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特許7603957二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20241216BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20241216BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20241216BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20241216BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20241216BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241216BHJP
【FI】
H04L67/00
G06K7/14 017
G06K17/00 022
G06K19/06 037
G06Q30/06
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020139158
(22)【出願日】2020-08-20
(65)【公開番号】P2022035081
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】315007466
【氏名又は名称】堀越 武宗
(74)【代理人】
【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100173668
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 吉之助
(72)【発明者】
【氏名】堀越 武宗
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-141769(JP,A)
【文献】特開2008-186277(JP,A)
【文献】特開2015-232789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06K 7/14
G06K 17/00
G06K 19/06
G06Q 30/06
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたコンピュータ端末によって実行され、
少なくとも2種の二次元コードが対となり、前記対となる2種の二次元コードを介してサーバとの間で情報を送受信することができ、前記対となる2種の二次元コードを介して利用者の間で前記情報を共有することができるサービスの提供方法であって、
前記サーバにて、前記対となる2種の二次元コードである第1の二次元コードと第2の二次元コードを生成するためのIDが発行される構成であり、
前記第1の二次元コードを生成する工程について、
第1のコンピュータ端末から前記サーバに対して前記IDを要求するステップと、
前記サーバから前記第1のコンピュータ端末に対して前記IDを応答するステップと、
前記第1のコンピュータ端末が、取得した前記IDに基づいて、暗号キー及びこれに対応した二次元コードを生成するステップと、を有し、
前記第2の二次元コードを生成する工程について、
第2のコンピュータ端末(前記「第1のコンピュータ端末」を含む。以下同じ。)が、前記第1の二次元コードを介して前記サーバにアクセスし、前記サーバに対して前記IDを要求するステップと、
前記サーバから前記第2のコンピュータ端末に対して前記IDを応答するステップと、
前記第2のコンピュータ端末が、前記第1の二次元コードにおける前記暗号キーを複写して、少なくとも取得した前記ID及び前記暗号キーを内容とする情報をエンコードして、二次元コードを生成するステップと、を有し、
前記第1の二次元コードは、商品またはその包装に表示され、
前記第2の二次元コードは、前記商品またはその包装に表示された前記第1の二次元コードを参照して生成される構成であることを特徴とするサービスの提供方法。
【請求項2】
第1の二次元コードを生成する工程において、第1のコンピュータ端末からサーバに対して要求し、これにサーバが応答するIDは、参照用IDであり、
第2の二次元コードを生成する工程において、第2のコンピュータ端末からサーバに対して要求し、これにサーバが応答するIDは、更新用IDであり、
前記参照用IDは、前記第1の二次元コードを生成する工程においてサーバにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするためのIDであり、
前記更新用IDは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのIDであることを特徴とする請求項1に記載のサービスの提供方法。
【請求項3】
第1の二次元コードは、サーバアドレス、参照用ID及び暗号キーからなる参照用コードであり、
第2の二次元コードは、サーバアドレス、更新用ID及び暗号キーからなる更新用コードを含み、
参照用コードは、前記第1の二次元コードを生成する工程においてサーバにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり
更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、
サーバによって実行されるステップが、
第1のコンピュータ端末からアップロードされた当初データを受信し、保存するステップと、
第2のコンピュータ端末又は他のコンピュータ端末を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップと、
前記第2のコンピュータ端末を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、
を有する構成であることを特徴とする請求項2に記載のサービスの提供方法。
【請求項4】
商品が食品であって、
第1の二次元コードは、前記食品の製造時に製造者によって生成され、該食品又は該食品の包装に表示され、
第2の二次元コードは、前記食品の販売時又は販売後に、販売者又は購入者によって生成される構成であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のサービスの提供方法。
【請求項5】
利用者として少なくとも製造者、販売者又は購入者のいずれか、及び受贈者の三者が関わるサービスであって、
前記製造者によって、第1の二次元コードが生成され、商品又はその包装に表示されると共に、サーバに当初データがアップロードされ、
前記販売者又は購入者によって、第1の二次元コードを参照して第2の二次元コードが生成され、該第2の二次元コードを介して、サーバに更新データがアップロードされ、又は、サーバにアップロードされた更新データが閲覧若しくはダウンロードされ、
前記受贈者によって、前記商品又はその包装に表示された第1の二次元コードを介して、サーバにアップロードされた更新データが閲覧若しくはダウンロードされ、又は、サーバに更新データがアップロードされる構成であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のサービスの提供方法。
【請求項6】
ネットワークに接続されたコンピュータ端末によって実行され、
少なくとも2種の二次元コードが対となり、前記対となる2種の二次元コードを介してサーバとの間で情報を送受信することができ、前記対となる2種の二次元コードを介して利用者の間で前記情報を共有することができるサービス提供システムであって、
前記サーバにて、前記対となる2種の二次元コードである第1の二次元コードと第2の二次元コードを生成するためのIDが発行される構成であり、
前記第1の二次元コードを生成する工程について、
第1のコンピュータ端末からサーバに対して前記IDを要求するステップと、
前記サーバから前記第1のコンピュータ端末に対して前記IDを応答するステップと、
前記第1のコンピュータ端末が、取得した前記IDに基づいて、暗号キー及びこれに対応した二次元コードを生成するステップと、を有し、
前記第2の二次元コードを生成する工程について、
第2のコンピュータ端末(前記「第1のコンピュータ端末」を含む。以下同じ。)が、前記第1の二次元コードを介して前記サーバにアクセスし、前記サーバに対して前記IDを要求するステップと、
前記サーバから前記第2のコンピュータ端末に対して前記IDを応答するステップと、
前記第2のコンピュータ端末が、前記第1の二次元コードにおける前記暗号キーを複写して、少なくとも取得した前記ID及び前記暗号キーを内容とする情報をエンコードして、二次元コードを生成するステップと、を有し、
前記第1の二次元コードは、商品またはその包装に表示され、
前記第2の二次元コードは、前記商品またはその包装に表示された前記第1の二次元コードを参照して生成される構成であることを特徴とするサービス提供システム。
【請求項7】
第1の二次元コードを生成する工程において、第1のコンピュータ端末からサーバに対して要求し、これにサーバが応答するIDは、参照用IDであり、
第2の二次元コードを生成する工程において、第2のコンピュータ端末からサーバに対して要求し、これにサーバが応答するIDは、更新用IDであり、
前記参照用IDは、前記第1の二次元コードを生成する工程においてサーバにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするためのIDであり、
前記更新用IDは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのIDであることを特徴とする請求項6に記載のサービス提供システム。
【請求項8】
第1の二次元コードは、サーバアドレス、参照用ID及び暗号キーからなる参照用コードであり、
第2の二次元コードは、サーバアドレス、更新用ID及び暗号キーからなる更新用コードを含み、
