(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギ
(51)【国際特許分類】
B63C 11/48 20060101AFI20241216BHJP
B63C 11/52 20060101ALI20241216BHJP
B63G 8/00 20060101ALI20241216BHJP
A01K 29/00 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
B63C11/48 D
B63C11/52
B63G8/00 G
A01K29/00 A
(21)【出願番号】P 2022554805
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(86)【国際出願番号】 CN2020099606
(87)【国際公開番号】W WO2021212662
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】202010323897.7
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516217413
【氏名又は名称】上海海洋大学
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI OCEAN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.999, Huchenghuan Rd, Pudong New District, Shanghai 201306 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 必林
(72)【発明者】
【氏名】陳 新軍
(72)【発明者】
【氏名】孔 祥洪
(72)【発明者】
【氏名】黄 小双
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209814236(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110745222(CN,A)
【文献】特開平06-344979(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1676419(CN,A)
【文献】中国実用新案第210235294(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0100294(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110844026(CN,A)
【文献】特開2019-166961(JP,A)
【文献】中国実用新案第210268722(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第108304810(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109319073(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 11/00
B63C 11/48
B63C 11/52
B63G 8/00 - 8/42
B63B 49/00
B63B 79/10
A01K 29/00
G01N 33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオニックウミウナギ本体を含むバイオニックウミウナギであって、前記バイオニックウミウナギ本体には、頭部、胴体、背びれ、尻びれ、尾びれが順につながり、前記頭部は3次元の中空ケースで、内部に防水密閉室が置かれ、前記防水密閉室は防水密閉制御室と防水密閉電池室からなり、前記防水密閉制御室の内部に電源、ストレージ、画像処理マイコン、制御モジュール、複数のコレクタが配置され、前記電源はコレクタと回転部に電力を供給し、前記ストレージは防水画像コレクタで収集した画像情報を保存するためのものであり、バイオニックウミウナギが水面に浮かんだ時に海岸基地に信号を送りやすいために、高周波データ伝送アンテナはバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールの頭部に近い端部に固定され、前記画像処理マイコンは収集する画像の形態的特徴認識に用いられ、前記制御モジュールはバイオニックウミウナギの駆動制御と海洋牧場環境モニタリング機能の総制御を実現し、前記コレクタは、pHセンサー、圧力センサー、溶存酸素センサー、防水画像コレクタ、左ポッティングLEDライト、右ポッティングLEDライトを含み、前記コレクタは頭部予備用ノッチまたは防水密閉制御室に設置され、前記圧力センサー、pHセンサー、溶存酸素センサーはバイオニックウミウナギ所在の水深及び所在の海洋環境情報を検出して記録することを実現し、水中環境の画像情報を収集するために、前記左ポッティングLEDライトと右ポッティングLEDライトは前記防水画像コレクタと連携して光を供給し、前記胴体は、前記回転部とバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールとからなり、前記回転部はバイオニックウミウナギのウナギ式の推進を実現し、前記頭部の胴体に近い端部は、前記回転部を介してバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールの頭部に近い端部に連結され、前記背びれ、尻びれ、尾びれはそれぞれ複数回のゾル、ゲルの固化成形を経て、前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールと一体化して、バイオニックウミウナギの断面積を増加させ、渦流を形成する面積を増大させることにより、バイオニックウミウナギの水中での推進力を増加することを実現し、
バイオニックウミウナギの座標系はデカルト座標系/直交座標系により示し、前記バイオニックウミウナギの進行方向に平行な軸を
Z軸とし、
前記Z軸に直交し且つ鉛直する軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸の両方に直交する軸をX軸とし、
前記頭部は上カバーと下カバーとからなり、前記上カバーと前記下カバーの分割線は上から下まで4分の3の位置にあり、前記上カバーと前記下カバーは頭部固定ネジで固定され、前記頭部の表面と内部には大きさの異なる溝と丸穴が含まれて、コレクタと防水密閉制御室、防水密閉電池室、バランス調整室を置くために使用され、
前記pHセンサー、前記圧力センサー、及び前記溶存酸素センサーは、同じ円筒状をなしており、
前記pHセンサー、前記圧力センサー、及び前記溶存酸素センサーは、前記下カバーの外面に固定されており、
前記pHセンサー、前記圧力センサー、及び前記溶存酸素センサーのセンサープローブ方向は前記
X軸方向に沿っている、
ことを特徴とする、海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギ。
【請求項2】
