(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】計量容器、錠剤整列治具、錠数設定治具、及び計量容器キット
(51)【国際特許分類】
B65D 83/04 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
B65D83/04 G
(21)【出願番号】P 2020182704
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-10-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000190068
【氏名又は名称】伸晃化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】早川 政希
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/217994(WO,A1)
【文献】特開2020-97427(JP,A)
【文献】実公昭43-11088(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内筒と、
前記内筒の周囲に配置された外筒と、
前記内筒又は前記外筒に対して軸方向に相対移動可能な錠数設定パーツと、
を備え、
前記内筒と前記外筒との間には、複数の錠剤を直列に収容可能な容積をそれぞれ有する複数の錠剤収容部が設けられ、
前記錠数設定パーツは、前記軸方向に相対移動することによって、前記複数の錠剤収容部の容積を変更可能に構成されている、
計量容器。
【請求項2】
前記複数の錠剤収容部は、3以上の錠剤を収容可能な容積をそれぞれ有し、
各錠剤収容部は、
前記軸方向に沿って1以上の錠剤を直列に収容可能な容積を有する第1収容部と、
前記軸方向に沿って2以上の錠剤を直列に収容可能な容積を有する第2収容部と、
を備え、
前記錠数設定パーツは、前記軸方向に相対移動することによって、前記第1収容部及び前記第2収容部の容積を変更可能に構成されている、
請求項1に記載の計量容器。
【請求項3】
前記第2収容部に直列に収容可能な錠剤の数と、前記第1収容部に直列に収容可能な錠剤の数との差は、1又は0である、請求項2に記載の計量容器。
【請求項4】
前記内筒は、外ねじ状に構成され、前記外ねじのねじ溝は、周方向に平行に延在する平坦部と、周方向に進むに連れて軸方向の位置が変化する坂部とを有し、
前記錠数設定パーツは、前記内筒と前記外筒との間に配置されるリング形状を有し、
前記錠数設定パーツは、前記錠数設定パーツの径方向内側表面から内向きに突出し、前記ねじ溝の中に、前記ねじ溝の中を移動可能に挿入される内向き突起を備え、
前記錠数設定パーツは、前記軸方向を中心として前記内筒に対して相対回転し、前記内向き突起が前記坂部を通過することによって、前記軸方向に相対移動する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の計量容器。
【請求項5】
前記複数の錠剤収容部から選択された1つの錠剤収容部の中に収容された錠剤を外部に通過可能な寸法を有する錠剤通過孔と、前記選択された1つの錠剤収容部を除く錠剤収容部に蓋をするキャップ本体と、を有するキャップを更に備え、
前記錠剤通過孔は、前記複数の錠剤収容部から選択された1つの錠剤収容部の中に収容された錠剤を外部に通過させる位置に移動可能に構成された、
請求項1~4のいずれか1項に記載の計量容器。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の計量容器に外部からの錠剤を装填するために用いられる錠剤整列治具であって、
錠剤を前記複数の錠剤収容部のそれぞれに収容される向きに整列させる錠剤整列部と、
外部からの錠剤を通過させる開状態と、通過させない閉状態と、を切替え可能に構成された錠剤ストッパと、
を備える錠剤整列治具。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の計量容器に用いられる錠数設定治具であって、前記錠数設定パーツを前記軸方向に相対移動させる、錠数設定治具。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の計量容器と、請求項6に記載の錠剤整列治具と、を備える計量容器キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量容器、錠剤整列治具、錠数設定治具、及び計量容器キットに関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤容器から予め定められた複数の錠剤を計量するための計量容器が知られている。例えば、計量容器として、特許文献1は、3錠の錠剤を一度に取り出す定量取出容器を開示し、特許文献2は、例えば5錠の錠剤を一度に取り出す定量取出容器を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-67308号公報
【文献】特開2019-43590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の錠剤の計量容器は、錠剤の数を細やかに精度良く計量するという観点において未だ改善の余地がある。
【0005】
本発明は、錠剤の数を細やかに精度良く計量する計量容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
内筒と、
前記内筒の周囲に配置された外筒と、
前記内筒又は前記外筒に対して軸方向に相対移動可能な錠数設定パーツと、
を備え、
前記内筒と前記外筒との間には、複数の錠剤を直列に収容可能な容積をそれぞれ有する複数の錠剤収容部が設けられ、
前記錠数設定パーツは、前記軸方向に相対移動することによって、前記複数の錠剤収容部の容積を変更可能に構成されている、
計量容器を提供する。
【0007】
本発明の一態様は、前記計量容器に外部からの錠剤を装填するために用いられる錠剤整列治具を提供する。
前記錠剤整列治具は、
錠剤を前記複数の錠剤収容部のそれぞれに収容される向きに整列させる錠剤整列部と、
外部からの錠剤を通過させる開状態と、通過させない閉状態と、を切替え可能に構成された錠剤ストッパと、
を備える。
【0008】
本発明の一態様は、前記計量容器に用いられる錠数設定治具を提供する。前記錠数設定治具は、前記錠数設定パーツを前記軸方向に相対移動させる。
【0009】
本発明の一態様は、前記計量容器と、前記錠剤整列治具と、を備える計量容器キットを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る計量容器によれば、錠剤の数を細やかに精度良く計量することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る計量容器の斜視図である。
【
図10B】
図4の上側錠数設定パーツと下側錠数設定パーツとを組み立てた状態の一部切り欠き斜視断面図である。
【
図11】錠剤ポケットに収容可能な錠剤の数を変更する機構を説明するための模式図である。
【
図12】錠剤ポケットに収容可能な錠剤の数を変更する機構を説明するための模式図である。
【
図13】錠剤ポケットに収容可能な錠剤の数を変更する機構を説明するための模式図である。
【
図14】錠剤ポケットに収容可能な錠剤の数を変更する機構を説明するための模式図である。
【
図15】錠剤ポケットに収容可能な錠剤の数を変更する機構を説明するための模式図である。
【
図16】錠剤ポケットに収容可能な錠剤の数を変更する機構を説明するための模式図である。
【
図17】錠剤ポケットに収容可能な錠剤の数を変更する機構を説明するための模式図である。
【
図18】錠剤ポケットに収容可能な錠剤の数を変更する機構を説明するための模式図である。
【
図19】
図2のポケットパーツと、マルチ治具とを示す分解斜視図である。
【
図20】
図19のマルチ治具の錠数設定治具をポケットパーツに装着した状態を示す側面図である。
【
図21】マルチ治具を用いた錠数変更動作を説明するための模式図である。
【
図22】マルチ治具を用いた錠数変更動作を説明するための模式図である。
【
図23】マルチ治具を用いた錠数変更動作を説明するための模式図である。
【
図24】マルチ治具を用いた錠数変更動作を説明するための模式図である。
【
図25】
図24と同様の状態における計量容器の側面図である。
【
図26】マルチ治具を用いた錠数変更動作を説明するための模式図である。
【
図27】
図26と同様の状態における計量容器の側面図である。
【
図28】ポケットパーツとヒンジキャップとを組み立てて
図1の計量容器とする組立動作を説明するための模式図である。
【
図29】ポケットパーツとヒンジキャップとを組み立てて
図1の計量容器とする組立動作を説明するための模式図である。
【
図30】ポケットパーツとヒンジキャップとを組み立てて
図1の計量容器とする組立動作を説明するための模式図である。
【
図31】ポケットパーツとヒンジキャップとを組み立てて
図1の計量容器とする組立動作を説明するための模式図である。
【
図32】使用時における、ヒンジキャップが開いた状態の
図1の計量容器の平面図である。
【
図33】
図32の計量容器を倒立させた状態を示す模式的な斜視図である。
【
図34】
図33のようにして第1錠剤ポケットから錠剤を取り出した後の計量容器を示す斜視図である。
【
図35】
図34の状態と比較して、第2錠剤ポケット内の錠剤を取り出すようにヒンジキャップの位置を調整した状態の計量容器を示す斜視図である。
【
図41】
図1の計量容器の分解動作における、底蓋の取外し工程を説明するための模式図である。
【
図42】
図1の計量容器の分解動作における、底蓋の取外し工程を説明するための模式図である。
【
図43】
図1の計量容器の分解動作における、底蓋の取外し工程を説明するための模式図である。
【
図44】
図1の計量容器の分解動作における、ヒンジキャップの取外し工程を説明するための模式図である。
【
図45】
図1の計量容器の分解動作における、ヒンジキャップの取外し工程を説明するための模式図である。
【
図46】
図44の状態の計量容器及びマルチ治具の平面図である。
【
図47】
