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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
A63F5/04 652
A63F5/04 620
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021103583
(22)【出願日】2021-06-22
(65)【公開番号】P2023002377
(43)【公開日】2023-01-10
【審査請求日】2024-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 涼
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-223267(JP,A)
【文献】特開2016-055118(JP,A)
【文献】特開2020-120899(JP,A)
【文献】特開2004-255132(JP,A)
【文献】特開2011-206378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の変動開始条件が成立した場合に識別情報を変動表示させることが可能な識別情報表示手段と、
前記識別情報表示手段において変動表示している識別情報を停止表示させるために操作可能な停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作されることで、前記識別情報表示手段において変動表示している識別情報が所定態様で停止表示された場合、遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段と、
前記遊技価値付与手段による遊技価値が付与可能な第1遊技と、前記遊技価値付与手段による遊技価値が付与不可能な第2遊技と、を実行可能な遊技制御手段と、
操作者が操作可能な操作手段と、
特定タイミングにおいて前記遊技制御手段により実行される第2遊技を、前記停止操作手段を操作することで識別情報が停止される疑似遊技とするか、前記停止操作手段を操作することなく識別情報が停止される自動停止とするかを、前記操作手段への操作態様に基づいて選択可能な選択手段と、
を備え
前記選択手段は、
前記特定タイミングよりも前の特別タイミングにおける前記操作手段への操作態様に基づいて、前記第2遊技を、前記疑似遊技とするか、前記自動停止とするかを、選択可能である
とを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記操作手段は、
前記停止操作手段であり、
前記選択手段は、
前記停止操作手段への操作態様に基づいて、前記第2遊技を、前記疑似遊技とするか、前記自動停止とするかを、選択可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記所定態様で識別情報を停止表示するための操作情報を報知可能な報知手段と、
前記報知手段が操作情報を報知不能な通常区間と、当該操作情報を報知可能な有利区間と、を含む遊技区間のうち何れかの遊技区間に制御可能な区間制御手段と、を備え、
前記区間制御手段は、
前記通常区間において特定役が当選した場合に、前記有利区間に制御することが可能であり、
前記選択手段は、
前記通常区間において特定役が当選した場合において、前記操作手段への操作態様に基づいて、前記第2遊技を、前記疑似遊技とするか、前記自動停止とするかを、選択可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技者に有利な特定遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記特定タイミングは、
前記特定遊技状態が開始するタイミングであり、
前記識別情報表示手段は、
前記特定タイミングにおいて、特定態様で識別情報を停止表示可能である
ことを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記操作手段は、
前記第1遊技を実行するための遊技価値を設定するために操作する遊技価値設定操作手段であり、
前記選択手段は、
前記遊技価値設定操作手段への操作時間に応じて、前記第2遊技を、前記疑似遊技とするか、前記自動停止とするかを、選択可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
AT開始時において疑似遊技が実行される遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
疑似遊技では、遊技者自身が停止操作を行うことで特定図柄の組合せ(7揃い等)を停止させることが可能であり、特定図柄の組合せが停止すると疑似遊技が終了してATが開始する。
このような従来の遊技機では、AT当選後において、内部抽選処理で当選した役にかかわらず特定図柄の組合せを導出することが可能になるため、AT当選から特定図柄の組合せが導出されるまでの期間を一義的に決めることができ、間延びしてしまうことを防止することができる。
また、特定図柄の組合せを疑似遊技中に停止可能とすることで、遊技者自身が自分でATに移行させたいという満足感を与えることも可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-217223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の遊技機には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の遊技機は、所定の変動開始条件が成立した場合に識別情報を変動表示させることが可能な識別情報表示手段と、前記識別情報表示手段において変動表示している識別情報を停止表示させるために操作可能な停止操作手段と、前記停止操作手段が操作されることで、前記識別情報表示手段において変動表示している識別情報が所定態様で停止表示された場合、遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段と、前記遊技価値付与手段による遊技価値が付与可能な第1遊技と、前記遊技価値付与手段による遊技価値が付与不可能な第2遊技と、を実行可能な遊技制御手段と、操作者が操作可能な操作手段と、特定タイミングにおいて前記遊技制御手段により実行される第2遊技を、前記停止操作手段を操作することで識別情報が停止される疑似遊技とするか、前記停止操作手段を操作することなく識別情報が停止される自動停止とするかを、前記操作手段への操作態様に基づいて選択可能な選択手段と、を備え、前記選択手段は、前記特定タイミングよりも前の特別タイミングにおける前記操作手段への操作態様に基づいて、前記第2遊技を、前記疑似遊技とするか、前記自動停止とするかを、選択可能である構成としている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の外観を示す概略正面図である。
図2】遊技機の内部構成を示す概略斜視図である。
図3】遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図4】配当テーブルを示す図表である。
図5】RT状態の状態遷移図である。
図6】遊技状態の状態遷移図である。
図7】(a)は共通一枚役当選時におけるモード抽選テーブル、(b)はレア役当選時におけるモード抽選テーブルを示す図表である。
図8】モード別の仕様を示す図表である。
図9】(a)は天井未到達時におけるモード抽選テーブル、(b)は天井到達時におけるモード抽選テーブルを示す図表である。
図10】AT別の仕様を示す図表である。
図11】リール演出別の仕様を示す図表である。
図12】(a)はBBにおける自動停止時出目抽選テーブル、(b)はRBにおける自動停止時出目抽選テーブル、(c)はBBにおける疑似遊技時停止音抽選テーブル、(d)はRBにおける疑似遊技時停止音抽選テーブルを示す図表である。
図13】(a)はBBにおけるランダム時停止態様テーブル(疑似ボーナス回数奇数時)、(b)はBBにおけるランダム時停止態様テーブル(疑似ボーナス回数偶数時)、(c)はRBにおけるランダム時停止態様テーブル(疑似ボーナス回数奇数時)、(d)はRBにおけるランダム時停止態様テーブル(疑似ボーナス回数偶数時)を示す図表である。
図14】1G連抽選テーブルを示す図表である。
図15】自動停止にかかる時間が疑似遊技(最短)にかかる時間よりも短いことを示す図である。
図16】疑似遊技(最短)にかかる時間が自動停止にかかる時間よりも短いことを示す図である。
図17】自動停止にかかる時間と疑似遊技(最短)にかかる時間が同じであることを示す図である。
図18】自動停止にかかる時間と疑似遊技1~3にかかる時間が同じであることを示す図である。
図19】本実施形態の遊技機における表示画面の遷移やリール動作を示す第1図である。
図20】本実施形態の遊技機における表示画面の遷移やリール動作を示す第2図である。
図21】本実施形態の遊技機における表示画面の遷移やリール動作を示す第3図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図面を参照して説明する。
【0008】
スロットマシン1の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、本発明に係る遊技機の一実施形態であり、通常のスロットマシンと同様、前面に開口部を有する筐体1bと、開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを備えている。
【0009】
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、リール41に表された図柄を視認することができる。
表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面には、操作手段として動作する、メダルを投入するメダル投入口2と、遊技の開始に際して遊技者の押圧操作によりベット数を設定するベットボタン2aやMAXベットボタン2eと、遊技者の操作により表示器8で表示されている演出等に変化を与えるための演出ボタン2cとを備えている。
段部の前面には、操作手段として動作する、遊技者が精算を行う際に押下操作する精算ボタン2bと、遊技者が遊技を開始する際に操作するスタートレバー3と、遊技者がリール41を停止する際に押圧操作する停止ボタン5とを備えている。
【0010】
表示窓6の左下側には、告知ランプ19が設けられている。
告知ランプ19は、内部抽選において疑似ボーナスに当選した場合に、当該当選ゲームから疑似ボーナスが終了するまでの期間中に点灯する。
すなわち、告知ランプ19は、疑似ボーナスの当選及び疑似ボーナス中であることを報知する報知手段として機能する。
