(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/84 20060101AFI20241216BHJP
B65C 9/02 20060101ALI20241216BHJP
B65G 19/22 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
B65G47/84 E
B65C9/02
B65G19/22 C
(21)【出願番号】P 2020190885
(22)【出願日】2020-11-17
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】591037476
【氏名又は名称】株式会社ILファーマパッケージング
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】暮石 光博
(72)【発明者】
【氏名】岩松 弘憲
(72)【発明者】
【氏名】炭谷 彰
(72)【発明者】
【氏名】田中 愼一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 裕之
(72)【発明者】
【氏名】安藤 昭好
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-132135(JP,A)
【文献】特開平1-285523(JP,A)
【文献】特開平4-235825(JP,A)
【文献】特公昭49-33467(JP,B1)
【文献】特開2010-215244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/84
B65G 19/22
B65C 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送するように構成された搬送装置であって、
前記物品の搬送方向に延びるガイドと、
前記ガイドとの間に前記物品を保持し、前記搬送方向に移動するように構成された保持ユニットと、
を備え、
前記保持ユニットは、第1ローラーと、前記第1ローラーよりも直径が大きい第2ローラーとを含む複数のローラーが1つの軸方向に沿って並ぶローラーユニットを複数備え、
前記保持ユニットは、前記軸方向に移動可能に構成され、
前記保持ユニットが前記軸方向に移動することで、前記物品に当接する前記ローラーが、前記複数のローラーの中で切り替わるように構成された、
搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送装置であって、
前記軸方向は前記搬送方向に直交する、
搬送装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の搬送装置であって、
前記ガイドは、前記保持ユニットに近づく方向、又は、前記保持ユニットから遠ざかる方向に移動可能に構成された、
搬送装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の搬送装置であって、
前記物品の搬送経路の少なくとも一部において、前記搬送方向は直線に沿った方向である、
搬送装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の搬送装置であって、
前記物品は容器であり、
前記搬送装置は、前記容器にラベルを貼付するラベル貼付システムの一部である、
搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を搬送する搬送装置が特許文献1に開示されている。搬送装置は、複数のホイールを備える。それぞれのホイールの外周端には、物品を収容するための凹部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
凹部の形状は、搬送する物品に応じて設計されている。搬送する物品を変更する場合、搬送ホイール等を、変更後の物品に対応したものに交換する必要がある。
本開示の1つの局面では、必ずしも部品を交換しなくても、2種類以上の物品を搬送できる搬送装置を提供することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つの局面は、物品を搬送するように構成された搬送装置である。搬送装置は、前記物品の搬送方向に延びるガイドと、前記ガイドとの間に前記物品を保持し、前記搬送方向に移動するように構成された保持ユニットとを備える。
【0006】
