(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】プリンタ及びサーマルヘッド
(51)【国際特許分類】
B41J 2/32 20060101AFI20241216BHJP
B41J 25/304 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
B41J2/32 C
B41J25/304 F
B41J25/304 Z
(21)【出願番号】P 2020215146
(22)【出願日】2020-12-24
【審査請求日】2023-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】長能 弘明
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 栄
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-334953(JP,A)
【文献】特開平09-104150(JP,A)
【文献】実開昭59-076351(JP,U)
【文献】特開2019-147347(JP,A)
【文献】実開昭62-121944(JP,U)
【文献】特開2001-088338(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0176372(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/32
B41J 25/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される用紙に印字を行うプリンタにおいて、
サーマルヘッドを保持する保持部と、
前記保持部に装着される前記サーマルヘッドの向きを規制する第1の規制部と、
前記用紙の幅方向における前記サーマルヘッドの位置を規制する第2の規制部と、
を有
し、
前記保持部は、
プリンタの蓋部に軸支される本体と、
前記本体に軸支され、前記サーマルヘッドを着脱する開き位置と、前記サーマルヘッドを保持する閉じ位置との間で回動される扉と、
を含み、
前記サーマルヘッドは、前記閉じ位置に回動させた前記扉と前記本体とにより挟持される
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
請求項
1に記載のプリンタにおいて、
前記扉は、前記サーマルヘッドに設けた挿通孔に挿通されて前記サーマルヘッドを前記扉に位置決めする位置決め突起を有することを特徴とするプリンタ。
【請求項3】
請求項
1に記載のプリンタにおいて、
前記本体は、前記サーマルヘッドを吸着保持する吸着手段を有し、
前記扉は、前記本体に前記サーマルヘッドを吸着保持した状態で、前記閉じ位置へと回動されることを特徴とするプリンタ。
【請求項4】
請求項
1に記載のプリンタにおいて、
前記本体は、
前記本体に取り付けられる前記サーマルヘッドを下方にて支持する支持部と、
前記支持部によって支持される前記サーマルヘッドの前記本体への位置決めを行う位置決め部と、を有することを特徴とするプリンタ。
【請求項5】
請求項
3又は請求項
4に記載のプリンタにおいて、
前記サーマルヘッドの接点に当接され、前記サーマルヘッドに向けて電力を供給する接続部と、
前記扉に設けられ、前記扉を閉じたときに、前記サーマルヘッドの接点と前記接続部との接続を維持する維持部と、を有することを特徴とするプリンタ。
【請求項6】
プリンタに設けた保持部に保持され、搬送される用紙をプラテンローラに押し付けた状態で印字を行うサーマルヘッドにおいて、
複数の発熱素子と、
前記複数の発熱素子が発した熱を放熱する放熱部材と、
前記用紙の幅方向に沿って前記複数の発熱素子が配列された第1面と、前記第1面の裏側に位置し、前記放熱部材及び前記保持部に設けた端子部に接触される接点部を有する第2面と、を有する基板と、
を含み、
前記基板は、
第1の向きとなる前記サーマルヘッドを前記保持部に装着するときに、前記保持部に設けたガイド部を受容する一方で、前記第1の向きとは異なる第2の向きとなる前記サーマルヘッドを前記保持部に装着するときに、前記ガイド部の受容を不能とすることで、前記保持部に装着されるサーマルヘッドの向きを規制する規制部を有することを特徴とするサーマルヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される用紙の幅方向に配列された複数の発熱素子を有し、前記複数の発熱素子のいずれかの発熱素子による発熱により、前記用紙に印字を行うプリンタ及びサーマルヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
帯状のラベル材や紙材などの印字媒体にサーマルヘッドを用いて印字を行うサーマルプリンタが一般に提供されている。サーマルヘッドは、消耗品であり、サーマルヘッドの寿命や故障時には、サーマルヘッドの交換が必要となる。サーマルヘッドの交換は、サーマルプリンタの販売元が有する工場へと送付することで行われるか、メンテナンス業者により実施されるため、サーマルヘッドの交換におけるサーマルプリンタを所有する所有者の負担が大きい。
【0003】
近年では、所有者がサーマルヘッドの交換を容易に行うことができるようにしたサーマルプリンタが提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1では、サーマルヘッドの短手方向における一端側を印字ヘッドベースに嵌合させた状態で、サーマルヘッドは、印字ヘッドホルダに一端を係合させた状態でプリンタ内部に保持されている。特許文献1では、サーマルヘッドは、印字ヘッドホルダを変形させてサーマルヘッドの一端側における係合を解除することで、印字ヘッドホルダから取り外される。
【0004】
また、特許文献2では、サーマルヘッドは、サーマルヘッドの側面に設けた溝に爪に設けた突起部を嵌合させることで、ヘッドユニットに固定される。特許文献2は、遮蔽部材をヘッドユニットに向けて回転させることで、コネクタがサーマルヘッドの接続部に接続されることを開示している。したがって、特許文献2では、サーマルヘッドをヘッドユニットから取り外す作業は、遮蔽部材をヘッドユニットから離間する方向に回動させてコネクタとサーマルヘッドの接続部との接続を解除する作業と、爪の内側に設けた突起部とサーマルヘッドの溝との嵌合を解除する作業とが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-133364号公報
【文献】特開2019-147347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1や特許文献2では、サーマルヘッドの着脱は、印字ヘッドホルダやヘッドユニットの爪を弾性変形させて行うものである。したがって、不慣れな使用者がサーマルヘッドの交換を行う場合、印字ヘッドホルダやヘッドユニットの爪の他、サーマルヘッドを破損させるという問題がある。
【0007】
また、特許文献2では、コネクタとサーマルヘッドの接続部との接続又は接続解除は、遮蔽部材の開閉により行われる。ヘッドユニットに対するサーマルヘッドの取り付けは、例えばヘッドユニットの凸部をサーマルヘッドの凹部に挿入した後、サーマルヘッドの側面に設けた溝に爪に設けた突起部を嵌合させるものである。したがって、ヘッドユニットに対するコネクタの組付精度が悪いと、コネクタがサーマルヘッドの接続部に確実に接続されないという問題がある。