前記上カバーと下カバーとの間の空間を前記バランス調整室とし、内部に複数のカウンターウェイトブロックを配置し、前記上カバーには防水密閉制御室と防水密閉電池室を置くための防水密閉室の溝である上カバーの4分の3の体積の溝が掘ってあり、ウミウナギの左右の目にはそれぞれ丸穴があり、それぞれ左ポッティングLEDライト穴、右ポッティングLEDライト穴であり、ウミウナギの下顎のちょうど中央に画像収集穴である丸穴があり、この3つの丸穴の直径の大きさは設置するコレクタの大きさによって決まり、頭部の末端には、前記Z軸に対して垂直な断面があり、前記3つの丸穴はいずれも前記垂直な断面に垂直な方向に延伸し、前記垂直な断面の真ん中に、1つの丸穴とこの丸穴よりも相対的に小さな4つの丸穴とからなる5つの丸穴があり、前記5つの丸穴のうち相対的に小さな4つの丸穴は、前記1つの丸穴を通り且つ、
前記Y軸に対して
前記X軸方向の一方に向けて45°傾いた線に対し線対称となる2つの穴と、前記1つの丸穴を通り且つ前記Y軸に対して前記X軸方向の他方に向けて45°傾いた線に対し線対称となる2つの穴とからなり、前記1つの丸穴から前記相対的に小さな4つの丸穴までの距離は等しくなっており、前記5つの丸穴は、前記頭部の胴体寄りの一端を前記回転部に固定するためのものであり、下カバーにおける前記垂直な断面に矩形の角溝があることを特徴とする、請求項1に記載の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギ。
【請求項3】
前記防水密閉室は防水密閉制御室と防水密閉電池室とを含み、前記防水密閉電池室は防水密閉電池室固定ネジ、防水密閉電池室上蓋、防水密閉電池室パッキン、防水密閉電池室下蓋を含み、前記防水密閉電池室上蓋と防水密閉電池室下蓋は防水密閉電池室固定ネジで固定され、防水密閉電池室パッキンは防水密閉電池室下蓋の縁の溝に入れられ、防水密閉室の固定ネジで加圧され防水密閉電池室の防水密閉性を高め、前記防水密閉制御室は、防水密閉制御室上蓋、防水密閉制御室パッキン、防水密閉グロメット、防水密閉制御室下蓋を含み、前記防水密閉制御室上蓋と防水密閉制御室下蓋は防水密閉室固定ネジで固定され、防水密閉制御室パッキンは防水密閉制御室下蓋の縁の溝に置かれ、防水密閉室固定ネジで加圧され、防水密閉制御室の防水密閉性を高め、上記防水密閉制御室と防水密閉電池室との間には、防水密閉コネクタが設けられており、前記防水密閉コネクタは、防水密閉雌プラグ、防水密閉プラグ締め付けナット、防水密閉プラグ座金、及び防水密閉雄プラグからなることを特徴とする、請求項1に記載の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギ。
【請求項4】
前記防水密閉室の下蓋の周囲の縁は一定の厚さを有して、環状の溝を掘って、溝のところに防水パッキンを設置し、また、防水密閉室固定ネジは脱落防止用有機材料ネジとすることができ、前記防水密閉グロメットは、ヘッド、パッキン、本体、ガスケット、ナットの5つの部分からなる防水ジョイントが採用されて、防水グロメットのヘッドはいくつかのワイヤーを密着的に積み重ねて、前記ワイヤーは粘着剤を介して巻き付けられて、防水密閉室のすべての隙間に粘着剤を充填し、防水密閉室は、密閉箱の四隅に合計4つのネジ穴を設け、密閉箱の4つの辺の中点にもう1つのネジ穴を設け、合計8つのネジ穴を設けたものであることを特徴とする、請求項3に記載の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギ。
【請求項5】
前記コレクタは、pHセンサー、圧力センサー、溶存酸素センサー、防水画像コレクタ、左ポッティングLEDライトと右ポッティングLEDライト、超音波障害物回避装置、超音波深度計、9軸姿勢センサーを含み、前記コレクタは前記頭部予備用ノッチまたは前記防水密閉制御室に取り付けられ、前記pHセンサー、圧力センサー、溶存酸素センサーは複数の固定器を用いてウミウナギの頭部直下に縛り付けて固定され、ウミウナギが到達した場所の水深を検出するためにセンサープローブは外部環境に露出され、前記防水画像コレクタは防水カメラであり、且つ防水処理を施した後、画像収集穴に取り付けることができ、前記左ポッティングLEDライトと右ポッティングLEDライトは、それぞれ左ポッティングLEDライト穴と右ポッティングLEDライト穴に取り付けられ、左ポッティングLEDライトと右ポッティングLEDライトは画像コレクタと協力して光を供給し、前記頭部の下カバーの先端側に、前記Z軸に対して斜め前方下に傾いた斜め穴が設けられており、前記斜め穴に前記超音波障害物回避装置が設けられており、前記9軸姿勢センサーは防水密閉制御室に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギ。
【請求項6】
前記頭部のバランス調整室はカウンターウェイトブロックを用いてバランスをして、カウンターウェイトブロックの重量が等しく、かつ配置位置が左右対称で設置され、前記回転部の各駆動機構は、それぞれ異なる材料を用いるときに、浮体材料で一回り回り囲んで、前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールの沈み込みを防止することを特徴とする、請求項1に記載の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギ。
【請求項7】
前記回転部は前記頭部と前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールの2つの部分を連結し、前記回転部は3つの駆動機構を含み、前記一つの駆動機構は二軸広いU型フレーム、二軸狭いU型フレーム、メインホイール、サブホイール及び上下に配置する二軸ステアリングエンジンからなり、前記胴体のウナギ式の推進を実現させ、前記二軸広いU型フレーム開口と前記二軸狭いU型フレーム開口とは対向配置され、前記二軸ステアリングエンジンは二軸広いU型フレームと二軸狭いU型フレームで囲む領域内に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギ。
【請求項8】
前記バイオニックウミウナギ本体の体長と体幅の比は13:1であり、頭部から体長の4分の1の正面断面積と頭部から体長の4分の3の正面断面積の比は12.9:1であり、バイオニックウミウナギの断面は大きな楕円の短軸と小さな楕円の長軸が等しく、すなわち開口が等しい二つの半楕円からなり、バイオニックウミウナギ本体の各所の断面は水滴型で、上が狭くて下が広く、バイオニックウミウナギ本体の側面断面は非対称紡錘形で、頭が太く尾が尖って、バイオニックウミウナギ本体の上面視断面はテーパー形で、頭が広く尾が狭く、前記背びれ、尻びれ、尾びれはそれぞれ複数回のゾル、ゲル硬化成形を経て、前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールと一体化されており、前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールに近い端部には駆動機構の外周に沿って一定の厚さのフレキシブルシリコンゴムフィルムが被覆されており、スキンデザインは内部の剛性構造を保護し、前記フレキシブルシリコンゴムフィルムは、調整可能なクランプリングと、クランプ締めねじとを含む調整可能なクランプによって固定されることを特徴とする、請求項1に記載の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギ。
