(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、検出方法、及び検出プログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/952 20060101AFI20241213BHJP
G01N 21/88 20060101ALI20241213BHJP
H02G 1/02 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
G01N21/952
G01N21/88 J
H02G1/02
(21)【出願番号】P 2024559595
(86)(22)【出願日】2023-02-17
(86)【国際出願番号】 JP2023005707
【審査請求日】2024-10-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100203677
【氏名又は名称】山口 力
(72)【発明者】
【氏名】守谷 愛梨
(72)【発明者】
【氏名】小池 崇文
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110009638(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112015937(CN,A)
【文献】特開2022-36054(JP,A)
【文献】特開2005-57956(JP,A)
【文献】特開2004-85216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
H02G 1/02
G06T 1/00 - G06T 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撚線の画像を取得する取得部と、
前記撚線の前記画像を分割する分割部と、
分割により得られた複数の画像の中から設定された複数の対象画像と、前記複数の画像の中から設定された複数の比較画像とを用いて、複数の類似度を算出し、前記複数の類似度を正規化し、正規化により得られた複数の値を用いて、クラス分類閾値を算出し、前記クラス分類閾値に基づいて前記複数の値が分類されることにより得られたクラス毎に、1つの値を算出し、算出された2つの値の差を、クラス間距離として算出する算出部と、
前記クラス間距離が予め定められた第1の閾値以上である場合、前記撚線は異常と判定する判定部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記クラス間距離が前記第1の閾値よりも小さい場合、前記撚線は正常と判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
検出部をさら
に有し、
前記取得部は、第2の閾値を取得し、
前記検出部は、正規化により得られた前記複数の値の中から、前記第2の閾値以上の値を検出し、検出された値に対応する画像が示す箇所を異常箇所として検出する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記異常箇所が検出された後、他の異常箇所の検出処理が実行される場合であり、かつ、前記複数の類似度が正規化される場合、前記複数の類似度の中から、前記異常箇所を含む画像に対応する類似度は、除かれ、
前記取得部は、他の異常箇所の前記検出処理が実行される場合、前記クラス分類閾値に基づいて算出された前記第2の閾値を取得する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、学習済モデルを取得し、
前記検出部は、前記異常箇所を含む画像と、前記学習済モデルとを用いて、前記画像が示す箇所が前記異常箇所であるか否かを判定し、前記画像が示す箇所が異常箇所ではない場合、前記画像が示す箇所を正常箇所として検出する、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
結果を出力する出力部をさらに有する、
請求項1
又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が、
撚線の画像を取得し、
前記撚線の前記画像を分割し、
分割により得られた複数の画像の中から設定された複数の対象画像と、前記複数の画像の中から設定された複数の比較画像とを用いて、複数の類似度を算出し、
前記複数の類似度を正規化し、
正規化により得られた複数の値を用いて、クラス分類閾値を算出し、
前記クラス分類閾値に基づいて前記複数の値が分類されることにより得られたクラス毎に、1つの値を算出し、
算出された2つの値の差を、クラス間距離として算出し、
前記クラス間距離が予め定められた第1の閾値以上である場合、前記撚線は異常と判定する、
検出方法。
【請求項8】
情報処理装置に、
撚線の画像を取得し、
前記撚線の前記画像を分割し、
分割により得られた複数の画像の中から設定された複数の対象画像と、前記複数の画像の中から設定された複数の比較画像とを用いて、複数の類似度を算出し、
前記複数の類似度を正規化し、
正規化により得られた複数の値を用いて、クラス分類閾値を算出し、
前記クラス分類閾値に基づいて前記複数の値が分類されることにより得られたクラス毎に、1つの値を算出し、
算出された2つの値の差を、クラス間距離として算出し、