図1の計量容器の分解動作における、ヒンジキャップの取外し工程を説明するための模式図である。
【
図48】
図1の計量容器の分解動作における、ヒンジキャップの取外し工程を説明するための模式図である。
【
図49】
図1の計量容器の分解動作における、ヒンジキャップの取外し工程を説明するための模式図である。
【
図50】
図1の計量容器の分解動作における、ヒンジキャップの取外し工程を説明するための模式図である。
【
図51】
図1の計量容器の分解動作における、ヒンジキャップの取外し工程を説明するための模式図である。
【
図52】
図1の計量容器の分解動作における、ヒンジキャップの取外し工程を説明するための模式図である。
【
図53】本発明の実施形態に係る錠剤整列治具を示す斜視図である。
【
図57】
図2のポケットパーツと、錠剤容器に装着された状態の
図53の錠剤整列治具とを示す斜視図である。
【
図58】
図57のポケットパーツを錠剤整列治具に載置した状態を示す斜視図である。
【
図59】
図58の閉状態から開状態にしたポケットパーツ及び錠剤整列治具を示す斜視図である。
【
図60】
図59の錠剤容器、錠剤整列治具及びポケットパーツを倒立させた状態を示す斜視図である。
【
図61】
図60の錠剤容器、錠剤整列治具及びポケットパーツの端面図である。
【
図62】
図60の状態から錠剤整列治具を取り外す動作を説明するための斜視図である。
【
図63】
図61の錠剤整列治具及びポケットパーツのE2-E2線端面図である。
【
図64】
図60の錠剤容器、錠剤整列治具及びポケットパーツの底面図である。
【
図65】錠剤整列治具を開状態から閉状態とするための機構を説明するための模式図である。
【
図66】錠剤整列治具を開状態から閉状態とするための機構を説明するための模式図である。
【
図67】錠剤整列治具を開状態から閉状態とするための機構を説明するための模式図である。
【
図68】錠剤整列治具を開状態から閉状態とするための機構を説明するための模式図である。
【
図69】錠剤整列治具を開状態から閉状態とするための機構を説明するための模式図である。
【
図70】錠剤整列治具を開状態から閉状態とするための機構を説明するための模式図である。
【
図71】仮蓋が錠剤整列治具及び錠剤容器に装着された状態の平面図である。
【
図72】
図71の仮蓋、錠剤整列治具及び錠剤容器を側面から見た片側端面図である。
【
図73】
図71の仮蓋及び錠剤整列治具のB2-B2線端面図である。
【
図74】
図71の仮蓋及び錠剤整列治具のB2-B2線端面図である。
【
図75】
図74の状態から、仮蓋を整列治具本体に対して上から見て時計回りに回転させた状態における、仮蓋及び錠剤整列治具を示す端面図である。
【
図76】
図75の状態から、仮蓋を整列治具本体に対して上から見て時計回りに更に回転させた状態における、仮蓋及び錠剤整列治具を示す端面図である。
【
図77】本開示の実施形態の第3変形例に係る計量容器の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1態様によれば、
内筒と、
前記内筒の周囲に配置された外筒と、
前記内筒又は前記外筒に対して軸方向に相対移動可能な錠数設定パーツと、
を備え、
前記内筒と前記外筒との間には、複数の錠剤を直列に収容可能な容積をそれぞれ有する複数の錠剤収容部が設けられ、
前記錠数設定パーツは、前記軸方向に相対移動することによって、前記複数の錠剤収容部の容積を変更可能に構成されている、
計量容器を提供する。
【0013】
本発明の第2態様によれば、
前記複数の錠剤収容部は、3以上の錠剤を収容可能な容積をそれぞれ有し、
各錠剤収容部は、
前記軸方向に沿って1以上の錠剤を直列に収容可能な容積を有する第1収容部と、
前記軸方向に沿って2以上の錠剤を直列に収容可能な容積を有する第2収容部と、
を備え、
前記錠数設定パーツは、前記軸方向に相対移動することによって、前記第1収容部及び前記第2収容部の容積を変更可能に構成されている、
第1態様に記載の計量容器を提供する。
【0014】
本発明の第3態様によれば、前記第2収容部に直列に収容可能な錠剤の数と、前記第1収容部に直列に収容可能な錠剤の数との差は、1又は0である、第2態様に記載の計量容器を提供する。
【0015】
本発明の第4態様によれば、
前記内筒は、外ねじ状に構成され、前記外ねじのねじ溝は、周方向に平行に延在する平坦部と、周方向に進むに連れて軸方向の位置が変化する坂部とを有し、
前記錠数設定パーツは、前記内筒と前記外筒との間に配置されるリング形状を有し、
前記錠数設定パーツは、前記錠数設定パーツの径方向内側表面から内向きに突出し、前記ねじ溝の中に、前記ねじ溝の中を移動可能に挿入される内向き突起を備え、
前記錠数設定パーツは、前記軸方向を中心として前記内筒に対して相対回転し、前記内向き突起が前記坂部を通過することによって、前記軸方向に相対移動する、
第1~第3態様のいずれか1つに記載の計量容器を提供する。
【0016】
本発明の第5態様によれば、
前記複数の錠剤収容部から選択された1つの錠剤収容部の中に収容された錠剤を外部に通過可能な寸法を有する錠剤通過孔と、前記選択された1つの錠剤収容部を除く錠剤収容部に蓋をするキャップ本体と、を有するキャップを更に備え、
前記錠剤通過孔は、前記複数の錠剤収容部から選択された1つの錠剤収容部の中に収容された錠剤を外部に通過させる位置に移動可能に構成された、
第1~第4態様のいずれか1つに記載の計量容器を提供する。
【0017】
本発明の第6態様によれば、
第1~第5態様のいずれか1つに記載の計量容器に外部からの錠剤を装填するために用いられる錠剤整列治具であって、
錠剤を前記第1収容部及び前記第2収容部に収容される向きに整列させる錠剤整列部と、
外部からの錠剤を通過させる開状態と、通過させない閉状態と、を切替え可能に構成された錠剤ストッパと、
を備える錠剤整列治具を提供する。
【0018】
本発明の第7態様によれば、第1~第5態様のいずれか1つに記載の計量容器に用いられる錠数設定治具であって、前記錠数設定パーツを前記軸方向に相対移動させる、錠数設定治具を提供する。
【0019】
本発明の第8態様によれば、第1~第5態様のいずれか1つに記載の計量容器と、第6態様に記載の錠剤整列治具と、を備える計量容器キットを提供する。
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る計量容器及び錠剤整列治具について、図面を参照して説明する。本実施形態において、同様の構成には同一の符号を付して、説明を省略する。
【0021】
[1.計量容器1]
[1-1.計量容器1の構成]
図1は、本実施形態に係る計量容器1の斜視図である。計量容器1は、ヒンジキャップ100と、ポケットパーツ200とを備える。
図2は、
図1の計量容器1の分解斜視図である。
図2は、ポケットパーツ200からヒンジキャップ100を取り外した状態を示している。
【0022】
図1には、説明の便宜のため、軸Cを示している。本明細書では、軸Cに平行な方向を軸方向と、軸方向に垂直な方向を径方向と、軸Cを中心とする円周方向を周方向と呼ぶ。軸方向について、紙面に向かって上向きの方向を正とする。軸方向の正方向を上方向、軸方向の負方向を下方向とも呼ぶ。径方向について、軸Cから遠ざかる方向を外向きと呼び、軸Cに向かう方向を内向きと呼ぶ。
【0023】
また、以下では、説明の便宜上、通常使用時の状態を想定して「上」、「下」、「前」、「後」、「右」、「左」等の方向を示す用語を用いる。しかしながら、これらの用語は、本発明の使用状態等を限定することを意味するものではない。
【0024】
図2に示すように、ポケットパーツ200は、14個の錠剤ポケット211を備える。錠剤ポケット211は、本開示の「錠剤収容部」の一例である。錠剤ポケット211は、周方向に整列している。各錠剤ポケット211は、第1収容部211aと、第2収容部211bとを備える。第1収容部211aと、第2収容部211bとは、周方向に隣接している。第1収容部211a及び第2収容部211bは、それぞれ、錠剤を直列に収容可能に構成されている。
【0025】
図3は、
図2のヒンジキャップ100の分解斜視図である。
図3は、ヒンジキャップ100を開いた状態を示している。ヒンジキャップ100は、キャップ本体101と、上蓋102と、キャップ本体101をポケットパーツ200に脱着可能に結合するためのジョイント150とを備える。キャップ本体101には、キャップ本体101を軸方向に貫通し、錠剤を通過させることができる錠剤通過孔104が設けられている。また、キャップ本体101の平面視における中央には、円形のジョイント孔106が形成されている。ジョイント孔106には、ジョイント150が挿入される。キャップ本体101のジョイント孔106の上には、周方向に波打って延在する凹凸壁110が形成されている。凹凸壁110は、外向きに窪んだ凹部110aと、内向きに突出した凸部110bとを有する。
【0026】
ジョイント150は、軸Cを中心軸とする円筒形状の周壁156と、周壁156から外向きに突出するように形成された2つのフック151とを備える。2つのフック151は、軸Cを挟んで対向する位置に設けられている(
図39,40参照)。ジョイント孔106には、フック151が凹凸壁110の凹部110aと嵌合するように、ジョイント150が挿入される。ジョイント150は、周壁156から下方に延在する板部157を有する。板部157は、可撓性を有し、径方向に撓み得る。
【0027】
ジョイント150の板部157の径方向外側表面には、外向きに突出する支持筒係止部154が形成されている。ヒンジキャップ100をポケットパーツ200に被せて組み立てる際には、ジョイント150の支持筒係止部154の上端が、後述のように、支持筒260の首部263の内壁下端部に嵌め込まれる(
図48,50参照)。
【0028】
ジョイント150の周壁156の径方向外側表面には、外向きに突出し、軸方向に延在する4個の爪152が形成されている。ヒンジキャップ100をポケットパーツ200に被せて組み立てる際には、各爪152は、後述のように、支持筒260のスリット261の中に挿入される(
図28参照)。各爪152の上端には、外向きに更に突出したキャップ係止部153が形成されている。
【0029】