【請求項9】
背びれは推進方向と反対側に進むにつれて、前記Y軸方向の厚みが次第に薄くなり、尾びれは推進方向と反対側に進むにつれて、前記X軸方向の厚みが次第に薄くなり、尾びれと背びれが結合して動き、バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールは、進行方向と反対側に進むにつれて、前記X軸方向及び前記Y軸方向の厚みが薄くなり、前記背びれ、尻びれ、尾びれ内にはゴム鰭が設置されており、前記ゴム鰭の硬さは背びれ、尻びれ、尾びれより大きいことを特徴とする、請求項1に記載の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水中ビークルと海洋牧場環境モニタリングの技術分野に関連し、特に海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、中国は海洋牧場の建設計画と海洋生態環境の修復をますます重視しており、その中でリーフキャスティング式海洋牧場の建設は急速に発展し、人工リーフ建設を拡大して漁業資源を修復しようとしている。現在、海洋牧場の魚類の水中活動状態、自然生態の水中環境修復状況と海洋牧場の水質変化などの状況をどのようにタイムリーに監視するかは、目の前の海洋牧場に対して早急に解決しなければならない問題である。そのため、海洋牧場、特にスリットなどの複雑な地域を監視するためにバイオニックウミウナギを設計した。ウミウナギの頭部下方の空間は広く、多種のセンサーを搭載して水環境をモニタリングすることができると同時に、魚類の水中活動状態をリアルタイムで観測し、追跡することができ、海洋牧場の複雑な環境に魚類資源評価という難題を解決するために高い研究意義と応用価値を持っている。
【0003】
しかし、構造の影響で、伝統的な水中ロボットは体が大きすぎて、機動性が悪くて、エネルギー消費量が大きいなどの不足があり、環境に対する妨害が大きいなどの影響がある。スリット地区を横断できるバイオニックソフトビークルは魚類の画像をより全面的に採取して、その場所の水質の重要な因子を記録することができ、養殖経済品種の生長状況、水温、塩分などの海水環境の重要な因子をオンラインでモニタリングすることができる。
【0004】
したがって、海洋牧場の環境が複雑で狭く、海水の交換量が少ないスリット地区には多くの海洋生物が生息しているという特徴と、伝統的なビークルは環境の妨害が大きく、環境の制限が強く、柔軟性が低いという欠点を総合して、スリット地区を柔軟に横断し、移動可能な環境モニタリングのバイオニックソフトビークルを設計する必要があり、より柔軟で、より安全で、省エネ効率が高いことなどの利点がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、良好な環境共融性を持ち、海底スリット区を柔軟に横断し、移動式に海洋牧場の環境因子をモニタリングすることができ、高い機動性と安定性を維持するという利点を持つ海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギを提供することである。
【0006】
本申請は以下の技術案によって実現する。
海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギであって、バイオニックウミウナギ本体を含み、前記バイオニックウミウナギ本体には、頭部、胴体、背びれ、尻びれ、尾びれが順につながり、前記頭部は3次元の中空ケースで、内部に防水密閉室が置かれ、前記防水密閉室は防水密閉制御室と防水密閉電池室からなり、前記防水密閉制御室の内部に電源、マイクロストレージ、画像処理マイコン、制御モジュール、複数のコレクタが配置され、前記電源はコレクタと回転部に電力を供給し、前記マイクロストレージは防水画像コレクタで収集した画像情報を保存するためのものであり、バイオニックウミウナギが水面に浮かんだ時に海岸基地に信号を送りやすいために、高周波データ伝送アンテナはバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールの頭部に近い端部に固定され、前記画像処理マイコンは収集する画像の形態的特徴認識に用いられ、前記制御モジュールはバイオニックウミウナギの駆動制御と海洋牧場環境モニタリング機能の総制御を実現し、前記コレクタは圧力センサー、pHセンサー、溶存酸素センサー、防水画像コレクタ、左ポッティングLEDライト、右ポッティングLEDライトを含み、前記コレクタは頭部予備用ノッチまたは防水密閉制御室に設置され、前記圧力センサー、pHセンサー、溶存酸素センサーはウミウナギが到達した場所を記録する海水指標の変化と水深を検出することを実現し、水中環境の画像情報を収集するために、前記左ポッティングLEDライトと右ポッティングLEDライトは前記防水画像コレクタと連携して光を供給し、前記胴体は、交互に連結する回転部とバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールとからなり、前記交互に連結する回転部はバイオニックウミウナギのウナギ式の推進を実現し、前記頭部の胴体に近い端部は、交互に連結する回転部を介してバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールの頭部に近い端部に連結され、前記背びれ、尻びれ、尾びれはそれぞれ複数回のゾル、ゲルの固化成形を経て、前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールと一体化して、バイオニックウミウナギの断面積を増加させ、渦流を形成する面積を増大させることにより、バイオニックウミウナギの水中での推進力を増加することを実現する。
【0007】
さらに、前記頭部は、軽いが強固なプラスチック材料で硬化することになり、前記頭部は上カバーと下カバーとからなり、前記上カバーと下カバーの分割線は上から下まで4分の3の位置にあり、前記上カバーと下カバーは頭部固定ネジで固定され、前記頭部の表面と内部には大きさの異なる溝と丸穴が含まれて、コレクタと防水密閉制御室、防水密閉電池室、バランス調整室を置くために使用され、前記上カバーと下カバーの予約空間をバランス調整室とし、内部に複数のカウンターウェイトブロックを配置して、異なる材料を用いて異なるメディアに適用したときのバランスを調整しやすく、前記上カバーには防水密閉制御室と防水密閉電池室を置くための防水密閉室の溝である上カバーの4分の3の体積の溝が掘ってあり、ウミウナギの左右の目にはそれぞれ丸穴があり、それぞれ左ポッティングLEDライト穴、右ポッティングLEDライト穴であり、ウミウナギの下顎のちょうど中央に画像収集穴である丸穴があり、この3つの丸穴の直径の大きさは設置するコレクタの大きさによって決まり、頭部の末端には垂直な切断面があり、前記3つの丸穴はいずれも垂直な切断面に垂直に延伸切除され、前記垂直断面の真ん中に対角線対称の小さな丸穴が4つあり、前記2つの対角線が交わるところに大きな丸穴があり、前記5つの小さな丸穴はステアリングエンジン貫通穴であり、前記頭部の胴体寄りの一端を前記交互に連結される回動部を固定するためのものであり、下カバーの垂直切断面にステアリングエンジンの延長線を引き出すためにステアリングエンジンの延長線溝である小さな矩形の角溝がある。
【0008】