【0008】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サーマルヘッドの着脱を容易に行い、同時に、サーマルヘッドの電気接続を確実に行うことができる技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、第1の観点によると、搬送される用紙に印字を行うプリンタにおいて、サーマルヘッドを保持する保持部と、前記保持部に装着される前記サーマルヘッドの向きを規制する第1の規制部と、前記用紙の幅方向における前記サーマルヘッドの位置を規制する第2の規制部と、を有することを特徴としている。
【0010】
また、別の観点によると、プリンタに設けた保持部に保持され、搬送される用紙をプラテンローラに押し付けた状態で印字を行うサーマルヘッドにおいて、複数の発熱素子と、前記複数の発熱素子が発した熱を放熱する放熱部材と、前記用紙の幅方向に沿って前記複数の発熱素子が配列された第1面と、前記第1面の裏側に位置し、前記放熱部材及び前記保持部に設けた端子部に接触される接点部を有する第2面と、を有する基板と、を含み、前記基板は、第1の向きとなる前記サーマルヘッドを前記保持部に装着するときに、前記保持部に設けたガイド部を受容する一方で、前記第1の向きとは異なる第2の向きとなる前記サーマルヘッドを前記保持部に装着するときに、前記ガイド部の受容を不能とすることで、前記保持部に装着されるサーマルヘッドの向きを規制する規制部を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、サーマルヘッドの着脱を容易に行い、同時に、サーマルヘッドの電気接続を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態におけるプリンタの外観の一例を示す斜視図である。
【
図2】プリンタの内部の構成のうち、印字に係る主要構成の一例を示す説明図である。
【
図3】
図3(a)は保護カバーが閉じ位置にあるときのローラ保持部の外観の一例を示す斜視図、
図3(b)は保護カバーが閉じ位置にあるときのローラ保持部の外観の一例を示す斜視図である。
【
図4】ヘッド保持部及びサーマルヘッドの構成の一例を示す斜視図である。
【
図5】開閉扉にサーマルヘッドを取り付けたときのヘッド保持部の一例を示す斜視図である。
【
図6】開閉扉を閉じ位置へと回動させたときのヘッド保持部の一例を示す斜視図である。
【
図7】(a)蓋部が開いているときのヘッド保持部とローラ保持部との位置関係、(b)蓋部が閉じているときのヘッド保持部とローラ保持部との位置関係を示す断面図である。
【
図8】第2実施形態におけるヘッド保持部及びサーマルヘッドの構成の一例を示す斜視図である。
【
図9】本体にサーマルヘッドを取り付けたときのヘッド保持部の一例を示す斜視図である。
【
図10】開閉扉を閉じ位置へと回動させたときのヘッド保持部の一例を示す斜視図である。
【
図11】第3実施形態におけるヘッド保持部及びサーマルヘッドの構成の一例を示す斜視図である。
【
図12】本体にサーマルヘッドを取り付けたときのヘッド保持部の一例を示す斜視図である。
【
図13】開閉扉を閉じ位置へと回動させたときのヘッド保持部の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用したプリンタの第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のプリンタの一例を示す斜視図である。また、
図2は、プリンタ内部の構成のうち、印字に係る主要構成の一例を示す説明図である。
【0015】
図1及び
図2に示すように、プリンタ10は、内部に収納された用紙ロール21から繰り出された用紙21aを搬送する過程でサーマルヘッド印字を行い、印字した用紙を、例えばプリンタ10の前面から排出する装置である。なお、用紙に印字される情報は、例えば使用者が表示パネル22の操作に基づいた情報である。
【0016】
プリンタ10は、プリンタ本体15、蓋部16及びハンドル17を含む。蓋部16は、プリンタ本体15の背面側で軸支されており、例えば用紙ロール21の装填や、後述するサーマルヘッド85の交換を行う際に開閉される。蓋部16は、表示パネル22を上面に配置する。
【0017】
ハンドル17は、プリンタ本体15の両側面で回動自在に軸支される。ハンドル17は、プリンタ10を運搬する際に使用者により把持される。
【0018】
プリンタ10は、プリンタ本体15に、ローラ保持部23を有する。また、プリンタ10は、蓋部16の蓋本体25にヘッド保持部26を軸支する。なお、ローラ保持部23及びヘッド保持部26は、蓋部16を閉じたときに、後述するプラテンローラ28にサーマルヘッド85の発熱素子列90が圧接できる位置関係となるように、各々配置される。
【0019】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、ローラ保持部23は、搬送ローラ27及びプラテンローラ28を軸支する。
【0020】
ローラ保持部23は、側板31,32、連結板33及び保持カバー34を有する。側板31,32は、
図3(b)中y方向に一定間隔を空けて配置される。連結板33は、一定間隔を空けて配置される側板31,32の間に配置される。
【0021】
側板31,32は、
図3(a)又は
図3(b)中x方向における一端側で、プラテンローラ28を着脱自在に保持する。また、側板31,32は、
図3(a)又は
図3(b)中x方向における他端側で保持カバー34を軸支する。
【0022】
側板31,32は、連結シャフト35を軸支する。連結シャフト35は、軸線方向(
図3中y方向)の両端部が、側板31,32の外方に各々突出される。連結シャフト35は、側板31,32の外方に突出された部分に、係止片36,37を各々固定する。
【0023】
図示は省略するが、係止片36,37は、
図3(a)に示すA方向に付勢されて、
図3(a)に示す係止位置に保持される。係止位置は、蓋部16が閉じたときに、後述する連結シャフト63に係止されるときの係止片36,37の位置である。なお、蓋部16の蓋本体25に設けた係合部は、係止片36,37の各々に対応して設けられる。また、係止片36,37は、不図示の開閉レバーの操作や、連結シャフト63の押圧を受けて
図3(a)中B方向に回動する。
【0024】
側板31,32のうち、側板31には、搬送ローラ27及びプラテンローラ28を各々回転させる駆動機構(不図示)を備える。なお、駆動機構は、例えば複数のギヤから構成された機構であってもよいし、ベルト及びプーリから構成された機構であってもよい。
【0025】
連結板33は、ローラ保持部23の上面から、ローラ保持部23の後面に跨って配置されるL字形状の部材である。連結板33は、上面で且つ連結板33の折曲部の近傍において、軸受部41,42を有する。軸受部41,42は、搬送ローラ27を保持する。
【0026】
また、連結板33は、軸受部41,42に保持される搬送ローラ27の軸線方向(
図3(a)又は
図3(b)中y方向)に沿って、開口43,44を有する。開口43は、保持カバー34を閉じ位置へと移動させたときに、保持カバー34の下面側に設けられた係止片50を挿通する。開口44は、保持カバー34を閉じ位置へと移動させたときに、保持カバー34の下面側に設けられた係止片51を挿通する。
【0027】