キャップ本体101と、上蓋102とは、ヒンジ部103により接続されている。上蓋102は、ヒンジ部103により、軸方向及び径方向に垂直な旋回軸を中心として旋回可能に構成されている。錠剤通過孔104と旋回軸とは、軸Cを挟んで対向するように配置されている。
【0030】
上蓋102には、軸方向に突出した孔閉止部105a,105bが形成されている。孔閉止部105a,105bは、ヒンジ部103により、旋回軸を中心として旋回可能であり、上蓋102が
図2のように閉じた状態において前方に位置するように構成されている。上蓋102が閉じると、
図3では上向きに突出している孔閉止部105a,105bの先端部は、錠剤通過孔104に挿入されて錠剤通過孔104を、錠剤が錠剤通過孔104を通過しないように封止する。
【0031】
図4は、
図2のポケットパーツ200の分解斜視図である。ポケットパーツ200は、蓋210と、外筒220と、内筒230と、上側錠数設定パーツ240と、下側錠数設定パーツ250と、支持筒260と、底蓋270とを備える。これらのポケットパーツ200の構成要素は、例えば合成樹脂製、例えばプラスチック製である。外筒220は、その中に収容された錠剤を確認可能なように透明な材料で構成されてもよい。
【0032】
図5は、
図4の内筒230の平面図である。
図6は、
図4の内筒230の側面図である。
図5に示すように、内筒230の内筒本体231の上端には、4個の爪235が形成されている。爪235は、周方向に等間隔で並んでいる。爪235は、後述の錠数設定治具320の爪321と噛み合う(
図19参照)。内筒230の側面には、右ねじである4条ねじ状の構造が形成され、ねじ山232及びねじ溝233が構成されている。
【0033】
図7は、
図4の上側錠数設定パーツ240の平面図である。
図8は、
図7の上側錠数設定パーツ240の側面図である。上側錠数設定パーツ240は、リング形状の上側本体241を備える。上側本体241の径方向外側表面には、外向きに突出した14個の歯243が形成されている。14個の歯243は、周方向に等間隔で並んでいる。14個の歯243を備えることにより、上側錠数設定パーツ240は、平歯車様の形状を有する。隣接する2つの歯243の間には、上側本体241の径方向外側表面から外向きに突出した外向き突起244が形成されている。したがって、上側錠数設定パーツ240は、14個の外向き突起244を有する。
【0034】
図7に示すように、上側錠数設定パーツ240は、上側本体241の径方向内側表面から内向きに突出した4個の内向き突起242を備える。4個の内向き突起242は、周方向に等間隔で並んでいる。
【0035】
図9は、
図4の下側錠数設定パーツ250の平面図である。
図10Aは、
図9の下側錠数設定パーツ250の側面図である。下側錠数設定パーツ250は、リング形状の下側本体251を備える。下側本体251の径方向外側表面には、外向きに突出した14個の櫛歯253が形成されている。
図10Aに示すように、櫛歯253は、下側本体251の下端から、上端よりも上方に延在する。14個の櫛歯253は、周方向に等間隔で並んでいる。このように、櫛歯253は、側面視において櫛様の形状を有する。各櫛歯253の径方向内側表面には、軸方向に延在する溝254が形成されている。
【0036】
上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250は、組み立てられて、内筒230とともに、後述のように錠剤ポケット211に収容可能な錠剤の数を変更する機構を構成する。
図10Bは、上側錠数設定パーツ240と下側錠数設定パーツ250とを組み立てた状態の斜視図の一部を切り欠いた一部切り欠き斜視断面図である。
【0037】
上側錠数設定パーツ240と下側錠数設定パーツ250とを組み立てる際には、下側錠数設定パーツ250の溝254の上から、上側錠数設定パーツ240の外向き突起244を挿入する。このとき、
図10Bに示すように、隣接する上側錠数設定パーツ240の内向き突起242と下側錠数設定パーツ250の内向き突起252とが、軸Cを中心として45°ずれた位置に配置されるように組み立てる。このように組み立てることにより、下側錠数設定パーツ250の溝254と上側錠数設定パーツ240の外向き突起244とが噛み合い、上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250の一方を周方向に回転させると他方も回転する。このように溝254と外向き突起244とが周方向に関して噛み合った状態において、外向き突起244は溝254内を軸方向に摺動可能であるが、溝254から径方向内向きに突出した止め部255より上には移動できない。
【0038】
図11~18を参照して、上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250により、錠剤ポケット211に収容可能な錠剤の数を変更する機構について説明する。
図11~18では、この機構を説明する便宜上、上側錠数設定パーツ240の内向き突起242及び下側錠数設定パーツ250の内向き突起252を示している。実際には、側面視では、上側錠数設定パーツ240の内向き突起242も下側錠数設定パーツ250の内向き突起252も見えない。
【0039】
図11~18に示すように、内筒230の側面上の4条ねじ状の構造において、ねじ溝233は、周方向と平行に延在する平坦部と、周方向に進むに連れて漸次上昇するように形成された坂部234-1~234-4を有する。特に、最下段の坂部を第1坂234-1といい、その上の坂部を順番に第2坂234-2、第3坂234-3、第4坂234-4という。なお、内筒230には、19段の坂部が周方向に等間隔に4列設けられている。したがって、内筒230には、全部で76個の坂部がある。
図11~18では、第4坂234-4より上段にある坂部には符号を付していない。
【0040】
図11に示すように、内筒230の下方から、
図10Bのように組み立てられた上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250を嵌め込む。上側錠数設定パーツ240の内向き突起242が、内筒230の最下段のねじ山232の下端に接触し、上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250は、それ以上は内筒230に対して上方に移動しない。
【0041】
次に、上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250を軸Cを中心として内筒230に対して上昇方向に回転させると、
図12に示すように、内向き突起242が、ねじ溝233の中を進み、内筒230の最下段の第1坂234-1に接触する。ここで、「上昇方向」とは、図示の右ねじの例では、周方向の正の方向であり、
図12の内筒230を下方から見た場合の時計回り方向に一致する。
【0042】
図12の状態から上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250を内筒230に対して更に上昇方向に回転させると、
図13に示すように、内向き突起242が第1坂234-1を上る。これにより、上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250が内筒230に対して上方に移動する。上側錠数設定パーツ240の内向き突起242の上昇に伴って下側錠数設定パーツ250も上昇するのは、外向き突起244が下側錠数設定パーツ250の止め部255(
図10A,10B参照)を押し上げるためである。
【0043】
図13の状態から上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250を内筒230に対して更に上昇方向に回転させ続けると、
図14の状態になる。
図14に示すように、上側錠数設定パーツ240の内向き突起242が第3坂234-3を上ると、下側錠数設定パーツ250の内向き突起252が内筒230の最下段のねじ山232の下端に接触する。
【0044】
図14の状態から上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250を内筒230に対して更に上昇方向に回転させると、
図15に示すように、下側錠数設定パーツ250の内向き突起252が、内筒230の第1坂234-1に差し掛かる。
【0045】
図15の状態から上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250を内筒230に対して更に上昇方向に回転させると、
図16に示すように、下側錠数設定パーツ250の内向き突起252が第1坂234-1を上る。これにより、下側錠数設定パーツ250が内筒230に対して上方に移動する。一方、上側錠数設定パーツ240の内向き突起242は、内筒230のねじ溝233の平坦部にあり、第4坂234-4を上らないため、上方に変位しない。また、上側錠数設定パーツ240の外向き突起244が、下側錠数設定パーツ250の溝254(
図10A,10B参照)内をスライドするため、上側錠数設定パーツ240は上方に移動しない。これにより、ポケットパーツ200が組み立てられた際、下側錠数設定パーツ250の櫛歯253の上の第1収容部211aの容積は、上側錠数設定パーツ240の歯243の上の第2収容部211bの容積より小さくなる(
図2、
図25等参照)。本実施形態では、
図16の状態では、第1収容部211aに収容される錠剤の数は、第2収容部211bに収容される錠剤の数より1つ少ない。
【0046】
図16の状態から上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250を内筒230に対して更に上昇方向に回転させると、
図17に示すように、上側錠数設定パーツ240の内向き突起242が第4坂234-4に差し掛かる。更に回転させると、
図18に示すように、上側錠数設定パーツ240の内向き突起242が第4坂234-4を上る。これにより、ポケットパーツ200が組み立てられた際、下側錠数設定パーツ250の櫛歯253の上の第1収容部211aの容積と、上側錠数設定パーツ240の歯243の上の第2収容部211bの容積とは等しくなる(
図2、
図25等参照)。本実施形態では、
図18の状態では、第1収容部211a及び第2収容部211bに収容される錠剤の数は、