前記クラス間距離が予め定められた第1の閾値以上である場合、前記撚線は異常と判定する、
処理を実行させる検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、検出方法、及び検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
撚線が使われている。例えば、撚線は、電線に使われている。ここで、画像の輝度平均値を用いて、異常を検出する技術が提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像の輝度平均値を用いて、撚線の検査を行う方法が考えられる。しかし、当該方法は、異常の検出精度が低い。
【0005】
本開示の目的は、高い精度で異常を検出することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理装置が提供される。情報処理装置は、撚線の画像を取得する取得部と、前記撚線の前記画像を分割する分割部と、分割により得られた複数の画像の中から設定された複数の対象画像と、前記複数の画像の中から設定された複数の比較画像とを用いて、複数の類似度を算出し、前記複数の類似度を正規化し、正規化により得られた複数の値を用いて、クラス分類閾値を算出し、前記クラス分類閾値に基づいて前記複数の値が分類されることにより得られたクラス毎に、1つの値を算出し、算出された2つの値の差を、クラス間距離として算出する算出部と、前記クラス間距離が予め定められた第1の閾値以上である場合、前記撚線は異常と判定する判定部と、を有する情報処理装置。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、高い精度で異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1の情報処理装置が有するハードウェアを示す図である。
【
図2】実施の形態1の情報処理装置の機能を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1の複数の類似度の算出処理の例を示す図である。
【
図5】実施の形態1のクラス分類閾値の算出例を示す図である。
【
図6】実施の形態1の情報処理装置が実行する処理の例(その1)を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態1の情報処理装置が実行する処理の例(その2)を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態2の情報処理装置の機能を示すブロック図である。
【
図9】実施の形態2の情報処理装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
【
図10】実施の形態3の情報処理装置が実行する処理の概要を示す図である。
【
図11】実施の形態3の情報処理装置が実行する処理の例(その1)を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態3の情報処理装置が実行する処理の例(その2)を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態4の情報処理装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態4の変形例の情報処理装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施の形態を説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、本開示の範囲内で種々の変更が可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の情報処理装置が有するハードウェアを示す図である。情報処理装置100は、検出方法を実行する装置である。情報処理装置100は、プロセッサ101、揮発性記憶装置102、及び不揮発性記憶装置103を有する。
【0011】
プロセッサ101は、情報処理装置100全体を制御する。例えば、プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などである。プロセッサ101は、マルチプロセッサでもよい。また、情報処理装置100は、処理回路を有してもよい。
【0012】
揮発性記憶装置102は、情報処理装置100の主記憶装置である。例えば、揮発性記憶装置102は、RAM(Random Access Memory)である。不揮発性記憶装置103は、情報処理装置100の補助記憶装置である。例えば、不揮発性記憶装置103は、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)である。
【0013】
次に、情報処理装置100が有する機能を説明する。
図2は、実施の形態1の情報処理装置の機能を示すブロック図である。情報処理装置100は、記憶部110、取得部120、分割部130、算出部140、判定部150、及び出力部160を有する。
【0014】
記憶部110は、揮発性記憶装置102又は不揮発性記憶装置103に確保した記憶領域として実現してもよい。
【0015】