参照用コードは、前記第1の二次元コードを生成する工程においてサーバにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり
更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、
サーバによって実行されるステップが、
第1のコンピュータ端末からアップロードされた当初データを受信し、保存するステップと、
第2のコンピュータ端末又は他のコンピュータ端末を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップと、
前記第2のコンピュータ端末を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、
を有する構成であることを特徴とする請求項7に記載のサービス提供システム。
【請求項9】
商品が食品であって、
第1の二次元コードは、前記食品の製造時に製造者によって生成され、該食品又は該食
品の包装に表示され、
第2の二次元コードは、前記食品の販売時又は販売後に、販売者又は購入者によって生成される構成であることを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載のサービス提供システム。
【請求項10】
利用者として少なくとも製造者、販売者又は購入者のいずれか、及び受贈者の三者が関わるサービスであって、
前記製造者によって、第1の二次元コードが生成され、商品又はその包装に表示されると共に、サーバに当初データがアップロードされ、
前記販売者又は購入者によって、第1の二次元コードを参照して第2の二次元コードが生成され、該第2の二次元コードを介して、サーバに更新データがアップロードされ、又は、サーバにアップロードされた更新データが閲覧若しくはダウンロードされ、
前記受贈者によって、前記商品又はその包装に表示された第1の二次元コードを介して、サーバにアップロードされた更新データが閲覧若しくはダウンロードされ、又は、サーバに更新データがアップロードされる構成であることを特徴とする請求項6~9のいずれかに記載のサービス提供システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムに関し、詳しくは、少なくとも2つの二次元コードが対となり、これらの二次元コードからアクセス可能なデータを、利用者間で共有することができるサービスの提供方法及びサービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、二次元コードを用いたサービスの提供に関して種々提案されており、例えば、次のような技術が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、
『少なくともwebアドレスがエンコードされた二次元コード及びユーザーIDを印刷した一対のカードと、当該二次元コードを読み取り可能な携帯型情報端末と、サーバ装置とを備え、
携帯型情報端末は、一方のカードに印刷された登録用の二次元コードにエンコードされたウェブアドレスを通じてサーバに動画ファイルを送信する動画ファイル送信手段と、他方のカードに印刷された受信用の二次元コードにエンコードされたウェブアドレスを通じてサーバに登録された動画ファイルを受信する受信手段と、受信した動画ファイルを再生する再生手段を有し、
サーバは、動画ファイルの登録処理手段と、動画ファイルの制御処理手段と、登録処理又は制御処理後によって作成、保存された再生ファイルの再生処理手段を有する動画配信システム』である。
【0004】
特許文献1に記載の技術によれば、例えば、新郎・新婦と披露宴列席者との間で、動画配信が行われるシステムであって、一対のカードのうちの一方に記載された登録用の二次元コードを、新郎・新婦側が携帯電話やスマートファン等の携帯型情報端末で読み取り、予め動画を送りたい相手毎に撮影された動画を、ユーザーIDと共に、サーバに登録しておいた場合に、他方のカードは披露宴の席に例えば席札として配布されており、列席者は受信用の二次元コードを携帯電話やスマートファン等の携帯型情報端末で読み取り、エンコードされたウェブアドレスを通じてユーザーIDを入力することで、自分向けに予め録画された動画を受信し、或いはダウンロードし、再生することができる。この技術によれば、披露宴において新郎新婦が中座してるときなどの余興を提供でき、しかも列席者ごとに宛てられた、個別的なメッセージ動画を配信可能であり、心のこもった歓待が可能となる。
【0005】
しかし、この特許文献1に記載の技術では、一対のカードであるべき登録用カード(登録用の二次元コードが表示されたカード)と、受信閲覧用カード(動画を受信し閲覧する用の二次元コードが表示されたカード)の管理が難しく、例えば、登録用カードと受信閲覧用カードが何らかの理由で入れ違いになり、ある新郎・新婦が作成し登録した動画が、他の会場の列席者からアクセス可能な状況が起こり得るし、更には、見た目では二次元コードが一対のものであるか否かを認識するのは困難であり、かかるミスを事前に発見することが困難であるという問題があった。
かかる問題が生ずれば、単に動画を共有できないばかりではなく、プライバシーが侵害されるおそれもあり、予防策を講ずる必要がある。
【0006】
上述の問題を解決するため、次のような技術も提案されている。
本出願人によって提案された特許文献2に記載の技術は、
『ネットワークに接続されたコンピュータによって実行され、少なくとも2種の二次元コードが表示された情報伝達媒体が、発給者によって発給され、これを受け取った受給者に情報が与えられるサービスの提供方法であって、
前記2種の二次元コードは、参照用コード及び更新用コードであり、前記参照用コードは、前記発給者によって前記コンピュータにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり、前記更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、前記コンピュータによって実行されるステップが、前記発給者によって、情報機器を介してアップロードされた当初データを受信し、保存するステップと、前記発給者からの指令によって、前記受給者に対して前記情報伝達媒体を発給するステップ、又は、前記発給者からの指令によって、前記発給者に対して前記二次元コードに係るIDを発給し、該発給者に前記情報伝達媒体を発給させるステップと、前記発給者、前記受給者又は該受給者から前記情報伝達媒体を譲り受けた受贈者によって、情報機器を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップと、前記受給者から、情報機器を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、を有する構成であり、
前記情報伝達媒体は、受給者用と受贈者用とで切り離しが可能であり、受給者用の情報伝達媒体には、更新用コードが表示され、受贈者用の情報伝達媒体には、参照用コードが表示された構成であり、前記情報伝達媒体は、発給者が受給者に対して発給する際には、受給者用と受贈者用とが切り離されず一体であり、受給者が受贈者に対して譲り渡す際にこれらを切り離し、受贈者用のみを譲り渡す構成』である。
【0007】
この特許文献2に記載の技術によれば、情報伝達媒体は、受給者用と受贈者用とで切り離しが可能な構成であり、受給者用の情報伝達媒体には更新用コードが表示され、受贈者用の情報伝達媒体には参照用コードが表示された構成である上で、発給者が受給者に対して発給する際には、即ち情報伝達媒体の提供時(販売時)において受給者用と受贈者用とが切り離されず一体である。
そのため、受給者がアクセスする更新用コードと受贈者がアクセスする参照用コードは常に一対であって、混同する恐れがない構成であり、受給者と受贈者が同じデータを共有する仕組みを確保することができる。
【0008】
しかし、特許文献2に記載の技術では、情報伝達媒体の提供時(販売時)において受給者用と受贈者用とが切り離されず一体であることによって、例えば、一方を商品に貼付し、他方を購入者に手渡すといった分離状態での販売や取扱いができず、その利用範囲に制限があるという問題があった。

特に、二次元コードを商品に直接表示させる場合、その商品の製造時に二次元コードを付すことが、生産効率の上で最も好ましいと考えられるところ、特許文献2の技術では、受給者が保持すべき更新用コードと、受贈者に与えられるべき参照用コードは一体の構成であり、受給者が受贈者に商品を渡す前又はその際にこれらのコードを切り離すとすれば、商品を一度開梱等しなければならず、現実的でないという問題もある。
【0009】
これらの文献とは異なる手段として、レーザー等を用いて問題を解決する方法も考えられる。
例えば、食品を対象としたサービスである場合、食品の販売時に、その食品に直接又は包装の外からレーザーを照射して、二次元コードを表示させることも可能であり、これによって、商品に表示された二次元コードと、購入者に手渡す二次元コードとが入れ違いになるリスクを軽減することができる。
しかし、食品にレーザーを照射して二次元コードを表示させれば、食品の品質に影響を及ぼすことや、食品や包装内に焦げ臭い匂いが残る他、店頭においても臭いや煙が問題となることも考えられる。更に、レーザー装置を用意することについて高コストが発生するといった問題も考えられ、現実的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2014-216729
【文献】特願2020-043722
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明の課題は、商品の製造工程において、その商品に直接又はその商品の包装に二次元コードを表示させることができると共に、その商品等に表示される二次元コードと、これと対になる他の二次元コードとが一組の状態が維持され、入れ違いになることを防止できるサービスの提供方法及びサービス提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記本発明の課題は、下記の手段により達成される。