さらに、前記防水密閉室は防水密閉制御室と防水密閉電池室とを含み、前記防水密閉電池室は防水密閉電池室固定ネジ、防水密閉電池室上蓋、防水密閉電池室パッキン、防水密閉電池室下蓋を含み、前記防水密閉電池室上蓋と防水密閉電池室下蓋は防水密閉電池室固定ネジで固定され、防水密閉電池室パッキンは防水密閉電池室下蓋の縁の溝に入れられ、防水密閉室の固定ネジで加圧され防水密閉電池室の防水密閉性を高め、前記防水密閉制御室は、防水密閉制御室上蓋、防水密閉制御室パッキン、防水密閉グロメット、防水密閉制御室下蓋を含み、前記防水密閉制御室上蓋と防水密閉制御室下蓋は防水密閉室固定ネジで固定され、防水密閉制御室パッキンは防水密閉制御室下蓋の縁の溝に置かれ、防水密閉室固定ネジで加圧され、防水密閉制御室の防水密閉性を高め、上記防水密閉制御室と防水密閉電池室との間には、作動電源と信号伝送を満たす防水密閉コネクタとするマイクロ深水雄雌プラグを使い、前記防水密閉コネクタは防水密閉雌プラグ、防水密閉プラグ締め付けナット、防水密閉プラグ座金、防水密閉雄プラグからなる。
【0009】
さらに、前記防水密閉室の下蓋の周囲の縁は一定の厚さを有して、環状の溝を掘って、溝のところに防水パッキンを設置し内外ポッティングの二重の防腐方法を採用するため、バイオニックウミウナギの密閉性を大幅に強化して、防水密閉室の防水強度を強化して、また、防水密閉室固定ネジは脱落防止用有機材料ネジとすることができ、従来の金属ネジに比べて海水の腐食に強い、錆びにくい、前記防水密閉グロメットはプレスヘッド、パッキン、本体、ガスケット、ナットの5つの部分からなる特製M型防水ジョイントが採用されて、防水グロメットのプレスヘッドはいくつかのキャビンエグジットワイヤーを密着的に積み重ねて、キャビンエグジットワイヤーは3Mの粘着剤を2重にしっかり巻き付けられて、グロメット部が頻繁な調整で破断するのを防止し、防水密閉室の良好な防水効果を実現するため、防水密閉室の上蓋、下蓋とアウトレットホールのすべての隙間にab粘着剤を充填し、防水密閉室は8穴ネジの角形密閉箱或いは12穴円形密閉桶などの多ネジ穴の防水密閉室として設計されており、防水密閉室の防水耐圧力を高めている。
【0010】
さらに、前記コレクタは圧力センサー、pHセンサー、溶存酸素センサー、防水画像コレクタ、左ポッティングLEDライトと右ポッティングLEDライト、超音波障害物回避装置、超音波深度計、9軸姿勢センサーを含み、前記コレクタは前記頭部予備用ノッチまたは前記防水密閉制御室に取り付けられ、前記圧力センサー、pHセンサー、溶存酸素センサーは背部調節可能固定器と両側調節可能固定器を用いてウミウナギの頭部直下に縛り付けて固定され、ウミウナギが到着した場所の海水指標の変化と水深を検出するためにセンサープローブは外部環境に露出され、前記防水画像コレクタは防水カメラであり、且つ特殊な防水処理を施した後、画像収集穴に取り付けることができるから、視野が広く、水中の画像情報を収集しやすく、前記左ポッティングLEDライトと右ポッティングLEDライトは特殊な防水を経て、それぞれ左ポッティングLEDライト穴と右ポッティングLEDライト穴に取り付けられ、左ポッティングLEDライトと右ポッティングLEDライトは画像コレクタと協力して光を供給して、水中環境の画像情報を収集しやすく、また、このように溝を掘って埋める方法は、部品がウミウナギを行き来する時に障害物に衝突して損傷することを避け、ウミウナギの完全な流体外形をある程度保つことができ、この超音波障害物回避装置は超音波障害物回避の斜め穴に取り付けられ、水中でもバイオニックウミウナギの自由な障害物回避機能を実現するのに役立ち、前記9軸姿勢センサーは防水密閉制御室に取り付けられ、残りのスペースを最大限に活用して、ウミウナギの遊泳中のバランスを制御しやすい。
【0011】
さらに、前記バイオニックウミウナギは、前記バイオニックウミウナギの各構成単体を段階的にバランスさせ、バランスされた各構成単体を一つのバランスされた総体に組み立てるという独特のバランス方法を採用しており、前記頭部のバランス調整室はカウンターウェイトブロックを用いてバランスをして、ウミウナギの遊泳中の頭部の偏りを避けて、前記頭部のバランスを実現するために、カウンターウェイトブロックの重量が等しく、かつ配置位置が左右対称で設置され、前記回転部の各駆動機構は、それぞれ異なる材料を用いるときに回転部のバランスがとれ、且つ前記回転部のバランスが実現されるように、浮体材料で一回り回り囲んで、バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールの前記頭部に近い端の内部にエコフレキシブルシリコンゴムで浮体材料を固化させて、バイオニックウミウナギの防腐浮力室を構成して、バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールの前半部分の浮力を増加させて、前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールの沈み込みを防止し前記頭部の重量とバランスさせて、前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールのバランスを実現させ、前記浮体材料は駆動機構を固定するために用いることもできる。
【0012】
さらに、前記交互に連結する回転部は前記頭部と前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールの2つの部分を連結し、前記回転部は3つの駆動機構を含み、前記一つの駆動機構は二軸広いU型フレーム、二軸狭いU型フレーム、メインホイール、サブホイール及び上下に配置する二軸ステアリングエンジンからなり、前記胴体のウナギ式の推進を実現させ、前記二軸広いU型フレーム開口と前記二軸狭いU型フレーム開口とは対向配置され、前記二軸ステアリングエンジンは二軸広いU型フレームと二軸狭いU型フレームで囲む領域内に配置されている。
【0013】
さらに、前記バイオニックウミウナギ本体の体長と体幅の比は13:1であり、頭部から体長の4分の1の正面断面積と頭部から体長の4分の3の正面断面積の比は12.9:1であり、ウミウナギの断面は一定の楕円比を有し、頭部に近い端から4分の1のところで順に累積して、バイオニックウミウナギの断面は大きな楕円の短軸と小さな楕円の長軸が等しく、すなわち開口が等しい二つの半楕円からなり、大きな楕円の短軸と小さな楕円の長軸の比は楕円比であり、バイオニックウミウナギの断面形状の変化を示し、楕円比の大きさはバイオニックウミウナギの抵抗低減効果と流体力学的分析に重要な役割を果たしており、ウミウナギの断面の楕円比は体長が増加するにつれて大きくなり、バイオニックウミウナギの体幅は体長が増加するにつれて小さくなり、バイオニックウミウナギ本体の各所の断面は水滴型で、上が狭くて下が広く、バイオニックウミウナギ本体の側面断面は非対称紡錘形で、頭が太く尾が尖って、バイオニックウミウナギ本体の上面視断面はテーパー形で、頭が広く尾が狭いため、バイオニックウミウナギは優れた流体の形で、抵抗低減効果が良好であることがわかり、前記背びれ、尻びれ、尾びれはそれぞれ複数回のゾル、ゲル硬化成形を経て、前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールと一体化されており、前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールに近い端部には前記駆動機構の外周に沿って一定の厚さのエコフレキシブルシリコンゴムフィルムが被覆されており、スキンデザインは内部の剛性構造を保護し、バイオニックウミウナギの抵抗低減効果の高い滑らかな流体外形を維持することができ、前記エコフレキシブルシリコンゴムフィルムは、調整可能なクランプリングと、クランプ締めねじとを含む調整可能なクランプによって固定される。
