として登録する。テトラード配色では、色相環において、基準色、基準色から+90°、+180°及び-90°の色がはっきりとした印象を与える4色として選択される。したがって、生成部105は、色相環において、基準色から+90°、+180°及び-90°の色を、
図6の色相変化のカラーパレットの情報1023-24の色HTe1、色HTe2及び色HTe3として登録する。
【0054】
例えば、作画ソフトにおいて色相を0~255の256段階で設定できる場合、トライアド配色では、基準色から色相を±85ずらした色が、基準色から+120°の色及び-120°の色に該当する。テトラード配色では、基準色から色相を±64及び+128ずらした色が、基準色から+90°、+180°及び-90°の色に該当する。なお、色HTr1、色HTr2、色HTe1、色HTe2及び色HTe3の彩度及び明度は基準色と同一である。
【0055】
次に、生成部105は、作画ソフトで設定可能な彩度の段階数を、指定された色数Xで割って増減値を求め、求めた増減値を基準色に加算又は減算する。そして、生成部105は、加算又は減算することにより得られた値が示す色を、
図6の彩度変化のカラーパレットの情報1023-25の色S1~色S(X-1)として登録する。また、生成部105は、作画ソフトで設定可能な明度の範囲を、指定された色数Xで割って増減値を求め、求めた増減値を基準色に加算又は減算する。そして、生成部105は、加算又は減算により得られた値が示す色を、
図6の明度変化のカラーパレットの情報1023-26の色V1~色V(X-1)として登録する。
【0056】
例えば、作画ソフトにおいて彩度を0~255の256段階で設定でき、指定された色数Xが“4”の場合、増減値は“64”である。基準色の彩度が“100”とすると、“36”、“164”、“228”が、基準色に増減値を加算又は減算することにより得られた値に該当する。なお、色S1~色S(X-1)の色相及び明度は基準色と同一であり、色V1~色V(X-1)の色相及び彩度は基準色と同一である。
【0057】
なお、指定された色数Xが偶数で、基準色の彩度又は明度が、作画ソフトで設定可能な段階数の半値以上の場合、基準色より彩度又は明度が低い側にX/2個、高い側にX/2-1個の値を求める。例えば、作画ソフトにおいて彩度を256段階で設定でき、指定された色数Xが“6”、基準色の彩度が“128”の場合、増減値“42”とすると、“2”、“44”、“86”“128”、“170”、“212”が、基準色に増減値を加算又は減算することにより得られた値に該当する。
【0058】
ユーザは、彩度変化のカラーパレットの情報1023-25又は明度変化のカラーパレットの情報1023-26に登録された色が望んでいない構成であれば、色数Xを変更して、彩度変化のカラーパレットの情報1023-25又は明度変化のカラーパレットの情報1023-26に含まれる色を再設定してもよい。
【0059】
表示制御部101は、作画画面において生成部105により生成されたカラーパレットを表示させる。
【0060】
図7に、生成部105により生成されたカラーパレットの例を示す。
図7のカラーパレット312は、表示画面の使用色から取得した色のカラーパレットの情報1023-23に含まれる色から構成されるカラーパレット、カラーパレット313は、色相変化のカラーパレットの情報1023-24に含まれる色から構成されるカラーパレット、カラーパレット314は、彩度変化のカラーパレットの情報1023-25に含まれる色から構成されるカラーパレット、カラーパレット315は、明度変化のカラーパレットの情報1023-26に含まれる色から構成されるカラーパレットである。これらのカラーパレットは、基準色316が含まれる。
【0061】
図8に、生成部105により生成された追加カラーパレットが作画画面300に表示される例を示す。
図8のウィンドウ310では、カラーパレット312と、色数を指定するための欄317が表示されている。ユーザは、ウィンドウ310においてタブを選択することにより、他のカラーパレットを表示できる。また、ユーザは、欄317に数値を入力することにより、カラーパレット312,314,315に含まれる色の数を変更することができる。なお、色相変化のカラーパレットの情報1023-24に含まれる色から構成されるカラーパレット313は、色の数は“6”で固定である。ユーザは、ウィンドウ310に表示される生成されたカラーパレットに含まれる色を選択することで、プリセットのカラーパレットと同様に、作画画面300に表示された部品の色の属性を変更することができる。
【0062】
表示制御部101は、表示画面情報により定義された表示画面に含まれる部品のうち、生成部105により生成されたカラーパレットに含まれる色が設定された部品の一覧を、作画画面に表示させる。
【0063】