告知ランプ19は、具体的には、内部に設けられたLED(発光素子)が発光することにより点灯する。
告知ランプ19は、LEDの発光態様によって複数の色で点灯させることができる。
【0011】
表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序をナビゲートするナビランプ12を備えている。また、表示窓6の下方には、遊技者にとって有利な状態である旨を報知する有利区間ランプ13を備えている。
【0012】
前扉1aの上部には、報知手段として動作する表示器8を備えている。
表示器8は、例えば、液晶表示器から構成されており、画像や文字による各種演出、遊技における各種情報の表示等を行う。
本実施形態に係る表示器8には、通常区間におけるゲーム数や疑似ボーナスの残りゲーム数などを表示するゲーム数表示領域rが右下部に設けられている。
ゲーム数表示領域rは遊技状態に応じて表示色を変えて表示することができる。
なお、表示器8は、図1に示すように、1つ設ける構成としているが、これに限らず、複数設けてもよい。例えば、2つの表示器(主表示器と副表示器)を設け、2つ並んだ状態で配置することで、主表示器と副表示器とを合わせて一つの表示部のように機能させてもよい。また、スロットマシン1の下方に配置される大型の表示部である下パネル表示器に表示器を設けてもよい。
また、表示器8を設けず、例えば、7セグLED等によりゲーム数表示領域rを構成してもよい。
【0013】
表示器8の両側には、報知手段として動作する、音による演出や報知を行うスピーカ9、各役の入賞時や表示器8で表示される演出に対応して光の演出や報知を行うランプ11を備えている。
また、前扉1aの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口7bを備えている。
【0014】
筐体1bの上部には、遊技を統括的に制御する主制御部10を備えており、前扉1aの上部には、主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行う副制御部20を備えている。
また、筐体1bの中央部には、リール41を回転駆動させるドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、水平方向に並設されるリール41a、リール41b、リール41cを備え、これらリール41a~41cが、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。
各リール41a~41cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が表され、リール41の停止状態において、各リール41a~41cについて、上段・中段・下段の3つの図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
また、筐体1bの下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7、メダルを貯留するホッパー7aを備えており、メダル払出装置7から払い出されたメダルは、メダル払出口7bを介して遊技者に払い出される。
【0015】
筐体1bの下部には、電源装置14を備えている。
電源装置14は、主制御部10及び副制御部20を含む各装置に電力を供給するための装置であり、スロットマシン1の外部から入力される電源の電圧又は周波数を監視し、それらの電圧又は周波数が所定値以下に低下したことにより、スロットマシン1への電力供給が停止されたことを示す電断信号を主制御部10及び副制御部20に出力する。
さらに、電源装置14は、電源復帰により、所定値を超える電圧又は周波数を示す電力の供給を検出すると、スロットマシン1への電力供給が開始されたことを示す電源復帰信号を、主制御部10及び副制御部20に出力する。
【0016】
図3は、スロットマシン1の制御系の構成を示している。なお、図1及び図2で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付している。
主制御部10には、各種演算処理等を行うCPU(図示省略)と、遊技に関する制御プログラムや小役等の抽選を行うための抽選テーブル等が格納されたROM(図示省略)と、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えたRAM(図示省略)等が備えられている。
また、主制御部10には、ベットボタン2a、MAXベットボタン2e、精算ボタン2b、メダルセレクタ2d、スタートレバー3、停止ボタン5(停止ボタン5a~5c)が接続され、各機器に内蔵されたセンサからの信号を入力可能に構成されている。
【0017】
主制御部10は、遊技に関する抽選を実行可能な抽選手段として機能する。
具体的には、主制御部10は、スタートレバー3からの信号に基づいて遊技の開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、主制御部10は、サンプリングされた乱数に基づき、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を抽選により決定する内部抽選処理を行い、内部抽選処理の当選結果に応じた図柄の組合せで停止するようにリール41の停止制御を行う。
また、主制御部10は、ROMに記憶された制御プログラム等を適宜読み出して実行することにより、後述する実施形態の各種機能を実現している。
【0018】
このほか、主制御部10は、所定の遊技タイミング(例えば、スタートレバー操作、停止ボタン5a~5cの操作、遊技状態の移行など)で、所定の信号やコマンド(制御情報)を副制御部20に出力する。
例えば、主制御部10は、スタートレバー3が操作された場合には、スタートレバー操作があったことを示す信号を副制御部20に出力する。
また、主制御部10は、各停止ボタン5a~5cが操作された場合には、どの停止ボタン5がどの順番で操作されたのかを識別可能な信号を副制御部20に出力する。
また、主制御部10は、停止ボタン5の操作により各リール41a~41cが停止された場合、どのリール41がどの順番で停止したのか、上段・中段・下段の図柄などを識別可能な情報を副制御部20に出力する。
また、主制御部10は、スロットマシン1が有する遊技状態が移行する場合には、どの遊技状態に移行したのかを識別可能な情報を副制御部20に出力する。
【0019】
また、主制御部10は、電源装置14から電断信号と電源復帰信号を入力可能に構成されている。
主制御部10は、電断信号を入力すると、その入力時における遊技情報をRAMに記憶(退避)する電源断処理を実行する。この遊技情報には、例えば、そのときの遊技状態、当選役、リール41の停止態様、ベット数等の情報が含まれている。
また、主制御部10は、電源復帰信号を入力すると、RAMに記憶(退避)した遊技情報をロードして遊技を再開する電源復帰処理を実行する。すなわち、主制御部10は、電源復帰信号を入力すると、ロードした遊技情報に基づいて電源断直前の状態に復帰させる。
また、主制御部10は、電源復帰処理において、遊技情報を副制御部20に送信する。これにより、副制御部20では、電源断直前の遊技状態に基づいて演出を再開することができる。
【0020】
また、主制御部10には、ドラムユニット4、メダル払出装置7、有利区間ランプ13、告知ランプ19、表示器8、副制御部20が接続され、各機器に対して信号を出力可能に構成されている。
具体的には、主制御部10は、スタートレバー3や停止ボタン5からの信号に基づき、ドラムユニット4を駆動させてリール41a~41cを回転・停止させる処理、メダル払出装置7を駆動させてメダルを払い出す処理、遊技者にとって有利な遊技状態が発生した場合に有利区間ランプ13を点灯させる処理、内部抽選において疑似ボーナス(RB、BB、特殊AT)に当選した場合に告知ランプ19を点灯させる処理等を行う。
告知ランプ19は、疑似ボーナスの種類に応じて点灯色を変えることができる。
例えば、RBやBBに当選した場合は赤点灯を行い、特殊ATに当選した場合は青点灯を行う。
なお、告知ランプ19は、主制御部10ではなく、副制御部20により点灯制御することもできる。
【0021】
副制御部20には、演出に関するプログラム、演出用画像データ、音声データ等の各種情報等を格納するROM(図示省略)と、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えたRAM(図示省略)等が備えられている。
また、副制御部20には、演出ボタン2cが接続され、機器に内蔵されたセンサからの信号を入力可能に構成されているとともに、表示器8、スピーカ9、ランプ11、ナビランプ12が接続され、各機器に対して信号を出力可能に構成されている。例えば、副制御部20は、演出ボタン2cからの信号に基づき、各演出の切替タイミングを制御可能となっている。
また、副制御部20は、演出制御手段として動作し、主制御部10からの一方向のみのコマンド(制御情報)に応じて、表示器8において所定の演出の画像処理や、スピーカ9において各種演出や報知を行う音声出力処置や、LED等で構成されたランプ11やナビランプ12の点灯処理等を行う。
【0022】
また、副制御部20は、電源装置14から電断信号と電源復帰信号を入力可能に構成されている。
副制御部20は、電断信号を入力すると、その入力時に実行中の演出内容を特定する演出情報をRAMに記憶(退避)する。この演出情報には、例えば、表示器8において表示されている各種情報等が含まれている。
また、副制御部20は、電源復帰信号を入力すると、主制御部10から受信した遊技情報とRAMに記憶(退避)した演出情報に基づいて、演出を再開する。
【0023】
このようなスロットマシン1は、主制御部10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
遊技の開始にあたり、メダル(クレジットメダルも含む)を用いてベット数の設定を行う。
ベット数の設定は、メダル投入口2から直接メダルを投入して設定する方法と、ベットボタン2aやMAXベットボタン2eを押圧操作して設定する方法とがある。
【0024】
メダル投入口2からメダルを投入してベット数を設定する方法では、投入されたメダルが前扉1a裏面に設けられたメダルセレクタ2dによって検知されることにより、投入分のメダル枚数に対応するベット数(ただし、メダル3枚に対応する3ベットが上限)が設定されることになる。
MAXベットボタン2eは、クレジットとして貯留されたメダルを、1回の操作で1回のゲームに賭けられる最大枚数(3枚)を賭けることができ、1ベットボタン2aは、1回の操作につき1枚を賭けることができる。
【0025】