1.ネットワークに接続されたコンピュータ端末によって実行され、
少なくとも2種の二次元コードが対となり、サーバとの間で情報を送受信することができ、利用者の間で前記情報を共有することができるサービスの提供方法であって、
第1の二次元コードを生成する工程について、
第1のコンピュータ端末からサーバに対してIDを要求するステップと、
サーバから第1のコンピュータ端末に対してIDを応答するステップと、
第1のコンピュータ端末が、取得したIDに基づいて、暗号キー及びこれに対応した二次元コードを生成するステップと、を有し、
第2の二次元コードを生成する工程について、
第2のコンピュータ端末(前記「第1のコンピュータ端末」を含む。以下同じ。)が、前記第1の二次元コードを介してサーバにアクセスし、サーバに対してIDを要求するステップと、
サーバから第2のコンピュータ端末に対してIDを応答するステップと、
第2のコンピュータ端末が、前記第1の二次元コードにおける暗号キーを複写して、二次元コードを生成するステップと、を有し、
第1の二次元コードは、商品またはその包装に表示され、
第2の二次元コードは、前記商品またはその包装に表示された第1の二次元コードを参照して生成される構成であることを特徴とするサービスの提供方法。
【0013】
2.第1の二次元コードを生成する工程において、第1のコンピュータ端末からサーバに対して要求し、これにサーバが応答するIDは、参照用IDであり、
第2の二次元コードを生成する工程において、第2のコンピュータ端末からサーバに対して要求し、これにサーバが応答するIDは、更新用IDであり、
前記参照用IDは、前記第1の二次元コードを生成する工程においてサーバにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするためのIDであり、
前記更新用IDは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのIDであることを特徴とする請求項1に記載のサービスの提供方法。
【0014】
3.第1の二次元コードは、サーバアドレス、参照用ID及び暗号キーからなる参照用コードであり、
第2の二次元コードは、サーバアドレス、更新用ID及び暗号キーからなる更新用コードを含み、
参照用コードは、前記第1の二次元コードを生成する工程においてサーバにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり
更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、
サーバによって実行されるステップが、
第1のコンピュータ端末からアップロードされた当初データを受信し、保存するステップと、
第2のコンピュータ端末又は他のコンピュータ端末を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップと、
前記第2のコンピュータ端末を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、
を有する構成であることを特徴とする請求項2に記載のサービスの提供方法。
【0015】
4.商品が食品であって、
第1の二次元コードは、前記食品の製造時に製造者によって生成され、該食品又は該食品の包装に表示され、
第2の二次元コードは、前記食品の販売時又は販売後に、販売者又は購入者によって生成される構成であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のサービスの提供方法。
【0016】
5.利用者として少なくとも製造者、販売者又は購入者のいずれか、及び受贈者の三者が関わるサービスであって、
前記製造者によって、第1の二次元コードが生成され、商品又はその包装に表示されると共に、サーバに当初データがアップロードされ、
前記販売者又は購入者によって、第1の二次元コードを参照して第2の二次元コードが生成され、該第2の二次元コードを介して、サーバに更新データがアップロードされ、又は、サーバにアップロードされた更新データが閲覧若しくはダウンロードされ、
前記受贈者によって、前記商品又はその包装に表示された第1の二次元コードを介して、サーバにアップロードされた更新データが閲覧若しくはダウンロードされ、又は、サーバに更新データがアップロードされる構成であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のサービスの提供方法。
【0017】
6.ネットワークに接続されたコンピュータ端末によって実行され、
少なくとも2種の二次元コードが対となり、サーバとの間で情報を送受信することができ、利用者の間で前記情報を共有することができるサービス提供システムであって、
第1の二次元コードを生成する工程について、
第1のコンピュータ端末からサーバに対してIDを要求するステップと、
サーバから第1のコンピュータ端末に対してIDを応答するステップと、
第1のコンピュータ端末が、取得したIDに基づいて、暗号キー及びこれに対応した二次元コードを生成するステップと、を有し、
第2の二次元コードを生成する工程について、
第2のコンピュータ端末(前記「第1のコンピュータ端末」を含む。以下同じ。)が、前記第1の二次元コードを介してサーバにアクセスし、サーバに対してIDを要求するステップと、
サーバから第2のコンピュータ端末に対してIDを応答するステップと、
第2のコンピュータ端末が、前記第1の二次元コードにおける暗号キーを複写して、二次元コードを生成するステップと、を有し、
第1の二次元コードは、商品またはその包装に表示され、
第2の二次元コードは、前記商品またはその包装に表示された第1の二次元コードを参照して生成される構成であることを特徴とするサービス提供システム。
【0018】
7.第1の二次元コードを生成する工程において、第1のコンピュータ端末からサーバに対して要求し、これにサーバが応答するIDは、参照用IDであり、
第2の二次元コードを生成する工程において、第2のコンピュータ端末からサーバに対して要求し、これにサーバが応答するIDは、更新用IDであり、
前記参照用IDは、前記第1の二次元コードを生成する工程においてサーバにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするためのIDであり、
前記更新用IDは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのIDであることを特徴とする請求項6に記載のサービス提供システム。
【0019】
8.第1の二次元コードは、サーバアドレス、参照用ID及び暗号キーからなる参照用コードであり、
第2の二次元コードは、サーバアドレス、更新用ID及び暗号キーからなる更新用コードを含み、
参照用コードは、前記第1の二次元コードを生成する工程においてサーバにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり
更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、
サーバによって実行されるステップが、
第1のコンピュータ端末からアップロードされた当初データを受信し、保存するステップと、
第2のコンピュータ端末又は他のコンピュータ端末を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップと、
前記第2のコンピュータ端末を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、
を有する構成であることを特徴とする請求項7に記載のサービス提供システム。
【0020】
9.商品が食品であって、
第1の二次元コードは、前記食品の製造時に製造者によって生成され、該食品又は該食
品の包装に表示され、
第2の二次元コードは、前記食品の販売時又は販売後に、販売者又は購入者によって生成される構成であることを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載のサービス提供システム。
【0021】
10.利用者として少なくとも製造者、販売者又は購入者のいずれか、及び受贈者の三者が関わるサービスであって、
前記製造者によって、第1の二次元コードが生成され、商品又はその包装に表示されると共に、サーバに当初データがアップロードされ、
前記販売者又は購入者によって、第1の二次元コードを参照して第2の二次元コードが生成され、該第2の二次元コードを介して、サーバに更新データがアップロードされ、又は、サーバにアップロードされた更新データが閲覧若しくはダウンロードされ、
前記受贈者によって、前記商品又はその包装に表示された第1の二次元コードを介して、サーバにアップロードされた更新データが閲覧若しくはダウンロードされ、又は、サーバに更新データがアップロードされる構成であることを特徴とする請求項6~9のいずれかに記載のサービス提供システム。
【発明の効果】
【0022】
上記1に示す発明によれば、第1の二次元コードを参照して、第2の二次元コードを生成する構成であるため、第2の二次元コードは販売者又は購入者が必要なときに生成すればよく、商品の製造時から流通時に及んで、第1の二次元コードと第2の二次元コードの対が崩れることなく、使用する時点において一組の状態が維持される。
【0023】
また、暗号キーについて、第1の二次元コードは第1のコンピュータ端末が生成し、第2の二次元コードは第2のコンピュータ端末が前記第1の二次元コードの暗号キーを複写して管理する構成であるため、サーバには暗号キーの情報は保存されない。よって、万一ハッキング等によってサーバ内の情報が流出したとしても、暗号キーに関する情報は含まれず、サーバに保存された情報も暗号キーがないため展開でない構成であり、情報の漏洩等を防止することができ、高度のセキュリティ性を有する。