【0014】
さらに、前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールと背びれ、尻びれ、尾びれは適合なエコフレキシブルシリコンゴムで流し込まれ、複数回固化して薄片型にすることでバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールと一体化され、背びれは縦方向に次第に厚みが薄くなり、尻びれは縦方向に次第に厚みが薄くなり、尾びれは横方向に設置され、左から右に次第に厚みが薄くなり、 背びれ、尻びれ及び尾びれは一定の厚さがあり、尾びれと背びれが結合して動き、ウェイクフローを整理し、良好な抵抗低減効果を達成し、水中でのバイオニックウミウナギの推進効率を高め、横面と縦面にバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールの前半部分は厚く、後半部分の厚さは相対的に薄くて、前記背びれ、尻びれ、尾びれ内には適度に流し込んだ細長いゴム鰭が設置されており、前記ゴム鰭の硬さは背びれ、尻びれ、尾びれより大きく、薄くて柔らかい鰭を支持することができ、背びれ、尻びれ、尾びれにゴム鰭を配置することで流動場の変動を改善し、背びれ、尻びれ、尾びれがある程度の乱流力に抵抗できるようにし、そして水流の衝撃によって、ウェイクフローをよりよく整理し、遊泳中のバランスを保つことができる。
【0015】
さらに、前記頭部は軽いが硬いプラスチック材料で固化したもので、変形量が小さく、分流役割を果たしており、前記バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールは適合なエコフレキシブルシリコンゴムで流し込まれ、靭性と柔軟性がよく、変形量が大きく、遊泳時にバイオニックウミウナギは波状の変形を呈することができ、構造材料上ウナギ式の遊泳を実現するための基礎を提供しており、前記胴体は生体ウミウナギの筋肉と脊椎関節を模擬し、前記回転部は駆動機構によって相対運動を実現し、エコフレキシブルシリコンゴムで流し込んで固化したバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールは生体ウミウナギの筋肉と神経ネットワークを模擬する。
【0016】
本発明の効果は以下の通りである。
本発明は海洋牧場、特にスリットなどの複雑な地区を監視するために、多種のコレクタを搭載できるバイオニックウミウナギを提供する。高度に生体ウミウナギの流体外形に倣い、フレキシブルアンダーアクチュエーションテールにエコフレキシブルシリコンゴムで流し込んだもので、長期にわたって柔軟な弾性性能を維持し、SGS環境保護無毒認証に合格し、かつ交互に連結される回転部で胴体を動かすことでウミウナギのウナギ式推進方式を実現し、低騒音で低妨害である。防水パッキン、内外ポッティング、多ネジ穴シールなどの多重耐圧対策で内部の剛性部位を保護し、高い防水耐圧力を有する。バイオニックウミウナギの頭部直下に大きな空間があるため、複数の特殊な防水処理を施したコレクタを固定することができ、ウミウナギ自身の優れた生物形態の特徴を利用して、海洋牧場の多くの重要な因子のリアルタイムモニタリングを実現し、海洋牧場内の海洋環境の動態変化を密接に監視し、伝統的なビークルでは到達できないスリット環境に効率的な生物採集行動を実現し、海洋牧場の複雑な環境の魚類資源評価に重要な貢献をする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギの構造を示す正面図である。
【
図2】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギの構造を示す側面図である。
【
図3】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギの構造を示す俯瞰図である。
【
図4】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギ全体の三次元組立図である。
【
図5】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギの頭部前部の三次元組立図である。
【
図6】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギの頭部後部の三次元組立図である。
【
図7】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギの防水密閉電池室と防水密閉雌プラグの構造を示す図である。
【
図8】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギのマイクロ深水雄雌プラグの三次元組立図である。
【
図9】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギの防水密閉電池室の三次元組立図である。
【
図10】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギの頭部コレクタの説明図である。
【
図11】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギの回転部の全体の説明図である。
【
図12】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギモの一つの駆動機構の三次元組立図である。
【
図13】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギの調整可能なクランプの三次元組立図である。
【
図14】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギの各所の楕円比の大きさを示す説明図である。
【
図15】本発明の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギのフレキシブルアンダーアクチュエーションテールと背びれ、尻びれ、尾びれの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態は本発明の請求項を前提として実施され、詳細な実施形態と具体的な操作手順を示したが、本発明の範囲は下記の実施形態に限定されるものではない。
【0019】
図1-