取得部120、分割部130、算出部140、判定部150、及び出力部160の一部又は全部は、処理回路によって実現してもよい。また、取得部120、分割部130、算出部140、判定部150、及び出力部160の一部又は全部は、プロセッサ101が実行するプログラムのモジュールとして実現してもよい。例えば、プロセッサ101が実行するプログラムは、検出プログラムとも言う。例えば、検出プログラムは、記録媒体に記録されている。
【0016】
記憶部110は、様々な情報を記憶する。
【0017】
取得部120は、撚線を含む画像を取得してもよい。例えば、取得部120は、当該画像を記憶部110から取得する。また、例えば、取得部120は、当該画像をカメラから取得する。また、例えば、取得部120は、当該画像を外部装置から取得する。なお、例えば、外部装置は、クラウドサーバである。また、外部装置の図は、省略されている。
また、例えば、撚線は、電線、電柱を支えるワイヤー、橋を支えるワイヤーなどである。
【0018】
取得部120は、撚線を含む画像から、抽出された撚線の画像を取得してもよい。言い換えれば、取得部120は、撚線を含む画像から、抽出された撚線の画像領域を取得してもよい。なお、抽出処理は、情報処理装置100が実行してもよい。
【0019】
取得部120は、撚線の画像を取得する。上記したように、取得部120は、抽出された撚線の画像を取得してもよい。また、取得部120は、撚線の画像を記憶部110又は外部装置から取得してもよい。
【0020】
分割部130は、撚線の画像を分割する。詳細には、分割部130は、撚線の画像を予め定められた長さに分割する。
【0021】
算出部140は、分割により得られた複数の画像の中から設定された複数の対象画像と、複数の画像の中から設定された複数の比較画像とを用いて、複数の類似度を算出する。ここで、複数の類似度の算出を、具体例を用いて説明する。
【0022】
図3は、実施の形態1の複数の類似度の算出処理の例を示す図である。
図3は、撚線の画像10を示している。分割部130は、画像10を4つに分割する。
算出部140は、分割により得られた複数の画像の中から、画像11を対象画像に設定する。算出部140は、複数の画像の中から、画像12を比較画像に設定する。算出部140は、テンプレートマッチングの技術を用いて、画像11と画像12との類似度を算出する。なお、例えば、テンプレートマッチングは、正規化相互相関、SSD(Sum of Squared Difference)などである。また、類似度は、2つの画像が類似している度合いを示してもよいし、2つの画像が類似していない度合いを示してもよい。
【0023】
算出部140は、分割により得られた複数の画像の中から、画像12を対象画像に設定する。算出部140は、複数の画像の中から、画像13を比較画像に設定する。算出部140は、画像12と画像13との類似度を算出する。
【0024】
算出部140は、分割により得られた複数の画像の中から、画像13を対象画像に設定する。算出部140は、複数の画像の中から、画像14を比較画像に設定する。算出部140は、画像13と画像14との類似度を算出する。
【0025】
算出部140は、分割により得られた複数の画像の中から、画像14を対象画像に設定する。算出部140は、複数の画像の中から、画像13を比較画像に設定する。算出部140は、画像13と画像14との類似度を算出する。
【0026】
このように、算出部140は、分割により得られた複数の画像の中から設定された複数の対象画像と、複数の画像の中から設定された複数の比較画像とを用いて、複数の類似度を算出する。
【0027】
図3は、対象画像の隣の画像が、比較画像に設定される場合を示した。比較画像は、対象画像の隣の画像でなくてもよい。例えば、比較画像は、対象画像の2つ隣の画像でもよい。具体的には、対象画像が画像11である場合、比較画像は、画像13でもよい。また、例えば、比較画像の一部と対象画像の一部とは、同じでもよい。
【0028】
算出部140は、複数の類似度を正規化する。正規化の具体例を、図を用いて説明する。
図4は、実施の形態1の正規化の例を示す図である。算出部140は、複数の類似度を正規化する。例えば、算出部140は、複数の類似度の中の最小値を0とし、最大値を1としたときの値に、複数の類似度を正規化する。これにより、複数の類似度は、0~1の値に変換される。つまり、変換された値は、“0≦値≦1”で表わされる。
【0029】
算出部140は、正規化により得られた複数の値を用いて、クラス分類閾値を算出する。クラス分類閾値の算出を、図を用いて説明する。
図5は、実施の形態1のクラス分類閾値の算出例を示す図である。算出部140は、複数の値を用いて、分離度を算出する。具体的には、算出部140は、式(1)を用いて、分離度を算出する。
【0030】
分離度=クラス間分散/クラス内分散 …(1)
【0031】
分離度が最大の時の値が、クラス分類閾値として決定される。
【0032】
算出部140は、クラス分類閾値に基づいて、複数の値を分類する。つまり、算出部140は、2クラス分類を行う。
【0033】
算出部140は、分類されたクラス毎に、1つの値を算出する。例えば、算出部140は、分類されたクラス毎に、平均値又は代表値を算出する。例えば、平均値が算出される場合、算出部140は、第1のクラスに属する複数の値を用いて、第1のクラスの平均値を算出し、第2のクラスに属する複数の値を用いて、第2のクラスの平均値を算出する。
【0034】