ベットボタン2aやMAXベットボタン2eが押圧操作されると、内部的にデータとして記憶されたクレジットメダルから、1回の遊技に使用するメダル枚数として所定数(例えば、3枚)のメダル枚数が減算され、減算された分が3ベットとして設定されることになる。
また、クレジットメダルは、メダル投入口2からのメダル投入や入賞により加算され、例えば、メダル50枚までクレジット(記憶)することができる。
なお、ベット数の上限は、「1」、「2」又は「4」以上でもよい。
【0026】
このように、メダル投入口2からのメダル投入や、ベットボタン2a等の押圧操作により設定されたベット数は、主制御部10に備えるRAMなどの記憶手段に記憶される。
そして、1回の遊技を実行可能なベット数になったときに、1回の遊技を開始可能な状態となる。
この遊技開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール41a~41cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役などの複数の当選役(ハズレを含む)の中から、今回ゲームの当選役をリール41の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
【0027】
各リール41a~41cは、可変表示手段の一例であり、各リール41a~41cの周面には、識別情報となる複数(例えば、20個)の図柄を有している。「リプレイ」、「ベル」、「共通一枚役」、「チェリー」、「スイカ」、「BAR」、「7」等の図柄が表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
また、リール41a~41cの形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
リール41a~41cが回転すると、表示窓6内を通じて、図柄が上から下へ向かうように変動表示がされる。
すなわち、リール41a~41cは、ベット数の設定、スタートレバー3が操作されたことなど所定の変動開始条件が成立した場合に図柄を変動表示させる識別情報表示手段として機能する。
【0028】
停止ボタン5a~5cは、リール41の停止操作を行うための停止操作手段であり、例えば、停止ボタン5a~5cに内蔵されたLED等の発光手段が点灯することにより押圧操作可能な状態となり、このような状態において各停止ボタン5が押圧操作されると、その操作タイミングなど(停止操作態様)と、内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せ(停止表示態様)で停止表示するように、各リール41a~41cが停止制御される。
すなわち、停止ボタン5は、識別情報表示手段であるリール41a~41cにおいて変動表示している図柄を停止表示させるために操作する停止操作手段として機能する。
【0029】
リール41の停止制御では、停止ボタン5の操作タイミングに基づき、内部抽選処理の当選結果に応じた図柄の組合せで停止するように制御が行われる。
また、当選した役に対応する図柄が有効ラインに到達する前に押圧操作が行われた場合には、リール41a~41cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄を有効ライン上に停止させる、所謂引込停止制御が行われる。
具体的には、操作されたタイミングからリール41の回転をさらに進めることができるスベリコマ数(例えば、0~4図柄)の範囲内に、当選した役に対応する図柄があるか否かを判定しつつ、スベリコマ数の範囲内に当選対象に対応する図柄がある場合には、その図柄を有効ライン上に引き込むように制御が行われる。
【0030】
そして、第3停止操作後に、有効ライン上に停止した図柄の組合せを判定した結果、所定の図柄の組合せであるときに入賞と判定され、図柄の組合せに応じた遊技価値(メダル)が付与される。
なお、第3リールとは、3つのリール41a~41cの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3操作目に停止操作(第3停止操作)されたリールをいう。また、第3停止操作後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後のことをいう。
同様に、第1リールは、1操作目に停止操作(第1停止操作)がされたリールを示し、第2リールは、2操作目に停止操作(第2停止操作)がされたリールを示す。
【0031】
また、入賞の判定は、リール41a~41cそれぞれに表された3つの図柄が機外から視認可能に停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
例えば、本実施形態では、入賞の判定は、上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインのうち、右上がりのライン(クロスアップライン)上のみに停止した図柄の組合せに基づいて入賞の有無が判定されるようになっている。なお、入賞を判定する有効ラインの本数は、1ラインに限らず、図柄の配置構成、図柄の種類、当選役に対応する図柄の組合せなどの関係により、適宜変更することができる。
【0032】
内部抽選処理の対象となる当選役には、例えば、小役、リプレイ役、ボーナス役がある。
小役には、例えば、スイカ役、チェリー役、ベル役、共通一枚役がある。
なお、以下の説明において、チェリー役とスイカ役を纏めて「レア役」ともいい、レア役以外のリプレイ役、ベル役、共通一枚役を「非レア役」ともいう。
また、レア役は2種類に限らず、1種類以下でもよく、3種以上でもよい。
各役の当選確率は、押し順ベル(合算値)>共通一枚役>リプレイ>スイカ>チェリーの関係性を有するように設定されている。
【0033】
スイカ役(「スイカ」)は、有効ライン上に「ベル・スイカ・ベル」の図柄の組合せが停止表示する。
チェリー役は、有効ライン上に「チェリー・ANY・ANY」の図柄の組合せが停止表示する。
リプレイ役(「通常リプレイ」)は、有効ライン上に「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄の組合せが停止表示する。
【0034】
ベル役には、「押し順ベル」がある。
「押し順ベル」は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順)に従うことにより図柄の組合せが揃う当選役であり、6つの「押し順ベル1~6」が設けられている。なお、以下の説明において、「押し順ベル1~6」を、単に「押し順ベル」ともいう。
「押し順ベル1~6」は、6通りある押し順のうち、1通り(1/6)の押し順(正解押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せが停止表示され、一方、他の5通り(5/6)の押し順(不正解押し順)によって停止ボタン5が操作された場合には、対応する図柄の組合せが停止表示されないようになっている。
例えば、「押し順ベル1」に当選した場合には、「左→中→右」の押し順(正解押し順)で停止ボタン5a~5cが操作されると、有効ライン上に「ベル・ベル・ベル」が停止表示し、それ以外の押し順(不正解押し順)で停止ボタン5a~5cが操作された場合には、他の図柄の組合せ(以下、「押し順ベルこぼし目」という)が停止表示される。
例えば、「押し順ベル1」に当選した場合に、「左→右→中」の順に停止ボタン5a~5cが停止操作された場合、「リプレイ・ベル・リプレイ」を「押し順ベルこぼし目」として停止表示する。
【0035】
ただし、不正解押し順のうち、所定の押し順で停止ボタン5a~5cが操作された場合には、後記「共通一枚役」と同じ図柄を停止表示する。
例えば、「押し順ベル1」に当選した場合に、「右→中→左」の順に停止ボタン5a~5cを停止操作した場合、「ベル・リプレイ・リプレイ」が停止表示する。
「押し順ベル2」の正解押し順は「左→右→中」であり、「押し順ベル3」の正解押し順は「中→左→右」であり、「押し順ベル4」の正解押し順は「中→右→左」、「押し順ベル5」の正解押し順は「右→左→中」、「押し順ベル6」の正解押し順は「右→中→左」であり、それぞれ上記「押し順ベル1」と同様の停止表示処理が実行される。
【0036】
なお、「押し順ベル」に当選した場合に、第2停止操作、第3停止操作として操作する停止ボタン5を問わず、第1停止操作として操作を行う停止ボタン5のみが正解押し順に従っていれば、「押し順ベル」に対応する図柄の組合せが停止するようにリール41の停止制御を行うこともできる。この場合、「押し順ベル」は、6通りに限らず、3通りの「押し順ベル1~3」としてもよい。
また、第1停止操作時に停止した図柄の種類も組み合わせに加えることで、12通り以上になるようにしてもよい。
【0037】
「共通一枚役」は、有効ライン上に「ベル・リプレイ・リプレイ」の図柄の組合せが停止表示する。
つまり、押し順ベルに当選した場合において所定の不正解押し順で停止操作が行われたときと同じ図柄の組合せが停止表示される。
【0038】
ボーナス役には、対応する図柄の組合せが「7・7・7」である「ボーナス」が設けられている。
「ボーナス」は、後述するRT状態のうちRT0滞在中に抽選対象となる当選役であり、2ベットが設定されたゲーム(2ベットゲーム)でのみ当選する。
【0039】
また、ボーナス役は、主制御部10により、当選したゲーム及び当該ゲーム以降のゲームにおいても対応する図柄の組合せが停止しない限り、「ボーナス」に当選した権利を持ち越すことが可能な持越し制御の対象役である。
このため、「ボーナス」に対応する図柄の組合せが停止表示するまでの期間は、「ボーナス」当選の権利を持ち越している「持越し状態」となる。
一方、「ボーナス」に対応する図柄の組合せが停止表示する(「ボーナス」が入賞する)と、「ボーナス」当選の権利を持ち越していない「非持越し状態」となる。
すなわち、「持越し状態」は、ボーナス役に当選しているが、未だボーナス役に対応する図柄の組合せが停止していない状態(以下、この状態を「ボーナス当選状態」という)であり、「非持越し状態」は、ボーナス役に当選していない状態(以下、この状態を「ボーナス非当選状態」という)である。
【0040】
主制御部10は、小役、リプレイ役、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示したか否かによって、各賞の入賞の有無をそれぞれ判定し、この判定の結果、入賞と判定した場合には、入賞役に対応する遊技価値としてメダルを払い出す。
すなわち、主制御部10は、停止ボタン5a~5cが操作されることで、リール41a~41cにおいて変動表示している図柄が所定態様で停止表示された場合、遊技価値を付与する遊技価値付与手段として機能する。
本実施形態のスロットマシン1は、基本的には、2ベットゲームにおいてボーナスに当選した後のボーナス当選状態において、3ベットを設定してゲーム(3ベットゲーム)が進行する。