例えば、表示制御部101は、作画ソフトに予め用意されている部品のうち、カラーパレット312,313,314,315に含まれる色を使用した部品の一覧を、作画画面300に表示する。或いは、表示制御部101は、作画ソフトに予め用意されている部品の一覧を作画画面300に表示する際に、カラーパレット312,313,314,315に含まれる色を使用した部品を強調表示する。
【0064】
変換部106は、作画画面に含まれる部品の色を、生成部105により生成されたカラーパレットに含まれる色のうち、最も近い色に一括変換する。変換部106は、プロセッサ11及び入出力インタフェース15により実現される。なお、変換部106は、変換手段の一例である。
【0065】
例えば、変換部106は、作画画面において、作画中の表示画面に含まれる部品の色を一括変換するための第1ダイアログを表示する。ユーザが、第1ダイアログにおいて、部品の色を一括変換する作画中の表示画面を選択すると、次に、一括変換する際に参照される表示画面を選択するための第2ダイアログを表示する。以下、一括変換する際に参照される表示画面を「参照表示画面」という。ユーザが、第2ダイアログにおいて、記憶部102に格納された表示画面情報1021の表示画面から、参照表示画面を選択すると、生成部105は、参照表示画面の表示画面情報1021から、4種類の追加カラーパレット、すなわち、表示画面の使用色から取得した色のカラーパレット、色相変化のカラーパレット、彩度変化のカラーパレット及び明度変化のカラーパレットを生成する。既に、参照表示画面について4種類の追加カラーパレットが生成されている場合は、生成を省略する。
【0066】
変換部106は、参照表示画面について生成された4種類の追加カラーパレットを作画画面に表示し、ユーザがいずれかの追加カラーパレットを選択すると、作画中の表示画面に含まれる部品の色と、選択された追加カラーパレットに含まれる色の色差を算出する。そして、変換部106は、作画中の表示画面に含まれる部品の色を、選択された追加カラーパレットに含まれる色のうち最も近い色に変更する。変換部106は、作画中の表示画面に含まれる全ての部品について、追加カラーパレットに含まれる色のうち最も近い色に変更する。これにより、作画中の表示画面の部品を、参照表示画面の部品と同じような色に一括して変換することができる。なお、参照表示画面は、作画中の表示画面であってもよい。この場合、作画中の表示画面に含まれる部品の色を、作画中の表示画面について生成された追加カラーパレットに含まれる色に一括して変更することができる。
【0067】
次に、
図1のプログラマブル表示器200の機能について説明する。プログラマブル表示器200は、機能的には、表示画面を表示する表示部201と、作画支援装置100から送信された情報を格納する記憶部202と、表示画面情報を取得する表示画面情報取得部203と、を備える。
【0068】
表示部201は、作画支援装置100において作画された表示画面を表示する。
【0069】
例えば、表示部201は、プログラマブル表示器200の画面に、記憶部202に格納された表示画面情報に基づいて、表示画面を表示する。
【0070】
記憶部202は、作画支援装置100から送信された情報を格納する。
【0071】
例えば、記憶部202は、作画支援装置100から送信された、表示画面情報を含むプロジェクトデータと、プログラマブル表示器200において動作するファームウェアと、を格納する。
【0072】
表示画面情報取得部203は、作画支援装置100からの要求に応じて、表示画面情報を取得する。
【0073】
例えば、表示画面情報取得部203は、作画支援装置100から、表示画面ID“2”の表示画面情報の取得要求を受け付けると、記憶部202に格納された表示画面ID“2”の表示画面情報を取得し、取得した表示画面情報を作画支援装置100に応答として送信する。
【0074】
次に、本実施形態に係る作画支援装置100が実行する作画支援処理について、
図9のフローチャートを用いて説明する。
図9の作画支援処理は、例えば、作画支援装置100が、追加カラーパレットの生成を指示する操作を示す情報を受け付けると、実行される処理である。
【0075】
表示画面情報取得部103は、追加のカラーパレットを生成する際に参照される表示画面の選択を受け付ける(ステップS101)。
【0076】
例えば、表示画面情報取得部103は、作画画面300において、追加のカラーパレットを生成する際に参照される表示画面を選択するためのダイアログを表示し、ユーザから作画中の
図3の表示画面400(表示画面ID“1”)の選択を受け付ける。
【0077】
表示画面情報取得部103は、選択された表示画面の表示画面情報を取得する(ステップS102)。
【0078】
例えば、表示画面情報取得部103は、表示画面ID“1”の表示画面400を定義する表示画面情報1021を、記憶部102から取得する。
【0079】
色情報取得部104は、表示画面情報取得部103により取得された表示画面情報から、表示画面に画像として含まれる部品の色を示す色情報を取得する(ステップS103)。
