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  • 特許-袋体の分配装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】袋体の分配装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
B65B5/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022090665
(22)【出願日】2022-06-03
(65)【公開番号】P2023177795
(43)【公開日】2023-12-14
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】522222401
【氏名又は名称】ユニバーサル・フードマシン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000501
【氏名又は名称】翠弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】谷本 昌信
(72)【発明者】
【氏名】米澤 俊
(72)【発明者】
【氏名】星野 修
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-148924(JP,A)
【文献】特開2003-081223(JP,A)
【文献】登録実用新案第3129914(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0077025(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、この支持体に対して上下方向に回動可能に軸支されたアームと、このアームに、当該アームの表面上で円周方向に回動可能に接続されたハンド機構とを備え、当該ハンド機構は、平板状の受け部と平板状の押え部とから成るとともに当該受け部と押え部とが互いに平行に配置され、上記受け部内において上記押え部が平行に摺動可能とするとともに一又は複数の袋体を加圧した状態で挟持可能とする挟持体を備え、当該挟持体にて挟持した袋体を、目的とする容器に分配可能としたことを特徴とする袋体の分配装置。
【請求項2】
上記支持体は、シリンダーを構成するシリンダーロッドに接続し、当該シリンダーロッドを上下動させることにより上記支持体を上下方向の任意の位置に移動可能としたことを特徴とする請求項1の袋体の分配装置。
【請求項3】
上記ハンド機構は、連結袋体の移送機構と、当該連結袋体において各袋体を連結する連結片を切断する切断機とを備えた移送装置に連続して配置され、当該移送装置の切断機にて切断され上記移送機構により移送された個別の袋体を、上記挟持体にて挟持可能としたことを特徴とする請求項1の袋体の分配装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うどん、そば、ラーメンなどのスープ、たれ、ソースや、ドレッシング、シャンプー、水薬等の液状物、粉末スープ、スパイス、かやく、乾燥剤、脱酸素材、薬などを収納した袋体を、容器などに投入するための袋体の分配装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示す如く、連結片を介して個装袋を連結した連結袋体を移送機構により移送し、移送先の切断機構で個別の袋体に切り離し、この袋体を一つずつ容器や包装袋に投入する移送装置が既に公知となっている。そして、特許文献1に示す如く袋体の切断機構よりも下方に納豆などの容器を配置しておくことにより、上記切断機構により切り離された袋体が、切り離された際の水平状態を保ちながら自重により上記容器に分配されるものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3129914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、袋体を水平方向ではなく鉛直方向に立てた状態で容器内に挿入配置する必要がある場合には、特許文献1に示す如く袋体の自重による投入方法を採用することができない。そのため、切断機構により切断された袋体を、作業者の手で把持して容器に鉛直方向に分配しなければならず、移送された袋体の容器への分配作業の効率が悪いものとなっていた。
【0005】
そこで、本願発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、移送機構により移送された袋体を、水平方向のみならず鉛直方向、その他任意の角度で容器に挿入可能な袋体の分配装置を得ようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の如き課題を解決するため、本願発明は、支持体と、この支持体に対して上下方向に回動可能に軸支されたアームと、このアームに、当該アームの表面に対して円周方向に回動可能に接続されたハンド機構とを備え、当該ハンド機構は、一又は複数の袋体を挟持可能な挟持体を備えたものである。
【0007】
また上記挟持体は、平板状の受け部と平板状の押え部とから成るとともに当該受け部と押え部とが互いに平行に配置され、上記受け部内において上記押え部が平行に摺動可能とするとともに一又は複数の袋体を加圧した状態で挟持可能としたものである。そして、上記受け部と押え部との間の袋体の方向に当該受け部と押え部とを加圧した状態により挟持することにより、当該袋体を離脱困難な状態で挟持体にて挟持することができる。
【0008】