図4は、停止図柄とメダルの払い出し枚数との対応を示す配当テーブルである。
例えば、「押し順ベル1~6」の当選時に、正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作された場合には、6枚のメダルが払い出される。
一方、「押し順ベル1~6」の当選時に、不正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作された場合には、対応する図柄の組合せが停止されず、規定枚数のメダルは払い出されない。
具体的には、「押し順ベルこぼし目」が停止表示された場合には、メダルを払い出さず(払出数:0枚)、所定の押し順操作によって「共通1枚役」と同じ停止図柄「ベル・リプレイ・リプレイ」が停止表示された場合には、1枚のメダルを払い出すようにしている。
「チェリー」に対応する図柄の組合せが停止した場合には、1枚のメダルが払い出される。
「スイカ」に対応する図柄の組合せが停止した場合には、3枚のメダルが払い出される。
「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せの停止表示により、次ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、再遊技が可能な状態となる。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0041】
スロットマシン1には、主制御部10(抽選手段)において抽選される役のうち特定の役(例えば、レア役)の当選確率等を、ボタン等による外部操作(手動)により設定変更可能な確率設定手段が設けられている。
例えば、レア役の当選確率を、低い当選確率から高い当選確率までの6段階に区分けし、各段階を設定1~6にそれぞれ対応させることにより、レア役の当選確率を各設定値に応じた当選確率に変更することができる。
この場合、設定1が設定されているよりも、設定6が設定されている方が、レア役に当選する確率が高く設定されており、その結果、設定1が設定されているよりも、設定6が設定されている方が、スロットマシン遊技が有利に進行するように制御される。
主制御部10は、確率設定手段において設定値の変更が行われた場合には、スロットマシン1のシステムリセットが行われた場合と同様に、RAMの全記憶情報(ボーナス役の当選状態の情報等)を初期化する処理を行う。
なお、設定値を6段階に設定可能としたが、これに限らず、例えば、4段階(設定1、3、5、F)や3段階(設定1、設定3、設定6)としてもよい。
【0042】
本実施形態に係るスロットマシン1は、このようなスロットマシン遊技を実行可能な構成に加え、主制御部10が、遊技価値が付与可能な遊技である「第1遊技」と、遊技価値を付与不可能な遊技である「第2遊技」とを実行可能な遊技制御手段として機能する。
「第2遊技」は、後述する「自動停止」や「疑似遊技」であり、実際には遊技が進行しているわけではない状態で、リール41の作動・停止等を通常の遊技のように行うことで、あたかも遊技が進行しているかのように遊技者に感じさせる演出である。
【0043】
第2遊技では、スタートレバー3の操作に基づきリール41の回転が開始され、その後、停止ボタン5の停止操作が行われると、リール41が一時的に停止される状態、すなわち、再変動可能な態様で仮停止する状態となる。
仮停止状態では、リール41を仮停止させた状態のまま、上下に動作(揺動)させる制御が行われる。このように、リール41を揺動させることで、リール41を見た遊技者に、当該ゲームが通常の遊技(第1遊技)とは異なる遊技(第2遊技)であることを認識させることができる。
また、第2遊技は、仮停止状態でのリール41の停止態様に関わらず入賞を発生させない遊技である。すなわち、仮停止状態で、後述の各当選役に対応する図柄の組合せが仮停止表示されたとしても、入賞は発生せず、遊技者に対して遊技価値が付与されない(メダルが払い出されない)ようになっている。
【0044】
本実施形態のスロットマシン1は、以下に示すような遊技状態と、この遊技状態に基づく特徴的なゲーム性を備えている。
各遊技状態は、主制御部10が遊技状態制御手段として動作することにより、それぞれの遊技状態に制御(以下、移行ともいう)される。
【0045】
(RT状態)
まず、図5を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1が有するRT状態(以下、単にRTともいう)について説明する。
本実施形態に係るスロットマシン1は、RT状態として、RT0、RT1、RT2を有している。なお、本実施形態のRT状態は、3つであるが、2つ以下又は3つ以上であってもよい。
【0046】
RT0は、スロットマシン1のシステムリセット(初期出荷直後)、設定値の変更(同じ設定値を設定し直した場合(設定値の打ち直し)も含む)及びRT2の終了を契機として突入する(図5の矢印c)。
また、RT0は、2ベットゲーム中のボーナスの当選を契機として終了し、RT1に移行する(図5の矢印a)。
このように、RT0は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、ボーナスに当選しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
【0047】
RT1は、ボーナスに対応した図柄の組合せが停止表示する(ボーナスに入賞する)ことで終了し、RT2に移行する(図5の矢印b)。
すなわち、RT1は、ボーナスに当選してからボーナスが入賞するまで継続するようになっており、RT1では、ボーナス当選状態で遊技が進行される。
このように、RT1は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、ボーナス役が入賞しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
RT2は、ボーナス状態である。
RT2は、メダルの払い出し数が所定数(例えば、60枚)に達すると終了し、RT0に移行する。
【0048】
また、本実施形態のRT状態では、RT1からRT2へは、基本的に、移行しないように制御される。これは、次の理由によるものである。
RT0において「ボーナス」に当選した場合には、このボーナス当選ゲームでのみ、ボーナスに入賞可能ではあるものの、「ボーナス」に当選したことが報知されないため、遊技者は、基本的に、ボーナスに対応する図柄の組合せを停止表示させることが困難である。
そのため、ボーナス当選ゲームの次ゲームから、「ボーナス」当選の権利を持ち越した状態で、RT1(ボーナス当選状態)へ移行することになる。
また、RT1中は、ボーナスの入賞が可能なタイミングである「ハズレ」に当選しないため、ボーナスには入賞しないようになっている。
このようなことから、本実施形態に係るスロットマシン1は、基本的に、RT1からRT2へ移行することはなく、一旦、RT0からRT1に移行した場合には、スロットマシン1のシステムリセットが行われない限り、RT1に制御された状態で遊技が進行するようになっている。
【0049】
また、本実施形態のスロットマシン1は、「押し順ベル1~6」に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)に制御可能となっている。
ATは、内部抽選処理によって「押し順ベル1~6」に当選すると、副制御部20が表示器8等を制御することにより、特定情報(停止ボタン5に対する押し順や目押しの目安となる図柄等)を報知する制御を行うことで、対応する図柄の組合せを停止可能に報知する遊技状態(AT状態)である。
【0050】
例えば、押し順の報知は、「押し順ベル1」に当選した場合には、「1」、「2」、「3」の文字情報からなる押し順を、左から順に表示器8に表示し、「左」、「中」、「右」の音声をスピーカ9から出力し、ナビランプに、12a(左)、12b(中)、12c(右)の順で点灯することにより、停止ボタン5の押し順を報知する。
なお、本実施形態では、表示器8、ナビランプ12、スピーカ9等の報知手段によって押し順がナビゲートされることを「押し順ナビ」ともいう。
すなわち、「押し順ナビ」とは、所定態様で図柄を停止表示するための操作情報であり、表示器8等の報知手段により報知するようにしている。
非AT状態(前兆ステージを除く)では、内部抽選処理の当選結果が「押し順ベル1~6」であっても、停止ボタン5の押し順が報知されない。このため、遊技者は、操作した停止ボタン5の操作順序が、偶然に当選した「押し順ベル1~6」に対応する押し順と一致しない限り、基本的に、当選した「押し順ベル1~6」に対応する図柄の組合せを、停止表示させることができない。
このため、スロットマシン1の遊技性は、遊技者がAT状態に長時間滞在するような遊技を行うことにより、出玉を増やすといったものになる。
【0051】
(遊技区間)
図6に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1は、遊技区間として通常区間と有利区間を有する。
具体的には、通常区間は押し順ベルに当選しても報知手段により押し順ナビを報知不能な遊技区間であり、有利区間は押し順ナビを報知可能な遊技区間である。
主制御部10は、区間制御手段として動作することにより、報知手段が押し順ナビを報知不能な通常区間と、当該押し順ナビを報知可能な有利区間と、を含む遊技区間のうち何れかの遊技区間に制御する。
【0052】
通常区間は、スロットマシン1におけるシステムリセットが実行された場合や、設定値が変更(設定値の打ち直しも含む)された場合に滞在する。
通常区間は、常に、非AT状態である通常状態に制御されている。
なお、通常区間における通常状態と、有利区間における通常状態と、を区別するために、前者を「通常状態(通常区間)」と称し、後者を「通常状態(有利区間)」と称する。
【0053】
通常区間は、内部抽選処理により共通一枚役又はレア役(以下、これらを有利区間移行役ともいう)に当選するまで継続し、通常区間中に有利区間移行役に当選すると、当該当選ゲームの第3停止操作後に、有利区間に移行する(図6の矢印a)。
なお、有利区間移行役は、共通一枚役及びレア役以外の当選役としてもよい。
また、その他の条件(所定の当選役に対応する図柄の組合せの停止表示、所定の当選役に対応しない図柄の組合せの停止表示(押し順ベルこぼし目など))の成立を契機に通常区間から有利区間に移行するようにしてもよい。
すなわち、主制御部10は、通常区間において特定役が当選した場合に、有利区間に制御することが可能である。
【0054】
有利区間は、AT状態と非AT状態に区分される。
有利区間におけるAT状態を「AT状態(有利区間)」又は単に「AT状態」とも称し、有利区間における非AT状態を「通常状態(有利区間)」とも称する。