図4に示すように、海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギであって、バイオニックウミウナギ本体を含み、バイオニックウミウナギ本体には、頭部100、胴体200、背びれ300、尻びれ400、尾びれ500が順につながり、頭部は3次元の中空ケースで、内部に防水密閉室が置かれ、防水密閉室は防水密閉制御室105と防水密閉電池室103からなり、防水密閉制御室105の内部に電源、マイクロストレージ、画像処理マイコン、制御モジュール、複数のコレクタが配置され、電源はコレクタと回転部に電力を供給し、マイクロストレージは防水画像コレクタで収集した画像情報を保存するためのものであり、バイオニックウミウナギが水面に浮かんだ時に海岸基地に信号を送りやすいために、高周波データ伝送アンテナはバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールの頭部に近い端部に固定され、画像処理マイコンは収集する画像の形態的特徴認識に用いられ、制御モジュールはバイオニックウミウナギの駆動制御と海洋牧場環境モニタリング機能の総制御を実現し、コレクタ106は圧力センサー166、pHセンサー167、溶存酸素センサー168、防水画像コレクタ163、左ポッティングLEDライト161、右ポッティングLEDライト162を含み、コレクタ106は頭部予備用ノッチまたは防水密閉制御室105に設置され、圧力センサー166、pHセンサー167、溶存酸素センサー168はウミウナギが到達した場所を記録する海水指標の変化と水深を検出することを実現し、水中環境の画像情報を収集するために、左ポッティングLEDライト161と右ポッティングLEDライト162は防水画像コレクタ163と連携して光を供給し、胴体200は、交互に連結する回転部201とバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204とからなり、交互に連結する回転部201はバイオニックウミウナギのウナギ式の推進を実現し、頭部100の胴体200に近い端部は、交互に連結する回転部201を介してバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204の頭部100に近い端部に連結され、背びれ300、尻びれ400、尾びれ500はそれぞれ複数回のゾル、ゲルの固化成形を経て、バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204と一体化して、バイオニックウミウナギの断面積を増加させ、渦流を形成する面積を増大させることにより、バイオニックウミウナギの水中での推進力を増加することを実現する。
【0020】
本実施形態における頭部100は軽いが硬いプラスチック材料で固化したもので、媒体の特徴に応じてプラスチック材料を選択することができる。3D硬化技術の特徴と使用するプラスチック材料によって、五つの種類に分けられ、感光性硬化成形(SLA)、溶融堆積成形(FDM)、選択性レーザー焼結(SLS)、ラミネートオブジェクトマニュファクチャリングと最後の3Dプリント技術である。3Dプリント材料は主にエンジニアリングプラスチック、感光性樹脂、ゴム系材料、感光性材料とセラミック材料を含み、その中でエンジニアリングプラスチックは現在最も広く応用されている3Dプリント材料として、強度、耐衝撃性、耐熱性、硬度と老化防止性に優れた有機材料であり、よく見られるのはABS、PC系材料、PLA、ナイロン系材料などである。
【0021】
図5および
図6に示すように、本実施形態の頭部100は上カバー101と下カバー102とからなり、上カバー101と下カバー102の分割線は上から下まで4分の3の位置にあり、上カバー101と下カバー102は頭部固定ネジ124で固定され、頭部100の表面と内部には大きさの異なる溝と丸穴が含まれて、コレクタ106と防水密閉制御室105、防水密閉電池室103、バランス調整室を置くために使用され、上カバー101と下カバー102の予約空間をバランス調整室とし、内部に複数のカウンターウェイトブロックを配置して、異なる材料を用いて異なるメディアに適用したときのバランスを調整しやすく、上カバー101には防水密閉制御室105と防水密閉電池室103を置くための防水密閉室の溝114である上カバーの4分の3の体積の溝が掘ってあり、ウミウナギの左右の目にはそれぞれ丸穴があり、それぞれ左ポッティングLEDライト穴111、右ポッティングLEDライト穴112であり、ウミウナギの下顎のちょうど中央に画像収集穴113である丸穴があり、この3つの丸穴の直径の大きさは設置するコレクタの大きさによって決まり、頭部の末端には垂直な切断面があり、3つの丸穴はいずれも垂直な切断面に垂直に延伸切除され、垂直断面の真ん中に対角線対称の小さな丸穴が4つあり、2つの対角線が交わるところに大きな丸穴があり、5つの小さな丸穴はステアリングエンジン貫通穴116であり、頭部100の胴体200寄りの一端を交互に連結される回動部201を固定するためのものであり、下カバーの垂直切断面にステアリングエンジンの延長線を引き出すためにステアリングエンジンの延長線溝125である小さな矩形の角溝がある。
【0022】
図7~
図9に示すように、本実施形態の防水密閉室は防水密閉制御室105と防水密閉電池室103とを含み、防水密閉電池室103は防水密閉電池室固定ネジ131、防水密閉電池室上蓋132、防水密閉電池室パッキン133、防水密閉電池室下蓋134を含み、前記防水密閉制御室105は、防水密閉制御室上蓋151、防水密閉制御室パッキン152、防水密閉グロメット153、防水密閉制御室下蓋154を含み、防水密閉電池室上蓋と防水密閉電池室下蓋は防水密閉電池室固定ネジ131で固定され、防水密閉電池室パッキンは防水密閉電池室下蓋の縁の溝に入れられ、防水密閉室の固定ネジ131で加圧され防水密閉電池室105の防水密閉性を高め、防水密閉制御室105と防水密閉電池室103との間には、作動電源と信号伝送を満たす防水密閉コネクタとするマイクロ深水雄雌プラグ104を使い、防水密閉コネクタは防水密閉雌プラグ135、防水密閉プラグ締め付けナット141、防水密閉プラグ座金143、防水密閉雄プラグ142からなる。防水密閉コネクタの主なタイプはマイクロ防水密閉コネクタ、標準防水密閉コネクタ、直角防水密閉コネクタ、大電流防水密閉コネクタなどがあり、海水腐食に強く、シール性能に優れ、組み立てが容易であるなどの利点がある。
【0023】
本実施形態の防水密閉室の制作材料について、環境特徴と需要に応じてABSプラスチック、チタン合金、ステンレス鋼などの制作材料を選択することができる。防水密閉室の形状は円柱、矩形などでもよい。下蓋の周縁は水圧に耐えるためにある程度の厚さがある、周縁には防水パッキン密閉室、防水密閉制御室105の形状に応じて円形、方形などに設ける溝が掘られている。溝には防水パッキンが設置されている。パッキンの材料はプラスチック、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、シリコーンなどを選択できる。一般的なパッキンには防水シリコンパッキン、ゴムパッキン、ウレタンポッティングなどがある。また、防水密閉室の周囲の縁の内外の隙間に防水abゴムを塗布するという内外ポッティングの二重防腐方法を採用し、バイオニックウミウナギの密閉性を大幅に高め、防水密閉室の防水強度を高める。また、防水密閉室は脱落防止用の有機材料ねじを使って、従来の金属ねじに比べて海水の腐食に強く、錆びにくい。防水グロメット153は特製М型防水ジョイントを採用し、特製М型防水ジョイントはプレスヘッド、パッキン、本体、ガスケット、ナットの5つの部分からなる。防水グロメットのプレスヘッドはいくつかのキャビンエグジットワイヤーを密着的に積み重ねて、キャビンエグジットワイヤーは3Mの粘着剤を2重にしっかり巻き付けられて、グロメット部が頻繁な調整で破断するのを防止し、防水密閉室の良好な防水効果を実現するため、防水密閉室の上蓋、下蓋とアウトレットホールのすべての隙間にab粘着剤を充填している。