前記保持ユニットは、第1ローラーと、前記第1ローラーよりも直径が大きい第2ローラーとを含む複数のローラーが1つの軸方向に沿って並ぶローラーユニットを複数備える。前記保持ユニットは、前記軸方向に移動可能に構成される。前記保持ユニットが前記軸方向に移動することで、前記物品に当接する前記ローラーが、前記複数のローラーの中で切り替わる。
【0007】
本開示の1つの局面である搬送装置は、必ずしも部品を交換しなくても、2種類以上の物品を搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ラベル貼付システム1の構成を表す水平断面図である。
【
図3】搬送装置5のうち、方向Fの側の部分を表す側面図である。
【
図4】搬送装置5のうち、方向Bの側の部分を表す側面図である。
【
図5】レールユニット21及び保持ユニット23の構成を表す側面図である。
【
図6】レールユニット21及び保持ユニット23の構成を表す側面図である。
【
図7】レールユニット21、保持ユニット23、及びガイド25の構成を表す縦断面図である。
【
図8】下部ローラー59A、59Bとガイド25とにより容器101を保持した状態を表す説明図である。
【
図9】上部ローラー57A、57Bとガイド25とにより容器101を保持した状態を表す説明図である。
【
図10】経路切替レール37の構成を表す説明図である。
【
図11】経路切替レール39の構成を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
1.ラベル貼付システム1の構成
ラベル貼付システム1の構成を、
図1に基づき説明する。ラベル貼付システム1は、容器にラベルを貼付するシステムである。容器は物体に対応する。
図1における右方向を方向R、
図1における左方向を方向L、
図1における下方向を方向F、
図1における上方向を方向B、
図1において紙面に直交し、手前に向かう方向を方向U、
図1において紙面に直交し、奥に向かう方向を方向Dとする。方向Uは鉛直上向きである。方向Dは鉛直下向きである。
【0010】
ラベル貼付システム1は、容器導入装置3と、搬送装置5と、ラベル貼付装置7と、物品選別装置9と、を備える。
容器導入装置3は、水平供給コンベア11と、2つのロボット13と、を備える。作業員は、ラベルを未だ貼付していない容器を水平供給コンベア11の上に投入する。水平供給コンベア11は、容器を方向Fに送る。水平供給コンベア11における方向Fの側の先端にて、10個の容器が、方向R、Lに沿って一列に並ぶ。ロボット13は、一度に10個の容器を、搬送装置5における導入位置15に導入する。
【0011】
搬送装置5は、容器を、導入位置15から、方向Rに搬送する。搬送されている容器に対し、ラベル貼付装置7はラベルを貼付する。搬送装置5は、ラベルを貼付する工程が終了した容器(以下では貼付済容器とする)を、方向Rにさらに搬送する。
【0012】
物品選別装置9は、搬送されてきた貼付済容器を、良品と不良品とに選別する。良品とは、ラベルが正常に貼付された容器である。不良品とは、ラベルが正常に貼付されなかった容器である。物品選別装置9は、不良品を不良品用通路17に送り出す。物品選別装置9は、良品を良品用台19の上に送る。
【0013】
2.搬送装置5の構成
搬送装置5の構成を、
図1~
図12に基づき説明する。搬送装置5は、レールユニット21と、複数の保持ユニット23と、ガイド25と、を備える。
【0014】
図2に示すように、方向Uの側の視点から見たとき、レールユニット21は、方向R、Lに長い環状の形態を有する。
図3、
図4に示すように、レールユニット21は、上レール27、下レール29、上チェーン31、及び下チェーン33を備える。上レール27、下レール29、上チェーン31、及び下チェーン33は、それぞれ、環状のレールユニット21の周方向に沿って延びている。上レール27、下レール29、上チェーン31、及び下チェーン33は、それぞれ、水平方向に延びている。
【0015】
上チェーン31は、レールユニット21の中で、最も方向Uの側にある。上レール27は、上チェーン31よりも方向Dの側にある。下レール29は、上レール27よりも方向Dの側にある。下チェーン33は、下レール29よりも方向Dの側にある。
【0016】
図5、
図6に示すように、上レール27は、外周側に凹形状の溝35を備える。外周側とは、
図2に示すように、方向Uの側の視点から見たとき、環状のレールユニット21の中心から遠ざかる方向である。溝35は上レール27の長手方向に沿って延びている。下レール29も、上レール27と同様に、溝35を備える。
【0017】