算出部140は、算出された2つの値の差を、クラス間距離として算出する。例えば、算出部140は、第1のクラスの平均値と、第2のクラスの平均値との差を、クラス間距離として算出する。
【0035】
判定部150は、クラス間距離が予め定められた閾値以上である場合、撚線は異常と判定する。なお、当該閾値は、第1の閾値とも言う。また、例えば、当該閾値は、0.7である。
【0036】
出力部160は、結果を出力する。例えば、出力部160は、情報処理装置100のディスプレイに結果を出力する。また、例えば、出力部160は、外部装置に結果を出力する。なお、例えば、結果は、判定の結果である。
【0037】
次に、情報処理装置100が実行する処理を、フローチャートを用いて、説明する。
図6は、実施の形態1の情報処理装置が実行する処理の例(その1)を示すフローチャートである。
(ステップS11)取得部120は、撚線の画像を取得する。
(ステップS12)分割部130は、撚線の画像を分割する。
(ステップS13)算出部140は、分割により得られた複数の画像の中から設定された複数の対象画像と、複数の画像の中から設定された複数の比較画像とを用いて、複数の類似度を算出する。
【0038】
(ステップS14)算出部140は、複数の類似度を正規化する。
(ステップS15)算出部140は、正規化により得られた複数の値を用いて、クラス分類閾値を算出する。
(ステップS16)算出部140は、クラス分類閾値に基づいて複数の値が分類されることにより得られたクラス毎に、平均値を算出する。そして、処理は、ステップS21に進む。
【0039】
図7は、実施の形態1の情報処理装置が実行する処理の例(その2)を示すフローチャートである。
(ステップS21)算出部140は、2つの平均値の差を、クラス間距離として算出する。
(ステップS22)判定部150は、クラス間距離が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。クラス間距離が当該閾値以上である場合、処理は、ステップS23に進む。クラス間距離が当該閾値よりも小さい場合、処理は、ステップS24に進む。
(ステップS23)判定部150は、撚線は異常と判定する。
(ステップS24)判定部150は、撚線は正常と判定する。
(ステップS25)出力部160は、結果を出力する。
【0040】
実施の形態1によれば、情報処理装置100は、上記の処理を実行することで、高い精度で異常を検出することができる。例えば、撚線の画像のノイズが多い場合でも、情報処理装置100は、上記の処理を実行することで、高い精度で異常を検出することができる。また、撚線に小さな異常箇所が存在する場合でも、情報処理装置100は、上記の処理を実行することで、高い精度で異常を検出することができる。よって、情報処理装置100は、高い精度で異常を検出することができる。
【0041】
実施の形態2.
次に、実施の形態2を説明する。実施の形態2では、実施の形態1と相違する事項を主に説明する。そして、実施の形態2では、実施の形態1と共通する事項の説明を省略する。
実施の形態1では、撚線が正常であるか否かが判定される場合を説明した。実施の形態2では、撚線が異常である場合、異常箇所が検出される場合を説明する。
【0042】
図8は、実施の形態2の情報処理装置の機能を示すブロック図である。情報処理装置100は、さらに検出部170を有する。検出部170の一部又は全部は、処理回路によって実現してもよい。また、検出部170の一部又は全部は、プロセッサ101が実行するプログラムのモジュールとして実現してもよい。
検出部170の機能の詳細は、後で説明する。
【0043】
次に、情報処理装置100が実行する処理を、フローチャートを用いて説明する。
図9は、実施の形態2の情報処理装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
図9の処理は、ステップS23a,23bが実行される点が
図7の処理と異なる。そのため、
図9では、ステップS23a,23bを説明する。そして、ステップS23a,23b以外の処理の説明は、省略する。
【0044】
(ステップS23a)取得部120は、異常箇所判定閾値を取得する。異常箇所判定閾値は、第2の閾値とも言う。
異常箇所判定閾値の取得処理を説明する。異常箇所判定閾値は、予め定められた値でもよい。異常箇所判定閾値が予め定められた値である場合、取得部120は、異常箇所判定閾値を記憶部110又は外部装置から取得する。また、算出部140は、異常箇所判定閾値を算出してもよい。例えば、算出部140は、式(2)を用いて、異常箇所判定閾値を算出してもよい。
【0045】
異常箇所判定閾値=クラス分類閾値×2 …(2)
【0046】
また、算出部140は、“2”以外の値をクラス分類閾値に乗算してもよい。算出部140が異常箇所判定閾値を算出した場合、取得部120は、算出された異常箇所判定閾値を取得する。
【0047】
(ステップS23b)検出部170は、正規化により得られた複数の値の中から、異常箇所判定閾値以上の値を検出する。検出部170は、検出された値に対応する画像が示す箇所を異常箇所として検出する。
図3を用いて、異常箇所の検出処理を説明する。検出された値は、画像12に対応する類似度が正規化された値とする。検出部170は、検出された値に対応する画像12が示す箇所を異常箇所として検出する。
【0048】
実施の形態2によれば、情報処理装置100は、異常箇所を検出できる。
【0049】
実施の形態3.