【0024】
しかし、深水の場合にモニタリングを実施することを考えると、水圧が大きすぎて防水密閉室が押しつぶされて変形し、上下の蓋にひびが入り、水が防水密閉室に入ってしまうことを防ぐために、8穴角形密閉箱或いは12穴円形密閉桶などのような多ネジ穴防水密閉室が設計されている。本実施形態では、8穴角形密閉箱を採用し、8穴角形密閉箱の四隅に合計4つのネジ穴を設け、さらに4つの辺の中点にもう1つのネジ穴を設け、合計8つのネジ穴を設ける。12穴の円形密閉桶は、外周に30度の中心角ごとにネジ穴を設け、合計12個のネジ穴を備えており、防水密閉室の防水耐圧力を大幅に強化する。
【0025】
図10に示すように、本実施形態のバイオニックウミウナギの主制御回路はマイクロコントローラとしてArduino nanoを採用しており、このマイクロコントローラは体積が33*18*11mmと小さく、防水密閉制御室105のスペースの無駄が低減できる。頭部100に置くコレクタ106は圧力センサー166、pHセンサー167、溶存酸素センサー168、防水画像コレクタ163、左ポッティングLEDライト161と右ポッティングLEDライト162、超音波障害物回避装置164、超音波深度計165、9軸姿勢センサーを含み、コレクタは頭部予備用ノッチまたは防水密閉制御室105に取り付けられ、圧力センサー166、pHセンサー167、溶存酸素センサー168は背部調節可能固定器115と両側調節可能固定器123を用いてウミウナギの頭部直下に縛り付けて固定され、ウミウナギが到着した場所の海水指標の変化と水深を検出するためにセンサープローブは外部環境に露出され、防水画像コレクタ163は防水カメラであり、防水画像コレクタ163は防水カメラでもよく、防水画像コレクタ163全体を有機透明材料で充填硬化させ、防水画像コレクタ163の異なる媒体に対する耐圧性を向上する。水中撮像の解像度を高めるためには、防水画像コレクタ163のレンズの前に耐圧撮像カバーを取り付ける必要があり、カバーの媒体は空気であり、水の散乱作用を低減することができる。この隙間のない充填硬化方法により、防水画像コレクタ163の比重体積が圧力によって変化するようにすることができ、防水画像コレクタ163の媒体間のバランスが容易になる。防水画像コレクタ163は防水処理を経てウミウナギの画像収集穴113に取り付けられ、視野が広く、水中画像情報の採集が容易である。左ポッティングLEDライト161と右ポッティングLEDライト162は防水とポッティングを経て、それぞれ左ポッティングLEDライト穴111と右ポッティングLEDライト穴112に取り付けられ、左ポッティングLEDライト161と右ポッティングLEDライト162は画像コレクタと協力して光を供給して、水中環境の画像情報を収集しやすい。また、このように溝を掘って埋める方法は、部品がウミウナギを行き来する時に障害物に衝突して損傷することを避け、ウミウナギの完全な流体外形をある程度保つことができる。高周波データ伝送アンテナは、バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204の頭部100に近い端部で固化し、バイオニックウミウナギが浮上したときに海岸基地に信号を送るのに便利である。この超音波障害物回避装置164は超音波障害物回避の斜め穴121に取り付けられ、水中でもバイオニックウミウナギの自由な障害物回避機能を実現するのに役立ち、9軸姿勢センサーは防水密閉制御室105に取り付けられ、残りのスペースを最大限に活用して、ウミウナギの遊泳中のバランスを制御しやすい。
【0026】
本実施形態のバイオニックウミウナギはバイオニックウミウナギの各構成単体を段階的にバランスさせ、バランスされた各構成単体を一つのバランスされた総体に組み立てるという独特のバランス方法を採用している。頭部のバランス調整室はカウンターウェイトブロックを用いてバランスをして、ウミウナギの遊泳中の頭部100の偏りを避けて、頭部100のバランスを実現するために、カウンターウェイトブロックの重量が等しく、かつ配置位置が左右対称で設置される。回転部201の各駆動機構211は浮体材料で一回り回り囲んで、浮体材料はパール綿充填発泡板、PVC難燃スポンジ、スポンジ発泡難燃テープなどを選択することができ、各駆動機構211が異なる材料を採用したときにバランスがとれ、回転部201のバランスが実現される。バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204の頭部100に近い端の内部にエコフレキシブルシリコンゴムで浮体材料を固化させて、浮体材料は円板または方形に磨かれてバイオニックウミウナギの防腐浮力室を構成して、バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204の前半部分の浮力を増加させて、バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204の沈み込みを防止し頭部100の重量とバランスさせて、バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204のバランスを実現させ、浮体材料は駆動機構を211固定するために用いることもできる。
【0027】
図11~
図12に示すように、本実施形態における交互に連結する回転部201は頭部100とバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204の2つの部分を連結し、回転部201は3つの駆動機構211を含む。一つの駆動機構211は二軸広いU型フレーム227、二軸狭いU型フレーム221、メインホイール228、サブホイール225及び上下に配置する二軸ステアリングエンジン223からなる。メインホイール228の内輪は内歯車でマスター作用を果たし、サブホイール225の内輪は滑らかで歯がなくスレーブ作用を果たし、駆動機構211の内歯車が長時間運転して差動速度を形成し、駆動機構211に修復不可能な損傷と摩耗を与えることを防止する。二軸広いU型フレーム227開口と二軸狭いU型フレーム221開口とは対向配置され、二軸ステアリングエンジン223は二軸広いU型フレーム227と二軸狭いU型フレーム221で囲む領域内に配置されている。駆動機構211はマイクロコントローラからの信号を受けて、駆動機構211が異なる相対運動をして、胴体を異なるウナギ式推進動作を実現する。
【0028】
図13~
図14に示すように、本実施形態におけるバイオニックウミウナギ本体の体長は160cm、最大幅は12cmである。バイオニックウミウナギ本体の体長と体幅との比は13:1であり、頭部100から体長の4分の1の正視断面積は115.30cm
2で、頭部100から体長の4分の3の正視断面積は8.92cm