また、上記支持体にはシリンダーを構成するシリンダーロッドを接続し、当該シリンダーロッドを上下動させることにより上記支持体を上下方向の任意の位置に移動可能としたものであってもよい。上記の如く構成することにより、袋体を挿入する容器の高さに対応させて支持体の上下位置を調整することができるため、様々な高さに配置された容器に対応することが可能となる。
【0009】
た上記ハンド機構は、連結袋体の移送機構と、当該連結袋体において各袋体を連結する連結片を切断する切断機とを備えた移送装置に連続して配置され、当該移送装置の切断機にて切断され上記移送機構により移送された個別の袋体を、上記挟持体にて挟持可能としたものであってもよい。これにより、移送装置から移送され個別に切断された袋体をハンド機構に効率よく配置することができる。そのため、連結袋体の移送、個別の袋体への切断、及び当該個別の袋体の容器への挿入作業を円滑に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
願発明は上記の如く構成したものであるから、移送装置から移送された袋体を、水平方向のみならず鉛直方向やその他任意の方向及び角度にて容器内に分配することが可能となる。そのため、移送装置から移送された袋体を、人手を必要とすることなく自動的に分配することができることから、容器への分配作業を更に効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1本願発明の実施例1を示す分配装置及び移送装置の概念図。
図2】実施例1において挟持体にて袋体を挟持した状態の概念図。
図3】実施例1の挟持体の斜視図。
図4】実施例1の挟持体と容器との位置関係を示す関係図。
図5】実施例1において挟持体を下方に配置した状態を示す概念図。
図6】実施例1において挟持体を45度回動させた状態を示す概念図。
図7】実施例1においてシリンダーロッドを下方に移動させた状態を示す概念図。
【実施例1】
【0012】
願発明の実施例1について以下に詳細に説明すると、図1に示す如く(1)は支持体であって、この支持体(1)は、鉛直方向に延びる固定フレーム(2)に沿って上下方向に摺動可能に備えられている。即ち、上記固定フレーム(2)の側面(3)にガイドレール(4)が備えられており、当該ガイドレール(4)に上記支持体(1)の一側(5)を係合させて配置している。また、当該固定フレーム(2)の上端(6)にはシリンダー(7)を立設している。このシリンダー(7)は、シリンダーロッド(8)とロッドカバー(10)とから成り、当該シリンダーロッド(8)の下端(11)に上記支持体(1)を接続固定している。
【0013】
このように構成することにより、シリンダーロッド(8)を上下動させることにより、当該シリンダーロッド(8)の下端(11)に接続した支持体(1)が、固定フレーム(2)のガイドレール(4)に沿って上下方向に摺動するものとなる。
【0014】
また上記支持体(1)には、ガイドレール(4)への係合側とは反対側にアーム(12)を軸支し、この軸支部(13)を支点として上記アーム(12)を支持体(1)の他側側で上下方向に回動可能としている。また、このアーム(12)の軸支部(13)側とは反対側の表面(14)には、ハンド機構(15)を上記アーム(12)の表面(14)上で円周方向に回動可能に組付けられている。
【0015】
このハンド機構(15)は図2に示す如く回動体(16)と挟持体(17)とを備えたものであって、上記回動体(16)は、アーム(12)の表面(14)に円周方向に回動可能に組付けられるとともに、当該回動体(16)のアーム(12)接続側とは反対側に、上記挟持体(17)を設けている。この挟持体(17)は、図3に示す如く受け部(18)と押え部(20)とを備えている。そして上記受け部(18)は平板状であって、一対の側板(21)、当該受け部(18)の幅方向両側から鉛直上方に突出して備えるとともに、当該受け部(18)の長さ方向の一端側に、鉛直上方に伸びる係合棒(22)を上記一対の側板(21)と同一方向に突設している。
【0016】
また上記押え部(20)は平板状の略長方形状であるとともに、上記受け部(18)の内方に配置可能な大きさに形成されている。また当該押え部(20)には、上記受け部(18)の係合棒(22)の対応位置に、当該係合棒(22)を挿通可能な係合穴(23)を設けている。そして、図3に示す如く当該係合穴(23)に係合棒(22)を挿通した状態で上記押え部(20)を上記受け部(18)内に挿入配置することにより、当該受け部(18)の一対の側板(21)がガイドとなり、上記押え部(20)を受け部(18)内において上下方向に平行に摺動させることができる。
【0017】
尚、当該挟持体(17)の押え部(20)は、第一駆動機構(図示せず。)により上記受け部(18)内で摺動可能としている。また、上記の如く構成したハンド機構(15)を、図1に示す如く移送装置(24)に隣接して配置している。
【0018】
即ち当該移送装置(24)は図1に示す如く、内部にソースやたれなどの内容物を収納した連結袋体(25)を移送するための移送機構(27)と、この移送機構(27)から移送された連結袋体(25)の連結片(34)を切断して個別の袋体(26)とする切断機構(28)とを備えている。そして上記移送機構(27)は、上記連結袋体(25)を切断機構(28)に移送するための移送ベルト(30)を備えており、当該移送ベルト(30)上に連結袋体(25)を載置した状態で、当該連結袋体(25)を上記切断機構(28)側に移送するものである。
【0019】
また上記切断機構(28)は、図1に示す如く鉛直上下方向に摺動可能な切断機(31)を備えており、この切断機(31)によって連結袋体(25)における各袋体(26)の連結片(34)を、この連結袋体(25)の長さ方向とは垂直方向に切断可能としている。
【0020】