次に、実施の形態3を説明する。実施の形態3では、実施の形態1,2と相違する事項を主に説明する。そして、実施の形態3では、実施の形態1,2と共通する事項の説明を省略する。
【0050】
情報処理装置100が、実施の形態3で行う処理を簡単に説明する。
図10は、実施の形態3の情報処理装置が実行する処理の概要を示す図である。
図10は、撚線の画像20を示している。画像20は、異常箇所21と異常箇所22とを示している。
実施の形態2の方法では、1回の検出処理で検出されない異常箇所が存在する場合がある。例えば、異常箇所21は、検出される。しかし、異常箇所22は、検出されない。そこで、情報処理装置100は、異常箇所21を含む画像に対応する類似度を削除する。そして、情報処理装置100は、再度、異常箇所の検出処理を実行する。これにより、情報処理装置100は、異常箇所22を検出できる。
【0051】
次に、情報処理装置100が実行する処理を、フローチャートを用いて説明する。
図11は、実施の形態3の情報処理装置が実行する処理の例(その1)を示すフローチャートである。
図11の処理は、ステップS14aが実行される点が
図6の処理と異なる。そのため、
図11では、ステップS14aを説明する。そして、ステップS14a以外の処理の説明は、省略する。
【0052】
(ステップS14a)算出部140は、複数の類似度を正規化する。また、ステップS23dの後にステップS14aが実行される場合、当該複数の類似度の中から異常箇所を含む画像に対応する類似度は、除かれる。
【0053】
図12は、実施の形態3の情報処理装置が実行する処理の例(その2)を示すフローチャートである。
図12の処理は、ステップS23c,23dが実行される点が
図9の処理と異なる。そのため、
図12では、ステップS23c,23dを説明する。そして、ステップS23c,23d以外の処理の説明は、省略する。但し、ステップS23aが繰り返される場合、取得部120は、クラス分類閾値に基づいて算出された異常箇所判定閾値を取得する。
【0054】
(ステップS23c)検出部170は、異常箇所を含む画像に対応する類似度を削除する。
(ステップS23d)検出部170は、所定の回数を繰り返したか否かを判定する。所定の回数を繰り返した場合、処理は、ステップS25に進む。所定の回数を繰り返していない場合、処理は、ステップS14aに進む。
【0055】
なお、ステップS23cでは、検出部170は、異常箇所を含む画像に対応する類似度を削除しなくてもよい。当該類似度が削除されない場合、ステップS14aでは、算出部140は、複数の類似度の中から異常箇所を含む画像に対応する類似度を除いて、正規化を行う。
【0056】
このように、異常箇所が検出された後、他の異常箇所の検出処理が実行される場合であり、かつ、複数の類似度が正規化される場合、複数の類似度の中から、異常箇所を含む画像に対応する類似度は、除かれる。
【0057】
実施の形態3によれば、情報処理装置100は、近傍に大きい異常箇所が存在する場合でも、小さい異常箇所を検出できる。
【0058】
実施の形態4.