「通常状態(有利区間)」は、有利区間移行時に決定したモードで遊技が進行する。
モードには、通常Aモード、通常Bモード、天国モード、裏モード、及び終了モードとがある。
各モード(終了モードを除く)には、天井ゲーム数が設けられており、当該天井ゲーム数の到達(最終ゲームの終了)、又は、AT抽選の当選に応じ、「AT状態(有利区間)」に移行する(図6の矢印b)。
終了モードには、天井ゲーム数が設けられており、当該天井ゲーム数の到達(最終ゲームの終了)によって「通常状態(通常区間)」に移行し(図6の矢印d)、AT抽選の当選に応じ、「AT状態(有利区間)」に移行する(図6の矢印b)。
【0055】
AT状態には、「RB」、「BB」、及び「特殊AT」がある。
AT抽選に当選した場合、遊技制御手段は、「自動停止」又は「疑似遊技」と呼ばれる図柄停止遊技を第2遊技として実行した後に、疑似ボーナスとしてのAT(本遊技)を第1遊技として実行する。
「疑似遊技」は、停止ボタン5を停止操作することで当選した疑似ボーナスの図柄を仮停止する遊技である。
「自動停止」は、停止ボタン5の停止操作することなく当選した疑似ボーナスの図柄を仮停止する遊技である。
ATはゲーム数管理型ATであり、規定のゲーム数を消化すると終了する。
RB及びBBは、規定のゲーム数を消化すると「通常状態(有利区間)」に移行し(図6の矢印c)、特殊ATは、規定のゲーム数を消化すると「通常状態(通常区間)」に移行する(図6の矢印e)。
なお、ゲーム数管理型AT機に限らず、差枚数管理型AT機、特定小役(押し順ベル等)当選数管理型AT機、払出数管理型AT機を本発明の遊技機に適用してもよい。
また、第一種特別役物や第二種特別役物等、所謂リアルボーナスで出玉を増やすタイプのスロットマシンやART機を、本発明の遊技機に適用してもよい。
【0056】
有利区間中に「有利区間リミッタ」に到達した場合には、有利区間が終了して通常区間に移行する(図6の矢印d,e)。
有利区間中は、主制御部10が計数手段として動作することにより、以下に示す有利区間リミッタに関するカウンタに関する情報をRAMに記憶する。
・カウンタA…有利区間中のゲーム回数の計数値
・カウンタB…有利区間中の獲得枚数(差枚数)の計数値
具体的には、主制御部10は、通常区間から有利区間に移行すると、有利区間中に実行したゲーム回数の計数(カウンタA)と、有利区間中に獲得したメダル枚数の計数(カウンタB)を開始し、カウンタAの示す値がリミッタ値(1500ゲーム)に到達した場合、又は、カウンタBの示す値がリミッタ値(2400枚)に到達した場合に、有利区間を強制的に終了する。
なお、リミッタ値は、上記に限らず、上記以外の値(任意値)にすることができる。
【0057】
これ以外にも、有利区間中に所定の当選役(通常区間移行役)に当選したことを契機に、通常区間に移行するようにしてもよい。例えば、押し順に応じて停止表示される図柄の組合せが異なる当選役である「押し順リプレイ」を設け、この押し順リプレイの当選を契機に、正解押し順に従って停止ボタン5a~5cが操作された場合には、有利区間が終了して通常区間に移行するようにしてもよい。
【0058】
また、有利区間への移行時には、有利区間ランプ13が点灯され、当該点灯は、有利区間が終了するまで継続される。
ただし、興趣の低下を防止するために、実際にメダルの増加が見込める状態中のみ点灯させるようにしてもよい。例えば、通常状態中は、有利区間ランプ13を点灯しないようにしたり、最初に押し順ナビが実行されるまで点灯しないようにしてもよい。
【0059】
(各遊技状態)
次に、本実施形態に係るスロットマシン1の各遊技状態と、各遊技状態の遷移及び各遊技状態に基づくゲーム性について説明する。
なお、主制御部10は、通常区間及び有利区間の移行制御と、RT0~RT2間の移行制御と、各遊技状態間の移行制御とを、独立して行うことができる。ただし、前述したように、本実施形態の遊技は、基本的にRT1で行われるため、各遊技状態の遊技は、基本的に、RT1に滞在した状態で行われる。
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行タイミングは、基本的に、移行条件が成立した遊技の第3停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。なお、これに限定されず、移行条件の成立後、次ゲームから移行してもよい。
【0060】
本実施形態のスロットマシン1は、遊技状態として、通常状態(通常区間)、通常状態(有利区間)、及びAT状態(有利区間)を含む複数の遊技状態を有しており、主制御部10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、遊技状態間を移行する制御を行う。
【0061】
・通常状態(通常区間)
通常状態(通常区間)は、通常区間に区分され、スロットマシン1においてシステムリセットが実行された場合、設定値が変更(設定値の打ち直しも含む)された場合に滞在する。
また、上述したように、有利区間中に、「有利区間リミッタ」に到達した場合には、有利区間が終了して通常区間に移行する(図6の矢印d,e)。
また、AT状態における特殊ATの残りゲーム数が0になった場合も、AT状態が終了して、有利区間から通常区間に移行する。
通常状態(通常区間)の終了は、内部抽選処理により有利区間移行役に当選(有利区間移行条件が成立)した場合に、通常状態(有利区間)へ移行することで終了する(図6の矢印a)。
有利区間移行役は、共通一枚役とレア役であるため、通常状態(通常区間)の滞在期間は極めて短く、遊技中は、ほぼ通常状態(通常区間)以外の遊技状態に滞在することになる。
【0062】
通常状態(通常区間)では、有利区間移行役(共通一枚役・レア役)の当選を契機に「モード抽選」が実行される。
図7は、通常状態(通常区間)において有利区間移行役の当選時に実行されるモード抽選において参照されるモード抽選テーブルである。
図7(a)は、有利区間移行役として共通一枚役の当選時に参照されるモード抽選テーブルであり、図7(b)は、有利区間移行役としてレア役の当選時に参照されるモード抽選テーブルである。
モード抽選は、通常状態(有利区間)中に滞在するモードを、「通常Aモード」、「通常Bモード」、「天国モード」、「裏モード」、及び「終了モード」の中から決定する。
モード抽選は、有利区間移行役毎、及び、確率設定手段に係る設定毎に各モードの当選確率が設定されている。
【0063】
例えば、設定1の場合に、共通一枚役に当選した場合、128/256の確率で通常Aモードが決定するなど、比較的高い確率で通常Aモードに決定する(図7(a))。
また、設定1の場合に、レア役に当選した場合、192/256の確率で天国モードが決定するなど、比較的高い確率で天国モードに決定する(図7(b))。
また、共通一枚役に当選した場合は比較的高い確率で通常Aモードや通常Bモードに決定し(図7(a)、レア役に当選した場合は比較的高い確率で天国モードに決定する(図7(b))。
図7に示されるように、設定6の場合にのみ、「終了モード」に移行する可能性がある。
「終了モード」は、後述するように、他のモードと異なり、AT抽選に当選しないまま天井ゲーム数を消化した場合は、当該終了モードの終了と共に通常区間に移行する。
このため、設定6の場合にのみ、AT状態に移行しないまま有利区間が終了する場合がある。
つまり、AT状態に移行しないまま有利区間が終了した場合には、設定6の遊技機であることを示す。
【0064】
・通常状態(有利区間)
通常状態(有利区間)は、通常状態(通常区間)の終了後に突入する遊技状態であり(図6の矢印a)、非AT状態に制御される。
通常状態(有利区間)中は、モード抽選により決定したモードで遊技が進行する。
具体的には、主制御部10は、内部抽選処理において、共通一枚役又はレア役に当選した場合には、図7に示す「モード抽選テーブル」を参照することで、「通常Aモード」、「通常Bモード」、「天国モード」、「裏モード」、及び「終了モード」のうちのいずれかを抽選により決定する。
【0065】
図8は、モード別の仕様を示す図表である。
「通常Aモード」が決定された場合には、毎ゲーム1/384のボーナス当選確率で、かつ、BBとRBとのボーナス比率が6:4の抽選処理が、天井ゲーム数「512」が消化されるまで継続される。
「通常Bモード」が決定された場合には、毎ゲーム1/256のボーナス当選確率で、かつ、BBとRBとのボーナス比率が4:6の抽選処理が、天井ゲーム数「384」が消化されるまで継続される。
「天国モード」が決定された場合には、毎ゲーム1/32のボーナス当選確率で、かつ、BBとRBとのボーナス比率が5:5の抽選処理が、天井ゲーム数「32」が消化されるまで継続される。
「裏モード」が決定された場合には、毎ゲーム1/512のボーナス当選確率で、天井ゲーム数「777」が消化されるまで継続される。
「終了モード」が決定した場合には、毎ゲーム1/1024のボーナス当選確率で、天井ゲーム数「32」が消化されるまで継続される。
なお、図8には示されていないが、レア役に当選した場合は、滞在しているモードに対応するAT抽選の当選確率に基づくAT抽選を4回追加して実行する。
すなわち、レア役に当選した場合は、1回分+4回分=5回分のAT抽選を実行するため、レア役当選ゲームではAT状態への当選確率が向上する。
また、「終了モード」では、天井ゲーム数を消化する前にAT抽選に当選すると特殊ATに移行する(図6の矢印b)が、AT抽選に当選しないまま天井ゲーム数を消化した場合、通常区間に移行する(図6の矢印d)。
【0066】
すなわち、「通常Aモード」、「通常Bモード」、「天国モード」、及び「裏モード」では、規定の天井ゲーム数を消化した場合、又は、当該消化前にAT抽選に当選した場合にAT状態(有利区間)に移行する(図6の矢印b)。
有利区間では、副制御部20が、表示器8のゲーム数表示領域rに、有利区間におけるゲーム数を表示する。
本実施形態では、「0」→「1」→「2」のように、ゲームの進行に応じて1づつ加算する加算方式を採用するが、天井ゲーム数から減算していく減算方式を採用することもできる。
また、副制御部20は、レア役に当選したことで移行した有利区間中は赤色の表示色でゲーム数表示領域rを表示し、一枚共通役に当選したことで移行した有利区間中は青色の表示色でゲーム数表示領域rを表示する。
【0067】
図9は、通常状態において疑似ボーナスに当選した際に、当該疑似ボーナスの終了後のモードを選択するためのモード抽選テーブルである。
図9(a)は、モード毎に規定される天井ゲーム数の到達前に疑似ボーナスに当選した際(毎ゲーム実行されるAT抽選に当選した場合)に参照されるモード抽選テーブルであり、図9(b)は、モード毎に規定される天井ゲーム数の到達時に疑似ボーナスに当選した際に参照されるモード抽選テーブルである。