そして、この切断機構(28)に隣接して、上記ハンド機構(15)の挟持体(17)を配置している。このように挟持体(17)を切断機構(28)に隣接して配置することにより、当該切断機構(28)により連結袋体(25)から分離された袋体(26)を、挟持体(17)の内部に配置することができる。
【0021】
上記の如く構成することにより、支持体(1)に回動可能に軸支したアーム(12)と、このアーム(12)に回動可能に接続したハンド機構(15)とを駆動させることにより、上記移送装置(24)から移送された袋体(26)を、水平方向のみならず鉛直方向やその他任意の方向及び角度にて分配目的の容器(32)内に収納することが可能となる。
【0022】
そこで上記の如く構成したものについて、上記移送機構(27)により移送し切断された袋体(26)を容器(32)内に分配する分配方法について、以下に説明する。尚、本実施例の容器(32)は図4に示す如く、温泉卵のパックであって、当該パックを構成する複数の収納部(33)のうち一の収納部(33)に、温泉卵のたれが収納された袋体(26)を3個鉛直方向に収納するものである。
【0023】
まず、図1に示す如く、移送装置(24)の移送ベルト(30)に連結袋体(25)を載置するとともに、当該移送ベルト(30)を駆動させて上記連結袋体(25)を切断機構(28)側に移送する。そして、当該連結袋体(25)の先頭に位置する袋体(35)が切断機構(28)の切断機(31)位置を超え、当該袋体(35)と次の袋体(36)との間に連結片(34)が上記切断機(31)位置に移送された際に、以下の切断機構(28)による切断作業が行われる。
【0024】
尚、この時点で先頭の袋体(35)は、図1に示す如く上記切断機構(28)に隣接して配置されたハンド機構(15)の一対の挟持体(17)の内方に配置されるものとなる。そして、上記切断機(31)により上記先頭の袋体(35)と次の袋体(36)との間の連結片(34)が切断される。これにより、個別の袋体(26)が挟持体(17)の内方に水平方向に配置された状態となる。この切断作業を3回連続して繰り返すことにより、図3に示す如く上記挟持体(17)の内部に3個の袋体(26)が、当該挟持体(17)の側板(21)によって両端が揃えられた状態で積層して配置されるものとなる。
【0025】
その後、上記ハンド機構(15)に備えられた検知機構(図示せず。)により挟持体(17)内に3個の袋体(26)が配置されたことを検知された時点で、上記挟持体(17)を構成する押え部(20)が上記第一駆動機構(図示せず。)により上記袋体(26)側に移動する。これにより、上記3個の袋体(26)は図2及び図4(a)に示す如く、挟持体(17)の受け部(18)と押え部(20)とにより、袋体(26)が破損しない程度且つ当該挟持体(17)から離脱しない程度の圧力にて加圧された状態で挟持される。
【0026】
そして、上記の如く挟持体(17)が袋体(26)を挟持した状態で、図4(b)及び図5に示す如く、第二駆動機構(図示せず。)によりアーム(12)を、軸支部(13)を支点として当該挟持体(17)が鉛直下方に向くよう回動させる。更に、図4(c)及び図6に示す如く第三駆動機構(図示せず。)により回動体(16)を45度傾斜方向に回動させる。
【0027】
その後、第四駆動機構(図示せず。)を作動させることにより、上記シリンダーロッド(8)を、図7に示す如く当該シリンダーロッド(8)の上端に設けた係止体(38)がロッドカバー(10)の上端に当接するまで、当該シリンダーロッド(8)を下方に摺動させる。これにより、当該シリンダーロッド(8)の下端(11)に接続した支持体(1)が上記ガイドレール(4)に沿って下方に摺動し、当該支持体(1)に接続されたハンド機構(15)及び挟持体(17)が下方に移動する。尚、上記第一~第四駆動機構の駆動はエアー駆動又はモータによる駆動等、適宜の駆動方法を採用することができる。
【0028】
この時、上記挟持体(17)は袋体(26)を破損しない程度且つ当該挟持体(17)から離脱しない程度の圧力にて加圧された状態で挟持している。そのため、当該挟持体(17)を下方に向けた際にも袋体(26)を離脱困難に保持した状態を維持することが可能となる。これにより、図4(d)に示す如く当該挟持体(17)に挟持された袋体(26)が上記容器(32)の開口部(37)に臨ませて、当該開口部(37)表面の対角線上であって鉛直方向に配置されるものとなる。
【0029】
この状態で、図4(e)の矢印に示す如く挟持体(17)の押え部(20)を上記受け部(18)とは離反方向の元位置に摺動させることにより、当該挟持体(17)による上記袋体(26)への加圧が解除され、図4(f)に示す如く当該袋体(26)が自重により上記容器(32)の内方に上記開口部(37)表面の対角線方向に収納されるものとなる。その後、シリンダーロッド(8)を図1に示す元位置に摺動させることにより、図4(f)に示す如く上記挟持体(17)が上方に移動する。
【0030】
更に図4(g)に示す如く回動体(16)を前回の回動とは反対方向に45度回動させた後、アーム(12)を90度上方に回動させることにより図4(h)に示す如く上記挟持体(17)が元の水平方向の状態で配置されるものとなる。そして、次の袋体(26)の分配作業が改めて開始されるものとなる
【符号の説明】
【0031】
1 支持体
7 シリンダー
8 シリンダーロッド
12 アーム
14 表面
15 ハンド機構
17 挟持体
18 受け部
20 押え部
24 移送装置
25 連結袋体
26 袋体
27 移送機構
28 切断機構
31 切断機
32 容器
34 連結
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7