【0024】
これらの効果を詳述すると、次のとおりである。
本発明のように、第1の二次元コードと第2の二次元コードとを対で(一組で)使用するサービスの場合、この第1と第2の二次元コードの対が崩れると、使用者間で情報を共有できないため適切なサービスの提供ができず、更には、プライバシー情報が流出する可能性もあり、これを確実に防止する必要がある。
【0025】
一方で、商品の製造過程から流通過程に至るまで、第1と第2の二次元コードの対が崩れ入れ違いになることを防ぐには、これらの二次元コードの管理について細心の注意が必要となり、生産効率が悪化するおそれがあるし、流通時の商品管理が煩雑になりかねない。
【0026】
本発明は、上記1に示す構成により、かかる問題を解決するものである。
即ち、商品の製造時には、第1の二次元コードを商品に付加することのみに注力し、販売時又は販売後に、対となる第2の二次元コードを生成する構成であるため、2種の対となる二次元コードの組み合わせを管理する必要がなく、商品の生産効率を高めることができる。流通過程においても、対となる二次元コードの存在を特に気にする必要がなく、取り扱いが容易である。
【0027】
上記2及び3に示す発明によれば、参照用コード(第1の二次元コード)及び更新用コード(第2の二次元コード)という2つの二次元コードを生成することで、これらにアクセスするという簡単な操作でサービスを利用することができる。
【0028】
詳しくは、第1の二次元コードを生成する商品の製造者等により、当初データというフォーマットが提供され、商品の購入者は、このフォーマットに任意の情報(追加データ)を追加するという簡単な操作で更新データを作成することができる。この更新データは、購入者の意思が込められた内容に作成することができ、購入者から商品を受け取った者(受贈者)へのメッセージとして利用することができ、利用者の興味を惹く趣向性を備えたサービスを提供することができる。
【0029】
上記4に示す発明によれば、上記1~3に示す内容を食品に対して適用することで、例えば、誕生日ケーキ、クリスマスケーキ、バレンタインデーチョコレートなど、食品をプレゼントする習慣があるイベントにおいて、食品(プレゼント)の購入者が、これをプレゼントする相手(受贈者)に対しての文字や映像等メッセージを、二次元コードを介して伝えることができる。
【0030】
上記5に示す発明によれば、
商品の製造者が、商品又はその包装に第1の二次元コードを付加すると共に、サーバに当初データをアップロードし、
商品の販売者(製造者と同一の場合を含む。)又は商品を購入した者(購入者)のいずれかが、第1の二次元コードを参照して第2の二次元コードを生成し、その第2の二次元コードを介して、購入者がサーバに更新データをアップロード又はサーバにアップロードされた更新データを閲覧・ダウンロードし、
購入者から商品を譲り受けた受贈者が、商品又はその包装に表示された第1の二次元コードを介してサーバにアクセスし、更新データを閲覧・ダウンロード又は更新データをアップロードする構成であり、
購入者から受贈者に向けて又は受贈者から購入者に向けて双方向で、商品のみならずメッセージをも提供することができる。
【0031】
上記6~10に示す発明によれば、上記1~5に示すサービスの提供方法に係るサービスについて、これに使用するシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムを示すブロック構成図
図2】第1の二次元コードの生成方法・生成手順を表すフローチャート
図3】第2の二次元コードの生成方法・生成手順を表すフローチャート
図4】二次元コードの生成及び表示の流れを表すフローチャート
図5】二次元コードが表記された商品の流れを表すフローチャート
図6】実施例1の内容を示すブロック構成図
図7】実施例4の内容を示すブロック構成図
図8】実施例5における商品及び二次元コード生成の流れを表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムについて、図面に従って説明する。
【0034】
図1の本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービスの提供システムを示すブロック構成図に示されるように、本発明は、インターネット等のネットワークに接続されたサーバ1が、製造者2、販売者3、購入者4及び受贈者5のいずれかからの指令を受けて、所定の動作するものである。
【0035】
また、前記製造者2、販売者3、購入者4又は受贈者5の他、本発明に係るサービスの提供及びサービス提供システムを管理する第三者(管理者)、これを運営する第三者(運営者)又は本発明に係る二次元コードを入手可能な第三者等が、サーバ1に対して指令を与えることもある。
【0036】
なお、図1に示されるブロック構成図や、図2~3に示されるフローチャート等を表す図では、本発明を実施する上で必要なステップを記載したが、その他のステップが追加されることを妨げるものではない。
【0037】
まず、本発明で用いられる用語について説明する。
【0038】
本発明におけるサーバ1とは、インターネット等のネットワークに接続され、製造者2等がコンピュータ端末やスマートフォンなどの情報機器からネットワークを介して接続することができる電子計算機である。
サーバ1の役割や作用については後述するが、本発明に係るサービスの提供及びサービス提供システムを実施する上で、同じネットワークに接続された複数のサーバ1が使用され、その役割が分担されてもよい。
【0039】
製造者2とは、本発明に係る二次元コード7が表記乃至付記された商品Sを製造する者である。自然人の他、法人や団体又はその従業員がこれに当たる場合もある。例えば、商品Sを製造する工場それ自体や、そこで製造業務に従事する従業員等がこれに該当する。
また、本発明に係る二次元コード7の配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムが、製造者2が委託した第三者(管理者)又はこれを運営する運営者によって管理・運用される場合は、製造者2の指令が、この管理者や運営者によって行われる場合がある。
【0040】
販売者3とは、商品Sの販売を担当する者である。自然人の他、法人や団体又はその従業員がこれに当たる場合もある。例えば、製造者2とは同じ企業や団体の所属であって、販売を担当する者や、商品Sの仲卸業者や、商品Sを取り扱う小売業者がこれに該当する。また、製造者2と販売者3が同一の場合もある。
【0041】
購入者4とは、商品Sを購入するものである。ここでは購入という用語を用いたが、商品Sが有償であるか無償であるかを問わない。主に自然人が該当するが、法人や団体又はその従業員がこれに当たる場合もある。
【0042】
受贈者5は、購入者4から商品Sを譲り受けた者、受け取った者である。主に自然人が該当するが、法人や団体又はその従業員がこれに当たる場合もある。例えば、購入者4とは友人・知人の関係であって、購入者4からプレゼントである商品Sを贈られた者がこれに該当する。
【0043】
コンピュータ端末6とは、インターネット等のネットワークに直接又は間接的に接続可能な電子計算機乃至携帯情報端末であり、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ又はスマートフォンがこれに該当する。
特に、後述する第1の二次元コード71を生成するために使用するコンピュータ端末を第1のコンピュータ端末71、後述する第2の二次元コード72を生成するために使用するコンピュータ端末を第2のコンピュータ端末72、これら以外の端末をその他のコンピュータ端末73とする。
【0044】
二次元コード7とは、横方向にしか情報を持たない一次元コード(バーコード等)に対し、水平方向と垂直方向に情報を持つ表示方式のコードのことである。
本発明に用いられる二次元コード7としては、QRコード(登録商標)などの小さな正方形を二次元的に配列させたマトリックスコードを用いることができる。また、バーコード(コードとしては一次元配列であるが、パターンとしては二次元であり、本明細書では二次元コードに含むものとする)や、一次元のバーコードを上下に重ねたスタックコードを用いることもできる。
【0045】
本発明では、少なくとも2種の二次元コード7が用いられる。
2種の二次元コードとは、後述する第1の二次元コード71(参照用コード)及び第2の二次元コード72(更新用コード)であり、これらにその他の二次元コード73(削除用コード73)を加えて3種の二次元コードを用いることもできる。
【0046】
第1の二次元コード71(参照用コード)とは、製造者1によってサーバ1にアップロードされた後述する当初データD1、又は、購入者4によって作成された更新データD3にアクセスするための二次元コードである。
この参照用コードには、スマートフォンなどの情報機器に搭載されたカメラで撮影することで、サーバ1に保存された当初データD1又は更新データD3にアクセスするように、サーバ1のアドレスであるURL(「Uniform Resource Locator」の略称。以下、同じ。)情報の他、サーバ1によって与えられるID(参照用ID)、情報を暗号化するための暗号キーが格納される。
【0047】
第2の二次元コード72(更新用コード)とは、当初データD1の内容に追加データD2を追加し、又は当初データD1の内容を変更することで、更新データD3を作成するための二次元コードである。
この更新用コードには、スマートフォンなどの情報機器に搭載されたカメラで撮影することで、コンピュータ1に保存された当初データD1又はすでに作成された更新データD3にアクセスし、これらに情報を追加することや、これらの情報を変更することができるサイトやツールにアクセスするように、URL等の情報の他、サーバ1によって与えられるID(更新用ID)、情報を暗号化するための暗号キーが格納される。