次に、実施の形態4を説明する。実施の形態4では、実施の形態1,2と相違する事項を主に説明する。そして、実施の形態4では、実施の形態1,2と共通する事項の説明を省略する。
【0059】
撚線には、金具などが付いている。実施の形態2の方法では、金具などが付いている箇所が、異常箇所と誤って判定される可能性がある。また、例えば、実施の形態2の方法では、他の撚線の影が存在している箇所が、異常箇所と誤って判定される可能性がある。このように、正常箇所が誤って異常箇所と判定される可能性がある。そこで、実施の形態4では、正常箇所が誤って異常箇所であると検出されることが防止される場合を説明する。
【0060】
図13は、実施の形態4の情報処理装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
図13の処理は、ステップS23e,23fが実行される点が
図9の処理と異なる。そのため、
図13では、ステップS23e,23fを説明する。そして、ステップS23e,23f以外の処理の説明は、省略する。また、ステップS23bで検出された異常箇所は、仮検出された異常箇所と考えてもよい。
【0061】
(ステップS23e)取得部120は、学習済モデルを取得する。例えば、取得部120は、学習済モデルを記憶部110又は外部装置から取得する。なお、学習済モデルは、正常箇所(例えば、金具)を含む画像が学習データとして用いられることで、生成される。
(ステップS23f)検出部170は、異常箇所を含む画像と、学習済モデルとを用いて、異常箇所であるか否かを判定する。言い換えれば、検出部170は、仮検出された異常箇所を含む画像と、学習済モデルとを用いて、異常箇所であるか否かを判定する。詳細には、検出部170が異常箇所を含む画像を学習済モデルに入力することで、学習済モデルは、入力された画像が示す箇所が異常箇所であるか否かを示す情報を出力する。検出部170は、入力された画像が示す箇所が異常箇所でない場合(つまり、入力された画像が示す箇所が正常箇所である場合)、入力された画像が示す箇所を正常箇所として検出する。
【0062】
また、複数の異常箇所が検出された場合、検出部170は、複数の画像と、学習済モデルとを用いて、複数の画像のそれぞれが示す箇所が異常箇所であるか否かを判定する。検出部170は、検出された複数の異常箇所の中から正常箇所を除外する。これにより、ステップS23bで複数の異常箇所が検出された場合、ステップS25では、正常箇所が除外された結果が、出力される。言い換えれば、本来の異常箇所のみが、結果として出力される。
【0063】
実施の形態4によれば、情報処理装置100は、正常箇所が誤って異常箇所であると検出されることを防止することができる。また、正常箇所として除外したい部品等が増える場合がある。このような場合、学習済モデルは、除外したい部品等を含む画像を用いて、再学習される。そして、情報処理装置100は、再学習された学習済モデルを用いることで、除外したい部品等が増えた場合でも対処できる。
【0064】
実施の形態4の変形例.
次に、実施の形態4の変形例を説明する。実施の形態4の変形例では、実施の形態3と実施の形態4とを組み合わせた場合を説明する。
図14は、実施の形態4の変形例の情報処理装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
図14の処理は、ステップS23e,23fが実行される点が
図12の処理と異なる。ステップS23e,23fの処理内容は、上記と同じである。そのため、ステップS23e,23fの処理の説明は、省略する。
【0065】
実施の形態4の変形例によれば、情報処理装置100は、正常箇所が誤って異常箇所であると検出されることを防止することができる。
【0066】
以上に説明した各実施の形態における特徴は、互いに適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0067】
10 画像、 11 画像、 12 画像、 13 画像、 14 画像、 20 画像、 21 異常箇所、 22 異常箇所、 100 情報処理装置、 101 プロセッサ、 102 揮発性記憶装置、 103 不揮発性記憶装置、 110 記憶部、 120 取得部、 130 分割部、 140 算出部、 150 判定部、 160 出力部、 170 検出部。
【要約】
情報処理装置(100)は、撚線の画像を取得する取得部(120)と、撚線の画像を分割する分割部(130)と、分割により得られた複数の画像の中から設定された複数の対象画像と、複数の画像の中から設定された複数の比較画像とを用いて、複数の類似度を算出し、複数の類似度を正規化し、正規化により得られた複数の値を用いて、クラス分類閾値を算出し、クラス分類閾値に基づいて複数の値が分類されることにより得られたクラス毎に、1つの値を算出し、算出された2つの値の差を、クラス間距離として算出する算出部(140)と、クラス間距離が予め定められた第1の閾値以上である場合、撚線は異常と判定する判定部(150)と、を有する。