図14,15の状態の場合よりそれぞれ1錠ずつ少ない。
【0047】
[1-2.計量容器1の動作]
[1-2-1.錠数変更動作]
使用時には、ポケットパーツ200を組み立てた状態で錠剤ポケット211に収容可能な錠剤の数を変更する。錠数変更動作は、例えば、医師、薬剤師等の医療従事者によって行われる。
図19は、ポケットパーツ200と、錠剤ポケット211に収容可能な錠剤の数を変更する錠数設定治具320を含むマルチ治具300とを示す分解斜視図である。
図19では、説明の便宜上、ポケットパーツ200は上から見た斜視図として示し、マルチ治具300は下から見た斜視図として示している。
【0048】
マルチ治具300は、ジョイント解除治具310と、錠数設定治具320とを一体的に含む構成を有する。この構成は一例に過ぎず、ジョイント解除治具310と、錠数設定治具320とは、分離した別個の部材として設けられてもよい。
【0049】
マルチ治具300の錠数設定治具320は、
図19における底面に、下向きに突出した4個の爪321を備える。爪321は、錠数設定治具320をポケットパーツ200に装着した場合に、後述の爪235と噛み合う。マルチ治具300のジョイント解除治具310は、軸を中心とする筒部311と、筒部311の
図19における上端から、上方に進むに連れて外向きに漸次広がるように形成されたテーパ凹部312とを含む。テーパ凹部312の
図19における上端には空洞が設けられており、テーパ凹部312は器様の形状を有する(例えば
図30参照)。
【0050】
図19を参照すると、ポケットパーツ200の内筒230の上端には、上向きに突出した4個の爪235が設けられている。爪235は、錠数設定治具320をポケットパーツ200に装着した場合に、錠数設定治具320の爪321と噛み合う。
【0051】
図20は、マルチ治具300の錠数設定治具320をポケットパーツ200に装着した状態を示す側面図である。前述のように、
図20の状態では、内筒230の爪235は、錠数設定治具320の爪321と噛み合っている。
【0052】
図21(a)は、
図20の錠数設定治具320及びポケットパーツ200のA1-A1線端面図である。
図21(a)は、
図20のポケットパーツ200の一部を示す部分側面図である。
図21(c)は、
図20の錠数設定治具320及びポケットパーツ200のA2-A2線端面図である。なお、上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250と、内筒230との相対的な位置関係が
図18の状態である場合に、支持筒260を内筒230の下方から挿入してポケットパーツ200を組み立てると(
図4参照)、
図20,21の状態となる。
【0053】
図21(c)に示すように、支持筒260には、外向きに突出した内筒係止部265-1,265-2が形成されている。内筒係止部265-1,265-2は、軸Cを挟んで対向する位置に配置されている。内筒係止部265-1,265-2は、周方向に関して、軸Cを中心に180°離れた位置にあるともいえる。内筒係止部265-1,265-2のそれぞれの周方向の両端付近には、軸方向に延在するスリットが設けられている。スリットがあることにより、内筒係止部265-1,265-2は、径方向に関して可撓性を有する。
【0054】
図21(c)に示すように、内筒230の径方向内側表面には、外向きに窪んだ8個の窪み236-1~236-8が形成されている。8個の窪み236-1~236-8は、周方向に等間隔で並んでいる。窪み236-1~236-8のそれぞれは、内筒係止部265-1,265-2と嵌合可能な形状を有する。
図21(c)に示した状態では、支持筒260の内筒係止部265-1は内筒230の窪み236-1と嵌合し、支持筒260の内筒係止部265-2は内筒230の窪み236-5と嵌合している。
【0055】
図21(a)に示すように、内筒230の爪235と、錠数設定治具320の爪321とが噛み合っていることがわかる。したがって、ポケットパーツ200の外筒220を固定しながら錠数設定治具320を軸周りに回転させると、ポケットパーツ200の内筒230も軸周りに回転する。
図21~24,26に示すように、ポケットパーツ200の外筒220を固定しながら錠数設定治具320を軸周りに回転させると、内筒230のみが外筒220に対して回転し、蓋210及び支持筒260は、外筒220に対して回転しない。
【0056】
図22は、
図21の状態から錠数設定治具320及びポケットパーツ200の内筒230が軸周りに角度θ1だけ回転した状態を示す。
図22(b)のポケットパーツ200の部分側面図を
図21(b)と比較すると、外筒220を固定しているため、内筒230の坂部234のみが回転により紙面に向かって左に移動していることがわかる。
【0057】
上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250は、軸周りの回転に関しては外筒220に対して固定されている。そのため、ポケットパーツ200の外筒220を固定しながら錠数設定治具320を軸周りに回転させると、内筒230が上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250に対して軸周りに回転する。したがって、
図22(b)のポケットパーツ200の部分側面図を
図21(b)と比較すると、上側錠数設定パーツ240の内向き突起242、及び下側錠数設定パーツ250の内向き突起252は、移動していない。以上のように、
図22(b)を
図21(b)と比較すると、上側錠数設定パーツ240の内向き突起242、及び下側錠数設定パーツ250の内向き突起252に対して、内筒230の坂部234が回転移動している。
【0058】
なお、
図11~18に関して前述したのと同様に、
図21~24,26の(b)では、実際には、上側錠数設定パーツ240の内向き突起242も下側錠数設定パーツ250の内向き突起252も見えないが、説明の便宜上これらを明示している。
【0059】
次に、
図22(c)を
図21(c)と比較すると、
図21(c)では支持筒260の内筒係止部265-2と嵌合していた内筒230の窪み236-5は、
図22(c)では軸Cを中心として周方向の-方向に角度θ1だけ移動している。したがって、
図22(c)では、支持筒260の内筒係止部265-2は、窪み236-5と嵌合していない。また、支持筒260の内筒係止部265-2は、
図22(c)では、窪み236-1~236-8のいずれとも嵌合していない。同様に、
図22(c)では、支持筒260の内筒係止部265-1も、窪み236-1~236-8のいずれとも嵌合していない。したがって、支持筒260の内筒係止部265-1,265-2は、内筒230の径方向内側表面によって内向きに押され、内向きに撓んでいる。
【0060】
図23は、
図22の状態から錠数設定治具320及びポケットパーツ200の内筒230が軸周りに角度θ2だけ回転した状態を示す。
図23(b)を
図22(b)と比較すると、下側錠数設定パーツ250の内向き突起252に対して、内筒230の坂部234が回転により紙面に向かって左に移動している。これにより、
図22(b)では坂部234に差し掛かったところであった内向き突起252が、
図23(b)では坂部234を上り終えている。したがって、
図23(b)では、下側錠数設定パーツ250の櫛歯253の上端の位置が上昇し、上側錠数設定パーツ240の歯243の上端の位置より高くなっている。櫛歯253の上端の位置と歯243の上端の位置との差は、錠剤1個分の高さに等しくなるように設定される。
【0061】
図22(c)では、支持筒260の内筒係止部265-1,265-2は、窪み236-1~236-8のいずれとも嵌合していない。これに対して、
図23(c)では、内筒係止部265-1は窪み236-2と嵌合し、内筒係止部265-2は窪み236-6と嵌合している。この嵌合の際に、直前まで
図22(c)のように内向きに撓んでいた内筒係止部265-1,265-2が、弾性復帰して窪み236-2,236-6に嵌まる。これにより、医師、薬剤師等の錠数設定者は、嵌合の瞬間にカチッというクリック感及び/又はクリック音を得る。このクリック感、クリック音により、錠数設定者は、内筒230が、櫛歯253の上端の位置と歯243の上端の位置との差が錠剤1個分の高さに等しくなる正しい位置に到達したことを知ることができる。また、内筒係止部265-1,265-2と窪み236-2,236-6とが嵌合しているため、内筒係止部265-1,265-2が撓む程度の力を加えなければ、内筒230は回転しない。したがって、内筒係止部265-1,265-2と、窪み236-1~236-8とを有することにより、上記の正しい位置から内筒230が不注意に回転してずれるおそれを低減できる。
【0062】
なお、支持筒260の内筒係止部265-1は、
図21(c)では内筒230の窪み236-1と嵌合し、
図23(c)では、窪み236-1の隣の窪み236-2と嵌合している。
図23(c)は、
図21(c)の状態からθ1+θ2だけ回転した状態を示しており、窪み236-1と、隣の窪み236-2とは、軸Cを中心として45°ずれた位置にあるから、図示の例では、θ1+θ2=45°を満たす。
【0063】
図24は、
図23の状態から錠数設定治具320及びポケットパーツ200の内筒230が軸周りに角度θ3だけ回転した状態を示す。
図24(b)を
図23(b)と比較すると、外筒220を固定しているため、内筒230の坂部234のみが回転により紙面に向かって左に移動していることがわかる。
【0064】
次に、
図24(c)を
図23(c)と比較すると、
図23(c)では支持筒260の内筒係止部265-2と嵌合していた内筒230の窪み236-6は、
図24(c)では軸Cを中心として周方向の-方向に角度θ3だけ移動している。したがって、
図24(c)では、支持筒260の内筒係止部265-2は、窪み236-6と嵌合していない。また、支持筒260の内筒係止部265-2は、窪み236-1~236-8のいずれとも嵌合していない。同様に、
図24(c)では、支持筒260の内筒係止部265-1も、窪み236-1~236-8のいずれとも嵌合していない。したがって、支持筒260の内筒係止部265-1,265-2は、内筒230の径方向内側表面によって内向きに押され、内向きに撓んでいる。