また、更新用コードからサーバ1へのアクセス方法は、前記カメラによって撮影することでサーバ1にアクセスする手段の他、スマートフォンなどの情報機器に画面に表示された二次元コードの画像や、スマートフォンなどの情報機器に保存された二次元コードの画像から、カメラを介さず直接読み取る手段を採用してもよい。
【0048】
その他の二次元コード73(削除用コード)とは、当初データD1若しくは更新データD3を削除するため、又は、当初データD1と更新データD3を共に削除するためのコードである。
この削除用コードには、スマートフォンなどの情報機器に搭載されたカメラで撮影することで、コンピュータ1に保存された当初データD1又は更新データD3を削除する指令、又は、当初データD1又は更新データD3を削除するためのサイトにアクセスするように、URL情報等が格納される。
また、削除用コードからサーバ1へのアクセス方法は、前記カメラによって撮影することでサーバ1にアクセスする手段の他、スマートフォンなどの情報機器に画面に表示された二次元コードの画像や、スマートフォンなどの情報機器に保存された二次元コードの画像から、カメラを介さず直接読み取る手段を採用してもよい。
【0049】
ここで、前述した当初データD1、追加データD2及び更新データD3について説明する。
当初データD1とは、製造者2によって、サーバ1に最初にアップロードされたデータファイルである。
当初データD1の内容に限定はないが、例えば、画像データ、映像データ、音楽データ等を挙げることができる。また、更に具体的に例示すれば、画像データの一部として使用されるフレーム画像を挙げることができる。フレーム画像には、写真・イラスト等を含む図のほか、文字等が含まれることがある。
なお、当初データD1は、製造者2がサーバ1に対して、参照用IDの発行を要求する前に、製造者2によってサーバ1にアップロードされることが好ましい。
【0050】
追加データD2とは、後述する更新データD3を作成するため、当初データD1に追加するデータファイルである。主に、購入者4がサーバ1にアップロードすることを想定している。
追加データD2の内容に限定はないが、例えば、画像データ、映像データ、音楽データ等を挙げることができる。また、更に具体的に例示すれば、当初データD1の内容が画像データの一部として使用されるフレーム画像であった場合は、このフレーム画像に当て嵌める任意の写真・図形や文字(追加データD2)であり、フレーム画像(当初データD1)に受給者3の顔写真(追加データD2))を追加し、更新データD3を作成することを挙げることができる。
【0051】
更新データD3とは、購入者4によって作成されたデータファイルであり、当初データD1の内容に情報(追加データD2)を追加し、又は当初データD1の内容を変更することで作成されたデータファイルである。
更新データD3の内容に限定はないが、例えば、画像データ、映像データ、音楽データ等を挙げることができる。また、更に具体的に例示すれば、当初データD1の内容が画像データの一部として使用されるフレーム画像であった場合は、このフレーム画像に、受給者3が任意の写真・図形や文字(追加データD2)を追加することや、フレーム画像の一部を変更することを挙げることができる。
【0052】
続いて、本発明に係る二次元コード7の生成方法・生成手順について、図2~3に示される本発明に係る二次元コードの生成手順を示すフローチャートに従って説明する。
本発明では、少なくとも2種の二次元コード(第1の二次元コード71と第2の二次元コード72)が用いられ、図2は、第1の二次元コード71、図3は、第2の二次元コード72の生成方法・生成手順をそれぞれ説明するフローチャートである。
【0053】
第1の二次元コード71は、製造者2によって生成される。
製造者2は、第1のコンピュータ端末61を使用して、サーバ1にアクセスする。製造者2は、このサーバ1に対して参照用IDの発行を要求する。これに対して、サーバ1は、参照用IDを発行し、製造者に対して応答する。
【0054】
参照用IDを受け取った製造者2は、第1のコンピュータ端末61にて、サーバ1にアップロードされる情報を暗号化するための暗号キーを生成し、サーバ1のアドレス、参照用ID及び暗号キー等を内容とする情報をエンコードして、第1の二次元コード71を生成する。
【0055】
第2の二次元コード72は、販売者3又は購入者4によって生成される。
販売者3が生成する場合は、商品Sの販売時に、販売者3によって第2の二次元コード72が生成され、これが購入者4に提供される。提供手段としては、第2の二次元コード72をカードやシール等の情報伝達媒体8に表示しての提供や、電子データとしての提供等を挙げることができる。
購入者4が生成する場合は、商品Sを購入した後、商品Sを受贈者5に譲り渡す前に、
第2の二次元コード72を生成することになる。
【0056】
第2の二次元コード72の生成手順は、次のとおりである。
販売者3又は購入者4は、第2のコンピュータ端末62(第1のコンピュータ端末61とは異なる端末を想定しているが、販売者3が第2の二次元コード72を生成する場合は、第1のコンピュータ端末61と同じこともあり得る。)を使用して、第1の二次元コード71を介してサーバ1にアクセスする。販売者3又は購入者4は、このサーバ1に対して更新用IDの発行を要求する。これに対して、サーバ1は、更新用IDを発行し、販売者3又は購入者4に対して応答する。
【0057】
更新用IDを受け取った販売者3又は購入者4は、第2のコンピュータ端末62にて、
第1の二次元コード71の暗号キーを複写し、サーバ1のアドレス、更新用ID及び暗号キー等を内容とする情報をエンコードして、第2の二次元コード72を生成する。なお、暗号キーについて、複写により生成するため、第1の二次元コード71と第2の二次元コード72の暗号キーは同一である。
【0058】
サーバ1は、IDに対応する暗号データ(当初データD1又は更新データD3が暗号化されたデータ)を管理するが、暗号解除コードである暗号キーは管理しない構成なので、仮に、第三者にIDが知られ当初データD1や更新データD3にアクセスされたとしても、暗号を解除できないため閲覧できない。よって、当初データD1や更新データD3は、暗号キーが含まれた二次元コードを手にした購入者4又は受贈者5からのアクセスでなれば閲覧できない構成であるため、セキュリティ性が高く、プライバシーを保護することができる。
【0059】
続いて、第1の二次元コード71の生成及び商品への表示、第2の二次元コード72の生成及び表示について、図4に従って説明する。
【0060】
前述の通り、第1の二次元コード71は、商品Sの製造者2によって生成される。
まず、第1のコンピュータ端末61を介して、製造者2がサーバ1に対して参照用IDを発行するように要求する。
サーバ1は、製造者2からの要求に応じて、参照用IDを発行し応答する。
参照用IDを受け取った製造者2は、第1のコンピュータ端末61にて、サーバ1にアップロードされる情報を暗号化するための暗号キーを生成し、サーバ1のアドレス、参照用ID及び暗号キー等を内容とする情報をエンコードして、第1の二次元コード71を生成する。
【0061】
次に、生成された第1の二次元コード71を商品S又はその包装に表示する。表示方法について限定はないが、例えば、商品Sの表面に、印刷、焼き印又はレーザー照射等の手段によって表示する方法を挙げることができる。また、第1の二次元コード71を表示したカードやシール等の情報伝達媒体8を作成し、これを商品S又はその包装に載置、貼付又は同梱等の手段によって表示する方法を採用することができる。
【0062】
商品Sに表示された第1の二次元コード71は、包装や梱包等の外から視認できる態様であることが好ましい。これにより、包装等を開梱しなくても、第1の二次元コード71を参照して第2の二次元コード72を作成することが可能となる。特に、販売者3が第2の二次元コード72を生成する場合、販売時に商品Sの包装を開梱しなくて済むので有効である。
一方で、商品Sに表示された第1の二次元コード71が、包装や梱包等の外から視認できない位置に表示される態様も以下の理由で有効である。即ち、商品Sが陳列された状態で第1の二次元コード71が視認できるとすれば、購入者4以外の者でも当該第1の二次元コード71を目にすることができ、仮にこれを撮影する等して保存しておけば、後に購入者4がアップロードした更新データD3を閲覧することが可能となる。これに対応すべく、かかる態様を採用すれば、プライバシー保護等の観点から好ましい。特に、購入者4が第2の二次元コード72を生成する場合、購入した商品Sを開梱することが可能であるため有効である。
【0063】
第1の二次元コード71が表示された商品Sは、製造者2の下から出荷され、店頭や市場に流通する。なお、商品Sが、製造者2から直接販売される形態となることを除外するものではない。
【0064】
前述の通り、第2の二次元コード72は、商品Sの販売者3又は商品Sの購入者4によって生成される。
販売者3が生成する場合は、商品Sの販売時に、販売者3によって第2の二次元コード72が生成され、これが購入者4に提供される。提供手段としては、第2の二次元コード72をカードやシール等の情報伝達媒体8に表示しての提供や、電子データとしての提供等を挙げることができる。
購入者4が生成する場合は、商品Sを購入した後、商品Sを受贈者5に譲り渡す前に、
第2の二次元コード72を生成することになる。
【0065】
第2の二次元コード72の具体的な生成手順は、次のとおりである。
まず、販売者3又は購入者4が第2のコンピュータ端末62を介して、第1の二次元コード71を参照することによってサーバ1にアクセスし、サーバ1に対して更新用IDの発行を要求する。これに対して、サーバ1は、更新用IDを発行し、販売者3又は購入者4に対して応答する。
なお、第2のコンピュータ端末62は、第1のコンピュータ端末61と同一である場合もある。例えば、販売者3が第2の二次元コード72を生成する場合であって、製造者2と販売者3が同一人や同一企業・同一団体に所属する者であることが想定される。
【0066】
更新用IDを受け取った販売者3又は購入者4は、第2のコンピュータ端末62にて、