2である。ウミウナギの断面は一定の楕円比を有し、頭部に近い端から4分の1のところで順に累積して、バイオニックウミウナギの断面は大きな楕円の短軸と小さな楕円の長軸が等しく、すなわち開口が等しい二つの半楕円からなり、大きな楕円の短軸と小さな楕円の長軸の比は楕円比である。バイオニックウミウナギの断面形状の変化を示し、楕円比の大きさはバイオニックウミウナギの抵抗低減効果と流体力学的分析に重要な役割を果たしている。ウミウナギの断面の楕円比は体長が増加するにつれて大きくなり、バイオニックウミウナギの体幅は体長が増加するにつれて小さくなり、バイオニックウミウナギ本体の各所の断面は水滴型で、上が狭くて下が広く、バイオニックウミウナギ本体の側面断面は非対称紡錘形で、頭が太く尾が尖って、バイオニックウミウナギ本体の上面視断面はテーパー形で、頭が広く尾が狭いため、バイオニックウミウナギは優れた流体の形で、抵抗低減効果が良好であることがわかる。背びれ300、尻びれ400、尾びれ500はそれぞれ複数回のゾル、ゲル硬化成形を経て、バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204と一体化されている。頭部100の縁には、駆動機構211の外周に沿って厚さ0.15cmのエコフレキシブルシリコンゴムフィルム203が被覆されている。スキンデザインは内部の剛性構造を保護し、バイオニックウミウナギの抵抗低減効果の高い滑らかな流体外形を維持することができる。エコフレキシブルシリコンゴムフィルム203は、調整可能なクランプリング221とクランプ締めねじ222とを含む調整可能なクランプ202によって固定される。
【0029】
図15に示すように、本実施形態におけるバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204と背びれ300、尻びれ400、尾びれ500は適合なエコフレキシブルシリコンゴムで流し込まれ、複数回固化して薄片型にすることでバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204と一体化される。背びれ300は縦方向に次第に厚みが薄くなり、尻びれ400は縦方向に次第に厚みが薄くなり、尾びれ500は横方向に設置され、左から右に次第に厚みが薄くなる。背びれ300、尻びれ400及び尾びれ500の厚さは0.1~0.3cmで、尾びれ500と背びれ300が結合して動き、ウェイクフローを整理し、良好な抵抗低減効果を達成し、水中でのバイオニックウミウナギの推進効率を高める。横面と縦面にバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204の前半部分は厚く、後半部分の厚さは相対的に薄い。背びれ300、尻びれ400、尾びれ500内には流し込んだ細長いゴム鰭301が15個を設置しており、0度のエコフレキシブルシリコンゴムで流し込んだ鰭より大きく、薄くて柔らかい鰭を支持することができる。背びれ300、尻びれ400、尾びれ500にゴム鰭301を配置することで流動場の変動を改善し、背びれ300、尻びれ400、尾びれ500がある程度の乱流力に抵抗できるようにし、そして水流の衝撃によって、ウェイクフローをよりよく整理し、遊泳中のバランスを保つことができるから、バイオニックウミウナギを体長につれて厚さが薄くなるテーパー構造に設計することが特に重要であることがわかる。
【0030】
複数のソフト材料の性能を総合した後、本実施形態の海洋牧場環境モニタリングに使われるバイオニックウミウナギは、0度のエコフレキシブルシリコンゴムを用いてバイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204を流し込む。バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール204か作ったゴム層の厚さは0.5~3.5cmである。選択したソフト材料の温度範囲は-65℃~200℃で、長期的に使用でき、柔軟な弾性性能を維持することができるほか、SSGS環境保護無毒認証に合格し、優れた電気性能と化学的安定性を有し、耐水、耐オゾン、耐候性、腐食性がなく、生理不活性、無毒無味、線収縮率が低く、操作しやすいなどの特徴がある。
【0031】
本実施形態の頭部100は、軽いが硬いプラスチック材料で固化したもので、変形量が小さい。バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテールは0度のエコフレキシブルシリコンゴムで流し込まれ、靭性と柔軟性がよく、変形量が大きく、遊泳時にバイオニックウミウナギは波状の変形を呈することができ、構造材料上ウナギ式の遊泳を実現するための基礎を提供している。バイオニックウミウナギが前に泳ぐと、しなやかで力強い胴体200が推進力を生み出し、頑丈なバイオニックウミウナギの頭部100の中央部の隆起部分が水を割って分流する役割を果たしている。胴体200は生体ウミウナギの筋肉と駆動機構を模擬し、駆動機構211は二軸ステアリングエンジン223によって相対運動を実現し、バイオニックウミウナギはエコフレキシブルシリコンゴムによって生体ウミウナギの筋肉と神経を模擬する。
【0032】
以上、本発明の基本原理と主な特徴、および本発明の利点を示し、説明した。本発明は、上記実施形態によって限定されるものではなく、上記実施形態及び明細書に記載された説明は、本発明の原理を例示するに過ぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変形及び改善がなされること、並びにこれらの変形及び改善が保護を請求する本発明の範囲に属することは、当業者によって理解されるべきことである。本発明に請求される保護範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【符号の説明】
【0033】
100 頭部
200 胴体
300 背びれ
400 尻びれ
500 尾びれ
101 上カバー
102 下カバー
103 防水密閉電池室
104 マイクロ深水雄雌プラグ
106 防水密閉制御室105コレクタ
202 回転部201調整可能なクランプ
203 エコフレキシブルシリコンゴムフィルム
204 バイオニックフレキシブルアンダーアクチュエーションテール
111 左ポッティングLEDライト穴
112 右ポッティングLEDライト穴
113 画像収集穴
114 防水密閉室の溝
115 背部調節可能固定器
116 ステアリングエンジン貫通穴
121 超音波障害物回避の斜め穴
122 超音波深さ測定丸穴
123 両側調節可能固定器
124 頭部固定ネジ
125 ステアリングエンジンの延長線溝
131 防水密閉室固定ネジ
132 防水密閉電池室上蓋
133 防水密閉電池室パッキン
134 防水密閉電池室下蓋
135 防水密閉雌プラグ
141 防水密閉プラグ締め付けナット
142 防水パッキン雄プラグ
143 防水密閉プラグ座金
151 防水密閉制御室上蓋
152 防水密閉制御室パッキン
153 防水密閉グロメット
154 防水密閉制御室下蓋
161 左ポッティングLEDライト
162 右ポッティングLEDライト
163 防水画像コレクタ
164 超音波障害物回避装置
165 超音波深度計
166 圧力センサー
167 pHセンサー
168 溶存酸素センサー
211 駆動機構
221 二軸狭いU型フレーム
222 駆動機構長固定ネジ
223 二軸ステアリングエンジン
224 駆動機構短固定ネジ
225 サブホイール
226 フレーム固定ネジ
227 二軸広いU型フレーム
228 メインホイール
221 調整可能なクランプリング
222 クランプ締めねじ
301 ゴム鰭