保持カバー34は、ローラ保持部23に保持される搬送ローラ27の近傍を回動中心として軸支される。保持カバー34は、
図3(a)に示す閉じ位置と、
図3(b)に示す開き位置の間で回動する。
【0028】
保持カバー34が閉じ位置にあるとき、保持カバー34は、連結板33の上部に位置する。この状態では、ローラ保持部23に保持される搬送ローラ27は、連結板33及び保持カバー34により軸支される。また、プラテンローラ28は、側板31,32及び保持カバー34により軸支される。
【0029】
一方、保持カバー34が開き位置にあるとき、保持カバー34は、連結板33の上方から退避する。この状態では、搬送ローラ27は、連結板33及び保持カバー34による軸支が解除され、連結板33に保持された状態である。同時に、プラテンローラ28は、側板31,32及び保持カバー34による軸支が解除され、側板31,32に跨って保持された状態である。したがって、保持カバー34が開き位置にあるとき、搬送ローラ27は、連結板33から着脱させることができる。また、プラテンローラ28も、側板31,32から着脱させることができる。
【0030】
保持カバー34は、保持カバー34の回動中心となる端部で、且つ保持カバー34の幅方向における両端部、すなわち、搬送ローラ27の軸線方向(
図3(a)又は
図3(b)におけるy方向)の一端部に、ガイド片34a及び軸挿入部34bを、他端部に、ガイド片34c及び軸挿入部34dを各々有する。ガイド片34aは、保持カバー34を開き位置から閉じ位置へと回動させたときに、側板31と連結板33の軸受部41との間に入り込む。また、ガイド片34cは、保持カバー34を開き位置から閉じ位置へと回動させたときに、側板32と連結板33の軸受部42との間に入り込む。
【0031】
軸挿入部34bは、保持カバー34を閉じ位置へと回動させたときに、搬送ローラ27の軸線方向における一端部(
図3(a)又は
図3(b)においては、左側端部)が入り込む。軸挿入部34dは、保持カバー34を閉じ位置へと回動させたときに、搬送ローラ27の軸線方向における他端部(
図3(a)又は
図3(b)においては、右側端部)が入り込む。
【0032】
保持カバー34は、自由端側となる端部で、且つ保持カバー34の幅方向における両端部、すなわち、搬送ローラ27の軸線方向における両端部に、軸押さえ部45,46を有する。軸押さえ部45は、軸挿入部45a及び位置決め突起45bを有する。軸挿入部45aは、保持カバー34を閉じ位置へと回動させたときに、プラテンローラ28の軸線方向における一端部(
図3(a)又は
図3(b)においては、左側端部)が入り込む。また、位置決め突起45bは、蓋部16を閉じたときに、蓋部16の蓋本体25に軸支されるヘッド保持部26の本体61に設けた規制片65に、蓋部16の回動中心側から当接される(
図7(a)及び
図7(b)参照)。
【0033】
軸押さえ部46は、軸挿入部46a及び位置決め突起46bを有する。軸挿入部46aは、保持カバー34を閉じ位置へと回動させたときに、プラテンローラ28の軸線方向における他端部(
図3(a)又は
図3(b)においては、右側端部)が入り込む。また、位置決め突起46bは、蓋部16を閉じたときに、蓋部16の蓋本体25に軸支されるヘッド保持部26の本体61に設けた規制片66に、蓋部16の回動中心側から当接される(
図7(a)及び
図7(b)参照)。
【0034】
したがって、保持カバー34は、閉じ位置に回動すると、連結板33と保持カバー34との間で搬送ローラ27を、同時に、側板31,32と保持カバー34との間でプラテンローラ28を軸支する。また、保持カバー34が閉じ位置にあるときに、蓋部16が閉じられると、位置決め突起45bはヘッド保持部26の本体61に設けた規制片65に、位置決め突起46bはヘッド保持部26の本体61に設けた規制片66に、各々当接され、ヘッド保持部26が、ローラ保持部23に対して位置決めされる。
【0035】
保持カバー34は、幅方向(
図3(a)又は
図3(b)y方向)に沿って開口47,48を有する。保持カバー34は、開口47,48の周縁部から下方に突出する係止片50,51を各々有する。係止片50,51は、下方に凸となる略V字形状である。係止片50は、一端側が保持カバー34の下面における開口47の周縁部に固定される。係止片50は、自由端に係止突起50aを有する。保持カバー34を閉じ位置へと回動させたときに、係止片50が連結板33の開口43に挿通されると、係止突起50aは連結板33の下面における開口43の周縁部に係止される。同様にして、係止片51は、一端側が保持カバー34の下面における開口48の周縁部に固定される。係止片51は、自由端に係止突起51aを有する。保持カバー34を閉じ位置へと回動させたときに、係止片51が連結板33の開口44に挿通されると、係止突起51aは連結板33の下面における開口44の周縁部に係止される。
【0036】
なお、係止片50,51による連結板33への係止は、例えば保持カバー34に設けた開口47,48の各々に指を挿通させて、係止片50,51の自由端側を固定側に押圧して係止片50,51を各々弾性変形させることで解除される。
【0037】
搬送ローラ27は、ローラ保持部23の連結板33の上面に保持される。搬送ローラ27は、蓋部16の蓋本体25に軸支される搬送ローラ55との間で用紙ロール21から送り出される用紙22aを挟持しながら回転して、帯状の用紙21aを搬送方向の下流側に、すなわちプラテンローラ28に向けて送り出す。
【0038】
プラテンローラ28は、搬送ローラ27の下流側で、ローラ保持部23の側板31,32に跨って保持される。蓋部16が閉じたとき、プラテンローラ28はサーマルヘッド85の発熱素子列90が押し当てられた用紙21aの裏面を受け止めながら回転する。用紙ロール21から送り出される用紙21aは、搬送ローラ27及び搬送ローラ55により挟持され、同時に、サーマルヘッド85及びプラテンローラ28により挟持される。この状態では、搬送ローラ27及びプラテンローラ28の間に位置する用紙21aは、連結板33の上面から浮いた状態で保持される。
【0039】
図2に戻って、蓋部16は、上述したプリンタ本体15の後端側で軸支される。蓋部16は、蓋本体25を有する。蓋本体25は、プリンタ10の前面側で、ヘッド保持部26を保持する。
【0040】
図4から
図6に示すように、ヘッド保持部26は、本体61及び開閉扉62を有する。本体61は、例えば蓋本体25に軸支される。本体61を蓋本体25に軸支することで、サーマルヘッド85の発熱素子列90をプラテンローラ28に確実に押し当てることができる。
【0041】
本体61は、
図4中z方向における下端側において、開閉扉62を軸支する。したがって、開閉扉62の軸線方向が
図4中y方向となる。本体61は、開閉扉62が開閉する側とは反対側となる裏面側で、連結シャフト63により、蓋本体25に軸支される。連結シャフト63は、両端部が本体61から突出した状態で保持される。蓋部16を閉じると、連結シャフト63の両端部には、ローラ保持部23に設けた係止片36,37が係止される。
【0042】
本体61は、
図4中z方向における上端側で、且つy方向における両端部に、規制片65,66を有する。なお、規制片65の内壁面から規制片66の内壁面までの長さ(間隔)は、サーマルヘッド85の長さと略同一の長さに設定される。規制片65,66は、開閉扉62を閉じ位置へと回動させたときに、ヘッド保持部26に装着するサーマルヘッド85の幅方向への移動を規制する。また、蓋部16を閉じたときに、規制片65はプリンタ本体15の保持カバー34の軸押さえ部45の位置決め突起45bに、規制片66はプリンタ本体15の保持カバー34の軸押さえ部46の位置決め突起46bに、蓋部16の回動中心側から各々当接される。これら当接により、ヘッド保持部26がローラ保持部23に位置決めされる。