【0065】
図25は、
図24と同様の状態における計量容器1の側面図である。
図25は、ポケットパーツ200の錠剤ポケット211に錠剤Tを充填した状態を示している。円柱形状の錠剤Tは、例えば、その厚さ方向が中心軸Cに垂直になるように錠剤ポケット211に装填される。
図25では、錠剤ポケット211の第1収容部211aは、軸方向に沿って15個の錠剤を直列に収容可能な容積を有する。錠剤ポケット211の第2収容部211bは、軸方向に沿って16個の錠剤を直列に収容可能な容積を有する。したがって、
図25の状態では、錠剤ポケット211には、31個の錠剤Tが収容される。ポケットパーツ200の外筒220の径方向外側表面又は径方向内側表面には、錠剤ポケット211に収容可能な錠剤の数を錠剤の服用者等のユーザに知らせるための錠数表示215が設けられてもよい。
【0066】
図26は、
図24の状態から錠数設定治具320及びポケットパーツ200の内筒230が軸周りに角度θ4だけ回転した状態を示す。
図26(b)を
図24(b)と比較すると、上側錠数設定パーツ240の内向き突起242に対して、内筒230の坂部234が回転により紙面に向かって左に移動している。これにより、
図24(b)では坂部234に差し掛かったところであった内向き突起242が、
図26(b)では坂部234を上り終えている。したがって、
図26(b)では、上側錠数設定パーツ240の歯243の上端の位置が上昇し、下側錠数設定パーツ250の櫛歯253の上端の高さと等しくなっている。
【0067】
次に、
図26(c)を
図24(c)と比較すると、
図24(c)では、支持筒260の内筒係止部265-1,265-2は、窪み236-1~236-8のいずれとも嵌合していないが、
図26(c)では、内筒係止部265-1は窪み236-3と嵌合し、内筒係止部265-2は窪み236-7と嵌合している。
図23(c)を参照して説明した状態と同様に、この嵌合の際に、錠数設定者は、クリック感を得る。このクリック感により、錠数設定者は、内筒230が、櫛歯253の上端の高さと歯243の上端の高さが等しくなる正しい位置に到達したことを知ることができる。
【0068】
図27は、
図26と同様の状態における計量容器1の側面図である。
図27は、ポケットパーツ200の錠剤ポケット211に錠剤Tを充填した状態を示している。
図27では、錠剤ポケット211の第1収容部211a及び第2収容部211bはいずれも、軸方向に沿って16個の錠剤を直列に収容可能な容積を有する。したがって、
図27の状態では、錠剤ポケット211には、32個の錠剤Tが収容される。
【0069】
以上のように、上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250のセットと、内筒230との相対的な回転により、14個の錠剤ポケット211の容積を同時に変更することができる。さらに、上側錠数設定パーツ240と下側錠数設定パーツ250とが別々に軸方向に移動可能であるため、錠剤ポケット211に収容可能な錠剤の数を1~32個に、すなわち奇数を含めて、設定することができる。
【0070】
ポケットパーツ200の内筒230の上端の爪235は、径方向に見て蓋210と支持筒260との間の数mm~1cm程度の狭い空間に配置され(例えば
図21(a)参照)、かつ、蓋210より上方に突出していない(
図2,19参照)。したがって、人の指では、爪235を押して内筒230を相対的に回転させることは困難である。本実施形態の錠数設定動作は、錠数設定治具320を用いなければ容易に行うことができない。また、錠数設定治具320は、病院、薬局等に配備され、医師、薬剤師等の医療従事者は取り扱うことができるが、錠剤の服用者等のユーザは、通常取り扱うことができない。これにより、本実施形態に係る計量容器1は、錠剤の服用者等のユーザに、容易に錠数設定を変更させない。
【0071】
[1-2-2.組立動作]
以下、
図28~31を参照して、ポケットパーツ200とヒンジキャップ100とを組み立てて計量容器1とする組立動作を説明する。組立動作は、例えば、医師、薬剤師等の医療従事者によって行われる。
図28は、ポケットパーツ200とヒンジキャップ100とを示す斜視図である。
図28では、説明の便宜上、ポケットパーツ200は上から見た斜視図として示し、ヒンジキャップ100は下から見た斜視図として示している。
【0072】
組立動作では、まず、ポケットパーツ200を組み立てる(
図4参照)。ただし、
図28では、底蓋270を取り付けていないポケットパーツ200を示している。底蓋270の取付けについては、
図29~31を参照して後述する。
【0073】
次に、ポケットパーツ200の錠剤ポケット211(
図2,25,27参照)に錠剤Tを装填する。錠剤整列治具を用いて錠剤ポケット211に錠剤Tを装填する動作例については後述する。
【0074】
次に、
図28に示すように、ジョイント150の4個の爪152が、支持筒260の上端を切り欠くように形成された4個のスリット261の中にそれぞれ挿入されるように、ヒンジキャップ100をポケットパーツ200に被せる。次に、ヒンジキャップ100を上から押圧し、ジョイント150の支持筒係止部154の上端を、支持筒260の首部263の内壁下端部に嵌め込む(
図48,50参照)。
【0075】
図29は、
図28に示したように組み立てた後の計量容器1を下から見た斜視図である。底蓋270は、下方からポケットパーツ200の支持筒260に挿入される。
【0076】
図30は、
図29に示したように底蓋270をポケットパーツ200の支持筒260に挿入した後の計量容器1と、マルチ治具300とを下から見た斜視図である。マルチ治具300の爪321(
図19参照)は、周方向に関して底蓋270の爪271と噛み合う。組立動作を行う組立作業者は、
図31に示すようにマルチ治具300の爪321と底蓋270の爪271と噛み合わせる。次に、組立作業者は、ポケットパーツ200の外筒220を把持しながらマルチ治具300を下から見て時計回りに回転させることにより、マルチ治具300を介して底蓋270を下から見て時計回りに回転させることができる。底蓋270を下から見て時計回りに回転させて、支持筒260の径方向内側表面から内向きに突出するように形成された底蓋係止部267に、底蓋270の底面を載せる(
図30参照)。これにより、底蓋270は、支持筒260に対して下方に移動しない。
【0077】
このようにして、底蓋270が支持筒260に取り付けられる。底蓋270により、錠剤の服用者等のユーザは、支持筒260の中を介してヒンジキャップ100にアクセスし、ヒンジキャップ100を取り外して錠数設定を変更することができない。また、底蓋270は、マルチ治具300がなければ容易に取り外すことができないため、ユーザに錠数設定を変更させない機能を担保することができる。
【0078】
なお、底蓋270を回転させるためにマルチ治具300を用いたが、本開示はこれに限定されない。例えば、底蓋270を回転させるために、専用の治具が用いられてもよい。
【0079】
[1-2-3.使用動作]
以下、
図32~40を参照して、計量容器1の使用動作を説明する。
図32は、使用時における、ヒンジキャップ100が開いた状態の計量容器1の平面図である。
図32では、ヒンジキャップ100の錠剤通過孔104を介して、錠剤通過孔104の下にある錠剤Tが見えている。これらの錠剤Tは、錠剤ポケット211内に収容されたものである。このように、錠剤通過孔104は、錠剤ポケット211内に収容された錠剤Tを通過可能な寸法を有する。すなわち、錠剤通過孔104は、平面視において、隣接する第1収容部211aと第2収容部211bを包含する周方向の幅を有する。この構成により、
図33のように計量容器1を倒立させると、錠剤ポケット211の第1収容部211a及び第2収容部211bの中に収容された錠剤Tが、ヒンジキャップ100の錠剤通過孔104を通過して重力により計量容器1の外へ落下する。
【0080】
図34は、
図33のようにして第1錠剤ポケット211-1から錠剤Tを取り出した後の計量容器1を示す斜視図である。
図33に示したようにヒンジキャップ100を開いた状態で計量容器1を倒立させることにより、第1錠剤ポケット211-1内の錠剤Tを取り出すことができ、その後、
図34に示すように、第1錠剤ポケット211-1は空となる。したがって、例えば錠数設定動作により、各錠剤ポケット211に収容される錠剤Tの数を、ユーザの1回分の用量に設定しておけば、ユーザは、計量容器1を倒立させるだけで、1回分の用量の錠剤を取り出すことができる。ユーザは、錠剤Tの数を数える必要がない。
【0081】
図35は、第2錠剤ポケット211-2内の錠剤Tを取り出すようにヒンジキャップ100の位置を調整した状態の計量容器1を示す斜視図である。
図34と比較すると、
図35では、ヒンジキャップ100が平面視において反時計回りに回転している。
図35に示した状態では、ヒンジキャップ100の錠剤通過孔104(図示せず)は、第2錠剤ポケット211-2の直上に配置されている。この状態でヒンジキャップ100を開いて計量容器1を倒立させると、第2錠剤ポケット211-2内の錠剤Tを取り出すことができる。
【0082】
図34の状態から
図35の状態へとヒンジキャップ100を回転させると、ユーザは、カチッというクリック感及び/又はクリック音を得る。以下、クリック感及び/又はクリック音が得られる機構について説明する。
【0083】
図36は、
図34の計量容器1の平面図である。
図37は、
図36の計量容器1のD1-D1線端面図である。
図38は、
図37の計量容器1のD3-D3線端面図である。
図39は、
図37の計量容器1のD2-D2線端面図である。したがって、
図39に示した状態は、
図34に示した状態に対応し、錠剤通過孔104は第1錠剤ポケット211-1の上部にある。
【0084】
図39では、ジョイント150のフック151は、凹凸壁110の凹部110aと嵌合している。
図39の状態から、例えばポケットパーツを200把持しながらヒンジキャップ100を平面視において反時計回りに回転させると、フック151に対してキャップ本体101が回転し、
図40に示した状態になる。
図40に示した状態は、