図9(a)に示すように、毎ゲーム実行されるAT抽選に当選して疑似ボーナスに移行した場合、当該疑似ボーナスの終了後は、天国モード又は終了モードに移行し、このうち天国モードの方が比較的高い確率で移行するように設定されている。
例えば、設定1,3,5は天国モードに192/256の確率で当選し、設定2,4は天国モードに160/256の確率で当選する。
【0068】
図9(b)に示すように、天井ゲーム数の到達時のゲームにおいて疑似ボーナスに当選して疑似ボーナスに移行した場合、当該疑似ボーナスの終了後は、天国モード又は終了モードに移行し、このうち終了モードの方が比較的高い確率で移行するようにしている。
例えば、設定1は終了モードに192/256の確率で当選し、設定2,4は終了モードに208/256の確率で当選する。
設定6においては、天井ゲーム数に未到達時や到達時のいずれの場合も、天国モードと終了モードのいずれについても128/256の確率で当選するようにしている。
このため、天国モードと終了モードとが同等の頻度で出現する場合には、設定6の遊技機である可能性を示唆する。
なお、天井ゲーム数で上記「毎ゲーム実行されるAT抽選」で疑似ボーナスに当選した場合は、図9(a)のモード抽選テーブルを参照して疑似ボーナス終了後のモードを選択するが、図9(b)のモード抽選テーブルを参照して疑似ボーナス終了後のモードを選択してもよく、また、これらのテーブルを参照せずに、必ず特定のモード(天国モード等)に移行させるようにしてもよい。
【0069】
・AT状態(有利区間)
ATには、「RB」と「BB」と「特殊AT」とがある(図10参照)。
「RB」は、自動停止又は疑似遊技における仮停止出目が「7・7・BAR」であり、20ゲーム/1セットの疑似ボーナスである。
すなわち、RBは、まず、図柄停止遊技において「7・7・BAR」を仮停止表示した後に、20ゲームの疑似ボーナスとしてATを開始する。
RB中にレア役に当選した場合に1G連抽選を実行する。
「BB」は、自動停止又は疑似遊技における仮停止出目が「7・7・7」(7揃い)であり、60ゲーム/1セットの疑似ボーナスである。BB中にレア役に当選した場合に1G連抽選を実行する。
すなわち、BBは、まず、図柄停止遊技において「7・7・7」を仮停止表示した後に、60ゲームの疑似ボーナスとしてATを開始する。
「特殊AT」は、自動停止又は疑似遊技における仮停止出目が「BAR・BAR・BAR」(BAR揃い)であり、10ゲーム/1セットのATである。
すなわち、特殊ATは、まず、図柄停止遊技において「BAR・BAR・BAR」を仮停止表示した後に、10ゲームの疑似ボーナスとしてATを開始する。
特殊ATは、1セット開始時に90%の確率で当選する継続抽選を実行し、当該継続抽選において当選し続ける限り特殊ATは継続する。
1セット中にレア役が当選した場合は、継続が確定し、継続が確定している状態でレア役に当選した場合は、1セットのゲーム数が10ゲーム延長される。
このため、特殊ATは、ループ抽選型のATである。
【0070】
表示器8のゲーム数表示領域rには、ATの残りゲーム数が表示される。
本実施形態では、例えばRBの場合、「19」→「18」→「17」のように、ゲームの進行に応じて天井ゲーム数から1づつ減算していく減算方式を採用するが、加算方式を採用することもできる。
また、ゲーム数表示領域rは、疑似ボーナス中は紫の表示色で表示される。
なお、ゲーム数表示領域rは、疑似ボーナスの種類に応じて表示色を変えることもできる。
例えば、RB中は紫色、BB中は銀色、特殊ATは金色の表示色で表示することができる。
【0071】
図11は、リール演出別の仕様を示す図表である。
同図に示すように、リール演出には、「自動運転モード」と「疑似遊技モード」と「ランダムモード」とがある。
どのリール演出を実行するかは、停止ボタン5の停止操作によって選択することができる。
「自動停止モード」は、有利区間移行当選ゲーム(通常区間の最終ゲーム)の第1停止操作を停止ボタン5aにより左リール41aに対して行った場合に選択されるモードであり、図柄停止遊技において、自動でリール41a~41cが各種ボーナス図柄に仮停止した後に疑似ボーナスを開始する。
例外として、特殊ATに移行する場合には、当該特殊ATのボーナス図柄に各リール41a~41cに仮停止する疑似遊技を実行する。
自動停止モードでは、疑似ボーナス図柄の仮停止表示態様で設定示唆が行われる。
【0072】
「疑似遊技モード」は、有利区間移行当選ゲーム(通常区間の最終ゲーム)の第1停止操作を停止ボタン5bにより中リール41bに対して行った場合に選択されるモードであり、図柄停止遊技において、遊技者の停止操作によりリール41a~41cが各種ボーナス図柄に仮停止した後に疑似ボーナスを開始する。
例外として、特殊ATに移行する場合には、当該特殊ATのボーナス図柄に各リール41a~41cが自動停止する。
疑似遊技モードでは、疑似遊技時の停止操作音で設定示唆が行われる。
【0073】
「ランダムモード」は、有利区間移行当選ゲーム(通常区間の最終ゲーム)の第1停止操作を停止ボタン5cにより右リール41cに対して行った場合に選択されるモードであり、図柄停止遊技において、自動でリール41a~41cが疑似ボーナス図柄に仮停止したり、又は、停止操作でリール41a~41cが疑似ボーナス図柄に仮停止し、その後、疑似ボーナスを開始する。
特殊ATに移行する場合には、奇数設定であるときには自動的にリール41a~41cがボーナス図柄に仮停止を実行し、偶数設定であるときには遊技者の停止操作によりリール41a~41cがボーナス図柄に仮停止される。
このため、疑似遊技時において、自動でリール41a~41cが仮停止することで奇数設定の示唆が可能になり、停止操作でリール41a~41cが仮停止することで偶数設定の示唆が可能になる。
【0074】
停止ボタン5に限らず、ベットボタン2a、精算ボタン2b、演出ボタン2cなどの遊技者が操作可能な操作手段を用いて選択することができる。
例えば、ベットボタン2aの押下回数に応じてモード選択を行ったり、ベットボタン2aを自動停止モードに対応付け、精算ボタン2bを疑似遊技モードに対応付け、演出ボタン2cをランダムモードに対応付けることで、操作手段の操作に応じたモード選択を行うようにできる。
このように主制御部10は、特定タイミングで遊技制御手段により実行される第2遊技を、停止操作手段を操作することでボーナス図柄が停止される疑似遊技とするか、停止操作手段を操作することなくボーナス図柄が停止される自動遊技とするかを、操作手段への操作態様に基づいて選択する選択手段として機能する。
また、選択手段は、通常区間において特定役(有利区間移行役)が当選した場合において、操作手段への操作態様に基づいて疑似遊技と自動停止とのうち、何れかを選択可能である。
また、主制御部10は、遊技者に有利な特定遊技状態(疑似ボーナス)に制御可能な遊技状態制御手段として機能するところ、特定遊技状態が開始するタイミングである特定タイミングにおいて、特定態様(7揃い等)で図柄を停止表示可能にしている。
【0075】
なお、上記例においては、特殊ATの移行時には、選択したリール演出には対応しない仮停止態様でリール41a~41cが制御される(自動停止モードの場合は疑似遊技で、疑似遊技モードの場合は自動停止でリール41a~41cが制御される)が、疑似ボーナス移行時と同様に、リール演出に対応した仮停止態様でリール41a~41cを制御する(自動停止モードの場合は自動停止でリール41a~41cを制御し、疑似遊技モードの場合は停止操作でリール41a~41cを制御する)ようにしてもよい。
また、本実施形態のスロットマシン1は、有利区間移行役としての共通一枚役とレア役とは、どのような停止操作を行ってもメダルの払出数が同一(1枚)になるように制御するが、停止操作によって払出数が異なる役(取りこぼしが発生する役)を有利区間移行役に採用することもできる。
【0076】
AT状態は、終了モードを除き、通常状態(有利区間)においてAT抽選に当選又は天井ゲーム数を消化した場合に移行する遊技状態である(図6の矢印b)。
AT状態は、副制御部20により、当選した「押し順ベル1~6」の正解押し順の報知(押し順ナビ)が高い確率(割合)で実行される遊技状態であり、押し順ナビに従って遊技者が停止操作を行うことで、遊技者の手持ちのメダルが一定の増加量で増加する遊技者にとって有利な遊技状態である。そのため、遊技者は、少しでも長い期間、AT状態に滞在することを望みながら遊技を行うことになる。
【0077】
AT状態は、ゲーム数管理型のAT(特殊ATはループ抽選型)であり、AT状態におけるゲームの実行回数がモード毎の天井ゲーム数(図8参照)に到達した場合(残りゲーム数が0になった場合)に、有利区間の終了とともに終了する。
【0078】
(各種テーブル)
図12(a)、(b)は、リール演出が自動停止モードである場合において、AT開始時にボーナス図柄が仮停止する際に、どの有効ラインにボーナス図柄を仮停止表示させるかを決定するためのテーブルである。
図12(a)は、AT開始時に仮停止するボーナス図柄がBB図柄である場合に参照するテーブルであり、図12(b)は、AT開始時に仮停止するボーナス図柄がRB図柄である場合に参照するテーブルである。
図12(a)からは、リール演出が自動停止の場合において、AT開始時に仮停止するBB図柄は、奇数設定の場合には、上段揃い(表示窓6内の上段においてボーナス図柄が揃うこと)が比較的多く、偶数設定の場合には、中段揃いが比較的多いことがわかる。
これにより、BB図柄が上段に自動的に揃うことによって、奇数設定台である可能性を示唆し、BB図柄が中段に自動的に揃うことによって、偶数設定台である可能性を示唆することができる。
また、AT開始時に仮停止するBB図柄は、低設定よりも高設定の方が下段揃いが多いことがわかる。
これにより、BB図柄が下段に揃うことによって、高設定台である可能性を示唆することができる。
図12(b)からは、リール演出が自動停止の場合において、AT開始時に仮停止するRB図柄は、高設定の場合にのみ、下段揃いになることがわかる。
これにより、RB図柄が下段に自動的に揃うことによって、高設定台である可能性を示唆することができる。
【0079】
図12(c)、(d)は、リール演出が疑似遊技モードである場合において、ボーナス図柄が仮停止する際に、どの停止音を出力するかを決定するためのテーブルである。
図12(c)は、AT開始時に停止するボーナス図柄がBB図柄である場合に参照するテーブルであり、図12(d)は、AT開始時に停止するボーナス図柄がRB図柄である場合に参照するテーブルである。
図12(c)からは、BB図柄の仮停止時に出力される音は、奇数設定の場合には「通常音A」が比較的多く、偶数設定の場合には「通常音B」が比較的多いことがわかる。
これにより、疑似遊技において、通常音Aが出力されることによって、奇数設定台である可能性を示唆し、通常音Bが出力されることによって、偶数設定台である可能性を示唆することができる。