【0043】
本体61は、規制片65,66の間に、位置決め突起67,68を有する。位置決め突起67は、開閉扉62を閉じ位置へと回動させたときに、開閉扉62に装着したサーマルヘッド85の挿通孔97に挿入される。位置決め突起68は、開閉扉62を閉じ位置へと回動させたときに、開閉扉62に装着したサーマルヘッド85の挿通孔98に挿入される。これにより、本体61に対するサーマルヘッド85の位置決めが行われる。
【0044】
本体61は、位置決め突起67,68の下方に、ボス69,70を有する。ボス69は、先端部に凹部69aを有している。凹部69aは、開閉扉62が閉じ位置へと回動したときに、開閉扉62に設けた位置決め突起81に当接される。ボス70は、先端部に凹部70aを有している。凹部70aは、開閉扉62が閉じ位置へと回動したときに、開閉扉62に設けた位置決め突起82に当接される。
【0045】
本体61は、ボス69,70の間に、図示を省略した開口(図示省略)を有する。開口は、開閉扉62が軸支される下端側に配置される。開口には、端子部71が挿通される。端子部71は、サーマルヘッド85の接点部88に接触される複数の接続端子72を有する。
【0046】
本体61は、
図4中y方向における両端部に係合部73,74を有する。係合部73は、開閉扉62の係止片77に設けられた凹部77aに係合する。また、係合部74は、開閉扉62の係止片78に設けられた凹部78aに係合する。
【0047】
開閉扉62は、例えば略長方形状の部材である。開閉扉62は、短手方向における一端側を回動中心として、本体61の下端側に軸支される。開閉扉62は、サーマルヘッド85を装着した状態で閉じ位置(
図6参照)及び開き位置(
図4参照)の間で、
図4中y方向を回動中心線として回動する。開閉扉62が閉じ位置にあるとき、サーマルヘッド85は、接点部88を本体61の端子部71に設けた複数の接続端子72に圧接した状態で保持される。
【0048】
一方、開閉扉62が開き位置にある時、サーマルヘッド85は開閉扉62とともに回動する。これにより、サーマルヘッド85の接点部88と、本体61の端子部71に設けた複数の接続端子72との圧接が解除される。
【0049】
開閉扉62は、短手方向の両端部のうち、回動中心となる一端側とは反対側の端部で、且つ、長手方向となる両端部に、係止片77,78を有する。係止片77,78は、一端が開閉扉62に連結された略V字形状の部材である。係止片77は、自由端側に凹部77aを有する。凹部77aは、本体61に設けた係合部73と係合する。係止片78は、自由端側に凹部78aを有する。凹部78aは、本体61に設けた係合部74と係合する。係止片77の凹部77aが本体61の係合部73に、係止片78の凹部78aが本体61の係合部74に、各々係合されることで、開閉扉62が閉じ位置に保持される。
【0050】
開閉扉62は、閉じ位置にあるときに本体61に対峙する面に位置決め突起81,82及びガイド片83を有する。位置決め突起81は、サーマルヘッド85の装着時に、サーマルヘッド85の基板86が有する挿通孔91に挿通される。また、位置決め突起82は、サーマルヘッド85の装着時に、サーマルヘッド85の基板86が有する挿通孔92に挿通される。
【0051】
ガイド片83は、サーマルヘッド85の基板86に設けられた切欠き部93に入り込むことで、サーマルヘッド85を正しい向きで開閉扉62に取り付けることができる。サーマルヘッド85が正しい向きで取り付けられた場合、サーマルヘッド85は、基板86の接点部88を上面側に保持される。
【0052】
サーマルヘッド85は、基板86、放熱板87を含む。基板86は、放熱板87が固定される一面側に複数の接点を有する接点部88を有する。接点部88は、ヘッド保持部26にサーマルヘッド85を装着したときに、本体61の端子部71から突出する複数の接続端子72に圧接される。
図6に示すように、基板86は、接点部88が設けられる面とは反対側の面に、用紙22aの幅方向(
図6中y方向)に延出される発熱素子列90を有する。発熱素子列90は、複数の発熱素子を配列してなる。
【0053】
基板86は、接点部88の外方に、挿通孔91,92を有する。挿通孔91は、開閉扉62の位置決め突起81を挿通し、挿通孔92は、開閉扉62の位置決め突起82を挿通する。また、基板86は、幅方向における一端側に切欠き部93を有する。切欠き部86aは、サーマルヘッド85を開閉扉62に取り付けたときに、開閉扉62のガイド片83を受け入れる。
【0054】
放熱板87は、発熱素子列90が発した熱を放熱するものである。放熱板87は、挿通孔95,96を有する。挿通孔95は、開閉扉62を閉じ位置へと移動したときに、位置決め突起67が挿入される。挿通孔96は、開閉扉62を閉じ位置へと移動したときに、位置決め突起68が挿入される。
【0055】
次に、サーマルヘッド85をヘッド保持部26に装着する手順について説明する。プリンタ10の蓋部16を開き、蓋本体25に軸支されるヘッド保持部26を露呈させる。このとき、ヘッド保持部26の開閉扉62は閉じ位置にある。したがって、開閉扉62の係止片77の自由端、及び係止片78の自由端を下方に(
図6中C方向に)押圧する。係止片77の自由端及び係止片78の自由端を下方に押圧すると、係止片77及び係止片78が弾性変形する。その結果、係止片77の凹部77aと本体61の係合部73との係合、及び係止片78の凹部78aと本体61の係合部74との係合が各々解除される。この状態で、開閉扉62は、閉じ位置から開き位置へと回動される。開閉扉62は、サーマルヘッド85を保持している。したがって、開閉扉62を開き位置へと回動させると、開閉扉62に保持されたサーマルヘッド85の接点部88と、本体61の端子部71との接続が解除される。
【0056】
開閉扉62が開き位置まで回動した後、サーマルヘッド85を開閉扉62から取り外し、新たなサーマルヘッド85を開閉扉62に取り付ける。このとき、サーマルヘッド85の基板86の接点部88が上面側に位置するように、サーマルヘッド85を開閉扉62に装着する。
【0057】
サーマルヘッド85を開閉扉62に取り付けるとき、サーマルヘッド85は、挿通孔91に開閉扉62の位置決め突起81を、挿通孔92に開閉扉62の位置決め突起82を各々挿通させる。このとき、サーマルヘッド85の基板86の切欠き部93は、開閉扉62のガイド片83を受け入れる。これにより、サーマルヘッド85は、正しい向きで取り付けられる。
【0058】
この状態で、開閉扉62を開き位置から閉じ位置へと回動させる。開閉扉62を開き位置から閉じ位置へと回動させると、開閉扉62の係止片77の凹部77a近傍に設けた案内面77bに本体61の係合部73が当接して、係止片77を弾性変形させる。同時に、開閉扉62の係止片78の凹部78a近傍に設けた案内面78bに本体61の係合部74が当接して、係止片78を弾性変形させる。
【0059】
そして、開閉扉62を閉じ位置まで回動すると、本体61の係合部73は、係止片77の凹部77aに係合する。同時に、本体61の係合部74は、係止片78の凹部78aに係合する。これにより、開閉扉62が閉じ位置に保持される。