図4に示すように、レールユニット21のうち、方向Bの側の部分に、経路切替レール37、39が設けられている。経路切替レール37、39は上レール27と下レール29とを接続する。経路切替レール37は、方向Lに進むほど、方向Dに進むように傾斜している。経路切替レール39は、方向Lに進むほど、方向Uに進むように傾斜している。
【0018】
図10に示すように、経路切替レール37は、上レール27及び下レール29と同様に溝35を備える。溝35は経路切替レール37の外周側にある。溝35は経路切替レール37の長手方向に沿って延びている。
【0019】
経路切替レール37と上レール27との交点付近にエアシリンダ41が設けられている。経路切替レール37と下レール29との交点付近にエアシリンダ43が設けられている。
エアシリンダ41は、3角形のストッパ45を動かすことができる。ストッパ45の位置は、上レール27の溝35を塞ぎ、経路切替レール37の溝35を開放する位置と、経路切替レール37の溝35を塞ぎ、上レール27の溝35を開放する位置とのうちのいずれか一方である。
【0020】
エアシリンダ43は、3角形のストッパ45を動かすことができる。ストッパ45の位置は、下レール29の溝35を塞ぎ、経路切替レール37の溝35を開放する位置と、経路切替レール37の溝35を塞ぎ、下レール29の溝35を開放する位置とのうちのいずれか一方である。
【0021】
図11に示すように、経路切替レール39は、上レール27及び下レール29と同様に溝35を備える。溝35は経路切替レール39の外周側にある。溝35は経路切替レール39の長手方向に沿って延びている。経路切替レール39と
下レール
29との交点付近にエアシリンダ47が設けられている。経路切替レール39と
上レール
27との交点付近にエアシリンダ49が設けられている。
【0022】
エアシリンダ47は、3角形のストッパ45を動かすことができる。ストッパ45の位置は、下レール29の溝35を塞ぎ、経路切替レール39の溝35を開放する位置と、経路切替レール39の溝35を塞ぎ、下レール29の溝35を開放する位置とのうちのいずれか一方である。
【0023】
エアシリンダ49は、3角形のストッパ45を動かすことができる。ストッパ45の位置は、上レール27の溝35を塞ぎ、経路切替レール39の溝35を開放する位置と、経路切替レール39の溝35を塞ぎ、上レール27の溝35を開放する位置とのうちのいずれか一方である。
【0024】
上チェーン31及び下チェーン33は、図示しない駆動源の駆動力により、
図3に示すX方向に回転する。レールユニット21のうち、方向Fの側の部分では、上チェーン31及び下チェーン33は、方向Rに移動する。方向Rは搬送方向に対応する。上チェーン31の速度と下チェーン33の速度とは同じである。
【0025】
図5、
図6に示すように保持ユニット23は、2本のシャフト51と、スライド部53と、ローラー支持部55と、上部ローラー57A、57Bと、下部ローラー59A、59Bと、カムフォロア61と、を備える。なお、上部ローラー57A、57Bは第1ローラーに対応する。下部ローラー59A、59Bは第2ローラーに対応する。
【0026】
2本のシャフト51はX方向に沿って間隔をおいて並んでいる。2本のシャフト51の軸方向は方向U、Dに平行である。2本のシャフト51の上端はそれぞれ上チェーン31に固定されている。2本のシャフト51の下端はそれぞれ下チェーン33に固定されている。上チェーン31及び下チェーン33がX方向に回転したとき、2本のシャフト51はX方向に移動する。
【0027】
スライド部53は、方向U、Dに平行に延びる2本の貫通孔を有する。それぞれの貫通孔にシャフト51が差し込まれている。貫通孔の内部にはブッシュが取付けられている。ブッシュはシャフト51に外挿されている。ブッシュの内周面とシャフト51の外周面とが摺動することにより、スライド部53は、方向U、Dに移動可能である。
【0028】
ローラー支持部55は、スライド部53の外周側に固定されている。外周側とは、
図2に示すように、方向Uの側の視点から見たとき、環状のレールユニット21の中心から遠ざかる方向である。ローラー支持部55は、外周側に張り出す支持板63、65を備える。支持板65は支持板63よりも下方向Dの側にある。
【0029】
支持板63の下面から、ローラー軸65A、65Bが下方向Dに延びている。ローラー軸65A、65Bは、X方向に沿って並んでいる。支持板65の下面から、ローラー軸67A、67Bが下方向Dに延びている。ローラー軸67A、67Bは、X方向に沿って並んでいる。ローラー軸65Aとローラー軸67Aとは一直線上にある。ローラー軸65Bとローラー軸67Bとは一直線上にある。
【0030】