第1の二次元コード71の暗号キーを複写し、サーバ1のアドレス、更新用ID及び暗号キー等を内容とする情報をエンコードして、第2の二次元コード72を生成する。暗号キーについて、複写により生成するため、第1の二次元コード71と第2の二次元コード72の暗号キーは同一である。
【0067】
次に、生成された第2の二次元コード72を表示したカードやシール等の情報伝達媒体8を作成する。上記情報伝達媒体を販売者3が作成した場合は、販売時に、購入者4にこれを手渡す。購入者4が作成した場合は、自らが保管する。
また、購入者4が第2の二次元コード72を生成した場合は、上記情報伝達媒体8を作成しなくても、そのコードを電子的方法等によって保存しても良い。具体的には、第2の二次元コード72を画像として保存する手段を挙げることができる。
【0068】
第2の二次元コード72の生成については、専用のアプリケーションソフト(以下、「専用アプリ」という。)を用意し、購入者4等の利用者に配布する手段が考えられる。この専用アプリの構成について限定はないが、例えば、この専用アプリを起動した上で第1の二次元コード71をカメラで撮影してサーバ1にアクセスし、予めサーバ1に用意された複数の当初データD1から任意のものを選択し、自らが作成した追加データD2をアップロードすることで更新データD3を作成することが可能な構成であることが好ましい。
提供手段としては、スマートフォン用やパーソナルコンピュータ用の専用アプリが考えられ、アプリケーションソフトのダウンロードサイトに専用アプリをアップロードしておき、利用者に配布する手段が考えられる。
利用者に対して、専用アプリのダウンロードを促すため、商品Sの包装や梱包の一部に、専用アプリのダウンロードサイトへ誘導する二次元コード74を表示することが考えられる。また、商品Sに、本発明に係るサービスの取扱説明書等を同封し、この取扱説明書等に上記専用アプリのダウンロードサイトへ誘導する二次元コード74を表示することが考えられる。なお、この取扱説明書には、利用規約なども記載されることが好ましい。
【0069】
第2の二次元コード72を、購入者3が生成又は入手した後、商品Sは受贈者5に譲り渡される。
受贈者5は、商品S又はその包装に表示された第1の二次元コード71を介して、サーバ1にアクセスする。すると、購入者3によってアップロードされた更新データD3を閲覧することができる。サーバ1から直接閲覧する方法の他、更新データD3を自己のコンピュータ端末にダウンロードした後、ファイルを展開や再生等することも可能である。
【0070】
続いて、商品Sの流れについて、図5に従って説明する。
商品Sとは、本発明に係る二次元コード7が表示される商品であり、その内容に限定はない。
【0071】
商品Sは、製造者2によって製造される。
前述の通り、この商品S又はその包装には、第1の二次元コード71が表示され、その状態で市場に流通し販売される。
【0072】
その後、商品Sは、販売者3によって第三者に向けて販売される。
この際、販売者3が、購入者4に対して商品Sを販売する場合において、商品Sの移転と共に、第2の二次元コード72が表示された情報伝達媒体8を渡す構成としてもよいし、第2の二次元コード72を電子的方法(二次元コードに係る画像の提供等)によって購入者4へ提供してもよい。この場合、商品Sが展示・陳列等された状態ではなく、商品Sの販売時(会計時など商品Sが購入者4に譲り渡される時)に第2の二次元コード72を生成することで、第1の二次元コード71と第2の二次元コード72が対の状態(一組の状態)であることを確保することができる。
一方で、商品Sの販売時には商品Sのみを移転し、商品Sを入手した購入者4自らが、第2の二次元コード72を生成する構成であってもよい。
いずれの構成であっても、購入者4は第2の二次元コード72を入手することができ、ここから追加データD2を送信し、更新データD3を作成することができる。
【0073】
その後、商品Sは、購入者4から受贈者5に対して贈られる。
商品S又はその包装には、第1の二次元コード71が表記されているので、ここから購入者4が作成した更新データD3にアクセスし、これを閲覧又はダウンロードすることができるので、商品Sのみならず、購入者4からのメッセージをも受け取ることができる構成である。
【0074】
次に、本発明におけるサーバ1とコンピュータ端末6の動作について、図1に従って説明する。
なお、以下に示す(1)~(10)の符号は、図1に示された符号(1)~(10)と対応している。
【0075】
(1)製造者2が、第1のコンピュータ端末61を介してサーバ1にアクセスし、当初データD1をアップロードする。サーバ1は、この当初データD1を受信し、保存する。なお、製造者2から、複数の当初データD1が送信された場合は、これらの複数の当初データD1の全てを受信し、保存することが好ましい。なおまた、受信した当初データD1を暗号化し、暗号データとすることが好ましい。
【0076】
(2)製造者2が、第1のコンピュータ端末61を介してサーバ1にアクセスし、参照用IDの発行を要求する。これに対して、サーバ1は、参照用IDを発行して製造者2に応答する。
参照用IDを受け取った製造者2は、第1の二次元コード71を生成する。
【0077】
(3)製造者2は、商品S又はその包装に第1の二次元コード71を表示し、その商品Sを流通させる。具体例を示せば、前記商品Sを販売者3に納入する。
【0078】
(4)販売者3は、商品Sを販売する際に、第2のコンピュータ端末62(販売者3と製造者2が同一又は同属である場合、第1のコンピュータ端末61の場合がある。)を介してサーバ1にアクセスし、更新用IDの発行を要求する。これに対して、サーバ1は、更新用IDを発行して販売者3に応答する。
更新用IDを受け取った販売者3は、第2の二次元コード72を生成する。
なお、第2の二次元コード72は、商品Sを購入した購入者4によって生成されることも可能である。図1において、購入者4とサーバ1との間に、符号(4)が表されているのはこのためである。
【0079】
(5)販売者3が、第2の二次元コード72を生成する場合、商品Sの販売時に、購入者4に提示又は譲渡するため、第2の二次元コード72が表示された情報伝達媒体8を発行する。
【0080】
(6)販売者3は、商品Sを購入者4へ譲り渡す。この際、販売者3が第2の二次元コード72を生成した場合には、情報伝達媒体8も共に譲り渡す。
【0081】
(7)購入者4は、コンピュータ端末6(第2のコンピュータ端末62又は第3のコンピュータ端末63)を介して、第2の二次元コード72を介してサーバ1にアクセスし、追加データD2をアップロードして更新データD3を作成する。
【0082】
サーバ1は、受給者3の指令(コマンド)に基いて当初データD1の内容に追加データD2を追加し、又は、当初データD1の内容を変更する。この追加・変更によって、更新データD3を作成し、保存する。
【0083】
この際に、サーバ1に複数の当初データD1が保存されている場合は、1つの当初データD1を選択するステップを設け、この選択された当初データD1を対象として更新データD3を作成する構成としてもよい。
【0084】
購入者4によって、1回目の更新データD3が作成された後は、次に第2の二次元コード72からアクセスがあった際に、この1回目の更新データD3を追加・変更の対象とすることができる。この要領で、2回目、3回目・・・の更新データD3を作成し、保存する。
【0085】
なお、当初データD1と同様に、更新データD3も暗号化し、暗号データとすることが好ましい。
なおまた、第2の二次元コード72を購入者4自らが生成する場合は、購入者4とサーバ1との間で、上記(4)の動作を行う。
【0086】
(8)購入者4は、商品Sを受贈者5へ譲り渡す。この商品S又はその包装には、第1の二次元コード71が表記されている。
【0087】
(9)受贈者5は、その他のコンピュータ端末63を介して、第1の二次元コード71を介してサーバ1へアクセスする。
【0088】
(10)上記(9)でアクセスを受けたサーバ1は、受贈者5に対して、更新データD3を閲覧させ、又はダウンロードさせる。
なお、購入者4によって更新データD3が作成されていない場合は、当初データD1を閲覧させ、又はダウンロードさせる。設定により、購入者4によって更新データD3が作成された場合にのみ、第1の二次元コード71からのアクセスに対して表示・ダウンロードをする構成としてもよい。
【0089】
本発明に係るサービスの提供方法及びサービス提供システムは、購入者4から受贈者5へ商品Sを贈る事と共に、二次元コード7を利用した簡単な方法で、サーバ1にアップロードしたメッセージ(更新データD3)をも贈ることができる点に特徴がある。
また、メッセージを送る手段として従来から利用されている紙媒体のメッセージカード等とは異なり、動画等の映像をもメッセージに含ませることができ、表現の幅が大きく広がるという特徴もある。
この特徴を利用した実施例を、以下に説明する。
【0090】
・実施例1
本発明に係るサービスの提供方法及びサービス提供システムを、バレンタインデーの贈り物(バレンタインデーチョコレート)に応用した実施例、即ち、商品Sをバレンタインデーチョコレートとした場合の実施例について、図6に従って説明する。なお、以下に示す<1>~<10>の符号は、図6に示された符号<1>~<10>と対応している。
【0091】
この実施例では、製造者2は主にチョコレート等の菓子製造業、販売者3は主に菓子の小売業者等であり、購入者4はバレンタインデーチョコレートを贈る者(主に女性)、受贈者5はバレンタインデーチョコレートを貰う者(主に男性)である。
【0092】
まず、<1>製造者2は、画像ファイル等の当初データD1をサーバ1にアップロードする。当初データD1として、本命チョコ用のメッセージを掲載したものと、義理チョコ用のメッセージを掲載したものの2種を用意しておく。
サーバ1は、この当初データD1を受信し、保存する。
【0093】