【0080】
例えば、色情報取得部104は、表示画面ID“1”の表示画面情報1021から、
図4の色情報1022を取得する。
【0081】
生成部105は、ユーザから追加カラーパレットに含まれる色数の指定を受け付ける(ステップS104)。
【0082】
例えば、生成部105は、表示画面ID“1”の表示画面400から生成する追加カラーパレットに含まれる色数を指定するためダイアログを作画画面300に表示させる。
【0083】
生成部105は、表示画面の使用色から取得した色のカラーパレットを生成する(ステップS105)。
【0084】
例えば、生成部105は、表示画面ID“1”の色情報1022に示される色の色差Dを求め、色差Dの最も小さい2つの色にクラスタリングし、色差Dの最も小さい2色を統合して、新しいRGB値を持つ色を生成する。そして、生成部105は、統合後の色数が指定された色数Xになるまで、色差の最も小さい色の統合を繰り返し、色数Xの統合された色から構成されるカラーパレットを、表示画面の使用色から取得した色から構成されるカラーパレットとして生成する。
【0085】
生成部105は、色相変化のカラーパレット、彩度変化のカラーパレット及び明度変化のカラーパレットを生成する(ステップS106)。
【0086】
例えば、生成部105は、トライアド配色及びテトラード配色の配色規則に基づいて、基準色から色相を変化させた色相変化のカラーパレットを生成する。また、生成部105は、基準色と指定された色数Xとに基づいて、彩度変化のカラーパレット及び明度変化のカラーパレットを生成する。
【0087】
生成部105は、生成した追加カラーパレットについて登録指示があったか否かを判断する(ステップS107)。生成部105は、生成した追加カラーパレットについて登録指示があったと判断すると(ステップS107;YES)、生成した追加カラーパレットの情報を記憶部102に格納する(ステップS108)。そして、
図9の作画支援処理が終了する。一方、生成部105は、生成した追加カラーパレットについて登録指示がないと判断すると(ステップS107;NO)、ステップS104に戻る。
【0088】
例えば、ユーザが、作画ソフトにおいて生成した追加カラーパレットについて登録指示をすると、生成部105は、ステップS105において生成されたカラーパレットの情報を、表示画面の使用色から取得した色のカラーパレットの情報1023-23の情報として、記憶部102に格納し、ステップS106において生成されたカラーパレットの情報を、色相変化のカラーパレットの情報1023-24、彩度変化のカラーパレットの情報1023-25及び明度変化のカラーパレットの情報1023-26として、記憶部102に格納する。
【0089】
本実施形態によれば、プログラマブル表示器の表示画面に含まれる部品の色情報に基づいて、指定された色数の色が含まれる追加のカラーパレットを生成する。ユーザは、指定された色数の色、すなわち、限られた色のカラーパレットを用いて作画を行うことにより、作画時間を短縮することができる。また、色情報を取得した表示画面に用いられている色と似たような色から構成されるカラーパレットを生成するので、色情報を取得した表示画面と似たような雰囲気の画面を容易に作画することができる。また、プログラマブル表示器から取得した表示画面は、見やすさを考慮して部品の配色がなされているので、そのような表示画面に含まれる部品の色情報に基づいて生成されたカラーパレットは、見やすさを考慮した色が含まれる。よって、視認性の高い表示画面を容易に作画することができる。
【0090】
また、本実施形態によれば、予め定められた配色規則に基づいてカラーパレットを生成する。ユーザは、予め定められた配色規則、例えば、トライアド配色及びテトラード配色の配色規則に基づいて生成されたカラーパレットを用いて表示画面の作画を行うことにより、部品がはっきりとして見やすい表示画面を容易に作成することができる。
【0091】
また、本実施形態によれば、生成された追加カラーパレットに含まれる色が設定された部品の一覧を、画面に表示する。これにより、部品についての配色を容易に確認することができ、表示画面に配置する部品の配色を効率的に行うことができる。
【0092】
また、本実施形態によれば、生成された追加カラーパレットに含まれる色に最も近い色に、作画中の表示画面に含まれる部品の色を一括変換することができる。これにより、部品の配色作業の手間を省くことができ、作画時間を短縮することができる。
【0093】
(変形例)
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
【0094】
上記実施形態において、作画支援システム1にプログラマブル表示器200が1つ含まれる例を示したが、作画支援装置100と通信可能に接続されるプログラマブル表示器200は複数あってもよい。よって、表示画面情報取得部103は、複数のプログラマブル表示器200から、表示画面情報を取得してもよい。