上部ローラー57Aは、ローラー軸65Aに回転可能に取付けられている。上部ローラー57Aの軸方向は方向U、Dと平行である。上部ローラー57Bは、ローラー軸65Bに回転可能に取付けられている。上部ローラー57Bの軸方向は方向U、Dと平行である。上部ローラー57A、57Bは、X方向に沿って、間隔をおいて並んでいる。上部ローラー57A、57Bの方向U、Dにおける位置は同じである。上部ローラー57A、57Bの形状は円筒形である。上部ローラー57A、57Bの直径は同じである。上部ローラー57A、57Bの軸方向における長さは同じである。
【0031】
下部ローラー59Aは、ローラー軸67Aに回転可能に取付けられている。下部ローラー59Aの軸方向は方向U、Dと平行である。下部ローラー59Bは、ローラー軸67Bに回転可能に取付けられている。下部ローラー59Bの軸方向は方向U、Dと平行である。下部ローラー59A、59Bは、X方向に沿って、間隔をおいて並んでいる。下部ローラー59A、59Bの方向U、Dにおける位置は同じである。下部ローラー59A、59Bの形状は円筒形である。下部ローラー59A、59Bの直径は同じである。下部ローラー59A、59Bの軸方向における長さは同じである。
【0032】
下部ローラー59Aは、上部ローラー57Aよりも下方向Dの側にある。下部ローラー59Aの回転軸と、上部ローラー57Aの回転軸とは一直線上にある。上部ローラー57Aと下部ローラー59Aとは、方向U、Dに平行な1つの軸方向に沿って並んでいる。この軸方向は、方向Rと直交する。上部ローラー57Aと下部ローラー59Aとは、ローラーユニットに対応する。下部ローラー59Aの直径は上部ローラー57Aの直径より大きい。
【0033】
下部ローラー59Bは、上部ローラー57Bよりも下方向Dの側にある。下部ローラー59Bの回転軸と、上部ローラー57Bの回転軸とは一直線上にある。上部ローラー57Bと下部ローラー59Bとは、方向U、Dに平行な1つの軸方向に沿って並んでいる。この軸方向は、方向Rと直交する。上部ローラー57Bと下部ローラー59Bとは、ローラーユニットに対応する。よって、保持ユニット23は、上部ローラー57A及び下部ローラー59Aから成るローラーユニットと、上部ローラー57B及び下部ローラー59Bから成るローラーユニットと、を備える。下部ローラー59Bの直径は上部ローラー57Bの直径より大きい。
【0034】
図5、
図6に示すように、カムフォロア61は、スライド部53のうち、内周側の部分に取り付けられている。内周側とは、
図2に示すように、方向Uの側の視点から見たとき、環状のレールユニット21の中心に向かう方向である。カムフォロア61は、スライド部53よりも内周側に突出している。カムフォロア61は、上レール27の溝35、又は下レール29の溝35に差し込まれている。
【0035】
上チェーン31及び下チェーン33がX方向に回転することで、保持ユニット23は、X方向に移動する。保持ユニット23は、環状のレールユニット21を一周することができる。
スライド部53が備えるブッシュの内周面とシャフト51の外周面とが摺動することにより、保持ユニット23は、方向U、Dに移動可能である。方向U、Dは、上部ローラー57A、57B及び下部ローラー59A、59Bの軸方向と平行である。
【0036】
ただし、カムフォロア61が上レール27の溝35に差し込まれている場合、保持ユニット23の方向U、Dにおける位置は、上レール27により規定される。また、カムフォロア61が下レール29の溝35に差し込まれている場合、保持ユニット23の方向U、Dにおける位置は、下レール29により規定される。
【0037】
以下では、カムフォロア61が上レール27の溝35に差し込まれている状態を上方変位状態とする。また、カムフォロア61が下レール29の溝35に差し込まれている状態を下方変位状態とする。上方変位状態である場合は、下方変位状態である場合よりも、保持ユニット23は方向Uの側に位置する。
【0038】
図1に示すように、ガイド25は、方向L、Rと平行に延びる長尺の部材である。
図1、
図7に示すように、ガイド25は、レールユニット21及び保持ユニット23よりも方向Fの側にある。
図7に示すように、方向Rの側の視点から見たとき、ガイド25は、側板25Aと底板25Bとから成るL字型の形状を有する。側板25Aは方向U、Dと平行に延びている。底板25Bは、側板25Aの下端から、方向Bに延びている。
【0039】
上方変位状態である場合、
図7に示すように、下部ローラー59A、59Bがガイド25と対向する。下方変位状態である場合、上部ローラー57A、57Bがガイド25と対向する。すなわち、保持ユニット23が方向U、Dに移動することで、ガイド25と対向するローラーが、上部ローラー57A、57Bと、下部ローラー59A、59Bとの中で切り替わる。