図35に示した状態に対応し、錠剤通過孔104は第2錠剤ポケット211-2の上部にある。ジョイント150のフック151が回転しないのは、
図38に示すように、ジョイント150の爪152が、支持筒260のスリット261の中に挿入されているからである。
図40では、フック151は、
図39で嵌合していた凹部110aの隣の凹部110aに嵌合している。
【0085】
図39の状態から
図40の状態までの動作の途中には、フック151が凹凸壁110の凸部110bに押されて内向きに撓む状態がある。フック151は、このように撓みながら凹凸壁110の径方向内側表面の上を滑る。その後
図40の状態となる際に、内向きに撓んでいたフック151が、弾性復帰して凹部110aに嵌まる。これにより、ユーザは、嵌合の瞬間にカチッというクリック感及び/又はクリック音を得る。このクリック感により、ユーザは、錠剤通過孔104が、第1錠剤ポケット211-1の上部から第2錠剤ポケット211-2の上部に移動したことを知ることができる。また、フック151と凹部110aとが嵌合しているため、フック151が撓む程度の力を加えなければ、キャップ本体101は回転しない。したがって、フック151と、凹部110aとが嵌合することにより、錠剤通過孔104が錠剤ポケット211の上にある正しい位置から不注意に移動してずれるおそれを低減できる。
【0086】
図2に示すように、ポケットパーツ200は、14個の錠剤ポケット211を有するため、錠剤Tの補充を行うことなく、例えば14回分の用量の錠剤を収容できる。
【0087】
[1-2-4.分解動作]
図41~52を参照して、計量容器1の分解動作を説明する。錠剤の服用者等のユーザによる使用が終わり、錠剤ポケット211が空になった場合、例えば、ユーザが病院、薬局等に計量容器1を持参し、これを受け取った医師、薬剤師等の分解作業者が、計量容器1を分解できる。分解することにより、錠剤ポケット211に錠剤を再装填すること、錠数設定を変更すること等の操作が可能になる。
【0088】
図41は、計量容器1と、マルチ治具300とを下から見た斜視図である。分解作業者は、計量容器1の下からマルチ治具を近付け、マルチ治具300の爪321(
図19参照)を底蓋270の爪271と噛み合わせる。次に、
図42に示すように、分解作業者は、ポケットパーツ200の外筒220を把持しながらマルチ治具300を下から見て反時計回りに回転させることにより、マルチ治具300を介して底蓋270を下から見て反時計回りに回転させる。これにより、支持筒260の底蓋係止部267と底蓋270との係合を解除し、
図43に示すように計量容器1から底蓋270を取り外すことができる。
【0089】
次に、
図44に示すように、
図43と比較してマルチ治具300を上下逆さまにして下から計量容器1に近付け、マルチ治具300の筒部311及びテーパ凹部312を、支持筒260に挿入する。次に、ポケットパーツ200を把持して固定しながらマルチ治具300を上に向けて押圧すると、
図45に示すように、ポケットパーツ200からヒンジキャップ100が外れる。
図46~52を参照して、ポケットパーツ200からヒンジキャップ100を取り外す動作について以下詳述する。
【0090】
図46は、
図44の状態の計量容器1及びマルチ治具300の平面図である。
図47は、
図46の計量容器1及びマルチ治具300のC2-C2線端面図である。
図48は、
図46の計量容器1及びマルチ治具300のC1-C1線端面図である。
図47,48の状態では、特に
図48に示すように、テーパ凹部312の斜面が、ジョイント150の板部157の下端に接触している。
図48に示した状態では、ヒンジキャップ100を把持してポケットパーツ200に対して上向きに引っ張ったとしても、ジョイント150の支持筒係止部154の上端が、支持筒260の首部263の内壁下端部に引っ掛かり、ヒンジキャップ100は外れない。
【0091】
図47,48に示した状態から、マルチ治具300を計量容器1に対して上方に推し進めると、それぞれ
図49,50に示した状態になる。
図49の板部157を
図48と比較すると、テーパ凹部312の斜面によって内向きに押されて、内向きに撓んでいることがわかる。これにより、ジョイント150の支持筒係止部154の上端と、支持筒260の首部263の内壁下端部との係合が解除される。したがって、
図49,50に示した状態から更にマルチ治具300を計量容器1に対して上方に推し進めると、ヒンジキャップ100が支持筒260に対して上方に移動可能となり、それぞれ
図51,52に示した状態になる。
【0092】
以上のように、計量容器1は、マルチ治具300を用いなければ容易には分解できない。したがって、このような構成により、錠剤の服用者等のユーザが計量容器1を分解して1回分を超える用量の錠剤を取り出したり、錠数設定を変更したりすることを防止することができる。逆に、病院、薬局等にマルチ治具300を備えておけば、医師、薬剤師等の分解作業者は、マルチ治具300を用いて計量容器1を容易に分解することができる。
【0093】
[1-3.計量容器1の効果等]
以上のように、本実施形態に係る計量容器1は、内筒230と、内筒230の周囲に配置された外筒220と、内筒230又は外筒220に対して軸方向に相対移動可能な上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250とを備える。内筒230と外筒220との間には、3以上の錠剤を収容可能な容積をそれぞれ有する複数の錠剤ポケット211が設けられている。各錠剤ポケット211は、軸方向に沿って1以上の錠剤を直列に収容可能な容積を有する第1収容部211aと、軸方向に沿って2以上の錠剤を直列に収容可能な容積を有する第2収容部211bとを備える。上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250は、軸方向に相対移動することによって、第1収容部211a及び第2収容部211bの容積を変更可能に構成されている。
【0094】
従来、服用者の服用数に応じて、当該服用数の錠剤を取り出すための計量容器又は定量取出容器を製造する必要があった。例えば、3錠を用量とする服用者と、5錠を用量とする服用者がいる場合、3錠を一度に取り出すための計量容器と、5錠を一度に取り出すための計量容器の両方を製造し、在庫として保管する必要があった。これに対して、本実施形態に係る計量容器1は、各錠剤ポケット211に収容可能な錠剤の数を、3以上の所望の数に設定することができる。したがって、様々な形状の計量容器を設計及び製造し、在庫として保管する必要がないため、製造コスト及び在庫の保管スペースを低減できる。
【0095】
また、本実施形態に係る計量容器1によれば、錠剤は、各錠剤ポケット211の第1収容部211a及び第2収容部211bに分散して収容される。錠剤の厚さ、直径等の寸法は正確に一様ではなく、寸法誤差を含み、錠剤ごとに異なる。仮に錠剤が分散して収容されず、全部が各錠剤ポケット211の中に一列に収容されるとすると、錠剤の整列方向に寸法誤差が蓄積し、各錠剤ポケット211に収容される錠剤の数が所望の数からずれることがある。錠剤が医薬品である場合、錠剤の数が所望の数からずれると、服用者の生命、身体等に悪影響を及ぼすおそれがある。本実施形態に係る計量容器1は、錠剤を第1収容部211a及び第2収容部211bに分散して収容することにより、錠剤の寸法誤差が蓄積して各錠剤ポケット211に収容される錠剤の数が所望の数からずれることを防止することができる。
【0096】
本実施形態に係る計量容器1において、第2収容部211bに直列に収容可能な錠剤の数と、第1収容部211aに直列に収容可能な錠剤の数との差は、1又は0であってもよい。
【0097】
この構成によれば、各収容部211a,211bに直列に収容される錠剤の数に2以上の大きな差はなく、錠剤の整列方向に寸法誤差を各収容部211a,211bに効果的に分散できる。したがって、錠剤の寸法誤差が蓄積して各錠剤ポケット211に収容される錠剤の数が所望の数からずれることをより防止することができる。また、この構成によれば、各錠剤ポケット211に収容可能な錠剤の数を、偶数及び奇数のいずれにも設定できる。
【0098】
本実施形態に係る計量容器1において、内筒230は、外ねじ状に構成され、外ねじのねじ溝233は、周方向に平行に延在する平坦部と、周方向に進むに連れて軸方向の位置が変化する坂部234とを有してもよい。上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250は、内筒230と外筒220との間に配置されるリング形状を有する。上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250は、径方向内側表面から内向きに突出し、ねじ溝233の中に、ねじ溝233の中を移動可能に挿入される内向き突起242,252をそれぞれ備える。上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250は、軸方向を中心として内筒230に対して相対回転し、内向き突起242,252が坂部234を通過することによって、軸方向に相対移動する。
【0099】
この構成によれば、前記効果に加えて、上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250を相対回転させることにより、複数の錠剤ポケット211の容積を一度に同様に変更することができる。
【0100】
本実施形態に係る計量容器1は、ヒンジキャップ100を更に備えてもよい。ヒンジキャップ100は、複数の錠剤ポケット211から選択された1つの錠剤ポケット211の中に収容された錠剤を外部に通過可能な寸法を有する錠剤通過孔104と、選択された1つの錠剤ポケット211を除く錠剤ポケット211に蓋をするキャップ本体101と、を有する。錠剤通過孔104は、複数の錠剤ポケット211から選択された1つの錠剤ポケット211の中に収容された錠剤を外部に通過させる位置に移動可能に構成される。
【0101】
この構成によれば、ユーザは、錠剤ポケット211に収容された錠剤を、例えば倒立させて錠剤通過孔104を通過させることにより、一度にすべて取り出すことができる。この構成によれば、ユーザが錠剤を数えながら取出作業をする必要がないため煩わしい作業を低減できる。また、ユーザが錠剤を数え間違えるおそれも低減できる。錠剤通過孔104は、前記のように移動可能であるため、ある錠剤ポケット211が空になっても、錠剤通過孔104を移動させて錠剤が装填された錠剤ポケット211から順次錠剤を取り出すことができる。