次に、<2>製造者2は、上述した要領で第1の二次元コード71を生成し、バレンタインデーチョコレートである商品Sに表示する。この際、チョコレート菓子にそのまま印字等の手段によって表示しても良いし、デコレーション用の板(チョコレートやビスケットで板状に成形され、デコペン等で文字や絵等のメッセージを描くための食用板。)に表示しても良い。なお、この商品Sに表示された第1の二次元コード71は、包装箱の蓋の一部を透明にする等して、外観から視認できるようにしておくことが好ましい。
<3>製造者2は、商品Sを販売者3に出荷する。
【0094】
次に、<4>販売者3は、商品Sを購入者4に販売する。なお、この実施例1では、第2の二次元コード72は購入者4によって生成される構成とするため、販売者3は、第2の二次元コード72を生成せず、商品Sのみを購入者4に譲り渡す。
【0095】
次に、<5>購入者4は、第2の二次元コード72を生成する。具体的には、商品Sに表示された第1の二次元コード71を介してサーバ1にアクセスし、更新用IDを入手して生成する。詳しくは、上述した通りである。<6>ここで、第2の二次元コード72を生成した後、これを情報伝達媒体8に表示し、保存しておくことが好ましいが、必ずしも必要な工程ではない。
【0096】
<7>第2の二次元コード72を生成した購入者4は、ここからサーバ1にアクセスし、すでにアップロードされている当初データD1のうち、本命チョコ用と義理チョコ用のいずれかを選択する。そして、思いを伝える相手(受贈者5)へのメッセージを表した文字や、自己の写真など任意の画像ファイル等(追加データD2)をアップロードし、更新データD3を作成する。例えば、本命チョコ用の当初データD1を選択した場合は、相手への思いを伝えるメッセージや画像データ等を追加データD2とし、更新データD3を作成する。
【0097】
次に、<8>購入者4は、バレンタインデーチョコレートである商品Sを、受贈者5に譲り渡す。この際、商品Sには、第1の二次元コード71が表示されており、ここから更新データD3を閲覧等可能であり、第2の二次元コード72が表示された情報伝達媒体8を渡す必要はない。
【0098】
<9>商品Sを受け取った受贈者5は、商品Sに表示された第1の二次元コード71を介してサーバ1にアクセスし、<10>ここにアップロードされた更新データD3を閲覧又はダウンロードする。これにより、購入者4の気持ちを知ることができる。
【0099】
この実施例1によれば、商品Sの外観からは本命チョコであるか義理チョコであるかを判断することはできないが、受贈者5が更新データD3を閲覧等することによって初めて判断することができる。また、たとえ義理チョコであっても、更新データD3に載せられたメッセージ等によって、日ごろの感謝等を伝えることもでき、本発明に係るサービスの使いかたは多種多様である。
【0100】
・実施例2
本発明に係るサービスの提供方法及びサービス提供システムを、クリスマスの贈り物に応用した実施例、即ち、商品Sをクリスマスケーキ等とした場合の実施例について、図1に従って説明する。なお、以下に示す(1)~(10)の符号は、図1に示された符号(1)~(10)と対応している。なおまた、上述した図1に関する説明、又は、実施例1と同様の部分(二次元コードの生成及び商品の動きに関する部分)については、説明を省略する。
【0101】
この実施例では、製造者2は主にケーキ等の菓子製造業、販売者3は主に菓子の小売業者等であり、購入者4はクリスマスケーキ等のクリスマスプレゼントを贈る者、受贈者5はこれを貰う者である。
【0102】
まず、(1)製造者2は、画像ファイル等の当初データD1をサーバ1にアップロードする。当初データD1として、クリスマスカードとして使用できるものを1つ又は複数を用意しておく。例えば、図1に示されるように、サンタクロースの如きイラストや写真であって、顔のパーツ部分を取り除いた画像と、メッセージの記載欄を当初データD1として用意しておく。
サーバ1は、この当初データD1を受信し、保存する。
【0103】
次に、(2)製造者2は、上述した要領で第1の二次元コード71を生成し、クリスマスケーキ等である商品Sに表示する。この際、ケーキ等にそのまま印字等の手段によって表示しても良いし、デコレーション用の板に表示しても良い。なお、この商品Sに表示された第1の二次元コード71は、包装箱の蓋の一部を透明にする等して、外観から視認できるようにしておくことが好ましい。
(3)製造者2は、商品Sを販売者3に出荷する。
【0104】
(4)販売者3は、商品Sを販売する際に、商品Sに表示された第1の二次元コード71を介してサーバ1にアクセスし、第2の二次元コード72を生成する。
【0105】
(5)販売者3は、第2の二次元コード72を生成した後、商品Sの販売時に、購入者4に提示又は譲渡するため、この第2の二次元コード72が表示された情報伝達媒体8を発行する。
(6)販売者3は、商品Sを情報伝達媒体8と共に購入者4へ譲り渡す。
【0106】
(7)購入者4は、第2の二次元コード72を介してサーバ1にアクセスし、追加データD2をアップロードして更新データD3を作成する。
詳しくは、当初データD1の中から、好みのクリスマスカードのデザインを選択し、これに写真や文字メッセージ(追加データD2)を入力して、更新データD3を作成する。この完成した更新データD3は、受贈者5に宛てたクリスマスカードとなる。
【0107】
(8)購入者4は、クリスマスプレゼントである商品Sを受贈者5へ譲り渡す。この商品S又はその包装には、第1の二次元コード71が表記されている。
【0108】
(9)受贈者5は、商品Sに表示された第1の二次元コード71を介して、サーバ1へアクセスする。
(10)受贈者5は、購入者4から贈られたクリスマスカードである更新データD3を閲覧し、又はダウンロードする。
【0109】
この実施例2によれば、従来は、クリスマスメッセージが記された紙媒体のクリスマスカードを、クリスマスケーキ等のプレゼントに添えて渡していたが、これを電子データとして渡すことができる。電子データとすることで、文字やイラストのみならず、写真や動画等を掲載することもでき、表現の幅が広がり、趣向性を高めることができる。また、手書きすることが苦手な利用者にとっては、クリスマスカードの作成が容易となり、利用が促進される可能性もある。
【0110】
・実施例3
上述した実施例1の一部に変更を加えた構成として、実施例3を示す。
なお、実施例1と重複する部分については説明を省略する。
【0111】
まず、製造者2による当初データD1のアップロード及び第1の二次元コード71の生成については、実施例1における<1>~<2>の構成と同様である。
【0112】
次に、実施例1における<3>に相当する構成について説明する。
製造者2が第1の二次元コード71の商品S又はその包装に表示する工程において、第1の二次元コード71は、商品Sやその包装・梱包の外観からは視認できない位置に表示する。この状態で商品Sを出荷することで、商品Sが店舗等において展示・陳列される場合でも、第1の二次元コード71は第三者の目に触れることがない。よって、第1の二次元コード71から第三者が不正にアクセスする可能性を排除・抑制することができる。
【0113】
また、製造者2は、商品Sの製造~梱包~出荷の工程において、本発明に係るサービスについての取扱説明書を商品Sに同封する。そして、この取扱説明書には、第1の二次元コード71を参照して第2の二次元コード72を生成するための専用アプリをダウンロードすることができるサイトへ誘導するため、このサイトへアクセスするための二次元コード74を表示する。これにより、商品Sの購入者4は、専用アプリを使用して容易に第2の二次元コード72を生成することができる。
【0114】
次に、販売者3が、商品Sを購入者4に販売する工程については、実施例1における<4>の構成と同様である。
【0115】
次に、実施例1における<5>~<6>に相当する構成について説明する。
購入者4は、商品Sを開梱し、取扱説明書を取り出す。この取扱説明書に表示された二次元コード74から専用アプリのダウンロードサイトへアクセスし、自己のスマートフォンやパーソナルコンピュータへ専用アプリをダウンロードしてインストールする。
【0116】
この専用アプリを利用して、商品Sを開梱すると表示される第1の二次元コード71を介してサーバ1へアクセスし、第2の二次元コード72を生成する。この生成した第2の二次元コード72は、スマートフォン等に電子データとして(特に画像データとして)保存しておく。
【0117】
次に、購入者4が、更新データD3を作成する工程については、実施例1における<7>と同様である。
ただし、この更新データD3の作成についても、上述した専用アプリを利用して行うことが好ましい。
【0118】
最後に、購入者4から受贈者5に商品Sが譲り渡され、受贈者5が更新データD3を閲覧・ダウンロードする工程については、実施例1における<8>~<10>と同様である。
【0119】
この実施例3によれば、上記実施例1における効果に加えて、第三者に更新データD3を閲覧されるリスクを低減させると共に、専用アプリの利用によって利便性を向上させることができる。
【0120】
・実施例4
本発明に係るサービスの提供方法及びサービス提供システムを、名刺利用サービスに応用した実施例、即ち、商品Sを名刺とした場合の実施例について、図7に従って説明する。
ただし、この名刺利用サービスは、ビジネス目的に限定されるものではなく、友人・知人同士等のコミュニケーションツールとしても利用が想定される。
なお、以下に示す「1」~「10」の符号は、図7に示された符号「1」~「10」と対応している。なおまた、上述した図1に関する説明、又は、実施例1~3と同様の部分(二次元コードの生成及び商品の動きに関する部分)については、説明を省略する。
【0121】
まず、名刺利用サービスを利用する者である購入者4が、名刺利用サービスの運営者又は名刺を製造する者である製造者2に対して、商品Sである名刺の作成を発注する(図示しない)。
【0122】
次に、「1」~「2」製造者2による当初データD1のアップロード及び第1の二次元コード71の生成については、実施例1における<1>~<2>の構成と同様である。