【0040】
上部ローラー57Aの回転軸と、下部ローラー59Aの回転軸とは、いずれも方向U、Dと平行であり、一直線上にある。下部ローラー59Aの直径は上部ローラー57Aの直径より大きい。また、上部ローラー57Bの回転軸と、下部ローラー59Bの回転軸とは、いずれも方向U、Dと平行であり、一直線上にある。下部ローラー59Bの直径は上部ローラー57Bの直径より大きい。
【0041】
よって、上方変位状態である場合におけるガイド25と下部ローラー59A、59Bとの距離は、下方変位状態である場合におけるガイド25と上部ローラー57A、57Bとの距離よりも小さい。
図12に示すように、ガイド25は、方向F、Bに移動することができる。ガイド25が方向Fに移動するほど、ガイド25は、上部ローラー57A、57B又は下部ローラー59A、59Bから離れる。例えば、搬送する容器の直径が大きいほど、ガイド25の位置を方向Fの側に移動させることができる。
【0042】
3.搬送装置5が実行する処理
搬送装置5が実行する処理を説明する。容器導入装置3は、容器101を、搬送装置5における導入位置15に導入する。容器101は、例えば、円筒形状の胴部を備える。導入位置15は、搬送装置5のうち、方向Fの側であり、方向Lの側にある位置である。導入位置15において、保持ユニット23は、
図7に示すように、ガイド25との間に1つの容器101を保持する。
【0043】
上方変位状態である場合は、
図7、
図8に示すように、下部ローラー59A、59Bとガイド25とにより容器101を保持する。下部ローラー59A、59Bは容器101の側面に当接する。ガイド25の側板25Aは容器101の側面に当接し、底板25Bは容器101の底面を下から支える。下部ローラー59A、59Bと側板25Aとは容器101を両側から挟む。下部ローラー59A、59Bとガイド25とは、例えば、容器101のうち、円筒形状の胴部を保持する。
【0044】
下方変位状態である場合は、
図9に示すように、上部ローラー57A、57Bとガイド25とにより容器101を保持する。上部ローラー57A、57Bは容器101の側面に当接する。ガイド25の側板25Aは容器101の側面に当接し、底板25Bは容器101の底面を下から支える。上部ローラー57A、57Bと側板25Aとは容器101を両側から挟む。上部ローラー57A、57Bとガイド25とは、例えば、容器101のうち、円筒形状の胴部を保持する。
【0045】
上記のように、保持ユニット23が方向U、Dに移動することで、容器101に当接するローラーが、上部ローラー57A、57Bと、下部ローラー59A、59Bとの中で切り替わる。
保持ユニット23は、容器101を保持した状態で、方向Rに移動する。容器101は、ガイド25の表面に沿って滑りながら方向Rに移動する。以上の処理により、搬送装置5は容器101を方向Rに搬送する。容器101の搬送方向は、直線に沿った方向である。
【0046】
搬送装置5は、以下のようにして、上方変位状態から、下方変位状態に切り替えることができる。上方変位状態であるとき、カムフォロア61は、上レール27の溝35に差し込まれている。
図10に示すエアシリンダ41のストッパ45の位置を、上レール27の溝35を塞ぎ、経路切替レール37の溝35を開放する位置とする。また、エアシリンダ43のストッパ45の位置を、下レール29の溝35を塞ぎ、経路切替レール37の溝35を開放する位置とする。カムフォロア61は、上レール27から、経路切替レール37を経て、下レール29に進む。その結果、上方変位状態から、下方変位状態に切り替わる。
【0047】
なお、上方変位状態を維持する場合は、
図10に示すエアシリンダ41のストッパ45の位置を、上レール27の溝35を開放し、経路切替レール37の溝35を塞ぐ位置とする。また、エアシリンダ43のストッパ45の位置を、下レール29の溝35を開放し、経路切替レール37の溝35を塞ぐ位置とする。カムフォロア61は、経路切替レール37に入らず、上レール27の溝35に差し込まれた状態を維持する。
【0048】
搬送装置5は、以下のようにして、下方変位状態から、上方変位状態に切り替えることができる。下方変位状態であるとき、カムフォロア61は、下レール29の溝35に差し込まれている。
図11に示すエアシリンダ47のストッパ45の位置を、下レール29の溝35を塞ぎ、経路切替レール39の溝35を開放する位置とする。また、エアシリンダ49のストッパ45の位置を、上レール27の溝35を塞ぎ、経路切替レール39の溝35を開放する位置とする。カムフォロア61は、下レール29から、経路切替レール39を経て、上レール27に進む。その結果、下方変位状態から、上方変位状態に切り替わる。