また、出力音は、低設定よりも高設定の方が特殊音Aが多いことがわかる。
これにより、特殊音Aが出力されることによって、高設定台である可能性を示唆することができる。
図12(d)からは、RB図柄の仮停止時に出力される音は、「通常音C」と「通常音D」と「特殊音B」であることがわかる。
また、RB図柄の仮停止時に出力される音は、高設定の場合にのみ特殊音Bが出力されることがわかる。
これにより、疑似遊技において、特殊音Bが出力されることによって、高設定台であることを示唆することができる。
【0080】
図13は、リール演出がランダムモードである場合において、AT開始時にボーナス図柄が仮停止する際に、疑似遊技とするか自動停止とするかを決定するためのテーブルである。
図13(a)は、ATの種別がBBであり、且つ、連荘数が奇数(1回を含む)の場合に参照するテーブルであり、図13(b)は、ATの種別がBBであり、且つ、連荘数が偶数の場合に参照するテーブルである。
図13(c)は、ATの種別がRBであり、且つ、連荘数が奇数(1回を含む)の場合に参照するテーブルであり、図13(d)は、ATの種別がRBであり、且つ、連荘数が偶数の場合に参照するテーブルである。
図13(a)からは、BBの連荘数が奇数の場合において、奇数設定のときには自動停止が比較的多く決定され、図13(b)からは、BBの連荘数が偶数の場合において偶数設定のときには疑似遊技が比較的多く決定され、図13(c)からは、RBの連荘数が奇数の場合において、奇数設定のときには疑似遊技が比較的多く決定され、図13(d)からは、RBの連荘数が偶数の場合には、偶数設定のときには疑似遊技が比較的多く決定されることがわかる。
このため、例えば、BBやRBに初当りしたなど連荘数が奇数の場合においてBB図柄が自動停止した場合やRB図柄が停止操作で停止した場合には、奇数設定台であることを示唆することができる(図13(a)、(c))。
また、BBやRBの連荘数が偶数の場合においてBB図柄が自動停止した場合やRB図柄が停止操作で停止した場合には、偶数設定台であることを示唆することができる(図13(b)、(d))
【0081】
図14は、1G連抽選テーブルの一例を示す図表である。
BB又はRBに移行した場合、移行した疑似ボーナス中にレア役に当選したときは、この1G連抽選テーブルを参照して、BB又はRBを1ゲーム追加するか否かを判定する。
1G連抽選に当選した場合、1ゲームが疑似ボーナスとして追加される。
例えば、図14において、奇数設定は、BBの方がRBよりも多く当選する。
このため、BBゲームにおいて、RBよりも多く1G連が実行される場合は、奇数設定台であることを示唆することができる。
【0082】
(自動停止と疑似遊技にかかる時間)
図15は、「自動停止にかかる時間」と「疑似遊技にかかる時間」との対比図である。
具体的には、自動停止及び疑似遊技に関し、スタートレバー操作開始から本遊技(AT)が開始されるまでの時間を対比可能に並べて示している。
なお、疑似遊技における「レバー操作されてから停止操作の受付けが有効化されるまでの時間」と、自動停止における「レバー操作されてから自動停止が開始されるまでの時間」とは共に同じ時間T1がかかる。
【0083】
「自動停止」では、前記「時間T1」に、「自動停止が開始されてから全リールが仮停止(全リール同時停止)されるまでの時間」と、「全リールが仮停止してから本遊技が開始するまでの時間」とがかかるため、これらを共に「時間T1」と設定することで、「時間T1」+「時間T1」+「時間T1」(=3T)が「自動停止にかかる時間」となる。
他方、「疑似遊技」では、前記「時間T1」に、「停止操作の受付けが有効化されてから全リールが仮停止されるまでの時間」である「1リールが仮停止するまでの時間T2」×3と、「全リールが仮停止してから本遊技が開始するまでの時間T3」とがかかるため、「時間T1」+「時間T2」×3+「時間T3」が「疑似遊技にかかる時間」となる。
この場合、T1をT3より短くし、且つ、T2より長くする(すなわち、T3>T1>T2の関係を有するように各時間を設定する)ことで、「自動停止にかかる時間」を「疑似遊技(最短)にかかる時間」よりも短くすることができる。
このほか、例えば、T1=3×T2とし、かつ、T3をT1より長くするなど、様々な時間設定により、「自動停止にかかる時間」を「疑似遊技(最短)にかかる時間」よりも短くすることができる。
このため、自動停止モードの方が疑似遊技モードよりもスピーディに遊技を行うことができる。
【0084】
ただし、「自動停止にかかる時間」と「疑似遊技にかかる時間」との関係を調整することもできる。
図16図18は、「自動停止にかかる時間」と「疑似遊技にかかる時間」の他の例に係る対比図である。
図16は、「自動停止にかかる時間」よりも「疑似遊技にかかる時間」の方が短いことを示す図である。
この場合、「自動停止」では、前記「時間T1」に、「自動停止が開始されてから全リールが仮停止(全リール同時停止)されるまでの時間T4」と、「全リールが仮停止してから本遊技が開始するまでの時間T3」とがかかるため、「時間T1」+「時間T4」+「時間T3」が「自動停止にかかる時間」となる。
他方、「疑似遊技」では、前記「時間T1」に、「停止操作の受付けが有効化されてから全リールが停止操作されるまでの時間」である「1リールが仮停止するまでの時間T2」×3と、「全リールが仮停止してから本遊技が開始するまでの時間T3」とがかかるため、「時間T1」+「時間T2」×3+「時間T3」が、「疑似遊技にかかる時間」となる。
この場合、T3をT4より短くし、且つ、T1より長くすると共に、T1をT3より短くし、且つ、T2より長くする(すなわち、T4>T3>T1>T2の関係を有するように各時間を設定する)ことで、「疑似遊技(最短)にかかる時間」を「自動停止にかかる時間」よりも短くすることができる。
図16に示すように、T4=3×T2とし、かつ、T3をT1より長くするなどにより、「疑似遊技(最短)にかかる時間」を「自動停止にかかる時間」よりも短くすることができる。
このため、例えば、図15に示す時間関係や図16に示す時間関係を抽選によって均等割合で出現させることで、公平性を担保することができる。
【0085】
図17及び図18は、「自動停止にかかる時間」と「疑似遊技にかかる時間」とを同じにする場合を示す図である。
図17は、図16で示した各時間設定において、「疑似遊技にかかる時間」における「全リールが仮停止してから本遊技が開始するまでの時間T3」と、「自動停止にかかる時間」おける「全リールが仮停止してから本遊技が開始するまでの時間T1」と、を同じ時間(T3)に設定することで、いずれも「時間T1」+「時間T2」×3(=T4)+「時間T3」の時間がかかる。
すなわち、このような時間設定によって「自動停止にかかる時間」と「疑似遊技にかかる時間」とを同時間にすることができる。
【0086】
図18(a)は、「自動停止にかかる時間」は、図16及び図17の上図と同じであるため説明を省略する。
図18(b)~(d)は、「自動停止に係る時間」と同じ時間になるように、「疑似遊技にかかる時間」を調整した一例である。
図18(b)は、「停止操作の受付けが有効化されてから全リールの仮停止するまでの時間」を、「第1停止及び第2停止にかかる時間をT2」と「第3停止にかかる時間T5」とからなる時間(2×T2+T5)とし、且つ、「全リール41a~41cが仮停止してから本遊技が開始するまでの時間T6」としつつ、T5をT1より短く且つT2より長くし、T6をT3より短く且つT1より長くする(例えば、T8>T4>T3>T6>T1>T5>T2の関係を有するように各時間を設定する)ことで、「自動停止にかかる時間」と「疑似遊技1にかかる時間」とを同じ時間にするものである。
【0087】
図18(c)は、「停止操作の受付けが有効化されてから全リールが停止操作(1リール仮停止後、他リールが同時仮停止)されるまでの時間」を「1リール停止するまでの時間T4」+「他リールが停止するまでの時間T1」とし、「全リールが仮停止してから本遊技が開始されるまでの時間T7」をT3-T1とする(例えば、T4>T3>T6>T1>T5>T2>T7の関係を有するように各時間を設定する)ことで、「自動停止にかかる時間」と「疑似遊技2にかかる時間」とを同じ時間にするものである。
図18(d)は、「停止操作の受付けが有効化されてから全リールが停止操作(全リール同時仮停止)されるまでの時間をT8(=T4+T1)とし、「全リールが仮停止してから本遊技が開始されるまでの時間T7」をT4+T3-T8とする(例えば、T8>T4>T3>T6>T1>T5>T2>T7の関係を有するように各時間を設定する)ことで、「自動停止にかかる時間」と「疑似遊技3にかかる時間」とを同じ時間にするものである。
このように、「疑似遊技1~3にかかる時間」を調整することで、当該時間と「自動停止にかかる時間」とを同じにすることができる。
すなわち、図17及び図18に示すように、「自動停止にかかる時間」と「疑似遊技にかかる時間」を同じにすることで、双方に優劣をつけないようにできる。
【0088】
(疑似遊技と自動停止の流れ)
疑似遊技と自動停止の流れについて説明する。
具体的には、図19図21を参照して、表示器8の画面の遷移及びリール41a~41cの動作等について説明する。
図19(1)は、通常状態(通常区間)中における一状態を示す図である。
具体的には、初期出荷直後の状態を示している。
通常区間であるため、表示器8のゲーム数表示領域rには「-」が示されている。
図19(2)は、図19(1)の後に、スタートレバー操作を行った状態を示す。
ここでは、共通一枚役(有利区間移行役)に当選したものとし、リール41a~41cの回転開始前に、プチフリーズを実行すると共に、表示器8において、リール演出の種別を選択する旨(「最初の停止操作でリール演出の種別を選んで!」)を表示している状態を示している。
図19(3)は、図19(2)の後に、リール41a~41cの回転が開始すると共に、表示器8において、左リール41aに対応する領域に「自動停止モード」、中リール41bに対応する領域に「疑似遊技モード」、右リール41cに対応する領域に「ランダムモード」を表示している状態を示している。
図19(4)は、図19(3)において、中リール41bに対応する中停止ボタン5bが最初に操作(第1停止操作)されたことにより、「疑似遊技モード」が選択されたことを表示器8において示しつつ、中リール41bの中段に「リプレイ」が停止表示されたことを示している。
図19(5)は、図19(4)の後、第2停止操作として左停止ボタン5aが操作され、第3停止操作として右停止ボタン5cが操作中(押下中)であることを示している。
これにより、共通一枚役の図柄「ベル・リプレイ・リプレイ」が中段に揃ったことを示している。
図19(6)は、図19(5)の後、右停止ボタン5cの操作を解除した(つまり、押下をやめて右停止ボタン5cから指を離した)後の状態を示している。