【0095】
また、上記実施形態において、生成部105は、色差Dの最も小さい2つの色にクラスタリングし、色差Dの最も小さい2色を統合することにより、表示画面の使用色から取得した色のカラーパレットを生成したが、他の手法を用いて、表示画面の使用色から取得した色のカラーパレットを生成してもよい。例えば、生成部105は、色情報により示される色を、RGB値を持つ3次元ベクトルとみなして、k-means法のような既知のクラスタリング手法を用いて、指定された色数のクラスタを取得する。そして、生成部105は、各クラスタの平均値、中央値、最頻値又は重心により示される色から構成される追加カラーパレットを、表示画面の使用色から取得した色のカラーパレットとして生成してもよい。
【0096】
また、上記実施形態において、表示制御部101は、プロセッサ11及び入出力インタフェース15により実現され、表示制御部101は、プログラマブル表示器200に表示される表示画面を作画するための作画画面を表示装置に表示させるとしたが、これに限らない。表示制御部101は、プロセッサ11及び表示装置により実現され、作画画面を表示するものであってもよい。したがって、作画支援装置100は、ディスプレイのような表示装置を含むハードウェア構成を有するものであってもよい。
【0097】
また、上記実施形態において、表示制御部101、色情報取得部104、生成部105及び変換部106は、プロセッサ11及び入出力インタフェース15により実現されるとしたが、これに限らない。表示制御部101、色情報取得部104、生成部105及び変換部106は、プロセッサ11及び入力装置により実現され、ユーザからの操作を受け付けるものであってもよい。また、表示画面情報取得部103は、プロセッサ11、通信部14及び入出力インタフェース15により実現されるとしたが、これに限らない。表示画面情報取得部103は、プロセッサ11、通信部14及び入力装置により実現され、ユーザからの操作を受け付けるものであってもよい。したがって、作画支援装置100は、入力キーのような入力装置を含むハードウェア構成を有するものであってもよい。
【0098】
また、上記実施形態に係る作画支援装置100の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータ又は情報端末装置に適用することで、当該パーソナルコンピュータ又は情報端末装置を実施形態に係る作画支援装置100として機能させることも可能である。
【0099】
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD-ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネットのような通信ネットワークを介して配布してもよい。
【0100】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。つまり、本開示の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、本開示の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本開示によれば、配色を容易にするカラーパレットを生成して、プログラマブル表示器の表示画面を効率的に作画することが可能な作画支援プログラム、作画支援装置、作画支援システム及び作画支援方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 作画支援システム、11 プロセッサ、12 主記憶部、13 補助記憶部、14 通信部、15 入出力インタフェース、16 バス、100 作画支援装置、101 表示制御部、102,202 記憶部、103,203 表示画面情報取得部、104 色情報取得部、105 生成部、106 変換部、200 プログラマブル表示器、201 表示部、300 作画画面、310 ウィンドウ、311 プリセットカラーパレット、312~315 カラーパレット、316 基準色、317 欄、400 表示画面、1021 表示画面情報、1022 色情報、1023 カラーパレット情報。
【要約】
作画支援プログラムは、コンピュータを、プログラマブル表示器(200)の表示画面を作画するための作画画面を表示装置に表示させる表示制御部(101)、表示画面を定義する表示画面情報を取得する表示画面情報取得部(103)、表示画面情報取得部(103)により取得された表示画面情報から、表示画面に画像として含まれる部品の色を示す色情報を取得する色情報取得部(104)、色情報取得部(104)により取得された色情報が示す色をクラスタリングすることにより、指定された色数の色を取得し、取得した色から構成されるカラーパレットを生成する生成部(105)、として機能させ、表示制御部(101)は、作画画面において生成部(105)により生成されたカラーパレットを表示させる。