【0049】
なお、下方変位状態を維持する場合は、
図11に示すエアシリンダ47のストッパ45の位置を、下レール29溝35を開放し、経路切替レール39の溝35を塞ぐ位置とする。また、エアシリンダ49のストッパ45の位置を、上レール27の溝35を開放し、経路切替レール39の溝35を塞ぐ位置とする。カムフォロア61は、経路切替レール39に入らず、下レール29の溝35に差し込まれた状態を維持する。
【0050】
4.搬送装置5が奏する効果
(1A)搬送装置5は、上方変位状態と、下方変位状態とになることができる。上方変位状態である場合におけるガイド25と下部ローラー59A、59Bとの距離は、下方変位状態である場合におけるガイド25と上部ローラー57A、57Bとの距離よりも小さい。
【0051】
搬送装置5は、例えば、搬送する容器が大きい場合は、下方変位状態として、ガイド25と上部ローラー57A、57Bとの距離を大きくすることができる。また、搬送装置5は、例えば、搬送する容器が小さい場合は、上方変位状態として、ガイド25と下部ローラー59A、59Bとの距離を小さくすることができる。そのため、搬送装置5は、必ずしも部品を交換しなくても、2種類以上の容器を搬送できる。
【0052】
(1B)保持ユニット23は、方向U、Dに移動することができる。搬送装置5は容器を方向Rに搬送する。よって、保持ユニット23は、容器の搬送方向とは直交する方向に移動することができる。そのため、搬送装置5は、上方変位状態から下方変位状態への切り替え、及び、下方変位状態から上方変位状態への切り替えを効率的に行うことができる。
【0053】
(1C)ガイド25は、保持ユニット23に近づく方向、又は、保持ユニット23から遠ざかる方向に移動可能である。搬送装置5は、ガイド25を移動させることにより、ガイド25と保持ユニット23との距離を、搬送する容器に応じて調整することができる。
【0054】
(1D)搬送装置5が容器を搬送する搬送方向は、直線に沿った方向である。そのため、搬送装置5は、容器を効率的に搬送できる。
(1E)搬送装置5は、ラベル貼付システム1の一部である。そのため、ラベル貼付システム1は、必ずしも部品を交換しなくても、2種類以上の容器を搬送できる。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0055】
(1)搬送装置5は、容器以外の物品を搬送する装置であってもよい。
(2)搬送装置5は、ラベル貼付システム1以外のシステムの一部であってもよい。
(3)保持ユニット23は、3以上のローラーが1つの軸方向に並ぶローラーユニットを備えていてもよい。3以上のローラーは、例えば、直径がそれぞれ異なる。1つの軸方向に並ぶローラーの数として、例えば、3、4、5、6、7・・・が挙げられる。
【0056】
(4)第1実施形態では、保持ユニット23は2つのローラーユニットを備えている。保持ユニット23が備えるローラーユニットの数は3以上であってもよい。
(5)搬送装置5は、一部又は全部が曲線である搬送経路に沿って容器を搬送してもよい。
【0057】
(6)上部ローラー57A、57Bの直径は、下部ローラー59A、59Bの直径よりも大きくてもよい。
(7)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【0058】
(8)上述した搬送装置の他、当該搬送装置を構成要素とするシステム、当該搬送装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、物品の搬送方法等種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0059】
1…ラベル貼付システム、3…容器導入装置、5…搬送装置、7…ラベル貼付装置、9…物品選別装置、11…水平供給コンベア、13…ロボット、17…不良品用通路、19…良品用台、21…レールユニット、23…保持ユニット、25…ガイド、25A…側板、25B…底板、27…上レール、29…下レール、31…上チェーン、33…下チェーン、35…溝、37、39…経路切替レール、41、43、47、49…エアシリンダ、45…ストッパ、51…シャフト、53…スライド部、55…ローラー支持部、57A、57B…上部ローラー、59A、59B…下部ローラー、61…カムフォロア、63、65…支持板、65A、65B、67A、67B…ローラー軸、101…容器