【0123】
次に、「3」製造者2は、名刺である商品Sに第1の二次元コード71を表示し、この商品Sを購入者4に納入する。なお、製造者2から購入者4へ直接納入する方法の他、販売者3等を介して納入する方法を採用してもよい。
また、製造者2は、商品Sの製造~梱包~出荷の工程において、本発明に係るサービスについての取扱説明書を商品Sに同封する。そして、この取扱説明書には、第1の二次元コード71を参照して第2の二次元コード72を生成するための専用アプリをダウンロードすることができるサイトへ誘導するため、このサイトへアクセスするための二次元コード74を表示する。これにより、商品Sの購入者4は、専用アプリを使用して容易に第2の二次元コード72を生成することができる。
【0124】
次に、「4」購入者4は、商品Sを開梱し、取扱説明書を取り出す。この取扱説明書に表示された二次元コード74から専用アプリのダウンロードサイトへアクセスし、自己のスマートフォンやパーソナルコンピュータへ専用アプリをダウンロードしてインストールする。
【0125】
次に、「5」この専用アプリを利用して、商品Sを開梱すると表示される第1の二次元コード71を介してサーバ1へアクセスし、第2の二次元コード72を生成する。この生成した第2の二次元コード72は、スマートフォン等に電子データとして(特に画像データとして)保存しておく。
なお、後述する「10」の工程のために、第2の二次元コード72の生成と共にその他の二次元コード73(削除用コード)を生成し、保存しておくことが好ましい。
【0126】
次に、「6」購入者4は、第2の二次元コード72を介してサーバ1にアクセスし、追加データD2をアップロードして更新データD3を作成する。
詳しくは、当初データD1の中から、好みのデザインを選択し、これに写真や文字メッセージ(追加データD2)を入力して、更新データD3を作成する。この完成した更新データD3は、受贈者5に宛てたグリーティングカードとなる。
【0127】
ここで、このサービスで使用が想定される当初データD1と更新データD3について、具体的に例示する。
ビジネス目的で使用する場合、名刺である商品Sには、自己の氏名や、所属企業・団体名、連絡先等が記載され、この名刺に表示された第1の二次元コード71を介してアクセスすれば、自己又は所属企業・団体に関する情報や、取り扱う商品・役務等を文章や映像で紹介すべく、当初データD1と更新データD3を作成することができる。
【0128】
一方で、友人・知人同士のコミュニケーションツールとして使用する場合、ビジネス目的のような堅苦しい内容ではなく、例えば、当初データD1として、複数のキャラクターを用意しておき、この当初データD1に、自身の顔写真等を内容とする追加データD2を加え、自身が前記キャラクターのコスプレをした如き写真である更新データD3を作成することができる。
【0129】
次に、「7」購入者4は、挨拶の際などに、名刺である商品Sを受贈者5へ譲り渡す。この名刺である商品Sには、第1の二次元コード71が表記されている。
【0130】
「8」受贈者5は、名刺である商品Sに表示された第1の二次元コード71を介して、サーバ1へアクセスする。
「9」受贈者5は、購入者4から贈られたグリーティングカードである更新データD3を閲覧し、又はダウンロードする。
【0131】
更に、「10」購入者4は、必要に応じて、更新データD3をサーバ1から削除することができる。具体的には、上記「5」の工程において生成した削除用コードを介してサーバ1にアクセスし、更新データD3を削除することができる。なお、この「10」の工程は、購入者4が任意で行うものであり、必ず行われる工程ではない。この場合、受贈者5がサーバ1にアクセスしても、更新データD3の閲覧のみが可能であって、ダウンロードはできない構成としておくことが好ましい。
【0132】
例えば、上記で例示したコスプレを更新データD3として作成した場合、後になって羞恥心等が生じて、これを削除したい場合がある。この場合、削除用コードからアクセスするという簡単な方法で、更新データD3を削除することができる。
従来のように、グリーティングカードとして紙媒体で手渡していれば、受贈者5のもとにある自身のコスプレ写真を削除することは困難であるが、本発明に係るサービスであれば、これを簡単に削除することができるという有意な効果がある。
【0133】
・実施例5
次に説明する実施例は、受贈者5が複数人存在することを特徴としたサービスであり、図8に従って説明する。
【0134】
まず、製造者2は、第1の二次元コード71が表示された商品Sを製造する。この実施例では、商品Sは、複数個の商品Sa~Sdが同梱されたセット商品である。なお、この実施例5では、同梱された商品の数量は4つであるが、この数量に限定されるものではない。
他の実施例と同様であるが、製造者2は、サーバ1に当初データD1をアップロードしておく。
【0135】
それぞれの商品Sa~Sdには、第1の二次元コード71a~71dが表示される。
上述した実施例1~4では、第1の二次元コード71は参照用コードであったが、この実施例5では、第1の二次元コード71(71a~71d)は、更新用コードである。即ち、それぞれの第1の二次元コード71a~71dを介して、更新データD3を作成することができる。
第1の二次元コード71を生成する方法について、サーバ1にIDを要求して取得する手段等は、他の実施例と同様である。
【0136】
また、製造者2は、商品Sの製造~梱包~出荷の工程において、本発明に係るサービスについての取扱説明書を商品Sに同封することが好ましい。そして、この取扱説明書には、第1の二次元コード71(この実施例5では更新用コード)を参照して第2の二次元コード72(この実施例5では参照用コード)を生成するための専用アプリをダウンロードすることができるサイトへ誘導するため、このサイトへアクセスするための二次元コード74を表示する。これにより、商品Sの購入者4は、専用アプリを使用して容易に第2の二次元コード72を生成することができる。
【0137】
製造者2は、商品Sを販売者3に出荷する。
商品Sを入荷した販売者3は、商品Sa~Sdが同梱されたセット商品のまま商品Sを購入者4に販売する。
【0138】
次に、商品Sを入手した購入者4は、第2の二次元コード72(この実施例5では参照用コード)を生成する。
具体的には、まず、商品Sを開梱して商品Sa~Sdに表示された第1の二次元コード71a~71dを視認できる状態とする。専用アプリがある場合はこれを利用して、第1の二次元コード71a~71dをそれぞれ読み取ることで参照し、サーバ1から参照用IDの発給を受けて第2の二次元コード72を生成する。このサーバ1から発給を受けた参照用IDは、第1の二次元コード71a~71dを介して作成されたすべての更新用コードD3を閲覧又はダウンロードすることが可能なIDである。
【0139】
また、上述の方法で生成された第2の二次元コード72は、参照したすべての第1の二次元コード71a~71dの暗号キーを含む内容である。即ち、第2の二次元コード72を生成する際に、第1の二次元コード71a~71dのそれぞれの暗号キーを複写して、サーバ1から発給された参照用IDと共に格納された構成である。生成した第2の二次元コード72は、情報伝達媒体8に印刷して保管しても良いし、スマートフォン等のコンピュータ機器に電子データとして保存しても良い。
【0140】
購入者4は、第2の二次元コード72を生成した後、商品Sに収容された個々の商品である商品Sa~Sdを、それぞれ異なる受贈者5に譲り渡す。ここでは、商品Saを受贈者5aに、商品Sbを受贈者5bに、商品Scを受贈者5cに、商品Sdを受贈者5dにそれぞれ譲り渡したことにする。
【0141】
商品Saを受け取った受贈者5aは、これに表示された第1の二次元コード71aを介してサーバ1にアクセスし、更新データD3を作成する。受贈者5b~5dも同様に、それぞれ更新データD3を作成する。なお、第1の二次元コード71aである更新用コードには、接続先であるサーバ1のURLが含まれているため、専用アプリは不要である。
【0142】
それぞれの受贈者5a~5dが更新データD3を作成した後に、購入者4は、先ほど生成した第2の二次元コード72を介してサーバ1にアクセスし、それぞれが作成した更新データD3を閲覧又はダウンロードすることができる。
また、購入者4が生成した第2の二次元コード72を、受贈者5a~5dに知らせれば、購入者4とすべての受贈者5a~5dの間で情報を共有することができる。
【0143】
この実施例5に係るサービスを利用すれば、例えば、複数の者の顔写真が挿入可能な当初データD1を用意し、複数の者が自身の顔写真である追加データD2をアップロードすることで、集合写真の如き1つの更新データD3が作成することができる。また、それぞれがメッセージを追加することで、寄せ書きのような更新データD3を作成することもでき、多種多様な利用方法が考えられる。
【0144】
・その他の実施例
上記実施例1~5では、本発明に係るサービスの提供方法及びサービス提供システムをバレンタインデーやクリスマスの贈り物に関するサービス、名刺利用又はセット商品として利用する例を挙げた。
その他の利用方法として、旅先で購入するお土産等についても挙げることができる。実施例1~5の構成を組み合わせて、お土産について利用すれば、お土産を渡す相手に対して、旅の思い出を写真や映像で伝えることができ、情報を共有することもできる。
【符号の説明】
【0145】
1 サーバ
2 製造者
3 販売者
4 購入者
5 受贈者
6 コンピュータ端末
61 第1のコンピュータ端末
62 第2のコンピュータ端末
63 その他のコンピュータ端末
7 二次元コード
71 第1の二次元コード
72 第2の二次元コード
73 その他の二次元コード
74 専用アプリのダウンロードサイトへ誘導する二次元コード
8 情報伝達媒体
D1 当初データ
D2 追加データ
D3 更新データ
S 商品

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8