【0060】
開閉扉62が閉じ位置にあるとき、本体61の位置決め突起67は、開閉扉62に装着されたサーマルヘッド85の挿通孔95に挿入される。同時に、本体61の位置決め突起68は、開閉扉62に装着されたサーマルヘッド85の挿通孔96に挿入される。これにより、本体61に対するサーマルヘッド85の位置決めが行われる。この状態では、サーマルヘッド85の接点部88が、本体61に設けた端子部71の各接続端子72に圧接された状態で保持される。このとき、本体61に設けた端子部71が開閉扉62の回動中心側に配置されることで、サーマルヘッド85の接点部88は、本体61に設けた端子部71の各接続端子72に確実に圧接される。
【0061】
さらに、開閉扉62の位置決め突起81が、本体61のボス69の凹部69aに当接され、開閉扉62の位置決め突起82が、本体61のボス70の凹部70aに当接される。これにより、本体61に対する開閉扉62の位置決めが行われる。
【0062】
この状態で、蓋部16を閉じると、蓋本体25に軸支されるヘッド保持部26の連結シャフト63の一端部が係止片36の係止爪36aを、他端部が係止片37の係止爪37aを各々押圧する。これにより、係止片36及び係止片37は、
図4(a)中B方向へと回動する。そして、蓋部16は完全に閉じると、係止片36,37が
図4(a)中A方向へと回動して、退避位置から係止位置へと復帰する。その結果、係止片36,37が連結シャフト63に係止される。
【0063】
ここで、ローラ保持部23の保持カバー34が閉じ位置にあるとき、保持カバー34の軸押さえ部45の位置決め突起45bは、蓋部16が回動したときのヘッド保持部26の本体61の規制片65の移動軌跡よりも外側に位置している。同様に、保持カバー34の軸押さえ部46の位置決め突起46bは、蓋部16が回動したときのヘッド保持部26の本体61の規制片66の移動軌跡よりも外側に位置している。したがって、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、ローラ保持部23の保持カバー34が閉じ位置にある状態で、蓋部16が閉じられる(
図7(a)中D方向へと回動させる)と、ヘッド保持部26の本体61の規制片65は、保持カバー34の軸押さえ部45の位置決め突起45bに蓋部16の回転中心側から当接される。同時に、ヘッド保持部26の本体61の規制片66は、保持カバー34の軸押さえ部46の位置決め突起46bに蓋部16の回転中心側から当接される。これにより、ヘッド保持部26はローラ保持部23に対してプリンタ10の前後方向において位置決めされる。なお、蓋部16が閉じた状態では、ヘッド保持部26に保持されたサーマルヘッド85の発熱素子列90が、プラテンローラ28に圧接された状態となる。また、サーマルヘッド85がヘッド保持部26に装着された状態では、サーマルヘッド85の基板86に設けた発熱素子列90が開閉扉62から露呈される。
【0064】
サーマルヘッド85を開閉扉62に取り付けた後、開閉扉62を閉じ位置へと回動させることで、容易にサーマルヘッド85をヘッド保持部26に装着できる。また、開閉扉62を閉じ位置へと回動させることで、サーマルヘッド85の基板86の接点部88と本体61の端子部71に設けた複数の接続端子72とを圧接させることができる。したがって、サーマルヘッド85やヘッド保持部26に、コネクタの構成を用いる必要がなくなり、サーマルヘッド85やヘッド保持部26の構成を簡易な構成とすることができる。
【0065】
なお、この実施形態では、サーマルヘッド85を開閉扉62に位置決め保持した状態で、開閉扉62を開き位置から閉じ位置へと回動させる。開閉扉62が閉じ位置まで回動すると、サーマルヘッド85の接点部88が本体61の端子部71の各接続端子72に当接される。サーマルヘッド85の接点部88と、本体61の端子部71の接続端子72との接触状態を確実にするために、開閉扉62に設けた位置決め突起81,82に、開閉扉62に保持されるサーマルヘッド85の位置決めを行う機能の他、開閉扉62を閉じ位置へと回動させたときに、サーマルヘッド85の基板86に設けた挿通孔91,92近傍を、本体61に向けて押圧する機能を持たせることも可能である。
【0066】
上述した実施形態では、ヘッド保持部26において、開閉扉62にサーマルヘッド85を取り付けた後、開閉扉62を閉じ位置へと回動させることで、サーマルヘッド85をヘッド保持部に26に装着する場合について例示しているが、サーマルヘッドをヘッド保持部に装着する方法は、これに限定されるものではない。例えば、サーマルヘッドを開閉扉ではなく本体に取り付けた後、開閉扉を閉じ位置へと回動させることで、サーマルヘッドをヘッド保持部に装着することも可能である。
【0067】
<第2実施形態>
図8に示すように、ヘッド保持部100は、第1の実施形態に例示したヘッド保持部26と同様に、本体101及び開閉扉102を有する。本体101は、幅方向(
図8中y方向)における一端部に規制片103及び係合部104を、他端部に規制片105及び係合部106を有する。なお、規制片103の内壁面から規制片105の内壁面までの長さ(間隔)は、サーマルヘッド120の長さと略同一の長さに設定される。本体101は、開閉扉102の回動中心となる下端部で、且つ幅方向における中央下部に端子部107を有する。端子部107は、複数の接続端子108を有する。複数の接続端子108は、開閉扉102が閉じ位置にあるときに、サーマルヘッド120の接点部123に圧接される。
【0068】
本体101は、
図8中y方向において、規制片103,105の間に、磁石111,112を有する。磁石111,112は、電磁石であってもよいし、永久磁石であってもよい。磁石111,112は、サーマルヘッド120に設けた強磁性体127,128を吸着する。
【0069】
本体101は、
図8中z方向において、磁石111,112の下方に、位置決め用のボス113,114を有する。位置決め用のボス113,114は、凸部113a,114aを先端に有する。凸部113aは、サーマルヘッド120の基板121に設けた開口124に挿通される。凸部114aは、サーマルヘッド120の基板121に設けた開口125に挿通される。これにより、サーマルヘッド120が本体101に対して位置決めされる。
【0070】
また、本体101は、
図8中z方向において、規制片103の下方に、ガイド突起115を有する。ガイド突起115は、サーマルヘッド120が本体101の磁石111,112に吸着されたときに、サーマルヘッド120の基板121に設けた切欠き部126に入り込む。
【0071】
開閉扉102は、第1の実施形態に例示した開閉扉と、基本的な構成は同一である。つまり、開閉扉102は、長方形状をしており、短手方向の一端側を回動中心として、本体101の下端側で軸支される構成である。開閉扉102は、短手方向における両端部のうち、本体101に軸支される一端側と反対側となる端部で、且つ、長手方向(
図8中y方向)における両端部に、係止片116,117を有する。
【0072】
開閉扉102は、閉じ位置に回動したときに本体101と対峙する面で、且つ短手方向における中央から、開閉扉102の回動中心となる端部側にずれた位置に、押圧突起118,119を有する。押圧突起118,119は、開閉扉102を閉じ位置へと回動させたときに、本体101に吸着されるサーマルヘッド120を本体101に向けて押圧する。この押圧により、サーマルヘッド120の接点部123と、本体101の端子部107の各接続端子108とが圧接される。