これにより、有利区間に移行するため、表示器8のゲーム数表示領域rを青色に表示すると共に、有利区間におけるゲーム数を示す数値「0」を表示する。
つまり、この数値「0」は、有利区間の開始ゲームを示すものであり、ゲームの進行に応じ「1」→「2」→・・・といったように1ゲームづつ追加される。
表示器8の左上領域には、「疑似遊技モード」の滞在を示す表示が行われる。
図19(7)は、図19(6)において3ベットが設定された状態を示している。
本実施形態のスロットマシン1は、遊技可能ベット数を設定することで、遊技開始前からゲーム数表示領域rにゲーム数を加算表示する。
このため、遊技開始前から次回の遊技回数を認識することができる。
図19(8)は、図19(7)の後、精算ボタン2bを押下してベット数を0にした状態を示している。
ベット数を0にすると、ゲーム数表示領域rのゲーム回数を減算表示する制御を行う。
これにより、遊技開始前に「ベット設定」→「精算」を繰り返しても、ゲーム数表示領域rにおけるゲーム数が1以上増えることはない。
【0089】
図20(1)は、図19(8)の後に、通常Aモードの最終ゲームに到達し、当該最終ゲームにおいてボーナス図柄を狙うよう催促されている(表示器8における「ボーナス図柄を狙え!!」)状態を示している。
なお、通常Aモードの最終ゲームであることは、ゲーム数表示領域rにおいてゲーム数「512」が表示されていることにより示されている。
また、図20(1)~(4)において、表示器8の左上側には、「疑似遊技」中であることが表示される。
また、告知ランプ19も表示される。告知ランプ19は、疑似ボーナスに当選した場合に、当該当選ゲームから疑似ボーナスが終了するまでの期間中に点灯(赤色)する。
図20(2)は、図20(1)の後に、停止ボタン5aの操作により左リール41aが仮停止表示された状態を示している。ここでは、左リール41aにおいて「7」が上部に仮停止表示されたことを示している。
図20(3)は、図20(2)の後に、停止ボタン5bの操作により中リール41bが仮停止表示された状態を示している。ここでは、中リール41bにおいて「7」が上部に仮停止表示されたことを示している。
図20(4)は、図20(3)の後に、停止ボタン5cの操作により右リール41cが仮停止表示された状態を示している。ここでは、右リール41cにおいて「BAR」が上部に仮停止表示されたことを示している。
つまり、この結果、RB図柄(7・7・BAR)が上部に揃ったことを示している。
図20(5)は、図20(4)の後において、本遊技であるRBが開始した状態を示している。
これにより、表示器8のゲーム数表示領域rを青色に表示すると共に、RBの残りゲーム数「19」が表示される。
このとき、表示器8の左下部には、疑似ボーナス中のメダル獲得枚数が表示される。
図20(6)は、図20(5)の後において、RBの最終ゲームを終了した状態を示している。
このとき、表示器8の左下のメダル獲得枚数には「60枚」が表示され、ゲーム数表示領域rには「0」が表示される。また、告知ランプ19は消灯する。
図20(7)は、図20(6)の後において、3ベットが設定されたことを示している。
ゲーム数表示領域rの表示色は紫色が継続される。
図20(8)は、図20(7)の後、すなわち、RB終了後32ゲーム目(終了モードの天井ゲーム数目)が開始されている状態を示している。
【0090】
図21(1)は、図20(8)の後において、終了モードの最終ゲームを終了し、有利区間が終了した状態を示している。
有利区間が終了したことに基づいて、ゲーム数表示領域rには「-」が表示される。
図21(2)は、図21(1)の後のゲームにおいて、有利区間移行役であるレア役に当選したことを示している。
具体的には、図19(2)と同様、有利区間移行役に当選し、リール41a~41cの回転開始前に、プチフリーズを実行すると共に、表示器8において、リール演出の種別を選択する旨(「最初の停止操作でリール演出の種別を選んで!」)を表示している状態を示している。
図21(3)は、図21(2)におけるスタートレバー操作に応じ、リール41a~41cの回転が開始すると共に、表示器8において、左リール41aに対応する領域に「自動停止モード」、中リール41bに対応する領域に「疑似遊技モード」、右リール41cに対応する領域に「ランダムモード」を表示している状態を示している。
図21(4)は、図21(3)において、左リール41aに対応する左停止ボタン5aが最初に操作(第1停止操作)されたことにより、「自動停止モード」が選択されたことを表示器8において示しつつ、左リール41aの下段に「チェリー」が停止表示される。
図21(5)は、図21(4)の後、第2停止操作及び第3停止操作が操作された後の状態を示している。
また、これにより、レア役であるチェリー役の停止図柄「チェリー・ANY・ANY」が揃った状態を示している。
また、有利区間移行役であるレア役に当選して有利区間が開始されたことにより、ゲーム数表示領域rが赤で表示されると共にゲーム数「0」が表示される。
図21(6)は、図21(5)の後において、天国モードの天井ゲーム数の最終ゲームに到達し、当該最終ゲームにおいてボーナスに当選した状態(表示器8における「ボーナス当選!!」)を示している。
また、表示器8の左上領域には、「自動停止モード」の滞在を示す表示が行われる。
ゲーム数表示領域rには、天国モードの最終ゲーム数「32」が表示される。
また、告知ランプ19も表示される。告知ランプ19は、疑似ボーナスに当選した場合に、当該当選ゲームから疑似ボーナスが終了するまでの期間中に点灯(赤色)する。
図21(7)は、図21(6)の後に、全リールが同時に自動停止され、BB図柄(7・7・7)が下段に揃って表示された状態を示している。
図21(8)は、図21(7)の後において、本遊技であるBBが開始した状態を示している。
ゲーム数表示領域rは、紫色で表示されると共に、BBの残りゲーム数「59」が表示される。
このときから、表示器8の左下部には、疑似ボーナス中のメダル獲得枚数が表示される。
【0091】
(リール演出に関する変形例)
・上述の実施形態では、最初の停止ボタン5の操作に基づいてリール演出モードを選択するようにしたが、2番目又は3番目の停止ボタン5の操作に基づいてリール演出モードを選択するようにしても良い。
・上述の実施形態では、有利区間移行時にリール演出モードを選択するようにしたが、その他のタイミングにおいてリール演出モードを選択できるようにしても良い。
具体的には、有利区間中のレア役当選時や所定ゲーム数消化毎にリール演出モードを選択できるようにしても良い。
・1回の有利区間中において途中でリール演出モードを変更できるようにしても良い。
・リール演出モードを選択できない有利区間を設けることもできる。
・MAXベットボタン2eの長押しで、リール演出モードを切り替えるようにもできる。
例えば、非遊技中において、所定秒数(例えば、5秒)の間、MAXベットボタン2eを長押しすることで、リール演出モードを切り替える(例えば、現在の自動停止モードで5秒長押し→疑似遊技モードに切り替え→疑似遊技モードで5秒長押し→ランダムモードに切り替え→ランダムモードで5秒長押し→自動停止モードに切り替え→・・・)ようにしても良い。
すなわち、操作手段として、第1遊技(本遊技)を実行するための遊技価値(ベット)を設定するために操作する遊技価値設定操作手段(MAXベットボタン2e)を設けており、選択手段は、遊技価値設定操作手段への操作時間に応じて、第2遊技を、疑似遊技とするか、自動停止とするかを、選択可能にしている。
MAXベットボタン2eの操作は、主制御部10におけるメインプログラム管理のボタン操作なので、主制御部10が自動停止モードと疑似遊技モードとランダムモードとを認識することができる。
【0092】
以上説明したように、本発明の遊技機においては、AT(疑似ボーナス等)の開始時において、特定図柄(7揃い等)を停止させる際に、自動停止とするか疑似遊技とするかを遊技者が選択できるため、疑似遊技を好意的に捉える遊技者のニーズに応えながらも、疑似遊技を煩わしいと感じる遊技者が快適に遊技を行うことができる。
【0093】
一方、従来の遊技機として、特許文献(特開2015-217223)には、AT開始時において疑似遊技が実行される遊技機が知られているが、この遊技機では、疑似遊技において特定図柄の組合せを停止させるために一々停止操作を行うことが煩わしいと感じる遊技者が快適に遊技を行うことができないという問題があった。
【0094】
本実施形態のスロットマシン1によれば、AT(疑似ボーナス等)の開始時において、特定図柄(7揃い等)を停止させる際に、自動停止とするか疑似遊技とするかを遊技者が選択することができるようにしているため、従来の遊技機が改善すべき上記課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0095】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、各種処理において参照するテーブル等は、一例であり、前述したテーブル等にのみ限定されるものではない。
設定値ごとに振り分け率が異なるもの(役の当選確率、モード抽選テーブル等)については、これらを全設定共通とすることもできる。
【0096】
また、本実施形態では、遊技制御手段などの各種手段としての動作を主制御部10が行ったが、副制御部20がその一部又は全部を行い、副制御部20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御部20が表示器8等において演出を実行する手段として動作を行ったが、主制御部10がその一部又は全部を行い、主制御部10が各種手段として動作することもできる。
【0097】
また、本実施形態において、遊技機は、スロットマシンである例を示したが、これに限定されない。遊技機は、例えば、パチンコ、玉スロなどその他の遊技機でもよい。
また、遊技機は、メダルなどの現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の疑似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆるメダルレス遊技機でもよい。さらに、遊技機は、遊技球などの遊技媒体を外部に払い出さず、内部循環させてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機でもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 スロットマシン
41 リール(41a:左リール、41b:中リール、41c:右リール)
5 停止ボタン
8 表示器
r ゲーム数表示領域
10 主制御部
19 告知ランプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21