【0102】
[2.錠剤整列治具400]
[2-1.錠剤整列治具400の構成]
図53は、錠剤を整列させてポケットパーツ200の錠剤ポケット211に錠剤を装填するための錠剤整列治具400を示す斜視図である。錠剤整列治具400は、例えばねじによって、錠剤容器2に着脱可能に装着される。錠剤整列治具400は、仮蓋500で蓋をすることが可能なように構成されてもよい。
【0103】
図54は、
図53の錠剤整列治具400の分解斜視図である。錠剤整列治具400は、整列治具本体440と、整列治具外筒410と、錠剤ストッパ420と、ホッパーパーツ430とを備える。整列治具外筒410の径方向内側表面には、外向きに窪んだ28個のガイド凹部411が形成されている。ガイド凹部411は、後述のストッパ本体421のガイド凸部422と噛み合う。また、整列治具外筒410の径方向内側表面には、上端付近に、内向きに突出した4個のポケットパーツ係止部412が形成されている。整列治具外筒410の径方向外側表面には、外向きに突出した仮キャップ係止部415が形成されている。
【0104】
図55は、
図54の錠剤ストッパ420を示す斜視図である。錠剤ストッパ420は、リング形状のストッパ本体421を有する。ストッパ本体421には、径方向外側表面から外向きに突出するように形成された28個のガイド凸部422と、径方向内側表面から内向きに突出するように形成された28個の内向き突出部423とが形成されている。28個のガイド凸部422及び28個の内向き突出部423は、周方向に等間隔で配置されている。
【0105】
図56Aは、
図54のホッパーパーツ430を上から見た斜視図である。
図56Bは、
図54のホッパーパーツ430を下から見た斜視図である。
図56Aに示すように、ホッパーパーツ430は、円筒形状の筒部431と、筒部431の径方向外側表面から外向きに突出し、軸方向に延在する爪432と、ホッパーパーツ430から外向きに突出するように形成された28個の外向き突出部433とを備える。28個の外向き突出部433は、周方向に等間隔で配置されている。
図56Bに示すように、ホッパーパーツ430の底部には、円錐形状又は円錐台形状の坂部435が形成されている。坂部435は、本開示の「錠剤整列部」の一例である。
【0106】
[2-2.錠剤整列治具400の動作]
[2-2-1.錠剤装填動作]
図57~61を参照して、錠剤整列治具400を用いて錠剤容器2からポケットパーツ200の錠剤ポケット211に錠剤を装填する錠剤装填動作について説明する。
図57は、ポケットパーツ200と、錠剤容器2に装着された状態の錠剤整列治具400とを示す斜視図である。
図57では、説明の便宜上、錠剤整列治具400は上から見た斜視図として示し、ポケットパーツ200は下から見た斜視図として示している。
【0107】
まず、
図57に示すように、ホッパーパーツ430の筒部431の4個の爪432が、支持筒260の4個のスリット261の中にそれぞれ挿入されるように、ポケットパーツ200をホッパーパーツ430に装着する。このようにしてホッパーパーツ430に対するポケットパーツの位置決めを行うと、整列治具外筒410のポケットパーツ係止部412も、ポケットパーツ200の外筒220に設けられたL字切欠き222に挿入される。装着後は、
図58に示したような状態となる。
【0108】
図58に示した状態において、例えば錠剤整列治具400を把持して固定しながら、ポケットパーツ200を上から見て反時計回りに回転させて、錠剤整列治具400を、錠剤を通過可能な開状態とする。
図59は、このような開状態におけるポケットパーツ200及び錠剤整列治具400を示す斜視図である。上記のようにポケットパーツ200と錠剤整列治具400とを相対的に回転できるのは、錠剤整列治具400のポケットパーツ係止部412が、L字切欠き222内を周方向にスライドするからである。
【0109】
図59に示した開状態において、組み立てられた錠剤容器2、錠剤整列治具400及びポケットパーツ200を倒立させると、
図60に示したような状態となる。開状態では、
図60に示すように、錠剤容器2内の錠剤Tが、錠剤整列治具400を介してポケットパーツ200の錠剤ポケット211に装填される。
【0110】
図61は、
図60の錠剤容器2、錠剤整列治具400及びポケットパーツ200の端面図である。なお、
図61は、組み立てられた錠剤容器2、錠剤整列治具400及びポケットパーツ200を後述の
図63のE5-E5方向に見た端面図である。倒立状態では、錠剤容器2から落下する円柱形状の錠剤Tは、ホッパーパーツ430の円錐形状の坂部435と、整列治具本体440とに挟まれた経路を通過し、その厚さ方向が中心軸Cに垂直になるように整列される。その後、錠剤Tは、ホッパーパーツ430と錠剤ストッパ420との間を通過して、錠剤ポケット211に装填される。
【0111】
[2-2-2.ポケットパーツ200からの取外し動作]
錠剤ポケット211が満たされると、
図62に示すように、錠剤整列治具400をポケットパーツ200に対して上から見て時計回りに回転させ、ポケットパーツ200から錠剤整列治具400を取り外す。この際、錠剤整列治具400は、上記の回転操作により、錠剤ストッパ420により錠剤容器2からの錠剤を通過させない閉状態となる。閉状態では、錠剤容器2からの錠剤が錠剤整列治具400内を通過しないため、錠剤容器2が
図62のように倒立した状態であっても、錠剤が零れることはない。
【0112】
以下、
図63~70を参照して、錠剤整列治具400をポケットパーツ200に対して上から見て時計回りに回転させることにより、錠剤整列治具400を閉状態とする機構について説明する。
【0113】
図63は、
図61の錠剤整列治具400及びポケットパーツ200のE2-E2線端面図である。
図64は、
図60の錠剤容器2、錠剤整列治具400及びポケットパーツ200の底面図である。
図64は、
図59の錠剤容器2、錠剤整列治具400及びポケットパーツ200の平面図に相当する。
【0114】
図65(a)は、
図61の錠剤整列治具400及びポケットパーツ200をE1-E1方向に見た端面図である。
図65(b)は、
図64の錠剤整列治具400及びポケットパーツ200のE3-E3線端面の一部を示す部分端面図である。
図65(c)は、
図64の錠剤整列治具400及びポケットパーツ200のE4-E4線端面の一部を示す部分端面図である。説明の便宜上、
図65(c)は、錠剤ポケット211(
図65には図示せず)が錠剤Tで満たされた状態を示している。後述の
図66~70についても同様である。
【0115】
図66は、開状態における、
図61と同様の端面と、当該端面における錠剤ストッパ420の部分拡大図とを示す端面図である。
図65及び
図66は、錠剤整列治具400が開状態である場合を示しており、錠剤Tは、錠剤整列治具400内を通過可能である。例えば、
図66に示すように、錠剤T1の軸方向の経路は、錠剤ストッパ420によって遮られていない。したがって、開状態では、錠剤容器2内の錠剤Tが、錠剤整列治具400を介してポケットパーツ200の錠剤ポケット211に装填される。
【0116】
図67は、閉状態における、
図65と同様の端面を示す端面図である。
図67(a)に示すように、
図65に示した開状態から、錠剤整列治具400をホッパーパーツ430に対して上から見て時計回りに角度θ5だけ回転させると、錠剤整列治具400が閉状態となる。また、
図65(b)に示した開状態では、整列治具外筒410のポケットパーツ係止部412は、ポケットパーツ200の外筒220のL字切欠き222と噛み合って外筒220に対して軸方向に移動しない。これに対して、
図67(b)に示した閉状態では、噛合いが解除され、整列治具外筒410のポケットパーツ係止部412は、L字切欠き222内を軸方向に移動可能である。
【0117】
図68は、
図67(c)の拡大図である。
図68に示すように、閉状態では、錠剤整列治具400内の最下部にある錠剤T1の下に、錠剤ストッパ420の内向き突出部423が配置される。
【0118】
図69は、閉状態における、
図61と同様の端面と、当該端面における錠剤ストッパ420の部分拡大図とを示す端面図である。
図66と比較すると、
図69では、錠剤整列治具400内の最下部にある錠剤T1の下に、錠剤ストッパ420の内向き突出部423が挿入されている。
【0119】
図67(b)及び
図67(c)に示す閉状態において、
図62に示したようにポケットパーツ200から錠剤整列治具400を取り外すと、それぞれ
図70(a)及び
図70(b)に示した状態となる。
図70(a)に示すように、閉状態では、整列治具外筒410のポケットパーツ係止部412と、ポケットパーツ200の外筒220のL字切欠き222との噛合いが解除され、ポケットパーツ係止部412は、L字切欠き222内を軸方向に移動可能である。
図70(b)に示すように、閉状態では、錠剤整列治具400内の最下部にある錠剤T1の下に、錠剤ストッパ420の内向き突出部423が配置されているため、錠剤T1は錠剤整列治具400から落下することはない。
【0120】
以上のように、整列治具外筒410のポケットパーツ係止部412と、ポケットパーツ200の外筒220のL字切欠き222とを噛み合わせて、錠剤整列治具400をポケットパーツ200に装着すると、錠剤整列治具400が開状態となる。錠剤整列治具400をポケットパーツ200から取り外すために回転操作を行うと、錠剤整列治具400が閉状態となる。このように、ポケットパーツ200に対する錠剤整列治具400の装着及び取外し操作と、錠剤整列治具400の開状態及び閉状態の切替えとが連動する。
【0121】
[2-2-3.錠剤ストッパ420の位置合わせ動作]
図53に示した仮蓋500は、整列治具本体440に対して上から見て時計回りに回転することにより錠剤整列治具400を封止し、逆方向に回転することにより封止を解除する。仮蓋500は、この封止動作の際に、錠剤整列治具400が開状態となるように、錠剤ストッパ420の位置合わせをするように構成される。以下、
図71~76を参照して、仮蓋500による錠剤ストッパ420の位置合わせ動作について説明する。