【0073】
サーマルヘッド120は、基板121及び放熱板122を有する。基板121は、本体101と対峙する面に接点部123を有する。また、接点部123の近傍に、開口124,125を有する。開口124は、サーマルヘッド120の本体101への取り付け時に、本体101のボス113の先端に設けた凸部113aが挿入される。開口125は、サーマルヘッド120の本体101への取り付け時に、本体101のボス114の先端に設けた凸部114aが挿入される。また、基板121は、幅方向における
図8中左側端部に切欠き部126を有する。切欠き部126は、サーマルヘッド120を本体101に吸着させたときに、本体101に設けたガイド突起115を受け入れる。これにより、サーマルヘッド120が正しい向きで本体101に取り付けられる。
【0074】
放熱板122は、強磁性体127,128を有する。強磁性体127,128は、例えば鉄などの金属である。サーマルヘッド120を本体101に取り付けると、強磁性体127は本体101の磁石111に、強磁性体128は本体101の磁石112に、各々吸着される。
【0075】
図8から
図10に示すように、上述したヘッド保持部100にサーマルヘッド120を装着する場合、開閉扉102は開き位置に回動される。そして、交換前のサーマルヘッド120を取り外し、新たなサーマルヘッド120を本体101に取り付ける。このとき、サーマルヘッド120は、基板121の接点部123を本体101に対峙する姿勢で本体101に取り付けられる。サーマルヘッド120が本体101に取り付けられると、放熱板122に設けた強磁性体127は本体101の磁石111に、強磁性体128は本体101の磁石112に各々吸着される。このとき、サーマルヘッド120の開口124にボス113の凸部113aが、サーマルヘッド120の開口125にボス114の凸部114aが各々挿入される。同時に、サーマルヘッド120の基板121に設けた切欠き部126に本体101に設けたガイド突起115が入り込む。これにより、サーマルヘッド120が本体101に対して位置決めされる。この状態では、サーマルヘッド120は、本体101の規制片103,105の間に位置しているので、サーマルヘッド120の幅方向における位置ずれが防止される。
【0076】
その後、開閉扉102を開き位置から閉じ位置へと回動させると、開閉扉102の押圧突起118,119が、サーマルヘッド120の基板121を押圧する。これにより、サーマルヘッド120の接点部123が、本体101の端子部107の複数の接続端子108に圧接される。このとき、本体101の端子部107が開閉扉102の回動中心側に配置されることで、サーマルヘッド120の接点部123は、本体101に設けた端子部107の各接続端子108に確実に圧接される。
【0077】
開閉扉102を閉じ位置まで回動させると、開閉扉102の係止片116の凹部116aに本体101の係合部104が、開閉扉102の係止片117の凹部117aに本体101の係合部106が各々係合される。これにより、開閉扉102は閉じ位置に保持される。これにより、サーマルヘッド120がヘッド保持部100に装着される。なお、サーマルヘッド120がヘッド保持部100に装着された状態では、サーマルヘッド120の基板121に設けた発熱素子列129が開閉扉102から露呈される。
【0078】
なお、図示は省略するが、サーマルヘッド120を装着した後、蓋部16を閉じたときには、第1実施形態と同様に、本体101の規制片103は、ローラ保持部23の保持カバー34の軸押さえ部45の位置決め突起45bに、蓋部16の回動中心側から当接される。同時に、本体101の規制片105は、ローラ保持部23の保持カバー34の軸押さえ部46の位置決め突起46bに、蓋部16の回動中心側から当接される。これにより、ヘッド保持部26がローラ保持部23に対して位置決めされる。
【0079】
この場合、サーマルヘッド120を本体101に吸着した後、開閉扉102を閉じ位置へと回動させることで、容易にサーマルヘッド120をヘッド保持部100に装着できる。また、開閉扉102を閉じ位置へと回動させることで、サーマルヘッド120の基板121の接点部123と本体101に設けた複数の接続端子108とを圧接させることができる。したがって、サーマルヘッド120やヘッド保持部100に、コネクタの構成を用いる必要がなくなり、サーマルヘッド120やヘッド保持部100の構成を簡易な構成とすることができる。
【0080】
この実施形態では、本体101に設けた磁石111,112により、サーマルヘッド120の放熱板122に設けた強磁性体127,128を吸着保持した後、開閉扉102を閉じ位置へと回動させる。開閉扉102を閉じ位置へと回動させると、開閉扉102に設けた押圧突起118,119が本体101に吸着されたサーマルヘッド120の基板121を押圧する。開閉扉102に設けた押圧突起118,119がサーマルヘッド120の基板121を押圧することで、サーマルヘッド120の基板121の接点部123と本体101に設けた複数の接続端子108とが圧接される。なお、サーマルヘッド120の基板121の接点部123は、開閉扉102が閉じ位置へと回動したときに、本体101に設けた複数の接続端子108に圧接されればよく、開閉扉102に設けた押圧突起118がサーマルヘッド120の基板121の開口124及びその近傍を押圧し、また、押圧突起119がサーマルヘッド120の基板121の開口125及びその近傍を押圧することも可能である。
【0081】
第2実施形態で示したヘッド保持部100では、本体101に設けた磁石111,112により、サーマルヘッド120の放熱板122に設けた強磁性体127,128を吸着した後、開閉扉102を閉じ位置へと回動させることで、サーマルヘッド120をヘッド保持部100に装着している。しかしながら、ヘッド保持部にサーマルヘッドを装着する方法は、これに限定されるものではない。例えば、ヘッド保持部の本体にサーマルヘッドを保持する保持部材を設けることも可能である、以下、第3実施形態として説明する。なお、第3実施形態に示すヘッド保持部において、開閉扉の構成は、第2実施形態と同一の構成であることから、以下の説明において、開閉扉の説明は省略し、また、開閉扉の各構成に対しては、第2実施形態と同一の符号を付して説明する。
【0082】
<第3実施形態>
図11に示すように、第3実施形態に示すヘッド保持部130は、第1実施形態に示すヘッド保持部26及び第2実施形態に示すヘッド保持部100と同様に、本体131及び開閉扉102を有する。
【0083】
本体131は、
図11中y方向における一端部に規制片135及び係合部136を、他端部に規制片137及び係合部138を有する。なお、規制片135の内壁面から規制片137の内壁面までの長さ(間隔)は、サーマルヘッド150の長さと略同一の長さに設定される。本体131は、
図11中y方向における中央下部に端子部139を有する。なお、端子部139は、複数の接続端子を有する。なお、
図11においては、保持部材の裏側に位置していることから、複数の接続端子に対しては、符号は省略している。
【0084】
本体131は、
図11中y方向において、規制片135,137の間に、位置決め突起140,141を有する。位置決め突起140,141は、サーマルヘッド150に設けた凹部(図示省略)に挿入される。
【0085】
本体131は、
図11中z方向において、位置決め突起140,141の下方に、位置決め用のボス142,143を有する。位置決め用のボス142,143は、凸部142a,143aを先端に有する。凸部142aは、サーマルヘッド150の基板151に設けた開口153に挿通される。同様にして、凸部143aは、サーマルヘッド150の基板151に設けた開口154に挿通される。これにより、サーマルヘッド120が本体131に対して位置決めされる。
【0086】
また、本体131は、
図11中z方向において、規制片135の下方に、ガイド突起144を有する。ガイド突起144は、サーマルヘッド150が本体131に保持されたときに、サーマルヘッド150の基板151に設けた切欠き部155に入り込む。
【0087】
本体131は、端子部38の前面に支持部145を有する。支持部145は、端子部139の下部から前方に延出された後、上方に折曲したL字状の板部材である。支持部145は、本体131との間に挿入されるサーマルヘッド150を保持する。
【0088】
サーマルヘッド150は、基板151及び放熱板152を有する。基板151は、本体131と対峙する面に接点部を有する。また、基板151は、接点部の近傍に、開口153,154を有する。開口153は、開閉扉102を閉じ位置へと回動させたときに、本体131のボス142の先端に設けた凸部142aが挿入される。開口154は、開閉扉102を閉じ位置へと回動させたときに、本体131のボス143の先端に設けた凸部143aが挿入される。また、基板151は、
図11中y方向における一端部(
図11中左側端部)に切欠き部155を有する。切欠き部155は、サーマルヘッド150を本体131に保持したときに、本体131に設けたガイド突起144を受け入れる。これにより、サーマルヘッド150が正しい向きで本体131に保持される。
【0089】
図11から
図13に示すように、上述したヘッド保持部130にサーマルヘッド150を装着する場合、開閉扉102が開き位置まで回動される。そして、交換前のサーマルヘッド150を取り外し、新たなサーマルヘッド150を本体131と支持部145との間に挿入する。このとき、サーマルヘッド150の基板151の切欠き部155は、本体131のガイド突起144を受け入れる。これにより、サーマルヘッド150が本体131に対して正しい向きで保持される。この状態では、本体131のボス142の凸部142aはサーマルヘッド150の基板151の開口153に、本体131のボス143の凸部143aはサーマルヘッド150の基板151の開口154に各々挿入される。また、サーマルヘッド150は、本体131の規制片135,137の間に位置しているので、サーマルヘッド150の幅方向における位置ずれが防止される。
【0090】
その後、開閉扉102を開き位置から閉じ位置へと回動させると、開閉扉102の押圧突起118,119が、サーマルヘッド150の基板151を押圧する。この押圧を受けて、本体131の位置決め突起140,141が、サーマルヘッド150の放熱板152の凹部に入り込む。これにより、サーマルヘッド150が本体131に位置決めされる。同時に、サーマルヘッド150の接点部が、本体131の端子部139に圧接される。このとき、本体131に設けた端子部139が開閉扉102の回動中心側に配置されることで、サーマルヘッド150の接点部は、本体131に設けた端子部139の各接続端子に確実に圧接される。
【0091】
開閉扉102を閉じ位置まで回動させると、開閉扉102の係止片116の凹部116aと本体131の係合部136とが係合され、同時に、開閉扉102の係止片117の凹部117aと本体131の係合部138とが係合される。これにより、開閉扉102は閉じ位置に保持される。これにより、サーマルヘッド150がヘッド保持部130に装着される。この状態では、サーマルヘッド150の基板151に設けた発熱素子列156が開閉扉102から露呈される。
【0092】
なお、図示は省略するが、サーマルヘッド150を装着した後、蓋部16を閉じたときには、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、本体101の規制片135は、ローラ保持部23の保持カバー34の軸押さえ部45の位置決め突起45bに、蓋部16の回動中心側から当接される。同時に、本体101の規制片137は、ローラ保持部23の保持カバー34の軸押さえ部46の位置決め突起46bに、蓋部16の回動中心側から当接される。これにより、ヘッド保持部130がローラ保持部23に対して位置決めされる。
【0093】
この場合も、サーマルヘッド150を本体131に保持した後、開閉扉102を閉じ位置へと回動させることで、容易にサーマルヘッド150をヘッド保持部130に装着できる。また、開閉扉102を閉じ位置へと回動させることで、サーマルヘッド150の基板151の接点部と本体131に設けた端子部とを圧接させることができる。したがって、サーマルヘッド150やヘッド保持部130に、コネクタの構成を用いる必要がなくなり、サーマルヘッド150やヘッド保持部130の構成を簡易な構成とすることができる。
【0094】
この実施形態では、開閉扉102を閉じ位置へと回動させると、開閉扉102に設けた押圧突起118,119が本体131の支持部145に支持されたサーマルヘッド150の基板151を本体131に向けて押圧する。開閉扉102に設けた押圧突起118,119がサーマルヘッド150の基板151を本体131に向けて押圧することで、サーマルヘッド150の基板151の接点部と本体131に設けた複数の接続端子とが圧接される。なお、サーマルヘッド150の基板151の接点部は、開閉扉102が閉じ位置へと回動したときに、本体131に設けた複数の接続端子に圧接されればよく、開閉扉102に設けた押圧突起118がサーマルヘッド150の基板151の開口124及びその近傍を押圧し、また、押圧突起119がサーマルヘッド150の基板151の開口125及びその近傍を、押圧することも可能である。
【0095】
<実施形態の総括>
本発明は、搬送される用紙の幅方向に配列された複数の発熱素子を有し、前記複数の発熱素子のいずれかの発熱素子による発熱により、前記用紙に印字を行うサーマルヘッドの保持構造に関する。
【0096】
印字ヘッドホルダやヘッドユニットの爪を弾性変形させてサーマルヘッドを着脱する場合、不慣れな使用者がサーマルヘッドの交換を行うと、印字ヘッドホルダやヘッドユニットの爪の他、サーマルヘッドを破損させてしまうという問題がある。
【0097】
また、遮蔽部材の開閉により、コネクタとサーマルヘッドの接続部との接続又は接続解除を行う場合、ヘッドユニットに対するコネクタの組付精度が悪いと、コネクタがサーマルヘッドの接続部に確実に接続されないという問題がある。
【0098】
本発明は、サーマルヘッドの着脱を容易に行い、同時にサーマルヘッドの電気接続を確実に行うことができるようにしたサーマルヘッドの保持構造及びサーマルヘッドを提供することを目的とする。
【0099】
本発明の一態様は、搬送される用紙21aに印字を行うプリンタにおいて、サーマルヘッド85,120,150を保持するヘッド保持部26,100,130と、ヘッド保持部26,100,130に装着されるサーマルヘッド85,120,150の向きを規制するガイド片83又はガイド突起115,144と、用紙21aの幅方向におけるサーマルヘッド85,120,150の位置を規制する規制片65,66,103,105,135,137と、を有することを特徴としている。
【0100】