【0122】
図71は、仮蓋500が錠剤整列治具400及び錠剤容器2に装着された状態の平面図である。
図72は、
図71の仮蓋500、錠剤整列治具400及び錠剤容器2を側面から見た片側端面図である。
図72の左半分は、
図71の仮蓋500、錠剤整列治具400及び錠剤容器2の側面図を示し、
図72の右半分は、
図71のB1-B1線端面図を示している。
図72では、錠剤整列治具400は、錠剤容器2に装着されている(
図53参照)。また、
図72では、錠剤整列治具400に仮蓋500が装着され、仮蓋500の外周から内向きに突出した内向き突出部501が、錠剤整列治具400の仮キャップ係止部415の下に位置している。これにより、仮蓋500は、錠剤整列治具400に対して上向きに移動できない。
【0123】
図73及び
図74は、
図71の仮蓋500及び錠剤整列治具400のB2-B2線端面図である。
図73は、
図53のように仮蓋500が錠剤整列治具400から離れた状態を示している。
図73では、仮蓋500の内向き突出部501と、その下方にある錠剤整列治具400の仮キャップ係止部415との間には、軸方向に間隙がある。
【0124】
図73に示した状態から仮蓋500を下方に移動させて錠剤整列治具400に被せると、
図74に示した状態となる。
図74では、錠剤整列治具400の仮キャップ係止部415が、仮蓋500の内向き突出部501間の隙間に入り込み、内向き突出部501より上方に配置されている。
【0125】
図74に示した状態から、仮蓋500を整列治具本体440に対して上から見て時計回りに回転させると、
図75に示した状態となる。
図75(a)は、
図72の仮蓋500及び錠剤整列治具400のB3-B3線端面図である。
図75(b)は、
図72の仮蓋500及び錠剤整列治具400のB4-B4線端面図である。
図75(c)は、
図75(a),(b)の仮蓋500及び錠剤整列治具400を
図73及び
図74と同一方向に見た端面図である。
図75(c)では、錠剤整列治具400の仮キャップ係止部415が、仮蓋500の内向き突出部501の上から内向きに突出した壁502に接触している。
【0126】
図76は、
図75の状態から、仮蓋500を、錠剤整列治具400の整列治具本体440に対して軸周りに角度θ6だけ回転した状態を示す。
図75(c)と比較すると、
図76(c)では、仮蓋500の壁502が、角度θ6の回転に相当する距離だけ紙面に向かって左に移動している。これに伴い、整列治具外筒410の仮キャップ係止部415が、壁502に押されて紙面に向かって左に移動している。したがって、
図76(a),(b)に示すように、仮蓋500の回転に伴い、整列治具外筒410も、整列治具本体440に対して軸周りに角度θ6だけ回転する。錠剤ストッパ420のガイド凸部422は、整列治具外筒410のガイド凹部411と噛み合っているため、整列治具外筒410の回転に伴い、錠剤ストッパ420も整列治具本体440に対して軸周りに角度θ6だけ回転する。一方、ホッパーパーツ430は整列治具本体440に対して回転しない。このようにして、ホッパーパーツ430に対して錠剤ストッパ420が位置合わせされ、仮蓋500の封止動作に連動して、錠剤整列治具400が開状態となる。
【0127】
[2-3.錠剤整列治具400の効果等]
以上のように、本実施形態に係る錠剤整列治具400は、計量容器1に外部からの錠剤を装填するために用いられる。錠剤整列治具400は、錠剤を計量容器1の第1収容部211a及び第2収容部211bに収容される向きに整列させる坂部435と、外部からの錠剤を通過させる開状態と、通過させない閉状態と、を切替え可能に構成された錠剤ストッパ420と、を備える。
【0128】
この構成により、開状態において、組み立てられた錠剤容器2、錠剤整列治具400及びポケットパーツ200を倒立させるだけで、簡単に第1収容部211a及び第2収容部211bに錠剤を装填することができる。これにより、多数の錠剤を一度の用量毎に仕分けるための医師、薬剤師等の操作者の手間及び工数を削減することができる。また、装填後は錠剤ストッパ420により閉状態に切り替えることにより、錠剤整列治具400から錠剤が零れることを防止することができる。
【0129】
[3.変形例]
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの説明は本発明の一例に過ぎない。上記の例示的な実施形態に対しては、種々の改良や変形を行うことができる。例えば、以下のような変更が可能である。以下の変形例は適宜組み合わせることができる。
【0130】
[3-1.第1変形例]
上記の実施形態では、
図2に例示するように、錠剤ポケット211の第1収容部211aと第2収容部211bとが、周方向に整列している例について説明した。しかしながら、第1収容部211a及び第2収容部211bは、錠剤を直列に収容可能に構成されていればよく、周方向に整列していることは必須ではない。例えば、第1収容部211aと第2収容部211bとは、径方向に整列していてもよい。
【0131】
[3-2.第2変形例]
上記の実施形態では、
図25に例示するように、円柱形状の錠剤Tが、厚さ方向が中心軸Cに垂直になるように錠剤ポケット211に装填される例について説明した。しかしながら、錠剤Tは、厚さ方向が径方向に垂直であり、周方向を向くように錠剤ポケット211に装填されてもよい。さらに、錠剤Tは、厚さ方向が径方向及び周方向のいずれとも垂直になるように錠剤ポケット211に装填されてもよい。
【0132】
[3-3.第3変形例]
上記の実施形態では、各錠剤ポケット211が、複数の収容部211a,211bを備える例について説明した(例えば
図2参照)。しかしながら、各錠剤ポケット211は、錠剤を直列に収容可能な1列の収納部のみから構成されてもよい。
【0133】
図77は、本開示の実施形態の第3変形例に係る計量容器1aの分解斜視図である。計量容器1aのポケットパーツ200aは、周方向に等間隔で整列した14個の錠剤ポケット211を備える。錠剤ポケット211には、錠剤を直列に収容可能に構成されている。上記の実施形態と異なり、計量容器1aの錠剤ポケット211は、複数の収納部を有しない。
【0134】
計量容器1aのヒンジキャップ100aの錠剤通過孔104aは、錠剤ポケット211内に収容された錠剤Tを通過可能な寸法を有する。上記の実施形態と比較すると、ヒンジキャップ100の錠剤通過孔104は、隣接する第1収容部211aと第2収容部211bを包含する周方向の幅を有し、計量容器1を倒立させると、2列分(第1収容部211a及び第2収容部211b)の錠剤を通過可能に構成されている。これに対し、ヒンジキャップ100aの錠剤通過孔104aは、1列構成の錠剤ポケット211内の錠剤のみを通過可能に構成されている。
【0135】
本変形例に係る計量容器1aは、上記の実施形態の上側錠数設定パーツ240及び下側錠数設定パーツ250に代えて、内筒230又は外筒220に対して軸方向に相対移動可能な錠数設定パーツ240aを備える。
【0136】
【0137】
図7,8に示した上側錠数設定パーツ240と同様に、錠数設定パーツ240aは、リング形状の本体241aと、本体241aの径方向外側表面から外向きに突出した14個の歯243aと、本体241aの径方向内側表面から内向きに突出した4個の内向き突起242aとを備える。
図11~18を参照して説明したように、本変形例においても、内向き突起242aは、内筒230のねじ溝の中を進行可能であり、軸方向に相対移動することによって、錠剤ポケット211の容積を変更可能に構成されている。
【0138】
以上のように、本変形例に係る計量容器1aは、内筒230と、内筒230の周囲に配置された外筒220と、内筒230又は外筒220に対して軸方向に相対移動可能な錠数設定パーツ240aとを備える。内筒230と外筒220との間には、複数の錠剤を直列収容可能な容積をそれぞれ有する複数の錠剤ポケット211が設けられている。錠数設定パーツ240aは、軸方向に相対移動することによって、錠剤ポケット211の容積を変更可能に構成されている。
【0139】
本変形例に係る計量容器1aは、上記の実施形態に係る計量容器1と同様に、錠剤ポケット211に収容可能な錠剤の数を、所望の数に設定することができる。したがって、様々な形状の計量容器を設計及び製造し、在庫として保管する必要がないため、製造コスト及び在庫の保管スペースを低減できる。
【符号の説明】
【0140】
1 計量容器
2 錠剤容器
100 ヒンジキャップ
101 キャップ本体
102 上蓋
103 ヒンジ部
104 錠剤通過孔
105a, 105b 孔閉止部
106 ジョイント孔
110 凹凸壁
110a 凹部
110b 凸部
150 ジョイント
151 フック
152 爪
153 キャップ係止部
154 支持筒係止部
156 周壁
157 板部
200 ポケットパーツ
210 蓋
211 錠剤ポケット(錠剤収容部)
211a 第1収容部
211b 第2収容部
211-1 第1錠剤ポケット
211-2 第2錠剤ポケット
215 錠数表示
220 外筒
221 仕切り
222 L字切欠き
230 内筒
231 内筒本体
232 ねじ山
233 ねじ溝
234 坂部
234-1 第1坂
234-2 第2坂
234-3 第3坂
234-4 第4坂
235 爪
236-1~236-8 窪み
240 上側錠数設定パーツ(第1錠数設定パーツ)
241 上側本体
242 内向き突起
243 歯
244 外向き突起
250 下側錠数設定パーツ(第2錠数設定パーツ)
251 下側本体
252 内向き突起
253 櫛歯
254 溝
260 支持筒
261 スリット
263 首部
265-1,265-2 内筒係止部
267 底蓋係止部
270 底蓋
271 爪
300 マルチ治具
310 ジョイント解除治具
311 筒部
312 テーパ凹部
320 錠数設定治具
321 爪
400 錠剤整列治具
410 整列治具外筒
411 ガイド凹部
412 ポケットパーツ係止部
415 仮キャップ係止部
420 錠剤ストッパ
421 ストッパ本体
422 ガイド凸部
423 内向き突出部
430 ホッパーパーツ
431 筒部
432 爪
433 外向き突出部
435 坂部
440 整列治具本体
500 仮蓋
501 内向き突出部
502 壁
T 錠剤