この構成によれば、サーマルヘッド85,120,150を正しい向きでヘッド保持部26,100,130に装着されるので、サーマルヘッド85,120,150を誤った向きで、ヘッド保持部26,100,130に装着する事象を抑止することができる。また、ガイド片83又はガイド突起115,144を設けることで、サーマルヘッド85,120,150をヘッド保持部26,100,130に装着したときに、用紙21aの幅方向に対するサーマルヘッド85,120,150の位置ずれの発生を防止することができる。
【0101】
また、ヘッド保持部26,100,130は、プリンタ10の蓋部16に軸支される本体61,101,131と、本体61,101,131に軸支され、サーマルヘッド85,120,150を着脱する開き位置と、サーマルヘッド85,120,150を保持する閉じ位置との間で回動される開閉扉62,102と、を含み、サーマルヘッド85,120,150は、閉じ位置に回動させた開閉扉62,102と、本体61,101,131と、により挟持されることを特徴としている。
【0102】
この構成によれば、サーマルヘッド85,120,150を、本体61,101,131又は開閉扉62,102のいずれか一方に取り付けた後、開閉扉62,102を閉じ位置へと回動させるだけで、サーマルヘッド85,120,150をヘッド保持部26,100,130に容易に保持させることができる。また、開閉扉62,102を開き位置へと回動させることで、サーマルヘッド85,120,150をヘッド保持部26,100,130から容易に取り外すことができる。
【0103】
また、開閉扉62は、サーマルヘッド85に設けた挿通孔91,92に挿通されて前記サーマルヘッド85を前記扉に位置決めする位置決め突起81,82を有することを特徴としている。
【0104】
この構成によれば、サーマルヘッド85を、開閉扉62に位置決めした後、開閉扉62を閉じ位置へと回動させると、閉じ位置にある開閉扉62が本体61に位置決めされる。なお、サーマルヘッド85は、開閉扉62に対して位置決めされているので、開閉扉62を閉じることで、サーマルヘッド85は、本体61に対して正確な位置に保持させることができる。
【0105】
また、本体101は、サーマルヘッド120を吸着保持する磁石111,112を有し、開閉扉102は、本体101にサーマルヘッド120を吸着保持した状態で、閉じ位置へと回動されるものである。
【0106】
この構成によれば、サーマルヘッド120は、磁石111,112により、本体101に位置決めされた状態で、本体101に取り付けられた後、磁石111,112によりサーマルヘッド120が位置決め保持される。この状態で、開閉扉102が閉じられるので、サーマルヘッド85は、本体61に対して正確な位置に保持させることができる。
【0107】
また、本体131は、本体131に取り付けられるサーマルヘッド150を下方にて支持する支持部145と、支持部145によって支持されるサーマルヘッド150の本体131への位置決めを行う位置決め突起140,141及びボス142,143の凸部142a,143aと、有するものである。
【0108】
この構成によれば、サーマルヘッド150を、本体131の支持部145に取り付けた後、開閉扉102を閉じ位置へと回動させるという簡単な動作だけで、サーマルヘッド150の本体131に対する位置決めと、ヘッド保持部130への装着とを行うことができる。
【0109】
また、サーマルヘッド120,150の接点部123に当接され、サーマルヘッド120,150に向けて電力を供給する端子部107,139と、サーマルヘッド120,150の接点部123とサーマルヘッド120,150に向けて電力を供給する端子部107,139との接続を維持する押圧突起118,119と、を有するものである。
【0110】
この構成によれば、サーマルヘッド120,150をヘッド保持部100,130へ装着するだけで、サーマルヘッド120,150の基板121,151の接点部123と、本体101,131の端子部107,139と、が圧接されることになるので、サーマルヘッド120,150及び本体101,131に、コネクタを配置する必要がなくなる。その結果、サーマルヘッド120,150を簡素化することができる。
【0111】
また、ヘッド保持部26,100,130は、プリンタ本体15に回動自在に軸支される蓋部16に保持され、プリンタ本体15は、蓋部16が閉じたときにサーマルヘッド85,120,150に圧接されるプラテンローラ28を軸支するローラ保持部23を有し、規制片65,66,103,105,135,137は、蓋部16が閉じたときに、ローラ保持部23に設けた位置決め突起45b,46bに、蓋部16の回動中心側から当接されるものである。
【0112】
この構成によれば、規制片65,66,103,105,135,137は、サーマルヘッド85,120,150の位置ずれを防止する機能の他、ヘッド保持部26,100,130のローラ保持部23に対する位置決めを行う機能を、1つの部材で兼用することが可能となる。
【0113】
また、プリンタ10に設けたヘッド保持部26,100,130に保持され、搬送される用紙21aをプラテンローラ28に押し付けた状態で印字を行うサーマルヘッド85,120,150において、発熱素子列90,129,156と、発熱素子列90,129,156が発した熱を放熱する放熱板87,122,152と、用紙21aの幅方向に沿って発熱素子列90,129,156が配列された第1面と、第1面の裏側に位置し、放熱板87,122,152及びヘッド保持部26,100,130に設けた端子部71,107,139に接触される接点部88,123を有する第2面と、を有する基板86,121,151と、を含み、基板86,121,151は、第1の向きとなるサーマルヘッド85,120,150をヘッド保持部26,100,130に装着するときに、ヘッド保持部26,100,130に設けたガイド片83又はガイド突起115,144を受容する一方で、第1の向きとは異なる第2の向きとなるサーマルヘッド85,120,150をヘッド保持部26,100,130に装着するときに、ガイド片83又はガイド突起115,144の受容を不能とすることで、ヘッド保持部26,100,130に装着されるサーマルヘッド85,120,150の向きを規制する切欠き部93,126,155を有するものである。
【0114】
この構成によれば、サーマルヘッド85,120,150をヘッド保持部26,100,130に装着するときには、サーマルヘッド85,120,150の向きが正しい向きである場合にのみ、サーマルヘッド85,120,150をヘッド保持部26,94,130に装着することができる。つまり、サーマルヘッド85,120,150を誤った向きで、ヘッド保持部26,94,130に装着する事象の発生を抑止することができる。
【符号の説明】
【0115】
10…プリンタ
15…プリンタ本体
16…蓋部
23…ローラ保持部
26,100,130…ヘッド保持部
61,101,131…本体
62,102…開閉扉
65,66,103,105,135,137…規制片
71,107,139…端子部
81,82…位置決め突起
83…ガイド片
85,120,150…サーマルヘッド
88,123…接点部
90,129,156…発熱素子列
93,126,155…切欠き部
111,112…磁石
115,144…ガイド突起
118,119…押圧突起
127,128…強磁性体
142,143…ボス
145…支持部